GAPDHmRNAの測定方法

【課題】ヒトのGAPDH mRNAのみを特異的に増幅し測定可能であり、ヒト以外の生物由来のGAPDH mRNAが混入しても測定結果に影響を与えないGAPDH mRNAの測定方法を提供すること。
【解決手段】GAPDH mRNA中の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、相補的な配列を有する第二のプライマーを用い、逆転写酵素により、プロモーター配列を含む2本鎖DNAを生成し、該2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼによりRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記逆転写酵素によるDNA合成の鋳型となって前記2本鎖DNAを生成する工程からなるRNA増幅工程において、増幅されたRNA産物量を、増幅されたRNAと相補的2本鎖を形成するとシグナル特性が変化するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブで経時的に測定することによる、GAPDH mRNAの測定方法により前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GAPDH(Glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenase)mRNAの測定方法に関する。より正確には、本発明は40から60℃の範囲内の一定温度で、GAPDH mRNAを増幅し測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分子生物学の進歩により、遺伝的疾患のみならず様々な疾患と遺伝子の因果関係について研究が進み、特定の疾患を発症したときに特異的に発現量が変化する遺伝子(マーカー遺伝子)が次々と明らかになってきている。これらの情報は、診断や治療という形で医療に応用されている。マーカー遺伝子の発現量を測定する遺伝子検査もその一つであり、癌をはじめ神経変性疾患や生活習慣病などで遺伝子検査は新しい診断法として導入されつつある。
マーカー遺伝子の発現量の変動を調べるには、常に一定量発現している遺伝子の発現量をリファレンスとして同時に測定し、リファレンスの発現量で補正する必要がある。これによって試料(検体)の採取やサンプル調製における差異といったことに影響されることなく、正確にマーカー遺伝子の発現量を測定することが可能となる。
リファレンスとする遺伝子としては、細胞機能を維持するために不可欠なタンパク質、例えば、GAPDH、PBGD(porphobilinogen deaminase)、HPRT(hypoxanthin phosphoribosyl transferase)、β2M(β−2−microglobulin)、G6PDH(glucose−6−phosphate dehydrogenase)、ALAS(5−aminolevulinate synthase)、βアクチン(beta actin)等をコードする、いわゆるハウスキーピング遺伝子や、18SrRNA等が考えられる。中でもGAPDHをコードする遺伝子は、組織や細胞内の発現量が高く、組織間での発現量の差が小さい(非特許文献1)ことから、そのmRNA(以下、GAPDH遺伝子のmRNAをGAPDH mRNAと称することがある)はRT−PCR(Reverse Transcription−Polymerase Chain Reaction)法によるマーカー遺伝子の発現量の定量においてリファレンス遺伝子としてよく用いられている(非特許文献2から6)。
【0003】
ところで、一定温度でRNAを増幅する核酸増幅法として、いわゆるNASBA法(特許文献1及び2)やTMA法(特許文献3)が知られている。これらのRNA増幅方法は、測定されるべきRNAに対してプロモーター配列を含むプライマー、逆転写酵素及び必要に応じてリボヌクレアーゼH(RNase H)を使用してプロモーター配列を含む2本鎖DNAを合成し、RNAポリメラーゼによって測定されるべきRNAの特定塩基配列を含むRNAを合成し、該RNAを引き続きプロモーター配列を含む2本鎖DNA合成の鋳型とすることによって連鎖反応を行なうものである。また、増幅された核酸を測定する方法としては、例えばRNA増幅の過程で、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブを用いる方法が知られている(特許文献4及び非特許文献7)。このインターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブは、増幅されたRNAと相補的2本鎖を形成するとそのインターカレーター性蛍光色素部分がこの相補的2本鎖部分にインターカレートし、結果として蛍光特性が変化するものである。そこで、かかる核酸プローブの存在下、前記RNA増幅方法を実施し、蛍光特性の変化を測定するという簡便な操作により、一定温度で、しかも増幅と測定に必要な全ての試薬を密閉容器内に投入する一段階の操作のみで、RNA増幅及び測定を実施して迅速に結果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2650159号公報
【特許文献2】特許3152927号公報
【特許文献3】特許3241717号公報
【特許文献4】特開2000−14400号公報
【特許文献5】特開平7−59572号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Vandesompele J.et al,Genome Biol.,3,Research0034(2002)
【非特許文献2】Murphy D.et al,Mol.Cancer,9,14(2010)
【非特許文献3】Barbany G.et al,Clin.Chem.,46,913−920(2000)
【非特許文献4】Medeiros L. J.et al,Mod.Pahol.,15,556−564(2002)
【非特許文献5】Ikeguchi M.et al,Cancer,95,1938−1945(2002)
【非特許文献6】Miyanaka Y.et al,World J Gastroenterol.,13,2939−2944(2007)
【非特許文献7】Ishiguro T.et al,Anal.Biochem.,314,77−86(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したようなRNAを増幅し測定する方法は、40から60℃という比較的低い範囲内の一定温度でRNAを増幅し測定できる一方で、一般にmRNAのような一本鎖RNAは高次構造を形成しやすいことから、測定されるべきmRNAが形成する高次構造が増幅や測定に使用するプライマー又はプローブのmRNAへの結合を阻害し、その増幅、測定に影響を与える可能性がある。
【0007】
