説明

H型鋼溶接継手構造

【課題】 従来のH型鋼溶接継手構造で連結したH型鋼は、もとのH型鋼より強度が劣っていた。
【解決手段】 端部同士を突き合わせた2本のH型鋼1a、1bのフランジ部3及びウェブ部4の突合せ部5の内側と外側のいずれか一方又は双方に、鋼材による補強材2a、2b、2c、2dを両H型鋼に跨がせて宛がい、その突合せ部分同士の一部又は全部を溶接し、補強材の外周縁と補強材を宛がったフランジ部とウェブ部の一方又は双方とを溶接した。補強材は、H型鋼の突合せ部分の全長又は一部に宛がわれるようにしてある。補強材をH型鋼の突合せ部分のフランジ部とウェブ部との双方に宛がうこともでき、宛がう補強材を、突き当て部分の溶接用裏当て材と兼用とすることもできる。連結して形成した1本のH型鋼の強度が、もとのH型鋼の強度と同じかそれ以上となるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物等に用いるH型鋼を突き合わせて連結するH型鋼溶接継手構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
H型鋼は構造物を作る際に適度な長さに切断して使用され、使用済みのH型鋼は使用によって曲がった部分や傷ついて使用できなくなった部分をカットして使用される。カットされたH型鋼は再使用の度に次第に短くなっていく。そこで、従来は、図35(a)(b)に示すように、切断されて短くなった2本のH型鋼A、Bの端部同士を突き合わせてその突合せ部分Cを溶接し、補強板Dをウェブ部Eの両側面の突合せ部分Cの外側に宛がい、補強板Dの外周縁dを溶接して、2本のH型鋼A、Bを連結して1本のH型鋼にして使用している。図35(a)(b)中のc、eが溶接部分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記図35(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造には次のような課題がある。
(1)図35(b)に示すように、ウェブ部Eとフランジ部FとのR状連結部Gの角が丸く(R状に)なって肉厚となっているため、その部分の肉厚方向内側まで溶融することが難しく溶接が不足し、2本のH型鋼の連結強度が弱くなり、もとのH型鋼の強度より劣る。このため連結された1本のH型鋼の強度をもとのH型鋼と同様に使用した場合、破断する危険がある。ちなみに、前記R状連結部Gは溶接不足部と呼ばれている。
(2)前記の強度不足から、1本に連結されたH型鋼は、その用途が制限され、高い強度を求められる箇所への使用には不向きであり、その場合は新品のH型鋼を用いることとなり、コスト高となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、2本のH型鋼を溶接によって連結して1本のH型鋼とし、連結されたH型鋼の強度が新品のH型鋼の強度と同じかそれ以上になるようにしたH型鋼溶接継手構造を提供するものである。
【0005】
本件出願のH型鋼溶接継手構造は、端部同士を突き合わせた2本のH型鋼のフランジ部及びウェブ部の突合せ部分の内側と外側のいずれか一方又は双方に、鋼材による補強材を両H型鋼に跨がせて宛がい、その突合せ部分同士の一部又は全部を溶接し、補強材の外周縁と補強材を宛がったフランジ部とウェブ部の一方又は双方とを溶接したものである。また、前記補強材は、H型鋼の突合せ部分の全長又は一部に宛がわれるようにしてある。更に、補強材をH型鋼の突合せ部分のフランジ部とウェブ部との双方に宛がうこともできる。また、宛がう補強材を、突合せ部分の溶接用裏当て材と兼用とすることもできる。本件出願のH型鋼溶接継手構造は、フランジ部に宛がわれた補強材の曲げ抵抗力RNと、その補強材の外周の溶接部の曲げ抵抗力RwNとが、夫々H型鋼材のフランジ部とウェブ部のR状連結部(溶接不足部)の曲げ抵抗力Nより大きく、且つ、ウェブ部4に宛がわれた補強材自体のせん断抵抗力RSと、その補強材の外周の溶接部のせん断抵抗力RwSとが、夫々R状連結部のせん断抵抗力Sより大きくなるようにしてある。
【発明の効果】
【0006】
本件出願のH型鋼溶接継手構造は次のような効果がある。
(1)突き合わせたH型鋼のフランジ部とウェブ部の突合せ部分の内側と外側のいずれか一方又は双方に、鋼材による補強材を両H型鋼に跨がせて宛がって溶接するため、フランジ部に宛がった補強材によって曲げに対しての補強を、ウェブ部に宛がった補強材によってせん断に対しての補強を夫々行うことができ、補強材が所定の溶接長及び溶接面積を確保できれば、連結して形成した1本のH型鋼の強度を、新品のH型鋼の強度と同じかそれ以上とすることもできる。
(2)補強材を、各フランジ部の内側面と、ウェブ部の一側面の突合せ部分の全長又は一部に宛がった場合は、連結して形成した1本のH型鋼の強度を効率良くもとのH型鋼の強度以上とすることができ、また、連結後のH型鋼の強度のバランスも良くなる。
(3)補強材をH型鋼の突合せ部分のフランジ部とウェブ部との双方に宛がうことができるものとした場合、溶接を行う回数を減らすことができ、短時間でH型鋼同士の連結を行うことができる。
(4)宛がう補強材を、突合せ部分の溶接用裏当て材と兼用とした場合、そのまま溶接を行っても、別途当て板をする必要がなく、効率よくH型鋼同士の連結を行うことができる。
(5)フランジ部に宛がわれた補強材の曲げ抵抗力RNと、その補強材の外周の溶接部の曲げ抵抗力RwNとを、夫々H型鋼材のフランジ部とウエブ部のR状連結部(溶接不足部)の曲げ抵抗力Nより大きく、且つ、ウェブ部4に宛がわれた補強材自体のせん断抵抗力RSと、その補強材の外周の溶接部のせん断抵抗力RwSとが、夫々R状連結部のせん断抵抗力Sより大きくなるようにすれば、どのようなH型鋼、補強材であっても、連結して形成した1本のH型鋼の強度を、連結していない新品のH型鋼の強度と同じかそれ以上とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(H型鋼溶接継手構造の実施形態1)
