説明

GLP−1の類似体

本発明は、グルカゴン様ペプチド−1のペプチド類似体、その医薬的に許容される塩、哺乳動物を治療するためにそのような類似体を使用する方法、並びに、その故に有用な前記類似体を含んでなる医薬組成物へ向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列リスト
本出願は、印刷紙コピーの代わりに4つのCD−Rにより提出され、参照により本明細書にそのまま組み込まれる「長い」配列リストを含有する。2004年2月10日に記録した前記CD−Rをそれぞれ「CRF」、「コピー1」、「コピー2」及び「コピー3」と標識付けして、いずれも唯一の同一の456Kbファイル(129PPCT2.APP)を含有する。
【0002】
背景技術
本発明は、グルカゴン様ペプチド−1のペプチド類似体、その医薬的に許容される塩、哺乳動物を治療するためにそのような類似体を使用する方法、並びに、その故に有用な前記類似体を含んでなる医薬組成物へ向けられる。
【0003】
グルカゴン様ペプチド−1(7−36)アミド(GLP−1)(SEQ ID NO.775)は、グルカゴン前駆体のプレグルカゴンの組織特異的翻訳後プロセシングにより腸のL細胞において合成され(Varndell, J. M., et al., J. Histochem Cytochem, 1985:33:1080-6)、食事に応答して循環中へ放出される。GLP−1の血漿濃度は、絶食レベルのほぼ15ピコモル/Lから食後ピークレベルの40ピコモル/Lへ上昇する。血漿グルコース濃度におけるある一定の上昇に対し、血漿インスリンの増加は、グルコースを経口で投与するとき、静脈内に比較してほぼ3倍高いことが証明されている(Kreymann, B., et al., Lancet 1987:2, 1300-4)。インクレチン(incretin)効果として知られる、このインスリン放出の食事性の亢進は、主として体液性であり、ヒトにおいてはGLP−1が最も強力な生理学的インクレチンであると今日考えられている。向インスリン効果に加えて、GLP−1は、グルカゴン分泌を抑制し、胃の空洞化を遅らせ(Wettergren A., et al., Dig Dis Sci 1993:38:665-73)、末梢のグルコース処理を高める可能性がある(D'Alessio, D. A. et al., J. Clin Invest 1994:93:2293-6)。
【0004】
1994年に、GLP−1の単回皮下(s/c)投薬によりインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)の患者の食後血糖値が完全に正常化され得るという観察により、GLP−1の治療ポテンシャルが示唆された(Gutniak, M. K., et al., Diabetes Care 1994:17:1039-44)。この効果は、インスリン放出の増加とグルカゴン分泌の低下の両方により仲介されると考えられた。さらに、GLP−1の静脈内注入は、NIDDMの患者において食後の胃空洞化を遅らせることが示された(Williams, B., et al., J. Clin Endo Metab 1996:81:327-32)。スルホニル尿素と異なり、GLP−1の向インスリン作用は、血漿グルコース濃度に依存している(Holz, G. G. 4th, et al., Nature 1993:361:362-5)。従って、低い血漿グルコース濃度でGLP−1仲介性インスリン放出がないことにより、重篤な低血糖症に抗して保護される。こういった作用の組合せは、NIDDMを治療するために今日使用されている他の薬剤に優る独自の潜在的な療法上の利点をGLP−1にもたらす。
【0005】
数多くの研究により、健常被検者へ与えるとき、GLP−1は、インスリン及びグルカゴンの濃度だけでなく、血糖値にも強力に影響を及ぼし(Orskov, C. Diabetologia 35:701-711, 1992;「実験薬理学要覧、グルカゴンIII(Glucagon III, Handbook of Experimental Pharmacology)」(Lefevbre PJ 監修、ベルリン、Springer Verlag, 1996)中、Holst, J. J., et al.,「糖尿病管理におけるGLP−1の潜在可能性(Potential of GLP-1 in diabetes management)」(311-326頁))、この効果がグルコース依存性である(Kreymann, B., et al., Lancet ii: 1300-1304, 1987; Weir, G. C., et al., Diabetes 38:338-342, 1989)ことが示されている。さらに、これは、糖尿病の患者にも有効であり(Gutniak, M., N. Engl J Med 226:1316-1322, 1992; Nathan, D. M. et al., Diabetes Care 15:270-276, 1992)、2型糖尿病の被検者の血糖値を正常化し(Nauck, M. A., et al., Diagbetologia 36:741-744, 1993)、1型患者の血糖コントロールを改善し(Creutzfeldt, W. O., et al., Diabetes Care 19:580-586, 1996)、その治療薬剤としての使用の可能性を高めている。
【0006】
しかしながら、GLP−1は、代謝的に不安定であり、in vivo では1〜2分の血漿半減期(t1/2)しか有さない。外因的に投与したGLP−1も、すぐに分解される(Deacon, C. F., et al., Diabetes 44: 1126-1131, 1995)。この代謝不安定性により、ネイティブGLP−1の治療ポテンシャルは制限される。従って、ネオティブGLP−1より活性があるか又は代謝的により安定であるGLP−1類似体へのニーズがある。
【0007】
発明の要約
1つの側面において、本発明は、式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中:
は、L−His、Ura、Paa、Pta、Amp、Tma−His、des−アミノ−Hisであるか又は欠失され;
は、Abu、β−Ala、Ser、Gly又はValであり;
は、Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp又はAspであり;
10は、Gly、Acc、β−Ala又はAibであり;
11は、Thr又はSerであり;
12は、Phe、Acc、Aic、Aib、3−Pal、4−Pal、1−Nal、2−Nal、Cha、Trp又はX−Pheであり;
13は、Thr又はSerであり;
14は、Ser又はAibであり;
15は、Asp又はGluであり;
16は、Val、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Abu、Ala又はChaであり;
17は、Ser又はThrであり;
18は、Ser又はThrであり;
19は、Tyr、Cha、Phe、3−Pal、4−Pal、Acc、1−Nal、2−Nal、又はX−Pheであり;
20は、Leu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Val、Phe又はX−Pheであり;
21は、Glu又はAspであり;
22は、Gly、Acc、β−Ala、Glu又はAibであり;
23は、Gln、Asp、Asn又はGluであり;
24は、Ala、Aib、Val、Abu、Tle又はAccであり;
25は、Ala、Aib、Val、Abu、Tle、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;
26は、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;
27は、Glu、Asp、Leu、Aib又はLysであり;
28は、Phe、3−Pal、4−Pal、1−Nal、2−Nal、X−Phe、Aic、Aib、Cha又はTrpであり;
29は、Ile、Acc、Aib、Leu、Nle、Cha、Tle、Val、Abu、Ala又はPheであり;
30は、Ala、Aib又はAccであり;
31は、Trp、1−Nal、2−Nal、3−Pal、4−Pal、Phe、Acc、Aib又はChaであり;
32は、Leu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Phe、X−Phe又はAlaであり;
33は、Val、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Cha、Ala、Phe、Abu、Lys又はX−Pheであり;
34は、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;
35は、Gly、β−Ala、D−Ala、Gaba、Ava、HN−CH(CH−C(O)、Aib、Acc又はD−アミノ酸であり;
36は、L若しくはD−Arg、D若しくはL−Lys、D若しくはL−hArg、D若しくはL−Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH−X)−C(O)であるか又は欠失され;
37は、Gly、β−Ala、Gaba、Ava、Aib、Acc、Ado、Arg、Asp、Aun、Aec、HN−(CH−C(O)、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH−O(R10))−C(O)、D−アミノ酸であるか又は欠失され;
38は、D若しくはL−Lys、D若しくはL−Arg、D若しくはL−hArg、D若しくはL−Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH−X)−C(O)、Ava、Ado、Aecであるか又は欠失され;
39は、D若しくはL−Lys、D若しくはL−Arg、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、Ava、Ado、Aec、又はAunであるか又は欠失され;
は、それぞれの出現につき独立して、(C〜C)アルキル、OH及びハロからなる群より選択され;
は、OH、NH、(C〜C30)アルコキシ、又はNH−X−CH−Zであり{ここでXは、(C〜C12)炭化水素部分であり、Zは、H、OH、COH又はCONHである};
は、
【0010】
【化2】

