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HIVプロテアーゼインヒビターの調製方法
説明

HIVプロテアーゼインヒビターの調製方法

【課題】ビスフランアルコール誘導体、アミノホスホン酸誘導体への改良された方法、およびヒト自己免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用なカルバメートスルホンアミドアミノエチルホスホン酸ジエステルの調製方法の提供。
【解決手段】ランタニドまたは遷移金属触媒の存在下でグリコアルデヒドまたはグリコアルデヒド二量体と2,3−ジヒドロフランを反応させてビスフランアルコールとし、これを用いて式I


で表される化合物を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2006年3月29日に出願された米国仮特許出願第60/787,126号に対して、優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般的に抗HIVプロテアーゼ特性を有する抗ウイルス性化合物の調製方法に関する。本発明は、カルバメートスルホンアミドアミノホスホン酸エステルおよびその中間体の調製方法に関する。本発明は、これらの方法で調製される新規な中間体にも関する。本方法で調製されるカルバメートスルホンアミドアミノホスホン酸エステルは、ヒト自己免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用なHIVプロテアーゼ阻害剤である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
AIDSは、世界中に広まった重大な公衆衛生問題である。HIVウイルスを標的とする薬物は、広く用いられ、有効性を示しているが、耐性菌の毒性および発生が、その有用性を制限している。HIVウイルスの存在、不存在または量を求めることが可能な検定方法は、阻害剤の探究において、またHIVの存在の診断のために実用性がある。
【0004】
式I
【0005】
【化24】

のHIVプロテアーゼ阻害剤(PI)の通常の調製方法は、非常に長く、約1%の低収率しか得られず、再現性が一定せず、多くのクロマトグラフィー精製段階を必要とし、オゾン、ナトリウムシアノボロヒドリド、およびトリブチルスズ水素化物などの望ましくない試薬を使用する。式Iの化合物は、特許文献1において作製および開示されたHIVプロテアーゼ阻害剤である。
【0006】
式Iの化合物の合成において使用されるビスフランアルコール中間体の調製方法は、Pezechk(非特許文献1)およびGhosh(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)により記載されている。
【0007】
スキーム1は、非特許文献4からのビスフランアルコール合成を示している。
【0008】
【化25】

通常の方法は、多段階および毒性のある試薬の使用を必要とする。方法の1つにおいて(非特許文献4)、ラセミ混合物の分割が、固定化酵素への曝露、次いでクロマトグラフ分離によって達成された。
【0009】
【化26】

反応性の炭酸エステルは、ビスフランアルコール(1)および炭酸ジピリジル(非特許文献3)、およびクロロギ酸p−ニトロフェノール(非特許文献5)から調製された。これらの試薬は、求核反応パートナーと結合するが、適切な反応性および効率性を常には示さない。
【0010】
【化27】

N保護されたアミノ酸から誘導されるキラルハロアルコールの調製のための方法が存在する(非特許文献6)。このようなクロロアルコールのカルバメートスルホンアミド誘導体への変換の方法は知られている(Malik,A.ら、特許文献2)。ハロヒドリンも、同様の方法で、エポキシドに変換し、カルバメートスルホンアミド誘導体に変換し得る(特許文献1)。
【0011】
アミノホスホン酸のカルバメート誘導体の調製に次いでのホスホン酸モノエステルおよびジエステルへの変換は、非特許文献7;非特許文献8に記載されている。
【0012】
アミノエチルホスホン酸ジエステルは、ハロゲン化アシルまたはクロロギ酸ベンジル(CBZCl)でアミノホスホン酸をアシル化して式VIIの化合物を形成することを含む方法により調製し得る。
【0013】
【化28】

式VIIの化合物は、活性化しフェノールと縮合して式VIIIの化合物を形成し得る。
【0014】
【化29】

式VIIIの化合物は、活性化し第2級アルコールまたはフェノールと縮合してIXを形成し得る。
【0015】
【化30】

式IXの化合物は、アシル基を除去して式Xのアミノホスホン酸化合物を形成し得る。
【0016】
【化31】

式Xの化合物は、有機酸または無機酸の塩として単離し得る。
ビスフランアルコールのためのGhosh法(非特許文献9)は、トリブチルスズ水素化物およびオゾンの使用を必要とする。
式Iの化合物の遊離塩基は、非結晶性および吸湿性で、プロトン性溶媒中で安定性が限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第2003/090690号明細書
【特許文献2】国際公開第01/46120A1号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Pezechk, M. ら、Tetrahedron Letters、1986年、27巻、3715頁
【非特許文献2】Ghosh, A. K.ら、J. Med. Chem.、1994年、37巻、2506頁
【非特許文献3】Ghosh A. K.ら、J. Med. Chem.、1996年、39巻、3278頁
【非特許文献4】Ghosh, A. K.ら、Tetrahedron Letters、1995年、36巻、505頁
【非特許文献5】X. Chen ら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、1996年、6巻、2847頁
【非特許文献6】Albeck, A.ら、Tetrahedron、1994年、50巻、6333頁
【非特許文献7】Yamauchi, K.ら、J. Org. Chem.、1984年、49巻、1158頁
【非特許文献8】Yamauchi, K.ら、J. Chem. Soc. Perkin Trans. I、1986年、765頁
【非特許文献9】Ghosh A. K.ら、J. Org. Chem.、1995年、36巻、505頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、式IのPIのより安定な形態の合成を開発することのニーズが存在する。式IのPIのより効率的な合成方法を開発することのニーズも存在する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(発明の要旨)
本発明は、ビスフランアルコール誘導体、アミノホスホン酸誘導体への改良された方法、およびヒト自己免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用なカルバメートスルホンアミドアミノエチルホスホン酸ジエステルの調製方法を提供する。
本発明は例えば、以下の項目を提供する:
(項目1)
式0:
【化1】

のビスフランアルコールの調製方法であって、
ランタニドまたは遷移金属触媒の存在下で2,3−ジヒドロフランとグリコアルデヒドまたはグリコアルデヒド二量体を反応させて式0のビスフランアルコールを形成する段階を含む方法。
(項目2)
触媒が、
【化2】

