説明

HGFR阻害物質の作用検定方法

【課題】HGFR阻害物質が被験体に作用しているか否かを検定する方法の提供。
【解決手段】HGFR阻害物質の被験体に対する作用を検定する方法であって、(a)被験体にHGFR阻害物質を投与する前後におけるmRNAの発現量を測定する工程と、(b)(a)で測定された発現量をもとに、HGFR阻害物質を投与する前のmRNAの発現量と、それを投与した後のmRNAの発現量とを比較し、投与後のmRNAの発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被験体に対して作用していると判断する工程とを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝細胞増殖因子受容体(Hepatocyte growth factor receptor;以下、「HGFR」と略す;なお、c−Metともいう)阻害物質の作用検定方法に関し、より詳細には、mRNAの発現量減少またはタンパク質の発現量減少を指標にHGFR阻害物質の作用を検定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、HGFR阻害作用を有し、抗腫瘍剤、血管新生阻害剤または癌転移抑制剤として有用なピリジンまたはピリミジン誘導体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/023768号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬物療法において、薬物が患者に作用しているか否かを判断するのは重要な意義がある。患者への作用が十分であれば、より少ない量の薬物を投与すべきと判断することができ、患者への作用が不十分であれば、より多くの量の薬物を投与すべきと判断することができる。このように薬物の投与量を的確にコントロールすることができれば、必要最小限の薬物を患者に投与することができるため、副作用を減らすことが可能となる。特に、副作用の問題が深刻となる抗腫瘍剤においては、薬物の投与量のコントロールは重要となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、特許文献1に記載のピリジンまたはピリミジン誘導体を癌細胞に接触させたところ、所定の遺伝子のmRNAおよびタンパク質の発現量が減少することを見出した。そして、この知見に基づいて、ピリジンまたはピリミジン誘導体が患者に作用しているか否かを検定することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[14]を提供する。
[1] HGFR阻害物質の被験体に対する作用を検定する方法であって、
(a)被験体にHGFR阻害物質を投与する前後におけるmRNAの発現量を測定する工程と、
(b)(a)で測定された発現量をもとに、HGFR阻害物質を投与する前のmRNAの発現量と、それを投与した後のmRNAの発現量とを比較し、投与後のmRNAの発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被験体に対して作用していると判断する工程と
を含む方法。
[2] HGFR阻害物質が、下記式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、[1]に記載の方法。
【化1】

(式中、Rは、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基(ただし、環を構成する原子中に窒素原子が必ず含まれ、かつ窒素原子から、結合手が出ているものに限る)または式−NR11a11b(式中、R11aおよびR11bは、同一または異なって、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6アルケニル基、C3−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員へテロアリール基または4〜10員非芳香族ヘテロ環式基を意味する。ただし、R11aおよびR11bは、下記置換基群aまたは下記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
[置換基群a]
ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基およびオキソ基。
[置換基群b]
1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基、C1−6アルコキシ基、C3−6アルケニルオキシ基、C3−6アルキニルオキシ基、C3−10シクロアルコキシ基、C6−10アリールオキシ基、5〜10員ヘテロアリールオキシ基、4〜10員非芳香族ヘテロ環オキシ基、C1−6アルキルチオ基、C3−6アルケニルチオ基、C3−6アルキニルチオ基、C3−10シクロアルキルチオ基、C6−10アリールチオ基、5〜10員ヘテロアリールチオ基、4〜10員非芳香族ヘテロ環チオ基および式−T−T−T
(式中、Tは、単結合またはC1−6アルキレン基を意味する。
は、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、式−C(=O)−O−で表される基、式−O−C(=O)−で表される基、式−SO−O−で表される基、式−O−SO−で表される基、式−NRT1−で表される基、式−C(=O)−NRT1−で表される基、式−NRT1−C(=O)−で表される基、式−SO−NRT1−で表される基または式−NRT1−SO−で表される基を意味する。
は、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6アルケニル基、C3−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基または4〜10員非芳香族ヘテロ環式基を意味する。
T1は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。)で表される基からなり、上記各基は、下記置換基群cから選ばれる置換基を有していてもよい。
[置換基群c]
ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基およびジ−C1−6アルキルアミノ基。)で表される基を意味する。
ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
およびRは、水素原子を意味する。
、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、式−CO−R12(式中、R12は、水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基またはジ−C1−6アルキルアミノ基を意味する。)で表される基を意味する。
は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。
は、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基(ただし、環を構成する原子中に窒素原子が必ず含まれ、かつ窒素原子から、結合手が出ているものに限る)または式−NR11a11b(式中、R11aおよびR11bは、上記定義と同意義を意味する)で表される基で表される基を意味する。
ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
nは、1ないし2の整数を意味する。
Xは、式−C(R10)=(式中、R10は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、式−CO−R12(式中、R12は、上記定義と同意義を意味する。)で表される基を意味する。)で表される基または窒素原子を意味する。)
[3] 工程(a)において、HGFR阻害物質を投与する前および後に被験体から採取された試料中のmRNAの発現量が測定される、[1]に記載の方法。
[4]
被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿および血清からなる群から選択される、[3]に記載の方法。
[5] 工程(a)におけるmRNAの発現量の測定が、ノーザンブロット法、ドットブロット法、RT−PCR法およびマイクロアレイからなる群から選択されるいずれかの方法により行われる、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記mRNAがc−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される、[1]〜[5]いずれかに記載の方法。
[7] HGFR阻害物質の被験体に対する作用を検定する方法であって、
(a)被験体にHGFR阻害物質を投与する前後におけるタンパク質の発現量を測定する工程と、
(b)(a)で測定された発現量をもとに、HGFR阻害物質を投与する前のタンパク質の発現量と、それを投与した後のタンパク質の発現量とを比較し、投与後のタンパク質の発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被験体に対して作用していると判断する工程と
を含む、
方法。
[8] HGFR阻害物質が、[2]に記載の式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、[7]に記載の方法。
[9] 工程(a)において、HGFR阻害物質を投与する前および後に被験体から採取された試料中のタンパク質の発現量が測定される、[7]に記載の方法。
[10] 被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿および血清からなる群から選択される、[9]に記載の方法。
[11] 工程(a)におけるタンパク質の発現量の測定が、蛍光抗体法、酵素免疫測定(ELISA)法、放射免疫測定(RIA)法、ウェスタンブロット法、および免疫染色法からなる群から選択されるいずれかの方法により行われる、[7]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 前記タンパク質が、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される、[7]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 式(I)の化合物が、
(1)N−[4−({2−[({4−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペラジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(2)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(3)N−(4−フルオロフェニル)−N’−{2−フルオロ−4−[(2−{[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(4)N−[4−({2−[({4−[(ジメチルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(5)N−{4−[(2−{[(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(6)N−[4−({2−[({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(7)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(8)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(9)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(1−メチルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(10)N−(4−{[2−({[4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(11)N−(4−{[2−({[4−(アゼチジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(12)N−(4−フルオロフェニル)−N’−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(ピロリジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(13)N−(4−{[2−({[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(14)N−(4−{[2−({[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(15)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(16)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(17)N−[4−({2−[({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(18)N−(4−{[2−({[(1−エチルピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(19)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(20)N−(4−フルオロフェニル)−N’−[2−フルオロ−4−({2−[(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(21)N−{2−フルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(22)N−[4−({2−[(1,3’−ビアゼチジン−1’−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(23)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(24)N−(4−{[2−({[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(25)N−[4−({2−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(26)N−{2−フルオロ−4−[(2−{[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(27)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(28)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(29)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(30)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2,5−ジフルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(31)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(32)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(33)N−[2,5−ジフルオロ−4−({2−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(34)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(35)N−{4−[(2−{[3−(アゼチジン−1−イルメチル)アゼチジン−1−イルカルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]−2,5−ジフルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(36)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(37)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリミジン−6−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(38)N−[4−({4−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリミジン−6−イル}オキシ)−2,5−ジフルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(39)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(40)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(41)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(42)N−(4−{[2−({[4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(43)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(44)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(45)N−{4−[(2−{[(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]オキシ}−2,5−ジフルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(46)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(2−ジメチルアミノアセトキシ)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(47)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたは
(48)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
である[1]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 式(I)の化合物が、
(1)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(2)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(3)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(4)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(5)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたは
(6)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
である[1]〜[12]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、mRNAの発現量やタンパク質の発現量を指標にして、HGFR阻害物質、好ましくは式(I)の化合物の生体への作用を確認することができる。例えば、癌患者の癌組織あるいは正常組織においてmRNAの発現量やタンパク質の発現量が減少している場合には、投与したHGFR阻害物質、好ましくは式(I)の化合物が生体内において作用していると判断でき、薬剤投与が不要であるか、あるいはより少ない量の薬剤を投与すべきと判断できる。また、癌患者の癌組織あるいは正常組織におけるmRNAの発現量やタンパク質の発現量が増加傾向にあるか、あるいは実質的に投与前の量になった場合には、投与したHGFR阻害物質、好ましくは式(I)の化合物が生体内において作用していないと判断でき、更なる薬剤投与が必要であると判断できる。従って、本発明によれば、癌患者への投与の際に、定期的にmRNAの発現量やタンパク質の発現量をモニターすることにより、抗癌剤を効果的に患者に投与できるとともに、必要最小限の薬剤を患者に投与できる。特に、患者の血液など正常組織から得られた試料に基づいてmRNAの発現量やタンパク質の発現量をモニターし、その結果に基づいてHGFR阻害物質、好ましくは式(I)の化合物の作用を判断できることから、HGFR阻害物質、好ましくは式(I)の化合物の生体への作用を簡便かつ確実に把握できる点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】薬理試験例3の結果(c−Met濃度)を表すグラフである。
【図2】薬理試験例3の結果(uPA及びuPAR濃度)を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本明細書において記載する記号、用語等の定義等を示して、本発明を詳細に説明する。
【0010】
HGFR阻害物質とは、HGFRを介する機能/作用を抑制/阻害する物質をいう。HGFR阻害物質は、HGFRを介する機能/作用を抑制/阻害する物質であればどのような態様であってもよいが、例えば、低分子化合物、ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびそれらの断片を挙げることができる。さらに具体的には、式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物、(R)−3−[1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−エトキシ]−5−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−2−イルアミン(PF2341066ともいう)ならびにCui,Expert Opin.Ther.Patents,(2007),17(9):1035−1045に開示された以下の化合物を挙げることができる。なお、これらの化合物は、国際公開第2007/023768号、またはCui,Expert Opin.Ther.Patents,(2007),17(9):1035−1045に記載の文献に基づいて得ることができる。
【化2】