【0011】
【化3】

【0012】
又は−C(O)−NHR12であり{ここでXは、それぞれの出現につき独立して、−C(O)−、−NH−C(O)−又は−CH−であり、ここでfは、それぞれの出現につき独立して、1から29までの整数である};
とRのそれぞれは、H、(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルケニル、フェニル(C〜C30)アルキル、ナフチル(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C〜C30)アルキル、及びヒドロキシナフチル(C〜C30)アルキルからなる群より独立して選択される;又はRとRの一方は、
【0013】
【化4】

【0014】
(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、C(O)X
【0015】
【化5】

【0016】
であり{ここでYは、H、OH又はNHであり;rは、0〜4であり;qは、0〜4であり;そしてXは、(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルケニル、フェニル(C〜C30)アルキル、ナフチル(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C〜C30)アルキル、又はヒドロキシナフチル(C〜C30)アルキルである};
eは、それぞれの出現につき独立して、1から4までの整数であり;
mは、それぞれの出現につき独立して、5から24までの整数であり;
nは、それぞれの出現につき独立して、1から5までの整数であり;
10とR11のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、H、(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH))又は
【0017】
【化6】

【0018】
であり;そして
12とR13のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、(C〜C30)アルキルである]の化合物[但し:
(i)前記化合物は:
(Ser,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.779);
(Gly,Aib35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.780);又は
(Gly,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.781)でなく;
(ii)Aが、Ura、Paa又はPtaであるとき、そのときRとRは欠失され;並びに
(iii)R10が、(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH))又は
【0019】
【化7】

【0020】
であるとき、そのときR11は、H又は(C〜C30)アルキルである]、又はその医薬的に許容される塩へ向けられる。
[0060]
式(I)の化合物の好ましい群は、A11がThrであり;A13がThrであり;A15がAspであり;A17がSerであり;A18がSerであり;A21がGluであり;A23がGln又はGluであり;A27がGluであり;そしてA31がTrpである化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0021】
直前の化合物の群の化合物の好ましい群は、AがGlu、N−Me−Glu又はN−Me−Aspであり;A12がPhe、Acc又はAicであり;A16がVal、Acc又はAibであり;A19がTyrであり;A20がLeu、Acc又はChaであり;A24がAla、Aib又はAccであり;A25がAla、Aib、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;A28がPheであり;A29がIle又はAccであり;A30がAla又はAibであり;A32がLeu、Acc又はChaであり;そしてA33がVal又はAccである化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0022】
直前の化合物の群の化合物の好ましい群は、A10がGlyであり;A12がPhe、A6c又はA5cであり;A16がVal、A6c又はA5cであり;A20がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A22がGly、β−Ala又はAibであり;A24がAla又はAibであり;A29がIle、A6c又はA5cであり;A32がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A33がVal、A6c又はA5cであり;A35がAib、β−Ala、Ado、A6c、A5c又はGlyであり;そしてA37がGly、Aib、β−Ala、Ado、D−Alaであるか又は欠失される化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0023】
直前の化合物の群の化合物の好ましい群は、Xが、それぞれの出現につき−C(O)−であり;eが、それぞれの出現につき独立して1又は2であり;そしてRがOH又はNHである化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0024】
直前の化合物の群による化合物の好ましい群は、RがHであり、Rが(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルケニル、(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、
【0025】
【化8】

【0026】
【化9】

【0027】
である化合物又はその医薬的に許容される塩である。
2つ前のパラグラフによる化合物中の化合物の別の好ましい群は、R10が(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、又は
【0028】
【化10】

【0029】
であり、R11がHである化合物又はその医薬的に許容される塩である。
直前の化合物の群の化合物の好ましい群は、R10が(C〜C20)アシル、(C〜C20)アルキルスルホニル、又は
【0030】
【化11】

【0031】
である化合物又はその医薬的に許容される塩である。
4つ前のパラグラフによる化合物中の化合物の別の好ましい群は、AがGly、Ser、又はValである化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0032】
[0068]
直前の化合物の群の化合物の好ましい群は、AがGly又はSerである化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0033】
[0069]
直前の化合物の群の好ましい化合物は、式:
【0034】
【化12】

