説明

GPS機能付き携帯電話機におけるマナーモード自動設定システム

【課題】マナーモード設定制御を通信動作開始時に自動的に実行可能な手段を提供する。
【解決手段】GPS機能付き携帯電話機31は、音声着呼、音声発呼、メール着信、メール発信、インターネット接続のための通信動作を実行する際に、GPS受信信号から得られた位置情報を、基地局32へ送信する通信チャネル確立要求信号あるいは呼設定信号等の上りデータの中にこの位置情報を付加して送信する。基地局32経由でこの位置情報を受信したメインサーバ33は、位置情報に基づいてマナーモードの設定有無を判定し、該判定したマナーモードの設定有無情報を通信チャネル割り当て信号あるいは呼設定受付信号等の下りデータに付加して、基地局32経由でGPS機能付き携帯電話機31へ送信する。GPS機能付き携帯電話機31は受信した下りデータからマナーモードの設定有無情報を抽出してマナーモードの設定制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機にマナーモードを自動的に設定するシステムに関し、特に携帯電話機がGPS受信機能を備えている場合に好適なマナーモード自動設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機を利用する人の中には、静かにすべき公共の場所で周囲に迷惑になるような使い方をする人がいる。マナーを守ることが叫ばれているが守られていないのが実情である。携帯電話機にはマナーモードを手動で設定する機能がついているが、静かにすべき公共の場所でマナーモードにすることを忘れて着信音を鳴らしてしまうというケースもあり、人の手による設定では必ずしも設定すべきときに設定されないという欠点を有していた。
【0003】
また近年、GPS機能が搭載された携帯電話機が普及してきており、ユーザの位置情報を正確に知ることができるようになってきている。このGPS機能が備えられた携帯電話機を利用し、GPS機能付き携帯電話機がGPS衛星から受信した位置情報をもとに、マナーモード状態にする必要がある場所かどうか判断しマナーモード設定有無情報を当該携帯電話機に送信する機能を持つサーバを備え、サーバからマナーモード設定有無情報を受信した当該携帯電話機がマナーモードを自動設定する方法も提案されている(特許文献1〜2等参照)。
【0004】
例えば特許文献1では、移動体通信端末側にGPS受信部を備え、移動体通信端末が一定時間毎に受信したGPS信号を通信ネットワークに接続された位置検索サーバへ送信し、位置検索サーバは、移動体通信端末から受信したGPS信号から当該移動体通信端末の位置を求めるとともに、求めた位置情報により制御区域データベースを検索し、求めた位置情報と当該位置における端末制御情報とを移動体通信端末側に送信することにより、移動体通信端末のマナーモード設定等の機能を制御している。
【0005】
また特許文献2では、GPS衛星からGPS情報を位置情報として受信する携帯電話機と、通信禁止エリアの情報を有する通信制御サーバとを含み、携帯電話機が位置情報から取得した端末位置情報を通信制御サーバに送信し、通信制御サーバは、携帯電話機から受信した端末位置情報と予め記憶している通信禁止エリア情報とに基づいて、携帯電話機による通信を許可あるいは禁止するための通信制御情報を生成して、携帯電話機に送信している。
【0006】
【特許文献1】特開2003−204576号公報
【特許文献2】特開2004−187084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のGPS機能付き携帯電話機を利用したマナーモード自動設定システムにおいては、携帯電話機の使用状態とは無関係に、携帯電話機は周期的にGPS衛星からの信号を受信し、該受信した情報を通信ネットワークに接続された位置検索サーバへ送信することにより、マナーモード設定情報を位置検索サーバから受信してマナーモードの設定制御を行っているため、新たに位置情報のみを定期的に位置検索サーバへ送信する通信手段が必要となり、また、そのための通信による電力消費も無視できない。
【0008】
また、マナーモード設定領域外からマナーモード設定領域内に移行した直後、携帯電話機が位置情報から取得した端末位置情報を通信制御サーバに送信する前に通信を開始すると、マナーモードが設定されないまま通信が続行される恐れがある。それを防ぐには、携帯電話機は受信GPS信号から取得した端末位置情報を短い周期で頻繁に通信制御サーバに送信しなければならず、電力消費を一層増加させる要因となる。
【0009】