【化3】

から選択されるリガンドと錯化したYb、Pr、Cu、EuまたはScを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
触媒が、Yb(hfc)(+)、Yb(hfc)(−)、Eu(hfc)(+)、Eu(hfc)(−)、Yb(fod)(+)およびS−ビナフトール、Yb(tfc)(+)、Sc(OTf)および(S)−pybox、およびPr(tfc)(+)であり、ここで、
【化4】

そして
【化5】

(式中、Mは、Yb、Pr、Cu、EuまたはScを表す)である、項目2に記載の方法。
(項目4)
反応が、約0℃から約100℃の間の温度で実施される、項目1に記載の方法。
(項目5)
反応が、キラルリガンドと錯化したランタニドまたは遷移金属を含む触媒の存在下で実施される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記キラルリガンドが
【化6】

(式中、Phはフェニルである)である、項目5に記載の方法。
(項目7)
溶媒の存在下で実施される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記溶媒が極性非プロトン性溶媒である、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記溶媒が、メチルt−ブチルエーテル、ジクロロメタンまたはそれらの混合物である、項目8に記載の方法。
(項目10)
溶媒としての過剰な2,3−ジヒドロフランの存在下で実施される、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記触媒がScを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記触媒がYbを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
(i)式0のビスフランアルコールを二炭酸ジスクシンイミジルと組み合わせて式L1:
【化7】

の化合物を形成する段階、
(ii)式0のビスフランアルコールを炭酸ビス(p−ニトロ)フェニルまたはクロロギ酸p−ニトロフェノールと組み合わせて式L2:
【化8】

の化合物を形成する段階、または
(iii)式0のビスフランアルコールを炭酸ジピリジルと組み合わせて式L3:
【化9】

の化合物を形成する段階をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
式L1、L2またはL3の化合物を式N、
【化10】

の化合物と組み合わせて式A、
【化11】

(式中、Meはメチルである)の化合物を形成する段階をさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
式Aの化合物を式J、
【化12】

の化合物と組み合わせて式I、
【化13】

(式中、Meはメチルであり;Etはエチルであり;そしてPhはフェニルである)の化合物を形成する段階をさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
式Iの化合物をアジピン酸と組み合わせて式IV、
【化14】

(式中、Me、EtおよびPhは、項目15と同様にそれぞれ独立に定義される)の塩を形成する段階をさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
式Nの化合物が、式M:
【化15】

の化合物を脱保護することによって調製される、項目14に記載の方法。
(項目18)
前記脱保護が、式Mの化合物を、トリフルオロ酢酸、塩酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、または臭化水素酸から選択される脱保護剤と組み合わせることによって達成される、項目17に記載の方法。
(項目19)
式Mの化合物が、式C:
【化16】

の化合物を還元することによって調製される、項目17に記載の方法。
(項目20)
還元が、式Cの化合物を、リチウムアルミニウムヒドリド、ナトリウムボロヒドリド、リチウムボロヒドリド、ナトリウムトリスアセトキシボロヒドリド、ナトリウムシアノボロヒドリド、カリウムトリイソプロポキシボロヒドリドまたはジイソブチルアルミニウムヒドリドである還元剤と接触させることによって達成される、項目19に記載の方法。
(項目21)
式Cの化合物が、式Fの化合物を式G:
【化17】

の化合物と組み合わせることによって調製される、項目19に記載の方法。
(項目22)
式Fの化合物が、式E:
【化18】

の化合物をアミンと組み合わせることによって調製される、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記アミンが
【化19】

である、項目22に記載の方法。
(項目24)
式C:
【化20】

を有する化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項目25)
式M:
【化21】

を有する化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項目26)
式N:
【化22】

を有する化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項目27)
式IV:
【化23】

を有する塩。
(項目28)
項目27に記載の塩および賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
(項目29)
患者におけるレトロウイルス感染症の治療または予防のための方法であって、該患者に項目27に記載の塩の治療有効量を投与する段階を含む方法。
(項目30)
前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記治療有効量が約10mgから約2000mgである、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記塩が医薬組成物として投与される、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記医薬組成物が錠剤の単位剤形である、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記塩が経口投与される、項目29に記載の方法。
(項目35)
(1)項目28に記載の医薬組成物;(2)処方情報;および(3)容器を含むキット。
(項目36)
前記医薬組成物が錠剤の単位剤形である、項目35に記載のキット。
(項目37)
本明細書に開示された化合物、組成物または方法。
(項目38)
患者におけるレトロウイルスプロテアーゼの活性を阻害するための薬剤の製造のための項目27に記載の塩の使用であって、該患者に塩の治療有効量を投与する段階を含む使用。
(項目39)
患者におけるレトロウイルス感染の治療または予防のための薬剤の製造のための項目27に記載の塩の使用であって、該患者に塩の治療有効量を投与する段階を含む使用。
(項目40)
前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、項目38または39に記載の使用。
(項目41)
前記塩が、単一組成物として患者に投与される、項目38または39に記載の塩の使用。
(項目42)
前記塩が患者に経口投与される、項目38または39に記載の塩の使用。
(項目43)
経口投与が1日1回である、項目42に記載の使用。
(項目44)
前記患者が、スタブジン、エムトリシタビン、テノホビル、エムトリシタビン、アバカビル、ラミブジン、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、フォスファチド、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、チプラナビル、サキナビル、インジナビル、アタザナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、サムプレナビル、ロピナビル、リトナビル、エンフビルチド、フォジブジン、チドキシル、アロブジン、デキセルブシタビン(Dexelvucitabine)、アプリシタビン(Apricitabine)、アムドキソビル、エルブシタビン(ACH126443)、ラシビル(ラセミFTC、PSI−5004)、MIV−210、KP−1461、フォサルブジン(fosalvudine)、チドキシル(HDP99.0003)、AVX756、ジオキソランチミン(Dioxolane Thymine)(DOT)、TMC−254072、INK−20、4’−Ed4T、TMC−125(エトラビリン)、カプラビリン、TMC−278(リルピビリン)、GW−695634、カラノリドA、BILR355BS、およびVRX840773、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種または複数の薬剤も摂取する、項目38または39に記載の使用。
(項目45)
前記治療有効量が約10mgから約2000mgである、項目38または39に記載の使用。
(項目46)
前記塩が医薬組成物として投与される、項目38または39に記載の使用。
(項目47)
前記医薬組成物が錠剤の単位剤形である、項目46に記載の使用。
(項目48)
塩が経口投与される、項目47に記載の使用。
【0021】
一実施形態においては、本発明は、
【0022】
【化32】

