説明

GPR119活性のモジュレーターとしての4−フェノキシメチルピペリジン類

本発明は、式Iの化合物、かかる化合物を含む医薬組成物化合物およびGPR119の活性と関連する疾患または障害の処置または予防のためのかかる化合物の使用方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
発明の分野
本出願は、2008年7月11日出願の米国仮特許出願番号61/080,096に対する優先権の利益を主張する。この出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、化合物、かかる化合物を含む医薬組成物およびGPR119の活性と関連する疾患または障害の処置または予防のためのかかる化合物の使用方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
GPR119は、主として膵臓、小腸、結腸および脂肪組織に発現し、Gタンパク質共役受容体(GPCR)である。ヒトGPR119受容体の発現プロファイルは、肥満および糖尿病の処置標的としてそれらが利用できる可能性を示す。本発明の新規化合物は、GPR119の活性を調節し、それ故、糖尿病、肥満および関連する代謝障害のような、しかしこれらに限定されないGPR119関連疾患または障害の処置に有用であることが期待される。
【発明の概要】
【0004】
発明の要約
一面において、本発明は、式I:
【化1】

〔式中、
はフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルから選択され;ここで、Rの該フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルは、場合により、ハロ、−X、−XOR、−XC(O)R、−XC(O)OR、−XNRC(O)R、−XS(O)、−XNRS(O)、−XC(O)NR、−XC(O)NROR、−XC(O)NRNR、−XC(O)NRC(O)OR、−XS(O)0−2、−XS(O)0−2OR、−XCN、−XOX、−XNR、−XNR、−XS(O)0−2C(O)R、−XS(O)0−2C(O)ORおよび−XS(O)0−2NRから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてよく;ここで、Xは結合、O、NRおよびC1−4アルキレンから選択され;Rは水素およびC1−6アルキルから選択され;各Xは独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;各Rは独立して水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキル、C3−8シクロアルキルおよび−XC(O)OR、−X、−XOR、−XNRから選択され;ここで、Rの該アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ヒドロキシ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C1−4アルコキシおよび−NRC(O)Rから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてよく;XはC1−3アルキレンであり;そしてRは水素、C1−6アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル(場合によりC1−6アルキルで置換されていてよい)から選択され;Rは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;そして
はRおよび−C(O)ORから選択され;ここで、RはC1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの該アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により、ハロ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ヒドロキシ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてよい。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
第二の面において、本発明は、式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩を、1種以上の適当な賦形剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0006】
第三の面において、本発明は、動物におけるGPR119活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患の処置方法であって、動物に治療有効量の式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
第四の面において、本発明は動物におけるGPR119活性が疾患の病状および/または症状に関与している疾患の処置用医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0008】
第五の面において、本発明は、式Iの化合物およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体の混合物、およびその薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0009】
発明の詳細な記載
定義
基として、および他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構造要素としての“アルキル”は、直鎖、分枝鎖、環状またはスピロのいずれでもよい。C1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ−置換アルキルはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0010】
“アリール”は、6〜10個の環炭素原子を含む単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基由来の二価基を意味する。“ヘテロアリール”は、環員の1個以上がヘテロ原子であるときの、アリールについて定義した通りである。例えば、C1−10ヘテロアリールは、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニル、1H−ピリジン−2−オニル、6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルなどを含む。ヘテロアリールはまたN−オキシド誘導体、例えば、次の構造式を有するピリジンN−オキシド誘導体も含む:
【化2】

【0011】
“シクロアルキル”は、飽和または部分的不飽和の、示す環原子数を含む単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。“ヘテロシクロアルキル”は、環炭素の1個以上が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される部分で置き換えられている、本明細書で定義したシクロアルキルを意味する。例えば、本発明の化合物を述べるために本明細書で使用するC3−8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−ピペリジン−1−イルなどを含む。
【0012】
GPR119は、Gタンパク質共役受容体119(GenBank(登録商標) Accession No. AAP72125)を意味し、文献ではRUP3やGPR116とも呼ばれる。ここで使用する用語GPR119は、GeneBank受託番号AY288416で見られるヒト配列、その天然に存在する対立遺伝子変異体、哺乳動物オルソログ、および組み換え変異体を含む。
【0013】
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロであるが、ブロモまたはヨードでもよい。
【0014】
“処置”、“処置する”および“処置し”は、疾患および/またはその随伴症状を軽減するまたは無くす方法を意味する。
【0015】
好ましい態様の記載
本発明は、化合物、組成物および、動物に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、GPR119活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患の処置のための方法を提供する。
【0016】
一つの態様において、式Iの化合物を参照して、Rは5−エチルピリミジン−2−イル、tert−ブトキシカルボニルおよび(1−メチルシクロプロポキシ)カルボニルから選択される。
【0017】
さらなる態様において、Rはフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルから選択され;ここで、Rの該フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルは、場合より、メチル−スルホニル、3−メチルオキセタン−3−イル)メチルスルホニル、イソブチル−スルホニル、プロピル−スルホニル、イソプロピル−スルホニル、シアノ、シアノ−メチル、ヒドロキシ−メチル、ピロリジン−1−イル、メトキシ、クロロ、メチル、アセチル−アミノ、メチル−スルホニル−アミノ、ベンジル−オキシ、アミノ−カルボニル、カルボキシル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、1−アミノシクロプロピル、2H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル−メチル、1H−テトラゾール−5−イル、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル−メチル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル、オキサゾール−5−イル、1H−ピラゾール−3−イル、メチル−アミノ−メチル、t−ブトキシ−アミノ−メチル、モルホリノ−メチル、1H−イミダゾール−1−イル−メチル、2H−テトラゾール−2−イル−メチル、1H−テトラゾール−1−イル−メチル、メチル−アミノ−カルボニル、ジメチル−アミノ−カルボニル、メチル−ピペラジニル、ピペラジニル−カルボニル、モルホリノ−カルボニル、2−メトキシエチルカルバモイル、2−ヒドロキシエチルカルバモイルおよび2−ヒドロキシプロピルカルバモイルから独立して選択される1〜2個の基で置換されていてよい。
【0018】
さらなる態様において、2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;tert−ブチル4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(イソブチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(プロピルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(イソプロピルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−カルボニトリル;4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−3−カルボニトリル;2−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−3−イル)アセトニトリル;(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−3−イル)メタノール;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)アセトニトリル;(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メタノール;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(ピロリジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
【0019】
2−(4−((3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メトキシピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4−(6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピコリノニトリル;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(3−メトキシピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;N−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)アセトアミド;N−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メタンスルホンアミド;2−(4−((4−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メトキシピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−2−カルボキサミド;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−2−カルボン酸;2−(5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
【0020】
2−(4−((3’−((2H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4’−((2H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4−(6−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−((2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−((1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−メチルシクロプロピル4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;4−(4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン1−オキシド;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)オキサゾール;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1H−ピラゾール−3−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)−N−メチルメタンアミン;N−((4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メチル)−2−メチルプロパン−2−アミン;4−((4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メチル)モルホリノ;2−(4−((4’−((1H−イミダゾール−1−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4’−((2H−テトラゾール−2−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4’−((1H−テトラゾール−1−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
【0021】
5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピコリンアミド;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−N−メチルピコリンアミド;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチルピコリンアミド;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(ピペラジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(ジメチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(モルホリン−4−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−メトキシエチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;および1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−ヒドロキシプロピルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
から選択される化合物である。
【0022】
他の態様において、Rはフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルから選択され;ここで、Rの該フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルは、場合より、(S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボニル、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル、ビス(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル、モルホリノ−エチル−アミノ、4−メチルピペラジン−1−イル、1−アセトアミドシクロプロピル、2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−2H−テトラゾール−5−イル、(2−ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル、(2−ヒドロキシエチル)(エチル)カルバモイル、2−カルボキシエチルカルバモイル、3−エトキシ−3−オキソプロピルカルバモイル、カルボキシメチルカルバモイル、2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルカルバモイル、4−メチルピペラジン−1−カルボニル、(2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)カルバモイルおよび3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−カルボニルから独立して選択される1〜2個の基で置換されていてよい。
【0023】
他の態様において、5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−N−(2−モルホリノエチル)ピリジン−2−アミン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−メチルシクロプロピル4−((4−(6−(1−アミノシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(6−(1−アセトアミドシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−((3R,4R)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(エチル(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;3−(5−(3,5−ジフルオロ−4−((1−((1−メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピリミジン−2−カルボキサミド)プロパン酸;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(3−エトキシ−3−オキソプロピルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(5−(3,5−ジフルオロ−4−((1−((1−メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピリミジン−2−カルボキサミド)酢酸;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;および(S)−1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
から選択される化合物である。
【0024】
さらなる本発明の化合物は、以下の実施例および表Iに記載する。
【0025】
本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩の全ての適当な同位体化合物を含む。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の同位体化合物は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが、原子質量が天然に通常見られる原子質量と異なる原子で置き換えられている化合物として定義する。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩に包含できる同位体の例は、水素、炭素、窒素および酸素、例えばH、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、36Clおよび123Iを含み、これらに限定されない。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩のある種の同位体化合物、例えば、Hまたは14Cのような放射活性動態が包含されている化合物は、薬物および/または基質組織分布に有用である。具体例として、Hおよび14Cが、その製造の容易さおよび検出能のために使用され得る。他の例として、Hのような同位体での置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えばインビボ半減期延長または必要投与量減少を提供し得る。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の同位体化合物は、一般に適当な同位体試薬を使用した慣用の方法により製造できる。例えば、次の3個の実施例化合物が、示す通り重水素化できる:
【化3】

