説明

HIVインテグラーゼインヒビター

式(I)


の置換ヒドロキシテトラヒドロピロロピラジノンおよび置換ヒドロキシテトラヒドロ−ピラゾロピラジノン化合物はHIVインテグラーゼのインヒビターおよびHIV複製のインヒビターである。式(I)中のR、R、R、R、R、X、環AおよびQは本文中に定義されている。化合物はHIV感染の予防および治療、AIDSの予防、発症遅延および治療に有用である。化合物は化合物自体としてまたは医薬的に許容される塩の形態でHIV感染およびAIDSに対して使用される。化合物およびこれらの塩は、場合により他の抗ウイルス薬、免疫調節剤、抗生物質またはワクチンと組合せた医薬組成物の成分として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ヒドロキシテトラヒドロピロロピラジノンおよび置換ヒドロキシテトラヒドロピラゾロピラジノン化合物および医薬的に許容されるこれらの塩、これらの合成、HIVインテグラーゼ酵素のインヒビターとしてのこれらの使用を目的とする。本発明の化合物および医薬的に許容されるこれらの塩は、HIV感染の予防もしくは治療およびAIDSの予防、治療もしくは発症遅延に有用である。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と命名されたレトロウイルス、特にHIV1型(HIV−1)ウイルスおよび2型(HIV−2)ウイルスとして知られた菌株は、免疫系の進行性破壊(後天性免疫不全症候群;AIDS)ならびに中枢および末梢の神経系の変性を含む複合疾患の病因物質である。このウイルスは以前はLAV、HTLV−IIIまたはARVとして知られていた。レトロウイルス複製の共通的特徴は、ウイルスにコードされたインテグラーゼによって+プロウイルスDNAが宿主細胞ゲノムに挿入されることであり、これは、ヒトT−リンパ系細胞および単球系細胞中のHIV複製に必要な段階である。インテグラーゼによる組込みは、3段階によって、すなわち、ウイルスDNA配列との安定な核タンパク質複合体の組立、直鎖状プロウイルスDNAの3’末端の2つのヌクレオチドの開裂、および、宿主ターゲット部位に形成された粘着性断端とプロウイルスDNAの粘着性3’OH末端との共有接合によって、媒介されると考えられている。プロセスの第四段階、すなわち、生じたギャップの修復合成は、細胞性酵素によって行われる。
【0003】
HIVのヌクレオチド配列決定によって、読取り枠において1つのpol遺伝子の存在が示されている[Ratner,L.ら,Nature,313,277(1985)]。アミノ酸配列相同は、pol配列が逆転写酵素、インテグラーゼおよびHIVプロテアーゼをコードしていることを証拠付ける[Toh,H.ら,EMBO J.4、1267(1985);Power,M.D.ら,Science,231,1567(1986);Pearl,L.H.ら,Nature,329,351(1987)]。3つの酵素全部がHIVの複製に必須であることが証明された。
【0004】
アジドチミジン(AZT)およびエファビレンツのような逆転写酵素インヒビターならびにインジナビルおよびネルフィナビルのようなプロテアーゼインヒビターなどのHIV複製のインヒビターとして作用するある種の抗ウイルス化合物がAIDSおよび類似の疾患の有効な薬剤であることは公知である。本発明の化合物はHIVインテグラーゼのインヒビターおよびHIV複製のインヒビターである。インビトロインテグラーゼおよび細胞中のHIV複製の阻害は、HIV感染細胞中のインビトロ組換えインテグラーゼによって触媒される鎖転写反応の阻害の直接的結果である。本発明の特別な利点は、高度に特異的なHIVインテグラーゼおよびHIV複製の阻害である。
【発明の開示】
【0005】
発明の要旨
本発明は、置換ヒドロキシテトラヒドロピロロピラジノンおよび置換ヒドロキシテトラヒドロピラゾロピラジノンに向けられている。これらの化合物は、HIVインテグラーゼの阻害、HIV感染の予防、HIV感染の治療、AIDSおよび/またはARCの予防、治療および発症遅延に、化合物としてまたは医薬的に許容されるこれらの塩もしくは水和物(適当な場合)として、または、他のHIV/AIDS抗ウイルス薬、抗感染薬、免疫調節剤、抗生物質またはワクチンと併用されるまたは併用されない医薬組成物成分として有用である。より特定的に、本発明は、式(I)の化合物ならびに医薬的に許容されるそれらの塩および水和物を含む。
【0006】
【化4】

式中、
は−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルまたはC1−6アルキル(このC1−6アルキルは、おのおのが独立に、
(1)C3−8シクロアルキル、
(2)アリール、
(3)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の飽和またはモノ−不飽和複素環、
(4)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環、または、
(5)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有し環の少なくとも1つが芳香族である9−または10−員環の融合二環式複素環、
である1または2個の置換基で置換されている。)であり、
ここに、
(A)シクロアルキルのおのおのは、おのおのが独立にハロ、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−OHまたはC1−6ハロアルキルである1から3個の置換基で場合により置換されており、
(B)アリールのおのおのは、おのおのが独立に、
(1)おのおのが独立に−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)である1から3個の置換基で場合により置換された−C1−6アルキル、
(2)おのおのが独立に−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−SH、−S(O)、−C(=O)N(R)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)である1から3個の置換基で場合により置換された−O−C1−6アルキル、
(3)C1−6ハロアルキル、
(4)−O−C1−6ハロアルキル、
(5)−OH、
(6)ハロ、
(7)−CN、
(8)−NO
(9)−N(R)、
(10)−C(=O)N(R)、
(11)−C(=O)R
(12)−CO
(13)−SR
(14)−S(=O)R
(15)−SO
(16)−N(R)SO
(17)−SON(R)、
(18)−N(R)C(=O)R、または、
(19)−N(R)CO
である1から5個の置換基で場合により置換されており:
(C)飽和またはモノ不飽和複素環のおのおのは、
(i)おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から5個の置換基で場合により置換されており、および、
(ii)おのおのが独立にアリールまたはN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−もしくは6−員環の複素芳香環である1または2個の置換基で場合により置換されており、
(D)複素芳香環のおのおのまたは融合二環式複素環のおのおのは、
(i)おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、または、オキソである1から7個の置換基で場合により置換されており、また、
(ii)おのおのが独立にアリールまたはC1−6アルキル−アリールである1または2個の置換基で場合により置換されており;
は−Hまたは−C1−6アルキルであり;
は−H、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキルまたは−C1−6アルキル(この−C1−6アルキルは、−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)の1つで置換されている。)であり;
は、
(1)−H、
(2)−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)−C(R)−O、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)、−N(R)C(=O)N(R)、−O−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、−S−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、−N(R)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、または−N(SO)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)の1つで場合により置換されたC1−6アルキル、
(3)−C1−6ハロアルキル、
(4)−C(=O)R
(5)−CO
(6)−C(=O)N(R)、
(7)−SON(R)、
(8)−C2−6アルケニル、
(9)−C2−6アルケニル−C(=O)−N(R
(10)−C2−5アルキニル、
(11)−C2−5アルキニル−CHN(R
(12)−C2−5アルキニル−CHOR
(13)−C2−5アルキニル−CHS(O)、または、
(14)−Rj、
(15)Rjで置換された−C1−6アルキル、
(16)Rjで置換された−C1−6ハロアルキル、
(17)−C1−6アルキル−O−Rj、
(18)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−Rj、
(19)−C1−6アルキル−S(O)−Rj、
(20)−C1−6アルキル−S(O)−C1−6アルキル−Rj、
(21)−C1−6アルキル−N(R)−Rj、
(22)−C1−6アルキル−N(R)−C1−6アルキル−Rj、
(23)−C1−6アルキル−N(R)−C1−6アルキル−ORj(但し、−N(R)−部分と−ORj部分との双方が−C1−6アルキル−部分の同一炭素原子に付着することはない。)、
(24)−C1−6アルキル−C(=O)−Rj、
(25)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)−Rj、
(26)−C1−6アルキル−N(R)C(=O)−Rj、
(27)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)−C1−6アルキル−Rj、または、
(28)−C1−6アルキル−N(R)−C0−6アルキル−S(O)Rjであり、ここにRjは、
(i)おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−OH、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6ハロアルキル、−C1−6アルキル−N(R)、−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、−C1−6アルキル−C(=O)R、−C1−6アルキル−CO、−C1−6アルキル−S(O)、−O−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から5個の置換基で場合により置換されたアリール、
(ii)少なくとも1つの炭素原子とN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子とを含有する4−から7−員環の飽和またはモノ−不飽和複素環[この複素環は、
(a)おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から5個の置換基で場合により置換されており、および、
(b)場合によりアリールまたはHetAでモノ−置換されている(このHetAは、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、この複素芳香環は場合によりベンゼン環に融合しており、HetAは、おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されている。)。]、または、
(iii)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環で(この複素芳香環は、おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されている。)であり;
環Aは、5−または6−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族単環、または、8−から11−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族二環であり、前記単環または二環はN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有しており;
Qは、C1−6アルキレン、−NR−、−O−、−C(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−または−CFであり;
は、
(1)C3−8シクロアルキル(このC3−8シクロアルキルは、場合によりアリールで置換され、および、おのおのが独立にハロ、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−OHまたはC1−6ハロアルキルである1から3個の置換基で場合により置換されている。)、
(2)アリール、
(3)C5−7シクロアルキルに融合したベンゼン環から成る融合二環式炭素環、
(4)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の飽和または部分不飽和複素環、
(5)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環、または、
(6)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有し、環の少なくとも1つが芳香族である9−または10−員環の融合二環式複素芳香環[ここに、
(1)もしくは(2)のアリールのおのおのまたは(3)の融合炭素環のおのおのは、おのおのが独立に、ハロゲン、−OH、−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−OR、C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、C1−6アルキル−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、CO、−C1−6アルキル−CO、−OCO、−SR、−S(=O)R、−SO、N(R)SO、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−C1−6アルキル−N(R)CO、アリール、−C1−6アルキル−アリール、−O−アリールまたは−C0−6アルキル−hetである1つ以上の置換基(例えば場合により、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されており、ここにhetは、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、hetは、また場合によりベンゼン環に融合しておりおよびおのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、オキソまたは−COである1つ以上の置換基(例えば場合により、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されており、
(4)の飽和または不飽和の非複素芳香環のおのおのは、おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、オキソ、アリール、または、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素環で置換された1つ以上の置換基(例えば場合により、1から6、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されており、
(5)の複素芳香環のおのおのまたは(6)の融合二環式複素環のおのおのは、おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、オキソ、アリールまたは−C1−6アルキル−アリールである1つ以上の置換基(例えば場合により、1から6、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されている。]であり;
は−H、−C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、−C1−6ハロアルキル、アリール、アル(C1−3)アルキルまたはHetBであり、
HetBは、3−もしくは7−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族単環または8−から11−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族二環であり、前記単環または二環はN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有しており、
、RおよびRのおのおのは独立に−Hまたは−C1−6アルキルであり、
nのおのおのは独立に0、1または2に等しい整数であり;
XはNまたはC(R)であり、
は−Hまたは−C1−6アルキルであり、
はおのおの独立に−C1−6アルキルである。
【0007】
本発明はまた、本発明の化合物を含有する医薬組成物、このような医薬組成物の製造方法を含む。本発明はさらに、AIDSの治療方法、AIDSの発症遅延方法、AIDSの予防方法、HIV感染の予防方法、および、HIV感染の治療方法を含む。
【0008】
本発明のその他の実施態様、形態および特徴は、以後の記載、実施例および特許請求の範囲により詳細に記載されるかまたはこれらの記載から明らかであろう。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は前出の式(I)の化合物ならびに医薬的に許容されるそれらの塩および水和物を含む。これらの化合物ならびに医薬的に許容されるそれらの塩および水和物は、HIVインテグラーゼインヒビター(例えば、HIV−1インテグラーゼインヒビター)である。本発明はまた、式(I−a)および式(I−b)の化合物を含む。これらの式中のすべての可変要素は式(I)の定義と同義である。
【0010】
【化5】

