説明

GDF−8に対するアンタゴニスト抗体ならびにALSおよびその他のGDF−8関連障害の処置における使用

【課題】増殖分化因子−8(GDF−8)アンタゴニスト、具体的には、GDF−8に対する抗体、例えば、マウス、ヒトおよびヒト化抗体、ならびにそれらのフラグメント、特にインビトロおよび/またはインビボでGDF−8活性を阻害する医薬組成物を提供する。
【解決手段】増殖分化因子−8(GDF−8)に関連する新規な分子、具体的には、インビトロおよび/またはインビボでGDF−8活性およびシグナル伝達を阻害するものを含む、マウスおよびヒト化抗体、ならびに抗体フラグメント。また、筋肉、骨、およびインスリン代謝、その他、具体的には筋萎縮性側索硬化症(ALS)の変性の順序を診断、処置、寛解、予防、予知、またはモニターする方法であり、その上、抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、およびベクターを用いることによる、このような障害の処置のための医薬組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
GDF−8と結合可能な単離ポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、配列番号1
0のアミノ酸配列、配列番号11のアミノ酸配列、配列番号12のアミノ酸配列、配列番
号13のアミノ酸配列、配列番号14のアミノ酸配列、配列番号15のアミノ酸配列、配
列番号20のアミノ酸配列、配列番号21のアミノ酸配列、配列番号22のアミノ酸配列
、配列番号23のアミノ酸配列、配列番号24のアミノ酸配列、配列番号25のアミノ酸
配列、およびそれらの活性フラグメントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ
酸配列を含む少なくとも1つの相補性決定領域を含む、単離ポリペプチド。
【請求項2】
ポリペプチドが単離抗体である、請求項1に記載の単離ポリペプチド。
【請求項3】
抗体が重鎖を含み、前記重鎖が第1、第2、および第3の相補性決定領域を含み、
第1の相補性決定領域が、配列番号10のアミノ酸配列、配列番号10の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列、配列番号20のアミノ酸配列、および配列番号20の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、
第2の相補性決定領域が、配列番号11のアミノ酸配列、配列番号11の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列、配列番号21のアミノ酸配列、および配列番号21の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ
第3の相補性決定領域が、配列番号12のアミノ酸配列、配列番号12の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列、配列番号22のアミノ酸配列、および配列番号22の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の単
離ポリペプチド。
【請求項4】
重鎖が、配列番号3のアミノ酸配列、配列番号3の活性フラグメントのアミノ酸配列、
配列番号7のアミノ酸配列、および配列番号7の活性フラグメントのアミノ酸配列からな
る群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の単離ポリペプチド。
【請求項5】
抗体が軽鎖を含み、前記軽鎖が第1、第2、および第3の相補性決定領域を含み、
第1の相補性決定領域が、配列番号13のアミノ酸配列、配列番号13の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列、配列番号23のアミノ酸配列、および配列番号23の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、
第2の相補性決定領域が、配列番号14のアミノ酸配列、配列番号14の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列、配列番号24のアミノ酸配列、および配列番号24の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ
第3の相補性決定領域が、配列番号15のアミノ酸配列、配列番号15の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列、配列番号25のアミノ酸配列、および配列番号25の活性フラグメ
ントのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の単
離ポリペプチド。
【請求項6】
軽鎖が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5の活性フラグメントのアミノ酸配列、
配列番号9のアミノ酸配列、および配列番号9の活性フラグメントのアミノ酸配列からな
る群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の単離ポリペプチド。
【請求項7】
抗体が配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、抗体が配列番号3のアミノ酸配列
を含む重鎖をさらに含む、請求項2に記載の単離ポリペプチド。