【化3】

【0011】
本明細書中においては、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる全ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体および異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。したがって、本発明の化合物には、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体およびラセミ体が存在することがありうるが、本発明においては一方に限定されず、いずれもが含まれる。また、結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの結晶形が単一であっても結晶形混合物であってもよい。そして、本発明に係る化合物には無水物と水和物が包含される。
【0012】
また、本発明に係る化合物が生体内で酸化、還元、加水分解、抱合等の代謝を受けて生じる化合物(いわゆる代謝物)、生体内で酸化、還元、加水分解、抱合等の代謝を受けて本発明に係る化合物を生成する化合物(いわゆるプロドラッグ)も本発明の特許請求の範囲に包含される。
【0013】
「塩」とは、例えば無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩、酸性または塩基性アミノ酸との塩などがあげられ、中でも薬理学的に許容される塩が好ましい。
【0014】
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとの塩があげられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ステアリン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩があげられる。
【0015】
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩などがあげられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばジエチルアミン、ジエタノールアミン、メグルミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩があげられる。
【0016】
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩があげられる。
【0017】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
【0018】
「C1−6アルキル基」とは、炭素数1ないし6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味し、具体例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基(n−プロピル基)、2−プロピル基(i−プロピル基)、2−メチル−1−プロピル基(i−ブチル基)、2−メチル−2−プロピル基(t−ブチル基)、1−ブチル基(n−ブチル基)、2−ブチル基(s−ブチル基)、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、3−メチル−1−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−へキシル基、2−へキシル基、3−へキシル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−2−ペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基、2,3−ジメチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基などがあげられる。
【0019】
「C2−6アルケニル基」とは、二重結合を1個有する、炭素数2ないし6個の直鎖状または分枝鎖状のアルケニル基を意味し、具体例としては、エテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などがあげられる。
【0020】
「C3−6アルケニル基」とは、二重結合を1個有する、炭素数3ないし6個の直鎖状または分枝鎖状のアルケニル基を意味し、具体例としては、2−プロペニル基(アリル基)、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などがあげられる。
【0021】
「C2−6アルキニル基」とは、三重結合を1個有する、炭素数2ないし6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基を意味し、具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基などがあげられる。
【0022】
「C3−6アルキニル基」とは、三重結合を1個有する、炭素数3ないし6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基を意味し、具体例としては、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基などがあげられる。
【0023】
「C1−6アルキレン基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」からさらに任意の水素原子を1個除いて誘導される二価の基を意味し、具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,1−エチレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などがあげられる。
【0024】
「C3−10シクロアルキル基」とは、炭素数が3ないし10個の単環または二環の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロ[2.1.0]ペンチル基、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基(ノルボルニル基)、ビシクロ[3.3.0]オクチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[4.3.0]ノニル基、ビシクロ[3.3.1]ノニル基、ビシクロ[4.4.0]デシル基(デカリル基)、ビシクロ[3.3.2]デシル基などがあげられる。
【0025】
「C6−10アリール基」とは、炭素数が6ないし10個の芳香族の炭化水素環式基を意味し、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、インデニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基などがあげられる。
【0026】
「ヘテロ原子」とは、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を意味する。
【0027】
「5〜10員ヘテロアリール基」とは、環を構成する原子の数が5ないし10個であり、環を構成する原子中に1ないし5個のヘテロ原子を含有する芳香族性の環式基を意味し、具体例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、プリニル基、プテリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、イミダゾピリジル基、イミダゾチアゾリル基、イミダゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ピロロピリジル基、チエノピリジル基、フロピリジル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ピリドピリミジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、チエノフリル基などがあげられる。
【0028】
「5〜10員ヘテロアリール基」の好適な例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基をあげることができる。
【0029】
「3〜10員非芳香族ヘテロ環式基」とは、
(1)環を構成する原子の数が3ないし10個であり、
(2)環を構成する原子中に1ないし2個のヘテロ原子を含有し、
(3)環中に重結合を1ないし2個含んでいてもよく、
(4)環中にカルボニル基、スルフィニル基またはスルホニル基を1ないし3個含んでいてもよい、
(5)単環式または二環式である非芳香族性の環式基を意味し、環を構成する原子中に窒素原子を含有する場合、窒素原子から結合手が出ていてもよい。具体例としては、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アゼパニル基、アゾカニル基、ピペラジニル基、ジアゼパニル基、ジアゾカニル基、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、1,1−ジオキソチオモルホリニル基、オキシラニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロチオピラニル基、オキサゾリジニル基、チアゾリジニル基などがあげられる。
【0030】
「3〜10員非芳香族ヘテロ環式基」の好適な例としては、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アゼパニル基、ピペラジニル基、ジアゼパニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、1,1−ジオキソチオモルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基をあげることができる。
【0031】
「4〜10員非芳香族ヘテロ環式基」とは、
(1)環を構成する原子の数が4ないし10個であり、
(2)環を構成する原子中に1ないし2個のヘテロ原子を含有し、
(3)環中に二重結合を1ないし2個含んでいてもよく、
(4)環中にカルボニル基、スルフィニル基またはスルホニル基を1ないし3個含んでいてもよい、
(5)単環式または二環式である非芳香族性の環式基を意味し、環を構成する原子中に窒素原子を含有する場合、窒素原子から結合手が出ていてもよい。具体例としては、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アゼパニル基、アゾカニル基、ピペラジニル基、ジアゼパニル基、ジアゾカニル基、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、1,1−ジオキソチオモルホリニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロチオピラニル基、オキサゾリジニル基、チアゾリジニル基などがあげられる。
【0032】
「4〜10員非芳香族ヘテロ環式基」の好適な例としては、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アゼパニル基、ピペラジニル基、ジアゼパニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、1,1−ジオキソチオモルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基をあげることができる。
【0033】
「C3−10シクロアルキルC1−6アルキル基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」中の任意の水素原子を、上記定義「C3−10シクロアルキル基」で置換した基を意味し、具体例としては、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基、シクロノニルメチル基、シクロデシルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基(ノルボルニルメチル基)、ビシクロ[4.4.0]デシルメチル基(デカリルメチル基)などがあげられる。
【0034】
「C6−10アリールC1−6アルキル基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」中の任意の水素原子を、上記定義「C6−10アリール基」で置換した基を意味し、具体例としては、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フェネチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基などがあげられる。
【0035】
「5〜10員へテロアリールC1−6アルキル基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」中の任意の水素原子を、上記定義「5〜10員ヘテロアリール基」で置換した基を意味し、具体例としては、フリルメチル基、チエニルメチル基、ピロリルメチル基、イミダゾリルメチル基、トリアゾリルメチル基、テトラゾリルメチル基、チアゾリルメチル基、ピラゾリルメチル基、オキサゾリルメチル基、イソオキサゾリルメチル基、イソチアゾリルメチル基、フラザニルメチル基、チアジアゾリルメチル基、オキサジアゾリルメチル基、ピリジルメチル基、ピラジニルメチル基、ピリダジニルメチル基、ピリミジニルメチル基、トリアジニルメチル基、フリルエチル基、チエニルエチル基、ピロリルエチル基、イミダゾリルエチル基、トリアゾリルエチル基、テトラゾリルエチル基、チアゾリルエチル基、ピラゾリルエチル基、オキサゾリルエチル基、イソオキサゾリルエチル基、イソチアゾリルエチル基、フラザニルエチル基、チアジアゾリルエチル基、オキサジアゾリルエチル基、ピリジルエチル基、ピラジニルエチル基、ピリダジニルエチル基、ピリミジニルエチル基、トリアジニルエチル基などがあげられる。
【0036】
「5〜10員ヘテロアリールC1−6アルキル基」の好適な例としては、フリルメチル基、チエニルメチル基、ピロリルメチル基、イミダゾリルメチル基、チアゾリルメチル基、ピラゾリルメチル基、オキサゾリルメチル基、イソオキサゾリルメチル基、イソチアゾリルメチル基、ピリジルメチル基、ピリミジニルメチル基、フリルエチル基、チエニルエチル基、ピロリルエチル基、イミダゾリルエチル基、チアゾリルエチル基、ピラゾリルエチル基、オキサゾリルエチル基、イソオキサゾリルエチル基、イソチアゾリルエチル基、ピリジルエチル基、ピリミジニルエチル基をあげることができる。
【0037】
「3〜10員非芳香族ヘテロ環C1−6アルキル基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」中の任意の水素原子を、上記定義「3〜10員非芳香族ヘテロ環式基」で置換した基を意味し、具体例としては、アジリジニルメチル基、アゼチジニルメチル基、ピロリジニルメチル基、ピペリジニルメチル基、アゼパニルメチル基、アゾカニルメチル基、ピペラジニルメチル基、ジアゼパニルメチル基、ジアゾカニルメチル基、モルホリニルメチル基、チオモルホリニルメチル基、1,1−ジオキソチオモルホリニルメチル基、オキシラニルメチル基、オキセタニルメチル基、テトラヒドロフリルメチル基、テトラヒドロピラニルメチル基、ジオキサニルメチル基、テトラヒドロチエニルメチル基、テトラヒドロチオピラニルメチル基、オキサゾリジニルメチル基、チアゾリジニルメチル基、アジリジニルエチル基、アゼチジニルエチル基、ピロリジニルエチル基、ピペリジニルエチル基、アゼパニルエチル基、アゾカニルエチル基、ピペラジニルエチル基、ジアゼパニルエチル基、ジアゾカニルエチル基、モルホリニルエチル基、チオモルホリニルエチル基、1,1−ジオキソチオモルホリニルエチル基、オキシラニルエチル基、オキセタニルエチル基、テトラヒドロフリルエチル基、テトラヒドロピラニルエチル基、ジオキサニルエチル基、テトラヒドロチエニルエチル基、テトラヒドロチオピラニルエチル基、オキサゾリジニルエチル基、チアゾリジニルエチル基などがあげられる。