更にGAPDHは、ほぼ全ての生物に見られる生体内グルコース代謝過程である解糖系に関与し、しかもそれをコードする遺伝子の塩基配列は多くの真核生物の間で高く保存されている。参考のため、ヒト、ブタ、ウシ、ニワトリ及び大腸菌のGAPDH mRNAの塩基配列の一部を図1に示すが、ORF(Open Reading Frame)の配列は真核生物でない大腸菌をも含めて高い相同性を有している。この高い相同性ゆえに、例えばGAPDH mRNAのORF内の部分(配列)をリファレンス遺伝子とし、ヒト由来の試料中の特定の遺伝子を測定する場合に、試料又は測定に使用する試薬にヒト以外の生物由来のGAPDH mRNAが混入していると、その生物のGAPDH mRNAをも増幅し測定してしまい、測定対象である特定の遺伝子の測定結果に影響を与えてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明の発明者らは、上記課題を解決し、(ア)測定されるべきmRNAが高次構造を形成したとしても、その増幅、測定に影響を与えないGAPDH mRNAの測定方法、そして(イ)ヒトのGAPDH mRNAのみを特異的に増幅し測定可能であり、ヒト以外の生物由来のGAPDH mRNAが混入しても測定結果に影響を与えないGAPDH mRNAの測定方法、を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、試料中のGAPDH mRNAの測定方法において、GAPDH mRNA内の特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー及び特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーを用いた、下記の工程からなる測定方法であり、ここで第一又は第二のプライマーのいずれか一方はその5'末端にRNAポリメラーゼのプロモーター配列が付加されたプライマーであり、また(i)前記第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであるか、又は、(ii)前記第一のプライマーが配列番号11で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、測定方法。
(1)RNAを鋳型とする、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素によるRNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)1本鎖DNAを鋳型とする、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、特定塩基配列又は特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素による前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生成する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)前記RNA転写産物量を測定する工程。
また本発明は、GAPDH mRNAを特異的に増幅し又は測定するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9から配列番号11、配列番号20から配列番号23、配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする。更に本発明は、かかるオリゴヌクレオチドを少なくとも一つ含むことを特徴とする、GAPDH mRNAの測定試薬である。
そして本発明は、ヒトのGAPDH mRNAを特異的に増幅し又は測定するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9、配列番号20、配列番号21及び配列番号34に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の試料とは、RNAを含む核酸試料を意味する。本発明は、ヒト細胞、ヒト組織、体液、血液、尿、便、リンパ液、乳管液又は腹腔や胸腔の洗浄液等を材料として、例えば特許文献5などに記載された方法に基づいて調製した試料を使用し、当該試料を直接的に測定することで、当該試料の由来元であるヒト細胞や組織などに含まれるGAPDH mRNAの測定を行なうものである。
【0011】
本発明の特定塩基配列とは、GAPDH mRNAのうち、第一のプライマーとの相同領域の5’末端から第二のプライマーとの相補領域の3’末端までの塩基配列に相同なRNA又はDNAの塩基配列を示す。すなわち、GAPDH mRNA上で、第一のプライマーは特定塩基配列の5’末端から3’方向に少なくとも連続する15塩基以上と相同的であり、第二のプライマーは特定塩基配列の3’末端から5’方向に少なくとも連続する15塩基以上と相補的である。これにより、本発明では前記特定塩基配列に由来するRNA転写産物が増幅されることになる。本発明の第一のプライマーとの相同領域の5’末端部位とは、特定塩基配列内で該相同領域の5’末端を含む部分配列からなり、当該部位は後述する切断用オリゴヌクレオチドとの相補領域と第一のプライマーとの相同領域が重複する部位である。
【0012】
本発明のプロモーターとは、RNAポリメラーゼが結合して転写を開始する部位である。種々のRNAポリメラーゼに特異的なプロモーター配列が知られており、本発明は特にプロモーターを限定するものではないが、分子生物学的実験などで通常用いられている、T7プロモーター、SP6プロモーター、T3プロモーター等が好ましい。また前記配列に転写効率に関わる付加配列を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の相補的な配列とは、高ストリンジェントな条件において対象となる塩基配列に対してハイブリダイゼーション可能な配列をいう。高ストリンジェントな条件の一例として、本発明の実施例に記載の核酸増幅反応液組成をあげることができる。また、本発明の相同的な配列とは、高ストリンジェントな条件において対象となる塩基配列の完全相補配列に対してハイブリダイゼーション可能な配列をいう。したがって、本発明でいう相補的又は相同的な配列は、高ストリンジェントな条件においてハイブリダイゼーションの特異性及び効率に影響を与えない範囲内であれば長さなどを任意に設定することが可能であることはいうまでもない。さらに、ハイブリダイゼーションの特異性及び効率に影響を与えない範囲で、1から数塩基の置換・欠失・挿入がなされた塩基配列を用いてもよい。
【0014】
本発明のヌクレオチドもしくは核酸とは、天然に存在する塩基、糖及び糖間結合からなるヌクレオチド又はヌクレオシド(RNA及びDNAの双方を含む)のことをいい、そのオリゴマー(オリゴヌクレオチド、例えば、2から100塩基程度)及びポリマー(ポリヌクレオチド、例えば、100塩基以上)を含む総称である。本発明のヌクレオチド又は核酸は、同様に機能する天然に存在しないモノマー、蛍光分子、及び放射性同位体で標識されたモノマー、更にはこれらを含むオリゴマー又はポリマーなども含む。
【0015】
本発明のプライマーとは、核酸増幅反応において鋳型とハイブリダイズし、核酸増幅反応(核酸の伸長反応)を開始するのに必要なヌクレオチドのことをいい、核酸増幅反応において増幅を所望する鋳型を基に、その鋳型とハイブリダイズし、PCR法、LAMP法、ICAN法、NASBA法、TMA法、3SR法、TRC法といった核酸増幅反応により、鎖長又は配列において特異的な生成物が得られるように、好ましくはプライマー自身がその鋳型に特異的な配列を含むよう設計される。プライマーの長さは、通常15から100塩基、好ましくは15から35塩基の鎖長を有するように設計されるが、当該鎖長に限られるものではない。従って本発明の第一及び第二のプライマーは、本発明に記載する塩基配列の範囲内で、少なくとも連続する15塩基以上の任意の配列の中から選定することができる。すなわち、本発明におけるGAPDH mRNA測定のための好適な第一及び第二のプライマーの組み合わせとしては、
(i)第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、又は、
(ii)前記第一のプライマーが配列番号11で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
【0016】
本発明におけるGAPDH mRNA検出のためのより好適な第一及び第二のプライマーの組み合わせとしては、