【0035】
【化13】

【0036】
【化14】

【0037】
【化15】

【0038】
【化16】

【0039】
【化17】

【0040】
【化18】

【0041】
【化19】

【0042】
【化20】

【0043】
【化21】

【0044】
【化22】

【0045】
【化23】

【0046】
【化24】

【0047】
【化25】

【0048】
【化26】

【0049】
【化27】

【0050】
【化28】

【0051】
【化29】

【0052】
【化30】

【0053】
による化合物又はその医薬的に許容される塩である。
[0070]
2つ前のパラグラフに記載の化合物の群の別の好ましい化合物は、式:
【0054】
【化31】

【0055】
【化32】

【0056】
【化33】

【0057】
【化34】

【0058】
【化35】

【0059】
【化36】

【0060】
【化37】

【0061】
【化38】

【0062】
【化39】

【0063】
【化40】

【0064】
【化41】

【0065】
【化42】

【0066】
【化43】

【0067】
【化44】

【0068】
【化45】

【0069】
【化46】

【0070】
【化47】

【0071】
【化48】

【0072】
による化合物又はその医薬的に許容される塩である。
[0071]
2つ前のパラグラフに記載の化合物の群の好ましい化合物は、式:
【0073】
【化49】

【0074】
【化50】

【0075】
による化合物又はその医薬的に許容される塩である。
[0072]
2つ前のパラグラフに記載の化合物の群の好ましい化合物は、式:
【0076】
【化51】

【0077】
【化52】

【0078】
【化53】

【0079】
による化合物又はその医薬的に許容される塩である。
[0073]
より好ましい態様において、本発明は、式(I)による化合物を特徴とし、前記化合物は:
【0080】
【化54】

【0081】
【化55】

【0082】
又はその医薬的に許容される塩である。
[0074]
なおより好ましい態様において、本発明は、式(I)による化合物を特徴とし、前記化合物は:
【0083】
【化56】

【0084】
又はその医薬的に許容される塩である。
さらになおより好ましい態様において、本発明は、式(I)による化合物を特徴とし、前記化合物は:
【0085】
【化57】

【0086】
又はその医薬的に許容される塩である。
本発明の別の側面において特徴となるのは、式(I)よる化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量と医薬的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物である。
【0087】
本発明の別の側面において特徴となるのは、GLP−1受容体からのアゴニスト効果をその必要な被検者において誘発する方法であって、前記方法は、式(I)による化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記被検者へ投与することを含んでなる。
【0088】
本発明の別の側面において特徴となるのは、I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴノーマ、気道の分泌障害、代謝障害、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、再狭窄、及び神経変性疾患からなる群より選択される疾患を治療の必要な被検者において治療する方法であって、前記方法は、式(I)による化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記被検者へ投与することを含んでなる。好ましくは、前記疾患は、I型糖尿病又はII型糖尿病である。
【0089】
上記3つのパラグラフにおいて説明した側面のそれぞれの好ましい態様において、式(I)による前記化合物は、パラグラフ[0060]〜[0068]に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩である。より好ましくは、式(I)による前記化合物は、本明細書において具体的に開示される式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の中から選択される。より好ましくは、式(I)による前記化合物は、パラグラフ[0069]〜[0070]に開示される化合物又はその医薬的に許容される塩の中から選択される。より好ましくは、式(I)による前記化合物は、パラグラフ[0071]〜[0072]に開示される化合物又はその医薬的に許容される塩の中から選択される。なおより好ましくは、式(I)による前記化合物は、パラグラフ[0073]に開示される化合物又はその医薬的に許容される塩の中から選択される。なおより好ましくは、式(I)による前記化合物は、パラグラフ[0074]に開示される化合物又はその医薬的に許容される塩の中から選択される。最も好ましい態様において、式(I)による前記化合物は、(Ser,Aib35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.767)又はその医薬的に許容される塩である。
【0090】
N末端のアミノ酸を例外として、本開示におけるアミノ酸のあらゆる略字(例、Ala)は、構造:−NH−CH(R)−CO−を表し、ここでRは、アミノ酸の側鎖である(例、AlaではCH)。N末端アミノ酸では、略字が(R)−N−CH(R)−CO−の構造を表し、ここでRはアミノ酸の側鎖であり、そしてRとRは上記に定義される通りであるが、但し、AがUra、Paa又はPtaであるとき、いずれの場合もUra、Paa及びPtaがここではdes−アミノ酸とみなされるので、RとRは存在しない。
【0091】
ある他のアミノ酸の略字は、本明細書において以下の意味で利用する:
Abu α−アミノ酪酸;
Ado 12−アミノドデカン酸;
Aec 構造:
【0092】
【化58】

【0093】
により表される、4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン;
Aib α−アミノイソ酪酸;
Aic 2−アミノインダン−2−カルボン酸;
β−Ala β−アラニン;
Amp 4−アミノ−フェニルアラニン;
Aun 11−アミノウンデカン酸;
Ava 5−アミノ吉草酸;
Cha シクロヘキシルアラニン;
Gaba γ−アミノ酪酸;
hArg ホモアルギニン;
HEPA 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジミル酢酸;
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−エタンスルホン酸;
N−Me−Ala N−メチル−アラニン;
N−Me−Asp N−メチル−アスパラギン酸;
N−Me−Glu N−メチル−グルタミン酸;
N−Me−Gly N−メチル−グリシン;
α−Me−His N−メチル−ヒスチジン;
1−Nal β−(1−ナフチル)アラニン;
2−Nal β−(2−ナフチル)アラニン;
Nle ノルロイシン;
Orn オルニチン;
Paa trans−3−(3−ピリジル)アクリル酸;
3−Pal β−(3−ピリジニル)アラニン;
4−Pal β−(4−ピリジニル)アラニン;
Pta (4−ピリジルチオ)酢酸;
Tle tert−ブチルグリシン;
Tma−His N,N−テトラメチルアミジノ−ヒスチジン;
Tba tert−ブチルアラニン;及び
Ura ウロカニン酸。
【0094】
Accが意味するのは、1−アミノ−1−シクロプロパンカルボン酸(A3c);1−アミノ−1−シクロブタンカルボン酸(A4c);1−アミノ−1−シクロペンタンカルボン酸(A5c);1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(A6c);1−アミノ−1−シクロヘプタンカルボン酸(A7c);1−アミノ−1−シクロオクタンカルボン酸(A8c);及び1−アミノ−1−シクロノナンカルボン酸(A9c)の群より選択されるアミノ酸である。
【0095】
用語、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシフェニルアルキル、及びヒドロキシナフチルアルキルは、それぞれ1、2、3、又は4のヒドロキシ置換基を含有する部分を意味する。
用語COXは、−C=O・Xを表す。−C=O・Xの例には、限定しないが、アセチル及びフェニルプロピオニルが含まれる。
【0096】
Lys(Nε−アルカノイル)が意味するものは、以下の構造:
【0097】
【化59】