ランタニドまたは遷移金属触媒の存在下でグリコアルデヒドまたはグリコアルデヒド二量体と2,3−ジヒドロフランを反応させて式0のビスフランアルコールを形成することを含む式0のビスフランアルコールの調製方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(例示的な実施形態の詳細な)
定義
特に指定のない限り、本明細書で使用される次の用語および語句は、次の意味を有することを意図する。
【0024】
商標が本明細書で使用される場合、本出願者らは、商標製品および商標製品の活性薬剤成分を独立に含むことを意図する。
【0025】
「保護基」は、官能基の性質または化合物全体の性質をマスクするまたは変える化合物の部分を意味する。化学的保護基および保護/脱保護の方策は、当技術分野で周知である。例えば、Protective Groups in Organic Chemistry、Theodora W. Greene、John Wiley & Sons, Inc.、New York、1991年を参照されたい。保護基は、特定の官能基の反応性をマスクして所望の化学反応の効率性を助けること、例えば、順序付けられ予定された様式で化学結合をなすことおよび化学結合を壊すことに、しばしば利用される。化合物の官能基の保護は、極性、親油性(疎水性)、および一般の分析手段で測定され得る他の性質などの、保護された官能基の反応性以外の物理特性を変える。化学的に保護された中間体は、それ自体、生物活性または不活性であり得る。
【0026】
用語「キラル」は、鏡像パートナーの重ね合わせ不可能な性質を有する分子を意味し、用語「アキラル」は、その鏡像パートナーに重ね合わせることができる分子を意味する。
【0027】
用語「立体異性体」は、同一の化学組成を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を意味する。
【0028】
「ジアステレオマー」は、それらの分子が互いの鏡像ではない、2つ以上のキラリティーの中心を有する立体異性体を意味する。ジアステレオマーは、異なる物理特性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能分析方法で分離し得る。
【0029】
「鏡像異性体」は、互いの重ね合わせ不可能な鏡像である化合物の2つの立体異性体を意味する。
【0030】
「ランタニド」は、次の元素:La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよびそれらのイオンを意味する。
【0031】
「遷移金属」は、次の元素:Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hgおよびそれらのイオンを意味する。
【0032】
金属触媒を含むリガンドは、キラル、アキラルまたはラセミであり得る。
【0033】
スキームおよび実施例
これらの例示的な方法の一般的な態様は、下記および実施例に記載される。次のプロセスの生成物のそれぞれは、その後のプロセスにおけるその使用の前に、場合によっては分離、単離、および/または精製される。
【0034】
酸化および還元反応は、金属水素化物還元については、温度は、しばしば0℃から−100℃に下げられるが、一般的に室温(約20℃)近くの温度で実施され、溶媒は、一般的に還元については非プロトン性であり、酸化についてはプロトン性または非プロトン性のいずれかであってよい。反応時間は、所望の変換を達成するために調節される。
【0035】
縮合反応は、不均衡な動力学的に制御された縮合については、低い温度(0℃から−100℃)も一般的であるが、一般的に室温近くの温度で実施される。溶媒は、プロトン性(平衡反応において一般的)または非プロトン性(動力学的に制御された反応において一般的)のいずれかであり得る。
【0036】
反応副生成物の共沸による除去および無水反応条件(例えば、不活性ガス環境)の使用などの標準の合成技術は、当技術分野で一般的であり、適用できる場合に適用されよう。
【0037】
用語「処理された(treated)」、「処理する(treating)」、「処理(treatment)」、などは(化学合成操作に関連して使用される場合)、接触すること、混合すること、反応すること、反応させること、接触させること、および1種または複数の化学物質が、それを1種または複数の他の化学物質に変換するような様式で処理されることを表すための当技術分野で一般的な他の用語を意味する。これは、「化合物1を化合物2で処理すること」は、「化合物1を化合物2と反応させること」、「化合物1を化合物2と接触させること」、「化合物1と化合物2を反応させること」、および化合物1が化合物2で「処理された」、化合物1と化合物2を「反応させた」、化合物1を化合物2と「反応させた」ことなどを合理的に示す有機合成の技術分野において一般的な他の表現と同義であることを意味する。例えば、処理することは、有機薬品を反応させる合理的かつ通常の様式を表す。通常の濃度(0.01Mから10M、典型的には0.1Mから1M)、温度(−100℃から250℃、典型的には−78℃から150℃、より典型的には−78℃から100℃、さらにより典型的には0℃から100℃)、反応容器(典型的にはガラス、プラスチック、金属)、溶媒、圧力、雰囲気(典型的には、酸素および水に鈍感な反応には空気、または酸素もしくは水に敏感な反応には窒素もしくはアルゴン)などが、他に指示がない限り意図されている。有機合成の技術分野で周知の類似の反応の知識が、所与のプロセスにおける「処理する」ことのための条件および装置の選択において使用される。特に、有機合成の当業者は、当技術分野の知識に基づいて、記載されたプロセスの化学反応を首尾よく実施することが合理的に期待される条件および装置を選択する。
【0038】
例示的なスキームのそれぞれにおいては、反応生成物を互いにおよび/または出発原料から分離することが有利であり得る。各段階または一連の段階の所望の生成物は、当技術分野で通常の技術により所望の程度の均一性に分離および/または精製(以下、分離という)される。一般的に、このような分離は、多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーを含む。クロマトグラフィーは、例えば、逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高、中、および低圧液体クロマトグラフィー法および装置;小規模分析;疑似移動床(SMB)および分取薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を含めた任意の数の方法を含み得る。
【0039】
分離方法の別の種類は、所望の生成物、未反応の出発原料、反応副生成物などに結合するようまたは別の方法で分離可能にするよう選択される試薬での混合物の処理を含む。このような試薬には、活性炭、モレキュラーシーブ、イオン交換媒体などの吸着剤または吸収剤が含まれる。別法として、試薬は、塩基性材料の場合における酸、酸性材料の場合における塩基、抗体、結合タンパク質などの結合試薬、クラウンエーテル、液体/液体イオン抽出試薬(LIX)などの選択的キレート剤などであり得る。
【0040】
その立体異性体を実質的に含まない単一の立体異性体、例えば、鏡像異性体は、光学活性な分割剤を用いるジアステレオマーの形成などの方法を用いてラセミ混合物の分割により得ることができる(Stereochemistry of Carbon Compounds、(1962年)E. L. Eliel著、McGraw Hill;Lochmuller, C. H.、(1975年)J. Chromatogr.、113巻:(3号)283〜302頁)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物を用いるイオン性ジアステレオマー塩の形成および分別結晶化または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬を用いるジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)キラル条件下での直接的なほぼ純粋なまたは濃縮された立体異性体の分離を含む任意の適切な方法により分離および単離し得る。
【0041】
例示的な実施形態
一実施形態においては、本発明は、式Cの化合物および薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0042】
【化33】

