説明

HIV複製の阻害薬としての1−フェニル−1,5−ジヒドロ−ベンゾ[B][1.4]ジアゼピン−2.4−ジオンの誘導体

下記式(I):


(I)
(式中、m、R1、R2、R3、X及びYは、本出願で定義される)の化合物は、HIV複製の阻害薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、参照によって本明細書に組み込まれる2010年2月16日に出願された米国出願第61/305108号の利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、カプシド構築の阻害薬としての化合物及びそれらの使用、該化合物を含む医薬組成物並びにこれらの化合物をヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療で使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
これまでに、20を超えるFDA承認薬がHIV(1)に対する抗レトロウイルスの宝庫を作り上げている。これらの化合物は、一般にウイルス酵素又はウイルスの侵入プロセスを標的にし、6つの機構的分類に分割することができる。標準的治療は多剤治療計画であり、多くの場合、高活性抗レトロウイルス剤療法(highly active antiretroviral therapy)(HAART)と呼ばれ、該ウイルスを標的とする少なくとも3種の薬物の組合せを投与する。HAARTは何年にもわたってウイルスの複製をうまく制限することができるが、それでも薬物耐性が生じることがある。機構的分類内の交差耐性及び多剤耐性(multi-drug-resistant)(MDR)分離株の出現が治療の選択肢及び患者の予後に相当の影響を与え得る。このことは、HIV阻害薬の新規分類を発見する必要性を強調している。
【0003】
ウイルス複製周期で必須の役割を果たすHIV-1カプシドタンパク質(CA)は、このような新規な治療標的に相当しうる(2)。CAは、GAGポリタンパク質のドメインであり、そこで未成熟ウイルス粒子の構築に必要とされるいくつかの重要なタンパク質-タンパク質相互作用に寄与する。ウイルスの突然変異中に、GAGのタンパク質分解的切断がCAを放出し、これが再構築してコアと呼ばれる円錐形構造を形成し、これは感染性に必要なウイルスRNAゲノム及び酵素活性を封入している。コア形成は、多数の弱いタンパク質/タンパク質相互作用によって駆動される(2)。コア構築を妨げるCA突然変異は、非感染性ウイルス粒子をもたらす(3〜5)。カプシド構築のCA結合性阻害薬は以前に報告されており(6、7)、CAが実行可能な薬物標的である証拠を提供している。興味深いことに、構造情報が現在入手可能な阻害薬はNTD-CTD界面を標的にしているものだけのようであり、‘ホットスポット’の阻害に相当し得ることを示唆している(7、8)。参考文献-(1)International Journal of Antimicrobial Agents 2009, 33(4), 307-320。(2)Current Opinion in Structural Biology 2008, 18, 203-17。(3)Journal of Virology 2002, 76, 5667-5677。(4)Journal of Virology 2004, 78, 2545-2552。(5)Journal of Virology 2003, 77, 5439-50。(6)Journal of Molecular Biology 2003, 327, 1013-20。(7)Nature Structural and Molecular Biology 2005, 12, 678-82。(8)Journal of Molecular Biology 2007, 373, 355-66。
Braccioら(European Journal of Medicinal Chemistry 2001, 36, 935-949)は、ピラゾロ[3,4-b][1,5]ベンゾジアゼピン等の一連のネビラピン類似体の抗HIV-1活性について開示している。WO 94/17075は、HIVの治療用のジアゼピン誘導体を開示している。US 3,766,169は、鎮静及び抗痙攣特性を有するベンゾジアゼピン誘導体を開示している。WO 2004/098610は、ベンゾトリアゼピン誘導体並びにそれらのガストリン及びコレシストキニン受容体リガンドとしての使用を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、HIV複製に対して阻害活性を有する新系列の化合物を提供する。本発明の化合物は、HIV-1カプシド構築に対する阻害活性を有する。以下の説明及び実施例から当業者には本発明のさらなる目的が現れる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、下記式(I):
【化1】

(I)
【0006】
(式中、
mは1、2又は3であり;
X---Yは下記:
【化2】

から選択されるか、
又はXとYが結合して、O、N及びSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、前記5員ヘテロアリール環は、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、アリール、-NH2、COOH、CN、-C(=O)-(C1-6)アルキル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N((C1-6)アルキル)2及び-SO2-(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
ここで、単独又は別の基と組み合わせた前記各アルキル、アリール及びHetは、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、CN、-COOH、halo、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-N(H)-(C1-6)アルキル-O-(C1-6)アルキル、-O-アリール-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)-N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-C(=O)-N(H)-Het及びHetから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R1は、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、ハロ及び(C3-7)シクロアルキルから独立に選択され;
R2は、H、(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり;
R3はフェニル又はチオフェンであり、ここで、前記フェニルは、メタ位又はパラ位にて(C1-6)アルキル、ハロ、CN、OH又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよく;
R4は、-O-(C1-6)アルキル、Het、-COOH又はOHで1〜2回置換されていてもよい(C1-6)アルキルであり;
R5及びR7は、それぞれ独立にOH、CN、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、-S-R51、-SO-R51、-SO2-R51、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N(R51)(R52)、-(C1-6)アルキル-NH(R51)、-(C1-6)アルキル-O-R51及び-(C1-6)アルキル-S-R51から選択され;
R51は、(C1-6)アルキル、アリール、-(C1-6)アルキル-アリール、Het及び-(C1-6)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記アリール及びHetは環Dに縮合していてもよく
(ここで、前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
前記各アリール及びHetは、R53、-O-(C1-6)アルキル、-OH、オキソ、-C(=O)O(C1-6)アルキル、-C(=O)-Het、及び、Het若しくはR53で置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよい);
R53は、-COOH、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-O-(C1-6)アルキル又は-OHである);
R52は、H及び(C1-6)アルキルから選択され;
Z1とZ2は両方ともCH2として定義され、かつ----が単結合であるか、又はZ1とZ2は両方ともCHとして定義され、かつ----が二重結合であり;
n、o及びpは、それぞれ独立に0、1、2又は3から選択され;
R6は、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、NH2、-N(H)(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-(C1-6)アルキル-アリール、-N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-N(H)-C(=O)-アリール、-N(H)-C(=O)-Het、-N(H)-C(=O)-NH2、オキソ、Het及びアリールから選択される
(ここで、前記各アリール及びHetは、R61、-O-(C1-6)アルキル、-OH、-C(=O)-Het、及び、R61で1回置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R61は-COOH、-N((C1-6)アルキル)2又は-OHである))
の化合物及びその異性体、ラセミ体、エナンチオマー若しくはジアステレオマー;
又はその塩
(但し、下記化合物を除く:
8-クロロ-3-(メチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
3-(ブチルアミノ-メチレン)-8-クロロ-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
3-(tert-ブチルアミノ-メチレン)-8-クロロ-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
8-クロロ-3-(イソブチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
8-ブロモ-3-(ブチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;及び
3-(ブチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-8-トリフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン)
を提供する。
【0007】
本発明の別の態様は、薬物としての式(I)の化合物又はその医薬的に許容できる塩を提供する。
本発明の範囲には、治療的に有効な量の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容できる塩を、少なくとも1種の医薬的に許容できる担体媒体又は補助剤と混合されて含んでなる医薬組成物が包含される。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の医薬組成物は、治療的に有効な量の少なくとも1種の他の抗ウイルス薬をさらに含む。
本発明は、HIVに感染しているか又は感染しているリスクのあるヒトのHIV感染症の治療のための上記医薬組成物の使用をも提供する。
本発明の別の重要な態様は、治療的に有効な量の式(I)の化合物、その医薬的に許容できる塩、又は上記組成物を、単独又は一緒若しくは別々に投与される少なくとも1種の他の抗ウイルス薬と組み合わせて投与することによって、ヒトのHIV感染症を治療又は予防する方法を含む。
ヒトのHIV感染症の治療又は予防用薬物の製造のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容できる塩の使用も本発明の範囲内である。
本発明のさらなる態様は、HIV感染症の治療に有効な組成物と、該組成物を用いてHIVによる感染症を治療できることを示すラベルを含む包装材料とを含んでなる製品であって、該組成物が本発明の式(I)の化合物又はその医薬的に許容できる塩を含む製品を表す。
本発明のさらに別の態様は、HIVの複製が阻害される条件下で、有効量の式(I)の化合物、又はその塩に該ウイルスをさらす工程を含むHIVの複製を阻害する方法に関する。
さらに、HIVの複製を阻害するための、式(I)の化合物、又はその塩の使用が本発明に包含される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書で特に定義していない用語は、本開示及び文脈に照らして当業者がそれらに与えるであろう意味が与えられるものとする。しかし、本明細書で使用する場合、反対に特定していない限り、以下の用語は、指示した意味を有し、かつ以下の慣例が順守される。以下に定義する基(group)、基(radical)、又は成分では、炭素原子の数を基に先行して指定することが多く、例えば、C1-6-アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。一般に、2つ以上のサブ基を含む基では、最初に命名したサブ基が基の結合点であり、例えば、置換基「-C1-3-アルキル-アリール」は、-C1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、-C1-3-アルキル-基がコアに結合している。先の例「-C1-3-アルキル-アリール」では、特に指定のない限り、置換基はそのC1-3-アルキル若しくはアリール部分のどちらか又は両方に結合し得る。
単独又は別の基と組み合わせた用語「C1-n-アルキル」(nは2〜nの整数である)は、1〜n個のC原子を有する非環式飽和分岐若しくは直鎖炭化水素基を意味する。例えば、用語C1-5-アルキルとしては、限定するものではないが、基H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-が挙げられる。
用語「C2-n-アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子を有する「C1-n-アルキル」の定義に記載の基について、前記基の当該炭素原子のうちの少なくとも2個が二重結合によって互いに結合されている場合に用いられる。
用語「C2-n-アルキニル」は、少なくとも2個の炭素原子を有する「C1-n-アルキル」の定義に記載の基について、前記基の当該炭素原子のうちの少なくとも2個が三重結合によって互いに結合されている場合に用いられる。
用語「炭素環」は、1〜4個の環を含む炭素のみから成る単環式又は多環式環構造を意味し、該環は一緒にペンダント様式で付着していてもよく、或いは縮合していてもよい。用語「炭素環」は、完全に飽和した環系及び芳香環系及び部分的に飽和した環系を表す。用語「炭素環」は、スピロ系、及び架橋系をさらに包含する。
単独又は別の基と組み合わせた用語「C3-n-シクロアルキル」(nは整数4〜nである)は、3〜n個のC原子を有する環式飽和不分岐炭化水素基を意味する。例えば、用語C3-7-シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
用語「ハロ」は、一般的にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0009】
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語「アリール」は、6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基を意味し、さらに、芳香族、飽和又は不飽和であってよい第2の5員又は6員炭素環式基に縮合していてもよい。アリールとしては、限定するものではないが、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル及びジヒドロナフチルが挙げられる。
本明細書では、単独又は別の基と組み合わせた用語「Het」は、ヘテロシクリル又はヘテロアリール環系を意味する。
用語「ヘテロシクリル」は、N、O又はS(O)r(r=0、1又は2)から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和の単環式又は多環式環系(芳香環を含め)を意味するが、ヘテロ原子はどれも芳香環の一部ではない。用語「ヘテロシクリル」は全ての可能な異性形を包含するものとする。従って、用語「ヘテロシクリル」としては、以下の典型的構造が挙げられる。なお、各形態は、適正な原子価が維持される限り、共有結合によっていずれの原子にも付着し得るので、基(radical)としては示していない。
【0010】
【化3】

【0011】
用語「ヘテロアリール」は、N、O又はS(O)r(r=0、1又は2)から選択される1個以上のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の少なくとも1個が芳香環の一部である単環式又は多環式環系を意味する。用語「ヘテロアリール」は全ての可能な異性形を包含するものとする。従って、用語「ヘテロアリール」としては、以下の典型的構造が挙げられる。なお、各形態は、適正な原子価が維持される限り、共有結合によっていずれの原子にも付着し得るので、基(radical)としては示していない。
【0012】
【化4】

【0013】
式又は基の定義では多くの上記用語を繰り返し使用することができ、いずれの場合も互いに独立に上記意味の1つを有し得る。
本発明の化合物又は本発明の化合物の合成で使う中間体を化学名の形及び式として表す場合、化学名と式の間で矛盾する場合は式が優先するものとする。
サブ基では、定義されているコア分子につながる結合を示すためにアスタリスク又は下記表示を使用する。
【化5】

