説明

Gタンパク質共役受容体88の調節因子

本開示は、一般に、Gタンパク質共役受容体88を調節することができる化合物、かかる化合物を含む組成物およびGタンパク質共役受容体88の調節方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2009年10月9日に提出した米国仮特許出願第61/250,091号の利益を請求するものである。
【0002】
本開示は、一般に、Gタンパク質共役受容体88を調節することができる化合物、かかる化合物を含む組成物、およびGタンパク質共役受容体88の調節方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
GPR88は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)スーパーファミリーのオーファンメンバーである。GPR88は、GTPgS結合、カルシウム流入およびcAMP阻害アッセイを含むいくつかのアッセイでGPCR活性を示す。当該受容体は、肝臓を含む末梢組織での測定可能な発現と共に、CNSで高度な発現を示す。CNS発現は、線条体で特に強く、ドーパミンD2受容体のものと類似しており(非特許文献1)、これは、前記受容体がドーパミン作動活性を調節する際に役割を果たしうることを示唆している。これと一致して、GPR88発現を欠失する遺伝学的に改変されたマウスは、ドーパミン作動性アゴニストに対して高い反応を示し、統合失調症(プレパルス抑制実験、条件回避反応)および鬱病(強制水泳試験)に関するモデルにおいて挙動が変化した。これらの結果は、CNS疾患の治療におけるGPR88による治療可能性を示す。また、転写プロファイリング研究により、GPR88発現は、双極性障害(非特許文献2および3)、統合失調症(非特許文献4)および鬱病(非特許文献5)に関する治療または状態によって変動することが明らかにされ、これは、精神疾患に関連するCNSシグナル経路の必要な調節因子としてのGPR88についてのさらなる証拠を提供する。
【0004】
GPR88はまた、肝臓組織で発現されており、このことはGPR88シグナル経路が代謝プロセスの調節に関与している可能性を示唆する。GPR88発現を欠失する遺伝学的に改変されたマウスの最初の表現形特性(レベル1データ)は、これらの動物がグルコースに対する反応、インスリンレベルおよびトリグリセリドに対する変化を示すことを示唆する。これらの結果から、GPR88活性を調節する化合物が代謝性疾患において有用性を有しうることが示唆される。
【0005】
これらのデータに基づいて、GPR88活性を調節する化合物(アゴニスト、アンタゴニストまたは調節因子)は、精神病、統合失調症の失認、感情障害、注意欠陥多動障害、双極性障害、薬物依存、パーキンソン病、アルツハイマー病、肥満症および糖尿病の治療において治療上の有用性を有することが予測される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Mizushima et. al, Genomics 69, 314-321 (2000)
【非特許文献2】Ogden et al., Mol Psychiatry 2004 Nov;9(11):1007-29
【非特許文献3】Brandish,et al. Neuron, Vol. 45, 861-872, March 24, 2005
【非特許文献4】Matsuoka, et al. Synapse 2008 Jan;62(1):1-7
【非特許文献5】Conti et al., Mol Psychiatry. 2007 Feb;12(2):167-89
【発明の概要】
【0007】
第1の態様において、本発明は、式(I)
【化1】

(I),
[式中、
nは、0または1であり;
Aは、イミダゾリル;フェニル;ピラジニル;ピリミジニル;ピリジニル;およびチアゾリルから選択され;
1は、
【化2】

から選択されるものであって、ここで、
【化3】

は、親分子部分への結合点を表し;
2は、水素;C1−C3アルキル;C3−C6シクロアルキル;およびC3−C6シクロアルキル−C1−C3アルキルから選択され;
3は、水素;C1−C6アルキル;C1−C3アルコキシ−C1−C3アルキル;ヒドロキシ−C1−C3アルキルから選択され;
あるいは、R2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
4は、水素;C1−C3アルキル;およびヒドロキシ−C1−C3アルキルから選択され;あるいは
3およびR4は、それらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニル基を形成し、またはC3−C6シクロアルキル;テトラヒドロフリル;およびテトラヒドロピラニルから選択される環を形成し;
5は、水素およびC1−C3アルキルから選択され;あるいは
4およびR5は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
6は、水素;C1−C3アルコキシ;C1−C3アルキル;およびハロから選択され;ならびに
7は、
3−C6アルケニル;
2−C6アルケニルオキシ;
3−C6アルコキシ;
1−C3アルコキシ−C2−C3アルキニル;
1−C6アルキル;
2−C6アルキニル;
5−C6シクロアルケニル;
1または2個のC1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル;
シクロアルキルが1または2個のC1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル−C1−C3アルコキシ;
1または2個のC1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいC3−C7シクロアルキルオキシ;
ハロ;
1−C3アルキル、ハロ−C1−C3アルキルおよびフェニルから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよいヘテロサイクリル;
1または2個のハロ−C1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいヘテロサイクリルオキシ;
フェノキシ−C1−C3アルコキシ;
1−C3アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C3アルキル、C1−C3アルコキシカルボニル、C1−C3アルコキシカルボニル−C1−C3アルキル、C1−C6アルキル、C1−C3アルキルスルファニル、C2−C6アルキニル、シアノ−C1−C3アルキル、ハロ、ハロ−C1−C3アルコキシ、−NH2、ならびにC1−C3アルコキシ−C1−C3アルキルおよびハロから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよいフェノキシから独立して選択される1、2または3個の置換基で適宜置換されていてもよいフェニル;ただし、フェニルが置換される場合、最初の置換基は、フェニル環上のパラ位であるものとし;
フェニルが、C1−C3アルコキシ−C1−C3アルキルおよびハロから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよいフェニル−C1−C3アルコキシ;ならびに
X−C(O)−NH−;(式中、Xは、C1−C3アルコキシ;C1−C6アルキル;C3−C10シクロアルキル;およびC1−C6アルキルで適宜置換されていてもよいヘテロサイクリルから選択される);
8は、水素;C1−C3アルキル;およびハロから選択され;ならびに
9は、水素;C1−C3アルキル;およびハロから選択される]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0008】
第1の態様の第1の実施態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供するものであって、式中、Bはフェニルである。
【0009】
第1の態様の第2の実施態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供するものであって、式中、Bはピリジニルである。
【0010】
第1の態様の第3の実施態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供するものであって、式中、Bは、イミダゾリル;ピラジニル;ピリミジニル;およびチアゾリルから選択されるものである。
【0011】
第2の態様において、本発明は、式(II)
【化4】

