説明

GaNHEMT装置用再成長ショットキー構造

【課題】高温で動作可能な高電子移動度トランジスタを提供する。
【解決手段】バッファ層16と、バッファ層16上のIII−V族層18と、III−V族層18上のソース接点20およびドレイン接点22と、III−V族層18上で、ソース接点20およびドレイン接点22間の再成長ショットキー層10と、成長ショットキー層10上のゲート接点24、を備える装置、および装置を用いたシステムを含む。さらに、装置とシステムの製造方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、広くは再成長ショットキー層を含む高電子移動度トランジスタ装置を備えた装置およびシステムに関する。
【発明の概要】
【0002】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、少なくとも一つには、高出力、高周波および低オン抵抗動作が同時に実現できるというその性能のために、多くの用途で使用されている。窒化ガリウムのワイドバンドギャップ特性によって、高温動作能を備えた、特に例外的な性能が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の実施形態は、以下の詳細な説明と添付図面によって容易に理解されるであろう。説明を容易にするために、同じ構成要素には同じ参照番号を付す。本発明の実施形態は例示として示されるものであり、添付図面の形態を制限するものではない。
【0004】
【図1】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの断面図である。
【図2】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図3】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図4】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図5】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図6】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図7】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図8】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図9】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法における種々の段階を示す。
【図10】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図11】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図12】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図13】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図14】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図15】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図16】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図17】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図18】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図19】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図20】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図21】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの別の製造方法における種々の段階を示す。
【図22】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTの製造方法に関連する操作の一部を示すフローチャートである。
【図23】種々の実施形態による再成長ショットキー構造を含むHEMTを備えたパッケージを組込んだシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
添付図を参照して以下の詳細な説明を行う。各添付図では同様な部品には同じ参照番号を付し、また各添付図は、本発明を実施し得る実施形態を例示する目的で示される。他の実施形態も可能であり、構造や論理的変更が本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることは理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は限定的に解釈されるべきではなく、本発明による実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0006】
種々の操作が複数の別個の操作として、本発明の実施形態の理解に有用な方法で順番に議論およびまたは図示され得るが、この説明の順序は、これらの操作が順序依存であるようなニュアンスを含むように解釈されるべきではない。
【0007】
