説明

G蛋白質共役型レセプター抑制剤,医薬およびスクリーニング方法。

【課題】G蛋白質共役型レセプターの活性化を抑制する物質およびそのスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】G蛋白質共役型レセプター抑制剤は、トランス型脂肪酸から選ばれた化合物を有効成分として含有している。また、G蛋白質共役型レセプター抑制剤を有効成分として含有する医薬を提供することもできる。活性化状態にあるG蛋白質共役型レセプター保有細胞に、トランス型脂肪酸などの被検化合物を添加することにより、生体に悪影響を及ぼす物質や、悪影響を是正する物質を検出するためのスクリーニングを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、G蛋白質共役型レセプター抑制剤,および消化器治療薬,精神障害治療薬,低血糖症,肺疾患等の医薬、ならびにスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプター蛋白質を通じて、その機能を果たしうる。レセプター蛋白質は、一般的には、共役しているグァニジン三リン酸(GTP)結合蛋白質(GTP-bindig Protein)(以下、G蛋白質と略称する場合がある)の活性化を通じて、細胞内のシグナル伝達を行うことから、G蛋白質共役型レセプター(蛋白質)と総称される。また、G蛋白質レセプターは、7個の膜質貫通領域を有する構造から、7回膜質貫通型レセプター蛋白質とも総称される。
【0003】
上記G蛋白質共役型レセプターとして、例えば、腸管、肺、脳などに存在するGPR120や、GPR40などが知られている。G蛋白質共役型レセプターなどの細胞内生理活性物質の活性化を促進するものはアゴニスト、阻害するものはアンタゴニストと呼ばれている。たとえば、特許文献1,非特許文献1には、GPR120を保有する細胞に、GPR120を作動させるリガンドを作用させると、細胞内のCa2+が上昇し、その後、コレシストキニン(CCK)やGLP−1(グルカゴン様ポリペプチド−1)のようなペプチドホルモンが放出されることが開示されている。
【0004】
そこで、アゴニストやアンタゴニストとなるリガンドを、各種疾患などに対する治療薬として利用することが提案されている。例えば、特許文献1には、CCKの放出を促進させる物質の投与により、摂食障害およびそれに伴う疾患等の症状を改善できることが記載されている。非特許文献1には、細胞内Ca2+濃度を上昇させる物質の投与により、GLP−1やインシュリンの分泌量を高め、糖尿病を治療できることが記載されている。また、特許文献1には、GPR120保有細胞からCCKの放出を促進させる物質を、消化活動の協調的促進剤、消化活動障害の治療薬として用いることが提案されている。また、非特許文献3には、このようなリガンドを、食欲抑制による肥満予防治療薬、巨食症の治療薬として用いることが開示されている、非特許文献4には、このようなリガンドを、膵臓β細胞の分化増殖促進による糖尿病予防治療薬。特にβ細胞あるいはその前駆細胞移植治療時の治療効果促進剤として用いることが提案されている。非特許文献5には、このようなリガンドを、神経細胞可塑性、生存維持作用による神経移植、神経接合時の治療促進剤あるいはアルツハイマー症等、神経細胞障害が原因の疾患治療薬として用いることが提案されている。非特許文献6には、このようなリガンドを、腸管運動の正常化作用による腸炎時の腸管運動異常の治療薬として用いることが開示されている。非特許文献7には、このようなリガンドを、CCK濃度低下によるモルヒネ等鎮痛剤の効果促進や不安やストレスによる障害の治療薬として利用することが記開示されている。非特許文献8には、このようなリガンドを、肺におけるサーファクタント分泌促進によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患治療薬として用いることが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−15358号公報
【非特許文献1】Nature Medicine、11(1),90-94,2005
【非特許文献2】Nutrition 2001; 17(3):230-5
【非特許文献3】Physiol Behav. 2004;83(4): 617-21
【非特許文献4】Diobetology, 2005;48(9):1700-13
【非特許文献5】Curr Drug Target CNS Neurol Disord 2002
【非特許文献6】Drug 2003;63(12):1785-97
【非特許文献7】Neurosci Biobehav Rev.2005:29(8):1361-73
【非特許文献8】Endocrinology. 1998;139(5):2363-8