別の実施形態においては、本発明は、式Mの化合物の調製方法であって、
a)式Eの化合物を1−アミノ−2−メチルプロパンなどのアミンで処理して
【0043】
【化34】

式Fの化合物を形成すること、
【0044】
【化35】

b)式Fの化合物を式Gの化合物で処理して
【0045】
【化36】

式Cの化合物を形成すること、
【0046】
【化37】

c)式Cの化合物を還元剤で処理して式Mの化合物を形成することを含む方法を提供する。
【0047】
【化38】

ニトリル部分のカルボキシアルデヒド部分への変換を達成するのに使用し得る典型的な還元剤は、Larock, Richard, C.、「Comprehensive Organic Transformations」2nd Ed.、1999年、John Wiley and Sons publisher、1271〜1272頁に見出し得る。
【0048】
別の実施形態においては、本発明は、式Mの化合物を提供する。
【0049】
【化39】

別の実施形態においては、本発明は、式Mの化合物の調製方法であって、
【0050】
【化40】

式Cの化合物を還元剤で処理して式Mの化合物を形成することを含む方法を提供する。
【0051】
【化41】

別の実施形態においては、本発明は、還元剤がジイソブチルアルミニウム水素化物である、式Mの化合物の調製方法を提供する。
【0052】
別の実施形態においては、本発明は、式0の化合物の調製方法であって、
式0のビスフランアルコールを二炭酸ジスクシンイミジルで処理して式L1の化合物を形成することをさらに含む方法を提供する。
【0053】
【化42】

別の実施形態においては、本発明は、式0の化合物の調製方法であって、
式0のビスフランアルコールを炭酸ビス(p−ニトロフェニル)またはクロロギ酸p−ニトロフェノールで処理して式L2の化合物を形成することをさらに含む方法を提供する。
【0054】
【化43】

別の実施形態においては、本発明は、式0の化合物の調製方法であって、
式0のビスフランアルコールを炭酸ジピリジルで処理して式L3の化合物を形成することをさらに含む方法を提供する。
【0055】
【化44】

別の実施形態においては、本発明は、式Nを有する化合物および薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0056】
【化45】

別の実施形態においては、本発明は、式Aを有する化合物および薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0057】
【化46】

別の実施形態においては、本発明は、カルバメートスルホンアミドアミノホスホン酸エステルの調製方法であって、
a)Yb、Pr、Cu、EuまたはSc触媒の存在下でグリコアルデヒドまたはグリコアルデヒド二量体にジヒドロフランを添加して式0のビスフランアルコールを形成すること、
【0058】
【化47】

b)段階(a)の反応生成物を二炭酸ジスクシンイミジル、炭酸ビス(p−ニトロ)フェニル、クロロギ酸p−ニトロフェノール、または炭酸ジピリジルで処理して、それぞれ式L1、式L2、式L2または式L3を形成すること、
【0059】
【化48】

c)式Eの化合物をアミンで処理して
【0060】
【化49】

式Fの化合物を形成すること、
【0061】
【化50】

d)式Fの化合物を式Gの化合物で処理して
【0062】
【化51】

式Cの化合物を形成すること、
【0063】
【化52】

e)式Cの化合物を還元剤で処理して式Mの化合物を形成すること、
【0064】
【化53】

f)式Mの化合物をトリフルオロ酢酸、塩酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、臭化水素酸またはProtective Groups in Organic Chemistry、Theodora W. Greene、John Wiley & Sons, Inc.、New York、1991年に列挙された別の適切な酸で脱保護して、式Nの化合物を形成すること、
【0065】
【化54】

g)式Nの化合物を式L、L2、またはL3の化合物で処理して、式Aの化合物を形成すること、
【0066】
【化55】

h)式Aの化合物を式Jの化合物で処理して
【0067】
【化56】

式Iの化合物を形成すること、
【0068】
【化57】

i)式Iの化合物をアジピン酸で処理して、式IVの塩を形成することを含む方法を提供する。
【0069】
【化58】

別の実施形態においては、本発明は、式IVを有する塩を提供する。
【0070】
【化59】

式IVの塩は調製され、118℃〜121℃の融点を有する。式IVの塩の遊離塩基は、参照により本明細書に組み込まれている国際公開WO2003/090690で作製および開示されたHIVプロテアーゼ阻害剤である。式IVの塩も、HIVに感染した患者の治療に有用なHIVプロテアーゼ阻害剤である。
【0071】
【表1−1】

