説明

HCV障害の処置

S1PレセプターアゴニストはC型肝炎または慢性C型肝炎(HCV)の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はC型肝炎または慢性C型肝炎におけるS1Pレセプター調節剤またはアゴニストの使用に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
S1Pレセプター調節剤またはアゴニストは典型的には、スフィンゴシンアナログ、例えば2−置換2−アミノ−プロパン−1,3−ジオールまたは2−アミノ−プロパノール誘導体、例えば式X
【化1】

〔式中、ZはH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、フェニル、OHによって置換されたフェニル;ハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニルおよびOHによって置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されたC1−6アルキル;またはR4zがOH、アシルオキシまたは式(a)
【化2】

(式中、Zは直接結合またはO、好ましくはOであり;
5zおよびR6zの各々は独立して、H、または所望により1、2もしくは3個のハロゲン原子によって置換されたC1−4アルキルである)
の基である、CH−R4zであり;
1zはOH、アシルオキシまたは式(a)の基であり;そして
2zおよびR3zの各々は独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである〕
の基を含む化合物である。
【0003】
式Xの基は末端基として基に結合する官能基であり、親水性または親油性であってよく、そしてZおよびR1zの少なくとも1個が式(a)の残基であるかまたはこれを含む得られた分子が、1個以上のスフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターのアゴニストとしてシグナルを伝達するように、脂肪族、脂環式、芳香族性および/またはヘテロ環式残基の1個以上を含む。
【発明の効果】
【0004】
S1Pレセプター調節剤またはアゴニストは、1個以上のスフィンゴシン−1ホスフェートレセプターのアゴニストとしてシグナルを伝達する化合物、例えばS1P1〜S1P8である。S1Pレセプターと結合するアゴニストは、例えば細胞内ヘテロトリマーG−タンパク質をGα−GTPおよびGβγ−GTPに分離させることができ、および/またはアゴニスト占有レセプターのリン酸化の増加および下流シグナル伝達経路/キナーゼの活性化をもたらし得る。
【0005】
S1Pレセプターアゴニストまたは調節剤の個々のヒトS1Pレセプターへの結合親和性を、下記アッセイで測定することができる:
化合物のS1Pレセプターアゴニストまたは調節活性をヒトS1PレセプターであるS1P、S1P、S1P、S1PおよびS1Pで試験する。機能的レセプター活性化を適当な安定的にヒトS1Pレセプターを発現するトランスフェクトされたCHOまたはRH7777細胞から製造した膜タンパク質と結合している化合物誘導性GTP[γ−35S]を定量することによって評価する。使用するアッセイ技術はSPA(シンチレーション近接アッセイ)である。簡単に説明すると、化合物を溶解したDMSOを連続的に希釈し、S1Pレセプター発現膜タンパク質(10〜20μg/ウェル)を固定したSPAビーズ(Amersham-Pharmacia)に、Hepes 50mM、NaCl 100mM、MgCl 10mM、GDP 10μM、無脂肪BSA 0.1%およびGTP[γ−35S] 0.2nM(1200Ci/mmol)の存在下で加える。室温で120分間、96ウェルマイクロタイタープレートでインキュベーションした後、未結合のGTP[γ−35S]を遠心分離工程によって分離する。膜結合GTP[γ−35S]によって引き起こされるSPAビーズの蛍光をTOPカウントプレートリーダー(Packard)で定量する。EC50を標準曲線適合ソフトフェアを使用して計算する。このアッセイで、S1Pレセプター調節剤またはアゴニストは、好ましくはS1Pレセプターに対して<50nMの結合親和性を有する。
【0006】
好ましいS1Pレセプターアゴニストまたは調節剤は、例えばそれらのS1P結合特性に加えて、加速したリンパ球帰巣特性をも有する化合物、例えば全身性免疫抑制を引き起こすことなしに、循環系から2次的リンパ管へのリンパ球の、好ましくは可逆性の、再分散がもたらすリンパ球減少を引き起こす化合物である。未感作細胞を隔離し;血液由来のCD4T細胞およびCD8T細胞ならびにB細胞を刺激して、リンパ節(LN)およびパイアー斑(PP)に移動させる。
【0007】
リンパ球帰巣特性を下記血中リンパ球減少アッセイで測定する:
S1Pレセプターアゴニストもしくは調節剤またはビークルを経口的に、胃管栄養法でラットに投与する。血液学観察のための尾部血液を1日目に採取し基底線個人値を得て、そして投与後2、6、24、48および72時間でも採取する。このアッセイで、S1Pレセプターアゴニストまたは調節剤を、例えば<20mg/kgの用量で投与したとき、末梢血リンパ球を例えば50%減少させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
適当なS1Pレセプター調節剤またはアゴニストの例は、例えば:
−EP627406A1に記載の化合物、例えば式I
【化3】

〔式中、Rは直鎖状または分枝鎖状(C12−22)鎖であり、
−これは、鎖中に二重結合、三重結合、O、S、NR(ここで、RはH、C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、アシルまたは(C1−4アルコキシ)カルボニルである)、およびカルボニルから選択される結合またはヘテロ原子を有していてもよく、および/または
−これはC1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキル−オキシ、アシル、C1−4アルキルアミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)−カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを置換基として有していてもよく;または
【0009】

−アルキルが直鎖状または分枝鎖状(C6−20)炭素鎖であるフェニルアルキル;または
−アルキルが直鎖状または分枝鎖状(C1−30)炭素鎖であるフェニルアルキルであり、ここで当該フェニルアルキルは
−所望によりハロゲンによって置換された直鎖状または分枝鎖状(C6−20)炭素鎖、
−所望によりハロゲンによって置換された直鎖状または分枝鎖状(C6−20)アルコキシ鎖、
−直鎖状または分枝鎖状(C6−20)アルケニルオキシ、
−フェニル−C1−14アルコキシ、ハロフェニル−C1−4アルコキシ、フェニル−C1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシ−C1−4アルコキシまたはフェノキシ−C1−4アルキル、
−C6−20アルキルによって置換されたシクロアルキルアルキル、
−C6−20アルキルによって置換されたヘテロアリールアルキル、
−ヘテロ環式C6−20アルキル、または
−C2−20アルキルによって置換されたヘテロ環式アルキル
であり、ここでアルキル基は、
−炭素鎖に、二重結合、三重結合、O、S、スルフィニル、スルホニル、またはNR(ここで、Rは上記定義のとおりである)から選択される結合またはヘテロ原子を有していてもよく、そして
−C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、アシル、C1−4アルキル−アミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを置換基として有していてもよく、そして
、R、RおよびRの各々は独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0010】
−EP 1002792A1に記載の化合物、例えば式II
【化4】

〔式中、mは1〜9であり、そしてR’、R’、R’およびR’の各々は独立して、H、C1−6アルキルまたはアシルである〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0011】
−EP0778263 A1に記載の化合物、例えば式III
【化5】

〔式中、WはH;C1−6アルキル、C2−6アルケニルもしくはC2−6アルキニル;非置換もしくはOHによって置換されたフェニル;R’’O(CH;またはハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニルおよびOHによって置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されたC1−6アルキルであり;
XはHまたは、例えばC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、オキソ、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、非置換フェニルならびにC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換された、p個の炭素原子を有する置換もしくは非置換直鎖状アルキルもしくは(p−1)個の炭素原子を有する置換もしくは非置換直鎖状アルコキシであり;
YはH、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルまたはハロゲンであり;
は単結合または1個もしくはq個の炭素原子を有する直鎖状アルキレンであり;
pおよびqの各々は独立して、1〜20の整数であるが、6≦p+q≦23であり、m’は1、2または3であり、nは2または3であり;
R’’、R’’、R’’およびR’’の各々は独立して、H、C1−4アルキルまたはアシルである〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0012】
−WO02/18395に記載の化合物、例えば
式IVa
【化6】

または式IVb
【化7】

〔式中、XはO、S、NR1sまたは非置換であるかもしくは基が1〜4個のハロゲンによって置換された、nが1または2である−(CHna−基であり;
1sはHまたは非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換された(C1−4)アルキルであり;
1aはH、OH、(C1−4)アルキルまたはO(C1−4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかもしくは1〜3個のハロゲンによって置換されており;
1bはH、OHまたは非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換された(C1−4)アルキルであり;
2aの各々は独立してHまたは非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換された(C1−4)アルキルから選択され;
3aはH、OH、非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンまたはハロゲンによって置換されたO(C1−4)アルキルであり;そして
3bはH、OH、ハロゲン、非置換であるかもしくはアルキルがヒドロキシによって置換された(C1−4)アルキル、または非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換されたO(C1−4)アルキルであり;
は−CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(=NOH)−、OまたはSであり、そして
4aは(C4−14)アルキルまたは(C4−14)アルケニルである〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0013】
−WO 02/076995に記載の化合物、例えば式V
【化8】

〔式中、
は1、2または3であり;
はOまたは直接結合であり;
1cはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、C3−10シクロアルキル、フェニルもしくはヒドロキシ−フェニレンによって置換されたC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHによって置換されたフェニルであり;
2c
【化9】

(式中、R5cはHまたは所望により1、2もしくは3個のハロゲン原子によって置換されたC1−4アルキルであり、そしてR6cはHまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルである)
であり;
3cおよびR4cの各々は独立して、H、所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキル、またはアシルであり、そして
は所望により鎖中に酸素原子を有していてもよく、かつ所望によりニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシによって置換されていてもよいC13−20アルキル;または式(a)
【化10】