【0026】
薬理学および有用性
本発明の化合物はGPR119の活性を調節し、それ自体、GPR119の活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害の処置に有用である。本発明は、さらに、GPR119活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害の処置用医薬の製造に使用するための、本発明の化合物を提供する。
【0027】
II型糖尿病の結果として起こる病状は、その標的組織でのインスリンシグナル伝達の障害と、膵臓のインスリン産生細胞が高血糖性シグナルに応答した適切な量のインスリンを分泌できなくなることである。後者を処置するための現在の治療は、内因性貯留インスリンの放出の引き金を引くためのβ細胞ATP感受性カリウムチャネルの阻害剤、または外因性インスリンの投与である。これらは、いずれも血中グルコース濃度の正確な正常化を達成せず、低血糖を誘発する危険性がある。これらの理由のために、グルコース依存性作用で機能し、すなわちグルコースシグナル伝達の増強剤の開発に非常に興味が持たれている。この方法で機能する生理学的シグナル伝達系は十分に解明されており、腸ペプチドGLP−l、GIPおよびPACAPを含む。これらのホルモンは、膵臓β細胞のcAMPの産生を刺激するためにその同族G−タンパク質共役受容体を介して作用する。cAMP増加は、空腹または摂食前状態の間のインスリン放出の刺激の結果であるようには見えない。しかしながら、ATP感受性カリウムチャネル、電位感受性カリウムチャネルおよび開口分泌機構を含む一連のcAMPシグナル伝達が、摂食後グルコース刺激に応答したインスリン分泌が顕著に増大される方法で修飾される。従って、新規な、同様に機能し、GPR119を含むβ細胞GPCRのアゴニストもまたII型糖尿病における内因性インスリンの放出を刺激し、その結果、正常血糖を促進するはずである。例えばGLP−l刺激の結果としてのcAMP増加は、β細胞増殖を促進し、β細胞死を減少させ、そしてそれ故に島質量を改善することも確立されている。β細胞質量に対するこの正の効果は、インスリン産生が不十分であるII型糖尿病、およびβ細胞が不適当な自己免疫性により破壊されているI型糖尿病の両方に有益であることが予期される。
【0028】
GPR119を含むいくつかのβ細胞GPCRはまた、視床下部にも存在し、そこで、それらは空腹、満腹、摂食量減少、体重制御または減少およびエネルギー消費を調節する。それ故に、視床下部回路網でのそれらの機能から、これらの受容体のアゴニストまたは逆アゴニストは、空腹を和らげ、満腹を促進し、それ故に体重を調節する。
【0029】
代謝性疾患は他の生理学的系に悪影響を及ぼすことも十分に確立されている。それ故に、複数の疾患状態(例えば“症候群X”のI型糖尿病、II型糖尿病、不適当な糖耐性、インスリン抵抗性、高血糖、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、異脂肪血症、肥満または心血管疾患)または明らかに糖尿病に二次的に起こる二次性疾患(例えば腎臓疾患、末梢ニューロパシー)の同時発症がしばしばある。それ故に、糖尿病性状態の有効な処置は、ひいてはかかる相互に関連した疾患状態に有益であることが予期される。
【0030】
本発明の一態様は、個体における代謝疾患および/または代謝関連障害であって、かかる処置を必要とする個体に治療有効量の本発明の化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法である。代謝疾患および代謝関連障害は、高脂血症、I型糖尿病、II型真性糖尿病、特発性I型糖尿病(Ib型)、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、早期発症型II型糖尿病(EOD)、若者発症非定型糖尿病(YOAD)、若年発症成人型糖尿病(MODY)、栄養障害関連糖尿病、妊娠性糖尿病、冠動脈心疾患、虚血性卒中、血管形成術後再狭窄、末梢血管疾患、間欠性跛行、心筋梗塞(例えば壊死およびアポトーシス)、異脂肪血症、摂食後脂肪血症、耐糖能障害状態(IGT)、空腹時血漿グルコース障害状態、代謝性アシドーシス、ケトン症、関節炎、肥満、骨粗鬆症、高血圧、鬱血性心不全、左室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、メタボリック症候群、症候群X、月経前緊張症、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症(hypertrygliceridemia)、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害、耐糖能障害状態、空腹時血漿グルコース障害状態、肥満、勃起不全、皮膚および結合組織障害、足潰瘍化および潰瘍性大腸炎、内皮機能不全および血管伸展性障害を含み、これらに限定されない。
【0031】
本発明の一つの態様は、GIPおよびPPYの増加に由来し、GPR119活性モジュレーターの治療的利点である。例えば、神経保護、学習および記憶、発作および末梢ニューロパシー。
【0032】
GLP−1およびGLP−1受容体アゴニストは、神経変性疾患および他の神経学的障害の処置に有効であることが示されている。GLP−1およびエキセンディン−4は、PC12細胞で増殖因子離脱後、神経突起伸長を刺激し、細胞生存を促進することが示されている。神経変性の齧歯類モデルで、GLP−1およびエキセンディン−4は前脳基底核のコリン作動性マーカー活性を回復させる。GLP−1およびエキセンディン−4の中枢注入はまた真椅子においてアミロイドβペプチドのレベルを減少させ、そして培養PC12細胞のアミロイド前駆体タンパク質量を減少させる。GLP−1受容体アゴニストはラットで学習を増強し、そしてGLP−1受容体ノックアウトマウスは学習行動の欠如を示す。このノックアウトマウスは、カイニン酸誘発発作に対する増加した感受性を示し、これは、GLP−1受容体アゴニスト投与により防止できる。GLP−1およびエキセンディン−4はまた、末梢感覚性ニューロパシーの実験モデルであるピリドキシン誘発末梢神経変性の処置に有効であることも示されている。
【0033】
グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)はまた、海馬前駆細胞の増殖および感覚運動協調および記憶認識の増強に有効であることも示されている。
【0034】
本発明の一つの態様は、GPR119活性モジュレーターの治療効果である。例えば、GLP−2および短腸症候群(SBS)である。動物および臨床試験での幾つかの試験が、GLP−2が腸管順応に重要な役割を有する栄養ホルモンであることを示している。細胞増殖、アポトーシス、および栄養吸収におけるその役割が十分に文書で証明されている。短腸症候群は、疾患または小腸の一部の外科的除去(例えばクローン病)の結果としての栄養素、水およびビタミン類の吸収障害により特徴付けられる。腸管順応を改善する治療は、この疾患の処置に有益であると考えられる。実際、SBS患者での第II相試験では、GLP−2アナログであるテデュグルチド(teduglutide)が、分泌液および栄養吸収を適度に上昇させることが示されている。
【0035】
本発明の一つの態様は、GIPおよびPPYのレベルの増加に由来するGPR119活性モジュレーターの治療効果である。例えば、GLP−1、GIPおよび骨粗鬆症。GLP−1は、マウスC−細胞株(CA−77)におけるカルシトニンおよびカルシトニン関連遺伝子ペプチド(CGRP)分泌および発現を増加することが示されている。カルシトニンは破骨細胞による骨吸収を阻害し、骨格の骨のミネラル化を促進する。骨粗鬆症は、骨密度減少により特徴付けられる疾患であり、そしてそれ故に、カルシトニンのGLP−1誘発増加は、治療的に有益であるはずである。
【0036】
GIPは、コラーゲンI型mRNAを含む骨芽細胞(osetoblasts)の新規骨形成のマーカーの上方制御、および骨密度増加に関連することが報告されている。GLP−1と同様、GIPもまた骨吸収を阻害することが示されている。
【0037】
本発明の一つの態様は、GIPおよびPPYのレベルの増加に由来するGPR119活性モジュレーターの治療効果である。例えば、PPYおよび胃排出。島の膵臓ポリペプチド(PP)細胞上に位置するGPR119は、PPYの分泌に関与している。PPYは、胃排出および消化器運動性の調節を含む種々の生理学的過程に対して大きな効果を有する。これらの効果は、消化過程および栄養摂取を減速させ、それにより、血中グルコースの摂食後上昇を抑制する。PPYは、視床下部摂食調節ペプチド類の発現の変化により食物摂取量を抑制できる。PP過発現マウスは、食物摂取量および胃排出速度の減少を伴い、痩せの表現型を示す。
【0038】
前記によって、本発明は、さらに、処置を必要とする対象における上記疾患または障害のいずれかの症状を予防または軽減する方法であって、該対照に治療有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。上記の使用の全てに関して、必要投与量は投与方式、処置する特定の状態および所望の効果によって変わる。
【0039】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、当分野で通常であり、かつ許容される任意の方式により、単独で、または1種以上の治療剤と組み合わせて治療有効量で投与される。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用する化合物の効力および他の因子に広く依存し得る。一般に、満足な結果が、約0.03〜2.5mg/kg体重の一日投与量で全身的に得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトで指示される一日投与量は約0.5mg〜約100mgの範囲であり、簡便には、例えば1日4回までの分割投与量でまたは遅延形態で投与される。経口投与のための適当な単位投与形態は、約1〜50mg活性成分を含む。
【0040】
本発明の化合物は、医薬組成物として任意の慣用の経路で、特に経腸的に、例えば、経口的に、例えば、錠剤またはカプセル剤の形で、または非経腸的に、例えば、注射可能溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えば、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤またはクリーム剤の形で、または経鼻または坐薬形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物を少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、慣用法で、混合、造粒またはコーティング法により製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分をa)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびまたはポリビニルピロリドン;望むならばd)崩壊剤、例えば、デンプン類、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む錠剤またはゼラチンカプセル剤であり得る。注射可能組成物は水性等張溶液または懸濁液であってよく、そして坐薬は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造してよい。本組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含んでよい。経皮適用に適当な製剤は、有効量の本発明の化合物を担体と共に含む。担体は、宿主の皮膚の通過を助ける吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含み得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、場合により本化合物を宿主皮膚に制御され、かつ予定された速度で長時間にわたり送達するための速度制御バリア、および該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。マトリックス経皮製剤も使用できる。例えば、皮膚および眼への局所適用に適当な製剤は、好ましくは当分野で既知の水性溶液剤、軟膏剤、クリーム剤またはゲル剤である。これらは可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含んでよい。
【0041】
本発明の化合物は、1種以上の治療剤と組み合わせて治療有効量で投与できる(組合せ剤)。
【0042】
例えば、他の抗肥満剤、食欲低下剤、食欲抑制剤および関連薬剤で相乗効果が起こり得る。食事制限および/または運動とも相乗効果を有し得る。抗肥満剤は、アポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(apo−B/MTP)阻害剤、MCR−4アゴニスト、コレシストキニン(cholescystokinin)−A(CCK−A)アゴニスト、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経刺激剤、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体アナログ、カンナビノイド1受容体アンタゴニスト(例えば、WO2006/047516に記載された化合物)、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプトン(OBタンパク質)、レプチンアナログ、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えばテトラヒドロリプスタチン、すなわち、オーリスタット)、食欲低下剤(例えばボンベシンアゴニスト)、神経ペプチド−Yアンタゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはそのアナログ、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子(例えばAxokineTM)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたはリバースアゴニスト、ニューロメジンU受容体アゴニスト、ノルアドレナリン食欲低下剤(例えば、フェンテルミン、マジンドールなど)および食欲抑制剤(例えば、ブプロピオン)を含み、これらに限定されない。
【0043】
本発明の化合物を他の治療剤と組み合わせて投与するとき、併用化合物の投与量は、当然、用いる併用剤、用いる特定の薬剤、処置する状態などによって変わる。
【0044】
組合せ製剤または医薬組成物は、上で定義した本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、次のものから選択される少なくとも1個の活性成分を含む:
【0045】
a) 抗糖尿病剤、例えばインスリン、インスリン誘導体および摸倣剤;インスリン分泌促進物質、例えばスルホニルウレア類、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリール;インスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド類、例えばメグリチナイド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;インスリン増感剤、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、例えばPTP-112;GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、例えばSB-517955、SB-4195052、SB-216763、NN-57-05441およびNN-57-05445;RXRリガンド類、例えばGW−0791およびAGN−194204;ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、例えばT−1095;グリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤、例えばBAY R3401;ビグアナイド類、例えばメトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1アナログ類、例えばエキセンディン−4およびGLP−1摸倣剤;DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばDPP728、LAF237(ビルダグリプチン−WO00/34241の実施例1)、MK-0431、サクサグリプチン、GSK23A;AGEブレーカー;チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または特許出願WO03/043985に実施例4の化合物19として記載された(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、例えばGI-262570;ジアシルグリセロールアセチルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤、例えばWO2005044250、WO2005013907、WO2004094618およびWO2004047755に記載するもの;
【0046】
b) 脂質低下剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチンおよび関連化合物、例えば米国特許4,231,938に記載するもの、ピタバスタチン、シンバスタチンおよび関連化合物、例えば米国特許4,448,784および4,450,171に記載するもの、プラバスタチンおよび関連化合物、例えば米国特許4,346,227に記載するもの、セリバスタチン、メバスタチンおよび関連化合物、例えば米国特許3,983,140に記載するもの、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよび米国特許5,753,675に記載する関連スタチン化合物、リバスタチン(rivastatin)、米国特許4,613,610に記載するメバロノラクトン誘導体のピラゾールアナログ、PCT出願WO86/03488に記載するメバロノラクトン誘導体のインデンアナログ、米国特許4,647,576に記載する6−[2−(置換−ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オン類およびその誘導体、Searle's SC-45355(3−置換ペンタンジオイック酸誘導体)ジクロロアセテート、PCT出願WO86/07054に記載するメバロノラクトンのイミダゾールアナログ、フランス特許2,596,393に記載する3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体、欧州特許出願0221025に記載する2,3−二置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特許4,686,237に記載するメバロノラクトンのナフチルアナログ、オクタヒドロナフタレン類、例えば米国特許4,499,289に記載するもの、欧州特許出願0,142,146A2に記載するメビノリン(ロバスタチン)のケトアナログ、および米国特許5,506,219および5,691,322に記載するキノリンおよびピリジン誘導体。加えて、ここで使用するのに適当なHMG CoAレダクターゼの阻害に有用なホスフィン酸化合物が、GB2205837に記載されている;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
【0047】
c) 抗肥満剤または食欲抑制剤、例えばCB1活性モジュレーター、メラノコルチン受容体(MC4R)アゴニスト、メラニン凝集ホルモン受容体(MCHR)アンタゴニスト、成長ホルモン分泌促進物質受容体(GHSR)アンタゴニスト、ガラニン受容体モジュレーター、オレキシンアンタゴニスト、CCKアゴニスト、GLP−1アゴニスト、および他のプレプログルカゴン由来ペプチド類;NPY1またはNPY5アンタゴニスト、NPY2およびNPY4モジュレーター、副腎皮質刺激ホルモン放出因子アゴニスト、ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、aP2阻害剤、PPARガンマモジュレーター、PPARデルタモジュレーター、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、11−β−HSD−1阻害剤、アディポネクチン(adinopectin)受容体モジュレーター;ベータ3アドレナリンアゴニスト、例えばAJ9677(武田/大日本)、L750355(Merck)、またはCP331648(Pfizer)または米国特許5,541,204、5,770,615、5,491,134、5,776,983および5,488,064に記載する他の既知ベータ3アゴニスト、甲状腺受容体ベータモジュレーター、例えばWO97/21993(U. Cal SF)、WO99/00353(KaroBio)およびGB98/284425(KaroBio)に記載する甲状腺受容体リガンド、WO2005011655に記載するSCD−1阻害剤、リパーゼ阻害剤、例えばオーリスタットまたはATL-962(Alizyme)、セロトニン受容体アゴニスト、(例えば、BVT-933(Biovitrum))、モノアミン再取り込み阻害剤または遊離剤、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロホレックス、クロルテルミン、ピシロレクス、シブトラミン、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンまたはマジンドール、食欲低下剤、例えばトピラメート(Johnson & Johnson)、CNTF(毛様体神経栄養因子)/Axokine(登録商標)(Regeneron)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、レプチンおよびレプチン受容体モジュレーター、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デキスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリン;
【0048】
d) 抗高血圧剤、例えばループ利尿剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;利尿剤、例えばチアジド誘導体、クロル(chlori)チアジド、ヒドロクロロチアジド、アミロライド;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPase膜ポンプ阻害剤、例えばジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤例えばチオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072;ECE阻害剤例えばSLV306;ACE/NEP阻害剤、例えばオマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリル;アンギオテンシンIIアンタゴニスト例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタン;レニン阻害剤、例えばアリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO 66-1132、RO-66-1168;ベータ−アドレナリン受容体ブロッカー類、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;変力剤、例えばジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウムチャネルブロッカー類、例えばアムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;アルドステロン受容体アンタゴニスト;アルドステロンシンターゼ阻害剤;およびデュアルET/AIIアンタゴニスト、例えばWO00/01389に記載するもの。
【0049】
e) HDL増加化合物;
【0050】
f) コレステロール吸収モジュレーター、例えばZetia(登録商標)およびKT6-971;
【0051】
g) Apo−A1アナログおよび摸倣剤;
【0052】
h) トロンビン阻害剤、例えばキシメラガトラン;
【0053】
i) アルドステロン阻害剤、例えばアナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール、エプレレノン;
【0054】
j) 血小板凝集阻害剤、例えばアスピリン、硫酸クロピドグレル;
【0055】
k) エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
【0056】
l) 化学療法剤、例えばアロマターゼ阻害剤例えばフェマーラ、抗エストロゲン類、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、プラチン化合物、タンパク質キナーゼ活性を減少させる化合物、例えばPDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくは欧州特許出願EP−A−0564409に実施例21に記載されているイマチニブ({N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン})または特許出願WO04/005281に実施例92として記載されている4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド;および
【0057】
m) 5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤、例えば米国特許5510353に実施例13として記載されたテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron);
【0058】
n) タバコ濫用処置剤、例えば、ニコチン受容体部分的アゴニスト、ブプロピオン塩酸塩(hypochloride)(商品名Zyban(登録商標)としても既知)およびニコチン補充療法;
【0059】
o) 勃起不全処置剤、例えば、ドーパミン作用剤、例えばアポモルヒネ)、ADD/ADHD剤(例えば、Ritalin(登録商標)、Strattera(登録商標)、Concerta(登録商標)およびAdderall(登録商標));
【0060】
p) アルコール依存症治療剤、例えばオピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン(商品名ReVia(登録商標)としても既知)およびナルメフェン)、ジスルフィラム(商品名Antabuse(登録商標)としても既知)、およびアカンプロセート(商品名Campral(登録商標)としても既知))。加えて、アルコール離脱症状を軽減する薬剤、例えばベンゾジアゼピン類、ベータ−ブロッカー類、クロニジン、カルバマゼピン、プレガバリン、およびギャバペンチン(Neurontin(登録商標))も併用してよい;
【0061】
q) 抗炎症剤(例えば、COX−2阻害剤);抗鬱剤(例えば、フルオキセチンヒドロクロライド(Prozac(登録商標)));認知改善剤(例えば、塩酸ドネペジル(Aircept(登録商標))および他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤);神経保護剤(例えば、メマンチン);抗精神病性薬(例えば、ジプラシドン(Geodon(登録商標))、リスペリドン(Risperdal(登録商標))、およびオランザピン(Zyprexa(登録商標)))を含む、他の有用な薬剤;
【0062】
または、いずれの場合も、その薬学的に許容される塩;および場合により薬学的に許容される担体。
【0063】
本発明はまた、a)ここに記載する遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物、およびb)少なくとも1個の併用剤を含む、組合せ剤、例えばキットも提供する。本キットは、その投与についての指示書を含んでよい。
【0064】
ここで用いる用語“併用投与”または“組合せ投与”または類似の用語は、選択した複数治療剤の一患者への投与を包含することを意図し、そして複数薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与しない処置レジメを含むことを意図する。
【0065】
ここで使用する用語“組合せ剤”は、1個を超える活性成分の混合または組合せに由来する製品を意味し、複数活性成分の固定されたおよび固定されていない組合せの両方を含む。用語“固定された組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に同時に一つのものまたは投与量の形態で投与することを意味する。用語“固定されていない組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも、患者に別々の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なく別々に投与し、かかる投与が、患者体内で2化合物の治療有効レベルを提供することを意味する。後者はまたカクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0066】
本発明の化合物の製造方法
本発明はまた本発明の化合物の製造方法も含む。記載する反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、チオ基またはカルボキシ基を、これらが最終生成物において望まれるとき、反応への望まない参加を避けるために保護する必要があることがある。慣用の保護基を標準実務に従い使用でき、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
【0067】
下記スキーム中、本発明の化合物の製造方法の幾つかは説明的である。当業者には、これらの方法が代表例であり、決して本発明の化合物を製造する全ての方法が含まれているわけではないことが認められる。
【0068】
【化4】