【0072】
【表1−2】

【0073】
【表2】

【0074】
【表3−1】

【0075】
【表3−2】

【0076】
【表4−1】

【0077】
【表4−2】

【0078】
【化60】

【0079】
【化61】

【0080】
【化62】

【0081】
【化63】

【0082】
【化64】

【0083】
【化65】

【実施例】
【0084】
【化66】

(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール、(1)の調製
反応容器に、グリコアルデヒド二量体(4.45kg)、Yb(fod)触媒(0.29g)およびジヒドロフラン(20.5kg)を添加した。内容物を攪拌して混合し50℃に約5時間加熱した。反応内容物を濃縮して粗製油にし、飽和水性NaHCO溶液(60kg)中に溶解し、ジクロロメタン(6kg)で洗浄した。ジクロロメタン(58kg)、KBr(0.89kg)、TEMPO(0.116kg)を水層に添加し混合物を0℃に冷却した。この混合物に次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl、約11%Cl、55kg)をゆっくりと添加した。反応の完了後、放置して有機層および水層を分離させた。水層をジクロロメタン(29kg)で洗浄した。有機層を合わせ、水、KIを含む10%HCl、および10%チオ硫酸ナトリウムで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、固体をろ別し、ろ液を0℃未満に冷却した。反応内容物温度を0℃未満に維持しつつ、エタノール(7.1kg)中の水素化ホウ素ナトリウム(0.36kg)の溶液を添加した。反応の完了後、酢酸(1.4kg)および水(13.4kg)を添加してクエンチした。減圧蒸留により混合物を濃縮した。得られた粗製油/半固体混合物に、酢酸エチル(31kg)を添加した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、固体をろ別し、減圧蒸留により濃縮して油として(±)−1を単離した。酵素的分割。粗生成物油にエチレングリコールジメチルエーテル(DME、14.7kg)および無水酢酸(4.6kg)を添加した。リパーゼPS−C「Amano I」(0.36kg)および砂(6kg)の混合物を詰めたカラムを通してこの溶液を循環させた。鏡像異性体分割の完了後、溶液を減圧蒸留により濃縮した。水(18kg)を添加して生成物を溶解し溶液をジクロロメタン(28kg)で洗浄した。水層を含む生成物を減圧蒸留により濃縮した。得られた油を酢酸エチル(16kg)に溶解し硫酸ナトリウム上で乾燥した。ジクロロメタン層を水で数回逆抽出することによって、さらなる生成物を単離し得る。合わせた水層を減圧蒸留により濃縮した。得られた油を酢酸エチル中に溶解し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、固体をろ別した。合わせた酢酸エチル層を減圧蒸留により濃縮して、約15重量%の対応するアセテートが混入した油(1.6kg、97%ee、収率33%)として生成物、(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール、(−)−1が得られた。分析データ:
【0085】
【化67】

【0086】
【化68】

(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル4−ニトロフェニルカルボネートの調製
反応容器に炭酸ビス(4−ニトロフェニル)(2.85kg)およびジクロロメタン(33.4kg)を添加した。ジクロロメタン(6.7kg)中に溶解した(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール、(−)−1(1.2kg、98.5%ee、約36%のアセテート混入)をこの溶液に添加した。トリエチルアミン(1.6kg)を添加し得られた反応内容物を20〜25℃で攪拌した。反応の完了後、水(16.8kg)で内容物を洗浄した。層を分離し、減圧蒸留によりジクロロメタン層を濃縮した。油を含有する生成物を酢酸エチル(21.2kg)中に溶解し、水、水性炭酸カリウム溶液およびブラインで順次洗浄した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、固体をろ別し、減圧蒸留により濃縮した。濃縮した生成物の混合物を酢酸エチル(9.3kg)中に溶解し45℃に加熱した。ヘキサン(6.7kg)をゆっくりと添加し、最終混合物をゆっくりと0℃に冷却した。得られたスラリーをろ過して12を単離した。固体のケーキを酢酸エチルおよびヘキサン(1:1体積/体積、5.3kg)の溶液で洗浄した。生成物を一定重量になるまで乾燥し、オフホワイトの固体として1.5kgの12(55%)が得られた。母液を減圧蒸留により濃縮し結晶化処置を繰り返すことによって、さらなる生成物を得ることができる。分析データ:
【0087】
【化69】

式12、{(2S,3R)−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−ヒドロキシ−3−[イソブチル−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピル}−[3R,3aS,6aR]−カルバミン酸ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルの手順
【0088】
【化70】

式27(1.3kg)をフラスコに添加し、次いで式12(0.65kg)および酢酸エチル(7.2kg)を添加し、攪拌し、トリエチルアミン(0.65kg)およびジメチルアミノピリジン(24g)を添加し、周囲温度で数時間攪拌した。反応混合物を、水(8kg)、水性飽和NaHCO(8L)、希釈水性HCl(8L)およびブライン(8L)で順次洗浄した。反応混合物に活性炭(0.13kg)を添加し、数時間攪拌し、セライトを通してろ過し、酢酸エチルですすいだ。ヘプタン(6L)を添加し、混合物を数時間攪拌し、生成物をろ過により集め、1:1のEtOAc/ヘプタンですすいだ。生成物を一定重量になるまで乾燥して、オフホワイトの固体として1kgの式12(70%)(mp127.5℃、HPLC純度98.4)が得られた。
【0089】
【化71】

式13、{(1S,2R)−2−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−3−[N−イソブチル−(N−4−メトキシベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピル}−カルバミン酸ヘキサヒドロ−[3R,3aS,6aR]−フロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルの手順
【0090】
【化72】

式12(1kg)をフラスコに添加し窒素でフラッシュした。活性炭上のパラジウム、10重量%、湿重量、(0.2kg)を添加し、フラスコを窒素でフラッシュし、酢酸エチル(10L)を添加し、混合物を50℃に加熱し、反応が完了するまで、水素を反応混合物中に2.5時間スパージ(sparge)した。混合物を窒素でスパージし、次いで窒素下でセライトを通してろ過し、酢酸エチルですすいだ。ろ液を2.5Lに濃縮し、温かい溶液にヘプタン(7.5L)を添加した。得られたスラリーを氷浴中で冷却し、回収し、n−ヘプタンで洗浄し、一定重量になるまで乾燥して固体として式13(0.82kg、mp:98.2℃および133.8℃の2つの吸熱、HPLC純度97.4%)が得られた。
【0091】
【化73】

式14、トリフルオロ−メタンスルホン酸4−(2S,3R)−{2−([2R,3S]−ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]フラン−(3R)−3−イルオキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−[N−イソブチル−(N−4−メトキシベンゼンスルホニル)−アミノ]−ブチル}−フェニルエステルの手順
【0092】
【化74】