(式中、R7cはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、そして
8cは置換C1−20アルカノイル、所望によりC1−14アルキルがハロゲンもしくはOHによって置換されたフェニルC1−14アルキル;所望によりシクロアルキルもしくはフェニル環がハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシによって置換されているシクロアルキルC1−14アルコキシまたはフェニルC1−14アルコキシ;フェニルC1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシC1−14アルコキシまたはフェノキシC1−14アルキル)
の基であり;
はまた、R1cがC1−4アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるとき、R8cがC1−14アルコキシである式(a)の基である〕
の化合物;
【0014】
または式VI
【化11】

〔式中、
は2、3または4であり
1xはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、シクロアルキル、フェニルもしくはヒドロキシ−フェニレンによって置換されたC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHによって置換されたフェニルであり;
2xはH、C1−4アルキルまたはアシルであり;
3xおよびR4xの各々は独立して、H、所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルまたはアシルであり;
5xはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり;そして
6xはシクロアルキルによって置換されたC1−20アルカノイル;所望によりシクロアルキル環がハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシによって置換されたシクロアルキルC1−14アルコキシ;所望によりフェニル環がハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシによって置換されたフェニルC1−14アルコキシであり;
6xはまた、R1xがOHによって置換されたC2−4アルキルであるときC4−14アルコキシであるか、またはR1xがC1−4アルキルであるとき、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシであるが;
5xがHであるかまたはR1xがメチルであるとき、R6xはフェニル−ブチレンオキシ以外である〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0015】
−WO02/06268AIに記載の化合物、例えば式VII
【化12】

〔式中、R1dおよびR2dの各々は独立してHまたはアミノ保護基であり;
3dは水素、ヒドロキシ保護基または式
【化13】

の基であり;
4dはC1−4アルキルであり;
は1〜6の整数であり;
はエチレン、ビニレン、エチニレン、式−D−CH−(式中、Dはカルボニル、−CH(OH)−、O、SまたはNである)を有する基、アリールまたは下記定義のグループaから選択される3個までの置換基によって置換されたアリールであり;
は単結合、C1−10アルキレン、グループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたC1−10アルキレン、炭素鎖の中央もしくは末端にOもしくはSを有するC1−10アルキレン、または炭素鎖の中央もしくは末端にOもしくはSを有し、かつグループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたC1−10アルキレンであり;
5dは水素、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロ環式基、グループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたC3−6シクロアルキル、グループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたアリール、またはグループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたヘテロ環式基であり;
6dおよびR7dの各々は独立して、Hまたはグループaから選択される置換基であり;
8dおよびR9dの各々は独立して、Hまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルであり;
<グループa>はハロゲン、低級アルキル、ハロゲン低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、低級脂肪族アシル、アミノ、モノ−低級アルキルアミノ、ジ−C1−4アルキルアミノ、アシルアミノ、シアノまたはニトロであり;そして
<グループb>はC3−6シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基であり、各々は所望によりグループaから選択される3個までの置換基によって置換されているが;
5dが水素であるとき、Yは単結合または直鎖状C1−10アルキレンである〕
の化合物、その薬理学的に許容される塩、エステルまたは水和物;
【0016】
−JP−14316985(JP2002316985)に記載の化合物、例えば式VIII
【化14】

〔式中、R1e、R2e、R3e、R4e、R5e、R6e、R7e、n、XおよびYはJP−14316985に記載の通りである〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、エステルまたは水和物;
【0017】
−WO 03/29184およびWO 03/29205に記載の化合物、例えば式IX
【化15】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり;
1fはハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノであるか、または各フェニル基が所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルもしくはC1−4アルコキシによって置換されたフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり;
2fはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
3fはH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシまたはC1−4アルコキシメチルであり;
4fおよびR5fの各々は独立して、Hまたは式
【化16】

(式中、R8fおよびR9fは各々独立して、Hまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルである)
の基であり;そして
は1〜4の整数である〕
の化合物、例えば2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパン−ジオール、2−アミノ−2−[4−(ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパン−ジオール、2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオールまたは2−アミノ−2−[4−(ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオール、またはその薬理学的な塩、溶媒和物もしくは水和物;
【0018】
−WO03/062252A1に記載の化合物、例えば式X
【化17】

〔式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;
およびnの各々は独立して、0または1であり;
AはCOOH、PO、POSOPO(C1−3アルキル)OHおよび1H−テトラゾール−5−イルから選択され;
1gおよびR2gは各々独立してH、ハロゲン、OH、COOHまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルであり;
3gはHまたは所望によりハロゲンもしくはOHによって置換されたC1−4アルキルであり;
4gは各々独立してハロゲンであるか、または所望によりハロゲン置換されたC1−4アルキルもしくはC1−3アルコキシであり;そして
およびMの各々は、WO03/062252A1に各々BおよびCと示されている意義の1個を有する〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物;
【0019】
−WO 03/062248A2に記載の化合物、例えば式XI
【化18】

〔式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;
nは2、3または4であり;
AはCOOH、1H−テトラゾール−5−イル、PO、PO、−SOHまたはPO(R5h)OHであり、ここでR5hはC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、フェニル、−CO−C1−3アルコキシおよび−CH(OH)−フェニルから選択され、ここで前記フェニルまたはフェニル基は所望により置換されており;
1hおよびR2hの各々は独立してH、ハロゲン、OH、COOH、または所望によりハロゲン置換されたC1−6アルキルもしくはフェニルであり;
3hはHまたは所望によりハロゲンおよび/OHによって置換されたC1−4アルキルであり;
4hは各々独立してハロゲン、OH、COOH、C1−4アルキル、S(O)0、1または21−3アルキル、C1−3アルコキシ、C3−6シクロアルコキシ、アリールまたはアラルコキシであり、ここでアルキル基は所望により1〜3個のハロゲンによって置換されていてもよく;そして
およびMの各々は独立してWO03/062248A2に各々BおよびCと示されている意義の1個を有する〕
の化合物;
【0020】
−WO 04/026817Aに記載の化合物、例えば式XII
【化19】

〔式中、
1jはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されたフェノキシまたはアラルキルオキシであり、
2jはH、ハロゲン、トリハロ−メチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり、
3jはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり、
4jはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されたベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり、
5jはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシメチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり、
6jおよびR7jの各々は独立してHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり、そして
は1〜4の整数である〕
の化合物、例えば2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブタン−1−オールまたは2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブタン−1−オール;
【0021】
−WO 04/103306A、WO 05/000833、WO 05/103309またはWO 05/113330に記載の化合物、たとえば式XIIIaまたはXIIIb
【化20】

〔式中、
はCOOR5k、OPO(OR5k、PO(OR5k2、SOOR5k、POR5kOR5kまたは1H−テトラゾール−5−イルであり、R5kはHまたはC1−6アルキルであり;
は結合、C1−3アルキレンまたはC2−3アルケニレンであり;
は所望によりハロゲン、OH、NO、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ;ハロ置換C1−6アルキルおよびハロ置換C1−6アルコキシから選択される1〜3個の基によって置換されたC6−10アリールまたはC3−9ヘテロアリールであり;
はWO 04/103306Aに示されているヘテロ環式基、例えばアゼチジンであり;
1kは所望によりC1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−4アルキル、C3−9ヘテロアリール、C3−9ヘテロアリールC1−4アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキルC1−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルまたはC3−8ヘテロシクロアルキルC1−4アルキルによって置換されたC6−10アリールまたはC3−9ヘテロアリール;ここで、R1kのいずれかのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ置換−C1−6アルキルもしくは−C1−6アルコキシから選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく;
2kはH、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり:そして
3kまたはR4kの各々は独立して、H、ハロゲン、OH、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロ置換−C1−6アルキルもしくは−C1−6アルコキシである〕
の化合物およびそのN−オキシド誘導体またはそのプロドラッグ、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物または水和物;
である。
【0022】
本発明の更なる態様によると、本発明に使用するS1Pレセプターアゴニストまたは調節剤はまた、選択的S1P1レセプター、例えばS1P3レセプターよりもS1P1レセプターに、35S−GTPγS結合アッセイで評価したS1P3レセプターのEC50に対するS1P1レセプターのEC50の比によって測定したとき、少なくとも20倍、例えば100、500、1000または2000倍の選択性を有する化合物であってもよく、、当該化合物は35S−GTPγS結合アッセイで評価したとき、S1P1レセプターへの結合について100nM以下のEC50を有する。代表的なS1P1レセプターアゴニストまたは調節剤は、例えばWO 03/061567に列記されている化合物(その内容を出典明示により本明細書の一部とする)例えば式XIVまたはXV
【化21】

