説明

HCVインヒビター

【課題】抗ウイルス剤である化合物の提供。
【解決手段】HCVの複製を阻害し、それ故、C型肝炎感染を治療する式(I)で表される化合物を提供することによる。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、及びそれらの製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年6月30日に出願された米国仮特許出願第60/695,767号(この開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)の利益を請求する。
【0002】
連邦政府助成の研究または開発下になされた本発明に対する権利についての宣言
該当せず。
【0003】
コンパクトディスクで提出された「配列リスト」、表、またはコンピュータープログラムリストに対する言及
該当せず。
【背景技術】
【0004】
発明の分野
本発明は、HCV複製を阻害し、従ってC型肝炎を治療するのに有用な化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、及びこれらの製造方法に関する。
【0005】
技術の現状
C型肝炎ウイルス(HCV)は、(+)センス1本鎖RNAウイルスであり、世界中の非A非B肝炎の主要な原因である。HCVに感染した人のほとんどは慢性肝疾患を発症する。次にこの慢性C型肝炎感染は、重篤な肝疾患(例えば、肝硬変、肝細胞癌、及び死に至る週末肝疾患)を発症するリスクが高くなる。現在C型肝炎感染症は、インターフェロン注射またはペグ化インターフェロン、例えばPEG−Ingron(登録商標)及びPegasys(登録商標)単独で、またはRibavirinと併用して治療されている。しかしこれらの治療法は、重症の副作用(例えば、網膜症、甲状腺炎、急性膵臓炎、うつ病)を誘発する。従ってC型肝炎感染症の治療のための安全な経口薬剤に対するニーズがある。本発明はこのニーズと関連のニーズを満たすものである。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において本発明は、式(I):
【化1】