(i)前記第一のプライマーが配列番号12から配列番号16で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号24から配列番号29で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、又は、
(ii)前記第一のプライマーが配列番号17から配列番号19で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号30から配列番号33で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
【0017】
本発明の測定方法においては、GAPDH mRNAをcDNA合成の鋳型となる前に該RNA内の特定核酸配列の前記5’末端部位で切断することができる。特定核酸配列の5’末端部位で切断されることで、cDNA合成後に、cDNAにハイブリダイズした第一のプライマーのプロモーター配列に相補的なDNA鎖を、前記cDNAの3’末端を伸長することにより効率的に合成することができ、結果として機能的な2本鎖DNAプロモーター構造を形成する。このような切断方法として、GAPDH mRNA内の特定塩基配列の5’末端部位(該特定塩基配列内の5’末端部位を含む部分配列)に重複し、かつ5’方向に隣接する領域に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、切断用オリゴヌクレオチドとする)を添加することによってRNA−DNA2本鎖を形成させ、形成されたRNA−DNA2本鎖のRNA部分をリボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素などにより切断する方法を例示できる。該切断用オリゴヌクレオチドの3’末端にある水酸基は伸長反応を防止するために適当な修飾を施されたもの、例えばアミノ化等されているものを使用することが好ましい。好適な切断用オリゴヌクレオチドとして、GAPDH mRNAの一部に相補的な配列番号1から配列番号で示されたいずれかの配列に対して相同的な配列からなるオリゴヌクレオチドが例示できる。
【0018】
本発明の標的RNAとは、RNA転写産物上の特定塩基配列のうち、前記プライマーとの相同又は相補領域以外の配列を示し、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブとの相補的結合が可能である配列を有する。よって、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブは、本発明の特定塩基配列の一部と相補的、又は相同的な配列となる。好適なインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブとして、GAPDH mRNAの一部に相補的な配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの配列に対して相同的、又は相補的な配列の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブが挙げられる。また他の好適なインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブとして、GAPDH mRNAの一部に相補的な配列番号35から配列番号38に示されたいずれかの配列に対して相同的、又は相補的な配列の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブが挙げられる。
【0019】
本発明におけるGAPDH mRNA測定のための好適な切断用オリゴヌクレオチド、第一のプライマー、第二のプライマー及びインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの好適な組み合わせとしては、
(i)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1から配列番号5に示されたいずれかの配列に対して相同的な配列からなるオリゴヌクレオチド、第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有し、かつ特定核酸配列中の当該プライマーとの相同領域の5’末端部位は配列番号1から5に記載の配列の相補領域と重複する)、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基のオリゴヌクレオチド、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号34に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブ、又は、
(ii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号6から配列番号8に示されたいずれかの配列に対して相同的な配列からなるオリゴヌクレオチド、第一のプライマーが配列番号11に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有し、かつ特定核酸配列中の当該プライマーとの相同領域の5’末端部位は配列番号6から配列番号8に示されたいずれかの配列の相補領域と重複する)、第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基のオリゴヌクレオチド、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列に対して相同的な配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブ、を例示することができる。なお、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの相補配列と、第一のプライマーの相同配列及び第二のプライマーの相補配列とは重複しないように設計する。
【0020】
また本発明におけるGAPDH mRNA測定のためのより好適な切断用オリゴヌクレオチド、第一のプライマー、第二のプライマー及びインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの好適な組み合わせとしては、
(i)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号12に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(ii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号2に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号13に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(iii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号3に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号14に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(iv)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号4に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号15に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(v)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号5に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号16に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(vi)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号6に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号17に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号30又は配列番号33に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、