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、天然の不飽和脂肪酸は、G蛋白質共役型レセプター(GPCR)に活性化を促進させるリガンド(アゴニスト)として作用することが知られている。すなわち、GPR120を保有する細胞に、天然の不飽和脂肪酸を作用させると、細胞内のCa2+イオンが上昇し、コレシストキニン(CCK)のようなペプチドホルモンが放出されることが知られている。一方、末梢神経領域におけるCCKの放出の促進により、食欲の減退が認められ、CCKの放出抑制により、食欲の増進が認められることは周知の事実である。したがって、不飽和脂肪酸をG蛋白質共役型レセプターの活性に関与する各種疾患や生活習慣病などの治療薬、改善剤として用いることが考えられる。
【0007】
ところで、不飽和脂肪酸には、シス型とトランス型とがあることが知られている。天然の不飽和脂肪酸は、ほとんどシス型であり、近年、シス型脂肪酸から変成されたトランス型脂肪酸の弊害が叫ばれている。このような背景もあり、従来の脂肪酸の利用に関する提案は、シス型脂肪酸を前提としている。すなわち、トランス型脂肪酸を積極的に利用することについては、ほとんど考えられていないのが現状である。
【0008】
そこで、本発明者達は、シス型脂肪酸とトランス型脂肪酸とが、G蛋白質共役型レセプターに関与するリガンドとしての観点から見て、それぞれの作用の相違を追究した結果、従来、治療薬としての利用法が未確立であったトランス型脂肪酸の利用についての知見を得た。また、トランス型脂肪酸の作用を確認する過程において、同様の作用を生じる化合物のスクリーニングに関する知見を得た。
【0009】
本発明の目的は、トランス型脂肪酸を有益に活用する手法、およびトランス型脂肪酸との作用を応用したスクリーニング方法を確立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のG蛋白質共役型レセプター抑制剤は、トランス型脂肪酸を有効成分として含有しており、これにより、従来、弊害のみが取り上げられていたトランス型脂肪酸を種々の目的に利用することが可能になる。すなわち、トランス型脂肪酸を、G蛋白質共役型レセプターのアゴニストの作用を緩和させる利用などが可能になる。また、トランス型脂肪酸を、各種実験を行う際に必要とする生理的状態を細胞や生物に生ぜしめるための投与剤として利用することが可能になる。
【0011】
本発明の医薬は、上記G蛋白質共役型レセプター抑制剤を有効成分として含有しており、これにより、各種疾患の治療が可能になる。すなわち、GPR120を有する細胞が存在する腸管、肺、脳などにおけるG蛋白質共役型レセプターの作動(活性化状態)に連動して生じる細胞内Ca2+濃度上昇の抑制作用を利用して、消化器疾患治療薬,精神障害治療薬,低血糖症、および肺疾患治療薬として用いることができる。
【0012】
また、CCKやGLP−1などの生理活性物質の分泌を促進させるリガンドを利用した各種疾患の治療において、本発明の医薬を併用することにより、生理活性物質濃度の過上昇を抑制することができるので、各種器官の各種細胞中の生理活性物質を適正な濃度に調整することが可能になる。
【0013】
本発明のスクリーニング方法は、活性化状態にあるG蛋白質共役型レセプター保有体に、被検化合物を添加したときの生理活性状態を検出することで、G蛋白質共役型レセプターの活性化阻害物質を検出する方法である。G蛋白質共役型レセプター保有体の活性化状態は、G蛋白質共役型レセプターのリガンド、たとえばαリノレン酸(シス型)を処理することで生じさせることができる。G蛋白質共役型レセプター保有体としては、細胞株として単離された細胞を用いてもよいし、動物を用いてもよい。
【0014】
また、上記G蛋白質共役型レセプター抑制剤を投与した細胞または動物を用いて、G蛋白質共役型レセプターの作動抑制を回復する物質を検出することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の蛋白質共役型レセプター抑制剤またはこれを有効成分として含有する医薬により、トランス型脂肪酸を種々の用途に有効利用することが可能になった。
また、本発明のスクリーニング方法により、蛋白質共役型レセプターの抑制物質の検出剤を利用して、蛋白質共役型レセプターの抑制物質の検出や、生体に悪影響を与える物質の検出が容易になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態においては、G蛋白質共役型レセプター(以下、GPCRと略する場合もある)の1つである、配列表1または配列表2で表されるポリペプチド(一般にGPR120と呼ばれる)を例にとって、GPCR抑制剤およびGPCR抑制剤を有効成分として含有する医薬およびスクリーニング方法について説明する。
【0017】