{式中、
Eは、−COCONR56、−COCF2CONR56、−COCF2C(O)OR5、−COCOR7、−COCF28、−COR9、−COCOOR10、−CONR1112、または−B(OR132であり、ここでR5、R6、R7、R9、R10、R11、R12、及び各R13は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルから独立に選択され、R8は、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、ここでE中の脂肪族、脂環式、及び芳香族基は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル、ハロ、又はシアノから独立に選択される1、2、又は3個のRaで随時置換され、さらにRa中の芳香環もしくは脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、又はカルボキシアルキルから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換され;そして、場合によりR5とR6及びR11とR12は、これらが結合している窒素と一緒に5〜7員環を形成することができ;
【0007】
1は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、R1中の脂肪族、脂環式、もしくは芳香族基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル、ハロ、又はシアノから独立に選択される1又は2個のRbで随時置換され、さらにRb中の芳香環もしくは脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、又はカルボキシアルキルから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換され;
【0008】
Xは、−O−、−NR14−、−S−、−SO−、又は−SO2−であり;
【0009】
3は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、ここでR3中の脂肪族、脂環式、及び芳香族基は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル、ハロ、又はシアノから独立に選択される1又は2個のRcで随時置換され、さらにここでRc中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、又はカルボキシアルキルから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換され;
【0010】
Yは、−C(O)NH−、−OC(O)NH−、−NR14−C(O)NH−、又は−NR14C(O)O−である。XとYのそれぞれについて、各R14は、存在する時は、水素、アルキル(ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、及びアリールで随時置換される)、ヘテロアリール又はヘテロシクリル(ハロおよびアルキルで随時置換される)から独立に選択され;
【0011】
2は、ヘテロアリール又は−CO−(縮合ヘテロシクリル)環であり、ここでヘテロアリールと縮合ヘテロシクリル環は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルチオ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、アミノ、一置換アミノ、又は二置換アミノから独立に選択される1、2、3、又は4個のRdで随時置換されるか、又はRdが隣接する炭素原子上にある時は、これらはこれらが結合している炭素原子と一緒に、窒素、酸素、イオウ、又は−SO2−から選択される1又は2個のヘテロ原子を含有する4、5、又は6員ヘテロシクリル環を形成し(ここで、ヘテロシクリル環は1又は2個のアルキルで随時置換される);及びさらに、Rd中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルオキシカルボニルアミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、又はウレイドから独立に選択される1、2、又は3個のReで随時置換され(ここでRe中のシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは1、2、又は3個のアルキルで随時置換される);そして
【0012】
4は、
(i)アルキル、ただし、Yが−OC(O)NH−、−NR14−C(O)NH−、又は−NR14C(O)O−であり、R2がヘテロアリールである時、少なくとも1つのRdは水素ではない;
(ii)シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキル、ただし、R2中のヘテロアリールと縮合ヘテロシクリル環は、少なくとも1つのヘテロアリール基で置換される;又は
(iii)アルキル、ただし、Yが−C(O)NH−又は−SO2NH−である時、R2中のヘテロアリールと縮合ヘテロシクリル環は、少なくとも1つのヘテロアリール基で置換される;
ここでR4中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル, ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、一置換アミノ、又は二置換アミノから独立に選択される1、2、又は3個のRfで随時置換され、ここでRf中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、一置換アミノ、二置換アミノ、又はアシルアミノから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換される。}の化合物、又は、その薬剤学的に許容される塩に関する。
【0013】
明確にするために、R4基へのY基の結合点は以下の:R4C(O)NH−、R4OC(O)NH−、R4NR14C(O)NH−、又はR4NR14C(O)O−である。
【0014】
第2の態様において本発明は、式(I)の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を、1または複数の薬剤学的に許容される賦形剤との混合物で含む医薬組成物に関する。
【0015】
第3の態様において本発明は、動物のC型肝炎を治療する方法であって、動物に、式(I)の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を、1または複数の薬剤学的に許容される賦形剤との混合物で含む医薬組成物の治療的有効量を投与することを含んでなる方法に関する。
【0016】
第4の態様において本発明は、式(I)の化合物の製造方法に関する。
【0017】
図面の簡単な説明
該当せず。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
特に明記しない場合は、明細書と請求の範囲で使用される以下の用語は、本出願の目的について定義され、以下の意味を有する。
【0019】
「脂環式」は、閉じた非芳香環構造(例えば、本明細書で定義されるシクロアルキル及びヘテロシクリル環)中の炭素原子の配列に特徴付けられる成分を意味する。
【0020】
「脂環式」は、本明細書で定義されるアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を意味する。
【0021】
「アルキル」自体は、特に明記しない場合は、1〜8個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族基を意味し、例えばアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどを含む。
【0022】
「アルキルカルボニルアミノ」は、−NHC(O)R基(ここでRは上記で定義したアルキル基である)を意味し、例えばメチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノなどである。
【0023】
「アルキレン」は、特に明記しない場合は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族の2価基を意味し、例えばメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、トリメチレン (−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、2−メチルテトラメチレン(−CH2CH(CH3)CH2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2CH2CH2CH2CH2−)などである。
【0024】
「アルケニル」は、2〜6個の炭素原子の線形の1価炭化水素基、又は1又は2個の2重結合を含有する3〜6個の炭素原子の分岐した1価炭化水素基を意味し、例えばエテニル, プロペニル(すべての異性体型を含む)、1- メチルプロペニル、ブテニル(すべての異性体型を含む)、又はペンテニル(すべての異性体型を含む)などである。
【0025】
「アルケニルオキシカルボニル」は、−C(O)OR基(ここでRは上記で定義したアルケニル基である)を意味し、例えば3−プロペン−1−イルオキシカルボニルなどである。
【0026】
「アルケニルアミノカルボニル」は−C(O)NHR基(ここでRは上記で定義したアルケニル基である)を意味し、例えば3−プロペン−1−イルアミノカルボニルなどである。
【0027】
「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子の線形の1価炭化水素基、又は1又は2個の3重結合を含有する3〜6個の炭素原子の分岐した1価炭化水素基を意味し、例えばエチニル, プロピニル(すべての異性体型を含む)、1- メチルプロピニル、ブチニル(すべての異性体型を含む)、又はペンチニル(すべての異性体型を含む)などである。
【0028】
「アルキニルオキシカルボニル」は、−C(O)OR基(ここでRは上記で定義したアルキニル基である)を意味し、例えば3−プロピン−1−イルオキシカルボニルなどである。
【0029】
「アルキルチオ」は、−SR基(ここでRは上記で定義したアルキルである)を意味し、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、又はブチルチオなどである。
【0030】
「アルキルスルホニル」は、−SO2R基(ここでRは上記で定義したアルキルである)を意味し、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニルなどである。
【0031】
「アルコキシ」は、−OR基(ここでRは上記で定義したアルキル基である)を意味し、例えばメトキシ、エトキシなどである。
【0032】
「アルコキシカルボニルアミノ」は、−NHC(O)OR基(ここでRは上記で定義したアルキル基である)を意味し、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノなどである。
【0033】
「アルコキシアルキル」は、1〜6個の炭素原子の線形の1価炭化水素基、又は、上記で定義した少なくとも1個のアルコキシ基、好ましくは1又は2個のアルコキシ基で置換された3〜6個の炭素原子の分岐した1価炭化水素基を意味し、例えば2−メトキシ−エチル、1−、2−、OR3−メトキシプロピル、2−エトキシエチルなどである。
【0034】
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)OR基(ここでRは上記で定義したアルキル基である)を意味し、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどである。
【0035】
「アミノ」は−NH2基を意味する。
【0036】
「アルキルアミノ」は、−NHR(ここでRは上記で定義したアルキルである)を意味し、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−、イソ−プロピルアミノ、n−、イソ−、tert−ブチルアミノなどである。
【0037】
「アミノアルキル」は、1〜6個の炭素原子の線形の1価炭化水素基、又は、少なくとも1個、好ましくは1又は2個の−NRR’(ここで本明細書で定義されるように、Rは、水素、アルキル、アシル, ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はヘテロシクリルアルキルであり、R’は、水素、アルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アミノカルボニル、又はアミノスルホニルである)で置換された3〜6個の炭素原子の分岐した1価炭化水素基を意味し、例えばアミノメチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、1,3−ジアミノプロピル、アセチルアミノプロピルなどである。
【0038】
「アシル」は、−COR基(ここでRは、本明細書で定義されるように、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル, アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はヘテロシクリルである)を意味し、例えばホルミル、アセチル, トリフルオロアセチル, ベンゾイル、ピペラジン−1−イルカルボニルなどである。Rがアルキルである時、これは本出願ではアルキルカルボニルである。Rがアリールである時、これは本出願ではアリールカルボニルである。Rがヘテロアリールである時、これは本出願ではヘテロアリールカルボニルである。Rがヘテロシクリルである時、これは本出願ではヘテロシクリルカルボニルである。
【0039】
「アシルアミノ」は、−NRCOR’基(ここで、本明細書で定義されるように、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル, アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はヘテロシクリルである)を意味し、例えばホルミル、アセチル, トリフルオロアセチル, ベンゾイル、ピペラジン−1−イルカルボニルなどである。
【0040】
「アミノカルボニル」は、−CONRR’(ここで、本明細書で定義されるように、RとR’は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はヘテロシクリルアルキルから独立に選択されるか、又はRとR’は、これらが結合している窒素原子とともに、ヘテロシクロアミノを生成する)を意味する。
【0041】
「アミノスルホニル」は、−SO2NRR’基(ここで、本明細書で定義されるように、RとR’は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はヘテロシクリルアルキルから独立に選択されるか、又はRとR’は、これらが結合している窒素原子とともに、ヘテロシクロアミノを生成する)を意味する。
【0042】
「動物」は、ヒト、非ヒト哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなど)、及び非哺乳動物(例えば、トリなど)を含む。
【0043】
「芳香族」は成分原子が不飽和環系を構成し、環系中のすべての原子はsp2混成であり、パイ電子の総数が4n+2に等しい残基を意味する。
【0044】
「アリール」は、6〜10個の炭素原子を含有する単環式又は縮合二環式環アセンブリー(ここで、各環は芳香族である)を意味し、例えば、フェニル又はナフチルである。
【0045】
「アリールオキシ」は、−O−R基(ここで、Rは上記で定義したアリールである)を意味し、例えばフェノキシ、ナフチルオキシなどである。
【0046】
「アリールオキシカルボニル」は、−C(O)OR基(ここで、Rは上記で定義したアリールである)を意味し、例えばフェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニルなどである。
【0047】
「アラルキル」は、−(アルキレン)−R−基(ここで、Rは上記で定義したアリールである)を意味し、例えばベンジル、フェネチルなどである。
【0048】
「アリールチオ」は、−SR基(ここで、Rは上記で定義したアリールである)を意味し、例えばフェネチルチオ又はナフチルチオである。
【0049】
「アリールスルホニル」は、−SO2R基(ここで、Rは上記で定義したアリールである)を意味し、例えばフェニルスルホニル又はナフチルスルホニルである。
【0050】
「カルボキシ」は、−COOH基を意味する。
【0051】
「カルボキシアルキル」は、少なくとも1個、好ましくは1又は2個の−C(O)OH基で置換された、上記で定義したアルキル基を意味し、例えばカルボキシメチル、カルボキシエチル、1−、2−、又は3−カルボキシプロピルなどである。
【0052】
「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含有する1価の飽和単環を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。
【0053】
「シクロアルキルアルキル」は、−(アルキレン)−R−基(ここでRは、上記で定義したシクロアルキルである)を意味し、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロブチルメチルなどである。
【0054】
「シクロアルキルオキシ」は、−OR基(ここでRは、上記で定義したシクロアルキルである)を意味し、例えばシクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどである。
【0055】
「シクロアルキルオキシカルボニルアミノ」は、−NHC(O)OR基(ここでRは、上記で定義したシクロアルキルである)を意味し、例えばシクロプロピルオキシカルボニルアミノ、シクロペンチルオキシカルボニルアミノなどである。
【0056】
「シクロアルキルアルコキシカルボニルアミノ」は、−NHC(O)OR基(ここでRは、上記で定義したシクロアルキルである)を意味し、例えばシクロプロピルメチルオキシカルボニルアミノ、シクロペンチルメチルオキシカルボニルアミノなどである。
【0057】
「疾患」は、具体的に動物又はその部分の不健康な状態を含み、その動物に行われる医学的治療又は獣医学的治療により引き起こされるか、又はそれに付随する不健康な状態、すなわちかかる治療の「副作用」を含む。
【0058】
「ジアルキルアミノ」は、基−NRR’(ここで、RとR’は、独立に本明細書で定義されるアルキルである)を意味し、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N,N−メチルプロピルアミノ、又はN,N−メチルエチルアミノなどである。
【0059】
「二置換アミノ」は、基−NRR’(ここで、RとR’は、本明細書で定義されるアルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルから独立に選択される)を意味し、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N,N−メチルプロピルアミノ、又はN,N−メチルエチルアミノ、メチルフェニルアミノなどである。ジアルキルアミノは二置換アミノのサブグループである。
【0060】
「縮合ヘテロシクリル」は、本明細書で定義されるアリール又はヘテロアリール環に縮合した本明細書で定義されるヘテロシクリル基を意味し、例えば23−ジヒドロイソインドール−1−イル,1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イルなどである。
【0061】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0062】
「ハロアルキル」は、1個またはそれ以上の、好ましくは1〜7個の、本出願で定義されるような「ハロ」により値計算された上記で定義したアルキルを意味する。ハロアルキルには、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ペルハロアルキルなどを意味し、例えばクロロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペルフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロ- 1 , 1 −ジクロロエチルなどである。
【0063】
「ハロアルコキシ」は、−OR(ここでRは、上記で定義したハロアルキル基である)を意味し、例えばトリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ジフルオロメトキシなどである。
【0064】
基としての又は基の一部としての「ヘテロアリール」は、1、2、又は3個の環原子が、窒素、酸素、又はイオウから選択され、残りの環原子が炭素である、5〜10個の環原子の芳香族単環成分又は二環成分を意味する。代表的ヘテロアリール環には、特に限定されないが、ピロリル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミダジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ピラゾリルなどである。
【0065】
「ヘテロアリールオキシ」は、−O−R基(ここでRは、上記で定義したヘテロアリールである)を意味し、例えば、フラニルオキシ、ピリジニルオキシ、インドリルオキシなどである。
【0066】
「ヘテロアリールオキシカルボニル」は、−C(O)O−R基(ここでRは、上記で定義したヘテロアリールである)を意味し、例えば、ピリジニルオキシカルボニル、ピリミジニルオキシカルボニルなどである。
【0067】
「ヘテロアラルキル」は、−(アルキレン)−R基(ここでRは、上記で定義したヘテロアリールである)を意味し、例えば、ピリジニルメチル、1−又は2−フラニルエチル、イミダゾリルメチルなどである。
【0068】
「ヘテロアラルキルオキシカルボニル」は、−C(O)O−R基(ここでRは、上記で定義したヘテロアラルキルである)を意味し、例えば、ピリジニルメチルオキシカルボニル、ピリミジニルメチルオキシカルボニルなどである。
【0069】
「ヘテロアリールチオ」は、−SR基(ここでRは、本明細書で定義されるヘテロアリールである)を意味し、例えばピリジニルチオ、フラニルチオ、チエニルチオなどである。
【0070】
「ヘテロアリールスルホニル」は、−SO2R(ここでRは、本明細書で定義されるヘテロアリールである)を意味し、例えばピリジニルスルホニル、チエニルスルホニルなどである。
【0071】
「ヘテロシクリル」は、4、5、6、又は7個の炭素環原子の飽和又は部分的飽和の単環式又は二環式基を意味し、ここで1つまたはそれ以上、好ましくは1、2、又は3個の環炭素原子は、−N=、−N−、−O−、−S−、−SO−、又は−S(O)2−から選択されるヘテロ原子により置換され、さらに1又は2個の環炭素原子はケト(−CO−)基により随時置換される。ヘテロシクリル環は、シクロアルキル、アリール、又は本明細書で定義されるヘテロアリール環に随時縮合される。代表例には、特に限定されないが、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−オキソ−テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソテトラチオ−ピラニル、インドリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、3,4−ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリルなどがある。ヘテロシクリル基が少なくとも1つの窒素環原子を含有する時、これは「ヘテロシクロアミノ」と呼ばれ、上記で定義したヘテロシクリル基のサブセットである。
【0072】
「ヘテロシクリルアルキル」は、−(アルキレン)−R基(ここでRは、上記で定義したヘテロシクリルである)を意味し、例えばピロリジニルメチル、テトラヒドロフラニルエチル、ピリジニルメチルピペリジニルメチルなどである。
【0073】
「ヘテロシクリルオキシカルボニル」は、−C(O)OR基(ここでRは、上記で定義したヘテロシクリルである)を意味し、例えばピペリジニルオキシカルボニル、テトラヒドロフラノキシカルボニルなどである。
【0074】
「ヘテロシクリルスルホニル」は、−SO2R基(ここでRは、上記で定義したヘテロシクリルである)を意味し、例えばピペリジン−1−イルスルホニル、ピロリジン−1−イルスルホニルなどである。
【0075】
「ヒドロキシ」は、−OH基を意味する。
【0076】
「ヒドロキシアルキル」は、1〜6個の炭素原子の線状1価炭化水素基、又は1又は2個のヒドロキシ基で置換された3〜6個の炭素原子の分岐した1価炭化水素基を意味し、ただし2つのヒドロキシ基が存在する場合、これらは同じ炭素原子上ではない。代表例には、特に限定されないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピル、好ましくは2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、及び1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルがある。
【0077】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、これらの原子の結合性もしくは配列又はこれらの原子の空間的配置が異なる式(I)の化合物を意味する。原子の空間的配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。互いの鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、重ね合わせられない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」又は時に「光学異性体」と呼ばれる。4つの同一ではない置換基に結合した炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。キラル性が反対の2つのエナンチオマー型を有する1つのキラル中心を有する化合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。2つ以上のキラル中心を有する化合物は2n−1個のエナンチオマー対を有し、ここで、nはキラル中心の数である。3つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオ異性体として存在するか又はジアステレオ異性体の混合物(「ジアステレオ異性体混合物」と呼ばれる)として存在する。1つのキラル中心が存在する場合は、立体異性体はそのキラル中心の絶対配置により特徴付けられる。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間中の配置を示す。エナンチオマーは、そのキラル中心の絶対配置により特徴付けられ、Chan、Ingold、及びPrelogのR−とS−配列決定規則により記載される。立体異性体の命名法の慣習、立体化学の決定方法、及び立体異性体の分離法は、当該分野で公知である(例えば、「Advanced Organic Chemistry」、第4版、3月、Jerry、John Wily and Sons、ニューヨーク、1992を参照)。本出願で式(I)の化合物を記載するために使用される名前と例示は、すべての可能な立体異性体を包含する。
【0078】
「一置換アミノ」は、基−NHR(ここでRは、本明細書で定義されるアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルから選択される)を意味し、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノなどである。
【0079】
「随時」又は「場合により」又は「かも知れない」は、以後に記載されるイベント又は状況が起きるかも知れないし起きないかも知れないことを意味し、この記載は、イベント又は状況が起きる場合とこれが起きない場合とを含む。例えば「Ra中の芳香環は、アルキルから独立に選択される1又は2個の置換基で随時置換される」は、本発明の範囲内に入るために、芳香環がアルキルで置換されてもされなくてもよいことを意味する。
【0080】
本発明はまた、式(I)の化合物のN−オキシド誘導体を含む。N−オキシド誘導体は、窒素原子が酸化状態(すなわちN→O)である(例えば、ピリジンN−オキシド)であり、所望の薬理活性を有する式(I)の化合物を意味する。
【0081】
ある疾患の「病理」は、その疾患の基本的性質、原因及び発症、ならびに疾患が進行するにつれて生じる構造的及び機能的変化を意味する。
【0082】
「薬剤学的に許容される」は、一般的に安全、非毒性で、かつ生物学的又はそれ以外でも好ましくないことはない医薬組成物の製造に有用であり、ヒトでの薬剤学的用途とともに獣医学的にも許容されるものを含むことを意味する。
【0083】
「薬剤学的に許容される塩」は、上記で定義した薬剤学的に許容され、所望の薬理活性を有する式(I)の化合物の塩を意味する。かかる塩には、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など);又は有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプタン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、4級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸など)と、形成される酸付加塩がある。
【0084】
薬剤学的に許容される塩はまた、存在する酸性プロトンが無機又は有機塩基に反応できる時に形成される塩基付加塩を含む。許容される無機塩基には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化カルシウムがある。許容される有機塩基には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどがある。
【0085】
本発明はまた、式(I)の化合物のプロドラッグを含む。プロドラッグは、代謝手段(例えば加水分解)によりインビボで式(I)の化合物に変換できる化合物を意味する。例えば、ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物のエステルは、加水分解によりインビボで親分子に変換可能である。あるいは、カルボキシ基を含有する式(I)の化合物のエステルは、加水分解によりインビボで親分子に変換可能である。ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物の適切なエステルは、例えば酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、酒石酸エステル、マロン酸エステル、シュウ酸エステル、サリチル酸エステル、プロピオン酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、メチレン−ビス−βb−ヒドロキシナフトエート酸エステル、ゲンチシン酸エステル、イセチオン酸エステル、ジ−p−ボルオイル酒石酸エステル、メチルスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、シクロヘキシルスルホン酸エステル、及びキニン酸エステルである。カルボキシ基を含有する式(I)の化合物の適切なエステルは、例えばLeinweber,F.J.,Drug Metab.Res.,1987,18,379頁に記載されたものである。ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物の特に有用なクラスのエステルは、Bundgaardら、J.Med.Chem.,1989,32,2503−2507頁に記載されたものから選択される酸成分から生成され、置換(アミノメチル)−ベンゾエート、例えばジアルキルアミノ−メチルベンゾエートがあり、ここで2つのアルキル基は互いに連結されているか、及び/又は酸素原子又は随時置換される窒素原子、例えばアルキル化窒素原子、さらに詳しくは(モルホリノ−メチル)ベンゾエート、例えば3−又は4−(モルホリノメチル)−ベンゾエート及び(4−アルキルピペラジン−1−イル)ベンゾエート、例えば3−又は4−(4−アルキルピペラジン−1−イル)ベンゾエートにより妨害される。式(I)の化合物を記載するための本出願で使用される名前と例示は、すべての可能なプロドラッグを含むことが企図される。
【0086】
「保護された誘導体」は、反応性部位が保護基によりブロックされている式(I)の化合物の誘導体を意味する。式(I)の化合物の保護された誘導体は式(I)の化合物の製造に有用であるか、又はそれ自体が活性のカテプシンSインヒビターでもよい。適切な保護基の包括的リストは、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wily and Sons、1999に記載されている。本出願で使用される名前と例示は、すべての可能な保護された誘導体を含むことが企図される。
【0087】
「治療的有効量」は、疾患を治療するために動物に投与された時、疾患の治療を行うのに充分である量を意味する。
【0088】
「治療」又は「治療する」は、本発明の化合物の投与を意味し、以下を含む:
(1)疾患の素因があるが、その疾患の病態をまだ経験しておらず又は症状を表していない動物で、その疾患が発生するのを予防する、
(2)その疾患の病態を経験しており症状を表している動物の疾患を阻害死(すなわち、病態及び/又は症状のさらなる進展を停止させる)、又は
(3)疾患の病態又は症状を経験しているか又は表している動物の疾患を改善する(すなわち、病態及び/又は症状を後退させる)。
【0089】
「ウレイド」は、基−NHCONRR’(ここでRは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルである)を意味する。
【0090】
好適な実施態様
本発明の要約に記載される最も広い範囲内にある式(I)のいくつかの化合物が好適である。例えば:
【0091】
A.式(I)の化合物の好適な基は以下のようなものである:
Eは、−COCONHR6であり、ここでR6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、又はヘテロアラルキル(ここで芳香環は、1又は2個のハロで随時置換される)であり、好ましくはR6は、シクロプロピル、−CH(CH3)R(ここでRは、フェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、又はピリジン−4−イルである)である。好ましくはR6はシクロプロピルである。
【0092】
B.式(I)の化合物の他の好適な基は以下のようなものである:
Eは、−COCOOR10であり、ここでR10は本発明の要約で定義されるものである。好ましくは、R10は−CH2C≡CH、−CH2CH=CH2、n−プロピル、2,2−ジメチルプロピル、カルボキシメチル、メトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、−CH2C(O)OCH2C≡CH、−CH2C(O)OCH2CH=CH2、−CH2C(O)O(CH22CH3、−CH2C(O)NH2、−CH2C(O)NHCH3、−CH2C(O)N(CH32、−CH2C(O)NHCH2CH=CH2、又は2−フェネチルである。
【0093】
(a)上記の好適な基AとB、及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Xは−O−である;
1は、アルコキシ、アルキルチオ又はアルキルスルホニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルで随時置換されたアルキル、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、プロペ−2−ニル、プロピ−2−ニル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、3−メチルブチル、シクロプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、メチルチオメチル、メチルスルホニルメチル,又はシクロブチルメチルである。さらに好ましくは、シクロブチルメチル、エチル、n−プロピル、又はn−ブチルである;及び
3は、アルキル、シクロアルキル、又はアリールであり、さらに好ましくは、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、フェニル、又はシクロヘキシルである。好ましくは、R3はtert−ブチル又はシクロヘキシルである。
【0094】
(1)基(A)、(B)、A(a)、及びB(a)及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Yは、−OC(O)NH−であり;R2は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキニル、アルキルチオ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、アミノ、一置換アミノ、又は二置換アミノから独立に選択される1、2、3、又は4個のRdで随時置換されたヘテロアリールであるか、又は2つのRdが隣接する炭素原子上にある時、これらは、これらが結合している炭素原子とともに、窒素、酸素、イオウ、又は−SO2−から選択される1又は2個のヘテロ原子を含有する4、5、又は6員のヘテロシクリル環を形成し;及びさらに、Rd中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルオキシカルボニルアミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、又はウレイドから独立に選択される、1価、2価、又は3価Reで随時置換され、ここでRe中のシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される;及び
4は、アルキル、好ましくはtert−ブチルメチルであるが、ただしRdの少なくとも1つは水素ではない。
【0095】
(i)好ましくは、R2は式(a):
【化2】

{式中、Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシ、又はアルキルスルホニルであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであるか;又は
d1とRd又はRd1とRd2は、これらが結合している炭素原子とともに、4,5,又は6原子のヘテロシクリル環を形成し(ここで、1又は2個の環原子は、酸素又は−N−で置換され、ヘテロシクリル環は、1又は2個のアルキルで随時置換される);
d3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、又は−NHCONRR’である(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル,又はシクロアルキルアルキルであり、ここでRd3中のシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)。}の基である。
【0096】
好ましくは、
d1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;そして
d3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ, ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で随時置換された式:
【化3】