本発明の目的は、上記従来のGPS機能付き携帯電話機を利用したマナーモード自動設定システムにおける問題点に鑑み、受信GPS信号から取得した端末位置情報のみを定期的に位置検索サーバへ送信する通信手段を不要とし、そのための通信による消費電力を削減可能なマナーモード自動設定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のGPS受信機能付携帯電話機におけるマナーモード自動設定システムは、GPS受信機能を有するとともに、通信動作実行時に基地局に送信する上りデータの中に電話番号情報及び前記GPS受信機能により取得した位置情報を付加する機能と、前記上りデータに対する基地局からの下りデータに付加されたマナーモード制御情報を抽出する機能と、該抽出したマナーモード制御情報に基づいて当該携帯電話機のマナーモードの設定制御を行う機能を有するGPS受信機能付携帯電話機と、通信ネットワークに接続され、前記基地局経由で受信した前記GPS受信機能付携帯電話機からの前記上りデータに付加された電話番号情報及び位置情報を抽出してマナーモード設定有無変換サーバへ送出する機能と、該マナーモード設定有無変換サーバから受信した前記GPS受信機能付携帯電話機の位置情報に対応するマナーモード設定情報を前記下りデータに付加して前記基地局経由で前記GPS受信機能付携帯電話機へ送信する機能を有するメインサーバと、通信ネットワークに接続され、前記メインサーバから受信した前記GPS受信機能付携帯電話機の位置情報に基づいてマナーモード設定の有無を判定し、判定結果を前記マナーモード設定情報として前記メインサーバへ送信する機能を有する前記マナーモード設定有無変換サーバと、を備えていることを特徴とする。
【0011】
前記通信動作としては、例えば、音声着信動作、音声発信動作、メール着信動作、メール発信動作、およびインターネット接続動作のいずれかに適用可能である。
【0012】
また、前記上りデータとしては、通信チャネル確立要求信号または呼設定信号を使用することができ、前記下りデータとしては、通信チャネル割り当て信号あるいは呼設定受付信号を使用することができる。
【0013】
また、上記マナーモード自動設定システムにおいて用いられる本発明のGPS受信機能付携帯電話機は、GPS受信機能と、通信動作実行時に基地局に送信する上りデータの中に電話番号情報及び前記GPS受信機能により取得した位置情報を付加する機能と、前記上りデータに対する基地局からの下りデータに付加されたマナーモード制御情報を抽出する機能と、該抽出したマナーモード制御情報に基づいて当該携帯電話機のマナーモードの設定制御を行う機能を有していることを特徴とする。
【0014】
また、上記マナーモード自動設定システムにおいて用いられる本発明のメインサーバは、前記基地局経由で受信した前記GPS受信機能付携帯電話機からの前記上りデータに付加された電話番号情報及び位置情報を抽出してマナーモード設定有無変換サーバへ送出する機能と、該マナーモード設定有無変換サーバから受信した前記GPS受信機能付携帯電話機の位置情報に対応するマナーモード設定情報を前記下りデータに付加して前記基地局経由で前記GPS受信機能付携帯電話機へ送信する機能を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、GPS受信機能付携帯電話機が基地局経由で通信を実行する際に、電話番号情報と前記GPS受信機能により取得した位置情報を、基地局経由で通信全般を統括するメインサーバに送信する上りデータ(通信チャネル確立要求信号あるいは呼設定信号等)に付加し、該上りデータに応答するメインサーバからの下りデータ(通信チャネル割り当て信号あるいは呼設定受付信号等)に付加された当該位置情報に対するマナーモード設定情報を受信して当該GPS受信機能付携帯電話機のマナーモード設定制御を行っているので、GPS受信機能付携帯電話機が新たに位置情報のみを定期的に位置検索サーバへ送信する通信手段は不要であり、また、そのための通信による電力消費も削減可能である。
【0016】
また、マナーモード設定制御は、通信動作開始時のみ実行されるので、通信とは無関係に不必要にマナーモード設定制御動作が行われることはなく、無駄な電力消費を削減できる。さらに、マナーモード設定領域外からマナーモード設定領域内に移行した直後であっても少なくとも通信が開始されるとマナーモードへの設定制御が行われるので、確実にマナーモードに設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態を示すシステム構成図であり、GPS機能が備えられた携帯電話機31と、GPS機能付き携帯電話機31と無線回線で接続される基地局32と、GPS機能付き携帯電話機31が位置情報を取得するためのGPS衛星35と、ネットワークに接続されて通信全般を統括するとともに、基地局32を介してGPS機能付き携帯電話機31からの上りデータに付加された位置情報を受信し、この位置情報から当該GPS機能付き携帯電話機31が位置している領域におけるマナーモード設定有無情報を取得して、GPS機能付き携帯電話機31へマナーモード設定有無情報を送信するメインサーバ33と、メインサーバ33から指定された位置情報をもとにマナーモード設定有無情報を算出する、マナーモード設定有無変換サーバ34から構成される。
【0018】
図2は、本実施形態における携帯電話機の動作例を示すフローチャートであり、図3は、本実施形態におけるサーバの動作例を示すフローチャートである。また、図4は、着信動作時における本実施形態と関連する伝送制御手順の例を示している。
【0019】
以下、図1〜図4を参照して本実施形態の動作について説明する。なお、本発明で使用するマナーモード設定とは、例えばGPS機能付き携帯電話機31から着信音あるいはボタン確認音などの鳴動する音を消すことを意味する。
【0020】
