GABA受容体に対するリガンドとしてのフェニルピリダジン誘導体
GABAA受容体に対する選択性リガンドであり、特にこれらの受容体のうちのα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対して高い親和性を有する、あるクラスの式(I)の4−フェニルピリダジン誘導体は、従って、不安症、痙攣および認識障害を含む中枢神経系の有害な状態を治療及び/又は予防するのに有益である。
【化37】
【化37】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はあるクラスの置換ピリダジン誘導体、および治療法におけるこれらの誘導体の使用に関係する。より詳細には、この発明は4−フェニルピリダジン類似体に関係する。これらの化合物はGABAA受容体に対するリガンドであり、従って、有害な神経病学的徴候の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
主要な阻害性神経伝達物質であるガンマ−アミノ酪酸(GABA)に対する受容体は以下の2つの主なクラスに分けられる:(1)リガンド・ゲートイオンチャンネルスーパーファミリーのメンバーであるGABAA受容体;および(2)Gタンパク質結合受容体スパーファミリーのメンバーであり得るGABAB受容体。個々のGABAA受容体サブユニットをエンコードする最初のcDNAsがクローニングされて以来、哺乳類ファミリーの既知メンバーの数は増え、少なくとも6個のαサブユニット、4個のβサブユニット、3個のγサブユニット、1個のδサブユニット、1個のεサブユニットおよび2個のρサブユニットを含めるに至っている。
【0003】
GABAA受容体遺伝子ファミリーの多様性に関する知識はこのリガンド・ゲートイオンチャンネルを理解することにおいて大いなる前進を遂げているが、サブタイプの多様性の程度に関する洞察は未だ初期段階にすぎない。一つのαサブユニット、一つのβサブユニットおよび一つのγサブユニットが、cDNAsを細胞に一時的に移入することにより発現される充分に機能性を有するGABAA受容体を形成するための最少要件を構成することが指摘されている。上で示されているように、δ、εおよびρサブユニットも存在するが、GABAA受容体集団における小さな割合を占めているにすぎない。
【0004】
電子顕微鏡検査法による受容体のサイズおよび視覚化の研究は、リガンド・ゲートイオンチャンネルファミリーの他のメンバーと同様、天然のGABAA受容体が五量体の形態で存在するものと結論付けている。17個のレパートリーから少なくとも一つのα、一つのβおよび一つのγサブユニットを選択する仕方は、可能な五量体サブユニットの組合せが10,000種類以上も存在することとなる。その上、この計算は、イオンチャンネル周囲のサブユニットの配列が何ら束縛を受けない場合に可能となり得る付加的な並べ換えを計算に入れていない(即ち、5つの異なるサブユニットからなる1つの受容体に対して120種類の可能な変種が存在し得る)。
【0005】
現に存在する受容体サブタイプアセンブリは、多くの他のアセンブリの中でもとりわけα1β2γ2、α2βγ1、α2β2/3γ2、α3βγ2/3、α4βδ、α5β3γ2/3、α6βγ2およびα6βδを含む。一つのα1サブユニットを含むサブタイプアセンブリは脳の殆どの領域に存在し、ラットにおけるGABAA受容体のうちの40%以上を占めているものと考えられている。α2およびα3サブユニットを含むサブタイプアセンブリは、ラットにおけるGABAA受容体のうちのそれぞれ約25%および17%を占めているものと考えられている。α5サブユニットを含むサブタイプアセンブリは主に海馬および皮質で発現され、ラットにおけるGABAA受容体のうちの約4%に相当するものと考えられている。
【0006】
すべての既知GABAA受容体の特徴的な属性は数多くの調節部位が存在することであり、その中の一つがベンゾジアゼピン(BZ)結合部位である。BZ結合部位はGABAA受容体調節部位の中で最も探求されている部位であり、ジアゼパムおよびテマゼパムなどの不安寛解剤はこの部位を通じてこれらの薬剤の効果を及ぼす。GABAA受容体遺伝子ファミリーのクローニング以前には、ベンゾジアゼピン結合部位は、放射性リガンド結合研究に基づき、歴史的に2つのサブタイプ、BZ1およびBZ2に細分されていた。BZ1サブタイプは、βサブユニットおよびγ2との組合せにおいてα1サブユニットを含むGABAA受容体と薬理学的に同等であることが示されている。これは最も豊富なGABAA受容体サブタイプであり、脳における全GABAA受容体の略半分に相当するものと信じられている。
【0007】
他の2つの主要な集団はα2βγ2およびα3βγ2/3サブタイプである。これらは共にGABAA受容体レパートリー全体の更なる略35%を構成する。薬理学的に、この組合せは、放射性リガンド結合によりこれまでに定められていたBZ2サブタイプと同等であるように思われるが、BZ2サブタイプは特定のα5包含サブタイプアセンブリも含み得る。充分に選択的なアゴニストまたはアンタゴニストが分かっていないため、これらのサブタイプの生理学的役割はこれまでのところ不明である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、α1βγ2、α2βγ2またはα3βγ2サブタイプにおけるBZアゴニストとして作用する物質は望ましい不安寛解特性持っているものと信じられている。BZアゴニストとして作用することによるGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位のモジュレーターである化合物を、以後、「GABAA受容体アゴニスト」と呼ぶ。α1選択性GABAA受容体アゴニストであるアルピデムおよびゾルピデムは催眠薬として臨床的に処方されており、BZ1結合部位において作用する既知の不安寛解剤に関係した少なくとも幾分かの鎮静がこのα1サブユニットを含むGABAA受容体を通じて達成されることを示唆している。従って、α1とよりもα2及び/又はα3サブユニットと一層好ましく相互作用するGABAA受容体アゴニストは、鎮静をもたらしにくい不安症の治療に効果的であると考えられる。その上、α5サブユニットの逆アゴニストである物質は、例えばアルツハイマー病などの痴呆状態を患っている被検者における認識作用を増強させるのに有益であることが多い。また、α1におけるアンタゴニストまたは逆アゴニストである物質は、α1アゴニストによりもたらされる鎮静または催眠を無効化するために使用される可能性もある。
【発明の効果】
【0009】
GABAA受容体に対する選択性リガンドである本発明の化合物は、従って、中枢神経系の様々な障害の治療及び/又は予防に有用である。このような障害は広場恐怖症を伴うパニック障害もしくは広場恐怖症を伴わないパニック障害、パニック障害歴を伴わない広場恐怖症、動物恐怖症および社会恐怖症を含む他の恐怖症、強迫性障害、外傷後性ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害、ならびに一般的不安障害または物質誘発不安障害などの不安障害;ノイローゼ;痙攣;片頭痛;鬱病性または双極性障害、例えば単発性もしくは反復性大鬱病性障害、気分変調性障害、双極性Iおよび双極性II躁病性障害、ならびに循環性格性障害;精神分裂病を含む精神障害;脳虚血に由来する神経変性;注意不足活動亢進障害;ツーレット症候群;連発性吃音を含む発語障害;および例えば時差ぼけまたは交替勤務の影響を被った被検者における日周期リズムの障害を含む。
【0010】
GABAA受容体に対する選択性リガンドが有益であり得る更なる障害は疼痛および侵害受容;急性、遅発性および先行性嘔吐を含む嘔吐、特に化学療法または放射線、更には動揺病により誘発される嘔吐、ならびに術後性の吐き気および嘔吐;神経性食欲不振および神経性過食症を含む摂食障害;月経前症候群;例えば対麻痺患者における筋肉痙攣または痙直;耳鳴および年齢関連性難聴を含む聴覚障害;尿失禁;ならびにアルコール禁断症状を含む物質乱用または依存症の影響を包含する。GABAA受容体に対する選択性リガンドは例えばアルツハイマー病などの痴呆状態を患っている被検者における認識作用を増強するのに有益であり得;また、麻酔または胃内視鏡検査を含む内視鏡検査などの小処置に先立つ前投薬としても有効であり得る。
【0011】
更に、本発明による化合物は、ヒトGABAA受容体に結合することができる化合物を検出するためのアッセイにおける放射性リガンドとしても有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、様々なGABAA受容体サブタイプにおける望ましい結合特性を持ったあるクラスのピリダジン誘導体を提供する。本発明による化合物は、ヒトGABAA受容体のα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対するリガンドとして良好な親和性を有している。本発明の化合物は、α1サブユニットとよりもα2及び/又はα3サブユニットと一層好ましく相互作用することができ;及び/又はα1サブユニットとよりもα5サブユニットと一層好ましく相互作用することができる。
【0013】
本発明の化合物は、以下で説明されているアッセイで測定したときに、α2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対し200nMかそれ以下、典型的には100nMかそれ以下、理想的には20nMかそれ以下の結合親和力(Ki)を有するGABAA受容体サブタイプリガンドである。本発明による化合物は、α1サブユニットに対して相対的に、α2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対して少なくとも2倍、適切には少なくとも5倍、有利には少なくとも10倍の選択的親和性を持つことができる。しかし、α1サブユニットに対して相対的なα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対する結合親和性の観点において選択的でない化合物も本発明の範囲内に包含される;このような化合物は、望ましくは、α1サブユニットにおけるゼロもしくは弱い(正または負の)効力、および(i)α2及び/又はα3サブユニットにおける完全なもしくは部分的なアゴニストプロフィール、及び/又は(ii)α5サブユニットにおける逆アゴニストプロフィールの観点において機能的な選択性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、式I:
【0015】
【化17】
[式中、
X1は水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチルまたはC1−6アルコキシを表し;
X2は水素またはハロゲンを表し;
Zは水素、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ホルミル、C2−6アルコキシカルボニル、または場合によって置換されたアリール、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−6)アルコキシ基を表し;
R1は水素、炭化水素、ヘテロ環式基、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、−ORa、−OSO2CF3、−SRa、−SORa、−SO2Ra−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRaCORb、−NRaCO2Rb、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRb又は−CRa=NORbを表し;
R2は水素またはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
RaおよびRbは独立的に水素、炭化水素またはヘテロ環式基を表す]
の化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩を提供する。
【0016】
また、本発明は、式中、
R1が水素、炭化水素、ヘテロ環式基、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、−ORa、−SRa、−SORa、−SO2Ra、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRaCORb、−NRaCO2Rb、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRb又は−CRa=NORbを表し、
X1、X2、Z、R2、RaおよびRbが上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式Iの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0017】
上の式Iの化合物におけるZがアリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−6)アルコキシを表す場合、この基は置換されていなくてよく、または1つもしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。典型的には、基Zは置換されておらず、または1個もしくは2個の置換基で置換されている。基Zにおける典型的な置換基はハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、オキシ、C1−6アルキルスルホニル、アミノ、アミノカルボニル、ホルミル、C2−6アルコキシカルボニルおよび−CRa=NORb(式中のRaおよびRbは上で定義されている通りのものである)を含む。Zにおける例証的な置換基はハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルおよびC1−6アルキルを含む。
【0018】
薬剤において使用する場合、式Iの化合物の塩は医薬適合性の塩である。しかし、他の塩も本発明による化合物またはこれらの化合物の医薬適合性の塩の調製において有用であり得る。本発明の化合物の適切な医薬適合性の塩は、例えば本発明による化合物の溶液を塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの医薬適合性の酸の溶液と混合することにより形成され得る酸付加塩を含む。更に、本発明の化合物が酸性部分を担持している場合には、これらの化合物の適切な医薬適合性の塩はアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩;および適切な有機リガンドを伴って形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩を含むことができる。
【0019】
本明細書で使用する場合、「炭化水素」という用語は、18個までの炭素原子、好ましくは15個までの炭素原子、都合よくは12個までの炭素原子を包含した直鎖、分枝鎖および環式の基を含む。適切な炭化水素基はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル(C1−6)アルキル、インダニル、アリールおよびアリール(C1−6)アルキルを含む。
【0020】
本明細書で使用する場合、「ヘテロ環式の基」という表現は、18個までの炭素原子と、好適には酸素、窒素およびイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを包含した環式の基を含む。このヘテロ環式基は適切には15個までの炭素原子、都合よくは12個までの炭素原子を含み、好適には炭素を通じて結合される。適切なヘテロ環式基の例はC3−7へテロシクロアルキル、C3−7ヘテロシクロアルケニル、C3−7ヘテロシクロアルキル(C1−6)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C1−6)アルキル基を含む。
【0021】
適切なアルキル基は1個から6個までの炭素原子を包含した直鎖および分枝鎖のアルキル基を含む。典型的な例はメチルおよびエチル基、ならびに直鎖または分枝鎖のプロピル、ブチルおよびペンチル基を含む。特別なアルキル基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルおよび2,2−ジメチルプロピルである。「C1−6アルコキシ」、「C1−6アルキルアミノ」および「C1−6アルキルスルホニル」などの派生的表現は前述の説明に沿って解釈すべきである。
【0022】
適切なアルケニル基は2個から6個までの炭素原子を包含した直鎖および分枝鎖のアルケニル基を含む。典型的な例はビニル、アリルおよびジメチルアリル基を含む。
【0023】
適切なアルキニル基は2個から6個までの炭素原子を包含した直鎖および分枝鎖のアルキニル基を含む。典型的な例はエチニルおよびプロパルギル基を含む。
【0024】
適切なシクロアルキル基は3個から7個までの炭素原子を包含した基を含む。特別なシクロアルキル基はシクロプロピルおよびシクロヘキシルである。
【0025】
C3−7シクロアルキル(C1−6)アルキル基の典型的な例はシクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルエチルを含む。
【0026】
特別なインダニル基はインダン−1−イルおよびインダン−2−イルを含む。
【0027】
特別なアリール基はフェニルおよびナフチルを含み、好適にはフェニルである。
【0028】
特別なアリール(C1−6)アルキル基はベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルおよびナフチルメチルを含む。
【0029】
適切なヘテロシクロアルキル基はアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニル基を含む。
【0030】
一つの典型的なヘテロシクロアルケニル基はジヒドロピロリル基である。
【0031】
適切なヘテロアリール基はピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンズチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基を含む。
【0032】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール(C1−6)アルキル」という表現はフリルメチル、フリルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、チアゾリルメチル、チアゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、オキサジアゾリルメチル、オキサジアゾリルエチル、チアジアゾリルメチル、チアジアゾリルエチル、トリアゾリルメチル、トリアゾリルエチル、テトラゾリルメチル、テトラゾリルエチル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリミジニルメチル、ピラジニルメチル、キノリニルメチルおよびイソキノリニルメチルを含む。
【0033】
更に、上述の炭化水素およびヘテロ環式基は、C1−6アルキル、アダマンチル、フェニル、ハロゲン、C1−6ハロアルキル、C1−6アミノアルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アリールオキシ、ケト、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C2−6アルコキシカルボニル、C2−6アルコキシカルボニル(C1−6)アルキル、C2−6アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、C2−6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、−NRvRw、−NRvCORw、−NRvCO2Rw、−NRvSO2Rw、−CH2NRvSO2Rw、−NHCONRvRw、−CONRvRw、−SO2NRvRw及び−CH2SO2NRvRw[式中のRvおよびRwは独立的に水素、C1−6アルキル、アリールまたはアリール(C1−6)アルキルを表す]から選択される1つまたはそれ以上の基で場合によって置換されてよい。
【0034】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特にフルオロまたはクロロを含む。
【0035】
本発明による化合物が少なくとも1つの不斉中心を有している場合、これらの化合物は、従って、鏡像異性体として存在することができる。本発明による化合物が2つまたはそれ以上の不斉中心を持っている場合には、これらの化合物は更にジアステレオ異性体として存在することができる。すべてのこのような異性体およびあらゆる割合におけるこれらの異性体の混合物が本発明の範囲内に包含されることを理解すべきである。
【0036】
X1置換基に対する適切な基は水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシを含み;特に水素またはフルオロであり;特別にはフルオロである。
【0037】
X2の典型的な基は水素およびフルオロを含み、特に水素である。
【0038】
典型的には、Zは場合によって置換されたアリールまたはヘテロアリール基を表す。
【0039】
置換基Zに対する選択された基はフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルを含み、これらの基のいずれもが1つまたはそれ以上の置換基で場合によって置換されてよい。
【0040】
一つの好適な実施態様では、Zは場合によって置換されたフェニル基、特に一置換または二置換のフェニルを表す。別の好適な実施態様では、Zは場合によって置換されたピリジニルを表し、特に非置換、一置換、または二置換のピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イルを表す。
【0041】
基Zにおける適切な置換基の例はフルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、メチル、ヒドロキシ、メトキシ、オキシ、メタンスルホニル、アミノ、アミノカルボニル、ホルミル、メトキシカルボニルおよび−CH=NOHを含む。
【0042】
基Zにおける特別な置換基の例はフルオロ、シアノ、トリフルオロメチルおよびメチルを含み、特にフルオロまたはシアノである。
【0043】
Zの詳細な基はシアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、(クロロ)(シアノ)フェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニル、メタンスルホニル−フェニル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、(アミノ)(クロロ)ピリジニル、シアノ−ピリジニル、メチル−ピリジニル、ヒドロキシ−ピリジニル、メトキシ−ピリジニル、オキシ−ピリジニル、アミノカルボニル−ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、シアノ−チエニル、アミノカルボニル−チエニル、ホルミル−チエニル、メトキシカルボニル−チエニル、チエニル−CH=NOH、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびメチル−テトラゾリルを含む。Zの付加的な基はフルオロフェニル、ジフルオロフェニルおよびトリフルオロメチル−フェニルを含む。
【0044】
Zの代表的な基は水素、フルオロ、ブロモ、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、ホルミル、メトキシカルボニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、トリフルオロメチル−フェニル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、シアノ−ピリジニル、トリアゾリル、(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル−メトキシ、メチルトリアゾリル−メトキシおよびピリジニル−メトキシを含む。
【0045】
Zの特定の基は水素、フルオロ、ブロモ、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、ホルミル、メトキシカルボニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、トリアゾリル、(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル−メトキシ、メチルトリアゾリル−メトキシおよびピリジニル−メトキシを含む。
【0046】
適切には、R1は炭化水素、ヘテロ環式基、−ORa、−OSO2CF3、−SRa、−NRaRbまたは−CO2Raを表す。
【0047】
典型的には、R1は炭化水素、ヘテロ環式基、−ORa、−NRaRbまたは−CO2Raを表す。
【0048】
Raの典型的な基はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキルおよび(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルを含む。適切には、Raはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ベンジルまたはメトキシベンジルを表す。更に、Raはtert−ブチルを表してよい。
【0049】
Rbの典型的な基は水素およびC1−6アルキルを含む。適切には、Rbは水素またはメチルを表し、特に水素である。
【0050】
好ましくは、R1はアリールまたはヘテロアリールを表し、これらのどちらの基も1つまたはそれ以上の置換基で置換されていてよい。典型的には、アリールまたはヘテロアリール基R1は置換されておらず、または1個もしくは2個の置換基で置換されている。典型的な置換基はハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、C1−6アルコキシ、シアノおよびオキソを含む。適切な置換基はハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、C1−6アルコキシおよびシアノを含む。特別な置換基はフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびシアノを含み、特にフルオロである。
【0051】
R1の例証的な基はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、(場合によってオキソで置換された)C3−7へテロシクロアルキル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子により、及び/又はオキソにより置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノおよびC2−6アルコキシカルボニルを含む。
【0052】
R1の典型的な基はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子で置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノおよびC2−6アルコキシカルボニルを含む。
【0053】
R1の適切な基はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、C1−6アルコキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によってハロで置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノおよびC2−6アルコキシカルボニルを含む。
【0054】
R1の代表的な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、トリフルオロフェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、オキソ−ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、オキソ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0055】
R1の特別な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0056】
R1の独特な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0057】
一つの実施態様では、R1はフルオロフェニル(特に2−フルオロフェニル)を表す。
【0058】
別の実施態様では、R1はフルオロ−ピリジニル(特に3−フルオロピリジン−2−イル)を表す。
【0059】
一つの更なる実施態様では、R1はジフルオロ−ピリジニルを表す。この実施態様の一つの側面では、R1は3,5−ジフルオロピリジン−4−イルを表す。この実施態様の別の側面では、R1は3,5−ジフルオロピリジン−2−イルを表す。
【0060】
一つの付加的な実施態様では、R1はトリフルオロフェニル(特に2,4,6−トリフルオロフェニル)を表す。
【0061】
適切には、R2は水素、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルを表す。一つの特定の実施態様では、R2は水素を表す。
【0062】
本発明による化合物の一つの特定なサブクラスは、式IIA:
【0063】
【化18】
[式中、
Zは上で定義されている通りのものであり;
X11は水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシを表し;
X12は水素またはフルオロを表し;
R11はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、(場合によってオキソで置換された)C3−7へテロシクロアルキル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子により、及び/又はオキソにより置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0064】
また、本発明は、式中、
R11がフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子で置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
Z、X11およびX12が上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式IIAの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0065】
更に、本発明は、式中、
R11がフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、C1−6アルコキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によってハロで置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
Z、X11およびX12が上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式IIAの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0066】
X11の適切な基は水素およびフルオロを含み、特にフルオロである。
【0067】
一つの好ましい実施態様では、X12は水素を表す。別の実施態様では、X12はフルオロを表す。
【0068】
R11がヘテロアリールを表す場合には、この基は適切にはピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、特にピリジニルである。
【0069】
R11の代表的な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、トリフルオロフェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、オキソ−ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、オキソ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0070】
R11の特別な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0071】
R11の独特な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0072】
一つの実施態様では、R11はフルオロフェニル(特に2−フルオロフェニル)を表す。
【0073】
別の実施態様では、R11はフルオロ−ピリジニル(特に3−フルオロピリジン−2−イル)を表す。
【0074】
一つの更なる実施態様では、R11はジフルオロ−ピリジニルを表す。この実施態様の一つの側面では、R11は3,5−ジフルオロピリジン−4−イルを表す。この実施態様の別の側面では、R11は3,5−ジフルオロピリジン−2−イルを表す。
【0075】
一つの付加的な実施態様では、R11はトリフルオロフェニル(特に2,4,6−トリフルオロフェニル)を表す。
【0076】
上の式IIAの化合物の一つの代表的なサブセットは、式IIB:
【0077】
【化19】
[式中、X11、X12およびR11は上で定義されている通りのものであり、
R3は水素またはフルオロを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0078】
一つの実施態様では、R3は水素である。
【0079】
別の実施態様では、R3はフルオロであり、この場合、このフッ素原子R3は、好ましくは、(位置2におけるシアノ基に関して)4−、5−または6−位置においてフェニル環に結合されている。
【0080】
上の式IIAの化合物の別の代表的なサブセットは、式IIC:
【0081】
【化20】
[式中、X11、X12およびR11は上で定義されている通りのものであり、
R4は水素、フルオロ、シアノまたはメチルを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0082】
一つの実施態様では、R4は水素である。
【0083】
一つの付加的な実施態様では、R4はフルオロである。
【0084】
別の実施態様では、R4はシアノである。
【0085】
一つの更なる実施態様では、R4はメチルである。
【0086】
上の式IIAの化合物の一つの更なる代表的なサブセットは、式IID:
【0087】
【化21】
[式中、X11、X12、R4およびR11は上で定義されている通りのものであり、
R5は水素またはフルオロを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0088】
適切には、R5は水素を表す。
【0089】
別の実施態様では、R5はフルオロを表す。
【0090】
上の式IIDの化合物の一つの好ましいサブセットは、式IIE:
【0091】
【化22】
[式中、
VはNを表し、WはCFを表し;もしくは
VはCFを表し、WはNを表し;または
VおよびWの両方がCFを表し;
X12およびR5は上で定義されている通りのものである]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0092】
また、本発明は、式中、
VがNを表し、WがCFを表し;または
VがCFを表し、WがNを表し;
X12およびR5が上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式IIEの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0093】
一つの実施態様では、VはNであり、WはCFである。
【0094】
別の実施態様では、VはCFであり、WはNである。
【0095】
一つの更なる実施態様では、VおよびWは共にCFである。
【0096】
本発明の範囲内の特定の化合物は:
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸メチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]3−フェニルピリダジン;
5−(3−イソプロポキシフェニル)−3−フェニルピリダジン:
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
4,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(3−シアノフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]ピリダジン;
3−フェニル−5−(3−[1,2,4]トリアゾル−4−イルフェニル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
[3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)フェニル]アセトニトリル;
2−フルオロ−5−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
5−(3−ニトロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)安息香酸メチルエステル;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
5−(3−フルオロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−(3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(チエン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−3−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(4−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロフェニル)ピリダジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−メトキシフェニル)ピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(3,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
5’−[6−(2−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(4−メトキシフェニル)−5−フェニルピリダジン;
4−フルオロ−3’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(4−クロロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
2−{5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン−3−イル}−5−フルオロベンゾニトリル;
3−(4−クロロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
4−{5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イル}ベンゾニトリル;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−メチルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−イソプロピルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−シクロプロピルアミン;
N−アリル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−エチルアミン
N−ベンジル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−(2−メトキシベンジル)アミン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−(2,5−ジヒドロピロル−1−イル)ピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−エトキシピリダジン;
3−アリルオキシ−5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン;
3−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−[6−(2−メトキシベンジルアミノ)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3’−(6−エチルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−プロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−シクロプロピルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−アリルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メチルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メトキシピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−エトキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピラジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チアゾル−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−1−オキシド;
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
トリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステル;
3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシド;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
および該化合物の医薬適合性の塩、
を含む。
【0097】
また、本発明により不安症を治療及び/又は予防するための方法も提供され、この方法は、そのような治療を必要としている患者に有効量の上で定義されている通りの式Iの化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む。
【0098】
更に、本発明により痙攣(例えば、てんかんまたは関連する障害を被っている患者における痙攣)を治療及び/又は予防するための方法も提供され、この方法は、そのような治療を必要としている患者に有効量の上で定義されている通りの式Iの化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む。
【0099】
ヒトGABAA受容体のα3サブユニットに対する本発明による化合物の結合親和力(Ki)は、以下で説明されているアッセイで都合よく測定される。本発明の不安寛解性化合物のα3サブユニット結合親和力(Ki)は理想的には50nMかそれ以下、好適には10nMかそれ以下、より好適には5nMかそれ以下である。
【0100】
本発明による不安寛解性化合物は、ヒトGABAA受容体のα3サブユニットを発現する安定的に移入された組換え細胞系において、理想的には少なくとも40%、好適には少なくとも50%、より好適には少なくとも60%のGABA EC20応答の増強を誘引する。その上、本発明の化合物は、ヒトGABAA受容体のα1サブユニットを発現する安定的に移入された組換え細胞系において、理想的には高々30%、好適には高々20%、より好適には高々10%のGABA EC20応答の増強を誘引する。
【0101】
ヒトGABAA受容体のα3およびα1サブユニットを発現する安定的に移入された細胞系におけるGABA EC20応答の増強は、WaffordらによるMol.Pharmacol.、1996年、50、670−678に記載されているプロトコルと類似の手順により都合よく測定することができる。この手順は、適切には、安定的に移入された真核細胞の培養、典型的には安定的に移入されたマウスLtk−線維芽細胞の培養を利用して実施される。
【0102】
本発明による化合物は、高所プラス迷路および条件付け摂水抑制試験(DawsonらによるPsychopharmacology、1995年、121、109−117参照)における陽性応答により示され得る如き不安寛解活性を呈することができる。更に、本発明の化合物は、応答感受性(チェーン引張り)試験(BayleyらによるJ.Psychopharmacol.、1996年、10、206−213参照)から得られる適切な結果により確認され得る如く実質的に非鎮静性であることが多い。
【0103】
また、本発明による化合物は抗痙攣活性を呈することもできる。これは、BristowらによるJ.Pharmacol.Exp.Ther.、1996年、279、492−501に記載されているのと類似のプロトコルに従って、ラットおよびマウスにおけるペンチレンテトラゾール誘発発作をブロックする能力により証明することができる。
【0104】
別の側面では、本発明はアルツハイマー病などの痴呆状態を含む認識障害を治療及び/又は予防するための方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要としている患者に有効量の上で定義されている通りの式Iの化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む。
【0105】
認識力の増強は、McNamaraおよびSkeltonによるPsychobiology、1993年、21、101−108で報じられている通りのMorris迷水路においてこれらの化合物を試験することにより示すことができる。関連する方法論の更なる詳細はWO第96/25948号で説明されている。
【0106】
本発明の化合物が有益であり得る認識障害は譫妄、痴呆および健忘障害、ならびに年齢関連の記憶力低下を含め、外傷性損傷、卒中、パーキンソン病およびダウン症候群による認識力低下を含む。これらの状態のいずれもが物質の乱用または禁断に起因するものであってよい。痴呆の例は早発性または遅発性のアルツハイマー型痴呆および血管性痴呆(どちらも、譫妄、妄想または抑鬱気分を合併していなくてもよいし、合併していてもよい);ならびにHIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病またはクロイツフェルト−ヤコブ病による痴呆を含む。
【0107】