の基である。
【0097】
さらに好ましくは、Rd3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ, ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で随時置換された式:
【化4】

の基である。
【0098】
さらに好ましくは、Rd3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ, ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で随時置換された:
【化5】

である。
【0099】
サブグループ(i)のさらに別の好適な実施態様において、Rd3はシクロアルキル、さらに好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチル、さらに好ましくはシクロプロピルである。残りの基Rd、Rd1、及びRd2は、式(a)について記載した意味を有する。
【0100】
上記好適な基において、化合物のより好適な基は以下のものである:
d1は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチル(n−プロピル)アミノ、及びメチル(イソプロピル)アミノであり;さらに好ましくは、水素、ヒドロキシル;メトキシ、又はジメチルアミノ、さらに好ましくはメトキシである。あるいは、さらに好ましくは水素である;
dとRd2は、独立に水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチニル、メトキシ、エトキシ,メチルチオ、又はメチルスルホニルである。さらに詳しくは、Rdは水素、エチニル、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、メチルチオ、又はメチルスルホニルであり、Rd2は水素である。
【0101】
最も好ましくは、Rd1はメトキシであり、Rdは水素又はメチル、フルオロ,クロロ、又はメトキシであり、及びRd2は水素である。
【0102】
(ii)好ましくは、R2は以下の式:
【化6】

(ここで、ZaとZbは、独立に−O−又は−NH−(ここでRで置換することができる)、好ましくはZaとZbは−O−である;
Rはアルキル、好ましくはメチルである;
d2は水素又はメチル、好ましくは水素である;及び
d3は、すぐ前のサブグループ(i)について定義したものである)の基である。
【0103】
(iii)好ましくはR2は以下の式:
【化7】

(ここで、ZaとZbは、独立に−O−又は−NH−(ここでRで置換することができる)、好ましくはZaとZbは−O−である;
Rはアルキル、好ましくはメチルである;
d2は水素又はメチル、好ましくは水素である;及び
d3は、すぐ前のサブグループ(i)について定義したものである)の基である。
【0104】
(iv)好ましくは、R2は、以下の式(b):
【化8】

(ここで
d1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシ、又はアルキルスルホニルであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであるか;又は
d1とRd又はRd1とRd2は、これらが結合している炭素原子とともに、4、5、又は6原子のヘテロシクリル環(ここで、1つまたは2つの環原子は酸素又は−N−で置換され、ヘテロシクリル環は1つまたは2つのアルキルで随時置換される)を形成し;
d3は、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルである)の基である。
【0105】
好ましくは
d1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;及び
d3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルである。
【0106】
上記好適な基において、化合物のより好適な基は以下のものである:
d1は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチル(n−プロピル)アミノ、及びメチル(イソプロピル)アミノであり;さらに好ましくは、水素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、又はジメチルアミノ、さらに好ましくはメトキシ又はエトキシである;及び
dとRd2は、独立に水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチニル、メトキシ、エトキシ,メチルチオ、又はメチルスルホニルであり;さらに好ましくはRdは、水素、エチニル、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、メチルチオ、又はメチルスルホニルであり、Rd2は水素である。
【0107】
最も好ましくは、Rd1はメトキシ又はエトキシであり、Rdは水素、又はメチル、フルオロ,クロロ、又はメトキシであり、及びRd2は水素である。
【0108】
上記(i)〜(iii)の基及びそこに含有されるより好適な基において、化合物のより好適な基は、Rd3環が、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、2,2,ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、及びシクロヘキシルメチルで随時置換されるものであり、ここで各シクロアルキル及びシクロアルキルアルキル環は、メチル又はエチルから独立に選択される1〜3個の置換基、好ましくはメチルで随時置換される。
【0109】
上記(i)〜(iii)の基及びそこに含有されるより好適な基において、化合物のより好適な基は、Rd3環が、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1−メチルエチルアミノ、1,1−ジメチルエチルアミノ、2−メチルプロピルアミノ、1−メチルプロピルアミノ、2,2−ジメチルプロピルアミノ、1,2−ジメチルプロピルアミノ、1,1−ジメチルプロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノ、シクロヘキシルメチルアミノ、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、1−メチルエチルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルエチルカルボニルアミノ、2−メチルプロピルカルボニルアミノ、1−メチルプロピルカルボニルアミノ、2,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、1,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロプロピルメチルカルボニルアミノ、シクロブチルメチルカルボニルアミノ、シクロペンチルメチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチルカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、1−メチルエトキシカルボニルアミノ、1,1−ジメチル−エトキシカルボニルアミノ、2−メチルプロポキシカルボニルアミノ、1−メチルプロポキシカルボニルアミノ、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルアミノ、1,2−ジメチルプロポキシカルボニルアミノ、又は1,1−ジメチルプロポキシ−カルボニルアミノで随時置換されるものである。
【0110】
(2)(A)、(B)、A(a)、及びB(a)の基及びそこに含有されるより好適な基において、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Yは−NHC(O)NH−であり、R2は上記の好適な実施態様(1)で定義したもの(その好適なサブグループを含む)であり、R4はアルキル、好ましくはtert−ブチルである。
【0111】
(3)(A)、(B)、A(a)、及びB(a)の基及びそこに含有されるより好適な基において、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Yは−NHC(O)NH−であり、R2は上記の好適な実施態様(1)で定義したもの(その好適なサブグループを含む)であるが、ただしRd3はヘテロアリール環であり、R4は本発明の要約で定義されるものであり、好ましくはアルキル、さらに好ましくはtert−ブチルである。
【0112】
(4)(A)、(B)、A(a)、及びB(a)の基、及びそこに含有されるより好適な基において、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Yは−NHC(O)NH−であり、R2は−CO−(縮合ヘテロシクリル)[ここで縮合ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、一置換アミノ、又は二置換アミノ(ここで、Rd中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、一置換アミノ、二置換アミノ、又はアシルアミノから独立に選択される1、2、又は3個のReで随時置換される)から独立に選択される1、2、又は3個のRdで随時置換される]であり;かつ、R4はアルキルである。好ましくはR2は、すぐ前に記載した1、2、又は3個のRdで置換された2,3−ジヒドロイソインドール−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−l−イルである。
【0113】
(5)(A)、(B)、A(a)、及びB(a)の基、及び含有されるより好適な基において、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Yは−NHC(O)NH−であり、R2は−CO−(縮合ヘテロシクリル)[ここで縮合ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、一置換アミノ、又は二置換アミノ(ここで、Rd中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、一置換アミノ、二置換アミノ、又はアシルアミノから独立に選択される1、2、又は3個のReで随時置換される)から独立に選択される1、2、又は3個のRdで随時置換される]であり;かつ、R4はアルキルである。好ましくはR2は、すぐ前に記載した1、2、又は3個のRdで置換された2,3−ジヒドロイソインドール−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−l−イルである。
【0114】
(C)式(I)の化合物のさらに別の好適な基は、R2が以下の式(a)の基:
【化9】

{式中、Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシ、又はアルキルスルホニルであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであるか;又は
d1とRd又はRd1とRd2は、これらが結合している炭素原子とともに、4,5,又は6−原子ヘテロシクリル環を形成し、ここで1又は2個の環原子は、酸素又は−N−で置換され、ヘテロシクリル環は、1又は2個のアルキルで随時置換され;
d3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’で随時置換されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり、ここでRは、水素又はアルキルであり、かつR’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキル(ここで、シクロアルキルとシクロアルキルアルキルは1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)である。}のものである。
【0115】
(i)好ましくは、Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;及び
d3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、かつR’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で置換された式:
【化10】

の基である。
【0116】
さらに好ましくはRd3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、かつR’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で置換された式:
【化11】

の基である。
【0117】
さらに好ましくは、Rd3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、かつR’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で置換された式:
【化12】

の基である。
【0118】
上記の好適な基内で、化合物のより好適な基は以下:Rd1は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチル(n−プロピル)アミノ、及びメチル(イソプロピル)アミノであり;さらに好ましくは、水素 ヒドロキシル;メトキシ、又はジメチルアミノ、さらに好ましくはメトキシである。あるいは、さらに好ましくは水素であり;
dとRd2は、独立に、フルオロ、クロロ、メチル、エチニル、メトキシ、エトキシ、チオメチル、又はメチルスルホニルである。さらに好ましくは、Rdは、水素、エチニル、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、メチルチオ、又はメチルスルホニルであり、及びRd2は水素であるといったものである。
【0119】
最も好ましくは、Rd1はメトキシであり、Rdは水素、又はメチル、フルオロ、クロロ、又はメトキシであり、及びRd2は水素である。
【0120】
(ii)好ましくは、R2は、以下の式:
【化13】

の基であり、
ここで、ZaとZbは、独立に−O−又は−NH−であり、ここでHは、R好ましくは−O−により置換することができ;
Rは、アルキル好ましくはメチルであり;
d2は、水素又はメチル、好ましくは水素であり;そして
d3は、すぐ前でサブグループ(i)について定義したものである。
【0121】
(iii)好ましくは、R2は、以下の式:
【化14】

の基であり、
aとZbは、独立に−O−又は−NH−であり、ここでHは、R好ましくは−O−により置換することができ;
Rは、アルキル好ましくはメチルであり;
d2は、水素又はメチル、好ましくは水素であり;そして
d3は、すぐ前でサブグループ(i)について定義したものである。
【0122】
上記の基(i)−(iii)及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は、Rd3環が、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、2,2,ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルエチル、及びシクロヘキシルエチル(該シクロアルキルとシクロアルキルアルキル環のそれぞれは、メチル又はエチルから独立に選択される1〜3個の置換基、好ましくはメチルで随時置換される)であるものである。
【0123】
上記の基(i)−(iii)及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は、Rd3環が、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1−メチルエチルアミノ、1,1−ジメチルエチルアミノ、2−メチルプロピルアミノ、1−メチルプロピルアミノ、2,2−ジメチルプロピルアミノ、1,2−ジメチルプロピルアミノ、1,1−ジメチルプロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノ、シクロヘキシルメチルアミノ、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、1−メチルエチルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルエチルカルボニルアミノ、2−メチルプロピルカルボニルアミノ、1−メチルプロピルカルボニルアミノ、2,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、1,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロプロピルメチルカルボニルアミノ、シクロブチルメチルカルボニルアミノ、シクロペンチルメチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチルカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、1−メチルエトキシカルボニルアミノ、1,1−ジメチル−エトキシカルボニルアミノ、2−メチルプロポキシカルボニルアミノ、1−メチルプロポキシカルボニルアミノ、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルアミノ、1,2−ジメチルプロポキシlカルボニルアミノ、又は1,1−ジメチルプロポキシ−カルボニルアミノで随時置換されたものである。
【0124】
(1)(C)の基及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Xは−O−であり;
1は、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニル、アルケニル、アルキニル、又はシクロアルキルアルキル、好ましくはアルキル又はシクロアルキルアルキル、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、プロプ−2−エニル、プロピン−2−イル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、3−メチルブチル、シクロプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、メチルチオメチル、メチルスルホニルメチル、又はシクロブチルメチルで随時置換されたアルキルであり;そして
3は、アルキル、アリール、又はシクロアルキル、好ましくは1−メチルエチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、フェニル、又はシクロヘキシルである。好ましくはR3は、tert−ブチル又はシクロヘキシルである。
【0125】
(1)(C)の基とC(1)の基及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Eは−COCONHR6であり、ここでR6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、又はヘテロアラルキル(ここで芳香環は、1又は2個のハロで随時置換される)であり、好ましくはR6は、シクロプロピル、−CH(CH3)R(ここでRは、フェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、又はピリジン−4−イルである)である。好ましくは、R6はシクロプロピルである。
【0126】
(b)(C)の基とC(1)の基及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Eは−COCOOR10であり、ここでR10は、本発明の要約で定義されるものである。好ましくはR10は、−CH2C≡CH、−CH2CH=CH2、n−プロピル、2,2−ジメチルプロピル、カルボキシメチル、メトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、−CH2C(O)OCH2C≡CH、−CH2C(O)OCH2CH=CH2、−CH2C(O)O(CH22CH3、−CH2C(O)NH2、−CH2C(O)NHCH3、−CH2C(O)N(CH32、−CH2C(O)NHCH2CH=CH2、又は2−フェネチルエチルである。
【0127】
(D)式(I)の化合物のさらに別の好適な基は、R2が式(b)の基であるものである:
【化15】