(vii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号7に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号18に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号30から配列番号33に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、又は、
(viii)切断用オリゴヌクレオチドが配列番号8に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号19に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号30から配列番号33に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号37又は配列番号38に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
本発明におけるGAPDH mRNA測定の中でも、ヒトのGAPDH mRNAを特異的に測定するためのより好適な切断用オリゴヌクレオチド、第一のプライマー、第二のプライマー及びインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの好適な組み合わせとしては、切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1又は配列番号2に示された配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第一のプライマーが配列番号12又は配列番号13に示された配列からなるオリゴヌクレオチド(なお、第一のプライマーはその5’末端にプロモーター配列を有する)であり、第二のプライマーが配列番号24から配列番号29に示されたいずれかの配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドであり、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35又は配列番号36に示された配列より選ばれる一種のオリゴヌクレオチドである、を例示することができる。
【0021】
本発明のGAPDH mRNAの測定方法では、種々の酵素(1本鎖RNAを鋳型とするRNA依存DNAポリメラーゼ活性を有する酵素(逆転写酵素)、RNase H活性を有する酵素、1本鎖DNAを鋳型とするDNA依存DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、及びRNAポリメラーゼ活性を有する酵素)を使用する。各酵素は、いくつかの活性を合わせ持つ酵素を使用してもよいし、それぞれの活性を持つ複数の酵素を使用してもよい。また、1本鎖RNAを鋳型とするRNA依存DNAポリメラーゼ活性、RNase H活性、及び1本鎖DNAを鋳型とするDNA依存DNAポリメラーゼ活性の三つの活性を有する逆転写酵素に、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素を添加するのみだけでなく、必要に応じてRNase H活性を有する酵素をさらに添加してもよい。前記逆転写酵素は、分子生物学的実験などで汎用されているAMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素又はこれらの誘導体が好ましく、AMV逆転写酵素とその誘導体が最も好ましい。また、前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素としては、分子生物学的実験などで汎用されているバクテリオファージ由来のT7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、及びこれらの誘導体を例示できる。
【0022】
本発明の一態様では、試料中のGAPDH mRNAに切断用オリゴヌクレオチドを添加し、逆転写酵素のRNase H活性により特定塩基配列の5’末端部位でRNAを切断する。切断された前記RNAを鋳型として第一及び第二のプライマーの存在下で逆転写酵素による逆転写反応を実施すると、第二のプライマーがGAPDH mRNA内の特定塩基配列に結合し、逆転写酵素のRNA依存DNAポリメラーゼ活性によりcDNA合成が行なわれる。得られたRNA−DNA2本鎖は逆転写酵素のRNase H活性によってRNA部分が分解され、解離することによって第一のプライマーがcDNAに結合する。引き続いて、逆転写酵素のDNA依存DNAポリメラーゼ活性により特定塩基配列由来で、かつ5’末端にプロモーター配列を有する2本鎖DNAが生成される。該2本鎖DNAは、プロモーター配列下流に特定塩基配列を含み、RNAポリメラーゼにより特定塩基配列に由来するRNA転写産物を生産する。該RNA転写産物は、第一及び第二のプライマーによる2本鎖DNA合成のための鋳型となって、一連の反応が連鎖的に進行し、RNA転写産物が増幅されていく。
【0023】
このような連鎖反応を進行させるために、前記各酵素に必要な要素として、少なくとも、緩衝剤、マグネシウム塩、カリウム塩、ヌクレオシド−三リン酸、リボヌクレオシド−三リン酸を使用する。また、反応効率を調節するための添加剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジチオスレイトール(DTT)、ウシ血清アルブミン(BSA)、糖などを添加することもできる。また測定を実施する反応温度については、例えばAMV逆転写酵素及びT7 RNAポリメラーゼを用いる場合は35から65℃の範囲で反応温度を設定することが好ましく、40から60℃の範囲で設定することがより好ましく、さらに好ましくは43℃に設定する。このように逆転写酵素及びRNAポリメラーゼが活性を示す任意の温度に反応温度を設定することで、前記RNA増幅工程を一定温度で進行させることが可能である。
【0024】
増幅されたRNA転写産物量は、既知の核酸測定法により測定することが可能である。かかる測定法としては、電気泳動や液体クロマトグラフィーを用いた方法、検出可能な標識で標識された核酸プローブによるハイブリダイゼーション法などが例示できる。しかしながら、これらは操作が多工程であり、また増幅産物を系外に取り出して分析するため二次汚染の原因となる増幅産物の環境への飛散の可能性があるため、標的核酸と相補結合することによって蛍光特性が変化するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブを用いることが好ましい。そのようなオリゴヌクレオチドプローブとしてモレキュラービーコン等のFRETを利用したプローブを使用することができるが、プローブ設計やプローブ合成の容易性から、インターカレーター性蛍光色素で標識され、かつ標的核酸と相補的2本鎖を形成するとインターカレーター性蛍光色素部分が前記相補的2本鎖部分にインターカレートすることによって蛍光特性が変化するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブの存在下、前記核酸増幅工程を実施し、蛍光特性の変化を測定することが特に好ましい(特許文献4及び非特許文献7参照)。