【0098】
により表される。
Lys(Nε−アルキルスルホニル)が意味するものは、以下の構造:
【0099】
【化60】

【0100】
により表される。
Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))が意味するものは、以下の構造:
【0101】
【化61】

【0102】
により表される。
Asp(1−(4−アルキル−ピペラジン))が意味するものは、以下の構造:
【0103】
【化62】

【0104】
により表される。
Asp(1−アルキルアミノ)が意味するものは、以下の構造:
【0105】
【化63】

【0106】
により表される。
Lys(Nε−Aec−アルカノイル)が意味するものは、以下の構造:
【0107】
【化64】

【0108】
により表される。
Lys(Nε−ace−アルカノイル)が意味するものは、以下の構造:
【0109】
【化65】

【0110】
により表される。
Ser(O−アルカノイル)が意味するものは、以下の構造:
【0111】
【化66】

【0112】
により表される。
Lys(Nε−アルカノイル)、Lys(Nε−アルキルスルホニル)、Lys(Nε−(2−(4−アルキル−1−ピペラジン)−アセチル))、Asp(1−(4−アルキル−ピペラジン))、Asp(1−アルキルアミノ)、Lys(Nε−Aec−アルカノイル)、Lys(Nε−ace−アルカノイル)、及びSer(O−アルカノイル)に図示される構造における変数nは、1から30までの整数である。
【0113】
本明細書に使用する他の略字の完全名は、以下の通りである:
Boc t−ブチルオキシカルボニル;
2BrZ 2−ブロモベンジルオキシカルボニル;
Bzl ベンジル;
2ClZ 2−クロロベンジルオキシカルボニル;
DCM ジクロロメタン;
DIEA ジイソプロピルエチルアミン;
DMF ジメチルホルムアミド;
DNP 2,4−ジニトロフェニル;
Fm ホルミル;
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル;
HBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩;
HF フッ化水素;
HOAc 酢酸;
HOBt N−ヒドロキシベンゾトリアゾール;
OcHex O−シクロヘキシル;
PAM樹脂 4−ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂;
TFA トリフルオロ酢酸;
Tos トシル;及び
Xan キサンチル。
【0114】
用語「(C〜C30)炭化水素部分」には、アルキル、アルケニル、及びアルキニルが含まれ、アルケニル及びアルキニルの場合は、C〜C30がある。
用語「ハロ」には、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが含まれる。
【0115】
本発明のペプチドは、本明細書において別のフォーマット、例えば(A5c)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.774)により示され、天然の配列より置換されたアミノ酸を最初の括弧のセット内に置く(例えば、hGLP−1のAlaに対するA5c)。略字のGLP−1は、グルカゴン様ペプチド−1を意味し;hGLP−1は、ヒトグルカゴン様ペプチド−1を意味する。「hGLP−1」に続く括弧内の数字は、このペプチド中に存在するアミノ酸の番号を意味する。例えば、hGLP−1(7−36)(SEQ ID NO.775)は、ヒトGLP−1のペプチド配列のアミノ酸7〜36を意味する。hGLP−1(7−37)(SEQ ID NO.776)の配列は、Mojsov, S., Int. J. Peptide Protein Res., 40, 1992, pp. 333-342 に収載されている。hGLP−1(7−36)NH中の「NH」の表記は、このペプチドのC末端がアミド化していることを示す。hGLP−1(7−36)(SEQ ID NO.775)は、C末端が遊離酸であることを意味する。hGLP−1(7−38)(SEQ ID NO.777)において、37及び38位の残基は、それぞれGly及びArgである。
【0116】
発明の詳細な説明
本発明のペプチドは、標準の固相ペプチド合成によって製造することができる。例えば、Stewart, J. M., et al.,「固相合成(Solid Phase Synthesis)」(ピアス・ケミカル社、第2版、1984年)を参照のこと。上記一般式の置換基R及びRは、当該技術分野で知られている標準法によってN末端アミノ酸の遊離アミンへ付加することができる。例えば、アルキル基(例、(C〜C30)アルキル)は、還元アルキル化を使用して付加することができる。ヒドロキシアルキル基、例えば(C〜C30)ヒドロキシアルキルも還元アルキル化を使用して付加してよく、ここでは遊離ヒドロキシ基をt−ブチルエステルで保護する。アシル基、例えばCOEは、塩化メチレン中3モル当量の遊離酸及びジイソプロピルカルボジイミドと完了樹脂を1時間混合することにより、遊離酸、例えばECOOHをN末端アミノ酸の遊離アミンへカップリングさせることによって付加することができる。遊離酸が遊離ヒドロキシ基を含有する(例、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸)ならば、カップリングは、さらに3モル当量のHOBTを用いて実施すべきである。
【0117】
がNH−X−CH−CONH(即ち、Z=CONH)であるとき、ペプチドの合成は、BocHN−X−CH−COOHより開始して、これをMBHA樹脂へカップリングさせる。RがNH−X−CH−COOH(即ち、Z=COOH)であるとき、ペプチドの合成は、BocHN−X−CH−COOHより開始して、これをPAM樹脂へカップリングさせる。この特別な工程では、4モル当量のBocHN−X−CH−COOH、HBTU及びHOBtと10モル当量のDIEAを使用する。カップリング時間は、約8時間である。
【0118】
保護化アミノ酸、1−(N−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−1−シクロヘキサン−カルボン酸(Boc−A6c−OH)は、以下のように合成した。19.1g(0.133モル)の1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(Acros Organics, Fisher Scientific, ペンシルヴェニア州ピッツバーグ)を200mlのジオキサンと100mlの水に溶かした。これへ67mlの2N NaOHを加え、この溶液を氷水浴に冷やした。この溶液へ32.0g(0.147モル)の二炭酸ジtert−ブチルを加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、ジオキサンを減圧で除去し、残存する水溶液へ200mlの酢酸エチルを加えた。この混合物を氷水浴に冷やし、4N HClを加えることによって、水層のpHを約3へ調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(1x100ml)で抽出した。2つの有機層を合わせ、水(2x150ml)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮乾固させた。残渣を酢酸エチル/ヘキサンにおいて再結晶させて、9.2g(0.0386モル)の精製生成物(即ち、出発材料から29%の収率)を得た。
【0119】
Boc−A5c−OHは、Boc−A6c−OHに類似したやり方で合成した。他の保護化Accアミノ酸は、本明細書の教示により可能であるものに類似したやり方で当業者により製造することができる。