ここで、
d1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシ、又はアルキルスルホニルであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであるか;又は
d1とRd又はRd1とRd2は、これらが結合している炭素原子とともに、4,5,又は6−原子ヘテロシクリル環を形成し、ここで1又は2個の環原子は、酸素又は−N−で置換され、ヘテロシクリル環は、1又は2個のアルキルで随時置換され;
d3は、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルである。
【0128】
(i)好ましくは、Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;そして
d3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルである。
【0129】
上記の好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
d1は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチル(n−プロピル)アミノ及びメチル(イソプロピル)アミノであり;さらに好ましくは、水素、ヒドロキシル;メトキシ、又はジメチルアミノ、さらに好ましくはメトキシである。あるいは、さらに好ましくは水素であり;
dとRd2は、独立に、フルオロ、クロロ、メチル、エチニル、メトキシ、エトキシ、チオメチル、又はメチルスルホニルである。さらに好ましくはRdは、水素、エチニル、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、メチルチオ、又はメチルスルホニルであり、かつRd2は水素である。
【0130】
最も好ましくは、Rd1はメトキシであり、Rdは、水素、又はメチル、フルオロ、クロロ、又はメトキシであり、かつRd2は水素である。
【0131】
(1)上記の好適な(D)の基及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Xは−O−であり;
1は、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニル、アルケニル、アルキニル、又はシクロアルキルアルキル、好ましくはアルキル又はシクロアルキルアルキル、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、プロプ−2−エニル、プロピン−2−イル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、3−メチルブチル、シクロプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、メチルチオメチル、メチルスルホニルメチル、又はシクロブチルメチルで随時置換されたアルキルであり;そして
3は、アルキル、アリール、又はシクロアルキル、好ましくは1−メチルエチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、フェニル、又はシクロヘキシルである。好ましくはR3は、tert−ブチル又はシクロヘキシルである。
【0132】
(a)(D)の基とD(1)の基及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Eは−COCONHR6であり、ここでR6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、又はヘテロアラルキル(ここで芳香環は、1又は2個のハロで随時置換される)であり、好ましくはR6は、シクロプロピル、−CH(CH3)R(ここでRは、フェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、又はピリジン−4−イルである)である。好ましくは、R6はシクロプロピルである。
【0133】
(b)(D)の基とD(1)の基及びそこに含有されるより好適な基内で、化合物のより好適な基は以下のようなものである:
Eは−COCOOR10であり、ここでR10は、本発明の要約で定義されるものである。好ましくはR10は、−CH2C≡CH、−CH2CH=CH2、n−プロピル、2,2−ジメチルプロピル、カルボキシメチル、メトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、−CH2C(O)OCH2C≡CH、−CH2C(O)OCH2CH=CH2、−CH2C(O)O(CH22CH3、−CH2C(O)NH2、−CH2C(O)NHCH3、−CH2C(O)N(CH32、−CH2C(O)NHCH2CH=CH2、又は2−フェネチルエチルである。
【0134】
上記好適な実施態様への参照は、特に明記しない場合は、具体的な及び好適な基のすべての組合せを含むことに注意されたい。
【0135】
一般的合成スキーム
本発明の化合物は、後述の反応スキームに記載される方法により作成することができる。
【0136】
これらの化合物を調製するのに使用される出発物質と試薬は、例えばAldrich Chemical Co.(Milwaukee、Wis.)、Bachem(Torrance、Calif)、又はSigma(St.Louis、Mo.)のような販売業者から入手できるか、又は例えばFieserとFieser’s Reagents for Organic Synthesis、第1−17巻(John Wiley and Sons, 1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、第1−5巻、及び増刊(Elsevier Science Publishers、1989);Organic Reactions、第1−40巻(John Wiley and Sons、1991)、March’s Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons、第4版)、及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.、1989)のような文献に記載された当該分野で公知の方法を使用して調製される。これらのスキームは、本発明の化合物を合成できるいくつかの方法を単に例示するものであり、これらのスキームの種々の修飾が可能であり、本開示を参照すれば当業者が想到し得るであろう。
【0137】
反応の出発物質や中間体は、所望であれば従来法(特に限定されないが、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどがある)を使用して単離し精製することができる。かかる物質は、従来法(物理的接触及びスペクトルデータを含む)を使用して特徴付けられる。
【0138】
特に明記しない場合は、本明細書に記載の反応は、大気圧下で約−78℃〜約150℃、さらに好ましくは約0℃〜約125℃の温度範囲、最も好ましくはほぼ室温(又は周囲温度)、例えば20℃で行われる。
【0139】
後述の反応において、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、又はカルボキシ基)を、これらが最終生成物で必要な場合は、反応への不要な参加を避けるために、保護することが好ましいことがある。従来の保護基は、標準的方法に従って使用され、例えばT.W.Greene and P.G.M. Wutsの”Protective Groups in Organic Chemistry”、John Wiley and Sons、1999を参照されたい。
【0140】
Yが−OC(O)NH−であり、Eが−COCONR56であり、X、R1、R2、R3、及びR4が本発明の要約で定義したものである式(I)の化合物は、以下の反応スキーム1のように進めることにより調製することができる。
【化16】

【0141】
式1のピロリドン化合物(ここでPGは適切なカルボキシ保護基、好ましくはアルキルであり、XはR2である)中のアミノ保護基PG1(例えば、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなど)の脱保護は、本発明の要約で定義されるように、式2の化合物を与える。アミノ保護基用に使用される反応条件は、保護基の性質に依存する。例えばPG1がt−ブトキシカルボニルである場合、これは、有機溶媒(例えばジオキサン、テトラヒドロフランなど)中の酸(例えば塩酸)を用いて1を処理することにより除去される。窒素保護基を付加したり除去するための反応条件を有する他の適切な窒素保護基は、Greene,T.W.and Wuts、P.G.M.;Protecting Groups in Organic Synthesis;John Wiley & Sons,Inc.1999に記載されている。式1の化合物は、当該分野で公知の方法により調製することができる。そのような方法のいくつかは、US2003191067、US6608027、US6268207、US6404397、US6268207、及びWO2005/028501に記載されている(これらの開示内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0142】
結合反応条件下で化合物2を式3のアミノ酸(ここでR3は本発明の要約で定義されるものである)で処理すると、Yが−O−C(O)NH−でありR4がアルキルである式4の化合物を与える。この反応は、適切な結合剤、例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(R))、O−ベンゾトリアゾール−l−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−l−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、又は1,3−ジシクロヘキシル−カルボジイミド(DCC)の存在下で、随時1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBT)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンなどの存在下で行われる。反応は典型的には、20〜30℃、好ましくは約25℃で行われる。適切な反応溶媒は、ハロゲン化有機溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルムなど)、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エーテル性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの不活性有機溶媒、又はこれらの混合物である。式3のアミノ酸は市販されているか、又は当該分野で公知の方法により調製することができる。
【0143】
水性塩基性加水分解反応条件下で化合物4(PG=アルキル)中のエステル基を加水分解すると、式5の化合物が得られる。反応は典型的には、アルコール水溶液(例えばメタノール、エタノールなど)中の炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどと行われる。
【0144】
化合物5を式6のα−ヒドロキシアミノカルボキサミドで上記のペプチド反応条件下で処理すると、式7の化合物が得られる。式6の化合物は、当該分野で公知の方法(その一部は、詳細に後述の実施例、参考文献AとBに記載されている)により調製することができる。化合物6はまた、化合物17(その合成は後述のスキーム3に記載されている)から調製することができる。簡単に説明するとアミノ基の適切な保護(例えばt−Bocカルバメートとして)の後に、化合物17のエステル基は、塩基性加水分解反応条件下で除去されて、対応するα−ヒドロキシ酸を生成する。酸を式NHR55のアミンで結合条件下で処理し、次にアミン保護基の酸加水分解を行うと、式6の化合物が得られる。
【0145】
あるいは、上記結合工程は、まず5を活性酸誘導体(例えば、酸ハロゲン化物、スクシニミドなど)に変換し、次にこれを式6のα−ヒドロキシケトアミドと反応させる。この反応で使用した条件は、活性酸誘導体の性質に依存する。例えばこれが5の酸塩化物誘導体の場合、反応は適切な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)の存在下で行われる。適切な反応溶媒は極性有機溶媒、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、又はこれらの任意の適切な混合物である。化合物8中のヒドロキシ基を適切な酸化剤(例えば、Dess Martin Periodinane)で酸化すると、式(I)の化合物が得られる。
【0146】
Yが−NHC(O)NH−であり、Eが−COCONR56であり、X、R1、R2、R3、及びR4が発明の要約で定義したものである式(I)の化合物は、後述の反応スキーム2のように進めることにより調製することができる。
【化17】

【0147】
化合物4のBoc基を酸性加水分解反応条件下で除去すると、式9のアミノ化合物が得られ、これはアルキルイソシアネートとの反応により式10のウレイド化合物を与える。反応は、有機塩基(例えばトリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下で適切な有機溶媒(例えばジクロロメタンなど)中で行われる。ウレイド化合物はまた、化合物9とカルバモイルハロゲン化物との反応のような、他の当該分野で公知の方法により調製することができる。次に化合物10は、上記スキーム1に記載のように進めることにより式(I)の化合物に変換される。次にR4がアルキル以外である式(I)の化合物は、アルキルイソシアネートの代わりにアリール−、ヘテロアリール−、又はアラルキル−イソシアネート又はカルバモイルハロゲン化物を使用することにより調製することができる。
【0148】
同様にYが−CONH−又は−SO2NH−である式(I)の化合物は、化合物9に式R4COLのアシル化剤を、それぞれ当該分野で公知の条件下で反応させることにより調製することができる。
【0149】
あるいは式(I)の化合物は、化合物4から酸性保護基を脱保護して対応する酸を得ることにより調製することができる。酸はα−ヒドロキシ基アミノカルボキサミド6と反応され、次に生じる生成物中のBoc[アルキルOC(O)−]基を除去することにより、遊離のアミノ化合物が得られる。アミノ化合物にアルキルイソシアネート又はカルバモイルハロゲン化物を反応させると化合物12が得られ、これは次に、上記したようにヒドロキシル基の酸化により式(I)の化合物に変換される。
【0150】
Eが−COCOOR10であり、X、Y、R1、R2、R3、R4、及びR10が発明の要約で定義したものである式(I)の化合物は、後述の反応スキーム3のように進めることにより調製することができる。
【化18】

【0151】
式13のN−Boc−保護アミノ酸化合物をN,O−ジメチルアミンで当該分野で公知の条件下で処理すると、式14のWeinrebアミド化合物が得られる。式13の化合物は、市販のアミノ酸からt−ブトキシカルボニル無水物を用いて当該分野で公知の条件下で調製することができる。化合物14を適切な有機溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中の適切な還元剤(例えば、水素化リチウムアルミニウム)で処理すると、式15の対応するアルデヒドが得られる。化合物15をアセトンシアンヒドリンで処理すると化合物16が得られ、これは次に、式R10OH(ここでR10は発明の要約で定義されるものである)のヒドロキシル化合物中で酸ハロゲン化物と反応させて、式17のアルファヒドロキシルエステル化合物が得られる。
【0152】
化合物17を式5の化合物を用いて、上記したようにペプチド結合条件下で処理して、次に生じた生成物中のヒドロキシル基の酸化により、式(I)の化合物(ここで、Yは−OC(O)NH−であり、R4はアルキルである)が得られる。式(I)の化合物(ここでYは−OC(O)NH−であり、R4はアルキルである)は、YとR4が上記の発明の要約で定義したものである他の式(I)の化合物に変換することができる。
【0153】
Eが−CONR1112であり、X、Y、R1、R2、R3、R4、R11及びR12が発明の要約で定義したものである式(I)の化合物は、後述の反応スキーム4のように進めることにより調製することができる。
【化19】

【0154】
化合物13を式NHR1112のアミンを用いて上記の結合反応条件下で処理すると、式18の化合物が得られる。酸性加水分解条件下でBoc基を除去すると化合物19が得られ、これは上記したように、次に式(I)の化合物に変換される。
【0155】
Eが−COR9であり、X、Y、R1、R2、R3、R4、及びR9が発明の要約で定義したものである式(I)の化合物は、後述の反応スキーム5のように進めることにより調製することができる。
【化20】

【0156】
式15の化合物をそれぞれ式R9Li又はR9MgXの有機リチウム又はグリニャール試薬(ここでR9は、発明の要約で定義されるものである)で処理すると、式20の化合物が得られる。反応は典型的には低反応温度(例えば−78℃)で有機溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中で行われる。Boc基を除去すると化合物21が得られ、これを化合物5と上記の結合反応条件下で反応させると、式22の化合物が得られる。次にヒドロキシル基を酸化すると、式(I)の化合物(ここでYは−OC(O)NH−であり、R4はアルキルである)が得られる。式(I)の化合物(ここでYとR4は、発明の要約で定義される他の基である)は上記したように調製することができる。
【0157】
Eが−CHOであり、X、Y、R1、R2、R3、R4、及びR8が発明の要約で定義したものである式(I)の化合物は、後述の反応スキーム6のように進めることにより調製することができる。
【化21】