本明細書では、それぞれ1つまたは複数の同じあるいは異なる実施形態に言及して、「ある実施形態では」、「実施形態では」、「一部の実施形態では」あるいは「種々の実施形態では」などが用いられる。また、本発明の実施形態に関して用いられる、「備える」、「含む」「有する」などは同意語である。
【0008】
本明細書で用いられる「連結された」とその派生語は、以下の1つまたは複数を意味し得る。「連結された」は、互いに連結されたとする要素間に他の要素が連結または接続されていない、物理的または電気的な直接連結を意味し得る。また、「連結された」は、互いに連結されたとする要素間に1つまたは複数の他の要素が連結または接続されている、物理的または電気的な間接連結も意味し得る。
【0009】
本明細書では、上/下、前/後および上端/底部などの、透視図系の記述が用いられる。こうした記述は議論を容易にするためだけに用いられるものであり、本発明の実施形態の用途を制限するように意図されるべきではない。
【0010】
本開示目的での「A/B」は、AまたはBを意味し、「AおよびまたはB」は、AまたはB、あるいはAおよびBであることを意味し、「A、BおよびCの少なくとも1つ」は、A、BまたはC、あるいは、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCを意味し、「(A)B」は、BまたはAおよびBであることを、すなわち、Aは選択的要素であることを意味する。また、本開示の実施形態は、特定の数の成分または要素を含むものとして示され説明され得るが、実施形態は、任意の特定の数の成分や要素には限定されない。
【0011】
本開示は広く、とりわけ、再成長ショットキー層を含むHEMT装置を備えた装置とシステムに関する。種々の実施形態では、該HEMT装置は、バッファ層とバッファ層上のIII−V族層を含んでいてもよい。再成長ショットキー層は、ソース接点とドレイン接点間に存在するようにバッファ層上に設けられ得る。
【0012】
図1は、種々の実施形態による再成長ショットキー層10を含むHEMT100の断面図である。HEMT100は、基板12、基板12上の核形成層14、および核形成層上のバッファ層16を含んでいてもよい。バッファ層16上に再成長ショットキー層10を直接形成せずに、III−V族層18をバッファ層16上に設けてもよい。図示のHEMT100はさらに、ソースオーム接点20、ドレインオーム接点22およびゲート24を含む。
【0013】
HEMT100は少なくとも、III−V族層18との直接接点を有することにより、2次元の電子ガスとの(バッファ層16とIII−V族層18の界面での)低抵抗接点があるという点で、低抵抗接点構造を備えていてもよい。その目的のために、III−V族層18は、高度にドープされたIII−V族材料を含んでいてもよい。ショットキー層がオーム接点20、22とバッファ層16間に存在するように前記構造の全域に亘ってショットキー層を設けずに、その代わりに、ゲート24と下位層(層18、16、14、12)間およびオーム接点20と22間の領域に、ショットキー層10を再成長させる。高度にドープされたnIII−V族層18を用いた低抵抗パスを設けることにより、これを設けない場合に、接点20、22およびnIII−V族層18間の良好な接点を得るために必要となる温度より低い温度で、接点20および22をアニールすることも可能となり得る。
【0014】
例えばHEMT装置100などの、HEMT装置の形成方法の例を、この方法の種々の段階でのHEMT装置の横断面側面視である図2〜9に示す。
【0015】
図2に示すように、核形成層14を基板12上に形成してもよい。基板12は、用途にふさわしい任意の材料を含んでいてもよい。種々の実施形態では、基板12は、例えば炭化ケイ素を含む。炭化ケイ素は、少なくとも一つには、その熱特性とアイソレーション特性のために、高無線周波数出力と高周波動作を有する装置に特に好適であり得る。しかしながら、他の実施形態では、基板12は、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、あるいはこれらの組み合わせまたは他の好適な材料との組み合わせを含んでいてもよい。加工によって、基板12は、HEMT装置100と同様な複数の装置およびまたは他の装置が形成され得るウェハの一部になり得る。
【0016】
核形成層14は、窒化アルミニウムまたはバッファ層16の品質改善に好適な別の材料を含んでいてもよい。核形成層は、例えば窒化アルミニウムを含んでいてもよい。一部の実施形態では、核形成層14は、窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウムを含んでいてもよい。種々の実施形態では、核形成層14は、HEMT100構造から完全に除かれてもよい。
【0017】
その後、核形成層がある場合は、図3に示すように、その上にバッファ層16を形成してもよい。核形成層14がない実施形態では、図4に示すように、バッファ層16を基板12上に直接形成してもよい。
【0018】
バッファ層16は、好適な窒化ガリウム系材料を含んでいてもよい。該窒化ガリウム系材料は、窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウム、あるいはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。種々の実施形態では、バッファ層16は、鉄ドープまたは炭素ドープの窒化ガリウム系材料、あるいは窒化ガリウム系超格子材料であってもよい。
【0019】