GPR120は、腸管、肺、脳などに存在し、トランス型脂肪酸によってGPR120を遮断させると、後述する実施例に開示するように、細胞内Ca2+濃度上昇を抑制する作用があることが認められた。そして、Ca2+濃度上昇が抑制されることにより、たとえば、コレシストキニン(CCK)やGLP−1のようなペプチドホルモンの放出が抑制され、例えば下痢などを抑制する効果が得られる。また、ストレス負荷時には、食物からの脂肪酸やその誘導体に対する過敏な反応を呈し、疾患の進行に関与することから、GPR120作動を抑制するトランス型脂肪酸がストレス負荷により発症または症状増悪する腸炎、例えばIBS(過敏性腸炎),IBD(潰瘍性腸炎)の治療剤として望ましい。したがって、トランス型脂肪酸を、GPR120の抑制剤として用いることにより、疾患の治療や体質改善のための利用が可能となる。
【0018】
GPR120などのG蛋白質共役型レセプターの抑制剤は、静脈内、経口への投与を含む、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。具体的には、以下のような態様で、投与が可能となる。
【0019】
静脈内への投与に際しては、限定はしないが、トランス型脂肪酸をエマルジョン化することにより、例えば輸液として、ゆっくりと点滴を行うことが可能になる。輸液には、例えば、溶液又は懸濁液に注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの保存剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、塩化ナトリウム又はデキストロースなど浸透圧調製のための薬剤を含んでもよい。
【0020】
輸液のpHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非経口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ,容器,ボトル又は複数回投与用バイアル中等に収納される。
【0021】
注射に適する製剤とするには、滅菌された注射可能な溶液又は分散媒であって、使用時に調製するための滅菌水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌されたパウダー(凍結乾燥された蛋白質、核酸などを含む)が含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR ELTM(BASF, Parsippany, N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。注射剤として使用する場合、GPCR作動剤は滅菌されており、また、シリンジを用いて投与されるために十分な流動性を保持していなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地を使用することができる。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションを防ぐために使用可能である。また、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれてもよい。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
【0022】
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分を単独で又は他の成分と組み合わせた後に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を加え、滅菌することで調製される。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液の調製のための滅菌的なパウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーを調製する真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
【0023】
経口用の製剤とする場合には、不活性な希釈剤又は体内に取り込んでも害を及ぼさない担体が含まれる。経口用製剤は、例えば、ゼラチンのカプセル剤に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口的治療のためには、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセル剤の形態で使用される。また、経口用製剤は、流動性担体を用いて調製することも可能である。さらに、薬剤的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質などが包含されてもよい。
【0024】