ここで、Rは発明の要約において記載した通りである。式3の化合物を、反応スキームIにおける通り、式1の化合物と式2(ここで、Yは脱離基であり、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、トリフラート、ノナフラート、カーボネートまたは当業者に周知の他の適切な脱離基である)の化合物を、適当な溶媒、例えばDMF、DMA、CHCN、CHClなどの中、適当な塩基、例えばCsCO、NEtなどの存在下で反応させることにより製造できる。反応は約−20℃〜約140℃の温度で進行し、完了まで最大24時間かかり得る。このスキームで、Rと名付けた基は、発明の要約で定義した基の保護形態であり、これはこのスキームが完了後、またはこのスキームの中途で脱保護し、最終化合物へと操作してよい。
【0069】
【化5】

ここで、Yは脱離基、例えばアルキルスルホン酸エステル、ハライドまたは当業者に周知の他の適切な基であり、そしてRは発明の要約で定義した通りである。式4の化合物を、反応スキームIIにおける通り、式3の化合物と、メタンスルホニルクロライド、SOClなどと、塩基、例えばNEt、EtNiPrなどの存在下または非存在下、溶媒、例えばCHCl、CHCl、AcOEtなどの中で反応させることにより製造できる。反応は約−20℃〜約40℃の温度で進行し、完了まで最大24時間かかり得る。
【0070】
【化6】

式6の化合物を、反応スキームIIIにおける通り、式5(ここで、Xはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、トリフラート、ノナフラートなどを意味する)の化合物と、式4(ここで、Yは脱離基、例えばアルキルスルホン酸エステル、ハライドまたは当業者に周知の他の適切な基を意味する)の化合物を、適当な溶媒、例えばDMF、THF、CHCNなどの中、適当な塩基、例えばCsCO、NaHなどの存在下で反応させることにより製造できる。反応は約50℃〜約140℃の温度で進行し、完了まで最大24時間かかり得る。
【0071】
【化7】