【0014】
本明細書では、例えば、下記
【化6】

のような、置換基Rへの結合が環系の中心から発するように描かれる表示は、置換基Rが、特に指定のない限り、そうでなければ水素原子で置換されるであろう環系のいずれのフリーな位置にも付着し得ることを意味するものとする。上記ナフタレンの例のような多環式環系では、置換基Rは、特に指定のない限り、環A又はBのいずれのフリーな位置にも付着することができる。
特に指定のない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通じて、所定の化学式又は化学名は、その互変異性体及び全ての立体異性体、光学異性体、幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体、アトロプ異性体)及びラセミ体並びに個別エナンチオマーの異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、又は該異性体及びエナンチオマーが存在する前記形態のいずれかの混合物、並びにその医薬的に許容できる塩などの塩及びその例えば水和物などの溶媒和物、例えば遊離化合物の溶媒和物又は該化合物の塩の溶媒和物などを包含するものとする。
当業者は、本発明の化合物のエナンチオマーを分離、濃縮、又は選択的に調製する方法を知っているであろう。純粋な立体異性体、例えばエナンチオマー及びジアステレオマー、又は所望のエナンチオマー過剰率(ee)若しくはエナンチオマー純度の混合物の調製は、(a)エナンチオマーの分離若しくは分割、又は(b)当業者に周知のエナンチオ選択的合成の多くの方法、或いはその組合せによって達成される。これらの分割方法は一般的にキラル認識に依存しており、限定するものではないが、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー、エナンチオ選択的ホスト-ゲスト複合体形成、キラル助剤を用いる分割若しくは合成、エナンチオ選択的合成、酵素的及び非酵素的速度論的分割、又は自発性エナンチオ選択的結晶化が挙げられる。該方法は、一般にChiral Separation Techniques: A Practical Approach (2nd Ed.), G. Subramanian (ed.), Wiley-VCH, 2000;T.E. Beesley and R.P.W. Scott, Chiral Chromatography, John Wiley & Sons, 1999;及びSatinder Ahuja, Chiral Separations by Chromatography, Am. Chem. Soc., 2000に開示されている。さらに、エナンチオマー過剰率又は純度の定量のための同様に周知の方法には、限定するものではないが、GC、HPLC、CE、又はNMRがあり、絶対配置及びコンフォメーションの割当の方法には、限定するものではないが、CD、ORD、X線結晶解析、又はNMRがある。
【0015】
本明細書では「医薬的に許容できる」という表現を用いて、ゾンデ医学的判断の範囲内であり、過剰の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしでヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、かつ合理的な利益/危険比で釣り合ている当該化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を表す。
本明細書では、「医薬的に許容できる塩」は、親化合物の酸塩又は塩基塩を作ることによって親化合物が改変されている、開示化合物の誘導体を表す。医薬的に許容できる塩の例としては、限定するものではないが、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などが挙げられる。例えば、該塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素酸塩、酒石酸水素塩、ブロミド/臭化水素酸塩、Ca-エデト酸塩/エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クロリド/塩酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニラート(glycollylarsnilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨージド、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩(subacetate)、コハク酸塩、スルファミド、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオジド、アンモニウム、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン及びプロカインが挙げられる。アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の金属のカチオンとさらなる医薬的に許容できる塩を形成することができる。(Pharmaceutical salts, Berge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19;及びHandbook of Pharmaceutical Salts, P. Heinrich Stahl, Camille G. Wermuth (Eds.), Wiley-VCH, 2002をも参照されたい)。
塩基性又は酸性部分を含む親化合物から通常の化学的方法によって本発明の医薬的に許容できる塩を合成することができる。一般に、これらの化合物の遊離酸又は塩基形を水中又は有機希釈剤(例えばエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、又はその混合物)中で十分な量の適切な塩基又は酸と反応させることによって該塩を調製することができる。
例えば本発明の化合物を精製又は単離するのに役立つ上記酸以外の酸の塩(例えばトリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を構成する。
【0016】
本明細書で使用する用語「治療」は、HIV感染症の症状を軽減若しくは排除するため及び/又は患者のウイルス負荷を減少させるために本発明の化合物又は組成物を投与することを意味する。用語「治療」は、ウイルスへの個体の曝露後であるが、疾患の症状の出現前、及び/又は血中でのウイルスの検出前に、疾患の症状の出現を予防し、及び/又は血中のウイルスが検出可能レベルに達するのを予防するために本発明の化合物又は組成物を投与すること、並びに出産前の母親及び生後数日以内の子供への投与によって、母親から赤ん坊へのHIV-1の周産期感染を予防するために本発明の化合物又は組成物を投与することをも包含する。
本明細書で使用する用語「抗ウイルス薬」は、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製を阻害するのに有効な薬剤を意味し、限定するものではないが、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルス機構のどちらかを妨害する薬剤が挙げられる。
【0017】
(好ましい実施形態)
以下の好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の基及び置換基について詳細に説明する。
【化7】

(I)
【0018】
下記定義のいずれもそれぞれ互いに組み合わせてよい。
X/Y
X/Y-a:X及びYは下記であり、
【化8】

かつ式(I)は下記構造を有する。
【化9】

【0019】
X/Y-b:X及びYは下記であり、
【化10】

かつ式(I)は下記構造を有する。
【化11】

【0020】
X/Y-c:X及びYは下記であり、
【化12】

かつ式(I)は下記構造を有する。
【化13】

【0021】
X/Y-d:X及びYは下記であり、
【化14】

かつ式(I)は下記構造を有する。
【化15】

【0022】
X/Y-e:XとYが結合して、O、N及びSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリール環を形成し、かつ式(I)は下記構造を有する。
【化16】

ここで、5員ヘテロアリール環Aは、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、アリール、-C(=O)-(C1-6)アルキル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N((C1-6)アルキル)2及び-SO2-(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
ここで、単独又は別の基と組み合わせた前記各アルキル、アリール及びHetは、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、CN、-COOH、ハロ、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-N(H)-(C1-6)アルキル-O-(C1-6)アルキル、-O-アリール-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)-N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-C(=O)-N(H)-Het及びHetから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよい。
【0023】
m:
m-A:mは1、2又は3である。
m-B:mは1又は2である。
m-C:mは1である。
R1
R1-A:R1は、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、ハロ及び(C3-7)シクロアルキルから独立に選択される。
R1-B:R1は、(C1-3)アルキル、(C1-3)ハロアルキル、F、Cl及び(C3-5)シクロアルキルから独立に選択される。
R1-C:R1は、Cl、F、CH3及びCF3から独立に選択される。
R1-D:R1は、Cl及びCF3から独立に選択される。
R1-E:R1は、CF3である。
R2
R2-A:R2は、H、(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキルである。
R2-B:R2は、H又は(C1-6)アルキルである。
R2-C:R2は、H又は(C1-3)アルキルである。
R2-D:R2は、H、CH3又はCH2CH3である。
R2-E:R2は、CH3又はCH2CH3である。
R3
R3-A:R3は、フェニル又はチオフェンであり、前記フェニルはメタ位又はパラ位にて(C1-6)アルキル、ハロ、CN、OH又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよい。
R3-B:R3は、フェニル又はチオフェンである。
R3-C:R3は、フェニルである。
R3-D:R3は、チオフェンである。
R4
R4-A:R4は、-O-(C1-6)アルキル、Het、COOH又はOHで1又は2回置換されていてもよい(C1-6)アルキルである。
R4-B:R4は、-O-(C1-4)アルキル、5員Het、COOH又はOHで1回置換されていてもよい(C1-4)アルキルである。
R4-C:R4は、-O-(C1-3)アルキル又は5員Hetで1回置換されていてもよい(C1-4)アルキルであり;かつ
Hetは、N、O又はSから選択される1個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和単環式環系(芳香環系を含め)として定義される。
【0024】
R5
R5-A:R5は、OH、CN、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、-S-R51、-SO-R51、-SO2-R51、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N(R51)(R52)、-(C1-6)アルキル-NH(R51)、-(C1-6)アルキル-O-R51及び-(C1-6)アルキル-S-R51から選択され;
R51は、(C1-6)アルキル、アリール、-(C1-6)アルキル-アリール、Het及び-(C1-6)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記アリール及びHetは、環Dに縮合していてもよく;
前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
前記各アリール及びHetは、R53、-O-(C1-6)アルキル、-OH、オキソ、-C(=O)O(C1-6)アルキル、-C(=O)-Het、及び、Het又はR53で1回置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
R53は、-COOH、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-O-(C1-6)アルキル又は-OHであり;
R52は、H及び(C1-6)アルキルから選択される。
R5-B:R5は、OH、CN、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、-S-R51、-SO-R51、-SO2-R51及び-C(=O)-NH2から選択され;
R51は、(C1-3)アルキル、Het及び-(C1-3)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記Hetは、環Dに縮合していてもよく;
前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
前記各フェニル及びHetは、R53、-O-(C1-3)アルキル、-OH、オキソ、及び、Het又はR53で1回置換されていてもよい(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R53は、-COOH、-N((C1-3)アルキル)2、-O-(C1-3)アルキル又は-OHであり;かつ
Hetは、N、O又はSから選択される1個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される。
n:
n-A:nは0、1、2又は3である。
n-B:nは0、1又は2である。
n-C:nは0又は1である。
【0025】
R6
R6-A:R6は、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、NH2、-N(H)(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-(C1-6)アルキル-アリール、N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-N(H)-C(=O)-アリール、-N(H)-C(=O)-Het、-N(H)-C(=O)-NH2、オキソ、Het及びアリールから選択され、
ここで、前記各アリール及びHetは、R61、-O-(C1-6)アルキル、-OH、-C(=O)-Het、及び、R61で1回置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R61は、-COOH、-N((C1-6)アルキル)2又は-OHである。
R6-B:R6は、(C1-3)アルキル、-O-(C1-3)アルキル、OH、NH2、-N(H)(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-フェニル、-N(H)-C(=O)-Het、オキソ、Het及びフェニルから選択され、
ここで、前記各フェニル及びHetは、R61、-O-(C1-3)アルキル、-OH、-C(=O)-Het、及び、R61で1回置換されていてもよい(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R61は、-COOH、-N((C1-3)アルキル)2又は-OHであり;かつ
Hetは、N、O又はSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される。
o:
o-A:oは0、1、2又は3である。
o-B:oは0、1又は2である。
o-C:oは0又は1である。
【0026】
R7
R7-A:R7は、OH、CN、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、-S-R51、-SO-R51、-SO2-R51、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N(R51)(R52)、-(C1-6)アルキル-NH(R51)、-(C1-6)アルキル-O-R51及び-(C1-6)アルキル-S-R51から選択され;
R51は、(C1-6)アルキル、アリール、-(C1-6)アルキル-アリール、Het及び-(C1-6)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記アリール及びHetは、環Dに縮合していてもよく;
前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
前記各アリール及びHetは、R53、-O-(C1-6)アルキル、-OH、オキソ、-C(=O)O(C1-6)アルキル、-C(=O)-Het、及び、Het又はR53で1回置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R53は、-COOH、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2又は-OHであり;
R52は、H及び(C1-6)アルキルから選択される。
R7-B:R7は、OH、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、C(=O)-NH(R51)、-(C1-3)アルキル-NH(R51)、-(C1-3)アルキル-O-R51及び-(C1-3)アルキル-S-R51から選択され;
R51は、(C1-3)アルキル、フェニル、-(C1-3)アルキル-フェニル、Het及び-(C1-3)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
前記各フェニル及びHetは、R53、-O-(C1-3)アルキル、-OH及びHet又はR53で1回置換されていてもよい(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R53は、-COOH、-NH2、-NH(C1-3)アルキル、-N((C1-3)アルキル)2又は-OHであり;かつ
Hetは、Nから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される。
p:
p-A:pは0、1、2又は3である。
p-B:pは0、1又は2である。
p-C:pは0又は1である。
【0027】
環A:
A-A:環Aは、O、N及びSから独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリール環であり、ここで、前記5員ヘテロアリール環は、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、アリール、-C(=O)-(C1-6)アルキル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N((C1-6)アルキル)2及び-SO2-(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
単独又は別の基と組み合わせた前記各アルキル、アリール及びHetは、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、CN、COOH、ハロ、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-N(H)-(C1-6)アルキル-O-(C1-6)アルキル、-O-アリール-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)-N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-C(=O)-N(H)-Het及びHetから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよい。
【0028】
A-B:環Aは、下記から選択される5員ヘテロアリール環である。
【化17】

ここで、前記5員ヘテロアリール環は、(C1-6)アルキル、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C3-5)シクロアルキル、-(C1-3)アルキル-(C3-5)シクロアルキル、-(C1-3)アルキル-Het、-(C1-3)アルキル-フェニル、フェニル、-C(=O)-(C1-3)アルキル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N((C1-3)アルキル)2及び-SO2-(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
単独又は別の基と組み合わせた前記各アルキル、フェニル及びHetは、(C1-3)アルキル、-O-(C1-3)アルキル、OH、CN、COOH、ハロ、-(C1-3)アルキル-Het、-NH2、-N((C1-3)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-O-(C1-3)アルキル、-(C1-3)アルキル-N(H)-(C1-6)アルキル-O-(C1-3)アルキル、-O-フェニル-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C1-3)アルキル-C(=O)NH2、-C(=O)-N(H)-(C1-3)アルキル-Het及び-C(=O)-N(H)-Hetから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;かつ
Hetは、Hetは、N又はOから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される。
【0029】
下表は、式(I)の化合物のさらなる実施形態E1〜E15を示す。
X/YがX/Y-aのとき、実施形態は以下のとおり:

【0030】
X/YがX/Y-bのとき、実施形態は以下のとおり:

【0031】
X/YがX/Y-cのとき、実施形態は以下のとおり:

【0032】
X/YがX/Y-dのとき、実施形態は以下のとおり:

【0033】
X/YがX/Y-eのとき、実施形態は以下のとおり:

【0034】
本発明の最も好ましい化合物の例は、表1〜7に列挙する各単一化合物である。
(医薬組成物)
当業者には式(I)Iの化合物を投与するのに適した製剤は明白であろう。該製剤としては、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、座剤、ローゼンジ剤(lozenge)、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤(sachet)、注射剤、吸入剤及び散剤等が挙げられる。医薬的に活性な化合物の含量は、全体として組成物の0.05〜90wt.-%、好ましくは0.1〜50 wt.-%の範囲内であるべきである。
適切な錠剤は、例えば、式Iの1種以上の化合物を既知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤及び/又は潤沢剤と混合することによって得られる。錠剤は数層から成ってもよい。
1日に適用できる本発明の化合物の用量範囲は、普通は0.01〜100mg/kg(体重)、好ましくは0.1〜50mg/kg(体重)である。各投薬単位は、通常5%〜95%の活性化合物(w/w)を含んでよい。好ましくは該製剤は20%〜80%の活性化合物を含む。
当然に、実際の医薬的に有効な量又は治療用量は、患者の年齢と体重、投与経路及び疾患の重症度などの当業者に既知の因子によって決まる。いずれの場合も患者独特の条件に基づいて医薬的に有効な量を送達できる薬用量及びやり方で併用投与するであろう。
【0035】
(併用療法)
本発明の組成物が本発明の化合物と1種以上の追加の治療薬又は予防薬との組合せを含む場合、本化合物も追加薬も、単剤レジメンで普通に投与される薬用量の約10〜100%、さらに好ましくは約10〜80%の薬用量レベルで存在すべきである。従って、一実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、さらに1種以上の抗ウイルス薬を含む。
該併用療法で使うために考えられる抗ウイルスには、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製を阻害するのに有効な薬剤があり、限定するものではないが、哺乳動物内でのウイルスの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルス機構のどちらかを妨害する薬剤が挙げられる。該薬剤は下記から選択可能である。
・NRTI(ヌクレオシド又はヌクレオチド逆転写酵素阻害薬;限定するものではないが、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、エムトリシタビン、アバカビル、テノホビル、フェスチナビル(OBP-601)、エルブシタビン、アプリシタビンが挙げられる);
・NNRTI(非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬;限定するものではないが、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンズ、エトラビリン、リルピビリン、BILR 355、RDEA806、レルシビリン(UK435061)及びGSK2248761(IDX-899)が挙げられる);
・プロテアーゼ阻害薬(限定するものではないが、リトナビル、チプラナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル、ホサンプレナビル、アタザナビル、ロピナビル、ダルナビル、ブレカナビル、TMC-310911、PPL-100 (MK-8122)、DG17及びSPI-256が挙げられる);
・侵入阻害薬、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:
・CCR5拮抗薬(限定するものではないが、マラビロク(UK-427,857)、ビクリビロク(SCH-D、SCH-417690)、TAK-652、INCB9471、PF-232798、PRO-140、TBR-652、SCH532706及びTBR-220が挙げられる)、
・CXCR4拮抗薬(限定するものではないが、AMD-11070が挙げられる)、
・融合阻害薬(限定するものではないが、エンフビルチド(T-20)、シフビルチド、アルブビルチド及びTRI-1144が挙げられる)及び
・その他(限定するものではないが、イバリズマブ(TNX-355)及びBMS-488043が挙げられる);
・インテグラーゼ阻害薬(限定するものではないが、ラルテグラビル(MK-0518)、c-1605、BMS-538158、エルビテグラビル(GS 9137)、GSK1349572、GSK 1265744及びJTK-656が挙げられる);
・TAT阻害薬;
・成熟阻害薬(限定するものではないが、ベビリマト(PA-457)が挙げられる);及び
・免疫調節薬(限定するものではないが、レバミソールが挙げられる)。
さらに、本発明の化合物を本発明の少なくとも1種の他の化合物又は抗真菌薬又は抗細菌薬(限定するものではないが、フルコナゾールが挙げられる)と使用することができる。
【実施例】
【0036】
本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を実証する以下のさらに詳細な実施例から明らかになるであろう。当業者には周知なように、空気又は水分から反応成分をを保護する必要がある場合、不活性雰囲気(限定するものではないが、窒素又はアルゴンが挙げられる)内で反応を行う。溶液のパーセンテージ及び比は、特に指定のない限り、体積対体積の関係を表す。W.C. Still et al., J. Org. Chem., (1978), 43, 2923の手順に従ってシリカゲル(SiO2)上でフラッシュクロマトグラフィーを行う。エレクトロスプレー質量分光法を利用して質量スペクトル分析を記録する。
Combiprep ODS-AQカラム、50×20mm、5μm、120Å、0.06%のTFAを含有するCH3CN/H2Oの勾配を用いた溶出によって分取HPLCを行う。
【0037】
220nmでAquityTM HSST3(1.8μm、2.1×50mm)逆相カラム、下表に示す線形勾配を用いた溶出(溶媒A:H2O中10mMのギ酸アンモニウム(pH=3.8);溶媒B:MeOH)を利用して標準条件下で分析UPLC(方法A)を行う。