図5に示すように、III−V族層18をバッファ層16上に形成してもよい。III−V族層18はn窒化ガリウムを含んでいてもよい。種々の他の実施形態では、III−V族層18は、n窒化インジウムガリウム、n窒化インジウム、n窒化インジウムアルミニウムまたはn窒化アルミニウムガリウムを含んでいてもよい。III−V族層18がn窒化アルミニウムガリウムを含む実施形態では、このn窒化アルミニウムガリウムの厚さは10〜50Åの範囲であってもよい。種々の実施形態では、III−V族層18を形成せずに、未ドープの窒化ガリウム層をバッファ層16上に形成してもよい。種々の実施形態では、以下に議論するオーミック金属をこの層に合金化してもよい。この未ドープの窒化ガリウムの厚さは10〜500Åの範囲であってもよい。
【0020】
図6に示すように、マスク層26をIII−V族層18上に形成してもよい。図7に示すように、その後、マスク層26をパターン化して開口部28を形成し、ショットキー層10とHEMT装置の任意のアクセス領域とが形成されるIII−V族層18を露出させてもよい。マスク層26は、フォトリソグラフィパターン化操作とエッチング操作に好適な任意の材料を含んでいてもよい。従って、マスク層26に使用される材料は一般に、基板12上の任意の他の層に対して適切なエッチング選択性を有するものであろう。種々の実施形態において、ハードマスクが好適であり得る。好適なハードマスク材料は、窒化ケイ素または酸化ケイ素を含んでいてもよい。他の既知のハードマスク材料も同様に好適であり得る。
【0021】
その後、必要であれば、前記パターン化された構造を洗浄し、図8に示すように、ショットキー層10を再成長させてもよい。再成長ショットキー層10は、例えば、分子線エピタキシなどの任意の好適な方法を用いて形成され得るが、気相エピタキシ、固相エピタキシまたは液相エピタキシも同様に好適であり得る。ショットキー層10は、用途に応じてウェハの他の領域に再成長させることもでき、本明細書に記載のショットキー層10の再成長によって、エンハンスメント型HEMTおよびデプレッション型HEMT用の同じウェハ上に、必要であれば再マスク化して、異なるショットキー構造を有する複数の再成長が可能になり得る。
【0022】
種々の実施形態では、再成長ショットキー層10はエピタキシャル材料を含む。再成長ショットキー層10は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、窒化インジウムガリウム、窒化ガリウムボロン、窒化アルミニウムボロンまたはこれらの2つ以上の組み合わせを含んでいてもよい。
【0023】
再成長ショットキー層10形成用の再成長エピタキシャル材料に応じて、図8にも示すように、再成長操作によってマスク層26上に多結晶層30を形成してもよい。
【0024】
マスク層26および多結晶層30がある場合、図9に示すように、その後、これらを好適なエッチング操作を用いて除去して再成長ショットキー層10を残してもよい。
【0025】
装置を継続して加工し、再成長ショットキー層10上のゲート24の定義とメタライゼーション、および残りのIII−V族層18領域上にソース接点20とドレイン接点22を形成するためのオーミックメタライゼーションを行って、図1に示すように、HEMT装置100を形成してもよい。ゲート24、ソース接点20およびドレイン接点22は、例えば好適な金属を含む任意の好適な材料を含んでいてもよい。
【0026】
ここには示していないが、HEMT100は、用途に応じて追加の層を含んでいてもよい。
【0027】
種々の実施形態では、図10〜13の方法で示されるように、ショットキー層10の形成前にIII−V族層18をエッチングしてもよい。図示のように、III−V族層18上にマスク層26を形成(例えば、図2〜7を参照して説明した操作によって)した後、開口部28を通じてIII−V族層18をエッチングして、III−V族層18を除去またはその厚みを減少させる。この操作によって、あるいはさらに追加の操作を行って、バッファ層16をエッチングしてもよい。
【0028】
III−V族層18をエッチング後、必要であれば前記パターン化された構造を洗浄し、その後、図11に示すように、バッファ層16上に直接ショットキー層10を再成長させてもよい。再成長ショットキー層10は、例えば、分子線エピタキシなどの任意の好適な方法を用いて形成され得るが、気相エピタキシ、固相エピタキシまたは液相エピタキシも同様に好適であり得る。ショットキー層10は、用途に応じてウェハの他の領域に再成長させることもでき、本明細書に記載のショットキー層10の再成長によって、エンハンスメント型HEMTおよびデプレッション型HEMT用の同じウェハ上に、必要であれば再マスク化して、異なるショットキー構造を有する複数の再成長が可能になり得る。
【0029】
種々の実施形態では、再成長ショットキー層10は、エピタキシャル材料を含む。再成長ショットキー層10は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、窒化インジウムガリウム、窒化ガリウムボロン、窒化アルミニウムボロンまたはこれらの2つ以上の組み合わせを含んでいてもよい。
【0030】
再成長ショットキー層10形成用の再成長エピタキシャル材料に応じて、図11に示すように、再成長操作によってマスク層26上に多結晶層30を形成してもよい。
【0031】
マスク層26および多結晶の層30がある場合、図12に示すように、これらを好適なエッチング操作を用いて除去し、再成長ショットキー層10を残してもよい。
【0032】
装置を継続して加工し、再成長ショットキー層10上のゲート24の定義とメタライゼーション、および残りのIII−V族層18領域上にソース接点20とドレイン接点22を形成するためのオーミックメタライゼーションを行って、図13に示すように、HEMT装置200を形成してもよい。ゲート24、ソース接点20およびドレイン接点22は、例えば好適な金属を含む任意の好適な材料を含んでいてもよい。
【0033】