の化合物である。
【0023】
式I〜XVの化合物が分子内に1個以上の不斉中心を有するとき、本発明は様々な光学異性体を包含するものとして理解すべきであり、そしてラセミ体、ジアステレオマーおよびそれらの混合物を含む。式IIIまたはIVbの化合物は、アミノ基を有する炭素原子が不斉であるとき、この炭素原子について好ましくはR−立体配置を有する。
【0024】
式I〜XVの化合物は遊離形または塩形で存在していてもよい。式I〜XVの化合物の薬学的に許容される塩の例には、無機酸との塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩および硫酸塩、有機酸との塩、例えば酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、あるいは、適当であるとき、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアルミニウムのような金属との塩、トリエチルアミンのようなアミンとの塩、ならびにリシンのような二塩基性アミノ酸との塩を含む。本発明の組合わせの化合物および塩のいずれもが水和物および溶媒和物形を含む。
【0025】
上記アシルはRがC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−C1−4アルキルである基R−CO−であり得る。他に指示がない限り、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニルは直鎖状または分枝鎖状であってもよい。
アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。
【0026】
式Iの化合物において炭素鎖Rが置換されているとき、好ましくはハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシによって置換されている。炭素鎖が所望によって置換されているフェニレンによって分断されているとき、炭素鎖は好ましくは置換されていない。フェニレン基が置換されているとき、好ましくはハロゲン、ニトロ、アミノ、メトキシ、ヒドロキシまたはカルボキシによって置換されている。
【0027】
式Iの好ましい化合物は、Rが所望によってニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシもしくはカルボキシによって置換されているC13−20アルキルであるもの、より好ましくはRが所望によりハロゲンによって置換されたC6−14−アルキル鎖によって置換されたフェニルアルキルであり、アルキル基が所望によりヒドロキシによって置換されたC1−6アルキルであるものである。より好ましくは、Rは直鎖状または分枝鎖状、好ましくは直鎖状C6−14アルキル鎖によってフェニルが置換されているフェニル−C1−6アルキルである。C6−14アルキル鎖はオルト、メタまたはパラ、好ましくはパラであり得る。
好ましくはR〜Rの各々はHである。
【0028】
上記式VIIで、「ヘテロ環式基」はS、OおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5〜7員ヘテロ環式基を意味する。かかるヘテロ環式基の例には、上記ヘテロアリール基、および部分的もしくは完全水素化ヘテロアリール基に対応するヘテロ環式化合物、例えばフリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピロリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリジニルまたはピラゾリジニルが含まれる。好ましいヘテロ環式基は、5−もしくは6−員ヘテロアリール基であり、最も好ましいヘテロ環式基はモルホリニル、チオモルホリニルまたはピペリジニル基である。
【0029】
好ましい式Iの化合物は2−アミノ−2−テトラデシル−1,3−プロパンジオールである。とりわけ好ましい式IのS1PレセプターアゴニストはFTY720、すなわち遊離形または薬学的に許容される塩形の2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(以下、化合物A)であり、例えば下記塩酸塩
【化22】

