説明

GLYT−1阻害剤としてのアロイルアミノ−及びヘテロアロイルアミノ−置換ピペリジン

本発明は、一般式I[式中、Rは、水素、低級アルキル、CD、−(CH−CHO、−(CH−O−低級アルキル、−(CH−OH、−(CH−シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり;Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、ジ−低級アルキル、−OCH−O−低級アルキル、もしくは低級アルコキシであるか;又はピペリジン環は、Rと一緒になって4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルから選択されるスピロ環を形成し;Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらは、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シクロアルキル、低級アルコキシ、S−低級アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルから選択される1個、2個、もしくは3個の置換基によるか又はフェニル(R’で場合により置換されている)により、場合により置換されており、そして、R’は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、もしくはハロゲンで置換されている低級アルコキシ、又はヘテロアリールであり;Rは、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、ここでアリール及びヘテロアリールは、1つ又は2つのR’で場合により置換されており;nは、0、1、2又は3である]の化合物;又はその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物、又はその対応するエナンチオマー及び/もしくは光学異性体に関する。さらに、本発明は、式Iの化合物を含有する医薬組成物ならびに神経性及び精神神経障害の処置におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I:
【化1】


[式中、
は、水素、低級アルキル、CD、−(CH−CHO、−(CH−O−低級アルキル、−(CH−OH、−(CH−シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、ジ−低級アルキル、−OCH−O−低級アルキル、もしくは低級アルコキシであるか;又はピペリジン環は、Rと一緒になって4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルから選択されるスピロ環を形成し;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらは、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シクロアルキル、低級アルコキシ、S−低級アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルから選択される1個、2個、もしくは3個の置換基によるか又はフェニル(R’で場合により置換されている)により、場合により置換されており、そして、
R’は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、もしくはハロゲンで置換されている低級アルコキシ、又はヘテロアリールであり;
Rは、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、ここでアリール及びヘテロアリールは、1つ又は2つのR’で場合により置換されており;
nは、0、1、2又は3である]の化合物;又はその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物、又はその対応するエナンチオマー及び/もしくは光学異性体に関する。
【0002】
さらに、本発明は、式Iの化合物を含有する医薬組成物ならびに神経性及び精神神経障害の処置におけるそれらの使用に関する。
【0003】
驚くべきことに、一般式Iの化合物は、グリシントランスポーター1(GlyT−1)の良好な阻害剤であること、及びそれらがグリシントランスポーター2(GlyT−2)阻害剤に対する良好な選択性を有することが見出された。
【0004】
統合失調症は、一過性の陽性症状(例えば、妄想、幻覚、思考障害及び精神障害)及び持続的陰性症状(例えば、感情鈍麻、注意障害及び社会的引きこもり)ならびに認知障害を特徴とする、進行性の破壊的な神経疾患である(Lewis DA and Lieberman JA, Neuron,2000, 28:325-33)。ここ数十年間、「ドーパミン作動性活動亢進」仮説に研究が集中しており、このことがドーパミン作動系の遮断を伴う治療的介入を導いている(Vandenberg RJ and Aubrey KR., Exp. Opin. Ther. Targets, 2001, 5(4): 507-518; Nakazato A and Okuyama S, et al., 2000, Exp. Opin. Ther. Patents, 10(1): 75-98)。この薬理学的アプローチでは、機能的帰結の最良の予測因子である、陰性症状及び認知症状への取り組みが不充分である(Sharma T., Br.J. Psychiatry, 1999, 174(suppl. 28): 44-51)。
【0005】
1960年代半ばに、非競合NMDA受容体アンタゴニストである、フェンシクリジン(PCP)や関連薬剤(ケタミン)のような化合物によるグルタミン酸系の遮断によって引き起こされる精神異常作用に基づく、統合失調症の補完モデルが提案された。興味深いことに、健常ボランティアでは、PCP誘発精神異常作用が、認知機能障害のみならず、陽性及び陰性症状を併せ持ち、よって患者での統合失調症に酷似している(Javitt DC et al., 1999, Biol. Psychiatry, 45: 668-679及びこの中の参考文献)。さらに、NMDAR1サブユニットの発現レベルが減少しているトランスジェニックマウスは、薬理学的に誘発した統合失調症のモデルにおいて観察されるものと同様な行動異常を示しており、このことは、NMDA受容体活性の低下が統合失調症様挙動をもたらすというモデルを支持している(Mohn AR et al., 1999, Cell, 98: 427-236)。
【0006】
グルタミン酸神経伝達、特にNMDA受容体活性は、シナプス可塑性、学習及び記憶において決定的に重要な役割を果たし、例えば、NMDA受容体は、シナプス可塑性及び記憶形成の境界を開閉するための段階的スイッチとして働くようである(Hebb DO, 1949, The organization of behavior, Wiley, NY; Bliss TV and Collingridge GL, 1993, Nature, 361: 31-39)。NMDA NR2Bサブユニットを過剰発現するトランスジェニックマウスは、シナプス可塑性の増強ならびに学習及び記憶における優れた能力を示す(Tang JP et al., 1999, Nature: 401- 63-69)。
【0007】
したがって、グルタミン酸欠乏が統合失調症の病態生理に関係しているならば、特にNMDA受容体活性化を介しての、グルタミン酸伝達の増強は、抗精神病作用と認知増強作用の両方を生み出すことが予測されよう。
【0008】
アミノ酸のグリシンは、CNSにおいて少なくとも2つの重要な機能を有することが知られている。これは、ストリキニーネ感受性グリシン受容体に結合して、阻害性アミノ酸として作用し、そしてまた、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体機能に対するグルタミン酸との必須コアゴニストとして作用して、興奮活動に影響を及ぼす。グルタミン酸は、シナプス終端から活性依存的に放出されるが、一方、グリシンはより一定レベルで存在しているようであり、そしてグルタミン酸に対する反応のために受容体を調節/制御しているようである。
【0009】
神経伝達物質のシナプス濃度を制御するための最も有効な方法の1つは、シナプスでのその再取り込みに影響を及ぼすことである。神経伝達物質トランスポーターは、細胞外空間から神経伝達物質を除去することにより、その細胞外寿命を制御することができ、それによってシナプス伝達の大きさを調節することができる(Gainetdinov RR et al, 2002, Trends in Pharm. Sci., 23(8): 367-373)。
【0010】
神経伝達物質トランスポーターのナトリウム及び塩化物ファミリーの一部を形成する、グリシントランスポーターは、シナプス前神経終端及び周囲の細かいグリア突起へのグリシンの再取り込みにより、シナプス後グリシン作動性作用の終了及び低細胞外グリシン濃度の維持において重要な役割を果たす。
【0011】
2種の別個のグリシントランスポーター遺伝子(GlyT−1及びGlyT−2)が、哺乳動物の脳からクローニングされており、これらは、約50%のアミノ酸配列相同性を持つ2種のトランスポーターを生み出す。GlyT−1は、選択的スプライシング及び選択的プロモーター使用法から生じる4種のアイソフォームを提示する(1a、1b、1c及び1d)。齧歯類の脳では、これらアイソフォームのうちの2種のみ(GlyT−1a及びGlyT−1b)が見出されている。GlyT−2もまた、ある程度の異種性を呈する。2種のGlyT−2アイソフォーム(2a及び2b)が齧歯類の脳において同定されている。GlyT−1は、CNS及び末梢組織にあることが知られているが、一方GlyT−2は、CNSに特異的である。GlyT−1は、主にグリアに分布しており、そしてストリキニーネ感受性グリシン受容体に相当する領域だけでなく、それらの領域の外側(ここは、NMDA受容体機能の調節に関係するとみなされている)にも見出される(Lopez-Corcuera B et al., 2001, Mol. Mem. Biol., 18: 13-20)。したがって、NMDA受容体活性を増強するための1つの方策は、GlyT−1トランスポーターの阻害により、シナプスNMDA受容体の局所の微小環境におけるグリシン濃度を上昇させることである(Bergereon R. Et al., 1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95: 15730-15734; Chen L et al., 2003, J. Neurophysiol., 89 (2): 691-703)。
【0012】
グリシントランスポーター阻害剤は、神経障害及び精神神経障害の処置に適している。関係する疾患状態は主に、精神病、統合失調症(Armer RE and Miller DJ, 2001, Exp. Opin. Ther. Patents, 11(4): 563-572)、重症大鬱病性障害などの精神病性気分障害、双極性障害に関連する急性躁病又は鬱病のなどの精神障害に関連する気分障害、及び統合失調症に関連する気分障害(Pralong ET et al., 2002, Prog. Neurobiol., 67: 173-202)、自閉性障害(Carlsson ML, 1998, J. Neural Transm. 105: 525-535)、加齢関連認知症及びアルツハイマー病型の老年性認知症を含む認知症などの認知障害、ヒトを含む哺乳動物における記憶障害、注意欠陥障害、及び疼痛(Armer RE and Miller DJ, 2001, Exp. Opin. Ther. Patents, 11 (4): 563-572)である。
【0013】
したがって、GlyT−1阻害を介してNMDA受容体の活性化を増大させることは、精神病、統合失調症、認知症、及び注意欠陥障害やアルツハイマー病などの認知過程が損なわれた他の疾患を処置する薬剤につながりうる。
【0014】
本発明の目的は、式Iの化合物それ自体、Glyt−1阻害を介するNMDA受容体の活性化に関連する疾患の治療用医薬の製造のための式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩の使用、その製造法、本発明の化合物に基づく医薬及びその製造、ならびに精神病、記憶及び学習における機能障害、統合失調症、認知症、及び注意欠陥障害やアルツハイマー病のような認知過程が損なわれた他の疾患のような病気の制御又は予防における式Iの化合物の使用である。
【0015】
本発明の化合物を使用する好ましい適応症は、統合失調症、認知障害及びアルツハイマー病である。
【0016】
さらに、本発明は、すべてのラセミ混合物、すべてのそれらの対応する鏡像異性体及び/又は光学異性体を包含する。
【0017】
本明細書で用いられる用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含む、飽和直鎖又は分岐鎖基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチル等を意味する。好ましいアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0018】
本明細書で用いられる用語「低級アルコキシ」は、O原子に結合している、上で定義したとおりの低級アルキル基を意味する。
【0019】
用語「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素原子を含有する、飽和又は部分的に飽和である環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、又はシクロヘプテニルを意味する。好適なシクロアルキル環は、シクロプロピル及びシクロペンチルを意味する。
【0020】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個の炭素原子が、N、S又はOから選択されるヘテロ原子で置き換えられている、3〜6個の炭素原子を含有する、飽和又は部分的に飽和である環、例えば、ピペラジニル、ピロリジニル、オキセタニル、モルホリニル、ピペリジニル、又は テトラヒドロピラニルを意味する。
【0021】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を意味する。
【0022】
用語「アリール」は、少なくとも1つの環が、芳香族性、例えば、フェニル又はナフチルである、1つ以上の縮合環からなる、一価の環状芳香族炭化水素基を意味する。
【0023】
用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、上で定義したとおりの低級アルキル基であって、少なくとも1個の水素原子が、ハロゲン原子で置き換えられているもの、例えば、以下の基:CF、CHF、CHF、CHCF、CHCHF、CHCHF、CHCHCF、CHCHCHCF、CHCHCl、CHCFCF、CHCFCHF、CFCHFCF、C(CHCF、CH(CH)CF、又はCH(CHF)CHFを意味する。
【0024】
用語「ハロゲンで置換されている低級アルコキシ」は、少なくとも1個の水素原子が、上で定義したようなハロゲンで置き換えられているアルコキシ基を意味する。
【0025】
用語「ヘテロアリール」は、5〜14個の環原子を含有する、好ましくは5〜10個の環原子を含有する、1つ以上の縮合環からなる環状芳香族炭化水素基(ここで、少なくとも1個の環は、芳香族性であり、N、O又はSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する)、例えば、キノキサリニル、ジヒドロイソキノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル及びベンゾ[1,3]ジオキソールを意味する。好適なヘテロアリール基は、ピリジニルである。
【0026】
用語「薬学的に許容される酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような、無機及び有機酸の塩を包含する。
【0027】
好適な式Iの化合物は、Rが低級アルキルであり、Ar及びRがフェニルであるそれらである。
【0028】
特に好適なものは、Arのフェニル基が、少なくとも2個のCF基で置換されている化合物、例えば、以下の化合物である:
rac−2−フルオロ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
2−メトキシ−N−((R)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド。
【0029】
さらに好適なものは、Arのフェニル基が、少なくとも1個のCF基で置換されている化合物、例えば、以下の化合物である:
rac−2−エチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−ブロモ−6−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1,2−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−シクロプロピル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((R)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−ジフルオロメトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(5−フルオロ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−イソプロピル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((R)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−シクロブチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−イソプロピル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
2−メトキシ−N−((3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−エチル−N−((3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2,6−ジメトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−N−(1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−N−(1,6,6−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
N−((3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((3RS,5SR)−5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−ブロモ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−[1−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−[3−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−3−m−トリル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−N−(1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
rac−2−エチル−3−メチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−tert−ブチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−(4−メチル−6−フェニル−4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((3S,5R)もしくは(3R,5S)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−[(RもしくはS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−[(RもしくはS)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−エチル−N−((RもしくはS)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−N−((SもしくはR)−1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
N−((3S,6S)もしくは(3R,6R)−1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,6R)もしくは(3S,6S)−1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,6S)もしくは(3S,6R)−1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3S,5R)もしくは(3R,5S)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−エチル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−エチル−N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
2,6−ジメトキシ−N−((Rもしくは(S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド。
【0030】
好適な式Iの化合物は、Rがシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、そしてAr及びRがフェニルであるそれらであり、例えば、
rac−N−(1−シクロペンチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−シクロプロピルメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
rac−2−メトキシ−N−[3−フェニル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペリジン−3−イル]−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミドである。
【0031】
好適な式Iの化合物は、Rが低級アルキルであり、Arがフェニルであり、そしてRがヘテロアリールであるそれらであり、例えば、
rac−N−(5−フルオロ−1’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,3’]ビピリジニル−3’−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである。
【0032】
好適な式Iの化合物は、Rが水素であり、Ar及びRがフェニルであるそれらであり、例えば、
rac−2−シクロプロピル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである。
【0033】
好適な式Iの化合物は、Rがヒドロキシであるそれらであり、例えば
rac−N−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである。
【0034】
好適な式Iの化合物は、Rがハロゲンであるそれらであり、例えば
rac−N−(5−フルオロ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである。
【0035】
好適な式Iの化合物は、RがCDであるそれらであり、例えば、次の化合物
[2H−メチル]−2−メトキシ−N−((R)又は(S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩である。
【0036】
式Iの本化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、当技術で公知の方法、例えば、以下に記載するプロセスにより調製することができ、このプロセスは、以下の工程を含む。
a)式II:
【化2】