【0158】
化合物23のアミノ保護基を酸性加水分解反応条件下で除去し、次に生じるアミノ化合物に式5の化合物を結合させると式24の化合物が得られる。次に化合物24を上記方法A又はBに示すように進めて、式(I)の化合物に変換する(ここでEは−CHOである)。
【0159】
方法Aでは、塩基性加水分解反応条件下でのエステル基の加水分解により、式25の化合物が得られ、これを式26のWeinrebアミドに変換する。適切な還元剤(例えば水素化リチウムアルミニウム)により26中のアミド基を還元すると、式(I)の化合物(ここでEは−CHOであり、Yは−OC(O)NH−である)が得られる。
【0160】
あるいは化合物24のエステル基を適切な還元剤(例えば水素化リチウムアルミニウム)で還元して、式27の対応するアルコールを得て、これを酸化剤で処理すると式(I)の化合物(ここでEは−CHOであり、Yは−OC(O)NH−である)が得られる。式(I)の化合物(ここでYは他の基である)は上記したように調製することができる。
【0161】
式(I)の化合物は式(I)の他の化合物に変換できる。
【0162】
ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物は、アルコキシ/ベンジルオキシ置換基の脱アルキル化/ベンジル化により調製される;酸性基を含有するものはエステル基の加水分解により;シアノを含有するものは対応する式(I)の化合物上の臭素原子の置換により。シアノ基を含有する式(I)の化合物は、シアノ基の加水分解により、対応するカルボキシ含有化合物に変換することができる。次にカルボキシ基はエステル基に変換することができる。
【0163】
式(I)の化合物は、化合物の遊離塩基型を薬剤学的に許容される無機酸又は有機酸と反応させることにより薬剤学的に許容される酸付加塩として調製することができる。あるいは式(I)の化合物の薬剤学的に許容される塩基付加塩は、化合物の遊離酸型を薬剤学的に許容される無機酸又は有機酸と反応させることにより調製することができる。式(I)の化合物の薬剤学的に許容される塩の調製に適した無機酸及び有機酸及び塩基は、本出願の定義の欄に記載されている。あるいは式(I)の化合物の塩型は、出発物質又は中間体の塩を使用して調製することができる。
【0164】
式(I)の化合物の遊離酸型又は遊離塩基型は、対応する塩基付加塩型又は酸付加塩型から調製することができる。例えば酸付加塩型の式(I)の化合物は、対応する塩基付加塩型又は酸付加塩型から調製することができる。例えば酸付加塩型の式(I)の化合物は、適切な塩基(例えば水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩型の式(I)の化合物は、適切な酸(例えば塩酸など)で処理することにより対応する遊離酸に変換することができる。
【0165】
式(I)の化合物のN−オキシドは、当業者に公知の方法により調製することができる。例えばN−オキシドは、式(I)の化合物の非酸化型を酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、メタ−クロロ過安息香酸など)で適切な不活性有機溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン)中で約0℃で処理することにより調製できる。あるいは式(I)の化合物N−オキシドは、適切な出発物質のN−オキシドから調製することができる。
【0166】
非酸化型の式(I)の化合物は、式(I)の化合物のN−オキシドから還元剤(例えば、イオウ、二酸化イオウ、トリフェニルホスフィン、水酸化リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、3塩化リン、3臭化物など)を用いて適切な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中で0〜80℃で処理することにより調製できる。
【0167】
式(I)の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に公知の方法により調製することができる(例えば、さらなる詳細についてはSaulnier et al.(1994),Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,第4巻、1985頁参照)。例えば適切なプロドラッグは、非誘導体型の式(I)の化合物に適切なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカーボンクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)を反応させることにより調製することができる。
【0168】
式(I)の化合物の保護誘導体は、当業者に公知の方法により作成することができる。保護基の作成とその除去に適用できる方法の詳細な説明は、T.W.Greene,Protecting Groups in Organic Synthesis,第3版、John Wiley & Sons,Inc.1999に記載されている。
【0169】
本発明の化合物は、本発明の方法中に溶媒和物(例えば水和物)として調製することが便利である。本発明の化合物の水和物は、水性/有機溶媒混合物から、ジオキサン、テトラヒドロフラン、又はメタノールのような有機溶媒を使用して再結晶化により調製することが便利である。
【0170】
式(I)の化合物は、明確な物性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有するジアステレオ異性体として調製することができ、これらの差を利用して容易に分離することができる。ジアステレオ異性体は、クロマトグラフィー、又は好ましくは、溶解度の差に基づく分離/分解法により分離することができる。次に光学的に純粋な異性体は、キラル中心のラセミ化を引き起こさない実際的手段により回収される。ラセミ混合物からのカーボネートの立体異性体の分離に適用できる方法のより詳細な説明は、Jean Jacques Andre Collet,Samuel H.Wilen,Enantiomers,Racemates and Resolutions,John Wiley & Sons,Inc.(1981)に記載されている。
【0171】
薬理と有用性
本発明の化合物は、C型肝炎ウイルス(HCV)複製のインヒビターであり、従ってC型肝炎感染を治療するのに有用である。式(I)の化合物の阻害活性は、当業者に公知の方法により測定することができる。本発明の化合物がHCV複製を阻害する能力を測定するための適切なインビトロ測定法は、後述の生物学的例1に記載されている。
【0172】
投与と医薬組成物
一般に式(I)の化合物は、治療的有効量で、当該分野で公知の通常の許容される任意の方法により、単独で又は1つまたはそれ以上の治療薬と組合せて投与される。治療的有効量は、疾患の重症度、対象の年齢と相対的健康、化合物の力価、及び他の要因により変化する。例えば、式(I)の化合物の治療的有効量は、1日当たり体重1結合につき約10マイクログラム(μg/kg)〜約100ミリグラム(mg/kg)、典型的には約100μg/kg/日〜約10μg/kg/日の範囲である。従って、80kgのヒト患者の治療的有効量は、約1mg/日〜約8g/日、典型的には約1mg/日〜約800mg/日である。一般に当業者は個人的情報及び本出願の開示から、ある疾患を治療するための式(I)の化合物の治療的有効量を確認できるであろう。
【0173】
式(I)の化合物は、医薬組成物として以下の経路の1つにより投与することができる:経口、全身性(例えば、経皮、鼻内、又は坐剤)又は非経口(例えば、筋肉内、静脈内、皮下)。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体、粉末、持続放出性製剤、溶液、懸濁物、エリキシル剤、エアゾル剤、又は他の適切なように適切な組成物の形を取ることができ、一般に少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤と組合せた式(I)の化合物からなる。許容される賦形剤は非毒性であり、投与を助け、酸味剤の治療効果に悪影響を与えないものである。かかる賦形剤は、任意の固体、液体、半固体、又はエアゾル組成物の場合のように、当業者が一般に利用できるガス状賦形剤でもよい。
【0174】
固体の薬学的賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルクなどがある。液体及び半固体賦形剤は、水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、及び種々の油、例えば石油、動物油、植物油、又は合成起源の油(例えば、ピーナツ油、ダイズ油、ミネラル油、ゴマ油など)がある。好適な液性担体には、特に注射溶液には、水、食塩水、水性ブドウ糖、及びグリコールがある。
【0175】
組成物中の式(I)の化合物の量は、製剤のタイプ、単位用量のサイズ、賦形剤の種類、及び薬剤科学分野の当業者に公知の他の要因に依存して大きく変化する。一般にある疾患を治療するための式(I)の化合物の組成物は、約0.01%W〜90%W、好ましくは5%W〜50%Wの活性成分を含み、残りは賦形剤である。好ましくは医薬組成物は、連続投与のために単一の単位用量剤型で、又は症状の軽減が必要な時の自由な単一の単位用量剤型で投与される。
【0176】
ある実施態様において式(I)の化合物は、治療の必要な患者に第2の抗ウイルス剤とともに投与することができる。適切な抗ウイルス剤の例は、インターフェロン、例えばIntronA、FoferonA、及びPEG化インターフェロン、例えばPEG−intron、Pegasys;Ribavirin、Viramidine、Levovirin;HCVポリメラーゼインヒビター、例えばValopicitabin、R1626(Roche)、HCV−796(Viropharma/Wyeth);及びtoll受容体アゴニスト、例えばANA−975(Anadys)である。さらに式(I)の化合物は、医師の処方に従い、第2抗ウイルス剤の投与の前又は後に投与することができる。
【0177】
本発明はさらに、特に限定されないが、本発明の式(I)の化合物の調製を例示する以下の例により例示される。
【実施例】
【0178】
参照A
[1S−(シクロプロピルカルバモイルヒドロキシメチル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの合成
【化22】

【0179】
工程1
ジクロロメタン(300mL)中のBoc−NVa−OH(25g,0.115モル)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(12.34g,0.127モル)、EDC(33.07g,0.173モル)、HOBt(22.9g,0.15モル)に、NMM(34.9g,0.35モル)を攪拌しながら30分間ゆっくり加えた。反応を室温で2時間放置し、次に2000mLの酢酸エチルで希釈し、NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ロトバップで溶媒を除去して、[1S−(メトキシメチルカルバモイル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(20g)を無色の油状物として得た。
【0180】
工程2
アルゴン下の−78℃の無水THF(100mL)中の[1S−(メトキシメチルカルバモイル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.2g,27.7ミリモル)の溶液に、LAH(THF中1M,27.7mL)をゆっくり加えた。2時間後、1N塩酸(20mL)をゆっくり加えて反応を停止させ、次に室温まで加温した。反応混合物を酢酸エチル(600mL)で希釈し、1N塩酸、水、及び食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去して(1S−ホルミルブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.8g)を油状物として得た。
【0181】
工程3
塩化メチレン(100mL)中のシクロプロピルイソニトリル(1.91g,28.5ミリモル)、(1S−ホルミルブチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.8g,19ミリモル)の溶液に、0℃で酢酸(2.28g,38ミリモル)を加えた。添加が完了後、反応混合物を25℃まで加温し、6時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、次に飽和NaHCO3溶液と食塩水(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去し、粗生成物を50mLの酢酸エチルとヘキサン(v/v=1/1)から結晶化させて、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1−シクロプロピルカルバモイルペンチルエステル(4.8g)を白色の固体として得た。
【0182】
工程4
メタノール(50mL)中の酢酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1−シクロプロピルカルバモイルペンチルエステル(4.8g,14.6ミリモル)の溶液に、室温でNaOH水溶液(1N,22mL)を加えた。2時間後、メタノールを除去し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去した後、粗生成物を100mLの酢酸エチルとヘキサン(v/v=3/1)から結晶化させて、標題化合物(3.5g)を白色の固体として得た。
【0183】
参照B
(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステルの合成
【化23】

【0184】
工程1
ジクロロメタン(200mL)中のBoc−L−シクロブチルアラニンDIPA(10.33g,30ミリモル)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(3.22g,33ミリモル)、EDC(8.63g,45ミリモル)、HOBt(5.52g,36ミリモル)に、NMM(9.11g,90ミリモル)を攪拌しながら30分間ゆっくり加えた。2時間後、反応混合物を酢酸エチル(1000mL)で希釈し、NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去して、[2−シクロブチル−1S−(メトキシメチルカルバモイル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.1g)を無色の油状物として得た。
【0185】
工程2
アルゴン下の−78℃の無水THF(100mL)中の[2−シクロブチル−1S−(メトキシメチルカルバモイル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.3g,15ミリモル)の溶液に、LAH(THF中1M,15mL,15ミリモル)をゆっくり加えた。2時間後、1N塩酸(15mL)をゆっくり加えて反応を停止させ、添加が完了後室温まで加温した。反応混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、1N塩酸、水、及び食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去して(2−シクロブチル−1S−ホルミルエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.95g)を油状物として得た。
【0186】
工程3
塩化メチレン(20mL)中のシクロプロピルイソニトリル(1.21g,18ミリモル)、(2−シクロブチル−1S−ホルミルエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.95g,13ミリモル)の溶液に、0℃で酢酸(1.56g,26ミリモル)を加えた。添加が完了後、反応混合物を25℃まで加温し、さらに4時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、次に飽和NaHCO3溶液と食塩水(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去し、粗生成物を50mLの酢酸エチルとヘキサン(v/v=1/1)から結晶化させて、2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロブチル−1−シクロプロピルカルバモイルプロピルエステル(3.8g)を白色の固体として得た。
【0187】
工程4
メタノール(50mL)中の酢酸2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロブチル−1−シクロプロピルカルバモイルプロピルエステル(3.8g,10.7ミリモル)の溶液に、室温でNaOH水溶液(1N,15mL)を加えた。2時間後、メタノールを除去し、濃縮物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去し、残渣を100mLの酢酸エチルとヘキサン(v/v=3/1)から結晶化させて、標題化合物(2.9g)を白色の固体として得た。
【0188】
実施例1
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−l−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド(7)の合成
【化24】

【0189】
工程1
0℃の無水THF(15mL)中の市販のN−tert−Boc−cis−4S−ヒドロキシ−L−プロリンメチルエステル(370mg,1.51ミリモル)と7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−オール(PCT出願公報WO20000059929)(400mg,1.66ミリモル)の溶液に、トリフェニルホスフィン(594mg,2.27ミリモル)を加え、次に窒素下でDIAD(0.36mL,1.81ミリモル)をゆっくり加えた。反応混合物をゆっくり室温まで加温し、18時間攪拌した。次に反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−l,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル−2S−メチルエステル(1)を69%の収率で得た。
【0190】
工程2
ジクロロメタン(1mL)中の4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−l,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル−2S−メチルエステル(200mg,0.43ミリモル)の溶液に、ジオキサン(3.0mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し、乾燥して、4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸1−tert−メチルエステル塩酸塩(2)を白色の固体として得た。
【0191】
工程3
ジクロロメタン/DMF(2.0mL,1:1)中の4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸1−tert−メチルエステル塩酸塩(67mg,0.165ミリモル)の溶液に、Boc−L−tert−Leu−OH(38.1mg,0.165ミリモル)、HATU(69mg,0.182ミリモル)、及びDIPEA(0.1mL,0.5ミリモル)を加え、混合物を室温で攪拌した。16時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸、飽和NaHCO3、及び食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して1−(2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル(3)を定量的収率で得た。
【0192】
工程4
ジクロロメタン(1mL)中の粗1−(2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステルの溶液に、ジオキサン(3.0mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、1−(2S−アミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル塩酸塩を白色の固体として、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0193】
工程5
ジクロロメタン(3.0mL)中の1−(2S−アミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.165ミリモル)の溶液に、トリエチルアミン(0.06mL,0.413ミリモル)とtert−ブチルイソシアネート(0.02mL,0.165ミリモル)を加え、反応混合物を室温で攪拌した。16時間後、反応混合物ジクロロメタンで希釈し、1N塩酸で洗浄し、飽和NaHCO3と食塩水で洗浄した。次にジクロロメタン層を蒸発乾固して1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イルキノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル(4)を得た。
【0194】
工程6
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イルキノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステルをメタノール(6.0mL)、THF(3.0mL)、及び1N NaOH(6.mL)で処理した。室温で1時間後、反応混合物を濃縮し、1N塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。次に合わせた酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に酢酸エチル層をろ過し、蒸発乾固して、1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(5)を得た。
【0195】
工程7
[1S−(シクロプロピルカルバモイルヒドロキシメチル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(48mg,0.165ミリモル)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解し、TFA(3.0mL)を加えた。室温で1時間攪拌後、反応混合物を蒸発乾固して3S−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸シクロプロピルアミドTFA塩を白色の固体として得た。ジクロロメタン/DMF(1:1,6.0mL)中の1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸の溶液を3S−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸シクロプロピルアミドTFA塩に加え、次にHATU(75mg,0.198ミリモル)とDIPEA(0.1mL,0.7ミリモル)を加えた。室温で24時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸、NaHCO3,及び食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。次に粗生成物を無水ジクロロメタン(10.mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(112mg,0.264ミリモル)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3と食塩水で洗浄した。分取HPLCにより精製して標題化合物(7)を、HPLCにより>99%の純度で得た。
【0196】
【化25】

【0197】
実施例2
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−オキソエチル)アミド(9)の合成
【化26】

【0198】
工程1
(1S−(シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(51mg,0.165ミリモル)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解し、TFA(3.0mL)を加えた。室温で1時間攪拌後、反応混合物を蒸発乾固して3S−アミノ−2−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチラミドTFA塩を白色の固体として得た。ジクロロメタン/DMF(1:1,6.0mL)中の1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸の溶液を3S−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチラミドTFA塩に加え、次にHATU(75mg,0.198ミリモル)とDIPEA(0.1mL,0.7ミリモル)を加えた。室温で24時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸、飽和NaHCO3,及び食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。次に粗生成物を無水ジクロロメタン(10.mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(112mg,0.264ミリモル)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3と食塩水で洗浄した。分取HPLCにより精製して標題化合物(9)を、HPLCにより>99%の純度で得た。
【0199】
【化27】

【0200】
実施例3
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−1−オキソエチル)アミド(15)の合成
【化28】