GPS機能付き携帯電話機31は、GPS衛星35からの信号を受信することにより位置情報を取得し、通信動作を開始する際に基地局32を介してメインサーバ33に送信する上りデータに対して、この取得した位置情報を付加して送信する機能を有している。ここでGPS(Global Positioning System )とは、人工衛星からの電波を基にして利用者の位置情報を緯度ならびに経度で提供するものであり、GPS機能付き携帯電話機31が基地局32を介してメインサーバ33に送信する位置情報とは、緯度及び経度情報とする。
【0021】
従って本実施形態においては、GPS機能付き携帯電話機31が位置情報を基地局経由でメインサーバ33に送信するタイミングは、音声着呼、音声発呼、メール着信、メール発信、インターネット接続時等に限られ、これらの通信動作を実行する際に、基地局32へ送信する通信チャネル確立要求信号あるいは呼設定信号等の上りデータの中にこの位置情報を付加して送信する。こうすることで、既存の通信網システムに対して新たな通信手段を必要とせず、つまり、新たに位置情報のみを定期的に送信する通信手段などを考える必要はなく、既存の通信網システムを使用することが可能となる。
【0022】
GPS機能付き携帯電話機31内に設けられ、該携帯電話機が備えている各種機能を実行制御する制御部は、キー入力あるいは無線部からの受信入力等を監視している。そして、音声着信があると(S21、YES)、着信動作を実行し、基地局32への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加する(S22)。例えば、PDCでの通信網システムで言えば、着信動作時の上り信号であるALERT信号(通信チャネル確立要求信号)やCONNECT信号(呼設定信号)に付加することで、基地局32へ情報送信できる。
【0023】
基地局32経由で電話番号情報及び位置情報が付加された上り信号を受信したメインサーバ33は、受信した位置情報をマナーモード設定有無変換サーバ34に送信し、マナーモード設定有無変換サーバ34からマナーモード設定有無情報を取得する(S32)。マナーモード設定有無変換サーバ34は、位置情報に応じたマナーモード設定有無情報をデータベースとして持っており指定された位置情報に応じてマナーモード設定有無情報を出力する。このデータベースは随時情報の修正及び追加、削除が可能である。
【0024】
メインサーバ33は取得したマナーモード設定有無情報を、基地局32経由でGPS機能付き携帯電話機31への下りデータの中に付加し送信する(S33)。例えば、PDCでの通信網システムで言えば、着信動作時の下り信号であるCONNECT ACK信号(呼設定受付信号)に付加することでGPS機能付き携帯電話機31へ情報送信できる。
【0025】
GPS機能付き携帯電話機31は、基地局32からの下り信号に付加されたマナーモード設定有無情報を抽出し、マナーモード設定有無情報に応じたマナーモード設定を行う(S23)。即ち、マナーモード設定有りの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をONし、マナーモード設定無しの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をOFFする。
【0026】
マナーモード設定がONの場合には、例えば、ボタン確認音や着信音などGPS機能付き携帯電話機31からの鳴動音を消去する制御が実行される。従って、マナーモードが設定されていない状態のときに音声着信があっても、着信音が鳴動する前に自動的にマナーモードに設定されるので、マナーモードに設定し忘れて着信音を鳴らしてしまうことはなくなる。
【0027】
なお、本実施形態では、一旦マナーモードに設定されると、次回の通信動作が実行されるまでは、今回の通信動作の際に設定されたマナーモード設定有無のいずれかの状態が継続することになるが、マナーモードに設定されていなくても次回の通信動作が実行時には、マナーモード設定のための制御が自動的に行われるので、今回の通信動作による通信の終了処理が実行されたとき、制御部によりGPS機能付き携帯電話機31のマナーモード設定状態を解除するように動作させることもできる。
【0028】
次に、入力キーから音声発信(発呼)操作が行われた場合(S24、YES)、GPS機能付き携帯電話機31の制御部は発信動作を実行し、基地局32への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加する(S25)。例えば、PDCでの通信網システムで言えば、発信動作時の上り信号であるSETUP信号に電話番号情報及び位置情報を付加することで、基地局32へ情報送信される。
【0029】
基地局32経由で電話番号情報及び位置情報が付加された上り信号を受信したメインサーバ33は、受信した位置情報をマナーモード設定有無変換サーバ34に送信し、マナーモード設定有無変換サーバ34からマナーモード設定有無情報を取得する(S32)。メインサーバ33は取得したマナーモード設定有無情報を、GPS機能付き携帯電話機31への下りデータの中に付加し送信する(S33)。例えば、PDCでの通信網システムで言えば、発信動作時の下り信号であるALERT信号(通信チャネル割当て信号)やCONNECT ACK信号(呼設定受付信号)に付加することでGPS機能付き携帯電話機31へ情報送信できる。