の化合物を、式III:
【化3】


の化合物と、活性化剤、例えば、HATU(o−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート)又は塩化チオニルの存在下で反応させて、式I:
【化4】


の化合物を得る(式中、置換基は、上で定義したとおりである)か、又は
b)式IV:
【化5】


の化合物を、式:
【化6】


の化合物と、N−エチルジイソプロピルアミンのような塩基の存在下で反応させて、式I:
【化7】


の化合物を得る(式中、Xはハロゲンであり、その他の置換基は、上で定義したとおりである)か、又は
c)式IV:
【化8】


の化合物を、シアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下で、式R−C(O)−Rのカルボニル試薬と反応させて、式I:
【化9】


の化合物を得(式中、置換基は、上で定義したとおりであり、R及びRは、低級アルキルであるか、又はそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基を形成する)、そして、
所望であれば、得られた化合物を、薬学的に許容される酸付加塩に変換する。
【0037】
式Iの化合物は、a)又は、b)又は、c)の変形プロセス及び下記のスキーム1〜12に従って調製することができる。出発物質は、市販されているか、又は公知の方法に従って調製してもよい。
【0038】
【化10】

【0039】
一般式Iの化合物は、式IIのピペリジン誘導体を、HATU(o−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート)又は塩化チオニルのようなの活性化剤の存在下で、式IIIの酸と反応させることにより、調製することができる。式IIのピペリジン誘導体は、ピペリドン誘導体VIを、グリニャールのような有機金属試薬と反応させてアルコールVIIを得て、続いて、TFAのような酸の存在下で、アジ化ナトリウムで処理してアジド誘導体VIIIを得て、これを、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤の存在下で、IIに変換することにより、調製することができる。
【0040】
【化11】

【0041】
あるいは、Rが水素である式IIのピペリジン誘導体は、ニトロ−ピペリドン誘導体XIIから、ニトロ基を、水素雰囲気下、ラネーニッケルのような還元剤で、又は、塩酸のような酸の存在下、亜鉛のような還元剤で還元して、アミノ−ピペリドン誘導体XIIIを得て、これを、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤の存在下、IIに還元して調製することができる。ニトロ−ピペリドン誘導体XIIは、アミン:RNH及びホルムアルデヒドのようなアルデヒドの存在下で実施される分子内マンニッヒ型反応に従って、ニトロ誘導体XIから調製することができる。XIは、ニトロ−メチル−アリール誘導体IXを、Amberlyst A21もしくはTriton Bのような塩基の存在下で、アクリル酸メチルにマイケル付加することによって、又は、ハロゲン化アリール誘導体Xと4−ニトロ酪酸メチルとを、Pddbaのようなパラジウム触媒、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−2’−メチルビフェニルのような配位子、及び炭酸セシウムのような塩基の存在下で反応させることによって、調製することができる(Buchwald et al. in J. Org. Chem. 2002, 106の記載のとおり)。
【0042】
【化12】

【0043】
あるいは、Rがアルキル基である式IIのピペリジン誘導体は、酸XVIから、DPPA(アジ化ジフェニルホスホリル)のような試薬の存在下で、クルチウス転位(Curtius Rearrangement)により、イソシアナートXVIIを得て、これを次に、水酸化ナトリウムのような塩基の存在下で加水分解して保護されたピペリジンXVIIIを導き、これを、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤の存在下でIIに還元することによって調製することができる。酸XVIは、エステルXIVから、リチウムジイソプロピルアミドのような塩基及びアルキル化剤R−Xで処理して、中間体エステルXVを得て、これを次に、水酸化リチウムのような塩基の存在下で、XVIにけん化することにより、調製することができる。
【0044】
【化13】

【0045】
置換基は、上記記載のとおりであり、R及びRは、低級アルキルであるか、又はそれらが結合している炭素原子と一緒に、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基を形成する。
【0046】
あるいは、一般式Iの化合物は、ピペリジン誘導体IVを、N−エチルジイソプロピルアミンのような塩基の存在下でアルキル化剤RXと、又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下でカルボニル試薬Vと反応させることにより、調製することができる。ピペリジン誘導体IVは、アジドVIIIを、水素化ホウ素ナトリウムのような試薬で還元して、アミン誘導体XIXを得て、これを次に、HATU又は塩化チオニルのような活性化剤の存在下で、酸IIIとカップリングさせてアミド誘導体XXを得て、これを次に、N−保護基を開裂して、IVに変換して調製することができる。
【0047】
【化14】

【0048】
あるいは、Rがフッ素である式IIのピペリジン誘導体は、フッ素化ニトロピペリドンXXIから、2回連続して還元(1回目:ラネーニッケルのような試薬を用いて、2回目:水素化アルミニウムリチウムのような試薬を用いて)することにより、調製することができる。XXIは、ニトロピペリジンXIIをリチウムジイソプロピルアミンのような塩基と反応させ、続いてN−フルオロベンゼンスルホンイミドのような求電子的フッ素化剤で処理することにより反応させることにより、調製することができる。
【0049】
【化15】

【0050】
あるいは、Rがアルキルである式IIのピペリジン誘導体は、アルキル化ニトロピペリドンXXIIIから、2回連続して還元(1回目:ラネーニッケルのような試薬を用いて、2回目:水素化アルミニウムリチウムのような試薬を用いて)することにより、調製することができる。XXIIIは、ニトロピペリジンXIIを、リチウムジイソプロピルアミンのような塩基と反応させ、続いてRX(ここで、Xはハロゲンである)のような求電子的アルキル化剤で処理することにより、調製することができる。
【0051】
【化16】

【0052】
あるいは、2個のジェミナル(geminal)アルキル基Rを含む式IIのピペリジン誘導体は、ビス−アルキル化ニトロピペリドンXXVから、2回連続して還元(1回目:ラネーニッケルのような試薬を用いて、2回目:水素化アルミニウムリチウムのような試薬を用いて)することにより、調製することができる。XXVは、モノ−アルキル化ニトロピペリジンXXIIIを、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)の存在下、リチウムジイソプロピルアミンのような塩基と反応させ、続いてRX(ここで、Xはハロゲンである)のような求電子的アルキル化剤で処理することにより、調製することができる。
【0053】
【化17】

【0054】
あるいは、Rがヒドロキシル(R=H)又はアルコキシ基(R=アルキル)である式IIのピペリジン誘導体は、ヒドロキシニトロピペリドンXXVII又はアルコキシニトロピペリドンXXVIIIから、2回連続して還元(1回目:ラネーニッケルのような試薬を用いて、2回目:水素化アルミニウムリチウムのような試薬を用いて)することにより、調製することができる。XXVIIIは、XXVIIから、水素化ナトリウムのような塩基及びRX(ここで、Xはハロゲンである)のような求電子的アルキル化剤との反応により、調製することができる。XXVIIは、ニトロピペリジンXIIを、リチウムジイソプロピルアミンのような塩基と反応させ、続いて(オキソジペルオキシ(ピリジン)(1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン)モリブデン(IV))又はビス(トリメチルシリル)ペルオキシドのような求電子的水酸化剤で処理することにより、調製することができる。
【0055】
【化18】

【0056】
あるいは、Rがピリジンのようなヘテロアリール基である式IIのピペリジン誘導体は、ニトロピペリジンチオンXXXから、2回連続して還元(1回目:水素化ホウ素ナトリウムのような試薬を用いて、2回目:ラネーニッケルのような試薬を用いて)することにより調製することができる。XXXは、ニトロピペリジノンXXIIから、ローソン(Lawesson)試薬との反応で調製することができる。
【0057】
【化19】

【0058】
あるいは、2個のジェミナルメチル基を含む式IIのピペリジン誘導体は、Boc−保護されたアミノピペリジノンXXXIIから、メチルマグネシウムブロミド及び塩化ジルコニウム(IV)と反応させ、続いて、Boc基を酸性条件下で開裂することにより、調製することができる。XXXIIは、アミノピペリドンXIIIとジ−tert−ブチルジカルボナートとを反応させて、調製することができる。
【0059】
【化20】

【0060】
あるいは、シクロプロピル単位を含む式IIのピペリジン誘導体は、Boc−保護されたアミノピペリジノンXXXIIから、エチルマグネシウムブロミド及びチタンイソプロポキシドと反応させ、続いてBoc基を酸性条件下で開裂させて、調製することができる。
【0061】
【化21】