【0011】
本発明の1つの実施態様は、RがHまたは−C1−6アルキルであり、他のすべての可変要素が原定義(すなわち発明の開示の項の定義)と同義の式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。この実施態様の1つの形態では、Rが−C1−3アルキルである。この実施態様の別の形態では、Rがメチルである。
【0012】
本発明の別の実施態様は、Rがアリールでモノ置換された−C1−4アルキルであり、このアリールは、おのおのが独立に
(1)−OH、−OC1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−CN、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)で場合によりモノ置換された−C1−4アルキル、
(2)−OH、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−SH、−S(O)、−N(R)−CO、−C(=O)N(R)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)で場合によりモノ置換された−O−C1−4アルキル、
(3)−C1−4ハロアルキル、
(4)−O−C1−4ハロアルキル、
(5)−OH、
(6)ハロ、
(7)−CN、
(8)−NO
(9)−N(R)、
(10)−SR
(11)−S(=O)R
(12)−SO
(13)−N(R)SO
(14)−SON(R)、
(15)−N(R)C(=O)R、または、
(16)−N(R)CO
である1から4個の置換基で場合により置換されている、式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。他のすべての可変要素は上記の原定義と同義である。
【0013】
本発明の別の実施態様は、式中のRが−(CH1−4−フェニルであり、このフェニルは、おのおのが独立に
(1)−OH、−OC1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−CN、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)で場合によりモノ置換された−C1−4アルキル、
(2)−O−C1−4アルキル、
(3)−C1−4ハロアルキル、
(4)−O−C1−4ハロアルキル、
(5)−OH、
(6)ハロ、
(7)−CN、
(8)−NO
(9)−N(R)、
(10)−SR
(11)−S(=O)R
(12)−SO
(13)−N(R)SO
(14)−SON(R)、
(15)−N(R)C(=O)R、または、
(16)−N(R)CO
である1から4個の置換基で場合により置換された式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。他のすべての可変要素は上記の原定義と同義である。
【0014】
上記実施態様の1つの形態では、Rが、
【0015】
【化6】

であり、XおよびXのおのおのは独立に、
(1)−H、
(2)メチル、
(3)エチル、
(4)メチキシ、
(5)エトキシ、
(6)−CF
(7)フルオロ、
(8)ブロモ、または、
(9)クロロである。
【0016】
上記形態の1つの特徴では、Rが4−フルオロベンジルである。
【0017】
本発明の別の実施態様は、Rが−HまたはC1−4アルキルであり他のすべての可変要素が原定義または上記実施態様のいずれかの定義と同義である式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。この実施態様の1つの形態では、Rが−Hである。
【0018】
本発明の別の実施態様は、Rが−HまたはC1−4アルキルであり他のすべての可変要素が原定義または上記実施態様のいずれかの定義と同義である式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。この実施態様の1つの形態では、Rが−Hである。
【0019】
本発明の別の実施態様は、Rが、
(1)−H、
(2)−OH、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−CN、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)−C(R)=O、−N(R)SO、または−N(R)SON(R)のいずれか1つ場合により置換された−C1−4アルキル、
(3)−C(=O)N(R)、
(4)−Rj、
(5)Rjで置換された−C1−4アルキル、
(6)−C1−4アルキル−O−Rj、または、
(7)−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル−Rj、
であり、他のすべての可変要素が原定義または上記実施態様のいずれかの定義と同義である式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0020】
この実施態様の1つの形態では、Rが、
(1)−H、
(2)場合により、−OH、−N(R)または−C(=O)N(R)の1つで置換された−C1−4アルキル、
(3)−C(=O)N(R)、
(4)−(CH1−3−Rj、
(5)−(CH1−3−O−Rj、
(6)−(CH1−3−O−(CH1−3−Rj、または、
(7)−Rjである。
【0021】
この形態の1つの特徴では、Rjが、
(i)おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−O−C1−4ハロアルキル、−C1−4アルキル−N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)R、−C1−4アルキル−CO、−C1−4アルキル−S(O)、−O−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から3個の置換基で場合により置換されたフェニル、
(ii)少なくとも1つの炭素原子と、1から4個のN原子、0から2個のO原子および0から2個のS原子から独立に選択された合計1から4個のヘテロ原子とを含有する4−から7−員環の飽和複素環であり、この複素環は、
(a)おのおのが独立にハロゲン、−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−OC1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されており、および、
(b)場合によりフェニルまたはHetAでモノ−置換されており、このHetAは、1から4個のN原子、0から2個のO原子および0から2個のS原子から独立に選択された合計1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、このHetAは、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されている、または、
(iii)1から4個のN原子、0から2個のO原子および0から2個のS原子から独立に選択された合計1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、この複素芳香環は、おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されている。
【0022】
上記形態の別の特徴によれば、HetAは、1または2個のN原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、このHetAは、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されている。上記形態のまた別の特徴によれば、HetAは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジルまたはピラジニルであり、これらは、おのおのが独立に−C1−4アルキル(例えば、メチル)、−C1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、−O−C1−4アルキル(例えば、メトキシ)、−O−C1−4ハロアルキル(例えば、−OCF)またはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されている。
【0023】
本発明のまた別の実施態様は、Rjが以下を表す式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。ここで、Rjは、
(i)おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−O−C1−4ハロアルキル、−C1−4アルキル−N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)R、−C1−4アルキル−CO、−C1−4アルキル−S(O)、−O−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から3個の置換基で場合により置換されたフェニル、
(ii)ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、チアジアゼパニル、ジチアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、チアジアジナニルおよびジオキサニルから成るグループから選択された飽和複素環であり、この飽和複素環は、
(a)場合により、おのおのが独立にハロゲン、−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されており、および、
(b)フェニルまたはHetAでモノ−置換されており、このHetAは、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルから成るグループから選択された複素芳香環であり、この複素芳香環は、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されている。他のすべての可変要素は原定義または先行実施態様のいずれかの定義と同義である。
【0024】
本発明の別の実施態様は、環AがN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の飽和、部分飽和または芳香族単環式環であり、他のすべての可変要素が原定義または先行実施態様のいずれかの定義と同義である式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0025】
この実施態様の1つの形態では、環Aが、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の芳香族単環式環である。この形態の1つの特徴によれば、環Aがオキサジアゾリル、トリアゾリル、チアダゾリル、オキサゾリル、テトラゾリルまたはピリミジニルである。この形態の別の特徴によれば、環Aが、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−チアダゾリル、1,3−オキサゾール−2−イル、2−テトラゾール−5−イル、1−テトラゾール−5−イルまたは4−ピリミジニルである。
【0026】
本発明の別の実施態様は、QがC1−6アルキレン、−CH(OR)−または−CF−であり、他のすべての可変要素が原定義または先行実施態様のいずれかの定義と同義である式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。この実施態様の1つの形態では、QがC1−3アルキレン、−CH(OR)−であり、RがHまたは−CF−である。該実施態様の別の形態ではQがC1−3アルキレンである。この形態の1つの特徴によれば、Qが−CH−である。
【0027】
本発明の別の実施態様は、XがNまたはCH(すなわちRが−H)であり、他のすべての可変要素が原定義または先行実施態様のいずれかの定義と同義の式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0028】
本発明の別の実施態様は、Rが、おのおのが独立にハロゲン、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OR、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C1−4アルキル−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−C1−4アルキル−CO、−OCO、−SR、−S(=O)R、−SO、−N(R)SO、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−C1−4アルキル−N(R)CO、隣り合う2つの環炭素原子に付着したメチレンジオキシ、フェニル、−C1−4アルキル−フェニル、−O−フェニルまたは−(CH0−2−hetである1から4個の置換基で場合により置換されたアリールである式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。上記hetは、N、OおよびSから独立に選択された1から4個の置換基を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、このhetはまた、場合によりベンゼン環に融合しており、および、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたは−COである1または2個の置換基で場合により置換されている。他のすべての可変要素は原定義または先行実施態様の定義と同義である。
【0029】
この実施態様の1つの形態は、Rがフェニルであり、このフェニルは、独立にフルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4−フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SO、−(CH0−2−CO、−(CH0−2−N(R)CO、−NO、−SR、−N(R)またはフェニルである1から3個の置換基で場合により置換されており、RおよびRのおのおのは独立にHまたは−C1−4アルキルであり、他のすべての可変要素は原定義または先行実施態様のいずれかの定義と同義である式(I)、(I−a)または(I−b)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0030】
この形態の1つの特徴によれば、Rがフェニルであり、このフェニルは、おのおのが独立に−F、−Br、−Cl、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−SO−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−N(CHまたは−O−C1−4フルオロアルキルである1から3個の置換基で場合により置換されている。この形態の別の特徴によれば、Rがp−フルオロフェニルまたは2,3−ジメトキシフェニルである。
【0031】
この形態の別の特徴によれば、Rがフェニルであり、このフェニルは、おのおのが独立にフルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SO、−(CH0−2−CO、−(CH0−2−N(R)CO、−NOまたはフェニルである1から3個の置換基で場合により置換されている。この形態のまた別の特徴によれば、このフェニルは、おのおのが独立に−F、−Br、−Cl、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキルまたは−O−C1−4フルオロアルキルである1から3個の置換基で場合により置換されている。
【0032】
本発明の1つのクラスは式(I−1)
【0033】
【化7】