(II),
[式中、
Aは、ピラジニルおよびピリジニルから選択され;
1は、
【化5】

(式中、
【化6】

」は、親分子部分への結合点を表す)
から選択されるものであって、;
3は、C4アルキルおよびC1アルコキシ−C2アルキルから選択され;
4は、水素であり;あるいは
3およびR4は、それらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニル基を形成し、またはC5シクロアルキルおよびテトラヒドロピラニルから選択される環を形成し;
6は、水素およびハロから選択され;ならびに
7は、
5アルキニル;
3シクロアルキル;
4シクロアルキル−C1アルコキシ;および
3アルコキシ、C1アルコキシ−C1アルキル、C3アルキルおよびC2アルキニルから選択される1個の置換基で適宜置換されていてもよいフェニル、ただし、フェニルが置換される場合、その置換基はフェニル環上のパラ位であるとする、
から選択される]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0012】
第3の態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0013】
第4の態様において、本発明は、治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を哺乳類に投与することを特徴とする、哺乳類における神経疾患または代謝性疾患から選択される疾患の治療方法を提供する。
【0014】
第4の態様の第1の実施態様において、哺乳類はヒトである。
【0015】
第4の態様の第2の実施態様において、疾患は、精神病、統合失調症の失認、感情障害、注意欠陥多動障害、薬物依存、パーキンソン病およびアルツハイマー病から選択される神経疾患である。
【0016】
第4の態様の第3の実施態様において、疾患は、肥満症および糖尿病から選択される代謝性疾患である。
【0017】
第5の態様において、本発明は、治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を哺乳類に投与することを特徴とする、哺乳類におけるGタンパク質共役受容体88の調節方法を提供する。
【0018】
第5の態様の第1の実施態様において、哺乳類はヒトである。
【0019】
第5の態様の第2の実施態様において、Gタンパク質共役受容体88は、神経疾患または代謝性疾患を治療するために調節される。
【0020】
第5の態様の第3の実施態様において、Gタンパク質共役受容体88は、神経疾患を治療するために調節されるものであって、前記神経疾患は、精神病、統合失調症の失認、感情障害、注意欠陥多動障害、双極性障害、薬物依存、パーキンソン病およびアルツハイマー病から選択されるものである。
【0021】
第5の態様の第4の実施態様において、Gタンパク質共役受容体88は、代謝性疾患を治療するために調節されるものであって、前記代謝性疾患は、肥満症および糖尿病から選択されるものである。
【0022】
本発明の他の態様は、本明細書に記載の態様および/または態様の2つまたはそれ以上の適当な組み合わせを含みうる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のさらに他の実施態様および態様は、下記に提供される記載から明らかである。
【0024】
本明細書の本発明の記載は、化学結合の法則および原理に従って解釈されるべきである。ある例において、所定の位置に置換基を導入するために水素原子を除くことが必要となることもある。
【0025】
本発明に包含される化合物は、医薬品としての使用に適切に安定であるものと理解されるべきである。
【0026】
本明細書で引用される全ての特許公報、特許出願公報および参考文献は、出典明示によりその全体が本明細書に取り込まれる。矛盾が生じる場合、定義を含む本開示が優先される。
【0027】
本明細書で用いられるように、下記の用語は、示されている意味を有する。
【0028】
本明細書で用いられるように、単数形「a」、「an」および「the」には、特に断りがない限り、複数の対象が含まれる。
【0029】
ある例において、ある特定の基中の炭素原子数は、その基の表記の前に表される。例えば、用語「C2-6アルケニル」は、2から6個の炭素原子を含有するアルケニル基を表す。これらの表記が存在する場合、それらは、本明細書に含まれる全ての他の定義に優先する。
【0030】
本明細書で用いられるように、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を含有する2から6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の基を意味する。
【0031】
本明細書で用いられるように、用語「アルケニルオキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したアルケニル基を意味する。
【0032】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合しているアルキル基を意味する。
【0033】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシアルキル」は、1、2または3個のアルコキシ基で置換されたアルキル基を意味する。
【0034】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシアルキニル」は、1、2または3個のアルコキシ基で置換されたアルキニル基を意味する。
【0035】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基を介して親分子部分に結合したアルコキシ基を意味する。
【0036】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシカルボニルアルキル」は、1、2または3個のアルコキシカルボニル基で置換されたアルキル基を意味する。
【0037】
本明細書で用いられるように、用語「アルキル」は、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素から派生した基を意味する。
【0038】
本明細書で用いられるように、用語「アルキルスルファニル」は、硫黄原子を介して親分子部分に結合したアルキル基を意味する。
【0039】
本明細書で用いられるように、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を含有する2から6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖の基を意味する。
【0040】
本明細書で用いられるように、用語「カルボニル」は、−C(O)−を意味する。
【0041】
本明細書で用いられるように、用語「シアノ」は、−CNを意味する。
【0042】
本明細書で用いられるように、用語「シアノアルキル」は、1、2または3個のシアノ基で置換されたアルキル基を意味する。
【0043】
本明細書で用いられるように、用語「シクロアルケニル」は、5から7個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和な単環式炭化水素環基を意味する。シクロアルケニル基の代表的な例には、以下に限定されないが、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプテニルが含まれる。
【0044】
本明細書で用いられるように、用語「シクロアルキル」は、3から7個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する飽和単環式炭化水素環基を意味する。シクロアルキル基の代表的な例としては、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。
【0045】
本明細書で用いられるように、用語「(シクロアルキル)アルコキシ」は、アルコキシ基を介して親分子部分に結合したシクロアルキル基を意味する。
【0046】
本明細書で用いられるように、用語「シクロアルキルオキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したシクロアルキル基を意味する。
【0047】
本明細書で用いられるように、用語「(シクロアルキル)アルキル」は、1、2または3個のシクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味する。
【0048】
本明細書で用いられるように、用語「ハロ」および「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0049】
本明細書で用いられるように、用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したハロアルキル基を意味する。
【0050】
本明細書で用いられるように、用語「ハロアルキル」は、1、2、3または4個のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
【0051】
本明細書で用いられるように、用語「ヘテロサイクリル」は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する4、5、6または7員環を意味する。4員環は、0個の二重結合を有し、5員環は、0から2個の二重結合を有し、ならびに6および7員環は、0から3個の二重結合を有する。用語「ヘテロサイクリル」には、ヘテロサイクリル環が、別の単環式ヘテロサイクリル基または4から6員芳香族もしくは非芳香族炭素環;ならびに架橋二環式基、例えば7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル、2−アザビシクロ[2.2.2]オク−2−チルおよび2−アザビシクロ[2.2.2]オク−3−チルなどに縮合されている二環式基も含まれる。本発明のヘテロサイクリル基は、基中のいずれかの炭素原子または窒素原子を介して親分子部分に結合されうる。ヘテロサイクリル基の例には、以下に限定されないが、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル、2−アザビシクロ[2.2.2]オク−2−チルおよび2−アザビシクロ[2.2.2]オク−3−チルが含まれる。
【0052】
本明細書で用いられるように、用語「ヘテロサイクリルオキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したヘテロサイクリル基を意味する。
【0053】
本明細書で用いられるように、用語「ヒドロキシ」は、−OHを意味する。
【0054】
本明細書で用いられるように、用語「ヒドロキシアルキル」は、1、2または3個のヒドロキシ基で置換されたアルキル基を意味する。
【0055】
本明細書で用いられるように、用語「フェノキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したフェニル基を意味する。
【0056】
本明細書で用いられるように、用語「フェニルアルコキシ」は、アルコキシ基を介して親分子部分に結合したフェニル基を意味する。
【0057】
不斉中心は、本発明の化合物中に存在する。これらの中心は、キラル炭素原子の周囲の置換基の立体配置に応じて、記号「R」または「S]によって表記される。本発明には、Gタンパク質共役受容体88を調節する能力を有する全ての立体化学異性体型またはその混合物が含まれると認識されるべきである。化合物の各立体異性体は、キラル中心を含有する市販品として入手可能な出発物質から合成するか、あるいはエナンチオマー生成物の混合物の製造、続いてジアステレオマー混合物への変換、次いで分離または再結晶などの分離、クロマトグラフィー技術、またはキラルクロマトグラフィーカラム上のエナンチオマーの直接的な分離によって製造することができる。特定の立体化学の出発化合物は、市販品として入手可能であるか、あるいは当該技術分野で公知の技術によって製造され、分割されうるかのいずれかである。
【0058】
本発明の特定の化合物はまた、分離可能でありうる異なる安定な立体配座型で存在しうる。非対称単結合に関する回転の制限による、例えば、立体障害または環のひずみ(ring strain)によるねじり非対称は、異なる配座異性体の分離を可能にしうる。本発明には、これらの化合物の各構造異性体およびその混合物が含まれる。
【0059】
用語「本発明の化合物」およびこれと同等の表現は、式(I)の化合物、ならびにその医薬的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマーおよび塩を包含するものとされる。同様に、中間体に関しても、文中で可能ならばそれらの塩を包含するものとされる。
【0060】
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩として存在しうる。用語「医薬的に許容される塩」は、本明細書で用いられるように、水もしくは油可溶性または分散性である本発明の化合物の塩または双性型を表し、妥当な医学的判断の範囲内において、合理的な利益/リスクの均整がとれ、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応、またはその他の問題もしくは合併症を伴うことなく患者の組織と接触して用いるのに適しており、それらの意図する用途に対して有効である。この塩は、本化合物の最終的な単離および精製時に、あるいは適当な窒素原子を適当な酸と反応させることによって別々に製造することができる。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンホレート(camphorate)、カンフォースルホン酸塩(camphorsulfonate);ジグルコン酸塩、二臭化水素酸塩、二塩酸塩、二ヨウ化水素酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロプリオネート(proprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラトルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。医薬的に許容される付加塩を生成するために用いることができる酸の例には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸、ならびに有機酸、例えば、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸が含まれる。
【0061】
塩基付加(Basic addition)塩は、そのカルボキシ基を、適当な塩基、例えば、金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩と、あるいはアンモニアまたは有機第一級、第二級もしくは第三級アミンと反応させることによって、その化合物の最終的な単離および精製時に製造することができる。医薬的に許容される塩のカチオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム、ならびに非毒性第四級アミンカチオン、例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミンおよびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンが含まれる。塩基付加塩の生成に有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジンおよびピペラジンが含まれる。
【0062】
治療上の用途において、治療上有効量の式(I)の化合物ならびにその医薬的に許容される塩がそのまま化学物質として投与されうることが可能である場合、その活性成分を医薬組成物として供することが可能である。よって、本発明は、さらに、治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩および1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本明細書で用いられるように、用語「治療上有効量」は、有効な患者の利益を示すために十分な各活性成分の総量を意味する。各活性成分が単独で投与される場合、この用語は、その成分単独のものを意味する。組み合わせて投与される場合、この用語は、組み合わせて、連続して、または同時にのいずれかで投与されて治療効果を生じる活性成分の合計量を意味する。式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩は、上記のとおりである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤のその他の成分と適合可能であり、その受容者に対して有毒でないことが許容されなければならない。本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合させることを特徴とする医薬製剤の製造方法もまた提供される。本明細書で用いられるように、用語「医薬的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内において、合理的な利益/リスクの均整がとれ、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応、またはその他の問題もしくは合併症を伴うことなく患者の組織と接触して用いるのに適しており、それらの目的の用途に有効であるこれらの化合物、物質、組成物および/または製剤を意味する。
【0063】
医薬製剤は、単位用量あたりの所定量の活性成分を含有する単位製剤で提示されうる。本発明の化合物の1日につき1キログラム体重あたり約0.01および約250ミリグラム(「mg/kg」)の間、好ましくは、1日につき約0.05および約100mg/kg体重の間の用量レベルは、疾患の予防および治療のための単剤治療時に典型的である。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日あたり約1から約5回で、あるいは連続吸入として投与される。かかる投与は、慢性期または急性期の治療として用いることができる。担体物質と組み合わせて単一製剤を製造しうる活性成分の量は、治療される病状、病状の重症度、投与時期、投与経路、用いられる化合物の排出速度、治療期間、患者の年齢、性別、体重および状態に応じて変動する。好ましい単位製剤は、活性成分を、本明細書の上記に記載されるような1日の用量または分割用量、あるいはその適当な分割用量で含有するものである。治療は、本化合物の最適な用量より実質的に少ない用量から開始されうる。その後、用量は、この状況下で最適な効果が達成されるまで少しずつ増加される。一般に、化合物は、最も望ましくは、有毒もしくは有害な副作用を全く生じることなく有益な効果を一般にもたらす濃度レベルで投与される。
【0064】
本発明の組成物が本発明の化合物および1つまたはそれ以上のさらなる治療剤もしくは予防剤を含む場合、本化合物およびさらなる薬剤は、通常、単剤投薬計画で通常投与される用量の約10から150%の間、より好ましくは、約10および80%の間の用量レベルで存在する。
【0065】
医薬製剤は、いずれかの適当な経路、例えば、経口(バッカルまたは舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(バッカル、舌下または経皮)、膣または非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内、静脈内または皮内注射もしくは注入を含む)経路による投与で適用されうる。かかる製剤は、薬学の技術分野で公知の方法によって、例えば、活性成分を担体もしくは賦形剤と混合させること(bringing into association)によって製造されうる。経口投与または注射による投与が好ましい。
【0066】
経口投与に用いられる医薬製剤は、カプセル剤または錠剤;散剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;食用フォームまたはホイップ;あるいは水中油型液体乳濁液もしくは油中水型乳濁液などの別々の単位として提示されうる。
【0067】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与においては、活性薬物成分は、経口で非毒性の医薬的に許容される不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと併用することができる。散剤は、本化合物を適当な細かいサイズに粉砕し、同様に粉砕した医薬担体、例えば、デンプンまたはマンニトールのような食用の炭水化物などと混合することによって製造される。芳香剤、保存剤、分散剤および着色剤もまた存在しうる。
【0068】
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を調製し、成形ゼラチンシース(gelatin sheath)に充填することによって製造される。流動促進剤および滑沢剤、例えば、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコールが、充填工程前に粉末混合物に添加されうる。崩壊剤または可溶化剤、例えば、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムはまた、カプセルが摂取された時の薬剤の有効性を向上させるために添加されうる。
【0069】
さらに、所望もしくは必要とされる場合、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤もまた、混合物に取り込まれうる。適当な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータ乳糖などの天然糖、コーンシロップ、アカシア、トラガントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが含まれる。これらの製剤で用いられる滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、以下に限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒化もしくはスラッグし、滑沢剤および崩壊剤を添加し、そして錠剤に圧縮することによって製剤化される。粉末混合物は、適当に粉砕した本化合物を、上記に記載されるような希釈剤または塩基、適宜、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート(aliginate)、ゼラチン(gelatining)またはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(パラフィンなど)、吸収促進剤(第四級塩など)および/または吸収剤(ベントナイト、カオリンまたはリン酸水素カルシウムなど)と混合することによって調製される。粉末混合物は、結合剤(シロップ、デンプン糊、アカシア粘液(acadia mucilage)またはセルロース性物質もしくはポリマー性物質の溶液)で湿らせ、ふるいに押し通すことによって造粒化されうる。造粒化の代わりとして、粉末混合物は、該粉末混合物を打錠機に通して処理し、結果物は、不完全に成型されたスラグで、顆粒に粉砕することができる。顆粒物は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることによって、錠剤形成臼にくっつくことを防ぐために滑沢化されうる。次いで、滑沢化された混合物は、錠剤に圧縮される。本発明の化合物はまた、自由流動性不活性担体と組み合わされ、造粒化またはスラッグ化工程を経ることなく直接的に錠剤に圧縮することもできる。シェラックのシールコーティング、糖またはポリマー性物質のコーティングおよびワックスの研磨コーティングからなる透明または不透明な保護コーティングが施されうる。染料は、異なる単位製剤を区別するためにこれらのコーティングに加えらうる。
【0070】
経口流体、例えば、溶液、シロップ剤、エリキシル剤は、定められた量に所定量の化合物が含まれ得るように用量単位形態で調製されうる。シロップ剤は、化合物を適当に風味付けされた水溶液中に溶解させることによって調製することができ、エリキシル剤は、毒性のないビヒクルを使用することによって調製される。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルのような可溶化剤および乳濁剤、保存剤、ペパーミント油または天然甘味料のような風味添加剤、またはサッカリンもしくはその他の人工甘味料などもまた添加することができる。
【0071】
可能ならば、経口投与用製剤は、マイクロカプセル化することができる。前記製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスなどの中で粒子状物質をコーティングまたは組み込むことによって、放出を延長もしくは持続させるように調製することができる。
【0072】
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩はまた、小型の単層ビシクル、大型の単層ビシクル、および多重層ビシクルのようなリポソーム送達系の形態で投与することができる。リポソームは、様々なリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成されうる。
【0073】
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩はまた、モノクローナル抗体を化合物分子がカップリングされる各担体として使用して送達されうる。化合物はまた、標的を設定可能な薬物担体として可溶性ポリマーとカップリングされ得る。かかるポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidephenol)、またはパルミトイル残基(palitoyl residue)で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンが含まれる。さらに、化合物は、薬物の放出制御を達成するのに有用な生物分解性ポリマーの一クラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン(polepsilon caprolactone)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーにカップリングされうる。
【0074】
経皮投与に用いられる医薬製剤は、レシピエントの上皮に長期間密接に接触させ続けるために別々のパッチとして提示されうる。例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research, 1986, 3(6), 318で一般的に記載されるように、イオン導入によりパッチから送達され得る。
【0075】
局所投与に用いられる医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁液、ローション剤、散剤、液剤、ペースト、ゲル、スプレー剤、エアロゾルまたは油として製剤化され得る。
【0076】
直腸投与に用いられる医薬製剤は、座薬または浣腸として提示され得る。
【0077】
担体が固体である経鼻投与に用いられる医薬製剤には、嗅ぎ薬の様式で、すなわち、鼻近くに固定した粉末の容器から鼻腔を通した急速な吸入で投与される、例えば、20から500ミクロンの範囲の粒径を有する粗末が含まれる。経鼻スプレーまたは点鼻薬としての投与のための、担体が液体である適当な製剤には、活性成分の水性または油性液剤が含まれる。
【0078】
吸入による投与に用いられる医薬製剤には、微粒子ダストもしくはミストが含まれ、これらは、様々なタイプの定量加圧型エアロゾル、ネブライザーまたは吸入器によって作り出されうる。
【0079】
膣投与に用いられる医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡またはスプレー製剤として提示されうる。
【0080】
非経口投与に用いられる医薬製剤には、水性および非水性滅菌注射溶液(抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、および製剤を対象のレシピエントの血液と等張にする溶質が含まれうる);ならびに水性および非水性滅菌懸濁液(懸濁化剤および増粘剤が含まれうる)が含まれる。製剤は、単位用量または複数回投与量容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル中で提示されてもよく、滅菌液体担体、例えば、注射用水を使用直前で添加することのみを必要とする凍結乾燥条件で保存されてもよい。即時注射溶液および懸濁液はまた、滅菌された散剤、顆粒剤および錠剤から調製されうる。
【0081】
特に上記の成分に加えて、製剤には、当該製剤のタイプを考慮した当該技術分野で慣用的なその他の薬剤が含まれてもよく、例えば、経口投与に適当な製剤には、香味剤が含まれてもよいことが理解されるべきである。
【0082】
用語「患者」には、ヒトおよびその他の哺乳類の両方が含まれる。
【0083】
用語「治療する」は、:(i)疾患、障害または状態が、当該疾患、障害および/または状態にかかりやすいが、まだそれにかかっていると診断されていない患者で生じることを予防し;(ii)疾患、障害または状態を抑え、すなわち、その進行を停止させ;ならびに(iii)疾患、障害または状態を軽減し、すなわち、疾患、障害および/または状態の退縮を生じることを意味する。
【0084】
本発明は、合成プロセスによって、あるいはヒトまたは動物の体内(インビボ)で生じるプロセスを含む代謝プロセスまたはインビトロで生じるプロセスによって調製される式(I)の化合物が包含されるものとされる。
【0085】
特に下記の例示的なスキームおよび実施例に含まれる本出願で用いられる略語は、当業者に周知である。用いられる略語のいくつかは下記のとおりである:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートに対してHATU;ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェートに対してBOP;1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩に対してEDCまたはEDCI;O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレートに対してTBTU;tert−ブトキシカルボニルに対してBOCまたはBoc;アリールに対してAr;エチルに対してEt;tert−ブチルに対してtBu;フェニルに対してPh;メチルに対してMe;ジメチルスルホキシドに対してDMSO;時間に対してhまたはhrまたはhrs;N,N−ジメチルホルムアミドに対してDMF;分に対してminまたはmins;ジクロロメタンに対してDCM;トリエチルアミンに対してTEAまたはEt3N;酢酸エチルに対してEtOAc;ヘキサンに対してHexまたはhex;アセトニトリルに対してMeCN;トリフルオロ酢酸に対してTFA;保持時間または室温に対してRTまたはrtまたはr.t.;tert−ブチルジメチルシリルに対してTBS;テトラブチルアンモニウム フルオリドに対してTBAF;ジイソプロピルエチルアミンに対してDIEA;ジエチルエーテルに対してEt2O;ピリジン 2−スルホネートに対してPy.SO3;1,2−ジクロロエタンに対してDCE;ならびにCD3ODに対してMeOD。
【実施例】
【0086】
本開示は、その範囲を限定することが意図されていない特定の実施態様について記載されている。一方で、本開示は、特許請求の範囲の範囲内に含まれうる全ての代替、改変および均等物を網羅する。よって、下記の実施例は、具体的な実施形態を含み、本開示の1つの実施を例示し、実施例がある態様の例示のためであって、最も有用で、その手順および概念的な態様を容易に理解される記載と考えられるものを提供するために示されていると認識される。
【0087】
本発明の化合物は、この項目に記載される反応および技術、ならびに当業者に公知であるその他の合成方法を用いて製造されうる。これらの反応は、用いられる試薬および物質に適当であり、もたらされる変換に適切な溶媒中で行われる。また、下記に記載の合成方法の説明において、溶媒、反応温度、実験時間およびワークアップ手順の選択を含む全ての推奨される反応条件は、当業者によって容易に認識される反応の標準的な条件であるように選択されるものと考えられる。分子の様々な部分に存在する官能基が推奨される試薬および反応に適合すべきことは、有機合成の当業者によって理解される。かかる反応条件に適合する置換基の制限は、当業者によって容易に理解され、代替する方法も用いられるべきである。
【0088】
式8の化合物は、スキーム1に概略が示される方法によって調製される。式1の化合物のヒドロキシル基が三酸化硫黄ピリジン錯体のような適当な酸化剤で酸化されて、アルデヒド化合物2を生じる。化合物2を4−ブロモアニリン3で還元的アミノ化して中間体化合物4を得る。次いで、中間体化合物4は、その対応するアシル塩化物によって、あるいはN,N−ジイソプロピルエチルアミンのような塩基および溶媒の存在下で標準的なペプチドカップリング試薬、例えば、HATU、BOP、EDC、TBTUを用いて、化合物5などのカルボン酸化合物とカップリングされて化合物6を生じる。化合物6を、適当なカップリング試薬を用いてスズキカップリングまたはその他の触媒クロスカップリングを行って化合物7を得る。カルバミン酸t−ブチルの保護基を酸性条件下で除去することによって式8の化合物を得る。
スキーム1
【化7】