【0038】
「3〜10員非芳香族ヘテロ環C1−6アルキル基」の好適な例としては、アゼチジニルメチル基、ピロリジニルメチル基、ピペリジニルメチル基、アゼパニルメチル基、ピペラジニルメチル基、ジアゼパニルメチル基、モルホリニルメチル基、チオモルホリニルメチル基、テトラヒドロフリルメチル基、アゼチジニルエチル基、ピロリジニルエチル基、ピペリジニルエチル基、アゼパニルエチル基、ピペラジニルエチル基、ジアゼパニルエチル基、モルホリニルエチル基、チオモルホリニルエチル基、テトラヒドロフリルエチル基をあげることができる。
【0039】
「C1−6アルコキシ基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体的としては、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基(n−プロポキシ基)、2−プロポキシ基(i−プロポキシ基)、2−メチル−1−プロポキシ基(i−ブトキシ基)、2−メチル−2−プロポキシ基(t−ブトキシ基)、1−ブトキシ基(n−ブトキシ基)、2−ブトキシ基(s−ブトキシ基)、1−ペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、2−メチル−1−ブトキシ基、3−メチル−1−ブトキシ基、2−メチル−2−ブトキシ基、3−メチル−2−ブトキシ基、2,2−ジメチル−1−プロポキシ基、1−へキシルオキシ基、2−へキシルオキシ基、3−へキシルオキシ基、2−メチル−1−ペンチルオキシ基、3−メチル−1−ペンチルオキシ基、4−メチル−1−ペンチルオキシ基、2−メチル−2−ペンチルオキシ基、3−メチル−2−ペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、2−メチル−3−ペンチルオキシ基、3−メチル−3−ペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−1−ブトキシ基、3,3−ジメチル−1−ブトキシ基、2,2−ジメチル−1−ブトキシ基、2−エチル−1−ブトキシ基、3,3−ジメチル−2−ブトキシ基、2,3−ジメチル−2−ブトキシ基などがあげられる。
【0040】
「C1−6アルキルチオ基」とは、上記定義「C1−6アルキル基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、1−プロピルチオ基(n−プロピルチオ基)、2−プロピルチオ基(i−プロピルチオ基)、2−メチル−1−プロピルチオ基(i−ブチルチオ基)、2−メチル−2−プロピルチオ基(t−ブチルチオ基)、1−ブチルチオ基(n−ブチルチオ基)、2−ブチルチオ基(s−ブチルチオ基)、1−ペンチルチオ基、2−ペンチルチオ基、3−ペンチルチオ基、2−メチル−1−ブチルチオ基、3−メチル−1−ブチルチオ基、2−メチル−2−ブチルチオ基、3−メチル−2−ブチルチオ基、2,2−ジメチル−1−プロピルチオ基、1−へキシルチオ基、2−へキシルチオ基、3−へキシルチオ基、2−メチル−1−ペンチルチオ基、3−メチル−1−ペンチルチオ基、4−メチル−1−ペンチルチオ基、2−メチル−2−ペンチルチオ基、3−メチル−2−ペンチルチオ基、4−メチル−2−ペンチルチオ基、2−メチル−3−ペンチルチオ基、3−メチル−3−ペンチルチオ基、2,3−ジメチル−1−ブチルチオ基、3,3−ジメチル−1−ブチルチオ基、2,2−ジメチル−1−ブチルチオ基、2−エチル−1−ブチルチオ基、3,3−ジメチル−2−ブチルチオ基、2,3−ジメチル−2−ブチルチオ基などがあげられる。
【0041】
「C3−6アルケニルオキシ基」とは、上記定義「C3−6アルケニル基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体的には例えば、2−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基などがあげられる。
【0042】
「C3−6アルケニルチオ基」とは、上記定義「C3−6アルケニル基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、具体例としては、2−プロペニルチオ基(アリルチオ基)、2−ブテニルチオ基、3−ブテニルチオ基、ペンテニルチオ基、ヘキセニルチオ基などがあげられる。
【0043】
「C3−6アルキニルオキシ基」とは、上記定義「C3−6アルキニル基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、2−プロピニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ基などがあげられる。
【0044】
「C3−6アルキニルチオ基」とは、上記定義「C3−6アルキニル基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、2−プロピニルチオ基、2−ブチニルチオ基、3−ブチニルチオ基、ペンチニルチオ基、ヘキシニルチオ基などがあげられる。
【0045】
「C3−10シクロアルコキシ基」とは、上記定義「C3−10シクロアルキル基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基などがあげられる。
【0046】
「C3−10シクロアルキルチオ基」とは、上記定義「C3−10シクロアルキル基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロオクチルチオ基などがあげられる。
【0047】
「C6−10アリールオキシ基」とは、上記定義「C6−10アリール基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、インデニルオキシ基、アズレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基などがあげられる。
【0048】
「C6−10アリールチオ基」とは、上記定義「C6−10アリール基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、インデニルチオ基、アズレニルチオ基、ヘプタレニルチオ基などがあげられる。
【0049】
「5〜10員ヘテロアリールオキシ基」とは、上記定義「5〜10員ヘテロアリール基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、フリルオキシ基、チエニルオキシ基、ピロリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、チアゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、イソオキサゾリルオキシ基、イソチアゾリルオキシ基、フラザニルオキシ基、チアジアゾリルオキシ基、オキサジアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピラジニルオキシ基、ピリダジニルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、トリアジニルオキシ基などがあげられる。
【0050】
「5〜10員ヘテロアリールチオ基」とは、上記定義「5〜10員ヘテロアリール基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、フリルチオ基、チエニルチオ基、ピロリルチオ基、イミダゾリルチオ基、トリアゾリルチオ基、チアゾリルチオ基、ピラゾリルチオ基、オキサゾリルチオ基、イソオキサゾリルチオ基、イソチアゾリルチオ基、フラザニルチオ基、チアジアゾリルチオ基、オキサジアゾリルチオ基、ピリジルチオ基、ピラジニルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジニルチオ基、トリアジニルチオ基などがあげられる。
【0051】
「4〜10員非芳香族ヘテロ環オキシ基」とは、上記定義「4〜10員非芳香族ヘテロ環式基」の末端に酸素原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、アゼチジニルオキシ基、ピロリジニルオキシ基、ピペリジニルオキシ基、アゼパニルオキシ基、アゾカニルオキシ基、ピペラジニルオキシ基、ジアゼパニルオキシ基、ジアゾカニルオキシ基、モルホリニルオキシ基、チオモルホリニルオキシ基、1,1−ジオキソチオモルホリニルオキシ基、オキセタニルオキシ基、テトラヒドロフリルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロチエニルオキシ基、テトラヒドロチオピラニルオキシ基などがあげられる。
【0052】
「4〜10員非芳香族ヘテロ環チオ基」とは、上記定義「4〜10員非芳香族ヘテロ環式基」の末端に硫黄原子が結合した基であることを意味し、具体例としては、アゼチジニルチオ基、ピロリジニルチオ基、ピペリジニルチオ基、アゼパニルチオ基、アゾカニルチオ基、ピペラジニルチオ基、ジアゼパニルチオ基、ジアゾカニルチオ基、オキセタニルチオ基、テトラヒドロフリルチオ基、テトラヒドロピラニルチオ基、テトラヒドロチエニルチオ基、テトラヒドロチオピラニルチオ基などがあげられる。
【0053】
「モノ−C1−6アルキルアミノ基」とは、アミノ基中の1個の水素原子を、上記定義「C1−6アルキル基」で置換した基を意味し、具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、1−プロピルアミノ基(n−プロピルアミノ基)、2−プロピルアミノ基(i−プロピルアミノ基)、2−メチル−1−プロピルアミノ基(i−ブチルアミノ基)、2−メチル−2−プロピルアミノ基(t−ブチルアミノ基)、1−ブチルアミノ基(n−ブチルアミノ基)、2−ブチルアミノ基(s−ブチルアミノ基)、1−ペンチルアミノ基、2−ペンチルアミノ基、3−ペンチルアミノ基、2−メチル−1−ブチルアミノ基、3−メチル−1−ブチルアミノ基、2−メチル−2−ブチルアミノ基、3−メチル−2−ブチルアミノ基、2,2−ジメチル−1−プロピルアミノ基、1−へキシルアミノ基、2−へキシルアミノ基、3−へキシルアミノ基、2−メチル−1−ペンチルアミノ基、3−メチル−1−ペンチルアミノ基、4−メチル−1−ペンチルアミノ基、2−メチル−2−ペンチルアミノ基、3−メチル−2−ペンチルアミノ基、4−メチル−2−ペンチルアミノ基、2−メチル−3−ペンチルアミノ基、3−メチル−3−ペンチルアミノ基、2,3−ジメチル−1−ブチルアミノ基、3,3−ジメチル−1−ブチルアミノ基、2,2−ジメチル−1−ブチルアミノ基、2−エチル−1−ブチルアミノ基、3,3−ジメチル−2−ブチルアミノ基、2,3−ジメチル−2−ブチルアミノ基などがあげられる。
【0054】
「モノ−C3−10シクロアルキルアミノ基」とは、アミノ基中の1個の水素原子を、上記定義「C3−10シクロアルキル基」で置換した基を意味し、具体例としては、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基などがあげられる。
【0055】
「モノ−C6−10アリールアミノ基」とは、アミノ基中の1個の水素原子を、上記定義「C6−10アリール基」で置換した基を意味し、具体例としては、フェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、インデニルアミノ基、アズレニルアミノ基、ヘプタレニルアミノ基などがあげられる。
【0056】
「モノ−5〜10員へテロアリールアミノ基」とは、アミノ基中の1個の水素原子を、上記定義「5〜10員ヘテロアリール基」で置換した基を意味し、具体例としては、フリルアミノ基、チエニルアミノ基、ピロリルアミノ基、イミダゾリルアミノ基、トリアゾリルアミノ基、テトラゾリルアミノ基、チアゾリルアミノ基、ピラゾリルアミノ基、オキサゾリルアミノ基、イソオキサゾリルアミノ基、イソチアゾリルアミノ基、フラザニルアミノ基、チアジアゾリルアミノ基、オキサジアゾリルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピラジニルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基などがあげられる。
【0057】
「モノ−5〜10員ヘテロアリールアミノ基」の好適な例としては、フリルアミノ基、チエニルアミノ基、ピロリルアミノ基、イミダゾリルアミノ基、チアゾリルアミノ基、ピラゾリルアミノ基、オキサゾリルアミノ基、イソオキサゾリルアミノ基、イソチアゾリルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリミジニルアミノ基をあげることができる。
【0058】
「モノ−4〜10員非芳香族ヘテロ環アミノ基」とは、アミノ基中の1個の水素原子を、上記定義「4〜10員非芳香族ヘテロ環式基」で置換した基を意味し、具体例としては、アゼチジニルアミノ基、ピロリジニルアミノ基、ピペリジニルアミノ基、アゼパニルアミノ基、アゾカニルアミノ基、ピペラジニルアミノ基、ジアゼパニルアミノ基、ジアゾカニルアミノ基、モルホリニルアミノ基、チオモルホリニルアミノ基、1,1−ジオキソチオモルホリニルアミノ基、オキセタニルアミノ基、テトラヒドロフリルアミノ基、テトラヒドロピラニルアミノ基、テトラヒドロチエニルアミノ基、テトラヒドロチオピラニルアミノ基などがあげられる。
【0059】
「モノ−4〜10員非芳香族ヘテロ環アミノ基」の好適な例としては、ピロリジニルアミノ基、ピペリジニルアミノ基、アゼパニルアミノ基、ピペラジニルアミノ基、ジアゼパニルアミノ基、モルホリニルアミノ基、チオモルホリニルアミノ基、テトラヒドロフリルアミノ基をあげることができる。
【0060】
「ジ−C1−6アルキルアミノ基」とは、アミノ基中の2個の水素原子を、それぞれ同一のまたは異なる、上記定義「C1−6アルキル基」で置換した基を意味し、具体例としては、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−i−プロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−i−ブチルアミノ基、N,N−ジ−s−ブチルアミノ基、N,N−ジ−t−ブチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−n−プロピル−N−メチルアミノ基、N−i−プロピル−N−メチルアミノ基、N−n−ブチル−N−メチルアミノ基、N−i−ブチル−N−メチルアミノ基、N−s−ブチル−N−メチルアミノ基、N−t−ブチル−N−メチルアミノ基などがあげられる。
【0061】
以下に、上記式(I)で示される化合物における各置換基について説明する。
【0062】
[Rの意義]
は、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基(ただし、環を構成する原子中に窒素原子が必ず含まれ、かつ窒素原子から、結合手が出ているものに限る)または式−NR11a11b(式中、R11aおよびR11bは、同一または異なって、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6アルケニル基、C3−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員へテロアリール基または4〜10員非芳香族ヘテロ環式基を意味する。ただし、R11aおよびR11bは、下記置換基群aまたは下記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。)を意味する。
ただし、Rは、下記置換基群aまたは下記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
の好適な例としては、式
【化4】