の化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。式中の、
は、−C1−6アルキル、または、
【0034】
【化8】

であり、

(1)−H、
(2)場合により、−OH、−N(R)または−C(=O)N(R)のいずれかで置換された−C1−4アルキル、
(3)−C(=O)N(R)、
(4)−Rj、
(5)−(CH1−3−Rj、
(6)−(CH1−3−O−Rj、または、
(7)−(CH1−3−O−(CH1−3−Rjであり、
XはNまたはCHであり
環AはN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の芳香族単環であり、
Qは−C1−3アルキレンであり、
は、
(1)おのおのが独立にフルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SO、−(CH0−2−CO、−(CH0−2−N(R)CO、−NO、−SR、−N(R)またはフェニルである1から3個の置換基で場合により置換されたフェニルであり、または、
(2)
【0035】
【化9】

[式中、Zは−Hまたは−OHである。]
から選択された融合二環式炭素環であり、
1’およびX2’はおのおの独立に、
(1)−H、
(2)C1−4アルキル、
(2)−O−C1−4アルキル、
(3)−C1−4ハロアルキル、
(4)−O−C1−4ハロアルキル、または、
(5)ハロであり、他のすべての可変要素は原定義と同義である。
【0036】
このクラスの本発明の化合物のサブクラスは、
が−C1−3アルキルであり、
がHまたは−Rjであり、
が、おのおのが独立に、フルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SORa、−(CH0−2−CO、−(CH0−2−N(R)CO、−NO、−SR−、N(R)およびフェニルである1から3個の置換基で場合により置換されたフェニルであり、他のすべての可変要素がこのクラスの定義と同義である式(I−1)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0037】
同じクラスの本発明の化合物の別のサブクラスは、
が−C1−3アルキルであり、
がHまたは−Rjであり、
Rjが、
(i)おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−O−C1−4ハロアルキル、−C1−4アルキル−N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)R、−C1−4アルキル−CO、−C1−4アルキル−S(O)、−O−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から3個の置換基で場合により置換されたフェニルであり、または
(ii)ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、チアジアゼパニル、ジチアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、チアジアジナニルおよびジオキサニルから成るグループから選択された飽和複素環であり、この飽和複素環は、
(a)おのおのが独立にハロゲン、−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−OC1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されており、および、
(b)場合によりフェニルまたはHetAでモノ−置換されており、このHetAは、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルから成るグループから選択された複素芳香環であり、この複素芳香環は、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されており、
環Aは、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアダゾリル、オキサゾリル、テトラゾリルまたはピリミジニルであり、
Qは−C1−3アルキレンであり、
は、おのおのが独立にフルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SO、−(CH0−2−CO、−(CH0−2N(R)CO、−NO、−SR−、N(R)およびフェニルである1から3個の置換基で場合により置換されたフェニルであり、他のすべての可変要素がこのクラスの定義と同義である式(I−1)の化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0038】
このサブクラスの1つの形態では、Rjが、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−O−C1−4ハロアルキル、−C1−4アルキル−N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)R、−C1−4アルキル−CO、−C1−4アルキル−S(O)、−O−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から3個の置換基で場合により置換されたフェニルである。このサブクラスの1つの特徴によれば、RがHまたはフェニルである。
【0039】
同じサブクラスの別の形態では、Rが、おのおのが独立にフルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SO、−(CH0−2−CO、−(CH0−2−N(R)CO、−NOまたはフェニルである1から3個の置換基で場合により置換されたフェニルである。
【0040】
同じサブクラスのまた別の形態では、Rがメチルであり、環Aが1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−チアダゾリル、1,3−オキサゾール−2−イル、2−テトラゾール−5−イル、1−テトラゾール−5−イルまたは4−ピリミジニルであり、Qが−CH−である。
【0041】
本発明の追加の実施態様は非限定的に、2、3またはそれ以上の同じ可変要素のおのおのが独立に、上記の実施態様の1つまたはその形態の1つの定義に従って、または、上記のクラスまたはそのサブクラスまたはその特徴の1つの定義に従って定義される式(I)の化合物を包含することは理解される。
【0042】
さらに本発明の化合物は以下のような互変異性体として存在できる。
【0043】
【化10】

【0044】
本発明において、本文中の式(I)の化合物という表現は、式Iの化合物自体またはその互変異性体自体のいずれか(たとえば、IAまたはIB)または2つ以上の互変異性体の混合物(たとえば、I、IAおよびIBの2つ以上)を表すことは理解される。
【0045】
本発明の別の実施態様は、後述の実施例1から5に記載の化合物から成るグループから選択された化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0046】
本発明はまた以下の実施態様を含む。
(a)有効量の式(I)の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(b)有効量の式(I)の化合物と医薬的に許容される担体とを合せる(例えば混合する)ことによって調製された生成物を含む医薬組成物。
(c)HIV/AIDS抗ウイルス薬、免疫調節剤および抗感染薬から成るグループから選択された有効量のHIV感染/AIDS治療薬をさらに含む(a)または(b)の医薬組成物。
(d)HIV感染/AIDS治療薬がHIVプロテアーゼインヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターおよびヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターから成るグループから選択された抗ウイルス薬である(c)の医薬組成物。
(e)(i)式(I)の化合物と、(ii)HIV/AIDS抗ウイルス薬、免疫調節剤および抗感染薬から成るグループから選択されたHIV感染/AIDS治療薬との医薬の組合せから成り、この組合せはHIVインテグラーゼの阻害、HIV感染の治療もしくは予防またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延に有効となる量で式(I)の化合物およびHIV感染/AIDS治療薬のおのおのが使用される組合せ。
(f)HIV感染/AIDS治療薬がHIVプロテアーゼインヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターおよびヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターから成るグループから選択された抗ウイルス薬である(e)の組合せ。
(g)有効量の式(I)の化合物を対象に投与する段階を含む、HIVインテグラーゼの阻害の必要がある対象のHIVインテグラーゼの阻害方法。
(h)有効量の式(I)の化合物を対象に投与する段階を含む、HIV感染の予防または治療の必要がある対象のHIV感染の予防または治療方法。
(i)式(I)の化合物を、HIVプロテアーゼインヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターおよびヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターから成るグループから選択された少なくとも1種類の有効量の抗ウイルス薬と併用投与する(h)の方法。
(j)有効量の式(I)の化合物を対象に投与する段階を含む、AIDSの予防、治療または発症遅延の必要がある対象のAIDSの予防、治療または発症遅延方法。
(k)化合物を、HIVプロテアーゼインヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターおよびヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターから成るグループから選択された少なくとも1種類の有効量の抗ウイルス薬と併用投与する(j)の方法。
(1)(a)、(b)、(c)もしくは(d)の医薬組成物または(e)もしくは(f)の組合せを対象に投与する段階を含む、HIVインテグラーゼの阻害の必要がある対象のHIVインテグラーゼの阻害方法。
(m)(a)、(b)、(c)もしくは(d)の医薬組成物または(e)もしくは(f)の組合せを対象に投与する段階を含む、HIV感染の予防または治療の必要がある対象のHIV感染の予防または治療方法。
(n)(a)、(b)、(c)もしくは(d)の医薬組成物または(e)もしくは(f)の組合せを対象に投与する段階を含む、AIDSの予防、治療または発症遅延の必要がある対象のAIDSの予防、治療または発症遅延方法。
【0047】
本発明はまた、(a)HIVインテグラーゼの阻害、(b)HIV感染の予防もしくは治療、または、(c)AIDSの予防、治療もしくは発症遅延における、(i)使用のための、(ii)医薬として使用のための、または、(iii)医薬の調製に使用のための本発明の化合物を含む。これらの使用において本発明の化合物は、HIV/AIDS抗ウイルス薬、抗感染薬および免疫調節剤から成るグループから選択された1種以上のHIV感染/AIDS治療薬と場合により併用できる。
【0048】
本発明の追加の実施態様は、本発明の化合物が、上述の実施態様、形態、クラス、サブクラスまたは特徴に記載したものを含む、上記(a)−(n)に記載の医薬組成物、組合せおよび方法においてならびに前文節に記載した使用である。これらの実施態様のすべてにおいて、化合物は場合により、医薬的に許容される塩の形態で使用され得る。
【0049】
本文中に使用した“アルキル”という用語は、特定した範囲内の炭素原子数を有している直鎖状または分枝状のアルキル基を表す、従って例えば、“C1−6アルキル”(または“C−Cアルキル”)は、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体ならびにn−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルのすべてを表す、別の例として、“C1−4アルキル”は、n−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを表す。
【0050】
“アルキレン”という用語は、特定した範囲内の炭素原子数を有している直鎖状または分枝状のアルキレン基(あるいは、“アルカンジイル”)を表す。従って例えば、“−C1−6アルキレン−”は、CからCの直鎖状または分枝状アルキレンを表す。本発明に関して特に重要なアルキレンの1つのクラスは、−(CH1−6−であり、特に重要なサブクラスは、−(CH1−4−、−(CH1−3−、−(CH1−2−、および、−CH−を含む。アルキレン−CH(CH)−も重要である。
【0051】
“シクロアルキル”という用語は、特定した範囲の炭素原子数を有している環状アルカン環を表す。従って例えば、“C3−8シクロアルキル”(または“C−Cシクロアルキル”)はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを表す。
【0052】
“ハロゲン”(または“ハロ”)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す(あるいはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードと呼ばれる。)。
【0053】
“ハロアルキル”という用語は、1つ以上の水素原子がハロゲン(すなわち、F、Cl、Brおよび/またはI)で置換された上記に定義のアルキル基を表す。従って例えば、“C1−6ハロアルキル”(または“C−Cハロアルキル”)は、1つ以上のハロゲン置換基をもつ上記に定義のCからCの直鎖状または分枝状アルキル基を表す。“フルオロアルキル”という用語は、ハロゲン置換基がフルオロに限定されている以外は同様の意味を有している。適当なフルオロアルキルは、(CH0−4CF系(すなわち、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル、など)を含む。
【0054】
明白な否定の記述がない限り、本文中に引用したすべての範囲は両端値を含む。例えば、“1から4個のヘテロ原子”を含有すると記述した複素環は、環が1、2、3または4個のヘテロ原子を含有できることを意味する。また、本文中に引用した範囲はいずれも該範囲内の部分的範囲のすべてをその範囲内に包含すると理解されたい。従って例えば、“1から4個のヘテロ原子”を含有すると記述された複素環は、2から4個のヘテロ原子、3または4個のヘテロ原子、1から3個のヘテロ原子、2または3個のヘテロ原子、1または2個のヘテロ原子、1個のヘテロ原子、2個のヘテロ原子、などを含有する複素環をその形態として含意する。本発明化合物の複素環のいずれかに存在するヘテロ原子は、窒素の酸化形態(例えば、N−O)およびイオウの酸化形態(例えば、S(O)およびSO)および塩基性窒素の第四級化形態を含む。
【0055】
“オキソ”という用語は、二価の酸素置換基、すなわち、=Oを意味する。
【0056】
飽和複素環の代表例は、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル(例えば、1,2−チアジナニル
【0057】
【化11】