【0089】
市販品として入手できない式1の化合物は、スキーム2に示されるような対応する酸化合物を還元することによって調製される。
スキーム2
【化8】

【0090】
市販品として入手できないアリールシクロプロパンカルボン酸化合物5は、スキーム3に従って調製される。アリールアルケン化合物10は、触媒条件下でt−ブチルジアゾアセテート化合物11と反応してアリールシクロプロパンカルボン酸t−ブチルエステル化合物12を生じる。あるいは、化合物10のエポキシ化によりエポキシド化合物13を得る。化合物13をt−ブチルジエチルホスホノアセテート化合物14でシクロプロパン化して、アリールシクロプロパンカルボン酸t−ブチルエステル化合物12を供する。前記t−ブチルを酸性条件下で除去して、アリールシクロプロパンカルボン酸化合物5を得る。
スキーム3
【化9】

【0091】
アリールシクロプロパンカルボン酸t−ブチルエステル化合物12はまた、スキーム4に概略が示されるように、アリールアルデヒド化合物15からも調製される。アリールアルデヒド化合物15をt−ブチルトリフェニルホスフィノアセテート16と反応させて化合物17を得る。化合物17をシクロプロパン化して、アリールシクロプロパンカルボン酸t−ブチルエステル化合物12を得る。
スキーム4
【化10】

【0092】
式25の化合物は、スキーム5に概略が示される方法によって調製される。4−アミノフェノール18のフェノール基をシリルエーテルとして保護して化合物19を得る。化合物19を化合物2などのアルデヒド化合物を用いて還元的にアミノ化して中間体化合物21を得る。次いで、中間体化合物21は、その対応するアシル塩化物によって、またはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基および溶媒の存在下でHATU、BOP、EDC、TBTUなどの標準的なペプチドカップリング試薬を用いて、化合物5などのカルボン酸化合物とカップリングされて、化合物22を生じる。化合物22のフェノール保護基を除去して、フェノール化合物23を得る。化合物23を塩基性条件下で適当なアルキル化剤でアルキル化して式24の化合物を得る。t−ブチルカルバメート保護基を酸性条件下で除去して式25の化合物を得る。
スキーム5
【化11】

【0093】
式30の化合物は、スキーム6に概略が示される方法によって調製される。化合物26を化合物2などのアルデヒド化合物で還元的にアミノ化して、中間体化合物27を得る。続いて、中間体化合物27は、その対応するアシル塩化物によって、あるいはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基および溶媒の存在下でHATU、BOP、EDC、TBTUなどの標準的なペプチドカップリング試薬を用いて、化合物5などのカルボン酸化合物とカップリングされて化合物28を生じる。化合物28を、適当なカップリング試薬を用いてスズキカップリングさせて、または別の触媒クロスカップリングさせて、化合物29を得る。t−ブチルカルバメート保護基を酸性条件下で除去して式30の化合物を得る。
スキーム6
【化12】

【0094】
スキーム1〜6を用いて合成した様々な類似体は表1に列挙され、またはその構造は下記の表に示される。
表1
【化13】


【表1】



【0095】
実施例
下記の実施例において、全ての温度は摂氏温度で示す。融点は、Meltemp 3.0 Laboratory Device,Inc.キャピラリー融点装置(capillary melting point apparatus)で記録し、修正していない。陽子磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、Bruker Avance 300、Bruker Avance 400またはBruker Avance 500分光計で記録した。全てのスペクトルは、示される溶媒中で調べ、化学シフトは、内部標準テトラメチルシラン(TMS)から低磁場のδ単位で報告し、プロトン間の結合定数をヘルツ(Hz)で報告する。多重度パターンは以下のとおりである:s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項;m,多重項;br,広域ピーク;dd,二重項の二重項;br d,広域ニ重項;dt,三重項の二重項;br s,広域一重項;dq,四重項の二重項。赤外線(IR)スペクトルは、臭化カリウム(KBr)または塩化ナトリウムフィルムを用いて、Jasco FT/IR−410またはPerkin Elmer 2000 FT−IR分光計の4000cm-1から400cm-1で調べ、ポリスチレンフィルムの1601cm-1吸収に較正し、逆数センチメーター(cm-1)で報告した。旋光度[α]Dは、示される溶媒中でRudolph Scientific Autopol IV偏光計で測定し;濃度はmg/mLで示される。低分解能質量スペクトル(MS)および見掛けの分子(MH+)または(M−H)+は、Finnegan SSQ7000で決定した。高分解能質量スペクトルは、Finnegan MAT900で決定した。液体クロマトグラフィー(LC)/質量スペクトルは、Waters Micromass ZQに接続した島津LCにかけた。
【0096】
実施例1
(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化14】

パートA.(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸
2−ビニルピリジン(0.29mL,2.7mmol)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィンコバルト(II)(36mg,0.054mmol)、tert−ブチルジアゾアセテート(0.45mL,3.2mmol)およびトルエン(12mL)を、密封した管の中で80℃で2時間加熱した。濃い紫色の反応混合物を室温に冷まし、次いで濃縮した。残渣を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中で10% 酢酸エチル)によって精製して、清澄な無色の油状物を得て、ジクロロメタン(20mL)中に溶解させ、ジオキサン(5mL)中の4N HClで処理した。生じた反応物を室温に終夜保ち、次いで濃縮して、480mg(89%)の固形物を得て、キラルクロマトグラフィー(ヘキサン中で16%のエタノールを5mL/分で溶出するChiralPak AD−H 20x250mm)で精製して、(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸を黄褐色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, C6D6) δ 8.38 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 6.99 (td, J=7.7, 1.8 Hz, 1 H), 6.78 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.60 (ddd, J=7.5, 4.9, 1.0 Hz, 1 H), 2.74 (dddd, J=16.5, 8.8, 5.6, 3.8 Hz, 2 H), 1.83 (ddd, J=8.7, 5.7, 3.3 Hz, 1 H), 1.76 (ddd, J=8.7, 5.5, 3.3 Hz, 1 H), 1.49 (s, 9 H); LRMS (ESI) m/e 164.1 [(M + H)+, C9H10NO2についての計算値 164.1].
【0097】
パートB.[(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−((S)−sec−ブチル)−4−オキソ−4−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロピル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸(400mg,2.0mmol)およびジクロロメタン(20mL)の溶液を、シュウ酸クロリド(0.35mL,4.0mmol)およびDMF(50μL)で処理した。生じた反応混合物を35℃に2時間保ち、次いで室温に冷まし、乾燥するまで濃縮した。残渣を、ジクロロメタン(20mL)中に溶解させ、{(1S,2S)−1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−2−メチルブチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.74g,2.0mmol)およびトリエチルアミン(1.1mL,8.0mmol)で処理し、得られた反応混合物を室温に終夜保った。生じた懸濁液を、酢酸エチル(100mL)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)の間で分液処理した。前記層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、残渣を得て、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中で25% 酢酸エチル)で精製して、[(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−((S)−sec−ブチル)−4−オキソ−4−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロピル)−ブチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(720mg,収率70%)を清澄な無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.32 (d, J=4.3 Hz, 1 H), 7.54 (td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 7.48 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.20 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.15 (d, J=7.8 Hz, 2 H), 7.04 (dd, J=6.9, 5.2 Hz, 1 H), 4.97 (d, J=9.3 Hz, 1 H), 4.37 (dd, J=13.4, 12.1 Hz, 1 H), 3.67 - 3.80 (m, 1 H), 3.14 (dd, J=13.9, 3.8 Hz, 1 H), 2.69 (ddd, J=9.0, 5.6, 4.0 Hz, 1 H), 1.87 - 1.96 (m, 1 H), 1.55 - 1.65 (m, 1 H), 1.47 (s, 11 H), 1.06 - 1.16 (m, 1 H), 0.83 - 0.93 (m, 6 H); LRMS (ESI) m/e 516.0 [(M + H)+, C26H35BrN3O3についての計算値 516.2].
【0098】
パートC.((1S,2S)−1−{[(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−3−(4−ブロモフェニル)−1−((S)−sec−ブチル)−4−オキソ−4−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロピル)−ブチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(32mg,0.062mmol)、4−メトキシメチルフェニルボロン酸(15mg,0.093mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(5mg,0.0062mmol)、リン酸カリウム(40mg,0.19mmol)、ジメトキシエタン(1.5mL)および水(0.5mL)の混合物を、密封した管の中でマイクロ波照射により160℃で5分間加熱した。生じた混合物を1N 水酸化ナトリウム水溶液(10mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した(3x10mL)。有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得、分取HPLC(中性移動相)により精製して、((1S,2S)−1−{[(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(25mg,収率72%)を無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.27 - 8.32 (m, 1 H), 7.50 - 7.60 (m, 5 H), 7.43 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.31 (d, J=7.8 Hz, 2 H), 7.22 (d, J=7.1 Hz, 1 H), 6.97 - 7.08 (m, 1 H), 5.04 - 5.13 (m, 1 H), 4.53 (s, 2 H), 4.37 - 4.49 (m, 1 H), 3.75 - 3.86 (m, 1 H), 3.45 (s, 3 H), 3.15 - 3.26 (m, 1 H), 2.67 - 2.78 (m, 1 H), 1.98 - 2.06 (m, 1 H), 1.61 (br. s., 2 H), 1.51 - 1.56 (m, 1 H), 1.49 (s, 7 H), 1.45 (br. s., 1 H), 1.06 - 1.18 (m, 1 H), 0.84 - 0.94 (m, 7 H); LRMS (ESI) m/e 558.3 [(M + H)+, C34H44N3O4についての計算値 558.3]
【0099】
パートD.(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
((1S,2S)−1−{[(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(25mg,0.045mmol)およびジクロロメタン(4mL)の溶液を、ジオキサン中のHCl溶液(4N,0.5mL)で処理し、得られた反応混合液を室温に12時間保った。次いで、当該反応液を乾燥するまで濃縮して、(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド(18mg,収率95%)を白色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.49 (d, J=5.8 Hz, 1 H), 8.23 (t, J=7.8 Hz, 1 H), 7.61 - 7.71 (m, 3 H), 7.44 - 7.54 (m, 5 H), 7.34 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 4.40 (s, 2 H), 4.22 (dd, J=14.9, 9.1 Hz, 1 H), 3.70 (dd, J=14.9, 2.5 Hz, 1 H), 3.62 - 3.66 (m, 1 H), 3.54 - 3.59 (m, 1 H), 3.46 - 3.50 (m, 1 H), 3.31 (s, 3 H), 2.83 - 2.90 (m, 1 H), 2.07 - 2.13 (m, 1 H), 1.84 - 1.92 (m, 1 H), 1.64 - 1.74 (m, 1 H), 1.60 (dt, J=8.7, 5.5 Hz, 1 H), 1.24 - 1.36 (m, 1 H), 1.06 - 1.22 (m, 1 H), 0.88 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 0.76 (t, J=7.3 Hz, 3 H); LRMS (ESI) m/e 458.1 [(M + H)+, C29H36N3O2についての計算値 458.3].
【0100】
実施例2
(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸 ((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化15】

パートA.((1S,2S)−1−{[(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
[(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−((S)−sec−ブチル)−4−オキソ−4−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロピル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(68mg,0.13mmol)、4−イソプロポキシフェニルボロン酸(36mg,0.20mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(10mg,0.013mmol)、リン酸カリウム(83mg,0.39mmol)、ジメトキシエタン(1.5mL)および水(0.5mL)の混合物を、密封した管の中でマイクロ波照射により160℃で5分間加熱した。生じた混合物を、1N 水酸化ナトリウム水溶液(15mL)中に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した(3x15mL)。有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得て、分取HPLC(中性移動相)で精製して、((1S,2S)−1−{[(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(48mg,収率65%)を無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 7.44 - 7.58 (m, 5 H), 7.24 - 7.31 (m, 2 H), 7.21 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.00 - 7.06 (m, 1 H), 6.97 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 5.10 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 4.61 (td, J=12.1, 6.1 Hz, 1 H), 4.43 (t, J=12.8 Hz, 1 H), 3.74 - 3.86 (m, 1 H), 3.20 (dd, J=13.8, 3.7 Hz, 1 H), 2.67 - 2.79 (m, 1 H), 1.99 - 2.07 (m, 2 H), 1.58 - 1.68 (m, 2 H), 1.49 (s, 9 H), 1.39 (d, J=6.1 Hz, 6 H), 1.04 - 1.19 (m, 1 H), 0.91 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 0.87 (t, J=7.3 Hz, 3 H); LRMS (ESI) m/e 572.3 [(M + H)+, C35H46N3O4についての計算値 572.3].
【0101】
パートB.(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド
((1S,2S)−1−{[(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(48mg,0.084mmol)およびジクロロメタン(4mL)の溶液を、ジオキサン中のHCl溶液(4N,0.5mL)で処理し、得られた反応混合液を室温に12時間保った。続いて、反応液を乾燥するまで濃縮して、(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド(38mg,収率95%)を白色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.34 (d, J=5.3 Hz, 1 H), 7.95 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 7.55 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.38 - 7.45 (m, 3 H), 7.29 - 7.37 (m, 3 H), 6.88 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 4.54 (dt, J=12.1, 6.1 Hz, 1 H), 4.22 (dd, J=15.0, 9.0 Hz, 1 H), 3.65 (dd, J=15.0, 2.7 Hz, 1 H), 3.23 - 3.30 (m, 1 H), 2.66 - 2.76 (m, 1 H), 1.99 - 2.06 (m, 1 H), 1.72 - 1.80 (m, 1 H), 1.63 - 1.71 (m, 1 H), 1.45 - 1.54 (m, 1 H), 1.26 - 1.36 (m, 1 H), 1.24 (d, J=6.1 Hz, 6 H), 1.05 - 1.17 (m, 1 H), 0.88 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 0.75 (t, 3 H); LRMS (ESI) m/e 472.3 [(M + H)+, C30H38N3O2についての計算値 472.3]
【0102】
実施例3
(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピルビフェニル−4−イル)−アミド
【化16】