式Iの化合物を、反応スキームIVにおける通り、式6(ここで、Xはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、トリフラート、ノナフラートなどを意味する)の化合物と、式7(ここで、Rは発明の要約において記載した通りであり、そしてB(OR20)はボロン酸またはボロン酸エステル、例えばボロン酸ピナコールエステルなどを意味する)の化合物を、当分野で既知のPd方法を使用して反応させることにより製造できる。反応は約−78℃〜約100℃の温度で進行し、完了まで最大24時間かかり得る。
【0072】
本発明の化合物の合成の詳細は、以下の実施例に記載する。
【0073】
本発明の化合物の製造のためのさらなる方法
本発明の化合物は、遊離塩基形態の化合物を薬学的に許容される無機または有機酸と反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩で製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、遊離酸形態の化合物を薬学的に許容される無機または有機塩基と反応させることにより製造できる。あるいは、塩形態の本発明の化合物を、塩の出発物質または中間体を使用して製造できる。
【0074】
本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形態は、対応する塩基付加塩または酸付加塩形態から各々製造できる。例えば酸付加塩形態の本発明の化合物を、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形態の本発明の化合物を、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより対応する遊離酸に変換できる。
【0075】
酸化されていない形態の本発明の化合物を、本発明の化合物のN−オキシドから、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウムなど)で適当な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)で0〜80℃で処理することにより製造できる。
【0076】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細はSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照)。例えば、適当なプロドラッグを、誘導体化されていない本発明の化合物を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造できる。
【0077】
本発明の化合物の被保護誘導体を、当業者に既知の手段により製造できる。保護基の形成およびその除去に適用できる方法の詳細な記載は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0078】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として製造するのが好都合であるか、本発明の工程の間に形成される。本発明の化合物の水和物は、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを使用したような有機溶媒水性/有機溶媒混合物からの再結晶により好都合に製造できる。
【0079】
本発明の化合物は、本化合物のラセミ混合物を光学活性分割剤と反応させてジアステレオ異性化合物のペアを形成させ、ジアステレオマーを分離し、そして光学的に純粋な鏡像体を回収することにより、その個々の立体異性体として製造できる。鏡像体の分割は本発明の化合物の共有結合的結合するジアステレオマー誘導体を使用して実施できるが、解離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)。複数ジアステレオマーは異なる物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィーにより、または好ましくは、溶解度の差異に基づく分離/分割法により分離できる。次いで、光学的に純粋な鏡像体を、分割剤と共に、ラセミ化をもたらさないであろう任意の実際的手段により回収する。化合物の立体異性体のラセミ混合物からの分割に適用可能な方法のより詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0080】
要約すると、式Iの化合物は、次の工程を含む方法により製造できる:
(a) 反応スキームI、II、IIIおよびIVの工程;および
(b) 場合により本発明の化合物を薬学的に許容される塩に変換し;
(c) 場合により塩形態の本発明の化合物を非塩形態に変換し;
(d) 場合により酸化されていない形態の本発明の化合物を薬学的に許容されるN−オキシドに変換し;
(e) 場合によりN−オキシド形態の本発明の化合物をその酸化されていない形態に変換し;
(f) 場合により異性体混合物から本発明の化合物の個々の異性体を単離し;
(g) 場合により誘導体化されていない本発明の化合物を薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体に変換し;そして
(h) 場合によりプロドラッグ誘導体の本発明の化合物をその誘導体化されていない形態に変換する。
【0081】
出発物質が具体的に記載されていない限り、その化合物は既知であるか、または当分野で既知の、または以下の実施例に記載の通りの方法に準じて製造できる。
【0082】
当業者には、上記の変換が本発明の化合物の製造の単なる代表例であり、他の既知の方法を同様に使用できることは当然である。
【実施例】
【0083】
本発明を、さらに、本発明の化合物の製造を説明する以下の実施例により、限定せずに例示する。
【0084】
実施例A1
2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化8】

工程A:ピペリジンメタノール(10.7g、93mmol)をDMA(60mL)に溶解し、2−クロロ−5−エチルピリミジン(14.57g、102mmol)およびKCO(19.3g、140mmol)で処理し、130℃で一夜加熱する。固体を濾過し、DMAで洗浄し、廃棄する。濾液を蒸発させ、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メタノールA1aを黄色油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.16 (s, 2H), 4.75-4.72 (m, 2H), 3.53 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.91-2.83 (m, 2H), 2.45 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.84-1.73 (m, 3H), 1.27-1.20 (m, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); [M+H]+ C12H20N3OについてのMS計算値: 222.1, 実測値: 222.1。
【0085】
工程B:中間体A1a(10g、45.2mmol)をCHCl(70mL)に溶解し、NEt(12.6mL、90.4mmol)で処理し、0℃に冷却する。メタンスルホニルクロライド(3.9mL、50mmol)を滴下し、混合物をrtで2.5時間撹拌する。混合物を次いで1M HClに注ぎ、CHCl(3×)で抽出する。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。粗生成物をEtOAc/ヘキサンから再結晶させて、(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチルメタンスルホネートA1bを白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.39 (s, 2H), 5.03-4.99 (m, 2H), 4.11 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.20-3.12 (m, 2H), 3.03 (s, 3H), 2.59 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.21-2.10 (m, 1H), 2.03-2.00 (m, 2H), 1.48-1.37 (m, 2H), 1.25 (t, J = 7.6 Hz, 3H); [M+H]+ C13H22N3O3SについてのMS計算値: 300.1, 実測値: 300.1。
【0086】
工程C:4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェノール(1.15g、5.5mmol)および中間体A1b(1.50g、5.0mmol)のDMF(20mL)溶液に、CsCO(2.50g、7.7mmol)を添加した。得られた懸濁液を90℃で2時間加熱し、rtに冷却し、HO(100mL)で希釈する。混合物をEtOAc(3×40mL)で抽出し、合わせた有機物を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、2−(4−((4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンA1cを、無色油状物として得て、それは静置により固化する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.19 (s, 2H), 7.10 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 4.77 (br d, J = 13.2 Hz, 2H), 3.98 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.92 (td, J = 14.4, 2.8 Hz, 2H), 2.47 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.09 (m, 1H), 1.95 (br d, J = 14.4 Hz, 2H), 1.35 (qd, J = 14.4, 4.4 Hz, 2H), 1.21 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.00; [M+H]+ C18H21BrF2N3OについてのMS計算値: 412.1, 実測値: 412.1。
【0087】
工程D:中間体A1c(1.03g、2.5mmol)のDMSO(20mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(706mg、2.8mmol)、酢酸カリウム(740mg、7.5mmol)、およびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(95mg、5mol%)を添加する。混合物を80℃で2.5時間加熱する。溶液を次いでrtに冷却し、HO(100mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出する。有機層をMgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンA1dを無色油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.16 (s, 2H), 7.30 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 4.75 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.03 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.90 (td, J = 12.8, 2.8 Hz, 2H), 2.45 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.07 (m, 1H), 1.93 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.32 (s, 12H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -129.18; [M+H]+ C24H33BF2N3O3についてのMS計算値: 460.3, 実測値: 460.3。
【0088】
工程E:バイアルに中間体A1d(344mg、0.75mmol)、2−ブロモ−5−(メチルスルホニル)ピリジン(199mg、0.84mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(38mg、6mol%)、および乾燥ジオキサン(1.5mL)を入れる。この溶液に1M 水性CsCO(1mL、1.0mmol)を添加し、二相混合物をマイクロ波照射する(120℃、15分間)。混合物をHO(20mL)で希釈し、EtOAc(3x25mL)で抽出する。有機相を塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、表題化合物(実施例A1)を結晶性粉末として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.16 (dd, J = 2.4, 0.8 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 8.17 (s, 2H), 7.82 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.10 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.14 (s, 3H), 2.92 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.96 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.36 (qd, J = 12.4, 4.0 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.56; [M+H]+ C24H27F2N4O3SについてのMS計算値: 489.2, 実測値: 489.2。
【0089】
実施例A2
tert−ブチル4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化9】

工程A:Tert−ブチル4−((メチルスルホニルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートA2aを、tert−ブチル4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(30g、139mmol)から中間体A1bの製造について記載した方法と同じ方法に従い、製造する。[M-Boc+2H]+ C8H16NO5SについてのMS計算値: 238.3, 実測値: 238.0。生成物を精製せずに使用する。
【0090】
工程B:Tert−ブチル4−((4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートA2bを、4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェノール(1.67g、8mmol)および中間体A2a(2.35g、8mmol)から、中間体A1cの製造について記載した方法と同じ方法に従い、製造する。[M+Na]+ C17H22BrF2NNaO3についてのMS計算値: 428.1, 実測値: 428.2。生成物を精製せずに使用する。
【0091】
工程C:中間体A2b(20.3mg、0.05mmol)、4−(メタンスルホニル)ベンゼンボロン酸(12.0mg、0.06mmol)、NaCO(15.9mg、0.15mmol)およびPd(PPh)(1.7mg、0.0015mmol)のHO(0.24mL)、EtOH(0.18mL)およびDME(0.72mL)中の混合物を窒素雰囲気下でマイクロ波照射する(180℃、10分間)。冷却後、混合物をMeCNで希釈し、濾過する。濾液を逆相HPLCで精製して、表題化合物(実施例A2)を得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.01 (m, 2H), 7.69 (m, 2H), 7.16 (m, 2H), 4.16 (m, 2H), 4.04 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.09 (s, 3H), 2.76 (t, J = 12.4 Hz, 2H), 1.98 (m, 1H), 1.86 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.28 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.74; [M+Na]+ C24H29F2NNaO5SについてのMS計算値: 504.2, 実測値: 504.1。
【0092】
実施例A3
2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化10】

工程A:p−トルエンスルホニルクロライド(14.3g、75mmol)のピリジン(60mL)溶液に、3−メチル−3−オキセタンメタノールA3a(5.1g、50mmol)を10分間にわたりゆっくり添加する。得られた懸濁液をrtで1.5時間撹拌し、激しく撹拌している氷水(300mL)に注ぐ。スラリーを45分間撹拌する。固体を濾過により回収し、氷冷HO(100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネートA3bを白色粉末として得る。化合物をさらに精製せずに次工程に使用する。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.39 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.13 (s, 2H), 2.49 (s, 3H), 1.33 (s, 3H)。
【0093】
工程B:中間体A3b(1.75g、6.8mmol)、4−ブロモベンゼンチオール(1.25g、6.6mmol)、およびCsCO(3.25g、10mmol)を乾燥DMF(12mL)に懸濁し、80℃で1.5時間加熱する。混合物を冷却し、HO(50mL)で希釈し、EtO(3×30mL)で抽出する。合わせた有機物を2M NaCO(15mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗3−((4−ブロモフェニルチオ)メチル)−3−メチルオキセタンA3cを黄色油状物として得る。化合物をさらに精製せずに次工程に使用する。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.40 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.31 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.19 (s, 2H), 1.33 (s, 3H); [M+H]+ C11H14BrOSについてのMS計算値: 273.0, 実測値: 273.0。
【0094】
工程C:中間体A3c(1.8g、6.6mmol)のCHCl(30mL)溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(最大77%、3.5g、約15.6mmol)を、少しずつスルホンへの変換が完了するまで添加する(LC−MS)。混合物をさらに4時間撹拌し、次いでCHCl(40mL)で希釈し、連続的にHO(50mL)、2M NaCO(30mL)、10%NaHSO(15mL)、およびHO(30mL)で洗浄する。有機物をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、粗3−((4−ブロモフェニルスルホニル)メチル)−3−メチルオキセタンA3dを白色固体として得る。化合物をさらに精製せずに次工程に使用する。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.54 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.35 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.41 (s, 2H), 1.61 (s, 3H); [M+H]+ C11H14BrO3SについてのMS計算値: 305.0, 実測値: 304.9。
【0095】
工程D:中間体A3d(1.94g、6.4mmol)のDMSO(45mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.7g、6.7mmol)、酢酸カリウム(1.9g、19mmol)、およびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(233mg、5mol%)を添加する。混合物を80℃で3時間加熱する。次いで、溶液をrtに冷却し、HO(100mL)で希釈し、EtOAc(4×50mL)で抽出する。有機層をHO(30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチルスルホニル)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランA3eを結晶性粉末として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.02 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.60 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.40 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.50 (s, 2H), 1.69 (s, 3H), 1.39 (s, 12H); [M+H]+ C17H26BO5SについてのMS計算値: 353.2, 実測値: 353.2。
【0096】
工程E:Smith Processバイアルに中間体A1c(50mg、0.12mmol)、中間体A3e(46mg、0.14mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(9mg、10mol%)、および乾燥ジオキサン(1.5mL)を売れる。この溶液に2M 水性CsCO(0.15mL、0.3mmol)を添加し、二相混合物をマイクロ波照射する(120℃、10分間)。混合物をHO(10mL)およびEtOAc(15mL)に分配し、有機相を塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、表題化合物(実施例A3)を薄黄色粉末として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.18 (s, 2H), 7.98 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.63 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.43 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.07 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.52 (s, 2H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.8 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.12 (m, 1H), 1.95 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.71 (s, 3H), 1.36 (qd, J = 12.2, 4.0 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.60; [M+H]+ C29H33F2N3O4SについてのMS計算値: 558.2, 実測値: 558.2。
【0097】
上記実施例A1−A3に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表1に同定する式Iの化合物が得られる:
【表1】

