説明

GaN系LED素子

【課題】n側メタル電極の延伸部を通してn型導電層に流れる電流を増加させたGaN系LED素子を提供する。
【解決手段】GaN系LED素子100は、複数のGaN系半導体層を含む半導体積層体120を有し、該複数のGaN系半導体には、上面および底面を有するp型導電層123と、p型導電層123の底面側に配置された活性層122と、p型導電層123とで活性層122を挟むように配置されたn型導電層121とが含まれ、p型導電層123の上面にはp側電極が設けられ、p型導電層123側に一部露出したn型導電層121の表面にはn側電極が設けられる。該n側電極は、接続部および該接続部から延びる延伸部を有し、該n側電極の該接続部とn型導電層121との間に形成されるオーミック接触界面の面積が、該接続部の面積よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GaN系半導体を用いて構成されたpn接合型の発光構造を備えるGaN系LED素子に関する。GaN系半導体は、一般式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表される化合物半導体であり、窒化物半導体などとも呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
pn接合型の発光構造を有するGaN系LED素子、とりわけ、n型導電層とp型導電層との間に活性層を有するダブルヘテロ型のGaN系LED素子は、近紫外〜緑の波長域の光を高い効率で発生させることができる。高効率のGaN系LED素子に蛍光体を組み合わせて構成した白色発光装置が、液晶ディスプレイのバックライトユニット用光源や照明用光源として実用化されている。
【0003】
一般的なGaN系LED素子は、サファイア基板上にMOVPE法によりGaN系半導体をエピタキシャル成長させる工程を経て製造される。この工程では、サファイア基板上にバッファ層を介してn型導電層が形成され、そのn型導電層の上に活性層とp型導電層が順次形成される。電極は、p型導電層の表面と、p型導電層側に露出するn型導電層の表面とに、それぞれ形成される。n側電極は、通常はメタル電極である。p側電極は、導電性酸化物からなる透光性電極とメタル電極との組み合せによって構成される。メタル電極には、ボンディングワイヤ等が接続できるよう、接続部が設けられる。大型のLED素子では、素子内で電流が横方向(GaN系半導体膜の厚さ方向と直交する方向)に広がるのを補助するために、n側とp側のいずれかまたは両方のメタル電極に、接続部に加え延伸部が設けられる(特許文献1〜5)。延伸部はライン状、櫛状、ネット状など、種々の形状に形成され得る。ライン状の延伸部は、腕(アーム)あるいは指(フィンガー)に喩えられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−164930号公報
【特許文献2】特表2003−524295号公報
【特許文献3】特開2001−345480号公報
【特許文献4】特開2004−221529号公報
【特許文献5】特開2004−56109号公報
【特許文献6】特開2006−196692号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】L.W. Wu et al., Solid-State Electronics, 47, 2027 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
接続部と延伸部を有するn側メタル電極を、その全体がn型導電層と接するように設けたGaN系LED素子では、該接続部に接合されるボンディングワイヤからn側メタル電極に供給される電流の多くが接続部から直にn型導電層に流れ込み、延伸部を経由してn型導電層に流れる電流は少ないと考えられる。なぜなら、n型のGaN系半導体は比較的高い導電性を有しており、電極材料との接触抵抗も低いからであり、さらに、GaN系LED素子では、そのようなn型GaN系半導体からなるn型導電層が比較的厚く形成される(通常2μm以上)からである。単純化していえば、n型導電層の抵抗が低いので、電
流がn側電極からn型導電層に容易に流れ出すのである。
【0007】
本願発明はかかる考察に基づきなされたものであり、n側メタル電極の延伸部を通してn型導電層に流れる電流を増加させたGaN系LED素子を提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、下記のGaN系LED素子が提供される。
(1)複数のGaN系半導体層を含む半導体積層体を有し、該複数のGaN系半導体には、上面および底面を有するp型導電層と、該p型導電層の底面側に配置された活性層と、該p型導電層とで該活性層を挟むように配置されたn型導電層とが含まれ、該p型導電層の上面にはp側電極が設けられ、該p型導電層側に一部露出した該n型導電層の表面にはn側電極が設けられた、GaN系LED素子であって;該n側電極は、接続部および該接続部から延びる延伸部を有し、該n側電極の該接続部と該n型導電層との間に形成されるオーミック接触界面の面積が、該接続部の面積よりも小さくされた、GaN系LED素子。
(2)前記n側電極の前記延伸部と該n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積が、前記n側電極の前記接続部と前記n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積よりも大きい、前記(1)のGaN系LED素子。