【0201】
10、塩酸塩の調製
DMSO中の市販のt−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(1ミリモル)にカリウムtert−ブトキシド(3ミリモル)を、23℃で少量ずつ15分間かけて加えた。混合物を23℃で30分攪拌し、次に0℃に冷却した後、2,5−ジクロロピリジン(1.1ミリモル)を少量ずつ10分間かけて加えた。反応混合物を23℃で16時間攪拌した。生じた懸濁物を5%クエン酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。有機部分をろ過し、濃縮して白色の固体を得た。固体物質をジオキサン(10mL)中4.0M塩酸に溶解した。1時間後、反応混合物を濃縮し、乾燥して、4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル塩酸塩を得た。
【0202】
工程1
ジクロロメタン/DMF(10mL,1:1)中の4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(242mg,0.829ミリモル)の溶液に、Boc−L−tert−Leu−OH(192mg,0.829ミリモル)、HATU(347mg,0.912ミリモル)、及びDIPEA(0.37mL,2.07ミリモル)を加え、反応混合物を室温で攪拌した。16時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3、及び食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して1−(2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル(11)を定量的収率で得た。
【0203】
工程2
1−(2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステルをメタノール(5.0mL)、THF(3.0mL)、及び1N NaOH(5.0mL)で処理した。室温で2時間後、反応混合物を濃縮し、1N塩酸で酸性で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。次に酢酸エチル層をろ過し、食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に酢酸エチル層をろ過し、蒸発乾固して、1−(2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(12)を得た。
【0204】
工程3
(1S−(シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(214mg,0.83ミリモル)に、ジオキサン(11.0mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し、乾燥して、3S−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチラミド塩酸塩を白色の固体として得た。3S−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチラミドに、ジクロロメタン/DMF(1:1,10.0mL)中の1−(2S−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸、EDC(238mg,1.24ミリモル)、HOBt(190mg,1.24ミリモル)及びNMM(0.5mL,3.32ミリモル)を加えた。室温で16時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に酢酸エチル層をろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、{1−[4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2S−(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル−カルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(13)を58%の収率で得た。
【0205】
工程4
ジクロロメタン(2mL)中の{1−[4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2S−(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル−カルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(313mg,0.482ミリモル)に、ジオキサン(3.0mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し、乾燥して1−(2S−アミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロブチル−メチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)−アミド塩酸塩を白色の固体として得た。
【0206】
工程5
ジクロロメタン(3mL)中の1−(2S−アミノ−3,3−ジメチルブチリル)−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロブチル−メチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)−アミド塩酸塩(45mg,0.077ミリモル)に、トリエチルアミン(0.02mL,0.154ミリモル)を加えた。室温で5分後、tert−ブチルイソシアネート(0.01mL,0.077ミリモル)を加え、反応混合物を室温で攪拌した。16時間後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1N塩酸、飽和NaHCO3、及び食塩水で洗浄した。次にジクロロメタン層を蒸発乾固して、1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)−アミド(14)を得た。
【0207】
工程6
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)アミドを無水ジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(44mg,0.103ミリモル)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3と食塩水で洗浄した。分取HPLCにより精製して標題化合物(15)を、HPLCにより>90%の純度で得た。
【0208】
【化29】

【0209】
実施例4
{1S−[2S−(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチルカルバモイル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチルプロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(16)の合成
【化30】

【0210】
上記実施例1に記載のように進めて、{1S−[2R−(1S−シクロプロピルアミノ−オキサリルブチルカルバモイル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチルプロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。MS: 734 (M+1)MS: 734 (M+l)。
【0211】
実施例5
{1S−[2S−(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチルカルバモイル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチルプロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(17)の合成
【化31】

【0212】
上記実施例4に記載のように進め、ただし7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−オールの代わりに7−メトキシ−2−フェニル−1−イル−キノリン−4−オールを使用して標題化合物を得た。MS: 744 (M+l)。
【0213】
実施例6
{1S−[4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2S−(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(18)の合成
【化32】

【0214】
上記実施例4に記載のように進め、ただし4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル塩酸塩の代わりに4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩を使用して標題化合物を得た。MS: 622 (M+l)。
【0215】
実施例7
{1S−[4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2S−(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−オキソ−エチルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(19)の合成
【化33】

【0216】
上記実施例4に記載のように進め、ただし4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステル塩酸塩の代わりに4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩を使用し、[1S−(シクロブチルメチルカルバモイルヒドロキシメチル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに(1S−(シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して標題化合物を得た。MS: 648 (M+l)。
【0217】
実施例8
1−[2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(20)の合成
【化34】

【0218】
上記実施例3に記載のように進め、ただし(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに[1S−(シクロブチル−カルバモイルヒドロキシメチル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して標題化合物を得た。MS: 621 (M+l)。
【0219】
実施例9
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(21)の合成
【化35】

【0220】
工程1
クロロ蟻酸エチル(4.3mL,44.5ミリモル)を、アセトン(35mL)中の3−メトキシ桂皮酸(5.3g,29.7ミリモル)とトリエチルアミン(8.3mL,59.4ミリモル)の溶液に0℃で滴下して加えた。0℃で1時間後、アジ化ナトリウム水溶液(3.1g,47.5ミリモル,16mL水)を滴下して加え、反応混合物を23℃で16時間攪拌した。混合物に水(50mL)を加え、揮発性物質を真空下で除去した。生じたスラリーをトルエン(3×25mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO4)した。乾燥した溶液をろ過し、190℃でジフェニルメタン(25mL)とトリブチルアミン(14.2mL,59.4ミリモル)の溶液に滴下して加えた。トルエンを添加しながら蒸留した。添加完了後、反応温度を210℃に2時間上げた。冷却後、沈殿した生成物をろ過して集め、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥して、6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(1.7g,9.7ミリモル、33%収率)を得た。MS m/z 176 (M++H)。
【0221】
工程2
POCl3(4mL)中の6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(900mg,5.1ミリモル)を110℃に3時間加熱した(加熱すると透明な溶液が得られた)。3時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を氷水(10mL)中に注ぎ、次にpHを3N NaOHで10に調整し、クロロホルム(3×25mL)で抽出した。合わせたCHCl3層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−クロロ−6−メトキシ−イソキノリン(720mg,3.7ミリモル,73%収率)を白色の固体として得た。
【0222】
【化36】

【0223】
工程3
DMSO(20mL)中の市販のN−t−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(684mg,2.96ミリモル)にカリウムtert−ブトキシド(997mg,8.88ミリモル)を、23℃で少量ずつ15分間かけて加えた。混合物を23℃で30分攪拌し、次に0℃に冷却した。0℃で、1−クロロ−6−メトキシ−イソキノリン(600mg,3.11ミリモル)を少量ずつ10分間かけて加えた。反応混合物を23℃で16時間攪拌した。生じた懸濁物を5%クエン酸水溶液(100mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合わせた酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮して(2S,4R)−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(1.04g,2.68ミリモル,91%収率)を白色の固体として得た。MS m/z 389 (M+M-H)。この物質をさらに精製することなく粗生成物として次の工程で使用した。
【0224】
工程4
[1S−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.35ミリモル)に、ジオキサン(10mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し、乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(8:3,11.0mL)中のアミン塩酸塩に、(2S,4R)−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(136mg,0.35ミリモル)、HATU(160mg,0.42ミリモル)、及びDIPEA(0.2mL,1.05ミリモル)を加えた。室温で2時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して、2S−[1S−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。
【0225】
工程5
上記粗化合物に、ジオキサン(10mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(8:3,11.0mL)中の上記アミン塩酸塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(81.0mg,0.35ミリモル)、HATU(160mg,0.42ミリモル)、及びDIPEA(0.2mL,1.05ミリモル)を加えた。室温で16時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。
【0226】
工程6
次に粗生成物を無水ジクロロメタン(10.0mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(223mg,0.525ミリモル)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3(2×)と食塩水(1×)で洗浄した。分取HPLCにより精製して1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(21)を、HPLCにより>95%の純度で得た。
【0227】
【化37】

【0228】
実施例10
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2−オキソ−エチル)−アミド(23)の合成
【化38】

【0229】
工程1
ジクロロメタン/DMF(5:1.5,6.5mL)中の(S)−3−アミノ−4,N−ジシクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチラミド塩酸塩(47mg,0.2ミリモル)に、(2S,4R)−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(78mg,0.2ミリモル)、HATU(91mg,0.4ミリモル)、及びDIPEA(0.1mL,0.6ミリモル)を加えた。室温で16時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、飽和NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して2S−(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2(±)−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(22)を得た。
【0230】
工程2
上記粗化合物に、ジオキサン(5.0mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(7:3,10.0mL)中の上記アミン塩酸塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(46mg,0.2ミリモル)、HATU(91mg,0.24ミリモル)、及びDIPEA(0.1mL,0.6ミリモル)を加えた。室温で3時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。
【0231】
工程3
次に粗生成物を無水ジクロロメタン(8.0mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(127mg,0.3ミリモル)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した(3×)。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3(2×)と食塩水(1×)で洗浄した。分取HPLCにより精製して1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2−オキソ−エチル)−アミド(23)を、HPLCにより>95%の純度で得た。MS m/z 679 (M++H), 701 (M++Na), 677 (M+-H)。
【0232】
実施例11
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2S−オキソ−エチル)−アミド(26)の合成
【化39】

【0233】
工程1
クロロ蟻酸エチル(4.3mL,44.5ミリモル)を、アセトン(35mL)中の3−エトキシ桂皮酸(5.71g,29.7ミリモル)とトリエチルアミン(8.3mL,59.4ミリモル)の溶液に0℃で滴下して加えた。0℃で1時間後、アジ化ナトリウム水溶液(3.1g,47.5ミリモル,16mL水)を滴下して加え、反応混合物を23℃で16時間攪拌した。混合物に水(50mL)を加え、揮発性物質を真空下で除去した。生じたスラリーをトルエン(3×25mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO4)した。乾燥した溶液をろ過し、190℃でジフェニルメタン(25mL)とトリブチルアミン(14.2mL,59.4ミリモル)の溶液に滴下して加えた。トルエンを添加しながら蒸留した。添加完了後、反応温度を210℃に2時間上げた。冷却後、沈殿した生成物をろ過して集め、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥して、6−エトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(1.92g,10.2ミリモル、34%収率)を得た。MS m/z 190 (M++H)。
【0234】
工程2
POCl3(4mL)中の6−エトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(896mg,4.74ミリモル)の懸濁物を110℃で3時間加熱した(加熱すると透明な溶液が得られた)。3時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を氷水(10mL)中に注ぎ、次に3N NaOHでpHを10に調整し、クロロホルム(3×25mL)で抽出した。合わせたクロロホルム層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮して、1−クロロ−6−エトキシ−イソキノリン(866mg,4.18ミリモル,88%収率、>90%純度)を黄褐色の固体として得た。MS m/z 208 (M++H)。
【0235】
工程3
DMSO(20mL)中の市販のN−t−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(531mg,2.30ミリモル)にカリウムtert−ブトキシド(774mg,6.9ミリモル)を、23℃で少量ずつ15分間かけて加えた。混合物を23℃で30分攪拌し、次に0℃に冷却した。0℃で、1−クロロ−6−メトキシ−イソキノリン(500mg,2.41ミリモル)を少量ずつ10分間かけて加えた。反応混合物を23℃で16時間攪拌した。生じた懸濁物を水に注ぎ、混合物をエーテル(2×)及び酢酸エチル(2×)で洗浄した。水層を1N塩酸で酸性化してpH〜4にし、DCM(3×)で抽出した。合わせたDCM層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮して(2S,4R)−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(24)(粗重量=1.18g,>90%純度)を得た。MS m/z 403 (M++H), 401 (M+-H), 303 (M+-Boc)。この物質をさらに精製することなく粗生成物として次の工程で使用した。
【0236】
工程4
DCM/DMF(10:3,13mL)中の(S)−3−アミノ−4,N−ジシクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブチラミド塩酸塩(66mg,0.28ミリモル)に、(2S,4R)−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(114mg,0.28ミリモル)、HATU(128mg,0.28ミリモル)、及びDIPEA(0.15mL,0.84ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、飽和NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して2S−(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(25)を得た。
【0237】
工程5
上記粗化合物に、ジオキサン(10mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(10:3,13mL)中の上記アミン塩酸塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(64mg,0.28ミリモル)、HATU(128mg,0.34ミリモル)、及びDIPEA(0.15mL,0.84ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。
【0238】
工程6
次に粗生成物を無水DCM(10.0mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(154mg,0.364ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した(3×)。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3(2×)と食塩水(1×)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(65酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2−オキソ−エチル)−アミド(26)(80.7mg,0.116ミリモル、42%収率)を白色の固体として得た。
【0239】
【化40】

【0240】
実施例12
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(28)の合成
【化41】

【0241】
工程1
[1S−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg,0.26ミリモル)にジオキサン(6.0mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(10:3,13mL)中の上記アミン塩酸塩に、(2S,4R)−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(106mg,0.26ミリモル)、HATU(119mg,0.31ミリモル)、及びDIPEA(0.15mL,0.78ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して2S−[1S−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルエチルカルバモイル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(27)を得た。
【0242】
工程2
上記粗化合物に、ジオキサン(10mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(10:3,13mL)中の上記アミン塩酸塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(60mg,0.26ミリモル)、HATU(128mg,0.34ミリモル)、及びDIPEA(0.15mL,0.84ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。
【0243】
工程3
次に粗生成物を無水DCM(10.0mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(143mg,0.338ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した(3×)。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3(2×)と食塩水(1×)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(65酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(28)(75.7mg,0.11ミリモル、43%収率)を白色の固体として得た。
【0244】
【化42】

【0245】
実施例13
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ペンチル)−アミド(30)の合成
【化43】