式13(0.82kg)およびジクロロメタン(8kg)をフラスコに添加し、穏やかに温めて式13を溶解した。別のフラスコにN−フェニルトリフルイミド(0.61kg)およびジクロロメタン(2.6kg)を添加し、穏やかに温めて溶液を得た。トリフレート化剤の溶液を、式13を含有する溶液中に移し、炭酸セシウム(0.55kg)を添加し、反応が完了するまで周囲温度で数時間攪拌を継続した。水(4kg)を添加し、層を分離し、ジクロロメタンで水層を逆抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶液をろ過し、少量に濃縮し、メチルtert−ブチルエーテル(7L)およびヘプタン(16L)で順次希釈し、周囲温度で攪拌して固体が得られ、この固体を集め、一定重量になるまで乾燥して、固体として式14(0.68kg、mp133.7℃、19F NMR(CDCl)−73.5ppm、HPLC純度97.2%)を得た。
【0093】
【化75】


【0094】
式15、{(1S,2R)−[1−(4−ホルミル−ベンジル)]−(2R)−2−ヒドロキシ−3−[N−イソブチル−(N−4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピル}−カルバミン酸[3R,3aS,6aR]−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルの手順
【0095】
【化76】

フラスコに式14(0.15kg)を添加し、次いでPd(OAc)(0.06kg)、dppp.(0.1kg)、ジメチルホルムアミド(1.9kg)を添加し、順次真空で空気を抜き、窒素で数回パージし、次いで窒素下で60から65℃の内部温度に加熱し、塩化リチウム(3g)を添加した。混合物を65〜70℃に加熱し、混合物を一酸化炭素で30分間スパージした。トリエチルアミン(86g)を溶液に添加し、次いでトリエチルシラン(0.05kg)をゆっくりと添加した。反応物を、反応が完了するまでCO雰囲気下で65〜70℃に維持した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチル(1.8kg)で希釈し、水(4kg)で洗浄した。酢酸エチルを水(1kg)で逆抽出し、合わせた水層を酢酸エチル(0.5kg)で逆抽出した。合わせた酢酸エチル抽出物を水で数回洗浄し、酢酸エチルを、セライトを通してろ過し、アセトニトリル(0.2kg)で希釈した。HF(水中の48%、0.23kg)および飽和NaHCO(3kg)を添加し、反応混合物を分離し、水層を廃棄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、ろ液を50〜55℃の温度に加熱し、トリメルカプトトリアジン(23g)で数分間処理し、活性炭(10g)を添加し、混合物を50〜55℃に少なくとも30分間加熱し、周囲温度に冷却し、セライトのパッドを通してろ過した。ろ液を飽和NaHCO(0.7kg)で洗浄し、分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、残渣を酢酸エチルとヘプタンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の式15を含有する画分を集め、濃縮して白色固体が得られ、この白色固体をエチレングリコールジメチルエーテル中に高温で溶解し、ヘプタンをゆっくりと添加し、次いで周囲温度に冷却することにより再結晶化した。ろ過により固体を回収し、ヘプタンですすぎ、一定重量になるまで乾燥して、白色固体として式15(72%、0.125kg、mp140.2℃、HPLC純度98.3%)が得られた。
【0096】
【化77】

式16、2−(N−ベンジルオキシカルバモイル)−アミノエチルホスホン酸の手順
【0097】
【化78】

フラスコに、脱イオン水(9kg)を添加し、不活性化し、攪拌し、水酸化ナトリウム(2.7kg)を少しずつ添加し、温度を35℃未満に維持した。ホスホン酸アミノエチル(AEP、3kg)を少しずつフラスコに添加した。温度をほぼ40℃に制御しつつ、ベンジルクロロホルメート(5.6kg)をいくつかに小分けして添加した。混合物を、反応が完了するまで数時間、周囲温度で反応させた。混合物を酢酸エチル(16kgずつ)で2回抽出した。水層を濃HClでpH1.3に酸性化し、数時間熟成させた。固体を集め、アセトニトリル(2.3kg)で洗浄した。次いで、固体およびメタノール(9.6kg)をフラスコに添加し、水およびメタノールで予め洗浄しておいたDowex樹脂(8.7kg)で処理した。混合物を周囲温度で1時間攪拌し、ろ過し、メタノール(3kg)ですすいだ。ろ液を粘り気のある油に濃縮し、アセトニトリルで希釈し、残余のメタノールが除去されるまでアセトニトリルと繰り返し共沸した。次いで、溶液をアセトニトリルで希釈し、加熱して溶液を得、ろ過し、氷浴温度に徐々に冷却した。固体を集め、一定重量になるまで乾燥して式16(CBZ−AEP)(4.8kg、77%、mp107℃、31P NMR(DO)26.6ppm)が得られた。
【0098】
【化79】

式17、フェニル−2−(N−ベンジルオキシカルバモイル)−アミノエチルホスホネートの手順
【0099】
【化80】

CBZ−AEP(2.5kg)およびアセトニトリル(3.1kg)を攪拌しながら60〜65℃に加熱した。別のフラスコ中に、フェノール(4.5kg)およびアセトニトリル(3.5kg)を温めて溶液を得、この溶液をCBZ−AEP混合物に添加し、溶液が得られるまで攪拌した。この溶液にアセトニトリル(3.1kg)中の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、1.4kg)のスラリーを添加した。別のフラスコに、アセトニトリル(0.8kg)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(3kg)を添加した。このDCC溶液を温かいAEP溶液に添加した。添加が完了次第、反応混合物を、反応が完了するまで数時間還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮し、水(20L)および水性NaOHで希釈した。溶液を酢酸エチル(13.5L)で2回抽出した。水層を、6MのHClの添加により1.0のpHに酸性化し、得られた固体を集め、水(19L)で再びスラリーにし、再び回収し、一定重量になるまで乾燥して白色固体として式17(2.47kg、mp124℃、HPLC純度99.2%、31PNMR(CDCl)カルバメート官能基の回転異性体による29.8ppm(約90%)および28.6ppm(約10%))が得られた。
【0100】
【化81】