)、チアゼパニル、チアジアゼパニル、ジチアゼパニル、アゼパニル(すなわち,
【0058】
【化12】

)、ジアゼパニル、チアジアゼパニル(例えば、1,2,6−チアジアジナニル
【0059】
【化13】

)、およびジオキサニルを含む。モノ−不飽和環の代表例は、各環が二重結合を含有する以外は直前の文に挙げた飽和環と同じである。
【0060】
5−または6−員環の飽和または不飽和非芳香族(すなわち、部分不飽和)複素環の代表例は、ピペリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルおよびヘキサヒドロピリミジニルを含む。
【0061】
本発明の複素芳香環の代表例は、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル(または、チオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルを含む。
【0062】
本発明に有用な融合二環式複素環の代表例は、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち、
【0063】
【化14】

)、および、ベン
ゾ1,3−ジオキソリル(すなわち、
【0064】
【化15】

)を含む。
【0065】
可変要素のいずれか(例えば、R、R、R、RまたはRj)がいずれかの成分または式(I)または本発明の化合物を描写および記述する他のいずれかの式に2回以上出現する場合、出現毎のその定義は他の出現毎の定義から独立している。また、置換基および/または可変要素の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合に限って許容される。
【0066】
“置換された”(例えば、“場合により1から5個の置換基で置換されている”)という用語は、指定した置換基によるモノ−置換およびポリ−置換が化学的に許容される単置換または多置換(同一部位の多置換を含む)の範囲内で存在すること意味する。明白な否定の記述がないならば、化学的に許容されかつ安定な化合物が生じる限り、指定した置換基のこのような環置換は環(アリール、複素芳香環または飽和複素環)のいかなる原子にも許容される。
【0067】
1つの基の構造式の開結合の前の記号
【化16】

は分子の残りの部分への該基の付着点を示す。
【0068】
本発明の化合物は非対称中心を有することができ、特に注釈がない限り、立体異性体混合物または個々のジアステレオマーまたは鏡像異性体として存在でき、すべての異性体形態が本発明に包含される。
【0069】
“安定な”化合物は、製造および単離でき、本文中に記載の目的(例えば、対象への治療的または予防的投与)で化合物を使用するために十分な期間にわたってその構造および特性が本質的に不変に維持されるまたは維持させ得る化合物である。
【0070】
置換基および置換パターンの選択の結果として、本発明の化合物のあるものは非対称中心を有することができ、立体異性体混合物または個々のジアステレオマーもしくは鏡像異性体として存在できる。これらの化合物のすべての異性体形態は単離されているか混合物であるかにかかわりなく本発明の範囲内である。
【0071】
本発明の化合物はHIVインテグラーゼ(例えば、HIV−1インテグラーゼ)の阻害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の予防または治療、該ウイルス感染後に生じるAIDSのような病理状態の予防、治療または発症遅延に有用である。AIDSの予防、AIDSの治療、AIDSの発症遅延、または、HIV感染の予防もしくは治療は非限定的に、広範囲のHIV感染状態、例えば、症候性および無症候性のAIDSおよびARC(AIDS関連症候群)、現実的なまたは潜在的なHIV接触の治療であると定義される。例えば本発明の化合物は、輸血、体液交換、咬傷、針刺し事故、手術中の患者血液との接触のような過去のHIV接触疑惑後のHIV感染の治療に有用である。
【0072】
本発明の化合物は抗ウイルス化合物のスクリーニングアッセイの準備および実施に有用である。例えば本発明の化合物は、より強力な抗ウイルス化合物の優れたスクリーニングツールである酵素突然変異体を単離するために使用できる。さらに本発明の化合物は、例えば競合阻害によって他の抗ウイルス薬がHIVインテグラーゼに結合する部位を確認または判定するために使用できる。従って本発明の化合物はこれらの目的で販売される商品である。
【0073】
本発明の化合物は医薬的に許容される塩の形態で投与され得る。“医薬的に許容される”という用語は、親化合物の有効性を有しており生物学的なまたはその他の不都合が生じない(例えばそのレシピエントに有毒ではなくまたその他の害もない)塩を意味する。適当な塩は、本発明の化合物の溶液を塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸または安息香酸のような医薬的に許容される酸の溶液と混合することによって形成される酸付加塩を含む。本発明の化合物の多くは酸性部分を有しており、その場合、医薬的に許容される適当な塩は、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)、および、第四級アンモニウム塩のような適当な有機配位子と共に形成された塩を含み得る。また、酸(−COOH)またはアルコール基が存在する場合には、化合物の溶解度または加水分解特性を修正するために医薬的に許容されるエステルを使用できる。
【0074】
本発明の化合物に関する“投与”という用語およびその変形(例えば、化合物を“投与する”)は、化合物または化合物のプロドラッグを要治療個体に与えることを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグが1種以上の他の有効薬剤(例えばHIV感染またはAIDSの治療に有効な抗ウイルス薬)と組合せて与えられるとき、“投与”およびその変形のおのおのは化合物またはプロドラッグと他の薬剤との同時および順次の供与を包含すると理解される。
【0075】
本文中に使用した“組成物”という用語は、特定した成分を含む生成物および特定した成分の組合せから直接または間接に得られる生成物を包含する。“化合物”という用語は、異なる指示がない限り、化合物自体および医薬的に許容されるその塩および/または水和物を含意する。
【0076】
“医薬的に許容される塩”は、医薬組成物の成分がたがいに適合性でなければならないこと、および、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0077】
本文中に使用した“対象”(本文中では代替的に“患者”とも呼ぶ)という用語は、治療、観察または実験の対象となった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0078】
本文中に使用した“有効量”という用語は、組織、系、動物またはヒトの体内で研究者、獣医、内科医または他の臨床医が求める生物学的または医学的応答を誘発する有効化合物または医薬剤の量を意味する。1つの実施態様で、有効量は、治療している疾患または状態の症状を軽減する“治療有効量”である。別の実施態様で、有効量は、予防している疾患または状態の症状を予防する “予防有効量”である。本文中ではこの用語はまた、HIVインテグラーゼを阻害して求める応答を誘発するために十分な有効化合物の量(すなわち、“阻害有効量”)を含意する。有効化合物(すなわち、有効成分)を塩として投与するとき、有効成分の量は、遊離酸または遊離塩基の形態の化合物を表す。
【0079】
HIVインテグラーゼの阻害、HIV感染の予防または治療、AIDSの予防、治療または発症遅延の目的には、場合によっては塩の形態の本発明の化合物を、有効薬剤と薬剤作用部位との接触を生じさせる何らかの手段によって投与できる。これらは、医薬と共に使用できる慣用の手段によって、個々の治療薬としてまたは治療薬の組合せとして投与できる。これらは単独投与もできるが、典型的には選択投与経路および標準投薬実態に基づいて選択された医薬担体と共に投与される。本発明の化合物は例えば、経口、非経口(皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内の注射または注入法)、噴霧吸入または直腸内に、有効量の化合物と医薬的に許容される慣用の無毒性担体、アジュバントおよびビヒクルとを含有する医薬組成物の単位薬用量の形態で投与できる。経口投与に適した液体製剤(例えば、懸濁液、シロップ、エリキシル剤など)は、当業界で公知の技術に従って調製でき、水、グリコール、油、アルコールなどのような常用の媒体のいずれかを使用できる。経口投与に適した固体製剤(例えば、散剤、丸剤、カプセルおよび錠剤)は、当業界で公知の技術に従って調製でき、デンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体賦形剤を使用できる。非経口組成物は、当業界で公知の技術に従って調製でき、典型的には担体として滅菌水を使用し、場合によっては溶解助剤のような他の成分を使用できる。注射溶液剤は、当業界で公知の技術に従って調製でき、この場合の担体は、生理食塩水、ブドウ糖溶液または生理食塩水とブドウ糖との混合物を含有する溶液である。本発明の医薬組成物の調製に使用できる適当な方法、該組成物中で使用できる適当な成分については、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.R.Gennaro編,Mack Publishing Co.,1990により詳細に記載されている。
【0080】
本発明の化合物は、1日に哺乳動物(たとえば、ヒト)の体重あたり0.001から1000mg/kgの投薬量範囲で一回用量または分割用量で経口投与できる。1つの好ましい投薬量範囲は0.01から500mg/kg体重/日の一回用量または分割用量の経口投与である。別の好ましい投薬量範囲は0.1から100mg/kg体重/日の一回用量または分割用量の経口投与である。経口投与の場合、治療される患者への投薬量を症状に応じて調整するために、組成物が、1.0から500ミリグラムの有効成分、特に、1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400および500ミリグラムの有効成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供され得る。個々の患者に対する具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、使用される特定化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用持続期間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与方式および時間、排泄速度、併用薬物、特定状態の重篤度、治療される宿主を含む様々な要因に従って変更される。
【0081】
上述したように、本発明はまた、本発明のHIVインテグラーゼインヒビター化合物とHIV感染またはAIDSの治療に有用な1種以上の他の薬剤との併用に向けられている。例えば本発明の化合物は、接触前の時期および/または接触後の時期を問わず、WO 01/38332の表1またはWO 02/30930の表に記載されているような有効量の1種以上のHIV/AIDS抗ウイルス薬、免疫調節剤、抗感染薬またはHIV感染もしくはAIDSの治療に有効なワクチンと組合せて投与するのが効果的であろう。本発明の化合物と併用するための適当なHIV/AIDS抗ウイルス薬は例えば、HIVプロテアーセインヒビター(例えば、インジナビル、アタザナビル、場合によりリトナビルと組合せたロピナビル、サキナビルまたはネルフィナビル)、ヌクレオシドHTV逆転写酵素インヒビター(例えば、アバカビル、ラミブジン(3TC)、ジドブジン(AZT)またはテノフォビル)、非ヌクレオシドHTV逆転写酵素インヒビター(例えば、エファビレンツまたはネビラピン)を含む。本発明の化合物とHTV/AIDS抗ウイルス薬、免疫調節剤、抗感染薬またはワクチンの組合せが、上記物質または先に引用したWO 01/38332およびWO 02/30930の表に限定されないこと、原則としてAIDSの治療に有用ないかなる医薬組成物とのいかなる組合せも包含することが理解される。これらの組合せにおいてHIV/AIDS抗ウイルス薬およびその他の薬剤は典型的には、例えばPhysicians’Desk Reference,57th edition,Thomson PDR,2003に記載の投薬量を含む当業界で報告されたそれらの慣用の投薬量範囲および投薬計画で使用される。これらの組合せにおける本発明の化合物の投薬量範囲は上記に示した範囲と同じである。
【0082】
本発明の化合物は、入手容易な出発材料、試薬および慣用の合成手順を使用し、以下の反応スキームおよび実施例またはその変形に従って容易に製造できる。たとえば、本発明化合物の様々な基材は国際特許公開WO2004/101512、WO2004/047725および米国特許公告US2005/0025774の教示に従って組立てることができる。これらの反応にはまた、詳細には言及しなかったが平均的な当業者に公知の変異体を利用することも可能である。さらにまた、本発明の化合物の別の製造方法も後出の実施例の教示から平均的な当業者には明らかである。
【0083】
式Iに含まれる本発明の化合物の一般的製造方法をスキーム1に示す。
【0084】
スキーム1
【0085】
【化17】