(3)前記n側電極の前記接続部と該n型導電層との間にオーミック接触界面が形成されていない、前記(1)のGaN系LED素子。
(4)前記n側電極の前記延伸部と前記n型導電層との間に、オーミック接触界面と、界面抵抗が該オーミック接触界面よりも相対的に高い接触界面とが形成された、前記(1)〜(3)のいずれかのGaN系LED素子。
(5)開口部を有する絶縁膜が前記n側電極と前記n型導電層との間に挿入され、前記n側電極と前記n型導電層とが該開口部を通して接触している、前記(1)〜(3)のいずれかのGaN系LED素子。
(6)前記延伸部において、前記n側電極と前記n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積が、前記接続部から離れるにつれて連続的または段階的に大きくなっている、前記(1)〜(5)のいずれかのGaN系LED素子。
(7)前記延伸部が一定幅を有するライン状の第1部分を含み、該第1部分における前記オーミック接触界面が該第1部分の長手方向に平行なライン状で、かつ、そのライン幅が該第1部分のライン幅よりも狭い、前記(1)〜(6)のいずれかのGaN系LED素子。
(8)前記第1部分において、前記オーミック接触界面のライン幅が一定または前記接続部から離れるにつれて連続的もしくは段階的に広くなっている、前記(7)のGaN系LED素子。
(9)前記延伸部がAu、Ag、CuまたはAlで形成された高導電層を含む、前記(1)〜(8)のいずれかのGaN系LED素子。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態に係る上記GaN系LED素子では、n側メタル電極からn型導電層に供給される電流が延伸部を通して接続部から離れた部位まで十分に行き渡る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係るGaN系LED素子の構造を示しており、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のX1−X1線の位置における断面図である。
【図2】第1実施形態に係るGaN系LED素子の構造を示しており、図2(c)は図1(a)のY11−Y11線の位置における断面図であり、図2(d)は図1(a)のY12−Y12線の位置における断面図であり、図2(e)は図1(a)のY13−Y13線の位置における断面図である。
【図3】第1実施形態に係るGaN系LED素子に含まれるメタル電極のみを抜き出して表示しており、図3(a)はn側メタル電極の平面図、図3(b)はp側メタル電極の平面図である。
【図4】第1実施形態に係るGaN系LED素子に含まれるメタル電極のみを抜き出して、その底面(n型導電層と物理的に接触する面)を表示する平面図である。
【図5】第1実施形態に係るGaN系LED素子の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】第1実施形態に係るGaN系LED素子の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】第1実施形態に係るGaN系LED素子に含まれるn側メタル電極の形成手順を説明するための工程断面図である。
【図8】第1実施形態に係るGaN系LED素子に含まれるn側メタル電極の形成手順を説明するための工程断面図である。
【図9】図9(a)および図9(b)は、それぞれ、第1実施形態の変形例に係るGaN系LED素子に含まれるメタル電極のみを抜き出して、その底面(n型導電層と物理的に接触する面)を表示する平面図である。
【図10】図10(c)および図10(d)は、それぞれ、第1実施形態の変形例に係るGaN系LED素子に含まれるメタル電極のみを抜き出して、その底面(n型導電層と物理的に接触する面)を表示する平面図である。
【図11】第2実施形態に係るGaN系LED素子の構造を示しており、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)のX2−X2線の位置における断面図である。ただし、接触制限膜280には図13(a)に示す開口パターンが設けられている。
【図12】第2実施形態に係るGaN系LED素子に含まれるメタル電極のみを抜き出して表示しており、図12(a)はn側メタル電極の平面図、図12(b)はp側メタル電極の平面図である。
【図13】接触制限膜に設けられる開口パターンを例示する平面図である。
【図14】第2実施形態に係るGaN系LED素子の構造を示しており、図14(a)は図11(a)のY21−Y21線の位置における断面図であり、図14(b)は図11(a)のY22−Y22線の位置における断面図である。ただし、接触制限膜280には図13(b)に示す開口パターンが設けられている。
【図15】接触制限膜に設けられる開口パターンを例示する平面図である。
【図16】第2実施形態の変形に係るGaN系LED素子の構造を示す断図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るGaN系LED素子100の構造を図1および図2に示す。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のX1−X1線の位置における断面図である。また、図2(c)、(d)および(e)は、それぞれ、図1(a)のY11−Y11線、Y12−Y12線およびY13−Y13線の位置における断面図である。GaN系LED素子100は、基板110上に半導体積層体120を有している。半導体積層体120は、基板110側から順に、それぞれがGaN系半導体からなるn型導電層121、活性層122およびp型導電層123を含んでいる。これらの層は、それぞれが積層構造を有していてもよい。