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤及びその類似物は、以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る。微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトース、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリシル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤などである。
【0025】
全身投与用の製剤とする場合には、経粘膜的又は経皮的に行うことができる。経粘膜的又は経皮的投与について、標的のバリアーを透過することができる浸透剤が選択される。経粘膜浸透剤は界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経鼻スプレー又は坐薬は経粘膜的な投与に対して使用することができる。経粘膜的投与に対して、活性化合物はオイントメント、軟膏、ジェル又はクリーム中に製剤化される。
【0026】
また、本発明のGPCR抑制剤を有効成分として含有する医薬は、直腸への送達に対して、坐薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの基剤と共に)又は滞留性の浣腸の形態で調製することもできる。
【0027】
本発明のGPCR抑制剤を有効成分として含有する医薬を、制御放出製剤とする場合には、体内から即時に除去されことを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。例えば、エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、ALZA Corporation(Mountain View, CA)及びNOVA Pharmaceuticals, Inc.(Lake Elsinore, CA)から入手することが可能で、また、当業者によって容易に調製することもできる。また、リポソームの懸濁液も薬学的に受容可能な坦体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。例えば、抗体のFab’断片などは、ジスルフィド交換反応を介して、リポソームに結合させてもよい(Martin及びPapahadjopoulos, 1982)。詳細な調製方法は、例えば、文献(Eppstein等, 1985;Hwang等, 1980)中の記載を参照することができる。
【0028】
本発明のGPCR抑制剤を有効成分として含有する医薬の投与量は、特定の疾患の治療又は予防において、投与される患者(人)又は動物の状態、投与方法等に依存するが、当業者であれば容易に最適化することが可能である。
【0029】
例えば、注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5〜約100mg/kgである。
【0030】
経口投与の場合は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。好ましくは治療されるべき患者(人)又は動物に対する有効活性成分の投与量は、0.01〜100mg/kgである。化合物は一日に1〜4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
【0031】
本発明のGPCRの抑制剤作動剤により、細胞内Ca2+濃度の濃度抑制によるCCKやGLP−1などの放出抑制作用などを通じて、たとえば、下記のような疾患の治療が可能になる。
1.CCKは膵炎を促進するために、CCK濃度を低下させることにより、膵炎治療が可能になる。
2.CCKは胃酸の分泌を促進するので、CCK濃度の抑制により、胃酸過多の治療が可能になる。
3.CCKは中枢で不安、ストレスによる行動障害を起こすために、CCK濃度の抑制により、行動障害の治療や精神安定剤としての利用が可能になる。
4.CCKはモルヒネ等の鎮痛剤に拮抗するので、CCK濃度を低下させることにより、鎮痛剤の効果増強が可能である。
5.CCK濃度の抑止により、感染性下痢など下痢の治療が可能になる。
6.GLP−1濃度の抑制により、低血糖症の治療が可能になる。
ただし、上記疾患に限定されるものでなく、CCKやGLP−1の濃度の低下を利用した各種疾患の治療や、Ca2+濃度の抑制により、CCKやGLP−1以外の各種生理活性物質の分泌が抑制される作用を利用して、種々の疾患の治療が可能である。
【0032】
また、トランス型脂肪酸などの化合物のスクリーニング方法として、予め活性化されたG蛋白質共役型レセプター保有細胞に被検化合物を添加して、活性状態の変化を測定することにより、ここで述べた適用拡大の対象疾患に対するより優れた医薬品をスクリーニングすることができる。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