本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の一例を、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。本実施形態のH型鋼溶接継手構造は、図1に示すように、2本のH型鋼1a、1bの端部同士を突き合わせて連結させたものである。図に示すように、本実施形態のH型鋼1a、1bは、図に示すように、従来用いられているものと同型のH型の鋼材であって、図1、図2(a)(b)に示すように、各フランジ部3の内側面の突合せ部分5上には補強材2aが、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5上には補強材2bが、夫々両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれている。H型鋼1aとH型鋼1bとは、双方のウェブ部4の高さH、フランジ部3の幅B、ウェブ部4の厚さt1、フランジ部3の厚さt2が夫々同じ寸法のものを用いている。本実施形態では、H型鋼1a、1bは、ウェブ部4の高さHとフランジ部3の幅Bとが、300×300(単位:mm)であって、ウェブ部4の厚さt1とフランジ部3の厚さt2とが、10×15(単位:mm)であるものを用いているが、H型鋼1a、1bは、この寸法のものには限られず、2本のH型鋼の寸法を同じとする限り、H×B×t1×t2が、200×200×8×12のものや、250×250×9×14のものや、350×350×12×19のもの(いずれも単位:mm)等、任意の寸法のものを用いることができる。本実施形態のH型鋼1a、1bも、図2(a)に示すように、フランジ部3とウェブ部4とのR状連結部6の角が丸く(R状に)なって肉厚となっているため、その部分の肉厚方向内側まで溶融することが難しく溶接が不足するようになっている。ちなみに、前記R状連結部6は溶接不足部と呼ばれている。
【0008】
図2(a)(b)に示す補強材2a、2bは、板状の鋼材であって、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で5枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれている。補強材2a、2bには、前記H型鋼1a、1bと同じ素材の鋼材を用いる。各フランジ部3に宛がわれた補強材2aは、曲げに対しての補強を、ウェブ部4に宛がわれた補強材2bは、せん断に対しての補強を、夫々行うことができる。
【0009】
本実施形態のH型鋼溶接継手構造では、図1、図2(a)(b)に示す、H型鋼1a、1b同士の突合せ部分5の全周を突き合わせ溶接し(図3(b)、4(b)中のw1が溶接部分である。)、更に、図3、図4に示すように、配置した補強材2a、2bの外周縁2c、2dのうち幅部分(図中Pw、Qw側)の二辺を隅肉溶接して、2本のH型鋼1a、1bを連結させている(図3(b)(c)、図4(b)(c)中のw2が溶接部分である。)。また、本発明のH型鋼溶接継手構造では、突合せ部分5の一部だけを溶接したり、補強材2a、2bの外周縁2c、2d全周を隅肉溶接することもできる。
【0010】
溶接は、連結して形成した1本のH型鋼の強度が、もとのH型鋼の強度と同じかそれ以上となるように計算して行う。本実施形態の場合には、具体的に、図1〜図4及び次の数1、数2に示す計算によって、フランジ部3の補強材2a自体の曲げ抵抗力RNと、補強材2aの外周の溶接部の曲げ抵抗力RwNとが、夫々R状連結部6の曲げ抵抗力Nより大きく、且つウェブ部4の補強材2b自体のせん断抵抗力RSと、補強材2bの外周の溶接部のせん断抵抗力RwSとが、夫々R状連結部6のせん断抵抗力Sより大きくなるように、各補強材2a、2bの寸法、溶接長、溶接面積を調整する。
(数1)
1.フランジ部3の補強について
(1)R状連結部6の曲げ抵抗力の計算
(a)R状連結部6の断面係数:Zx〔cm3
(b)R状連結部6の曲げモーメント:M=Lf・Zx〔kNcm〕
(Lf:H型鋼自体の曲げの許容応力値〔kN/cm2〕)
(c)R状連結部6の曲げ抵抗力:N=M/d〔kN〕
(d:上下のフランジ部3間の間隙〔cm〕)

(2)補強材2aの曲げ抵抗力の計算
(a)補強材2a自体の曲げの許容応力値:Lf〔kN/cm2
(H型鋼と同じ鋼材を用いるため)
(b)補強材2a(2枚)の断面積:A1=Pt×Pw×2〔cm2
(Pt:補強材2aの厚さ〔cm〕、Pw:補強材2aの幅〔cm〕)
(c)補強材2aの曲げ抵抗力:RN=Lf・A1〔kN〕

∴RN>Nであれば良い。

(3)溶接部の曲げ抵抗力の計算
(a)溶接部の許容応力値:Lfw〔kN/cm2
(b)溶接長:L1=Pw×2〔cm〕
(c)溶接面積:A2=L1×0.7×b=L1×H1〔cm2
(b:溶接部の脚長〔cm〕、H1:隅肉溶接の一番短い箇所の距離〔cm〕)
(d)溶接部の曲げ抵抗力:RwN=Lfw・A2〔kN〕

∴RwN>Nであれば良い。

(数2)
2.ウェブ部4の補強について
(1)R状連結部6のせん断抵抗力の計算
(a)R状連結部6の断面積:Aw〔cm2
(b)R状連結部6のせん断抵抗力:S=Lfs・Aw〔kN〕
(Lfs:H型鋼自体のせん断の許容応力値〔kN/cm2〕)

(2)補強材2bのせん断抵抗力の計算
(a)補強材2b自体のせん断の許容応力値:Lfs〔kN/cm2
(H型鋼と同じ鋼材を用いるため)
(b)補強材2bの断面積:A3=Qt×Qw〔cm2
(Qt:補強材2bの厚さ〔cm〕、Qw:補強材2bの幅〔cm〕)
(c)補強材2bのせん断抵抗力:RS=Lfs・A3〔kN〕

∴RS>Sであれば良い。

(3)溶接部のせん断抵抗力の計算
(a)溶接部の許容応力値:Lfs〔kN/cm2
(b)溶接長:L2=Qw〔cm〕
(c)溶接面積:A4=L2×0.7×a=L1×H2〔cm2
(a:溶接部の脚長〔cm〕、H2:隅肉溶接の一番短い箇所の距離〔cm〕)
(d)溶接部のせん断抵抗力:RwS=Lfs・A4〔kN〕

∴RwS>Sであれば良い。
【0011】
図1〜図4に示すH型鋼溶接継手構造を用いて、2本のH型鋼を連結するためには、次のようにする。
(1)2本のH型鋼1a、1bの端部同士を突き合わせ、一方のH型鋼1bのフランジ部3及びウェブ部4の端部を、図3(a)、図4(a)に示すように開先加工する。開先部の角度は、本例では45°としているが、任意の角度とすることができる。
(2)補強材2a、2bを、各フランジ部3の内側面(開先加工していない面)と、ウェブ部4の一側面(開先加工していない面)の突合せ部分5上に、全部で5枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がう。
(3)各補強材2a、2bの外周縁2c、2dのうち幅部分(図中Pw、Qw側)を隅肉溶接して、各補強材2a、2bを各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の一側面に固定する。図3(b)(c)、図4(b)(c)中のw2が溶接部分である。前記したように、補強材2a、2bの外周縁2c、2dの全周を隅肉溶接することもできる。
(4)図3(b)、図4(b)に示すように、開先加工をした各フランジ部3の外側面と、ウェブ部4の他側面の突合せ部分5を溶接する。図3(b)、図4(b)中のw1が溶接部分である。このとき、先に固定した補強材2a、2bが、溶接用裏当て材として機能し、溶融金属が裏側から漏れ出ることがなくなる。突合せ部分5が全て溶接されて固定されると、2本のH型鋼1a、1bの連結が完了する。