【0030】
GPS機能付き携帯電話機31は、マナーモード設定有無情報に応じたマナーモード設定を行う(S26)。マナーモード設定有りの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をONし、マナーモード設定無しの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をOFFする。なお音声発信の場合、前回の通信動作実行時におけるマナーモード設定がマナーモード設定OFFであると、入力キーによる相手電話番号入力操作時のキーボタン確認音が発生するが、発信動作は着信と異なってユーザの意思により実行可能であるので、ボタン確認音の発生が周囲に迷惑になるような場合には必要に応じてユーザ手動でマナーモードに設定することで対処可能である。
【0031】
次に、メール着信の場合(S27、YES)、GPS機能付き携帯電話機31の制御部はメール着信動作を実行し、基地局32への上りデータの中に位置情報を付加する(S28)。位置情報が付加された上り信号を受信したメインサーバ33は、受信した位置情報をマナーモード設定有無変換サーバ34に送信し、マナーモード設定有無変換サーバ34からマナーモード設定有無情報を取得する(S32)。
【0032】
メインサーバ33は取得したマナーモード設定有無情報を、GPS機能付き携帯電話機31への下りデータの中に付加し送信する(S33)。GPS機能付き携帯電話機31は、マナーモード設定有無情報に応じたマナーモード設定を行う(S29)。マナーモード設定有りの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をONし、マナーモード設定無しの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をOFFする。
【0033】
次に、入力キーからメール発信操作が行われた場合(S2A、YES)、GPS機能付き携帯電話機31の制御部はメール送信動作を実行し、基地局32への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加する(S2B)。位置情報が付加された上り信号を受信したメインサーバ33は、受信した位置情報をマナーモード設定有無変換サーバ34に送信し、マナーモード設定有無変換サーバ34からマナーモード設定有無情報を取得する(S32)。
【0034】
メインサーバ33は取得したマナーモード設定有無情報を、GPS機能付き携帯電話機31への下りデータの中に付加し送信する(S33)。GPS機能付き携帯電話機31は、マナーモード設定有無情報に応じたマナーモード設定を行う(S2C)。マナーモード設定有りの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をONし、マナーモード設定無しの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をOFFする。
【0035】
次に、入力キーからインターネット接続操作が行われた場合(S2D)、GPS機能付き携帯電話機31の制御部はインターネット接続動作を実行し、基地局32への上りデータの中に位置情報を付加する(S2E)。位置情報が付加された上り信号を受信したメインサーバ33は、受信した位置情報をマナーモード設定有無変換サーバ34に送信し、マナーモード設定有無変換サーバ34からマナーモード設定有無情報を取得する(S32)。
【0036】
メインサーバ33は取得したマナーモード設定有無情報を、GPS機能付き携帯電話機31への下りデータの中に付加し送信する(S33)。GPS機能付き携帯電話機31は、マナーモード設定有無情報に応じたマナーモード設定を行う(S2F)。マナーモード設定有りの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をONし、マナーモード設定無しの場合は、GPS機能付き携帯電話機31内部のマナーモード設定をOFFする。
【0037】
本実施形態においては、特定のインターバルで位置情報をメインサーバ33に送信しているわけではなく、音声発呼、音声着呼、メール着信、メール発信、インターネット接続動作をトリガとするため、マナーモード設定の必要のない位置において、GPS機能付き携帯電話機31による音声発呼、音声着呼、メール着信、メール発信、インターネット接続動作のいずれかを開始し、終了する前にマナーモード設定必要な場所へ移動した場合には、マナーモードは自動で設定されないが、そのようなケースは比較的少なく、また、例えば着信音は音声着呼、メール着信時にのみ鳴動するので、通信の途中からマナーモード設定必要な場所へ移動した場合に対する影響も小さい。
【0038】
図5は、本発明おけるマナーモード自動設定を選択可能にした実施形態を示している。上記の実施例では、マナーモード設定有無情報を受信したGPS機能付き携帯電話機31は受信したマナーモード設定有無情報をもとにマナーモードを自動で設定することを可能としているが、マナーモード自動設定を有効にするか無効にするかを利用者自身が選択可能とすることもできる。