本実施例では、G蛋白質共役型レセプターとしてhumannGPR40(WO2004/065960号参照)およびhuman120(配列表1参照)のN末端にFLAGタグのついたコンストラクトをそれぞれ作成し、GPR40保有細胞およびGPR120保有細胞の安定発現細胞を作成した。そして、この細胞に所定の処置を施すことにより、受容体を発現させて、Ca2+濃度を測定した。human120に代えて、配列表2に示すmouse120を用いてもよい。
【0034】
1.細胞内Ca2+濃度の測定
(1)本実験には、GPR40保有細胞株およびGPR120保有細胞株を用いた。
(2)それぞれの細胞を、表面がコラーゲン処理された細胞培養用96 well1クリアボトムプレートに細胞密度が 2×10 個/ well / 50μlになるように播種して細胞プレートを調製した。
(3)播種時の溶液には10μg/ml濃度 Doxycyclinを含むFBS(-)Mediumを用いた。この溶液で21時間培養することによってDoxycyclin処理とStarvationを同時に進行させた。
【0035】
2.Ca2+イオン感受性蛍光色素の細胞内への負荷
(1)カルシウム感受性蛍光色素を細胞内へ負荷するために、Molecular Devices社のCalcium Assay Kit試薬を用いた。
(2)この試薬をkitマニュアルに記載の2倍濃度でFLIPR buffer (Hanks' Balanced Salt Solutionに 20mM HEPESを加えてpH 7.4に調製した溶液)に溶解した。
(3)調製したCalcium Assay Kit試薬溶液を50μl / wellずつ、播種後21時間後の細胞プレートに添加した。細胞播種時に50μl / wellの培地を用いているため、この操作によりCalcium Assay Kit試薬のwell中での濃度はマニュアルに記載された所定の濃度となった。
(4)Calcium Assay Kit試薬溶液を添加した細胞を1時間室温で暗所に静置することにより、kit試薬中に含まれるカルシウムイオン感受性蛍光色素を細胞内へ負荷した。
【0036】
3.リガンド調製
(1)被検化合物には、以下の4種の不飽和脂肪酸のシス型,トランス型のものを準備した。
a.パルミチン酸(「16:1」と表記)
構造式 CH(CH)CH=CH(CH)COOH
i)シス型
商品名 Palmitoleic acid(SIGMA社 P9417)
ii)トランス型
商品名 Palmitelaidic acid 10030-73-6(和光純薬社 156030)
b.オレイン酸(以下、「18:1」と表記)
構造式 CH(CH)CH=CH(CH)COOH
i)シス型
商品名 Oleic acid(SIGMA社 O183)
ii)トランス型
商品名 Elaidic acid 112-79-8(SIGMA社 E4637)
c.リノール酸(以下、「18:2」と表記)
構造式 CH(CH)CH=CHCHCH=CH(CH)COOH
i)シス型
商品名 Linoleic acid(SIGMA社 L1012)
ii)トランス型
商品名 Linolelaidic acid 506-21-8(和光純薬社 155239)
d.リノレン酸(以下、「18:3」または「α−LA」と表記)
構造式 CHCHCH=CHCHCH=CHCHCH=CH(CH)COOH
i)シス型
商品名 α-Linolenic acid(SIGMA社 L2376)
ii)トランス型
商品名 Linonelaidic acid 28290-79-1(SIGMA社 L2406)
以上の脂肪酸をDMSOに溶解し、上記FLIPR bufferで希釈して各化合物濃度が1.5x10-4M、DMSO濃度が1.5%となるように調製した。
【0037】
(2)ネガティブコントロールとして、上記と同濃度のDMSOを用い、ポジティブコントロールとしてGPR40およびGPR120の既知のリガンドであるα−LAを用いて、それぞれ上記被検化合物と同様に調製した。
【0038】
(3)細胞内Ca2+濃度上昇の測定
無処置(induction-)および発現誘導処置した(induction+)GPR40保有細胞およびGPR120保有細胞に対し、0.3%DMSOおよび3×10−8〜1×10−4M(0.3%DMSO)の各種化合物を添加し、細胞内Ca2+濃度をFLIPR(Molecular Devices社製)で測定した。ピーク値を検出し、1×10−4M α−LA(シス型)添加時のピーク値によって標準化(規格化)した。
【0039】
図1(a),(b)は、順に、無処置(induction-)および発現誘導処置した(induction+)GPR40保有細胞GPR120保有細胞における,α−LA(シス型)の刺激によるCa2+濃度の上昇量を示すデータである。図1(a),(b)の横軸は、α−LA(シス型)の添加濃度を示し、縦軸はCa2+濃度の上昇量を示している。いずれの細胞においても、細胞内Ca2+濃度の上昇が確認されており、発現誘導処置(induction+)が適正に行われていることが確認された。