なお、各工程は上記の順には限られず、先に、突き合わせた2本のH型鋼1a、1bの突合せ部分5を溶接し、その後に補強材2a、2bを配置して溶接することもできる。
【0012】
(その他の実施形態)
本発明のH型鋼溶接継手構造の補強材の位置、数、形状等は、前記実施形態1に示すものには限られず、少なくとも、各フランジ部の一側面と、ウェブ部の一側面の突合せ部分の一方又は双方に、両H型鋼に跨がせて宛がわれていれば、任意の位置、数、形状とすることができる。また、各補強材の寸法は、連結して形成した1本のH型鋼の強度が、もとのH型鋼の強度と同じかそれ以上となるようにすれば、任意の寸法とすることができる。例えば、以下に示す図5(a)(b)〜図34(a)(b)に示す各種位置、数、形状とすることができる。
【0013】
図5(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で6枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、ウェブ部4の両側面に補強材2bを宛がった点で、前記実施形態1記載のH型鋼溶接継手構造とは異なるが、補強材2a、2bの形状は、前記実施形態1記載のものと共通する。
【0014】
図6(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の両側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で7枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、フランジ部3の両面に補強材2aを宛がった点で、前記実施形態1記載のH型鋼溶接継手構造とは異なるものである。また、各フランジ部3の外側面の補強材2aは、フランジ部3の幅とほぼ同じ幅の一枚の幅広の板状部材としてある。
【0015】
図7(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の両側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で8枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。各フランジ部3の外側面の補強材2aは、一枚の幅の広い板状部材としてある。このH型鋼溶接継手構造は、ウェブ部4の両側面に補強材2bを宛がった点で、前記図6(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造とは異なるが、補強材2a、2bの形状は、前記図6(a)(b)に示すものと共通する。
【0016】
図8(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、細長の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で5本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造では、各補強材2a、2bはH型鋼1a、1bの突合せ部分5の一部にのみ宛がわれている点が前記実施形態1とは異なる。
【0017】
図9(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、細長の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の外側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で5本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、フランジ部3の補強材2aが、各フランジ部3の外側面に宛がわれている点で図8(a)(b)に示すものとは異なる。宛がわれている補強材2a、2bは図8(a)(b)に示すものと共通する。
【0018】
図10(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、細長の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の両側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で10本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。また、各フランジ部3、ウェブ部4の補強材2a、2bは、一側面の補強材2a(2b)と他側面の補強材2a(2b)とが対応した位置に配置されている。このH型鋼溶接継手構造は、補強材2a、2bが、各フランジ部3及びウェブ部4の両側面に宛がわれている点で図8(a)(b)に示すものとは異なる。宛がわれている補強材2a、2bは図8(a)(b)に示すものと共通する。
【0019】
図11(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、細長の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の両側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で6本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。また、各フランジ部3、ウェブ部4の補強材2a、2bは、一側面の補強材2a(2b)と他側面の補強材2a(2b)とが左右対称の位置に宛がわれている。このH型鋼溶接継手構造は、補強材2a、2bの配置が、図8(a)(b)に示すものとは異なるが、宛がわれている補強材2a、2bは図8(a)(b)に示すものと共通する。
【0020】
図12(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、細長の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で5本、夫々突合せ部分5と斜めに交わるように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、補強材2a、2bの配置が、図8(a)(b)に示すものとは異なるが、宛がわれている補強材2a、2bは図8(a)(b)に示すものと共通する。補強材2a、2bは、幅広のものとすることもできる。
【0021】