これらの化合物の作用効果を誘引するため、本発明の化合物は理想的には脳浸透性である。別な言葉で表現すれば、これらの化合物はいわゆる「血液脳関門」を通過することができる。好適には、本発明の化合物は、経口的な経路による投与後、これらの化合物の有益な治療作用を及ぼす。
【0108】
また、本発明は、医薬適合性の担体との組合せにおいてこの発明の1つまたはそれ以上の化合物を含む医薬組成物も提供する。好適には、これらの組成物は、経口、腸管外、鼻内、舌下もしくは直腸投与用の、または吸入もしくは注入により投与するための;錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、非経口用無菌溶液剤もしくは懸濁剤、定量エアロゾル剤もしくは液体噴霧剤、滴剤、アンプル剤、自己注射器装置、または坐剤などの一回量剤形を為している。錠剤などの固体組成物を調製する場合、本発明の化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩の均質な混合物を含む固体の前調合組成物を形成すべく、主要な活性成分が薬剤学的な担体、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴム、および他の薬剤学的な希釈剤、例えば水と混合される。これらの前調合組成物が均質であると言う場合、この組成物を錠剤、丸剤およびカプセル剤などの等しく有効な一回量剤形に容易に小分けすることができるように、活性成分がこの組成物全体を通じて均等に分散されていることを意味している。次いで、この固体の前調合組成物は、0.1mgから約500mgの本発明の活性成分を含有する、上述のタイプの一回量剤形に小分けされる。典型的な一回量剤形は1mgから100mgまで、例えば1、2、5、10、25、50または100mgの活性成分を含有する。この新規な組成物の錠剤または丸剤はコーティングされてよく、または作用を長引かせるという利点を可能にする剤形をもたらすべく別な仕方で化合されてもよい。例えば、錠剤または丸剤は、外側与薬コンポーネントが内側与薬コンポーネント上の覆いの形態を為す、内側与薬コンポーネントと外側与薬コンポーネントを含むことができる。これらの2つのコンポーネントは、胃内における分解に抵抗すべく働き、内側コンポーネントが完全な状態のまま十二指腸内へ移行することを可能にし、または放出を遅らせることを可能にする腸溶層により分離することができる。様々な材料をこのような腸溶層または腸溶性被膜に使用することができ、このような材料は、数多くの高分子酸、ならびに高分子酸とシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料との混合物を含む。
【0109】
経口的にまたは注射により投与するために本発明の新規な組成物を組み入れることができる液剤の形態は、水溶液剤、適切に香味付けされたシロップ剤、水性もしくは油性懸濁剤、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油などの食用油、ならびにエリキシル剤および同様な薬剤学的賦形剤で香味付けされた乳剤を含む。水性懸濁剤用の適切な分散剤または懸濁化剤はトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどの合成および天然のゴムを含む。
【0110】
神経系障害の治療においては、適切な用量レベルは1日当たり約0.01mg/kgから250mg/kgまで、好適には1日当たり約0.05mg/kgから100mg/kgまで、特に1日当たり約0.05mg/kgから5mg/kgまでである。これらの化合物は1日当たり1回から4回までの治療方式で投与されてよい。
【0111】
本発明による化合物は、遷移金属触媒の存在下において;式IIIの化合物を式IVの化合物と反応させること:
【0112】
【化23】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は上で定義されている通りのものであり、L1は適切な脱離基を表し、M1はボロン酸部分−B(OH)2、または有機ジオール、例えばピナコール、1,3−プロパンジオールもしくはネオペンチルグリコールと共に形成されるボロン酸部分の環状エステルを表し、またはM1は−Sn(Alk)3(式中のAlkはC1−6アルキル基、典型的にはn−ブチルまたはメチルを表す)を表し、またはM1は−ZnHal(式中のHalはハロゲン原子、例えばクロロを表す)を表す]
を含む方法により調製することができる。
【0113】
脱離基L1は典型的にはハロゲン原子、例えばヨード、ブロモまたはクロロである。
【0114】
化合物IIIとIVとの間の反応に有用な遷移金属触媒は適切にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。この反応は、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中において、有利にはリン酸カリウム、ヨウ化銅(I)、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムの存在下において、ある高められた温度で都合よく実施される。代替的に、使用される遷移金属触媒はジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)であってよく、この場合、上述の反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、有利にはリン酸カリウムの存在下において、ある高められた温度で都合よく果たされる。
【0115】
一つの代替的な手順では、本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式Vの化合物を式VIの化合物と反応させること:
【0116】
【化24】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0117】
別の手順では、本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式VIIの化合物を式VIIIの化合物と反応させること:
【0118】
【化25】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0119】
上の式VIおよびVIIの化合物において、脱離基L1は典型的にはトリフルオロメタンスルホニルオキシ(トリフリルオキシ);またはハロゲン原子、例えばブロモである。
【0120】
代替的に、本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式IXの化合物を式Xの化合物と反応させること:
【0121】
【化26】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0122】
一つの付加的な手順では、ZがC1−6アルコキシまたは場合によって置換されたヘテロアリール(C1−6)アルコキシを表す本発明による化合物は、トリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジカルボキシラート、例えばアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)またはアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)の存在下において;式XIの化合物を式XIIの化合物と反応させること:
【0123】
【化27】
[式中、X1、X2、R1およびR2は上で定義されている通りのものであり、Z1はC1−6アルキルまたは場合によって置換されたヘテロアリール(C1−6)アルキルを表す]
を含む方法により調製することができる。
【0124】
この反応はテトラヒドロフランなどの溶媒中において攪拌することにより都合よく実施される。
【0125】
上の式IVおよびIXの中間体のM1がボロン酸部分−B(OH)2、またはピナコールもしくはネオペンチルグリコールと共に形成されるボロン酸部分の環状エステルを表す場合には、関連する化合物IVまたはIXは、遷移金属触媒の存在下において;ビス(ピナコラト)ジボロンまたはビス(ネオペンチルグリコラト)ジボランをそれぞれ上で定義されている通りの式VIまたはVIIの化合物と反応させることにより調製することができる。
【0126】
ビス(ピナコラト)ジボロンまたはビス(ネオペンチルグリコラト)ジボランと化合物VIまたはVIIとの間の反応に有用な遷移金属触媒は適切にはジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)である。この反応は、場合によってはジメチルスルホキシドとの混合物中における1,4−ジオキサンなどの溶媒中で、典型的には1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン及び/又は酢酸カリウムの存在下において、ある高められた温度で都合よく実施される。
【0127】
上の式VIIの中間体のL1がトリフリルオキシを表す場合、関連する化合物VIIは、典型的にはピリジンの存在下において、上で定義されている通りの式XIの適切な化合物をトリフリック酸無水物と反応させることにより調製することができる。類似の条件を利用して、L1がトリフリルオキシを表す式VIの化合物を対応するヒドロキシ前駆体から調製することができる。
【0128】
上の式XIの中間体は、典型的にはクロロホルムもしくはジクロロメタン中の三臭化ホウ素で処理することにより;または典型的には還流下において酢酸中の臭化水素で処理することにより;式XIII:
【0129】
【化28】
[式中、X1、X2、R1およびR2は上で定義されている通りのものである]
の適切なメトキシ置換前駆体から都合よく調製することができる。
【0130】
上の式Vの中間体のM1が−Sn(Alk)3を表し、Alkが上で定義されている通りのものである場合、この化合物は、上で定義されている通りの式IIIの化合物を式(Alk)3Sn−Hal[式中のHalはハロゲン原子、典型的にはクロロを表す]の試薬と反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的にはテトラヒドロフランなどの溶媒中において、化合物IIIを塩化イソプロピルマグネシウムで処理し、続いてスタンニル試薬(Alk)3Sn−Halを加えることにより都合よく果たされる。
【0131】
一つの更なる手順では、R1がアリールまたはヘテロアリール部分を表す本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式XIVの化合物を式XVの化合物と反応させること:
【0132】
【化29】
[式中、X1、X2、Z、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものであり、R1aはアリールまたはヘテロアリール部分を表す]
を含む方法により調製することができる。
【0133】
上の式XVの化合物において、脱離基L1は典型的にはトリフリルオキシ;またはハロゲン原子、例えばクロロである。
【0134】
化合物XIVとXVとの間の反応において有用な遷移金属触媒は適切にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、この場合、この反応は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、典型的には炭酸ナトリウムの存在下で、ある高められた温度で都合よく果たされる。代替的に、この遷移金属触媒は適切には二塩化ビス(ジフェニルホスフィニルブタン)パラジウムであってよく、この場合、この反応は、テトラヒドロフランなどの溶媒中において、典型的には炭酸ナトリウムの存在下で、ある高められた温度で都合よく果たされる。
【0135】
尚も更なる一つの手順では、R1がアリールまたはヘテロアリール部分を表す本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式XVIの化合物を式XVIIの化合物と反応させること:
【0136】
【化30】
[式中、X1、X2、Z、R1a、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0137】
M1が−Sn(Alk)3を表し、AlkがC1−6アルキル、例えばメチルを表す式XVIIの中間体は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式(Alk)3Sn−Sn(Alk)3の試薬と反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的には塩化リチウムの存在下において、1,4−ジオキサンなどの溶媒中で加熱しながら、遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下において都合よく果たされる。
【0138】
尚も更なる別の一つの手順では、R1が1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イルを表す本発明による化合物は、式XVIII:
【0139】
【化31】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は上で定義されている通りのものであり、TMSはトリメチルシラニルの略号である]
の化合物をアジ化ナトリウムと反応させることを含む方法により調製することができる。
【0140】
この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において反応物を攪拌することにより都合よく果たされる。
【0141】
式XVIIIの中間体は、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などの遷移金属触媒の存在下において、式XVの化合物をTMS−アセチレンと反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的にはトリエチルアミン、トリフェニルホスフィンおよび塩化銅(I)の存在下において、テトラヒドロフランなどの溶媒中で攪拌することにより都合よく果たされる。
【0142】
R1が−ORaを表す本発明による化合物は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式Ra−OHの化合物と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、Raは上で定義されている通りのものである。この反応は、水素化ナトリウムまたはナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下において都合よく実施される。
【0143】
R1が−SRaを表す本発明による化合物は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式RaS−Na+の塩と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、Raは上で定義されている通りのものである。この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下において都合よく実施される。
【0144】
R1が−NRaRbを表す本発明による化合物は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式H−NRaRbの化合物と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、RaおよびRbは上で定義されている通りのものである。この反応は、典型的にはテトラヒドロフランなどの溶媒中において、ある高められた温度で攪拌することにより都合よく果たされる。
【0145】
R1が−CO2Raを表す本発明による化合物は、遷移金属触媒の存在下において;上で定義されている通りの式XVの化合物を一酸化炭素および式Ra−OHの化合物と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、Raは上で定義されている通りのものである。
【0146】
前述の反応に有用な遷移金属触媒は理想的には塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)であり、この場合、この反応は、場合によってはジクロロメタンとの混合物中におけるN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、典型的には酢酸ナトリウムの存在下で、ある高められた温度で都合よく実施される。
【0147】
L1がトリフリルオキシを表す式XVの中間体は、式XIX:
【0148】
【化32】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は上で定義されている通りのものである]
の化合物を、典型的にはトリエチルアミンの存在下において、ジクロロメタンなどの溶媒中でN−フェニルトリフリルイミドと反応させることにより;または典型的にはピリジンの存在下においてトリフリック酸無水物と反応させることにより調製することができる。
【0149】
更に、L1がクロロを表す式XVの中間体は式XIXの必要な化合物をある高められた温度においてオキシ塩化リンで処理することにより調製することができる。
【0150】
式XIXの中間体は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;上で説明されている通りの式IVの化合物を、式XX:
【0151】
【化33】
[式中、R2およびL1は上で定義されている通りのものである]
の化合物と反応させることにより調製することができる。
【0152】
代替的に、式XIXの中間体は、式XXI:
【0153】
【化34】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は上で定義されている通りのものである]
の化合物を、典型的には還流下におけるエタノール中でヒドラジン水和物と反応させることにより調製することができる。
【0154】
Zがシアノを表す本発明による化合物は、遷移金属触媒の存在下において;L1がハロゲン原子、例えばブロモを表す上の式VIIの化合物をシアン化亜鉛と反応させることを含む方法により調製することができる。
【0155】
上述の反応に有用な遷移金属触媒は理想的にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、この場合、この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、ある高められた温度で都合よく果たされる。
【0156】
R2がメトキシカルボニルを表す本発明による化合物は、式XXII:
【0157】
【化35】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は上で定義されている通りのものである]
の化合物をジアゾメタンと反応させることを含む方法により調製することができる。
【0158】
この反応は、ジエチルエーテルなどの溶媒中において攪拌することにより都合よく果たされる。
【0159】
式XXIIの中間体は、典型的には還流するメタノール水溶液中において水酸化カリウムで処理することによって、R2がC2−6アルコキシカルボニルを表す式Iの化合物を鹸化することにより調製することができる。
【0160】
R2がC2−6アルコキシカルボニルを表す本発明による化合物は、式XXIII:
【0161】
【化36】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は上で定義されている通りのものであり、R2aはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
の化合物をジアゾメタンと反応させることを含む方法により調製することができる。
【0162】
この反応はジエチルエーテルなどの溶媒中において攪拌することにより都合よく果たされる。
【0163】
上の式XIおよびXIIIの化合物は、Zがそれぞれヒドロキシおよびメトキシを表す上で定義されている通りの式Iの化合物に相当し、従って、これらの化合物は、本発明による化合物を調製するための上で説明されているいずれかの方法により調製することができる。更に、上の化合物VIIおよびXVにおけるL1がハロゲン原子を表す場合、または化合物XVにおけるL1がトリフリルオキシを表す場合、これらの化合物は上で定義されている通りの式Iの化合物に相当し、従って、これらの化合物はその正当性により本発明による化合物を構成する。
【0164】
式III、VIII、X、XII、XIV、XVI、XX、XXIおよびXXIIIの開始材料を商業的に入手することができない場合、これらの開始材料は、添付の実施例において説明されているのと類似の方法により、または当技術分野において広く知られた標準的な方法により調製することができる。
【0165】
上述のいずれかの方法から最初に得られた式Iのあらゆる化合物は、適切な場合、この後、当技術分野において既知の技術により式Iの更なる化合物へ加工され得ることが理解されよう。例えば、最初に得られた式Iの化合物は、m−クロロ過安息香酸で処理することにより、この化合物のN−オキシド誘導体へ変換することができる。R1が−C(O−Alk1)2Ra[式中、Alk1はC1−6アルキル、典型的にはメチルまたはエチルである]を表す式Iの最初に得られた化合物は、鉱酸、典型的には塩酸水溶液で加水分解することにより、R1が−CORaを表す式Iの化合物へ変換することができる。R1がホルミルを表す化合物は、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムにより、R1がヒドロキシメチルを表す対応する化合物へ還元することができる。R1がC2−6アルコキシカルボニルを表す式Iの化合物は、水素化アルミニウムリチウムにより、R1がヒドロキシメチルを表す式Iの対応する化合物へ還元することができる。R1がヒドロキシメチルを表す式Iの化合物は、二酸化マンガンで処理することにより、R1がホルミルを表す式Iの対応する化合物へ酸化することができる。このようにして得られたホルミル誘導体は、式H2N−ORbのヒドロキシルアミン誘導体を用いて縮合することにより、R1が−CH=NORbを表す式Iの化合物をもたらすことができる。更に、R1が−CH=NOHを表す式Iの化合物は、1,1−カルボニルジイミダゾールの存在下においてトリエチルアミンで処理することにより、R1がシアノを表す式Iの対応する化合物を得ることができる。代替的に、R1がホルミルを表す式Iの化合物は、式RaMgBrのグリニャール試薬と反応させることにより、R1が−CH(OH)Raを表す式Iの化合物を得ることができ、この化合物は、次に、二酸化マンガンにより、R1が−CORaを表す式Iの対応する化合物へ酸化することができる。後者の化合物は、次いで、式H2N−ORbのヒドロキシルアミン誘導体を用いて縮合することにより、R1が−CRa=NORbを表す式Iの化合物をもたらすことができる。R1が−CH(OH)Raを表す式Iの化合物は、(ジエチルアミノ)三フッ化イオウ(DAST)で処理することにより、R1が−CHFRaを表す式Iの対応する化合物へ変換することができる。同様に、R1が−CORaを表す式Iの化合物は、DASTで処理することにより、R1が−CF2Raを表す式Iの対応する化合物へ変換することができる。R1がアミノを表す式Iの化合物は、亜硝酸ナトリウムを用いてジアゾ化し、続いて塩化銅(I)で処理することにより、R1がクロロを表す式Iの対応する化合物へ変換することができる。R1が−COCH3を表す式Iの化合物は、三臭化ピリジニウムの存在下においてチオアセトアミドで処理することにより、R1が2−メチルチアゾル−5−イルを表す式Iの対応する化合物をもたらすことができる。更に、R1がホルミルである式Iの化合物は、炭酸カリウムの存在下において(p−トリルスルホニル)メチルイソシアニド(TosMIC)で処理することにより、R1がオキサゾル−5−イルを表す式Iの対応する化合物を与えることができる。R1がヒドロキシメチルを表す式Iの化合物は、四臭化炭素およびトリフェニルホスフィンで処理することにより、R1がブロモメチルを表す式Iの対応する化合物を与えることができ、次いで、この化合物を(典型的にはそのままで)イミダゾールもしくは1H−[1,2,4]トリアゾールのナトリウム塩と反応させることにより、R1がそれぞれイミダゾル−1−イルメチルもしくは[1,2,4]−トリアゾル−1−イルメチルを表す式Iの化合物をもたらすことができ;または1H−[1,2,3]トリアゾールのナトリウム塩と反応させることにより、R1が[1,2,3]トリアゾル−1−イルメチルおよび[1,2,3]トリアゾル−2−イルメチルを表す式Iの化合物の混合物をもたらすことができ;またはモルホリンと反応させることにより、R1がモルホリン−4−イルメチルを表す式Iの化合物をもたらすことができる。R1がクロロを表す式Iの化合物は、水素化ナトリウムの存在下においてピロリジン−2−オンで処理することにより、R1が2−オキソピロリジン−1−イルを表す対応する化合物へ変換することができる。R1がクロロを表す式Iの化合物は、ヨウ化銅(I)の存在下において2−ヒドロキシピリジンで処理することにより、R1が2−オキソピリジン−1−イルを表す対応する化合物へ変換することができる。Zがメトキシで置換されている式Iの化合物は、三臭化ホウ素で処理することにより、Zがヒドロキシで置換されている対応する化合物へ変換することができる。
【0166】
本発明による化合物を調製するための上で説明されているいずれかの方法から生成物の混合物が得られる場合、分取HPLC;または適切な溶媒系との組合せにおいて例えばシリカ及び/又はアルミナを用いるカラムクロマトグラフィーなどの通常の方法により、ある適切な段階でこれらの混合物から望ましい生成物を分離することができる。
【0167】
本発明による化合物を調製するための上述の方法が立体異性体の混合物をもたらす場合、これらの異性体は分取クロマトグラフィーなどの通常の技術により分離することができる。これらの新規な化合物はラセミ体の形態で調製されてよく、またはエナンチオ特異合成もしくは分割のいずれかにより個々の鏡像異性体を調製してもよい。これらの新規な化合物は、例えば、分取HPLCなどの標準的な技術により、または(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸などの光学的に活性な酸を用いる塩の形成によるジアステレオマー対の形成と、これに続くフラクションの結晶化および遊離塩基の再生により、これらの化合物の成分鏡像異性体に分割することができる。また、これらの新規な化合物は、ジアステレオマーエステルまたはアミドの形成と、これに続くクロマトグラフィーによる分離およびキラル助剤の除去により分割することもできる。
【0168】
上のいずれかの合成シーケンス中に、関連するいずれかの分子における感受性基または反応性基を保護することが必要及び/又は望ましい場合があり得る。これは、「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、J.F.W.McOmie編集、Plenum Press、1973年;およびT.W.Greene & P.G.M.Wutsによる「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、John Wiley & Sons、第3版、1999年に記載されているものなどの通常の保護基により達成することができる。これらの保護基は、当技術分野において既知の方法を用い、以降の適切な段階で除去することができる。
【0169】
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例証するものである。
【0170】
本発明による化合物は、Ltk細胞に安定的に発現されたα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットを含むヒトGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位への[3H]−フルマゼニルの結合を強力に阻害する。
【0171】
試薬
・リン酸緩衝生理食塩水(PBS)。
【0172】
・アッセイ用バッファー:10mMのKH2PO4、100mMのKCl、室温でpH7.4。
【0173】
・アッセイ用バッファー中における[3H]−フルマゼニル(α1β3γ2細胞に対して18nM;α2β3γ2細胞に対して18nM;α3β3γ2細胞に対して10nM;α5β3γ2細胞に対して10nM)。
【0174】
・アッセイ用バッファー中におけるフルニトラゼパム100μM。
【0175】
・アッセイ用バッファー(1個のトレーに10ml)中に再懸濁された細胞。
【0176】
細胞の収集
上清を細胞から取り除く。PBS(約20ml)を加える。細胞を掻き取り、50ml用遠心管に入れる。更なる10mlのPBSを用いてこの手順を繰返し、殆どの細胞を確実に取り除く。卓上遠心機内において3000rpmで20分間遠心分離することによりこれらの細胞をペレット化し、この後、望ましい場合には凍結させる。これらのペレットを、細胞のトレー(25cm×25cm)1個当たり10mlのバッファー中に再懸濁させる。
【0177】
アッセイ
アッセイは、深い96穴プレートまたは試験管内において実施することができる。各試験管は:
・300μlのアッセイ用バッファー、
・50μlの[3H]−フルマゼニル(α1β3γ2に対する最終濃度:1.8nM;α2β3γ2に対して:1.8nM;α3β3γ2に対して:1.0nM;α5β3γ2に対して:1.0nM)、
・50μlのバッファー、または化合物が10%DMSO(合計)中に溶解されている場合には溶媒担体(例えば10%のDMSO);試験化合物またはフルニトラゼパム(非特異的結合決定用)、10μMの最終濃度、
・100μlの細胞、
を含む。
【0178】
分析物を40℃で1時間インキュベートした後、Tomtec細胞収集器またはBrandel細胞収集器のいずれかを用いてGF/Bフィルター上へ濾過し、続いて3mlの氷冷アッセイ用バッファーで3回洗浄する。フィルターを乾燥させ、液体シンチレーション計数法により計数する。全結合に対する期待値は、液体シンチレーション計数法を用いた場合には、合計計数値で3000−4000dpmおよび非特異的結合で200dpm未満であり;メルチレックス固体シンチラントを用いて計数した場合には、合計計数値で1500−2000dpmおよび非特異的結合で200dpm未満である。結合パラメーターは非線型最小二乗回帰分析により決定され、これらの結合パラメーターから各試験化合物に対する阻害定数Kiを算出することができる。
【0179】
添付した実施例の化合物を上述のアッセイ法で試験したところ、すべての化合物は、100nMかそれ以下の、ヒトGABAA受容体のα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットからの[3H]−フルマゼニルの置換に対するKi値を有していることが判明した。
【0180】
(実施例1)
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル
ジエチルエーテル(20ml)中における2,3−ジフェニルシクロプロプ−2−エンカルボン酸エチルエステル(3.5g、13.2mmol)を125mlのエーテル中におけるジアゾメタン(66.4mmol)の溶液に加え、光の不在下で3日間攪拌した。N2ガスの発生が止むまで酢酸を滴下させながら加えた。酢酸の更なる部分を加えた後、加熱して4時間還流させた。反応を濃縮し、10−30%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーで精製することにより薄黄色の固体として表題化合物が得られた(1.77g)。δH(400MHz,d6 DMSO)0.84(3H,t,J7.0),4.02(2H,q,J7.0),7.54−7.58(8H,m),7.62−7.65(2H,m),9.48(1H,s);m/z(ES+)305。
【0181】
(実施例2)
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸メチルエステル
実施例1から得られた生成物(1.17g、3.84mmol)と水酸化カリウム(0.86g、15.3mmol)を加熱し、メタノール/H2O(25ml/3ml)中において18時間還流させた。反応を室温にまで冷却し、2NのHClで酸性化することにより薄黄色の固体として3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸が得られ、この固体を濾過により収集した(0.94g)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.55−7.57(6H,m),7.60−7.63(2H,m),7.71−7.73(2H,m),9.40(1H,s);m/z(ES+)277。
【0182】
ジエチルエーテル(10ml)中に懸濁させた上からの生成物(0.1g、0.36mmol)にジエチルエーテル(5ml)中におけるジアゾメタン(0.6mmol)の溶液を滴下させながら加えた。結果として生じた透明な溶液を18時間攪拌した。酢酸を加え、反応を1時間攪拌した後、濃縮した。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶化させることにより薄黄色の固体として表題化合物が得られた(78mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)3.54(3H,s),7.53−7.58(8H,m),7.62−7.66(2H,m),9.49(1H,s);m/z(ES+)291。
【0183】
(実施例3)
3,5−ジフェニルピリダジン
テトラヒドロフラン(2ml)中における3−フェニル−5−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピリダジン(100mg、0.22mmol)、ブロモベンゼン(32μl、0.27mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器(Personal Chemistry、Uppsala、Sweden)中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集し、濃縮することにより100mgの粗生成物が残った。質量トリガーフラクション分取を伴うHPLCでこのサンプルの一部を精製することによりゴムとして表題化合物が得られた(3.1mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.55−7.64(6H,m),8.06(2H,dd,J8.0,1.6),8.28(2H,dd,J8.0,1.6),8.46−8.47(1H,d,J4.0),9.62(1H,d,J4.0);m/z(ES+)233(MH+)。
【0184】
(実施例4)
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]3−フェニルピリダジン
テトラヒドロフラン(4ml)中における5−ヨード−3−フェニルピリダジン(60mg、0.14mmol)、2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニルボロン酸(32mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)および2NのNa2CO3(1ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集した後、濃縮し、メタノール−CH2Cl2−イソプロパノールから再結晶化させることにより無色の固体として表題化合物が得られた(36mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.55−7.66(5H,m),7.77−7.81(1H,m),7.91−7.95(1H,m),8.08−8.11(1H,m),8.25−8.27(2H,m),8.48(1H,m),8.66(1H,dd,J1.6,4.7),8.87(1H,d,J2.0),9.53(1H,t,J2.2);m/z(ES+)328(MH+)。
【0185】
(実施例5から32)
表に示されているアリールハロゲン化物、ボロン酸またはエステル開始材料を用いて、実施例3または4で説明されているのと類似の仕方で表1の化合物を調製した。サンプルは、実施例3で説明されているようにして、またはメタノール−酢酸エチル、CH2Cl2もしくはCH2Cl2−イソプロパノールからの再結晶化により精製された。
【0186】
【表1】
【0187】
(実施例33)
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
トルエン(3ml)中における5−クロロピリダジン−3−オン(22mg、0.169mmol)、二塩化ビス(ジフェニルホスフィニルブタン)パラジウム(10mg)、6,2’−ジフルオロ−5’−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(50mg、0.15mmol)および2NのNa2CO3(0.3ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集した後、濃縮し、イソプロパノールから再結晶化させることにより29mg(62%)の6,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4イル)ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた。
【0188】
上から得られた生成物をCH2Cl2(5ml)中におけるトリエチルアミン(20μl)およびN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(40mg)と共に18時間攪拌した。更なる試薬を加え、更に18時間攪拌し続けた。反応を濃縮し、溶離液として1:1の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。黄色いオイルとしてトリフルオロメタンスルホン酸5−(2’−シアノ−6,6’−ジフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン−3−イルエステルが得られた。m/z(ES+)442。
【0189】
テトラヒドロフラン(2ml)中における上から得られた生成物、4−フルオロフェニルボロン酸(14mg)、二塩化ビス(ジフェニルホスフィニルブタン)パラジウム(4mg)および2NのNa2CO3(0.5ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集した後、濃縮し、溶離液として1:1の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。イソプロパノールから再結晶化させることにより無色の固体として表題化合物が得られた(3.9mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.42(2H,t,J8.8),7.70(1H,t,J9.2),7.76−7.87(2H,m),7.98(1H,dd,J1.0,7.6),8.34−8.39(3H,m),8.35−8.40(1H,m),8.45−8.48(1H,m),9.69(1H,d,J2.0);m/z(ES+)388。
【0190】
(実施例34)
4−フルオロ−3’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル
4−フルオロ−3’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(0.35g、1.20mmol)をオキシ塩化リン(10ml)中に懸濁させ、70℃に1時間加熱した。反応を室温にまで冷却し、氷水に注ぎ、1時間強力に攪拌した。濾過によりベージュ色の固体を収集し、メタノールを用いて共沸蒸留することにより3’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(0.24g)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.73−7.82(3H,m),7.83−7.87(1H,m),8.04(1H,dd,J2.7,9.0),8.12(1H,dt,J1.6,7.8),8.22(1H,t,J1.6),8.40(1H,d,J2.0),9.77(1H,d,J2.0);m/z(ES+)310。
【0191】
テトラヒドロフラン(1.5ml)中における上から得られた生成物(40mg、0.129mmol)、ベンゼンボロン酸(24mg、0.197mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および2NのNa2CO3(0.5ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に10分間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相をシリカ上へローディングしながら濃縮した。40−50%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより白色の固体として表題化合物が得られた(20mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.56−7.62(3H,m),7.74−7.80(3H,m),7.85−7.89(1H,m),8.03−8.06(1H,m),8.19(1H,dt,J1.8,7.0),8.29−8.32(3H,m),8.58(1H,d,J2.0),9.71(1H,d,J2.0);m/z(ES+)352。
【0192】
(実施例35から70)
必要なボロン酸を用い、実施例33および34で説明されているのと類似の仕方で表2の化合物を調製した。
【0193】
【表2】
【0194】
(実施例71)
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−メチルアミン
四酢酸鉛(363.3g、819mmol)およびトリフルオロ酢酸(825ml)を化合し、0℃に冷却した後、<10℃の温度を維持するため、CH2Cl2(1l)中における1−ブロモ−3−ビニルベンゼン(150g、819mmol)を滴下させながら加えた。この後、反応を室温にまで温め、2時間攪拌した。反応をCH2Cl2(500ml)で希釈し、H2O(3l)中に注ぎ、強力に攪拌した後、Hyfloのパッドを通じて濾過した。有機相を分離し、ケーキを更なる部分のCH2Cl2(1l)ですすぎ、続いて、先に分離された水性相で洗った。これらを合わせた有機抽出物をH2O(750ml)、NaHCO3(750ml)およびH2O(750ml)で洗い、MgSO4上で乾燥させ、濃縮することにより(3−ブロモフェニル)アセトアルデヒド(163g)が得られ、この化合物を直接使用した。
【0195】
6NのHCl(139ml)を1,4−ジオキサン(1140ml)中におけるモルホリン(75ml、860mmol)の溶液に滴下させながら加えた。付加の完了後、グリオキシル酸(72g、778mmol)と上から得られた生成物(163g、819mmol)を加え、反応を加熱して15時間還流させた。反応を室温にまで冷却した後、H2O(800ml)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×800ml)中に抽出した。これらを合わせた有機抽出物をブライン(125ml)で洗い、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。ジエチルエーテル/ヘキサンから結晶化させることによりクリーム色の固体として4−(3−ブロモフェニル)−5−ヒドロキシ−5H−フラン−2−オンが得られた(95.6g)。δH(360MHz,d6 DMSO)6.64(1H,d,J8.8),6.88(1H,s),7.48(1H,t,J8.1),7.70−7.73(1H,m),7.78−7.81(1H,m),8.00−8.01(1H,m),8.04(1H,d,J8.8)。
【0196】
エタノール(1.9l)中における上から得られた生成物(95.6g、375mmol)およびヒドラジン水和物(45.5ml、937mmol)を化合し、加熱して12時間還流させた。反応を室温にまで冷却した後、H2O(960ml)で希釈し、氷浴中において冷却した。薄黄色の固体として5−(3−ブロモフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンが得られ、この化合物を濾過により収集した(34g)。濾液をもっと小さな容量にまで濃縮し、濾過により更なる16gの生成物を収集した。δH(360MHz,d6 DMSO)7.20(1H,d,J2.1),7.48(1H,t,J7.9),7.70−7.73(1H,m),7.81−7.84(1H,m),8.04(1H,t,J1.8),8.30(1H,d,J2.1),13.15(1H,s)。
【0197】
上から得られた生成物(10g、39.8mmol)をオキシ塩化リン(60ml)中に懸濁させ、70℃に3時間加熱した。反応を濃縮して容量を半分にした後、氷水に注ぎ、強力に1時間攪拌した。オレンジ色の固体として5−(3−ブロモフェニル)−3−クロロピリダジンが得られ、この化合物を濾過により収集し、トルエンを用いて共沸蒸留した(10.6g)。δH(360MHz,d6 DMSO)7.54(1H,t,J7.9),7.76−7.79(1H,m),7.99−8.02(1H,m),8.25(1H,t,J1.8),8.35(1H,d,J2.1),9.70(1H,d,J2.1)。
【0198】
テトラヒドロフラン(3ml)中におけるメチルアミンの2M溶液に上から得られた生成物(0.5g、1.86mmol)を加え、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において170℃に1時間加熱した。有機相を酢酸エチルで希釈し、水で洗い、MgSO4上で乾燥させ、シリカ上へローディングしながら濃縮した。溶離液として50%の酢酸エチル/ヘキサン、続いて酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによりオレンジ色の固体として表題化合物が得られた(0.1g)。δH(360MHz,d6 DMSO)2.92(3H,d,J4.9),6.85(1H,q,J4.9),7.00(1H,d,J2.1),7.49(1H,t,J7.9),7.68−7.71(1H,m),7.75−7.78(1H,m),7.97(1H,t,J1.8),8.80(1H,d,J2.1);m/z(ES+)264,266。
【0199】
(実施例72から78)
実施例71で説明されているのと類似の仕方で表3の化合物を調製した。
【0200】
【表3】
【0201】
(実施例79)
5−(3−ブロモフェニル)−3−エトキシピリダジン
金属ナトリウム(0.13g、5.65mmol)を外部冷却(水浴)下の乾性エタノール(10ml)に小分けして加えた。すべてのナトリウムを加えた後、反応を室温にし、溶液を1時間攪拌した後、エタノール(5ml)中における5−(3−ブロモフェニル)−3−クロロピリダジン(0.15g、0.557mmol)を加えた。この懸濁液を18時間攪拌した後、水を加え、真空下においてエタノールを除去した。生成物をCH2Cl2中に抽出し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。溶離液として25%の酢酸エチル/ヘキサンを用いる分取TLCにより、白色の固体として表題化合物が得られた(30mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)1.41(3H,t,J7.0),4.55(2H,q,J7.0),7.50(1H,t,J8.0),7.55(1H,d,J2.0),7.71−7.74(1H,m),7.91−7.94(1H,m),8.14(1H,t,J1.8),9.30(1H,d,J2.0);m/z(ES+)279,281。