である。
【0030】
好ましい式IIの化合物はR’〜R’の各々がHであり、mが4であるもの、すなわち遊離形または薬学的に許容される塩形の2−アミノ−2−{2−[4−(1−オキソ−5−フェニルペンチル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール(以下、化合物B)であり、例えばその塩酸塩である。
【0031】
好ましい式IIIの化合物は、WがCHであり、R’’〜R’’の各々がHであり、Zがエチレンであり、Xがヘプチルオキシであり、そしてYがHであるもの、すなわち遊離形または薬学的に許容される塩形の2−アミノ−4−(4−ヘプチルオキシフェニル)−2−メチル−ブタノール(以下、化合物C)であり、例えばその塩酸塩である。Rエナンチオマーがとりわけ好ましい。
【0032】
好ましい式IVaの化合物はFTY720リン酸塩(R2aがHであり、R3aがOHであり、XがOであり、R1aおよびR1bがOHである)である。好ましい式IVbの化合物は化合物Cのリン酸塩(R2aがHであり、R3bがOHであり、XがOであり、R1aおよびR1bがOHであり、YがOであり、そしてR4aがヘプチルである)である。好ましい式Vの化合物は化合物Bのリン酸塩である。
【0033】
好ましい式Vの化合物はリン酸モノ−[(R)−2−アミノ−2−メチル−4−(4−ペンチルオキシ−フェニル)−ブチル]エステルである。
【0034】
好ましい式VIIIの化合物は(2R)−2−アミノ−4−[3−(4−シクロヘキシルオキシブチル)−ベンゾ[b]チエン−6−イル]−2−メチルブタン−1−オールである。
【0035】
好ましい式XIIIaの化合物は、例えば1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸、またはそのプロドラッグである。
【0036】
本発明において、S1Pレセプター調節剤またはアゴニストがC型肝炎感染またはC型肝炎ウイルス(HCV)誘導性障害に有利な効果を有することが見出された。
【0037】
更なる一連の具体的または選択的な態様において、本発明は以下のものを提供する:
1.1 対象に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式VII〜XVの化合物を投与することを含む、それを必要とする対象におけるHCV感染またはHCV誘導性障害の予防法または処置法。
【0038】
HCV誘導性障害は例えば肝臓細胞毒性、例えば肝臓細胞壊死、または肝臓機能の異常であり得る。
【0039】
1.2 培地に有効量のS1P1レセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物を投与することを含む、培地におけるHCV複製の阻害法。
【0040】
1.3 対象に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物を投与することを含む、それを必要とする対象におけるHCV複製の阻害法。
【0041】
1.4 対象に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物を投与することを含む、免疫抑制治療を受けているそれを必要とする対象におけるHCV複製の阻害法。
【0042】
免疫抑制治療を受けている対象とは、移植片被提供者においてその体の、例えば細胞、組織または臓器同種−もしくは異種−移植片(例えば、心臓、肺、腎臓、肝臓、腸、膵臓、島細胞、幹細胞、皮膚もしくは角膜移植、または移植片対宿主病)に対する免疫応答、あるいは自己免疫性疾患または障害、例えば多発性硬化症、乾癬、喘息、狼瘡腎炎、リウマチ性関節炎もしくは炎症性腸疾患を有する対象の自己抗原を予防ないし低減するために、1種以上の免疫抑制剤で処置を受けている対象を意味する。
【0043】
1.5 患者に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニストを投与することを含む、免疫抑制治療を受けているそれを必要とする対象におけるHCV感染またはHCV誘導性障害の再発の予防法。
【0044】
免疫抑制治療を受けている対象は、上記定義の通りであり得る。好ましい方法は、移植患者におけるHCV感染またはHCV誘導性障害の再発の予防のための方法である。
【0045】
1.6 患者に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物を投与することを含む、それを必要とする対象における肝臓細胞のC型肝炎ウイルス性細胞毒性を阻害、減少または予防する方法。
【0046】
2. 上記方法のいずれかにおいて使用する医薬組成物の製造における、S1Pレセプター調節剤またはアゴニストの使用。
【0047】
3. S1Pレセプター調節剤またはアゴニストを、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、上記方法のいずれかにおいて使用する医薬組成物。
【0048】
本発明のS1Pレセプター調節剤またはアゴニストは単独の有効成分として、または他の薬剤、例えば抗HCV活性を有する薬剤、例えば下記のものとの組合せで投与することができる:
(1)インターフェロン
(a) Intron−A(登録商標)、インターフェロンα−2b(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);
(b) PEG−Intron(登録商標)、ペグインターフェロン(peginteferon)α−2b(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);
(c) Roferon(登録商標)、組み換えインターフェロンα−2a(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);
(d) Pegasys(登録商標)、ペグインターフェロンα−2a(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);
(e) Berefor(登録商標)、インターフェロンα2、入手可能(available)(Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CT);
(f) Sumiferon(登録商標)、天然αインターフェロンの精製混合物(Sumitomo, Japan)
(g) Wellferon(登録商標)、リンパ芽インターフェロンαn1(GlaxoSmithKline);
(h) Infergen(登録商標)、コンセンサスαインターフェロン(InterMune Pharmaceuticals, Inc., Brisbane, CA);
(i) Alferon(登録商標)、天然αインターフェロンの混合物(Interferon Sciences, and Purdue Frederick Co., CT);
(j) Viraferon(登録商標);
(k) コンセンサスαインターフェロン(Amgen, Inc., Newbury Park, CA,)
【0049】
(m) 他の形態のインターフェロンには:インターフェロンβ、γ、τおよびω、例えばSeronoのRebif(インターフェロンβ1a)、ViragenのOmniferon(天然インターフェロン)、Ares-SeronoのREBIF(インターフェロンβ−1a)、BioMedicinesまたはIntarciaのOmega Interferon;Amarillo Biosciencesの経口Interferon Alpha;水溶性ポリマーまたはヒトアルブミンとのインターフェロン結合体、例えばAlbuferon(Human Genome Sceince)、Alfaferone(Alfa Wassermann SpA, )、インターフェロンαcon−1(WO05067454、Amgen)、AERX(Aradigmの吸入インターフェロンα−2b)、Albuferon(Aventis)、放出制御インターフェロンα(Biolex/Octoplus)、放出制御インターフェロンα−2b(Flamel Technologies)、Actimmune(Genentech)、Interferonα−n1(Glaxo Wellcome)、ヒドロキソコバラミン(Transition Therapeutics)が含まれる;
【0050】
(n) インターフェロンと水溶性ポリマーの結合体には、とりわけポリアルキレンオキシドホモポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチルポリオール、そのコポリマーおよびそのブロックコポリマーとの結合体が含まれる。ポリアルキレンオキシドベースのポリマーに代えて、事実上の非抗原性物質、例えばデキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物ベースのポリマー等を使用することができる。ポリマー修飾は抗原応答を減少させるので、外来インターフェロンは完全に同種系(autologous)である必要はない。ポリマー結合体を製造するのに使用するインターフェロンを、哺乳類抽出物、例えばヒト、反すう動物またはウシインターフェロンから、あるいは組み換え的に製造することができる。ポリエチレングリコールとインターフェロンの結合体(ペグ化インターフェロンとしても知られている)が好ましい。
【0051】
インターフェロンの結合体の例は、例えばペグ化α−インターフェロン、例えばペグ化インターフェロン−α−2a、ペグ化インターフェロン−α−2b;ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはペグ化精製インターフェロン−α生成物である。ペグ化インターフェロン−α−2aは、例えば欧州特許593,868に記載されており、例えばPEGASYS(登録商標)(Hoffmann-La Roche)の商標名で商業的に入手可能である。ペグ化インターフェロン−α−2bは、例えば欧州特許975,369に記載されており、例えばPEG−INTRON A(登録商標)(Schering Plough)の商標名で商業的に入手可能である。ペグ化コンセンサスインターフェロンはWO 96/11953に記載されている。
【0052】
(2)抗ウイルス剤
抗ウイルス剤は、哺乳類内のウイルスの形成および/または複製を阻害するのに有効な化合物または生物製剤であり得る。これには哺乳類内のウイルスの形成および/または複製に必要な宿主またはウイルスの機構を妨げる薬剤が含まれる。抗ウイルス剤には、例えば、Ribavirin(1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)(Valeant Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CA);Rebetol(登録商標)(Schering Corporation, Kenilworth, NJ)、およびCopegus(登録商標)(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);および開発中の新規リバビリンアナログ、例えばLEVOVIRINおよびVIRAMIDINE(Valeant)、アマンタジン、VX−497(MERIMEPODIB, Vertex Pharmaceuticals)、VX−498(Vertex Pharmaceuticals)、Ceplene(ヒスタミンジクロライド、Maxim)、XTL−001およびXTL−002(XTL Biopharmaceuticals)、Viramidine(WO00160379)、ヒト白血球誘導性αインターフェロン(ViraNative AB);ラミブジン;米国特許6,812,219およびWO 2004/002422 A2(これらの内容を出典明示により本明細書の一部とする);HCVの阻害剤または他のFlaviviridaeウイルスコード化因子、例えばNS3/4Aプロテアーゼが含まれる;
【0053】
(3)逆相HPLCアッセイにおいて、NS3/4A融合タンパク質とNS5A/5B基質で目的とする阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、とりわけ長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル基を有する化合物RD−1−6250、RD4 6205およびRD4 6193;
【0054】
(4)Kakiuchi N. et al. J. FEBS Letters 421, 217-220; Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246に記載のチアゾリジンおよびベンズアニリド;
【0055】
(5)SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイでプロテアーゼに対する活性を有し、Streptomyces sp.の発酵培養液から単離したフェナントレンキノン、Sch 68631(Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232)、およびシンチレーション近接アッセイで活性を示す真菌Penicillium griseofulvumから単離したSch 351633(Chu M. et al, Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952);
【0056】
(6)プロテアーゼ阻害剤
例えば基質依存性のNS3プロテアーゼ阻害剤(Attwood et al., Antiviral peptide derivatives、PCT WO 98/22496、1998; Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273; Attwood et al, Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents、ドイツ特許公報DE 19914474; Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease; PCT WO 98/17679)を含み、αケトアミドおよびヒドラジノウレアを含み、そしてボロン酸またはホスホネートのような求電子試薬を停止させる阻害剤(Llinas-Brunet et al. hepatitis C inhibitor peptide analogs、PCT WO 99/07734)が研究されている。
【0057】
基質非依存性NS3プロテアーゼ阻害剤、例えばRD3−4082(アミドが14炭素鎖で置換されている)およびRD3−4078(パラフェノキシフェニル基で処理されている)を含む2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体(Sudo K. et al., Biochemiscal and Biophysical Research Communications, 1997, 238 643-647; Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186)も研究されている。
【0058】
Sch 68631(フェナントレンキノン)はHCVプロテアーゼ阻害剤である(Chu M et al., Tetrahedron Letters 37:7229-7232, 1996)。同じ著者の他の例では、真菌Penicillium grieofulvumから単離したSch 351633がプロテアーゼ阻害剤と同定された(Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9:1949-1952)。HCV NS3プロテアーゼ酵素に対するナノモル力価(nanomolar potency)が、マクロ分子eglin cに基づく選択的阻害剤の設計によって得られた。ヒルから単離したeglin cはS. griseusプロテアーゼAおよびB、∀−キモトリプシン、キマーゼおよびサブチリシンのような様々なセリンプロテアーゼの強力な阻害剤である。Qasim M.A. et al., Biochemistry 36:1598-1607, 1997。
【0059】
HCVの処置のためのプロテアーゼ阻害剤を開示している米国特許には、例えばHCVエンドペプチターゼ2を阻害するシステインプロテアーゼ阻害剤のクラスを開示しているSpruceらの米国特許 6,004,933(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする);C型肝炎ウイルスNS3の合成阻害剤を開示するZhangらの米国特許 5,990,276(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする);Reyesらの米国特許 5,538,865(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)が含まれる。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのペプチドは、Corvas International, Inc.のWO 02/008251、並びにSchering CorporationのWO 02/08187およびWO 02/008256に開示されている(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。HCV阻害剤トリペプチドはBoehringer Ingelheimの米国特許 6,534,523、6,410,531および6,420,380、ならびにBristol Myers SquibbのWO 02/060926に開示されている(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのジアリールペプチドはSchering CorporationのWO 02/48172に開示されている(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)。
【0060】
HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのイミダゾリジノンは、Schering CorporationのWO 02/18198およびBristol Myers SquibbのWO 02/48157に開示されている(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。Vertex PharmaceuticalsのWO 98/17679およびBristol Myers SquibbのWO 02/48116もHCVプロテアーゼ阻害剤を開示している(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。
【0061】
BILN 2061(Boehringer Ingelheim)を含むHCV NS3−4Aセリンプロテアーゼ阻害剤、WO 99/07733、WO 99/07734、WO 00/09558、WO 00/09543、WO 00/59929またはWO 02/060926に記載の化合物、およびVertex/Eli Lillyの開発前候補化合物である、WO 02/060926のVX−950またはLY−570310と示された化合物、SCH 6/7(Schering-Plough)、および現在前臨床開発中の他の化合物;
【0062】
アルファケトアミドおよびヒドラジノウレアを含む基質依存性NS3プロテアーゼ阻害剤、およびボロン酸またはホスホネートのような求電子試薬を停止させる阻害剤;基質非依存性NS3プロテアーゼ阻害剤、例えばRD3−4082(アミドが14炭素鎖で置換されている)およびRD3−4078(パラフェノキシフェニル基を有する)を含む2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体;およびSch503034(202005087721、Schering Plough)。
【0063】
真菌Penicillium griseofulvumから単離したSch 351633はプロテアーゼ阻害剤として同定された。ヒルから単離したeglin cはS. griseusプロテアーゼAおよびB、a−キモトリプシン、キマーゼおよびサブチリシンのような様々なセリンプロテアーゼの強力な阻害剤である。
【0064】
米国特許 6004933(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)はHCVエンドペプチターゼ2を阻害するシステインプロテアーゼ阻害剤のクラス;HCV NS3プロテアーゼの合成阻害剤(pat)、HCV阻害剤トリペプチド(pat)、ジアリールペプチド、例えばHCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤(pat)、HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのイミダゾリジンジオン(Imidazolidindiones)(pat)を開示する。
【0065】
逆相HPLCアッセイにおいて、NS3/4A融合タンパク質とNS5A/5B基質で目的とする阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、とりわけ長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル基を有するRD−16250、RD4 6205およびRD4 6193。
【0066】
(7)HCV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼのヌクレオシドまたは非ヌクレオシド阻害剤、例えばWO 2004/002422 A2に開示されている2’−C−メチル−3’−O−L−バリンエステルリボフラノシルシチジン(Idenix Pharmaceuticals)(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。Idenix Pharmaceuticalsは、フラビ・ウイルス(HCVを含む)およびペスチ・ウイルスの処置における分枝鎖状ヌクレオシドの使用も開示している(WO 01/90121およびWO 01/92282、出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。具体的には、ヒトおよび他の宿主動物のC型肝炎感染(およびフルビ・ウイルスおよびペスチ・ウイルス)の処置法は、生物学的に活性な1’,2’,3’または4’−分枝鎖状B−DまたはB−Lヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグの有効量を、所望により薬学的に許容される担体中で、単独または抗ウイルス剤との組合せで投与することを含むことが、これらの公報に開示されている。他のヌクレオシドアナログにはWO 02/057287 A2、WO 02/057425 A2、WO 01/90121およびUS 6812219に記載のものが含まれる。
【0067】
他の非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤には、米国出願10/198,680, 米国出願10/198,384, 米国出願10/198,259(全てBoehringer Engelheim);WO 02/100846 A1およびWO 02/100851 A2(いずれもShire)、WO 01/85172 A1およびWO 02/098424 A1(いずれもGSK)、WO 00/06529およびWO 02/06246 A1(いずれもMerck)、WO 01/47883およびWO 03/000254(いずれもJapan Tobacco)そしてEP 1 256 628 A2(Agouron)に記載のものが含まれる。
【0068】
C型肝炎ウイルスの処置のためのあるヌクレオシドアナログの使用を開示している他の特許出願には:BioChem Pharma, Inc.(現在のShire Biochem, Inc.)が出願したPCTCA00/01316(WO 01/32153;出願日2000年11月3日)およびPCT/CA01/00197(WO 01/60315;出願日2001年2月19日);Merck & Co., Inc.が出願したPCT/US02/01531(WO 02/057425;出願日2002年1月18日)およびPCT/US02/03086(WO 02/057287;出願日2002年1月18日)、Rocheが出願したPCT/EP01/09633(WO 02/18404;公開日2001年8月21日)、ならびにPharmasset, Ltd.が出願したPCT公開 WO 01/79246(出願日;2001年4月13日)、WO 02/32920(出願日;2001年10月18日)およびWO 02/48165(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)が含まれる。
【0069】
Emory UniversityのPCT公開 WO 99/43691(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)、表題「2'-Fluoronucleosides」は、HCVを処置するための2’−フルオロヌクレオシドの使用を開示している。
【0070】
Eldrupら(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, GA))は、2’−修飾ヌクレオシドのHCV阻害に関する構造と活性の関係について記載した。
【0071】
Bhatら(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae, 2003 (Oral Session V, Hepatitis C Viral, Flaviviridae; 16th International conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga); p A75)は、HCVのRNA複製の有力な阻害剤としてのヌクレオシドアナログの、合成および薬物動力学的特徴について記載している。著者は2’−修飾ヌクレオシドが細胞を利用したレプリコン(replicon)アッセイにおいて強力な阻害活性を示すことを報告している。
【0072】
Olsenら(Oral Session V, Hepatitis Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research(April 27, 2003, Savannah, Ga)p A76)はまた、2’−修飾ヌクレオシドの、HCVのRNA複製に対する効果を記載した。
【0073】
(8)ヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤およびグリオトキシン(Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654)、ならびに天然生成物セルレニン(Lohmann V. et al. Virology, 1998, 249, 108-118)。
【0074】
(9)ヘリカーゼ阻害剤
ヘテロ環式置換カルボキサミン阻害剤(Diana G.D. et al., U.S. 5,633,388)およびピペリジン誘導体(WO 97/36554);ViroPhamaのVP−50406およびVertexの前臨床化合物。
【0075】
(10)アンチセンス
配列に相補的なホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)は、ウイルスの5’非コード領域(NCR)(Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717)、NCRの3’末端を含むヌクレオチド326−348、およびHCVのRNAの核コード領域に位置するヌクレオチド371−388(Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599; Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 199, 181, 251-257)で伸展する;例えば、Isis Pharm/ElanのISIS 14803、Hybridonのアンチセンス、AVI bioPharmaのアンチセンス、AVI−4065(AVI BioPharma)、または治療効果を増大させるHCVゲノムのある部分と相補的なアンチセンス配列。
【0076】
(11)IRES依存性翻訳の阻害剤(Ikeda N et al., Agent for the prevention and treatment of hepatitis C, Japanese Patent Pub. JP-08268890; Kai Y et al. Prevention and treatment of viral diseases, Japanese Patent Pub. JP-10101591);例えばIsis Pharm/ElanのISIS 14803、AnadysのIRES阻害剤、ImmusolのIRES阻害剤、PTC Therapeuticsの標的RNA化学。
【0077】
(12)ヌクレアーゼ耐性リボザイムのようなリボザイム(Maccjak, D.J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995)ならびに、Barberらの米国特許 6,043,077、およびDraper らの米国特許 5,869,253および5,610,054(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)に記載のもの、例えば、RPIのHEPTAZYME。
【0078】
(13)レセプターアゴニスト、例えばTOLL様レセプターアゴニスト(U.S. 5,041,426および4,880,784)、CpG−10101(TLR−9アゴニスト、Coley Pharmaceuticals)である、イサトリビン(isatoribine)(ANA975およびANA245)ヌクレオシドアナログ。
【0079】
(14)置換チオアリールウレア誘導体、例えば1−(4−ペンチルオキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3−(ピリジン−3−カルボニル)チオウレア、(米国特許公開2004/0138205、米国出願 10/716,175)。
【0080】
(15)免疫調節剤、例えばIMPDH阻害剤、ミコフェノール酸、またはその塩もしくはプロドラッグ、ミコフェノール酸ナトリウムまたはミコフェノール酸モフェチル、あるいはMerimebodib(VX−497);チモシンα−1(SciCloneのZadaxin);またはS1Pレセプターアゴニスト、例えばFTY720または所望によりリン酸化されたそのアナログ。
【0081】
(16)抗繊維化剤、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、イマチニブ(Gleevac)、IndevusのIP−501、およびInterMuneのインターフェロンγ1b。
【0082】
(17)Intercellの治療ワクチン、Epimmune/Genecor、Merix、Tripep(Chron−VacC)、Avantの免疫治療(Therapore)、CellExSysのT細胞治療、STLのモノクローナル抗体 XTL−002、AnadysのANA 246およびANA 246、GI−5005(GlobeImmune Inc)、InnoVac−C(WO 9967285、Innogenetics)、IC−41(Intercell)、インターフェロンα−n3(Interferon Sciences)、Engerix B(SmithKline Beecham)。
【0083】
(18)他の様々な化合物または前臨床化合物には、Ursodiol(EP00269516、Axcan Pharma)、HE−2000(DHEAアナログ、Colthurst Ltd)、EHC−18(免疫調節剤、Enzo biochem)、ヒスタミンジヒドロクロライド(H2アゴニスト、WO09104037、Estero-Anstalt)、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(Goldらの米国特許 6,034,134)、Celgosivir(αグルコシダーゼ、Hoechst Mario RousselのWO02089780)、KPE−2003002(植物化学物質誘導体、Kemin Pharma Europe)、KPE00001133(二環式炭水化物誘導体、Kemin Pharma Europe)、KRN7000(JP−09315980、Kirin Brewery)、Civacir(抗体、Nabi Biopharmaceuticals)、抗ホスファチジルセリン(University of Texas)、NOV−205(Novelos)、Virostat(メチレンブルー、Oklahoma Medical Research Foundation)、UT−231B(αガラクトシダーゼ阻害剤、Oxford University)、PYN−17(植物化学物質誘導体、WO2005079823、Phynova Ltd)、チモシンアルファ(RegeneRx Biopharmaceuticals)、プロパゲルマニウム(Sanwa Kagaku Kenkyusho Co)、Chen et al, Expert Opin. Ther. Patents 15(8):1027-1039(2005)に記載の化合物、SCV−07(免疫調節剤、WO9933799)、アルキル脂質(Chojkier らの米国特許5,922,757)、ビタミンEおよび他の抗毒性剤(antitoxidant)(Chojkierらの米国特許 5,922,757)、胆汁酸(Ozekiらの米国特許 5,846,99964)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸、(Dianaの米国特許 5,830,905)、ベンゼンジカルボキサミド(Dianaの米国特許 5,633,388)、ポリアデニル酸誘導体(Wangらの米国特許 5,496,546)、2’3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan らの米国特許 5,026,687)、ベンズイミダゾール(Colacino らの米国特許 5,891,874)、植物抽出物(Tsai らの米国特許 5,837,257、Omer らの米国特許 5,725,859、および米国特許 6,056,961)およびピペリジン(Diana らの米国特許 5,830,905);出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする。またスクアレン、テルビブジン、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸、ベンゼンジカルボキサミド、ポリアデニル酸誘導体、糖化阻害剤、およびウイルス感染による細胞障害を阻害する非特異的な細胞保護剤が含まれる。
【0084】
(19)他の化合物にはまた、HCVの処置用に現在開発中の前臨床または臨床化合物が含まれ、Interleukin−10(Schering-Plough)、Endo Labs SolvayのSYMMETREL、Idun Pharmaのカスパーゼ阻害剤 IDN−6556、ChironのHCV/MF59、CIVACIR(C型肝炎イムノグロブリン、NABI)、Idun PharmのIDN−6556、T67(βチューブリン阻害剤、Tularik)、E2を標的とする治療ワクチン(Innogenetics)、FK788(Fujisawa Healthcare)、IdB1016(Siliphos、経口シリビン−ホスファチジルコリンフィトソーム)、融合阻害剤(Trimeris)、Dication(Immtech)、血液浄化剤(Aethlon Medical)、UT 231B(United Therapeutics)、R803(Rigel)、JTK−003、JTK−002およびJTK−109(全てJapan Tobacco)、HCV−086(ViroPharma/Wyeth)、ISIS−14803(ISIS Pharmaceuticals)、GS−9132(ポリメラーゼ阻害剤、Achillion Pharmaceuticals)、HCV−793(ポリメラーゼ阻害剤、ViroPharma)、HepeX−C(抗体、XTL Biopharmaceuticals)、PSI−6130(PharmassetおよびRoche)、R1626(Roche)、ならびに治験情報および各会社のプレスリリース情報から当業者が容易に得ることができる現在開発中のその他の前臨床化合物が含まれる。