【0038】
或いは、220nMでCombiscreen ODS-AQ C18逆相カラム、YMC、50×4.6mm i.d.、5μm、120Å、下表に示す線形勾配を用いた溶出(溶媒AはH2O中0.06%のTFAであり;溶媒BはCH3CN中0.06%のTFA)を利用して標準条件下で分析HPLC(方法B)を行う。

【0039】
或いは、220nMでCombiscreen ODS-AQ C18逆相カラム、YMC、50×4.6mm i.d.、5μm、120Å、下表に示す線形勾配を用いた溶出(溶媒AはCH3CN中0.06%のTFAであり;溶媒BはH2O中0.06%のTFAである)を利用して標準条件下で分析HPLC(方法C)を行う。

【0040】
CombiFlash(登録商標)Companion又はRF装置(Teledyne Isco Inc)を使う精製は、前充填シリカゲルカートリッジ及び溶媒としてEtOAcとヘキサンを利用する。これらのカートリッジはSilicycle Inc (SiliaFlash, 40-63μシリカ)又はTeledyne Isco (RediSep, 40-63μmシリカ)のどちらかから入手可能である。
【0041】
本明細書で使用する略語又は記号には以下のものがある。
Ac:アセチル;AcOH:酢酸;AIBN:アゾイソブチロニトリル;Bn:ベンジル(フェニルメチル);BOC又はBoc:tert-ブチルオキシカルボニル;Bu:ブチル;CAA:カプシド構築アッセイ;CDA:カプシド解体アッセイ;c-Pr:シクロプロピル;DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン;DCM:ジクロロメタン;DEAD:ジエチルアゾビカルボキシラート;DIAD:ジイソプロピルアゾビカルボキシラート;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMF:N,N-ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EC50:50%有効濃度;Et:エチル;Et3N:トリエチルアミン;Et2O:ジエチルエーテル;EtOAc:酢酸エチル;Hex:ヘキサン;HATU:N,N,N',N'-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;IC50:50%阻害濃度;iPr又はi-Pr:1-メチルエチル(イソプロピル);LC-MS:液体クロマトグラフィー-質量分析;HMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド;m/z:質量対電荷比;[M+H]+:プロトン化分子イオン;m-CPBA:メタ-クロロ過安息香酸;Me:メチル;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;MS:質量分析;MsCl:メタンスルホニルクロリド;NBS:N-ブロモスクシンイミド;Ph:フェニル;PMB:p-メトキシベンジル;Pr:プロピル;Prep LCMS:分取液体クロマトグラフィー-質量分析;p- TsOH:p-トルエンスルホン酸;RT:室温(約18℃〜25℃);tert-ブチル、t-ブチル又はt-Bu:1,1-ジメチルエチル;TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド;TBDMS:tert-ブチルジメチルシリル;TBTU:O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート;TFA:トリフルオロ酢酸;Tf:トリフルオロメタンスルホニル;Tf2O:トリフルオロメタンスルホン酸無水物;TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸;THF:テトラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー;TMSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル;tR:保持時間;UPLC:超高速液体クロマトグラフィー。
【0042】
実施例1a:化合物1a5の調製
【化18】

【0043】
工程1:
DMFに溶かした1a1(Aldrich; 34mL,220mmol)とEtNH2.HCl(20g,240mmol)の溶液にEt3N(92mL,660mmol)を加え、反応混合物を100℃で1時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで希釈し、水、次いで食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して化合物1a2を得る。
工程2:
EtOH(600mL)中1a2(45g,190mmol)、Et3N(170mL,1.2mol)及び10%Pd/C(20g)の混合物にN2雰囲気下でギ酸(43mL,1.2mol)を慎重に加える。混合物を2時間撹拌してからCelite(登録商標)でろ過する。ろ液を濃縮し、粗生成物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3、水、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮して化合物1a3を得る。
工程3:
THF(50mL)を満たしたフラスコにN2雰囲気下RTでTHF(100mL)中の1a3(14g,66mmol)の溶液とTHF(100mL)中のマロニルジクロリド(8.4mL,86mmol)の溶液を同時に迅速に撹拌しながら40分にわたって滴加する。反応を30分間撹拌し、真空下で濃縮する。残渣をCHCl3(100mL)に溶かし、ヘキサン(500mL)を加える。混合物をろ過し、固体を収集し、真空下で乾燥させて化合物1a4を得る。
工程4:
DCM(400mL)中の1a4の溶液にRTでPh3Bi(48g,110mmol)、Cu(OAc)2(20g,110mmol)及びピリジン(8.8mL,110mmol)を連続して加える。反応混合物を50℃で8時間撹拌し、RTに冷却し、シリカゲルでろ過し、最初にDCM、次いで9:1のDCM/アセトンで溶出する。DCM/アセトン留分を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:アセトン 9:1)で精製して化合物1a5を得る。
【0044】
実施例1b:化合物1003の調製
【化19】

【0045】
工程1:
DMSO(45mL)中の1b1(TCI-US;15g,90mmol)とアニリン(9.3mL,100mmol)の溶液にEt3N(23.7mL,170mmol)を加える。反応混合物をRTで43時間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、10℃で30分間撹拌してろ過する。結果として生じる固体を水で洗浄し、真空下で乾燥させて化合物1b2を得る。
工程2:
EtOH(110mL)中の1b2(18.5g,70mmol)、水(37mL)及び1N HCl水溶液(6.5mL)に鉄粉(16.5g,300mmol)を加える。混合物を加熱して1時間還流させた後、冷ましてCelite(登録商標)でろ過する。ろ液を濃縮し、粗生成物をDCM/水で希釈した後、NaHCO3で中和する。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮する。粗製物質をCombiFlash(DCM)で精製して1b3を得る。
工程3:
THF(50mL)を満たした反応フラスコにRTで迅速に撹拌しながら1時間にわたってTHF(75mL)中の1b3(3.2g,14.5mmol)の溶液とTHF(45mL)中のマロニルジクロリド(1.48mL,15.3mmol)を同時に滴加する。反応混合物を30分間撹拌してから真空下で濃縮する。残渣をCHCl3(65mL)に溶かした後、ヘキサン(200mL)を加える。混合物をろ過し、固体を収集し、真空下で乾燥させて化合物1b4を得る。
工程4:
THF(3.5mL)中の1b4(200mg,0.7mmol)の溶液をNaH(油中60%,62mg,1.5mmol)で処理する。2時間後、MeI(217μL,3.5mmol)を加えて混合物を70℃に1時間加熱する。濃縮乾固させた後、残渣をDCM及び水で希釈する。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮する。残渣をDCMとEt2Oで処理して懸濁液を得、ろ過し、固体を乾燥させて化合物1b5を得る。
工程5:
化合物1b5(336mg,1.2mmol)にt-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(3mL)を加える。懸濁液を140℃で30分間加熱した後、濃縮乾固させる。次に2-メトキシエチルアミン(3mL)を加えて混合物をRTで1時間撹拌する。過剰アミンを真空下で除去し、残渣をCombiFlash(アセトン/DCM)で精製して化合物1003を得る。
【0046】
実施例1c:化合物1007の調製
【化20】

【0047】
工程1、2及び3:
実施例1aの工程1〜3に記載の手順を利用し、EtNH2.HClに代えてMeNH2.HClを用いて1c1(Aldrich)を化合物1c2に変換する。
工程4:
DCM(5mL)中の1c2(500mg,1.86mmol)の溶液にRTでPh3Bi(1.31g,2.97mmol)、Cu(OAc)2(0.41g,2.23mmol)及びEt3N(0.31mL,2.23mmol)を加える。反応混合物をRTで20時間撹拌した後、SiO2上で濃縮する。生成物をCombiFlash(EtOAc/ヘキサン)で精製して化合物1c3を得る。
工程5:
シクロプロピルブロミド(232μL,2.9mmol)をTHF(8mL)に溶かして-70℃に冷却した後、ヘキサン中1.6Mのn-BuLi溶液(1.81mL,2.9mmol)を5分にわたって加える。1時間撹拌した後、混合物をTHF(8mL)中のZnBr2(0.65g,2.9mmol)の溶液で15分間処理する。反応を1時間かけてゆっくりRTに戻す。THF(2mL)中の1c3(250mg,0.72mmol)の溶液を上記混合物に加えてからN2で脱気する(10分)。混合物をPd(PPh3)4(67mg,0.06mmol)で処理し、還流冷却器を利用して75℃で20時間加熱する。冷却後、混合物を一部濃縮してからEtOAcに抽出し、食塩水で洗浄した後、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物1c4を得る。
工程6:
実施例1bの工程5に記載の手順を利用して1c4を化合物1007に変換する。
【0048】
実施例1d:化合物1001の調製
【化21】

【0049】
工程1:
DMF(2mL)中の1b4(125mg,0.44mmol)の氷冷溶液に、如何なる加温をも回避するように緩徐にPCl5(145mg,0.7mmol)を加える。添加が完了したら、溶液を緩徐にRTに温めてRTで20時間撹拌する。混合物を5℃に冷却した後、ほぼpH>8になるまでn-ブチルアミンを緩徐に添加する。DMFを真空下で除去し、残渣を水で処理して固体を形成し、これをろ過し、分取HPLCで精製して化合物1001を得る。
【0050】
実施例1e:化合物1005の調製
【化22】

【0051】
工程1:
DMF(1.0mL)中の1e1(実施例1aで1a4について記載した方法と同様に調製;77mg,0.30mmol)、K2CO3(48mg,0.35mmol)、CuI(15mg,0.08mmol)、及び2-ブロモチオフェン(130μL,1.36mmol)の混合物を140℃で20時間加熱する。反応混合物を冷まして0.1M HCl水溶液に注ぐ。結果として生じる混合物をEtOAcで抽出する。有機相を水と食塩水で洗浄した後、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)で精製して化合物1e2を得る。
工程2:
1e2(13mg,0.040mmol)とt-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.7mL)の混合物をRTで18時間撹拌してから濃縮乾固させる。2-メトキシエチルアミン(50μL,0.57mmol)及びDMF(0.5mL)を加えて混合物をRTで1時間撹拌する。混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/DCM)で精製して化合物1005を得る。
【0052】
実施例2a:化合物2002の調製
【化23】

【0053】
工程1:
1.0N NaOH水溶液(23.0mL,23.0mmol)をEtOH(20mL)中の2a1(Aldrich;5.00g,21.2mmol)の溶液に加える。反応混合物をRTで3時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、1.0N HCl水溶液(22mL)を添加して残留水溶液を中和し、pH7緩衝液を加える。混合物をEtOAcで抽出する。有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物2a2を得る。
工程2
DCM(75mL)中の2a2(1.12g,5.38mmol)、1a3(1.10g,5.38mmol)、HATU(2.46g,6.46mmol)及びi-Pr2NEt(2.34mL,13.4mmol)の溶液をRTで16時間撹拌する。混合物をDCMで希釈し、溶液を1.0N HCl水溶液、水及び食塩水で連続して洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:アセトン,19:1)で精製して化合物2a3を得る。
工程3:
THF中1.0MのNaHMDS溶液(3.25mL,3.25mmol)をDMF(15mL)中の2a3(1.16g,2.95mmol)の溶液にRTで加える。混合物をRTで1時間撹拌する。水とEtOAcを加える。有機層を1.0N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:アセトン,19:1)で精製して化合物2a4を得る。
工程4:
Ph3Bi(255mg,574μmol)、Cu(OAc)2(104mg,574μmol)及びピリジン(46.4μL,574μmol)をDCM(15mL)中の2a4(100mg,287μmol)の溶液にRTで加える。混合物をRTで16時間撹拌する。反応混合物をDCMで希釈し、溶液を1.0N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物2002を得る。
【0054】
実施例2b:化合物2003の調製
【化24】

【0055】
工程1:
実施例1eの工程1に記載の手順を利用し、2b1(Aldrich)を用いて2a4を化合物2003に変換する。
【0056】
実施例2c:化合物2008及び2010の調製
【化25】

【0057】
工程1:
THF中1.0MのLiHMDS溶液(43.2mL,43.2mmol)をTHF(300mL)中の2c1(Aldrich;7.00g,36.0mmol)の冷却(-78℃)溶液に加える。この温度で反応混合物を1時間撹拌する。シアノギ酸エチル(5.34mL,43.2mmol)を加えて反応混合物を-78℃で30分間撹拌してからRTに戻してこの温度で3時間維持する。NH4Cl水溶液を加えて混合物をRTで30分間撹拌する。次に混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcを加えて相を分ける。有機層を水と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM)で精製して化合物2c2を得る。
工程2:
DMF(8.0mL)中の1a3(1.50g,7.35mmol)と2c2(1.96g,7.35mmol)の溶液をマイクロ波内170℃で25分間加熱する。混合物をRTに冷まし、THF中1.0MのNaHMDS溶液(14.7mL,14.7mmol)を加えて混合物をRTで30分間撹拌する。1.0N HCl水溶液を混合物に加える。EtOAcを加えて相を分ける。有機層を水と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:アセトン,19:1)で精製して化合物2c3を得る。
工程3:
実施例2aの工程4に記載の手順を利用して、化合物2c3を化合物2008に変換する。
工程4:
AcOH(1.0mL)中の化合物2008(20.0mg,44.0μmol)とAcOH中48%のHBr溶液(1.0mL)との溶液を100℃で3時間撹拌する。冷却した反応混合物を水で希釈し、1.0N NaOH水溶液を加えて慎重に中和する。混合物をEtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物2010を得る。
【0058】
実施例2d:化合物2025の調製
【化26】