【0202】
(実施例80)
3−アリルオキシ−5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン
鉱油中における60%分散系としての水素化ナトリウム(0.175g、4.38mmol)をテトラヒドロフラン(4ml)中におけるアリルアルコール(0.25ml、3.79mmol)の溶液に加え、30分間攪拌した後、5−(3−ブロモフェニル)−3−クロロピリダジン(0.5g、1.86mmol)を加えた。この懸濁液をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において170℃に30分間加熱した。反応を酢酸エチルで希釈し、H2Oで洗い、MgSO4上で乾燥させ、シリカ上へローディングしながら濃縮した。溶離液として20%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより白色の固体として表題化合物が得られた(0.2g)。δH(400MHz,d6 DMSO)5.03−5.05(2H,m),5.29−5.32(1H,m),5.44−5.50(1H,m),6.10−6.20(1H,m),7.51(1H,t,J8.0),7.61(1H,d,J2.0),7.72−7.75(1H,m),7.92−7.95(1H,m),8.16(1H,t,J1.8),9.33(1H,d,J2.0);m/z(ES+)291,293。
【0203】
(実施例81)
3−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−イソプロピルアミン(0.1g、0.342mmol)、シアン化亜鉛(52mg、0.443mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中に入れた。反応をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に10分間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を濃縮し、溶離液として50−75%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーで精製した。酢酸エチルから再結晶化させることにより白色の固体として表題化合物が得られた(36mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)1.21(6H,d,J6.7),4.13−4.21(1H,m),6.76(1H,d,J7.4),7.01(1H,d,J2.0),7.74(1H,t,J7.8),7.95−7.97(1H,m),8.05−8.08(1H,m),8.25−8.26(1H,m),8.81(1H,d,J2.0);m/z(ES+)238。
【0204】
(実施例82から84)
実施例81で説明されているのと類似の仕方で表4の化合物を調製した。
【0205】
【表4】
【0206】
(実施例85)
3’−(6−エチルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル
テトラヒドロフラン(1.5ml)中におけるN−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−エチルアミン(0.1g、0.360mmol)、2−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)−5−フルオロベンゾニトリル(0.1g、0.429mmol)、2NのNa2CO3(0.5ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に10分間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびNH4Cl(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相をシリカ上へローディングしながら濃縮し、溶離液として50%の酢酸エチル/ヘキサン、続いて酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーで精製した。酢酸エチルから再結晶化させることにより白色の固体として表題化合物が得られた(46mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)1.19(3H,t,J7.0),3.41(2H,qd,J5.1,7.0),6.88(1H,t,J5.1),7.05(1H,d,J1.6),7.69−7.76(3H,m),7.79−7.83(1H,m),7.85−7.88(1H,m),7.94−7.95(1H,m),8.01−8.04(1H,m),8.85(1H,d,J1.6);m/z(ES+)319。
【0207】
(実施例86から94)
実施例85で説明されているのと類似の仕方で表5の化合物を調製した。
【0208】
【表5】
【0209】
(実施例95)
5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン
−70℃に冷却されたジクロロメタン中における5−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン(0.6g、2.14mmol)の溶液に三臭化ホウ素(0.81ml、8.56mmol)を加えた。この反応混合物を−70℃で30分間攪拌した後、室温にまで温め、2時間攪拌した。反応を0℃に冷却した後、1mlのメタノールを加えた。この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの溶液に注ぎ、得られた沈殿物を濾過により収集し、水で洗い、乾燥(MgSO4)させることにより表題化合物が得られた(400mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.37(1H,dd,J8.4,11.2),7.47−7.61(5H,m),8.26−8.28(2H,m),8.37(1H,d,J2.0),9.50(1H,d,J2.0),10.25−10.40(1H,br s);m/z(ES+)267。
【0210】
(実施例96)
5−[4−フルオロ−3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中における5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン(80mg、0.3mmol)の溶液に水素化ナトリウム(30mg、0.6mmol)を加えた。10分間攪拌した後、(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イル)メタノール(50mg、0.3mmol)を加えた。反応混合物を60℃で30分間加熱した。この反応混合物を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過により収集し、水で洗い、乾燥(MgSO4)させた。この固体を酢酸エチル中に溶解し、シリカ上へ吸着させ、溶離液として酢酸エチル/ヘキサン(20:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせ、減圧下において蒸発させることにより固体として表題化合物が得られた。δH(400MHz,CDCl3)4.05(3H,s),5.44(2H,s),7.27−7.37(3H,m),7.51−7.61(3H,m),7.92(2H,dd,J11.3,2.3),8.16(2H,dd,J6.3,1.6),9.34(1H,d,J1.6);m/z(ES+)362。
【0211】
(実施例97)
5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン
テトラヒドロフラン(2ml)中における5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン(80mg、0.3mmol)、(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イル)メタノール(81mg、0.45mmol)およびトリフェニルホスフィン(118mg、0.45mmol)のスラリーにアゾジカルボン酸ジイソプロピル(91mg、0.45mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。この反応混合物をシリカ上へ吸着させ、溶離液として20:1から1:20までのイソヘキサン/酢酸エチルの勾配溶離を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製した。適切なフラクションを合わせ、減圧下で蒸発させることにより固体を得、この固体をアセトニトリルから再結晶化させることにより表題化合物が得られた(45mg)。δH(400MHz,CDCl3)3.96(3H,s),5.21(2H,s),7.27−7.34(3H,m),7.51−7.61(4H,m),7.91(1H,d,J2.3),8.13−8.14(2H,m),9.35(1H,d,J2.3);mlz(ES+)429。
【0212】
(実施例98および99)
実施例96で説明されているのと類似の仕方で表6の化合物を調製した。
【0213】
【表6】
【0214】
(実施例100)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−4−イル)ピリダジン
1,4−ジオキサン(2ml)中における3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(0.2g、0.66mmol)に、4−トリ−n−ブチルスタンニルピリジン(0.484g、1.31mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.076g、0.065mmol)を加え、この混合物をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃で12分間加熱した。反応をジクロロメタンで希釈し、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。この粗生成物を1−5%のメタノール/CH2Cl2で溶出するシリカでのクロマトグラフィーにかけた。適切なフラクションをプールし、蒸発させることによりクリーム色の固体として表題化合物が得られた。δH(400MHz,CDCl3)7.40−7.47(2H,m),7.57−7.61(1H,m),7.82−7.86(1H,m),8.02−8.09(4H,m),8.60−8.62(1H,m),8.82−8.84(2H,m),9.53(1H,d,J2.3);m/z(ES+)347。
【0215】
(実施例101から104)
必要なヘテロ環式スタンナンを用い、上の実施例100で説明されているのと類似の仕方で表7の化合物を調製した。
【0216】
【表7】
【0217】
(実施例105)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イル)ピリダジン
テトラヒドロフラン(3ml)中において3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(200mg、0.66mmol)の脱気溶液を形成した。(トリメチルシリル)アセチレン(0.14ml、0.99mmol)、トリエチルアミン(0.14ml、1mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(23mg、0,03mmol)およびトリフェニルホスフィン(4mg、0.015mmol)をこの順番で加え、混合物を室温で20分間攪拌させた。ヨウ化銅(I)(2mg、0.01mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。溶媒を除去し、溶離液として80%の酢酸エチル:20%のイソヘキサンを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで残分を精製することにより褐色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−トリメチルシラニルエチニルピリダジンが得られた(210mg)。δH(400MHz,CDCl3)0.31(9H,s),7.34−7.45(2H,m),7.55−7.60(1H,m),7.74−7.78(1H,m),7.79(1H,d,J2.3),7.95(1H,dd,J2.5,6.5),8.58−8.61(1H,m),9.39(1H,d,J2.3)。
【0218】
N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中における5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−トリメチルシラニルエチニルピリダジン(100mg、0.26mmol)の溶液にアジ化ナトリウム(19mg、0.29mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した後、70℃で4時間攪拌した。この反応混合物を室温にまで冷却させ、水(20ml)に加えた後、酢酸エチル(5×10ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。溶離液として10%のメタノール:90%のジクロロメタンを用いる分取薄層クロマトグラフィーで精製することにより黄褐色の固体として表題化合物が得られた。δH(400MHz,d6−DMSO)7.63(1H,t,J9.8),8.16−8.27(3H,m),8.49(1H,d,J2.3),8.69(1H,s),8.75(1H,d,J2.3),9.66(1H,d,J2.0);m/z(ES+)355。
【0219】
(実施例106)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)を伴うエタノール(10ml)中において3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(100mg、0.33mmol)の溶液を形成した。酢酸ナトリウム(54mg、0.66mmol)を加え、混合物を窒素で脱気した。塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(ジクロロメタンとの1:1錯体)(20mg、0.03mmol)を加え、混合物を90℃に加熱し、この温度に45分間維持しながら、この溶液に一酸化炭素を通気した。この混合物を室温にまで冷却させ、溶媒を除去した。溶離液として80%の酢酸エチル:20%のイソヘキサンを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで残分を精製した後、ジクロロメタンおよびイソヘキサンから再結晶化させることにより白色の固体として表題化合物が得られた(30mg)。δH(400MHz,CDCl3)1.51(3H,t,J7.0),4.59(2H,q,J7.2),7.38−7.46(2H,m),7.55−7.61(1H,m),7.81−7.86(1H,m),8.03(1H,dd,J2.5,6.5),8.41(1H,d,J2.3),8.59−8.61(1H,m),9.62(1H,d,J2.3);m/z(ES+)342。
【0220】
(実施例107)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−1−オキシド
CH2Cl2(2ml)中における5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン(50mg、0.13mmol)の混合物にm−クロロ過安息香酸(50%;68mg、0.20mmol)を加えた。この溶液を室温に22時間放置した。10%の炭酸ナトリウム溶液(1ml)を加え、この溶液をPTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を蒸発させ、CH2Cl2中における5%メタノールの溶媒系を用いる分取TLCでこの粗生成物を精製することにより白色の固体が得られた。水中の0.1%トリフルオロ酢酸中における30−80%アセトニトリルの溶媒系を用いる分取HPLCでこの固体を更に精製した。適切なフラクションを合わせることにより白色の固体として表題化合物が得られた(3mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.19−7.25(1H,m),7.29−7.41(3H,m),7.47−7.53(1H,m),7.73−7.76(1H,m),7.78(1H,t,J1),7.91(1H,dd,J3,7),8.06−8.10(1H,m),8.42(1H,d,J1),8.51(1H,d,J2);m/z(ES+)398。
【0221】
(実施例108)
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
1,4−ジオキサン(12ml)中における3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(0.25g、0.82mmol)、ヘキサメチル二スズ(0.323g、0.98mmol)および塩化リチウム(0.1024g、2.46mmol)の脱気混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.048g、0.041mmol)を加え、この混合物を100℃で3時間加熱した。質量分析は意図されたスタンナンの形成を示した。1−ブロモ−2,6−ジフルオロベンゼン(0.3177g、0.187ml、1.65mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.01g、0.0082mmol)を加え、混合物を100℃で6時間加熱した。反応を室温にまで冷却した後、濾過し、蒸発させ、分取TLC(2プレート;4%メタノール−CH2Cl2)でこの粗生成物を精製した。適切なバンドを収集し、処理することにより灰色がかった白色の固体として表題化合物が得られ、この化合物を酢酸エチル/イソヘキサンから再結晶化させることにより白色の固体が得られた(42mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.05−7.12(2H,m),7.32−7.59(4H,m),7.79−7.85(2H,m),8.00(1H,dd,J2.5,6.5),8.58−8.60(1H,m),9.51(1H,d,J2.3)。
【0222】
(実施例109)
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼンに結合させることにより白色の固体として3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)7.54(1H,m),7.61−7.65(1H,m),7.70(1H,dd,J10.0,0.5),8.03−8.06(1H,m),8.16−8.24(3H,m),8.37(1H,s),8.74(1H,s),9.73(1H,s);m/z(ES+)416:418(3:1)。
【0223】
(実施例110)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを4−ブロモ−3−フルオロベンゾトリフルオリドに結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)7.64(1H,t,J9.0),7.82(1H,d,J8.1),7.95(1H,d,J10.5),8.16−8.26(3H,m),8.24(1H,s),8.46(1H,s),8.74(1H,s),9.78(1H,s);m/z(ES+)450。
【0224】
(実施例111)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを4−ブロモ−3−フルオロトルエンに結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)2.42(3H,s),7.25(2H,s),7.62(1H,t,J9.4),7.93(1H,m),8.21(3H,m),8.30(1H,s),8.74(1H,d,J0.5),9.68(1H,s);m/z(ES+)396。
【0225】
(実施例112)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジンに結合させることにより白色の固体として3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)7.61−7.65(1H,m),8.16−8.24(4H,m),8.48(1H,s),8.75(2H,d,J12.2),9.79(1H,s);m/z(ES+)401。
【0226】
(実施例113)
トリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステル
乾性ピリジン(20ml)中における5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(1.29g、4.52mmol)の懸濁液を形成し、0℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.14ml、6.78mmol)を滴下させながら加えた。この後、得られた混合物を室温にまで温めさせると、30分後に暗赤色の溶液が形成された。この混合物を水(100ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。溶離液として80%のジクロロメタン:20%の酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した後、イソヘキサンを用いてジクロロメタンから再結晶化させることにより白色の固体としてトリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステルが得られた:δH(400MHz,CDCl3)7.40−7.47(2H,m),7.56−7.61(2H,m),7.78−7.82(1H,m),8.00(1H,dd,J2および6),8.59−8.61(1H,m),9.55(1H,d,J2);m/z(ES+)418。
【0227】
(実施例114)
3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中における3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(50mg、0.16mmol)の溶液を形成した。ナトリウムエタンチオラート(28mg、0.33mmol)を加え、得られた混合物を室温で8時間攪拌した。反応を水(20ml)中に注ぎ、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることによりオレンジ色の固体を得た。溶離液として酢酸エチルを用いる分取薄層クロマトグラフィーで精製することにより白色の固体として3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジンが得られた(10mg):δH(400MHz,CDCl3)1.47(3H,t,J7),3.43(2H,q,J7),7.35(1H,t,J9),7.40−7.44(1H,m),7.48(1H,d,J2),7.54−7.59(1H,m),7.70−7.74(1H,m),7.92(1H,dd,J2および6),8.57−8.60(1H,m),9.17(1H,d,J2);m/z(ES+)330。
【0228】
(実施例115)
3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
実施例114のようにして3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(50mg、0.16mmol)とナトリウム2−メチル−2−プロパンチオラート(37mg、0.33mmol)を反応させることにより黄褐色の固体として3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジンが得られた(13mg):δH(400MHz,CDCl3)1.66(9H,s),7.35(1H,t,J9),7.40−7.44(1H,m),7.53(1H,d,J2),7.54−7.59(1H,m),7.70−7.74(1H,m),7.91(1H,dd,J3および7),8.58−8.60(1H,m),9.21(1H,d,J2);m/z(ES+)302(M+H−tBu)および358(M+H)。
【0229】
(実施例116)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(100mg、0.31mmol)を3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン(144mg、0.37mmol)に結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(31mg):δH(400MHz,CDCl3)7.36−7.44(2H,m),7.81−7.85(1H,m),7.97(1H,dd,J2および7),8.21−8.24(2H,m),8.52(1H,d,J2),8.64−8.68(2H,m),9.53(1H,d,J2);m/z(ES+)383。
【0230】
(実施例117)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(139mg、0.43mmol)を3−フルオロ−2−トリブチルスタンニルピリジン(200mg、0.51mmol)に結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジンが得られた(70mg):δH(500MHz,CDCl3)7.36−7.41(2H,m),7.46−7.49(1H,m),7.66(1H,t,J10),7.85−7.89(1H,m),8.01(1H,dd,J2および7),8.41(1H,s),8.52(1H,s),8.61(1H,d,J4),9.53(1H,s);m/z(ES+)383。
【0231】
(実施例118)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(216mg、0.71mmol)を3−フルオロ−2−トリブチルスタンニルピリジン(300mg、0.78mmol)に結合させることにより白色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジンが得られた(106mg):δH(400MHz,CDCl3)7.35−7.48(3H,m),7.55−7.61(1H,m),7.63−7.68(1H,m),7.84−7.89(1H,m),8.05(1H,dd,J3および7),8.41(1H,d,J2),8.58−8.62(2H,m),9.54(1H,d,J2);m/z(ES+)365。
【0232】
(実施例119)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシド
ジクロロメタン(4ml)中における5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン(100mg、0.27mmol)の溶液を形成した。ジクロロメタン(1ml)中におけるm−クロロペルオキシ安息香酸(74mg、77%、0.33mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。反応を炭酸ナトリウム水溶液(2M、10ml)でクエンチングし、ジクロロメタン(10ml)で抽出した。有機相を炭酸ナトリウム水溶液(1M、2×10ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄褐色の固体を得た。分取HPLCで精製することにより白色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシドが得られた(14mg):δH(400MHz,CDCl3)7.39−7.47(2H,m),7.56−7.61(1H,m),7.74−7.78(1H,m),7.86(1H,s),7.96(1H,dd,J3および7),8.02(1H,t,J5),8.49(1H,d,J1),8.58−8.68(3H,m);m/z(ES+)381。
【0233】
(実施例120)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジン
ジクロロメタン(5ml)中における3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン(1.0g、2.6mmol)の溶液を形成した。ジクロロメタン(3ml)中におけるm−クロロペルオキシ安息香酸(696mg、77%、3.1mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。更なる10mlのジクロロメタンを加え、この混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×20ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄色いオイルを得た。溶離液として酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより無色のオイルとして3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン1−オキシドが得られた(1.0g)。
【0234】
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(80mg、0.26mmol)を3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン1−オキシド(117mg、0.29mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(31mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.39−7.47(2H,m),7.56−7.62(1H,m),7.80−7.84(1H,m),8.00(1H,dd,J3および7),8.18−8.22(2H,m),8.29(1H,dd,J2および7),8.39(1H,dd,J7および9),8.59−8.61(1H,m),9.50(1H,d,J2);m/z(ES+)381。
【0235】
(実施例121)
5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン
水(4ml)を伴うテトラヒドロフラン(40ml)中における2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジン(4.0g、20.6mmol)、2,6−ジフルオロフェニルボロン酸(3.9g、24.7mmol)およびフッ化カリウム(4.3g、74.2mmol)の脱気溶液を形成した。トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(189mg、0.21mmol)、続いてトリ−tert−ブチルホスフィン(0.8ml、ヘキサン中における0.51M、0.42mmol)を加え、この混合物を60℃に18時間加熱した。溶媒を除去し、溶離液としてジクロロメタン60%:イソヘキサン40%を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの残分を精製することにより白色の固体として3,5−ジフルオロ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジンが得られた(2.2g):δH(400MHz,CDCl3)6.99−7.06(2H,m),7.32−7.46(2H,m),8.50(1H,d,J2.3)。
【0236】
濃硫酸(10ml)中における3,5−ジフルオロ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジン(1.65g、7.26mmol)の溶液を形成し、0℃に冷却した。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(2.08g、7.26mmol)を小分けして加え、得られた混合物を0℃で2時間攪拌させた。反応を氷(250ml)でクエンチングし、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄色いオイルを得た。溶離液として60%のイソヘキサン:40%のジクロロメタンを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより無色のオイルとして2−(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,5−ジフルオロピリジンが得られた(1.95g):δH(400MHz,CDCl3)6.94−6.99(1H,m),7.34−7.39(1H,m),7.61−7.67(1H,m),8.50(1H,d,J2.3)。
【0237】
ジメチルスルホキシド(0.4ml)を伴う1,4−ジオキサン(20ml)中における2−(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,5−ジフルオロピリジン(1.95g、6.37mmol)、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボラン(1.58g、7.01mmol)および酢酸カリウム(1.25g、12.7mmol)の脱気溶液を形成した。ジクロロメタンを伴う[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(1:1)(100mg)を加え、この混合物を80℃で18時間加熱した。溶媒を除去し、残分を水酸化ナトリウム水溶液(2N、100ml)と共に30分間攪拌した後、濾過した。濾液をジエチルエーテル(2×50ml)で洗い、次いで、0℃に冷却した後、濃塩酸水溶液で中和し、続いて、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより薄黄色のオイルとして3,5−ジフルオロ−2−[2,6−ジフルオロ−3−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)フェニル]ピリジンが得られた:δH(400MHz,CDCl3)1.03(6H,s),3.78(4H,s),5.30(1H,s),6.97−7.02(1H,m),7.29−7.35(1H,m),7.80−7.86(1H,m),8.48(1H,d,J2.3)。
【0238】
1,4−ジオキサン(10ml)中における3−クロロ−5−メトキシピリダジン(473mg、3.27mmol)、3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(1.0g、3.6mmol)、ヨウ化銅(I)(31mg、0.2mmol)および塩化リチウム(416mg、9.8mmol)の脱気溶液を形成した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg)を加え、この混合物を80℃に16時間加熱した。溶媒を除去し、40%のイソヘキサン:60%の酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの残分を精製することにより薄黄色の固体として3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−メトキシピリダジンが得られた(220mg):δH(400MHz,CDCl3)7.10−7.12(1H,m),8.54(2H,s),9.02(1H,d,J3.1);m/z(ES+)224。
【0239】
臭化水素酸水溶液(5ml、48%)中における3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−メトキシピリダジン(210mg、0.94mmol)の溶液を形成し、2時間還流させた。この混合物を氷浴中において冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で〜pH2へ、続いて固体炭酸水素ナトリウムで中性へ中和した。結果として生じた白色の沈殿物を濾過し、真空下において五酸化リン上で乾燥させることにより白色の固体として6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−1H−ピリダジン−4−オンが得られた(110mg):m/z(ES+)210。
【0240】
オキシ塩化リン(0.8ml)中における6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−1H−ピリダジン−4−オン(60mg、0.28mmol)の懸濁液を形成し、80℃に30分間加熱することにより黄色い溶液を得た。減圧下においてオキシ塩化リンを除去し、残分をジクロロメタン(5ml)で希釈し、水(3×10ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄色い固体として5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(63mg):δH(400MHz,CDCl3)7.76−7.78(1H,m),8.58(2H,s),9.31(1H,d,J2.3)。
【0241】
炭酸ナトリウム水溶液(1ml、2M)を伴う1,4−ジオキサン(4ml)中における5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン(107mg、0.47mmol)および3,5−ジフルオロ−2−[2,6−ジフルオロ−3−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)フェニル]ピリジン(191mg、0.56mmol)の溶液を形成した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(50mg)を加え、この混合物をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に700秒間加熱した。溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン:酢酸エチル(1:1)を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの残分を精製した。イソヘキサンを用いてジクロロメタンから再結晶化させることにより白色の固体として5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(106mg):δH(400MHz,CDCl3)7.25−7.29(1H,m),7.38−7.43(1H,m),7.66−7.72(1H,m),7.90−7.91(1H,m),8.54(1H,d,J2.3),8.57(2H,s),9.50−9.51(1H,m);m/z(ES+)419。
【0242】
(実施例122および123)
必要なボロン酸を用い、実施例33および34で説明されているのと類似の仕方で表2Aの化合物を調製した。
【0243】
【表8】
【0244】
(実施例124から126)
必要なスタンナンを用い、実施例100で説明されているのと類似の仕方で表7Aの化合物を調製した。
【0245】
【表9】
【0246】
(実施例127)
3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
ジクロロメタン(10ml)中における3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(2.0g、7.2mmol)の溶液を形成した。ジクロロメタン(10ml)中における3−クロロペルオキシ安息香酸(1.94g、約8.6mmol)の溶液を滴下しながら加え、この溶液を室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液(2M、50ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機相を水(50ml)で洗い、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより白色の固体として3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン1−オキシドが得られた(1.31g)。実施例100の方法を用いて3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン1−オキシド(438mg、1.5mmol)を3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(400mg、1.24mmol)に結合させることにより白色の固体として3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンが得られた(50mg):δH(400MHz,CDCl3)7.36−7.44(2H,m),7.79−7.83(1H,m),7.86−7.87(1H,m),7.95(1H,dd,J2.5,6.5),8.18−8.21(2H,m),8.51(1H,d,J2.3),9.55(1H,d,J2.3);m/z(ES+)417。
【0247】
(実施例128)
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル
実施例33の方法を用いて2’−フルオロ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(2.50g、7.8mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.32g、10.0mmol)に結合させることにより2’−フルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリルを得た(2.36g):m/z(ES+)292。
【0248】
実施例34の方法を用いて2’−フルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(2.36g)をオキシ塩化リン(50ml)と反応させることにより5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロ−ビフェニル−2−カルボニトリル(1.89g)を得た:m/z(ES+)310。
【0249】
予め形成された−78℃における乾性ジエチルエーテル(2ml)中におけるブチルリチウム(0.7ml、ヘキサン中における1.6M、1.13mmol)および乾性N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.2ml、1.35mmol)の溶液に、乾性ジエチルエーテル(2ml)中における3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン(202mg、1.08mmol)の溶液を滴下させながら加えた。この黄色い溶液を−78℃で1時間攪拌した後、塩化亜鉛(1.6ml、エーテル中における1M、1.6mmol)を滴下させながら加えた。結果として生じた白色の沈殿物を−78℃で30分間攪拌した後、2時間かけて室温にまで温めさせることにより3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物の溶液が得られた。この溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中における5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル(200mg、0.65mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(20mg)の脱気溶液を加え、更なる脱気後、この混合物を80℃で18時間攪拌した。得られた混合物を水(50ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色のオイルを得た。溶離液として20%酢酸エチル:80%ジクロロメタンの混合物を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより黄褐色の固体として5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(80mg):δH(400MHz,CDCl3)7.41−7.48(2H,m),7.54−7.60(2H,m),7.71−7.75(1H,m),7.81−7.87(3H,m),8.35(1H,d,J2.3),8.52(1H,d,J2.3),9.52(1H,d,J2.3);m/z(ES+)389。
【0250】
(実施例129)
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル
実施例100の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロ−ビフェニル−2−カルボニトリル(500mg、1.6mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(538mg、1.9mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(327mg):δH(400MHz,CDCl3)7.43−7.48(1H,m),7.55−7.60(2H,m),7.71−7.75(1H,m),7.78−7.89(4H,m),8.58(2H,s),9.57(1H,d,J1.6);m/z(ES+)389。
【0251】
(実施例130)
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
実施例33の方法を用いて4,2’−ジフルオロ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(5g、14.7mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.59g、12.2mmol)に結合させることにより4,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた:m/z(ES+)310。
【0252】
実施例34の方法を用いて4,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(4g)をオキシ塩化リン(20ml)と反応させることにより5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた:m/z(ES+)328。