【0086】
アルキル8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロピラジン−7−カルボン酸1−1[X=C(R)]および8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラゾロピラジン−7−カルボン酸1−1(X=N)の一般的製造方法をそれぞれスキーム2および3に示す。これらの基幹中間体を次にスキーム4、5、6および7に記載の手順で式Iに包含される本発明の化合物に変換する。
【0087】
アミン保護ピペラジン−2−オン2−1(スキーム2)を脱プロトン試薬(例えば、LiもしくはNaビス(トリメチルシリル)アミドまたは水素化Na)によって低温(例えば、約0から約25℃)で無水非プロトン性溶媒(例えば、DMFまたはTHF)中で処理し、次いでアルキル化試薬を加えると中間体2−2が得られた。アミノ保護基を除去するとピペラジン−2−オン2−3が得られた。化合物2−1は、Choiら,J.Med.Chem.1999,3647;Najman−Bronzewskaら,Pharmazie 1997,198;Fryerら,J.Org.Chem.1991,3715;Dinsmoreら,Organic Prep.& Procedures International,2002,369、または、それらの定型的な修正方法を使用して製造できる。ピペラジン−2−オン2−3の代替製造方法は、Bernotasら,Tetrahedron Lett.1996,7339;Saariら,J.Med.Chem.1990,2590;Sugiharaら,J.Med.Chem.1998,489;Dinsmoreら,Organic Prep.& Procedures International.2002,369、または、それらの定型的な修正方法に記載されている。ピペラジン−2−オン中のアミンの保護および脱保護は、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis.John Wiley & Sons,1991に記載されているような慣用のアミン保護基を使用して行うことができる。ピペラジン−2−オン2−3をジアルキルアルコキシメチレンマロネート2−4で処理する。得られた付加化合物2−5を無水非プロトン性溶媒(例えば、DMFまたはTHF)中の脱プロトン剤(例えば、LiまたはNaビス(トリメチルシリル)アミドまたは水素化Na)によって0℃から80℃で処理すると、アルキル8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロピラジン−7−カルボキシレート2−6が得られる。ピロロピラジンカルボキシレート2−6のヒドロキシ基はエーテル(例えば、メチルまたはベンジルエーテル)として保護されており、カルボキシレートエステルを加水分解すると7−カルボン酸1−1[X=C(R)]が得られる。数種類の適当なジアルキルアルコキシメチレンマロネート2−4が市販されている(例えば、ジエチルエトキシメチレンマロネートまたはジメチルメトキシメチレンマロネート)。その他は当業界で公知の製造方法によって得ることができる。例えば、ヘテロシクリルアルキルオキシ−メチレンマロネートは、Bogerら,J.Org.Chem 1988,3408、または、その定型的な修正方法によって製造できる。
【0088】
スキーム2
【0089】
【化18】

【0090】
ジメチルヒドラジンを使用してジエステルピラゾール3−1(Rodriguez−Francoら,Tetrahedron 1999,55,2763−72)をモノ酸3−2に選択的に変換する(スキーム3)。標準ペプチドカップリング条件を使用して酸3−2をアミノアルコール誘導体にカップリングさせるとアミド3−3が得られる。3−3の閉環による3−4の形成は、ジエチルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンのような試薬を使用しMitsunobu条件を用いて得られる。エステル3−4を加水分解すると、以後の官能化に適した中間体カルボン酸1−1(X=N)が得られる。
【0091】
スキーム3
【0092】
【化19】

【0093】
基幹中間体1−1[X=C(R)およびN]は以下のスキーム(4、5、6および7)に記載の手順で式Iに包含される本発明の化合物に変換される。
【0094】
酸1−1[X=C(R)およびN]を標準アミドカップリング条件下でアシルヒドラジドにカップリングさせると(例えばBOP、PyBOP、EDC/HOBt、参照:Brown,BJ.Synlett 2000,131)、ジアシルヒドラジド4−1が得られる(スキーム4)。あるいは、酸1−1を先ずアシルヒドラジド4−2に変換し、次いでこれを塩基の存在下に適当な酸塩化物で処理してジアシルヒドラジド4−1を形成する。化合物4−2はまた、ヒドラジンと共に加熱することによってエステル2−6および3−4から得られる。
【0095】
スキーム4
【0096】
【化20】

【0097】
ジアシルヒドラジド4−1をチオ脱水試薬(例えばLawesson試薬、P、参照:Kling,A.Bioorganic & Medicinal Chemistry 2003,1319)で処理すると、1,3,4−チオジアゾール5−1が得られる(スキーム5)。ヒドロキシ保護基を除去すると本発明の化合物5−2が得られる。
【0098】
スキーム5
【0099】
【化21】

【0100】
同様に、ジアシルヒドラジド4−1を脱水試薬(例えばBurgess試薬、POCl、SOCl、参照:Brain,CT.Tetrahedron Lett.1999,3275)で処理すると、中間体1,3,4−オキサジアゾール6−1が得られる(スキーム6)。化合物6−1のフェノール系ヒドロキシ基の保護基を除去すると本発明の6−2が得られる。
【0101】
スキーム6
【0102】
【化22】

【0103】
化合物6−1をベンジルアミンと共に加熱すると、1,2,4−トリアゾール7−1が得られる(スキーム7)(Kakefuda,A.Bioorganic & Medicinal Chemistry 2002,1905)。得られたトリアゾールのN−ベンジル基を接触水素化分解によって開裂すると、化合物7−2が得られる。最後にフェノール系ヒドロキシ基の保護基を除去すると本発明の化合物7−3が得られる。
【0104】
スキーム7
【0105】
【化23】

【0106】
本発明の化合物の阻害活性は当業者に公知のアッセイによって測定し得る。本発明の代表的な化合物は、組換えインテグラーゼについてWO 02/30930に記載されたようなHIVインテグラーゼアッセイで鎖転写活性の阻害を示す。好ましい化合物は、このインテグラーゼアッセイで≦1マイクロモルのIC50値を有している。本発明の代表的な化合物は、HeLa P4−2細胞による急性HIV感染阻害を単サイクル感染力アッセイで測定するためのJoyce,J.G.ら,J.Biol.Chem.,2002,277,45811、Hazuda、D.J.ら,Science,2000,287,646、および、Kimpton,J.ら,J.Virol.1992,66,2232に記載されたアッセイでHIV複製阻害を示す。好ましい化合物は、このHIV複製アッセイで<35マイクロモルのIC50値を有している。
【0107】
以下の実施例は本発明およびその実施の単なる例示である。実施例が本発明の範囲または要旨を制限すると解釈してはならない。
【実施例1】
【0108】
7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−8−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−1(2H)−オン
【0109】
【化24】

【0110】
段階1:N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルグリシンアミド
【0111】
【化25】

【0112】
無水DMF(12L)中のN−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアミン(760g、6.38mmol)、N−CBZ−グリシン(1337.6g、6.39mol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1225.8g、6.39mol;EDC)、および、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(107.7g、0.70mol;HOBT)、および、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(172mL)の溶液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を水(24L)で希釈し、ジクロロメタン(3×10L)で抽出した。有機抽出物を集めて、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると標題化合物が得られた。ES MS M+1=311。
【0113】
段階2:4−ベンジルオキシカルボニル−1−メチル−3,4−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン
【0114】
【化26】

【0115】
トルエン(29.4L)中のN−ベンジルオキシカルボニル−N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルグリシンアミド(1.9Kg、6.1mol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(270g)の溶液を80℃で4時間撹拌した。得られた反応混合物を室温に冷却し、水洗し(4×2L)、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけヘプタン−酢酸エチルで溶出させた。適正画分を濃縮すると、環化生成物が黄白色固体として得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.37(br s、5H)、6.44(d、J=6.0Hz、1/2H)、6.32(d、J=6.0Hz、1/2H)、5.53(d、J=6.0Hz、1/2H)、5.42(d、J=6.0Hz、1/2H)、5.21(s、2H)、4.31(s、2H)、3.08(s、3H)。ES MS M+1=247。
【0116】
段階3:1−メチルピペラジン−2−オン
【0117】
【化27】