【0059】
工程1:
DCM(35mL)中の2d1(Lancaster,2.0g,11mmol)とイミダゾール(1.5g,21mmol)の溶液にTBDMS-Cl(2.9g,19mmol)を加えて反応をRTで1時間撹拌する。反応を水でクエンチし、層を分ける。水層をDCMで抽出し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をCombiFlashで精製して化合物2d2を得る。
工程2:
THF(2.0mL)中の1a5(75.0mg,0.215mmol)と(t-Bu)3P(11.6μL,43μmol)の溶液をN2雰囲気下でK3PO4(141mg,0.646mmol)に加える。THF(1.0mL)中の(t-Bu3P)2Pd(22.5mg,43μmol)の溶液とTHF(1.0mL)中の2d2(71.3mg,0.237mmol)の溶液を連続して混合物に加える。反応混合物を80℃で16時間加熱する。追加量の(t-Bu)3P(11.6μL,43μmol)と(t-Bu3P)2Pd(22.5mg,43μmol)を加えて混合物を80℃で16時間撹拌する。EtOAcで希釈した冷却混合物を水と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,7:3)で精製して化合物2d3を得る。
工程3:
AcOH(11μL)を含有するTHF(0.8mL)中の2d3(54.0mg,95.0μmol)とTHF中1.0MのTBAF溶液(95μL,95μmol)との溶液を0℃で10分間撹拌してからRTで16時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLCで精製して化合物2025を得る。
【0060】
実施例2e:化合物2059の調製
【化27】

【0061】
工程1:
EtOH(94mL)中の2e1(Transworld;2.50g,9.58mmol)と濃H2SO4(0.5g)の溶液を加熱して6時間還流させる。混合物をRTに戻して水と食塩水で希釈する。混合物をEtOAcで抽出する。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物2e2を得る。
工程2:
DMF(10.3mL)中の2e2(3.06g,9.63mmol)、BnBr(1.76mL,14.4mmol)及びK2CO3(2.66g,19.3mmol)の混合物をRTで16時間撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をCombiFlashで精製して化合物2e3を得る。
工程3:
実施例2cの工程1に記載の手順を利用して、2e3を化合物2e4に変換する。
工程4:
実施例2cの工程2に記載の手順を利用して、2e4を化合物2e5に変換する。
工程5:
実施例2aの工程4に記載の手順を利用して、2e5を化合物2e6に変換する。
工程6:
DMF(6.9mL)中の2e6(191mg,299μmol)、2e7(Aldrich;141mg,597μmol)、(t-Bu3P)2Pd(38.1mg,74.7μmol)及び2.0M Na2CO3水溶液(149μL,299μmol)の混合物をマイクロ波内で145℃に15分間加熱する。食塩水で希釈した冷却混合物をEtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をCombiFlashで精製して化合物2e8を得る。
工程7:
DMF(53μL)とEtOH(0.5mL)中の2e8(24.0mg,36μmol)と10%Pd/C(21mg)の混合物をH2雰囲気(1atm)下で1時間撹拌する。混合物をCelite(登録商標)でろ過する。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLCで精製して化合物2059を得る。
【0062】
実施例2f:化合物2015及び2030の調製
【化28】

【0063】
工程1:
EtOH(100mL)中の2f1(Lancaster;4.54g,17.3mmol)と濃HClの溶液を加熱して16時間還流させる。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcで希釈する。溶液をNaHCO3飽和水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。結果として生じるエチルエステルを化合物2f2に変換する。
工程2:
実施例2cの工程2に記載の手順を利用して、2f2を化合物2f3に変換する。
工程3:
実施例2aの工程4に記載の手順を利用して、2f3を化合物2f4に変換する。
工程4:
DMF(3.0mL)中の2f4(50.0mg,90.8μmol)とCuCN(40.7mg,454μmol)の混合物をマイクロ波内で190℃に20分間加熱する。冷却した混合物をEtOAcで希釈し、結果として生じる溶液を1.0N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物2015を得る。
工程5:
DMF(1.5mL)中の2f4(60.0mg,109μmol)、ピリジン-3-ボロン酸(Lancaster,40.2mg,327μmol)、(t-Bu3P)2Pd(11.9mg,27.2μmol)、2.0M Na2CO3水溶液(0.22mL,0.44mmol)の混合物をマイクロ波内で125℃に15分間加熱する。冷却した混合物をEtOAcで希釈し、結果として生じる溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物2030を得る。
【0064】
実施例2g:化合物2046及び2050の調製
【化29】

【0065】
工程1:
DMF(12mL)中の2g1(実施例2eで2e6について記載した方法と同様に調製;600mg,1.12mmol)、2g2(Boron Molecular Ltd; 993mg,3.37mmol)、(t-Bu3P)2Pd(172mg,338μmol)及び2.0M Na2CO3水溶液(2.8mL,5.6mmol)の混合物をマイクロ波内で125℃に17分間加熱する。冷却した混合物をEtOAcで抽出する。溶液を1N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH,9:1)で精製して化合物2046を得る。
工程2:
THF中1.0MのLiHMDS溶液(154μL,154μmol)をDMF(2.0mL)中の化合物2046(40.0mg,76.8μmol)と2-ブロモエチルメチルエーテル(7.9μL,84μmol)の溶液にRTで加える。混合物をRTで1時間撹拌してから1N HCl水溶液及びEtOAcを加える。結果として生じる溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をDCM(5.0mL)に溶かして0℃に冷却する。DCM中1.0MのBBr3溶液(154μL,154μmol)を加えて混合物を0℃で45分間撹拌する。1N HCl水溶液を加えて混合物をDCMで希釈する。溶液を1N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物2050を得る。
【0066】
実施例2h:化合物2011の調製
【化30】

【0067】
工程1:
NaH(油中60%;11.2mg,281μmol)をTHF(3.0mL)中の化合物2009(実施例2cで2010について記載した方法と同様に調製;40.0mg,93.8μmol)の溶液に加える。混合物をRTで30分間撹拌し、ブロモ酢酸tert-ブチルを加える。次に反応混合物をRTで16時間撹拌する。1N HCl水溶液を加え、EtOAcで希釈した混合物を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製エステルをDCM(3.0mL)に溶かしてTFA(1.0mL)を加える。混合物をRTで1時間撹拌してから減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物2011を得る。
【0068】
実施例3a:化合物3001及び3002の調製
【化31】

【0069】
工程1:
固体pTsOH・H2O(100mg,0.5mmol)を3a1(Alfa;5.0g,24mmol)とジヒドロピラン(3.0mL,33mmol)の混合物に加えて混合物を24時間撹拌する。反応をDCMで希釈し、シリカゲルを加えて混合物を濃縮乾固させる。生成物をCombiflashで精製して化合物3a2を得る。
工程2:
固体I2(1mg,0.008mmol)を無水THF(30mL)中の削り屑状Mg(1.6g,65mmol)と化合物3a2(4.8mL,16mmol)の混合物に加える。混合物を加熱して30分間還流させる。次に反応溶液をきれいな乾燥フラスコに移してTHF中の溶液として化合物3a3を得る。
工程3:
3a3の溶液(0.30M,30mL,16mmol)をBiCl3(1.0g,3.3mmol)の懸濁液にN2雰囲気下0℃で加え、上記溶液をRTに戻して一晩撹拌する。反応を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をCombiflashで精製して化合物3a4を得る。
工程4:
DMF(20mL)中のフェニルイソシアナトホルマート(2.40g,14.7mmol)の溶液をDMF(170mL)中の化合物1a3(2.10g,10.3mmol)の溶液にRTで滴加する。添加完了後、反応を90℃に16時間加熱する。反応をRTに冷まし、食塩水で希釈してEtOAcで抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ蒸発乾固させる。生成物をCombiflashで精製した後、EtOAc/ヘキサンと摩砕して化合物3a5を得る。
工程5:
Ph3Bi(300mg,0.7mmol)を1,4-ジオキサン(2.2mL)中の化合物3a5(130mg,0.46mmol)、Cu(OAc)2(130mg,0.70mmol)及びピリジン(75μL,0.93mmol)の懸濁液に加える。混合物を80℃に加熱し、2時間撹拌して3a6を含有する溶液を得る。1,4-ジオキサン中の3a4(590mg,0.70mmol)の溶液を反応に加える。反応に固体Cu(OAc)2(130mg,0.70mmol)、次いでピリジン(75μL,0.93mmol)を加えて80℃で3時間撹拌を続ける。反応をRTに冷ましてDCMで希釈する。シリカゲルを加えて混合物を濃縮乾固させる。生成物をCombiflashで精製して化合物3a7を得る。
工程6:
化合物3a7(30mg,0.05mmol)をTHF/TFA/水(4:2:1,1.4mL)に溶かして溶液をRTで3時間撹拌する。混合物をDCMで希釈し、シリカゲルを加えて混合物を濃縮する。混合物をCombiflashで精製して化合物3001を得る。
工程7:
Na2CO3水溶液(0.17mL,0.34mmol)とDMF(1mL)の混合物に化合物3001(33mg,0.07mmol)、ピリジン-4-ボロン酸(Aldrich,17mg,0.14mmol)及び((t-Bu)3P)2Pd(11mg,21mmol)を溶かす。反応混合物をマイクロ波内で145℃に10分間加熱する。反応を食塩水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、濃縮する。混合物をCombiflashoで精製して化合物3002を得る。
【0070】
実施例3b:化合物3004の調製
【化32】

【0071】
工程1:
3a2の代わりにp-ブロモトルエンを使用すること以外は実施例3aの工程2〜5の後、化合物3a7について述べた手順と同様に化合物3003を調製する。CCl4(8mL)中の化合物3003(520mg,1.2mmol)の溶液をAIBN(50mg,0.3mmol)及びNBS(210mg,1.2mmol)で連続して処理し、この混合物を加熱して1時間還流させる。NBSの一部(110mg,0.60mmol)を加え、反応を1時間続ける。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をCombiflashで精製して化合物3b1を得る。
工程2:
(R)-3-ピロリジノール塩酸塩(12mg,0.096mmol)及びEt3N(27μL,0.19mmol)をDMF(500μL)中の3b1(25mg,0.048mmol)の溶液に加え、混合物を2時間撹拌する。反応をAcOH(500μL)で希釈し、混合物を分取HPLCで精製して化合物3004を得る。
【0072】
実施例3c:化合物3006及び3007の調製
【化33】

【0073】
工程1:
5-ブロモ-2-クロロフェノールの代わりにm-ブロモベンジルアルコールを使用すること以外は実施例3aの工程1〜6の後、化合物3a7について述べた手順と同様に化合物3005を調製する。20%v/vH2SO4/水中のCrO3溶液(0.3M,230μL,0.70mmol)でアセトン(0.5mL)中の化合物3005(15mg,0.033mmol)の溶液を処理する。完全に酸化したら、反応を水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮し、残渣をEtOAc/ヘキサンと摩砕して化合物3006を得る。
工程2:
Et3N(25μL,0.16mmol)を、DMF(500uL)に溶かした化合物3006(16mg,0.035mmol)とTBTU(26mg,0.080mmol)の溶液に加え、反応混合物をRTで10分間撹拌する。THF(500μL)中のN-(2-アミノエチル)ピロリジン(20mg,0.18mmol)の溶液を加えて反応混合物を2時間撹拌する。混合物をDMSO(1mL)で希釈し、混合物を分取HPLCで調製して化合物3007を得る。
【0074】
実施例3d:化合物3009の調製
【化34】

【0075】
工程1:
5-ブロモ-2-クロロフェノールの代わりにp-ブロモフェノールを使用すること以外は実施例3aの工程1〜5の後、化合物3a7について述べた手順と同様に化合物3008を調製する。純DIAD(16μL,0.082mmol)をTHF(1.5mL)中の化合物3008(30mg,0.07mmol)、(R)-乳酸メチル(9mg,0.08mmol)及びPh3P(22mg,0.082mmol)の溶液に加えて反応混合物を16時間撹拌する。追加量のPh3P(22mg,0.082mmol)及びDIAD(16μL,0.082mmol)を連続して加えて反応を16時間撹拌する。混合物を濃縮し、残渣をCombiflashで精製して化合物3d1を得る。
工程2:
1.0N LiOH水溶液(1.0mL,1.0mmol)をTHF/水(1:1,6.5mL)中の化合物3d1(56mg,0.10mmol)の溶液に加えて混合物をRTで45分間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、1N HCl水溶液(300μL)で酸性にする。混合物をEtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。次に残渣をCombiflashで精製して化合物3009を得る。
【0076】
実施例3e:化合物3010の調製
【化35】

【0077】
工程1:
3a2の代わりに1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロベンゼンを使用すること以外は実施例3aの工程2〜5の後、化合物3a7について述べた手順と同様に化合物3e1を調製する。実施例3aの工程7の後、化合物3002の調製について述べたように化合物3e1から化合物3010を調製する。
【0078】
実施例3f:化合物3066の調製
【化36】

【0079】
工程1:
3a6の溶液をRTに冷まし、DCMで希釈してSiO2ゲルを加えること以外は実施例3aの工程5に記載の手順と同様に化合物3a5から化合物3a6を調製する。次に化合物3a6をCombiflashで精製した後にEtOAc/ヘキサンと摩砕する。
工程2:
K3PO4(36mg,0.17mmol)、次いで2-ブロモベンジルブロミド(42mg,0.17mmol)をDMF(1.2mL)中の3a6(30mg,0.09mmol)の溶液に加え、反応混合物を80℃に加熱して一晩撹拌する。反応混合物をEtOAc及び水で希釈し、有機層を水で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮する。残渣をCombiflashで精製して3f1を得る。
工程3:
固体Pd[P(t-Bu)3P]2(7mg,0.01mmol)、ピリジン-4-ボロン酸(Aldrich,12mg,0.10mmol)及び炭酸ナトリウム水溶液(2M,100μL,0.2mmol)をDMF(1.4mL)中の3f1(30mg,0.06mmol)の溶液に加える。混合物をマイクロ波照射下で145℃に15分間加熱してからRTに冷まし、水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層を水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、生成物をCombiflashで分離して化合物3066を得る。
【0080】
実施例4a:化合物4001及び6008の調製
【化37】