【表2】

【0098】
【表3】

【表4】

【0099】
【表5】

【表6】

【0100】
【表7】

【表8】

【0101】
【表9】

【表10】

【0102】
【表11】

【表12】

【0103】
実施例B1
2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化11】

加圧容器に実施例A8(73mg、0.17mmol)、ジブチル錫オキシド(7mg、15mol%)、アジドトリメチルシラン(43μL、0.17mmol)、および乾燥トルエン(3mL)を入れる。容器を密閉し、110℃で24時間に加熱する。溶液をrtに冷却し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH勾配)で精製して、表題化合物(実施例B1)を灰白色粉末として得る:1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ = 8.28 (s, 2H), 8.16 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.02 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.71 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 4.09 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.47 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.09 (m, 1H), 1.89 (dd, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 1.29 (qd, J = 12.8, 3.6 Hz, 2H), 1.17 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, DMSO-D6) δ = -127.54; [M+H]+ C25H26F2N7OについてのMS計算値: 478.2, 実測値: 478.2。
【0104】
上記実施例実施例B1に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表2に同定する式Iの化合物が得られる:
【表13】

【表14】

【0105】
実施例C1およびC2
2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化12】

実施例B1(20mg、0.04mmol)およびヨウ化メチル(10μL、0.16mmol)のDMF(3mL)溶液にCsCO(40mg、0.12mmol)を添加する。得られた懸濁液を80℃で1時間加熱し、rtに冷却し、HO(20mL)で希釈する。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機物を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、表題化合物(実施例C1)および(実施例C2)を白色固体として得る。
【0106】
C1:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.11 (s, 2H), 7.57 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.70 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.35 (s, 3H), 3.98 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.86 (td, J = 13.2, 2.0 Hz, 2H), 2.39 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.05 (m, 1H), 1.91 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.30 (m, 2H), 1.12 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.46; [M+H]+ C26H28F2N7OについてのMS計算値: 492.2, 実測値: 492.3。
【0107】
C2:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.11 (s, 2H), 7.77 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.71 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.16 (s, 3H), 3.99 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.86 (td, J = 13.2, 2.0 Hz, 2H), 2.39 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.05 (m, 1H), 1.91 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.30 (m, 2H), 1.12 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.93; [M+H]+ C26H28F2N7OについてのMS計算値: 492.2, 実測値: 492.2。
【0108】
上記実施例C1−C2に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表3に同定する式Iの化合物が得られる:
【表15】

【表16】

【0109】
【表17】

【0110】
実施例D1
1−メチルシクロプロピル4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化13】

工程A:25mLフラスコにTi(OMe)(3.25g、18.9mmol)およびシクロヘキサノール(7.57g、75.6mL)およびトルエン(15mL)を入れる。系を、140℃でDean-Starkトラップを利用してMeOHが産生されなくなるまで加熱し、次いでトルエンを除去して、チタンシクロヘキシルオキシ触媒D1aを得る。このサイクルを2回繰り返し、残りをさらに精製せずに使用する。
【0111】
工程B:2Lフラスコを、エーテル(500mL)、上記触媒D1a全ておよび酢酸メチル(14g、0.189mol)で処理する。この溶液にジエチルエーテル中臭化エチルマグネシウムの3M溶液(139mL、0.416mol)を1.5時間にわたり添加する。温度を、フラスコを水浴に吊すことにより一定に保つ。添加完了後、反応混合物をさらに15分間撹拌し、次いで10%HSOの氷冷水溶液(1.6L)でクエンチする。有機相を分離し、水性相をエーテル(2×250mL)で抽出する。合わせた有機物を飽和水性炭酸水素ナトリウム(50mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濾過する。エーテルを吸引せずに65℃で除去し、残留物を短経路蒸留装置を通して蒸留する。所望の1−メチルシクロプロパノールD1bは大凡100℃で沸騰する。生成物フラクション(5.0g)を回収したら、それをNMRで試験し、大凡の純度は50%であり、残りの物質はトルエン、エーテルおよびメチルエチルケトンである。この物質をさらに精製せずに次工程に使用する。
【0112】
工程C:4−ニトロフェニルクロロホルメート(6.99g、34mmol)のCHCl(50mL)中の氷冷溶液を、先の工程からのD1bの全溶液とDMAP(424mg、3.47mmol)で2,4,6−コリジン(25mL)中、処理し、氷/水浴で30分間撹拌する。氷浴を除き、反応混合物を一夜撹拌する。反応混合物を次いで1M HCl(150mL)で処理する。有機物を単離し、1回1M HCl(100mL)および1回飽和水性NaCl(20mL)で抽出する。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、1−メチルシクロプロピル4−ニトロフェニルカーボネートD1cを油状物として得て、それは長い静置により固化する:1H NMR (CDCl3) δ = 8.28 (m, 2H), 7.38 (m, 2H), 1.66 (s, 3H), 1.07 (m, 2H), 0.76 (m, 2H); [M+H]+ C11H12NO5についてのMS計算値: 238.1, 実測値: 237.8。
【0113】
工程D:実施例A2(61mg、0.13mmol)をCHCl(3mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.3mL)で処理する。混合物を次いでrtで2時間撹拌する。溶媒を除去し、残留物をトルエンと1回共沸蒸留する。残留物をCHCl(3mL)に溶解し、NEt(0.3mL)および中間体D1c(30mg、0.13mmol)で処理し、rtで一夜撹拌する。混合物をCHClで希釈し、1N NaOH(3x)、1M HCl(1×)および塩水(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、表題化合物(実施例D1)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CD3CN) δ = 8.01 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.45-7.38 (m, 2H), 4.11-3.94 (m, 2H), 4.07 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.12 (s, 3H), 2.86-2.68 (m, 2H), 2.02-2.00 (m, 1H), 1.85-1.81 (m, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.29-1.19 (m, 2H), 0.84-0.81 (m, 2H), 0.63-0.60 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CD3CN) δ = - 128.76; [M+H]+ C24H28F2NO5SについてのMS計算値: 480.1, 実測値: 480.1。
【0114】
実施例E1−E3
4−(4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)
−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン1−オキシド
tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化14】

工程A:mCPBA(77%、350mg、1.56mmol)のEtOAc(1mL)溶液を、実施例A21(162mg、0.4mmol)のEtOAc(2mL)に添加し、rtで一夜撹拌する。EtOAc(20mL)を添加し、水性NaHCO(2×20mL)で洗浄する。有機相を乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH勾配)での精製により、実施例E1を灰白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.27 (m, 2H), 7.69 (m, 2H), 7.82 (m, 2H), 7.70 (m, 2H), 4.03 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.97 (m, 2H), 2.73 (m, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.75 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.16 (m, 2H); [M+H]+ C22H27F2N2O4についてのMS計算値: 421.2, 実測値: 421.2。
【0115】
工程B:実施例E1(66mg、0.16mmol)のAcO(2mL)溶液を130℃で20時間加熱する。次いで、反応混合物を濃縮し、MeOH(4mL)および2M NaCO(2mL)に溶解し、rtで一夜撹拌する。溶媒を真空で除去し、HO(20mL)を添加する。反応混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、HO(10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH勾配)での精製により、実施例E2を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.59 (m, 2H), 7.44 (d, J = 6.8, 1H), 6.67 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 4.03 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.97 (m, 2H), 2.73 (s, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.75 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.16 (m, 2H); [M+H]+ C22H27F2N2O4についてのMS計算値: 421.2, 実測値: 421.2。
【0116】
工程C:実施例E2(21mg、0.05mmol)の無水DMF(0.2mL)溶液に、CsCO(49mg、0.15mmol)およびMeI(20μL、0.15mmol)を添加する。混合物を密閉バイアル中で65℃で一夜加熱し、次いで逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、表題化合物実施例E3を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.78 (d, J = 7.2, 1H), 7.61 (m, 2H), 6.76 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 7.2, 2.4 Hz, 1H), 4.03 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.97 (m, 2H), 3.43 (s, 3H), 2.73 (s, 2H), 1.89 (m, 1H), 1.75 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.15 (m, 2H); [M+H]+ C23H29F2N2O4についてのMS計算値: 435.2, 実測値: 434.9。
【0117】
実施例F1
2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化15】

工程A:4mLバイアルで、実施例A23(108mg、0.23mmol)およびヨウ化ナトリウム(110mg、0.73mmol)を乾燥CHCN(2mL)に懸濁させる。アセチルクロライド(35μL、0.49mmol)を添加し、バイアルを密閉し、混合物を80℃で24時間加熱し、次いでrtに冷却する。懸濁液を10%KCOおよび5%NaHSOの水溶液で洗浄し、2回CHClで抽出する。有機物を乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、粗2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−ヨード−2−メチルピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンF1aを得て、それをさらに精製せずに使用する:[M+H]+ C24H26F2IN4OについてのMS計算値: 551.1, 実測値: 551.2。
【0118】
工程B:粗中間体F1a(40mg、約0.05mmol)、[Cu(I)OTf]Ph(2.6mg、0.005mmol)、1H−1,2,4−トリアゾール(8mg、0.11mmol)、および炭酸セシウム(45mg、0.14mmol)を乾燥DMSO(1mL)に溶解する。ジメチルエチレンジアミン(1μL、0.013mmol)を添加し、溶液を120℃で5時間加熱する。rtに冷却後、混合物をHO(30mL)で希釈し、2回EtOAcで抽出する。有機物を乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物(実施例F1)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.21 (s, 1H), 8.18 (s, 2H), 8.10 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.54 (s, 3H), 2.46 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.13 (m, 1H), 1.98 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.37 (qd, J = 12.8, 4.0 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.22; [M+H]+ C26H28F2N7OについてのMS計算値: 492.2, 実測値: 492.2。
【0119】
実施例F2
2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化16】