【0039】
マナーモード自動設定の有効/無効設定は、図5で示すような一般的なメニュー画面にて設定可能とする。利用者によっては常時マナーモードに設定しているケースも考えられ、マナーモード自動設定にしておくと場所によってはマナーモードが解除される場合があるので、利用者の使用用途にあわせて、マナーモード自動設定の有効/無効設定を適宜選択して設定する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】本実施形態におけるサーバの動作例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態における携帯電話機の動作例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態で用いられる伝送制御手順の例を示す図である。
【図5】本発明おけるマナーモード自動設定を選択可能にした実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
31 GPS機能付き携帯電話機
32 基地局
33 メインサーバ
34 マナーモード設定有無変換サーバ
35 GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS受信機能と、通信動作実行時に基地局に送信する上りデータの中に電話番号情報及び前記GPS受信機能により取得した位置情報を付加する機能と、前記上りデータに対する基地局からの下りデータに付加されたマナーモード制御情報を抽出する機能と、該抽出したマナーモード制御情報に基づいて当該携帯電話機のマナーモードの設定制御を行う機能を有するGPS受信機能付携帯電話機と、
通信ネットワークに接続され、前記基地局経由で受信した前記GPS受信機能付携帯電話機からの前記上りデータに付加された電話番号情報及び位置情報を抽出してマナーモード設定有無変換サーバへ送出する機能と、該マナーモード設定有無変換サーバから受信した前記GPS受信機能付携帯電話機の位置情報に対応するマナーモード設定情報を前記下りデータに付加して前記基地局経由で前記GPS受信機能付携帯電話機へ送信する機能を有するメインサーバと、
通信ネットワークに接続され、前記メインサーバから受信した前記GPS受信機能付携帯電話機の位置情報に基づいてマナーモード設定の有無を判定し、判定結果を前記マナーモード設定情報として前記メインサーバへ送信する機能を有する前記マナーモード設定有無変換サーバと、
を備えていることを特徴とするマナーモード自動設定システム。
【請求項2】
前記通信動作は、音声着信動作、音声発信動作、メール着信動作、メール発信動作、およびインターネット接続動作のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のマナーモード自動設定システム。
【請求項3】
前記上りデータは通信チャネル確立要求信号または呼設定信号であり、前記下りデータは通信チャネル割り当て信号あるいは呼設定受付信号であることを特徴とする請求項1または2に記載のマナーモード自動設定システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のマナーモード自動設定システムにおいて用いられるGPS受信機能付携帯電話機であって、
GPS受信機能と、通信動作実行時に基地局に送信する上りデータの中に電話番号情報及び前記GPS受信機能により取得した位置情報を付加する機能と、前記上りデータに対する基地局からの下りデータに付加されたマナーモード制御情報を抽出する機能と、該抽出したマナーモード制御情報に基づいて当該携帯電話機のマナーモードの設定制御を行う機能を有していることを特徴とするGPS受信機能付携帯電話機。
【請求項5】
前記上りデータは基地局へ送信する通信チャネル確立要求信号または呼設定信号であり、前記下りデータは基地局から受信した通信チャネル割り当て信号あるいは呼設定受付信号であることを特徴とする請求項4に記載のGPS受信機能付携帯電話機。
【請求項6】
ネットワークに接続され、請求項1〜3のいずれかに記載のマナーモード自動設定システムにおいて用いられるメインサーバであって、
前記基地局経由で受信した前記GPS受信機能付携帯電話機からの前記上りデータに付加された電話番号情報及び位置情報を抽出してマナーモード設定有無変換サーバへ送出する機能と、該マナーモード設定有無変換サーバから受信した前記GPS受信機能付携帯電話機の位置情報に対応するマナーモード設定情報を前記下りデータに付加して前記基地局経由で前記GPS受信機能付携帯電話機へ送信する機能を有していることを特徴とするメインサーバ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−253938(P2006−253938A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65964(P2005−65964)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】