説明

H形鋼の疵検出方法及び装置

【課題】搬送されているH形鋼の表面疵を高精度に検出を行うことができるH形鋼の疵検出装置を提供する。
【解決手段】 カメラ5U,5Lが撮影する撮影画像にハレーションが発生するように、照明装置4U,5Lは、H形鋼1のフランジ3及びウェブ2に向けて光を照射する。疵検出部10は、カメラ5U,5Lが撮影した撮影画像のデータと、形状データ部11が記憶しているH形鋼の形状データに基づいて、ウェブ2の特定位置を被検査領域として算出し、その被検査領域の濃淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正し、補正した前記被検査領域の濃淡撮影画像データを二値データに変換するとともに、その二値データのうち黒色データが所定値以上の面積を有している場合に、表面欠陥であると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、H形鋼の製造工程、検査工程などにおいて、被検査領域に存在する表面欠陥を検出するH形鋼の疵検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造工程の搬送ライン上を移動しているH形鋼の表面に発生した表面欠陥を検出する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
この特許文献1の技術は、熱間状態で移動しているH形鋼の表面から発する輻射光を光学的に測定して2次元輝度画像データを生成し、この2次元輝度画像データに基づいて2次元温度データを生成し、この2次元温度データに基づいて前記形鋼の表面に発生した疵を検出する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−279161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、熱間状態で移動しているH形鋼の表面疵を検出する場合には、H形鋼の周囲に発生するヒュームが外乱となって高精度の2次元輝度画像データを得ることが難しい。このため、搬送されているH形鋼の表面疵を自動検出することが難しい。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、搬送されているH形鋼の表面疵を高精度に検出を行うことができるH形鋼の疵検出方法及び装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載のH形鋼の疵検出方法は、冷間状態で搬送されているH形鋼のフランジ及びウェブを撮影した撮影画像データに基づいて、前記H形鋼の被検査領域に存在する表面欠陥を検出するH形鋼の疵検出方法であって、前記撮影画像にハレーションが発生するように、前記フランジ及び前記ウェブに光を照射し続け、前記撮影画像データ及び予め記憶されている前記H形鋼の形状データに基づいて、前記ウェブの特定位置を前記被検査領域として算出する被検査領域算出工程と、前記被検査領域の濃淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正し、補正した前記被検査領域の濃淡撮影画像データを二値データに変換するフィルター処理工程と、前記二値データのうち黒色データが所定値以上の面積を有している場合に表面欠陥であることを判定する疵認識工程と、を備えている。
この発明によると、冷間状態で搬送されているH形鋼の表面欠陥を検出しているので、熱間状態で搬送されているH形鋼の表面欠陥を検出する従来の方法と比較してヒューム等の外乱が発生せず、撮影画像にハレーションが発生するように、フランジ及びウェブに光を照射し続けているので、撮影画像データを高精度に得ることができる。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、前記被検査領域算出工程が、前記撮影画像データから前記フランジの垂面の位置を算出し、前記H形鋼の形状データから前記フランジの形状寸法を読み込み、前記フランジの垂面の位置及び前記フランジの形状寸法に基づいて前記撮影画像データのウェブ及びフランジの間の接合部の形状寸法を算出し、前記接合部の形状寸法に基づいて、前記ウェブの特定位置を前記被検査領域として算出する。