粗中間体F1a(40mg、約0.05mmol)を、実施例F1に記載する通り、1H−1,2,4−トリアゾールの代わりにナトリウムメタンスルフィネートで処理し、炭酸セシウムの添加をせずに、表題化合物(実施例F2)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (s, 2H), 7.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.07 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.27 (s, 3H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.8 Hz, 2H), 2.59 (s, 3H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.13 (m, 1H), 1.97 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.37 (qd, J = 12.8, 4.4 Hz, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.57; [M+H]+ C25H29F2N4O3SについてのMS計算値: 503.2, 実測値: 503.3。
【0120】
実施例F3
1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化17】

工程A:中間体A2bのCHCl(100ml)溶液を0℃に冷却し、TFA(10ml)で処理し、rtで2時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、トルエンと1回共沸蒸留した。粗物質をCHCl(100ml)に溶解し、NEt(10ml、72mmol)およびカーボネートD1c(5.88g、24.8mmol)で処理した。混合物をrtで一夜撹拌し、次いで1M NaOH(3x)、1M HCl(1×)および塩水(1×)で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮して、1−メチルシクロプロピル4−((4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートF3aを明オレンジ色油状物として得た。[M+H]+ C17H21BrF2NO3についてのMS計算値: 404.1, 実測値: 404.0。生成物を精製せずに使用する。
【0121】
工程B:マイクロ波バイアルで、中間体F3a(815mg、2.0mmol)、6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イルボロン酸(375mg、2.2mmol)およびPd(dppf)Cl(105mg、0.14mmol)の乾燥ジオキサン(16ml)中の混合物を1M CsCO(2.4ml、2.4mmol)で処理する。バイアルを密閉し、窒素雰囲気下でマイクロ波照射する(120℃、20分間)。冷却後、混合物をEtOAcで希釈し、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、1−メチルシクロプロピル4−((4−(6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートF3bを白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.30-4.05 (br. d, 2H), 4.04 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.00 (m, 1H), 1.89 (dd, J = 12.8, 1.2 Hz, 2H), 1.57 (s, 3H), 1.38-1.25 (m, 2H), 0.91-0.87 (m, 2H), 0.66-0.63 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.27; [M+H]+ C23H26ClF2N2O3についてのMS計算値: 451.1, 実測値: 451.2。
【0122】
工程C:20mLバイアルで、中間体F3b(451mg、1.0mmol)およびヨウ化ナトリウム(902mg、6.0mmol)を乾燥MeCN(5mL)に懸濁する。アセチルクロライド(213μL、3.0mmol)を添加し、バイアルを密閉し、混合物を80℃で16時間加熱し、次いでrtに冷却する。懸濁液を10%KCOおよび5%NaHSOの水溶液で希釈し、2回CHClで抽出する。有機物を乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−ヨード−2−メチルピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートF3cを得て、それをさらに精製せずに使用する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.63 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.30-4.05 (br. d, 2H), 4.04 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.00 (m, 1H), 1.89 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.57 (s, 3H), 1.35-1.25 (m, 2H), 0.91-0.87 (m, 2H), 0.66-0.63 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.23; [M+H]+ C23H26F2IN2O3についてのMS計算値: 543.1, 実測値: 543.2。
【0123】
工程D:粗中間体F3c(198mg、約0.36mmol)、[Cu(I)OTf]Ph(13.1mg、0.026mmol)、およびナトリウムメタンスルフィネート(62mg、0.61mmol)を乾燥DMSO(5mL)に溶解する。ジメチルエチレンジアミン(7μL、0.064mmol)を添加し、溶液を120℃で5時間加熱する。rtに冷却後、混合物をHO(30mL)で希釈し、2回EtOAcで抽出する。有機物を乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物(実施例F3)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.30-4.05 (br. d, 2H), 4.07 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.80 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.87 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.58 (s, 3H), 1.38-1.25 (m, 2H), 0.91-0.87 (m, 2H), 0.67-0.63 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.64; [M+H]+ C24H29F2N2O5SについてのMS計算値: 495.2, 実測値: 495.1。
【0124】
実施例F4
1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(プロピルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化18】

中間体F3c(100mg、約0.18mmol)を、実施例F3、工程Dに記載する通り、ナトリウムメタンスルフィネートの代わりにナトリウムプロパン−1−スルフィネートを使用して処理し、表題化合物(実施例F4)を透明油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.97 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.92-6.85 (m, 2H), 4.30-4.15 (br. d, 2H), 4.04 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.42-3.39 (m, 2H), 2.81-2.75 (m, 2H), 2.59 (s, 3H), 2.02-1.97 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 4H), 1.55 (s, 3H), 1.37-1.25 (m, 2H), 1.07 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.88-0.85 (m, 2H), 0.64-0.61 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.69; [M+H]+ C26H33F2N2O5SについてのMS計算値: 523.2, 実測値: 523.2。
【0125】
実施例F5
sec−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化19】

工程A:イソアミルアルコール(1.0g、13.5mmol)のCHCl(30ml)溶液に、4−ニトロフェニルカルボノクロリダート(3.2g、16.2mmol)、2,4,6−コリジン(2.14ml、16.2mmol)および触媒量のDMAPを添加する。2時間撹拌後、1N HClを添加し、水性層をCHClで抽出し、合わせた有機層を1N HCl、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒の蒸発およびフラッシュクロマトグラフィー(120g SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、sec−ブチル4−ニトロフェニルカーボネートF5aを黄色油状物として得る。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.27 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.85 (sextet, J = 6.4 Hz, 1H), 1.82-1.62 (m, 2H), 1.37 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.00 (t, J = 7.2 Hz, 3H); [M+Na]+ C11H13NaNO5についてのMS計算値: 262.1, 実測値: 262.2。
【0126】
工程B:マイクロ波バイアルで、中間体A2b(3.59g、8.85mmol)、6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イルボロン酸(1.67g、974mmol)、Pd(dppf)Cl(505mg、0.619mmol)の乾燥ジオキサン(30mL)中の混合物を1M CsCO(10.6ml、10.62mmol)で処理する。バイアルを密閉し、窒素雰囲気下でマイクロ波照射する(120℃、20分間)。冷却後、混合物をEtOAcで希釈し、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、tert−ブチル4−((4−(6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートF5bを白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.88-6.81 (m, 2H), 4.16 (br s, 2H), 4.02 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.78-2.73 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.01-1.95 (m, 1H), 1.87 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.34-1.24 (m, 2H); [M+H]+ C23H28ClF2N2O3についてのMS計算値: 453.2, 実測値: 453.2。
【0127】
工程C:中間体F5b(804mg、1.79mmol)のMeCN(30ml)溶液に、NaI(1.6g、10.72mmol)およびアセチルクロライド(381μL、5.37mmol)を添加する。80℃で16時間撹拌後、反応を10%水性KCOおよび10%水性NaHSOでクエンチする。水性層をCHClで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒の蒸発およびフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、1−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−ヨード−2−メチルピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)エタノンF5cを黄色固体として得る;[M+H]+ C20H22F2IN2O2についてのMS計算値: 487.1, 実測値: 487.2。
【0128】
工程D:中間体F5c(450mg、0.926mmol)の48%水性HBr(20ml)を5時間還流する。溶液を冷却し、水性層をEtOAcで抽出して、全ての有機不純物を除去する。6M NaOHを次いで塩基性pHになるまで添加し、生成物をEtOAcで抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させる。溶媒の蒸発により、3−(3,5−ジフルオロ−4−(ピペリジン−4−イルメトキシ)フェニル)−6−ヨード−2−メチルピリジンF5dを薄黄色油状物として得て、これは時間と共に固化する;1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.86-6.80 (m, 2H), 4.02 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.17 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.72-2.65 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.00-1.88 (m, 5H), 1.38-128 (m, 2H); [M+H]+ C18H20F2IN2OについてのMS計算値: 445.1, 実測値: 445.2。
【0129】
工程E:中間体F5d(50mg、0.113mmol)のCHCl(2ml)溶液に、カルバメートF5a(40mg、0.169mmol)およびNEt(31μL、0.226mmol)を添加する。48時間撹拌後、溶媒を蒸発させ、残った残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12g SiO2、EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、sec−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−ヨード−2−メチルピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートF5eを透明油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.87-6.80 (m, 2H), 4.79-4.71 (m, 1H), 4.22 (br s, 2H), 4.02 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.83-2.77 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.04-1.94 (m, 1H), 1.87 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.64-1.50 (m, 2H), 1.30-1.23 (m, 2H), 1.21 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.911 (t, J = 7.2 Hz, 3H); [M+H]+ C23H28F2IN2O3についてのMS計算値: 545.1, 実測値: 545.2。
【0130】
工程F:中間体F5e(24mg、約0.044mmol)、[Cu(I)OTf]Ph(2.0mg、0.0031mmol)およびナトリウムメタンスルフィネート(9mg、0.88mmol)を乾燥DMSO(2mL)に溶解する。ジメチルエチレンジアミン(1μL、0.017mmol)を添加し、溶液を120℃で2時間加熱する。23℃に冷却後、混合物を水で希釈し、2回EtOAcで抽出する。有機物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物(実施例F5)を透明油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.97 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.92-6.87 (m, 2H), 4.79-4.71 (m, 1H), 4.22 (br s, 2H), 4.05 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.27 (s, 3H), 2.83-2.77 (m, 2H), 2.59 (s, 3H), 2.04-1.98 (m, 1H), 1.87 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.65-1.50 (m, 2H), 1.38-1.23 (m, 2H), 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.911 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.63; [M+H]+ C24H31F2N2O5SについてのMS計算値: 497.2, 実測値: 497.2。
【0131】
実施例F6
sec−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(プロピルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化20】

中間体F5e(40mg、約0.05mmol)を実施例F5、工程Fに記載の通り、ナトリウムメタンスルフィネートの代わりにナトリウムプロパン−1−スルフィネートで処理して、表題化合物(実施例F6)を透明油状物として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.96 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.92-6.87 (m, 2H), 4.79-4.71 (m, 1H), 4.22 (br s, 2H), 4.04 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.42-3.38 (m, 2H), 2.83-2.77 (m, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.04-1.98 (m, 1H), 1.90-1.80 (m, 4H), 1.64-1.52 (m, 2H), 1.35-1.25 (m, 2H), 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.06 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.911 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -126.68; [M+H]+ C26H35F2N2O5SについてのMS計算値: 525.2, 実測値: 525.2。
【0132】
実施例F7
1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化21】

中間体F3c(198mg、約0.36mmol)を、実施例F1、工程Bに記載の通り処理して、表題化合物(実施例F7)を得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.20 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.30-4.00 (br. d, 2H), 4.03 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 12.4 Hz, 2H), 2.53 (s, 3H), 2.04-1.94 (m, 1H), 1.90-1.84 (m, 2H), 1.55 (s, 3H), 1.35-1.24 (m, 2H), 0.88-0.85 (m, 2H), 0.64-0.60 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.30; [M+H]+ C25H28F2N5O3についてのMS計算値: 484.2, 実測値: 484.2。
【0133】
実施例F8
メチル5−(3,5−ジフルオロ−4−((1−((1−メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)フェニル)−6−メチルピコリナート
【化22】