【0012】
半導体積層体120の上面には、所定形状にパターニングされた透光性電極140が設けられている。透光性電極140が設けられていない領域において、半導体積層体120の一部がエッチングにより除去されており、該領域に露出したn型導電層121の表面にn側メタル電極130が形成されている。透光性電極140上にはp側メタル電極150が部分的に形成されている。透光性電極140とp側メタル電極150とがp側電極を構
成している。
【0013】
n側メタル電極130のみを抜き出して表示した平面図が図3(a)、p側メタル電極150のみを抜き出して表示した平面図が図3(b)である。n側メタル電極130は、接続部131および該接続部から延びるライン状の延伸部132とから構成されている。p側メタル電極150は、接続部151および該接続部から延びる2本の延伸部152とから構成されている。p側メタル接続部150の延伸部152は、2つの真直ぐなライン状部分152a、152bが直角をなすように組み合さった形状にパターニングされている。なお、本発明または本明細書でラインという場合には、真直ぐなラインだけではなく、曲がったラインを含むものとする。
【0014】
n側メタル電極130とp側メタル電極150がそれぞれ有する接続部131、151には、LED素子100を実装する際に、ボンディングワイヤ、ハンダ、導電ペースト、メタルバンプなどが接続される。接続部131、151の平面形状は矩形に限定されるものではなく、円形、楕円形などであってもよい。接続部131、151の平面形状が正方形の場合、その1辺は60〜120μmの範囲内であることが好ましい。接続部の平面形状が円形の場合、その直径は60〜120μmの範囲内であることが好ましい。
【0015】
n側メタル電極130とp側メタル電極150のそれぞれの延伸部132、152は、Au、Ag、Cu、Alのような導電率の高い金属で形成された高導電層を含むことが好ましい。高導電層の厚さは好ましくは1μm〜10μm、特に2μm〜5μmである。また、高導電層の幅(ライン幅)は7μm〜30μmとし得るが、好ましくは10μm〜20μmである。機械的な安定性の観点から、延伸部132、152は、高さ(厚さ)よりも幅を大きくすることが好ましい。
【0016】
図4はn側メタル電極130のみを抜き出して、その底面、すなわちn型導電層121と物理的に接触する面を表示する平面図である。この図に示すように、n側メタル電極130の底面には、オーミックメタルM1と非オーミックメタルM2とが所定パターンを呈するように露出している。ここでいうオーミックメタルとは、n型GaN系半導体とオーミック接触を形成し得るメタルであり、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)などである。一方、非オーミックメタルとは、n型GaN系半導体に対する接触抵抗の高いメタルであり、例えば、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)のような白金族、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)などである。
【0017】
図4に示す例では、n側メタル電極130の底面に露出したオーミックメタルM1は、延伸部132の長手方向に平行な一定幅のライン状パターンを呈している。このパターンは、オーミックメタルM1とn型導電層121との界面(オーミック接触界面)のパターンに等しい。接続部131から直接n型導電層121に流れる電流を減少させるために、接続部131とn型導電層121との間に形成されるオーミック接触界面の面積が、接続部131の面積よりも小さくされている。また、延伸部132の底面は、接続部131の底面よりもオーミックメタルM1の露出部分を多く含むように構成されている。換言すれば、n側メタル電極130の延伸部132とn型導電層121との間に形成されるオーミック接触界面の面積が、n側メタル電極130の接続部131とn型導電層121との間に形成されるオーミック接触界面の面積よりも大きくされている。該構成によって、接続部131に接続されるボンディングワイヤ、ハンダ、導電ペースト、メタルバンプなどを通してn側メタル電極130に供給される電流の多くは、延伸部132を経由してn型導電層121に注入されることになる。
【0018】
更に、n側メタル電極130からn型導電層121に注入される電流が、延伸部132
中を接続部131からできるだけ遠く離れた部位まで流れてから、n型導電層121に注入されるためには、n側メタル電極130の底面に露出するオーミックメタルM1のライン幅を小さくすることが望ましい。該ライン幅は好ましくは0.5〜5μmであり、より好ましくは1〜3μmである。注意すべきは、延伸部132自体の幅をここまで狭くすると電気抵抗が高くなり、延伸部132の電流を横方向に広げる作用が著しく小さくなることである。
【0019】
p側メタル電極123の接続部の直下には、透光性電極140とp型導電層123との接触を妨げる電流ブロック層170が設けられている。電流ブロック層170の直下ではp型キャリアの注入が抑制されることから、活性層122で発光が生じない。該領域で生じる光は、p側メタル電極123の接続部による強い遮蔽および吸収を受けるので、その発生を抑制した方が発光効率改善の観点から望ましいのである。
【0020】