(式中、aは、1ないし4の整数を意味する。)で表される基、式
【化5】

(式中、bは、1ないし3の整数を意味する。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基または式−NR−(式中、Rは、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。)で表される基を意味する。)で表される基(ただし、上記式(II)および式(III)で表される基は、下記置換基群aまたは下記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。)または式−NR11c11d(式中、R11cは、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。R11dは、C1−6アルキル基または式
【化6】

(式中、cは、1ないし3の整数を意味する。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基または式−NRZ1−(式中、RZ1は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。)で表される基を意味する。)で表される基を意味する。ただし、R11dは、下記置換基群aまたは下記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。)で表される基があげられる。
のより好適な例としては、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ジアゼパン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、チオモルホリン−4−イル基、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イル基または式−NR11e11f(式中、R11eは、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。R11fは、C1−6アルキル基、ピロリジン−3−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピペリジン−4−イル基またはテトラヒドロピラン−4−イル基を意味する。ただし、R11fは、下記置換基群dから選ばれる置換基を有していてもよい。)で表される基(ただし、上記各基は、下記置換基群dから選ばれる置換基を有していてもよい。)があげられる。
のさらに好適な例としては、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ジアゼパン−1−イル基、モルホリン−4−イル基(ただし、上記各基は、下記置換基群eから選ばれる置換基を有していてもよい。)または式−NR11g11h(式中、R11gは、水素原子またはメチル基を意味する。R11hは、n−プロピル基、n−ブチル基、ピロリジン−3−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピペリジン−4−イル基またはテトラヒドロピラン−4−イル基を意味する。ただし、R11hは、下記置換基群fから選ばれる置換基を有していてもよい。)で表される基があげられる。
の特に好適な例としては、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基もしくはピペラジン−1−イル基(ただし、アゼチジン−1−イル基は、下記置換基群gから選ばれる置換基を有していてもよく、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基およびピペラジン−1−イル基は、下記置換基群gから選ばれる置換基を有する。)または式−N(CH)R11i(式中、R11iは、n−プロピル基、n−ブチル基、ピロリジン−3−イル基またはピペリジン−4−イル基を意味する。ただし、R11iは、下記置換基群hから選ばれる置換基を有する。)で表される基があげられる。
の最も好適な例としては、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基またはピペラジン−1−イル基(ただし、アゼチジン−1−イル基は、下記置換基群g−1から選ばれる置換基を有していてもよく、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基およびピペラジン−1−イル基は、下記置換基群g−1から選ばれる置換基を有する。)、ジメチルアミノ基を有するアゼチジン−1−イル基、ジメチルアミノ基を有するピロリジン−1−イル基、ジメチルアミノ基を有するピペリジン−1−イル基、式−N(CH)R11j(式中、R11jは、1−メチルピペリジン−4−イル基または1−エチルピペリジン−4−イル基を意味する。)で表される基、下記置換基群g−2から選ばれる置換基を有していてもよいアゼチジン−1−イル基、下記置換基群g−2から選ばれる置換基を有するピロリジン−1−イル基、下記置換基群g−2から選ばれる置換基を有するピペリジン−1−イル基または式−N(CH)R11k(式中、R11kは、1−メチルピペリジン−4−イル基、1−エチルピペリジン−4−イル基、3−(ジメチルアミノ)プロピル基または1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イル基を意味する。)で表される基があげられる。
また、Rの最も好適な例としては、[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペラジン−1−イル基、4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル基、4−[(ジメチルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル基、4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル基、4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル基、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル基、4−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル基、4−(1−メチルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル基、4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル基、4−(アゼチジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル基、4−(ピロリジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル基、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル基、(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル基、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル基、1,3’−ビアゼチジン−1’−イル基、3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル基、3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル基、3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル基、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル基、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル基、(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル基、(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル基、3−(アゼチジン−1−イルメチル)アゼチジン−1−イル基、3−(2−ジメチルアミノアセトキシ)アゼチジン−1−イル基、メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ基、(1−エチルピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ基、[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メチル)アミノ基または{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペリジン−4−イル}(メチル)アミノ基があげられる。
【0063】
[置換基群aの意義]
置換基群aは、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基およびオキソ基からなる群を意味する。
【0064】
[置換基群bの意義]
置換基群bは、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基、C1−6アルコキシ基、C3−6アルケニルオキシ基、C3−6アルキニルオキシ基、C3−10シクロアルコキシ基、C6−10アリールオキシ基、5〜10員ヘテロアリールオキシ基、4〜10員非芳香族ヘテロ環オキシ基、C1−6アルキルチオ基、C3−6アルケニルチオ基、C3−6アルキニルチオ基、C3−10シクロアルキルチオ基、C6−10アリールチオ基、5〜10員ヘテロアリールチオ基、4〜10員非芳香族ヘテロ環チオ基および式−T−T−T (式中、Tは、単結合またはC1−6アルキレン基を意味する。
は、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、式−C(=O)−O−で表される基、式−O−C(=O)−で表される基、式−SO−O−で表される基、式−O−SO−で表される基、式−NRT1−で表される基、式−C(=O)−NRT1−で表される基、式−NRT1−C(=O)−で表される基、式−SO−NRT1−で表される基または式−NRT1−SO−で表される基を意味する。
は、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6アルケニル基、C3−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基または4〜10員非芳香族ヘテロ環式基を意味する。
T1は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。)で表される基からなる群を意味する。
ただし、置換基群bに記載の各基は、下記置換基群cから選ばれる置換基を有していてもよい。
【0065】
[置換基群cの意義]
置換基群cは、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基およびジ−C1−6アルキルアミノ基からなる群を意味する。
【0066】
[置換基群dの意義]
置換基群dは、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、ホルミル基、オキソ基、C1−6アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ジアゼパニル基および式−T−T (式中、Tは、カルボニル基またはスルホニル基を意味する。
は、C1−6アルキル基、C3−10シクロアルキル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、水酸基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基またはジ−C1−6アルキルアミノ基を意味する。)で表される基からなる群を意味する。
ただし、置換基群dに記載の各基は、水酸基、C1−6アルキル基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、アゼチジニル基またはピロリジニル基を有していてもよい。
【0067】
[置換基群eの意義]
置換基群eは、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基およびピペラジニル基を意味する。
ただし、置換基群eに記載の各基は、水酸基、メチル基、ジメチルアミノ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基またはピペリジニル基を有していてもよい。
【0068】
[置換基群fの意義]
置換基群fは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、アセチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基およびピペラジニル基を意味する。
ただし、置換基群fに記載の各基は、メチル基またはジメチルアミノ基を有していてもよい。
【0069】
[置換基群gの意義]
置換基群gは、ジメチルアミノ基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、アゼチジン−1−イルメチル基、ピロリジン−1−イルメチル基およびピペリジン−1−イルメチル基を意味する。
ただし、置換基群gに記載の各基は、メチル基またはジメチルアミノ基を有していてもよい。
【0070】
[置換基群g−1の意義]
置換基群g−1は、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、アゼチジン−1−イルメチル基、ピロリジン−1−イルメチル基およびピペリジン−1−イルメチル基を意味する。
ただし、置換基群g−1に記載の各基は、メチル基またはジメチルアミノ基を有していてもよい。
【0071】
[置換基群g−2の意義]
置換基群g−2は、水酸基、メトキシ基、ヒドロキシメチル基およびジメチルアミノアセトキシ基を意味する。
【0072】
[置換基群hの意義]
置換基群hは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基および1−メチルアゼチジン−3−イル基を意味する。
【0073】
[RおよびRの意義]
およびRは、水素原子を意味する。
【0074】
[R、R、RおよびRの意義]
、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、式−CO−R12(式中、R12は、水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基またはジ−C1−6アルキルアミノ基を意味する。)で表される基を意味する。
、R、RおよびRの好適な例としては、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはトリフルオロメチル基があげられる。
、R、RおよびRのより好適な例としては、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基があげられる。
、R、RおよびRのさらに好適な例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子またはメチル基があげられる。
、R、RおよびRは、1)全て水素原子である場合、2)全て水素原子以外の置換基である場合、3)水素原子または水素原子以外の置換基である場合のいずれでもよいが、好適にはR、R、RおよびRのうち、2ないし4個が水素原子である。
なお、式
【化7】