【0253】
実施例100の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル(200mg、0.61mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(204mg、0.73mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(75mg):δH(400MHz,d6−DMSO)7.65−7.70(1H,m),7.77−7.85(2H,m),8.08(1H,dd,J2.3,8.6),8.22−8.25(2H,m),8.54−8.55(1H,m),8.82(2H,s),9.90(1H,d,J2.3);m/z(ES+)407。
【0254】
(実施例131)
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
実施例128の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル(300mg、0.92mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(1.55mmol)に結合させることにより薄いピンク色の固体として4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(88mg):δH(400MHz,CDCl3)7.42−7.48(3H,m),7.53−7.60(2H,m),7.80(1H,dd,J2.5,6.8),7.83−7.88(1H,m),8.34(1H,d,J2.0),8.52(1H,d,J2.3),9.52(1H,d,J2.3);m/z(ES+)407。
【0255】
(実施例132)
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル
実施例33の方法を用いて2−[2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ニコチノニトリル(4.86g、15mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.78g、13.7mmol)に結合させることにより2−[2−フルオロ−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)フェニル]ニコチノニトリルを得た(2.4g):m/z(ES+)293。
【0256】
実施例34の方法を用いて2−[2−フルオロ−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)フェニル]ニコチノニトリル(2.4g、8.2mmol)をオキシ塩化リン(20ml)と反応させることにより2−[5−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2−フルオロフェニル]ニコチノニトリルを得た(1.39g):m/z(ES+)311。
【0257】
実施例100の方法を用いて2−[5−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2−フルオロフェニル]ニコチノニトリル(300mg、0.97mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(322mg、1.16mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリルが得られた(95mg):δH(400MHz,CDCl3)7.46−7.55(2H,m),7.86−7.90(2H,m),7.97(1H,dd,J2.3,6.7),8.15(1H,dd,J1.6,7.8),8.58(2H,s),8.96(1H,dd,J1.8,4.9),9.58(1H,d,J2.3);m/z(ES+)390。
【0258】
(実施例133)
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル
実施例128の方法を用いて2−[5−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2−フルオロフェニル]ニコチノニトリル(300mg、0.97mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(1.93mmol)に結合させることにより白色の固体として2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリルが得られた(70mg):δH(400MHz,CDCl3)7.43−7.54(3H,m),7.90−7.94(1H,m),8.01(1H,dd,J2.3,6.7),8.15(1H,dd,J2.0,7.8),8.37(1H,d,J2.0),8.52(1H,d,J2.3),8.96(1H,dd,J1.8,4.9),9.54(1H,d,J2.3);m/z(ES+)390。
【0259】
(実施例134)
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中における2−ピロリジノン(60mg、0.71mmol)の溶液を形成し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中における60%、28mg、約0.71mmol)を加え、この懸濁液を室温で30分間攪拌した。5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル(200mg、0.64mmol)を加え、得られた混合物を50℃で一晩加熱した。反応を水(50ml)でクエンチングし、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色のオイルを得た。溶離液として20%酢酸エチル:80%ジクロロメタンの混合物を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した後、イソヘキサンを用いてジクロロメタンから再結晶化させることにより黄褐色の固体として2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(18mg):δH(400MHz,CDCl3)2.21−2.27(2H,m),2.72(2H,t,J8.1),4.33(2H,t,J7.2),7.40(1H,t,J9.0),7.53−7.58(2H,m),7.69−7.84(4H,m),8.94(1H,d,J2.0),9.23(1H,d,J2.0);m/z(ES+)359。
【0260】
(実施例135)
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
N,N−ジメチルホルムアミド中における5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル(310mg、1.0mmol)、2−ヒドロキシピリジン(143mg、1.5mmol)、ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)および炭酸カリウム(207mg、1.5mmol)の混合物を150℃に一晩加熱した。混合物を室温にまで冷却させた後、アンモニア水(50ml、〜5%)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質をブライン(50ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。溶離液として酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した後、酢酸エチルから再結晶化させることにより2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた:δH(400MHz,CDCl3)6.38−6.42(1H,m),6.68(1H,d,J8.8),7.40−7.50(2H,m),7.54−7.58(2H,m),7.70−7.74(1H,m),7.78−7.85(3H,m),8.12−8.14(1H,m),8.45(1H,d,J2.0),9.45(1H,d,J2.2);m/z(ES+)369。
【0261】
(実施例136)
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
実施例33の方法を用いて6,2’−ジフルオロ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(5.0g、14.7mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.74g、13.3mmol)に結合させることにより6,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリルを得た(4.2g):m/z(ES+)310。
【0262】
実施例34の方法を用いて6,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(4.2g、13.6mmol)をオキシ塩化リン(30ml)と反応させることにより5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリルを得た(2.02g):m/z(ES+)328。
【0263】
実施例128の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル(500mg、1.53mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(3.05mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(100mg):δH(400MHz,CDCl3)7.42−7.51(3H,m),7.55−7.60(1H,m),7.65−7.67(1H,m),7.82(1H,dd,J2.3,6.3),7.87−7.91(1H,m),8.34(1H,d,J2.0),8.52(1H,d,J2.3),9.52(1H,d,J2.3);m/z(ES+)407。
【0264】
(実施例137)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン
実施例33の方法を用いて2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(3.0g、10.3mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.13g、8.62mmol)に結合させることにより5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンを得た(1.93g):m/z(ES+)259。
【0265】
実施例34の方法を用いて5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン(1.93g、7.48mmol)をオキシ塩化リン(10ml)と反応させることにより3−クロロ−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジンを得た(1.42g):m/z(ES+)277。
【0266】
実施例128の方法を用いて3−クロロ−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン(500mg、1.81mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(3.62mmol)に結合させることにより薄茶色の固体として3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジンが得られた(40mg):δH(400MHz,CDCl3)7.41−7.49(2H,m),7.93−8.01(2H,m),8.34(1H,d,J2.3),8.54(1H,d,J2.3),9.49(1H,d,J2.0);m/z(ES+)356。
【0267】
(実施例138)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジン
実施例33の方法を用いて4−フルオロフェニルボロン酸を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オンに結合させることにより5−(4−フルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンを得た:m/z(ES+)191。
【0268】
実施例34の方法を用いて5−(4−フルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンをオキシ塩化リンと反応させることにより3−クロロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジンを得た:m/z(ES+)209。
【0269】
実施例128の方法を用いて3−クロロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジンを3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物に結合させることにより3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジンを得た:m/z(ES+)288。
【0270】
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジン(0.314g、1.1mmol)を濃硫酸(4ml)中に溶解し、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.311g、1.1mmol)を加え、得られた混合物を20分間攪拌した。この反応混合物を氷(50g)に注ぎ、水酸化ナトリウム溶液でpH11に調整した。水性相をジクロロメタン(2×100ml)で抽出し、これらを合わせた有機質をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。この粗生成物を酢酸エチルで溶出するシリカでのクロマトグラフィーに掛けることにより白色の固体として5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを得た(0.111g):m/z(ES+)366:368(1:1)。
【0271】
実施例34の方法によって5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸に結合させることにより3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)7.35(1H,t,J8.7),7.40−7.47(2H,m),7.58(1H,t,J7.8),7.63−7.69(2H,m),7.79−7.84(2H,m),8.31(1H,d,J2.0),8.51(1H,d,J1.5),9.49(1H,d,J1.7);m/z(ES+)432。
【0272】
(実施例139)
5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン
実施例34の方法によって5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを2−フルオロフェニルボロン酸に結合させることにより5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)7.21−7.24(1H,m),7.28−7.29(1H,m),7.36−7.47(4H,m),7.75−7.83(2H,m),8.33(1H,d,J2.2),8.52(1H,d,J2.2),9.51(1H,d,J2.2);m/z(ES+)382。
【0273】
(実施例140)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン
実施例34の方法によって5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを2,4−ジフルオロフェニルボロン酸に結合させることにより3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)6.96−7.05(2H,m),7.36−7.47(3H,m),7.75−7.80(2H,m),8.33(1H,d,J2.2),8.52(1H,d,J2.2),9.50(1H,d,J2.4);m/z(ES+)400。
【0274】
(実施例141)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを1−ブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼンに結合させることにより5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)6.86(2H,t,J8.2),7.34−7.41(2H,m),7.81(2H,t,J6.4),7.94(1H,dd,J2.2,6.4),8.51(1H,d,J2.2),9.47−9.57(1H,m);m/z(ES+)418。
【0275】
(実施例142)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
実施例126の方法により5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オンを(WO第0238568号により調製された)3−(3−フルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニルボロン酸と結合させることを通じて3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジンを調製した。
【0276】
3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(0.2g、0.66mmol)、乾性ジオキサン(5ml)、塩化リチウム(0.22g)およびヨウ化銅(I)(0.020g)を化合し、窒素下で脱気した。3,5−ジフルオロ−2−トリメチルスタンニルピリジン(0.318g;1.11mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.100g)を加え、得られた混合物を窒素雰囲気下において充分に脱気した後、85℃で48時間加熱した。反応を環境温度にまで冷却した後、ジクロロメタン(30ml)で希釈し、25%の水酸化アンモニウム水溶液(30ml)で洗った。有機相を分離し、減圧下で蒸発させた。残分を、溶離液としてジクロロメタン中における5%メタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに掛けた。得られた生成物を温かいメタノール中に溶解し、SCX酸性イオン交換樹脂カートリッジに適用した。メタノール、続いてメタノール中におけるアンモニア溶液(2モル)で溶出することにより清浄な生成物が得られ、この生成物を熱いメタノール水溶液から再結晶化させた。δH(400MHz,d6DMSO)7.61−7.67(2H,m),7.95(1H,m),8.22−8.27(3H,m),8.49(1H,d,J1.8),8.65(1H,m),8.77(1H,d,J1.8),9.81(1H,d,J1.9);m/z(ES+)383。
【0277】
(実施例143)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
ジオキサン(300gml)中における5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(7.1198g;54.54mmol)および(WO第0238568号により調製された)3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニルボロン酸(11.5g;45.45mmol)の脱気懸濁液に、脱気炭酸ナトリウム溶液(60ml、2N)、続いてジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(1.85g;2.27mmol)を加え、得られた混合物を還流下において18時間加熱した。この混合物を氷浴中において攪拌しながら30分間冷却し、濾過により固体を収集した後、水で洗い、真空下においてP2O5上で乾燥させることによりベージュ色の粉末状固体として5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを得た。(9.5g)m/z(ES+)304。
【0278】
5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(4.5g;14.8397mmol)をオキシ塩化リン(80ml)に加え、この混合物を予め80℃に加熱された油浴に入れた。40分間攪拌した後、真空下において揮発成分を除去し、褐色の残分を氷(150g)で処理した後、この褐色のオイルを粉砕することにより粉末状の固体を得た。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えることにより、この混合物を中和した。水性相を酢酸エチル(3×300ml)で抽出し、これらを合わせた有機質をブライン(200ml)で洗い、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることによりベージュ色の粉末状固体として3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ピリダジンが得られた。m/z(ES+)322:324(2:1)。
【0279】
ジオキサン(30ml)中における3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ピリダジン(3.045g;9.46mmol)、3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンニルピリジン(3.15g;11.35mmol)、ヨウ化銅(I)(0.09g;0.473mmol)および塩化リチウム(0.80g;18.93mmol)の脱気懸濁液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.5469g;0.473mmol)を加え、得られた混合物を85℃で18時間加熱した。反応を環境温度にまで冷却し、酢酸エチル(70ml)で希釈した後、触媒フィルターを通じて濾過した。濾液をシリカに吸収させ、酢酸エチル:イソヘキサン(1:1)で溶出するクロマトグラフィーに掛けることにより灰色がかった白色の固体として生成物を得た。酢酸エチルイソヘキサンから再結晶化させることにより白色の固体が得られた(3.13g)。δH(400MHz,CDCl3):7.36−7.43(2H,m),7.80−7.84(1H,m),7.89(1H,t,J1.0),7.97(1H,dd,J2.3,6.7),8.51(1H,d,J2.3),8.57(2H,s),9.57(1H,d,J2.3);(ES+)401。
【0280】
(実施例144)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
−78℃におけるエーテル(5ml)中の2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジン(0.5g;2.57mmol)の攪拌溶液にn−ブチルリチウム(1.77ml;2.83mmol;ヘキサン中における1.6M)を加え、この混合物を15分間攪拌し、塩化亜鉛(3.866ml;3.8664mmol;エーテル中における1M溶液)を加え、この混合物を−78℃で15分間攪拌した後、室温にまで温めさせた。3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(0.33g;1.03mmol)をDMF(6ml)中に溶解し、15分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.148g;0.128mmol)を加え、この混合物を上で調製されたアリール亜鉛に加え、80℃で14時間加熱した。反応を水(50ml)とDCM(100ml)との間で分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、蒸発させることにより褐色のオイルを得た。この生成物をDCMからDCM中における40%までの酢酸エチルで溶出するシリカでのクロマトグラフィーに掛けることにより白色の固体として本生成物が得られた(182mg)。δH(500MHz,DMSO)7.61−7.65(1H,m),8.16−8.24(4H,m),8.48(1H,s),8.75(2H,d,J12.2),9.79(1H,s);m/z(ES+)401。
【0281】
(実施例145)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン
1,4−ジオキサン(12ml)中における3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(0.3g,0.95mmol)、ヘキサメチル二スズ(0.366g、1.1mmol)および塩化リチウム(0.116g、2.7mmol)の脱気混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.053g、0.04mmol)を加え、この混合物を100℃で2時間加熱した。質量分析は意図したスタンナンの形成を示した。1−ブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼン(0.393g、1.8mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.01g、0.0082mmol)を加え、得られた混合物を100℃で18時間加熱した。反応を室温にまで冷却し、濾過し、蒸発させた。この粗生成物をDCM中における30%酢酸エチルで溶出するシリカでのクロマトグラフィーに掛けることにより褐色の固体が得られ、この固体をジエチルエーテルと共に粉砕し、濾過して固体を収集することにより灰色がかった白色の固体として本生成物が得られた(12mg)。δH(500MHz,CDCl3)6.86(2H,t,J8.2),7.34−7.41(2H,m),7.81(2H,t,J6.4),7.94(1H,dd,J2.2,6.4),8.51(1H,d,J2.2),9.47−9.57(1H,m);m/z(ES+)418。
【技術分野】
【0001】
本発明はあるクラスの置換ピリダジン誘導体、および治療法におけるこれらの誘導体の使用に関係する。より詳細には、この発明は4−フェニルピリダジン類似体に関係する。これらの化合物はGABAA受容体に対するリガンドであり、従って、有害な神経病学的徴候の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
主要な阻害性神経伝達物質であるガンマ−アミノ酪酸(GABA)に対する受容体は以下の2つの主なクラスに分けられる:(1)リガンド・ゲートイオンチャンネルスーパーファミリーのメンバーであるGABAA受容体;および(2)Gタンパク質結合受容体スパーファミリーのメンバーであり得るGABAB受容体。個々のGABAA受容体サブユニットをエンコードする最初のcDNAsがクローニングされて以来、哺乳類ファミリーの既知メンバーの数は増え、少なくとも6個のαサブユニット、4個のβサブユニット、3個のγサブユニット、1個のδサブユニット、1個のεサブユニットおよび2個のρサブユニットを含めるに至っている。
【0003】
GABAA受容体遺伝子ファミリーの多様性に関する知識はこのリガンド・ゲートイオンチャンネルを理解することにおいて大いなる前進を遂げているが、サブタイプの多様性の程度に関する洞察は未だ初期段階にすぎない。一つのαサブユニット、一つのβサブユニットおよび一つのγサブユニットが、cDNAsを細胞に一時的に移入することにより発現される充分に機能性を有するGABAA受容体を形成するための最少要件を構成することが指摘されている。上で示されているように、δ、εおよびρサブユニットも存在するが、GABAA受容体集団における小さな割合を占めているにすぎない。
【0004】
電子顕微鏡検査法による受容体のサイズおよび視覚化の研究は、リガンド・ゲートイオンチャンネルファミリーの他のメンバーと同様、天然のGABAA受容体が五量体の形態で存在するものと結論付けている。17個のレパートリーから少なくとも一つのα、一つのβおよび一つのγサブユニットを選択する仕方は、可能な五量体サブユニットの組合せが10,000種類以上も存在することとなる。その上、この計算は、イオンチャンネル周囲のサブユニットの配列が何ら束縛を受けない場合に可能となり得る付加的な並べ換えを計算に入れていない(即ち、5つの異なるサブユニットからなる1つの受容体に対して120種類の可能な変種が存在し得る)。
【0005】
現に存在する受容体サブタイプアセンブリは、多くの他のアセンブリの中でもとりわけα1β2γ2、α2βγ1、α2β2/3γ2、α3βγ2/3、α4βδ、α5β3γ2/3、α6βγ2およびα6βδを含む。一つのα1サブユニットを含むサブタイプアセンブリは脳の殆どの領域に存在し、ラットにおけるGABAA受容体のうちの40%以上を占めているものと考えられている。α2およびα3サブユニットを含むサブタイプアセンブリは、ラットにおけるGABAA受容体のうちのそれぞれ約25%および17%を占めているものと考えられている。α5サブユニットを含むサブタイプアセンブリは主に海馬および皮質で発現され、ラットにおけるGABAA受容体のうちの約4%に相当するものと考えられている。
【0006】
すべての既知GABAA受容体の特徴的な属性は数多くの調節部位が存在することであり、その中の一つがベンゾジアゼピン(BZ)結合部位である。BZ結合部位はGABAA受容体調節部位の中で最も探求されている部位であり、ジアゼパムおよびテマゼパムなどの不安寛解剤はこの部位を通じてこれらの薬剤の効果を及ぼす。GABAA受容体遺伝子ファミリーのクローニング以前には、ベンゾジアゼピン結合部位は、放射性リガンド結合研究に基づき、歴史的に2つのサブタイプ、BZ1およびBZ2に細分されていた。BZ1サブタイプは、βサブユニットおよびγ2との組合せにおいてα1サブユニットを含むGABAA受容体と薬理学的に同等であることが示されている。これは最も豊富なGABAA受容体サブタイプであり、脳における全GABAA受容体の略半分に相当するものと信じられている。
【0007】
他の2つの主要な集団はα2βγ2およびα3βγ2/3サブタイプである。これらは共にGABAA受容体レパートリー全体の更なる略35%を構成する。薬理学的に、この組合せは、放射性リガンド結合によりこれまでに定められていたBZ2サブタイプと同等であるように思われるが、BZ2サブタイプは特定のα5包含サブタイプアセンブリも含み得る。充分に選択的なアゴニストまたはアンタゴニストが分かっていないため、これらのサブタイプの生理学的役割はこれまでのところ不明である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、α1βγ2、α2βγ2またはα3βγ2サブタイプにおけるBZアゴニストとして作用する物質は望ましい不安寛解特性持っているものと信じられている。BZアゴニストとして作用することによるGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位のモジュレーターである化合物を、以後、「GABAA受容体アゴニスト」と呼ぶ。α1選択性GABAA受容体アゴニストであるアルピデムおよびゾルピデムは催眠薬として臨床的に処方されており、BZ1結合部位において作用する既知の不安寛解剤に関係した少なくとも幾分かの鎮静がこのα1サブユニットを含むGABAA受容体を通じて達成されることを示唆している。従って、α1とよりもα2及び/又はα3サブユニットと一層好ましく相互作用するGABAA受容体アゴニストは、鎮静をもたらしにくい不安症の治療に効果的であると考えられる。その上、α5サブユニットの逆アゴニストである物質は、例えばアルツハイマー病などの痴呆状態を患っている被検者における認識作用を増強させるのに有益であることが多い。また、α1におけるアンタゴニストまたは逆アゴニストである物質は、α1アゴニストによりもたらされる鎮静または催眠を無効化するために使用される可能性もある。
【発明の効果】
【0009】
GABAA受容体に対する選択性リガンドである本発明の化合物は、従って、中枢神経系の様々な障害の治療及び/又は予防に有用である。このような障害は広場恐怖症を伴うパニック障害もしくは広場恐怖症を伴わないパニック障害、パニック障害歴を伴わない広場恐怖症、動物恐怖症および社会恐怖症を含む他の恐怖症、強迫性障害、外傷後性ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害、ならびに一般的不安障害または物質誘発不安障害などの不安障害;ノイローゼ;痙攣;片頭痛;鬱病性または双極性障害、例えば単発性もしくは反復性大鬱病性障害、気分変調性障害、双極性Iおよび双極性II躁病性障害、ならびに循環性格性障害;精神分裂病を含む精神障害;脳虚血に由来する神経変性;注意不足活動亢進障害;ツーレット症候群;連発性吃音を含む発語障害;および例えば時差ぼけまたは交替勤務の影響を被った被検者における日周期リズムの障害を含む。
【0010】
GABAA受容体に対する選択性リガンドが有益であり得る更なる障害は疼痛および侵害受容;急性、遅発性および先行性嘔吐を含む嘔吐、特に化学療法または放射線、更には動揺病により誘発される嘔吐、ならびに術後性の吐き気および嘔吐;神経性食欲不振および神経性過食症を含む摂食障害;月経前症候群;例えば対麻痺患者における筋肉痙攣または痙直;耳鳴および年齢関連性難聴を含む聴覚障害;尿失禁;ならびにアルコール禁断症状を含む物質乱用または依存症の影響を包含する。GABAA受容体に対する選択性リガンドは例えばアルツハイマー病などの痴呆状態を患っている被検者における認識作用を増強するのに有益であり得;また、麻酔または胃内視鏡検査を含む内視鏡検査などの小処置に先立つ前投薬としても有効であり得る。
【0011】
更に、本発明による化合物は、ヒトGABAA受容体に結合することができる化合物を検出するためのアッセイにおける放射性リガンドとしても有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、様々なGABAA受容体サブタイプにおける望ましい結合特性を持ったあるクラスのピリダジン誘導体を提供する。本発明による化合物は、ヒトGABAA受容体のα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対するリガンドとして良好な親和性を有している。本発明の化合物は、α1サブユニットとよりもα2及び/又はα3サブユニットと一層好ましく相互作用することができ;及び/又はα1サブユニットとよりもα5サブユニットと一層好ましく相互作用することができる。
【0013】
本発明の化合物は、以下で説明されているアッセイで測定したときに、α2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対し200nMかそれ以下、典型的には100nMかそれ以下、理想的には20nMかそれ以下の結合親和力(Ki)を有するGABAA受容体サブタイプリガンドである。本発明による化合物は、α1サブユニットに対して相対的に、α2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対して少なくとも2倍、適切には少なくとも5倍、有利には少なくとも10倍の選択的親和性を持つことができる。しかし、α1サブユニットに対して相対的なα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットに対する結合親和性の観点において選択的でない化合物も本発明の範囲内に包含される;このような化合物は、望ましくは、α1サブユニットにおけるゼロもしくは弱い(正または負の)効力、および(i)α2及び/又はα3サブユニットにおける完全なもしくは部分的なアゴニストプロフィール、及び/又は(ii)α5サブユニットにおける逆アゴニストプロフィールの観点において機能的な選択性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、式I:
【0015】
【化17】
[式中、
X1は水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチルまたはC1−6アルコキシを表し;
X2は水素またはハロゲンを表し;
Zは水素、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ホルミル、C2−6アルコキシカルボニル、または場合によって置換されたアリール、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−6)アルコキシ基を表し;
R1は水素、炭化水素、ヘテロ環式基、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、−ORa、−OSO2CF3、−SRa、−SORa、−SO2Ra−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRaCORb、−NRaCO2Rb、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRb又は−CRa=NORbを表し;
R2は水素またはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
RaおよびRbは独立的に水素、炭化水素またはヘテロ環式基を表す]
の化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩を提供する。
【0016】
また、本発明は、式中、
R1が水素、炭化水素、ヘテロ環式基、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、−ORa、−SRa、−SORa、−SO2Ra、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRaCORb、−NRaCO2Rb、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRb又は−CRa=NORbを表し、
X1、X2、Z、R2、RaおよびRbが上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式Iの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0017】
上の式Iの化合物におけるZがアリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−6)アルコキシを表す場合、この基は置換されていなくてよく、または1つもしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。典型的には、基Zは置換されておらず、または1個もしくは2個の置換基で置換されている。基Zにおける典型的な置換基はハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、オキシ、C1−6アルキルスルホニル、アミノ、アミノカルボニル、ホルミル、C2−6アルコキシカルボニルおよび−CRa=NORb(式中のRaおよびRbは上で定義されている通りのものである)を含む。Zにおける例証的な置換基はハロゲン、シアノ、トリフルオロメチルおよびC1−6アルキルを含む。
【0018】
薬剤において使用する場合、式Iの化合物の塩は医薬適合性の塩である。しかし、他の塩も本発明による化合物またはこれらの化合物の医薬適合性の塩の調製において有用であり得る。本発明の化合物の適切な医薬適合性の塩は、例えば本発明による化合物の溶液を塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの医薬適合性の酸の溶液と混合することにより形成され得る酸付加塩を含む。更に、本発明の化合物が酸性部分を担持している場合には、これらの化合物の適切な医薬適合性の塩はアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩;および適切な有機リガンドを伴って形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩を含むことができる。
【0019】
本明細書で使用する場合、「炭化水素」という用語は、18個までの炭素原子、好ましくは15個までの炭素原子、都合よくは12個までの炭素原子を包含した直鎖、分枝鎖および環式の基を含む。適切な炭化水素基はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル(C1−6)アルキル、インダニル、アリールおよびアリール(C1−6)アルキルを含む。
【0020】
本明細書で使用する場合、「ヘテロ環式の基」という表現は、18個までの炭素原子と、好適には酸素、窒素およびイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを包含した環式の基を含む。このヘテロ環式基は適切には15個までの炭素原子、都合よくは12個までの炭素原子を含み、好適には炭素を通じて結合される。適切なヘテロ環式基の例はC3−7へテロシクロアルキル、C3−7ヘテロシクロアルケニル、C3−7ヘテロシクロアルキル(C1−6)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C1−6)アルキル基を含む。
【0021】
適切なアルキル基は1個から6個までの炭素原子を包含した直鎖および分枝鎖のアルキル基を含む。典型的な例はメチルおよびエチル基、ならびに直鎖または分枝鎖のプロピル、ブチルおよびペンチル基を含む。特別なアルキル基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルおよび2,2−ジメチルプロピルである。「C1−6アルコキシ」、「C1−6アルキルアミノ」および「C1−6アルキルスルホニル」などの派生的表現は前述の説明に沿って解釈すべきである。
【0022】
適切なアルケニル基は2個から6個までの炭素原子を包含した直鎖および分枝鎖のアルケニル基を含む。典型的な例はビニル、アリルおよびジメチルアリル基を含む。
【0023】
適切なアルキニル基は2個から6個までの炭素原子を包含した直鎖および分枝鎖のアルキニル基を含む。典型的な例はエチニルおよびプロパルギル基を含む。
【0024】
適切なシクロアルキル基は3個から7個までの炭素原子を包含した基を含む。特別なシクロアルキル基はシクロプロピルおよびシクロヘキシルである。
【0025】
C3−7シクロアルキル(C1−6)アルキル基の典型的な例はシクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘキシルエチルを含む。
【0026】
特別なインダニル基はインダン−1−イルおよびインダン−2−イルを含む。
【0027】
特別なアリール基はフェニルおよびナフチルを含み、好適にはフェニルである。
【0028】
特別なアリール(C1−6)アルキル基はベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルおよびナフチルメチルを含む。
【0029】
適切なヘテロシクロアルキル基はアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニル基を含む。
【0030】
一つの典型的なヘテロシクロアルケニル基はジヒドロピロリル基である。
【0031】
適切なヘテロアリール基はピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンズチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基を含む。
【0032】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール(C1−6)アルキル」という表現はフリルメチル、フリルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、チアゾリルメチル、チアゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、オキサジアゾリルメチル、オキサジアゾリルエチル、チアジアゾリルメチル、チアジアゾリルエチル、トリアゾリルメチル、トリアゾリルエチル、テトラゾリルメチル、テトラゾリルエチル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリミジニルメチル、ピラジニルメチル、キノリニルメチルおよびイソキノリニルメチルを含む。
【0033】
更に、上述の炭化水素およびヘテロ環式基は、C1−6アルキル、アダマンチル、フェニル、ハロゲン、C1−6ハロアルキル、C1−6アミノアルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アリールオキシ、ケト、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C2−6アルコキシカルボニル、C2−6アルコキシカルボニル(C1−6)アルキル、C2−6アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、C2−6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、−NRvRw、−NRvCORw、−NRvCO2Rw、−NRvSO2Rw、−CH2NRvSO2Rw、−NHCONRvRw、−CONRvRw、−SO2NRvRw及び−CH2SO2NRvRw[式中のRvおよびRwは独立的に水素、C1−6アルキル、アリールまたはアリール(C1−6)アルキルを表す]から選択される1つまたはそれ以上の基で場合によって置換されてよい。
【0034】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特にフルオロまたはクロロを含む。
【0035】
本発明による化合物が少なくとも1つの不斉中心を有している場合、これらの化合物は、従って、鏡像異性体として存在することができる。本発明による化合物が2つまたはそれ以上の不斉中心を持っている場合には、これらの化合物は更にジアステレオ異性体として存在することができる。すべてのこのような異性体およびあらゆる割合におけるこれらの異性体の混合物が本発明の範囲内に包含されることを理解すべきである。
【0036】
X1置換基に対する適切な基は水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシを含み;特に水素またはフルオロであり;特別にはフルオロである。
【0037】
X2の典型的な基は水素およびフルオロを含み、特に水素である。
【0038】
典型的には、Zは場合によって置換されたアリールまたはヘテロアリール基を表す。
【0039】
置換基Zに対する選択された基はフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルを含み、これらの基のいずれもが1つまたはそれ以上の置換基で場合によって置換されてよい。