【0120】
A5c、A6c、Aib、Boc−Lys(2ClZ)−OH及び/又はBoc−His(DNP)−OHを含有する本発明のGLP−1類似体の合成において、カップリング時間は、これらの残基とそれらの直後にある残基について2時間である。他の場合、カップリング時間は、ほぼ5分である。(Tma−His)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.778)の合成では、4ml DMF中HBTU(2ミリモル)及びDIEA(1.0ml)を使用して、最終カップリング反応においてペプチド−樹脂のN末端遊離アミンと反応させる。カップリング時間は、約2時間である。
【0121】
上記一般式の置換基R及びRは、当該技術分野で知られている標準法によってN末端アミノ酸の遊離アミンへ付加することができる。例えば、アルキル基(例、(C〜C30)アルキル)は、還元アルキル化を使用して付加することができる。ヒドロキシアルキル基、例えば(C〜C30)ヒドロキシアルキルも還元アルキル化を使用して付加してよく、ここでは遊離ヒドロキシ基をt−ブチルエステルで保護する。アシル基、例えばCOXは、塩化メチレン中3モル当量の遊離酸及びジイソプロピルカルボジイミドと完了樹脂を約1時間混合することにより、遊離酸、例えばXCOOHをN末端アミノ酸の遊離アミンへカップリングさせることによって付加することができる。遊離酸が遊離ヒドロキシ基を含有する(例、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸)ならば、カップリングは、さらに3モル当量のHOBTを用いて実施すべきである。
【0122】
本発明の化合物について、GLP−1に結合する化合物としての活性を以下の手順に従って試験することができる。
細胞培養:
GLP−1受容体を発現するRIN 5Fラットインスリノーマ細胞(ATCC番号 CRL−2058,アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、バージニア州マナッサス)を、10%胎仔ウシ血清を含有するダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)中で培養して、5% CO/95%空気の加湿雰囲気において約37℃で維持した。
【0123】
放射リガンド結合:
20mlの氷冷50mM Tris−HCl中のRIN細胞のBrinkman Polytron(ニューヨーク州ウェストベリ)(設定6,15秒)でのホモジェナイゼーションにより放射リガンド結合試験用に膜を調製した。ホモジェネートを遠心分離(39,000g/10分)により2回洗浄し、2.5mM MgCl,0.1mg/ml バシトラシン(シグマケミカル、ミズーリ州セントルイス)、及び0.1% BSAを含有する50mM Tris−HClに最終ペレットを再懸濁させた。アッセイのために、アリコート(0.4ml)を、0.05mlの非標識競合試験ペプチドを含めるか含めずに、0.05nM(125I)GLP−1(7−36)(〜2200Ci/ミリモル、New England Nuclear,マサチューセッツ州ボストン)とともにインキュベートした。100分間のインキュベーション(25℃)の後で、0.5%ポリエチレンイミンに予浸しておいたGF/Cフィルター(Brandel,メリーランド州ゲイサースブルグ)に通す迅速濾過によって、結合した(125I)GLP−1(7−36)(SEQ ID NO.775)を遊離のものから分離した。次いで、フィルターを5mlアリコートの氷冷50mM Tris HClで3回洗浄し、フィルターに捕捉された結合放射活性をγ−スペクトリメトリー(Wallac LKB,メリーランド州ゲイサースブルグ)により計数した。[結合した全(125I)GLP−1(7−36)(SEQ ID NO.775)]−[1000nM GLP−1(7−36)(Bachem,カリフォルニア州トーレンス)の存在下に結合した(125I)GLP−1(7−36)(SEQ ID NO.775)]として特異結合を定義した。
【0124】
本発明のペプチドは、医薬的に許容される塩の形態で提供することができる。そのような塩の例には、限定されないが、有機酸(例、酢酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、又はパモ酸)、無機酸(例、塩酸、硫酸、又はリン酸)、及び高分子の酸(例、タンニン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、又はポリ乳酸−グリコール酸の共重合体)と形成されるものが含まれる。本発明のペプチドの塩を作製する典型的な方法は、当該技術分野でよく知られていて、塩交換の標準法により達成することができる。従って、本発明のペプチドのTFA塩(TFA塩は、TFA含有緩衝溶液で溶出させる分取用HPLCを使用することによるペプチドの精製より生じる)は、このペプチドを少量の0.25N酢酸水溶液に溶かすことによって、酢酸塩のような別の塩へ変換することができる。生じる溶液を半分取用HPLCカラム(Zorbax,300 SB,C−8)へ適用する。このカラムを(1)0.1N酢酸アンモニウム水溶液で0.5時間、(2)0.25N酢酸水溶液で0.5時間、そして(3)4ml/分の流速の線形勾配(30分にわたり20%〜100%のB溶液)(A溶液は0.25N酢酸水溶液であり;B溶液はアセトニトリル/水(80/20)中0.25N酢酸である)で溶出させる。ペプチドを含有する分画を採取して、凍結乾燥させる。
【0125】
当業者によく知られるように、GLP−1の既知の使用と潜在的な使用は、多様で多岐にわたる(Todd, J. F., et al., Clinical Science, 1998, 95, pp. 325-329; 及び Todd, J. F. et al., European Journal of Clinical Investigation, 1997, 27, pp. 533-536 を参照のこと)。従って、アゴニスト効果を誘発させる目的で本発明の化合物を投与すると、GLP−1そのものと同じ効果及び使用をもたらすことができる。GLP−1のこれらの多様な使用は、以下のように要約してよい:I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴノーマ、気道の分泌障害、代謝障害、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、再狭窄、神経変性疾患、腎不全、鬱血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、肺性浮腫、高血圧、及び、食物摂取の抑制が所望される障害の治療。アンタゴニスト効果を被検者より誘発させる本発明のGLP−1類似体は、以下を治療するために使用することができる:胃切除術又は小腸切除術に関連した低血糖症又は吸収不良症候群。
【0126】
故に、本発明には、その範囲内に、有効成分として、式(I)の化合物の少なくとも1つを医薬的に許容される担体とともに含んでなる医薬組成物が含まれる。
本発明の組成物中の有効成分の投与量は変動してよいが、有効成分の量は、好適な剤形が得られるようなものであることが必要である。選択される投与量は、所望される治療効果、投与の経路、そして治療の期間に依存する。一般に、本発明の活性に有効な投与量は、1x10−7〜200mg/kg/日、好ましくは1x10−4〜100mg/kg/日の範囲であり、これは、単回用量として投与しても、頻回用量へ分割してもよい。
【0127】