で表される基の好適な例としては、式
【化8】

で表される基または式
【化9】

で表される基があげられる。
【0075】
[Rの意義]
は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。
の好適な例としては、水素原子があげられる。
【0076】
[Rの意義]
は、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基(ただし、環を構成する原子中に窒素原子が必ず含まれ、かつ窒素原子から、結合手が出ているものに限る)または式−NR11a11b(式中、R11aおよびR11bは、上記定義と同意義を意味する)で表される基で表される基を意味する。
ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
の好適な例としては、モノ−C1−6アルキルアミノ基、モノ−C3−10シクロアルキルアミノ基、モノ−C6−10アリールアミノ基、モノ−5〜10員へテロアリールアミノ基またはモノ−4〜10員非芳香族ヘテロ環アミノ基があげられる(ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。)。
のより好適な例としては、モノ−C3−10シクロアルキルアミノ基またはモノ−C6−10アリールアミノ基があげられる(ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。)。
のさらに好適な例としては、モノ−C3−10シクロアルキルアミノ基またはモノ−C6−10アリールアミノ基があげられる(ただし、Rは、下記置換基群iから選ばれる置換基を有していてもよい。)。
[置換基群i]
ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、C1−6アルキル基およびC1−6アルコキシ基。
の特に好適な例としては、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、フェニルアミノ基があげられる(ただし、Rは、上記置換基群iから選ばれる置換基を有していてもよい。)。
の最も好適な例としては、上記置換基群iから選ばれる置換基を有していてもよいフェニルアミノ基があげられる。
【0077】
[nの意義]
nは、1ないし2の整数を意味する。
nの好適な例としては、1である。
【0078】
[Xの意義]
Xは、式−C(R10)=(式中、R10は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、式−CO−R12(式中、R12は、上記定義と同意義を意味する。)で表される基を意味する。)で表される基または窒素原子を意味する。
Xの好適な例としては、式−C(R10a)=(式中、R10aは、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基を意味する。)で表される基または窒素原子があげられる。
Xのより好適な例としては、式−CH=で表される基または窒素原子があげられる。
【0079】
好ましい式(I)の化合物として、当該化合物における上記R、R、R、R、R、R、R、R、R、Xおよびnの各態様を選択し、それらを任意に組み合わせた化合物をあげることができる。
【0080】
式(I)の化合物の具体例としては、以下に例示する化合物をあげることができる。
(1)N−(4−{[2−({[(1−ethylpiperidin−4−yl)(methyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(2)N−(4−{[2−({[(1−ethylpiperidin−4−yl)(methyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(3)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(4−methyl−1,4−diazepan−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(4)N−(4−fluorophenyl)−N’−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−pyrrolidin−1−ylazetidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(5)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(4−methylpiperazin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(6)N−[4−({2−[({4−[2−(dimethylamino)ethyl]−1,4−diazepan−1−yl}carbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)−2−fluorophenyl]−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(7)N−(4−{[2−({[3−(dimethylamino)azetidin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(8)N−(4−{[2−({[3−(dimethylamino)azetidin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(9)N−(4−{[2−({[3−(dimethylamino)azetidin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(10)N−[2−fluoro−4−({2−[({methyl[1−(1−methylazetidin−3−yl)piperidin−4−yl]amino}carbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)phenyl]−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(11)N−(2−fluoro−4−{[2−({[4−(1−methylazetidin−3−yl)piperazin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(12)N−(4−fluorophenyl)−N’−(4−{[2−({[4−(1−methylazetidin−3−yl)piperazin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(13)N−(2−fluoro−4−{[2−({[(1−methylpiperidin−4−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(14)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(4−hydroxy−1,4’−bipiperidin−1’−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(15)N−(4−{[2−({[{1−[3−(dimethylamino)propyl]piperidin−4−yl}(methyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(16)N−(4−{[2−({[(3−azetidin−1−ylpropyl)(methyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(17)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(3−pyrrolidin−1−ylpropyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(18)N−(4−{[2−({[[3−(dimethylamino)propyl](methyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(19)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(4−pyrrolidin−1−ylbutyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−phenylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(20)N−[2−fluoro−4−({2−[(morpholin−4−ylcarbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)phenyl]−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(21)N−[4−({2−[(azetidin−1−ylcarbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)−2−fluorophenyl]−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(22)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(3−morpholin−4−ylpropyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(23)N−[2−fluoro−4−({2−[({methyl[3−(4−methylpiperazin−1−yl)propyl]amino}carbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)phenyl]−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(24)N−(4−fluorophenyl)−N’−[2−fluoro−4−({2−[(pyrrolidin−1−ylcarbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)phenyl]cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(25)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(1−methylpiperidin−4−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−2−thienylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(26)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(1−methylpiperidin−4−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−1,3−thiazol−2−ylcyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(27)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(1−methylpiperidin−4−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(5−methylisoxazol−3−yl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(28)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(1−methylpiperidin−4−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(3−methylisoxazol−5−yl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(29)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(4−hydroxypiperidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(30)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(4−methoxypiperidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(31)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−hydroxyazetidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(32)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−methoxyazetidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(33)N−(2−fluoro−4−{[2−({[(2−methoxyethyl)(methyl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(34)N−(2−fluoro−4−{[2−({[4−(3−hydroxyazetidin−1−yl)piperidin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(35)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(tetrahydro−2H−pyran−4−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(36)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(1−methylpiperidin−3−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(37)N−[4−({2−[({3−[(dimethylamino)methyl]piperidin−1−yl}carbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)phenyl]−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(38)N−[4−({2−[({3−[(dimethylamino)methyl]pyrrolidin−1−yl}carbonyl)amino]pyridin−4−yl}oxy)−2−fluorophenyl]−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(39)N−(2−fluoro−4−{[2−({[methyl(1−methylpyrrolidin−3−yl)amino]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}phenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(40)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−hydroxypyrrolidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(41)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−methoxypyrrolidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(42)N−{4−[(2−{[(3,4−dihydroxypyrrolidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]−2−fluorophenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(43)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−hydroxy−4−methoxypyrrolidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(44)N−{4−[(2−{[(3,4−dimethoxypyrrolidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]−2−fluorophenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(45)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−hydroxypiperidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、
(46)N−{2−fluoro−4−[(2−{[(3−methoxypiperidin−1−yl)carbonyl]amino}pyridin−4−yl)oxy]phenyl}−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide、および
(47)N−(4−{[2−({[3−(dimethylamino)piperidin−1−yl]carbonyl}amino)pyridin−4−yl]oxy}−2−fluorophenyl)−N’−(4−fluorophenyl)cyclopropane−1,1−dicarboxamide。
【0081】
式(I)の化合物のより好適な具体例としては、以下に示す化合物をあげることができる。