【請求項8】
抗体が配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、抗体が配列番号7のアミノ酸配列
を含む重鎖をさらに含む、請求項2に記載の単離ポリペプチド。
【請求項9】
抗体が、インタクト抗体、二重特異性抗体、Fdフラグメント、Fabフラグメント、
F(ab’)2フラグメント、scFVフラグメント、およびFvフラグメントからなる
群より選択される、請求項2〜8のいずれか一項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項10】
抗体がdAbフラグメントである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の単離ポリペプ
チド。
【請求項11】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド。
【請求項12】
請求項11に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、前記ポリヌクレオチド
が調節配列と作動可能に連結されている、宿主細胞。
【請求項13】
請求項11に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項14】
請求項11に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養する段階と、前記宿主細胞
によって発現した抗体を回収する段階とを含む、抗体を産生する方法。
【請求項15】
単離および精製された、請求項14に記載の方法により産生した抗体。
【請求項16】
GDF−8関連障害を処置、寛解、および/または予防するための医薬組成物であって
、製薬上許容される担体と、請求項1に記載のポリペプチドおよび請求項1に記載のポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1種類のG
DF−8アンタゴニストとを含む、前記組成物。
【請求項17】
GDF−8関連障害が、哺乳類患者における筋障害、神経筋障害、骨変性疾患、代謝性
または誘発性骨障害、脂肪疾患、グルコース代謝障害、およびインスリン関連障害からな
る群より選択される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
GDF−8関連障害が、筋ジストロフィー、ALS、筋萎縮、器官萎縮、虚弱、うっ血
性閉塞性肺疾患、サルコペニア、悪液質、筋肉消耗症候群、肥満症、2型糖尿病、耐糖能
異常、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、栄養障害、早発性性腺機能不全、アンド
ロゲン抑制、二次性副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、骨減少症、骨関節炎、低骨量、ビタ
ミンD欠乏症、および神経性食欲不振症からなる群より選択される、請求項17に記載の
医薬組成物。
【請求項19】
GDF−8関連障害がALSである、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
治療上有効量のGDF−8アンタゴニストを、治療を必要とする哺乳類患者へ投与する
ことを含む、GDF−8関連障害を処置、寛解、および/または予防する方法。
【請求項21】
治療上有効量のGDF−8アンタゴニストが、毒性がほとんどないかまたは無毒である
、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
GDF−8アンタゴニストが、請求項1に記載のポリペプチドおよび請求項1に記載の
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドからなる群より選択される、請求項21に記
載の方法。
【請求項23】
GDF−8関連障害が、哺乳類患者における筋障害、神経筋障害、骨変性疾患、代謝性
または誘発性骨疾患、脂肪疾患、グルコース代謝障害、およびインスリン関連障害からな
る群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
GDF−8関連障害が、筋ジストロフィー、ALS、筋萎縮、器官萎縮、虚弱、うっ血
性閉塞性肺疾患、サルコペニア、悪液質、筋肉消耗症候群、肥満症、2型糖尿病、耐糖能
異常、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、栄養障害、早発性性腺機能不全、アンド
ロゲン抑制、二次性副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、骨減少症、骨関節炎、低骨量、ビタ
ミンD欠乏症、および神経性食欲不振症からなる群より選択される、請求項23に記載の
方法。
【請求項25】
GDF−8関連障害がALSである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
患者がGDF−8関連障害を患っているかどうかを診断または検知する方法であって、
(a)第1のサンプルを関心対象の患者から得る段階と;
(b)第1のサンプルと請求項2に記載の抗体を接触させる段階と;
(c)第1のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(d)GDF−8関連障害に罹患していない個体から第2のサンプルを得る段階と;
(e)第2のサンプルと前記抗体を接触させる段階と;