中間体F3b(274mg、0.61mmol)、Pd(OAc)(30mg、0.13mmol)およびPhP(CH)PPh(55mg、0.13mmol)のDMA/MeOH(1:1、10mL)溶液をアルゴンで脱気する。COを次いで15分間溶液に通気し、フラスコを密閉し、80℃で一夜加熱する。混合物を次いでセライトを通して濾過し、MeOHで洗浄し、真空で濃縮する。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物(実施例F8)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.36-4.05 (m, 4H), 4.05 (s, 3H), 2.80 (t, J = 12.8 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.10-1.95 (m, 1H), 1.92-1.85 (m, 2H), 1.58 (s, 3H), 1.40-1.27 (m, 2H), 0.91-0.88 (m, 2H), 0.67-0.63 (m, 2H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.14; [M+H]+ C25H29F2N2O5についてのMS計算値: 475.2, 実測値: 475.2。
【0134】
実施例G1
5−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)オキサゾール
【化23】

工程A:中間体A1c(412mg、1.0mmol)を4−ホルミルフェニルボロン酸(165mg、1.1mmol)と、実施例A3に記載したのと同じ方法で反応させ、4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−カルボアルデヒドG1aを灰白色粉末として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.06 (s, 1H), 8.17 (s, 2H), 7.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.06 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.92 (td, J = 12.8, 2.8 Hz, 2H), 2.45 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.12 (m, 1H), 1.97 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.36 (qd, J = 12.8, 4.4 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.00; [M+H]+ C25H26F2N3O2についてのMS計算値: 438.2, 実測値: 438.2。
【0135】
工程B:加圧バイアルで、中間体G1a(55mg、0.13mmol)、p−トルエンスルホニルメチルイソシアニド(25mg、0.13mmol)、および炭酸カリウム(50mg、0.36mmol)を乾燥メタノール(1.5mL)に懸濁する。バイアルを密閉し、懸濁液を80℃で16時間加熱し、次いでrtに冷却し、真空で濃縮する。残留物をHO(50mL)に取り込み、3回CHClで抽出する。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO)、濃縮し、およびフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物(実施例G1)を灰白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (s, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.16 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.8 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.97 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.36 (qd, J = 12.8, 4.4 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.46; [M+H]+ C27H27F2N4O2についてのMS計算値: 477.2, 実測値: 477.2。
【0136】
実施例G2
2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1H−ピラゾール−3−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン
【化24】

中間体G1a(55mg、0.13mmol)およびトシルヒドラジン(25mg、0.13mmol)を乾燥アセトニトリル(1mL)に溶解し、rtで3時間撹拌する。5N NaOH(30μL、0.15mmol)を添加し、混合物をさらに30分間、rtで撹拌する。ビニルイミダゾール(60μL、0.66mmol)を添加し、混合物を50℃で16時間加熱し、次いでrtに冷却し、真空で濃縮する。残留物をCHClに取り込み、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH勾配)で精製して、表題化合物(実施例G2)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.3 (br s, 1H), 8.18 (s, 2H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.67 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.03 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.97 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.36 (qd, J = 12.8, 4.0 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.74; [M+H]+ C27H28F2N5OについてのMS計算値: 476.2, 実測値: 476.2。
【0137】
実施例H1
1−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)−N−メチルメタンアミン
【化25】

工程A:実施例A14(153mg、0.35mmol)を乾燥CHCl(15mL)に溶解し、NEt(0.5mL)およびメタンスルホニルクロライド(0.2mL、2.5mmol)で処理する。混合物をrtで一夜撹拌する。混合物をHO(40mL)および塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、粗2−(4−((4’−(クロロメチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンH1aを灰白色固体として得て、それをさらに精製せずに次工程に使用する:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (s, 2H), 7.50 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.03 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.93 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.97 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.35 (qd, J = 12.8, 4.0 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.60; [M+H]+ C25H27ClF2N3OについてのMS計算値: 458.2, 実測値: 458.2。
【0138】
工程B:加圧バイアル中、中間体H1a(20mg、0.04mmol)、メチルアミンヒドロクロライド(6mg、0.08mmol)および炭酸セシウム(100mg、0.3mmol)を乾燥CHCN(3mL)に懸濁する。バイアルを密閉し、混合物を80℃で5時間加熱し、rtに冷却し、濾過する。残留物をCHClに取り込み、0.2μmシリンジフィルターを通して濾過し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH勾配)で精製して、表題化合物(実施例H1)を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (s, 2H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.02 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.81 (s, 2H), 2.92 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.45 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.97 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.35 (qd, J = 12.8, 4.0 Hz, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.86; [M+H]+ C26H31F2N4OについてのMS計算値: 453.2, 実測値: 453.3。
【0139】
上記実施例H1に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表4に同定する式Iの化合物が得られる:
【表18】

【表19】

【0140】
実施例I1
5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピコリンアミド
【化26】

工程A:Smith-Processバイアルに中間体A1c(206mg、0.5mmol)、メチル5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピコリナート(158mg、0.6mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(18mg、5mol%)、および乾燥ジオキサン(2.5mL)を入れる。この溶液に1M 水性CsCO(1.7mL、1.7mmol)を添加し、二相混合物をマイクロ波照射する(130℃、30分間)。塩水(30mL)を添加し、沈殿を濾過し、HO(2×1mL)、EtO(3×10mL)で洗浄し、真空で乾燥させて、5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピコリン酸ナトリウム塩I1aを褐色固体として得る。粗化合物をさらに精製せずに次工程に使用する:[M+H]+ C24H25F2N4O3についてのMS計算値: 455.2, 実測値: 455.2。
【0141】
工程B:中間体I1a(71mg、0.12mmol)のTHF(10mL)溶液を0℃に冷却する。塩化オキサリル(0.30mL、3.4mmol)、続いて1滴のDMF(25μL)を添加する。得られた溶液をrtで1.5時間撹拌し、次いでTHF(2×10mL)と共沸蒸留する。残留物をTHF(3mL)に溶解し、水性水酸化アンモニウム溶液(28%、1.5mL)で処理する。反応混合物をrtで1時間撹拌する。HO(20mL)を添加し、生成物をEtOAc(3×10mL)で抽出する。有機層をHO(10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、実施例I1を灰白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.97 (dd, J = 2.4, 0.8 Hz, 1H), 8.31 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 8.23 (s, 2H), 8.16 (bs, 1H), 8.08 (dd, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 7.72 (m, 3H), 4.66 (m, 2H), 4.06 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.88 (m, 2H), 2.42 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.04 (m, 1H), 1.84 (m, 2H), 1.23 (m, 2H), 1.12 (t, J = 7.6 Hz, 3H); [M+H]+ C24H26F2N5O2についてのMS計算値: 454.2, 実測値: 454.2。
【0142】
上記実施例I1に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表5に同定する式Iの化合物が得られる:
【表20】

【0143】
実施例J1
1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(ピペラジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化27】

工程A:ボロン酸エステルJ1aを、中間体F3aから、実施例A1、工程Dに記載する方法を使用して、白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.27 (m, 2H), 4.01 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.91 (m, 2H), 2.73 (m, 2H), 1.88 (m, 1H), 1.46 (s, 3H), 1.28 (s, 12H), 1.14 (m, 2H), 0.75 (m, 2H), 0.59 (m, 2H); [M+H]+ C23H33BF2NO5についてのMS計算値: 452.2, 実測値: 452.3。
【0144】
工程B:バイアルに中間体J1a(677mg、1.5mmol)、5−ブロモピリミジン−2−カルボン酸(335mg、1.1mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(110mg、0.15mmol)、ジオキサン(3.4mL)およびDMF(3.4mL)を入れる。この溶液に1M 水性CsCO(4.95mL、4.95mmol)を添加し、二相混合物をマイクロ波照射する(120℃、30分間)。混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出する。水性相を1N HCl(11mL)で酸性化し、EtOAc(3×50mL)で抽出する。合わせた有機相を塩水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させて、粗5−(3,5−ジフルオロ−4−((1−((1−メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピリミジン−2−カルボン酸J1bを得る:[M+H]+ C22H24F2N3O5についてのMS計算値: 448.2, 実測値: 448.2。
【0145】
工程E:中間体J1b(313mg、0.7mmol)のTHF(5ml)溶液をHATU(380mg、1mmol)のDMF(4mL)で処理し、20分間、rtで撹拌する。ピペリジン−4−オール(150mg、1.5mmol)、続いてDIEA(261μL、1.5mmol)を添加し、一夜、rtで撹拌する。HO(100mL)を添加し、生成物をEtOAcで抽出する(3×50mL)。有機層をHO(30mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl勾配)による精製およびEtOAc−ヘキサンからの再結晶により、実施例J1を白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.93 (s, 2H), 7.15 (m, 2H), 4.00-4.30 (m, 6H), 3.59 (m, 2H), 3.21 (ddd, J = 13.6, 8.4, 3.6 Hz, 1H), 2.77 (t, J =12.4 Hz, 2H), 1.82-2.08 (m, 5H), 1.57-1.75 (m, 2H), 1.50 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 1.55 (s, 3H), 1.26 (m, 2H), 0.87 (m, 2H), 0.63 (m, 2H); [M+H]+ C27H33F2N4O5についてのMS計算値: 531.2, 実測値: 531.2。
【0146】
上記実施例J1に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表6に同定する式Iの化合物が得られる:
【表21】

【表22】

【0147】
【表23】

【表24】

【0148】
【表25】

【表26】

【0149】
【表27】

【0150】
実施例K1
2−(4−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)−N,N−ジメチルエタンアミン
【化28】

工程A:マイクロ波バイアルで。中間体A1c(310mg、0.75mmol)、6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イルボロン酸(243mg、0.83mmol)、Pd(dppf)Cl(33mg、0.045mmol)の乾燥ジオキサン(4mL)中の混合物を1M CsCO(0.9ml、0.9mmol)で処理する。バイアルを密閉し、窒素雰囲気下でマイクロ波照射する(120℃、15分間)。冷却後、混合物をEtOAcで希釈し、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンK1aを白色固体として得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 10.24 (br s, 1H), 8.19 (s, 2H), 7.80 (s, 2H), 7.06 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.02 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.96 (td, J = 12.8, 2.8 Hz, 2H), 2.48 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.96 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.35 (qd, J = 12.0, 4.0 Hz, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.90; [M+H]+ C21H24F2N5OについてのMS計算値: 400.2, 実測値: 400.2。
【0151】
工程B:中間体K1a(22mg、0.05mmol)、2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミンヒドロクロライド(17mg、0.12mmol)およびCsCO(80mg、0.245mmol)のMeCN(3mL)中の混合物を80℃で1時間加熱する。混合物を次いでrtに冷却し、セライトを通して濾過し、MeCNおよびCHClで洗浄する。溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物(実施例K1)を得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (s, 2H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.98 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.76 (br. d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.23 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.97 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.91 (td, J = 12.8, 2.4 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.45 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.28 (s, 6H), 2.14-2.03 (m, 1H), 1.99-1.92 (m, 2H), 1.34 (qd, J = 12.4, 4.4 Hz, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -128.15; [M+H]+ C25H33F2N6OについてのMS計算値: 471.3, 実測値: 471.2。
【0152】
上記実施例K1に記載する方法を、適当な出発物質を使用して繰り返して、以下の表7に同定する式Iの化合物が得られる:
【表28】

【表29】

【0153】
【表30】

【0154】
実施例L1
N−((4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メチル)−N−メチルアセトアミド
【化29】