(1)N−[4−({2−[({4−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペラジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(2)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(3)N−(4−フルオロフェニル)−N’−{2−フルオロ−4−[(2−{[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(4)N−[4−({2−[({4−[(ジメチルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(5)N−{4−[(2−{[(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(6)N−[4−({2−[({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(7)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(8)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(9)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(1−メチルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(10)N−(4−{[2−({[4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(11)N−(4−{[2−({[4−(アゼチジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(12)N−(4−フルオロフェニル)−N’−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(ピロリジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(13)N−(4−{[2−({[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(14)N−(4−{[2−({[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(15)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(16)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(17)N−[4−({2−[({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(18)N−(4−{[2−({[(1−エチルピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(19)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(20)N−(4−フルオロフェニル)−N’−[2−フルオロ−4−({2−[(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(21)N−{2−フルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(22)N−[4−({2−[(1,3’−ビアゼチジン−1’−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(23)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(24)N−(4−{[2−({[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(25)N−[4−({2−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(26)N−{2−フルオロ−4−[(2−{[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(27)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(28)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(29)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(30)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2,5−ジフルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(31)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(32)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(33)N−[2,5−ジフルオロ−4−({2−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(34)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(35)N−{4−[(2−{[3−(アゼチジン−1−イルメチル)アゼチジン−1−イルカルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]−2,5−ジフルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(36)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(37)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリミジン−6−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(38)N−[4−({4−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリミジン−6−イル}オキシ)−2,5−ジフルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(39)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(40)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(41)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(42)N−(4−{[2−({[4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(43)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(44)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(45)N−{4−[(2−{[(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]オキシ}−2,5−ジフルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(46)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(2−ジメチルアミノアセトキシ)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(47)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドおよび
(48)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド。
【0082】
式(I)の化合物の更に好適な具体例としては、以下に示す化合物をあげることができる。
(1)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(2)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(3)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(4)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(5)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドおよび
(6)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド。
【0083】
なお、「置換基群から選ばれる置換基を有していてもよい」とは、置換基群に記載された置換基から任意に選択される1ないし3個の置換基を有していてもよいことを意味する。
【0084】
式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物は、国際公開第2007/023768号パンフレットの記載に基づいて製造することができる。
【0085】
HGFR阻害物質を被験体に投与する場合、通常、HGFR阻害物質と適当な添加剤とを混和し、製剤化したものを使用する。ただし、上記は、HGFR阻害物質を原体のまま医薬として使用することを否定するものではない。
【0086】
上記添加剤としては、一般に医薬に使用される、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、矯味矯臭剤、乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、吸収促進剤などをあげることができ、所望により、これらを適宜組み合わせて使用することもできる。
【0087】
上記賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、ブドウ糖、コーンスターチ、マンニトール、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウムなどをあげることができ、
【0088】
上記結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴールなどをあげることができ、
上記滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ポリエチレングリコール、コロイドシリカなどをあげることができ、
上記崩壊剤としては、例えば結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウムなどをあげることができる。
上記着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルミン、カラメル、β−カロチン、酸化チタン、タルク、リン酸リボフラビンナトリウム、黄色アルミニウムレーキなど、医薬品に添加することが許可されているものをあげることができ、
上記矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末などをあげることができ、
上記乳化剤または界面活性剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどをあげることができ、
上記溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、エタノール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ニコチン酸アミドなどをあげることができ、
上記懸濁化剤としては、上記界面活性剤のほか、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子をあげることができ、
上記等張化剤としては、例えばブドウ糖、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトールなどをあげることができ、
上記緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液をあげることができ、
上記防腐剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などをあげることができ、
上記抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロールなどを挙げることができる。
上記安定化剤としては、一般に医薬に使用されるものをあげることができる。
上記吸収促進剤としては、一般に医薬に使用されるものをあげることができる。
【0089】
また、上記製剤としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤のような経口剤;例えば坐剤、軟膏剤、眼軟膏剤、テープ剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤のような外用剤または注射剤をあげることができる。
【0090】
上記経口剤は、上記添加剤を適宜組み合わせて製剤化する。なお、必要に応じてこれらの表面をコーティングしてもよい。
【0091】
上記外用剤は、上記添加剤のうち、特に賦形剤、結合剤、矯味矯臭剤、乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤または吸収促進剤を適宜組み合わせて製剤化する。
【0092】
上記注射剤は、上記添加剤のうち、特に乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤または吸収促進剤を適宜組み合わせて製剤化する。
【0093】
HGFR阻害物質を使用する場合、その使用量は症状や年齢により異なるが、HGFR阻害物質が式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物等の低分子化合物の場合、経口剤の場合には、0.1mgないし10g(好ましくは1mgないし2g)、外用剤の場合には、0.01mgないし10g(好ましくは0.1mgないし2g)、注射剤の場合には、0.01mgないし10g(好ましくは0.1mgないし2g)を1日に1回投与または2ないし4回に分けて使用する。
【0094】
本発明の方法において、mRNAまたはタンパク質の発現量をモニタリングする場合、好ましくは、HGFR阻害物質の投与前に発現量レベルをモニターし、投与の3、6、8、24、48、72または96時間後に再度モニタリングしてもよい。好ましい態様においては、HGFR阻害物質の投与後、早くとも3時間後に発現量を再度モニタリングする。
【0095】
以下、本発明を二つの態様に分けて説明する。
【0096】
本発明の第一の態様によれば、mRNAの発現量変動を指標にした、HGFR阻害物質の作用検定方法が提供される。
【0097】
工程(a)において、検定対象となる被験体から癌組織あるいは末梢血の血球、血漿、および血清などの正常組織を採取し、採取された試料からmRNA試料を調製して、mRNAの発現量の測定を行うことができる。mRNAの調製は周知であり(例えば、”Molecular Cloning, A Laboratory Manual 3rd edition”(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory(2001)))、その実施のために必要な装置、器具、試薬は市販されている。従って、当業者であれば、必要に応じて市販の装置、器具、試薬を利用して、mRNAの調製を困難なく行いうる。被験体は、哺乳動物であり、好ましくはヒトである。
【0098】
工程(a)におけるmRNAの発現量の測定は、ノーザンブロット法、ドットブロット法、RT−PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)法、およびマイクロアレイ(好ましくは、Human Genome U133 Plus 2.0 array)からなる群から選択されるいずれかの方法によって行うことができる。これらの方法の原理および実施方法は周知であり、これらの方法の実施のために必要な装置や器具は市販されている。従って、当業者であれば、ノーザンブロット法、ドットブロット法、RT−PCR法、およびマイクロアレイを利用してmRNAの発現量の測定を困難なく行いうる。工程(a)におけるmRNAの発現量の測定においては、好ましくはマイクロアレイを用いることができる。
【0099】
工程(a)におけるmRNAの発現量の測定に当たっては、例えば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドからなるプローブおよびプライマーを検出マーカーとして用いることができる。なお、PF2341066の場合、c−Met、IL−8およびVEGFを除く場合もある。
【0100】
本発明にかかるプローブおよびプライマーは、例えば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のmRNA(これらの一部分であってもよい)の発現を検出できればよく、複数のデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)等の塩基または塩基対からなる重合体を指す。二本鎖cDNAも組織in situハイブリダイゼーションにおいて利用可能であることが知られており、本発明にかかるプローブおよびプライマーにはそのような二本鎖cDNAも含まれる。組織中のRNAの検出において特に好ましいプローブおよびプライマーとしては、RNAプローブ(リボプローブ)を挙げることができる。
【0101】
本発明にかかるプローブおよびプライマーは、例えば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列並びにそれらが変異したポリヌクレオチド配列の連続する少なくとも10個、好ましくは、少なくとも15個、より好ましくは、少なくとも20個、さらに好ましくは、少なくとも25個のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドからなるものが挙げられる。本発明にかかるプローブおよびプライマーは、また、例えば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列の連続する10〜50個または10〜30個、15〜50個または15〜30個、20〜50個または20〜30個、25〜50個または25〜30個のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドからなるものが挙げられる。
【0102】
本発明にかかるプローブおよびプライマーは、少なくとも10塩基長であることができ、好ましくは、少なくとも15塩基長、より好ましくは、少なくとも20塩基長、さらに好ましくは、少なくとも25塩基長である。本発明にかかるプローブおよびプライマーは、また、10〜50塩基長または10〜30塩基長、15〜50塩基長または15〜30塩基長、20〜50塩基長または20〜30塩基長、25〜50塩基長または25〜30塩基長である。
【0103】
本発明にかかるプローブおよびプライマーの好ましい態様によれば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列並びにそれらが変異したポリヌクレオチドの連続する少なくとも10個(好ましくは、少なくとも15個、より好ましくは、少なくとも20個、さらに好ましくは、少なくとも25個)のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドからなり、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子にハイブリダイズすることができる、HGFR阻害物質の被験体に対する作用を検定するための15〜30塩基長のプローブおよびプライマーが提供される。
【0104】
本発明にかかるプローブおよびプライマーの好ましい態様によれば、また、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のヌクレオチド配列のうち、識別性の高い部分にハイブリダイズすることができるプローブおよびプライマーが提供される。このようなプローブおよびプライマーを用いることにより、HGFR阻害物質の被験体に対する作用をより高い精度で検出することが可能となる。
【0105】