以下では、GaN系LED素子100の製造手順の一例を、工程断面図を参照しながら説明する。なお、実際にはウェハサイズの基板上に複数のLED素子を形成するところ、工程断面図では便宜のために1個のLED素子の断面のみを示す。
【0021】
まず、GaN系半導体のエピタキシャル成長に使用可能なウェハサイズ(例えば、直径2インチ)の基板110を準備する(図5(a))。好ましく使用できる基板として、サファイア、スピネル、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、GaN、AlGaN、AlN、NGO(NdGaO)、LGO(LiGaO)、LAO(LaAlO)などからなる単結晶基板が挙げられる。特に好ましい基板のひとつは、GaN系半導体を成長させるべき表面に、光散乱を発生させるための凸部または凹部がエッチング加工により形成された、PSS(Patterned Sapphire Substrate)である。
【0022】
次に、準備した基板110上に、エピタキシャル成長法によってn型導電層121、活性層122、p型導電層123を順次成長させて、半導体積層体120を形成する(図5(b))。エピタキシャル成長法としては、MOVPE法、HVPE法、MBE法、スパッタリング法、反応性スパッタ法、その他の公知の方法を適宜用いることができる。MOVPE法を用いる場合、p型導電層123を成長させるときの温度を800℃程度の低温とすると、その表面を多数のピットが形成された粗化面(textured surface)とすることができる(非特許文献1)。
【0023】
GaN系半導体にn型導電性またはp型導電性を付与するために添加することのできる不純物の種類については、公知技術を参照することができる。n型導電層121は、好ましくは、Si(ケイ素)を3×1018〜5×1019cm−3の濃度で添加したAlGa1−xN(0≦x≦0.05)で、2〜6μmの厚さに形成する。活性層122は、好ましくは、InGa1−xN(0<x)井戸層とInGa1−yN(0≦y<x)障壁層とを交互に積層した多重量子井戸層とする。活性層に添加することのできる不純物の種類および濃度、井戸層および障壁層の厚さなどについては、公知技術を参照することができる。
【0024】
p型導電層123は、好ましくは、Mg(マグネシウム)を5×1019〜1×1021cm−3の濃度で添加したAlGa1−xN(0≦x≦0.05)で、0.05〜2μmの厚さに形成する。
【0025】
基板110とn型導電層121の間、n型導電層121と活性層122の間、活性層122とp型導電層123の間には、公知技術を参照して、様々な機能を有するGaN系半導体層を挿入することができる。例えば、欠陥低減層、歪緩和層、キャップ層(分解防止層)、キャリアブロック層などである。挿入するGaN系半導体層は、超格子のように多
層構造を有するものであってもよい。
【0026】
半導体積層体120の形成が完了したら、図5(c)に示すように、塩素を含むエッチングガスを用いたドライエッチングによって半導体積層体120の一部を除去する。エッチング深さは、半導体積層体120が一部除去された領域にn型導電層121が露出するように設定する。p型導電層121の表面を粗化面とした場合であっても、この工程にエッチバック法(特許文献6)を適用することによって、n型導電層121の表面を平坦に露出させることが可能である。なお、このドライエッチングで半導体積層体120を一部除去する工程は、後述する透光性電極140の形成およびパターニングの後に行っても構わない。
【0027】
ドライエッチングの次は、図6(d)に示すように、電流ブロック層170を形成する。電流ブロック層170の材料には、各種の金属酸化物または金属窒化物を特に制限なく使用することができる。例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、スピネル、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などである。
【0028】
電流ブロック層170の形成後、図6(e)に示すように、p型導電層123の表面に、透光性電極140を形成する。透光性電極140の材料には、透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conductive Oxide)を好ましく用いることができる。ITO、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などの酸化インジウムベースのTCO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などの酸化亜鉛ベースのTCO、FTO(フッ素ドープ酸化錫)などの酸化錫ベースのTCOは、いずれも使用することができる。透光性電極140の形成方法に限定はなく、スパッタ法、反応性スパッタ法、真空蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法、CVD法、スプレー法、スピンコート法、ディップ法など、公知の方法を適宜用いることができる。透光性電極140は、サブトラクティブ法とアディティブ法(リフトオフ法)のいずれを用いてパターニングしてもよい。
【0029】
透光性電極140の形成後、図6(f)に示すように、n側メタル電極130とp側メタル電極140の形成を行う。形成の順序に特に限定はなく、n側メタル電極130をp側メタル電極140より先に形成してもよいし、後に形成してもよい。n側メタル電極130とp側メタル電極150を同時に形成することも可能である。