パートA.((1S,2S)−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−3−(4−ブロモ−フェニル)−1−((S)−sec−ブチル)−4−オキソ−4−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロピル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(68mg,0.13mmol)、4−プロピルフェニルボロン酸(36mg,0.20mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(10mg,0.013mmol)、リン酸カリウム(83mg,0.39mmol)、ジメトキシエタン(1.5mL)および水(0.5mL)の混合物を、密封した管の中でマイクロ波照射により160℃で5分間加熱した。生じた混合物を1N 水酸化ナトリウム水溶液(15mL)中に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した(3x15mL)。有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得て、分取HPLC(中性移動相)により精製して、((1S,2S)−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(48mg,収率65%)を無色の油状物として得た;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.29 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 7.46 - 7.59 (m, 5 H), 7.24 - 7.34 (m, 4 H), 7.21 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.96 - 7.04 (m, 1 H), 5.10 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 4.43 (t, J=12.8 Hz, 1 H), 3.76 - 3.87 (m, 1 H), 3.20 (dd, J=13.9, 3.5 Hz, 1 H), 2.68 - 2.75 (m, 1 H), 2.65 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 1.98 - 2.05 (m, 1 H), 1.65 - 1.76 (m, 2 H), 1.59 - 1.65 (m, 1 H), 1.49 (s, 11 H), 1.07 - 1.18 (m, 1 H), 1.00 (t, J=7.3 Hz, 3 H), 0.91 (d, J=6.6 Hz, 3 H), 0.88 (t, J=7.3 Hz, 3 H); LRMS (ESI) m/e 556.3 [(M + H)+, C35H46N3O3についての計算値 556.4]
【0103】
パートB.(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
((1S,2S)−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(48mg,0.084mmol)およびジクロロメタン(4mL)の溶液を、ジオキサン(4N,0.5mL)中のHCl溶液で処理し、得られた反応混合液を室温に12時間保った。続いて、反応液を乾燥するまで濃縮して、(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド(38mg,収率95%)を白色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.31 (d, J=5.1 Hz, 1 H), 7.86 - 7.95 (m, 1 H), 7.57 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.33 - 7.43 (m, 5 H), 7.30 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.17 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 4.21 (dd, J=14.9, 9.1 Hz, 1 H), 3.65 (d, J=14.9 Hz, 1 H), 3.23 - 3.29 (m, 1 H), 2.64 - 2.73 (m, 1 H), 2.53 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 1.96 - 2.05 (m, 1 H), 1.70 - 1.78 (m, 1 H), 1.61 - 1.70 (m, 1 H), 1.57 (dd, J=15.2, 7.6 Hz, 2 H), 1.43 - 1.51 (m, 1 H), 1.22 - 1.36 (m, 1 H), 1.05 - 1.17 (m, 1 H), 0.82 - 0.90 (m, 6 H), 0.75 (t, J=7.3 Hz, 3 H) ; LRMS (ESI) m/e 456.3 [(M + H)+, C30H38N3Oについての計算値 456.3]
【0104】
実施例4
(トランス)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化17】

パートA.[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[(トランス)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパン−カルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
過剰量の塩化チオニル(10mL)中の2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(301mg,1.38mmol)の懸濁液を1時間還流させた。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、高真空ポンプにさらに1時間かけた。生じた酸塩化物を20mLのDCM中に溶解させ、次いでアミン化合物(510mg,1.38mmol)を加え、続いてTEA(0.4mL,2.8mmol)を室温で加えた。次いで、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。続いて、50mLのDCMで希釈し、シリカゲルの薄いパッドに通して濾過し、濃縮した。2〜30% EtOAc/ヘキサンで溶出してISCOにより精製して、596mg(81%)の所望生成物を得た。
【0105】
パートB.((1S,2S)−1−{[[(トランス)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
マイクロ波バイアル中の80mg(0.15mmol)の臭化アリール、[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[(トランス)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに、ボロン酸(26mg,0.158mmol)、K2CO3(41.5mg,0.301mmol)、PdCl2(PPh32(5.3mg,0.008mmol)、6mLのMeCNおよび1mLの水を加えた。生じた混合物をマイクロ波により140℃で30分間照射した。次いで、EtOAcで希釈し、水、食塩水で洗浄し、濃縮し、続いて中性PREP HPLCで精製して、62mg(72%)の所望生成物を得た。
【0106】
パートC.(1S,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
2mLのDCM中に溶解させた40mg(0.07mmol)の((1S,2S)−1−{[[(トランス)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに、過剰量(2mL)のTFAを加えた。1時間撹拌し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、高真空ポンプでも濃縮して、49mg(100%)のジTFA塩を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.13 (br. s., 1 H), 7.71 (d, J=10.8 Hz, 4 H), 7.59 (t, J=7.5 Hz, 4 H), 7.42 (dd, J=7.7, 3.3 Hz, 2 H), 7.05 - 7.24 (m, 1 H), 4.48 (d, J=2.0 Hz, 2 H), 3.69 - 3.77 (m, 1 H), 3.63 - 3.69 (m, 2 H), 3.53 - 3.59 (m, 1 H), 3.39 (d, J=1.6 Hz, 3 H), 2.96 (br. s., 1 H), 2.16 (br. s., 1 H), 1.80 (br. s., 2 H), 1.65 (br. s., 1 H), 1.40 (br. s., 1 H), 1.23 (br. s., 1 H), 0.98 (dd, J=11.4, 6.9 Hz, 3 H), 0.84 (ddd, J=15.0, 7.4, 7.2 Hz, 3 H); m/e LCMS 476.2 [(M+1)+, C29H35FN3O2についての計算値 476.2].
【0107】
実施例5
(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピ−1−イニル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化18】

パートA:1−ブロモ−4−プロピ−1−イニル−ベンゼン
テトラヒドロフラン(20mL)中の1−ブロモ−4−エチニル−ベンゼン(500mg,2.8mmol)の溶液に、−30℃で、テトラヒドロフラン溶液(1M,4.2mL)中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドをゆっくり加えた。15分間攪拌し、ヨウ化メチル(1.1g,8.4mmol)を−20℃で加えた。生じた反応混合液を室温で50分間攪拌し、水に加えた。混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物1−ブロモ−4−プロピ−1−イニル−ベンゼンを揮発性液体(450mg,収率82.8%)として得て、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.34 (d, J=8.3 Hz, 10 H), 7.14 (d, J=8.3 Hz, 10 H), 1.91 (s, 3 H); GCMS, (M + 1) = 195.1, 分子式 = C9H7Br.
【0108】
パートB:4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−プロピ−1−イニル−フェニル)−[1,3,2]ジオキサボロラン
ジオキサン(20mL)中の1−ブロモ−4−プロピ−1−イニル−ベンゼン(900mg,4.63mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの錯体(1:1)(23mg,0.23mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.78g,1.78mmol)および酢酸カリウム(1.9g,13.89mmol)の混合物を85℃で攪拌し、反応を24時間で完了させた。反応混合液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーで精製して4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−プロピ−1−イニル−フェニル)−[1,3,2]ジオキサボロラン(550mg,収率50%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.64 (d, J=7.8 Hz, 2 H), 7.31 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 1.99 (s, 3 H), 1.27 (s, 12 H); GCMS, (M + 1) = 243.30, 分子式 = C15H19BO2
【0109】
パートC:((1S,2S)−2−メチル−1−{[(4’−プロピ−1−イニル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
1,2−ジメトキシエタン(3mL)および水(1mL)中の((1S,2S)−1−{[(4−ブロモ−フェニル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(300mg,0.58mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−プロピ−1−イニル−フェニル)−[1,3,2]ジオキサボロラン(280mg,1.16mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの錯体(1:1)(43mg,0.058mmol)およびリン酸カリウムの懸濁液を、160℃で5分間加熱するマイクロ波にかけた。反応混合液を水酸化ナトリウム(1N,水溶液)により洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーで精製して、((1S,2S)−2−メチル−1−{[(4’−プロピ−1−イニル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(160mg,収率50%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.19(d, J=4.5 Hz, 1 H), 7.33 - 7.51 (m, 7 H), 7.22 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 7.12 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.92 (dd, J=6.9, 5.2 Hz, 1 H), 4.98 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 4.33 (t, J=12.9 Hz, 1 H), 3.64 - 3.78 (m, 1 H), 3.11 (dd, J=13.8, 3.6631 Hz, 1 H), 2.54 - 2.69 (m, 1 H), 2.01 (s, 3 H), 1.87 - 1.96 (m, 1 H), 1.52 (dt, J=8.6, 4.3 Hz, 1 H), 1.29 - 1.48 (m, 12 H), 0.93 - 1.11 (m, 1 H), 0.73 - 0.87 (m, 6 H); LRMS ( ESI ) (M + 1) = 552.25, 分子式 = C35H41N3O3. 13C NMR (100 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 173.73, 159.73, 156.71, 141.71, 140.32, 139.46, 132.37, 128.58, 127.21, 123.78, 123.06, 121.38, 87.22, 79.88, 79.16, 54.44, 50.46, 38.56, 28.88, 27.64, 25.63, 25.12, 18.50, 15.45, 12.15, 4.80.
【0110】
パートD:(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピ−1−イニル−ビフェニル−4−イル)−アミド
0℃で、塩化アセチル(227.6mg,2.9mmol)を、メタノール(3mL)中の((1S,2S)−2−メチル−1−{[(4’−プロピ−1−イニル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(169mg,0.29mmol)にゆっくり加えた。生じた反応混合液を室温で4時間攪拌し、反応を完了させた。反応混合液を濃縮し、残渣を、prep−HPLCで精製して、(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピ−1−イニル−ビフェニル−4−イル)−アミドを淡褐色の固形物(110mg,収率67%,トリフルオロ酢酸塩)として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.46 - 8.65 (m, 1 H), 8.11 - 8.33 (m, 1 H), 7.62 - 7.78 (m, 3 H), 7.47 - 7.60 (m, 5 H), 7.45 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 4.32 (dd, J=15.0, 9.0 Hz, 1 H), 3.81 (dd, J=14.9, 2.3 Hz, 1 H), 3.36 - 3.44 (m, 1 H), 2.85 - 2.98 (m, 1 H), 2.10 - 2.20 (m, 1 H), 2.06 (s, 3 H),1.90 - 2.00 (m, 1 H), 1.72 - 1.86 (m, 1 H), 1.63 - 1.72 (m, 1 H), 1.35 - 1.51 (m, 1 H), 1.15 - 1.32 (m, 1 H), 0.98 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 0.87 (t, J=7.3 Hz, 3 H); LRMS ( ESI) = 452.2, [(M + H)+, C30H34N3Oについての計算値 452.6]; 13C NMR (100 MHz, MeOD) δ ppm 173.85, 158.36, 142.49, 142.45, 140.15, 133.58, 130.11,129.94, 128.23, 125.6, 125.63, 125.02, 88.14, 80.51, 56.93, 51.15, 37.66, 27.68, 26.80, 25.76, 18.50, 14.49, 12.07, 4.23.
【0111】
実施例6
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化19】

パートA:2−フルオロ−6−オキシラニル−ピリジン
CH3CN(190mL,0.2mLの水を含有)中の6−フルオロ−ピリジン−2−カルバルデヒド(1.88g,15mmol)、トリメチルスルホニウムヨージド(3.3g,16.2mmol)およびKOH(粉砕した,3.46g,61.9mmol)の混合物を、N2下にて65〜70℃で終夜攪拌した。混合液を室温に冷まし、EtOAc(100mL)で希釈した。濾過後、濾液を濃縮した。残渣をH2O(100mL)およびEtOAc(80mL)の間で分液処理し、水層をEtOAcでさらに抽出した(4x80mL)。EtOAcを合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をISCO(40gのカラム,ヘキサンで3分、次いでヘキサン中の0−60% EtOAcで60分間)にかけて、所望生成物(530mg)を得た。
【0112】
パートB:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2イル)−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(10mL)中のNaH(60%の油分散物,320mg,8mmol)の懸濁液に、t−ブチル ジエチルホスホノアセテート(1.92g,7.6mmol)を滴下して加えた。生じた混合物を室温で10分間攪拌し、次いでトルエン(5mL)中の2−フルオロ−6−オキシラニル−ピリジン(530mg,3.8mmol)の溶液を該反応混合液に滴下して加えた。続いて、生じた混合物を12時間加熱還流させた。混合液を室温に冷まし、EtOAcで希釈し、NH4Cl(飽和)および水で洗浄した。EtOAc層を乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を除去し、残渣をISCO(40gのカラム,ヘキサンで3分、次いでヘキサン中の0−60% EtOAcで60分間)にかけて所望生成物(165mg)を得た。MS (MH+ 238).
【0113】
パートC:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2イル)−シクロプロパンカルボン酸
DCM(3mL)中のトランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸t−ブチルエステル(165mg,0.7mmol)の溶液に、ジオキサン中のHCl(4M,10mL)を加えた。生じた混合物を室温で3時間攪拌した。次いで、混合液を濃縮して、所望生成物をHCl塩(120mg,79%)として得た。MS (M-H 181).
【0114】
パートD:{1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−シクロペンチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ジクロロエタン(160mL)中のN−Boc−シクロロイシン(5.33g,25mmol)および4−ブロモアニリン(4.3g,25mmol)の溶液に、三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(10.6g,50mmol)を少しずつ加えた。添加後、生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液を飽和NaHCO3でクエンチし、DCMで抽出した(4x100mL)。DCMを合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をフラッシュカラム(ヘキサン中で10−30% EtOAc)にかけて所望生成物を白色の固形物(8.3g,90%)として得た。MS (MH+ 369 および 371).
【0115】
パートE:[1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
塩化チオニル(2mL)中のトランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2イル)−シクロプロパンカルボン酸(0.9mmol)の混合液を終夜加熱還流した。混合液を濃縮し、高真空下で2時間乾燥させた。次いで、残渣をDCM(4mL)中に溶解させ、DCM(4mL)中の{1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−シクロペンチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(370mg,1mmol)およびトリエチルアミン(280μL)の溶液に滴下して加えた。生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液をフラッシュカラム(ヘキサン中で20% EtOAc)に直接付して、所望生成物を白色の固形物(348mg,〜70%)として得た。MS (MH+ 532 および 534).
【0116】
パートF:(1−{[[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−シクロペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の[1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−シクロペンチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(95mg,0.18mmol)、アリールボロン酸(0.22mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(47mg,0.34mmol)の混合物を、マイクロ波照射にて140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッド(EtOAc)に通し、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−50% EtOAcに25分間)にかけて所望生成物を得た。MS (MH+ 572).
【0117】
パートG:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の上記調製物の溶液を、TFA/DCM(2/2mL)で1時間処理した。混合物を濃縮して所望生成物をジ−TFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.8 (q, J=8.0 Hz, 1 H), 7.6 (br. s., 2 H), 7.5 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.4 (d, J=6.6 Hz, 2 H), 7.3 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.2 (dd, J=7.3, 2.0 Hz, 1 H), 6.7 (dd, J=8.1, 2.3 Hz, 1 H), 4.1 - 4.2 (m, 1 H), 4.0 - 4.1 (m, 1 H), 2.6 - 2.7 (m, 3 H), 2.0 (t, J=9.0 Hz, 1 H), 1.7 - 1.9 (m, 6 H), 1.5 - 1.7 (m, J=15.0, 7.5, 7.5, 7.3 Hz, 5 H), 1.4 (td, J=5.6, 3.0 Hz, 1 H), 1.0 (t, J=7.3 Hz, 3 H). LRMS ( ESI) = 472.2, [(M + H)+, C30H35FN3Oにつての計算値 472.6].
【0118】
実施例7
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化20】