【0246】
工程1
DCM/DMF(10:3,13mL)中の(S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ヘプタン酸シクロプロピルアミド塩酸塩(96mg,0.40ミリモル)に、(2S,4R)−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(157mg,0.40ミリモル)、HATU(200mg,0.53ミリモル)、及びDIPEA(0.35mL,2.0ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して2S−[1S−(シクロプロピルカルバモイル−(±)−ヒドロキシ−メチル)−ペンチルカルバモイル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(29)を得た。MS m/z 571 (M++H), 593 (M++Na), 569 (M+-H), 471 (M+-Boc)。
【0247】
工程2
上記粗化合物に、ジオキサン(10mL)中の4.0M塩酸を加えた。室温で1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(10:3,13mL)中の上記アミン塩酸塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(93mg,0.40ミリモル)、HATU(200mg,0.53ミリモル)、及びDIPEA(0.35mL,2.0ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、NaHCO3(1×)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。MS m/z 683 (M++H), 705 (M++Na), 681 (M+-H)。
【0248】
工程3
次に粗生成物を無水DCM(10.0mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(223mg,0.53ミリモル)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した(3×)。次に合わせた酢酸エチル層を飽和NaHCO3(2×)と食塩水(1×)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(45酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ペンチル)−アミド(30)(83.5mg,0.12ミリモル、31%収率)を白色の固体として得た。
【0249】
【化44】

【0250】
実施例14
【化45】

【0251】
工程1
3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン(32)
THF(17mL)中の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.0g,7.0ミリモル)を、−15℃でn−BuLi(ヘキサン中1.6M;8.0ミリモル)を滴下して処理して、リチウムテトラメチルピペリジドを調製した。−15℃で15分後、THF(3mL)中のシクロヘキシル(4−メトキシ−2−メチルベンジリデン)アミン(660mg;2.86ミリモル)の溶液を滴下して加えて紫色の溶液を得た。20分間かけて反応混合物を0℃まで加温し、次に0℃の時に、THF(2mL)中のN−メチル−N−メトキシシクロプロパンカルボキサミド(630mg:4.4ミリモル)を一回で加えた。反応混合物を室温に30分間維持し、次に飽和NH4Cl水溶液に加えた。溶液をジエチルエーテルで抽出し、有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、真空下で濃縮した。
【0252】
残渣を濃NH4OH(15mL)に溶解し、酢酸(1mL)で処理し、次に加熱還流した。混合物を水で希釈し、生じた溶液をジエチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を水及び飽和NaCl水溶液で洗浄し、次に乾燥して、真空下で濃縮した。クロマトグラフィー(SiO2;4:1ヘキサン/酢酸エチル)により、160mg(28%)の標題化合物が得られた。1.5gのイミンで方法を実施すると、400mg(30%)の標題化合物が得られた。
【0253】
工程2
1−クロロ−3−シクロプロピル−6−メトキシ−イソキノリン(34)
3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン(32)をジクロロメタン(8mL)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液をジクロロメタン(8mL)中のm−クロロ過安息香酸の溶液(mCPBA;412mg;2.4ミリモル)で処理し、混合物を室温で2時間攪拌した。硫化ジメチル(100μl)で反応を停止させ、さらに15分間攪拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で処理し、層を分離した。水相をジクロロメタンで抽出し、洗浄した有機相を乾燥し、真空下で濃縮し、クロマトグラフィー(SiO2;ジクロロメタン中10%メタノール)を行って、405mg(94%)の3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリンのN−オキシド(33)を得た。
【0254】
このN−オキシドをジクロロメタン(5mL)に溶解し、1mLのPOCl3を加えた。混合物を2時間加熱還流し、冷却し、氷に注いだ。混合物をNH4OHで処理してpH8にし、生じた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、真空下で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン/酢酸エチル、4:1)により精製して、310g(全体で66%)の標題化合物を得た。
【0255】
工程3
1−N−BOC−4−(3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(37)
N−BOC−4−ヒドロキシ−L−プロリン(A;192mg;830マイクロモル)を室温でDMSO(5mL)に溶解し、次にカリウムt-ブトキシド(270mg;2.4ミリモル)を加えた。生じた溶液を室温で1.5時間攪拌し、次に1−クロロ−3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン(4;192mg;820マイクロモル)を加えた。生じた溶液を一晩攪拌し、15mLの5%クエン酸水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、真空下で濃縮して、375mgのN−BOC−4−ヒドロキシ−L−プロリンの粗アリールエーテル(35)を得た。
【0256】
粗アリールエーテルをDMF(2mL)に溶解し、O−(7−アザベンゾトリアゾール−l−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU;380mg,830マイクロモル)を加え、次に3−(S)−アミノ−2−(RS)−ヒドロキシヘキサン酸−N−シクロプロピルカルボキサミド塩酸塩(36;190mg;830マイクロモル)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA;800μl)を加えた。生じた混合物を一晩攪拌し、次に水で希釈した。生じた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥して、460mg(93%)の標題化合物(37)を得た。
【0257】
工程4
(S)−1−[2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4−トランス−(2−シクロペンチル−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−(S)−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド塩酸塩(40)
化合物37を1,4−ジオキサン(2mL)中の4N塩酸に溶解し、室温で1時間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣(化合物38)をDMF(2mL)に溶解した。溶液を(S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(C;100mg;440マイクロモル)、HATU(200mg;520マイクロモル)、及びDIPEA(800mL)で処理した。反応混合物を水で希釈し、生じた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥して、250mg(80%)の対応する2−親カルボキサミド39を得た。固体をジクロロメタン(20mL)に溶解し、1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾコキソール−3−(1H)−オン(D;220mg;660マイクロモル)で処理した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶液をジエチルエーテル(40mL)で希釈し、次に飽和Na223水溶液(10mL)と10mLのNaHCO3水溶液(10mL)を加えた。二層性混合物を10分間攪拌し、層を分離した。有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製し、次に単離した物質をアセトニトリルと0.01%塩酸から凍結乾燥して、150mg(46%)の標題化合物(40)を塩酸塩として得た。質量スペクトル (M+Na) 705。
【0258】
実施例15
【化46】

【0259】
工程1
4−アセチル−6−メトキシイソクロマン−1,3−ジオン(42)
文献の方法(Ind.J.Chem.Sec.B,1986,25B,640−643)に従って、2−カルボキシメチル−4−メトキシ安息香酸(41;1.0g;4.8ミリモル)を、ピリジン(1.4mL)と無水酢酸(8.6mL;9.3g;91ミリモル)の混合物に溶解し、次に3時間攪拌すると、この間に固体が生成した。懸濁物をジエチルエーテルで希釈し、ろ過し、フィルターケーキをジエチルエーテルで洗浄した。収率:905mg(81%)の標題化合物。
【0260】
工程2
6−メトキシ−3−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(43)
環状酸無水物42(405mg;1.75ミリモル)をNH4OH水溶液に溶解し、1.5時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、固体をろ過し、次に一晩乾燥して、270mg(74%)の標題化合物を得た。
【0261】
工程3
1−クロロ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリン(44)
イソキノリン−1−オン43をPOCl3(2.5mL)に溶解し、1時間加熱還流した。過剰のPOCl3を真空下で除去し、残渣をクロロホルムに溶解した。生じた溶液を1N NaOH水溶液、水、及び飽和NaCl水溶液で洗浄した。溶媒を留去して粗44を得て、これを直接次の工程で使用した。
【0262】
工程4
1−N−BOC−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(45)
N−BOC−4−ヒドロキシ−L−プロリン(A;281mg;1.21ミリモル)を室温でDMSO(3mL)に溶解し、次にカリウムt-ブトキシド(270mg;2.4ミリモル)を加えた。生じた溶液を室温で2時間攪拌し、次に0℃に冷却した。次にDMSO(3mL)のイソキノリン14の溶液を、Aとt−BuOKの冷溶液に滴下して加え、混合物を室温まで加温した。溶液を16時間攪拌し、0.2当量のAを加え、混合物をさらに1.5時間攪拌した。反応混合物を5%クエン酸水溶液でpH=4に酸性化した。溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄し、次に飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機相を真空下で濃縮して標題化合物を得た。
【0263】
工程5
1−N−BOC−2−[1−(シクロプロピルカルバモイルヒドロキシメチル)ブチルカルバモイル]−4−(6−メトキシ−3−メチル−イソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン(47)
化合物5について記載した方法と同じ方法を使用して、化合物45(196mg;487マイクロモル)を標題化合物に変換した。ピロリジン47(210mg;77%収率)を、さらに精製することなく次の工程で使用した。
【0264】
工程6
1−[2−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4−(7−メトキシ−2−メチルキノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)−アミド(50)
化合物48について記載した方法と同じ方法を使用して、化合物47(210mg;368マイクロモル)を対応する塩酸塩に変換した。次に塩酸塩48を、中間体CとHATUを用いて化合物39について記載した方法と同じ方法を使用して、トリペプチド49に変換した。最後に、39から40への変換について上記したものと同じ方法に従ってジクロロメタン中のDを使用して、49を標題化合物α−ケト酸50に変換した。粗生成物をクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン中45%酢酸エチル)により精製すると、85mgの50(17から34%)が得られた。質量スペクトル (M+) 680。
【0265】
実施例16
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(1)の合成
【化47】

【0266】
工程1
POCl3(25mL,261.7ミリモル)中の4−ヒドロキシ−7−2つ以上の−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリンの懸濁物(Faber K. et al.,J.Heterocyclic chem.,1985 22,1080)(5.0g,26.17ミリモル)を115℃に3時間加熱した(加熱すると透明な溶液が得られた)。3時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を氷水(40mL)中に注ぎ、次にpHを3N NaOHで10に調整し、クロロホルム(3×100mL)で抽出した。合わせたクロロホルム層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮して、2,4−ジクロロ−7−メトキシ−キノリン(4.9g,21.49ミリモル,82%収率)を褐色の固体として得た。MS m/z 229 (M++H)。
【0267】
工程2
固体ピラゾール(3.2g,47.36ミリモル,3.0当量)を加熱し、80℃で溶融した。固体の2,4−ジクロロ−7−メトキシ−キノリン(3.6g,15.78ミリモル,1.0当量)を加え、次に混合物を115℃に3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、4−クロロ−7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン(2.3g,8.88ミリモル,56%収率)を白色の固体として得た。
【0268】
【化48】

【0269】
工程3
DMSO(20mL)中の市販のN−t−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(1.53g,6.64ミリモル)にカリウムtert−ブトキシド(1.9g,16.6ミリモル)を、23℃で少量ずつ15分間かけて加えた。混合物を23℃で1.5時間攪拌し、次に4−クロロ−7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン(1.9g,7.30ミリモル)を少量ずつ15分間かけて加えた。反応混合物を23℃で16時間攪拌した。生じた懸濁物を水(150mL)に注ぎ、混合物を酢酸エチル(2×100mL)で洗浄した。水層を1N塩酸でpH〜4に酸性化し、クロロホルムで抽出した(3×100mL)。合わせたクロロホルム層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮して(2S,4R)−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(2.7g,5,95ミリモル、90%収率)を得た。MS m/z 455 (M++H), 453 (M+-H), 355 (M+-Boc)。この物質をさらに精製することなく粗生成物として次の工程で使用した。
【0270】
工程4
[1S−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.05g,3.67ミリモル)にジオキサン(13mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(3:1,60mL)中の上記アミン塩酸塩に、(2S,4R)−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(1.66g,3.67ミリモル)、HATU(1.67g,4.40ミリモル)、及びDIPEA(2.6mL,14.08ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1N塩酸(2×50mL)、NaHCO3(1×100mL)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固して2S−[1S−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸1−tert−ブチルエステルをジアステレオ異性体の混合物として得た。この物質をさらなる精製することなく次の工程に使用した。
【0271】
工程5
上記粗化合物に、ジオキサン(15mL)中の4.0M塩酸を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し乾燥して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た。DCM/DMF(3:1,60mL)中の上記アミン塩酸塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(848mg,3.67ミリモル)、HATU(1.67mg,4.40ミリモル)、及びDIPEA(2.6mL,14.08ミリモル)を加えた。室温で1時間後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1N塩酸(2×50mL)、NaHCO3(1×100mL)、及び食塩水(1×)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、蒸発乾固した。この物質をさらなる精製することなく次の工程に使用した。
【0272】
工程6
次に粗生成物を無水DCM(25mL)に溶解し、Dess−Martin periodinane(2.0g,4.71ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌後、飽和NaHCO3中の0.26M Na223で反応を停止し、DCMで抽出した(3×)。次に合わせたDCM層を飽和NaHCO3(2×)と食塩水(1×)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。次に有機層をろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド(7)(1.6g,2.18ミリモル、60%収率)を白色の固体として得た。
【0273】
【化49】