この発明によると、比較的に光の反射率が安定しているフランジの垂面を撮影画像データから算出し、これに基づいてウェブの被検査領域を設定しているので、H形鋼が蛇行した状態で搬送されていても、ウェブの被検査領域を確実に設定することができる。
【0007】
一方、請求項3記載のH形鋼の疵検出装置は、H形鋼のフランジ及びウェブに光を照射する照明装置と、この照明装置が光を照射した領域を撮影するカメラとを有し、前記カメラが撮影した撮影画像データに基づいて前記H形鋼の被検査領域に存在する表面欠陥を検出するH形鋼の疵検出装置であって、前記照明装置は、前記撮影画像にハレーションが発生するように前記フランジ及び前記ウェブに光を照射しているとともに、前記被検査領域の濃淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正し、補正した前記被検査領域の濃淡撮影画像データを二値データに変換するフィルター処理手段と、前記二値データのうち黒色データが所定値以上の面積を有している場合に表面欠陥であることを判定する疵認識手段と、を備えている。
この発明によると、搬送されているH形鋼の表面の撮影画像データを高精度に得ることができ、H形鋼の表面欠陥を自動的に検出することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るH形鋼の疵検出方法及び装置によれば、冷間状態で搬送されているH形鋼の表面欠陥を検出し、撮影画像にハレーションが発生するようにフランジ及びウェブに光を照射し続けているので、H形鋼の表面欠陥を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るH形鋼の表面欠陥を検出する装置のブロック図である。
【図2】H形鋼の表面欠陥を検出する装置をH形鋼の進行方向から示した図である。
【図3】H形鋼の表面欠陥を検出する装置を構成するカメラと照明装置の配置を示した図である。
【図4】疵検出部が行う疵検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】H形鋼の表面を撮影するカメラ及び撮影画像データを示す図である。
【図6】撮影画像データに基づいてフランジの垂面の位置を算出する方法を示す図である。
【図7】接合部の位置を算出する方法を示す図である。
【図8】不感帯を設定する方法を示す図である。
【図9】被検査領域を設定する方法を示す図である。
【図10】撮影画像データの被検査領域内に黒色データの大きな集合体と多数の点(濃淡変化によるかげ)が存在している状態を示す図である。
【図11】図10の撮影画像データから被検査領域内の濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正する処理を行った状態を示す図である。
【図12】図11の撮影画像データから二値データに変換した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、冷間状態である精製ラインで搬送されているH形鋼1の表面欠陥を検出する疵検出装置を示すブロック図、図2は、H形鋼1の搬送方向から疵検出装置を示した横断面概略である。
図1に示すように、H形鋼1は、ウェブ2を水平にし、一対のフランジ3が上下方向に延在するように配置され、矢印A方向の長手方向に搬送されている。
本実施形態の疵検出装置は、図1及び図2(a)に示すように、ウェブ2の上方にウェブ2の幅方向に離間して配置された2対の照明装置4U及びカメラ5Uと、ウェブ2の下方に配置されてウェブ2の幅方向に離間して配置された2対の照明装置4L及びカメラ5Lと、画像処理部6とを備えている。なお、カメラ5U,5Lは、エリアカメラで構成されている。
【0011】
図3に示すように、ウェブ2の上方に配置されている照明装置4Uは、照射軸4Sが鉛直線に対して搬送方向の下流側に所定の角度θだけ傾けて配置されている。また、ウェブ2の上方に配置されているカメラ5Uは、照明装置4Uから照射される光によってカメラ5Uが撮影した撮影画像にハレーションが発生するように、撮影軸5Sが鉛直線に対して搬送方向の上流側に前述した角度θだけ傾けて配置されている。そして、この一対の照明装置4U及びカメラ5Uに幅方向に離間して配置されている他の一対の照明装置4U及びカメラ5Uも同様の構成とされている。