本発明の化合物は、経口、非経口(例、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は皮下注射、又はインプラント)、経鼻、膣、直腸、舌下、又は局所の投与経路で投与してよく、それぞれの投与経路に適した剤形を提供するために医薬的に許容される担体とともに製剤化してよい。
【0128】
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤が含まれる。そのような固体剤形では、ショ糖、乳糖、又はデンプンのような少なくとも1つの不活性な医薬的に許容される担体とともに活性化合物を混合する。そのような剤形は、通常の実践のように、そのような希釈剤以外の追加物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も含んでよい。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は、緩衝剤も含んでよい。さらに、錠剤と丸剤は、腸溶コーティング剤とともに製造してよい。
【0129】
経口投与用の液体剤形には、当該技術分野で通常使用される、水のような不活性希釈液を含有する、医薬的に許容される乳剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤が含まれる。そのような不活性希釈液以外に、組成物には、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、並びに甘味剤、芳香剤、発芳香剤のようなアジュバントが含まれる場合がある。
【0130】
本発明による非経口投与用の調製物には、無菌の水性又は非水性溶液剤、懸濁液剤、又は乳剤が含まれる。非水性溶媒又は担体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油又はとうもろこし油のような植物油、ゼラチン、及び、オレイン酸エチルのような注射可能の有機エステルである。そのような剤形は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤のようなアジュバントも含有してよい。それらはまた、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、組成物中へ滅菌剤を取り込むことによって、組成物に照射することによって、又は組成物を加熱することによって滅菌してよい。それらはまた、滅菌水や他の無菌の注射可能な媒体に使用の直前に溶かすことができる無菌の固形組成物の形態で製造してよい。
【0131】
直腸又は膣投与用の組成物は、好ましくは、活性物質に加えて、ココア脂又は坐剤ワックスのような賦形剤を含有し得る組成物である。
経鼻又は舌下投与用の組成物もまた、当該技術分野でよく知られた標準的な賦形剤とともに製造する。
【0132】
さらに、本発明の化合物は、以下の特許及び特許出願に記載されるような持続放出組成物において投与してよい。米国特許第5,672,659号は、生物活性剤及びポリエステルを含んでなる持続放出組成物を教示する。米国特許第5,595,760号は、生物活性剤をゲル化可能な形態で含んでなる持続放出組成物を教示する。1997年9月9日出願の米国特許出願第08/929,363号は、生物活性剤及びキトサンを含んでなる、高分子の持続放出組成物を教示する。1996年11月1日出願の米国特許出願第08/740,778号は、生物活性剤及びシクロデキストリンを含んでなる持続放出組成物を教示する。1998年1月29日出願の米国特許出願第09/015,394号は、生物活性剤の吸収可能な持続放出組成物を教示する。1998年7月23日出願の米国特許出願第09/121,653号は、ペプチドのような治療薬剤を含んでなるミクロ粒子を水中油系法で作製する方法を教示する。1998年8月10日出願の米国特許出願第09/131,472号は、ペプチドのような治療薬剤とリン酸化ポリマーを含んでなる複合体を教示する。1998年11月2日出願の米国特許出願第09/184,413号は、ペプチドのような治療薬剤と重合不能ラクトンを担うポリマーを含んでなる複合体を教示する。上記の特許及び出願の教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
他に定義しなければ、本明細書に使用するすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。また、本明細書で言及される公表物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、いずれも参照により組み込まれる。
【0134】
合成:
以下の実施例は、本発明のペプチドを作製するための合成法について記載し、該方法は、ペプチド合成の当業者によく知られている。提供される場合、試薬の量は、概ね、0.20ミリモルスケールで合成を行うために利用するものである。当業者には他の方法もよく知られているので、実施例は、例示の目的のために提供するのであって、本発明の範囲をいかなるやり方でも限定するものではない。
【0135】
側鎖保護がある/ない多種多様なアミノ酸がいくつかの市販供給源より入手可能である。例えば、以下のアミノ酸(括弧は、存在すれば、側鎖保護基を明示する)が、Bachem(カリフォルニア州トーランス);Nova Biochem(カリフォルニア州ラホヤ);Chem-Impex International(イリノイ州ウッドデール);及び Synthetech(オレゴン州オールバニー)より入手可能である:Boc−Ado−OH、Boc−Aib−OH、Boc−Ala−OH、Boc−βAla−OH、Boc−Arg(Tos)−OH、Boc−D−Arg(Tos)−OH、Boc−Asp(OcHex)−OH、Boc−D−Asp(OcHex)−OH、Boc−Aun−OH、Boc−Ava−OH、Boc−Gln−OH、Boc−Glu(OcHex)−OH、Boc−Gly−OH、Boc−His(DNP)−OH、Boc−Ile−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Lys(2ClZ)−OH、Boc−Nal−OH、Boc−Phe−OH、Boc−Ser(Bzl)−OH、Boc−Thr(Bzl)−OH、Boc−Trp(Fm)−OH、Boc−Tyr(2BrZ)−OH、及びBoc−Val−OH。
【0136】
実施例1:(Ser,Aib35)hGLP−1(7−36)NHの合成
表題ペプチドは、加速Boc化学固相ペプチド合成を行うために改良したアプライド・バイオシステムズ(カリフォルニア州フォスターシティ)モデル430Aペプチド合成機で合成することができる(Schnolzer, et al., Int. J. Peptide Protein Res., 90:180 (1992) を参照のこと)。0.91ミリモル/gの置換部分がある4−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂(Peninsula Laboratories, カリフォルニア州ベルモント)を使用してよい。Bocアミノ酸(Bachem, カリフォルニア州トーランス;Nova Biochem, カリフォルニア州ラホヤ)を、例えば、以下の側鎖保護とともに使用してよい:Boc−Ala−OH、Boc−Arg(Tos)−OH、Boc−Asp(OcHex)−OH、Boc−Tyr(2BrZ)−OH、Boc−His(DNP)−OH、Boc−Val−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Gly−OH、Boc−Gln−OH、Boc−Ile−OH、Boc−Lys(2ClZ)−OH、Boc−Thr(Bzl)−OH、Boc−Ser(Bzl)−OH、Boc−Phe−OH、Boc−Glu(OcHex)−OH、及びBoc−Trp(Fm)−OH。Boc基は、100% TFA、2x1分間の処理により除去する。Bocアミノ酸(2.5ミリモル)は、4mLのDMFにおいてHBTU(2.0ミリモル)及びDIEA(1.0mL)で予め活性化して、ペプチド−樹脂TFA塩の中和に先立つことなくカップリングさせる。