【0118】
エタノール(12L)の4−ベンジルオキシカルボニル−1−メチル−3,4−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(510g、2.1mol)と10%Pt/C(40g)との混合物を水素雰囲気下(1atm)、室温で一夜撹拌した。Pearlmans触媒(50g;20%Pd(OH)/C)を添加し、水素ガス雰囲気下でさらに24時間撹拌した。得られた混合物をセライトパッドで濾過し、真空下で濃縮すると、1−メチルピペラジン−2−オンが得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ3.52(s、2H)、3.32(t、J=5.7Hz、2H)、3.09(t、J=5.7Hz、2H)、2.97(s、3H)。
【0119】
段階4:エチル8−ヒドロキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−α]−ピラジン−7−カルボキシレート
【0120】
【化28】

【0121】
トルエン(12L)中の1−メチルピペラジン−2−オン(183g、1.6mol)とジエチルエトキシメチレンマロネート(346g、1.6mol)との混合物を100℃で一夜加熱した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を無水THF(8L)に溶解し、窒素雰囲気下で還流させ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF溶液(1M、1.05当量)で処理した。反応混合物を室温に放冷し、真空下で濃縮した。残渣をメチレンクロリドと希HCl水溶液とに分配した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと研和し、−20℃に冷却し、沈殿固体を濾過すると、標題化合物が得られた。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.50(s、1H)、7.33(s、1H)、4.18(q、J=7.1Hz、2H)、4.11(t、J=5.5Hz、2H)、3.59(t、J=5.5Hz、2H)、2.92(s、3H)、1.24(t、J=7.1Hz、3H)。ES MS M+1=239。
【0122】
段階5:エチル8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3、4−テトラヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−7−カルボキシレート
【0123】
【化29】

【0124】
DMF(50mL)中のエチル8−ヒドロキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−α]−ピラジン−7−カルボキシレート(11.1g、46.8mmol)、炭酸カリウム(25.8g、187.0mmol;325メッシュ)およびヨードメタン(3.50mL、56.1mmol)の混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をクロロホルムと希HCl水溶液とに分配した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ酢酸エチルで溶出させると標題物質が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.12(s、1H)、4.28(q、J=7.1Hz、2H)、4.09(t、J=5.7Hz、2H)、4.03(s、3H)、3.62(t、J=5.7Hz、2H)、3.10(s、3H)、1.34(t、J=7.1Hz、3H)。
【0125】
段階6:8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1、2,3、4−テトラヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−7−カルボン酸
【0126】
【化30】

【0127】
エタノール(50mL)中のエチル8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−7−カルボキシレート(1.0g、4.0mmol)と1N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)との溶液を室温で4日間撹拌した。混合物を1NのHCl(15mL)で酸性化し、真空下で濃縮した。残留固体を濾過によって収集すると、標題物質が得られた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ11.93(br s、1H)、7.34(s、1H)、4.13−4.08(m、2H)、3.79(s、3H)、3.59(t、J=5.8Hz、2H)、2.94(s、3H)。ES MS M+1=225。
【0128】
段階7:N’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1、2,3、4−テトラヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−7−カルボヒドラジド
【0129】
【化31】

【0130】
DMF(20mL)中の8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3、4−テトラヒドロピロロ[l,2−α]ピラジン−7−カルボン酸(0.5g、2.2mmol)、2−(4−フルオロフェニル)アセトヒドラジド(0.5g、2.7mmol;4−フルオロフェニルアセチルクロリドおよびヒドラジンからJ.Heterocyclic Chemistry,1977,14,1123に記載された手順と同様の手順で製造)および(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾリ−1−イルオキシ)[トリス(ジメチルアミノ)]ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(1.5g、3.3mmol)、および、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.56mL、8.9mmol)の混合物を室温で一夜撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をクロロホルム(100mL)に溶解し、ブライン(3×50mL)で洗浄した。有機抽出物を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけメタノールで溶出させると、標題物質が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ9.55(s、1H)、8.36(s、1H)、7.33−7.29(m、2H)、7.16(s、1H)、7.05(t、J=8.7Hz、2H)、4.20(s、3H)、4.10(t、J=5.3Hz、2H)、3.66−3.63(m、4H)、3.11(s、3H)。
【0131】
段階8:7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0132】
【化32】

【0133】
THF(30mL)中のN’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−7−カルボヒドラジド(0.2g、0.5mmol)の沸騰溶液にLawesson試薬(0.6g、1.6mmol)を部分量ずつ添加した。反応混合物を還流下で2時間加熱した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンとブラインとに分配した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけメタノールで溶出させると標題物質が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.35(s、1H)、7.30(dd、J=8.4、5.3Hz、2H)、7.03(t、J=8.6Hz、2H)、4.40(s、2H)、4.15(t、J=5.7Hz、2H)、4.06(s、3H)、3.66(t、J=5.7Hz、2H)、3.11(s、3H)。
【0134】
段階9:7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−8−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0135】
【化33】

【0136】
室温のジクロロメタン(10mL)中の7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−1(2H)−オン(0.06g、0.16mmol)の溶液に、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(0.3mL;1M)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、室温で10分間撹拌し、真空下で濃縮した。この操作を2回繰返した。残渣をC−18逆固定相HPLC精製にかけ0.1%TFAを加えたアセトニトリル中の水の勾配で溶出させた。適正画分を収集し、凍結乾燥すると、標題化合物が得られた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.50(s、1H)、7.41(dd、J=8.6、5.9Hz、2H)、7.18(t、J=8.7Hz、2H)、4.43(s、2H)、4.15(t、J=5.5Hz、2H)、3.61(t、J=5.5Hz、2H)、2.94(s、3H)。ES MS M+1=359。
【実施例2】
【0137】
7−[5−(4−フルオロベンジル)−1、3,4−オキサジアゾール−2−イル]−8−ヒドロキシ−2−メチル−3、4−ジヒドロピロロ[1、2−a]ピラジン−1(2H)−オン
【0138】
【化34】

【0139】
段階1:7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0140】
【化35】

【0141】
THF(30mL)中のN’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−8−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−7−カルボヒドラジド(0.2g、0.5mmol、N−CBZ−グリシンを出発材料として実施例1の手順で製造)と(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド内部塩(1.0g、4.3mmol;Burgess試薬)との溶液を還流下に24時間加熱した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をクロロホルムとブラインとに分配した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ酢酸エチル中のメタノールの勾配混合物で溶出させた。適正画分を収集し、濃縮すると標題物質が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.33(dd、J=8.6、5.3Hz、2H)、7.15(s、1H)、7.03(t、J=8.7Hz、2H)、4.23(s、2H)、4.13(t、J=5.7Hz、2H)、4.02(s、3H)、3.65(t、J=5.7Hz、2H)、3.11(s、3H)。
【0142】
段階2:7−[5−(4−フルオロベンジル)−1、3,4−オキサジアゾール−2−イル]−8−ヒドロキシ−2−メチル−3、4−ジヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0143】
【化36】

【0144】
室温のジクロロメタン(15mL)中の7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−1(2H)−オン(0.08g、0.22mmol)の溶液に三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(0.5mL;IM)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、室温で10分間撹拌し、真空下で濃縮した。この操作を2回繰返した。残渣をC−18逆固定相HPLC精製にかけ0.1%TFAを加えたアセトニトリル中の水の勾配で溶出させた。適正画分を収集し、凍結乾燥させると標題化合物が得られた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.43(s、1H)、7.38(dd、J=8.6、5.6Hz、2H)、7.19(t、J=8.9Hz、2H)、4.28(s、2H)、4.14(t、J=5.7Hz、2H)、3.62(t、J=5.7Hz、2H)、2.94(s、3H)。ES MS M+1=343。
【実施例3】
【0145】
7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−トリアゾール−2−イル]−8−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1、2−a]ピラジン−1(2H)−オン
【0146】
【化37】

【0147】
段階1:7−[4−ベンジル−5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0148】
【化38】

【0149】
トルエン(4mL)中の7−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−1(2H)−オン(0.2g、0.5mmol)とベンジルアミン(0.5mL、4.6mmol)との混合物を170℃で72時間加熱した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ酢酸エチル中の20%メタノールで溶出させた。適正画分を収集し、濃縮すると、標題物質が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.36−7.31(m、2H)、7.24−7.21(m、2H)、7.08−7.05(m、1H)、6.95−6.90(m、3H)、6.82−6.79(m、2H)、5.04(s、2H)、4.09−4.07(m、2H)、3.95(s、2H)、3.89(s、1H)、3.80(s、3H)、3.64−3.61(m、2H)、3.09(s、3H)。
【0150】
段階2:7−[5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0151】
【化39】

【0152】
エタノール(30mL)中の7−[4−ベンジル−5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−1(2H)−オン(0.2g、0.3mmol)とPearlman触媒(0.06g)との混合物を水素ガスバルーン下、室温で一夜撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮すると標題物質が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.30(dd、J=8.4、5.7Hz、2H)、7.21(s、1H)、6.97(t、J=8.6Hz、2H)、4.16(s、2H)、4.11(t、J=5.7Hz、2H)、4.08(s、3H)、3.65(t、J=5.7Hz、2H)、3.12(s、3H)。
【0153】
段階3:7−[5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−ヒドロキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1、2−α]ピラジン−1(2H)−オン
【0154】
【化40】

【0155】
室温のジクロロメタン(10mL)中の7−[5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−8−メトキシ−2−メチル−3,4−ジヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−1(2H)−オン(0.015g、0.042mmol)の溶液に、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(0.5mL;1M)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、室温で10分間撹拌し、真空下で濃縮した。この操作を2回繰返した。残渣をC−18逆固定相HPLC精製にかけ0.1%TFAを加えたアセトニトリル中の水の勾配で溶出させた。適正画分を収集し、凍結乾燥すると標題化合物が得られた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.35(dd、J=8.4、5.8Hz、2H)、7.31(s、1H)、7.15(t、J=8.8Hz、2H)、4.14(t、J=5.5Hz、2H)、4.09(s、2H)、3.62(t、J=5.5Hz、2H)、2.94(s、3H)。ES MS M+1=342。
【実施例4】
【0156】
(7S)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−3−ヒドロキシ−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
【0157】
【化41】