【0025】
インターカレーター性蛍光色素としては特に限定されないが汎用されているオキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、エチジウムブロマイド、及びこれらの誘導体などが利用できる。インターカレーター性蛍光色素の蛍光特性の変化としては、蛍光強度の変化がある。たとえばオキサゾールイエローの場合、2本鎖DNAにインターカレートすることによって510nmの蛍光(励起波長490nm)が顕著に増加することが知られている。インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブは、RNA転写産物上の標的RNAに対して相補的なオリゴヌクレオチドで、末端、リン酸ジエステル部又は塩基部分に適当なリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素が結合されている。オリゴヌクレオチドへのインターカレーター性蛍光色素の結合は、既知の方法や市販されているLabel−ON Reagents(Clontech社製)などを用いてでオリゴヌクレオチドに官能基を導入し、インターカレーター性蛍光色素を結合させれば良い(特許文献4及び非特許文献7参照)。
なお、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブは、前記RNA増幅反応を阻害しないため、その存在下で前記特定塩基配列の増幅を実施して、特定塩基配列の増幅の様子をモニタリングすることが可能である。なお、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ共存下で特定塩基配列の増幅を行なう場合には、そのプローブ部分が伸長反応のプライマーとして機能しないよう、3’末端の水酸基からの伸長を防止する目的で該3’末端グリコール酸やビオチンを付加するなどの適当な修飾をしておくことが好ましい。そして増幅反応中にこのインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが特定塩基配列と結合して発する蛍光信号を蛍光検出器によって測定し、そのプロファイルから得られる情報(例えば蛍光色素が発する蛍光の強度が一定の強度に達するまでに要した反応時間等)を既知量の標準RNAに関するプロファイルから得られる情報と比較することにより、特定塩基配列の存在の有無の確認、又は増幅された特定塩基配列の量(RNAコピー数)から試料中に存在した特定核酸配列の量(対象となったRNAコピー数)を推定することができる。
【0026】
また、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブを使用することにより、前記RNA増幅に要する全ての試薬、当該プローブ及び試料を単一の容器に封入可能となる。即ち、一定量の試料をかかる単一容器に分注するという操作さえ実施すれば、その後は自動的にGAPDH mRNAを測定することができる。この容器は、例えば蛍光色素が発する信号を外部から測定可能なように、少なくともその一部分が透明な材料で構成されてさえいればよく、試料を分注した後に密閉することが可能であるため、コンタミネーションを防止する上で特に好ましい。
【0027】
本発明の測定方法の一態様について説明すると、試料に対し、少なくとも、5’末端にT7プロモーター配列(配列番号39)を有する第一のプライマー、第二のプライマー、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ、切断用オリゴヌクレオチド、AMV逆転写酵素、T7RNAポリメラーゼ、緩衝剤、マグネシウム塩、カリウム塩、ヌクレオシド−三リン酸、リボヌクレオシド−三リン酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む増幅試薬を添加し、反応温度40から60℃、好ましくは43℃の一定温度で反応させると同時に反応液の蛍光強度を経時的に測定する方法が例示できる。この態様においては、蛍光強度を経時的に測定することから有意な蛍光増加が認められた任意の時間で測定を終了することが可能であり、核酸増幅及び測定をあわせて通例30分以内で終了することが可能である。この態様は、RNA増幅と測定を一段階、一定温度で実施可能であるため、RT−PCRに比べて簡便で自動化に適している。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、比較的低温かつ一定温度(40から60℃、好ましくは43℃)条件下で、GAPDH mRNAを一段階の操作により、特異的かつ迅速・高感度に増幅し、増幅産物を直接的に測定することができる。本発明では、試料中の測定すべきRNA(GAPDH mRNA)をもとにして、DNA依存性RNAポリメラーゼのプロモーター領域を5’末端を有する2本鎖DNAが合成され、前記DNAを鋳型に多量の1本鎖RNAが生成され、さらに生成された1本鎖RNA量は飛躍的に増大し、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブが、生成した1本鎖RNAと相補結合することにより蛍光増加を測定する工程において、蛍光強度が増加する過程を解析することにより、簡便、かつ迅速に初期RNA量を決定することが可能である。本発明のGAPDH mRNA測定方法は、核酸増幅及び測定の時間が30分以内であり、これは既存のRT−PCR法(通常2時間以上)、NASBA法(90分以上)、TMA法(90分以上)による測定と比較して同等以上に迅速である。
【0029】
また本発明によれば、GAPDH mRNAを増幅し測定するためのオリゴヌクレオチド、特にGAPDH mRNAを一段階操作で増幅し測定するためのオリゴヌクレオチドが提供される。その結果、本発明のオリゴヌクレオチドを利用することにより、GAPDH mRNAを増幅し測定する簡便、迅速かつ高感度な測定を実現すること、ならびにGAPDH mRNAの簡便、迅速かつ高感度な定量試薬を提供することが可能となる。特に本発明は、ヒトのGAPDH mRNAの特異的な測定を実現し、そのための定量試薬を提供することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ヒト、ブタ、ウシ、ニワトリならびに大腸菌のGAPDH mRNAの塩基配列の一部を示す。それぞれの配列の相同性検索の結果、相同性が50%以上一致している塩基を黒地に白抜きで表している。また、翻訳開始コドン(ATG)よりも上流のUTR(Untranslated Region)、及び翻訳開始コドン意向のORF(Open Reading Frame)を表示してある。
【図2】GAPDH RNAの検量線を示す。(a)表1のオリゴヌクレオチドの組み合わせ[2]、(b)組み合わせ[18]、(c)組み合わせ[28]、(d)組み合わせ[31]、(e)組み合わせ[39]、(f)組み合わせ[47]。縦軸は蛍光強度比が1.2を超えた時間(検出時間、分)であり、横軸は測定に用いた初期の標準RNA量(コピー数)をlogで表したものである。また、各点から求めた線形一次曲線の式及びRの値を記載してある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の態様について、実施例に基づいて説明するが、これらは一例であり、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。。