【0085】
上記の通り、本発明はさらに別の局面を提供する:
4. S1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物である第1の薬剤、およびb)共薬剤、例えば上記定義の第2の薬剤を含む医薬組合せ剤。
【0086】
5. 治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物、および共薬剤、例えば上記定義の第2の薬剤を、例えば同時にまたは連続的に共投与することを含む、上記定義の方法。
【0087】
6. a)S1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物、およびb)少なくとも1種の上記定義の第2の薬剤物質を含む治療組合せ剤、例えばキット。成分a)および成分b)は同時に、または連続的に使用することができる。キットはその投与についての指示書を含んでいてもよい。
【0088】
「共投与」または「組合せ投与」などの本明細書で使用されている用語は、選択された複数の治療薬剤を1人の患者に投与することを包含する意味であり、そして薬剤が必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与されない処置レジメンを含むことを意図する。
【0089】
本発明の医薬組合せ剤の投与は有利な効果、例えば薬学的に有効な成分の1種のみを投与する単独治療と比較して相乗的治療効果をもたらす。好ましい相乗的組合せ剤は、ペグ化α−インターフェロンとS1Pレセプター調節剤またはアゴニストの組合せ剤である。
【0090】
特許出願の記述がある場合、当該化合物に関する主題は引用により本明細書の一部とする。同様に、その薬学的に許容される塩、対応するラセミ体、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、ならびに上記化合物の対応する結晶変態、存在する場合、例えば記載されている溶媒和物、水和物および多形体も含む。本発明の組合せ剤で有効成分として使用する化合物は、各々記載の文献のとおりに製造および投与することができる。また、本発明の技術的範囲には、上記2種以上の別々の有効成分の組合せ剤が含まれ、すなわち、本発明の技術的範囲には3種以上の有効成分を含む医薬組合せ剤が含まれる。
【実施例】
【0091】
上記疾患および状態の処置におけるS1Pレセプター調節剤またはアゴニストの有用性は、標準的な動物試験または臨床試験で、例えば下記方法によって示すことが出来る。
【0092】
A.アッセイ
A1.ルシフェラーゼ利用HCVレプリコンアッセイ:
HCVレプリコン細胞株、Huh−Luc/neo−ETをReBlikon GmbHから得る。細胞を10%熱不活性化胎児ウシ血清(FBS、Gibco)、L−グルタミン 2mM、1×非必須アミノ酸(Gibco)およびG418 0.25mg/ml(Invitrogen, Carlsbad, CA)を含むダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM、Gibco)で培養する。この細胞株で、ルシフェラーゼの発現をHCV RNA複製および翻訳の制御下にし、したがって抗ウイルス活性を、細胞のルシフェラーゼ活性の減少を測定することによって測定することができる。HCVレプリコン(Huh−Luc/neo−ET)を10%FBSおよび0.5%DMSOを補ったDMEMで連続的に希釈した試験化合物で、48時間処理する。次いで、ルシフェラーゼ活性を、BrightGlo試薬(Promega)およびLMaxIIプレートリーダー(Molecular Probe)を使用して測定する。試験化合物の細胞毒性効果を観察するために、化合物処理の48時間後のレプリコン細胞の生存率を、テトラゾリウム化合物(MTS)利用アッセイ(CellTiter 96(登録商標) AQueous One Solution Cell Proliferation Assay、Promega, Madison, WI)を使用して測定する。CC50は、細胞の生存率が50%に減少した時の化合物の濃度である。
【0093】
A.2 C型肝炎ウイルスを植菌によって感染させたマウスのグループに、試験化合物を5日間経口的に投与する。対照群のマウスには蒸留水を与える。5日後、肝臓を採取し、肝臓細胞壊死を既知の方法で計測し、対照動物と比較する。
【0094】
B.臨床試験
C型肝炎感染、とりわけ慢性HCV感染を有する患者は、1個以上の下記徴候または症状を示し得る:(a)ALTの上昇、(b)抗HCV抗体試験陽性、(c)HCV−RNA試験陽性によって示されるような、HCVの存在、(d)慢性肝臓疾患の臨床的徴候、(e)肝臓細胞の損傷。かかる基準はC型肝炎を診断するだけでなく、薬剤処置に対する患者の応答を評価するためにも使用することができる。
【0095】
血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇は、非制御C型肝炎に発生することが知られており、そして処置に対する完全応答は、これらの血清酵素、とりわけALTの正常化として一般的に定義される(Davis et al., 1989, New Eng. J. Med. 321:1501-1506)。ALTは肝臓細胞が破壊されると放出される酵素であり、HCV感染の症状である。インターフェロンは酵素2’,5’−オリゴアデニル酸シンセターゼ(2’5’OAS)の合成を引き起こし、これは次に、ウイルス性mRNAの分解をもたらす。Houglum, 1983, Clinical Pharmacology 2:20-28。2’5’OASの血清レベルの増加は、ALTレベルの減少と同時に起こる。
【0096】
薬剤処置に応答の対象におけるHCV複製のコースを追跡するために、HCV RNAを、血清試料、例えばHCVゲノムのN53およびN54非構造遺伝子領域に由来する2セットのプライマーを使用するネストポリメラーゼ連鎖反応アッセイで測定することができる。Farci et al., 1991, New Eng. J. Med. 325:98-104. Ulrich et al., 1990, J. Clin. Invest., 86:1609-1614。
【0097】
肝臓生検の組織学的試験を評価のための第2の基準として使用することができる。例えば、Knodell et al., 1981, Hepatology 1:431-435参照、その組織学的活性指標(門脈炎症、断片もしくは架橋壊死、小葉障害および線維症)が疾患活性を計測する方法を提供する。試験化合物は、例えば化合物A、式IX、XIIまたはXIIIaもしくはXIIIbの化合物であり得る。
【0098】
C.組合せ処置
好適な臨床試験は、例えば、患者におけるオープンラベル用量漸増試験である。かかる試験はとりわけ、本発明の組合せ剤の有効成分の相乗効果を明らかにする。有利な効果を、当業者に自体公知のこれらの試験の結果から、直接測定することができる。かかる試験は、とりわけ有効成分を使用した単独治療と、本発明の組合せ剤の効果を比較するのに適している。好ましくは、薬剤(a)の用量を最大耐量に達するまで漸増し、薬剤(b)を固定用量で投与する。あるいは、薬剤(a)を固定用量で投与し、薬剤(b)の用量を漸増する。各患者は薬剤(a)を毎日あるいは断続的に投与される。処置の有効性をかかる試験で、例えば12、18または24週後、6週毎に症状スコアーを評価して測定することができる。
【0099】
あるいは、プラセボ対照2重盲検試験を、本明細書に記載の本発明の組合せ剤の利点を証明するために、例えば臓器、組織または細胞、例えばランゲルハンス島細胞の移植において使用することができる。
【0100】
より具体的には、下記臨床試験B1〜B4を、S1Pレセプターアゴニストとペグ化インターフェロンの組合せの利点を証明するために使用することができる。
【0101】
B1:ウイルス量(HCV−RNA)、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)ならびに標準的な安全性パラメーター(例えば他の肝臓機能試験、血液細胞計測および生化学)を測定するパイロット試験を、H0、H8、H12、H24、D2、D5、D7、D14、D21、D28(Hは時間、Dは日、0は処置の最初の投与の時点である)を4つの患者群でおこなう:
グループ1:2分割用量で化合物A、例えば1〜30mg/日
グループ2:4分割用量で化合物A、例えば1〜30mg/日
グループ3:2分割用量で化合物A+ペグ化インターフェロン
グループ4:4分割用量で化合物A+ペグ化インターフェロン。
【0102】
全患者はC型肝炎ウイルスに感染した患者であり、肝臓機能試験で異常、とりわけALT異常を有する。全員が「未感作」患者であり、すなわち誰も既に何らかのC型肝炎に対する抗ウイルス処置(インターフェロンおよび/またはリバビリン)を受けていない。
【0103】
B2:B1と同様の試験を、インターフェロンまたはペグ化インターフェロンとリバビリンの組合せ処置に応答しなかった患者について行う。
【0104】
B3:ペグ化インターフェロンと化合物Aの組合せ剤を、ペグ化インターフェロンとリバビリンの標準的な組合せと比較する試験を行う。化合物Aの用量はパイロット試験の結果によって定められる。評価基準は24(HCV遺伝子型2−3)週または48(HCV遺伝子型1)週処置終了後の、持続的ウイルス学的応答である。試験は「未感作」患者に対して行う。
【0105】
B4:試験をインターフェロンまたはペグ化インターフェロンとリバビリンの組合せ処置に応答しなかった患者について行う。この試験は、ペグ化インターフェロンと化合物Aの組合せ剤および、ペグ化インターフェロンとリバビリンの組合せから得られるウイルス学的応答の比を比較する。化合物Aの用量はパイロット試験の結果によって定められる。
【0106】
上記手法を式IX、XII、XIIIaまたはXIIIbの化合物について繰り返すことができる。
【0107】
本発明の医薬組合せ剤の投与によって、本発明の組合せ剤に使用されている1種のみの医薬組成物を投与する単独治療と比較すると、有利な効果、例えば相乗的治療効果、たとえば症状の軽減、進行の遅延、または阻害のみならず、さらなる驚くべき有利な効果、例えばより少ない副作用、生活の質の改善、または罹患率の減少をももたらす。
【0108】
更なる利点は本発明の組合せ剤の有効成分の用量をより少なくすることができ、例えば、必ずしも投与量を少なくするだけでなく、より少ない頻度で投与することができ、これは副作用の出現または重症度を減少させることができる。これは処置を受ける患者の希望および要求に沿うものである。
【0109】
「共投与」または「組合せ投与」などの本明細書で使用されている用語は、選択された複数の治療薬剤を1人の患者に投与することを包含する意味であり、そして薬剤が必ずしも同じ投与経路または同時に投与されるない処置レジメンを含むことを意図する。
【0110】
移植片拒絶もしくは自己免疫性疾患、またはそれらに関連した障害に共同的に治療上有効量である量で、本発明の組合せ剤を含む医薬組成物を提供することは、本発明の1つの目的である。この組成物で、薬剤a)および薬剤(b)を一緒に、連続的に、1個の合一された単位投与形態で別々に、または2個の別々の単位投与形態で別々に投与することができる。単位投与形態はまた、固定された組合せ剤であってもよい。
【0111】
薬剤a)およびb)を別々に投与するための医薬組成物、または固定された組合せ剤で投与するための医薬組成物、すなわち少なくとも2種の組合せパートナーa)およびb)を含む1個のガレヌス製剤を、本発明によって、自体公知の方法で製造することができ、そしてヒトを含む哺乳類(温血動物)に経腸的に、例えば経口もしくは直腸投与、または非経腸投与に好適であり、かつ治療上有効量の少なくとも1種の薬理学的に活性な組合せパートナーを単独で、例えば上記の通り、または1種以上の薬学的に許容される、とりわけ経腸または非経腸投与に好適な担体もしくは希釈剤との組合せを含む。
【0112】
好適な医薬組成物は、例えば約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%の有効成分を含む。経腸または非経腸投与による組合せ治療のための医薬製剤は、例えば単位投与形態、例えば糖衣錠、錠剤、カプセル剤、もしくは座薬、またはアンプルのものである。他に指示がない限り、これらは自体公知の方法、例えば常套の混合、造粒、糖コーティング、溶解または凍結乾燥方法によって製造する。必要な有効量を複数の投与ユニットを投与することで達成することができるため、各投与形態に含まれる組合せパートナーの単位成分の個々の用量それ自体が有効量を構成する必要はない。
【0113】
とりわけ、本発明の組合せ剤の組合せパートナー各々の治療上有効量を同時または連続的に、そして任意の順序で投与することができ、そして成分を別々に、または固定された組合せ剤として投与することができる。例えば、本発明の移植片拒絶または自己免疫性疾患を予防法または処置法には、遊離形または薬学的に許容される塩形の第1の薬剤a)を投与すること、そして(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形の薬剤b)を、同時または連続的に、任意の順序で、共同的に治療上有効量で、好ましくは相乗的に有効な量で、例えば本明細書に記載の量に対応する用量で毎日または間隔をあけて、投与することを含んでいてもよい。本発明の組合せ剤の個々の組合せパートナーを、別々に治療コース中の異なる時点で、または別々にもしくは1個の組合せ剤形態で同時に投与することができる。さらに、投与なる用語はまた、インビボで組合せパートナーそれ自体に変換される組合せパートナーのプロドラッグの使用を含む。したがって、本発明はすべてのかかる同時もしくはその他の処置レジメンを包含するものと理解され、「投与」なる用語はそのように理解すべきである。
【0114】
本発明の組合せ剤で使用される組合せパートナーの各々の有効量は、使用する具体的な化合物または医薬組成物、投与形態、処置する状態、処置する状態の重症度に依存して変化し得る。したがって、本発明の組合せ剤の用量レジメンは、投与経路ならびに患者の腎臓および肝臓機能を含む様々な要素にしたがって選択される。通常の知識を有する医師、臨床医、または獣医は、状態の進行を緩解、逆転または阻害するのに必要な1種の有効成分の有効量を、容易に決定および予測することができる。毒性を示さずに効果を得る範囲内の有効成分の濃度を達成する正確な予測には、有効成分の標的部位での利用能の動力学に基づくレジメンが必要である。
【0115】
薬剤a)またはb)の1日投与量は、もちろん様々な要素、例えば選択した化合物、処置する具体的な状態、および所望の効果に依存して変化する。しかしながら、一般的に満足のいく結果が、薬剤a)を1日あたり約0.03〜5mg/kg、とりわけ1日あたり0.1〜5mg/kg、例えば1日あたり0.1〜2.5mg/kgのオーダーの1日用量で、1回用量または分割用量として、投与することによって達成される。S1Pレセプター調節剤またはアゴニスト、例えば式I〜XVの化合物を、任意の常套の経路で、とりわけ経腸、例えば経口的に、例えば錠剤、カプセル剤、内用液の形態で、あるいは非経腸的に、例えば注射溶液もしくは懸濁液の形態で、投与することができる。経口投与に好適な単位投与形態は、約0.02〜50mg、通常0.1〜30mgの有効成分、例えば化合物AまたはBを、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
【0116】
薬剤b)は0.5〜1000mgの日用量の範囲でヒトに投与することができる。経口投与に好適な単位投与形態は、約0.1〜500mgの有効成分を、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。例えば、ラミブジンは100mgの1日用量で投与することができる。リバビリンは、1.0〜1.5gの1日用量で投与することができる。ミコフェノール酸ナトリウムは、180mg〜720mgの1日用量で投与することができる。ペグ化インターフェロンは、非経腸的に、1週間に1〜3回、好ましくは1週間に1回、1週間あたりの合計用量が200万〜1000万IU、より好ましくは500万〜1000万IU、最も好ましくは800万〜1000万IUの範囲で投与することができる。使用することができる共薬剤が様々なタイプであるため、量は大きく、例えば1日あたり0.0001〜5,000mg/kgに変化し得る。
【0117】
本発明の医薬組合せ剤の投与によって、本発明の組合せ剤に使用されている1種のみの医薬組成物を投与する単独治療と比較すると、有利な効果、例えば相乗的治療効果、たとえば移植患者における移植片拒絶の阻害または自己免疫性障害の遅延もしくは阻害のみならず、さらなる驚くべき有利な効果、例えばより少ない副作用、生活の質の改善、または罹患率の減少をももたらす。
【0118】
更なる利点は本発明の組合せ剤の有効成分の用量をより少なくすることができ、例えば、必ずしも投与量を少なくするだけでなく、より少ない頻度で投与することができ、これは副作用の出現または重症度を減少させることができる。これは処置を受ける患者の希望および要求に沿うものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニストを投与することを含む、それを必要とする対象におけるHCV複製の阻害法。
【請求項2】
対象に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニストを投与することを含む、免疫抑制治療を受けているそれを必要とする対象におけるHCV複製の阻害法。
【請求項3】
患者に治療上有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニストを投与することを含む、免疫抑制治療を受けているそれを必要とする対象における、HCV感染またはHCV誘導性障害の再発の予防法。
【請求項4】
培地に有効量のS1Pレセプター調節剤またはアゴニストを加えることを含む、培地におけるHCV複製の阻害法。
【請求項5】
必要とする対象におけるHCV感染またはHCV誘導性障害の予防法または処置法であって、該対象に治療上有効量の、
−式VII
【化1】