パートA:(1−{[[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−シクロペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の[1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−シクロペンチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(95mg,0.18mmol)、アリールボロン酸(0.22mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(47mg,0.34mmol)の混合物を、マイクロ波照射により140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッド(EtOAc)に通し、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−50% EtOAcで25分間)にかけて所望生成物を得た。MS (MH+ 588).
【0119】
パートB:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の上記調製物の溶液を、TFA/DCM(2/2mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して所望生成物をジ−TFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.8 (q, J=7.9 Hz, 1 H), 7.5 (br. s., 2 H), 7.5 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 7.4 (d, J=5.8 Hz, 2 H), 7.2 (dd, J=7.3, 2.3 Hz, 1 H), 7.0 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 6.7 (dd, J=8.2, 2.4 Hz, 1 H), 4.6 (dt, J=12.1, 6.1 Hz, 1 H), 4.1 - 4.2 (m, 1 H), 4.0 - 4.1 (m, 1 H), 2.6 (t, J=9.3 Hz, 1 H), 2.0 (t, J=9.0 Hz, 1 H), 1.7 - 1.9 (m, 6 H), 1.7 (ddd, J=9.0, 5.4, 3.8 Hz, 1 H), 1.6 (td, J=9.2, 4.8 Hz, 2 H), 1.4 (td, J=5.6, 3.0 Hz, 1 H), 1.3 (d, J=6.1 Hz, 6 H). LRMS ( ESI) = 488.2, [(M + H)+, C30H35FN3O2についての計算値 488.6].
【0120】
実施例8
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化21】

パートA.(1−{[[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−シクロペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の[1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−シクロペンチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(95mg,0.18mmol)、アリールボロン酸(0.22mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(47mg,0.34mmol)の混合物を、マイクロ波照射により140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッド(EtOAc)に通し、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−50% EtOAで25分間)にかけて所望生成物を得た。MS (MH+ 574).
【0121】
パートB.トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の上記調製物の溶液を、TFA/DCM(2/2mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して所望生成物をジ−TFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.8 (q, J=8.0 Hz, 1 H), 7.6 (br. s., 2 H), 7.6 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.5 (br. s., 2 H), 7.4 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 7.2 (dd, J=7.5, 2.1 Hz, 1 H), 6.7 (dd, J=8.1, 2.3 Hz, 1 H), 4.5 (s, 2 H), 4.1 - 4.2 (m, 1 H), 4.0 - 4.1 (m, 1 H), 3.4 (s, 3 H), 2.6 (t, J=9.3 Hz, 1 H), 2.0 (t, J=9.0 Hz, 1 H), 1.7 - 1.9 (m, 6 H), 1.7 (ddd, J=8.9, 5.4, 3.9 Hz, 1 H), 1.5 - 1.7 (m, 2 H), 1.4 (dd, 1 H). LRMS ( ESI) = 474.2, [(M + H)+, C29H32FN3O2についての計算値 473.6].
【0122】
実施例9
トランス−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸(4−アミノ−テトラヒドロ−ピラニ−4−イルメチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化22】

パートA:(4−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
無溶媒中の4−メチルモルホリン(2.7mL,24.6mmol)を、1000mLの丸底フラスコ内に含まれる無水テトラヒドロフラン(200mL)中の4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸(5.0g,20.4mmol)およびクロロギ酸イソブチル(3.2mL,24.5mmol)の0℃で素早く攪拌した溶液に、シリンジにより加えた。沈殿物がすぐに生じた。懸濁液をN2ブランケット下にて0℃で20分間攪拌させ、手で回し、ガスを発生させ、メタノール(65mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(2.3g,61.3mmol)の懸濁液を、同時に生じる反応による泡立ちをコントロールしながらできる限り早く加えた。観察可能なガスの発生が止まったら、不透明で白色の反応懸濁液を、飽和塩化ナトリウム溶液(500mL)を含有する分液漏斗に移し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせて、乾燥させ(MgSO4)、シリカゲルのプラグに通し、蒸発させて4.89gのオフホワイト色の固形物を得て、さらに精製することなく用いた。LRMS (ESI) m/z 232.2 [(M+H)+, C11H22NO4についての計算値 232.3].
【0123】
パートB:(4−ホルミル−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
無水ジメチルスルホキシド(3.0mL,42.2mmol)を、無水ジクロロメタン(100mL)中のシュウ酸クロリド(2.0mL,22.9mmol)の68℃溶液に加え、N2ブランケット下にて65℃で3分間攪拌させ、その後、無水ジクロロメタン(25mL)中の(4−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.89g,21.1mmol)の溶液を加えた。25分後、トリエチルアミン(14.7mL,105.5mmol)を加え、反応溶液を−65℃でさらに20分間攪拌させ;次いで冷水浴を取り外し、反応液を周囲温度に温め、飽和塩化ナトリウム溶液(500mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、4.48gの清澄な黄色の粘稠性液体を得て、さらに精製することなく用いた。LRMS (ESI) m/z 230.2 [(M+H)+, C11H20NO4についての計算値 230.3].
【0124】
パートC:{4−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
還流冷却器およびディーン・ステーク装置に接続した250mLの丸底フラスコ内に含有される酢酸エチル(50mL)中の(4−ホルミル−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.48g,19.5mmol)、4−ブロモアニリン(3.38g,19.7mmol)および酢酸(1.2mL,21.2mmol)の溶液を、N2ブランケット下にて2時間加熱還流し、続いて周囲温度に冷ました。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.29g,19.5mmol)を加え、混合液を終夜攪拌した。次いで、反応混合液を水(50mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、シリカゲル上で前吸収させ、フラッシュクロマトグラフに付して(溶出溶媒:10%(v/v)の酢酸エチル/ヘキサン)、所望生成物を3.1gの白色の固形泡状物として得た。LRMS (ESI) m/z 385.0, 387.0 [(M+H)+, C17H26N2O3Brについての計算値 386.3].
【0125】
パートD:2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
1,2−ジメトキシエタン(70mL)中のナトリウム tert−ブトキシド(7.63g,79.4mmol)攪拌懸濁液に、周囲温度でtert−ブチル ジエチルホスホノアセテート(20.0g,79.4mmol)を30分かけて加え、次いで、さらに40分攪拌させ、3−(オキシラン−2−イル)ピリジン(4.8g,39.7mmol)を滴下して加えた。懸濁液を30分間攪拌し、次いで65℃で終夜加熱した。反応液を氷上に置き、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を合わせて、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、橙色の油状物を得て、フラッシュクロマトグラフィー(溶出溶媒:20%(v/v)のヘキサン/ジクロロメタン)で精製して、3.0gの精製物質を得た。
【0126】
パートE:2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸
ジクロロメタン(30mL)中の2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル(1.6g,7.3mmol)の溶液に、ジオキサン中の無水HCl溶液(4.0M,15mL)を加えた。溶液を周囲温度で終夜攪拌させ、蒸発させて、生成物を黄色の油状物として得た。
【0127】
パートF:(4−{[(4−ブロモ−フェニル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
シュウ酸クロリド(0.42mL,4.8mmol)を、無水ジクロロメタン(40mL)および無水ジメチルホルムアミド(1.0mL)中の2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸(0.65g,3.98mmol)の攪拌懸濁液に加えた。続いて、無溶媒のトリエチルアミン(1.2mL,8.6mmol)をゆっくり加え、混合物を周囲温度で0.5時間撹拌させ、この時間を超えると、反応液が青色になり、固形物が分散した。反応混合液を乾燥するまで蒸発させ、ジクロロメタン(40mL)中に再溶解させた。ジクロロメタン(5.0mL)中の2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル(1.54g,3.98mmol)溶液を、以前に生成した酸塩化物のジクロロメタン溶液にゆっくり加え、15分間攪拌し、続いて飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、シリカゲル上で前吸収させ、フラッシュクロマトグラフに付して(溶出溶媒:60%(v/v)の酢酸エチル/ヘキサン)、所望生成物を1.06gの白色の固形泡状物として単離した。LRMS (ESI) m/z 530.0, 532.0 [(M+H)+, C26H33N3O4Brについての計算値 531.5].
【0128】
パートG:トランス−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸(4−アミノ−テトラヒドロ−ピラニ−4−イルメチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
マグネティックスターラーバーを含む5mLのガラスマイクロ波バイアルに、(4−{[(4−ブロモ−フェニル)−(2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−テトラヒドロ−ピラニ−4−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(216.3mg,0.41mmol)、4−プロピル−フェニル−ボロン酸(80.7mg,0.49mmol)、リン酸三カリウム(175.0mg,0.82mmol)および[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタン(8.2mg,0.01mmol)との錯体を加えた。バイアルをセプタムで閉じ、含まれる混合液を攪拌しながら、カニューレにより排気した。該バイアルをN2ブランケット下におき、1,2−ジメトキシエタン(4.1mL)および水(1.4mL)をシリンジにより加えた。次いで、攪拌した反応溶液を、カニューレにより5回の排出/N2ブランケットサイクルにかけ、N2ブランケット下に置き、次いで2.45GHzの比例ワット数でのマイクロ波照射によって1分ごとに5℃ずつで85℃に合計15分間加熱した。次いで、反応混合液をメタノール(50mL)で希釈し、セライトに通して濾過し、シリカゲル上で前吸収させ、フラッシュクロマトグラフに付した(溶離溶媒:15%(v/v)の2−プロパノール/ヘキサン)。クロマトグラフィーのフラクションを合わせて、部分的に蒸発させて、最後から2番目の生成物の2−プロパノール溶液(30mL)を得た。この溶液に、HCl溶液(0.5mL,6M)を加え、該溶液を周囲温度で攪拌させた。薄層クロマトグラフィー(溶出溶媒:10%(v/v)の2−プロパノール/ヘキサン)は、脱保護が15分以内に完了したことを示し、該反応溶液を乾燥するまで蒸発させ、続いてメタノール中に溶解させた。この攪拌メタノール溶液をジエチルエーテルで希釈して、所望生成物の塩酸塩をアモルファス白色粉末として沈殿させ、濾過によって単離した。濾過物をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて135.1mgの生成物を得た;m.p.180-183℃. 1H NMR (400 MHz, DMSO- D6): δ ppm 8.54 (d, j = 4.3 Hz, 1H), 8.27 (br s, 2H), 8.04-8.17 (m, 1H), 7.68 (d, j = 8.3 Hz, 2H), 7.61 (d, j = 7.8 Hz, 2H 7.54 (d, j = 8.1 Hz, 3H), 7.27 (d, j = 8.1 Hz, 2H 4.22 (d, j = 15.2 Hz, 1H), 4.09 (d, j = 14.9Hz, 1H), 3.64-3.74 (m, 1H), 3.54-3.64 (m, 1H), 3.32-3.44 (m, 1H), 3.17-3.28 (m, 1H), 2.92-3.05 (m, 1H), 2.59 (t, j = 7.3 Hz, 2H), 1.95-2.05 (m, 1H), 1.54-1.84 (m, 8H), 0.91(t, j = 7.3 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, D6-DMSO) δ ppm 142.0, 141.9, 141.8, 138.7, 136.1, 128.9, 127.0, 126.4, 123.4, 113.5, 61.7, 61.6, 56.1, 53.4, 36.8, 32.1, 31.7, 25.6, 23.9, 16.6. HRMS (EI-TOF) m/z [M+] C30H36N3O2についての計算値 470.2808, 実測値 470.2820.
【0129】
実施例10
(トランス)−2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化23】


パートA.[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[(トランス)−2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパン−カルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
過剰量の塩化チオニル(10mL)中の2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(361mg,1.66mmol)の懸濁液を1時間還流させた。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、さらに高真空ポンプに1時間置いた。生じた酸塩化物を20mLのDCM中に溶解させ、続いてアミン(612mg,1.66mmol)を加え、次いでTEA(0.48mL,3.66mmol)を室温で加えた。生じた混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、これを50mLのDCMで希釈し、シリカゲルの薄いパッドに通して濾過し、濃縮した。2−30%のEtOAc/ヘキサンを用いて溶出してISCOにより精製して、655mg(89%)の所望生成物を得た。
【0130】
パートB.((1S,2S)−1−{[[(トランス)−2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
マイクロ波バイアル中の88mg(0.17mmol)の臭化アリールである[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[(トランス)−2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに、ボロン酸(29mg,0.174mmol)、K2CO3(45.7mg,0.331mmol)、PdCl2(PPh32(5.8mg,0.009mmol)、6mLのMeCNおよび1mLの水を加えた。生じた混合物を、マイクロ波照射により140℃で30分間加熱した。続いて、これをEtOAcで希釈し、水、食塩水で洗浄し、濃縮し、次いで中性PREP HPLCで精製して、66mg(77%)の所望生成物を得た。
【0131】
パートC.(トランス)−2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
3mLのDCM中に溶解させた56mg(0.10mmol)の((1S,2S)−1−{[[(トランス)−2−(3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに、過剰量(3mL)のTFAを加えた。1時間撹拌後、これをロータリーエバポレーターで濃縮し、高真空ポンプでも濃縮して、70mg(100%)のジ−TFA塩を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.05 (dt, J=3.0, 1.5 Hz, 1 H), 7.64 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.35 - 7.54 (m, 5 H), 7.26 (dd, J=8.2, 2.4 Hz, 2 H), 7.09 - 7.19 (m, 1 H), 4.31 (dd, J=15.0, 9.1 Hz, 1 H), 3.65 - 3.80 (m, 1 H), 2.89 (br. s., 1 H), 2.62 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 2.02 - 2.14 (m, 1 H), 1.59 - 1.81 (m, 4 H), 1.30 - 1.57 (m, 3 H), 1.23 (s, 1 H), 0.91 - 1.01 (m, 6 H), 0.77 - 0.88 (m, 3 H); m/e LCMS 474.3 [(M+1)+, C30H37FN3Oについての計算値 474.4].
【0132】
実施例11
(トランス)−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化24】

パートA.((1−トランス)−1−{[(4−ブロモ−フェニル)−((1R,2R)−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
過剰量の塩化チオニル(12mL)中の(トランス)−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボン酸(277mg,1.38mmol)の懸濁液を1時間還流させた。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、さらに高真空ポンプに1時間かけた。生じた酸塩化物を25mLのDCM中に溶解させ、次いでアミン(510mg,1.38mmol)を加え、TEA(0.4mL,2.8mmol)を室温で加えた。生じた混合物を室温で2.5時間攪拌した。次いで、DCMで希釈し、シリカゲルのパッドに通して濾過し、続いて濃縮した。これを5−40%のEtOAc/ヘキサンを用いて溶出してISCOにより精製して、614mg(86%)の所望生成物を得た。
【0133】
パートB.((1S,2S)−2−メチル−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピラジニ−2−イル−シクロ−プロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
マイクロ波バイアル中の77.5mg(0.15mmol)の((1トランス)−1−{[(4−ブロモ−フェニル)−((1R,2R)−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに、ボロン酸(26mg,0.158mmol)、K2CO3(41.5mg,0.301mmol)、PdCl2(PPh32(5.3mg,0.008mmol)、6mLのMeCNおよび1mLの水を加えた。生じた混合物をマイクロ波照射により140℃で30分間加熱した。次いで、これをEtOAcで希釈し、水、食塩水で洗浄し、濃縮し、続いて中性PREP HPLCで精製して、66mg(79%)の所望生成物を得た。
【0134】
パートC.(トランス)−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
2mLのDCM中に溶解させた40mg(0.072mmol)の((1S,2S)−2−メチル−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−((1R,2R)−2−ピラジニ−2−イル−シクロ−プロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに、3mL(過剰量)のTFAを室温で加え、1時間撹拌した。これを濃縮して、49mg(100%)のジ−TFA塩の所望生成物を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ ppm 8.59 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 8.30 (br. s., 2 H), 7.56 - 7.72 (m, 2 H), 7.37 - 7.54 (m, 4 H), 7.28 (dd, J=8.1, 1.8 Hz, 2 H), 4.26 - 4.43 (m, 1 H), 3.74 (dd, J=14.9, 2.5 Hz, 1 H), 3.45 - 3.28 (m, 1 H), 2.69 - 2.83 (m, 1 H), 2.64 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 1.99 - 2.14 (m, 1 H), 1.61 - 1.83 (m, 4 H), 1.32 - 1.55 (m, 2 H), 1.23 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 0.92 - 1.03 (m, 6 H), 0.86 (q, J=7.1 Hz, 3 H); m/e LCMS 457.3 [(M+1)+, C29H37N4Oについての計算値 457.3.
【0135】
実施例12
2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド
【化25】