【実施例】
【0032】
実施例1 標準RNAの調製
GAPDH RNA(以降、標準RNAと称する)は、(1)から(2)に示す方法で調製した。
(1)GenBankに登録されているGAPDHの塩基配列(GenBank Accession No.NM_002046、1310塩基)のうち、26から1310番目の塩基(1285塩基)の2本鎖DNAをクローニングした。
(2)(1)で調製した2本鎖DNAを鋳型として、インビトロ転写を実施した。引き続きDNase I処理によりその2本鎖DNAを完全消化した後、RNAを精製して調製した。当該RNAは、260nmにおける吸光度を測定して定量した。
【0033】
実施例2 インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブの調製
インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを、非特許文献7を参照して作製した。配列番号35に記載の配列の5’末端から14番目のA、配列番号36に記載の配列の5’末端から15番目のA、配列番号37に記載の配列の5’末端から11番目のA、配列番号38に記載の配列の5’末端から11番目のCの位置にLabel−ON Reagents(Clontech社製)を用いてアミノ基を導入し、さらに3’末端をビオチンで修飾した。前記アミノ基にインターカレーター性蛍光色素であるオキサゾールイエローを標識し、オキサゾールイエロー標識オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号35から配列番号38)を調製した。
【0034】
実施例3 GAPDH RNAの測定(その1)
表1に示す本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち[1]から[65]に示す、切断用オリゴヌクレオチド、第一のプライマー、第二のプライマー、インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ(以後、INAFプローブと称する)を用いて、(1)から(4)に示す方法で、標準RNAの測定を行なった。なお表1のうち、配列番号12から配列番号13は配列番号9の部分配列、配列番号14から配列番号16は配列番号10の部分配列、配列番号17から配列番号19は配列番号11の部分配列、配列番号24から配列番号25は配列番号20の部分配列、配列番号26から配列番号29は配列番号21の部分配列、配列番号30から配列番号31は配列番号22の部分配列、配列番号32から配列番号33は配列番号23の部分配列、配列番号35から36は配列番号34の部分配列である。
【0035】
【表1】

(1)実施例1で調製した標準RNAをRNA希釈液(10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、0.1mM EDTA、0.5U/μL リボヌクレアーゼ インヒビター、5.0mM DTT)を用い、2.5×10コピー/5μLになるように希釈し、これをRNA試料として使用した。
(2)以下の組成の反応液20.0μLを0.5mL容PCR用チューブ(Individual PCR tube with dome cap、SSI製)に分注し、これに前記RNA試料5μLを添加した。
【0036】
反応液の組成(濃度は酵素溶液添加後(30μL中)の最終濃度)
60.0mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.6)
18.0mM 塩化マグネシウム
100mM 塩化カリウム
1.0mM DTT
各0.25mM dATP,dCTP,dGTP,dTTP
各3.0mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.6mM ITP
1.0μM 第一のプライマー(当該プライマーには、各配列番号記載の塩基配列の5’末端にT7プロモーター配列(配列番号39)が付加されている。)
1.0μM 第二のプライマー
0.16μM 切断用オリゴヌクレオチド(当該オリゴヌクレオチドの3’末端の
水酸基はアミノ化されている。)
20.0nM INAFプローブ
6.0U リボヌクレアーゼ インヒビター(タカラバイオ社製)
13.0% DMSO
容量調整用蒸留水
(3)上記の反応液を、43℃で5分間保温後、以下の組成で、予め43℃で2分間保温した酵素液5.0μLを添加した。
【0037】
酵素液の組成(反応時(30μL中)の最終濃度)
2.0% ソルビトール
6.4U AMV逆転写酵素(ライフサイエンス社製)
142U T7 RNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)
3.6μg 牛血清アルブミン(タカラバイオ社製)
容量調整用蒸留水
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、43℃で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長510nm)を経時的に20分間測定した。酵素添加時の時刻を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、その時の時間を検出時間とした。表2には、その検出時間ならびに反応時間20分後の反応液の蛍光強度比を示した。
【0038】
【表2】

表1の組み合わせのうち、(i)第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10の部分配列からなり、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21の部分配列からなる組み合わせ(組み合わせ[1]から[6]、[10]から[19]、[24]から[32]、[36]から[41])、及び、(ii)第一のプライマーが配列番号11の部分配列からなり、第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23の部分配列からなる組み合わせ(組み合わせ[42]から[65])では、いずれも2.5×10コピー/5μLの標準RNAを15分以内に検出した。なお、コントロール試験区(標準RNAの代わりにRNA希釈液を反応液に添加して測定)では、反応開始から20分後においても蛍光強度比1.2を超えることはなかった。さらには、上記(i)又は(ii)以外の組み合わせ(組み合わせ[7]から[9]、[20]から[23]、[33]から[35])では、検出時間が15分以降と遅いか、もしくは反応開始から20分後においても蛍光強度比1.2を超えることはなかった。
この結果から、(i)第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ、又は、(ii)第一のプライマーが配列番号11に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23に示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ、のいずれかを用いてRNA増幅反応を行なうことにより、従来技術で最も汎用されるRT−PCR法によるGAPDH mRNAの検出方法(通常2時間以上)と比較してGAPDH RNAを迅速に検出することが示された。
【0039】