【0158】
段階1:メチル4−ベンジルオキシ−3−カルボキシ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート
ジメチル4−ベンジルオキシ−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキシレート(25g、86mmol)とN、N−ジメチルヒドラジン(75mL)との混合物を窒素雰囲気中、還流下で30時間加熱した。真空下で溶媒を除去した。残渣を水(200mL)、1NのHCl(75mL)および酢酸エチル(100mL)の混合物で処理した。有機抽出物を分離し、水層を追加量の酢酸エチルで抽出した(3×100mL)。集めた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、生成物が白色固体として得られた。H NMR(400MHz、d−DMSO)δ13.2(br s、1H)、7.3−7.45(m、5H)、5.09(s、2H)、3.81(s、3H)。ES MS (M+1)=277。
【0159】
段階2:メチル4−(ベンジルオキシ)−5−{[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル](メチル)アミノ]カルボニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
DMF(20mL)中のメチル4−ベンジルオキシ−3−カルボキシ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.5g、5.43mmol)、HOAT(1.11g、8.15mmol)、(1R)−2−(メチルアミノ)−1−フェニルエタノール(1.23g、8.15mmol;Gurjar,M.K.ら,Org.ProcessRes.Dev.1998,2,422.に記載の手順で製造)、トリエチルアミン(0.82g、8.15mmol)およびEDC(1.56g、8.15mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残渣を飽和NHCl水溶液とEtOAcとに分配した。層を分離し、水層をEtOAcでさらに2回抽出した。集めた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると標題生成物が得られた。ES MS(M+1)=410。
【0160】
段階3:メチル(7S)−3−(ベンジルオキシ)−5−メチル−4−オキソ−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボキシレート
室温のTHF(20mL)中のメチル4−(ベンジルオキシ)−5−{[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル](メチル)アミノ]カルボニル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1.84g、4.49mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.12g、15.7mmol)の溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.85mL、15.7mmol)を5分間を要して滴下した。混合物を2時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製した(Waters prep LC 4000 System、Waters Nova Pakカラム(3 100×40mm I.D.カートリッジ,C18,6μM細孔サイズ)使用、60mL/分の95−5%水(0.10%TFA)/アセトニトリル(0.10%TFA)で溶出)。適正画分を収集し、濃縮すると標題化合物が黄色固体として得られた。H NMR(400MHz、d−DMSO)δ7.49(m、2H)、7.3−7.4(m、6H)、7.02(m、2H)、5.81(t、J=4.4Hz、1H)、5.27(AB quartet、J=10.9Hz、2H)、4.19(dd、J=13.5、4.7Hz、1H)、3.88(dd、J=13.5、4.5Hz、1H)、3.77(s、3H)、2.93(s、3H)。ES MS(M+1)=392。
【0161】
段階4:(7S)−3−(ベンジルオキシ)−5−メチル−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−α]ピラジン−2−カルボン酸
【0162】
【化42】

【0163】
メタノール(8mL)中のメチル(7S)−3−(ベンジルオキシ)−5−メチル−4−オキソ−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボキシレート(0.74g、1.89mmol)と1NのNaOH(3.79mL、3.79mmol)との混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を1NのHClでpH4に酸性化し、真空下で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルとに分配した。次いで層を分離し、水層を追加量の酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。集めた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、標題生成物が白色泡状物質として得られた。ES MS(M+1)=378。
【0164】
段階5:(7S)−3−(ベンジルオキシ)−N’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−5−メチル−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−α]ピラジン−2−カルボヒドラジド
【0165】
【化43】

【0166】
DMF(1mL)中の(7S)−3−(ベンジルオキシ)−5−メチル−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸(148mg、0.39mmol)、2−(4−フルオロフェニル)アセトヒドラジド(99mg、0.59mmol;4−フルオロフェニルアセチルクロリドおよびヒドラジンからJ.Heterocyclic Chemistry,1977,14,1123に記載された手順と同様の手順で製造)、EDC(113mg、0.59mmol)、HOBT(79mg、0.59mmol)およびトリエチルアミン(82μL、0.59mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。真空下でDMFを除去し、残渣を水と酢酸エチルとに分配し、1NのHClを使用してpH3に調整した。次に層を分離し、水層を追加量の酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。集めた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると生成物が白色固体として得られた。H NMR(400MHz、d−DMSO)δ10.2(s、1H)、9.84(s、1H)、7.98(dd、J=8.4Hz、1H)、7.72(d、J=8.4Hz、1H)、7.56−7.51(m、2H)、7.43−7.34(m、6H)、7.14(t、J=8.9Hz、2H)、6.97(d、J=6.1Hz、2H)、5.79(m、1H)、5.34(AB quartet、J=10.9Hz、2H)、4.23(dd、J=13、4.7Hz、1H)、3.84(dd、J=13.7、3.7Hz、1H)、3.52(s、2H)、および、2.92(s、3H)。ES MS(M+1)=528。
【0167】
段階6:(7S)−3−(ベンジルオキシ)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[l,5−α]ピラジン−4(5H)−オン
【0168】
【化44】

【0169】
無水THF(1mL)中の(7S)−3−(ベンジルオキシ)−N’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−5−メチル−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボヒドラジド(90mg、0.16mmol)およびLawesson試薬(153mg、0.38mmol)の混合物を還流下で2時間加熱した。得られた混合物を真空下で濃縮した。固体残渣をC−18固定相の高圧カラムクロマトグラフィー精製にかけ95−5%のHO(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)の勾配で溶出させた。適正画分を収集して濃縮すると、標題化合物が得られた。ES MS(M+1)=526。
【0170】
段階7:(7,S)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1、3、4−チアジアゾール−2−イル]−3−ヒドロキシ−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−α]ピラジン−4(5H)−オン
【0171】
【化45】

【0172】
(7S)−3−(ベンジルオキシ)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン(0.069g、0.11mmol)とHBrの酢酸溶液(1.5mL、33%酢酸溶液)との混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をC−18カラムの高圧カラムクロマトグラフィーにかけ95−5%のHO(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)の勾配溶出を使用して精製した。適正画分を収集し、濃縮すると、標題化合物が淡紅色固体として得られた。H NMR(400MHz、d−DMSO)δ9.95(br s、1H)、7.43−7.32(m、5H)、7.18(t、J=8.8Hz、2H)、7.08(d、J=7.1Hz、2H)、5.78(t、J=4.4Hz、1H)、4.48(s、2H)、4.18(dd、J=13.4、4.5Hz、1H)、3.86(dd、J=13.4、4.5Hz、1H)、2.91(s、3H)。ES MS(M+1)=436。
【実施例5】
【0173】
(7S)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−ヒドロキシ−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
【0174】
【化46】

【0175】
段階1:(7S)−3−(ベンジルオキシ)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[l,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
【0176】
【化47】

【0177】
混合物をLawesson試薬でなくBurgess試薬で処理した以外は実施例4の段階6に記載の手順と同様の手順を用いて(7S)−3−(ベンジルオキシ)−N’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−5−メチル−7−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボヒドラジド(実施例4、段階5)から標題化合物を白色固体として製造した。ES MS(M+1)=510。
【0178】
段階2:(7S)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3−ヒドロキシ−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
【0179】
【化48】

【0180】
MeOH(2mL)中の(7S)−3−(ベンジルオキシ)−2−[5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−5−メチル−7−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン(52mg、0.102mmol)と10%Pd/C(5mg)との混合物を水素ガス雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、フィルターケーキを追加量のMeOHで洗浄した。得られた濾液を真空下で濃縮すると、標題化合物が淡紅色固体として得られた。H NMR(400MHz、d−DMSO)δ9.75(br s、1H)、7.40−7.32(m、5H)、7.17(t、J=8.8Hz、2H)、7.09(d、J=6.5Hz、2H)、5.78(t、J=4.5Hz、1H)、4.32(s、2H)、4.16(dd、J=13.5、4.6Hz、1H)、3.87(dd、J=13.4、4.8Hz、1H)、2.91(s、3H)。ES MS(M+1)=420。
【実施例6】
【0181】
HIVインテグラーゼアッセイ:組換えインテグラーゼによって触媒される鎖転移
インテグラーゼの鎖転移活性を検定するアッセイは組換えインテグラーゼに関するWO 02/30930に従って行った。実施例1−5で製造した化合物をこのインテグラーゼアッセイで試験し、全部の化合物が1マイクロモル以下のIC50を有していることを知見した。
【0182】
予め組立てた複合体を使用するアッセイ実施に関する詳細な記載は、Wolfe,AX.ら,J.Virol.1996,70:1424−1432;Hazudaら,J.Virol.1997,71:7005−7011;Hazudaら,Drug Design and Discovery 1997,15:17−24;およびHazudaら,Science 2000,287:646−650に見出される。
【実施例7】
【0183】
HIV複製阻害アッセイ
単サイクル感染力アッセイ(あるいは、“バーチカル”アッセイとも呼ぶ)でHeLa P4−2細胞による急性HIV感染の阻害を測定するアッセイは、Joyce,J.G.ら,J.Biol.Chem.,2002,277,45811;Hazuda,D.ら,Science,2000,287,646;Kimpton,J.ら,J. Virol.1992,66,2232に従って実施した。実施例1から5の化合物はバーチカルアッセイで35マイクロモル以下のIC50を有していることが知見された。
【0184】
上記明細書は本発明の原理を教示し、例示目的で実施例を与えたが、本発明の実施は、特許請求の範囲内の慣例的な変更、応用および/または修正の全てを包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