パートA.[(1S,2S)−1−({[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−[2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
300mg(1.376mmol)のカルボン酸に、過剰量の塩化チオニル(5mL)を加え、1時間還流させた。ロータリーエバポレーターにより濃縮し、高真空ポンプに1時間かけた。得られた酸塩化物を20mLのDCM中に溶解させ、次いで581mg(1.376mmol)のアミン化合物を加え、続いてTEA(0.38mL,2.752mmol)を加えた。生じた混合物を室温で2時間撹拌し、エーテルで希釈し、水でクエンチした。有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。これを濃縮し、2−30%のEtOAc/ヘキサンを用いてISCOで精製して、627mg(78%)の生成物を得た。
【0136】
パートB.((1S,2S)−1−{[[2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
20mLのTHF中に0℃で溶解させたTBS保護フェノール(520mg,0.889mmol)に、1.78mLのTBAF(1.0M溶液,1.78mmol)を加えた。氷浴を取り外し、室温で2時間攪拌した。これをエーテルで希釈し、NH4Cl溶液でクエンチした。有機層を水および食塩水で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥させた。これを濃縮し、10−40% EtOAc/ヘキサンを用いてISCOで精製して、405mg(97%)の所望生成物を得た。
【0137】
パートC.[(1S,2S)−1−({(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−[2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
10mLのDMF中に溶解させた70mg(0.149mmol)のフェノール化合物およびシクロブチルメチルブロミド(26.5mg,0.178mmol)に、K2CO3(62mg,0.446mmol)を加え、60℃で終夜加熱した。室温に冷まし、エーテルで希釈し、水でクエンチした。有機層を水および食塩水で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥させた。これを濃縮して、80mg(100%)の生成物を得た。精製は必要なかった。
【0138】
パートD.2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド
5mLのDCM中に溶解させたBoc保護アミン(80mg,0.149mmol)に、5mLのTFA(過剰量)を加え、室温で1時間攪拌した。これを濃縮し、酸性PREP HPLCで精製して48.72mg(73%)のジ−TFA塩を得た。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ ppm 8.20 (dd, J=8.8, 2.9 Hz, 1 H), 7.49 (qd, J=8.4, 2.9 Hz, 1 H), 7.21 - 7.35 (m, 3 H), 6.94 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 4.29 (ddd, J=14.8, 13.6, 9.2 Hz, 1 H), 3.87 - 3.97 (m, 2 H), 3.62 (ddd, J=15.0, 6.0, 2.7 Hz, 1 H), 3.21 - 3.32 (m, 1 H), 2.70 - 2.84 (m, 1 H), 2.63 (dddd, J=14.5, 8.7, 6.0, 4.1 Hz, 1 H), 2.07 - 2.20 (m, 2 H), 1.85 - 2.03 (m, 5 H), 1.69 - 1.79 (m, 1 H), 1.57 - 1.69 (m, 1 H), 1.31 - 1.47 (m, 2 H), 1.12 - 1.29 (m, 1 H), 0.97 (dd, J=6.9, 3.8 Hz, 3 H), 0.84 (q, J=7.4 Hz, 3 H); m/e LCMS 440.2 [(M+1)+, C26H35FN3O2についての計算値 440.2].
【0139】
実施例13
(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド
【化26】

パートA.Tert−ブチル (2S,3S)−1−(N−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−トランス−2−(ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメート
トランス−2−ピリジン−2−イル−シクロプロピルカルボン酸(270mg,1.7mmol)およびジクロロメタン(15mL)の溶液を、シュウ酸クロリド(170μL,2.0mmol)およびDMF(1滴)で処理した。生じた反応混合液を35℃で3時間保ち、続いて乾燥するまで減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(15mL)中に溶解させ、tert−ブチル(2S,3S)−1−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルアミノ)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメート(700mg,1.7mmol)およびトリエチルアミン(690μL,5.0mmol)で処理した。反応混合液を室温に終夜保ち、次いでジエチルエーテル(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)および食塩水(30mL)で洗浄し、続いてMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得て、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の15% 酢酸エチルを用いて溶出した)により精製して、tert−ブチル(2S,3S)−1−(N−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−トランス−2−(ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメート(720mg,収率77%)を黄色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 - 8.13 (m, 1 H), 7.25 - 7.36 (m, 1 H), 6.91 - 7.00 (m, 1 H), 6.87 - 6.91 (m, 1 H), 6.76 - 6.86 (m, 2 H), 6.55 - 6.62 (m, 1 H), 6.46 - 6.55 (m, 1 H), 4.83 - 4.98 (m, 1 H), 4.15 - 4.27 (m, 1 H), 3.45 - 3.64 (m, 1 H), 2.81 - 2.93 (m, 1 H), 2.23 - 2.48 (m, 1 H), 1.68 - 1.81 (m, 1 H), 1.37 (s, 3 H), 1.29 - 1.52 (m, 2 H), 1.28 (s, 3 H), 1.25 (s, 3 H), 1.15 - 1.22 (m, 1 H), 0.86 - 0.97 (m, 1 H), 0.78 (d, J=5.1 Hz, 9 H), 0.67 - 0.71 (m, 3 H), 0.60 - 0.67 (m, 3 H), -0.06 - 0.02 (m, 6 H); LRMS (ESI) m/e 568.3 [(M + H)+, C32H50N3O4Siについての計算値 568.3].
【0140】
パートB.Tert−ブチル (2S,3S)−1−((1R,2R)−N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメート
tert−ブチル (2S,3S)−1−(N−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−トランス−2−(ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメート(720mg,1.3mmol)およびテトラヒドロフラン(25mL)の溶液を、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液,2.5mL,2.5mmol)で処理した。反応液を室温で2時間保ち、続いて減圧下で濃縮して油状物を得て、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の40% 酢酸エチルを用いて溶出する)により精製して、ジアステレオマーの混合物を得て、キラルクロマトグラフィー[カラム:ChiralPak AD−H 4.6x250mm,溶媒A(ヘキサン)中の25% 溶媒B(ヘキサン中で60% エタノール)一定組成、保持時間:6.08分]により精製して、tert−ブチル(2S,3S)−1−((1R,2R)−N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメートを油状物として得た:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.96 (br. s., 1 H), 8.12 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.39 (t, J=7.7 Hz, 1 H), 7.09 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.79 - 6.95 (m, 3 H), 6.54 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 5.13 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 4.28 (t, J=12.8 Hz, 1 H), 3.49 - 3.66 (m, 1 H), 2.87 (dd, J=13.6, 3.7 Hz, 1 H), 2.47 - 2.61 (m, 1 H), 1.84 - 1.98 (m, 1 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.32 (s, 9 H), 1.23 - 1.28 (m, 1 H), 0.85 - 1.01 (m, 1 H), 0.73 (d, J=6.9 Hz, 3 H), 0.68 (t, J=7.4 Hz, 3 H); LRMS (ESI) m/e 454.2 [(M + H)+, C26H36N3O4についての計算値 454.3].
【0141】
パートC.(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド
tert−ブチル(2S,3S)−1−((1R,2R)−N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルペンタン−2−イルカルバメート(69mg,0.15mmol)、炭酸カリウム(63mg,0.46mmol)およびDMF(3mL)の混合液を、シクロブチルメチルブロミド(21μL,0.18mmol)で処理した。生じた反応混合液を終夜激しく攪拌しながら70℃に保った。混合液を室温に冷まし、続いてH2O(30mL)およびジエチルエーテル(20mL)の間で分液処理した。層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した(2x20mL)。有機層を合わせて、H2O(30mL)および食塩水(30mL)で洗浄し、続いてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30% 酢酸エチルを用いて溶出する)により精製して油状物を得て、メタノール(2mL)中に溶解させ、0℃に冷却した。次いで、冷たい溶液を、塩化アセチル(290μL,4.0mmol)で滴下して処理し、続いて室温に終夜保った。反応液を乾燥するまで濃縮して、(1R,2R)−2−ピリジン−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド(56mg,収率88%)を白色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.61 (d, J=5.3 Hz, 1 H), 8.34 (t, J=8.3 Hz, 1 H), 7.79 (t, J=6.7 Hz, 1 H), 7.54 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.37 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 6.99 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 4.28 (dd, J=14.9, 8.8 Hz, 1 H), 3.94 (d, J=6.6 Hz, 2 H), 3.69 (dd, J=14.9, 2.8 Hz, 1 H), 3.34 - 3.39 (m, 1 H), 2.86 - 2.96 (m, 1 H), 2.77 (dt, J=14.6, 7.2 Hz, 1 H), 2.08 - 2.21 (m, 3 H), 1.85 - 2.02 (m, 5 H), 1.73 - 1.84 (m, 1 H), 1.67 (dt, J=8.8, 5.5 Hz, 1 H), 1.33 - 1.46 (m, 1 H), 1.17 - 1.30 (m, 1 H), 0.98 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 0.87 (t, J=7.5 Hz, 3 H); LRMS (ESI) m/e 422.3 [(M + H)+, C26H36N3O2についての計算値 422.3].
【0142】
実施例14
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化27】

パートA:[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
塩化チオニル(2mL)中のトランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2イル)−シクロプロパンカルボン酸(120mg,0.55mmol)の混合物を終夜加熱還流した。混合液を濃縮し、高真空下で3時間乾燥させた。次いで、残渣をDCM(3mL)中に溶解させ、DCM(3mL)中の{(1S,2S)1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(205mg,0.55mmol)およびトリエチルアミン(153μL,1.1mmol)の溶液に滴下して加えた。生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液を濃縮し、残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−40%のEtOAcで25分間)にかけて所望生成物(235mg,80%)を得た。MS (MH+ 534 および 536).
【0143】
パートB:((1S,2S)−1−{[[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(78mg,0.146mmol)、アリールボロン酸(0.18mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(38mg,0.27mmol)の混合液を、マイクロ波にて140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッドに通し(EtOAc)、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0〜50% EtOAcで25分間)にかけて所望生成物を得た。MS (MH+ 574).
【0144】
パートC:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の上記調製物の溶液を、TFA/DCM(1/1mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して所望生成物をジ−TFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.58 - 7.73 (m, J=12.9, 8.1, 7.9, 7.9 Hz, 1 H), 7.55 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.39 (dd, J=10.5, 8.2 Hz, 2 H), 7.32 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 7.17 (dd, J=8.2, 3.2 Hz, 2 H), 7.09 (ddd, J=13.3, 7.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.65 (ddd, J=10.7, 8.3, 2.1 Hz, 1 H), 4.23 (td, J=14.5, 9.1 Hz, 1 H), 3.64 (ddd, J=15.0, 3.2, 3.0 Hz, 1 H), 3.28 (ddd, J=12.5, 3.7, 3.5 Hz, 1 H), 2.54 (t, J=7.6 Hz, 3 H), 1.83 - 1.97 (m, 1 H), 1.62 - 1.74 (m, 1 H), 1.58 (q, J=7.2 Hz, 3 H), 1.22 - 1.40 (m, 2 H), 1.13 (ddd, J=14.0, 7.2, 7.1 Hz, 1 H), 0.81 - 0.95 (m, 6 H), 0.76 (dt, J=11.6, 7.3 Hz, 3 H). LRMS (ESI) = 474.3, [(M + H)+, C30H37FN3Oについての計算値 474.6].
【0145】
実施例15
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化28】

パートA:((1S,2S)−1−{[[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(78mg,0.146mmol)、アリールボロン酸(0.18mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(38mg,0.27mmol)の混合物を、マイクロ波にて140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッドに通し(EtOAc)、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−50% EtOAcで25分間)にかけて所望生成物を得た。 MS (MH+ 590).
【0146】
パートB:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−イソプロポキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の上記調製物の溶液を、TFA/DCM(1/1mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して所望生成物をジ−TFA塩として得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.6 - 7.7 (m, J=12.7, 8.2, 7.9, 7.9 Hz, 1 H), 7.5 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.5 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.4 (dd, J=10.2, 8.7 Hz, 2 H), 7.3 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 7.1 (ddd, J=12.8, 7.4, 2.3 Hz, 1 H), 6.9 (dd, J=8.7, 3.2 Hz, 2 H), 6.6 (ddd, J=10.7, 8.2, 2.3 Hz, 1 H), 4.5 - 4.6 (m, J=12.0, 6.0, 6.0, 1.6 Hz, 1 H), 4.2 (td, J=14.3, 9.1 Hz, 1 H), 3.6 (ddd, J=15.0, 3.3, 3.2 Hz, 1 H), 3.3 (dd, J=9.3, 4.0 Hz, 1 H), 2.4 - 2.6 (m, 1 H), 1.8 - 2.0 (m, J=9.3, 9.3, 9.1, 5.6 Hz, 1 H), 1.7 (ddd, J=6.7, 4.0, 2.7 Hz, 1 H), 1.5 - 1.6 (m, J=7.2, 5.4, 3.6, 3.6 Hz, 1 H), 1.3 - 1.4 (m, 2 H), 1.2 (dd, J=6.1, 1.3 Hz, 6 H), 1.1 (ddd, J=13.9, 7.3, 7.1 Hz, 1 H), 0.9 (dd, J=6.8, 5.1 Hz, 3 H), 0.8 (dt, J=11.4, 7.5 Hz, 3 H). LRMS ( ESI) = 490.3, [(M + H)+, C30H37FN3O2についての計算値 489.6].
【0147】
実施例16
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化29】