式18、フェニル(エチル(S)−2−プロピオニル)−2−(N−ベンジルオキシカルバモイル)−アミノエチルホスホン酸の手順
【0101】
【化82】

式17(4.8kg)を、トルエン(24kg)およびDMF(4g)と一緒に反応器に添加した。混合物を70℃に温めた。SOClを、内部温度を67〜72℃に維持しながら時間をかけて添加し、反応が完了するまで、反応物を75℃で攪拌した。溶液を45℃に冷却し、ほぼ半分の体積に真空下で濃縮した。別の反応器中で、(S)−エチルラクテート(1.9kg)、トルエン(15kg)、およびピリジン(1.5kg)の乾燥溶液を調製し、−1℃に冷却した。クロリデート(chloridate)溶液を、−3℃から3℃の内部温度を維持しながらゆっくりと添加し、次いで得られた溶液を20℃に温め、反応が完了するまで攪拌した。反応物を、10%水性クエン酸(10kg)の溶液に添加し、層を分離し、有機層を10%水性NaHPO(10kg)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム(5kg)上で乾燥し、濃縮し、酢酸エチル(4kg)から蒸発して粘性のある油にし、この油を、酢酸エチルとヘプタンの混合物で溶離するシリカゲルプラグ(9.2kg)を通すことによって精製した。式17を含有する画分を合わせ、濃縮して油が得られた。溶媒を、アセトニトリル(2×3kg)で2回蒸発することにより交換し、2種のジアステレオマーの混合物(塩化ベンジルについて補正)としてHPLC純度98%を有する粘り気のある液体(4.7kg、80%)を得た。
【0102】
異性体の混合物を、酢酸エチルとヘプタンの混合物で溶離するChromasilシリカゲルで分離した。所望の異性体である式20は、次の物理データを示した。油、31PNMR(CDCl)カルバメート官能基の回転異性体による26.1ppm(約90%)および25.4ppm(約10%);
【0103】
【化83】

式19、フェニル(エチル(S)−2−プロピロニル)−2−アミノエチルホスホン酸、酢酸塩の手順
【0104】
【化84】

フラスコに、活性炭上のパラジウム、10重量%、湿重量(0.28kg)、酢酸(0.15L)および式20(0.56kg)およびエタノール(5.6L)を添加し、フラスコを、窒素で約30分間スパージした。出発原料が消費されるまで数時間反応混合物中に、水素をスパージした。反応混合物を60分間窒素でスパージし、反応混合物を、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(2L)で洗浄した。ろ液を、周囲温度で少量に濃縮し、アセトニトリル(5.6L)で希釈し、半分の体積に濃縮し、活性炭(0.3kg)で処理し、セライトを通してろ過し、アセトニトリル(2.5L)で洗浄した。ろ液を、周囲温度で蒸発し、アセトニトリルで希釈し、蒸発した。これを数回繰り返して、すべてのエタノールおよび水を除去し、溶液を、最終的に少量に濃縮し、5℃で貯蔵した。1アリコートの蒸発により収穫を得た。油、90%、0.49kg、31PNMR(CDCl)25.2。この材料を、さらに精製することなく次の段階で使用した。
【0105】
式21、2−[(2S,3R)−4−[((4−メトキシベンゼン)スルホニル)(2−メチルプロピル)アミノ]−3−(ヒドロキシ)ブチル]−[[[[(フェノキシ)(2−(2R)−プロピオン酸エチルエステル)オキシ]ホスフィニル]エチルアミノ]ベンジル]−[カルバミン酸−(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステル]ヘキサン二酸塩(1:1)の手順
【0106】
【化85】

フラスコに、式15(0.5kg)、アセトニトリル(1.6L)およびアセトニトリル(1L)中の式19(0.46kg)の溶液を添加し、次いでアセトニトリル(2.4L)を添加した。混合物を、周囲温度で数時間攪拌した。NaBH(OAc)(0.27kg)を、周囲温度で時間をかけて少しずつ添加して周囲温度に維持した。反応混合物を、反応が完了するまで数時間攪拌した。セライト(0.24kg)を添加し、反応混合物をろ過し、アセトニトリルおよび酢酸イソプロピルで洗浄した。ろ液を、少量に濃縮し、酢酸イソプロピル(12.5L)で希釈し、飽和NaHCOで3回〜4回(7.5Lずつ)、ブライン(3.8L)で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、少量に濃縮し、酢酸イソプロピルで希釈し、残余の水を共沸して除去した。溶液を、アセトニトリルで希釈し、温め、アジピン酸(0.13kg)を添加した。溶液を、徐々に冷却し、固体を集め、酢酸イソプロピルですすいで、固体として式21(0.69kg、79%、mp119℃、HPLC純度95.3%)を得た。スペクトルデータは、参照標準のものと一致した。
【0107】
【化86】

式21b、2−[(2S,3R)−4−[((4−メトキシベンゼン)スルホニル)(2−メチルプロピル)アミノ]−3−(ヒドロキシ)ブチル]−[[[[(フェノキシ)(2−(2R)−プロピオン酸エチルエステル)オキシ]ホスフィニル]エチルアミノ]ベンジル]−[カルバミン酸−(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステル]ブタンジオエート塩(1:1)の手順
7.8gの遊離塩基の式29を、加熱酢酸イソプロピル(約200mL)中で攪拌することにより溶解し、コハク酸(1当量)を添加し、溶液が得られた後、溶液を、周囲温度に徐々に冷却し、次いで氷浴中で数分間冷却し、生成物を集め、酢酸イソプロピルですすぎ、一定重量になるまで乾燥して式21bコハク酸塩(7.7g、86%、HPLC純度98.6%、mp106.5℃)を得ることにより調製した。
【0108】
【化87】