【0040】
一つの好適な実施態様では、Zは場合によって置換されたフェニル基、特に一置換または二置換のフェニルを表す。別の好適な実施態様では、Zは場合によって置換されたピリジニルを表し、特に非置換、一置換、または二置換のピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イルを表す。
【0041】
基Zにおける適切な置換基の例はフルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、メチル、ヒドロキシ、メトキシ、オキシ、メタンスルホニル、アミノ、アミノカルボニル、ホルミル、メトキシカルボニルおよび−CH=NOHを含む。
【0042】
基Zにおける特別な置換基の例はフルオロ、シアノ、トリフルオロメチルおよびメチルを含み、特にフルオロまたはシアノである。
【0043】
Zの詳細な基はシアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、(クロロ)(シアノ)フェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニル、メタンスルホニル−フェニル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、(アミノ)(クロロ)ピリジニル、シアノ−ピリジニル、メチル−ピリジニル、ヒドロキシ−ピリジニル、メトキシ−ピリジニル、オキシ−ピリジニル、アミノカルボニル−ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、シアノ−チエニル、アミノカルボニル−チエニル、ホルミル−チエニル、メトキシカルボニル−チエニル、チエニル−CH=NOH、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびメチル−テトラゾリルを含む。Zの付加的な基はフルオロフェニル、ジフルオロフェニルおよびトリフルオロメチル−フェニルを含む。
【0044】
Zの代表的な基は水素、フルオロ、ブロモ、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、ホルミル、メトキシカルボニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、トリフルオロメチル−フェニル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、シアノ−ピリジニル、トリアゾリル、(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル−メトキシ、メチルトリアゾリル−メトキシおよびピリジニル−メトキシを含む。
【0045】
Zの特定の基は水素、フルオロ、ブロモ、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、メトキシ、イソプロポキシ、ホルミル、メトキシカルボニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、トリアゾリル、(メチル)(トリフルオロメチル)ピラゾリル−メトキシ、メチルトリアゾリル−メトキシおよびピリジニル−メトキシを含む。
【0046】
適切には、R1は炭化水素、ヘテロ環式基、−ORa、−OSO2CF3、−SRa、−NRaRbまたは−CO2Raを表す。
【0047】
典型的には、R1は炭化水素、ヘテロ環式基、−ORa、−NRaRbまたは−CO2Raを表す。
【0048】
Raの典型的な基はC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキルおよび(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルを含む。適切には、Raはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ベンジルまたはメトキシベンジルを表す。更に、Raはtert−ブチルを表してよい。
【0049】
Rbの典型的な基は水素およびC1−6アルキルを含む。適切には、Rbは水素またはメチルを表し、特に水素である。
【0050】
好ましくは、R1はアリールまたはヘテロアリールを表し、これらのどちらの基も1つまたはそれ以上の置換基で置換されていてよい。典型的には、アリールまたはヘテロアリール基R1は置換されておらず、または1個もしくは2個の置換基で置換されている。典型的な置換基はハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、C1−6アルコキシ、シアノおよびオキソを含む。適切な置換基はハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、C1−6アルコキシおよびシアノを含む。特別な置換基はフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびシアノを含み、特にフルオロである。
【0051】
R1の例証的な基はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、(場合によってオキソで置換された)C3−7へテロシクロアルキル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子により、及び/又はオキソにより置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノおよびC2−6アルコキシカルボニルを含む。
【0052】
R1の典型的な基はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子で置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノおよびC2−6アルコキシカルボニルを含む。
【0053】
R1の適切な基はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、C1−6アルコキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によってハロで置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノおよびC2−6アルコキシカルボニルを含む。
【0054】
R1の代表的な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、トリフルオロフェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、オキソ−ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、オキソ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0055】
R1の特別な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0056】
R1の独特な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0057】
一つの実施態様では、R1はフルオロフェニル(特に2−フルオロフェニル)を表す。
【0058】
別の実施態様では、R1はフルオロ−ピリジニル(特に3−フルオロピリジン−2−イル)を表す。
【0059】
一つの更なる実施態様では、R1はジフルオロ−ピリジニルを表す。この実施態様の一つの側面では、R1は3,5−ジフルオロピリジン−4−イルを表す。この実施態様の別の側面では、R1は3,5−ジフルオロピリジン−2−イルを表す。
【0060】
一つの付加的な実施態様では、R1はトリフルオロフェニル(特に2,4,6−トリフルオロフェニル)を表す。
【0061】
適切には、R2は水素、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルを表す。一つの特定の実施態様では、R2は水素を表す。
【0062】
本発明による化合物の一つの特定なサブクラスは、式IIA:
【0063】
【化18】
[式中、
Zは上で定義されている通りのものであり;
X11は水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシを表し;
X12は水素またはフルオロを表し;
R11はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、(場合によってオキソで置換された)C3−7へテロシクロアルキル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子により、及び/又はオキソにより置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0064】
また、本発明は、式中、
R11がフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子で置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
Z、X11およびX12が上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式IIAの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0065】
更に、本発明は、式中、
R11がフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、C1−6アルコキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によってハロで置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
Z、X11およびX12が上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式IIAの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0066】
X11の適切な基は水素およびフルオロを含み、特にフルオロである。
【0067】
一つの好ましい実施態様では、X12は水素を表す。別の実施態様では、X12はフルオロを表す。
【0068】
R11がヘテロアリールを表す場合には、この基は適切にはピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、特にピリジニルである。
【0069】
R11の代表的な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、トリフルオロフェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、オキソ−ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、オキソ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0070】
R11の特別な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、(クロロ)(フルオロ)フェニル、(フルオロ)(メチル)フェニル、(フルオロ)(トリフルオロメチル)フェニル、メトキシフェニル、(フルオロ)(メトキシ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ジフルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフリルオキシ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0071】
R11の独特な基はフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、(シアノ)(フルオロ)フェニル、ジヒドロピロリル、ピリジニル、フルオロ−ピリジニル、ピラジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、アリルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ベンジルアミノ、メトキシベンジル−アミノおよびエトキシカルボニルを含む。
【0072】
一つの実施態様では、R11はフルオロフェニル(特に2−フルオロフェニル)を表す。
【0073】
別の実施態様では、R11はフルオロ−ピリジニル(特に3−フルオロピリジン−2−イル)を表す。
【0074】
一つの更なる実施態様では、R11はジフルオロ−ピリジニルを表す。この実施態様の一つの側面では、R11は3,5−ジフルオロピリジン−4−イルを表す。この実施態様の別の側面では、R11は3,5−ジフルオロピリジン−2−イルを表す。
【0075】
一つの付加的な実施態様では、R11はトリフルオロフェニル(特に2,4,6−トリフルオロフェニル)を表す。
【0076】
上の式IIAの化合物の一つの代表的なサブセットは、式IIB:
【0077】
【化19】
[式中、X11、X12およびR11は上で定義されている通りのものであり、
R3は水素またはフルオロを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0078】
一つの実施態様では、R3は水素である。
【0079】
別の実施態様では、R3はフルオロであり、この場合、このフッ素原子R3は、好ましくは、(位置2におけるシアノ基に関して)4−、5−または6−位置においてフェニル環に結合されている。
【0080】
上の式IIAの化合物の別の代表的なサブセットは、式IIC:
【0081】
【化20】
[式中、X11、X12およびR11は上で定義されている通りのものであり、
R4は水素、フルオロ、シアノまたはメチルを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0082】
一つの実施態様では、R4は水素である。
【0083】
一つの付加的な実施態様では、R4はフルオロである。
【0084】
別の実施態様では、R4はシアノである。
【0085】
一つの更なる実施態様では、R4はメチルである。
【0086】
上の式IIAの化合物の一つの更なる代表的なサブセットは、式IID:
【0087】
【化21】
[式中、X11、X12、R4およびR11は上で定義されている通りのものであり、
R5は水素またはフルオロを表す]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0088】
適切には、R5は水素を表す。
【0089】
別の実施態様では、R5はフルオロを表す。
【0090】
上の式IIDの化合物の一つの好ましいサブセットは、式IIE:
【0091】
【化22】
[式中、
VはNを表し、WはCFを表し;もしくは
VはCFを表し、WはNを表し;または
VおよびWの両方がCFを表し;
X12およびR5は上で定義されている通りのものである]
の化合物およびこれらの化合物のN−オキシド、ならびにこれらの化合物の医薬適合性の塩により表される。
【0092】
また、本発明は、式中、
VがNを表し、WがCFを表し;または
VがCFを表し、WがNを表し;
X12およびR5が上で定義されている通りのものである、
上で説明されている通りの式IIEの化合物もしくはこの化合物のN−オキシド、またはこの化合物の医薬適合性の塩も提供する。
【0093】
一つの実施態様では、VはNであり、WはCFである。
【0094】
別の実施態様では、VはCFであり、WはNである。
【0095】
一つの更なる実施態様では、VおよびWは共にCFである。
【0096】
本発明の範囲内の特定の化合物は:
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸メチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]3−フェニルピリダジン;
5−(3−イソプロポキシフェニル)−3−フェニルピリダジン:
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
4,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(3−シアノフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]ピリダジン;
3−フェニル−5−(3−[1,2,4]トリアゾル−4−イルフェニル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
[3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)フェニル]アセトニトリル;
2−フルオロ−5−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
5−(3−ニトロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)安息香酸メチルエステル;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
5−(3−フルオロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−(3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(チエン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−3−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(4−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロフェニル)ピリダジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−メトキシフェニル)ピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(3,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
5’−[6−(2−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(4−メトキシフェニル)−5−フェニルピリダジン;
4−フルオロ−3’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(4−クロロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
2−{5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン−3−イル}−5−フルオロベンゾニトリル;
3−(4−クロロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
4−{5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イル}ベンゾニトリル;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−メチルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−イソプロピルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−シクロプロピルアミン;
N−アリル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−エチルアミン
N−ベンジル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−(2−メトキシベンジル)アミン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−(2,5−ジヒドロピロル−1−イル)ピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−エトキシピリダジン;
3−アリルオキシ−5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン;
3−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−[6−(2−メトキシベンジルアミノ)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3’−(6−エチルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−プロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−シクロプロピルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−アリルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メチルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メトキシピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−エトキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピラジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チアゾル−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−1−オキシド;
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
トリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステル;
3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシド;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
および該化合物の医薬適合性の塩、
を含む。
【0097】
また、本発明により不安症を治療及び/又は予防するための方法も提供され、この方法は、そのような治療を必要としている患者に有効量の上で定義されている通りの式Iの化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む。
【0098】
更に、本発明により痙攣(例えば、てんかんまたは関連する障害を被っている患者における痙攣)を治療及び/又は予防するための方法も提供され、この方法は、そのような治療を必要としている患者に有効量の上で定義されている通りの式Iの化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む。
【0099】
ヒトGABAA受容体のα3サブユニットに対する本発明による化合物の結合親和力(Ki)は、以下で説明されているアッセイで都合よく測定される。本発明の不安寛解性化合物のα3サブユニット結合親和力(Ki)は理想的には50nMかそれ以下、好適には10nMかそれ以下、より好適には5nMかそれ以下である。
【0100】
本発明による不安寛解性化合物は、ヒトGABAA受容体のα3サブユニットを発現する安定的に移入された組換え細胞系において、理想的には少なくとも40%、好適には少なくとも50%、より好適には少なくとも60%のGABA EC20応答の増強を誘引する。その上、本発明の化合物は、ヒトGABAA受容体のα1サブユニットを発現する安定的に移入された組換え細胞系において、理想的には高々30%、好適には高々20%、より好適には高々10%のGABA EC20応答の増強を誘引する。
【0101】
ヒトGABAA受容体のα3およびα1サブユニットを発現する安定的に移入された細胞系におけるGABA EC20応答の増強は、WaffordらによるMol.Pharmacol.、1996年、50、670−678に記載されているプロトコルと類似の手順により都合よく測定することができる。この手順は、適切には、安定的に移入された真核細胞の培養、典型的には安定的に移入されたマウスLtk−線維芽細胞の培養を利用して実施される。
【0102】
本発明による化合物は、高所プラス迷路および条件付け摂水抑制試験(DawsonらによるPsychopharmacology、1995年、121、109−117参照)における陽性応答により示され得る如き不安寛解活性を呈することができる。更に、本発明の化合物は、応答感受性(チェーン引張り)試験(BayleyらによるJ.Psychopharmacol.、1996年、10、206−213参照)から得られる適切な結果により確認され得る如く実質的に非鎮静性であることが多い。
【0103】
また、本発明による化合物は抗痙攣活性を呈することもできる。これは、BristowらによるJ.Pharmacol.Exp.Ther.、1996年、279、492−501に記載されているのと類似のプロトコルに従って、ラットおよびマウスにおけるペンチレンテトラゾール誘発発作をブロックする能力により証明することができる。
【0104】
別の側面では、本発明はアルツハイマー病などの痴呆状態を含む認識障害を治療及び/又は予防するための方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要としている患者に有効量の上で定義されている通りの式Iの化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む。
【0105】
認識力の増強は、McNamaraおよびSkeltonによるPsychobiology、1993年、21、101−108で報じられている通りのMorris迷水路においてこれらの化合物を試験することにより示すことができる。関連する方法論の更なる詳細はWO第96/25948号で説明されている。
【0106】
本発明の化合物が有益であり得る認識障害は譫妄、痴呆および健忘障害、ならびに年齢関連の記憶力低下を含め、外傷性損傷、卒中、パーキンソン病およびダウン症候群による認識力低下を含む。これらの状態のいずれもが物質の乱用または禁断に起因するものであってよい。痴呆の例は早発性または遅発性のアルツハイマー型痴呆および血管性痴呆(どちらも、譫妄、妄想または抑鬱気分を合併していなくてもよいし、合併していてもよい);ならびにHIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病またはクロイツフェルト−ヤコブ病による痴呆を含む。
【0107】
これらの化合物の作用効果を誘引するため、本発明の化合物は理想的には脳浸透性である。別な言葉で表現すれば、これらの化合物はいわゆる「血液脳関門」を通過することができる。好適には、本発明の化合物は、経口的な経路による投与後、これらの化合物の有益な治療作用を及ぼす。
【0108】
また、本発明は、医薬適合性の担体との組合せにおいてこの発明の1つまたはそれ以上の化合物を含む医薬組成物も提供する。好適には、これらの組成物は、経口、腸管外、鼻内、舌下もしくは直腸投与用の、または吸入もしくは注入により投与するための;錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、非経口用無菌溶液剤もしくは懸濁剤、定量エアロゾル剤もしくは液体噴霧剤、滴剤、アンプル剤、自己注射器装置、または坐剤などの一回量剤形を為している。錠剤などの固体組成物を調製する場合、本発明の化合物またはこの化合物の医薬適合性の塩の均質な混合物を含む固体の前調合組成物を形成すべく、主要な活性成分が薬剤学的な担体、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはゴム、および他の薬剤学的な希釈剤、例えば水と混合される。これらの前調合組成物が均質であると言う場合、この組成物を錠剤、丸剤およびカプセル剤などの等しく有効な一回量剤形に容易に小分けすることができるように、活性成分がこの組成物全体を通じて均等に分散されていることを意味している。次いで、この固体の前調合組成物は、0.1mgから約500mgの本発明の活性成分を含有する、上述のタイプの一回量剤形に小分けされる。典型的な一回量剤形は1mgから100mgまで、例えば1、2、5、10、25、50または100mgの活性成分を含有する。この新規な組成物の錠剤または丸剤はコーティングされてよく、または作用を長引かせるという利点を可能にする剤形をもたらすべく別な仕方で化合されてもよい。例えば、錠剤または丸剤は、外側与薬コンポーネントが内側与薬コンポーネント上の覆いの形態を為す、内側与薬コンポーネントと外側与薬コンポーネントを含むことができる。これらの2つのコンポーネントは、胃内における分解に抵抗すべく働き、内側コンポーネントが完全な状態のまま十二指腸内へ移行することを可能にし、または放出を遅らせることを可能にする腸溶層により分離することができる。様々な材料をこのような腸溶層または腸溶性被膜に使用することができ、このような材料は、数多くの高分子酸、ならびに高分子酸とシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料との混合物を含む。
【0109】
経口的にまたは注射により投与するために本発明の新規な組成物を組み入れることができる液剤の形態は、水溶液剤、適切に香味付けされたシロップ剤、水性もしくは油性懸濁剤、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油などの食用油、ならびにエリキシル剤および同様な薬剤学的賦形剤で香味付けされた乳剤を含む。水性懸濁剤用の適切な分散剤または懸濁化剤はトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどの合成および天然のゴムを含む。
【0110】
神経系障害の治療においては、適切な用量レベルは1日当たり約0.01mg/kgから250mg/kgまで、好適には1日当たり約0.05mg/kgから100mg/kgまで、特に1日当たり約0.05mg/kgから5mg/kgまでである。これらの化合物は1日当たり1回から4回までの治療方式で投与されてよい。
【0111】
本発明による化合物は、遷移金属触媒の存在下において;式IIIの化合物を式IVの化合物と反応させること:
【0112】
【化23】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は上で定義されている通りのものであり、L1は適切な脱離基を表し、M1はボロン酸部分−B(OH)2、または有機ジオール、例えばピナコール、1,3−プロパンジオールもしくはネオペンチルグリコールと共に形成されるボロン酸部分の環状エステルを表し、またはM1は−Sn(Alk)3(式中のAlkはC1−6アルキル基、典型的にはn−ブチルまたはメチルを表す)を表し、またはM1は−ZnHal(式中のHalはハロゲン原子、例えばクロロを表す)を表す]
を含む方法により調製することができる。
【0113】
脱離基L1は典型的にはハロゲン原子、例えばヨード、ブロモまたはクロロである。
【0114】
化合物IIIとIVとの間の反応に有用な遷移金属触媒は適切にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。この反応は、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中において、有利にはリン酸カリウム、ヨウ化銅(I)、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムの存在下において、ある高められた温度で都合よく実施される。代替的に、使用される遷移金属触媒はジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)であってよく、この場合、上述の反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、有利にはリン酸カリウムの存在下において、ある高められた温度で都合よく果たされる。
【0115】
一つの代替的な手順では、本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式Vの化合物を式VIの化合物と反応させること:
【0116】
【化24】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0117】
別の手順では、本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式VIIの化合物を式VIIIの化合物と反応させること:
【0118】
【化25】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0119】
上の式VIおよびVIIの化合物において、脱離基L1は典型的にはトリフルオロメタンスルホニルオキシ(トリフリルオキシ);またはハロゲン原子、例えばブロモである。
【0120】
代替的に、本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式IXの化合物を式Xの化合物と反応させること:
【0121】
【化26】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0122】
一つの付加的な手順では、ZがC1−6アルコキシまたは場合によって置換されたヘテロアリール(C1−6)アルコキシを表す本発明による化合物は、トリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジカルボキシラート、例えばアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)またはアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)の存在下において;式XIの化合物を式XIIの化合物と反応させること:
【0123】
【化27】
[式中、X1、X2、R1およびR2は上で定義されている通りのものであり、Z1はC1−6アルキルまたは場合によって置換されたヘテロアリール(C1−6)アルキルを表す]
を含む方法により調製することができる。
【0124】
この反応はテトラヒドロフランなどの溶媒中において攪拌することにより都合よく実施される。
【0125】
上の式IVおよびIXの中間体のM1がボロン酸部分−B(OH)2、またはピナコールもしくはネオペンチルグリコールと共に形成されるボロン酸部分の環状エステルを表す場合には、関連する化合物IVまたはIXは、遷移金属触媒の存在下において;ビス(ピナコラト)ジボロンまたはビス(ネオペンチルグリコラト)ジボランをそれぞれ上で定義されている通りの式VIまたはVIIの化合物と反応させることにより調製することができる。
【0126】
ビス(ピナコラト)ジボロンまたはビス(ネオペンチルグリコラト)ジボランと化合物VIまたはVIIとの間の反応に有用な遷移金属触媒は適切にはジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)である。この反応は、場合によってはジメチルスルホキシドとの混合物中における1,4−ジオキサンなどの溶媒中で、典型的には1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン及び/又は酢酸カリウムの存在下において、ある高められた温度で都合よく実施される。
【0127】
上の式VIIの中間体のL1がトリフリルオキシを表す場合、関連する化合物VIIは、典型的にはピリジンの存在下において、上で定義されている通りの式XIの適切な化合物をトリフリック酸無水物と反応させることにより調製することができる。類似の条件を利用して、L1がトリフリルオキシを表す式VIの化合物を対応するヒドロキシ前駆体から調製することができる。
【0128】
上の式XIの中間体は、典型的にはクロロホルムもしくはジクロロメタン中の三臭化ホウ素で処理することにより;または典型的には還流下において酢酸中の臭化水素で処理することにより;式XIII:
【0129】
【化28】
[式中、X1、X2、R1およびR2は上で定義されている通りのものである]
の適切なメトキシ置換前駆体から都合よく調製することができる。
【0130】
上の式Vの中間体のM1が−Sn(Alk)3を表し、Alkが上で定義されている通りのものである場合、この化合物は、上で定義されている通りの式IIIの化合物を式(Alk)3Sn−Hal[式中のHalはハロゲン原子、典型的にはクロロを表す]の試薬と反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的にはテトラヒドロフランなどの溶媒中において、化合物IIIを塩化イソプロピルマグネシウムで処理し、続いてスタンニル試薬(Alk)3Sn−Halを加えることにより都合よく果たされる。
【0131】
一つの更なる手順では、R1がアリールまたはヘテロアリール部分を表す本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式XIVの化合物を式XVの化合物と反応させること:
【0132】
【化29】
[式中、X1、X2、Z、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものであり、R1aはアリールまたはヘテロアリール部分を表す]
を含む方法により調製することができる。
【0133】
上の式XVの化合物において、脱離基L1は典型的にはトリフリルオキシ;またはハロゲン原子、例えばクロロである。
【0134】
化合物XIVとXVとの間の反応において有用な遷移金属触媒は適切にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、この場合、この反応は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、典型的には炭酸ナトリウムの存在下で、ある高められた温度で都合よく果たされる。代替的に、この遷移金属触媒は適切には二塩化ビス(ジフェニルホスフィニルブタン)パラジウムであってよく、この場合、この反応は、テトラヒドロフランなどの溶媒中において、典型的には炭酸ナトリウムの存在下で、ある高められた温度で都合よく果たされる。
【0135】
尚も更なる一つの手順では、R1がアリールまたはヘテロアリール部分を表す本発明による化合物は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;式XVIの化合物を式XVIIの化合物と反応させること:
【0136】
【化30】
[式中、X1、X2、Z、R1a、R2、L1およびM1は上で定義されている通りのものである]
を含む方法により調製することができる。
【0137】
M1が−Sn(Alk)3を表し、AlkがC1−6アルキル、例えばメチルを表す式XVIIの中間体は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式(Alk)3Sn−Sn(Alk)3の試薬と反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的には塩化リチウムの存在下において、1,4−ジオキサンなどの溶媒中で加熱しながら、遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下において都合よく果たされる。
【0138】
尚も更なる別の一つの手順では、R1が1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イルを表す本発明による化合物は、式XVIII:
【0139】
【化31】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は上で定義されている通りのものであり、TMSはトリメチルシラニルの略号である]
の化合物をアジ化ナトリウムと反応させることを含む方法により調製することができる。
【0140】
この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において反応物を攪拌することにより都合よく果たされる。
【0141】
式XVIIIの中間体は、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などの遷移金属触媒の存在下において、式XVの化合物をTMS−アセチレンと反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的にはトリエチルアミン、トリフェニルホスフィンおよび塩化銅(I)の存在下において、テトラヒドロフランなどの溶媒中で攪拌することにより都合よく果たされる。
【0142】
R1が−ORaを表す本発明による化合物は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式Ra−OHの化合物と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、Raは上で定義されている通りのものである。この反応は、水素化ナトリウムまたはナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下において都合よく実施される。
【0143】
R1が−SRaを表す本発明による化合物は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式RaS−Na+の塩と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、Raは上で定義されている通りのものである。この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下において都合よく実施される。
【0144】
R1が−NRaRbを表す本発明による化合物は、上で定義されている通りの式XVの化合物を式H−NRaRbの化合物と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、RaおよびRbは上で定義されている通りのものである。この反応は、典型的にはテトラヒドロフランなどの溶媒中において、ある高められた温度で攪拌することにより都合よく果たされる。
【0145】
R1が−CO2Raを表す本発明による化合物は、遷移金属触媒の存在下において;上で定義されている通りの式XVの化合物を一酸化炭素および式Ra−OHの化合物と反応させることを含む方法により調製することができ、ここで、Raは上で定義されている通りのものである。
【0146】
前述の反応に有用な遷移金属触媒は理想的には塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)であり、この場合、この反応は、場合によってはジクロロメタンとの混合物中におけるN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、典型的には酢酸ナトリウムの存在下で、ある高められた温度で都合よく実施される。
【0147】
L1がトリフリルオキシを表す式XVの中間体は、式XIX:
【0148】
【化32】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は上で定義されている通りのものである]
の化合物を、典型的にはトリエチルアミンの存在下において、ジクロロメタンなどの溶媒中でN−フェニルトリフリルイミドと反応させることにより;または典型的にはピリジンの存在下においてトリフリック酸無水物と反応させることにより調製することができる。
【0149】
更に、L1がクロロを表す式XVの中間体は式XIXの必要な化合物をある高められた温度においてオキシ塩化リンで処理することにより調製することができる。
【0150】
式XIXの中間体は、化合物IIIとIVとの間の反応に対して上で説明されているのと類似の条件下において;遷移金属触媒の存在下で;上で説明されている通りの式IVの化合物を、式XX:
【0151】
【化33】
[式中、R2およびL1は上で定義されている通りのものである]
の化合物と反応させることにより調製することができる。
【0152】
代替的に、式XIXの中間体は、式XXI:
【0153】
【化34】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は上で定義されている通りのものである]
の化合物を、典型的には還流下におけるエタノール中でヒドラジン水和物と反応させることにより調製することができる。
【0154】
Zがシアノを表す本発明による化合物は、遷移金属触媒の存在下において;L1がハロゲン原子、例えばブロモを表す上の式VIIの化合物をシアン化亜鉛と反応させることを含む方法により調製することができる。
【0155】
上述の反応に有用な遷移金属触媒は理想的にはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、この場合、この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中において、ある高められた温度で都合よく果たされる。
【0156】
R2がメトキシカルボニルを表す本発明による化合物は、式XXII:
【0157】
【化35】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は上で定義されている通りのものである]
の化合物をジアゾメタンと反応させることを含む方法により調製することができる。
【0158】
この反応は、ジエチルエーテルなどの溶媒中において攪拌することにより都合よく果たされる。
【0159】
式XXIIの中間体は、典型的には還流するメタノール水溶液中において水酸化カリウムで処理することによって、R2がC2−6アルコキシカルボニルを表す式Iの化合物を鹸化することにより調製することができる。
【0160】
R2がC2−6アルコキシカルボニルを表す本発明による化合物は、式XXIII:
【0161】
【化36】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は上で定義されている通りのものであり、R2aはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
の化合物をジアゾメタンと反応させることを含む方法により調製することができる。
【0162】
この反応はジエチルエーテルなどの溶媒中において攪拌することにより都合よく果たされる。
【0163】
上の式XIおよびXIIIの化合物は、Zがそれぞれヒドロキシおよびメトキシを表す上で定義されている通りの式Iの化合物に相当し、従って、これらの化合物は、本発明による化合物を調製するための上で説明されているいずれかの方法により調製することができる。更に、上の化合物VIIおよびXVにおけるL1がハロゲン原子を表す場合、または化合物XVにおけるL1がトリフリルオキシを表す場合、これらの化合物は上で定義されている通りの式Iの化合物に相当し、従って、これらの化合物はその正当性により本発明による化合物を構成する。
【0164】
式III、VIII、X、XII、XIV、XVI、XX、XXIおよびXXIIIの開始材料を商業的に入手することができない場合、これらの開始材料は、添付の実施例において説明されているのと類似の方法により、または当技術分野において広く知られた標準的な方法により調製することができる。