本発明にかかるプローブは、検出対象遺伝子のヌクレオチド配列に基づき、化学合成できる。プローブの調製は周知であり、例えば、”Molecular Cloning, A Laboratory Manual 3rd edition”(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory(2001))および”Current Protocols in Molecular Biology”(Ausubel、John Wiley&Sons(1988))に従って実施できる。
【0106】
本発明にかかるプライマーは、二種以上の該プライマーからなる、プライマーセットとしても使用することができる。
【0107】
本発明にかかるプライマーおよびプライマーセットは、PCR法、RT−PCR法、リアルタイムPCR法、in situ PCR等の核酸増幅法を利用して目的遺伝子を検出する公知の方法において、常法に従ってプライマーおよびプライマーセットとして利用することができる。
【0108】
本発明にかかるプライマーセットは標的遺伝子のヌクレオチド配列をPCR法等の核酸増幅法により増幅できるように選択することができる。核酸増幅法は周知であり、核酸増幅法におけるプライマーペアの選択は当業者に自明である。例えば、PCR法においては、二つのプライマー(プライマーペア)の一方が検出対象遺伝子の二本鎖DNAのプラス鎖に対合し、他方のプライマーが二本鎖DNAのマイナス鎖に対合し、かつ一方のプライマーにより伸長された伸長鎖にもう一方のプライマーが対合するようにプライマーを選択できる。また、LAMP法(WO00/28082号公報)においては、検出対象遺伝子に対して3’末端側からF3c、F2c、F1cという3つの領域を、5’末端側からB1、B2、B3という3つの領域を、それぞれ規定し、この6つの領域を用いて4種類のプライマーを設計することができる。
【0109】
本発明によるプライマーは、検出対象遺伝子のヌクレオチド配列に基づき、化学合成できる。プライマーの調製は周知であり、例えば、”Molecular Cloning, A Laboratory Manual 3rd edition”(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory(2001))および”Current Protocols in Molecular Biology”(Ausubel、John Wiley&Sons(1988))に従って実施できる。
【0110】
当業者であれば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される遺伝子のヌクレオチド配列情報に基づいてプローブおよびプライマーを設計することができる。
【0111】
本願明細書において「ハイブリダイズする」とは、ストリンジェントな条件下で標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることを意味する。具体的には、FASTA、BLAST、Smith−Waterman〔Meth.Enzym.,164,765(1988)〕などの相同性検索ソフトウェアにより、デフォルト(初期設定)のパラメーターを用いて計算したときに、標的ヌクレオチド配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、そして最も好ましくは99%以上の同一性を有するポリヌクレオチドが挙げられる。また、「ストリンジェントな条件下」とは、当業者が通常使用し得るハイブリダイゼーション緩衝液中で、温度が40℃〜70℃、好ましくは60℃〜65℃などで反応を行い、塩濃度が15〜300mmol/L、好ましくは15〜60mmol/Lなどの洗浄液中で洗浄する方法に従って行なうことができる。温度、塩濃度は使用するプローブの長さに応じて適宜調整することが可能である。さらに、ハイブリダイズしたものを洗浄するときの条件は、0.2または2×SSC、0.1%SDS、温度20−68℃で行うことができる。ストリンジェント(high stringency)な条件にするかマイルド(low stringency)な条件にするかは、洗浄時の塩濃度又は温度で差を設けることができる。塩濃度でハイブリダイズの差を設ける場合には、ストリンジェント洗浄バッファー(high stringency wash buffer)として0.2×SSC、0.1%SDS、マイルド洗浄バッファー(low stringency wash buffer)として2×SSC、0.1%SDSで行うことができる。また、温度でハイブリダイズの差を設ける場合には、ストリンジェントの場合は68℃、中等度(moderate stringency)の場合は42℃、マイルドの場合は室温(20−25℃)でいずれの場合も0.2×SSC、0.1%SDSで行えばよい。
【0112】
通常、プレハイブリダイズを実施する場合にはハイブリダイズと同じ条件で実施するが、ハイブリダイズとプレ(予備)洗浄は同じ条件で行うとは限らない。
【0113】
工程(b)において、工程(a)で測定されたHGFR阻害物質の投与前後のmRNAの発現量を比較し、投与後のmRNAの発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被検体に対して作用していると判断することができる。mRNAの発現量の変動とはmRNAの発現量の増加または減少を指すが、好ましくは、投与後のmRNAの発現量が投与前のmRNAの発現量よりも減少していることを指す。さらに好ましくは、投与後のmRNAの発現量が投与前のmRNAの発現量と比較して10%以上、20%以上、30%以上、40%以上または50%以上減少していることを指す。
【0114】
本発明の第二の態様によれば、タンパク質の発現量変動を指標にした、HGFR阻害物質の作用検定方法が提供される。
【0115】
工程(a)において、検定対象となる被験体から癌組織あるいは末梢血の血球、血漿、および血清などの正常組織を採取し、採取された試料をそのまま、あるいは採取された試料からタンパク質を抽出して、タンパク質の発現量の測定を行うことができる。タンパク質の抽出は周知であり(例えば、Campaら、Cancer Res.,63,1652−1656,2003。)、その実施のために必要な装置、器具、試薬は市販されている。従って、当業者であれば、必要に応じて市販の装置、器具、試薬を利用して、タンパク質の抽出を困難なく行いうる。
【0116】
工程(a)におけるタンパク質の発現量の測定は、蛍光抗体法、酵素免疫測定(ELISA)法、放射免疫測定(RIA)法、ウェスタンブロット法、および免疫染色(免疫組織化学)法からなる群から選択されるいずれかの方法によって行うことができる。これらの方法の原理および実施方法は周知であり、これらの方法の実施のために必要な装置や器具は市販されている。従って、当業者であれば、蛍光抗体法、酵素免疫測定(ELISA)法、放射免疫測定(RIA)法、ウェスタンブロット法、および免疫染色(免疫組織化学)法を利用してタンパク質の発現量の測定を困難なく行いうる。工程(a)におけるタンパク質の発現量の測定は、好ましくは酵素免疫測定(ELISA)法、ウェスタンブロット法、免疫染色(免疫組織化学)法および質量分析法を用いることができる。
【0117】
工程(a)におけるタンパク質の発現量の測定に当たっては、例えば、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択されるタンパク質に対する抗体およびその断片を検出マーカーとして用いることができる。なお、PF2341066の場合、c−Met、IL−8およびVEGFを除く場合もある。
【0118】
本発明にかかる抗体を得るためのタンパク質は、抗原性を有していればよく、タンパク質のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸残基が欠失、挿入、置換または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質もタンパク質の抗原として使用することができる。このようなタンパク質が元のタンパク質と同じ生物学的活性が維持されることは公知である(Markら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5662−6;ZollerおよびSmith(1982)Nucleic Acids Res. 10:6487−500;Wangら(1984)Science 224:1431−3;Dalbadie−McFarlandら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6409−13)。あるタンパク質において、元のタンパク質の抗原性を維持した状態で、1若しくは複数個のアミノ酸を欠失、挿入、置換または付加させる方法は公知である。例えば、部位特異的変異誘発法により変異タンパク質をコードするポリヌクレオチドを調製し、適宜発現させて得ることができる(Molecular Cloning, A Laboratory Manual 3rd edition”(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory(2001);Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,(1987−1997),Section8.1−8.5;Hashimoto−Gotoら(1995) Gene 152:271−5;Kinkel(1985)Proc.Nat1.Acad.Sci.USA 82:488−92;KramerおよびFritz(1987)Method.Enzymol 154:350−67;Kunke1(1988)Method.Enzymo1.85:2763−6)。
【0119】
本発明にかかる抗体には、タンパク質の一部に対して特異的な抗体も含まれる。即ち、本発明にかかる抗体を得るためのタンパク質には、タンパク質の全長アミノ酸配列を有するポリペプチドに加えて、タンパク質の少なくとも6アミノ酸残基以上(例えば、6、8、10、12または15アミノ酸残基以上)と同一の配列を有するポリペプチド断片も含まれる。好ましい断片としては、タンパク質のアミノ末端、カルボキシル末端等のポリペプチド断片を挙げることができる。ポリペプチドの抗原決定部位は、タンパク質のアミノ酸配列上の疎水性/親水性を解析する方法(Kyte−Doolittle(1982)J.Mol.Biol. 157:105−22)、二次構造を解析する方法(Chou−Fasman(1978)Ann.Rev.Biochem. 47:251−76)により推定し、さらにコンピュータープログラム(Anal.Biochem. 151:540−6(1985))または短いペプチドを合成しその抗原性を確認するPEPSCAN法(特表昭60−500684号公報)等の手法により確認することができる。
【0120】
本発明にかかる抗体は、当業者に周知方法を用いて得ることができる(例えば、”Current Protocols in Molecular Biology”(Ausubel、John Wiley&Sons(1988))、”Antibodies:A Laboratory Manual”,Harlowら,Cold Spring Harbor Laboratory(1988))。
【0121】
本発明にかかる抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体(scFv)、ヒト化抗体、および多特異性抗体が含まれる。また、本発明による抗体の断片には、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fc、Fv等の抗体断片が含まれる。
【0122】
ポリクローナル抗体であれば、抗原を感作した被験体の血液を取り出し、この血液から公知の方法により血清を分離し、ポリクローナル抗体を含む血清とすることができる。必要に応じてこの血清からポリクローナル抗体を含む画分をさらに単離することもできる。
【0123】
モノクローナル抗体であれば、上記抗原を感作した被験体の脾臓あるいはリンパ節から得られた抗体産生細胞を取り出し、骨髄腫細胞などと細胞融合させ、得られたハイブリドーマをクローニングして、その培養物から抗体を回収しモノクローナル抗体とすることができる。
【0124】
免疫抗原としては、タンパク質のフラグメントを用いることができる。あるいは、タンパク質のアミノ酸配列に基づき合成したものを用いることができる。抗原はキャリアタンパク質との複合体として用いてもよい。抗原とキャリアタンパク質の複合体の調製には種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、マレイミド活性エステル等が使用できる。キャリアタンパク質は牛血清アルブミン、サイログロブリン、ヘモシアニン等の常用されているものでよく、通常1〜5倍量の割合でカップリングさせる方法が用いられる。
【0125】
免疫される動物としてはマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなどが挙げられ、接種方法は皮下、筋肉または腹腔内の投与が挙げられる。投与に際しては完全フロイントアジュバンドや不完全フロイントアジュバンドと混和して投与してもよく、投与は通常2〜5週毎に1回ずつ行われる。
【0126】
免疫された動物の脾臓あるいはリンパ節から得られた抗体産生細胞は骨髄腫細胞と細胞融合させ、ハイブリドーマとして単離される。骨髄腫細胞としてはマウス、ラット、ヒト等由来のものが使用され、抗体産生細胞と同種由来のものであることが好ましいが、異種間においても可能な場合もある。
【0127】
細胞融合の操作は既知の方法、例えば、Nature,256,495,1975に従って実施できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコールやセンダイウイルスなどが挙げられ、通常には、20〜50%程度の濃度のポリエチレングリコール(平均分子量1000〜4000)を用いて20〜40℃、好ましくは30〜37℃の温度下、抗体産生細胞数と骨髄腫細胞数の比は通常1:1〜10:1程度、約1〜10分間程度反応させることにより細胞融合を実施することができる。
【0128】
抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の免疫化学的方法が使用できる。例えば、タンパク質をコートしたマイクロプレートを用いるELISA法、抗免疫グロブリン抗体をコートしたマイクロプレートを用いるEIA法、タンパク質を含むサンプルを電気泳動後、ニトロセルロース転写膜を用いるイムノブロット法などが挙げられる。
【0129】
このようなウェルから更に、例えば限界希釈法によってクローニングを行い、クローンを得ることができる。ハイブリドーマの選別、育種は、通常、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加して、10〜20%牛胎児血清を含む動物細胞用培地(例えば、RPMI1640)で行われる。このようにして得られたクローンはあらかじめプリスタンを投与したSCIDマウスの腹腔内へ移植し、10〜14日後にモノクローナル抗体を高濃度に含む腹水を採取し、抗体精製の原料とすることができる。また、該クローンを培養し、その培養物を抗体精製の原料とすることもできる。
【0130】
モノクローナル抗体の精製は免疫グロブリンの精製法として既知の方法を用いればよく、たとえば、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法、陰イオン交換体の利用、さらにタンパク質を用いるアフィニティクロマトグラフィーなどの手段により容易に達成することができる。
【0131】
血清からのポリクローナル抗体の精製も同様に行うことができる。
【0132】
被験体から採取された試料とは、被験体から採取された組織、細胞、体液等をいうが、具体的には、例えば、生検、血液(血球、血漿、血清等を含む)、尿、口腔の掻爬組織(buccal scrapes)等の組織サンプル、腫瘍細胞(乳房、肺、胃、頭頸部、結腸直腸、腎臓、膵臓、子宮、肝臓、膀胱、子宮内膜腺、及び前立腺等の腫瘍に由来する細胞、並びに白血病、又はリンパ球等の血液細胞)等をいう。
【0133】
工程(b)において、工程(a)で測定されたHGFR阻害物質の投与前後のタンパク質の発現量を比較し、投与後のタンパク質の発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被検体に対して作用していると判断することができる。タンパク質の発現量の変動とはタンパク質の発現量の増加または減少を指すが、好ましくは、投与後のタンパク質の発現量が投与前のタンパク質の発現量よりも減少していることを指す。さらに好ましくは、投与後のタンパク質の発現量が投与前のタンパク質の発現量と比較して10%以上、20%以上、30%以上、40%以上または50%以上減少していることを指す。
【実施例】
【0134】
薬理試験例1:ヒト胃癌および肺癌細胞株を用いたDNAマイクロアレイ解析によるmRNA発現抑制作用
【0135】
RNAの回収
ヒト胃癌細胞株のMKN45は国立衛生試験所細胞バンク、SNU−5はATCC、ヒト肺癌細胞株EBC−1は財団法人ヒューマンサイエンス財団より入手した。ヒト胃癌細胞(MKN45、SNU−5)、ヒト肺癌細胞(EBC−1)をそれぞれ10%FBSを含むRPMI1640培地(Sigma社より購入)に懸濁した。その細胞懸濁液(5×10個/ml)を細胞培養用10cmシャーレ(FALCON 製品番号353003)に9ml撒き、5%COインキュベーター中(37℃)で一晩培養した。培養後ジメチルスルホキシドまたはジメチルスルホキシドに溶解させた被験物質(10%FBSを含むRPMI1640培地で希釈)を1ml加えて、5%COインキュベーター中(37℃)で8時間培養した。各シャーレから上清を取り除き、細胞を10mlの氷冷したPBSで二回洗浄した。その後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN 製品番号74104)を用いて添付文書に従い細胞よりRNAを回収した。RNAの濃度測定にはNanoDropスペクトロメーター(Thermo Scientific社)を用いておこなった。
被検物質には、N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド(以下、化合物Aという)または(R)−3−[1−(2,6−ジクロロ−3−フルオロ−フェニル)−エトキシ]−5−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−2−イルアミン(以下、化合物Bという)を使用した。
【0136】
マイクロアレイ解析
対照細胞および処理細胞の全RNA各4μgから、One−Cycle Target Labeling and Control Reagents (Affymetrix社)を使用して,順に逆転写による1本鎖cDNA合成、2本鎖cDNA合成、標識cRNA合成および断片化をし、cRNAプローブを作製した。続いて、cRNAプローブをHuman Genome U133 Plus 2.0 Array(Affymetrix社)に、Hybridization, Wash and Stain Kit(Affymetrix社)を使用してハイブリダイズした。その後、同キットを使用して、アレイを洗浄および染色し、スキャナーで蛍光強度を測定した。Expression Concole Ver 1.0(Affymetrix社)を用い、補正法にRMA指定し、遺伝子の発現レベルの数値化を行った。各細胞において、ジメチルスルホキシド処理サンプルの遺伝子発現を1とした時の被験物質処理サンプルの遺伝子発現量を算出し、化合物Aの結果を表1に、化合物Bの結果を表2に記載した。
【0137】
【表1】