【0062】
あるいは、Rがアルキル基である式IIのピペリジン誘導体は、ニトロ誘導体XXXIXから、ホルムアルデヒドのようなアルデヒドの存在下、分子内マンニッヒ反応を実施し、ニトロピペリジンXXXXを得て、これを次にラネーニッケルのような還元剤で処理して調製することができる。XXXIXは、Boc−保護されたニトロ誘導体XXXVIII(これは、n−ブチルリチウムのような塩基の存在下、ニトロ誘導体XXXXIをハロゲン化化合物XXXVIIと反応させることにより調製することができる)の脱保護により得ることができる。XXXVIIは、アミノアルコールXXXVの保護及びハロゲン化により得ることができる。
【0063】
キラルな化合物Iのラセミ混合物は、キラルHPLCを用いて分離することができる。
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、少なくとも化学量論当量の、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア等のような適切な塩基で処理することにより、対応する遊離塩基に変換することができる。
【0064】
実験部分:
略語
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
THF テトラヒドロフラン
TMEDA テトラメチルエチレンジアミン
【0065】
中間体の調製
実施例A.1
rac−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化22】

【0066】
a)工程1:rac−3−ヒドロキシ−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化23】


THF(13ml)中のフェニルマグネシウムブロミド(THF中1M溶液)9ml(9mmol)の溶液に、THF(5ml)中の3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(市販)1.5g(6.00mmol)の溶液を、室温で15分間かけて加えた。混合物を30分間撹拌し、次に氷浴で冷やしながら、20%塩化アンモニウム溶液(4ml)でクエンチした。有機層をデカントし、残留物を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜50%)で精製して、標記化合物0.55g(30%)を白色の固体として得た。MS(m/e):312.0(M+H)。
【0067】
a)工程2:rac−3−アジド−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化24】


3−ヒドロキシ−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル1.0g(3.212mmol)を、トリフルオロ酢酸(12.3ml)及び水(2.0ml)の冷混合物(10℃)に溶解した。溶液を、0℃に冷却し、アジ化ナトリウム1.46g(22.48mmol)を滴下した。温度は10℃に上昇した。氷浴を除去し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を氷浴で冷却し、温度を20℃未満に維持しながら、25%水酸化アンモニウム溶液(13.0ml)を滴下して塩基性化した。混合物を水(45ml)で希釈しジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を明黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
【0068】
a)工程3:rac−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
THF(2.7ml)中のLiAlH 126mg(3.15mmol)の懸濁液に、温度10℃未満で、THF(5.3ml)中のrac−3−アジド−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル530mg(1.576mmol)の溶液を滴下した。氷浴を除去した。温度は35℃に上昇した。混合物を次に65℃の油浴中で1時間加熱した。混合物を0℃に冷却した。温度を10℃未満に維持しながら、水(125ul)、5N NaOH(125ul)、そして最後に水(0.375ml)を滴下した。混合物を酢酸エチルで希釈した。硫酸ナトリウムを加えた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物0.14g(47%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):191.5(M+H)。
【0069】
実施例A.2
rac−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化25】


実施例A.1(工程1〜3)の合成に関して記載した手順と同様にして、3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(市販)及び4−フルオロ−フェニルマグネシウムブロミドから、標記化合物を調製した。MS(m/e):209.2(M+H)。
【0070】
実施例A.3
rac−3−(4−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化26】


実施例A.1(工程1〜3)の合成に関して記載した手順と同様にして、3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(市販)及び4−クロロ−フェニルマグネシウムブロミドから、標記化合物を調製した。MS(m/e):225.3(M+H)。
【0071】
実施例A.4
rac−1−メチル−3−p−トリル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化27】


実施例A.1(工程1〜3)の合成に関して記載した手順と同様にして、3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(市販)及び4−メチル−フェニルマグネシウムブロミドから、標記化合物を調製した。MS(m/e):205.3(M+H)。
【0072】
実施例A.5
rac−1,2−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化28】

【0073】
a)工程1:3−ヒドロキシ−2−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化29】


ジクロロメタン9.8ml中の2−メチル−ピペリジン−3−オール(CAS:4766−56−7)1.4g(9.232mmol)の溶液に、アルゴン下、室温で、トリエチルアミン2.57ml(18.46mmol)を加えた。混合物を15分間撹拌し、次に0℃に冷却した。ベンジルクロロホルマート1.37ml(9.232mmol)を滴下した。反応混合物を室温に戻し、一晩撹拌を続けた。混合物を水で3回抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜30)により精製して、標記化合物800mg(34.8%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):272.4(M+Na)。
【0074】
b)工程2:rac−2−メチル−3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化30】


ジクロロメタン3ml中の塩化オキサリル309.5ul(3.530mmol)の撹拌した溶液に、−50℃〜−60℃で、ジクロロメタン2ml中のDMSO 873ulの溶液を加えた。反応混合物を10分間撹拌し、この後、ジクロロメタン3ml中の3−ヒドロキシ−2−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル800mg(3.209mmol)の溶液を10分間かけて加えた。撹拌をさらに30分間続けた。これに、次にトリエチルアミン2.24ml(16.05mmol)を加えた。反応混合物を15分間撹拌し、次に室温に温め、水に溶かし、分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜40)により精製して、標記化合物600mg(76%)を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):270.2(M+Na)。
【0075】
c)工程3:rac−1,2−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.1(工程1〜3)の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−2−メチル−3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル及びフェニルマグネシウムブロミドから、標記化合物を調製した。MS(m/e):205.2(M+H)。
【0076】
実施例A.6
rac−3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化31】

【0077】
a)工程1:rac−4−(3−クロロ−フェニル)−4−ニトロ−酪酸メチルエステル
【化32】


0℃のジオキサン2ml中の1−クロロ−3−ニトロメチル−ベンゼン(CAS:38362−91−3)1g(5.828mmol)の溶液に、アクリル酸メチル0.512g(5.828mmol)、続いてAmberlyst A-21 3.3gを加えた。反応混合物を一晩室温で撹拌し、濾過し、濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜10%)により精製して、標記化合物980mg(65%)を無色の油状物として得た。
【0078】
b)工程2:rac−5−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−5−ニトロ−ピペリジン−2−オン
【化33】


ジオキサン1ml中のメチルアミン(水中41%)164ul(1.940mmol)の撹拌した室温の溶液に、ホルムアルデヒド(水中37%)141ul(1.940mmol)を滴下した(発熱反応)。混合物を5分間撹拌し、次にジオキサン1.5ml中のrac−4−(3−クロロ−フェニル)−4−ニトロ−酪酸メチルエステル0.5g(1.940mmol)の溶液を一度に加えた。混合物を65℃で6時間で撹拌した。混合物を室温に冷まし、酢酸エチル及び飽和NaCl溶液を加えた。水相を、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)により精製して、標記化合物395mg(76%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):269.2(MH+)。
【0079】
c)工程3:rac−5−アミノ−5−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−2−オン
【化34】


ジオキサン0.5ml中の5−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−5−ニトロ−ピペリジン−2−オン115mg(0.428mmol)の溶液に、3NHCl 2ml及び亜鉛末280mg(4.28mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を、濾過し、濾液を5N NaOH溶液で塩基性化した。酢酸エチルを加えた。混合物を、ジカライトパッドを通して濾過した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物88mg(86%)を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):239.0(MH+)。
【0080】
d)工程4:rac−3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミン
THF0.5ml中のLiAlH20mg(0.494mmol)のスラリーに、THF0.6ml中のrac−5−アミノ−5−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−2−オン59mg(0.247mmol)の溶液を室温で滴下した。混合物を、30分間還流した。混合物を氷浴で冷却し、水20ul、5N NaOH 20ul、そして最後に水60ulで注意深くクエンチした。酢酸エチルを加えた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物を48mg(86%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):225.2(MH+)。
【0081】
実施例A.7
rac−3−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化35】

【0082】
a)工程1:rac−4−(4−メトキシ−フェニル)−4−ニトロ−酪酸メチルエステル
【化36】


Buchwald et al. (J. Org. Chem. 2002, 106)が記載したように:フラスコに、Pddba187mg(0.198mmol)、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル247mg(0.791mmol)、そして炭酸セシウム1.555g(4.747mmol)を連続して加えた。混合物をアルゴン下に置き、4−ブロモアニソール740mg(3.956mmol)、DME15ml、そして最後に4−ニトロ酪酸メチル600mg(3.956mmol)を連続して加えた。混合物を室温で1分間激しく撹拌し、フラスコを予熱した油浴50℃中に置き、この温度で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NHCl溶液及び酢酸エチルを加えた。水相を、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜20%)により精製して、標記化合物897mg(90%)を橙色の油状物として得た。
【0083】
b)工程2:rac−3−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.6(工程:2〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−4−(4−メトキシ−フェニル)−4−ニトロ−酪酸メチルエステルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):221.2(MH+)。
【0084】
実施例A.8
rac−5−フルオロ−1’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2H−[2,3’]ビピリジニル−3’−イルアミンの調製
【化37】


実施例A.7(工程:1〜2)の合成に関して記載した手順と同様にして、4−ニトロ酪酸メチル及び2−ブロモ−5−フルオロピリジンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):210.2(MH+)。
【0085】
実施例A.9
rac−5−フルオロ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化38】

【0086】
a)工程1:rac−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化39】


実施例A.6(工程:1〜2)の合成に関して記載した手順と同様にして、ニトロメチル−ベンゼン(CAS:622−42−4)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):235.2(MH+)。
【0087】
b)工程2:rac−3−フルオロ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化40】


THF2ml中のジイソプロピルアミン78.4ul(0.555mmol)の溶液に、ヘキサン中の1.6M n−BuLi溶液347ul(0.555mmol)を−5℃で加えた。溶液を0℃で15分間撹拌し、次に−70℃に冷却した。THF1ml中のrac−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン100mg(0.427mmol)の溶液を滴下した。褐色の溶液を、−70℃で45分間撹拌した。THF 1ml中のN−フルオロベンゼンスルホンイミド180mg(0.555mmol)の溶液を滴下した。混合物を−70℃で1.5時間撹拌し、20%NHCl溶液2mlでクエンチし、室温に温めた。水及び酢酸エチルを加えた。水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)により精製して、標記化合物58mg(54%)を明黄色の固体として得た。MS(m/e):253.2(M+H)。
【0088】
c)工程3:rac−5−アミノ−3−フルオロ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化41】


THF 1.5ml中のrac−3−フルオロ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン55mg(0.218mmol)の溶液に、0℃で、ラネーニッケル(水中50%)100ulを加えた。混合物を水素雰囲気下で0℃で2時間撹拌した。混合物を、濾過し、触媒をTHFで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物48mg(99%)を明黄色の固体として得た。MS(m/e):223.3(M+H)。
【0089】
d)工程4:rac−5−フルオロ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.6(工程:4)の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−5−アミノ−3−フルオロ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):192.3(M−NH)。
【0090】
実施例A.10
rac−5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化42】

【0091】
a)工程1:rac−3−ヒドロキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化43】


THF3ml中のジイソプロピルアミン118ul(0.833mmol)の溶液に、ヘキサン中の1.6M n−BuLi溶液520ul(0.833mmol)を−5℃で加えた。溶液を、0℃で15分間撹拌し、次に−70℃に冷却した。THF1.5ml中のrac−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン(実施例A.9、工程1)150mg(0.641mmol)の溶液を滴下した。褐色の溶液を−70℃で45分間撹拌した。(オキソジペルオキシ(ピリジン)(1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン)モリブデン(IV))517mg(1.282mmol)を−70℃で滴下した。混合物を−70℃で1時間撹拌し、次に0℃に温めた。0℃で1時間後、混合物を亜硫酸ナトリウム飽和溶液2.5mlでクエンチした。水及び酢酸エチルを加えた。水層を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)により精製して、標記化合物82mg(51%)を明褐色の油状物として得た。MS(m/e):251.1(MH+)。
【0092】
b)工程2:rac−3−メトキシメトキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化44】