【0165】
上述のいずれかの方法から最初に得られた式Iのあらゆる化合物は、適切な場合、この後、当技術分野において既知の技術により式Iの更なる化合物へ加工され得ることが理解されよう。例えば、最初に得られた式Iの化合物は、m−クロロ過安息香酸で処理することにより、この化合物のN−オキシド誘導体へ変換することができる。R1が−C(O−Alk1)2Ra[式中、Alk1はC1−6アルキル、典型的にはメチルまたはエチルである]を表す式Iの最初に得られた化合物は、鉱酸、典型的には塩酸水溶液で加水分解することにより、R1が−CORaを表す式Iの化合物へ変換することができる。R1がホルミルを表す化合物は、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムにより、R1がヒドロキシメチルを表す対応する化合物へ還元することができる。R1がC2−6アルコキシカルボニルを表す式Iの化合物は、水素化アルミニウムリチウムにより、R1がヒドロキシメチルを表す式Iの対応する化合物へ還元することができる。R1がヒドロキシメチルを表す式Iの化合物は、二酸化マンガンで処理することにより、R1がホルミルを表す式Iの対応する化合物へ酸化することができる。このようにして得られたホルミル誘導体は、式H2N−ORbのヒドロキシルアミン誘導体を用いて縮合することにより、R1が−CH=NORbを表す式Iの化合物をもたらすことができる。更に、R1が−CH=NOHを表す式Iの化合物は、1,1−カルボニルジイミダゾールの存在下においてトリエチルアミンで処理することにより、R1がシアノを表す式Iの対応する化合物を得ることができる。代替的に、R1がホルミルを表す式Iの化合物は、式RaMgBrのグリニャール試薬と反応させることにより、R1が−CH(OH)Raを表す式Iの化合物を得ることができ、この化合物は、次に、二酸化マンガンにより、R1が−CORaを表す式Iの対応する化合物へ酸化することができる。後者の化合物は、次いで、式H2N−ORbのヒドロキシルアミン誘導体を用いて縮合することにより、R1が−CRa=NORbを表す式Iの化合物をもたらすことができる。R1が−CH(OH)Raを表す式Iの化合物は、(ジエチルアミノ)三フッ化イオウ(DAST)で処理することにより、R1が−CHFRaを表す式Iの対応する化合物へ変換することができる。同様に、R1が−CORaを表す式Iの化合物は、DASTで処理することにより、R1が−CF2Raを表す式Iの対応する化合物へ変換することができる。R1がアミノを表す式Iの化合物は、亜硝酸ナトリウムを用いてジアゾ化し、続いて塩化銅(I)で処理することにより、R1がクロロを表す式Iの対応する化合物へ変換することができる。R1が−COCH3を表す式Iの化合物は、三臭化ピリジニウムの存在下においてチオアセトアミドで処理することにより、R1が2−メチルチアゾル−5−イルを表す式Iの対応する化合物をもたらすことができる。更に、R1がホルミルである式Iの化合物は、炭酸カリウムの存在下において(p−トリルスルホニル)メチルイソシアニド(TosMIC)で処理することにより、R1がオキサゾル−5−イルを表す式Iの対応する化合物を与えることができる。R1がヒドロキシメチルを表す式Iの化合物は、四臭化炭素およびトリフェニルホスフィンで処理することにより、R1がブロモメチルを表す式Iの対応する化合物を与えることができ、次いで、この化合物を(典型的にはそのままで)イミダゾールもしくは1H−[1,2,4]トリアゾールのナトリウム塩と反応させることにより、R1がそれぞれイミダゾル−1−イルメチルもしくは[1,2,4]−トリアゾル−1−イルメチルを表す式Iの化合物をもたらすことができ;または1H−[1,2,3]トリアゾールのナトリウム塩と反応させることにより、R1が[1,2,3]トリアゾル−1−イルメチルおよび[1,2,3]トリアゾル−2−イルメチルを表す式Iの化合物の混合物をもたらすことができ;またはモルホリンと反応させることにより、R1がモルホリン−4−イルメチルを表す式Iの化合物をもたらすことができる。R1がクロロを表す式Iの化合物は、水素化ナトリウムの存在下においてピロリジン−2−オンで処理することにより、R1が2−オキソピロリジン−1−イルを表す対応する化合物へ変換することができる。R1がクロロを表す式Iの化合物は、ヨウ化銅(I)の存在下において2−ヒドロキシピリジンで処理することにより、R1が2−オキソピリジン−1−イルを表す対応する化合物へ変換することができる。Zがメトキシで置換されている式Iの化合物は、三臭化ホウ素で処理することにより、Zがヒドロキシで置換されている対応する化合物へ変換することができる。
【0166】
本発明による化合物を調製するための上で説明されているいずれかの方法から生成物の混合物が得られる場合、分取HPLC;または適切な溶媒系との組合せにおいて例えばシリカ及び/又はアルミナを用いるカラムクロマトグラフィーなどの通常の方法により、ある適切な段階でこれらの混合物から望ましい生成物を分離することができる。
【0167】
本発明による化合物を調製するための上述の方法が立体異性体の混合物をもたらす場合、これらの異性体は分取クロマトグラフィーなどの通常の技術により分離することができる。これらの新規な化合物はラセミ体の形態で調製されてよく、またはエナンチオ特異合成もしくは分割のいずれかにより個々の鏡像異性体を調製してもよい。これらの新規な化合物は、例えば、分取HPLCなどの標準的な技術により、または(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸などの光学的に活性な酸を用いる塩の形成によるジアステレオマー対の形成と、これに続くフラクションの結晶化および遊離塩基の再生により、これらの化合物の成分鏡像異性体に分割することができる。また、これらの新規な化合物は、ジアステレオマーエステルまたはアミドの形成と、これに続くクロマトグラフィーによる分離およびキラル助剤の除去により分割することもできる。
【0168】
上のいずれかの合成シーケンス中に、関連するいずれかの分子における感受性基または反応性基を保護することが必要及び/又は望ましい場合があり得る。これは、「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、J.F.W.McOmie編集、Plenum Press、1973年;およびT.W.Greene & P.G.M.Wutsによる「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、John Wiley & Sons、第3版、1999年に記載されているものなどの通常の保護基により達成することができる。これらの保護基は、当技術分野において既知の方法を用い、以降の適切な段階で除去することができる。
【0169】
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例証するものである。
【0170】
本発明による化合物は、Ltk細胞に安定的に発現されたα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットを含むヒトGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位への[3H]−フルマゼニルの結合を強力に阻害する。
【0171】
試薬
・リン酸緩衝生理食塩水(PBS)。
【0172】
・アッセイ用バッファー:10mMのKH2PO4、100mMのKCl、室温でpH7.4。
【0173】
・アッセイ用バッファー中における[3H]−フルマゼニル(α1β3γ2細胞に対して18nM;α2β3γ2細胞に対して18nM;α3β3γ2細胞に対して10nM;α5β3γ2細胞に対して10nM)。
【0174】
・アッセイ用バッファー中におけるフルニトラゼパム100μM。
【0175】
・アッセイ用バッファー(1個のトレーに10ml)中に再懸濁された細胞。
【0176】
細胞の収集
上清を細胞から取り除く。PBS(約20ml)を加える。細胞を掻き取り、50ml用遠心管に入れる。更なる10mlのPBSを用いてこの手順を繰返し、殆どの細胞を確実に取り除く。卓上遠心機内において3000rpmで20分間遠心分離することによりこれらの細胞をペレット化し、この後、望ましい場合には凍結させる。これらのペレットを、細胞のトレー(25cm×25cm)1個当たり10mlのバッファー中に再懸濁させる。
【0177】
アッセイ
アッセイは、深い96穴プレートまたは試験管内において実施することができる。各試験管は:
・300μlのアッセイ用バッファー、
・50μlの[3H]−フルマゼニル(α1β3γ2に対する最終濃度:1.8nM;α2β3γ2に対して:1.8nM;α3β3γ2に対して:1.0nM;α5β3γ2に対して:1.0nM)、
・50μlのバッファー、または化合物が10%DMSO(合計)中に溶解されている場合には溶媒担体(例えば10%のDMSO);試験化合物またはフルニトラゼパム(非特異的結合決定用)、10μMの最終濃度、
・100μlの細胞、
を含む。
【0178】
分析物を40℃で1時間インキュベートした後、Tomtec細胞収集器またはBrandel細胞収集器のいずれかを用いてGF/Bフィルター上へ濾過し、続いて3mlの氷冷アッセイ用バッファーで3回洗浄する。フィルターを乾燥させ、液体シンチレーション計数法により計数する。全結合に対する期待値は、液体シンチレーション計数法を用いた場合には、合計計数値で3000−4000dpmおよび非特異的結合で200dpm未満であり;メルチレックス固体シンチラントを用いて計数した場合には、合計計数値で1500−2000dpmおよび非特異的結合で200dpm未満である。結合パラメーターは非線型最小二乗回帰分析により決定され、これらの結合パラメーターから各試験化合物に対する阻害定数Kiを算出することができる。
【0179】
添付した実施例の化合物を上述のアッセイ法で試験したところ、すべての化合物は、100nMかそれ以下の、ヒトGABAA受容体のα2及び/又はα3及び/又はα5サブユニットからの[3H]−フルマゼニルの置換に対するKi値を有していることが判明した。
【0180】
(実施例1)
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル
ジエチルエーテル(20ml)中における2,3−ジフェニルシクロプロプ−2−エンカルボン酸エチルエステル(3.5g、13.2mmol)を125mlのエーテル中におけるジアゾメタン(66.4mmol)の溶液に加え、光の不在下で3日間攪拌した。N2ガスの発生が止むまで酢酸を滴下させながら加えた。酢酸の更なる部分を加えた後、加熱して4時間還流させた。反応を濃縮し、10−30%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーで精製することにより薄黄色の固体として表題化合物が得られた(1.77g)。δH(400MHz,d6 DMSO)0.84(3H,t,J7.0),4.02(2H,q,J7.0),7.54−7.58(8H,m),7.62−7.65(2H,m),9.48(1H,s);m/z(ES+)305。
【0181】
(実施例2)
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸メチルエステル
実施例1から得られた生成物(1.17g、3.84mmol)と水酸化カリウム(0.86g、15.3mmol)を加熱し、メタノール/H2O(25ml/3ml)中において18時間還流させた。反応を室温にまで冷却し、2NのHClで酸性化することにより薄黄色の固体として3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸が得られ、この固体を濾過により収集した(0.94g)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.55−7.57(6H,m),7.60−7.63(2H,m),7.71−7.73(2H,m),9.40(1H,s);m/z(ES+)277。
【0182】
ジエチルエーテル(10ml)中に懸濁させた上からの生成物(0.1g、0.36mmol)にジエチルエーテル(5ml)中におけるジアゾメタン(0.6mmol)の溶液を滴下させながら加えた。結果として生じた透明な溶液を18時間攪拌した。酢酸を加え、反応を1時間攪拌した後、濃縮した。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶化させることにより薄黄色の固体として表題化合物が得られた(78mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)3.54(3H,s),7.53−7.58(8H,m),7.62−7.66(2H,m),9.49(1H,s);m/z(ES+)291。
【0183】
(実施例3)
3,5−ジフェニルピリダジン
テトラヒドロフラン(2ml)中における3−フェニル−5−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピリダジン(100mg、0.22mmol)、ブロモベンゼン(32μl、0.27mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器(Personal Chemistry、Uppsala、Sweden)中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集し、濃縮することにより100mgの粗生成物が残った。質量トリガーフラクション分取を伴うHPLCでこのサンプルの一部を精製することによりゴムとして表題化合物が得られた(3.1mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.55−7.64(6H,m),8.06(2H,dd,J8.0,1.6),8.28(2H,dd,J8.0,1.6),8.46−8.47(1H,d,J4.0),9.62(1H,d,J4.0);m/z(ES+)233(MH+)。
【0184】
(実施例4)
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]3−フェニルピリダジン
テトラヒドロフラン(4ml)中における5−ヨード−3−フェニルピリダジン(60mg、0.14mmol)、2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニルボロン酸(32mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)および2NのNa2CO3(1ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集した後、濃縮し、メタノール−CH2Cl2−イソプロパノールから再結晶化させることにより無色の固体として表題化合物が得られた(36mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.55−7.66(5H,m),7.77−7.81(1H,m),7.91−7.95(1H,m),8.08−8.11(1H,m),8.25−8.27(2H,m),8.48(1H,m),8.66(1H,dd,J1.6,4.7),8.87(1H,d,J2.0),9.53(1H,t,J2.2);m/z(ES+)328(MH+)。
【0185】
(実施例5から32)
表に示されているアリールハロゲン化物、ボロン酸またはエステル開始材料を用いて、実施例3または4で説明されているのと類似の仕方で表1の化合物を調製した。サンプルは、実施例3で説明されているようにして、またはメタノール−酢酸エチル、CH2Cl2もしくはCH2Cl2−イソプロパノールからの再結晶化により精製された。
【0186】
【表1】
【0187】
(実施例33)
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
トルエン(3ml)中における5−クロロピリダジン−3−オン(22mg、0.169mmol)、二塩化ビス(ジフェニルホスフィニルブタン)パラジウム(10mg)、6,2’−ジフルオロ−5’−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(50mg、0.15mmol)および2NのNa2CO3(0.3ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集した後、濃縮し、イソプロパノールから再結晶化させることにより29mg(62%)の6,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4イル)ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた。
【0188】
上から得られた生成物をCH2Cl2(5ml)中におけるトリエチルアミン(20μl)およびN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(40mg)と共に18時間攪拌した。更なる試薬を加え、更に18時間攪拌し続けた。反応を濃縮し、溶離液として1:1の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。黄色いオイルとしてトリフルオロメタンスルホン酸5−(2’−シアノ−6,6’−ジフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン−3−イルエステルが得られた。m/z(ES+)442。
【0189】
テトラヒドロフラン(2ml)中における上から得られた生成物、4−フルオロフェニルボロン酸(14mg)、二塩化ビス(ジフェニルホスフィニルブタン)パラジウム(4mg)および2NのNa2CO3(0.5ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に600秒間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を収集した後、濃縮し、溶離液として1:1の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。イソプロパノールから再結晶化させることにより無色の固体として表題化合物が得られた(3.9mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.42(2H,t,J8.8),7.70(1H,t,J9.2),7.76−7.87(2H,m),7.98(1H,dd,J1.0,7.6),8.34−8.39(3H,m),8.35−8.40(1H,m),8.45−8.48(1H,m),9.69(1H,d,J2.0);m/z(ES+)388。
【0190】
(実施例34)
4−フルオロ−3’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル
4−フルオロ−3’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(0.35g、1.20mmol)をオキシ塩化リン(10ml)中に懸濁させ、70℃に1時間加熱した。反応を室温にまで冷却し、氷水に注ぎ、1時間強力に攪拌した。濾過によりベージュ色の固体を収集し、メタノールを用いて共沸蒸留することにより3’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(0.24g)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.73−7.82(3H,m),7.83−7.87(1H,m),8.04(1H,dd,J2.7,9.0),8.12(1H,dt,J1.6,7.8),8.22(1H,t,J1.6),8.40(1H,d,J2.0),9.77(1H,d,J2.0);m/z(ES+)310。
【0191】
テトラヒドロフラン(1.5ml)中における上から得られた生成物(40mg、0.129mmol)、ベンゼンボロン酸(24mg、0.197mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および2NのNa2CO3(0.5ml)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に10分間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相をシリカ上へローディングしながら濃縮した。40−50%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより白色の固体として表題化合物が得られた(20mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)7.56−7.62(3H,m),7.74−7.80(3H,m),7.85−7.89(1H,m),8.03−8.06(1H,m),8.19(1H,dt,J1.8,7.0),8.29−8.32(3H,m),8.58(1H,d,J2.0),9.71(1H,d,J2.0);m/z(ES+)352。
【0192】
(実施例35から70)
必要なボロン酸を用い、実施例33および34で説明されているのと類似の仕方で表2の化合物を調製した。
【0193】
【表2】
【0194】
(実施例71)
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−メチルアミン
四酢酸鉛(363.3g、819mmol)およびトリフルオロ酢酸(825ml)を化合し、0℃に冷却した後、<10℃の温度を維持するため、CH2Cl2(1l)中における1−ブロモ−3−ビニルベンゼン(150g、819mmol)を滴下させながら加えた。この後、反応を室温にまで温め、2時間攪拌した。反応をCH2Cl2(500ml)で希釈し、H2O(3l)中に注ぎ、強力に攪拌した後、Hyfloのパッドを通じて濾過した。有機相を分離し、ケーキを更なる部分のCH2Cl2(1l)ですすぎ、続いて、先に分離された水性相で洗った。これらを合わせた有機抽出物をH2O(750ml)、NaHCO3(750ml)およびH2O(750ml)で洗い、MgSO4上で乾燥させ、濃縮することにより(3−ブロモフェニル)アセトアルデヒド(163g)が得られ、この化合物を直接使用した。
【0195】
6NのHCl(139ml)を1,4−ジオキサン(1140ml)中におけるモルホリン(75ml、860mmol)の溶液に滴下させながら加えた。付加の完了後、グリオキシル酸(72g、778mmol)と上から得られた生成物(163g、819mmol)を加え、反応を加熱して15時間還流させた。反応を室温にまで冷却した後、H2O(800ml)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×800ml)中に抽出した。これらを合わせた有機抽出物をブライン(125ml)で洗い、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。ジエチルエーテル/ヘキサンから結晶化させることによりクリーム色の固体として4−(3−ブロモフェニル)−5−ヒドロキシ−5H−フラン−2−オンが得られた(95.6g)。δH(360MHz,d6 DMSO)6.64(1H,d,J8.8),6.88(1H,s),7.48(1H,t,J8.1),7.70−7.73(1H,m),7.78−7.81(1H,m),8.00−8.01(1H,m),8.04(1H,d,J8.8)。
【0196】
エタノール(1.9l)中における上から得られた生成物(95.6g、375mmol)およびヒドラジン水和物(45.5ml、937mmol)を化合し、加熱して12時間還流させた。反応を室温にまで冷却した後、H2O(960ml)で希釈し、氷浴中において冷却した。薄黄色の固体として5−(3−ブロモフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンが得られ、この化合物を濾過により収集した(34g)。濾液をもっと小さな容量にまで濃縮し、濾過により更なる16gの生成物を収集した。δH(360MHz,d6 DMSO)7.20(1H,d,J2.1),7.48(1H,t,J7.9),7.70−7.73(1H,m),7.81−7.84(1H,m),8.04(1H,t,J1.8),8.30(1H,d,J2.1),13.15(1H,s)。
【0197】
上から得られた生成物(10g、39.8mmol)をオキシ塩化リン(60ml)中に懸濁させ、70℃に3時間加熱した。反応を濃縮して容量を半分にした後、氷水に注ぎ、強力に1時間攪拌した。オレンジ色の固体として5−(3−ブロモフェニル)−3−クロロピリダジンが得られ、この化合物を濾過により収集し、トルエンを用いて共沸蒸留した(10.6g)。δH(360MHz,d6 DMSO)7.54(1H,t,J7.9),7.76−7.79(1H,m),7.99−8.02(1H,m),8.25(1H,t,J1.8),8.35(1H,d,J2.1),9.70(1H,d,J2.1)。
【0198】
テトラヒドロフラン(3ml)中におけるメチルアミンの2M溶液に上から得られた生成物(0.5g、1.86mmol)を加え、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において170℃に1時間加熱した。有機相を酢酸エチルで希釈し、水で洗い、MgSO4上で乾燥させ、シリカ上へローディングしながら濃縮した。溶離液として50%の酢酸エチル/ヘキサン、続いて酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーによりオレンジ色の固体として表題化合物が得られた(0.1g)。δH(360MHz,d6 DMSO)2.92(3H,d,J4.9),6.85(1H,q,J4.9),7.00(1H,d,J2.1),7.49(1H,t,J7.9),7.68−7.71(1H,m),7.75−7.78(1H,m),7.97(1H,t,J1.8),8.80(1H,d,J2.1);m/z(ES+)264,266。
【0199】
(実施例72から78)
実施例71で説明されているのと類似の仕方で表3の化合物を調製した。
【0200】
【表3】
【0201】
(実施例79)
5−(3−ブロモフェニル)−3−エトキシピリダジン
金属ナトリウム(0.13g、5.65mmol)を外部冷却(水浴)下の乾性エタノール(10ml)に小分けして加えた。すべてのナトリウムを加えた後、反応を室温にし、溶液を1時間攪拌した後、エタノール(5ml)中における5−(3−ブロモフェニル)−3−クロロピリダジン(0.15g、0.557mmol)を加えた。この懸濁液を18時間攪拌した後、水を加え、真空下においてエタノールを除去した。生成物をCH2Cl2中に抽出し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。溶離液として25%の酢酸エチル/ヘキサンを用いる分取TLCにより、白色の固体として表題化合物が得られた(30mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)1.41(3H,t,J7.0),4.55(2H,q,J7.0),7.50(1H,t,J8.0),7.55(1H,d,J2.0),7.71−7.74(1H,m),7.91−7.94(1H,m),8.14(1H,t,J1.8),9.30(1H,d,J2.0);m/z(ES+)279,281。
【0202】
(実施例80)
3−アリルオキシ−5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン
鉱油中における60%分散系としての水素化ナトリウム(0.175g、4.38mmol)をテトラヒドロフラン(4ml)中におけるアリルアルコール(0.25ml、3.79mmol)の溶液に加え、30分間攪拌した後、5−(3−ブロモフェニル)−3−クロロピリダジン(0.5g、1.86mmol)を加えた。この懸濁液をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において170℃に30分間加熱した。反応を酢酸エチルで希釈し、H2Oで洗い、MgSO4上で乾燥させ、シリカ上へローディングしながら濃縮した。溶離液として20%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより白色の固体として表題化合物が得られた(0.2g)。δH(400MHz,d6 DMSO)5.03−5.05(2H,m),5.29−5.32(1H,m),5.44−5.50(1H,m),6.10−6.20(1H,m),7.51(1H,t,J8.0),7.61(1H,d,J2.0),7.72−7.75(1H,m),7.92−7.95(1H,m),8.16(1H,t,J1.8),9.33(1H,d,J2.0);m/z(ES+)291,293。
【0203】
(実施例81)
3−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−イソプロピルアミン(0.1g、0.342mmol)、シアン化亜鉛(52mg、0.443mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中に入れた。反応をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に10分間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびH2O(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を濃縮し、溶離液として50−75%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーで精製した。酢酸エチルから再結晶化させることにより白色の固体として表題化合物が得られた(36mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)1.21(6H,d,J6.7),4.13−4.21(1H,m),6.76(1H,d,J7.4),7.01(1H,d,J2.0),7.74(1H,t,J7.8),7.95−7.97(1H,m),8.05−8.08(1H,m),8.25−8.26(1H,m),8.81(1H,d,J2.0);m/z(ES+)238。
【0204】
(実施例82から84)
実施例81で説明されているのと類似の仕方で表4の化合物を調製した。
【0205】
【表4】
【0206】
(実施例85)
3’−(6−エチルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル
テトラヒドロフラン(1.5ml)中におけるN−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−エチルアミン(0.1g、0.360mmol)、2−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)−5−フルオロベンゾニトリル(0.1g、0.429mmol)、2NのNa2CO3(0.5ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)を化合し、Smith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に10分間加熱した。反応をCH2Cl2(6ml)およびNH4Cl(2ml)で希釈した後、PTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相をシリカ上へローディングしながら濃縮し、溶離液として50%の酢酸エチル/ヘキサン、続いて酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーで精製した。酢酸エチルから再結晶化させることにより白色の固体として表題化合物が得られた(46mg)。δH(400MHz,d6 DMSO)1.19(3H,t,J7.0),3.41(2H,qd,J5.1,7.0),6.88(1H,t,J5.1),7.05(1H,d,J1.6),7.69−7.76(3H,m),7.79−7.83(1H,m),7.85−7.88(1H,m),7.94−7.95(1H,m),8.01−8.04(1H,m),8.85(1H,d,J1.6);m/z(ES+)319。
【0207】
(実施例86から94)
実施例85で説明されているのと類似の仕方で表5の化合物を調製した。
【0208】
【表5】
【0209】
(実施例95)
5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン
−70℃に冷却されたジクロロメタン中における5−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン(0.6g、2.14mmol)の溶液に三臭化ホウ素(0.81ml、8.56mmol)を加えた。この反応混合物を−70℃で30分間攪拌した後、室温にまで温め、2時間攪拌した。反応を0℃に冷却した後、1mlのメタノールを加えた。この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの溶液に注ぎ、得られた沈殿物を濾過により収集し、水で洗い、乾燥(MgSO4)させることにより表題化合物が得られた(400mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.37(1H,dd,J8.4,11.2),7.47−7.61(5H,m),8.26−8.28(2H,m),8.37(1H,d,J2.0),9.50(1H,d,J2.0),10.25−10.40(1H,br s);m/z(ES+)267。
【0210】
(実施例96)
5−[4−フルオロ−3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中における5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン(80mg、0.3mmol)の溶液に水素化ナトリウム(30mg、0.6mmol)を加えた。10分間攪拌した後、(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イル)メタノール(50mg、0.3mmol)を加えた。反応混合物を60℃で30分間加熱した。この反応混合物を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過により収集し、水で洗い、乾燥(MgSO4)させた。この固体を酢酸エチル中に溶解し、シリカ上へ吸着させ、溶離液として酢酸エチル/ヘキサン(20:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせ、減圧下において蒸発させることにより固体として表題化合物が得られた。δH(400MHz,CDCl3)4.05(3H,s),5.44(2H,s),7.27−7.37(3H,m),7.51−7.61(3H,m),7.92(2H,dd,J11.3,2.3),8.16(2H,dd,J6.3,1.6),9.34(1H,d,J1.6);m/z(ES+)362。
【0211】
(実施例97)
5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン
テトラヒドロフラン(2ml)中における5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン(80mg、0.3mmol)、(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イル)メタノール(81mg、0.45mmol)およびトリフェニルホスフィン(118mg、0.45mmol)のスラリーにアゾジカルボン酸ジイソプロピル(91mg、0.45mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。この反応混合物をシリカ上へ吸着させ、溶離液として20:1から1:20までのイソヘキサン/酢酸エチルの勾配溶離を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製した。適切なフラクションを合わせ、減圧下で蒸発させることにより固体を得、この固体をアセトニトリルから再結晶化させることにより表題化合物が得られた(45mg)。δH(400MHz,CDCl3)3.96(3H,s),5.21(2H,s),7.27−7.34(3H,m),7.51−7.61(4H,m),7.91(1H,d,J2.3),8.13−8.14(2H,m),9.35(1H,d,J2.3);mlz(ES+)429。
【0212】
(実施例98および99)
実施例96で説明されているのと類似の仕方で表6の化合物を調製した。
【0213】
【表6】
【0214】
(実施例100)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−4−イル)ピリダジン
1,4−ジオキサン(2ml)中における3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(0.2g、0.66mmol)に、4−トリ−n−ブチルスタンニルピリジン(0.484g、1.31mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.076g、0.065mmol)を加え、この混合物をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃で12分間加熱した。反応をジクロロメタンで希釈し、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。この粗生成物を1−5%のメタノール/CH2Cl2で溶出するシリカでのクロマトグラフィーにかけた。適切なフラクションをプールし、蒸発させることによりクリーム色の固体として表題化合物が得られた。δH(400MHz,CDCl3)7.40−7.47(2H,m),7.57−7.61(1H,m),7.82−7.86(1H,m),8.02−8.09(4H,m),8.60−8.62(1H,m),8.82−8.84(2H,m),9.53(1H,d,J2.3);m/z(ES+)347。
【0215】
(実施例101から104)
必要なヘテロ環式スタンナンを用い、上の実施例100で説明されているのと類似の仕方で表7の化合物を調製した。
【0216】
【表7】
【0217】
(実施例105)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イル)ピリダジン
テトラヒドロフラン(3ml)中において3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(200mg、0.66mmol)の脱気溶液を形成した。(トリメチルシリル)アセチレン(0.14ml、0.99mmol)、トリエチルアミン(0.14ml、1mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(23mg、0,03mmol)およびトリフェニルホスフィン(4mg、0.015mmol)をこの順番で加え、混合物を室温で20分間攪拌させた。ヨウ化銅(I)(2mg、0.01mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。溶媒を除去し、溶離液として80%の酢酸エチル:20%のイソヘキサンを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで残分を精製することにより褐色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−トリメチルシラニルエチニルピリダジンが得られた(210mg)。δH(400MHz,CDCl3)0.31(9H,s),7.34−7.45(2H,m),7.55−7.60(1H,m),7.74−7.78(1H,m),7.79(1H,d,J2.3),7.95(1H,dd,J2.5,6.5),8.58−8.61(1H,m),9.39(1H,d,J2.3)。
【0218】
N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中における5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−トリメチルシラニルエチニルピリダジン(100mg、0.26mmol)の溶液にアジ化ナトリウム(19mg、0.29mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した後、70℃で4時間攪拌した。この反応混合物を室温にまで冷却させ、水(20ml)に加えた後、酢酸エチル(5×10ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。溶離液として10%のメタノール:90%のジクロロメタンを用いる分取薄層クロマトグラフィーで精製することにより黄褐色の固体として表題化合物が得られた。δH(400MHz,d6−DMSO)7.63(1H,t,J9.8),8.16−8.27(3H,m),8.49(1H,d,J2.3),8.69(1H,s),8.75(1H,d,J2.3),9.66(1H,d,J2.0);m/z(ES+)355。
【0219】
(実施例106)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)を伴うエタノール(10ml)中において3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(100mg、0.33mmol)の溶液を形成した。酢酸ナトリウム(54mg、0.66mmol)を加え、混合物を窒素で脱気した。塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(ジクロロメタンとの1:1錯体)(20mg、0.03mmol)を加え、混合物を90℃に加熱し、この温度に45分間維持しながら、この溶液に一酸化炭素を通気した。この混合物を室温にまで冷却させ、溶媒を除去した。溶離液として80%の酢酸エチル:20%のイソヘキサンを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで残分を精製した後、ジクロロメタンおよびイソヘキサンから再結晶化させることにより白色の固体として表題化合物が得られた(30mg)。δH(400MHz,CDCl3)1.51(3H,t,J7.0),4.59(2H,q,J7.2),7.38−7.46(2H,m),7.55−7.61(1H,m),7.81−7.86(1H,m),8.03(1H,dd,J2.5,6.5),8.41(1H,d,J2.3),8.59−8.61(1H,m),9.62(1H,d,J2.3);m/z(ES+)342。
【0220】
(実施例107)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−1−オキシド
CH2Cl2(2ml)中における5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン(50mg、0.13mmol)の混合物にm−クロロ過安息香酸(50%;68mg、0.20mmol)を加えた。この溶液を室温に22時間放置した。10%の炭酸ナトリウム溶液(1ml)を加え、この溶液をPTFE(5μM)フリット注射筒に注いだ。有機相を蒸発させ、CH2Cl2中における5%メタノールの溶媒系を用いる分取TLCでこの粗生成物を精製することにより白色の固体が得られた。水中の0.1%トリフルオロ酢酸中における30−80%アセトニトリルの溶媒系を用いる分取HPLCでこの固体を更に精製した。適切なフラクションを合わせることにより白色の固体として表題化合物が得られた(3mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.19−7.25(1H,m),7.29−7.41(3H,m),7.47−7.53(1H,m),7.73−7.76(1H,m),7.78(1H,t,J1),7.91(1H,dd,J3,7),8.06−8.10(1H,m),8.42(1H,d,J1),8.51(1H,d,J2);m/z(ES+)398。
【0221】
(実施例108)
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
1,4−ジオキサン(12ml)中における3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(0.25g、0.82mmol)、ヘキサメチル二スズ(0.323g、0.98mmol)および塩化リチウム(0.1024g、2.46mmol)の脱気混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.048g、0.041mmol)を加え、この混合物を100℃で3時間加熱した。質量分析は意図されたスタンナンの形成を示した。1−ブロモ−2,6−ジフルオロベンゼン(0.3177g、0.187ml、1.65mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.01g、0.0082mmol)を加え、混合物を100℃で6時間加熱した。反応を室温にまで冷却した後、濾過し、蒸発させ、分取TLC(2プレート;4%メタノール−CH2Cl2)でこの粗生成物を精製した。適切なバンドを収集し、処理することにより灰色がかった白色の固体として表題化合物が得られ、この化合物を酢酸エチル/イソヘキサンから再結晶化させることにより白色の固体が得られた(42mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.05−7.12(2H,m),7.32−7.59(4H,m),7.79−7.85(2H,m),8.00(1H,dd,J2.5,6.5),8.58−8.60(1H,m),9.51(1H,d,J2.3)。
【0222】
(実施例109)
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼンに結合させることにより白色の固体として3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)7.54(1H,m),7.61−7.65(1H,m),7.70(1H,dd,J10.0,0.5),8.03−8.06(1H,m),8.16−8.24(3H,m),8.37(1H,s),8.74(1H,s),9.73(1H,s);m/z(ES+)416:418(3:1)。
【0223】
(実施例110)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを4−ブロモ−3−フルオロベンゾトリフルオリドに結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)7.64(1H,t,J9.0),7.82(1H,d,J8.1),7.95(1H,d,J10.5),8.16−8.26(3H,m),8.24(1H,s),8.46(1H,s),8.74(1H,s),9.78(1H,s);m/z(ES+)450。
【0224】
(実施例111)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを4−ブロモ−3−フルオロトルエンに結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)2.42(3H,s),7.25(2H,s),7.62(1H,t,J9.4),7.93(1H,m),8.21(3H,m),8.30(1H,s),8.74(1H,d,J0.5),9.68(1H,s);m/z(ES+)396。