パートA:((1S,2S)−1−{[[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(78mg,0.146mmol)、アリールボロン酸(0.18mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(38mg,0.27mmol)の混合物を、マイクロ波にて140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッドに通し(EtOAc)、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−50%EtOAcで25分間)にかけて所望生成物を得た。 MS (MH+ 576).
【0148】
パートB:トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4’−メトキシメチル−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の上記調製物の溶液を、TFA/DCM(1/1mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して、所望生成物をジ−TFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.6 - 7.7 (m, J=13.0, 8.1, 7.9, 7.9 Hz, 1 H), 7.6 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.5 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.5 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.5 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.3 - 7.4 (m, 4 H), 7.1 (ddd, J=13.3, 7.4, 2.0 Hz, 1 H), 6.6 (ddd, J=10.8, 8.4, 2.3 Hz, 1 H), 4.4 (s, 2 H), 4.2 (ddd, J=15.0, 12.2, 9.0 Hz, 1 H), 3.7 (d, J=14.9 Hz, 1 H), 3.3 (d, J=1.0 Hz, 3 H), 3.2 - 3.3 (m, 1 H), 2.5 (dt, J=19.9, 3.6 Hz, 1 H), 1.8 - 2.0 (m, J=9.4, 9.4, 9.1, 5.4 Hz, 1 H), 1.7 (dd, J=4.5, 2.0 Hz, 1 H), 1.5 - 1.6 (m, J=8.9, 8.9, 3.8, 3.5 Hz, 1 H), 1.2 - 1.4 (m, 2 H), 1.1 (ddd, J=14.1, 7.3, 7.1 Hz, 1 H), 0.9 (dd, J=6.8, 5.1 Hz, 3 H), 0.8 (dt, J=11.4, 7.3 Hz, 3 H). LRMS ( ESI) = 476.3, [(M + H)+, C29H35FN3O2についての計算値 476.6].
【0149】
実施例17
(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド
【化30】

パートA.((1S,2S)−1−ホルミル−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMSO(15mL)およびDCM(200mL)中のBocイソロイシノール(3.89g,17.9mmol)の氷冷溶液に、DIEA(9.7mL,55.5mmol)を加え、次いでDMSO(50mL,漏斗をすすぐための+10mL)中のPy.SO3(8.83g,55.5mmol)溶液を滴下して加えた。反応混合液を室温で2時間攪拌した。DCMを除去し、残渣をEt2O(400mL)で希釈し、H2O(2x100mL)および食塩水(150mL)で洗浄した。水層をEt2O(100mL)で逆抽出した。Et2O層を合わせて、飽和NaHCO3(150mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を除去して表題化合物(3.97g)を得た。
【0150】
パートB.((1S,2S)−1−{[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニルアミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ジクロロエタン(40mL)中の((1S,2S)−1−ホルミル−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(1.3g,6mmol)および4−tブチル−ジメチルシラニルオキシアニリン(1.35g,6mmol)の溶液に、三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.54g,12mmol)を少しずつ加えた。添加後、生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液を飽和NaHCO3でクエンチし、DCMで抽出した(4x40mL)。DCMを合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をISCO(40gのカラム,ヘキサン中の0−50% EtOAcで40分間)にかけて表題化合物(1.39g)を得た。 MS (MH+ 423).
【0151】
パートC.[(1S,2S)−1−({[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−[トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
塩化チオニル(2mL)中のトランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2イル)−シクロプロパンカルボン酸HCl塩(217mg,1mmol)の混合液を終夜加熱還流した。混合液を濃縮し、高真空下で3時間乾燥させた。続いて、残渣をDCM(4mL)中に溶解させ、DCM(4mL)中の((1S,2S)−1−{[4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニルアミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(422mg,1mmol)およびトリエチルアミン(409μL,3mmol)の溶液に滴下して加えた。生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液を濃縮し、残渣をISCO(40gのカラム,ヘキサン中の0−40% EtOAcで40分間)にかけて表題化合物(486mg,83%)を得た。 MS (MH+ 586).
キラルHPLCにより2種類のジアステレオマーを分離し[カラム:ChiralPak AD−H 20mmx250mm,ヘキサン中の30% エタノールの一定組成,保持時間:10.36分および12.22分]:
[(1S,2S)−1−({[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−[(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(1S,2S)−1−({[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−[(1S,2S)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
を得た。
【0152】
パートD.((1S,2S)−1−{[[(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
THF(3mL)中の[(1S,2S)−1−({[4−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−[(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(190mg)の溶液に、THF(1M,1mL)中のTBAFを加え、得られた溶液を室温で2時間攪拌した。反応混合液をEtOAc(30mL)で希釈し、H2O(2x15mL)および食塩水(15mL)で洗浄した。EtOAc層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して表題化合物(102mg)を得た。 MS (MH+ 472).
【0153】
パートE.[(1S,2S)−1−({(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−[(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMF中の((1S,2S)−1−{[[(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(51mg,0.11mmol)、K2CO3(69mg,0.5mmol)およびシクロブチルメチルブロミド(22mg,0.15mmol)の混合液を、55℃で終夜攪拌した。室温に冷まし、混合液をシリカパッドに通して濾過した(EtOAc)。濾液を濃縮し、残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−40% EtOAcで25分間)にかけて表題化合物(53mg)を得た。 MS (MH+ 540).
【0154】
パートF.(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−アミド
DCM(1mL)中の[(1S,2S)−1−({(4−シクロブチルメトキシ−フェニル)−[(1R,2R)−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(53mg)の溶液をTFA/DCM(1/1mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して表題化合物をジ−TFA塩(60.7mg)として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.2 (d, J=3.0 Hz, 1 H), 7.5 (td, J=8.5, 2.9 Hz, 1 H), 7.3 (dd, J=8.8, 4.3 Hz, 1 H), 7.3 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 6.9 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 4.3 (dd, J=14.9, 8.8 Hz, 1 H), 3.9 (dd, J=6.6, 2.3 Hz, 2 H), 3.6 (dd, J=14.9, 2.8 Hz, 1 H), 3.3 - 3.4 (m, 1 H), 2.8 (dt, J=14.6, 7.2 Hz, 1 H), 2.6 (dd, J=6.3, 2.5 Hz, 1 H), 2.1 (td, J=8.5, 5.6 Hz, 2 H), 1.8 - 2.1 (m, 5 H), 1.8 (ddd, J=7.7, 5.9, 1.5 Hz, 1 H), 1.7 (ddd, J=9.0, 5.4, 3.8 Hz, 1 H), 1.4 (ddd, J=8.5, 6.0, 3.9 Hz, 1 H), 1.4 (dd, J=7.5, 5.7 Hz, 1 H), 1.2 (dd, J=15.5, 5.4 Hz, 1 H), 1.0 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 0.9 (t, 3 H). LRMS ( ESI) = 440.3, [(M + H)+, C26H35FN3O2についての計算式 439.6].
【0155】
実施例18
トランス−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2R,3R)−2−アミノ−3−メトキシ−ブチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
【化31】

パートA.((1R,2R)−1−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ジクロロエタン(22mL)中のBocThr(Me)OH(5.14g,22mmol)の冷溶液(−15℃)に、N−メチル モルホリン(2.44mL,22mmol)およびイソブチルクロロホルメート(2.99mL,22mmol)を順次加えた。1分後、沈殿物を濾過し、ジクロロエタンで洗浄した(5x4mL)。濾液および洗浄液を氷塩浴内の大きい三頚フラスコ中で合わせた。H2O(11mL)中のNaBH4(1.26g,33mmol)の溶液を一度に加え、ガスが激しく発生し、続いてH2O(500mL)を加えた。次いで、混合液をEtOAcで抽出した(5x150mL)。EtOAcを合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、表題化合物(5g)を得た。 MS (MH+ 220).
【0156】
パートB.((1S,2R)−1−ホルミル−2−メトキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMSO(20mL)およびDCM(250mL)中の((1R,2R)−1−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−プロピル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(5g,22mmol)の氷冷溶液に、DIEA(12mL,69mmol)を加え、次いでDMSO(50mL,漏斗をすすぐための+20mL)中のPy.SO3(11g,69mmol)の溶液を滴下して加えた。反応混合液を室温で5時間攪拌した。DCMを除去し、残渣をEt2O(400mL)で希釈し、H2O(2x100mL)および食塩水(150mL)で洗浄した。水層をEt2O(100mL)で逆抽出した。Et2O層を合わせて、飽和NaHCO3(150mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を除去して表題化合物を得た。MS (MH+ 218).
【0157】
パートC.{(1R,2R)−1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−2−メトキシ−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ジクロロエタン(50mL)中の((1S,2R)−1−ホルミル−2−メトキシ−プロピル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(1.92g,8.8mmol)および4−ブロモアニリン(1.51g,8.8mmol)の溶液に、三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.73g,17.6mmol)を少しずつ加えた。添加後、生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液を飽和NaHCO3でクエンチし、DCMで抽出した(4x40mL)。DCMを合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をISCO(120gのカラム,ヘキサン中の0−40% EtOAcで100分間)にかけて表題化合物(610mg)を得た。 MS (MH+ 373 および 375).
【0158】
パートD.((1R,2R)−1−{[(4−ブロモ−フェニル)−(トランス−2−ピラジニ−2−イル)−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メトキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
塩化チオニル(2mL)中のトランス−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボン酸HCl塩(160mg,0.8mmol)の混合液を、3時間加熱還流した。混合液を濃縮し、高真空下で終夜乾燥させた。続いて、残渣をDCM(2mL)中に懸濁させ、これに、DCM(2mL,洗浄のための+1mL)中の{(1R,2R)−1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−2−メトキシ−プロピル}−カルバミン酸t−ブチルエステル(300mg,0.8mmol)およびトリエチルアミン(223μL,1.6mmol)の溶液を加えた。生じた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合液を濃縮し、残渣をISCO(40gのカラム,ヘキサン中の0−60% EtOAcで40分間)にかけて表題化合物(340mg,82%)を得た。MS (MH+ 519 および 521).
【0159】
パートE.((1R,2R)−2−メトキシ−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−(トランス−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−プロピル)−カルバミン酸tertブチルエステル
CH3CN/H2O(3.5/0.5mL)中の((1R,2R)−1−{[(4−ブロモ−フェニル)−(トランス−2−ピラジニ−2−イル)−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−2−メトキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(85mg,0.16mmol)、アリールボロン酸(31mg,0.19mmol)、Pd(PPh32Cl2(14mg,0.02mmol)およびK2CO3(42mg,0.3mmol)の混合物を、マイクロ波にて140℃で20分間加熱した。反応混合液を短シリカパッドに通し(EtOAc)、濃縮した。残渣をISCO(12gのカラム,ヘキサン中の0−50% EtOAcで25分間)にかけて表題化合物(64mg)を得た。 MS (MH+ 559).
【0160】
パートF.トランス−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボン酸((2R,3R)−2−アミノ−3−メトキシ−ブチル)−(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−アミド
DCM(1mL)中の((1R,2R)−2−メトキシ−1−{[(4’−プロピル−ビフェニル−4−イル)−(トランス−2−ピラジニ−2−イル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−メチル}−プロピル)−カルバミン酸tertブチルエステル(55mg)の溶液を、TFA/DCM(2/2mL)で1時間処理した。混合液を濃縮して、表題化合物をジ−TFA塩(65.5mg)として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.5 (d, J=5.3 Hz, 1 H), 8.1 - 8.2 (m, 2 H), 7.5 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 7.4 (dd, J=8.3, 4.5 Hz, 2 H), 7.3 (dd, J=8.2, 3.4 Hz, 2 H), 7.2 (dd, J=8.1, 1.5 Hz, 2 H), 4.2 (ddd, J=14.8, 8.5, 8.3 Hz, 1 H), 3.8 (ddd, J=14.7, 7.9, 4.2 Hz, 1 H), 3.4 (qd, J=6.1, 5.9 Hz, 1 H), 3.2 (s, 3 H), 3.2 - 3.2 (m, 1 H), 2.6 (dddd, J=14.8, 6.1, 5.7, 4.2 Hz, 1 H), 2.5 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 2.0 (q, J=8.3 Hz, 1 H), 1.7 (dddd, J=8.9, 7.1, 5.6, 3.7 Hz, 1 H), 1.6 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 1.3 - 1.4 (m, J=8.5, 5.8, 2.9, 2.9 Hz, 1 H), 1.1 (dd, J=6.1, 3.0 Hz, 3 H), 0.9 (t, J=7.3 Hz, 3 H). LRMS ( ESI) = 459.3, [(M + H)+, C28H35N4O2についての計算値 459.6].
【0161】
実施例19
(1S,2S)−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−ペンチ−1−イニル−フェニル)−アミド2TFA
【化32】

パートA.[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(0.150g,0.83mmol)を、塩化チオニル(2mL)中に溶解させ、これを攪拌し、60℃で1.5時間加熱した。過剰量の溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、高真空下で2時間乾燥させて、対応する酸塩化物を得た。別の50mLの丸底フラスコに、{(1S,2S)−1−[(4−ブロモ−フェニルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.308g,0.83mmol)、ジクロロメタン(8mL)およびトリエチルアミン(0.46mL,3.32mmol)を、窒素下にて氷冷浴中で入れた。ジクロロメタン(2mL)中の上記の酸塩化物を反応混合液に滴下して加えた。最終反応混合液を室温で2時間撹拌した。最終反応液を水でクエンチした。有機層を食塩水で洗浄し(3x10mL)、MgSO4で乾燥させ、濾液を減圧中で濃縮し、ヘキサン中で0%−100%の酢酸エチルのグラジエントを用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物のジアステレオマーの清澄な油状物(0.443g,収率46%)を得た:LCMS (ESI) m/e 534.0/536.0 [(M+H)+, C26H34BrFN3O3についての計算値 535.5].
【0162】
パートB.((1S,2S)−1−{[[(1S,2S)−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4−ペンチ−1−イニル−フェニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
[(1S,2S)−1−({(4−ブロモ−フェニル)−[トランス−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.068g,0.127mmol)、1−ペンチン(0.05mL,0.509mmol)、PdCl2(PPh32(0.017g,0.025mmol)およびTHF中の1N TBAF(0.76mL,0.762mmol)を、密封したマイクロ波フラスコ中でTHF(1mL)と混合させた。反応混合液を通常の設定で90℃にて30分間加熱した。反応混合液を食塩水でクエンチした。水層を酢酸エチルにより抽出した(3x7mL)。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して黄色の油状物を得た。粗生成物を、ヘキサン中で0%−50% 酢酸エチルのグラジエントを用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を黄色の油状物(0.066g,収率99%)として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.32 (m, 4 H), 6.86 (m, 3 H), 6.42 (m, 1 H), 4.76 (d, J=9.1 Hz, 1 H), 4.11 (m, 1 H), 3.48 (m, 1 H), 2.95 (td, J=13.1, 3.8 Hz, 1 H), 2.42 (m, 1 H), 2.16 (td, J=7.0, 3.4 Hz, 2 H), 1.67 (m, 1 H), 1.40 (m, 4 H), 1.22 (m, 11 H), 0.84 (m, 3 H), 0.63 (m, 6 H); LCMS (ESI) m/e 522.4 [(M+H), C31H41FN3O3についての計算値 522.7].
【0163】
パートC.(1S,2S)−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(4−ペンチ−1−イニル−フェニル)−アミド 2TFA
((1S,2S)−1−{[[(1S,2S)−2−(6−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−(4−ペンチ−1−イニル−フェニル)−アミノ]−メチル}−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.0657g,0.126mmol)、トリフルオロ酢酸(1mL)およびジクロロメタン(2mL)を0℃で混合し、続いて室温で1時間撹拌した。過剰量の溶媒を減圧中で除去した。残渣を分取HPLCで精製して白色の固形物(0.0277g,34%)を得た:1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.66 (m, 1 H), 7.24 (m, 4 H), 7.07 (td, J=7.1, 2.3 Hz, 1 H), 6.66 (m, 1 H), 4.16 (m, 1 H), 3.58 (m, 1 H), 3.21 (dt, J=3.3, 1.6 Hz, 1 H), 2.47 (br. s., 1 H), 2.29 (td, J=7.0, 3.2 Hz, 2 H), 1.81 (dd, J=5.3, 3.5 Hz, 1 H), 1.62 (m, 1 H), 1.53 (m, 3 H), 1.29 (m, 2 H), 1.10 (m, 1 H), 0.95 (td, J=7.3, 2.5 Hz, 3 H), 0.86 (dd, J=7.1, 4.8 Hz, 3 H), 0.73 (m, 3 H); LCMS (ESI) m/e 422.3 [(M+H)+, C26H33FN3Oについての計算値 422.6].
【0164】
実施例20
トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イル)−アミド
【化33】