図13(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、H型鋼を被覆可能なカバー状に一体成形された補強材2を、H型鋼1a、1bの突合せ部分5を被覆して備えるものである。このH型鋼溶接継手構造における補強材2は、H型鋼1a、1bと同じ素材の鋼材を、H型鋼1a、1bを挿通可能な開口部を開口したH型の筒型に成形したものである。
【0022】
図14(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、三角形の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の外側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で4枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。ウェブ部4の両側面の各補強材2bは、底辺の位置が夫々逆になるように配置されている。図に示す補強材2a、2bは、略正三角形であるが、補強材2の形状は、正三角形には限られず、任意の三角形とすることができる。
【0023】
図15(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、円形の板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の外側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で4枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。図に示す補強材2a、2bは、略真円形であるが、補強材2の形状は、真円形には限られず、楕円形等、任意の円形とすることができる。
【0024】
図16(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材2a、2bとして、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で7本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造では、図に示すように、ウェブ部4の一側面には補強材2bが2本、他側面には補強材2bが1本宛がわれている。補強材2bの本数は、ウェブ部4の一側面と他側面とで同じとすることもできる。このH型鋼溶接継手構造の補強材2a、2bには、廃材となった棒状の鉄筋等を利用することも可能である。
【0025】
図17(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、L字型の鋼材を補強材2として、各フランジ部3の内側面の突合せ部分5に、全部で4本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造においても、前記実施形態1記載のH型鋼溶接継手構造のように、ウェブ部4にも補強材2を宛がうことができる。このH型鋼溶接継手構造の補強材2a、2bには、廃材となったL字型の鋼材等を利用することも可能である。
【0026】
図18(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、コ字型の鋼材を補強材2として、各フランジ部3の内側面の突合せ部分5に、全部で4本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造においても、前記実施形態1記載のH型鋼溶接継手構造のように、ウェブ部4にも補強材2を宛がうことができる。このH型鋼溶接継手構造の補強材2a、2bには、廃材となったコ字型の鋼材等を利用することも可能である。
【0027】
図19(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、板状の補強材2a、2bが、各フランジ部3の外側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で3枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。図に示すように、フランジ部3の外側面に配置された補強材2aは、フランジ部3の幅とほぼ同じ幅の一枚の幅広の板状部材としてある。このH型鋼溶接継手構造は、フランジ部3の内側面に補強材2aを備えていない点で、前記図6(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造とは異なるが、他の部分は共通し、補強材2a、2bの形状も共通する。
【0028】
図20(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材2a、2bとして、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両側面の突合せ部分5に、全部で6本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造では、ウェブ部4の補強材2bは、一側面の補強材2bと他側面の補強材2bとが対応した位置に宛がわれている。このH型鋼溶接継手構造は、棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材2a、2bとして用いる点では、前記図16(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造と共通するが、一側面の補強材2bと他側面の補強材2bとが対応した位置に宛がわれている点において異なる。
【0029】
図21(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、パイプ状の補強材2を、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の双方に接触させて、全部で4本、夫々突合せ部分5と直交するように宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造では、1本の補強材2で、フランジ部3とウェブ部4の双方を溶接できるようにしてある。
【0030】
図22(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、三角形の板状の補強材2を、ウェブ部4の両側面に二枚ずつ、全部で4枚、夫々突合せ部分5を覆うように宛がったものである。このH型鋼溶接継手構造は、2枚の三角形の板状の補強材2を組み合わせて突合せ部分を覆っている点が、図14(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造と異なる。