【0225】
(実施例112)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジンに結合させることにより白色の固体として3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンが得られた:δH(500MHz,DMSO)7.61−7.65(1H,m),8.16−8.24(4H,m),8.48(1H,s),8.75(2H,d,J12.2),9.79(1H,s);m/z(ES+)401。
【0226】
(実施例113)
トリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステル
乾性ピリジン(20ml)中における5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(1.29g、4.52mmol)の懸濁液を形成し、0℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.14ml、6.78mmol)を滴下させながら加えた。この後、得られた混合物を室温にまで温めさせると、30分後に暗赤色の溶液が形成された。この混合物を水(100ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。溶離液として80%のジクロロメタン:20%の酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した後、イソヘキサンを用いてジクロロメタンから再結晶化させることにより白色の固体としてトリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステルが得られた:δH(400MHz,CDCl3)7.40−7.47(2H,m),7.56−7.61(2H,m),7.78−7.82(1H,m),8.00(1H,dd,J2および6),8.59−8.61(1H,m),9.55(1H,d,J2);m/z(ES+)418。
【0227】
(実施例114)
3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中における3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(50mg、0.16mmol)の溶液を形成した。ナトリウムエタンチオラート(28mg、0.33mmol)を加え、得られた混合物を室温で8時間攪拌した。反応を水(20ml)中に注ぎ、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることによりオレンジ色の固体を得た。溶離液として酢酸エチルを用いる分取薄層クロマトグラフィーで精製することにより白色の固体として3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジンが得られた(10mg):δH(400MHz,CDCl3)1.47(3H,t,J7),3.43(2H,q,J7),7.35(1H,t,J9),7.40−7.44(1H,m),7.48(1H,d,J2),7.54−7.59(1H,m),7.70−7.74(1H,m),7.92(1H,dd,J2および6),8.57−8.60(1H,m),9.17(1H,d,J2);m/z(ES+)330。
【0228】
(実施例115)
3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
実施例114のようにして3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(50mg、0.16mmol)とナトリウム2−メチル−2−プロパンチオラート(37mg、0.33mmol)を反応させることにより黄褐色の固体として3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジンが得られた(13mg):δH(400MHz,CDCl3)1.66(9H,s),7.35(1H,t,J9),7.40−7.44(1H,m),7.53(1H,d,J2),7.54−7.59(1H,m),7.70−7.74(1H,m),7.91(1H,dd,J3および7),8.58−8.60(1H,m),9.21(1H,d,J2);m/z(ES+)302(M+H−tBu)および358(M+H)。
【0229】
(実施例116)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(100mg、0.31mmol)を3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン(144mg、0.37mmol)に結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(31mg):δH(400MHz,CDCl3)7.36−7.44(2H,m),7.81−7.85(1H,m),7.97(1H,dd,J2および7),8.21−8.24(2H,m),8.52(1H,d,J2),8.64−8.68(2H,m),9.53(1H,d,J2);m/z(ES+)383。
【0230】
(実施例117)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(139mg、0.43mmol)を3−フルオロ−2−トリブチルスタンニルピリジン(200mg、0.51mmol)に結合させることにより白色の固体として5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジンが得られた(70mg):δH(500MHz,CDCl3)7.36−7.41(2H,m),7.46−7.49(1H,m),7.66(1H,t,J10),7.85−7.89(1H,m),8.01(1H,dd,J2および7),8.41(1H,s),8.52(1H,s),8.61(1H,d,J4),9.53(1H,s);m/z(ES+)383。
【0231】
(実施例118)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(216mg、0.71mmol)を3−フルオロ−2−トリブチルスタンニルピリジン(300mg、0.78mmol)に結合させることにより白色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジンが得られた(106mg):δH(400MHz,CDCl3)7.35−7.48(3H,m),7.55−7.61(1H,m),7.63−7.68(1H,m),7.84−7.89(1H,m),8.05(1H,dd,J3および7),8.41(1H,d,J2),8.58−8.62(2H,m),9.54(1H,d,J2);m/z(ES+)365。
【0232】
(実施例119)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシド
ジクロロメタン(4ml)中における5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン(100mg、0.27mmol)の溶液を形成した。ジクロロメタン(1ml)中におけるm−クロロペルオキシ安息香酸(74mg、77%、0.33mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。反応を炭酸ナトリウム水溶液(2M、10ml)でクエンチングし、ジクロロメタン(10ml)で抽出した。有機相を炭酸ナトリウム水溶液(1M、2×10ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄褐色の固体を得た。分取HPLCで精製することにより白色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシドが得られた(14mg):δH(400MHz,CDCl3)7.39−7.47(2H,m),7.56−7.61(1H,m),7.74−7.78(1H,m),7.86(1H,s),7.96(1H,dd,J3および7),8.02(1H,t,J5),8.49(1H,d,J1),8.58−8.68(3H,m);m/z(ES+)381。
【0233】
(実施例120)
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジン
ジクロロメタン(5ml)中における3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン(1.0g、2.6mmol)の溶液を形成した。ジクロロメタン(3ml)中におけるm−クロロペルオキシ安息香酸(696mg、77%、3.1mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。更なる10mlのジクロロメタンを加え、この混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×20ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄色いオイルを得た。溶離液として酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより無色のオイルとして3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン1−オキシドが得られた(1.0g)。
【0234】
実施例100の方法を用いて3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(80mg、0.26mmol)を3−フルオロ−4−トリブチルスタンニルピリジン1−オキシド(117mg、0.29mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(31mg)。δH(400MHz,CDCl3)7.39−7.47(2H,m),7.56−7.62(1H,m),7.80−7.84(1H,m),8.00(1H,dd,J3および7),8.18−8.22(2H,m),8.29(1H,dd,J2および7),8.39(1H,dd,J7および9),8.59−8.61(1H,m),9.50(1H,d,J2);m/z(ES+)381。
【0235】
(実施例121)
5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン
水(4ml)を伴うテトラヒドロフラン(40ml)中における2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジン(4.0g、20.6mmol)、2,6−ジフルオロフェニルボロン酸(3.9g、24.7mmol)およびフッ化カリウム(4.3g、74.2mmol)の脱気溶液を形成した。トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(189mg、0.21mmol)、続いてトリ−tert−ブチルホスフィン(0.8ml、ヘキサン中における0.51M、0.42mmol)を加え、この混合物を60℃に18時間加熱した。溶媒を除去し、溶離液としてジクロロメタン60%:イソヘキサン40%を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの残分を精製することにより白色の固体として3,5−ジフルオロ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジンが得られた(2.2g):δH(400MHz,CDCl3)6.99−7.06(2H,m),7.32−7.46(2H,m),8.50(1H,d,J2.3)。
【0236】
濃硫酸(10ml)中における3,5−ジフルオロ−2−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリジン(1.65g、7.26mmol)の溶液を形成し、0℃に冷却した。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(2.08g、7.26mmol)を小分けして加え、得られた混合物を0℃で2時間攪拌させた。反応を氷(250ml)でクエンチングし、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄色いオイルを得た。溶離液として60%のイソヘキサン:40%のジクロロメタンを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより無色のオイルとして2−(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,5−ジフルオロピリジンが得られた(1.95g):δH(400MHz,CDCl3)6.94−6.99(1H,m),7.34−7.39(1H,m),7.61−7.67(1H,m),8.50(1H,d,J2.3)。
【0237】
ジメチルスルホキシド(0.4ml)を伴う1,4−ジオキサン(20ml)中における2−(3−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,5−ジフルオロピリジン(1.95g、6.37mmol)、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボラン(1.58g、7.01mmol)および酢酸カリウム(1.25g、12.7mmol)の脱気溶液を形成した。ジクロロメタンを伴う[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(1:1)(100mg)を加え、この混合物を80℃で18時間加熱した。溶媒を除去し、残分を水酸化ナトリウム水溶液(2N、100ml)と共に30分間攪拌した後、濾過した。濾液をジエチルエーテル(2×50ml)で洗い、次いで、0℃に冷却した後、濃塩酸水溶液で中和し、続いて、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより薄黄色のオイルとして3,5−ジフルオロ−2−[2,6−ジフルオロ−3−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)フェニル]ピリジンが得られた:δH(400MHz,CDCl3)1.03(6H,s),3.78(4H,s),5.30(1H,s),6.97−7.02(1H,m),7.29−7.35(1H,m),7.80−7.86(1H,m),8.48(1H,d,J2.3)。
【0238】
1,4−ジオキサン(10ml)中における3−クロロ−5−メトキシピリダジン(473mg、3.27mmol)、3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(1.0g、3.6mmol)、ヨウ化銅(I)(31mg、0.2mmol)および塩化リチウム(416mg、9.8mmol)の脱気溶液を形成した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg)を加え、この混合物を80℃に16時間加熱した。溶媒を除去し、40%のイソヘキサン:60%の酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの残分を精製することにより薄黄色の固体として3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−メトキシピリダジンが得られた(220mg):δH(400MHz,CDCl3)7.10−7.12(1H,m),8.54(2H,s),9.02(1H,d,J3.1);m/z(ES+)224。
【0239】
臭化水素酸水溶液(5ml、48%)中における3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−メトキシピリダジン(210mg、0.94mmol)の溶液を形成し、2時間還流させた。この混合物を氷浴中において冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で〜pH2へ、続いて固体炭酸水素ナトリウムで中性へ中和した。結果として生じた白色の沈殿物を濾過し、真空下において五酸化リン上で乾燥させることにより白色の固体として6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−1H−ピリダジン−4−オンが得られた(110mg):m/z(ES+)210。
【0240】
オキシ塩化リン(0.8ml)中における6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−1H−ピリダジン−4−オン(60mg、0.28mmol)の懸濁液を形成し、80℃に30分間加熱することにより黄色い溶液を得た。減圧下においてオキシ塩化リンを除去し、残分をジクロロメタン(5ml)で希釈し、水(3×10ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより黄色い固体として5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(63mg):δH(400MHz,CDCl3)7.76−7.78(1H,m),8.58(2H,s),9.31(1H,d,J2.3)。
【0241】
炭酸ナトリウム水溶液(1ml、2M)を伴う1,4−ジオキサン(4ml)中における5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン(107mg、0.47mmol)および3,5−ジフルオロ−2−[2,6−ジフルオロ−3−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)フェニル]ピリジン(191mg、0.56mmol)の溶液を形成した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(50mg)を加え、この混合物をSmith Synthesiserマイクロ波反応器中において150℃に700秒間加熱した。溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン:酢酸エチル(1:1)を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーでこの残分を精製した。イソヘキサンを用いてジクロロメタンから再結晶化させることにより白色の固体として5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジンが得られた(106mg):δH(400MHz,CDCl3)7.25−7.29(1H,m),7.38−7.43(1H,m),7.66−7.72(1H,m),7.90−7.91(1H,m),8.54(1H,d,J2.3),8.57(2H,s),9.50−9.51(1H,m);m/z(ES+)419。
【0242】
(実施例122および123)
必要なボロン酸を用い、実施例33および34で説明されているのと類似の仕方で表2Aの化合物を調製した。
【0243】
【表8】
【0244】
(実施例124から126)
必要なスタンナンを用い、実施例100で説明されているのと類似の仕方で表7Aの化合物を調製した。
【0245】
【表9】
【0246】
(実施例127)
3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
ジクロロメタン(10ml)中における3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(2.0g、7.2mmol)の溶液を形成した。ジクロロメタン(10ml)中における3−クロロペルオキシ安息香酸(1.94g、約8.6mmol)の溶液を滴下しながら加え、この溶液を室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液(2M、50ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機相を水(50ml)で洗い、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより白色の固体として3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン1−オキシドが得られた(1.31g)。実施例100の方法を用いて3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン1−オキシド(438mg、1.5mmol)を3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(400mg、1.24mmol)に結合させることにより白色の固体として3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンが得られた(50mg):δH(400MHz,CDCl3)7.36−7.44(2H,m),7.79−7.83(1H,m),7.86−7.87(1H,m),7.95(1H,dd,J2.5,6.5),8.18−8.21(2H,m),8.51(1H,d,J2.3),9.55(1H,d,J2.3);m/z(ES+)417。
【0247】
(実施例128)
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル
実施例33の方法を用いて2’−フルオロ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(2.50g、7.8mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.32g、10.0mmol)に結合させることにより2’−フルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリルを得た(2.36g):m/z(ES+)292。
【0248】
実施例34の方法を用いて2’−フルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(2.36g)をオキシ塩化リン(50ml)と反応させることにより5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロ−ビフェニル−2−カルボニトリル(1.89g)を得た:m/z(ES+)310。
【0249】
予め形成された−78℃における乾性ジエチルエーテル(2ml)中におけるブチルリチウム(0.7ml、ヘキサン中における1.6M、1.13mmol)および乾性N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.2ml、1.35mmol)の溶液に、乾性ジエチルエーテル(2ml)中における3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン(202mg、1.08mmol)の溶液を滴下させながら加えた。この黄色い溶液を−78℃で1時間攪拌した後、塩化亜鉛(1.6ml、エーテル中における1M、1.6mmol)を滴下させながら加えた。結果として生じた白色の沈殿物を−78℃で30分間攪拌した後、2時間かけて室温にまで温めさせることにより3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物の溶液が得られた。この溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中における5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル(200mg、0.65mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(20mg)の脱気溶液を加え、更なる脱気後、この混合物を80℃で18時間攪拌した。得られた混合物を水(50ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色のオイルを得た。溶離液として20%酢酸エチル:80%ジクロロメタンの混合物を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより黄褐色の固体として5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(80mg):δH(400MHz,CDCl3)7.41−7.48(2H,m),7.54−7.60(2H,m),7.71−7.75(1H,m),7.81−7.87(3H,m),8.35(1H,d,J2.3),8.52(1H,d,J2.3),9.52(1H,d,J2.3);m/z(ES+)389。
【0250】
(実施例129)
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル
実施例100の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロ−ビフェニル−2−カルボニトリル(500mg、1.6mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(538mg、1.9mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(327mg):δH(400MHz,CDCl3)7.43−7.48(1H,m),7.55−7.60(2H,m),7.71−7.75(1H,m),7.78−7.89(4H,m),8.58(2H,s),9.57(1H,d,J1.6);m/z(ES+)389。
【0251】
(実施例130)
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
実施例33の方法を用いて4,2’−ジフルオロ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(5g、14.7mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.59g、12.2mmol)に結合させることにより4,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた:m/z(ES+)310。
【0252】
実施例34の方法を用いて4,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(4g)をオキシ塩化リン(20ml)と反応させることにより5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリルが得られた:m/z(ES+)328。
【0253】
実施例100の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル(200mg、0.61mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(204mg、0.73mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(75mg):δH(400MHz,d6−DMSO)7.65−7.70(1H,m),7.77−7.85(2H,m),8.08(1H,dd,J2.3,8.6),8.22−8.25(2H,m),8.54−8.55(1H,m),8.82(2H,s),9.90(1H,d,J2.3);m/z(ES+)407。
【0254】
(実施例131)
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
実施例128の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−4,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル(300mg、0.92mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(1.55mmol)に結合させることにより薄いピンク色の固体として4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(88mg):δH(400MHz,CDCl3)7.42−7.48(3H,m),7.53−7.60(2H,m),7.80(1H,dd,J2.5,6.8),7.83−7.88(1H,m),8.34(1H,d,J2.0),8.52(1H,d,J2.3),9.52(1H,d,J2.3);m/z(ES+)407。
【0255】
(実施例132)
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル
実施例33の方法を用いて2−[2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ニコチノニトリル(4.86g、15mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.78g、13.7mmol)に結合させることにより2−[2−フルオロ−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)フェニル]ニコチノニトリルを得た(2.4g):m/z(ES+)293。
【0256】
実施例34の方法を用いて2−[2−フルオロ−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)フェニル]ニコチノニトリル(2.4g、8.2mmol)をオキシ塩化リン(20ml)と反応させることにより2−[5−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2−フルオロフェニル]ニコチノニトリルを得た(1.39g):m/z(ES+)311。
【0257】
実施例100の方法を用いて2−[5−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2−フルオロフェニル]ニコチノニトリル(300mg、0.97mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンナニルピリジン(322mg、1.16mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリルが得られた(95mg):δH(400MHz,CDCl3)7.46−7.55(2H,m),7.86−7.90(2H,m),7.97(1H,dd,J2.3,6.7),8.15(1H,dd,J1.6,7.8),8.58(2H,s),8.96(1H,dd,J1.8,4.9),9.58(1H,d,J2.3);m/z(ES+)390。
【0258】
(実施例133)
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル
実施例128の方法を用いて2−[5−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2−フルオロフェニル]ニコチノニトリル(300mg、0.97mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(1.93mmol)に結合させることにより白色の固体として2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリルが得られた(70mg):δH(400MHz,CDCl3)7.43−7.54(3H,m),7.90−7.94(1H,m),8.01(1H,dd,J2.3,6.7),8.15(1H,dd,J2.0,7.8),8.37(1H,d,J2.0),8.52(1H,d,J2.3),8.96(1H,dd,J1.8,4.9),9.54(1H,d,J2.3);m/z(ES+)390。
【0259】
(実施例134)
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中における2−ピロリジノン(60mg、0.71mmol)の溶液を形成し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中における60%、28mg、約0.71mmol)を加え、この懸濁液を室温で30分間攪拌した。5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル(200mg、0.64mmol)を加え、得られた混合物を50℃で一晩加熱した。反応を水(50ml)でクエンチングし、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色のオイルを得た。溶離液として20%酢酸エチル:80%ジクロロメタンの混合物を用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した後、イソヘキサンを用いてジクロロメタンから再結晶化させることにより黄褐色の固体として2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(18mg):δH(400MHz,CDCl3)2.21−2.27(2H,m),2.72(2H,t,J8.1),4.33(2H,t,J7.2),7.40(1H,t,J9.0),7.53−7.58(2H,m),7.69−7.84(4H,m),8.94(1H,d,J2.0),9.23(1H,d,J2.0);m/z(ES+)359。
【0260】
(実施例135)
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
N,N−ジメチルホルムアミド中における5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル(310mg、1.0mmol)、2−ヒドロキシピリジン(143mg、1.5mmol)、ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)および炭酸カリウム(207mg、1.5mmol)の混合物を150℃に一晩加熱した。混合物を室温にまで冷却させた後、アンモニア水(50ml、〜5%)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。これらを合わせた有機質をブライン(50ml)で洗った後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。溶離液として酢酸エチルを用いるシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した後、酢酸エチルから再結晶化させることにより2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた:δH(400MHz,CDCl3)6.38−6.42(1H,m),6.68(1H,d,J8.8),7.40−7.50(2H,m),7.54−7.58(2H,m),7.70−7.74(1H,m),7.78−7.85(3H,m),8.12−8.14(1H,m),8.45(1H,d,J2.0),9.45(1H,d,J2.2);m/z(ES+)369。
【0261】
(実施例136)
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル
実施例33の方法を用いて6,2’−ジフルオロ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(5.0g、14.7mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.74g、13.3mmol)に結合させることにより6,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリルを得た(4.2g):m/z(ES+)310。
【0262】
実施例34の方法を用いて6,2’−ジフルオロ−5’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル(4.2g、13.6mmol)をオキシ塩化リン(30ml)と反応させることにより5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリルを得た(2.02g):m/z(ES+)328。
【0263】
実施例128の方法を用いて5’−(6−クロロピリダジン−4−イル)−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル(500mg、1.53mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(3.05mmol)に結合させることにより黄褐色の固体として6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリルが得られた(100mg):δH(400MHz,CDCl3)7.42−7.51(3H,m),7.55−7.60(1H,m),7.65−7.67(1H,m),7.82(1H,dd,J2.3,6.3),7.87−7.91(1H,m),8.34(1H,d,J2.0),8.52(1H,d,J2.3),9.52(1H,d,J2.3);m/z(ES+)407。
【0264】
(実施例137)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン
実施例33の方法を用いて2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(3.0g、10.3mmol)を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(1.13g、8.62mmol)に結合させることにより5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンを得た(1.93g):m/z(ES+)259。
【0265】
実施例34の方法を用いて5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2H−ピリダジン−3−オン(1.93g、7.48mmol)をオキシ塩化リン(10ml)と反応させることにより3−クロロ−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジンを得た(1.42g):m/z(ES+)277。
【0266】
実施例128の方法を用いて3−クロロ−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン(500mg、1.81mmol)を3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物(3.62mmol)に結合させることにより薄茶色の固体として3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジンが得られた(40mg):δH(400MHz,CDCl3)7.41−7.49(2H,m),7.93−8.01(2H,m),8.34(1H,d,J2.3),8.54(1H,d,J2.3),9.49(1H,d,J2.0);m/z(ES+)356。
【0267】
(実施例138)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジン
実施例33の方法を用いて4−フルオロフェニルボロン酸を5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オンに結合させることにより5−(4−フルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンを得た:m/z(ES+)191。
【0268】
実施例34の方法を用いて5−(4−フルオロフェニル)−2H−ピリダジン−3−オンをオキシ塩化リンと反応させることにより3−クロロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジンを得た:m/z(ES+)209。
【0269】
実施例128の方法を用いて3−クロロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジンを3,5−ジフルオロ−4−トリメチルシリルピリジン−2−イル亜鉛塩化物に結合させることにより3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジンを得た:m/z(ES+)288。
【0270】
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロフェニル)ピリダジン(0.314g、1.1mmol)を濃硫酸(4ml)中に溶解し、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.311g、1.1mmol)を加え、得られた混合物を20分間攪拌した。この反応混合物を氷(50g)に注ぎ、水酸化ナトリウム溶液でpH11に調整した。水性相をジクロロメタン(2×100ml)で抽出し、これらを合わせた有機質をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより褐色の固体を得た。この粗生成物を酢酸エチルで溶出するシリカでのクロマトグラフィーに掛けることにより白色の固体として5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを得た(0.111g):m/z(ES+)366:368(1:1)。
【0271】
実施例34の方法によって5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸に結合させることにより3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)7.35(1H,t,J8.7),7.40−7.47(2H,m),7.58(1H,t,J7.8),7.63−7.69(2H,m),7.79−7.84(2H,m),8.31(1H,d,J2.0),8.51(1H,d,J1.5),9.49(1H,d,J1.7);m/z(ES+)432。
【0272】
(実施例139)
5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン
実施例34の方法によって5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを2−フルオロフェニルボロン酸に結合させることにより5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)7.21−7.24(1H,m),7.28−7.29(1H,m),7.36−7.47(4H,m),7.75−7.83(2H,m),8.33(1H,d,J2.2),8.52(1H,d,J2.2),9.51(1H,d,J2.2);m/z(ES+)382。
【0273】
(実施例140)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン
実施例34の方法によって5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジンを2,4−ジフルオロフェニルボロン酸に結合させることにより3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)6.96−7.05(2H,m),7.36−7.47(3H,m),7.75−7.80(2H,m),8.33(1H,d,J2.2),8.52(1H,d,J2.2),9.50(1H,d,J2.4);m/z(ES+)400。
【0274】
(実施例141)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン
実施例108の方法によって3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジンを1−ブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼンに結合させることにより5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンが得られた:δH(500MHz,CDCl3)6.86(2H,t,J8.2),7.34−7.41(2H,m),7.81(2H,t,J6.4),7.94(1H,dd,J2.2,6.4),8.51(1H,d,J2.2),9.47−9.57(1H,m);m/z(ES+)418。
【0275】
(実施例142)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン
実施例126の方法により5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オンを(WO第0238568号により調製された)3−(3−フルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニルボロン酸と結合させることを通じて3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジンを調製した。
【0276】
3−クロロ−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン(0.2g、0.66mmol)、乾性ジオキサン(5ml)、塩化リチウム(0.22g)およびヨウ化銅(I)(0.020g)を化合し、窒素下で脱気した。3,5−ジフルオロ−2−トリメチルスタンニルピリジン(0.318g;1.11mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.100g)を加え、得られた混合物を窒素雰囲気下において充分に脱気した後、85℃で48時間加熱した。反応を環境温度にまで冷却した後、ジクロロメタン(30ml)で希釈し、25%の水酸化アンモニウム水溶液(30ml)で洗った。有機相を分離し、減圧下で蒸発させた。残分を、溶離液としてジクロロメタン中における5%メタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに掛けた。得られた生成物を温かいメタノール中に溶解し、SCX酸性イオン交換樹脂カートリッジに適用した。メタノール、続いてメタノール中におけるアンモニア溶液(2モル)で溶出することにより清浄な生成物が得られ、この生成物を熱いメタノール水溶液から再結晶化させた。δH(400MHz,d6DMSO)7.61−7.67(2H,m),7.95(1H,m),8.22−8.27(3H,m),8.49(1H,d,J1.8),8.65(1H,m),8.77(1H,d,J1.8),9.81(1H,d,J1.9);m/z(ES+)383。
【0277】
(実施例143)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