【0030】
オーミックメタルと非オーミックメタルとからなるパターンをn側メタル電極130の底面に露出させるには、図7(a)に示すように、まずn型導電層121の表面にオーミックメタルM1を所定のパターンに形成し、続いて、図7(b)に示すように、オーミックメタルM1の表面とその周囲に露出するn型導電層121の表面を非オーミックメタルM2で覆えばよい。あるいは、図8(a)に示すように、まずn型導電層121の表面に非オーミックメタルM2を所定形状の開口部OPを有するパターンに形成し、続いて、図8(b)に示すように、該開口部OPに露出するn型導電層121の表面をオーミックメタルM1で覆えばよい。後者の方法では、非オーミックメタルM2に設けられる開口部OPのパターンが、n側メタル電極130の底面でオーミックメタルM1が呈するパターンに等しくなる。
【0031】
好適なオーミックメタルとしては、既に述べたAl(アルミニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Cr(クロム)、V(バナジウム)の他、これらのメタルを含む合金が挙げられる。近紫外〜青の波長域における反射率が高いことから、AlおよびAl合金は特に好ましいオーミックメタルである。Al合金としては、Ti、Nd(ネオジム)、Si(ケイ素)、Cu(銅)、Mg(マグネシウム)、Mn(マンガン)、Crなど
の添加元素を含むものが例示される。
【0032】
一例では、n側メタル電極130を次の(S1)〜(S3)の手順で設けることができる:
(S1)オーミックメタルM1として、n型導電層121の表面に厚さ0.05〜0.2μmのAl膜を、リフトオフ法を用いて所定のパターンに形成する。形成したAl膜に対して、n型導電層121との接触抵抗を低下させるために、350〜500℃で熱処理を行う。
(S2)形成すべきn側メタル電極130の形状を有する開口部を設けたリフトオフマスクを用いて、上記(S1)で形成したAl膜を覆うように、厚さ0.1〜0.5μmのAg膜、厚さ0.5μm以上のCu膜のデポジションを順次行い、積層膜を形成する。
(S3)上記(S2)で形成した積層膜がn側メタル電極130の形状を呈するように、リフトオフマスクをリフトオフする。
【0033】
この例においては、(S2)で形成するAg膜とCu膜が、それぞれ、非オーミックメタルM2と高導電層に相当している。必要であれば、Ag膜を厚く形成して、非オーミックメタルM2と高導電層を兼用させることが可能である。p側メタル電極150をn側メタル電極130と同時に形成するには、(S2)で用いるリフトオフマスクに、p側メタル電極150を形成するための開口部を追加すればよい。そうして形成されるp側メタル電極150は、Ag膜上にCu膜が積層された構造となる。
【0034】
他の一例では、n側メタル電極130を次の(T1)〜(T3)の手順で形成することができる:
(T1)非オーミックメタルM2として厚さ0.05〜0.2μmのRh膜を、n型導電層121の表面に、開口部を備えたパターンに形成する。パターニングはリフトオフ法を用いて行うことができる。
(T2)形成すべきn側メタル電極130の形状を有する開口部を設けたリフトオフマスクを用いて、上記(T1)で形成したRh膜の開口部に露出するn型導電層121の表面ならびに該Rh膜の表面を覆うように、厚さ0.05〜0.5μmのCr膜、厚さ0.5μm以上のAu膜のデポジションを順次行い、積層膜を形成する。
(T3)上記(T2)で形成した積層膜がn側メタル電極130の形状を呈するように、リフトオフマスクをリフトオフする。
【0035】
この例においては、(T2)で形成するCr膜とAu膜が、それぞれ、オーミックメタルM1と高導電層に相当している。(T2)で用いるリフトオフマスクに、p側メタル電極150を形成するための開口部を追加することにより、n側メタル電極130と同時にp側メタル電極150を形成することができる。そうして形成されるp側メタル電極150は、Cr膜上にAu膜が積層された構造となる。
【0036】
n側メタル電極130およびp側メタル電極150の表面層の材料は、ボンディングワイヤのボンダビリティを考慮して選択することができる。Auワイヤのボンダビリティを高くするには、該表面層をAuまたはAlで形成することが好ましい。n側メタル電極130およびp側メタル電極150には、ボンディングワイヤの代わりにハンダが接合されることもある。ハンダの濡れ性を高くするには、これらの電極の表面層をAu、Ptのような酸化し難い金属、あるいは、使用が予定されているハンダに含まれる成分金属で形成することが好ましい。前述の高導電層の上に、異なる材料からなる表面層を設ける場合には、これらの層の間で所望しない合金化反応が生じることのないように、高融点金属からなるバリア層を両層の間に設けてもよい。ワイヤボンダビリティやハンダの濡れ性を改善するための表面層は、接続部131、151にのみ設けることもできる。
【0037】
図示していないが、ウェハを分割してLED素子をチップ(ダイともいう)にするダイシング工程の前に、半導体積層体120が形成された側のウェハ表面(メタル電極の接続部の表面を除く)に、絶縁性かつ透光性の保護膜を形成する。この保護膜の好ましい材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などである。ダイシングの方法については、公知技術を適宜参照することができる。
【0038】