【0031】
図23(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材2として、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の双方に接触させて4本、更に、ウェブ部4の両側面に2本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材2として用いている点は前記図16、図20に示すものと共通するが、いずれの補強材2もウェブ部4に宛がわれている点で、図16、図20に示すものとは異なる。
【0032】
図24(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、角鋼を補強材2a、2bとして、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で5本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、補強材2a、2bに角鋼を用いた点で、前記実施形態1記載のH型鋼溶接継手構造とは異なるが、補強材2a、2bの配置は、前記実施形態1記載のものと共通する。
【0033】
図25(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、三角形の板状の補強材2を、ウェブ部4の両面に一枚ずつ、全部で2枚、夫々突合せ部分5を覆うように宛がったものである。このH型鋼溶接継手構造は、フランジ部3に補強材を備えない点が、図14(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造と異なる。
【0034】
図26(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、等辺山形鋼を補強材2として、等辺山形鋼の両端部が各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両方の突合せ部分5に接触させて、全部で2本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造では、1本の補強材2で、フランジ部3とウェブ部4の双方を溶接できるようにしてある。
【0035】
図27(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、等辺山形鋼を補強材2として、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両方に接触させて、全部で4本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造も、1本の補強材2で、フランジ部3とウェブ部4の双方を溶接できるようにしてある。このH型鋼溶接継手構造では、補強材2は等辺山形鋼には限られず、任意の山形鋼とすることができる。
【0036】
図28(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、角パイプを補強材2a、2bとして、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の一側面の突合せ部分5に、全部で5本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造は、補強材2a、2bに角パイプを用いた点で、前記実施形態1記載のH型鋼溶接継手構造とは異なるが、補強材2a、2bの配置は、前記実施形態1記載のものと共通する。
【0037】
図29(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、板状の補強材2を斜めにして、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両方に接触させて、全部で4枚、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造も、1枚の補強材2で、フランジ部3とウェブ部4の双方を溶接できるようにしてある。このH型鋼溶接継手構造では、補強材2は図に示すような直板には限られず、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両方に接触させられれば、曲板であってもよく、任意の形状の板材とすることができる。
【0038】
図30(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、上下のフランジ部3の間隙に適合する幅の板状の補強材2を、上下のフランジ部3間に嵌入させて、全部で2枚、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造の補強材2には、上下のフランジ部3間の間隙と同じ幅の幅広の板状部材が用いられている。
【0039】
図31(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、板状の鋼材を曲げて成形した補強材2を、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両方に接触させて、全部で4枚、夫々突合せ部分5を覆うように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造も、1枚の補強材2で、フランジ部3とウェブ部4の双方を溶接できるようにしてある。補強材1は、図27(a)に示すように、角の丸い溶接不足部6を避けて配置できるように板状の鋼材を曲げて角の丸い略L字型に成形されている。
【0040】
図32(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、面取り加工を施して成形した補強材2を、各フランジ部3の内側面の突合せ部分5に、全部で4本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造においても、ウェブ部4にも補強材2を備えることができる。
【0041】
図33(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、面取り加工を施して成形した補強材2を、各フランジ部3の内側面と、ウェブ部4の両方に接触させて、全部で4本、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造も、1本の補強材2で、フランジ部3とウェブ部4の双方を溶接できるようにしてある。補強材2は、図27(a)に示すように、角の丸い溶接不足部6を避けて宛がうことができるように、角鋼の角の一つを溶接不足部6に適当する形状に削る面取り加工を施して成形されている。