【0040】
図2(a)〜(d)は、順に、シス型およびトランス型のC16:1,C18:1,C18:2,C18:3(α−LA)をGPR40保有細胞に添加したときのCa2+濃度の上昇量データを示すグラフである。図2(a)〜(d)の横軸は、各脂肪酸の添加濃度を示し、縦軸はCa2+濃度の上昇量を示している。また、図3(a)〜(d)は、順に、シス型およびトランス型のC16:1,C18:1,C18:2,C18:3(α−LA)をGPR120保有細胞に添加したときのCa2+濃度の上昇量データを示すグラフである。図3(a)〜(d)の横軸は、各脂肪酸の添加濃度を示し、縦軸はCa2+濃度の上昇量を示している。図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)から以下のことがわかる。
【0041】
−GPR40保有細胞に対して−
i) シス型C16:1,C18:1,C18:2,C18:3の添加
いずれも細胞内Ca2+濃度は上昇するが、シス型C18:1の添加に対する細胞内Ca2+濃度の上昇量は小さい。
ii) トランス型C16:1,C18:1,C18:2,C18:3の添加
トランス型C16:1,C18:1の添加に対して細胞内Ca2+濃度の上昇はほとんど見られないが、トランス型C18:2,18:3(α−LA)の添加に対する細胞内Ca2+濃度の上昇が見られた。特に、トランス型18:3(α−LA)の添加に対しては、シス型18:3の添加とそれほど変わらない(約85%程度)細胞内Ca2+濃度の上昇量があった。
【0042】
−GPR120保有細胞に対して−
i) シス型C16:1,C18:1,C18:2,C18:3の添加
シス型C16:1,C18:2,C18:3の添加に対しては細胞内Ca2+濃度は上昇するが、シス型C18:1の添加に対する細胞内Ca2+濃度の上昇量は極めて小さい。
ii) トランス型C16:1,C18:1,C18:2,C18:3の添加
いずれの場合にも、細胞内Ca2+濃度の上昇はほとんど見られない。
【0043】
従来、シス型脂肪酸とトランス型脂肪酸とのG蛋白質共役型レセプターに対するアゴニスト,アンタゴニストとしての機能はほぼ一律に解釈されていたが、本実験の結果から、各脂肪酸の種類およびG蛋白質共役型レセプターの種類に応じて、個別具体的に確認する必要があることがわかる。特に、GPR40保有細胞とGPR120保有細胞とに対する,C18:3(α−LA)の添加に対する細胞内Ca2+濃度の上昇特性は対照的に異なっている。すでに説明したように、細胞内Ca2+濃度は、細胞からの生理活性物質であるホルモンの分泌量に対応しており、細胞の生理的活性状態を表す指標であることは確認されている。したがって、図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)のデータから、各細胞の活性化について、以下の注目すべき事実が確認された。
【0044】
GPR40保有細胞については、シス型の脂肪酸C16:1,C18:1の添加により活性化されるが、トランス型の脂肪酸C16:1,C18:1の添加によっては活性化されない。一方、脂肪酸18:2および18:3(α−LA)の添加に対しては、シス型,トランス型脂肪酸いずれの添加に対しても活性化される。
【0045】
GPR120保有細胞については、いずれのトランス型脂肪酸C16:1,C18:1,18:2,18:3(α−LA)の添加に対しても活性化は見られなかった。
【0046】
以上のことから、トランス型脂肪酸の種類を適宜選別することにより、G蛋白質共役型レセプターのアゴニストまたはアンタゴニストとして利用することができる。特に、シス型脂肪酸だけでなく、トランス型脂肪酸であっても、例えばGPR40のアゴニストとして作用することが判明した。すなわち、トランス型脂肪酸であっても、種類を選択することにより、シス型脂肪酸と同様に、例えばC18:1(α−LA)やC18:2のように、G蛋白質共役型レセプターのアゴニストとして、医薬,栄養補助剤に利用することができる。
【0047】
次に、スクリーニングの可否を確認するために、MEDICA16(β,β’−テトラメチル置換ヘキサジオンデカン)についても、上記と同様の実験をGPR40保有細胞,GPR120保有細胞に対して行なった。
図4(a),(b)は、順に、GPR40保有細胞,GPR120保有細胞へのMEDICA16の添加に対するCa2+濃度の上昇量を示すデータである。図4(a),(b)からわかるように、MEDICA16のGPR40保有細胞に対する添加によって、細胞内Ca2+濃度は上昇するが、MEDICA16のGPR120保有細胞に対する添加によっては、細胞内Ca2+濃度はほとんど上昇しない。つまり、GPR40保有細胞は活性化されるが、GPR120保有細胞は活性化されない。
【0048】
(4)細胞の活性化抑制効果の確認