〔式中、R1dおよびR2dの各々は独立してHまたはアミノ保護基であり;
3dは水素、ヒドロキシ保護基または式
【化2】

の基であり;
4dはC1−4アルキルであり;
は1〜6の整数であり;
はエチレン、ビニレン、エチニレン、式−D−CH−(式中、Dはカルボニル、−CH(OH)−、O、SまたはNである)を有する基、アリールまたは下記定義のグループaから選択される3個までの置換基によって置換されたアリールであり;
は単結合、C1−10アルキレン、グループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたC1−10アルキレン、炭素鎖の中央もしくは末端にOもしくはSを有するC1−10アルキレン、または炭素鎖の中央もしくは末端にOもしくはSを有し、かつグループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたC1−10アルキレンであり;
5dは水素、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロ環式基、グループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたC3−6シクロアルキル、グループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたアリール、またはグループaおよびbから選択される3個までの置換基によって置換されたヘテロ環式基であり;
6dおよびR7dの各々は独立して、Hまたはグループaから選択される置換基であり;
8dおよびR9dの各々は独立して、Hまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルであり;
<グループa>はハロゲン、低級アルキル、ハロゲン低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、低級脂肪族アシル、アミノ、モノ−低級アルキルアミノ、ジ−C1−4アルキルアミノ、アシルアミノ、シアノまたはニトロであり;そして
<グループb>はC3−6シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基であり、各々は所望によりグループaから選択される3個までの置換基によって置換されているが;
5dが水素であるとき、Yは単結合または直鎖状C1−10アルキレンである〕
の化合物;
−式VIII
【化3】

〔式中、R1e、R2e、R3e、R4e、R5e、R6e、R7e、n、XおよびYはJP−14316985に記載の通りである〕
の化合物;
−式IX
【化4】

〔式中、XはO、S、SOまたはSOであり;
1fはハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CH−OH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロもしくはシアノであるか、または各フェニル基が所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルもしくはC1−4アルコキシによって置換されたフェニル、フェニルC1−4アルキルもしくはフェニル−C1−4アルコキシであり;
2fはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
3fはH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシまたはC1−4アルコキシメチルであり;
4fおよびR5fの各々は独立して、Hまたは式
【化5】

(式中、R8fおよびR9fは各々独立して、Hまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルである)
の基であり;そして
は1〜4の整数である〕
の化合物;
−式X
【化6】

〔式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;
およびnの各々は独立して、0または1であり;
AはCOOH、PO、POSOPO(C1−3アルキル)OHおよび1H−テトラゾール−5−イルから選択され;
1gおよびR2gは各々独立してH、ハロゲン、OH、COOHまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルであり;
3gはHまたは所望によりハロゲンもしくはOHによって置換されたC1−4アルキルであり;
4gは各々独立してハロゲンであるか、または所望によりハロゲン置換されたC1−4アルキルもしくはC1−3アルコキシであり;そして
およびMの各々は、WO03/062252A1に各々BおよびCと示されている意義の1個を有する〕
の化合物;
−WO 03/062248A2に記載の化合物、例えば式XI
【化7】

〔式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;
nは2、3または4であり;
AはCOOH、1H−テトラゾール−5−イル、PO、PO、−SOHまたはPO(R5h)OHであり、ここでR5hはC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、フェニル、−CO−C1−3アルコキシおよび−CH(OH)−フェニルから選択され、ここで前記フェニルまたはフェニル基は所望により置換されており;
1hおよびR2hの各々は独立してH、ハロゲン、OH、COOH、または所望によりハロゲン置換されたC1−6アルキルもしくはフェニルであり;
3hはHまたは所望によりハロゲンおよび/OHによって置換されたC1−4アルキルであり;
4hは各々独立してハロゲン、OH、COOH、C1−4アルキル、S(O)0、1または21−3アルキル、C1−3アルコキシ、C3−6シクロアルコキシ、アリールまたはアラルコキシであり、ここでアルキル基は所望により1〜3個のハロゲンによって置換されていてもよく;そして
およびMの各々は独立してWO03/062248A2に各々BおよびCと示されている意義の1個を有する〕
の化合物;
−式XII
【化8】