【0042】
図34(a)(b)に示すH型鋼溶接継手構造は、上下のフランジ部3の間隙に適合する幅のコ字状の補強材2を、上下のフランジ部3間に嵌入させて、全部で2枚、夫々突合せ部分5と直交するように、両H型鋼1a、1bに跨がせて宛がわれたものである。このH型鋼溶接継手構造の補強材2には、上下のフランジ部3間の間隙と同じ幅の幅広の板状部材が用いられている。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のH型鋼溶接継手構造は、H型鋼には限られず、I型鋼、コ字型鋼等、他の形状の鋼材の連結にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の一例を示す斜視図。
【図2】(a)は、図1に示すH型鋼溶接継手構造を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図3】(a)は、H型鋼のフランジ部の溶接前の様子を示す側面説明図。(b)は、(a)に示すH型鋼のフランジ部の溶接の様子を示す側面説明図。(c)は、H型鋼と補強材の隅肉溶接の様子を示す側面説明図。
【図4】(a)は、H型鋼のフランジ部の溶接前の様子を示す側面説明図。(b)は、(a)に示すH型鋼のフランジ部の溶接の様子を示す側面説明図。(c)は、H型鋼と補強材の隅肉溶接の様子を示す側面説明図。
【図5】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(ウェブ部の両側面に補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図6】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(フランジ部の両側面に補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図7】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(フランジ部及びウェブ部の両側面に補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図8】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(突合せ部に直交するように補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図9】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(突合せ部に直交するように補強材を宛がったもの、且つフランジ部の外側面に補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図10】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(突合せ部に直交するように補強材を宛がったもの、且つフランジ部の両側面に補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図11】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(一側面の補強材と他側面の補強材とが左右対称の位置に宛がわれたもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図12】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(補強材を、突合せ部に斜めに宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図13】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(H型鋼を被覆可能なカバー状に一体成形された補強材で突合せ部分5を被覆したもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図14】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(三角形の板状の補強材をフランジ部及びウェブ部に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図15】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(円形の板状の補強材をフランジ部及びウェブ部に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図16】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材として、各フランジ部の内側面と、ウェブ部の両側面に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図17】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(L字型の鋼材を補強材として各フランジ部に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図18】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(コ字型の鋼材を補強材として各フランジ部に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図19】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(フランジ部の外側面とウェブ部の一側面とに補強材を宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図20】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材とし、両側面のウェブ部の補強材を対応する位置に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図21】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(パイプ状の補強材を、フランジ部とウェブ部の双方に接触させたもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図22】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(三角形の板状の補強材を組み合わせてフランジ部に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図23】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(棒状の鉄筋又は丸鋼を補強材とし、いずれの補強材もウェブ部に宛がわれているもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図24】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(補強材が角鋼であるもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図25】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(三角形の板状の補強材をフランジ部にのみ宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図26】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(補強材が等辺山形鋼であるもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図27】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(補強材が等辺山形鋼であり、夫々がフランジ部とウェブ部の双方に接触するもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図28】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(補強材が角パイプであるもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図29】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(補強材が板状部材であり、夫々がフランジ部とウェブ部の双方に接触するもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図30】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(板状の補強材を上下のフランジ部間に嵌入させたもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図31】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(板状の鋼材を曲げて成形した補強材を、フランジ部とウェブ部の両方に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図32】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(面取り加工を施して成形した補強材を各フランジ部に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図33】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(面取り加工を施して成形した補強材をフランジ部とウェブ部の両方に宛がったもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図34】(a)は、本発明のH型鋼溶接継手構造の実施形態の他の一例(コ字型の補強材を上下のフランジ部間に嵌入させたもの)を示す正面図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す側面図。
【図35】(a)は、従来のH型鋼溶接継手構造を示す斜視図。(b)は、(a)に示すH型鋼溶接継手構造を示す正面図。
【符号の説明】
【0045】
1a、1b H型鋼
2a、2b 補強材
3 フランジ部
4 ウェブ部
5 突合せ部分
6 R状連結部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部同士を突き合わせた2本のH型鋼のフランジ部及びウェブ部の突合せ部分の内側と外側のいずれか一方又は双方に、鋼材による補強材を両H型鋼に跨がせて宛がい、その突合せ部分の一部又は全部を溶接し、補強材の外周縁と補強材を宛がったフランジ部とウェブ部の一方又は双方とを溶接したことを特徴とするH型鋼溶接継手構造。
【請求項2】
請求項1記載のH型鋼溶接継手構造において、補強材がH型鋼の突合せ部分の全長又は一部に宛がわれたことを特徴とするH型鋼溶接継手構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のH型鋼溶接継手構造において、補強材がH型鋼の突合せ部分のフランジ部とウェブ部との双方に宛がわれたことを特徴とするH型鋼溶接継手構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のH型鋼溶接継手構造において、宛がう補強材が、突合せ部分の溶接用裏当て材と兼用であることを特徴とするH型鋼溶接継手構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のH型鋼溶接継手構造において、フランジ部に宛がわれた補強材の曲げ抵抗力をRN、その補強材の外周の溶接部の曲げ抵抗力をRwN、H型鋼材のフランジ部とウェブ部のR状連結部(溶接不足部)の曲げ抵抗力をN、ウェブ部4に宛がわれた補強材自体のせん断抵抗力をRS、その補強材の外周の溶接部のせん断抵抗力をRwS、R状連結部のせん断抵抗力をSとしたとき、これらが次の1〜4の全ての条件を満たすことを特徴とするH型鋼溶接継手構造。
1.RN>N
2.RwN>N
3.RS>S
4.RwS>S



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−51522(P2006−51522A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234876(P2004−234876)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(304037256)株式会社奥戸金属 (1)
【Fターム(参考)】