(f)第2のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(g)第1および第2のサンプル中のGDF−8のレベルを比較する段階とを含み、第2
のサンプルと比較した第1のサンプル中のGDF−8のレベルの増加、低下、または類似
が、患者がGDF−8関連障害を患っているかどうかを示す、方法。
【請求項27】
GDF−8関連障害の重篤度をモニターする方法であって、
(a)第1の時点でGDF−8関連障害に罹患している患者から採取した第1のサンプル
を得る段階と;
(b)第1のサンプルと請求項2に記載の抗体を接触させる段階と;
(c)第1のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(d)第2の時点で患者から採取した第2のサンプルを得る段階と;
(e)第2のサンプルと前記抗体を接触させる段階と;
(f)第2のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(g)第1および第2のサンプル中のGDF−8のレベルを比較する段階とを含み、第1
のサンプルと比較した第2のサンプル中のGDF−8のレベルの増加、低下、または類似
が、GDF−8関連障害の重篤度が変化したかどうかを示す、方法。
【請求項28】
GDF−8関連障害がALSであり、第2のサンプル中のGDF−8のレベルの低下が
、ALSの重篤度が低下したことを示す、請求項27に記載のモニターする方法。
【請求項29】
GDF−8関連障害の重篤度をモニターする方法であって、
(a)GDF−8関連障害に罹患している患者から第1のサンプルを得る段階と;
(b)第1のサンプルと請求項2に記載の抗体を接触させる段階と;
(c)第1のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(d)GDF−8関連障害に罹患していない個体から第2のサンプルを得る段階と;
(e)第2のサンプルと前記抗体を接触させる段階と;
(f)第2のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(g)第1および第2のサンプル中のGDF−8のレベルを比較する段階とを含み、第2
のサンプルと比較した第1のサンプル中のGDF−8のレベルの増加、低下、または類似
が、GDF−8関連障害の重篤度が変化したかどうかを示す、方法。
【請求項30】
GDF−8関連障害がALSであり、第2のサンプルと比較した第1のサンプル中のG
DF−8のレベルの低下または類似が、ALSの重篤度が低下したことを示す、請求項2
9に記載のモニターする方法。
【請求項31】
患者がGDF−8関連障害を発症する可能性を予知する方法であって、
(a)第1の時点で関心対象の患者から採取した第1のサンプルを得る段階と;
(b)第1のサンプルと請求項2に記載の抗体を接触させる段階と;
(c)第1のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(d)第2の時点で患者から採取した第2のサンプルを得る段階と;
(e)第2のサンプルと前記抗体を接触させる段階と;
(f)第2のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(g)第1および第2のサンプル中のGDF−8のレベルを比較する段階とを含み、第2
のサンプル中のGDF−8のレベルの増加、低下、または類似が、患者がGDF−8関連
障害を発症する可能性を示す、方法。
【請求項32】
GDF−8関連障害がALSであり、第2のサンプル中のGDF−8のレベルの増加が
、患者がALSを発症する可能性の増加を示す、請求項31に記載の予知方法。
【請求項33】
患者がGDF−8関連障害を発症する可能性を予知する方法であって、
(a)第1のサンプルを関心対象の患者から得る段階と;
(b)第1のサンプルと請求項2に記載の抗体を接触させる段階と;
(c)第1のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(d)GDF−8関連障害に罹患していない個体から第2のサンプルを得る段階と;
(e)第2のサンプルと前記抗体を接触させる段階と;
(f)第2のサンプル中のGDF−8のレベルを測定する段階と;
(g)第1および第2のサンプル中のGDF−8のレベルを比較する段階とを含み、第2
のサンプルと比較した第1のサンプル中のGDF−8のレベルの増加、低下、または類似
が、患者がGDF−8関連障害を発症する可能性を示す、方法。
【請求項34】
GDF−8関連障害がALSであり、第2のサンプルと比較した第1のサンプル中のG
DF−8のレベルの低下または類似が、患者がALSを発症する可能性の低下を示す、請
求項33に記載の予知方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−244998(P2012−244998A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−155072(P2012−155072)
【出願日】平成24年7月10日(2012.7.10)
【分割の表示】特願2008−527032(P2008−527032)の分割
【原出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【出願人】(508049592)ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティー オブ ぺンシルべニア (3)
【Fターム(参考)】