【0137】
ペプチド鎖アセンブリーの最後に、樹脂を20%メルカプトエタノール/10% DIEAのDMF溶液で2x30分間処理して、His側鎖上のDNP基を外す。次いで、100% TFA、2x2分の処理によりN末端Boc基を外す。DMF中10% DIEA(1x1分)でのペプチド−樹脂の中和の後で、15%エタノールアミン/15%水/70% DMFの溶液、2x30分間での処理によりTrpの側鎖上のホルミル基を外す。次いで、このペプチド−樹脂をDMF及びDCMで洗浄し、減圧で乾燥させる。1mLのアニソール及びジチオスレイトール(24mg)を含有する10mLのHFにおいて0℃でほぼ75分間ペプチド−樹脂を撹拌することによって、最終の切断を実施する。窒素のフローによってHFを除去してから、残渣をエーテル(6x10mL)で洗浄し、4N HOAc(6x10mL)で抽出する。
【0138】
水性抽出液中のペプチド混合物は、逆相VYDAC(登録商標)C18カラム(Nest Group, マサチューセッツ州サウスバラ)を使用する逆相分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製する。10ml/分の流速の線形勾配(105分にわたり20%〜50%のB溶液)(A溶液=0.1% TFA含有水;B溶液=0.1% TFA含有アセトニトリル)でカラムを溶出させる。分画を採取して、分析用HPLCで確認する。次いで、精製生成物を含有する分画を合わせ、凍結乾燥させる。エレクトロスプレー質量分光計(MS(ES))の解析を使用して、最終生成物の分子量を確認することができる。
【0139】
実施例2〜7
以下のペプチドも、ペプチドアセンブリーの間に適切なアミノ酸を置換して、実施例1に説明した手順に従って合成することができる。
【0140】
実施例2:(Abu,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH;(SEQ ID NO.768)
実施例3:(Val,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH;(SEQ ID NO.769)
実施例4:(β−Ala8,35)hGLP−1(7−36)NH;(SEQ ID NO.770)
実施例5:(Abu,Aib35)hGLP−1(7−36)NH;(SEQ ID NO.771)
実施例6:(Val,Aib35)hGLP−1(7−36)NH;(SEQ ID NO.772)
実施例7:(β−Ala,Aib35)hGLP−1(7−36)NH;(SEQ ID NO.773)
上記実施例のいずれも、ペプチドアセンブリーの間に出発材料を適宜置換して、上記に記載の手順に従って作製することができる。
【0141】
他の態様
上記の記載より、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に把握することができて、その精神及び範囲より逸脱することなく、本発明の様々な変更及び修飾を行って,それを様々な使用及び条件へ適応させることができる。従って、他の態様も本発明の特許請求項内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
は、L−His、Ura、Paa、Pta、Amp、Tma−His、des−アミノ−Hisであるか又は欠失され;
は、Abu、β−Ala、Ser、Gly又はValであり;
は、Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp又はAspであり;
10は、Gly、Acc、β−Ala又はAibであり;
11は、Thr又はSerであり;
12は、Phe、Acc、Aic、Aib、3−Pal、4−Pal、1−Nal、2−Nal、Cha、Trp又はX−Pheであり;
13は、Thr又はSerであり;
14は、Ser又はAibであり;
15は、Asp又はGluであり;
16は、Val、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Abu、Ala又はChaであり;
17は、Ser又はThrであり;
18は、Ser又はThrであり;
19は、Tyr、Cha、Phe、3−Pal、4−Pal、Acc、1−Nal、2−Nal、又はX−Pheであり;
20は、Leu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Val、Phe又はX−Pheであり;
21は、Glu又はAspであり;
22は、Gly、Acc、β−Ala、Glu又はAibであり;
23は、Gln、Asp、Asn又はGluであり;
24は、Ala、Aib、Val、Abu、Tle又はAccであり;
25は、Ala、Aib、Val、Abu、Tle、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;
26は、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;
27は、Glu、Asp、Leu、Aib又はLysであり;
28は、Phe、3−Pal、4−Pal、1−Nal、2−Nal、X−Phe、Aic、Aib、Cha又はTrpであり;
29は、Ile、Acc、Aib、Leu、Nle、Cha、Tle、Val、Abu、Ala又はPheであり;
30は、Ala、Aib又はAccであり;
31は、Trp、1−Nal、2−Nal、3−Pal、4−Pal、Phe、Acc、Aib又はChaであり;
32は、Leu、Acc、Aib、Nle、Ile、Cha、Tle、Phe、X−Phe又はAlaであり;
33は、Val、Acc、Aib、Leu、Ile、Tle、Nle、Cha、Ala、Phe、Abu、Lys又はX−Pheであり;
34は、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;
35は、Gly、β−Ala、D−Ala、Gaba、Ava、HN−CH(CH−C(O)、Aib、Acc又はD−アミノ酸であり;
36は、L若しくはD−Arg、D若しくはL−Lys、D若しくはL−hArg、D若しくはL−Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH−X)−C(O)であるか又は欠失され;
37は、Gly、β−Ala、Gaba、Ava、Aib、Acc、Ado、Arg、Asp、Aun、Aec、HN−(CH−C(O)、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH−O(R10))−C(O)、D−アミノ酸であるか又は欠失され;
38は、D若しくはL−Lys、D若しくはL−Arg、D若しくはL−hArg、D若しくはL−Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、HN−CH((CH−X)−C(O)、Ava、Ado、Aecであるか又は欠失され;
39は、D若しくはL−Lys、D若しくはL−Arg、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)、Ava、Ado、Aec、又はAunであるか又は欠失され;
は、それぞれの出現につき独立して、(C〜C)アルキル、OH及びハロからなる群より選択され;
は、OH、NH、(C〜C30)アルコキシ、又はNH−X−CH−Zであり{ここでXは、(C〜C12)炭化水素部分であり、Zは、H、OH、COH又はCONHである};
は、
【化2】