上記手順によって得られるGaN系LED素子100は、フェイスアップまたはフェイスダウン(フリップチップ)でパッケージに実装することができる。フェイスダウン(フリップチップ)実装した後、更に、レーザリフトオフ技法を用いて半導体積層体120から基板110を取り外すこともできる。
【0039】
(第1実施形態の変形例)
好ましい実施形態では、延伸部132において、n側電極130とn型導電層123との間に形成されるオーミック接触界面の面積が接続部131から離れるにつれて連続的または段階的に大きくなるようにすることができる。換言すれば、n側電極130の底面におけるオーミックメタルM1の露出部の面積が、延伸部132において、接続部131から離れるにつれて連続的または段階的に大きくなるようにすることができる。かかる構成の採用により、より多くの電流が、n側メタル電極130の延伸部132を経由してn型導電層121に注入されるようになる。
【0040】
図9(a)は、n側電極130の底面に露出するオーミックメタルM1の面積が、延伸部132において、接続部131から離れるにつれて連続的に大きくなっている例を示している。一方、図9(b)は、n側電極130の底面に露出するオーミックメタルM1の面積が、延伸部132において、接続部131から離れるにつれて段階的に大きくなっている例を示している
【0041】
図10(a)および(b)は、いずれも、n側電極130の底面に露出するオーミックメタルM1の面積が、延伸部132において、接続部131から離れるにつれて段階的に大きくなっている例である。これらの例では、図9(b)に示す例と異なり、n側電極130の底面におけるオーミックメタルM1の露出部が、延伸部132の長手方向に沿って不連続となっている。
【0042】
図9および図10に示すいずれの例においても、n側メタル電極130の延伸部132のライン幅は一定であるから、該延伸部132の電流を横方向に広げる作用は損なわれていない。必要であれば、延伸部132のライン幅は、接続部131から離れるに従い減少するようにしてもよい。
図9(a)および(b)の例において、n側電極130の底面に露出するライン状のオーミックメタルM1のライン幅は、接続部131から最も離れた部位においては、延伸部132のライン幅と同等程度まで広くすることが好ましい。一方、オーミックメタルM1のライン幅が最も狭くなる接続部131側では、該ライン幅は1μm以下、更には0.5μm以下まで小さくすることができる。技術的観点からは該ライン幅に特に下限はないが、微細過ぎると製造コストが上昇することから、好ましくは0.5μm以上である。
【0043】
図10(a)および(b)に示す、n側電極130の底面におけるオーミックメタルM1の露出部が不連続な場合においても同様で、接続部131から最も離れた部位においては、該露出部の幅(延伸部132のライン幅方向の幅)は延伸部132のライン幅と同等程度まで広くすることが好ましい。また、技術的な観点からは、接続部131側における該露出部の幅に特に下限はないが、微細過ぎると製造コストが上昇することから、好ましくは0.5μm以上である。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るGaN系LED素子200の構造を図11に示す。図11(a)は平面図であり、図11(b)は図11(a)のX2−X2線の位置における断面図である。GaN系LED素子200は、基板210上に半導体積層体220を有している。半導体積層体220は、基板210側から順に、それぞれがGaN系半導体からなるn型導電層221、活性層222およびp型導電層223を含んでいる。
【0045】
半導体積層体220の一部ではp型導電層223と活性層222が除去されてn型導電層221が露出している。n型導電層221の露出面上には、接触制限膜280が形成されており、その上にn側メタル電極230が形成されている。p型導電層223の上面には透光性電極240が略全面的に形成され、その上にp側メタル電極250が部分的に形成されている。透光性電極240とp側メタル電極250とがp側電極を構成している。
【0046】
n側メタル電極230のみを抜き出して表示した平面図が図12(a)、p側メタル電極250のみを抜き出して表示した平面図が図12(b)である。n側メタル電極230は、接続部231および該接続部から延びるライン状の延伸部232とから構成されている。p側メタル電極250も同様で、接続部251および該接続部から延びるライン状の延伸部252とから構成されている。n側メタル電極230は、少なくともn型導電層221と接触する部分、すなわち、底面を含む部分が、オーミックメタルで形成されていればよい。
【0047】
第2実施形態のGaN系LED素子200の構成上の特徴は、n型導電層221とn側メタル電極230との間に設けられる接触制限膜280にある。接触制限膜280は絶縁性であり、開口部を有するパターンに形成されている。n型導電層221とn側メタル電極230との接触は、接触制限膜280の開口部を通しての接触に限定されている。この開口部の形状、サイズ、数、配置などを適宜設定することによって、n側メタル電極230とn型導電層221の接触面積が、延伸部232において接続部231よりも大きくされている。かかる構成によって、n側メタル電極230からn型導電層221に注入される電流に占める、延伸部232を通して注入される電流の比率の増大が図られている。
【0048】
GaN系LED素子200に含まれる接触制限膜280の平面形状例を図13に示す。図13(a)の接触制限膜280では、円形の開口部OPが複数設けられている。図11(b)に示すGaN系LED素子200の断面図は、接触制限膜280がこの図13(a)に示す平面形状を有している場合の断面図である。