【0012】
また、ウェブ2の下方に配置されている照明装置4Lは、照射軸4Sが鉛直線に対して搬送方向の上流側に所定の角度θだけ傾けて配置されている。また、ウェブ2の下方に配置されているカメラ5Lは、照明装置4Lから照射される光によってカメラ5Lが撮影した撮影画像にハレーションが発生するように、撮影軸5Sが鉛直線に対して搬送方向の下流側に前述した角度θだけ傾けて配置されている。そして、この一対の照明装置4L及びカメラ5Lに幅方向に離間して配置されている他の一対の照明装置4L及びカメラ5Lも同様の構成とされている。
【0013】
また、各対の照明装置4U及びカメラ5U及び照明装置4L及びカメラ5Lは、図1の符号7,8で示す昇降機構により昇降自在とされている。すなわち、精製ラインで搬送されてくるH形鋼1のウェブ2の高さ、フランジ3の幅は様々であり、H形鋼1の形状が変化しても、各対の照明装置4U及びカメラ5U及び照明装置4L及びカメラ5Lを昇降機構7,8が昇降させることで、照明装置4U,4Lから照射される光によってカメラ5U,5Lが撮影した撮影画像にハレーションが発生するようにしている。
【0014】
ウェブ2の上面或いは下面には、冷却工程や洗浄工程などの水を使用した処理によって、水滴が付着している場合がある。撮影画像にハレーションを発生させないで撮影した場合、この水滴を疵と誤検知するおそれがある。これは、照射した光が水滴によって乱反射し、そのために見かけ上のコントラスト差が生まれることで、誤検知の要因になるからである。本実施形態では、上記ハレーションを発生させることで、上記のような疵と誤検知されるような水滴をマスキングして、より精度よく目的とする疵だけを検知可能となる。
【0015】
そして、ウェブ面の幅、すなわち、一対のフランジ3間の距離の大きなH形鋼1の場合には、図2(a)に示すように、ウェブ2の上方に配置した2台のカメラ5Uが撮影したウェブ2の上面及び一対のフランジの上部の撮影画像データと、ウェブ2の下方に配置した2台のカメラ5Lが撮影した撮影したウェブ2の下面及び一対のフランジの下部の撮像画像データを画像処理部6に送信する。
また、図2(b)に示すように、ウェブ面の幅が小さいH形鋼1の場合には、ウェブ2の上方に配置した1台のカメラ5Uが撮影したウェブ2の上面及び一対のフランジの上部の撮影画像データと、ウェブ2の下方に配置した1台のカメラ5Lが撮影したウェブ2の下面及び一対のフランジの下部の撮像画像データを画像処理部6に送信する。
【0016】
画像処理部6は、画像取込部9、疵検出部10及び形状データ部11とを備えている。
画像取込部9は、H形鋼1のウェブ面の幅が大きな場合には、ウェブ2の上方に配置した2台のカメラ5Uが撮影したウェブ2の上面及び一対のフランジの上部の撮影画像データと、ウェブ2の下方に配置した2台のカメラ5Lが撮影した撮影したウェブ2の下面及び一対のフランジの下部の撮像画像データを、予め設定した画像取込周期で取得して、記憶部(不図示)に記憶する。一方、H形鋼1のウェブ面の幅が小さい場合には、ウェブ2の上方に配置した1台のカメラ5Uが撮影したウェブ2の上面及び一対のフランジの上部の撮影画像データと、ウェブ2の下方に配置した1台のカメラ5Lが撮影した撮影したウェブ2の下面及び一対のフランジの下部の撮像画像データを、予め設定した画像取込周期で取得して記憶部に記憶する。ここで、画像取込周期は、例えば、H形鋼1が100mm搬送される周期である。
【0017】
形状データ部11は、疵検出が行われているH形鋼1のフランジ3のフランジ幅、フランジ厚さ等の情報が記憶されている。
疵検出部10は、画像取込部9の記憶部から順次撮影画像データを読み込み、図4のフローチャートに示す疵検出処理を行う。
疵検出部10が行う疵検出処理は、先ず、ステップST1において被検査領域算出処理を行う。次いで、ステップST2に移行してフィルター処理を行う。次いで、ステップST3に移行して面積判定処理を行う。最後に、ステップST4に移行して結果出力処理を行う。
【0018】
図4のステップST1で示した被検査領域算出処理の詳細について、図5から図9を参照して説明する。