1,2−ジメトキシエタン中のrac−3−ヒドロキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン50mg(0.2mmol)及びN−エチルジイソプロピルアミン52ul(0.3mmol)の溶液に、クロロメチルメチルエーテル23ul(0.3mmol)を室温で加えた。1時間後、溶液を、60℃の油浴中で20時間加熱した。混合物を室温に冷ました。N−エチルジイソプロピルアミン52ul(0.3mmol)及びクロロメチルメチルエーテル23ul(0.3mmol)を加えた。混合物を60℃の油浴中で4時間加熱した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶かした。混合物を水で1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)により精製して、標記化合物30mg(51%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):295.2(MH+)。
【0093】
c)工程3:rac−5−アミノ−3−メトキシメトキシ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化45】


実施例A.9(工程:3)の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−3−メトキシメトキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):265.1(MH+)。
【0094】
d)工程4:rac−5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.6(工程:4)の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−5−アミノ−3−メトキシメトキシ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):251.2(MH+)。
【0095】
実施例A.11
rac−3−シクロヘキシル−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化46】

【0096】
a)工程1:rac−4−シクロヘキシル−4−ニトロ−酪酸メチルエステル
【化47】


40℃に温めた、tert−ブタノール1ml中のニトロメチル−シクロヘキサン(CAS:2625−30−1)3.18g(22.2mmol)及びメタノール中の35%水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム0.12mlの溶液に、アクリル酸メチル1.99ml(22.2mmol)を加えた。黄色の混合物を40℃で2時間撹拌し、次に水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。標記化合物を僅かに黄色の油状物として得た:MS(EI):198(M−MeO)、183(M−NO2)、151(M−(MeO+NO2+H))(100%)。
【0097】
b)工程2:rac−5−シクロヘキシル−1−メチル−5−ニトロ−ピペリジン−2−オン
【化48】


rac−4−シクロヘキシル−4−ニトロ−酪酸メチルエステル4.25g(18.5mmol)に、1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン4.56ml(32.5mmol)を加え、混合物を100℃で4時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷まし、シリカゲルに吸着させ、これをシリカゲルカラムの上に移し、ヘプタンと10〜75%酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。:標記化合物2.55gを、無色の油状物として単離した。:MS(m/e):240(MH+)。
【0098】
c)工程3:rac−5−アミノ−5−シクロヘキシル−1−メチル−ピペリジン−2−オン
【化49】


メタノール5ml中のrac−5−シクロヘキシル−1−メチル−5−ニトロ−ピペリジン−2−オン500mg(2.08mmol)の溶液に、湿潤ラネーニッケル500mgを加え、混合物を、水素雰囲気下、常圧及び周囲温度で22時間撹拌した。次に反応混合物をジカライトパッドを通して濾過し、沈殿物をメタノールで洗浄し、濾液を濃縮した。:標記化合物452mgを無色の油状物として得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0099】
d)工程4:rac−3−シクロヘキシル−1−メチル−ピペリジン−3−イル−アミン
0℃に冷却した、テトラヒドロフラン中の2.5M 水素化アルミニウムリチウム溶液2.06mlに、テトラヒドロフラン6ml中のrac−5−アミノ−5−シクロヘキシル−1−メチル−ピペリジン−2−オン452mg(2.15mmol)の溶液を滴下した。次に溶液を65℃で1時間加熱した。混濁した反応溶液を、氷浴で12℃未満に冷却し、水0.13ml、2N NaOH 0.32ml、さらに水0.19mlを滴下した。懸濁液をtert−ブチルメチルエーテルで希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。:標記化合物368mgを無色の油状物として得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0100】
実施例A.12
rac−1−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化50】

【0101】
a)工程1:4−ニトロメチル−テトラヒドロ−ピラン
【化51】


0℃に冷却した、アルミホイルでくるんだ反応フラスコ中のアセトニトリル6ml中の亜硝酸銀1.81g(11.8mmol)の撹拌した懸濁液に、4−ブロモメチル−テトラヒドロ−ピラン1.60g(8.93mmol)を5分以内に滴下した。撹拌を次に周囲温度で93時間続けた。反応混合物を濾過し、ジエチルエーテルで十分に洗浄した。濾液をシリカゲルと混合し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラム上に移し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル 9:1)により精製した。標記化合物(441mg)を無色の油状物として得た。
【0102】
b)工程2:rac−1−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.11(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、4−ニトロメチル−テトラヒドロ−ピランから、標記化合物を調製した。
【0103】
実施例A.13
rac−1,3−ジメチル−ピペリジン−3−イルアミン二塩酸塩の調製
【化52】

【0104】
a)工程1:rac−3−イソシアナト−3−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化53】


トルエン8ml中のrac−3−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(CAS:534602−47−6)727mg(3.0mmol)の懸濁液に、周囲温度で、トリエチルアミン0.42ml(3.0mmol)を加えた。得られた溶液に、撹拌下で、アジ化ジフェニルホスホリル0.72ml(3.3mmol)を加え、混合物を90℃で90分間加熱(ガス発生)した。反応混合物を、氷水に注ぎ、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。標記化合物を僅かに黄色の油状物として得て、これを精製せずに次の工程で使用した。MS(m/e):240(M)。
【0105】
b)工程2:rac−3−アミノ−3−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化54】


THF 17ml中のrac−3−イソシアナト−3−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル812mg(3.38mmol)の溶液に、2N NaOH 16.9mlを加え、エマルションを周囲温度で20時間激しく撹拌した。エマルションを、tert−ブチルメチルエーテルで希釈し、3回抽出した。合わせた抽出物を、ブラインで洗浄して中性のpHにし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をヘプタンと10〜100%酢酸エチルの勾配、次に酢酸エチル/MeOHでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物:232mgの無色の油状物を得て、これを周囲温度で結晶化させた。MS(m/e):215.2(M+H)。
【0106】
c)工程3:rac−1,3−ジメチル−ピペリジン−3−イルアミンニ塩酸塩
THF中の1M 水素化アルミニウムリチウム3.15mlに、脱水THF4ml中のrac−3−アミノ−3−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル225mg(1.05mmol)の溶液を5〜10℃で滴下した。反応混合物を65℃で1時間加熱した。混濁した反応溶液を氷浴で12℃未満に冷却し、水0.13ml、2N NaOH 0.32ml、さらに水0.19mlを滴下した。懸濁液をtert−ブチルメチルエーテルで希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ジエチルエーテル中の2N HClで酸性化した。濃縮により、標記化合物210mgを無色の半固体として得た。MS(m/e):129.3(M+H)。
【0107】
実施例A.14
rac−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化55】

【0108】
実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、2,4−ジフルオロ−1−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0109】
実施例A.15
rac−3−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化56】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−フルオロ−2−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0110】
実施例A.16
rac−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化57】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1,4−ジフルオロ−2−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0111】
実施例A.17
rac−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イルアミンの調製
【化58】

【0112】
a)工程1:rac−1−メチル−3−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オン
【化59】

【0113】
実施例A.6(工程:1〜2)の合成に関して記載した手順と同様にして、4−ニトロメチル−ピリジン(CAS:22918−06−5)から、標記化合物を調製した。
【0114】
b)工程2:rac−1−メチル−3−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−チオン
【化60】


トルエン2.5ml中のrac−1−メチル−3−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−オン125mg(0.531mmol)の溶液に、ローソン試薬240mg(0.584mmol)を加えた。懸濁液を80℃の油浴中で30分間加熱した。混合物を減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物105mg(79%)を明黄色の固体として得た。MS(m/e):252.1(M+H)。
【0115】
c)工程3:rac−1−メチル−3−ニトロ−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル
【化61】


メタノール2.1ml中のrac−1−メチル−3−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[3,4’]ビピリジニル−6−チオン105mg(0.418mmol)の溶液に、NaBH 144mg(3.8mmol)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌した。水(1.0ml)を加えた。混合物を1時間撹拌した。メタノールを減圧下で除去した。残留物を水で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物53mg(57%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):222.3(M+H)。
【0116】
d)工程4:rac−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イルアミン
0℃に冷却した、THF2.0ml中のrac−1−メチル−3−ニトロ−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−[3,4’]ビピリジニル52mg(0.235mmol)の溶液に、ラネーニッケル(水中50%)150ulを加えた。混合物を、水素雰囲気下、0℃で7時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物45mg(88%)を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):192.4(M+H)。
【0117】
実施例A.18
rac−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イルアミンの調製
【化62】

【0118】
a)工程1:rac−1−メチル−3−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[3,3’]ビピリジニル−6−オン
【化63】


実施例A.7(工程:1〜2)の合成に関して記載した手順と同様にして、3−ニトロメチル−ピリジン(CAS:69966−29−6)から、標記化合物を調製した。
【0119】
b)工程2:rac−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イルアミン
実施例A.17(工程:2〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−1−メチル−3−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[3,3’]ビピリジニル−6−オンから、標記化合物を調製した。
【0120】
実施例A.19
(3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化64】

【0121】
a)工程1:(3SR,5RS)−3−メトキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化65】


DMF 11.5ml中のrac−3−ヒドロキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン(実施例A.10、工程1)1.15g(4.595mmol)の溶液を0℃に冷却した。NaH(油状物中60%)220mg(5.514mmol)を加えた。温度は3℃に上昇した。混合物を0℃で15分間撹拌した。ヨードメタン430ul(6.893mmol)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。水6.5mlを加え、溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶かした。溶液を水で2回洗浄した。洗浄物を酢酸エチルで1回再抽出した。
合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物500mg(42%)を、明褐色の固体として得た。MS(m/e):265.1(M+H)。
【0122】
b)工程2:(3SR,5RS)−5−アミノ−3−メトキシ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化66】


実施例A.17(工程:4)の合成に関して記載した手順と同様にして、(3SR,5RS)−3−メトキシ−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。
【0123】
c)工程3:(3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.6(工程:4)の合成に関して記載した手順と同様にして、(3SR,5RS)−5−アミノ−3−メトキシ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。
【0124】
実施例A.20
(3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化67】

【0125】
a)工程1:(3SR,5RS)−1,3−ジメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化68】


THF40ml中のジイソプロピルアミン1.6ml(11.1mmol)の溶液に、ヘキサン中の1.6M n−Buli溶液7ml(11.1mmol)を−5℃で加えた。溶液を、0℃で15分間撹拌し、次に−70℃に冷却した。THF20ml中のrac−1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン(実施例A9、工程1)2g(8.538mmol)の溶液を滴下した。褐色の溶液を−70℃で45分間撹拌した。THF(8ml)中のヨウ化メチル639ul(10.25mmol)を−70℃で滴下した。混合物を−70℃で1時間撹拌し、次に0℃に温めた。0℃で30分間後、混合物を20%NHCl溶液30mlでクエンチした。水及び酢酸エチルを加えた。水層を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物1.72g(81%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):249.2(M+H)。
【0126】
b)工程2:(3SR,5RS)−5−アミノ−1,3−ジメチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化69】


実施例A.17、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、(3SR,5RS)−1,3−ジメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):202.2(M−NH)。
【0127】
c)工程3:(3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.6、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、(3SR,5RS)−5−アミノ−1,3−ジメチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):205.3(M+H)。
【0128】
実施例A.21
rac−1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化70】

【0129】
a)工程1:1,3,3−トリメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化71】


THF4ml中のジイソプロピルアミン170.7ul(1.208mmol)の溶液に、ヘキサン中の1.6M n−Buli溶液755ul(1.208mmol)を−5℃で加えた。溶液を、0℃で15分間撹拌し、次に−70℃に冷却した。次にHMPA 300ulを加えた。THF2ml中の(3SR,5RS)−1,3−ジメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン(実施例A.20、工程a)200mg(0.805mmol)の溶液を滴下した。褐色の溶液を−70℃で45分間撹拌した。THF(1ml)中のヨウ化メチル151ul(2.415mmol)を−70℃で滴下した。混合物を−70℃で1時間撹拌し、次に0℃に温めた。0℃で1時間後、混合物を20%NHCl溶液7mlでクエンチした。水及び酢酸エチルを加えた。水層を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物131mg(62%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):263.2(M+H)。
【0130】
b)工程2:rac−1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
実施例A.20、工程2〜3の合成に関して記載した手順と同様にして、1,3,3−トリメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):219.4(M+H)。
【0131】
実施例A.22
rac−1,6,6−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化72】

