説明

HIV逆転写酵素のインヒビターとしてのS−トリアゾリルα−メルカプトアセトアニリド

【課題】HIVの逆転写酵素のいくつかの変異体を阻害し、そしてHIV感染症の処置に有用な化合物を提供すること。
【解決手段】本発明は、一般式(I):


[式中、
Qは、COH、CONR、SOH、またはSONRである]
で示される、S−トリアゾリルα−メルカプトアセトアニリド群の化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国仮出願番号60/604,219(2004年8月25日出願)、60/604,220(2004年8月25日出願)、および60/686,351(2005年5月31日出願)(これらは、本明細書の一部を構成する)の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、酵素インヒビター、および疾患の処置のための酵素インヒビターの使用を提供する。特に、本発明は、HIV感染症を処置する方法として、HIV逆転写酵素のインビトロおよびインビボでの阻害を提供する。
【背景技術】
【0003】
HIVについての多数の処置が当該分野において知られ、そして他の医薬的な活性化合物として、逆転写酵素インヒビターは多数のHIV感染患者に対して有意な治療学的な効果を供する。例えば、ラミブジン(3TC)またはジドブジン(AZT)は、比較的に十分に耐性である抗レトロウイルス薬である。しかしながら、多数のウイルス菌株が最近、これらの化合物に対して著しい耐性を有して出現している。少なくともある程度まで耐性に打つ勝つために、新規なヌクレオシド−タイプインヒビターを投与し得て(単独で、または他のヌクレオシドタイプのインヒビターと組み合わせて)、そして典型的な別の薬物としては、スタビジン(d4T)、ジダノシン(ddI)、コンビビル(Combivir)(登録商標)(ラミブジンおよびジドブジンの組み合わせのブランド)、およびトリジビル(Trizivir)(登録商標)(3TC、AZT、およびアバカビルの組み合わせのブランド)を含む。
【0004】
不幸なことに、1つのヌクレオシドタイプインヒビターに対する耐性の発生は、別のヌクレオシドタイプインヒビターに対するある程度の耐性の発生を伴うことが多く、異なるクラスの薬物への切り替えを必要とすることが多い。そのような場合に、患者は、プロテアーゼインヒビター(例えば、サキナビル、インジナビル、ネルフィナビルなど)を、典型的には他の抗レトロウイルス薬と組み合わせて受けることができる。しかしながら、該組み合わせのかなり複雑な投与レジメが、多数の患者に対する組織的且つ財政的な挑戦であると分かることが多く、そしてコンプライアンスが所望するよりも低いことが多い。
【0005】
より最近では、HIV処置は、プロテアーゼインヒビターおよび非−ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターとのヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、並びにヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非−ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターおよびプロテアーゼインヒビターの3つの組み合わせの投与を含む、組み合わせ療法に焦点が当てられている。不幸なことに、プロテアーゼインヒビターとヌクレオシド逆転写酵素インヒビターとの組み合わせ療法は耐性に乏しいことが多く、そして該療法の未熟な終結を引き起こすことが多い。従って、ほとんどの現行の組み合わせ処置は、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターおよび非−ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターの組み合わせを含む。
【0006】
非ヌクレオシド−タイプインヒビター(例えば、ネビラピン、デラビルジン、およびエファビレンツ)は、逆転写酵素の非ヌクレオシドポケット中で結合すると考えられる、化合物の構造的に不均質な群である。それらは、ヌクレオシドタイプインヒビターと同時投与する場合に、抗ウイルス性力価を有意に増大する。非ヌクレオシドタイプインヒビターは抗ウイルス薬の有望な新規なクラスを供すると考えられるが、いくつかの欠点がなお残る。現在知られる非ヌクレオシドタイプインヒビターの費用はかなり高く、そしてウイルス逆転写酵素中での単一突然変異は、広範なクラスの非−ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターに対する交差耐性を誘発し得る。従って、強力な抗ウイルス効果(特に、HIV突然変異菌株に対する効果)を有しそして現在知られる非−ヌクレオシド逆転写酵素に対する耐性を示す、新規な非−ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターを提供する緊急性が存在する。
【0007】
該HIVウイルスは突然変異のかなり高い頻度を有し、これにより、現行処置に対する薬物耐性を生じることが多い。少なくとも1つのNNRTIを含む療法に失敗した患者から単離されるウイルスのRTタンパク質中での突然変異スペクトルを同定するために、研究を行なった。該結果は、突然変異体K103Nがエファビレンツを与えている患者において最も優位であるが、一方でY181Cがネビラピンを与えている患者において優位であることを示した。他の単一の突然変異体は、K101E、G190S/A/E、およびY188L/Cを含む。エファビレンツに失敗した患者において最も一般的である二重突然変異体としては、K103N−P225H、K103N−V108I、K103N−K101Q、K103N−L100I、K103N−F227L、V106I−Y188L、K103N−Y188L、およびK103N−G190Aを含む。これらおよび他の突然変異逆転写酵素の阻害のための新規な組成物および方法を提供する必要性が存在する。
【0008】
本出願は、共通に所有する出願PCT/US02/26186(2002年8月23日出願)(未公開)、およびPCT/US03/27433(2003年8月22日出願)(これは、WO 2004/030611(2004年4月15日公開)として公開されている)中においてこれまでに開示された研究に関連する。コネル(Connell)らによる米国特許第5,939,462号は、NPY5受容体拮抗薬として有用な多数の置換へテロ環を開示し、そのうちのいくつかは、以下の一般的な構造1と同様なS−トリアゾリルメルカプトアセトアニリドである。シモネオ(Simoneau)らは、国際公開WO 2004/050643において、逆転写酵素阻害活性を有する本発明の構造と同様な構造を有するテトラゾールおよびいくつかのトリアゾールを開示している。
【発明の概要】
【0009】
本発明者は、HIVの逆転写酵素(RT)が一般的な構造1によって示される選ばれたクラスのS−トリアゾリルα−メルカプトアセトアニリドによって阻害され得ることを発見した。驚くべきことに、これらの化合物のいくつかは、様々な変異RT(K103N、Y181C、およびY188Lを含む)を阻害することができた。
【化1】