被検化合物の活性化抑制効果(アンタゴニスト活性)は、アゴニスト活性評価の際と同濃度の被検化合物で細胞を10分間前処理した後に、つまり、GPR40またはGPR120を発現させて、細胞を活性化させる処理を行なった後に、活性化状態にある細胞を、同濃度のα−LAで刺激した際の細胞内Ca2+濃度の上昇がどの程度阻害されるかによって評価した。具体的には、まず前処理用プレート中の被検化合物を、マルチピペットを用いて色素負荷後の細胞プレート各wellへ添加し、その後細胞プレートとα−LA(シス型)を分注した化合物プレートをFLIPRへセットして、α−LA(シス型)の添加が被検化合物を添加してから10分後となるように、FLIPRを操作して、上記と同様にα−LA(シス型)添加刺激前後の細胞内Ca2+濃度の経時変化を測定した。
また、測定終了後、各被検化合物前処理に対応するwellの蛍光強度増加のピーク値をそれぞれ求めた。この数値をDMSOのみで前処理時した際のα−LA添加刺激時の数値でnormalizeして各被検化合物の活性化抑制効果(アンタゴニスト活性)を評価した。
【0049】
図5(a),(b)は、順に、GPR40保有細胞およびGPR120保有細胞に対するトランス型脂肪酸等の活性化抑制効果を示すデータである。上述のように、図5(a),(b)は、α−LA(シス型)により活性化されたGPR40保有細胞およびGPR120保有細胞に対して、各種脂肪酸による活性化の阻害性を示すデータである。
【0050】
図5(a)に示すように、いずれの脂肪酸の添加によっても、GPR40保有細胞に対する活性化抑制効果は有意なレベルには認められなかった。ただし、C18:3(α−LA)の添加によっては、有意であるとの判断は困難ではあるが、若干のCa2+濃度の低下が認められている。
【0051】
一方、図5(b)に示すように、トランス型C18:3(α−LA)やMEDICA16の添加によって、GPR120保有細胞の活性化が大きく抑制(阻害)されている。また、トランス型C18:2の添加によっても、α−LA(シス型)により活性化されたGPR120保有細胞の活性化の抑制(阻害)が認められている。
【0052】
なお、本実施例において、細胞内Ca2+濃度の上昇により、GPR40保有細胞の分泌する生理活性物質であるインシュリンや、GPR120保有細胞の分泌する生理活性物質であるGLP−1の分泌量が増大したことも確認されている。
【0053】
図5(b)に示すデータから導かれるように、活性化状態にある細胞に対して、ある種の脂肪酸を添加することにより、その活性を定量的に抑制することができる。活性化状態は、G蛋白質共役型レセプターに対するアゴニストの添加によって実現する。例えば、過食症を治療する目的で、GPR120のアゴニストとなる物質を添加した場合、その投与量が多すぎたり、患者の体質によって効き目が強すぎると、拒食症を招くおそれがある。そのような場合に、トランス型C18:3(α−LA)やトランス型C18:2を添加することにより、アゴニストの効き目を適正範囲に調整することができる。また、GPR120反応が過敏となっている、たとえばGPR120が過剰に発現している病態においては、トランス型C18:3(α−LA)やトランス型C18:2を添加することにより、病態を治療することができる。したがって、本発明のトランス型脂肪酸を有効成分として含むG蛋白質共役型レセプター抑制剤は、G蛋白質共役型レセプターのアゴニストとなるリガンドを各種疾患の治療や体質改善のために用いる場合に、その活性化を適正に調整しうる医薬,栄養補助剤、またはGPR120反応が過敏となることが原因の病気に対する医薬,栄養補助剤として用いることができる。
【0054】
さらに、図5(b)に示すように、GPR40やGPR120などのG蛋白質共役型レセプターに対して、活性化阻害性をスクリーニングする方法として、いったん当該レセプターの活性化処理を行なってから、被検化合物を添加して活性化の変化を調べることができる。本実施例においては、MEDICA16の活性化阻害性が確認された。本発明者達による文献「NATURE MEDICINE Vol.11 No.1 Jan.2005 p.90-94」に記載されているように、GPR120保有細胞にα−LAを投与すると、インシュリンの分泌量が高まることが確認されている(同文献の図4d参照)。また、文献「Am. J. Clin. Nutr. 2001;73:p.1019-1026」に記載されているように、トランス型脂肪酸を多く摂取している人は、トランス型脂肪酸を余り摂取していない人に比べて、糖尿病の発生率が高いことも知られている(同文献の表3参照)。したがって、本発明のスクリーニング方法により、GPR120の作動を阻害する物質をスクリーニングして、人体に悪影響を及ぼす物質を発見することが可能であることがわかる。
【0055】