【0138】
【表2】

【0139】
薬理試験例2:ヒト胃癌および肺癌細胞株を用いた培養上清タンパク質に対する産生阻害作用
ヒト胃癌細胞株のMKN45は国立衛生試験所細胞バンク、Hs746TはATCC、ヒト肺癌細胞株EBC−1は財団法人ヒューマンサイエンス財団より入手した。MKN45、Hs746TおよびEBC−1を、10%FBSを含むRPMI1640培地(Sigma社より購入)に懸濁した。その細胞懸濁液(4×10個/ml)を細胞培養用24ウェルプレート(FALCON社より購入)に1ml/well加え、5%COインキュベーター中(37℃)で一晩培養した。培養後、上清を取り除き、新たに10%FBSを含むRPMI1640培地を0.45ml加えた。各ウェルに10%FBSを含むRPMI1640培地で希釈した被験物質(化合物A)を0.05ml加えて、5%COインキュベーター中(37℃)で21時間培養した後、上清を回収して各タンパク質濃度をELISA法で測定した。それぞれのタンパク質濃度測定は以下の表に記載するキットを使用した。
【0140】
【表3】

【0141】
被験物質を加えていないウェルのタンパク質濃度に対する被験物質を加えた各ウェルのタンパク濃度の比率(%)を求め、この比率からタンパク質濃度を50%阻害するのに必要な被験物質の濃度(IC50)を求め、表4に示した。
【0142】
【表4】

【0143】
薬理試験例3:ヒト胃癌および肺癌細胞株の皮下移植モデルを用いた血漿中c−Met(HGFR)、uPAおよびuPAR濃度に対する低下作用
【0144】
血漿中可溶性c−Met濃度測定
ヒト胃癌細胞(MKN45)を、HBSS(Sigma社より購入)に懸濁した。その細胞懸濁液(5×10個/ml)を7週齢の雌BALB/c(nu/nu)マウスの右脇腹皮下部に0.1mlの容量で移植した。マウスのMKN45細胞移植部の腫瘍体積が100−200mmになった時点で、各群の腫瘍体積の平均が均一になるようにマウスの群分けを行い、ジメチルスルホキシド―Tween―ブドウ糖混合溶液(ジメチルスルホキシド:Tween80:5%ブドウ糖溶液(被験物質と等モルの塩酸を含んでいる)=7:13:80)に懸濁した被験物質(化合物A)を1日1回マウスに経口投与した。採血は、被験物質の投与直前にマウスをアバーチン麻酔で沈静下、ヘパリンコート処理キャピラリー毛細管で眼底採血を行った。採血した毛細管はキャピラリーチューブシーラントで片側をふさぎ10,000rpmで3分間、4℃で遠心し、血漿を分離した。分離した血漿中の可溶性c−Met濃度はHuman Total HGFR/c−MET DuoSet (R&D Systems Inc. 製品番号 DY358)を用いて添付文書にしたがい測定した。測定はプレートリーダーサンライズレインボー(Wako)を用い、測定波長を450nmに設定して吸光度の測定を実施した。各群4例のマウスを用いて、投与開始2日目の血漿中c−MET濃度を測定して平均および標準偏差を求め、図1に示した。
【0145】
血漿中uPA,uPAR濃度測定
ヒト肺癌細胞(EBC−1)を、HBSS(SIGMA社より購入)に懸濁した。その細胞懸濁液(5×10個/ml)を7週齢の雌BALB/c(nu/nu)マウスの右脇腹皮下部に0.1mlの容量で移植した。マウスのEBC−1細胞移植部の腫瘍体積が300−400mmになった時点で、各群の腫瘍体積の平均が均一になるようにマウスの群分けを行い、蒸留水またはジメチルスルホキシド―Tween―ブドウ糖混合溶液(ジメチルスルホキシド:Tween80:5%ブドウ糖溶液(被験物質と等モルの塩酸を含んでいる)=7:13:80)に懸濁した被験物質(化合物A)を1日1回連日マウスに経口投与した。被験物質の投与を開始前および投与開始2日後、4日後にマウスをアバーチン麻酔で鎮静下、ヘパリンコート処理キャピラリー毛細管で眼底採血を行った。採血した毛細管はキャピラリーチューブシーラントで片側をふさぎ10,000rpmで3分間、4℃で遠心し、血漿を分離した。血漿中のuPA,uPAR濃度はそれぞれ AssayMax Human Urokinase (uPA) ELISA Kit (AssayPro 製品番号EU1001−01)、Human uPAR Quantikine ELISA Kit(R&D Systems Inc. 製品番号 DUP00)を用い添付文書にしたがい測定をおこなった。各群4例のマウスを用いて実験を行い、投与開始2および4日目の血漿中uPAおよびuPAR濃度を測定して平均および標準偏差を求め、図2に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肝細胞増殖因子受容体(HGFR)阻害物質の被験体に対する作用を検定する方法であって、
(a)被験体にHGFR阻害物質を投与する前後におけるmRNAの発現量を測定する工程と、
(b)(a)で測定された発現量をもとに、HGFR阻害物質を投与する前のmRNAの発現量と、それを投与した後のmRNAの発現量とを比較し、投与後のmRNAの発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被験体に対して作用していると判断する工程と
を含む方法。
【請求項2】
HGFR阻害物質が、下記式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項1に記載の方法。
【化1】

(式中、Rは、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基(ただし、環を構成する原子中に窒素原子が必ず含まれ、かつ窒素原子から、結合手が出ているものに限る)または式−NR11a11b(式中、R11aおよびR11bは、同一または異なって、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6アルケニル基、C3−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員へテロアリール基または4〜10員非芳香族ヘテロ環式基を意味する。ただし、R11aおよびR11bは、下記置換基群aまたは下記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
[置換基群a]
ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基およびオキソ基。
[置換基群b]
1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基、C1−6アルコキシ基、C3−6アルケニルオキシ基、C3−6アルキニルオキシ基、C3−10シクロアルコキシ基、C6−10アリールオキシ基、5〜10員ヘテロアリールオキシ基、4〜10員非芳香族ヘテロ環オキシ基、C1−6アルキルチオ基、C3−6アルケニルチオ基、C3−6アルキニルチオ基、C3−10シクロアルキルチオ基、C6−10アリールチオ基、5〜10員ヘテロアリールチオ基、4〜10員非芳香族ヘテロ環チオ基および式−T−T−T
(式中、Tは、単結合またはC1−6アルキレン基を意味する。
は、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、式−C(=O)−O−で表される基、式−O−C(=O)−で表される基、式−SO−O−で表される基、式−O−SO−で表される基、式−NRT1−で表される基、式−C(=O)−NRT1−で表される基、式−NRT1−C(=O)−で表される基、式−SO−NRT1−で表される基または式−NRT1−SO−で表される基を意味する。
は、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6アルケニル基、C3−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基または4〜10員非芳香族ヘテロ環式基を意味する。
T1は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。)で表される基からなり、上記各基は、下記置換基群cから選ばれる置換基を有していてもよい。
[置換基群c]
ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−10アリール基、5〜10員ヘテロアリール基、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基およびジ−C1−6アルキルアミノ基。)で表される基を意味する。
ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
およびRは、水素原子を意味する。
、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、式−CO−R12(式中、R12は、水素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基またはジ−C1−6アルキルアミノ基を意味する。)で表される基を意味する。
は、水素原子またはC1−6アルキル基を意味する。
は、3〜10員非芳香族ヘテロ環式基(ただし、環を構成する原子中に窒素原子が必ず含まれ、かつ窒素原子から、結合手が出ているものに限る)または式−NR11a11b(式中、R11aおよびR11bは、上記定義と同意義を意味する)で表される基で表される基を意味する。
ただし、Rは、上記置換基群aまたは上記置換基群bから選ばれる置換基を有していてもよい。
nは、1ないし2の整数を意味する。
Xは、式−C(R10)=(式中、R10は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、式−CO−R12(式中、R12は、上記定義と同意義を意味する。)で表される基を意味する。)で表される基または窒素原子を意味する。)
【請求項3】
工程(a)において、HGFR阻害物質を投与する前および後に被験体から採取された試料中のmRNAの発現量が測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿および血清からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)におけるmRNAの発現量の測定が、ノーザンブロット法、ドットブロット法、RT−PCR法およびマイクロアレイからなる群から選択されるいずれかの方法により行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記mRNAがc−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される、請求項1〜5いずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
HGFR阻害物質の被験体に対する作用を検定する方法であって、
(a)被験体にHGFR阻害物質を投与する前後におけるタンパク質の発現量を測定する工程と、
(b)(a)で測定された発現量をもとに、HGFR阻害物質を投与する前のタンパク質の発現量と、それを投与した後のタンパク質の発現量とを比較し、投与後のタンパク質の発現量が変動している場合に、HGFR阻害物質がその被験体に対して作用していると判断する工程と
を含む、
方法。
【請求項8】
HGFR阻害物質が、請求項2に記載の式(I)の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)において、HGFR阻害物質を投与する前および後に被験体から採取された試料中のタンパク質の発現量が測定される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿および血清からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程(a)におけるタンパク質の発現量の測定が、蛍光抗体法、酵素免疫測定(ELISA)法、放射免疫測定(RIA)法、ウェスタンブロット法、および免疫染色法からなる群から選択されるいずれかの方法により行われる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記タンパク質が、c−Met、AREG、uPA、uPAR、EREG、EFNB2、IL−8、VEGFおよびLIFからなる群から選択される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
式(I)の化合物が、
(1)N−[4−({2−[({4−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピペラジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(2)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(3)N−(4−フルオロフェニル)−N’−{2−フルオロ−4−[(2−{[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(4)N−[4−({2−[({4−[(ジメチルアミノ)メチル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(5)N−{4−[(2−{[(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(6)N−[4−({2−[({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(7)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(8)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(9)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(1−メチルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(10)N−(4−{[2−({[4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(11)N−(4−{[2−({[4−(アゼチジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(12)N−(4−フルオロフェニル)−N’−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(ピロリジン−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(13)N−(4−{[2−({[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(14)N−(4−{[2−({[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(15)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(16)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(17)N−[4−({2−[({4−[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(18)N−(4−{[2−({[(1−エチルピペリジン−4−イル)(メチル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−フェニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(19)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(20)N−(4−フルオロフェニル)−N’−[2−フルオロ−4−({2−[(ピロリジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(21)N−{2−フルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(22)N−[4−({2−[(1,3’−ビアゼチジン−1’−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(23)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(24)N−(4−{[2−({[3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2−フルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(25)N−[4−({2−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(26)N−{2−フルオロ−4−[(2−{[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(27)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(28)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(29)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(30)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2,5−ジフルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(31)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(32)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(33)N−[2,5−ジフルオロ−4−({2−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(34)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(35)N−{4−[(2−{[3−(アゼチジン−1−イルメチル)アゼチジン−1−イルカルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]−2,5−ジフルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(36)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(37)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(4−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリミジン−6−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(38)N−[4−({4−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]アゼチジン−1−イル}カルボニル)アミノ]ピリミジン−6−イル}オキシ)−2,5−ジフルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(39)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(40)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(41)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[4−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリミジン−6−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(42)N−(4−{[2−({[4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(43)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(44)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(45)N−{4−[(2−{[(4−アゼチジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]オキシ}−2,5−ジフルオロフェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(46)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(2−ジメチルアミノアセトキシ)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(47)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたは
(48)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
である請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
式(I)の化合物が、
(1)N−(2−フルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(2)N−[4−({2−[(アゼチジン−1−イルカルボニル)アミノ]ピリジン−4−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(3)N−{2,5−ジフルオロ−4−[(2−{[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル]アミノ}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(4)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド、
(5)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[メチル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたは
(6)N−(2,5−ジフルオロ−4−{[2−({[3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル}アミノ)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
である請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−178651(P2010−178651A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23936(P2009−23936)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】