組み合わせ[2]と[10]は、第二のプライマー及びINAFプローブは同じで、切断用オリゴヌクレオチドがそれぞれ配列番号1と配列番号2、第一のプライマーがそれぞれ配列番号12と配列番号13である組み合わせである。配列番号1と配列番号2は、5’末端から5番目の塩基のみが、配列番号12と配列番号13は、5’末端から7番目の塩基のみが異なる配列である。ヒトのGAPDH mRNA配列において、この一塩基違いに相当する塩基箇所は、変異が入りやすい箇所と考えられている。しかし、表2に示したように検出時間も蛍光強度比も同じ結果であった。よって、配列番号1で示す切断用オリゴヌクレオチドと配列番号12で示す第一のプライマーを使用する組み合わせと、配列番号2で示す切断用オリゴヌクレオチドと配列番号13で示す第一のプライマーを使用した組み合わせは、第二のプライマー及びINAFプローブは同じ配列が同じであれば、同じ性能を有することが分かった。すなわち、ヒトの組織や細胞などに含まれるGAPDH mRNAの測定において、GAPDH mRNA中に該一塩基変異がある場合においても、測定結果に影響がないことが分かった。
【0040】
また、上記(i)と(ii)の組み合わせを比較すると、表2に示すように(i)の組み合わせの方が、蛍光強度比が高い傾向があることが分かった。組み合わせ(i)では、INAFプローブは配列番号35又は配列番号36を使用したが、蛍光強度比は両者でほとんど変わらなかった。
【0041】
実施例4 GAPDH RNAの測定(その2)
本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、様々な濃度の標準RNAを測定し、検出時間と初期標準RNAとの関係を、オリゴヌクレオチドの組み合わせ、RNA試料を下記内容に変更した他は、実施例3と同様の方法で測定した。
オリゴヌクレオチドの組み合わせとしては、表1に示す組み合わせのうち、表2に示す実施例3の結果より検出時間が9分未満で且つ蛍光強度比が2.0以上であった組み合わせの中から、[2]、[18]、[28]、[31]、[39]、及び[47]を使用した。
RNA試料としては、実施例1で調製した標準RNAを、実施例3(1)で使用したRNA希釈液を用い、それぞれ2.5×10コピー/5μL、2.5×10コピー/5μL、2.5×10コピー/5μL及び2.5×10コピー/5μLに希釈したものを使用した。
酵素添加時の時刻を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした結果を表3に、表3の結果を基に検量線を作成した結果を図2に示す。また、2.5×10コピー/5μLのRNA試料を測定したときの反応開始後20分後における蛍光強度比も合わせて表3に記載した。
【0042】
【表3】

本実施例で検討した全てのオリゴヌクレオチドの組み合わせにおいて、酵素添加後10分以内に測定した全ての濃度の標準RNAを検出した。また、検出時間を縦軸に、初期の標準RNA濃度量(コピー数をlogで表したもの)を横軸にしてプロットしたところ、本実施例で検討した全ての組み合わせにおいて、2.5×10コピーの低コピー領域から検出時間は初期RNA量依存的であり、検量線は線形一次曲線で近似することができた。すなわち、未知試料について、本発明のGAPDH mRNAの測定を行ない、得られた検出時間を図2に示す検量線に当てはめることで、未知試料に含まれるGAPDH mRNAの量を推測可能であることが示された。
【0043】
なお、本実施例で検討した組み合わせの中でも組み合わせ[39]は最も検出時間が早く、2.5×10コピー/5μLの検出時間は5分未満であった。酵素液を添加しバックグラウンドの蛍光強度値を測定するのに数分間を要する場合、5分未満と検出時間が早すぎると測定結果の再現性が低下することがある。表2に示すように、配列番号5で示す切断用オリゴヌクレオチドと配列番号16で示す第一のプライマーを使用する組み合わせ(組み合わせ[36]から[41])は、いずれも検出時間が同程度に早く、高濃度のGAPDH mRNAを測定する場合、正確な測定が困難となる可能性がある。
【0044】
実施例5 ヒト組織のRNA抽出物の測定
本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、ヒトの肺からの全RNA抽出物(Ambion社から購入)中のGAPDH mRNAの測定を、オリゴヌクレオチドの組み合わせ、RNA試料を下記内容に変更した他は、実施例3を同様の方法で測定した。
【0045】
オリゴヌクレオチドの組み合わせとしては、実施例4で検討した組み合わせのうち、[39]を除く[2]、[18]、[28]、[31]、及び[47]を使用した。
RNA試料としては、前記したRNA抽出試料を、実施例3(1)で使用のRNA希釈液を用い、500ng/5μL、50ng/5μL、5ng/5μLに希釈したものを使用した。
【0046】
酵素添加時の時刻を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした。その検出時間から、実施例4で得られた検量線(図2)を基に各RNA試料中に含まれるGAPDH mRNA量を計算した結果を表4に示す。
【0047】
【表4】

検量線から求められた各RNA試料中のGAPDH mRNA量は、使用した全RNA抽出物濃度にほぼ比例しており、本発明のオリゴヌクレオチドを用いたGAPDH mRNAの増幅検出法により、ヒト組織中のGAPDH mRNAの発現量を測定できることが示された。
【0048】
実施例6 ヒト以外の動物組織の抽出物の測定
本発明のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、ヒト以外の動物(ブタ、ウシ、ニワトリの肝臓からの全RNA抽出物、ZYAGEN社から購入)及び大腸菌からの全RNA抽出物(大腸菌HB101の培養液から、RNeasy Mini kit (QIAGEN社製)を用いて調製)中のGAPDH mRNAの測定を、オリゴヌクレオチドの組み合わせ、RNA試料を下記内容に変更し、測定時間を30分にした他は、実施例3を同様の方法で測定した。
オリゴヌクレオチドの組み合わせとしては、実施例5で検討した組み合わせのうち、[2]及び[28]を使用した。
【0049】
RNA試料としては、実施例5及び前記したRNA抽出試料を、実施例3(1)で使用のRNA希釈液を用い、500ng/5μLに希釈したものを使用した。
【0050】
酵素添加時の時刻を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグランドの蛍光強度値)が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした結果を表5に示す。
【0051】
【表5】

組み合わせ[2]を使用した場合、ブタならびにニワトリのRNA抽出物を検出しなかったのに対し、組み合わせ[28]を使用すると、ブタならびにニワトリのRNA抽出物を測定した結果、陽性判定となった。前述したように、GAPDHの遺伝子配列は多くの真核生物の間で高く保存されている。特に、図1に示すようにタンパク質をコードしているORFの配列は真核生物のみならず高い相同性を示し、ORF以外の領域では相同性は比較的低いことが分かる。組み合わせ[2]及び[28]の第二のプライマーならびにINAFプローブは同一のオリゴヌクレオチドを使用しているが、組み合わせ[2]は、配列番号1で示す切断用オリゴヌクレオチドと配列番号12で示す第一のプライマーを使用している。配列番号1及び配列番号12は、GAPDH mRNAのORF上流である5’UTR(Untranslated Region)内の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。一方で、組み合わせ[28]は、GAPDH mRNAのORF内の配列にハイブリダイズする配列番号4で示す切断用オリゴヌクレオチドと同じくORF配列にハイブリダイズする配列番号15で示す第一のプライマーを使用している。