【0132】
a)工程1:5−アミノ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化73】


実施例A.6、工程3の合成に関して記載した手順と同様にして、1−メチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン(実施例A.9、工程1)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):205.2(M+H)。
【0133】
b)工程2:(1−メチル−6−オキソ−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化74】


THF30ml中の5−アミノ−1−メチル−5−フェニル−ピペリジン−2−オン1.5g(7.35mmol)の溶液に、窒素下、室温で、トリエチルアミン2.1ml(14.7mmol)を加えた。THF15ml中のジ−tert−ブチルジカルボナート3.24g(14.7mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を55℃の油浴中で7時間、次に室温で一晩撹拌した。水100mlを加えた。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物1.21g(54%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):305.3(M+H)。
【0134】
c)工程3:(1,6,6−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化75】


THF2ml中の(1−メチル−6−オキソ−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル61mg(0.2mmol)の溶液を−20℃に冷却した。塩化ジルコニウム(IV)48mg(0.2mmol)を一度に加えた。温度は−12℃に上昇した。混合物を−10℃で30分間撹拌した。エーテル中の3M メチルマグネシウムブロミド溶液400ul(1.2mmol)を、温度を−10℃未満に維持しながら滴下した。10分間後、混合物を室温に温めた。2時間後、混合物を氷浴で冷却し、飽和NHCl溶液2mlでクエンチした。酢酸エチル及び水を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物50mg(80%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):319.3(M+H)。
【0135】
d)工程4:rac−1,6,6−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
ジオキサン0.3ml中の(1,6,6−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル50mg(0.157mmol)の溶液に、ジオキサン中の4M HCl溶液0.39ml(1.57mmol)を室温で加えた。30分間後、メタノール0.3mlを加え、生成物を溶解した。混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を水に溶解した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、次に2M炭酸ナトリウム溶液で塩基性化した。水層をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物22mg(64%)を褐色の油状物として得た。MS(m/e):219.4(M+H)。
【0136】
実施例A.23
rac−3−(3−ブロモ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化76】

【0137】
a)工程1:rac−3−(3−ブロモ−フェニル)−1−メチル−3−ニトロ−ピペリジン
【化77】


実施例A.17、工程1〜3の合成に関して記載した手順と同様にして、1−ブロモ−3−ニトロメチル−ベンゼン(CAS:854634−33−6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):300.3(M+H)。
【0138】
b)工程2:rac−3−(3−ブロモ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミン
【化78】


実施例A.6、工程3の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−3−(3−ブロモ−フェニル)−1−メチル−3−ニトロ−ピペリジンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):269.2(M+H)。
【0139】
実施例A.24
rac−3−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化79】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、2−クロロ−4−フルオロ−1−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0140】
実施例A.25
rac−3−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化80】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、4−クロロ−1−フルオロ−2−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0141】
実施例A.26
rac−1−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化81】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−ニトロメチル−3−トリフルオロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0142】
実施例A.27
rac−1−メチル−3−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化82】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−ニトロメチル−3−トリフルオロメトキシ−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0143】
実施例A.28
rac−3−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化83】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−メトキシ−3−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0144】
実施例A.29
rac−3−(3−ジフルオロメトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化84】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−ジフルオロメトキシ−3−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0145】
実施例A.30
rac−3−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化85】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−フルオロ−3−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0146】
実施例A.31
rac−3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化86】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0147】
実施例A.32
rac−3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化87】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1,2−ジフルオロ−4−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0148】
実施例A.33
rac−1−メチル−3−m−トリル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化88】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−メチル−3−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0149】
実施例A.34
rac−3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化89】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1−フルオロ−2−メチル−4−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0150】
実施例A.35
rac−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化90】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、1,3−ジフルオロ−5−ニトロメチル−ベンゼンから、標記化合物を調製した。
【0151】
実施例A.36
rac−1−メチル−3−(3−チアゾール−2−イル−フェニル)−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化91】


実施例A.6(工程:1〜4)の合成に関して記載した手順と同様にして、2−(3−ニトロメチル−フェニル)−チアゾールから、標記化合物を調製した。
【0152】
実施例A.37
rac−1−tert−ブチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミンの調製
【化92】

【0153】
a)工程1:rac−4−ニトロ−4−フェニル−酪酸メチルエステル
【化93】


実施例A.6、工程1の合成に関して記載した手順と同様にして、ニトロメチル−ベンゼン(CAS:622−42−4)から、標記化合物を調製した。
【0154】
b)工程2:rac−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化94】


エタノール15ml中の酢酸アンモニウム2.11g(26.88mmol)の撹拌した溶液に、窒素下、室温で、ホルムアルデヒド(水中37%)980ul(13.44mmol)、続いてエタノール7.5ml中のrac−4−ニトロ−4−フェニル−酪酸メチルエステル3g(13.44mmol)の溶液を加えた。混合物を、26時間還流し、次に室温に冷まし、溶媒を蒸発させた。水を加えた。得られた懸濁液を、15分間撹拌し、濾過し、水で次にジエチルエーテルですすぎ、減圧下で乾燥させて、標記化合物2.49g(収率:84.1%)を白色の固体として得た。MS(m/e):221.2(M+H)。
【0155】
c)工程3:rac−5−アミノ−5−フェニル−ピペリジン−2−オン
【化95】


実施例A.17、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):191.4(M+H)。
【0156】
d)工程4:rac−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
【化96】


実施例A.6、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−5−アミノ−5−フェニル−ピペリジン−2−オンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):177.7(M+H)。
【0157】
e)工程5:rac−2−(3−アミノ−3−フェニル−ピペリジン−1−イル)−2−メチル−プロピオニトリル
【化97】


酢酸1.3ml中のrac−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン300mg(1.701mmol)の溶液に、アセトン188ul(2.553mmol)を滴下した。混合物を室温で5分間撹拌した。シアン化トリメチルシリル320ul(2.553mmol)を滴下した。温度は31℃に上昇した。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、0℃に冷却した。2N NaOHを滴下して混合物を塩基性化した。有機層を分離し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物315mg(76.1%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):244.4(M+H)。
【0158】
f)工程6:rac−1−tert−ブチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
モレキュラーシーブで乾燥させたテトラヒドロフラン2.0ml中のrac−2−(3−アミノ−3−フェニル−ピペリジン−1−イル)−2−メチル−プロピオニトリル100mg(0.411mmol)の溶液に、窒素下、0℃で、ジエチルエーテル中の3M メチルマグネシウムブロミド溶液1.4ul(4.11mmol)を滴下した。混合物を0℃で10分間、次に60℃で30時間撹拌した。混合物を氷浴で冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物60mg(63%)を、黄色のガム状物として得た。MS(m/e):233.2(M+H)。
【0159】
実施例A.38
rac−4−メチル−6−フェニル−4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルアミン塩酸塩の調製
【化98】

【0160】
a)工程1:rac−(4−メチル−6−フェニル−4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化99】


THF4ml中のエーテル中の3Mエチルマグネシウムブロミド溶液333ul(1.0mmol)の溶液を、−70℃に冷却した。THF 0.4ml中のチタンイソプロポキシド124ul(0.42mmol)の溶液を滴下した。明褐色の混合物を2分間撹拌した。THF2.4ml中のrac−(1−メチル−6−オキソ−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例A.22、工程2)122mg(0.4mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温に温めて、3時間撹拌した。混合物を氷浴で冷却し、20%塩化アンモニウム溶液でクエンチした。水及び酢酸エチルを加えた。白色の懸濁液をジカライトパッドを通して濾過した。有機層を分離し水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物14mg(11%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):317.2(M+H)。
【0161】
b)工程2:rac−4−メチル−6−フェニル−4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルアミン塩酸塩
実施例A.22、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−(4−メチル−6−フェニル−4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):217.4(M+H)。
【0162】
実施例B.1
2−ブロモ−6−メトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化100】


−75℃に冷却したTHF(70ml)に、シクロヘキサン中の1.4M sec-BuLi溶液36ml(50.0mmol)を、温度を−70℃未満に維持しながら5分以内に滴下した。TMEDA7.5ml(50.0mmol)を、温度−70℃未満で5分以内に滴下した。THF(25ml)中の2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)安息香酸(市販)5.0g(22.71mmol)の溶液を20分間かけて滴下した。暗緑色の溶液を、−75℃で2時間撹拌した。THF(30ml)中の1,2−ジブロモテトラクロロエタン29.6g(90.84mmol)の溶液を滴下した。オフホワイトの懸濁液を、−75℃で1時間撹拌し、次に室温に温めた。黄色の溶液を氷浴下で冷却しながら水60mlを滴下してクエンチした。混合物を酢酸エチル(70ml)及び水(30ml)で希釈した。水層を酢酸エチル(50ml)で抽出し、25%HClで酸性化し、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をヘプタン中で撹拌し、濾過し、乾燥させた。固体をヘプタン(7ml)及び酢酸エチル(2ml)から再結晶させ、標記化合物815mg(12%)を白色の固体として得た。MS(m/e):298.9(M−H)。
【0163】
実施例B.2
2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化101】


実施例B.1の合成に関して記載した手順と同様にして、2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)安息香酸(市販)及びジメチルジスルフィドから、標記化合物を調製した。
【0164】
実施例B.3
2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化102】

【0165】
a)工程1:2−ブロモ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
【化103】


DMF20ml中の2−ブロモ−4−トリフルオロメチル−安息香酸(CAS:328−89−2)2g(7.434mmol)の溶液に、窒素下、室温で、炭酸カリウム1.13g(8.177mmol)及びヨウ化メチル557ul(8.921mmol)を加えた。混合物を窒素下で一晩撹拌した。混合物を水(300ml)に注いだ。水層を酢酸エチル(2×80ml)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜10%)で精製して、標記化合物1.75g(83%)を橙色の油状物として得た。
【0166】
b)工程2:2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
【化104】


トルエン6ml及び水0.3ml中の2−ブロモ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル400mg(1.413mmol)、シクロプロピルボロン酸146mg(1.696mmol)、リン酸三カリウム一水和物1.21g(4.946mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン40.9mg(0.141mmol)の溶液に、窒素下、室温で、酢酸パラジウム15.9mg(0.0707mmol)を加えた。混合物を、窒素下、100℃の油浴中で4時間、そして室温で一晩撹拌した。混合物を室温に冷ました。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜10%)で精製して、標記化合物0.24g(71%)を黄色の油状物として得た。
【0167】
c)工程3:2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
【化105】


エタノール8ml中の2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル485mg(1.986mmol)の懸濁液に、室温で、2N NaOH 1.99ml(3.972mmol)を加えた。混合物を80℃の油浴中で30分間加熱した。溶液を室温に冷まし、エタノールを蒸発させた。残留物を水で希釈し、2N HClでpH2に酸性化し、ジクロロメタンを加えた。水相を、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物0.197g(27%)を明黄色の固体として得た。MS(m/e):229.0(M−H)。
【0168】
実施例B.4
5−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸の調製
【化106】


水4.5ml中の2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸(CAS:54507−44−7)300mg(0.949mmol)、フェニルボロン酸239mg(1.898mmol)、炭酸ナトリウム302mg(2.847mmol)及び酢酸パラジウム10.7mg(0.0475mmol)の混合物を、室温で48時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を37%HClで酸性化した。混合物を室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、標記化合物225mg(89%)を褐色の固体として得た。MS(m/e):264.9(M+H)。
【0169】
実施例B.5
2−イソプロポキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化107】