【0049】
図13(b)の接触制限膜280では、スリット状の開口部OPがn側メタル電極の延伸部232に略平行に設けられている。接触制限膜280がこの図13(b)に示す平面形状を有している場合の、GaN系LED素子200の断面図を図14に示す。図14(a)は、図11(a)のY21−Y21線の位置における断面図、図14(b)は、図11(a)のY22−Y22線の位置における断面図である。
開口部OPのスリット幅は好ましくは0.5〜5μmであり、より好ましくは1〜3μmである。
【0050】
接触制限膜280を用いれば、n側メタル電極230の延伸部232の幅を狭くすることなく、n側メタル電極230とn型導電層221との接触面積に制限を加えることが可能であることが理解されよう。つまり、延伸部232の長手方向の電気抵抗を増加させることなく、接続部231やその近傍でn型導電層221に流れ込む電流を減少させることができるのである。延伸部232の電気抵抗が高いと、この効果が十分に発揮されないことから、延伸部232は、Au、Ag、Cu、Alのような導電率の高い金属で形成された高導電層を含むことが好ましい。この高導電層の厚さは好ましくは1μm〜10μm、
特に2μm〜5μmである。また、この高導電層の幅(ライン幅)は7μm〜30μmとし得るが、好ましくは10μm〜20μmである。機械的な安定性の観点から高導電層は高さ(厚さ)よりも幅を大きくすることが好ましい。ただし、メタル材料は活性層222で生じる光の吸収体となることから、高導電層の幅を広くし過ぎた場合にはLED素子200の光出力が低下するので、注意が必要である。
【0051】
上記の効果を更に高めるために、延伸部におけるn側メタル電極とn型導電層との接触面積が、n側メタル電極の接続部から離れるにつれ大きくなる構成を採用することができる。この構成を実現するには、図15(a)〜(c)に示す接触制限膜280のように、開口部OPの幅がその上に形成されるn側メタル電極の接続部から離れるにつれて大きくなる接触制限膜を用いればよい。このような接触制限膜280を用いると、n側メタル電極の延伸部232のライン幅を変えることなく、延伸部232とn型導電層221との接触面積を、接続部231からの距離に応じて変化させることができる。
【0052】
接触制限膜280を図15(a)のように構成する場合、開口部OPのスリット幅は、接続部231から最も離れた部位においては、延伸部232のライン幅と同等程度まで広くすることが好ましい。一方、スリット幅が最も狭くなる接続部231側では、該スリット幅は1μm以下、更には0.5μm以下まで小さくすることができる。技術的観点からは該スリット幅に特に下限はないが、微細過ぎると製造コストが上昇することから、好ましくは0.5μm以上である。
接触制限膜280を図15(b)または(c)のように構成する場合の、開口部OPの好ましい幅(延伸部232のライン幅方向の幅)についても、図15(a)の場合と同様である。
【0053】
接触制限膜280の材料には、各種の金属酸化物または金属窒化物を特に制限なく使用することができる。例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、スピネル、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などである。接触制限膜280の厚さは、例えば50nm〜500nmとすることができる。接触制限膜280のパターニングは通常のフォトリソグラフィ技法を用いて行うことができる。
【0054】
図16に断面図を示す例のように、接触制限膜280が、半導体積層体220の表面を保護する保護膜を兼用する構成を採用することもできる。
【0055】
第2実施形態に係るGaN系LED素子200の、その他の各部位の好ましい態様は、第1実施形態に係るGaN系LED素子100と同様である。
【0056】
以上、本発明を具体的な実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0057】
本発明の・BR>D適な実施形態には下記のGaN系LED素子が含まれることを付記しておく。
(a1)複数のGaN系半導体層を含む半導体積層体を有し、該複数のGaN系半導体には、上面および底面を有するp型導電層と、該p型導電層の底面側に配置された活性層と、該p型導電層とで該活性層を挟むように配置されたn型導電層とが含まれ、該p型導電層の上面にはp側電極が設けられ、該p型導電層側に一部露出した該n型導電層の表面にはn側電極が設けられた、GaN系LED素子であって;該n側電極は、接続部および該接続部から延びる延伸部を有し、該n側電極と該n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積が、該延伸部において該接続部よりも大きく、かつ、前記延伸部において、前記オーミック接触界面の面積が、前記n側電極と前記n型導電層との物理的接触面
積よりも小さい、GaN系LED素子。
(a2)前記延伸部において、前記n側電極と前記n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積が、前記接続部から離れるにつれて連続的または段階的に大きくなっている、前記(a1)のGaN系LED素子。
(a3)前記延伸部が一定幅を有するライン状の第1部分を含み、該第1部分における前記オーミック接触界面が該第1部分の長手方向に平行なライン状で、かつ、そのライン幅が該第1部分のライン幅よりも狭い、前記(a1)のGaN系LED素子。