【0081】
工程1:
THF中2.0MのMe2NH溶液(6.3mL,12.6mmol)に0℃で化合物1b4(200mg,0.7mmol)を添加した後、トルエン(4.5mL)中のTiCl4(123μL,1.12mmol)の溶液を加える。反応混合物をRTで4時間撹拌してからEtOAc及び食塩水で希釈し、Celite(登録商標)を通してろ過する。ろ液を濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,1:1)で精製して化合物4a1を得る。
工程2:
ブレデレック(Bredereck)試薬(2.0mL,9.6mmol)中の4a1(67mg,0.21mmol)の溶液を95℃で7日間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させてからDCMで希釈し、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮して粗製4a2を得る。
工程3:
n-BuOH(1.2mL)中の4a2(89mg,0.24mmol)、メチルヒドラジン(16.6mg,0.36mmol)及びAcOH(121μL)の混合物を加熱して1時間還流させる。反応混合物を蒸発乾固させてからDCMで希釈し、10% Na2CO3水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮する。2種の異性体の混合物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,4:1)で分離して化合物6008及び4001を得る。
【0082】
実施例4b:化合物4002の調製
【化38】

【0083】
工程1:
THF(1mL)中の4001(40mg,0.12mmol)の溶液にNaH(60%分散系,5.4mg,0.14mmol)を加える。混合物をRTで1時間撹拌してからMeI(39μL,0.62mmol)を加える。反応混合物を70℃に16時間加熱し、RTに冷まして蒸発乾固させる。DCMで希釈した残渣を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製し、凍結乾燥後に化合物4002を得る。
【0084】
実施例4c:化合物4003の調製
【化39】

【0085】
工程1:
EtOH(30mL)中のメチルヒドラジン(Aldrich,0.92mL,17.2mmol)の溶液に4c1(Aldrich,1.97mL,17.2mmol)を加える。RTで4時間後に反応混合物を濃縮乾固させてヒドラゾン4c2を得る。
工程2:
ベンゼン(3.5mL)中の4c2(2.8g,17.1mmol)の溶液にベンゼン(6mL)中のエチル(エトキシメチレン)シアノアセタート(Aldrich,2.9mL,17.1mmol)の溶液を加え、反応混合物を加熱して3時間還流させる。結果として生じる沈殿物をろ過で除去し、固体をベンゼンで洗浄して化合物4c3を得る。
工程3:
沸騰EtOH(16mL)中の4c3(4.7g,16.36mmol)の懸濁液に濃HCl溶液(1.6mL)を滴加する。30分後、反応混合物を濃縮乾固させる。油状残渣を沸騰Et2O(30mL)と摩砕し、結果として生じる懸濁液をろ過し、固体を1N NaOH水溶液(17mL)で処理する。水層をCHCl3で抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮する。残渣を熱Et2Oと摩砕して化合物4c4を得る。
工程4:
THF(28mL)中の化合物4c4(952mg,5.6mmol)の溶液にNaH(60%,270mg,6.75mmol)を加える。RTで1時間後、MeI(0.7mL,11.3mmol)を加えて混合物を70℃に16時間加熱する。反応混合物を蒸発乾固させ、DCMで希釈してから水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,1:1)で精製して化合物4c5を得る。
工程5:
THF(10mL)中の4c5(184mg,1.0mmol)の溶液にTHF中1.0MのNaHMDS溶液(2.0mL,2.0mmol)を添加した後、2-フルオロ-5-クロロ-ニトロベンゼン(ABCR,176.3mg,1mmol)を加える。70℃で2時間後、反応混合物を蒸発乾固させてからDCMで希釈し、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,3:7)で精製して化合物4c6を得る。
工程6:
AcOH(2mL)中の4c6(71mg,0.21mmol)と鉄(116mg,2.1mmol)の混合物を115℃に25時間加熱する。反応混合物をRTに冷まし、CHCl3で希釈し、ろ過する。ろ液を真空下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,8:2)で精製して化合物4c7を得る。
工程7:
DMF(0.4mL)中の4c7(38.9mg,0.15mmol)、CuI(28mg,0.15mmol)、K2CO3(24.6mg,0.18mmol)及び2b1(79μL,0.81mmol)の混合物を140℃に48時間加熱する。反応混合物をRTに冷ましてEtOAcで希釈し、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,1:1)で精製して化合物4003を得る。
【0086】
実施例4d:化合物4004の調製
【化40】

工程1:
実施例4cの工程5に記載の手順の後、4d1(Aldrich)を4d2に変換する。
工程2:
THF(30mL)中の4d2(1.50g,4.19mmol)と10%Pd/C(200mg)の混合物をH2雰囲気下で18時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)でろ過し、真空下で濃縮して化合物4d3を得る。
工程3:
DMSO(20mL)中のNaH(油中60%,0.24mg,5.94mmol)の溶液に65℃でDMSO(5.0mL)中の4d3(1.30g,3.96mmol)の溶液を滴加した後、撹拌を1時間続ける。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮して化合物4d4を得る。
工程4:
実施例2aの工程4で述べたのと同様の手順の後、化合物4d4を化合物4004に変換する。
【0087】
実施例4e:化合物4013の調製
【化41】

【0088】
工程1:
実施例4cの工程1及び2で述べたように2-ヒドロキシエチルヒドラジンから化合物4e1を調製する。EtOH(250mL)中の4e1(44.7g,141mmol)の温溶液に濃HCl水溶液を滴加する。混合物を加熱して30分間還流させる。冷却した混合物を減圧下で濃縮する。残渣をEt2O(200mL)と4回摩砕する。残渣をDCM(175mL)に溶かし、RTで15分間撹拌する。結果として生じる懸濁液をろ過し、固体をDCMで洗浄し、減圧下で乾燥させて4e2を得る。
工程2:
DMF(10mL)中のTBDMS-Cl(7.80g,51.7mmol)の溶液をDMF(60mL)中の4e2(9.74g,41.3mmol)とイミダゾール(8.44g,124mmol)の氷冷溶液に加える。混合物をRTに温めてRTで16時間撹拌する。混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を0.25N HCl水溶液、NaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4e3を得る。
工程3:
トリフルオロ酢酸無水物(5.40mL,38.2mmol)をDCM(80mL)中の4e3(10.0g,31.9mmol)とピリジン(4.50mL,55.6mmol)の氷冷溶液に加える。反応混合物をRTで3時間撹拌する。DCMで希釈した混合物を1N HCl水溶液、NaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4e4を得る。
工程4:
MeI(1.53mL,24.4mmol)をDMF(20mL)中の4e4(9.49g,23.2mmol)とK2CO3(3.52g,25.5mmol)の混合物に加える。3時間後、追加量のMeI(0.3mL,4.82mmol)を加える。混合物をRTで16時間撹拌する。混合物を水中に注いでEt2Oで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4e5を得る。
工程5:
EtOH中21%のEtONa溶液(9.60mL,28.8mmol)をEtOH(80mL)中の4e5(9.45g,22.3mmol)の氷冷溶液に加える。混合物をRTで16時間撹拌してから水中に注ぐ。混合物をEtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を希食塩水、5%NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4e6を得る。
工程6:
THF(15mL)中4e6(6.06g,18.5mmol)と2,5-ジクロロニトロベンゼン(Aldrich;3.70g,19.3mmol)の氷冷溶液にTHF中1.0MのNaHMDS溶液(37.0mL,37.0mmol)を加える。2.5時間後、AcOH(5mL)を加えて混合物を減圧下で濃縮する。残渣をAcOH(50mL)に溶かし、鉄粉(8.27g,148mmol)を加えて混合物を105℃に3時間加熱する。冷却した混合物を水中に注ぎ、Et2Oで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水、NaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,2:1→1:1)で精製して化合物4e7を得る。
工程7:
実施例2aの工程4に記載の手順を利用して、化合物4e7を化合物4e8に変換する。
工程8:
THF中1.0MのTBAF溶液(5.82mL,5.82mmol)をTHF(25mL)中の4e8(2.34g,4.84mmol)の溶液に滴加する。混合物をRTで1時間撹拌する。混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物を0.5M HCl水溶液、希食塩水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4013を得る。
【0089】
実施例4f:化合物4011の調製
【化42】

【0090】
工程1:
DCM(0.5mL)中の4013(50mg,0.14mmol)とピリジン(49μL,0.61mmol)の溶液にMsCl(21μL,0.27mmol)を加える。反応混合物をRTで4時間撹拌する。混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。有機層を0.2M HCl水溶液、NaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4f1を得る。
工程2:
DMF(0.5mL)中の4f1(12mg,27μmol)とDBU(8.1μL,54μmol)の混合物をRTで0.5時間撹拌してから一時的に1分間100℃に加熱し、75℃で2時間維持する。粗製混合物を分取HPLCで精製して化合物4011を得る。
【0091】
実施例4g:化合物4020の調製
【化43】

【0092】
工程1:
DCM(5.0mL)中の4013(550mg,1.49mmol)、CBr4(966mg,2.91mmol)、Ph3P(508mg,1.94mmol)の溶液をRTで3時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)で精製して化合物4g1を得る。
工程2:
4g1(30.0mg,69.5μmol)、Et3N(29.1μL,208μmol)及びTHF中2.0MのMe2NH溶液(70.0μL,139μmol)の溶液を70℃に1.5時間加熱する。冷却した混合物をAcOH(0.5mL)及びDMSO(1.0mL)で希釈し、分取HPLCで精製して化合物4020を得る。
【0093】
実施例4h:化合物4014及び4019の調製
【化44】

【0094】
工程1:
デス・マーチン(Dess-Martine)ペルヨージナン(575mg,1.36mmol)を湿潤DCM(4.0mL)中の4013(200mg,0.542mmol)の溶液に加える。混合物をRTで2日間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮して化合物4h1を得、さらに精製せずに使用する。
工程2:
3-アミノピリジン(18.4mg,196μmol)をDMSO(0.5mL)中の4h1(25.0mg,65.3μmol)、N-メチルモルフォリン(28.7μL,261μmol)及びTBTU(35.6mg,114μmol)の溶液に加える。混合物をRTで16時間撹拌する。混合物を分取HPLCで精製して化合物4019を得る。
工程3:
NaH(3.60mg,142μmol)をTHF(0.5mL)中の4013(35.0mg,94.9μmol)とMeI(11.8μL,190μmol)の氷冷溶液に加える。混合物を0℃で15分間撹拌してからRTで30分間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、DMSO(1mL)及びAcOH(0.5mL)で希釈し、分取HPLCで精製して化合物4014を得る。
【0095】
実施例4i:化合物4007、4012、4025及び4029の調製
【化45】

【0096】
工程1:
実施例4cの工程1及び2並びに実施例4eの工程1〜7で述べたように4-メトキシベンジルヒドラジンから化合物4i1を調製する。TFA(60mL)中の4i1(1.75g,3.93mmol)の溶液を加熱して25時間還流させる。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCMで抽出する。混ぜ合わせた抽出物をNaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,3:1)で精製して化合物4007を得る。
工程2:
THF中1.0MのNaHMDS溶液(75μL,75μmol)をTHF(0.5mL)中の4007(25.0mg,77.0μmol)の氷冷溶液に滴加する。添加後、混合物をRTに戻してDMF(0.1mL)を加える。THF(0.2mL)中のメチル(4-ブロモメチル)-3-メトキシベンゾアート(Aldrich;26.0mg,100μmol)の溶液を加えて混合物をRTで1.5時間撹拌する。1.0N LiOH水溶液(0.25mL,0.25mmol)及びMeOH(0.15mL)を加えて混合物をRTで16時間撹拌する。AcOHを添加して混合物を酸性にし、粗製混合物を分取HPLCで精製して化合物4029を得る。
工程3:
DMF(0.3mL)中4007(30.0mg,92.4μmol)、(3-カルボキシフェニル)ボロン酸(CombiBlocks,30.6mg,185μmol)、Cu(OAc)2(33.6mg,185μmol)及びピリジン(22.4μL,277μmol)の混合物をRTで1時間撹拌してから85℃に1時間加熱する。冷却した混合物をろ過し、DMSOで希釈し、分取HPLCで精製して化合物4012を得る。
工程4:
ジメチルカルバモイルクロリド(17.0μL,185μmol)をTHF(0.4mL)中の4007(30.0mg,92.4μmol)とDBU(30.0μL,201μmol)の溶液に加える。混合物をRTで2時間撹拌する。水とDMSOを加え、混合物を分取HPLCで精製して化合物4025を得る。
【0097】
実施例4j:化合物4010の調製
【化46】

【0098】
工程1:
1,4-ジオキサン(1.0mL)中の4007(30.0mg,92.4μmol)、c-Pr3Bi(124mg,373μmol)(文献の手順を利用して調製:Gagnon, A.; St-Onge, M.; Little, K.; Duplessis, M.; Barabe, F. J. Am. Chem. Soc. 2007,129, 44-45)、Cu(OAc)2(68.0mg,374μmol)及びピリジン(30.0μL,371μmol)の混合物を60℃に2時間加熱する。冷却した混合物をろ過し、DMSOで希釈し、分取HPLCで精製して化合物4010を得る。
【0099】
実施例5a:化合物5007、5008及び5020の調製
【化47】

【0100】
工程1:
HC(OEt)3(100mL,620mmol)及びシアナミド(14g,330mmol)を加熱して2時間還流させる。加熱を取り除いて還流を弱めてからディーン・スターク(Dean-Stark)トラップをフラスコに取り付けて還流を続ける。約5mLのEtOHを収集した後、反応をRTに冷却し、混合物を濃縮して約68gの質量にする。これから、約9.3gをEt2Oに溶かし、N-(p-メトキシベンジル)グリシンエチルエステル(12g,55mmol)を加えて混合物をRTで1時間撹拌する。混合物を濃縮し、EtOH中21%のNaOEt溶液(18mL,55mmol)に再び溶かす。RTでの1時間撹拌後、混合物を4℃に冷却し、この温度で12時間放置する。生じる固体をろ過で除去し、ろ液を蒸発乾固させて化合物5a1を得る。
工程2:
トリフルオロ酢酸無水物(4.0mL,30mmol)を0℃でDCM(100mL)中の化合物5a1(6.0g,20mmol)とピリジン(3.1mL,39mmol)の溶液に加える。次に反応混合物をRTに温めて2時間撹拌する。DCMで希釈した反応混合物を水、NaHCO3飽和水溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮して化合物5a2を得る。
工程3:
MeI(0.35mL,5.5mmol)を乾燥DMF(10mL)中の5a2(1.9g,5.0mmol)とK2CO3(0.86g,6.3mmol)の懸濁液にN2雰囲気下で加え、混合物を1時間激しく撹拌する。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機層を水で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,1:1)で精製して化合物5a3を得る。
工程4:
EtOH中21%のNaOEt溶液(1.5mL,4.6mmol)をEtOH(12mL)中の5a3の溶液に加え、反応混合物をRTで1時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、水/食塩水(1:1)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、蒸発乾固させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(アセトン:CHCl3,1:4)で精製して化合物5a4を得る。
工程5:
N2雰囲気下で2時間撹拌しながらTHF(10mL)中の5a4(830mg,2.9mmol)と5-クロロ-2-フルオロニトロベンゼン(Apollo,560mg,3.2mmol)の溶液にTHF中1.0MのNaHMDS溶液(3.7mL,3.7mmol)を滴加する。反応混合物をH2O及びEt2Oで希釈する。相を分け、水層をEt2Oで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固させて化合物5a5を得る。
工程6:
5a5(1.4g,3.1mmol)、Fe粉(860mg,15mmol)及びAcOH(18mL)の混合物を100℃に加熱し、2時間激しく撹拌する。反応をRTに冷却し、PhMeで希釈して蒸発乾固させる。残渣を水とEtOAcに分配し、水層をEtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,6:4)で精製して化合物5a6を得る。
工程7:
1a5の調製について実施例1aの工程4で述べた手順を利用して5a6から化合物5007を調製する。
工程8:
TFA(20mL)に溶かした5007(440mg,0.99mmol)の溶液に純TfOH(420μL,2.8mmol)を加え、混合物をRTで3.5時間撹拌する。水(5mL)を加えて混合物を濃縮してほとんど乾固させる。残渣をNaHCO3飽和水溶液で希釈してEtOAcで抽出する、混ぜ合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固させる。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,4:1)で精製して化合物5008を得る。
工程9:
THF(1mL)に溶かした5008の溶液にTHF中1.0MのNaHMDS溶液(50μL,0.05mmol)を加えて混合物をRTで5分間撹拌する。DMF(500μL)の添加後、(ブロモメチル)シクロプロパン(35mg,0.25mmol)を加えて反応混合物を5時間撹拌する。水(3mL)を加えて反応混合物を濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,3:7)で精製して化合物5020を得る。
【0101】
実施例5b:化合物5026の調製
【化48】