ここには示していないが、HEMT200は、用途に応じて追加の層を含んでいてもよい。
【0034】
種々の実施形態では、図14〜21のHEMT装置の形成方法で示されるように、エッチング操作を容易にするために1つまたは複数のエッチング停止層を用いてもよい。記載した実施形態では、III−V族層18をエッチングする場合のバッファ層16へのエッチングが、エッチング停止層32によって防止され得る。言いかえれば、III−V族層18を開口部28を通じてエッチングする場合、エッチング停止層32によってこのエッチングを停止または減速させ得る。
【0035】
図14に示すように、III−V族層18の形成前に、エッチング停止層32をバッファ層16上に形成し、エッチング停止層32がバッファ層16とIII−V族層18間に存在するようにしてもよい。
【0036】
エッチング停止層32は、その目的に好適な任意の材料を含んでいてもよい。種々の実施形態では、エッチング停止層32は、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムまたは他の任意の好適な材料を含んでいてもよい。
【0037】
図15に示すように、その後、マスク層26をIII−V族層18上に形成してもよい。図16に示すように、その後、マスク層26をパターン化して開口部28を形成し、ショットキー層10とHEMT装置の任意のアクセス領域とが形成されるIII−V族層18を露出させてもよい。マスク層26は、フォトリソグラフィパターン化操作とエッチング操作に好適な任意の材料を含んでいてもよい。従って、マスク層26に使用される材料は一般に、基板12上の任意の他の層に対して適切なエッチング選択性を有するであろう。一部の実施形態では、ハードマスクが好適であり得る。好適なハードマスク材料は、窒化ケイ素または酸化ケイ素を含んでいてもよい。他の既知のハードマスク材料も同様に好適であり得る。
【0038】
図17に示すように、III−V族層18上にマスク層26を形成後、開口部28を通じてIII−V族層18をエッチングする。図18に示すように、その後、エッチング停止層32を除去して、III−V族層18を露出させてもよい。III−V族層18のエッチングおよびエッチング停止層32のエッチングは、一回のエッチング操作で行っても、あるいは複数のエッチング操作で行ってもよい。
【0039】
その後、必要であればパターン化された構造を洗浄し、図19に示すように、その後、ショットキー層10をバッファ層16上に直接再成長させてもよく、あるいは、エッチング停止層32を除去しない場合はその上に直接再成長させてもよい。再成長ショットキー層10は、例えば、分子線エピタキシなどの任意の好適な方法を用いて形成され得るが、気相エピタキシ、固相エピタキシまたは液相エピタキシも同様に好適であり得る。ショットキー層10は、用途に応じてウェハの他の領域に位再成長させることもでき、本明細書に記載のショットキー層10の再成長によって、エンハンスメント型HEMTおよびデプレッション型HEMT用の同じウェハ上に、必要であれば再マスク化して、異なるショットキー構造を有する複数の再成長が可能になり得る。
【0040】
種々の実施形態では、再成長ショットキー層10はエピタキシャル材料を含む。再成長ショットキー層10は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、窒化インジウムガリウム、窒化ガリウムボロン、窒化アルミニウムボロンまたはこれらの2つ以上の組み合わせを含んでいてもよい。
【0041】
再成長ショットキー層10形成用の再成長エピタキシャル材料に応じて、図19にも示すように、再成長操作によってマスク層26上に多結晶層30を形成してもよい。
【0042】
マスク層26および多結晶層30がある場合、図20に示すように、その後、これらを好適なエッチング操作を用いて除去して再成長ショットキー層10を残してもよい。
【0043】
装置を継続して加工し、再成長ショットキー層10上のゲート24の定義とメタライゼーション、および残りのIII−V族層18領域上にソース接点20とドレイン接点22を形成するためのオーミックメタライゼーションを行って、図21に示すように、HEMT装置300を形成してもよい。ゲート24、ソース接点20およびドレイン接点22は、例えば好適な金属を含む任意の好適な材料または再成長nコンタクト層上の好適な金属を含んでいてもよい。
【0044】
ここには示していないが、HEMT300は、用途に応じて追加の層を含んでいてもよい。
【0045】
図22は、種々の実施形態による再成長ショットキー構造(例えば、HEMT装置100、200または300)を含むHEMTの製造方法に関連する操作の一部を示すフローチャートである。
【0046】
図22を参照して、方法2200は、ブロック2202、ブロック2204、ブロック2206およびまたはブロック2208に示されるような、1つまたは複数の機能、操作または作用を含んでいてもよい。方法2200のための加工は、ブロック2202により、バッファ層上へのIII−V族層の形成によりスタートしてもよい。該バッファ層を基板上に形成してもよく、該基板は、その上に核形成層を含んでいてもよい。該バッファ層は、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウムまたはこれらの組み合わせ、鉄ドープまたは炭素ドープの窒化ガリウム系材料、あるいは窒化ガリウム系超格子材料などの好適な窒化ガリウム系材料を含んでいてもよい。III−V族層は、例えば、n窒化インジウムガリウム、n窒化インジウム、n窒化インジウムアルミニウムまたはn窒化アルミニウムガリウムなどのn窒化ガリウムを含んでいてもよい。
【0047】