図5(a)は、H形鋼1のウェブ2の上面及び一対のフランジを撮影する一対のカメラ5U,5Uと、ウェブ2の下面及び一対のフランジを撮影する一対のカメラ5L,5Lを示すものである。図5(a)に示すようにウェブ面の幅が大きいH形鋼1の疵検出を行う場合には、ウェブ2の上方に配置した一対のカメラ5U,5Uと、ウェブ2の下方に配置した一対のカメラ5L,5Lとを使用するが、ウェブ面の幅が小さいH形鋼1の疵検出を行う場合には、図2(b)に示すように、ウェブ2の上方に配置した一方のカメラ5Uと、ウェブ2の下方に配置した一方のカメラ5Lを使用する。
【0019】
また、図5(b)は、ウェブ2の上方に配置した一方(右側)のカメラ5Uが撮影した撮影画像データであり、背景12、右側のフランジ3の垂面13、フランジ3の内面14、フランジ3及びウェブ2の接合部15、ウェブ2の上面2aが撮影され、撮影画像データとして記憶部に記憶される。なお、図示しないが、ウェブ2の上方に配置した他方(左側)のカメラ5U、ウェブ2の下方に配置した一対のカメラ5L,5Lも、図5(b)に類似した撮影画像データが記憶部に記憶される。
【0020】
そして、ステップST1の被検査領域算出処理では、先ず、撮影画像データから右側のフランジ3の垂面13の位置を算出する(図6参照)。次いで、形状データ部11のH形鋼1のフランジ3のフランジ幅、フランジ厚さを読み込み、これらの値と、フランジ3の内面14と、右側のフランジ3の垂面13の位置とに基づいて接合部15を算出する(図7参照)。次いで、接合部15の近傍は表面の荒れやフランジ3により遮蔽されて照明装置4U,4Lが当たりにくいので、接合部15に対してウェブ2の上面2a側に所定幅Hの不感帯16を設定する(図8)。次いで、ウェブ2の上面2aの接合部15側に、不感帯16に重なり合わない位置に被検査領域17を設定する。
また、上述した被検査領域算出処理は、ウェブ2の上方に配置した他方(左側)のカメラ5U、ウェブ2の下方に配置した一対のカメラ5L,5Lが撮影した撮影画像データに対しても行う。
【0021】
次いで、図4のステップST2で示したフィルター処理の詳細について、図10から図12を参照して説明する。
図10は、ウェブ2の上方に配置した一方(右側)のカメラ5Uが撮影した濃淡の撮影画像データであり、被検査領域17内に黒色データの大きな集合体と、黒色データの多数の点が存在している。このうち、黒色データの多数の点は濃淡変化によるかげである。
フィルター処理では、先ず、被検査領域17内の濃淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正する濃淡補正を行う(図11参照))。次いで、補正した被検査領域17内の濃淡撮影画像データを二値データに変換する(図12参照)。
【0022】
また、上述したフィルター処理は、ウェブ2の上方に配置した他方(左側)のカメラ5U、ウェブ2の下方に配置した一対のカメラ5L,5Lが撮影した撮影画像データに設定した被検査領域17に対しても、同様の手順で行う。
また、ステップST3の面積判定処理では、図12の二値化処理データで得られた濃淡撮影画像データにおいて、被検査領域17内の黒色データ18の面積を算出する。
【0023】
そして、ステップST4の結果出力処理では、図12の被検査領域17内の黒色データ18が、所定値以上の面積を有している場合には、上位コンピュータに伝送、或いは画像出力、あるいはプリンタ出力により「表面欠陥」であることを表示する。
また、上述した面積判定処理及び結果出力処理、ウェブ2の上方に配置した他方(左側)のカメラ5U、ウェブ2の下方に配置した一対のカメラ5L,5Lが撮影した撮影画像データに設定した被検査領域17に存在する黒色データに対しても、同様の手順で行う。
ここで、本実施形態の図4で示したステップST1の被検査領域算出処理が、本発明の被検査領域算出工程に対応し、図4で示したステップST2のフィルター処理が、本発明のフィルター処理工程に対応し、図4で示したステップST3の面積判定処理及びステップST4の結果出力処理が、本発明の疵認識工程に対応している。
【0024】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態は、冷間状態で搬送されているH形鋼1の表面欠陥を検出しているので、熱間状態で搬送されているH形鋼の表面欠陥を検出する従来の方法と比較してヒューム等の外乱が発生せず、撮影画像データを高精度に得ることができる。