【0102】
工程1:
(ブロモメチル)シクロプロパンの代わりにα,α’-ジブロモ-p-キシレン(Aldrich)を使用すること以外は実施例5aの工程9の化合物5020のついて述べた手順と同様に5008から化合物5b1を調製する。
工程2:
DMF(2mL)中の5b1(20mg,0.04mmol)の溶液をDMF溶液(100μL)中の2-メトキシエチルアミン(40mg,0.6mmol)の溶液に加える。反応混合物を16時間撹拌してから水(5mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物5026を得る。
【0103】
実施例5c:化合物5025の調製
【化49】

【0104】
工程1:
DCM中1.0MのBBr3溶液(360μL,0.36mmol)をN2雰囲気下でDCM(1mL)中の5007(65mg,0.14mmol)の溶液に加えて混合物を30分間撹拌する。水(1mL)及びNaHCO3飽和水溶液(1mL)を加えて混合物をDCMで抽出する。混ぜ合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物5025を得る。
【0105】
実施例5d:化合物5009の調製
【化50】

【0106】
工程1:
(ブロモメチル)シクロプロパンの代わりに4-(ブロモメチル)安息香酸メチルエステル(Aldrich)を使用すること以外は実施例5aの工程9の合物5020について述べた手順と同様に5008から化合物5d1を調製する。
工程2:
THF(1.5mL)とMeOH(1.5mL)中の5d1の溶液に1.0N LiOH水溶液(0.6mL,0.6mmol)を加えて混合物をRTで2時間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、1N HCl水溶液で酸性にしてEtOAcで抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、残渣を分取HPLCで精製して化合物5009を得る。
【0107】
実施例5e:化合物5023の調製
【化51】

【0108】
工程1:
Ph3Biの代わりにc-Pr3Bi(文献手順を利用して調製:Gagnon, A.; St-Onge, M.; Little, K.; Duplessis, M.; Barabe, F. J. Am. Chem. Soc. 2007,129, 44-45)を使用し、かつ反応を60℃で3日間撹拌すること以外は1a5の調製について実施例1aの工程4で述べた手順と同様に化合物5008から化合物5023を調製する。
【0109】
実施例5f:化合物5021の調製
【化52】

【0110】
工程1:
(ブロモメチル)シクロプロパンの代わりにN-(2-ヨードエチル)-tert-ブチルカルバマートを使用すること以外は5020の調製について実施例5aの工程9で述べた手順を利用して化合物5008から化合物5022を調製する。化合物5022(20mg,0.04mmol)をDCM(500μL)及びTFA(500μL)に溶かす。混合物をRTで15分間撹拌してから濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物5021を得る。
【0111】
実施例6a:化合物6002の調製
【化53】

【0112】
工程1:
EtOH(50mL)中の6a1(Acros;5.0g,29.4mmol)の撹拌溶液に6a2(Aldrich,3.3mL,29.4mmol)を加える。混合物を加熱して30分間還流させる。冷却後、Et3N(2.14mL,29.4mmol)を加えて混合物を加熱して2時間還流させる。エタノールを蒸発させて残渣を水(150mL)と摩砕した後にろ過し、乾燥させる。ろ過で回収した固体を乾燥させてからアセトンから再結晶させて化合物6a3を得る。
工程2:
DCM(50mL)中の6a3(3.43g,15.7mmol)の氷冷溶液にN2雰囲気下でピリジン(1.91mL,23.6mmol)を添加した後、トリフルオロ酢酸無水物(2.66mL,18.8mmol)を滴加する。15分後、溶液をRTに温めて1時間撹拌する。粗製反応混合物を1N HCl水溶液、次いで5% NaHCO3水溶液で洗浄した後に乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6a4を得る。
工程3:
THF(75mL)中の6a4(4.95g,15.7mmol)の撹拌氷冷溶液にPh3P(6.2g,23.6mmol)、MeOH(2mL)及び少量ずつ、固体アゾジカルボン酸ジピペリジン(6.0g,23.7mmol)を加える。混合物を0℃で15分間撹拌してからRTに戻して3時間撹拌する。混合物をEt2O(250mL)で希釈し、懸濁液をろ過する。ろ液を部分的に濃縮し、5℃で一晩貯蔵し、再ろ過して固体を除去する。ろ液を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)で精製して化合物6a5を得る。
工程4:
EtOH(25mL)中の6a5(870mg,2.65mmol)の溶液に固体K2CO3(550mg,4.0mmol)を加える。混合物を加熱して1時間還流させる。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(20mL)と水(40mL)に分配する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6a6を得る。
工程5:
THF(20mL)中の化合物6a6(1.0g,4.3mmol)と6a7(Apollo,1.51g,8.6mmol)の氷冷溶液にN2雰囲気下でTHF中1.0MのNaHMDS溶液(8.6mL,8.6mmol)を滴加する。次に混合物をRTに戻してさらに1時間撹拌する。次に混合物を0℃に冷却した後に40.5N KHSO4水溶液(2mL)を滴加する。減圧下でTHFを除去し、残渣をEtOAcで希釈する。溶液を0.5N KHSO4水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して化合物6a8を得る。
工程6:
i-PrOH(25mL)中の6a8(200mg,0.52mmol)に10%Pd/C(200mg)を添加した後、系を水素ガスでパージし、RTで6時間撹拌する。系を排気かつ脱泡した後、ろ過で触媒を除去する。ろ液を濃縮し、乾燥させて化合物6a9を得る。
工程7:
ピリジン(4mL)中の化合物6a9(240mg,0.67mmol)の氷冷溶液にNaH(油中60%,54mg,1.34mmol)を少しずつ加える。混合物をRTに戻して1.5時間撹拌した後、50℃に1.5時間加熱する。混合物をRTに冷却し、EtOAcで希釈し、溶液を水及び1N HCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6a10を得る。
工程8:
DCM(2mL)中の6a10(211mg,0.68mmol)、Cu(OAc)2(185mg,1.02mmol)、Ph3Bi(449mg,1.02mmol)及びEt3N(189μL,1.36mmol)の混合物を加熱して1時間還流させる。減圧下で溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)で精製して化合物6a11を得る。
工程9:
CHCl3(0.5mL)中の6a11(37mg,0.095mmol)とm-CPBA(41mg,238.5mmol)の溶液を加熱して45分間還流させる。混合物を冷却し、CHCl3で希釈した後、5% NaHCO3水溶液で洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6a12を得る。
工程10:
化合物6a12(45mg,0.11mmol)をi-PrOH中2.0Mのアンモニア溶液(500μL,1.0mmol)で処理してから封管中50℃で30分間加熱する。冷却した溶液を濃縮し、分取HPLCで精製して化合物6002を得る。
【0113】
実施例6b:化合物6001の調製
【化54】

【0114】
工程1:
CHCl3(5mL)中の6a8(300mg,0.77mmol)とm-CPBA(391mg,1.93mmol)の溶液を加熱して15分間還流させる。冷却後、混合物をCHCl3で希釈し、溶液を5% NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6b1を得る。
工程2:
EtOH(1mL)中の6b1(116mg,0.28mmol)の溶液をNaBH4(10.6mg,0.28mmol)で少しずつ処理する。30分後、1N HCl水溶液(1.0mL)を加えて混合物をEtOAcで希釈する。相を分け、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6b2を得る。
工程3:
AcOH(1.0mL)の化合物6b2(115mg,0.34mmol)に鉄粉(50mg)を加えて混合物を100℃で1.5時間加熱する。冷却した反応混合物を水及びEtOAcで希釈し、有機相を5% NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6b3を得る。
工程4:
実施例6aの工程8に記載の手順を利用して、6b3を化合物6001に変換する。
【0115】
実施例6c:化合物6004の調製
【化55】

【0116】
工程1:
乾燥DMF(1.0mL)中の6c1(Oakwood;149mg,0.52mmol)の溶液にCs2CO3(170mg,0.52mmol)及びMeI(65μL,1.04mmol)を加える。混合物をRTで16時間撹拌してから水及び食塩水中に注いだ後、EtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)で精製して化合物6c2を得る。
工程2:
0℃で乾燥THF(1.0mL)中の6c2(101mg,0.34mmol)の溶液をTHF中1.0MのLiHMDS溶液(0.51mL,0.51mmol)で処理する。混合物をRTに戻して4-フルオロ-3-ニトロベンゾトリフルオリド(Aldrich,48μL,0.34mmol)で処理し、3時間撹拌する。混合物を濃縮乾固させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)で精製して化合物6c3を得る。
工程3:
化合物6c3(81mg,0.17mmol)をAcOH(1.0mL)に溶かして鉄粉(28mg,0.5mmol)で110℃にて4時間処理する。冷却後、混合物をろ過し、濃縮乾固させて化合物6c4を得る。
工程4:
化合物6c4(61mg,0.15mmol)をDMF(2mL)中のヨードベンゼン(93μL,0.83mmol)、K2CO3(22mg,0.16mmol)及びCuI(9.3mg,0.05mmol)で130℃にて16時間処理する。混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮乾固させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製し、TFA(1mL)で処理し、濃縮後に分取HPLCで精製して化合物6004を得る。
【0117】
実施例6d:化合物6005の調製
【化56】

【0118】
工程1:
DCM(40mL)とピリジン(1.78mL,22mmol)に溶かした化合物6d1(Maybridge;2.0g,11mmol)をトリフルオロ酢酸無水物(2.33mL,16.5mmol)で滴下処理する。1時間後、混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液、5%NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6d2を得る。
工程2:
THF(100mL)とMeOH(4.38mL)中の化合物6d2(3.0g,10.8mmol)、Ph3P(5.66g,21.6mmol)の溶液にDEAD(3.4mL,21.6mmol)を滴加する。混合物をRTで1時間撹拌した後、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)で精製して化合物6d3を得る。
工程3:
無水MeOH(35mL)中の6d3(2.07g,7.1mmol)とK2CO3(2.9g,21.2mmol)の混合物を30分間加熱して還流させる。混合物を冷却し、ろ過してから濃縮する。EtOAcで希釈した残渣を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮して化合物6d4を得る。
工程4:
乾燥DMF(20mL)中の化合物6d4(1.26g,6.4mmol)の溶液にNaH(油中60%,385mg,9.6mmol)を加える。15分後、1,4-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(Lancaster,1.02g,6.4mmol)を加える。混合物をRTで1時間撹拌してから1N HCl水溶液及びEtOAcを加える。有機相を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して化合物6d5を得る。
工程5:
化合物6d5(130mg,0.39mmol)をAcOH(4.0mL)中の鉄粉(217mg,0.39mmol)と90℃にて5時間処理する。EtOAcを加えて混合物をろ過する。ろ液を濃縮する。EtOAcで希釈した残渣を水、10% NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄する。有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過かつ濃縮し、エーテルとの摩砕後、化合物6d6を得る。
工程6:
実施例6cの工程4に記載の手順を利用して、6d6を化合物6005に変換する。
【0119】
実施例7a:化合物7001の調製
【化57】

【0120】
工程1:
PPh3(9.79g,36.9mmol)、イミダゾール(2.51g,36.9mmol)、及びI2(9.37g,36.9mmol)を、Et2O(45mL)とMeCN(15mL)中のアルコール7a1(Aldrich;2.50g,12.3mmol)の溶液に連続して加える。反応混合物をRTで16時間撹拌する。混合物をろ過し、ろ液をEt2Oで希釈する。溶液を連続してNa2S2O3水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM)で精製して化合物7a2を得る。
工程2
DMF(50mL)中の7a2(2.00g,6.43mmol)、7a3(6.17mL,54.0mmol)及びK2CO3(6.33g,45.8mmol)の溶液を80℃に24時間加熱する。冷却した混合物をろ過し、ろ液をEtOAcで希釈する。溶液を連続して1.0N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAC,4:1)で精製して化合物7a4を得る。
工程3:
DMF(11mL)中の7a4(5.90g,18.7mmol)と1a3(3.82g,18.7mmol)の溶液をマイクロ波内で170℃に1時間加熱する。反応混合物をEtOAcで希釈し、溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をEtOAcと摩砕して化合物7a5を得る。
工程4:
THF中のLiHMDS溶液(1.0M;34.5mL,34.5mmol)をTHF(100mL)中の7a5(5.60g,11.5mmol)の溶液にRTで加える。混合物をRTで45分間撹拌してからEtOAcで希釈する。溶液を連続して1.0N HCl水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:EtOAc,19:1)で精製して化合物7a6を得る。
工程5:
Ph3Bi(2.23g,5.01mmol)、Cu(OAc)2(911mg,5.01mmol)及びピリジン(405μL,5.10mmol)をDCM(60mL)中の7a6(1.27g,2.78mmol)の溶液にRTで加える。混合物をRTで4時間撹拌する。反応混合物をDCMで希釈し、溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:EtOAc,19:1)で精製して化合物7a7を得る。
工程6:
THF(3.0mL;アルゴンで脱気した)中の7a7(75.0mg,141μmol)、((t-Bu)3P)2Pd(22mg,42μmol)及びCs2CO3(142mg,423μmol)の混合物をアルゴンで脱気する。(t-Bu)3P(7.6μL,28μmol)を加えて混合物(閉じたフラスコ)をアルゴン下で80℃に24時間加熱する。冷却した混合物をろ過し、EtOAcで希釈する。溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をDMSOで溶かして分取HPLCで精製して化合物7001を得る。
【0121】
実施例7b:化合物7002及び7003の調製
【化58】