テトラヒドロフラン6.5ml中の2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(CAS:345−28−8)500mg(2.271mmol)、2−プロパノール209ul(2.725mmol)及びトリフェニルホスフィン706.2mg(2.612mmol)の溶液に、窒素下、0℃で、テトラヒドロフラン1ml中のジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラート575.2mg(2.498mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を室温に温め、1.5時間撹拌した。2N NaOH 8ml(15.9mmol)を加え、反応混合物を80℃で5時間温めた。反応混合物をエーテル5mlで2回抽出した。水層を氷浴下で冷却しながら、5N HCl溶液でpH1に酸性化した。得られた沈殿物を濾過し、減圧下で乾燥させて、予定の化合物444mg(収率:78.8%)を白色の固体として得た。MS(m/e):247.0(MH+)。
【0170】
実施例B.6
2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリドの調製
【化108】


トルエン(0.5ml)中の2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−安息香酸(実施例B.2)51mg(0.191mmol)及び塩化チオニル140ul(1.91mmol)の混合物を、80℃の油浴中で4時間加熱した。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物を得た。
【0171】
実施例B.7
2−エチル−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリドの調製
【化109】

【0172】
a)工程1:2−エチル−4,6−ビス−トリフルオロメチル−安息香酸
【化110】


実施例B.1の合成に関して記載した手順と同様にして、2,4−ビス−トリフルオロメチル−安息香酸(市販)及びヨウ化エチルから、標記化合物を調製した。
【0173】
実施例B.8
2−ジフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化111】

【0174】
a)工程1:2−ジフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
【化112】


N,N−ジメチルホルムアミド5ml中の2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(CAS:345−28−8)500mg(2.271mmol)の溶液に、室温で、炭酸カリウム470.8mg(3.407mmol)を加え、続いてクロロジフルオロ酢酸メチル293.4ul(2.725mmol)を滴下した。反応混合物を65℃の油浴で22時間加熱した。水及び酢酸エチルを加えた。有機相を水で3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物449mgをピンクの油状物として得て、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
【0175】
b)工程2:2−ジフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸
実施例B.3、工程3の合成に関して記載した手順と同様にして、2−ジフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):254.9(M−H)
【0176】
実施例B.9
2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化113】

【0177】
a)工程1:2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
【化114】


Pddba30mg(0.0318mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル37.9mg(0.106mmol)及び三塩基性リン酸三カリウム315mg(1.484mmol)に、アルゴン下、室温で、脱水トルエン5.5ml中のピロリジン105.2ul(1.272mmol)の溶液を、続いて2−ブロモ−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル(CAS:328−89−2)300mg(1.06mmol)を加えた。反応混合物を80℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷まし、ジクロロメタンで希釈した。懸濁液を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜10%)で精製して、標記化合物88mg(30.4%)を、橙色の油状物として得た。MS(m/e):274.3(MH+)。
【0178】
b)工程2:2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
実施例B.3、工程3の合成に関して記載した手順と同様にして、2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):258.0(M−H)。
【0179】
実施例B.10
2−シクロヘキシル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化115】

【0180】
a)工程1:2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
【化116】


実施例B.3、工程1の合成に関して記載した手順と同様にして、2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸(CAS:54507−44−7)から、標記化合物を調製した。
【0181】
b)工程2:2−シクロヘキシル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル
【化117】


THF(5ml)中の2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル300mg(0.909mmol)、Pd(dppf)Cl14.4mg(0.0455mmol)及びヨウ化銅(I)10.6mg(0.0545mmol)の溶液に、シクロヘキシル臭化亜鉛(0.5M)2.73ml(1.364mmol)を室温で加えた。混合物を3時間撹拌した。次にそれを50℃に加熱し、4時間そして室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルに溶解した。次にそれを1N HCl溶液で2回、飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回、そしてブラインで1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜20%)で精製して、標記化合物176mg(68%)を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):286(MH+)。
【0182】
c)工程3:2−シクロヘキシル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
実施例B.3、工程3の合成に関して記載した手順と同様にして、2−シクロヘキシル−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):271.2(M−H)
【0183】
実施例B.11
2−シクロペンチル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化118】


実施例B.10の合成に関して記載した手順と同様にして、2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル及びシクロペンチル臭化亜鉛から、続いて水酸化ナトリウムでけん化して、標記化合物を調製した。MS(m/e):257.0(M−H)
【0184】
実施例B.12
2−シクロブチル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化119】


実施例B.10の合成に関して記載した手順と同様にして、2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル及びシクロブチル臭化亜鉛から、続いて水酸化ナトリウムでけん化して、標記化合物を調製した。MS(m/e):243.0(M−H)
【0185】
実施例B.13
2−イソプロピル−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化120】


実施例B.10の合成に関して記載した手順と同様にして、2−ヨード−4−トリフルオロメチル−安息香酸メチルエステル及び2−プロピル臭化亜鉛から、続いて水酸化ナトリウムでけん化して、標記化合物を調製した。MS(m/e):231.0(M−H)
【0186】
実施例B.14
2,6−ジメトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化121】


水33ml及びエタノール33ml中の水酸化ナトリウム(5.66g、141.4mmol)の溶液に、窒素下、室温で、2,6−ジメトキシ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(CAS:51271−36−4)(3.27g、14.14mmol)を加えた。反応混合物を90℃の油浴中で37時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、水130mlを加えた。生成物を濾過により回収し、乾燥させて、オフホワイトの固体3.05gを得た。水9.5ml中のニトロシル硫酸(15.6g、110.2mmol)の溶液に、窒素下、0℃で、ジクロロメタン19ml中の先に得た物質の懸濁液を滴下した。反応混合物を0℃で4.5時間撹拌した。反応混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥させて、生成物1.51gを得た。水相を濾過し、白色の固体を乾燥させて、生成物1.36gを得た。両方のバッチを混合して、標記化合物2.87g(93.7%)を白色の固体として得た。MS(m/e):249.1(M−H)。
【0187】
実施例B.15
2−メトキシ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−4−トリフルオロメチル−安息香酸の調製
【化122】

【0188】
a)工程1:2−メトキシ−6−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化123】


メタノール30ml中の2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(CAS:35213−02−6)3g(11.49mmol)の溶液に、窒素下、0℃で、メタノール中の5M ナトリウムメトキシド2.3ml(11.49mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次に氷水に注いで、60分間撹拌し、生成物を濾過により回収した。粗固体をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜30%)で精製して、標記化合物2.24g(79%)を明黄色の固体として得た。
【0189】
b)工程2:2−メトキシ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【化124】


2,2,2−トリフルオロエタノール2.4ml中の2−メトキシ−6−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル200mg(0.804mmol)の溶液に、アルゴン下、0℃で、水600ul中の水酸化カリウム81.3mg(1.246mmol)の溶液を滴下した。混合物を、2日間還流し、次に室温に冷まして、氷/水に注いだ。得られた懸濁液を濾過し、減圧下で乾燥させて、標記化合物112mg(47%)を白色の固体として得た。MS(m/e):317.2(M+H)。
【0190】
c)工程3:2−メトキシ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−4−トリフルオロメチル−安息香酸
実施例B.14の合成に関して記載した手順と同様にして、2−メトキシ−6−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):316.9(M−H)。
【0191】
実施例B.16
2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリドの調製
【化125】

【0192】
a)工程1:2−(2−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール
【化126】


トルエン220ml中の4−(トリフルオロメチル)−2−メトキシ−安息香酸24.98g(113mmol)の溶液に、塩化チオニル82ml(1.13mol)及び5滴のジメチルホルムアミドを加えた。混合物を80℃で3時間加熱した。次に反応混合物を、50℃/10mbarで濃縮した。残留酸クロリド、明黄色の液体27.9gをジクロロメタン160mlに溶解し、0℃に冷却し、ジクロロメタン60ml中の2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール20.34g(228mmol)の溶液を加えた。混合物を周囲温度で16時間撹拌した。オフホワイトの懸濁液を水で希釈し、水相を濃縮し、有機相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物、N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチル)−2−メトキシ−4−トリフルオロ−メチル−ベンズアミド33.2g、明黄色の油状物を、ジクロロメタン220mlに溶解し、0℃に冷却した。次に塩化チオニル24.7ml(340mmol)を滴下し、得られた明黄色の溶液を周囲温度で16時間撹拌した。次に飽和NaCO水溶液を加えることにより、pHを10に調整した。水層を分離し、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで2回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物を明黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく使用した。MS(m/e):274.1(M+H)。
【0193】
b)工程2:2−(2−メトキシ−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール
【化127】


脱水THF60ml中の2−(2−メトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール5.465g(20mmol)の溶液に、THF/ヘプタン/エチルベンゼン中の2Mリチウムジイソプロピルアミド溶液11.0ml(22mmol)を<−60℃で加え、混合物を<−60℃で1.5時間撹拌した。得られた暗褐色の溶液に、ヨードメタン2.5ml(40mmol)を10分かけて滴下した(発熱、Ti<−48℃)。得られた明褐色の溶液を<−50℃で2.5時間撹拌し、次に飽和NHCl水溶液でクエンチし、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで3×洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した:黄色の固体7.002g:これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによりヘプタン及び5〜10%AcOEtで25分間かけて、そしてヘプタン/AcOEt90:10で20分間で精製して、標記化合物を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):288.12(M+H)。
【0194】
c)工程3:2−(2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール
【化128】


THF4ml中の2−(2−メトキシ−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール355mg(1.17mmol)の冷却した溶液に、THF中の2M エチルマグネシウムクロリド溶液2.35ml(4.7mmol)を、<10℃で20分かけて滴下した。得られた褐色の溶液を、周囲温度で1時間撹拌し、次に飽和NHCl水溶液でクエンチし(氷浴で冷却しながら)、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。2−(2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾールを黄色の油状物として得た。:MS(ISP):286.1((M+H)+.)。
【0195】
d)工程4:2−(2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4,4−トリメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−3−イウムヨージド
【化129】


ニトロメタン8ml中の2−(2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール837mg(2.9mmol)の溶液に、ヨウ化メチル1.47ml(23.5mmol)を加え、混合物を密閉管中、70℃で18時間加熱した。褐色の溶液をtert−ブチルメチルエーテルで希釈し、懸濁液を濾過し、沈殿物をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。2−(2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4,4−トリメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−3−イウムヨージドを無色の固体として得た。:MS(ISP):300.1(M+.)。
【0196】
e)工程5:2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
【化130】


MeOH 10ml及び20%NaOH5ml中の2−(2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4,4−トリメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−3−イウムヨージド960mg(2.25mmol)の溶液を、70℃で17時間加熱した。黄色の溶液を室温に冷まし、MeOHを留去し、残留物を濃HClでpH1に酸性化し、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで2回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。:2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−安息香酸を黄色の固体として得た:MS(ISN):231.06((M−H)−.)。
【0197】
f)工程6:2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド
【化131】


実施例B.6の合成に関して記載した手順と同様にして、2−エチル−3−メチル−4−トリフルオロメチル−安息香酸から、標記化合物を調製した。
【0198】
実施例C.1
N−(1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドの調製
【化132】

【0199】
a)工程1:(3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化133】


ジクロロメタン15ml中の3−(メチルアミノ)−1−ブタノール(市販、CAS:89585−18−2)2g(19.39mmol)の溶液に、窒素下、室温で、トリエチルアミン3.24ml(23.27mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、ジクロロメタン5ml中のジ−tert−ブチルジカルボナート5.13g(23.27mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を室温で2日間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル 0〜40%)で精製して、標記化合物3.3g(84%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):204.3(M+H)。
【0200】
b)工程2:(3−ブロモ−1−メチル−プロピル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化134】