ジオキサン(300gml)中における5−クロロ−2H−ピリダジン−3−オン(7.1198g;54.54mmol)および(WO第0238568号により調製された)3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニルボロン酸(11.5g;45.45mmol)の脱気懸濁液に、脱気炭酸ナトリウム溶液(60ml、2N)、続いてジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(1.85g;2.27mmol)を加え、得られた混合物を還流下において18時間加熱した。この混合物を氷浴中において攪拌しながら30分間冷却し、濾過により固体を収集した後、水で洗い、真空下においてP2O5上で乾燥させることによりベージュ色の粉末状固体として5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを得た。(9.5g)m/z(ES+)304。
【0278】
5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(4.5g;14.8397mmol)をオキシ塩化リン(80ml)に加え、この混合物を予め80℃に加熱された油浴に入れた。40分間攪拌した後、真空下において揮発成分を除去し、褐色の残分を氷(150g)で処理した後、この褐色のオイルを粉砕することにより粉末状の固体を得た。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えることにより、この混合物を中和した。水性相を酢酸エチル(3×300ml)で抽出し、これらを合わせた有機質をブライン(200ml)で洗い、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させることによりベージュ色の粉末状固体として3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ピリダジンが得られた。m/z(ES+)322:324(2:1)。
【0279】
ジオキサン(30ml)中における3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ピリダジン(3.045g;9.46mmol)、3,5−ジフルオロ−4−トリメチルスタンニルピリジン(3.15g;11.35mmol)、ヨウ化銅(I)(0.09g;0.473mmol)および塩化リチウム(0.80g;18.93mmol)の脱気懸濁液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.5469g;0.473mmol)を加え、得られた混合物を85℃で18時間加熱した。反応を環境温度にまで冷却し、酢酸エチル(70ml)で希釈した後、触媒フィルターを通じて濾過した。濾液をシリカに吸収させ、酢酸エチル:イソヘキサン(1:1)で溶出するクロマトグラフィーに掛けることにより灰色がかった白色の固体として生成物を得た。酢酸エチルイソヘキサンから再結晶化させることにより白色の固体が得られた(3.13g)。δH(400MHz,CDCl3):7.36−7.43(2H,m),7.80−7.84(1H,m),7.89(1H,t,J1.0),7.97(1H,dd,J2.3,6.7),8.51(1H,d,J2.3),8.57(2H,s),9.57(1H,d,J2.3);(ES+)401。
【0280】
(実施例144)
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン
−78℃におけるエーテル(5ml)中の2−ブロモ−3,5−ジフルオロピリジン(0.5g;2.57mmol)の攪拌溶液にn−ブチルリチウム(1.77ml;2.83mmol;ヘキサン中における1.6M)を加え、この混合物を15分間攪拌し、塩化亜鉛(3.866ml;3.8664mmol;エーテル中における1M溶液)を加え、この混合物を−78℃で15分間攪拌した後、室温にまで温めさせた。3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(0.33g;1.03mmol)をDMF(6ml)中に溶解し、15分間脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.148g;0.128mmol)を加え、この混合物を上で調製されたアリール亜鉛に加え、80℃で14時間加熱した。反応を水(50ml)とDCM(100ml)との間で分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、蒸発させることにより褐色のオイルを得た。この生成物をDCMからDCM中における40%までの酢酸エチルで溶出するシリカでのクロマトグラフィーに掛けることにより白色の固体として本生成物が得られた(182mg)。δH(500MHz,DMSO)7.61−7.65(1H,m),8.16−8.24(4H,m),8.48(1H,s),8.75(2H,d,J12.2),9.79(1H,s);m/z(ES+)401。
【0281】
(実施例145)
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン
1,4−ジオキサン(12ml)中における3−クロロ−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン(0.3g,0.95mmol)、ヘキサメチル二スズ(0.366g、1.1mmol)および塩化リチウム(0.116g、2.7mmol)の脱気混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.053g、0.04mmol)を加え、この混合物を100℃で2時間加熱した。質量分析は意図したスタンナンの形成を示した。1−ブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼン(0.393g、1.8mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.01g、0.0082mmol)を加え、得られた混合物を100℃で18時間加熱した。反応を室温にまで冷却し、濾過し、蒸発させた。この粗生成物をDCM中における30%酢酸エチルで溶出するシリカでのクロマトグラフィーに掛けることにより褐色の固体が得られ、この固体をジエチルエーテルと共に粉砕し、濾過して固体を収集することにより灰色がかった白色の固体として本生成物が得られた(12mg)。δH(500MHz,CDCl3)6.86(2H,t,J8.2),7.34−7.41(2H,m),7.81(2H,t,J6.4),7.94(1H,dd,J2.2,6.4),8.51(1H,d,J2.2),9.47−9.57(1H,m);m/z(ES+)418。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
X1は水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチルまたはC1−6アルコキシを表し;
X2は水素またはハロゲンを表し;
Zは水素、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ホルミル、C2−6アルコキシカルボニル、または場合によって置換されたアリール、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−6)アルコキシ基を表し;
R1は水素、炭化水素、ヘテロ環式基、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、−ORa、−OSO2CF3、−SRa、−SORa、−SO2Ra、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRaCORb、−NRaCO2Rb、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRbまたは−CRa=NORbを表し;
R2は水素またはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
RaおよびRbは独立的に水素、炭化水素またはヘテロ環式基を表す]
の化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項2】
式IIA:
【化2】
[式中、
Zは請求項1で定義されている通りのものであり;
X11は水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシを表し;
X12は水素またはフルオロを表し;
R11はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、(場合によってオキソで置換された)C3−7へテロシクロアルキル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子により、及び/又はオキソにより置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
により表される、請求項1に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項3】
式IIB:
【化3】
[式中、X11、X12およびR11は請求項2で定義されている通りのものであり;
R3は水素またはフルオロを表す]
により表される、請求項2に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項4】
式IIC:
【化4】
[式中、X11、X12およびR11は請求項2で定義されている通りのものであり;
R4は水素、フルオロ、シアノまたはメチルを表す]
により表される、請求項2に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項5】
式IID:
【化5】
[式中、X11、X12およびR11は請求項2で定義されている通りのものであり;
R4は請求項4で定義されている通りのものであり;
R5は水素またはフルオロを表す]
により表される、請求項2に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項6】
式IIE:
【化6】
[式中、
VはNを表し、WはCFを表し;もしくは
VはCFを表し、WはNを表し;または
VおよびWが共にCFを表し;
X12は請求項2で定義されている通りのものであり;
R5は請求項5で定義されている通りのものである]
により表される、請求項5に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項7】
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸メチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]3−フェニルピリダジン;
5−(3−イソプロポキシフェニル)−3−フェニルピリダジン:
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
4,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(3−シアノフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]ピリダジン;
3−フェニル−5−(3−[1,2,4]トリアゾル−4−イルフェニル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
[3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)フェニル]アセトニトリル;
2−フルオロ−5−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
5−(3−ニトロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)安息香酸メチルエステル;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
5−(3−フルオロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−(3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(チエン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−3−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(4−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロフェニル)ピリダジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−メトキシフェニル)ピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(3,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
5’−[6−(2−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(4−メトキシフェニル)−5−フェニルピリダジン;
4−フルオロ−3’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(4−クロロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
2−{5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン−3−イル}−5−フルオロベンゾニトリル;
3−(4−クロロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
4−{5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イル}ベンゾニトリル;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−メチルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−イソプロピルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−シクロプロピルアミン;
N−アリル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−エチルアミン
N−ベンジル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−(2−メトキシベンジル)アミン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−(2,5−ジヒドロピロル−1−イル)ピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−エトキシピリダジン;
3−アリルオキシ−5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン;
3−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−[6−(2−メトキシベンジルアミノ)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3’−(6−エチルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−プロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−シクロプロピルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−アリルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メチルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メトキシピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−エトキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピラジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チアゾル−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−1−オキシド;
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
から選択される化合物および該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項8】
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
トリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステル;
3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシド;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
から選択される化合物および該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項9】
3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
から選択される化合物および該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項10】
医薬適合性の担体と組み合わせて式Iの化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩を含む医薬組成物。
【請求項11】
神経系障害の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための請求項1記載の化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩の使用。
【請求項12】
(A)遷移金属触媒の存在下において;式IIIの化合物を式IVの化合物と反応させる段階:
【化7】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、L1は適切な脱離基を表し、M1はボロン酸部分−B(OH)2もしくは有機ジオールと共に形成される該ボロン酸部分の環状エステルを表し、またはM1は−Sn(Alk)3(式中のAlkはC1−6アルキル基を表す)を表し、またはM1は−ZnHal(式中のHalはハロゲンを表す)を表す];もしくは
(B)遷移金属触媒の存在下において;式Vの化合物を式VIの化合物と反応させる段階:
【化8】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(C)遷移金属触媒の存在下において;式VIIの化合物を式VIIIの化合物と反応させる段階:
【化9】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は請求項1で定義されているとおりのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(D)遷移金属触媒の存在下において;式IXの化合物を式Xの化合物と反応させる段階:
【化10】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2は請求項1で定義されているとおりのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(E)トリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジカルボキシレートの存在下において;式XIの化合物を式XIIの化合物と反応させる段階:
【化11】
[式中、X1、X2、R1およびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、Z1はC1−6アルキルまたは場合によって置換されたヘテロアリール(C1−6)アルキルを表す];もしくは
(F)遷移金属触媒の存在下において;式XIVの化合物を式XVの化合物と反応させる段階:
【化12】
[式中、X1、X2、ZおよびR2、は請求項1で定義されているとおりのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものであり、R1aはアリールまたはヘテロアリール部分を表す];もしくは
(G)遷移金属触媒の存在下において;式XVIの化合物を式XVIIの化合物と反応させる段階:
【化13】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は請求項1で定義されているとおりのものであり、R1a、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(H)式XVIII:
【化14】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、TMSはトリメチルシラニルの略号である]
の化合物をアジ化ナトリウムと反応させる段階;もしくは
(J)上で定義されている通りの式XVの化合物を式Ra−OH(式中、Raは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物と反応させる段階;もしくは
(K)上で定義されている通りの式XVの化合物を式RaS−Na+(式中、Raは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物の塩と反応させる段階;もしくは
(L)上で定義されている通りの式XVの化合物を式H−NRaRb(式中、RaおよびRbは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物と反応させる段階;もしくは
(M)遷移金属触媒の存在下において;上で定義されている通りの式XVの化合物を二酸化炭素および式Ra−OH(式中、Raは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物と反応させる段階;もしくは
(N)遷移金属触媒の存在下において;上の式VII(式中、L1はハロゲン原子を表す)の化合物をシアン化亜鉛と反応させる段階;もしくは
(P)式XXII:
【化15】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は請求項1で定義されている通りのものである]
の化合物をジアゾメタンと反応させる段階;または
(Q)式XXIII:
【化16】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は請求項1で定義されている通りのものであり、R2aはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
の化合物をジアゾメタンと反応させる段階;および
(R)続いて、必要な場合には、最初に得られた式Iの化合物を標準的な方法により式Iの更なる化合物へ変換する段階;
を含む、請求項1に記載の化合物を調製するための方法。
【請求項13】
治療を必要としている患者に有効量の請求項1で定義されている通りの式Iの化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む、神経系障害を治療及び/又は予防するための方法。
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
X1は水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチルまたはC1−6アルコキシを表し;
X2は水素またはハロゲンを表し;
Zは水素、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ホルミル、C2−6アルコキシカルボニル、または場合によって置換されたアリール、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−6)アルコキシ基を表し;
R1は水素、炭化水素、ヘテロ環式基、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、−ORa、−OSO2CF3、−SRa、−SORa、−SO2Ra、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRaCORb、−NRaCO2Rb、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRbまたは−CRa=NORbを表し;
R2は水素またはC2−6アルコキシカルボニルを表し;
RaおよびRbは独立的に水素、炭化水素またはヘテロ環式基を表す]
の化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項2】
式IIA:
【化2】
[式中、
Zは請求項1で定義されている通りのものであり;
X11は水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメトキシを表し;
X12は水素またはフルオロを表し;
R11はフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、(C1−6アルキル)(ハロ)フェニル、(トリフルオロメチル)(ハロ)フェニル、C1−6アルコキシフェニル、(C1−6アルコキシ)(ハロ)フェニル、シアノフェニル、(シアノ)(ハロ)フェニル、(場合によってオキソで置換された)C3−7へテロシクロアルキル、C3−7へテロシクロアルケニル、(場合によって1つもしくはそれ以上のハロゲン原子により、及び/又はオキソにより置換された)ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アリール(C1−6)アルコキシ、トリフリルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、C2−6アルケニルアミノ、C3−7シクロアルキルアミノ、(場合によってC1−6アルコキシで置換された)アリール(C1−6)アルキルアミノまたはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
により表される、請求項1に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項3】
式IIB:
【化3】
[式中、X11、X12およびR11は請求項2で定義されている通りのものであり;
R3は水素またはフルオロを表す]
により表される、請求項2に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項4】
式IIC:
【化4】
[式中、X11、X12およびR11は請求項2で定義されている通りのものであり;
R4は水素、フルオロ、シアノまたはメチルを表す]
により表される、請求項2に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項5】
式IID:
【化5】
[式中、X11、X12およびR11は請求項2で定義されている通りのものであり;
R4は請求項4で定義されている通りのものであり;
R5は水素またはフルオロを表す]
により表される、請求項2に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項6】
式IIE:
【化6】
[式中、
VはNを表し、WはCFを表し;もしくは
VはCFを表し、WはNを表し;または
VおよびWが共にCFを表し;
X12は請求項2で定義されている通りのものであり;
R5は請求項5で定義されている通りのものである]
により表される、請求項5に記載の化合物および該化合物のN−オキシド、ならびに該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項7】
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン−4−カルボン酸メチルエステル;
3,5−ジフェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]3−フェニルピリダジン;
5−(3−イソプロポキシフェニル)−3−フェニルピリダジン:
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
4,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(3−シアノフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]ピリダジン;
3−フェニル−5−(3−[1,2,4]トリアゾル−4−イルフェニル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[2−フルオロ−3−(ピリジン−4−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イル)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
[3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)フェニル]アセトニトリル;
2−フルオロ−5−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
5−(3−ニトロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)安息香酸メチルエステル;
3−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ベンズアルデヒド;
5−(3−フルオロフェニル)−3−フェニルピリダジン;
3−フェニル−5−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−(3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3,2’−ジフルオロ−5’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−フェニルピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(チエン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−3−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(4−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(ピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロフェニル)ピリダジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−メトキシフェニル)ピリダジン;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−[6−(3−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(3,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
5’−[6−(2−クロロフェニル)ピリダジン−4−イル]−6,2’−ジフルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(4−メトキシフェニル)−5−フェニルピリダジン;
4−フルオロ−3’−[6−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(4−クロロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
2−{5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン−3−イル}−5−フルオロベンゾニトリル;
3−(4−クロロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(フラン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−3−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チエン−2−イル)ピリダジン;
3−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,4−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
4−{5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イル}ベンゾニトリル;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−メチルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−イソプロピルアミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−シクロプロピルアミン;
N−アリル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−エチルアミン
N−ベンジル−N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]アミン;
N−[5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン−3−イル]−N−(2−メトキシベンジル)アミン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−(2,5−ジヒドロピロル−1−イル)ピリダジン;
5−(3−ブロモフェニル)−3−エトキシピリダジン;
3−アリルオキシ−5−(3−ブロモフェニル)ピリダジン;
3−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3−[6−(2−メトキシベンジルアミノ)ピリダジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)ベンゾニトリル;
3’−(6−エチルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−イソプロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−プロピルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−シクロプロピルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−アリルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルアミノピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メチルアミノピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
4−フルオロ−3’−(6−メトキシピリダジン−4−イル)ビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−エトキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
3’−(6−ベンジルオキシピリダジン−4−イル)−4−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾル−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−4−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(ピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]−3−フェニルピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピラジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(チアゾル−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(ピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(1H−[1,2,3]トリアゾル−4−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−カルボン酸エチルエステル;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロフェニル)ピリダジン−1−オキシド;
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
から選択される化合物および該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項8】
3−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
トリフルオロメタンスルホン酸5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン−3−イルエステル;
3−エチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−tert−ブチルスルファニル−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)ピリダジン1−オキシド;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3−フルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[2,4−ジフルオロ−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−[4−フルオロ−3−(3−フルオロピリジン−2−イル)フェニル]ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
から選択される化合物および該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項9】
3−(3,5−ジフルオロ−1−オキシピリジン−4−イル)−5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]ピリダジン;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2’−フルオロビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
4,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2−{5−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]−2−フルオロフェニル}ニコチノニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
2’−フルオロ−5’−[6−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
6,2’−ジフルオロ−5’−[6−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン−4−イル]ビフェニル−2−カルボニトリル;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6−フルオロ−2’−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−(6,2’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)ピリダジン;
3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−5−(6,2’,4’−トリフルオロビフェニル−3−イル)ピリダジン;
5−[3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル]−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
から選択される化合物および該化合物の医薬適合性の塩。
【請求項10】
医薬適合性の担体と組み合わせて式Iの化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩を含む医薬組成物。
【請求項11】
神経系障害の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための請求項1記載の化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩の使用。
【請求項12】
(A)遷移金属触媒の存在下において;式IIIの化合物を式IVの化合物と反応させる段階:
【化7】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、L1は適切な脱離基を表し、M1はボロン酸部分−B(OH)2もしくは有機ジオールと共に形成される該ボロン酸部分の環状エステルを表し、またはM1は−Sn(Alk)3(式中のAlkはC1−6アルキル基を表す)を表し、またはM1は−ZnHal(式中のHalはハロゲンを表す)を表す];もしくは
(B)遷移金属触媒の存在下において;式Vの化合物を式VIの化合物と反応させる段階:
【化8】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(C)遷移金属触媒の存在下において;式VIIの化合物を式VIIIの化合物と反応させる段階:
【化9】
[式中、X1、X2、Z、R1およびR2は請求項1で定義されているとおりのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(D)遷移金属触媒の存在下において;式IXの化合物を式Xの化合物と反応させる段階:
【化10】
[式中、X1、X2、Z、R1、R2は請求項1で定義されているとおりのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(E)トリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジカルボキシレートの存在下において;式XIの化合物を式XIIの化合物と反応させる段階:
【化11】
[式中、X1、X2、R1およびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、Z1はC1−6アルキルまたは場合によって置換されたヘテロアリール(C1−6)アルキルを表す];もしくは
(F)遷移金属触媒の存在下において;式XIVの化合物を式XVの化合物と反応させる段階:
【化12】
[式中、X1、X2、ZおよびR2、は請求項1で定義されているとおりのものであり、L1およびM1は上で定義されている通りのものであり、R1aはアリールまたはヘテロアリール部分を表す];もしくは
(G)遷移金属触媒の存在下において;式XVIの化合物を式XVIIの化合物と反応させる段階:
【化13】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は請求項1で定義されているとおりのものであり、R1a、L1およびM1は上で定義されている通りのものである];もしくは
(H)式XVIII:
【化14】
[式中、X1、X2、ZおよびR2は請求項1で定義されている通りのものであり、TMSはトリメチルシラニルの略号である]
の化合物をアジ化ナトリウムと反応させる段階;もしくは
(J)上で定義されている通りの式XVの化合物を式Ra−OH(式中、Raは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物と反応させる段階;もしくは
(K)上で定義されている通りの式XVの化合物を式RaS−Na+(式中、Raは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物の塩と反応させる段階;もしくは
(L)上で定義されている通りの式XVの化合物を式H−NRaRb(式中、RaおよびRbは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物と反応させる段階;もしくは
(M)遷移金属触媒の存在下において;上で定義されている通りの式XVの化合物を二酸化炭素および式Ra−OH(式中、Raは請求項1で定義されている通りのものである)の化合物と反応させる段階;もしくは
(N)遷移金属触媒の存在下において;上の式VII(式中、L1はハロゲン原子を表す)の化合物をシアン化亜鉛と反応させる段階;もしくは
(P)式XXII:
【化15】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は請求項1で定義されている通りのものである]
の化合物をジアゾメタンと反応させる段階;または
(Q)式XXIII:
【化16】
[式中、X1、X2、ZおよびR1は請求項1で定義されている通りのものであり、R2aはC2−6アルコキシカルボニルを表す]
の化合物をジアゾメタンと反応させる段階;および
(R)続いて、必要な場合には、最初に得られた式Iの化合物を標準的な方法により式Iの更なる化合物へ変換する段階;
を含む、請求項1に記載の化合物を調製するための方法。
【請求項13】
治療を必要としている患者に有効量の請求項1で定義されている通りの式Iの化合物もしくは該化合物のN−オキシド、または該化合物の医薬適合性の塩を投与することを含む、神経系障害を治療及び/又は予防するための方法。
【公表番号】特表2006−507237(P2006−507237A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−527013(P2004−527013)
【出願日】平成15年8月4日(2003.8.4)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003376
【国際公開番号】WO2004/014865
【国際公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年8月4日(2003.8.4)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003376
【国際公開番号】WO2004/014865
【国際公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】
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