【0122】
工程1:
THF/MeCN(0.5/2.0mL)中のラセミ7001(15mg,33μmol)の溶液をCHIRALCEL ODカラムを用いる分取HPLC(20μm,5×50cm;MeCN+0.06%TFA:水+0.06%TFA;58:42;60mL/分,100分の実行時間)で分割して化合物7002(第1溶出)及び化合物7003を得る。
【0123】
実施例7c:化合物7004及び7018の調製
【化59】

【0124】
工程1:
THF(250mL)中のLiAlH4(4.71g,124mmol)の氷冷溶液にTHF(10mL)中の7c1(Lancaster;10.0g,60.2mmol)の溶液を加える。混合物をRTに戻してRTで24時間撹拌する。反応混合物を慎重に0.1N NaOH水溶液中に注ぐ。溶液をEt2Oで抽出する。混ぜ合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物7c2を得る。
工程2:
Br2(6.85mL,134mmol)をRTでDCM(100mL)とピリジン(5.59mL,69.0mmol)中の7c2(8.76g,57.5mmol)の溶液に滴加する。混合物をRTで16時間撹拌してからDCMで希釈する。溶液を20% Na2S2O3水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,4:1)で精製して化合物7c3を得る。
工程3:
実施例7aの工程1に記載の手順を利用して、化合物7c3を化合物7c4に変換する。
工程4:
実施例7aの工程2に記載の手順を利用して、化合物7c4を化合物7c5に変換する。
工程5:
実施例7aの工程3に記載の手順を利用して、化合物7c5を化合物7c6に変換する。
工程6:
実施例7aの工程4に記載の手順を利用して、合物7c6を化合物7c7に変換する。
工程7:
実施例7aの工程5に記載の手順を利用して、化合物7c7を化合物7c8に変換する。
工程8:
実施例7aの工程6に記載の手順を利用して、化合物7c8を化合物7018に変換する。
工程9:
DCM中1.0MのBBr3溶液(208μL,208μmol)をDCM(10mL)中の化合物7018(50.0mg,104μmol)の氷冷溶液に加える。混合物を0℃で45分間撹拌する。1.0N HCl水溶液を添加して混合物をEtOAcで希釈する。溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物7004を得る。
【0125】
実施例7d:化合物7006の調製
【化60】

【0126】
工程1:
Tf2O(352μL,2.09mmol)をDCM(20mL)中の化合物7004(650mg,1.39mmol)とEt3N(583μL,4.18mmol)の氷冷溶液に加える。混合物をゆっくりRTに戻してRTで16時間撹拌する。NaHCO3飽和水溶液を加えて混合物をDCMで希釈する。溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM:アセトン,19:1)で精製して化合物7d1を得る。
工程2:
DMF(2.0mL)中7d1(40.0mg,66.8μmol)、3-ピリジンボロン酸(Aldrich,20.5mg,167μmol)、2.0M Na2CO3水溶液(167μL,334μmol)及び((t-Bu)3P)2Pd(10mg,20μmol)の混合物をマイクロ波内で145℃に17分加熱する。冷却した混合物をDMSOで希釈し、ろ過し、分取HPLCで精製して化合物7006を得る。
【0127】
実施例7e:化合物7033、7034及び7036の調製
【化61】

【0128】
工程1:
DCM(50mL)中の化合物7001(367mg,815μmol)、KMnO4(932mg,5.90mmol)及びCuSO4(932mg,3.73mmol)の混合物を加熱して3日間還流させる。冷却した混合物をろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物7033を得る。
工程2:
RTでMeOH(1.5mL)とDCM(1.5mL)中の化合物7033 (50.0mg,0.108mmol)の溶液にNaBH4(8.1mg,0.21mmol)を加える。混合物をRTで2時間撹拌する。NH4Cl飽和水溶液を加えて混合物を減圧下で濃縮する。残渣をEtOAcと水に分配する。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物7034を得る。
工程3:
ベンゼン中の化合物7034(50.0mg,0.107mmol)とp-TsOH.H2O(25mg)の溶液を加熱して1時間還流させる。冷却した反応混合物をEtOAcで希釈する。結果として生じる溶液をNaHCO3飽和水溶液、水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物7036を得る。
【0129】
実施例7f:化合物703の調製
【化62】

【0130】
工程1:
RTでAcOH(100mL)中の7f1(実施例7cで化合物7018について述べた手順と同様に調製,1.62g,2.92mmol)の溶液にCrO3(569mg,5.69mmol)を加える。20分後、混合物を水中に注ぐ。混合物をEtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,7:3)で精製して化合物7f2を得る。
工程2:
Et2O中3.0MのMeMgBr溶液(105μL,315μmol)をTHF(4.0mL)中の7f2(75.0mg,131μmol)の冷却(-78℃)溶液に滴加する。反応混合物を-78℃で1時間撹拌してから0℃に温めてこの温度で1時間撹拌する。NH4Cl飽和水溶液を加えて混合物を減圧下で濃縮する。残渣をEtOAcと水に分配する。有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物7f3を得る。
工程3:
DCM(3.0mL)中の7f3(50.0mg,85.2μmol)とTFA(0.5mL)の溶液をRTで10分間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮する。残渣をEtOH(10mL)に溶かし、10%Pd/C(75mg)を加えてH2雰囲気(1atm)下で混合物を2時間撹拌する。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物7035を得る。
【0131】
実施例7g:化合物7029及び7032の調製
【化63】

【0132】
工程1:
濃硫酸(130mL)、水(125mL)、及び砕氷(90g)の混合物中の7g1(Alfa,10g,54mmol)の懸濁液を氷浴内で撹拌する。温度を0〜5℃に維持しながら亜硝酸ナトリウム水溶液(26mL)を滴加する。添加完了後、混合物を同温度で30分間撹拌する。加熱(120℃)硫酸(100mL)及び水(75mL)中に混合物を加えて加熱を20分間続ける。冷却した反応混合物をEt2Oで抽出する。混ぜ合わせた抽出物を水、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して化合物7g2を得る。
工程2:
DMF(100mL)中の7g2(9.2g,50mmol)とK2CO3(20g,150mmol)の混合物をヨードメタン(9.2mL,150mmol)で処理し、RTで3時間撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、水、次いでNaCl飽和水溶液で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて化合物7g3を得る。
工程3:
CCl4(100mL)中の7g3(9.3g,46mmol)、N-ブロモスクシンイミド(8.2g,46mmol)及び過酸化ベンゾイル(450mg,1.8mmol)の溶液を加熱して還流させ、6時間撹拌する。反応混合物をRTに冷却してからろ過する。ろ液をDCMで希釈し、2.0N NaOH、水及び食塩水で連続して洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して7g4を得る。
工程4:
DMSO(20mL)中の7g4(11g,41mmol)の溶液をDMSO(80mL)中のシアン化ナトリウム(3.5g,73mmol)の溶液で滴下処理する。反応混合物をRTで3時間撹拌する。反応混合物を水中に注ぎ、Et2Oで抽出し、有機層を6.0N HCl、水及び食塩水で連続して洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して7g5を得る。
工程5:
濃HCl/AcOH(1:1,100mL)中の7g5(4.8g,21mmol)の混合物を3時間還流させてからRTに冷却する。結果として生じる沈殿物をろ過で収集し、高真空下で乾燥させる。固体をTHF(50mL)に溶かして0℃でTHF(50mL)中のLiAlH4(1.4g,36mmol)の懸濁液に加える。反応混合物をRTに戻してから1日撹拌する。混合物を慎重に0.1N NaOH中に注いでEt2Oで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して7g6を得る。
工程6:
エーテル(45mmol)とアセトニトリル(15mL)に溶かした7g6(2.0g,8.6mmol)の溶液にトリフェニルホスフィン(3.0g,11mmol)、イミダゾール(760mg,11mmol)、及びヨウ素(2.8g,11mmol)を連続して加える。反応混合物をRTで16時間撹拌する。反応混合物をろ過し、ろ液をエーテルで希釈し、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水及び食塩水で連続して洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して7g7を得る。
工程7:
実施例7cの工程4〜8の後、化合物7018の調製と同様に7g7及び7a3から化合物7029を調製する。
工程8:
AcOH(5ml)中のBr2(94μL,1.8mmol)溶液をAcOH(25mL)中の化合物7029(400mg,0.832mmol)の溶液に加える。混合物をRTで16時間撹拌し、減圧下で濃縮する。EtOAc中の残渣の溶液をNa2S2O3飽和水溶液、水、1N NaOH水溶液、水及び食塩水で洗浄する。残渣をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物7g8を得る。
工程9:
DMF(2.0mL)中の7g8(25.0mg,44.7μmol)、7g9(Frontier,23.2mg,112μmol)、2.0M Na2CO3水溶液(112μL,224μmol)及び((t-Bu)3P)2Pd(6.8mg,13μmol)の混合物をマイクロ波内で145℃に17分間加熱する。冷却した混合物をろ過し、分取HPLCで精製して化合物7032を得る。
【0133】
実施例7h:化合物7025及び7026の調製
【化64】

【0134】
工程1:
ベンジルアミン(106μL,0.97mmol)をDMF(3.0mL)中の7h1(実施例7c及び7dで化合物7d1について述べた手順と同様に調製;377mg,0.645mmol)、Cs2CO3(212mg,0.651mmol)、Pd(OAc)2(23.0mg,0.102mmol)及びジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル-2-イル)ホスフィン(X-PHOS;47.0mg,98.6μmol)の混合物にN2雰囲気下で加える。混合物をマイクロ波内で150℃に15分間加熱する。冷却した混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出する。混ぜ合わせた有機層を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をCombiflash(ヘキサン:EtOAc)で精製して化合物7h2を得る。
工程2:
MeOH(15mL)中の7h2(100mg,0.185mmol)と10%Pd(OH)2/C(約10mg)の混合物を水素雰囲気(1atm)でRTにて18時間撹拌する。懸濁液をCelite(登録商標)でろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCで精製して化合物7025を得る。
工程3:
Et3N(15.0μL,0.108mmol)をRTでDCM(0.5mL)中の化合物7025(11.0mg,24.3μmol)、イソニコチン酸(Aldrich,4.5mg,37μmol)及びHATU(15.0mg,39.4μmol)の溶液に加える。混合物をRTで2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、分取HPLCで精製して化合物7026を得る。
【0135】
実施例8:カプシド構築アッセイ;カプシド解体アッセイ
GAGポリタンパク質は、HIVウイルス粒子構築に必要な主構造タンパク質である。成熟プロセス中、Gagはウイルスプロテアーゼによって切断され、その4つの主タンパク質であるマトリックス(MA)、カプシド(CA)、ヌクレオカプシド(NC)及びp6、並びにSP1及びSP2と称する2つのスペーサーペプチドを放出する。このことは、CAは再構成してウイルスの感染性に必須の構造であるウイルスコアを形成するのでウイルス粒子に重大な形態変化を引き起こす。本発明の化合物は、固定化カプシド構築アッセイ(CAA)を用いて試験されるように、HIV-1カプシド構築を阻害し、及び/又はカプシド解体アッセイ(CDA)を用いて試験されるように、構築されたカプシド複合体の解体を促進する。
【0136】
配列番号1は、CA G94D突然変異を有するHIV-1NL4-3CA-NC、Gag残基133〜432(配列番号2)をコードする900塩基対の核酸である。NdeI部位及び開始コドンを5’末端及びBamHI部位に導入し、終止コドンを3’末端に導入するプライマーを用いてPCR増幅によって配列番号1をpET-11a発現ベクター(NovagenTM)に移す。本発明の化合物の存在下でのHIV-1ウイルスの継代によってCA中の耐性突然変異、すなわちV27A/I、K30R、S33G、V36T、T58I、G61E、G208A/R、E213G、K30R/T58I、K30R/G208R、V36T/G208R、S33G/T58I、S33G/G208R及びT58I/G208R(全て配列番号2を参照して番号をつけた)を同定した。QuikChange(登録商標)II部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を利用し、製造業者の説明書に従ってこれらの耐性突然変異を発現ベクターに導入することができる。
配列番号2をBL21(DE3)大腸菌細胞(NovagenTM)で発現させる。簡潔に述べると、LB培地に一晩の前培養を接種し、37℃で対数期の中間まで成長させ(Abs600 約0.6)、0.5〜1mMのイソプロピル-β,D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加してタンパク質発現を誘導し、30℃で4〜6時間行う。細胞を遠心分離で収集し、ペレットを精製するまで-80℃で貯蔵する。
【0137】
CA-NC(配列番号2)の精製は以下のとおりである:0.5M NaClとComplete EDTA-free(登録商標)プロテアーゼ阻害薬タブレット(Roche)で補充した40mlの緩衝液A[20mM Tris pH 7.5;1μM ZnCl2;10mM β-メルカプトエタノール]に超音波処理で5〜10gの細胞ペーストを溶解させる。0.11体積の0.2M硫酸アンモニウム及び等体積の10%ポリ(エチレンイミン)pH8.0を添加し、サンプルを4℃で20分間撹拌した後、30,000xgでの20分間の遠心分離によって核酸及び細胞デブリを除去する。0.35体積の硫酸アンモニウム飽和溶液の添加後、10,000xgでの15分間の遠心分離によって、上清から配列番号2を回収する。10mlの緩衝液A+0.1M NaClにペレットを溶かし、同緩衝液であるが0.05M NaClの緩衝液(透析緩衝液)内で一晩透析する。次に遠心分離によってサンプルを澄まし、透析緩衝液で予め平衡化した1-ml HiTrapTMSP HPカラム(GE Healthcare)上を通す。緩衝液A+0.5M NaClで配列番号2を溶出し、該タンパク質を含有する留分をプールし;計算されたモル吸光係数(E=40220M-1cm-1)を用いてAbs280によって濃度決定を行う。
【0138】
固定化カプシド構築アッセイ(CAA)
Reacti-Bind Neutravidinがコートされた黒色384-ウェルプレート(Pierce Cat# 15402)を80μl/ウェルの緩衝液A(50mM Tris pH8.0;350mM NaCl;10μM ZnSO4;0.0025% CHAPS(w/v);50μg/mlのウシ血清アルブミン(BSA);1mM DTT)で洗浄する。緩衝液A+5mg/mlのBSA(SigmaTM)中25nMのオリゴヌクレオチド溶液を50μl/ウェル添加して一晩インキュベートすることによって5’末端ビオチン標識(TG)25オリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technology Inc.)の固定化を行う。80μl/ウェルの緩衝液Aで2回洗浄して未結合材料を除去する。試験化合物、100nMの5’末端フルオレセイン標識(TG)25オリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technology Inc.)及び2μMのCA-NCタンパク質(配列番号2)を含む60μl/ウェルの反応において、緩衝液A+1%DMSOを用いて構築反応を行う。構築反応を室温で2時間インキュベートし、2回連続して80μl/ウェルの緩衝液Aで洗浄して未固定化材料を除去する。最後に、80μl/ウェルの緩衝液A+0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加えて15分間インキュベートした後、フルオレセイン励起及び発光フィルターを備えたVictor2プレートリーダー(PerkinElmer Life Sciences)で、フルオレセイン蛍光に標準的な製造業者の設定を用いて、捕捉された蛍光を定量化する。捕捉された蛍光の量は構築レベルに比例すると考えられる。各化合物のIC50値は、10点希釈系列から得た阻害曲線を下記方程式:
%阻害=((Imaxn×[I]n)÷([I]n+IC50n))×100
に適合させることによって生成され、構築の50%阻害に必要な化合物の濃度を表す。
【0139】
カプシド解体アッセイ(CDA)
Reacti-Bind Neutravidinがコートされた黒色384-ウェルプレート(Pierce Cat# 15402)を80μl/ウェルの緩衝液A(50mM Tris pH8.0;350mM NaCl;10μM ZnSO4;0.0025% CHAPS(w/v);50μg/ml BSA;1mM DTT)で洗浄する。緩衝液A+5mg/mlのBSA中25nMのオリゴヌクレオチド溶液を50μl/ウェル添加して一晩インキュベートすることによって5’末端ビオチン標識(TG)25オリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technology Inc.)の固定化を行う。80μl/ウェルの緩衝液Aで2回洗浄して未結合材料を除去する。100nMの5’末端フルオレセイン標識(TG)25オリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technology Inc.)及び2μMのCA-NCタンパク質(配列番号2)を含む60μl/ウェルの反応において、緩衝液Aを用いて構築反応を行う。構築反応を室温で2時間インキュベートし、80μl/ウェルの緩衝液Aで洗浄して未固定化材料を除去する。緩衝液A+0.125%ジメチルスルホキシド(DMSO)で段階希釈した試験化合物をウェルに添加し(60μl/ウェル)、室温で2時間インキュベートする。2回連続して80μl/ウェルの緩衝液Aで洗浄して解体材料を除去する。最後に、80μl/ウェルの緩衝液A+0.1%SDSを加えて15分間インキュベートした後、フルオレセイン励起及び発光フィルターを備えたVictor2プレートリーダー(PerkinElmer Life Sciences)で、フルオレセイン蛍光に標準的な製造業者の設定を用いて、捕捉された蛍光を定量化する。試験化合物が構築複合体を解離させる能力は、捕捉された蛍光の観察された損失に比例すると考えられる。各化合物のIC50値は、10点希釈系列から得た解体曲線を下記方程式:
%阻害=((Imaxn×[I]n)÷([I]n+IC50n))×100
に適合させることによって生成され、50%解体に必要な化合物の濃度を表す。
表1〜7に列挙する全ての化合物を上記CAA又はCDA、或いはCAAとCDAの両方で試験する。化合物は、25μM以下の範囲、大部分は5μM以下の範囲のIC50値を示す。代表データを下表に示す。
【0140】