III−V族層上への開口部を含むマスクの形成によって、方法2200は、ブロック2202からブロック2204に進んでもよい。該マスク層は、例えば、窒化ケイ素を含むフォトリソグラフィパターン化操作とエッチング操作に好適な任意の材料を含んでいてもよい。開口部は好適なエッチング操作によって形成されてもよい。該開口部はIII−V族層まで延びていてもよい。
【0048】
該開口部内にショットキー層を再成長させることによって、方法2200は、ブロック2204からブロック2206に進んでもよい。例えば、分子線エピタキシ、気相エピタキシ、固相エピタキシまたは液相エピタキシなどの任意の好適な方法を用いて、該ショットキー層を形成してもよい。種々の実施形態では、該再成長ショットキー層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、窒化インジウムガリウム、窒化ガリウムボロン、窒化アルミニウムボロンまたはこれらの2つ以上の組み合わせなどのエピタキシャル材料を含む。
【0049】
開口部内にショットキー層を有するマスクのIII−V族層からの除去によって、方法2200は、ブロック2206からブロック2208に進んでもよい。
【0050】
本フローチャートには示していないが、方法2200は、ショットキー層がソース接点とドレイン接点間に存在するように、III−V族層上にソース接点を形成してショットキー層に隣接させるステップと、III−V族層上にドレイン接点を形成してショットキー層に隣接させるステップと、をさらに含んでいてもよい。
【0051】
本明細書に記載のHEMTの実施形態よびこうしたHEMTを含む装置は、種々の他の装置およびシステムに組み込まれ得る。システム2300の実施例のブロック図を図23に示す。例えば、電力増幅器モジュール2302は、ショットキー層を含む本明細書に記載のHEMT100、200および300を1つまたは複数備えていてもよい。例示のように、システム2300は、RF電力増幅器モジュール2302を含む。例示のように、システム2300は、RF電力増幅器モジュール2302と連結されたトランシーバ2304を含んでいてもよい。
【0052】
RF電力基増幅器モジュール2302は、トランシーバ2304からRF入力信号(RFin)を受信し得る。RF電力基増幅器モジュール2304は、RF入力信号(RFin)を増幅してRF出力信号(RFout)を供給してもよい。RF入力信号(RFin)およびRF出力信号(RFout)は共に、図23でそれぞれTx−RFinおよびTx−RFoutで示される送信鎖の一部であってもよい。
【0053】
増幅されたRF出力信号(RFout)は、アンテナ構造2308経由でRF出力信号(RFout)の無線(OTA)送信を行うアンテナスイッチモジュール(ASM)2306に供給され得る。また、ASM2306は、アンテナ構造2308経由でRF信号を受信し、受信したRF信号(Rx)を受理鎖に沿ってトランシーバ2304に連結してもよい。
【0054】
種々の実施形態では、アンテナ構造2308は、例えばダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、あるいはRF信号のOTA送受信に好適な他の任意のタイプのアンテナを含む指向性アンテナおよびまたは全方向性アンテナの1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0055】
システム2300は、電力増幅を含む任意のシステムであってもよい。種々の実施形態では、システム2300は、高無線周波数出力と周波数における電力増幅に特に有用であり得る。例えば、システム2300は、任意の1つまたは複数の陸上通信および衛星通信、レーダシステム、および恐らく種々の産業および医療用途に好適であり得る。より具体的には、種々の実施形態において、システム2300は、レーダ装置、衛星通信装置、携帯電話、携帯電話基地局、ラジオ放送あるいはテレビ増幅器システムから選択された1つであり得る。
【0056】
本開示を上記に例示した実施時形態に関して説明したが、同じ目的を達成するように算出された広範囲の代替となるおよびまたは均等な実施案によって、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で示しおよび説明した実施形態を置換し得ることは、当業者には理解されるであろう。当業者であれば、本開示による実施形態が、非常に広範囲の実施形態によって実施され得ることを容易に理解するであろう。この説明は、限定するものではなく、実例と見なされるように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッファ層上にIII−V族層を形成するステップと、
前記III−V族層上に、開口部を含むマスクを形成するステップと、
前記開口部内にショットキー層を再成長させて再成長ショットキー層を形成するステップと、
前記ショットキー層を再成長させた後に、前記III−V族層から前記マスクを除去するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記III−V族層は、nIII−V族材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記III−V族層は、n窒化ガリウム、n窒化インジウムガリウム、n窒化インジウム、n窒化インジウムアルミニウムまたはn窒化アルミニウムガリウムを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記III−V族層は、未ドープのIII−V族材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記開口部は、前記III−V族層まで延び、また、前記再成長させるステップは、前記開口部内および前記III