(a4)前記第1部分において、前記オーミック接触界面のライン幅が一定または前記接続部から離れるにつれて連続的もしくは段階的に広くなっている、前記(a3)のGaN系LED素子。
(a5)前記延伸部がAu、Ag、CuまたはAlで形成された高導電層を含む、前記(a1)〜(a4)のいずれかのGaN系LED素子。
【0058】
(b1)複数のGaN系半導体層を含む半導体積層体を有し、該複数のGaN系半導体には、上面および底面を有するp型導電層と、該p型導電層の底面側に配置された活性層と、該p型導電層とで該活性層を挟むように配置されたn型導電層とが含まれ、該p型導電層の上面にはp側電極が設けられ、該p型導電層側に一部露出した該n型導電層の表面にはn側メタル電極が設けられた、GaN系LED素子であって;該n側メタル電極は接続部および該接続部から延びる延伸部を有し、該n側メタル電極と該n型導電層との接触面積が、該延伸部において該接続部よりも大きくなるように、開口部がパターニングされた絶縁性の接触制限膜が該n型導電層と該n側メタル電極との間に設けられている、GaN系LED素子。
(b2)前記延伸部がラインパターンを含んでおり、前記接触制限膜は該ラインパターンに対応する位置に設けられた、該ラインパターンに略平行かつ該ラインパターンより幅の狭いスリット状の開口部を有している、前記(b1)のGaN系LED素子。
(b3)前記延伸部における前記n側メタル電極と前記n型導電層との接触面積が、前記接続部から離れるにつれ大きくなっている、前記(b1)または(b2)のGaN系LED素子。
(b5)前記第2延伸部がAu、Ag、CuまたはAlで形成された高導電層を含む、前記(b1)〜(b4)のいずれかのGaN系LED素子。
【符号の説明】
【0059】
100、200 GaN系LED素子
110、210 基板
120、220 半導体積層体
121、221 n型導電層
122、222 活性層
123、223 p型導電層
130、230 n側メタル電極
131、231 接続部
132、232 延伸部
140、240 透光性電極
150、250 p側メタル電極
151、251 接続部
152、252 延長部
170 電流ブロック層
280 接触制限膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のGaN系半導体層を含む半導体積層体を有し、該複数のGaN系半導体には、上面および底面を有するp型導電層と、該p型導電層の底面側に配置された活性層と、該p型導電層とで該活性層を挟むように配置されたn型導電層とが含まれ、該p型導電層の上面にはp側電極が設けられ、該p型導電層側に一部露出した該n型導電層の表面にはn側電極が設けられた、GaN系LED素子であって;該n側電極は、接続部および該接続部から延びる延伸部を有し、該n側電極の該接続部と該n型導電層との間に形成されるオーミック接触界面の面積が、該接続部の面積よりも小さくされた、GaN系LED素子。
【請求項2】
前記n側電極の前記延伸部と該n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積が、前記n側電極の前記接続部と前記n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積よりも大きい、請求項1に記載のGaN系LED素子。
【請求項3】
前記n側電極の前記接続部と該n型導電層との間にオーミック接触界面が形成されていない、請求項1に記載のGaN系LED素子。
【請求項4】
前記n側電極の前記延伸部と前記n型導電層との間に、オーミック接触界面と、界面抵抗が該オーミック接触界面よりも相対的に高い接触界面とが形成された、請求項1〜3のいずれか一項に記載のGaN系LED素子。
【請求項5】
開口部を有する絶縁膜が前記n側電極と前記n型導電層との間に挿入され、前記n側電極と前記n型導電層とが該開口部を通して接触している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のGaN系LED素子。
【請求項6】
前記延伸部において、前記n側電極と前記n型導電層との間に形成されたオーミック接触界面の面積が、前記接続部から離れるにつれて連続的または段階的に大きくなっている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のGaN系LED素子。
【請求項7】
前記延伸部が一定幅を有するライン状の第1部分を含み、該第1部分における前記オーミック接触界面が該第1部分の長手方向に平行なライン状で、かつ、そのライン幅が該第1部分のライン幅よりも狭い、請求項1〜6のいずれか一項に記載のGaN系LED素子。
【請求項8】
前記第1部分において、前記オーミック接触界面のライン幅が一定または前記接続部から離れるにつれて連続的もしくは段階的に広くなっている、請求項7に記載のGaN系LED素子。
【請求項9】
前記延伸部がAu、Ag、CuまたはAlで形成された高導電層を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のGaN系LED素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−48199(P2013−48199A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228937(P2011−228937)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】