また、ウェブ2の上方に配置した一対の照明装置4U,4Uと、ウェブ2の下方に配置した一対の照明装置4L,4Lは、各照明装置に対応する一対のカメラ5U,5U、一対のカメラ5L,5Lが撮影する撮影画像にハレーションが発生するようにH形鋼1を照射しているので、さらに撮影画像データを高精度に得ることができる。
【0025】
また、疵検出処理の被検査領域算出処理では、先ず、比較的に光の反射率が安定しているフランジ3の垂面12を撮影画像データから算出し、これに基づいてウェブ2の上面及び下面の被検査領域17を設定しているので、H形鋼1が蛇行した状態で搬送されていても、ウェブ2の被検査領域17を確実に設定することができる。
さらに、ウェブ2の被検査領域17は、被検査領域17内の淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正する濃淡補正を行い、補正した被検査領域17内の濃淡撮影画像データを二値データに変換しているので、照度のバラツキやウェブ2の上面及び下面の反射率変動の影響を抑制し、高精度に被検査領域17内の表面欠陥を検出することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…H形鋼、2…ウェブ、2a…ウェブの上面、3…フランジ、4U,4L…照明装置、5U,5L…カメラ、6…画像処理部、7,8…昇降機構、9…画像取込部、10…疵検出部、11…形状データ部、12…背景、13…垂面、14…フランジの内面、15…ウェブ及びフランジの接合部、16…不感帯、17…被検査領域、18…黒色データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷間状態で搬送されているH形鋼のフランジ及びウェブを撮影した撮影画像データに基づいて、前記H形鋼の被検査領域に存在する表面欠陥を検出するH形鋼の疵検出方法であって、
前記撮影画像にハレーションが発生するように、前記フランジ及び前記ウェブに光を照射し続け、
前記撮影画像データ及び予め記憶されている前記H形鋼の形状データに基づいて、前記ウェブの特定位置を前記被検査領域として算出する被検査領域算出工程と、
前記被検査領域の濃淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正し、補正した前記被検査領域の濃淡撮影画像データを二値データに変換するフィルター処理工程と、
前記二値データのうち黒色データが所定値以上の面積を有している場合に表面欠陥であることを判定する疵認識工程と、を備えていることを特徴とするH形鋼の疵検出方法。
【請求項2】
前記被検査領域算出工程は、
前記撮影画像データから前記フランジの垂面の位置を算出し、
前記H形鋼の形状データから前記フランジの形状寸法を読み込み、
前記フランジの垂面の位置及び前記フランジの形状寸法に基づいて前記撮影画像データのウェブ及びフランジの間の接合部の形状寸法を算出し、
前記接合部の形状寸法に基づいて、前記ウェブの特定位置を前記被検査領域として算出することを特徴とする請求項1記載のH形鋼の疵検出方法。
【請求項3】
H形鋼のフランジ及びウェブに光を照射する照明装置と、この照明装置が光を照射した領域を撮影するカメラとを有し、前記カメラが撮影した撮影画像データに基づいて前記H形鋼の被検査領域に存在する表面欠陥を検出するH形鋼の疵検出装置であって、
前記照明装置は、前記撮影画像にハレーションが発生するように前記フランジ及び前記ウェブに光を照射しているとともに、
前記被検査領域の濃淡撮影画像データのうち濃淡変化が少ないデータを濃色及び淡色の一方に補正し、補正した前記被検査領域の濃淡撮影画像データを二値データに変換するフィルター処理手段と、
前記二値データのうち黒色データが所定値以上の面積を有している場合に表面欠陥であることを判定する疵認識手段と、を備えていることを特徴とするH形鋼の疵検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−113731(P2013−113731A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260551(P2011−260551)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】