【0141】
実施例9:C8166 HIV-1ルシフェラーゼアッセイ(EC50)
HIV複製の阻害を測定するために用いるアッセイは、参照に本明細書に組み込まれるWO 2004/050643、73〜75ページに記載されており、以下の変更を加えて使用する。
化合物の調製
HIV-1阻害薬の段階希釈をDMSOストック溶液から完全培地中で調製する。所望濃度の11段階希釈を1mL深ウェルタイタープレート(96ウェル)内で調製する。12番目のウェルは阻害薬のない完全培地を含み、ポジティブコントロールとして役立つ。全てのサンプルは同濃度のDMSO(≦0.1%DMSO)を含む。96ウェル組織培養処理したクリアビュー黒色マイクロタイタープレート(Corning Costarカタログ#3904)の三通りのウェルに阻害薬を加える。ウェル毎の総体積は細胞と阻害薬を含有する200μLの培地である。最終列は、未感染C8166 LTRluc細胞用に確保してバックグラウンドブランクコントロールとして役立ち、最初の列は培地のみである。
細胞の感染
C8166 LTRluc細胞を数え、組織培養フラスコ内の最小体積の完全RPMI 1640に入れる(例えば10mLの培地/25cm2のフラスコ中30×106個の細胞)。細胞をHIV-1で0.005の感染効率にて感染させる。5%CO2インキュベーター内の回転式ラック上で37℃で1.5時間細胞をインキュベートする。細胞を完全RPMIに再懸濁させて最終濃度25,000個の細胞/ウェルを得る。阻害薬を含む96ウェルマイクロタイタープレートのウェルに細胞を添加する。バックグラウンドコントロール用の最後の列には200μLの完全RPMI中25,000個の未感染C8166-LTRluc細胞/ウェルを添加する。5%CO2インキュベーター内で37℃にて3日間細胞をインキュベートする。
表1〜7に列挙する全ての化合物を実施例8に記載のアッセイ又は実施例9に記載のアッセイ或いは両方で試験する。実施例9のアッセイで試験した化合物は、50μM以下の範囲、大部分は15μM以下の範囲のEC50値を示す。代表データを下表に示す。
【0142】

【0143】
(化合物の表)
下表は、本発明の代表化合物を収載する。表1〜7中の全ての化合物は、上記実施例と同様に合成される。表中の各化合物について、各化合物を調製するための類似合成経路を実施例番号で特定してある。当業者には、類似合成経路を利用し、適正な変更を加えて、本明細書に記載の本発明の化合物を調製できることが明白であろう。
各化合物の保持時間(tR)は、特に指定のない限り、実施例に記載の標準的な分析UPLC条件(方法A)を用いて測定される。表中、記号§を用いて、保持時間(tR)を方法Bで測定することを示す。表中、記号Δを用いて、保持時間(tR)を方法Cで測定することを示す。当業者には周知なように、保持時間値は個別の測定条件に敏感である。従って、同一条件の溶媒、流速、線形勾配などを利用する場合でさえ、例えば、異なるUPLC又はHPLC機器で測定すると保持時間値が異なることがある。同一機器で測定したときでさえ、例えば、異なる個々のUPLC又はHPLCカラムを用いて測定すると値が異なることがあり、或いは、同一機器かつ同一の個々のカラムで測定しても、異なる機会に取った個々の測定間で値が異なることがある。
【0144】
【表1】



【0145】
【表2】

























【0146】
【表3】





















【0147】
【表4】











【0148】
【表5】









【0149】
【表6】



【0150】
【表7】













【0151】
本出願で引用した全ての特許、特許出願、及び出版物を含めた各参考文献は、それらをそれぞれ個々に組み込んだかのように、参照によってその全体を本明細書に組み込んだものとする。さらに、当然のことながら、本発明の上記教示では、当業者は本発明に一定の変更又は修正を加えることができ、それでもこれらの等価物は、本出願に添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

(I)
(式中、
Mは1、2又は3であり;
X---Yは下記:
【化2】

から選択されるか、
又はXとYが結合して、O、N及びSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、前記5員ヘテロアリール環は、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、アリール、-NH2、COOH、CN、-C(=O)-(C1-6)アルキル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N((C1-6)アルキル)2及び-SO2-(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
ここで、単独又は別の基と組み合わせた前記各アルキル、アリール及びHetは、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、CN、-COOH、halo、-(C1-6)アルキル-Het、-(C1-6)アルキル-アリール、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-N(H)-(C1-6)アルキル-O-(C1-6)アルキル、-O-アリール-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C1-6)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)-N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-C(=O)-N(H)-Het及びHetから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R1は、(C1-6)アルキル、(C1-6)ハロアルキル、ハロ及び(C3-7)シクロアルキルから独立に選択され;
R2は、H、(C1-6)アルキル、-(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり;
R3はフェニル又はチオフェンであり、ここで、前記フェニルは、メタ位又はパラ位にて(C1-6)アルキル、ハロ、CN、OH又は-O-(C1-6)アルキルで置換されていてもよく;
R4は、-O-(C1-6)アルキル、Het、-COOH又はOHで1〜2回置換されていてもよい(C1-6)アルキルであり;
R5及びR7は、それぞれ独立にOH、CN、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、-S-R51、-SO-R51、-SO2-R51、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N(R51)(R52)、-(C1-6)アルキル-NH(R51)、-(C1-6)アルキル-O-R51及び-(C1-6)アルキル-S-R51から選択され;
R51は、(C1-6)アルキル、アリール、-(C1-6)アルキル-アリール、Het及び-(C1-6)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記アリール及びHetは環Dに縮合していてもよく
(ここで、前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
前記各アリール及びHetは、R53、-O-(C1-6)アルキル、-OH、オキソ、-C(=O)O(C1-6)アルキル、-C(=O)-Het、及び、Het又はR53で置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R53は、-COOH、-NH2、-NH(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-O-(C1-6)アルキル又は-OHである);
R52は、H及び(C1-6)アルキルから選択され;
Z1とZ2は両方ともCH2として定義され、かつ----が単結合であるか、又はZ1とZ2は両方ともCHとして定義され、かつ----が二重結合であり;
n、o及びpは、それぞれ独立に0、1、2又は3から選択され;
R6は、(C1-6)アルキル、-O-(C1-6)アルキル、OH、NH2、-N(H)(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-(C1-6)アルキル-アリール、-N(H)-(C1-6)アルキル-Het、-N(H)-C(=O)-アリール、-N(H)-C(=O)-Het、-N(H)-C(=O)-NH2、オキソ、Het及びアリールから選択される
(ここで、前記各アリール及びHetは、R61、-O-(C1-6)アルキル、-OH、-C(=O)-Het、及び、R61で1回置換されていてもよい(C1-6)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R61は-COOH、-N((C1-6)アルキル)2又は-OHである))
の化合物又はその塩
(但し、下記化合物を除く:
8-クロロ-3-(メチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
3-(ブチルアミノ-メチレン)-8-クロロ-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
3-(tert-ブチルアミノ-メチレン)-8-クロロ-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
8-クロロ-3-(イソブチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;
8-ブロモ-3-(ブチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン;及び
3-(ブチルアミノ-メチレン)-1-フェニル-8-トリフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2,4-ジオン)。
【請求項2】
R3がフェニルである、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項3】
R3がチオフェンある、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項4】
mが1であり、かつR1がCl、F、CH3及びCF3から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項5】
R1がCF3である、請求項4に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項6】
R2がH又は(C1-6)アルキルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項7】
X及びYが下記
【化3】

であり、かつ
R4が、-O-(C1-4)アルキル、5員Het、COOH又はOHで1回置換されていてもよい(C1-4)アルキルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項8】
X及びYが下記
【化4】

であり;
R5がOH、CN、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、-S-R51、-SO-R51、-SO2-R51及び-C(=O)-NH2から選択され;
R51が(C1-3)アルキル、Het及び-(C1-3)アルキル-Hetから選択され;
ここで、前記Hetは環Dに縮合していてもよく
(ここで、前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
前記各フェニル及びHetは、R53、-O-(C1-3)アルキル、-OH、オキソ、及び、Het又はR53で1回置換されていてもよい(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R53は-COOH、-N((C1-3)アルキル)2、-O-(C1-3)アルキル又は-OHであり;かつ
Hetは、N、O又はSから選択される1個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される);かつ
Nが0又は1である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項9】
X及びYが下記
【化5】

であり;
R6が(C1-3)アルキル、-O-(C1-3)アルキル、OH、NH2、-N(H)(C1-6)アルキル、-N((C1-6)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-フェニル、-N(H)-C(=O)-Het、オキソ、Het及びフェニルから選択され
(ここで、前記各フェニル及びHetは、R61、-O-(C1-3)アルキル、-OH、-C(=O)-Het、及び、R61で1回置換されていてもよい(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R61は-COOH、-N((C1-3)アルキル)2又は-OHであり;かつ
Hetは、N、O又はSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される);かつ
oが0又は1である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項10】
X及びYが下記
【化6】

であり;
R7がOH、ハロ、-COOH、R51、-O-R51、C(=O)-NH(R51)、-(C1-3)アルキル-NH(R51)、-(C1-3)アルキル-O-R51及び-(C1-3)アルキル-S-R51から選択され;
R51が(C1-3)アルキル、フェニル、-(C1-3)アルキル-フェニル、Het及び-(C1-3)アルキル-Hetから選択され
(ここで、前記各アルキルは、R53から独立に選択される置換基で1又は2回置換されていてもよく;
前記各フェニル及びHetは、R53、-O-(C1-3)アルキル、-OH、及び、Het又はR53で1回置換されていてもよい(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;
R53は-COOH、-NH2、-NH(C1-3)アルキル、-N((C1-3)アルキル)2又は-OHであり;かつ
Hetは、Nから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する飽和又は不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される);かつ
pが0又は1である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項11】
XとYが結合して、下記:
【化7】

から選択される5員ヘテロアリール環を形成しており;
ここで、前記5員ヘテロアリール環は、(C1-6)アルキル、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C3-5)シクロアルキル、-(C1-3)アルキル-(C3-5)シクロアルキル、-(C1-3)アルキル-Het、-(C1-3)アルキル-フェニル、フェニル、-C(=O)-(C1-3)アルキル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-N((C1-3)アルキル)2及び-SO2-(C1-3)アルキルから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよい
(ここで、単独又は別の基と組み合わせた前記各アルキル、フェニル及びHetは、(C1-3)アルキル、-O-(C1-3)アルキル、OH、CN、COOH、ハロ、-(C1-3)アルキル-Het、-NH2、-N((C1-3)アルキル)2、-N(H)-C(=O)-O-(C1-3)アルキル、-(C1-3)アルキル-N(H)-(C1-6)アルキル-O-(C1-3)アルキル、-O-フェニル-C(=O)OH、-C(=O)-O-(C1-3)アルキル-C(=O)NH2、-C(=O)-N(H)-(C1-3)アルキル-Het及び-C(=O)-N(H)-Hetから独立に選択される置換基で1〜2回置換されていてもよく;かつ
Hetは、N又はOから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する不飽和5員又は6員単環式環系(芳香環系を含め)として定義される)、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項12】
薬物としての、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項13】
治療的に有効な量の、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容できる塩を、少なくとも1種の医薬的に許容できる担体媒体又は補助剤と混合されて含んでなる医薬組成物。
【請求項14】
治療的に有効な量の少なくとも1種の他の抗ウイルス薬をさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
ヒトのHIV感染症の治療又は予防用薬物の製造のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容できる塩の使用。

【公表番号】特表2013−519693(P2013−519693A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553162(P2012−553162)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/CA2011/050071
【国際公開番号】WO2011/100838
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】