【0274】
生物学的例
例1
HCVレプリコンアッセイ
HCVレプリコンアッセイは、インビボのHCV複製を模倣する細胞培養系であり、HCV複製をインビトロで研究する系を提供する。これは、コンセンサスHCVゲノム配列から得られたクローン化されたウイルスRNAを、ウイルスRNA産生について半許容性であるヒトHuh7肝癌細胞にトランスフェクトすることにより作成された(Lohmann V.,Korner F.,Koch J.−O.,Herian U.,Theilmann L.及びBartenschlager R.(1999).肝癌細胞株中のサブゲノミックC型肝炎ウイルスRNAの複製。Science 285,110−113、及びBlight K.J.,Kolykhalov A.A.及びRice C.M.(2000).細胞培養物中のHCV RNA複製の効率的開始。Science 290,972−1974)。これらのトランスフェクトされた細胞株は、サブゲノミックHCV RNAゲノムを含有し、これは、(1)カプシドコード領域の12個のアミノ酸に融合したHCV 5’NTR、(2)選択マーカーとしてのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(Neo)、(3)HCV非構造タンパク質(種々のNS2又はNS3〜NS5B)の翻訳を指令する脳心筋炎ウイルス(EMCV9からの内部リボゾーム侵入部位(IRES)、及び(4)3’NTR、を含む。レプリコン含有細胞は自律的かつ持続的にHCV RNAを複製し、これは、リアルタイムqPCRにより定量的に測定することができる。従ってレプリコン系は、細胞ベースのアッセイでHCV RNAの変化を追跡することにより、抗ウイルス活性の定量的評価を促進する。
【0275】
HCVレプリコン含有細胞(Huh7/クローンA)を、クローンA増殖培地(10%胎児牛血清、1%非必須アミノ酸、及び1g/L G418を補足したDMEM培地[Invitrogen])中でルーチンに維持した。すべての用量について処理前に、試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して200×ストック溶液を作成した。
【0276】
HCVレプリコンアッセイのために、Huh7/クローンA細胞を培養フラスコでトリプシン処理し、24ウェルプレート中のG418を含まない1mlのクローンA増殖培地に4×104細胞/ウェルで接種し、加湿二酸化炭素(5%)インキュベーター中で37℃で一晩インキュベートした。一晩のインキュベート後、化合物溶液を同量でウェルに加えて(5μlの200×化合物ストック/ウェル)、最終的にDMSO濃度0.5%を得た。5μlのDMSOを補足した各プレート上の3つのウェルを未処理対照とした。IC50測定のために、化合物を出発ストック溶液から三重測定で7回連続希釈して試験した。プレートを37℃で48時間インキュベートした。インキュベート後、細胞を採取し、96ウェルプレートに打つし、RNA Isolation Kit(RNeasy 96、Qiagen)を使用して、製造業者のRNeasy96ハンドブック(Qiagen)に記載されたプロトコールに従って、総RNA抽出を行った。
【0277】
130μlのRNase不含蒸留水に溶出した総RNAを、RiboGreen Assayにより業者のプロトコール(Molecular Probe)に従って定量した。簡単に説明すると、5μlのRNA試料を二重測定で96ウェルブラックマイクロプレートと96ウェルTaqMan Oticalプレートに分注した。ブラックマイクロプレート中のRNA試料を95μlの希釈したRiboGreen試薬(TE緩衝液で1:250希釈)と混合し、蛍光マイクロプロセッサーリーダーを使用して標準的蛍光波長(励起〜480nm、発光〜520nm)で蛍光を測定した。リボゾームRNA(Molecular Probe)を標準物質として使用した。
【0278】
TaqMan定量PCR(RT−qPCR)を使用して、各試料中のHCVレプリコンRNAの量を定量した。RT−qPCR反応は、25μlでABI PRISM 7900 HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)で行った。反応混合物は、5μlの総RNA(10〜100ng)、1×TaqMan緩衝液A(Applied Biosystems)、5.5mM MgCl2、1.2mM dNTPミックス、0.625UのAmpliTaq Gold(Applied Biosystems)、5UのMMLV逆転写酵素(Promega)、5UのrRNasin(Promega)、300nMずつの前進プライマーと逆進プライマー、及び100nMのTaqMan MGBプローブを含有した。プライマーとプローブは、レプリコン中のネオマイシン耐性遺伝子(neo)の部分にハイブリダイズするように設計され、配列は以下の通りである:前進プライマー 5’−GGCTACCTGCCCATTCGA−3’;逆進プライマー 5’−CCGGCTTCCATCCGAGTAC−3’;MGBプローブ 5’−CCACCAAGCGAAACA−3’。RT工程は48℃で30分間、次に95℃で10分間行った。熱サイクリングプログラムは、95℃で15秒と60℃で1分を40サイクルである。TaqMan生データ(Ct値)は、Sequence Detection System(SDS)ソフトウェアを使用して、数学的にHCV RNAゲノム量に変換し、各試料中の総RNAに対して標準化した。化合物処理の無い試料を対照として、未処理細胞のHCVレプリコンRNAレベルを100%と定義した。化合物阻害活性は、未処理対照に対する処理試料中の標準化HCV RNA量の比として求めた。化合物IC50は、標準的4パラメータ曲線適合モデルを使用して計算した。
【0279】
本発明の化合物を上記アッセイにより試験し、IC50<100マイクロモルでHCV複製を阻害することが観察された。化合物3、6、及び7は、IC50<50マイクロモルでHCV複製を阻害した;一方化合物1、2、5、8〜13及び15は、IC50<10マイクロモルでHCV複製を阻害した。
【0280】
例1
式(I)の化合物を含有する代表的医薬製剤
経口製剤
式(I)の化合物 10〜100mg
クエン酸1水和物 105mg
水酸化ナトリウム 18mg
香味剤
水 100mLにする
静脈投与製剤
式(I)の化合物 0.1〜10mg
ブドウ糖1水和物 等張にするのに充分な量
クエン酸1水和物 1.05mg
水酸化ナトリウム 0.18mg
注射用水 1.0mLにする
錠剤
式(I)の化合物 1%
微結晶セルロース 73%
ステアリン酸 25%
コロイドシリカ 1%
【0281】
本発明を、明瞭にかつ理解できるようにするため、例示と例によりある程度詳細に説明した。特許請求の範囲内で変化と修飾が可能であることは当業者に明らかであろう。従って、上記説明は本発明を例示するものであって、決してこれを限定するものではない。すなわち本発明の範囲は、上記説明によって決定されるものではなく、請求の範囲によってその同等物の全範囲を含めて決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

{式中、
Eは、−COCONR56、−COCF2CONR56、−COCF2C(O)OR5、−COCOR7、−COCF28、−COR9、−COCOOR10、−CONR1112、または−B(OR132であり、ここでR5、R6、R7、R9、R10、R11、R12、及び各R13は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルから独立に選択され、R8は、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、ここで前記E中の脂肪族、脂環式、及び芳香族基は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル、ハロ、又はシアノから独立に選択される1、2、又は3個のRaで随時置換され、さらにRa中の芳香環もしくは脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、又はカルボキシアルキルから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換され;そして、場合によりR5とR6及びR11とR12は、これらが結合している窒素と一緒に5〜7員環を形成することができ;
1は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、R1中の脂肪族、脂環式、もしくは芳香族基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル、ハロ、又はシアノから独立に選択される1又は2個のRbで随時置換され、さらにRb中の芳香環もしくは脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、又はカルボキシアルキルから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換され;
Xは、−O−、−NR14−、−S−、−SO−、又は−SO2−であり;
3は、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、ここでR3中の脂肪族、脂環式、及び芳香族基は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル、ハロ、又はシアノから独立に選択される1又は2個のRcで随時置換され、さらにここでRc中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、又はカルボキシアルキルから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換され;
Yは、−C(O)NH−、−OC(O)NH−、−NR14−C(O)NH−、又は−NR14C(O)O−であり、ここで各R14は、水素、アルキル(ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、及びアリールで随時置換される)、ヘテロアリール又はヘテロシクリル(ハロおよびアルキルで随時置換される)から選択され;
2は、ヘテロアリール又は−CO−(縮合ヘテロシクリル)環であり、ここでヘテロアリールと縮合ヘテロシクリル環は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルチオ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、アミノ、一置換アミノ、又は二置換アミノから独立に選択される1、2、3、又は4個のRdで随時置換されるか、又はRdが隣接する炭素原子上にある時は、これらはこれらが結合している炭素原子と一緒に、窒素、酸素、イオウ、又は−SO2−から選択される1又は2個のヘテロ原子を含有する4、5、又は6員ヘテロシクリル環を形成し(ここで、ヘテロシクリル環は1又は2個のアルキルで随時置換される);及びさらに、Rd中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルオキシカルボニルアミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、又はウレイドから独立に選択される1、2、又は3個のReで随時置換され(ここでRe中のシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは1、2、又は3個のアルキルで随時置換される);そして
4は、
(i)アルキル、ただし、Yが−OC(O)NH−、−NR14−C(O)NH−、又は−NR14C(O)O−であり、R2がヘテロアリールである時、少なくとも1つのRdは水素ではない;
(ii)シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキル、ただし、R2中のヘテロアリールと縮合ヘテロシクリル環は、少なくとも1つのヘテロアリール基で置換される;又は
(iii)アルキル、ただし、Yが−C(O)NH−又は−SO2NH−である時、R2中のヘテロアリールと縮合ヘテロシクリル環は、少なくとも1つのヘテロアリール基で置換される;
ここでR4中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル, ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、アリール、アラルキル、アリールスルホニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルスルホニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、一置換アミノ、又は二置換アミノから独立に選択される1、2、又は3個のRfで随時置換され、ここでRf中の芳香環又は脂環式環は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、一置換アミノ、二置換アミノ、又はアシルアミノから独立に選択される1、2、又は3個の置換基で随時置換される}の化合物、又は、
その薬剤学的に許容される塩。
【請求項2】
2が式(a):
【化2】

{式中、
d1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシ、又はアルキルスルホニルであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであるか;又は
d1とRd又はRd1とRd2は、これらが結合している炭素原子とともに、4,5,又は6原子のヘテロシクリル環を形成し(ここで、1又は2個の環原子は、酸素又は−N−で置換され、ヘテロシクリル環は、1又は2個のアルキルで随時置換される);
d3は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’である(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル,又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)。}の基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
前記Rdと前記Rd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;そして前記Rd3は、
ハロ、アルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ, ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で随時置換された式:
【化3】

の基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
前記Rdと前記Rd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;そして前記Rd3は、
ハロ、アルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ, ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で随時置換された式:
【化4】

の基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
前記Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;
前記Rdと前記Rd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;そして前記Rd3は、
ハロ、アルキル、シクロアルキル, シクロアルキルアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ, ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又は−NHCONRR’(ここで、Rは水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、ここでシクロアルキルとシクロアルキルアルキルは、1、2、又は3個のアルキルで随時置換される)で随時置換された式:
【化5】

の基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
前記Rd3環が、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、2,2,ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、及びシクロヘキシルメチルで随時置換されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記Rd3環は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1−メチルエチルアミノ、1,1−ジメチルエチルアミノ、2−メチルプロピルアミノ、1−メチルプロピルアミノ、2,2−ジメチルプロピルアミノ、1,2−ジメチルプロピルアミノ、1,1−ジメチルプロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノ、シクロヘキシルメチルアミノ、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、1−メチルエチルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルエチルカルボニルアミノ、2−メチルプロピルカルボニルアミノ、1−メチルプロピルカルボニルアミノ、2,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、1,2−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルプロピルカルボニルアミノ、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロプロピルメチルカルボニルアミノ、シクロブチルメチルカルボニルアミノ、シクロペンチルメチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチルカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、1−メチルエトキシカルボニルアミノ、1,1−ジメチル−エトキシカルボニルアミノ、2−メチルプロポキシカルボニルアミノ、1−メチルプロポキシカルボニルアミノ、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルアミノ、1,2−ジメチルプロポキシカルボニルアミノ、又は1,1−ジメチルプロポキシ−カルボニルアミノで随時置換されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記R2が式(b):
【化6】

{式中、Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシ、又はアルキルスルホニルであり;
dとRd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであるか;又は
d1とRd又はRd1とRd2は、これらが結合している炭素原子とともに、4,5,又は6−原子ヘテロシクリル環を形成し、ここで1又は2個の環原子は、酸素又は−N−で置換され、ヘテロシクリル環は、1又は2個のアルキルで随時置換され;
d3は、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルである。}の基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記Rd1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノであり;前記Rdと前記Rd2は、独立に水素、アルキル、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、又はアルキルスルホニルであり;そして前記Rd3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記Rd1は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチル(n−プロピル)アミノ、又はメチル(イソプロピル)アミノであり;前記Rdと前記Rd2は、独立に、フルオロ、クロロ、メチル、エチニル、メトキシ、エトキシ、チオメチル、又はメチルスルホニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
前記Rd1は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、又はエトキシであり;前記Rdと前記Rd2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、又はメチルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
前記Rd1は、メトキシ又はエトキシであり;そして前記Rd、前記Rd2、及び前記Rd3は、それぞれ水素である、請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
前記Xは、−O−であり;前記R1は、アルキル又はシクロアルキルアルキルであり;前記R3は、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、フェニル、又はシクロヘキシルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
前記Xは、−O−であり;前記R1は、シクロブチルメチル、エチル、又はn−プロピルであり;前記R3は、tert−ブチル又はシクロヘキシルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
前記Eは−COCONHR6であり、ここでR6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、又はヘテロアラルキルであり、ここで前記芳香環が1又は2個のハロで随時置換される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
前記Eは−COCONHR6であり、ここでR6はシクロアルキルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
前記Yは−NHC(O)NH−であり、前記R4はアルキルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
前記Yは−OC(O)NH−であり、前記R4はアルキルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
前記Yは−C(O)NH−であり、前記R4はアルキルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
以下の化学構造:
【化7】

を有する化合物、又はその薬剤学的に許容される塩。
【請求項21】
以下の化学構造:
【化8】

を有する化合物、又はその薬剤学的に許容される塩。
【請求項22】
以下の化学構造:
【化9】

で示される化合物のジアステレオ異性体混合物、又はその薬剤学的に許容される塩。
【請求項23】
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−l−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−オキソエチル)アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−1−オキソエチル)アミド;
{1S−[2S−(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチルカルバモイル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチルプロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
{1S−[2S−(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチルカルバモイル)−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチルプロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
{1S−[4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2S−(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
{1S−[4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2S−(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−オキソ−エチルカルバモイル)−ピロリジン−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
1−[2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2−オキソ−エチル)−アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−シクロプロピルカルバモイル−1S−シクロプロピルメチル−2S−オキソ−エチル)−アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−エトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチル)−アミド;
1−[2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4R−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリル−ペンチル)−アミド;
(S)−1−[2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4−トランス−(2−シクロペンチル−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−(S)−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド塩酸塩;及び
1−[2−(3−ert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4−(7−メトキシ−2−メチルキノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)−アミドからなる群より選択される化合物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物、及び1または複数の薬剤学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項25】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物、及び1または複数の薬剤学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を患者に投与することを含んでなる、患者のC型肝炎感染症を治療する方法。
【請求項26】
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−l−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド、およびそのジアステレオ異性体又はジアステレオ異性体の混合物;又はその薬剤学的に許容される硫酸塩もしくはスルホン酸塩である、請求項5に記載の化合物。
【請求項27】
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−l−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1S−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド;又はその硫酸塩もしくはメチルスルホン酸塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
1−[2S−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブチリル]−4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−l−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸(1R−シクロプロピルアミノオキサリルブチル)アミド;又はその硫酸塩もしくはメチルスルホン酸塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
第2の抗ウイルス剤をさらに含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項30】
第2の抗ウイルス剤はリバビリン又はポリメラーゼインヒビターである、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物、及びインターフェロン、インターフェロンのPEG化又は非PEG化コンジナー、リバビリン、HCVポリメラーゼインヒビター、およびtoll受容体アゴニストよりなる群から選択される第2の抗ウイルス剤を、患者に投与することを含んでなる、患者のHCV感染症を治療する方法。

【公開番号】特開2012−176973(P2012−176973A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−111958(P2012−111958)
【出願日】平成24年5月15日(2012.5.15)
【分割の表示】特願2008−519691(P2008−519691)の分割
【原出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(508002612)ビロベイ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】