{式中、
は−H、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルまたはC1−6アルキル(このC1−6アルキルは、おのおのが独立に、
(1)C3−8シクロアルキル、
(2)アリール、
(3)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の飽和またはモノ−不飽和複素環、
(4)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環、または、
(5)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有し環の少なくとも1つが芳香族である9−または10−員環の融合二環式複素環、
である1または2個の置換基で置換されている。)であり、
ここに、
(A)シクロアルキルのおのおのは、おのおのが独立にハロ、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−OHまたはC1−6ハロアルキルである1から3個の置換基で場合により置換されており、
(B)アリールのおのおのは、おのおのが独立に、
(1)おのおのが独立に−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)である1から3個の置換基で場合により置換された−C1−6アルキル、
(2)おのおのが独立に−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−SH、−S(O)、−C(=O)N(R)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)である1から3個の置換基で場合により置換された−O−C1−6アルキル、
(3)C1−6ハロアルキル、
(4)−O−C1−6ハロアルキル、
(5)−OH、
(6)ハロ、
(7)−CN、
(8)−NO
(9)−N(R)、
(10)−C(=O)N(R)、
(11)−C(=O)R
(12)−CO
(13)−SR
(14)−S(=O)R
(15)−SO
(16)−N(R)SO
(17)−SON(R)、
(18)−N(R)C(=O)R、または、
(19)−N(R)CO
である1から5個の置換基で場合により置換されており:
(C)飽和またはモノ不飽和複素環のおのおのは、
(i)おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から5個の置換基で場合により置換されており、および、
(ii)おのおのが独立にアリールまたはN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−もしくは6−員環の複素芳香環である1または2個の置換基で場合により置換されており、
(D)複素芳香環のおのおのまたは融合二環式複素環のおのおのは、
(i)おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から7個の置換基で場合により置換されており、および、
(ii)おのおのが独立にアリールまたはC1−6アルキル−アリールである1または2個の置換基で場合により置換されており;
は−Hまたは−C1−6アルキルであり;
は−H、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキルまたは−C1−6アルキル(この−C1−6アルキルは、−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)または−N(R)C(=O)N(R)の1つで置換されている。)であり;
は、
(1)−H、
(2)−OH、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)、−SON(R)、−N(R)−C(R)−O、−N(R)SO、−N(R)SON(R)、−OC(=O)N(R)、−N(R)C(=O)N(R)、−O−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、−S−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、−N(R)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)または−N(SO)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)の1つで場合により置換されたC1−6アルキル、
(3)−C1−6ハロアルキル、
(4)−C(=O)R
(5)−CO
(6)−C(=O)N(R)、
(7)−SON(R)、
(8)−C2−6アルケニル、
(9)−C2−6アルケニル−C(=O)−N(R
(10)−C2−5アルキニル、
(11)−C2−5アルキニル−CHN(R
(12)−C2−5アルキニル−CHOR
(13)−C2−5アルキニル−CHS(O)、または、
(14)−Rj、
(15)Rjで置換された−C1−6アルキル、
(16)Rjで置換された−C1−6ハロアルキル、
(17)−C1−6アルキル−O−Rj、
(18)−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−Rj、
(19)−C1−6アルキル−S(O)−Rj、
(20)−C1−6アルキル−S(O)−C1−6アルキル−Rj、
(21)−C1−6アルキル−N(R)−Rj、
(22)−C1−6アルキル−N(R)−C1−6アルキル−Rj、
(23)−C1−6アルキル−N(R)−C1−6アルキル−ORj(但し、−N(R)−部分と−ORj部分との双方が−C1−6アルキル−部分の同一炭素原子に付着することはない。)
(24)−C1−6アルキル−C(=O)−Rj、
(25)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)−Rj、
(26)−C1−6アルキル−N(R)C(=O)−Rj、
(27)−C1−6アルキル−C(=O)N(R)−C1−6アルキル−Rj、または、
(28)−C1−6アルキル−N(R)−C0−6アルキル−S(O)Rjであり、ここにRjは、
(i)おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−OH、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−O−C1−6ハロアルキル、−C1−6アルキル−N(R)、−C1−6アルキル−C(=O)N(R)、−C1−6アルキル−C(=O)R、−C1−6アルキル−CO、−C1−6アルキル−S(O)、−O−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から5個の置換基で場合により置換されたアリール、
(ii)少なくとも1つの炭素原子とN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子とを含有する4−から7−員環の飽和またはモノ−不飽和複素環[この複素環は、
(a)おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から5個の置換基で場合により置換されており、および、
(b)場合によりアリールまたはHetAでモノ−置換されている(このHetAは、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、この複素芳香環は場合によりベンゼン環に融合しており、HetAは、おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されている。)。]、または、
(iii)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環(この複素芳香環は、おのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されている。)であり;
環Aは、5−または6−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族単環、または、8−から11−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族二環であり、前記単環または二環はN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有しており;
Qは、C1−6アルキレン、−NR−、−O−、−C(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−または−CFであり;
は、
(1)C3−8シクロアルキル(このC3−8シクロアルキルは、場合によりアリールで置換され、および、おのおのが独立にハロ、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−OHまたはC1−6ハロアルキルである1から3個の置換基で場合により置換されている。)、
(2)アリール、
(3)C5−7シクロアルキルに融合したベンゼン環から成る融合二環式炭素環、
(4)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の飽和または部分不飽和複素環、
(5)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環、または、
(6)N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有し、環の少なくとも1つが芳香族である9−または10−員環の融合二環式複素芳香環[ここに、
(1)もしくは(2)のアリールのおのおのまたは(3)の融合炭素環のおのおのは、おのおのが独立に、ハロゲン、−OH、−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−OR、C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、−CN、−NO、−N(R)、C1−6アルキル−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−C1−6アルキル−CO、−OCO、−SR、−S(=O)R、−SO、N(R)SO、−SON(R)、−N(R)C(=O)R、−N(R)CO、−C1−6アルキル−N(R)CO、アリール、−C1−6アルキル−アリール、−O−アリールまたは−C0−6アルキル−hetである1つ以上の置換基(例えば場合により、1から5、1から4、1から3、または1もしくは2個の置換基)で場合により置換されており、ここにhetは、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素芳香環であり、hetは、また場合によりベンゼン環に融合しておりおよびおのおのが独立に−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、オキソまたは−COである1つ以上の置換基(例えば場合により、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されており、
(4)の飽和または不飽和の非芳香複素環のおのおのは、おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、オキソ、アリール、または、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の複素環である1つ以上の置換基(例えば場合により、1から6、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されており、
(5)の複素芳香環のおのおのまたは(6)の融合二環式複素環のおのおのは、おのおのが独立にハロゲン、−C1−6アルキル、−C1−6ハロアルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C1−6ハロアルキル、オキソ、アリールまたは−C1−6アルキル−アリールである1つ以上の置換基(例えば場合により、1から6、1から5、1から4、1から3または1もしくは2個の置換基または場合によりモノ置換)で場合により置換されている。]であり;
は−H、−C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、−C1−6ハロアルキル、アリール、アル(C1−3)アルキルまたはHetBであり、
HetBは、3−もしくは7−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族単環または8−から11−員環の飽和、部分不飽和もしくは芳香族二環であり、前記単環または二環はN、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有しており、
、RおよびRのおのおのは独立に−Hまたは−C1−6アルキルであり、
nのおのおのは独立に0、1または2に等しい整数であり;
XはNまたはC(R)であり、
は−Hまたは−C1−6アルキルであり、
はおのおの独立に−C1−6アルキルである。}
の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項2】
化合物が式(I−1)
【化2】

[式中、Rは−C1−3アルキルであり、XはNまたはCHである。]を有している請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHまたは−Rjであり、Rjは、
(i)おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−O−C1−4ハロアルキル、−C1−4アルキル−N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)R、−C1−4アルキル−CO、−C1−4アルキル−S(O)、−O−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)またはSON(R)である1から3個の置換基で場合により置換されたフェニル、
(ii)ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、チアジアゼパニル、ジチアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、チアジアジナニルおよびジオキサニルから成るグループから選択された飽和複素環であり、この飽和複素環は、
(a)おのおのが独立にハロゲン、−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から4個の置換基で場合により置換されており、および、
(b)フェニルまたはHetAで場合によりモノ置換されており、このHetAは、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルから成るグループから選択された複素芳香環であり、この複素芳香環は、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4ハロアルキルまたはオキソである1から3個の置換基で場合により置換されている、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Rjがフェニルであり、このフェニルは、おのおのが独立に−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−OH、−C1−4アルキル−O−C1−4アルキル、−C1−4アルキル−O−C1−4ハロアルキル、−C1−4アルキル−N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)N(R)、−C1−4アルキル−C(=O)R、−C1−4アルキル−CO、−C1−4アルキル−S(O)、−O−C1−4アルキル、−C1−4ハロアルキル、−O−C1−4ハロアルキル、−OH、ハロ、−N(R)、−C(=O)N(R)、−C(=O)R、−CO、−SH、−S(O)または−SON(R)である1から3の置換基で場合により置換されている請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
環Aが、N、OおよびSから独立に選択された1から4個のヘテロ原子を含有する5−または6−員環の芳香族単環である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
環Aが、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアダゾリル、オキサゾリル、テトラゾリルまたはピリミジニルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
環Aが、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−チアダゾリル、1,3−オキサゾール−2−イル、2−テトラゾール−5−イル、1−テトラゾール−5−イルまたは4−ピリミジニルである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Qが−C1−3アルキレンである請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
Qが−CH−である請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
がフェニルであり、このフェニルは、フルオロ、ブロモ、クロロ、−OH、−C1−4アルキル、−C1−4フルオロアルキル、−O−C1−4アルキル、−O−C1−4フルオロアルキル、−(CH1−2−N(R)、−SO、−(CH0−2−CO、−NO、−SR、−N(R)およびフェニルから独立に選択された1から3個の置換基で場合により置換されている請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
化合物が
【化3】

で表される請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩とおよび医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項13】
治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を対象に投与する段階を含む、HIVインテグラーゼの阻害の必要がある対象のHIVインテグラーゼの阻害方法。
【請求項14】
治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を対象に投与する段階を含む、HIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延の必要がある対象のHIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延方法。
【請求項15】
HIVインテグラーゼの阻害の必要がある対象のHIVインテグラーゼを阻害するための請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項16】
HIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延の必要がある対象のHIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延を目的とする請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項17】
HIVインテグラーゼの阻害の必要がある対象のHIVインテグラーゼを阻害する医薬の製造において使用される請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項18】
HIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延の必要がある対象のHIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延を目的とする医薬の製造において使用される請求項1から11のいずれかに記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項19】
(i)請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩とおよび(ii)HIVプロテアーゼインヒビター、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターおよびヌクレオシドHIV逆転写酵素インヒビターから成るグループから選択されるHIV感染/AIDS抗ウイルス薬との医薬の組合せであって、(i)の化合物または医薬的に許容されるその塩と(ii)のHIV感染/AIDS抗ウイルス薬のおのおのが、HIVインテグラーゼの阻害、HIV感染の予防もしくは治療またはAIDSの予防、治療もしくは発症遅延に有効な併用量で使用される、上記組合せ。

【公表番号】特表2009−513640(P2009−513640A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537840(P2008−537840)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/041280
【国際公開番号】WO2007/050510
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】