〔式中、
1jはハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキル−スルホニル、アラルキル、所望により置換されたフェノキシまたはアラルキルオキシであり、
2jはH、ハロゲン、トリハロ−メチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アラルキルまたはアラルキルオキシであり、
3jはH、ハロゲン、CF、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオまたはベンジルオキシであり、
4jはH、C1−4アルキル、フェニル、所望により置換されたベンジルもしくはベンゾイル、または低級脂肪族C1−5アシルであり、
5jはH、モノハロメチル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシメチル、C1−4アルキル−チオメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フェニル、アラルキル、C2−4アルケニルまたは−アルキニルであり、
6jおよびR7jの各々は独立してHまたはC1−4アルキルであり、
はO、S、SOまたはSOであり、そして
は1〜4の整数である〕
の化合物、例えば2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−メチルブタン−1−オールまたは2−アミノ−4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]−2−エチルブタン−1−オール;
−式XIIIaまたはXIIIb
【化9】

〔式中、
はCOOR5k、OPO(OR5k、PO(OR5k2、SOOR5k、POR5kOR5kまたは1H−テトラゾール−5−イルであり、R5kはHまたはC1−6アルキルであり;
は結合、C1−3アルキレンまたはC2−3アルケニレンであり;
は所望によりハロゲン、OH、NO、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ;ハロ置換C1−6アルキルおよびハロ置換C1−6アルコキシから選択される1〜3個の基によって置換されたC6−10アリールまたはC3−9ヘテロアリールであり;
はWO 04/103306Aに示されているヘテロ環式基であり;
1kは所望によりC1−6アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−4アルキル、C3−9ヘテロアリール、C3−9ヘテロアリールC1−4アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキルC1−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルまたはC3−8ヘテロシクロアルキルC1−4アルキルによって置換されたC6−10アリールまたはC3−9ヘテロアリール;ここで、R1kのいずれかのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ置換−C1−6アルキルもしくは−C1−6アルコキシから選択される1〜5個の基によって置換されていてもよく;
2kはH、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり:そして
3kまたはR4kの各々は独立して、H、ハロゲン、OH、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロ置換−C1−6アルキルもしくは−C1−6アルコキシである〕
の化合物およびそのN−オキシド誘導体またはそのプロドラッグ;
−式XIVまたはXV
【化10】

の化合物;
またはそれらの薬理学的に許容される塩、エステル、溶媒和物または水和物である、S1Pレセプター調節剤またはアゴニストを投与することを含んでなる方法。
【請求項6】
S1P1レセプター調節剤またはアゴニストが
−式I
【化11】

〔式中、Rは直鎖状または分枝鎖状(C12−22)鎖であり、
−これは、鎖中に二重結合、三重結合、O、S、NR(ここで、RはH、C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、アシルまたは(C1−4アルコキシ)カルボニルである)、およびカルボニルから選択される結合またはヘテロ原子を有していてもよく、および/または
−これはC1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキル−オキシ、アシル、C1−4アルキルアミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)−カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを置換基として有していてもよく;または

−アルキルが直鎖状または分枝鎖状(C6−20)炭素鎖であるフェニルアルキル;または
−アルキルが直鎖状または分枝鎖状(C1−30)炭素鎖であるフェニルアルキルであり、ここで当該フェニルアルキルは
−所望によりハロゲンによって置換された直鎖状または分枝鎖状(C6−20)炭素鎖、
−所望によりハロゲンによって置換された直鎖状または分枝鎖状(C6−20)アルコキシ鎖、
−直鎖状または分枝鎖状(C6−20)アルケニルオキシ、
−フェニル−C1−14アルコキシ、ハロフェニル−C1−4アルコキシ、フェニル−C1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシ−C1−4アルコキシまたはフェノキシ−C1−4アルキル、
−C6−20アルキルによって置換されたシクロアルキルアルキル、
−C6−20アルキルによって置換されたヘテロアリールアルキル、
−ヘテロ環式C6−20アルキル、または
−C2−20アルキルによって置換されたヘテロ環式アルキル
であり、ここでアルキル基は、
−炭素鎖に、二重結合、三重結合、O、S、スルフィニル、スルホニル、またはNR(ここで、Rは上記定義のとおりである)から選択される結合またはヘテロ原子を有していてもよく、そして
−C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、アシル、C1−4アルキル−アミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを置換基として有していてもよく、そして
、R、RおよびRの各々は独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである〕
の化合物;
−式II
【化12】

〔式中、mは1〜9であり、そしてR’、R’、R’およびR’の各々は独立して、H、C1−6アルキルまたはアシルである〕
の化合物;
−式III
【化13】

〔式中、WはH;C1−6アルキル、C2−6アルケニルもしくはC2−6アルキニル;非置換もしくはOHによって置換されたフェニル;R’’O(CH;またはハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニルおよびOHによって置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されたC1−6アルキルであり;
XはHまたは、例えばC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、オキソ、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、非置換フェニルならびにC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換された、p個の炭素原子を有する置換もしくは非置換直鎖状アルキルもしくは(p−1)個の炭素原子を有する置換もしくは非置換直鎖状アルコキシであり;
YはH、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルまたはハロゲンであり;
は単結合または1個もしくはq個の炭素原子を有する直鎖状アルキレンであり;
pおよびqの各々は独立して、1〜20の整数であるが、6≦p+q≦23であり、m’は1、2または3であり、nは2または3であり;
R’’、R’’、R’’およびR’’の各々は独立して、H、C1−4アルキルまたはアシルである〕
の化合物;
−式IVa
【化14】

または式IVb
【化15】

〔式中、XはO、S、NR1sまたは非置換であるかもしくは基が1〜4個のハロゲンによって置換された、nが1または2である−(CHna−基であり;
1sはHまたは非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換された(C1−4)アルキルであり;
1aはH、OH、(C1−4)アルキルまたはO(C1−4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかもしくは1〜3個のハロゲンによって置換されており;
1bはH、OHまたは非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換された(C1−4)アルキルであり;
2aの各々は独立してHまたは非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換された(C1−4)アルキルから選択され;
3aはH、OH、非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンまたはハロゲンによって置換されたO(C1−4)アルキルであり;そして
3bはH、OH、ハロゲン、非置換であるかもしくはアルキルがヒドロキシによって置換された(C1−4)アルキル、または非置換であるかもしくはアルキルがハロゲンによって置換されたO(C1−4)アルキルであり;
は−CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(=NOH)−、OまたはSであり、そして
4aは(C4−14)アルキルまたは(C4−14)アルケニルである〕
の化合物;
−式V
【化16】

〔式中、
は1、2または3であり;
はOまたは直接結合であり;
1cはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、C3−10シクロアルキル、フェニルもしくはヒドロキシ−フェニレンによって置換されたC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHによって置換されたフェニルであり;
2c
【化17】

(式中、R5cはHまたは所望により1、2もしくは3個のハロゲン原子によって置換されたC1−4アルキルであり、そしてR6cはHまたは所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルである)
であり;
3cおよびR4cの各々は独立して、H、所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキル、またはアシルであり、そして
は所望により鎖中に酸素原子を有していてもよく、かつ所望によりニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシによって置換されていてもよいC13−20アルキル;または式(a)
【化18】

(式中、R7cはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、そして
8cは置換C1−20アルカノイル、所望によりC1−14アルキルがハロゲンもしくはOHによって置換されたフェニルC1−14アルキル;所望によりシクロアルキルもしくはフェニル環がハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシによって置換されているシクロアルキルC1−14アルコキシまたはフェニルC1−14アルコキシ;フェニルC1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシC1−14アルコキシまたはフェノキシC1−14アルキル)
の基であり;
はまた、R1cがC1−4アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるとき、R8cがC1−14アルコキシである式(a)の基である〕
の化合物;
−式VI
【化19】

〔式中、
は2、3または4であり
1xはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、シクロアルキル、フェニルもしくはヒドロキシ−フェニレンによって置換されたC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHによって置換されたフェニルであり;
2xはH、C1−4アルキルまたはアシルであり;
3xおよびR4xの各々は独立して、H、所望によりハロゲンによって置換されたC1−4アルキルまたはアシルであり;
5xはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり;そして
6xはシクロアルキルによって置換されたC1−20アルカノイル;所望によりシクロアルキル環がハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシによって置換されたシクロアルキルC1−14アルコキシ;所望によりフェニル環がハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシによって置換されたフェニルC1−14アルコキシであり;
6xはまた、R1xがOHによって置換されたC2−4アルキルであるときC4−14アルコキシであるか、またはR1xがC1−4アルキルであるとき、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシであるが;
5xがHであるかまたはR1xがメチルであるとき、R6xはフェニル−ブチレンオキシ以外である〕
の化合物;および
請求項5に定義の式VII〜XVの化合物、またはそれらの薬理学的に許容される塩、エステル、溶媒和物もしくは水和物から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに定義の方法に使用するための医薬組成物の製造におけるS1Pレセプター調節剤またはアゴニストの使用。
【請求項8】
請求項5に定義の方法に使用するための医薬組成物の製造における、請求項5に定義の式VII〜XVのS1Pレセプター調節剤またはアゴニストの使用。
【請求項9】
S1Pレセプター調節剤またはアゴニストを、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、請求項1〜4のいずれかに定義の方法に使用するための医薬組成物。
【請求項10】
請求項5に定義の式VII〜XVのS1Pレセプター調節剤またはアゴニストを、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、請求項5に定義の方法に使用するための医薬組成物。
【請求項11】
a)S1Pレセプター調節剤またはアゴニストである第1の薬剤と、b)抗HCV活性を有する共薬剤または抗ウイルス剤を含む医薬組合せ剤。

【公表番号】特表2008−526714(P2008−526714A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548833(P2007−548833)
【出願日】平成18年1月2日(2006.1.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000003
【国際公開番号】WO2006/072562
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】