なお、活性化や活性化阻害性を定量的に調べる方法として、本実施例では、細胞内Ca2+濃度の測定を採用したが、その他、CCK,サイトカン,ERK等の生理活性物質またはシグナル伝達物質の検出を利用することができる。
【0056】
また、図2〜図5に示すデータおよび文献「NATURE MEDICINE Vol.11 No.1 Jan.2005 p.90-94」からわかるように、トランス型脂肪酸を有効成分として含有するG蛋白質共役型レセプター抑制剤を、当該レセプター保有細胞に投与することにより、当該細胞の当該レセプターの活性化を阻害するので、あるレセプターの機能が阻害されたスクリーニング用の細胞を作成することができる。そして、当該細胞に被検化合物を添加して、血中の腸管ホルモン、たとえばGLP−1,CCKなどを測定することにより、当該レセプターの機能回復に有効なリガンドをスクリーニングすることができる。
【0057】
同様に、図2〜図5に示すデータおよび文献「Am. J. Clin. Nutr. 2001;73:p.1019-1026」からわかるように、トランス型脂肪酸を有効成分として含有するG蛋白質共役型レセプター抑制剤を、動物に投与することにより、当該動物の各器官の細胞に存在する当該レセプターの活性化を阻害するので、あるレセプターの機能が阻害されたスクリーニング用の動物を作成することができる。そして、当該動物に被検化合物を添加して、血中の腸管ホルモン、たとえばGLP−1,CCKなどを測定することにより、当該レセプターの機能回復に有効なリガンドをスクリーニングすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のG蛋白質共役型レセプター抑制剤や、スクリーニング方法は、医薬だけでなく、栄養補助剤として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】(a),(b)は、順に、無処置および発現誘導処置したGPR40保有細胞GPR120保有細胞における,α−LA(シス型)の刺激によるCa2+濃度の上昇量データを示すグラフである。
【図2】(a)〜(d)は、順に、シス型およびトランス型のC16:1,C18:1,C18:2,C18:3(α−LA)をGPR40保有細胞に添加したときのCa2+濃度の上昇量データを示すグラフである。
【図3】(a)〜(d)は、順に、シス型およびトランス型のC16:1,C18:1,C18:2,C18:3(α−LA)をGPR120保有細胞に添加したときのCa2+濃度の上昇量データを示すグラフである。
【図4】(a),(b)は、順に、GPR40保有細胞,GPR120保有細胞へのMEDICA16の添加に対するCa2+濃度の上昇量を示すデータである。
【図5】(a),(b)は、順に、GPR40保有細胞およびGPR120保有細胞に対するトランス型脂肪酸等の活性化抑制効果を示すデータである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス型脂肪酸から選ばれた化合物を有効成分として含有する、G蛋白質共役型レセプター抑制剤。
【請求項2】
請求項1記載のG蛋白質共役型レセプター抑制剤において、
前記G蛋白質共役型レセプターが、配列表1または配列表2で表されるポリペプチドである、G蛋白質共役型レセプター抑制剤。
【請求項3】
請求項1または2記載のG蛋白質共役型レセプター抑制剤を有効成分として含有する、医薬。
【請求項4】
請求項3記載の医薬において、
消化器疾患治療薬,精神障害治療薬,低血糖症および肺疾患から選ばれる少なくとも1つの治療薬として機能する、医薬。
【請求項5】
活性化状態にあるG蛋白質共役型レセプター保有体に被検化合物を添加するステップと、
前記被検化合物が添加されたG蛋白質共役型レセプター保有体の生理活性状態を検出するステップと
を含む、G蛋白質共役型レセプターの抑制物質を検出するためのスクリーニング方法。
【請求項6】
請求項4または5記載のスクリーニング方法において、
前記G蛋白質共役型レセプターが、配列表1または配列表2で表されるポリペプチドである、スクリーニング方法。
【請求項7】
請求項1または2記載のG蛋白質共役型レセプター抑制剤を投与した細胞または動物を用いて、G蛋白質共役型レセプターの活性抑制による生体への悪影響を是正するための物質または方法をスクリーニングする、スクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−88080(P2008−88080A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268678(P2006−268678)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月30日 社団法人 日本薬学会主催の「日本薬学会第126年会」において文書をもって発表
【出願人】(506180040)ファルマフロンティア株式会社 (9)
【Fターム(参考)】