−V族層上に前記ショットキー層を再成長させてこれを形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マスクを形成するステップは、前記III−V族層上に前記マスクを形成して前記III−V族層を前記開口部を通じて露出させるステップを備え、また、前記方法はさらに、前記開口部を通じて前記露出されたIII−V族層をエッチングして前記バッファ層を露出させるステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ショットキー層を再成長させるステップは、前記露出したバッファ層上に前記ショットキー層を再成長させるステップを備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記III−V族層を形成するステップは、前記バッファ層上に配置されたエッチング停止層上に前記III−V族層を形成するステップを備え、また、前記エッチングするステップは、前記開口部を通じて前記III−V族層とエッチング停止層とをエッチングして前記バッファ層を露出させるステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記開口部を通じて前記バッファ層をエッチングするステップをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記再成長ショットキー層がソース接点とドレイン接点間に存在するように、前記III−V族層上に前記ソース接点を形成して前記再成長ショットキー層に隣接させるステップと、前記III−V族層上に前記ドレイン接点を形成して前記再成長ショットキー層に隣接させるステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記再成長ショットキー層は、その第1側面と第2側面とが前記III−V族層に隣接するように、前記III−V族層を通じて形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
バッファ層と、
前記バッファ層上のIII−V族層上と、
前記III−V族層上のソース接点およびドレイン接点と、
前記III−V族層上で、前記ソース接点およびドレイン接点間の再成長ショットキー層と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記再成長ショットキー層は、前記III−V族層上にあることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記再成長ショットキー層は、前記III−V族層の開口部内に配置されることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
さらに、前記ソース接点は前記再成長ショットキー層に隣接し、前記ドレイン接点は前記再成長ショットキー層に隣接することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記III−V族層は、n窒化ガリウム、n窒化インジウムガリウム、n窒化インジウム、n窒化インジウムアルミニウムまたはn窒化アルミニウムガリウムを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記再成長ショットキー層は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウム、窒化インジウムガリウム、窒化ガリウムボロン、窒化インジウムボロンまたは窒化アルミニウムボロンの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記III−V族層は、未ドープのIII−V族材料を含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項19】
無線周波数(RF)出力信号を受信するアンテナスイッチモジュールと、
前記アンテナスイッチモジュールに連結されてRF入力信号を生成するトランシーバと、
前記アンテナスイッチモジュールと前記トランシーバに連結されて、前記トランシーバからの前記RF入力信号を受信し、前記アンテナスイッチモジュールにRF出力信号を供給する電力増幅器モジュールと、を備え、
前記電力増幅器モジュールは、バッファ層と、前記バッファ層上のIII−V族層と、前記III−V族層上のソース接点およびドレイン接点と、前記III−V族層上で、前記ソース接点およびドレイン接点間の再成長ショットキー層と、を有する高電子移動度トランジスタを含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
前記システムは、レーダ装置、衛星通信装置、携帯電話、基地局、ラジオ放送あるいはテレビ増幅器システムであることを特徴とする請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−248836(P2012−248836A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−117226(P2012−117226)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(599034594)トライクイント・セミコンダクター・インコーポレイテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】TriQuint Semiconductor,Inc.
【住所又は居所原語表記】2300 NE Brookwood Parkway,Hillsboro,Oregon 94124,U.S.A.
【Fターム(参考)】