すなわち、切断用オリゴヌクレオチドならびに第一のプライマーを5’UTR内にハイブリダイズするように選択することで、他の動物由来のGAPDH mRNAを検出することなく、ヒトのGAPDH mRNAのみを特異的に増幅検出することが可能であることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のGAPDH mRNAの測定方法において、GAPDH mRNA内の特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー及び特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーを用いた、下記の工程からなる測定方法であり、ここで第一又は第二のプライマーのいずれか一方はその5'末端にRNAポリメラーゼのプロモーター配列が付加されたプライマーであり、また(i)前記第一のプライマーが配列番号9又は配列番号10で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号20又は配列番号21で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであるか、又は、(ii)前記第一のプライマーが配列番号11で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号22又は配列番号23で示された塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、測定方法。
(1)RNAを鋳型とする、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素によるRNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)1本鎖DNAを鋳型とする、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による、特定塩基配列又は特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素による前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生成する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)前記RNA転写産物量を測定する工程、
かつ、前記第一及び第二のプライマーが、以下のいずれかであることを特徴とする、前記測定方法:
【請求項2】
前記第一及び第二のプライマーが、以下のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のGAPDH mRNAの測定方法:
(i)前記第一のプライマーが配列番号12から配列番号16で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号24から配列番号29で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである、又は、
(ii)前記第一のプライマーが配列番号17から配列番号19で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドであり、前記第二のプライマーが配列番号30から配列番号33で示されたいずれかの塩基配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドである。
【請求項3】
前記(6)の工程(RNA転写産物量を測定する工程)が、標的RNAと相補的な2本鎖を形成すると蛍光特性が変化するように設計された蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブ共存下で前記蛍光特性の変化を測定することによってなされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の測定方法。
【請求項4】
前記蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが、インターカレーター性蛍光色素をリンカーを介して結合させたインターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブであることを特徴とする、請求項3に記載の測定方法。
【請求項5】
前記インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中の、又は当該相補配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項4に記載の測定方法。
【請求項6】
前記インターカレーター性蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブが配列番号35から配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中の、又は当該相補配列中の少なくとも連続した15塩基からなるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項4に記載の測定方法。
【請求項7】
前記(1)の工程(RNAを鋳型とする、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素によって特定塩基配列に相補的なcDNAを合成する工程)の前に、GAPDH mRNA中の特定塩基配列を鋳型とし、(i)前記特定塩基配列中の、第一のプライマーとの相同領域の5’末端部位と重複した領域、及び当該部位から5’側に隣接する領域に対し相補的な配列を有する、切断用オリゴヌクレオチド、及び、(ii)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素、を用いて、前記特定塩基配列の5’末端部位で前記RNAを切断する工程を行なうことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のGAPDH mRNAの測定方法。
【請求項8】
前記切断用オリゴヌクレオチドが配列番号1から配列番号8で示されたいずれかの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項7に記載の測定方法。
【請求項9】
GAPDH mRNAを特異的に増幅し又は測定するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9から配列番号11、配列番号20から配列番号23、配列番号34、配列番号37及び配列番号38に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする、前記オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
請求項9に記載のオリゴヌクレオチドを少なくとも一つ含むことを特徴とする、GAPDH mRNAの測定試薬。
【請求項11】
ヒトのGAPDH mRNAを特異的に増幅又は検出するためのオリゴヌクレオチドであって、配列番号9、配列番号20、配列番号21及び配列番号34に示されたいずれかの塩基配列中又は当該相補配列中の、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチド含むことを特徴とする、GAPDH mRNAの測定試薬。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−100593(P2012−100593A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252650(P2010−252650)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】