式22の手順
【0109】
【化88】

フラスコに、14.8gの炭酸ジスクシンイミジル、CHCl(25mL)、CHCl(20mL)中の溶液としての5.0gの式10、およびピリジン(7.8mL)を添加した。溶液を、反応が完了するまで穏やかに還流しながら数時間加熱した。加熱をやめて、水(35mL)を添加し、混合物を数分間攪拌し、層を分離した。有機層を、水(35mL)およびブライン(30mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、加熱しながらジクロロメタンCHCl(13mL)中に再溶解し、ヘプタン(10mL)を温かい溶液に添加した。混合物を、約10℃に徐々に冷却し、固体をろ過し、ヘプタンですすぎ、一定重量になるまで乾燥して約8.9g(87.5%)を得た。
【0110】
フラスコに、粗製の式22(106g)、活性炭(23g)およびトルエン(5.7kg)を添加した。2時間攪拌した後、混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液を蒸発して、オフホワイトの固体として100g(回収率94.3%)の式22を得た。フラスコに、式22の式22(12g)、アセトン(24g)を添加し、52℃に加熱して溶液を得た。ヘプタン(60g)を、攪拌しながら温かい溶液に添加した。混合物を、約10℃に2時間かけて冷却し、固体を集め、3:1のアセトン:ヘプタンで洗浄し、一定重量になるまで乾燥して、白色固体として式22(11.4g、回収率95%)を得た。
【0111】
【化89】

式24の調製
【0112】
【化90】

フラスコに、式24(10g)、飲料水(7.5g、13.5当量)およびイソブチルアミン(22.08g、9.8当量)を添加し、粘り気のある混合物を、約60℃に加熱し、反応が完了するまでこの温度で攪拌した。反応混合物に、内部温度を>55℃に維持しながら100mL飲料水を約30分かけて添加した。混合物を、1.5時間かけて5℃に冷却し、さらに30分間その温度に保った。スラリーをろ過し、20mLの飲料水で洗浄し、一定重量になるまで乾燥して10.94gの式23(98.4%、HPLC純度97.9%)を得た。
【0113】
【化91】

式25の調製
【0114】
【化92】

フラスコに、式23(10.5g)、ジクロロメタン(63mL)およびトリエチルアミン(3.1g、1.05当量)を添加し、ジクロロメタン(18mL)中の4−メトキシフェニルスルホニルクロリド(6.1g、1.02当量)の溶液を、添加中に内部温度を<25℃に維持しながら約10分かけて添加した。反応(周囲温度で約2時間)完了後、1M水性HCl(5mL)を添加し、5分間攪拌し、層を分離した。1M水性NaHCO(5mL)を、有機層に添加し、混合物を5分間攪拌し、層を分離し、有機層を濃縮して泡沫にした。粗生成物を、65℃で200mLのEtOH中に溶解し、内部温度を>57℃に維持しながら水(120mL)を45分かけて添加し、混合物
【0115】
【化93】

を、約4.5時間かけて10℃に徐々に冷却した。スラリーを、ろ過し、50mLの30%水性EtOHで洗浄し、生成物を、一定重量になるまで乾燥して、14.5g(94%、HPLC純度99.86%)を得た。
【0116】
【化94】

式26の手順
【0117】
【化95】

フラスコに、式25(35g)、トルエン(525mL)を添加し、不活性化し、−20℃に冷却した。トルエン中の1.5M DIBAL−Hの溶液(154mL、1.5M、3.5当量)を、温度を−10℃未満に保ちながら徐々に添加した。反応物を、反応が完了するまでこの温度で数時間攪拌した。メタノール(9.3mL、3.5当量)を、徐々に添加し、次いでTHF(88mL)を添加し、混合物を、0℃を超えて温めた。水性クエン酸(130mlの水で希釈されたクエン酸、7当量の40%(重量/重量)の220ml)を、5分間かけて添加し、次いで、混合物を約60℃に約1時間温めた。混合物を、周囲温度に冷却し、層を分離し、有機層を、175mlの1M HClおよび35mlの水に添加した。分液ロートを、105mlのTHFですすいだ。得られた混合物を、室温で約1時間攪拌し、THF(35mL)で希釈し、分離し、有機層を、35mlの1M NaHCOと合わせ、30分間攪拌した。層を分離し、無水硫酸マグネシウム(約2g)の層を通してろ過し、トルエン(35mL)ですすいだ。溶液を濃縮し、トルエンと3回共沸して残余のTHFを減少させた。最終体積を、約275mLに調節し、スラリーを、約65℃に加熱して溶液を得た。ヘプタン(132mL)を、徐々に添加し、次いで、混合物を、周囲温度に4時間かけて冷却した。生成物をろ過し、2:1のトルエン:ヘプタンで洗浄し、一定重量になるまで乾燥して式26(31g、88%、mp120.5℃、HPLC純度99.6%)を得た。
【0118】
【化96】

式15、{(1S,2R)−[1−(4−ホルミル−ベンジル)]−(2R)−2−ヒドロキシ−3−[N−イソブチル−(N−4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピル}−カルバミン酸[3R,3aS,6aR]−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルの手順
【0119】
【化97】

フラスコに、式26(2.0g)および20mLのTHFを添加した。メタンスルホン酸を溶液に一滴ずつ添加した。溶液を、脱保護が完了するまで40℃に温めた。溶液を20℃に冷却し、N−メチルイミダゾール(2.39g)を反応器に添加した。次いで、式22(1.52g)を添加し、反応物を、反応が完了するまで50℃に温めた。酢酸エチル(150mL)を添加し、溶液を、0.5M水性クエン酸(20g)、10%水性NaHPO(20g)、飽和NaHCO(20g)、および10%水性NaHPO(20g)で順次洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム(2g)上で乾燥し、ろ過し、粘性のある油に濃縮し、この油を、酢酸エチルとヘプタンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。所望の式15を含有する画分を合わせ、濃縮して白色固体(95%、2.13g、HPLC純度97%)を得た。
【0120】
本発明の特定の実施形態への参照がなされ、これらの実施形態の実施例が、付随する説明、構造および化学式において例示された。本発明は、列挙された実施形態と関連して記載されたが、それらは、それらの実施形態に本発明を限定することを意図していないことを理解されたい。反対に、本発明は、すべての代替物、変更形態、および等価物を含むことを意図しており、この代替物、変更形態、および等価物は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2013−82717(P2013−82717A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−271186(P2012−271186)
【出願日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【分割の表示】特願2009−502946(P2009−502946)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】