ジクロロメタン12.5ml中(3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル1g(4.919mmol)の溶液に、窒素下、0℃で、トリフェニルホスフィン1.46g(5.411mmol)、続いてジクロロメタン3.5ml中の四臭化炭素1.79g(5.411mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。懸濁液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜15%)で精製して、標記化合物0.74g(57%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):210.1(M−56)。
【0201】
c)工程3:メチル−(1−メチル−4−ニトロ−4−フェニル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化135】


モレキュラーシーブで乾燥したテトラヒドロフラン5ml及びHMPA 1.29ml中のニトロメチル−ベンゼン(CAS:622−42−4)304mg(2.219mmol)の−78℃溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M)2.91ml(4.654mmol)を滴下した。−78℃で45分間後、モレキュラーシーブで乾燥したテトラヒドロフラン1.5ml中の(3−ブロモ−1−メチル−プロピル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル590.7mg(2.219mmol)の溶液を滴下した。−78℃で1時間後、反応混合物を2時間の間に徐々に−15℃に温めた。混合物を次に再び−78℃に冷却し、酢酸0.75mlで、次に飽和塩化アンモニウム13mlでクエンチした。室温に戻し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜10%)で精製して、標記化合物201mg(28%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):323.3(M+H)。
【0202】
d)工程4:メチル−(1−メチル−4−ニトロ−4−フェニル−ブチル)−アミン
【化136】


実施例A.22、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、メチル−(1−メチル−4−ニトロ−4−フェニル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):223.3(M+H)。
【0203】
e)工程5:1,2−ジメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジン
【化137】


ジオキサン2.2ml中のメチル−(1−メチル−4−ニトロ−4−フェニル−ブチル)−アミン 138mg(0.621mmol)の懸濁液に、アルゴン下、室温で、ホルムアルデヒド(水中37%)49.8ul(0.683mmol)を加えた。混合物を室温で30分間次に65℃で4.5時間撹拌した。混合物を室温に冷まし、酢酸エチルで希釈した。硫酸ナトリウムを加えた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカ(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜20%)で精製して、標記化合物76mg(52%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):235.3(M+H)。
【0204】
f)工程6:1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン
【化138】


実施例A.17、工程4の合成に関して記載した手順と同様にして、1,2−ジメチル−5−ニトロ−5−フェニル−ピペリジンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):205.3(M+H)。
【0205】
g)工程7:N−(1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン及び2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(実施例B.6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):453.2(M+H)。
【0206】
実施例C.2
N−((3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−エチル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドの調製
【化139】


実施例1の合成に関して記載した手順と同様にして、(3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン(実施例A.20)及び2−エチル−4−トリフルオロメチル−安息香酸(CAS:854531−63−8)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):405.4(M+H)。
【0207】
有効な実施例の記載:
実施例1
rac−2−クロロ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化140】


DMF(1ml)中の2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(市販)33mg(0.144mmol)、HATU75mg(0.197mmol)及びN−エチルジイソプロピルアミン90ul(0.524mmol)の溶液に、DMF(0.25ml)中のrac−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン(実施例A.1)25mg(0.131mmol)の溶液を加えた。混合物を室温で22時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶解した。溶液を、水で1回及び飽和炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物27mg(52%)を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):MS(m/e):397.2(M+H)
【0208】
実施例1と同様にして、以下の表の化合物2〜15を、酸誘導体及びピペリジン誘導体から調製した。
【0209】
【表1】





【0210】
実施例16
rac−2−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化141】


ジクロロメタン(2.5ml)中のrac−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン(実施例A.1)205mg(1.077mmol)及びN−エチルジイソプロピルアミン369ul(2.154mmol)の溶液に、ジクロロメタン(2.0ml)中の2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(CAS:886503−47−5)430mg(1.4mmol)の溶液を室温で滴下した。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)により精製して、標記化合物340mg(69%)を明黄色の泡状物として得た。MS(m/e):MS(m/e):461.4(M+H)。
【0211】
実施例16と同様にして、以下の表の化合物17〜28を、アシルクロリド誘導体及びピペリジン誘導体から調製した。
【0212】
【表2】





【0213】
実施例29
rac−2−メトキシ−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化142】

【0214】
a)工程1:rac−3−アミノ−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化143】


THF(5ml)中のrac−3−アジド−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例A.1、工程2)500mg(1.486mmol)及びNaBH281mg(7.43mmol)の、還流している溶液に、メタノール2.0mlを1.5時間かけて滴下した。混合物をさらに1時間還流し、次に室温で一晩撹拌した。さらにNaBH114mg(3mmol)を加え、混合物を2時間還流した。混合物を氷浴で冷却し、1N HClで酸性化した。混合物を1N NaOHで塩基性化し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物220mg(48%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):MS(m/e):311.4(M+H)。
【0215】
b)工程2:rac−3−(2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化144】


実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−3−アミノ−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル及び2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(CAS:886503−47−5)から、標記化合物を調製した。
【0216】
c)工程3:rac−2−メトキシ−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
メタノール(4.5ml)中のrac−3−(2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル445mg(0.767mmol)の溶液に、10% Pd/C44mgを加えた。混合物を水素雰囲気下室温で、1.5時間撹拌した。器具をアルゴンでパージした。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物330mg(96%)を白色の泡状物として得た。MS(m/e):447.3(M+H)。
【0217】
実施例30
rac−N−(1−エチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化145】


ジクロロメタン0.25ml中のrac−2−メトキシ−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド25mg(0.056mmol)の溶液に、N−エチルジイソプロピルアミン19.7ul(0.112mmol)そして最後にヨードエタン6.0ul(0.0728mmol)を加えた。溶液を室温で20時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物15mg(58%)を無色の油状物として得た。MS(m/e):475.2(M+H)。
【0218】
実施例31
rac−N−(1−イソプロピル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化146】


メタノール中のrac−2−メトキシ−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド35.7mg(0.08mmol)の溶液に、酢酸28ul(0.48mmol)、アセトン59ul(0.8mmol)、そして最後にシアノ水素化ホウ素ナトリウム30mg(0.4mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶かした。混合物を1N NaOH溶液で1回、水で1回及びブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物33mg(85%)を白色の泡状物として得た。MS(m/e):489.4(M+H)。
【0219】
実施例31と同様にして、以下の表の化合物32〜34を、rac−2−メトキシ−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド及びカルボニル誘導体から調製した。
【0220】
【表3】

【0221】
実施例35〜38を、キラルHPLCによりラセミ物質を分離することにより調製した。
【0222】
【表4】


*:分析分離条件:カラム:Chiralpak AD;溶離剤:15%イソプロパノール/ヘプタン;流量35ml、UV検出:254nm
【0223】
実施例1と同様にして、以下の表の化合物39〜44を、酸誘導体及びピペリジン誘導体から調製した。
【0224】
【表5】

【0225】
実施例16と同様にして、以下の表の化合物45〜48をアシルクロリド誘導体及びピペリジン誘導体から調製した。
【0226】
【表6】

【0227】
実施例49
rac−2−シクロプロピル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化147】


実施例29の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−3−アミノ−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル及び2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−安息香酸(実施例B.3)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):389.1(MH+)。
【0228】
実施例50
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
【化148】

【0229】
a)工程1:rac−3−(2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
【化149】


実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−3−アミノ−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例29、工程1)及び2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(実施例B.6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):559.1(MH+)。
【0230】
b)工程2:rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
エタノール1ml中のrac−3−(2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−3−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル50mg(0.0895mmol)の溶液に、アルゴン下、室温で、アンモニウムホルマート57mg(0.895mmol)及び10%Pd/C50mgを加えた。混合物を20分間還流し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を水に溶かした。水層を2M NaCO溶液で塩基性化し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、生成物13.4mgを得て、これをメタノールに溶解した。溶液を1.6M HCl/メタノール溶液で酸性化した。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物13mgを明黄色の固体として得た。MS(m/e):425.1(MH+)。
【0231】
実施例51
rac−N−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化150】

【0232】
a)工程1:rac−2−メトキシ−N−(5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化151】


実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イルアミン(実施例A.10)及び2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(実施例B.6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):499.3(MH+)。
【0233】
b)工程2:rac−N−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
メタノール0.5ml中のrac−2−メトキシ−N−(5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド17mg(0.0341mmol)の溶液に、1N HCl水溶液102ul(0.102mmol)を加えた。混合物を室温で30分間、次に65℃の油浴中で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を水に溶かした。水層を2M NaCO溶液で塩基性化し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製して、標記化合物8mg(52%)を白色の固体として得た。MS(m/e):455.2(MH+)。
【0234】
実施例52
rac−2−メトキシ−N−[1−(2−メトキシ−エチル)−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;塩酸塩
【化152】


実施例30の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩(実施例50)及び2−ブロモエチルメチルエーテルから、標記化合物を調製した。MS(m/e):483.2(MH+)。
【0235】
実施例53
rac−N−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;塩酸塩
【化153】


実施例30の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩(実施例50)及び2−ヨードエタノールから、標記化合物を調製した。MS(m/e):469.2(MH+)。
【0236】
実施例54
rac−N−(1−シクロブチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;塩酸塩
【化154】


実施例31の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩(実施例50)及びシクロブタノンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):479.1(MH+)。
【0237】
実施例55
rac−N−(1−イソプロピル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;塩酸塩
【化155】


実施例31の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩(実施例50)及びアセトンから、標記化合物を調製した。MS(m/e):467.2(MH+)。
【0238】
実施例56−57を、キラルHPLCによりラセミ物質を分離し、続いてHCl/メタノールで塩酸塩を形成することにより調製した。
【0239】
【表7】


*:分析分離条件:カラム:Chiralpak AD;溶離剤:15%イソプロパノール/ヘプタン;流量35ml、UV検出:254nm
【0240】
実施例58
rac−N−(3−シクロヘキシル−1−メチル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化156】


実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−3−シクロヘキシル−1−メチル−ピペリジン−3−イルアミン(実施例A.11)及び2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(実施例B6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):445.2(MH+)。
【0241】
実施例59
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−[1−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化157】


実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−1−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペリジン−3−イルアミン(実施例A.12)及び2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(実施例B6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):447.2(MH+)。
【0242】
実施例60
rac−N−(1,3−ジメチル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化158】


実施例16の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−1,3−ジメチル−ピペリジン−3−イルアミンニ塩酸塩(実施例A.13)及び2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(実施例B6)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):377.3(MH+)。
【0243】
実施例61−62を、ラセミ物質をキラルHPLCにより分離することにより調製した。
【0244】
【表8】


*:分析分離条件:カラム:Chiralpak AD;溶離剤:15%イソプロパノール/ヘプタン;
【0245】
実施例63
[2H−メチル]−2−メトキシ−N−((R)又は(S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
【化159】


実施例30の合成に関して記載した手順と同様にして、2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−((R)又は(S)−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(実施例62)及びヨウ化三重水素メチル(tri-deuteromethyl iodide)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):442.3(MH+)。
【0246】
実施例64
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−オキセタン−3−イル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
【化160】


実施例31の合成に関して記載した手順と同様にして、rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩(実施例50)及びオキセタノン(oxetanone)から、標記化合物を調製した。MS(m/e):481.1(MH+)。
【0247】
実施例65
N−((3RS,5RS)−5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化161】

【0248】
a)工程1:rac−2−メトキシ−N−(1−メチル−5−オキソ−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
【化162】