【化3】

又は−C(O)−NHR12であり{ここでXは、それぞれの出現につき独立して、−C(O)−、−NH−C(O)−又は−CH−であり、ここでfは、それぞれの出現につき独立して、1から29までの整数である};
とRのそれぞれは、H、(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルケニル、フェニル(C〜C30)アルキル、ナフチル(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C〜C30)アルキル、及びヒドロキシナフチル(C〜C30)アルキルからなる群より独立して選択される;又はRとRの一方は、
【化4】

(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、C(O)X
【化5】

であり{ここでYは、H、OH又はNHであり;rは、0〜4であり;qは、0〜4であり;そしてXは、(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルケニル、フェニル(C〜C30)アルキル、ナフチル(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルキル、ヒドロキシ(C〜C30)アルケニル、ヒドロキシフェニル(C〜C30)アルキル、又はヒドロキシナフチル(C〜C30)アルキルである};
eは、それぞれの出現につき独立して、1から4までの整数であり;
mは、それぞれの出現につき独立して、5から24までの整数であり;
nは、それぞれの出現につき独立して、1から5までの整数であり;
10とR11のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、H、(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH))又は
【化6】

であり;そして
12とR13のそれぞれは、それぞれの出現につき独立して、(C〜C30)アルキルである]の化合物[但し:
(i)前記化合物は:
(Ser,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.779);
(Gly,Aib35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.780);又は
(Gly,β−Ala35)hGLP−1(7−36)NH(SEQ ID NO.781)でなく;
(ii)Aが、Ura、Paa又はPtaであるとき、そのときRとRは欠失され;並びに
(iii)R10が、(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、−C((NH)(NH))又は
【化7】

であるとき、そのときR11は、H又は(C〜C30)アルキルである]、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
11がThrであり;A13がThrであり;A15がAspであり;A17がSerであり;A18がSerであり;A21がGluであり;A23がGln又はGluであり;A27がGluであり;そしてA31がTrpである、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
がGlu、N−Me−Glu又はN−Me−Aspであり;A12がPhe、Acc又はAicであり;A16がVal、Acc又はAibであり;A19がTyrであり;A20がLeu、Acc又はChaであり;A24がAla、Aib又はAccであり;A25がAla、Aib、Acc、Lys、Arg、hArg、Orn、HN−CH((CH−N(R1011))−C(O)又はHN−CH((CH−X)−C(O)であり;A28がPheであり;A29がIle又はAccであり;A30がAla又はAibであり;A32がLeu、Acc又はChaであり;そしてA33がVal又はAccである、請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
10がGlyであり;A12がPhe、A6c又はA5cであり;A16がVal、A6c又はA5cであり;A20がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A22がGly、β−Ala又はAibであり;A24がAla又はAibであり;A29がIle、A6c又はA5cであり;A32がLeu、A6c、A5c又はChaであり;A33がVal、A6c又はA5cであり;A35がAib、β−Ala、Ado、A6c、A5c又はGlyであり;そしてA37がGly、Aib、β−Ala、Ado、D−Alaであるか又は欠失される、請求項3に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
が、それぞれの出現につき−C(O)−であり;eが、それぞれの出現につき独立して1又は2であり;そしてRがOH又はNHである、請求項4に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
がHであり、Rが(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルケニル、(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、
【化8】

【化9】

である、請求項5に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
10が(C〜C30)アシル、(C〜C30)アルキルスルホニル、又は
【化10】

であり、R11がHである、請求項5に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
10が(C〜C20)アシル、(C〜C20)アルキルスルホニル、又は
【化11】

である、請求項7に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
がGly、Ser、又はValである、請求項5に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
がGly又はSerである、請求項9に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
式:
【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

による、請求項10に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
式:
【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

による、請求項10に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
【化41】

【化42】

【化43】

である、請求項11に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
【化44】

【化45】

である、請求項12に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
【化46】

である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
【化47】

である、請求項15に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
【化48】

である、請求項16に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量と医薬的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項19】
GLP−1受容体からのアゴニスト効果をその必要な被検者において誘発する方法であって、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記被検者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
I型糖尿病、II型糖尿病、肥満、グルカゴノーマ、気道の分泌障害、代謝障害、関節炎、骨粗鬆症、中枢神経系疾患、再狭窄、及び神経変性疾患からなる群より選択される疾患を治療の必要な被検者において治療する方法であって、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記被検者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項21】
前記疾患がI型糖尿病又はII型糖尿病である、請求項20に記載の方法。

【公表番号】特表2007−524579(P2007−524579A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503594(P2006−503594)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/004421
【国際公開番号】WO2004/074315
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(500511604)ソシエテ・ドゥ・コンセイユ・ドゥ・ルシェルシュ・エ・ダプリカーション・シャンティフィック・エス・ア・エス (22)
【Fターム(参考)】