パートA.((1S,2S)−1−ホルミル−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
0℃でジクロロメタン(250mL)およびDMSO(50mL)中のN−Boc−L−イソロイシノール(5g,23mmol)の懸濁液に、TEA(10mL,73mmol)を加え、続いてDMSO(50mL)中の三酸化硫黄ピリジン錯体(11mL,69mmol)の溶液をシリンジによりゆっくり加えた。反応混合液を濃縮し、エーテル(200mL)で希釈した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し(3x200mL)、次いでこれを食塩水(150mL)、水(150mL)およびNaHCO3(150mL)で順次洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をポンプで乾燥させて、((1S,2S)−1−ホルミル−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(4.47g,収率90%)を淡黄色の清澄な液体として得た。
【0165】
パートB.{(1S,2S)−1−[(6−ブロモ−ナフタレン−2−イルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
((1S,2S)−1−ホルミル−2−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.62g,7.5mmol)および6−ブロモ−ナフタレン−2−イルアミン(1.11g,5.0mmol)をDCE(10mL)中で合わせた。5分攪拌し、NaBH(OAc)3(2.33g,11mmol)を加えた。続いて全ての混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合液を、水(50mL)を含有する分液漏斗に移した。水層をDCMで抽出した(3x50mL)。有機層を合わせて、食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10% 酢酸エチル)により精製して、{(1S,2S)−1−[(6−ブロモ−ナフタレン−2−イルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.78g,収率85%)をオフホワイト色の固形物として得た。LC/MS (ESI) m/e 423.2 [(M + H)+, C21H29BrN2O2についての計算値 421.4].
【0166】
パートC.{(1S,2S)−1−[(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
{(1S,2S)−1−[(6−ブロモ−ナフタレン−2−イルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(210mg,0.5mmol)、2−シクロプロピル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(336mg,2.0mmol)、Pd(dppf)2Cl2(82mg,0.1mmol)、K3PO4(320mg,1.5mmol)を、DME(2.4mL)および水(0.6mL)の混合液中で合わせた。反応混合液をマイクロ波条件下にて130℃で10分間加熱した。反応混合液を室温に冷まし、1N NaOH溶液(15mL)をゆっくり加えることによってクエンチした。反応混合液を、水(20mL)を含有する分液漏斗に移した。水層をDCMで抽出した(3x50mL)。有機層を合わせて、食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル(ヘキサン中で7%→17% 酢酸エチル)で精製して、{(1S,2S)−1−[(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(107mg,収率60%)を淡い褐色の固形物として得た:LC/MS (ESI) m/e 383.3 [(M+H)+, C24H34N2O2についての計算値 382.6].
【0167】
パートD.[(1S,2S)−1−({(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イル)−[トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸(35mg,0.16mmol)をSOCl2(2mL)中に溶解させ、65℃で3時間加熱した。ポンプによりSOCl2を慎重に取り除き、残渣を高真空下で3時間乾燥させた。0℃でDCM(3mL)中の{(1S,2S)−1−[(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イルアミノ)−メチル]−2−メチル−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(55mg,0.14mmol)およびトリエチルアミン(0.084mL,0.6mmol)の溶液に、DCM(2mL)中の新たに調製したトランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニルクロリドをゆっくり加えた。続いて、反応混合液を室温で18時間撹拌した。反応混合液を、水(20mL)を含有する分液漏斗に移した。水層をDCMで抽出した(3x20mL)。有機層を合わせて、食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、Prep HPLCにより精製して、[(1S,2S)−1−({(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イル)−[トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを固形物として得た:LC/MS (ESI) m/e 546 [(M+H)+, C33H40FN3O3 についての計算値 545.7].
【0168】
パートE.トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イル)−アミドTFA
DCM(1.5mL)中の[(1S,2S)−1−({(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イル)−[トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボニル]−アミノ}−メチル)−2−メチル−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液に、TFA(0.25mL)を加え、室温で40分間攪拌した。反応混合液を濃縮し、減圧下で乾燥させて、トランス−2−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−シクロプロパンカルボン酸((2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−ペンチル)−(6−シクロプロピル−ナフタレン−2−イル)−アミドTFA(14.2mg,2工程で18% 収率)を黄褐色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.90-7.93 (d, J=12 Hz, 1 H), 7.53-7.78 (m, 4 H), 7.25-7.32 (m, 2H), 7.10-7.31 (m, 2H), 4.19 - 4.30 (m, 1 H), 3.67-3.75(m, 1 H), 3.20-3.30 (m, 1H), 2.49-2.59(m, 1H), 1.90-2.01(m, 1H), 1.75-1.84 (m, 1H), 1.55-1.67 (m, 2H), 1.19-1.31 (m, 2H), 1.07-1.12 (m, 1H), 0.90-0.97 (m, 2H), 0.80-0.90 (m, 3H), 0.25-0.75 (m, 5H); LC/MS (ESI) m/e 446.2 [(M+H)+, C28H33FN3Oについての計算値 446.6].
【0169】
生物学的活性
材料:
96ウェルGTPγSアッセイプレートをPerkin Elmerから購入した。小麦胚細胞凝集素PVT SPAビーズおよび35S−GTPγSをAmersham GDPから購入し、GTPγSおよび全ての緩衝液試薬をSigmaから購入した。384ウェルホワイトNBSプレートをcorningから購入した。百日咳毒素をCalbiochemから購入した。全ての細胞培養試薬をインビトロジェンから購入した。フォルスコリンをSigmaから購入した。cAMP HTRFキットをCisbio Internationalから購入した。
【0170】
方法:
GTPγSアッセイ
GTPγSアッセイ緩衝液は、10mM MgCl2、180mM NaCl、200uM GDP、0.167mg/ml DTT、1mM EGTAおよび20mM HEPES pH7.4からなる。この緩衝液は、細胞膜、ビーズおよび35S GTPγS成分の希釈のために用いた。96ウェルアッセイプレートの各ウェルに、48μlのアッセイ緩衝液、2μlの100x化合物、50μlの膜溶液(0.2μg/μl)、50μlの35S GTPγS溶液(0.8nM)および50μlのSPAビーズ(10mg/ml)を加えた。非特異的な結合は、冷GTPγSを対照ウェルに加えることによって調べた。プレートを透明な密封テープで密封し、室温で1時間インキュベートした。GTPγS活性は、Wallac Micro−Beta Trilux液体シンチレーションカウンターを用いて検出した。非特異的な結合は、10μMの冷GTPγSを用いて調べた。
【0171】
cAmp HTRFアッセイ
cAMP HTRFアッセイは、Cisbio Internationalキット手順62AM4PEJを改良する。アッセイプレートは、0.1μlのDMSOで希釈した100x化合物ストック溶液またはDMSOのみを384ウェルのNBSプレートにスタンプすることによって調製した。cAMP HTRFアッセイは、懸濁液中の細胞を用いて行った。cAMP HTRFアッセイ緩衝液は、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)、2mM CaCl2、5mM MgCl2、20mM HEPESおよび1mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)(アッセイ時に作りたてを加えた)から構成される。百日咳毒素の処理においては、百日咳毒素(100ng/ml)を、アッセイ16時間前に培地に加えた。コンフルエントな細胞を細胞解離緩衝液で解離させ、細胞数をカウントし、次いで1000xgで5分間遠心分離させた。細胞沈殿物を、基底cAMP測定のためのアッセイ緩衝液のみで、あるいは全ての他のウェルに添加するための0.75μM フォルスコリン(ウェルへの添加直前に加えた)で再懸濁した。Multidrop 384(Lab systems)を用いて、10μlの細胞懸濁液を、化合物またはDMSOを含有する各ウェルに加えた。プレートをカバーして室温で30分間インキュベートした。この間、cAMP標準曲線を製造業者の説明書に従って調製した。インキュベーション終了時に、製造業者の溶解緩衝液で希釈した10μlの抗cAMPクリプテートおよび10μlのcAMP−XLを各ウェルに加えた。該プレートをカバーして室温で60分間インキュベートし、次いでEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で読み取り、665nm/620nmの蛍光比を調べた。蛍光比の値を、Graphpad Prismプログラムを用いて標準曲線からモルcAMP濃度に変換した。
【0172】
表2は、本開示の選択化合物についてのEC50値を示す:「X」の印の付いた全ての化合物は、3nMから20nMの間のEC50値を有する。
表2
【表2】

【0173】
本開示は、前記の例示的な実施例に限定されるものではなく、その必須の特性から逸脱することなく他の具体的な形態で具体化できることは、当業者にとって明らかである。よって、例示されるあらゆる局面で考えられ、限定されるものではない例、前記実施例よりむしろ特許請求の範囲に対して調製される対象、ならびに特許請求の範囲の意味および均等の範囲内となる全ての変更が本明細書に包含されることが所望される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(I),
[式中、
nは、0または1であり;
Aは、イミダゾリル;フェニル;ピラジニル;ピリミジニル;ピリジニル;およびチアゾリルから選択され;
1は、
【化2】

から選択されるものであって、
ここで、
【化3】

は、親分子部分への結合点を表し;
2は、水素;C1−C3アルキル;C3−C6シクロアルキル;およびC3−C6シクロアルキル−C1−C3アルキルから選択され;
3は、水素;C1−C6アルキル;C1−C3アルコキシ−C1−C3アルキル;ヒドロキシ−C1−C3アルキルから選択されるか;
あるいは、R2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
4は、水素;C1−C3アルキル;およびヒドロキシ−C1−C3アルキルから選択されるか;あるいは
3およびR4は、それらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニル基を形成するか、またはC3−C6シクロアルキル;テトラヒドロフリル;およびテトラヒドロピラニルから選択される環を形成し;
5は、水素およびC1−C3アルキルから選択されるか;あるいは
4およびR5は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロペンチルまたはシクロヘキシル環を形成し;
6は、水素;C1−C3アルコキシ;C1−C3アルキル;およびハロから選択され;ならびに
7は、
3−C6アルケニル;
2−C6アルケニルオキシ;
3−C6アルコキシ;
1−C3アルコキシ−C2−C3アルキニル;
1−C6アルキル;
2−C6アルキニル;
5−C6シクロアルケニル;
1または2個のC1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル;
シクロアルキルが1または2個のC1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル−C1−C3アルコキシ;
1または2個のC1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいC3−C7シクロアルキルオキシ;
ハロ;
1−C3アルキル、ハロ−C1−C3アルキルおよびフェニルから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよいヘテロサイクリル;
1または2個のハロ−C1−C3アルキル基で適宜置換されていてもよいヘテロサイクリルオキシ;
フェノキシ−C1−C3アルコキシ;
1−C3アルコキシ、C1−C6アルコキシ−C1−C3アルキル、C1−C3アルコキシカルボニル、C1−C3アルコキシカルボニル−C1−C3アルキル、C1−C6アルキル、C1−C3アルキルスルファニル、C2−C6アルキニル、シアノ−C1−C3アルキル、ハロ、ハロ−C1−C3アルコキシ、−NH2、ならびにC1−C3アルコキシ−C1−C3アルキルおよびハロから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよいフェノキシから独立して選択される1、2または3個の置換基で適宜置換されていてもよいフェニル;ただし、フェニルが置換される場合、最初の置換基はフェニル環上のパラ位であるものとし;
フェニルがC1−C3アルコキシ−C1−C3アルキルおよびハロから独立して選択される1または2個の基で適宜置換されていてもよいフェニル−C1−C3アルコキシ
;ならびに
X−C(O)−NH−;(式中、Xは、C1−C3アルコキシ;C1−C6アルキル;C3−C10シクロアルキル;およびC1−C6アルキルで適宜置換されていてもよいヘテロサイクリルから選択される)
から選択され;
8は、水素;C1−C3アルキル;およびハロから選択され;ならびに
9は、水素;C1−C3アルキル;およびハロから選択される]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Bがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Bがピリジニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Bが、イミダゾリル;ピラジニル;ピリミジニル;およびチアゾリルから選択されるものである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(II)
【化4】

(II),
[式中、
Aは、ピラジニルおよびピリジニルから選択され;
1は、
【化5】

(式中、
【化6】

は、親分子部分への結合点を表す)
から選択され;
3は、C4アルキルおよびC1アルコキシ−C2アルキルから選択され;
4は、水素であるか;あるいは
3およびR4は、それらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニル基を形成するか、またはC5シクロアルキルおよびテトラヒドロピラニルから選択される環を形成し;
6は、水素およびハロから選択され;ならびに
7は、
5アルキニル;
3シクロアルキル;
4シクロアルキル−C1アルコキシ;および
3アルコキシ、C1アルコキシ−C1アルキル、C3アルキルおよびC2アルキニルから選択される1個の置換基で適宜置換されていてもよいフェニル;ただし、フェニルが置換される場合、置換基はフェニル環上のパラ位であるものとする
から選択される]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む組成物。
【請求項8】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を哺乳類に投与することを特徴とする、哺乳類における神経疾患または代謝性疾患から選択される疾患の治療方法。
【請求項9】
前記哺乳類がヒトである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記疾患が、精神病、統合失調症の失認、感情障害、注意欠陥多動障害、薬物依存、パーキンソン病およびアルツハイマー病から選択される神経疾患である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記疾患が、肥満症および糖尿病から選択される代謝性疾患である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を哺乳類に投与することを特徴とする、哺乳類におけるGタンパク質共役受容体88の調節方法。
【請求項13】
前記哺乳類がヒトである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記Gタンパク質共役受容体88が、神経疾患または代謝性疾患を治療するために調節される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記Gタンパク質共役受容体88が、精神病、統合失調症の失認、感情障害、注意欠陥多動障害、双極性障害、薬物依存、パーキンソン病およびアルツハイマー病から選択される神経疾患を治療するために調節される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Gタンパク質共役受容体88が、肥満症および糖尿病から選択される代謝性疾患を治療するために調節される、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2013−507371(P2013−507371A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533272(P2012−533272)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/051597
【国際公開番号】WO2011/044212
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【出願人】(508192566)レクシコン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【Fターム(参考)】