ジクロロメタン0.8ml中の塩化オキサリル11ul(0.21mmol)の−50℃溶液に、ジクロロメタン0.2ml中のDMSO17.2ulの溶液を15分間かけて加えた。反応混合物を10分間撹拌し、この後、ジクロロメタン0.8ml中のrac−N−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド(実施例51)50mg(0.11mmol)の溶液を15分間かけて加えた。30分間撹拌後、トリエチルアミン77ul(0.55mmol)を加えた。反応混合物を15分間撹拌し、次に室温に温め、水でクエンチし、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜15%)で精製して、標記化合物44mg(89%)を白色の泡状物として得た。MS(m/e):453.1(MH+)。
【0249】
b)工程2:N−((3RS,5RS)−5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
メタノール0.46ml中のrac−2−メトキシ−N−(1−メチル−5−オキソ−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド23mg(0.0508mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム3.9mg(0.102mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、1N HCl1.0mlでクエンチし、15分間撹拌した。水を加え、混合物を2M炭酸ナトリウム溶液で塩基性化した。混合物をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:ヘプタン/酢酸エチル0〜100%)で精製した。標記化合物4.5mg(20%)を白色の固体として得た。MS(m/e):455.2(MH+)。
【0250】
実施例1と同様にして、以下の表の化合物66〜84を、酸誘導体及びピペリジン誘導体から調製した。
【0251】
【表9】







【0252】
実施例16と同様にして、以下の表の化合物85〜105を、アシルクロリド誘導体及びピペリジン誘導体から調製した。
【0253】
【表10】









【0254】
実施例106〜128を、キラルHPLCによりラセミ物質を分離することにより調製した。
【0255】
【表11】












*:分析分離条件:カラム:A:Chiralpak AD;B:Lux 2 cellulose;C:Reprosil chiral NR.溶離剤:15%イソプロパノール/ヘプタン;
【0256】
式Iの化合物及びそれらの薬学的に使用可能な付加塩は、価値ある薬理学的な特性を有する。具体的には、本発明の化合物は、グリシントランスポーターI(GlyT−1)の良好な阻害剤であることが見出された。
以下に記載する試験に従って、本化合物を調べた。
【0257】
溶液及び材料
DMEM完全培地:栄養混合物F−12(Gibco Life-technologies)、ウシ胎仔血清(FBS)5%(Gibco Life-technologies)、ペニシリン/ストレプトマイシン1%(Gibco Life-technologies)、ハイグロマイシン0.6mg/ml(Gibco Life-technologies)、グルタミン1mM(Gibco Life-technologies)
取り込み緩衝液(UB):150mM NaCl、10mM Hepes−トリス(pH7.4)、1mM CaCl、2.5mM KCl、2.5mM MgSO、10mM(+)D−グルコース。
mGlyT1b cDNAで安定にトランスフェクトしたFlp−in(商標)−CHO(インビトロジェン(Invitrogen)カタログ番号R758−07)細胞。
【0258】
グリシン取り込み阻害アッセイ(mGlyT1b)
1日目に、mGlyT1bcDNAでトランスフェクトした哺乳動物細胞(Flp−in(商標)−CHO)を、96ウェル培養プレートでハイグロマイシンを含まない完全F−12培地に40,000細胞/ウェルの密度でまいた。2日目に、培地を吸引して、細胞を取り込み緩衝液(UB)で2回洗浄した。次いで、細胞を、(i)潜在的競合物質なし、(ii)10mM非放射活性グリシンと一緒に、(iii)ある濃度の潜在的阻害剤と一緒に、のいずれかで22℃で20分間インキュベートした。ある範囲の濃度の潜在的阻害剤を使用して、50%の作用をもたらす阻害剤の濃度(例えば、50%のグリシン取り込みを阻害する競合物質の濃度であるIC50)を計算するためのデータを生成した。次いで、[H]−グリシン60nM(11〜16Ci/mmol)および25μM非放射活性グリシンを含む溶液を直ちに加えた。穏やかに振とうしながらプレートをインキュベートして、混合物の吸引と氷冷UBでの洗浄(3回)により反応を停止させた。細胞をシンチレーション液で溶解して、3時間振とうし、そしてシンチレーションカウンターを用いて細胞中の放射活性を計測した。
【0259】
実施例1〜60に記載の本化合物は、IC50データ<1.0μMを有する。化合物1〜128に関する好適なIC50データ(<0.2μM)は、表1に記載されている。
【0260】
【表12】

【0261】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。この医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬および軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし、投与はまた、例えば、坐剤の剤形で直腸内に、または例えば、注射液の剤形で非経口的に行うことができる。
【0262】
式Iの化合物は、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に、医薬製剤の製造のために加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠および硬ゼラチンカプセル剤用のこのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体および液体ポリオールなどである。しかし、活性物質の性質にもよるが、軟ゼラチンカプセル剤の場合には、通常は担体を必要としない。液剤およびシロップ剤の製造に適した担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤に適切な担体は、例えば、天然油または硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0263】
医薬製剤はさらに、保存料、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤または酸化防止剤を含むことができる。これらはまた、さらに他の治療上有益な物質を含むことができる。
【0264】
式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩と治療上不活性な担体とを含む医薬もまた、本発明の目的である。また、1つ以上の式Iの化合物および/又は薬学的に許容しうる酸付加塩、ならびに所望であれば、1つ以上の他の治療上有益な物質を、1つ以上の治療上不活性な担体と一緒にしてガレヌス製剤の投与剤形にすることを含む、その製造方法も本発明の目的である。
【0265】
本発明の最も好ましい適応症は、中枢神経系の疾患を含むもの、例えば、統合失調症、認知障害およびアルツハイマー病の治療又は予防である。
【0266】
用量は、広い範囲内で変化させることができ、当然のことながら、各特定の症例における個々の要求に適応させるべきである。経口投与の場合に、成人の用量は、一般式Iの化合物を約0.01mg〜約1000mg/日、またはその薬学的に許容しうる塩を対応する量の範囲で変化させることができる。1日用量は、単回用量としてまたは分割用量で投与することができ、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0267】
錠剤の処方(湿式造粒)
品目 成分 mg/錠剤
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.無水乳糖DTG 125 105 30 150
3.Sta-Rx 1500 6 6 6 30
4.微晶質セルロース 30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0268】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、3分間混合し、適切な成形機で圧縮する。
【0269】
カプセルの処方
品目 成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.含水乳糖 159 123 148 ---
3.トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4.タルク 10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0270】
製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化163】


[式中、
は、水素、低級アルキル、CD、−(CH−CHO、−(CH−O−低級アルキル、−(CH−OH、−(CH−シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、ジ−低級アルキル、−OCH−O−低級アルキル、もしくは低級アルコキシであるか;又はピペリジン環は、Rと一緒になって4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルから選択されるスピロ環を形成し;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらは、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シクロアルキル、低級アルコキシ、S−低級アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルから選択される1個、2個、もしくは3個の置換基によるか又はフェニル(R’で場合により置換されている)により、場合により置換されており、そして、
R’は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、もしくはハロゲンで置換されている低級アルコキシ、又はヘテロアリールであり;
Rは、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、ここでアリール及びヘテロアリールは、1つ又は2つのR’で場合により置換されており;
nは、0、1、2又は3である]の化合物;又はその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物、又はその対応するエナンチオマー及び/もしくは光学異性体。
【請求項2】
が低級アルキルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Ar及びRが共にフェニルである、請求項2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Arのフェニル基が、少なくとも2個のCF基で置換されている、請求項3記載の式Iの化合物。
【請求項5】
化合物が、
rac−2−フルオロ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
2−メトキシ−N−((R)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項4記載の式Iの化合物。
【請求項6】
Arのフェニル基が、少なくとも1個のCF基で置換されている、請求項3記載の式Iの化合物。
【請求項7】
化合物が、
rac−2−エチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−ブロモ−6−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1,2−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−シクロプロピル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((R)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−ジフルオロメトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(5−フルオロ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−イソプロピル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((R)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−シクロブチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−イソプロピル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
2−メトキシ−N−((3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−エチル−N−((3RS,5SR)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2,6−ジメトキシ−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−シクロプロピル−4−トリフルオロメチル−N−(1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−N−(1,6,6−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
N−((3RS,5SR)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((3RS,5SR)−5−メトキシメトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−ブロモ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−[1−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−[3−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−3−m−トリル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−[3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−N−(1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
rac−2−エチル−3−メチル−N−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−tert−ブチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−N−(4−メチル−6−フェニル−4−アザ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−N−((3S,5R)もしくは(3R,5S)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−[(RもしくはS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−[(RもしくはS)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−ピペリジン−3−イル]−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−エチル−N−((RもしくはS)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−N−((SもしくはR)−1,5,5−トリメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−ベンズアミド
N−((3S,6S)もしくは(3R,6R)−1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,6R)もしくは(3S,6S)−1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,6S)もしくは(3S,6R)−1,6−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3S,5R)もしくは(3R,5S)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−1,5−ジメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−エチル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−エチル−N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
2−シクロプロピル−N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−メトキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
2,6−ジメトキシ−N−((R)もしくは(S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項6記載の式Iの化合物。
【請求項8】
がシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルであり、Ar及びRが共にフェニルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項9】
化合物が、
rac−N−(1−シクロペンチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−N−(1−シクロプロピルメチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
rac−2−メトキシ−N−[3−フェニル−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピペリジン−3−イル]−4,6−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項8記載の式Iの化合物。
【請求項10】
が低級アルキルであり、Arがフェニルであり、そしてRがヘテロアリールである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項11】
化合物が、
rac−N−(5−フルオロ−1’−メチル−1’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,3’]ビピリジニル−3’−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,4’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩
rac−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
rac−2−エチル−N−(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[3,3’]ビピリジニル−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項10記載の式Iの化合物。
【請求項12】
が水素であり、Ar及びRがフェニルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項13】
化合物が、rac−2−シクロプロピル−N−(3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項12記載の式Iの化合物。
【請求項14】
がヒドロキシである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項15】
化合物が、
rac−N−(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド、又は、
N−((3R,5S)もしくは(3S,5R)−5−ヒドロキシ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項14記載の式Iの化合物。
【請求項16】
がハロゲンである、請求項3記載の式Iの化合物。
【請求項17】
化合物が、
rac−N−(5−フルオロ−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミドである、請求項16記載の式Iの化合物。
【請求項18】
がCDである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項19】
化合物が、
[2H−メチル]−2−メトキシ−N−((R)又は(S)−1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−3−イル)−6−メチルスルファニル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド塩酸塩である、請求項18記載の式Iの化合物。
【請求項20】
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩の調製方法であって、
a)式II:
【化164】


の化合物を、式III
【化165】


の化合物と、HATU(o−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート)又は塩化チオニルから選択される活性化剤の存在下で反応させて、式I:
【化166】


の化合物を得る(式中、置換基は、請求項1で定義したとおりである)か、又は
b)式IV:
【化167】


の化合物を、式:
【化168】


の化合物と、N−エチルジイソプロピルアミンから選択される塩基の存在下で反応させて、式I:
【化169】


の化合物を得る(式中、Xはハロゲンであり、その他の置換基は、請求項1で定義したとおりである)か、又は
c)式IV:
【化170】


の化合物を、シアノ水素化ホウ素ナトリウムから選択される還元剤の存在下で、式R−C(O)−Rのカルボニル試薬と反応させて、式I:
【化171】


の化合物を得(式中、置換基は、請求項1で定義したとおりであり、R及びRは、低級アルキルであるか、又はそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基を形成する)、そして、
所望であれば、得られた化合物を、薬学的に許容される酸付加塩に変換する工程を含む方法。
【請求項21】
請求項1〜19のいずれか一項記載の1つ以上の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬。
【請求項22】
グリシン取り込み阻害剤に基づく疾患の処置のための請求項21記載の医薬。
【請求項23】
疾患が、精神病、疼痛、記憶及び学習障害、注意欠陥障害、統合失調症、認知症障害、又はアルツハイマー病である、請求項22記載の医薬。
【請求項24】
精神病、疼痛、記憶及び学習障害、注意欠陥障害、統合失調症、認知症障害、又はアルツハイマー病の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−515744(P2012−515744A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546772(P2011−546772)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050551
【国際公開番号】WO2010/086251
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】