実施例H1(10mg、0.022mmol)のCHCl(1mL)溶液をNEt(9μL、0.066mmol)およびアセチルクロライド(2.4μL、0.033mmol)で処理する。混合物を次いでrtで2時間撹拌し、CHClで希釈し、飽和NaHCOおよび塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)での精製により、表題化合物(実施例L1)を得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 回転異性体の混合物) δ = 8.17 (s, 2H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 9.6, 4.4 Hz, 2H), 4.75 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.62 (s, 1.2H), 4.57 (s, 0.8H), 4.03 (dd, J = 6.8, 3.2 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 2.93 (td, J = 12.0, 2.0 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.88 (s, 3H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.99-1.93 (m, 2H), 1.35 (qd, J = 12.4, 4.0 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.75; [M+H]+ C28H33F2N4O2についてのMS計算値: 495.2, 実測値: 495.3。
【0155】
実施例L2
N−tert−ブチル−N−((4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メチル)アセトアミド
【化30】

実施例H2(10mg、約0.02mmol)を、実施例L2に記載する通りに処理して、表題化合物(実施例L2)を得る:1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.17 (s, 2H), 7.50 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 4.63 (s, 2H), 4.03 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.92 (td, J = 13.2, 2.4 Hz, 2H), 2.46 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.16-2.05 (m, 1H), 2.11 (s, 3H), 2.00-1.94 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.35 (qd, J = 13.6, 4.8 Hz, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 19F-NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ = -127.68; [M+H]+ C31H39F2N4O2についてのMS計算値: 537.3, 実測値: 537.2。
【0156】
生物学的アッセイ
安定細胞株の製造
Flp−In−CHO細胞(Invitrogen, Cat.# R758-07)を、10%ウシ胎児血清、1%抗生物質混合物および2mM L−グルタミンを補ったハムF12培地に維持する。細胞を、pcDNA5/FRTベクターおよびpOG44ベクター(1:9)中にヒトGPR119を含むDNA混合物で、Fugene6(Roche)を使用して、製造者の指示に従いトランスフェクトする。48時間後、培地を400μg/ml ハイグロマイシンBを添加した培地に変え、トランスフェクトされた細胞の選択を開始する。
【0157】
安定細胞株の環状AMPアッセイ
本発明の化合物の活性をアッセイするために、Flp−In−CHO−hGPR119細胞を回収し、DMEM+3%脂質涸渇ウシ胎児血清に再懸濁する。4μlの細胞を384ウェルプレートに15,000細胞/ウェル密度で播種する。IBMX(3−イソブチル−1−メチル−キサンチン)を細胞に1mMの最終濃度で添加し、続いて500nlの試験化合物を添加する。細胞を37℃で30分間インキュベートする。当量(20μl)のHTRF試薬、抗cAMP−クリプテートおよびcAMP−XL665を細胞に添加する。プレートをrtで1時間インキュベートし、製造者の指示に従い、HTRFリーダーで読む。
【0158】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物は、細胞内cAMPレベルの濃度依存的増加を引き起こす。本発明の化合物は、1×10−5〜1×10−10M、好ましくは500nM未満、より好ましくは100nM未満のEC50を示す。代表的化合物とそのEC50値を以下の表に示す。
【表31】

【表32】

【0159】
【表33】

【表34】

【0160】
【表35】

【表36】

【0161】
【表37】

【表38】

【0162】
ここに記載する実施例および態様は説明の目的のみであり、それに照らした種々の修飾または変化が、当業者には示唆され、本明細書および添付する特許請求の範囲の精神および範囲内に包含されることは理解されるべきである。ここに引用する全ての刊行文献、特許および特許出願は、全ての目的について、ここに引用により包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
はフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルから選択され;ここで、Rの該フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルは、場合により、ハロ、−X、−XOR、−XC(O)R、−XC(O)OR、−XNRC(O)R、−XS(O)、−XNRS(O)、−XC(O)NR、−XC(O)NROR、−XC(O)NRNR、−XC(O)NRC(O)OR、−XS(O)0−2、−XS(O)0−2OR、−XCN、−XOX、−XNR、−XNR、−XS(O)0−2C(O)R、−XS(O)0−2C(O)ORおよび−XS(O)0−2NRから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてよく;ここで、Xは結合、O、NRおよびC1−4アルキレンから選択され;Rは水素およびC1−6アルキルから選択され;各Xは独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;各Rは独立して水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキル、C3−8シクロアルキルおよび−XC(O)OR、−X、−XOR、−XNRから選択され;ここで、Rの該アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ヒドロキシ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C1−4アルコキシおよび−NRC(O)Rから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてよく;XはC1−3アルキレンであり;そしてRは水素、C1−6アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキル(場合によりC1−6アルキルで置換されている)から選択され;Rは独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;そして
はRおよび−C(O)ORから選択され;ここで、RはC1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの該アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により、ハロ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ヒドロキシ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてよい。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が5−エチルピリミジン−2−イル、tert−ブトキシカルボニルおよび(1−メチルシクロプロポキシ)カルボニルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルから選択され;
ここで、Rの該フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルは、場合より、メチル−スルホニル、3−メチルオキセタン−3−イル)メチルスルホニル、イソブチル−スルホニル、プロピル−スルホニル、イソプロピル−スルホニル、シアノ、シアノ−メチル、ヒドロキシ−メチル、ピロリジン−1−イル、メトキシ、クロロ、メチル、アセチル−アミノ、メチル−スルホニル−アミノ、ベンジル−オキシ、アミノ−カルボニル、カルボキシル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、1−アミノシクロプロピル、2H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル−メチル、1H−テトラゾール−5−イル、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル−メチル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル、オキサゾール−5−イル、1H−ピラゾール−3−イル、メチル−アミノ−メチル、t−ブトキシ−アミノ−メチル、モルホリノ−メチル、1H−イミダゾール−1−イル−メチル、2H−テトラゾール−2−イル−メチル、1H−テトラゾール−1−イル−メチル、メチル−アミノ−カルボニル、ジメチル−アミノ−カルボニル、メチル−ピペラジニル、ピペラジニル−カルボニル、モルホリノ−カルボニル、2−メトキシエチルカルバモイル、2−ヒドロキシエチルカルバモイルおよび2−ヒドロキシプロピルカルバモイルから独立して選択される1〜2個の基で置換されていてよい、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
次のものから選択される、請求項3に記載の化合物:2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;tert−ブチル4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(イソブチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(プロピルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(イソプロピルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−カルボニトリル;4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−3−カルボニトリル;2−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−3−イル)アセトニトリル;(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−3−イル)メタノール;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)アセトニトリル;(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メタノール;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(ピロリジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メトキシピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4−(6−クロロ−2−メチルピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(1H−ピラゾール−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピコリノニトリル;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(3−メトキシピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;N−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)アセトアミド;N−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メタンスルホンアミド;2−(4−((4−(6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メトキシピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−2−カルボキサミド;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−2−カルボン酸;2−(5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3’−((2H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4’−((2H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4−(6−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−((2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−3’−((1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−((1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−メチルシクロプロピル4−((3,5−ジフルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;4−(4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピリジン1−オキシド;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;tert−ブチル4−((2,6−ジフルオロ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−メチル−6−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)オキサゾール;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(1H−ピラゾール−3−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−(4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)−N−メチルメタンアミン;N−((4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メチル)−2−メチルプロパン−2−アミン;4−((4’−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3’,5’−ジフルオロビフェニル−4−イル)メチル)モルホリノ;2−(4−((4’−((1H−イミダゾール−1−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4’−((2H−テトラゾール−2−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;2−(4−((4’−((1H−テトラゾール−1−イル)メチル)−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)ピコリンアミド;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−N−メチルピコリンアミド;5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチルピコリンアミド;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(ピペラジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(ジメチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(モルホリン−4−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−メトキシエチルカルバモイル)ピ
リミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;および1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−ヒドロキシプロピルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート。
【請求項5】
がフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルおよび2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルから選択され;
ここで、Rの該フェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−6−イルは、場合より、(S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボニル、4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル、ビス(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル、モルホリノ−エチル−アミノ、4−メチルピペラジン−1−イル、1−アセトアミドシクロプロピル、2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−2H−テトラゾール−5−イル、(2−ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル、(2−ヒドロキシエチル)(エチル)カルバモイル、2−カルボキシエチルカルバモイル、3−エトキシ−3−オキソプロピルカルバモイル、カルボキシメチルカルバモイル、2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルカルバモイル、4−メチルピペラジン−1−カルボニル、(2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)カルバモイルおよび3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−カルボニルから独立して選択される1〜2個の基で置換されていてよい、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
次のものから選択される、請求項5に記載の化合物:5−(4−((1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)−N−(2−モルホリノエチル)ピリジン−2−アミン;2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−メチルシクロプロピル4−((4−(6−(1−アミノシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(6−(1−アセトアミドシクロプロピル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(4−((3,5−ジフルオロ−4’−(2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルオキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−((3R,4R)−3,4−ジヒドロキシピロリジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(エチル(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;3−(5−(3,5−ジフルオロ−4−((1−((1−メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピリミジン−2−カルボキサミド)プロパン酸;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(3−エトキシ−3−オキソプロピルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;2−(5−(3,5−ジフルオロ−4−((1−((1−メチルシクロプロポキシ)カルボニル)ピペリジン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピリミジン−2−カルボキサミド)酢酸;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルカルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((4−(2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリミジン−5−イル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート;および(S)−1−メチルシクロプロピル4−((2,6−ジフルオロ−4−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボニル)ピリミジン−5−イル)フェノキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート。
【請求項7】
治療有効量の請求項4または6に記載の化合物を薬学的に許容される賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項8】
GPR119活性を調節する方法であって、それを必要とする系または対象に、治療有効量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を投与し、それにより該GPR119活性を調節することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物をGPR119と直接接触させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
接触がインビトロまたはインビボで起こる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
GPR119活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患または障害の処置方法であって、対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項12】
該疾患または状態が肥満、I型糖尿病、II型真性糖尿病、高脂血症、特発性I型糖尿病、成人潜在性自己免疫性糖尿病、早期発症型II型糖尿病、若者発症非定型糖尿病、若年発症成人型糖尿病、栄養障害関連糖尿病および妊娠性糖尿病から成る群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該疾患または状態が冠動脈心疾患、虚血性卒中、血管形成術後再狭窄、末梢血管疾患、間欠性跛行、心筋梗塞、異脂肪血症、摂食後脂肪血症、耐糖能障害状態、空腹時血漿グルコース障害状態、代謝性アシドーシス、ケトン症、関節炎、骨粗鬆症、高血圧、鬱血性心不全、左室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、メタボリック症候群、症候群X、月経前緊張症、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症(hypertrygliceridemia)、インスリン抵抗性、グルコース代謝障害、耐糖能障害状態、空腹時血漿グルコース障害状態、肥満、勃起不全、皮膚および結合組織障害、足潰瘍化および潰瘍性大腸炎、内皮機能不全および血管伸展性障害から選択される、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2011−527701(P2011−527701A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517627(P2011−517627)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/050139
【国際公開番号】WO2010/006191
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】