【0010】
式1において、Rは、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、ここで、該低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニル基は場合により置換され得る(置換基は、1個以上のハロゲンが好ましい)。Rは、Hまたはメチルであり、そして置換基RはH、ハロゲン、CF、低級アルコキシ、または低級アルキルチオである。Qは、COH、SOH、CONR'R''、またはSONR'R''であり、ここで、R'およびR''は独立して、H、低級アルキル、または1個以上のOR基、COR基、NHR基、NR基、もしくはCF基で置換された低級アルキルであるか、あるいは、R'およびR''はそれらが結合する窒素原子と一緒になって4−、5−、または6−員へテロ環を形成する。Pは、以下により詳しく記載する置換基を有する芳香環またはヘテロ芳香環である。
【0011】
従って、本発明は、インビトロおよびインビボでHIV逆転写酵素を阻害する化合物を提供する。本発明はまた、1個以上の本発明の化合物を含有する医薬組成物、HIVの処置のための医薬組成物の製造における本発明の化合物の使用、および本発明の化合物またはその医薬的に許容し得る塩の1個以上の治療学的に有効な量を投与することによってHIVに感染している患者を処置する方法をも提供する。
【0012】
(詳細な記載)
本明細書中に記載する用語「アルキル」とは、炭素−炭素結合の全てが単結合である、環状、分枝、または直鎖の炭化水素基を意味する。用語「低級アルキル」とは、炭素数が1〜10個のアルキル基を意味する。本明細書中に使用する用語「シクロアルキル」とは、炭素数が3〜15個の環状または多環のアルキル基を意味する。シクロアルキル基は、遠位の環の1つが芳香環であり得る多重縮合環(例えば、インダン−2−イル、テトラヒドロナフタ−1−イル、など)を含み得る。
【0013】
同様に、本明細書中に使用する用語「アルケニル」とは、炭素−炭素結合の1個以上が二重結合である、環状、分枝、または直鎖の炭化水素基を意味する。用語「低級アルケニル」とは、炭素数が1〜10個のアルケニル基を意味する。本明細書中に使用する用語「シクロアルケニル」とは、炭素−炭素結合の1個以上が二重結合である、炭素数が3〜15個の環状または多環のアルキル基を意味する。シクロアルケニル基は、遠位の環の1つが芳香環であり得る多重縮合環(例えば、インデン−2−イル、1,2−ジヒドロナフタ−1−イル、など)を含み得る。
【0014】
同様に、本明細書中に記載する用語「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素結合が三重結合に置き換えられた、上で定義するアルキル基またはアルケニル基を意味する。従って、用語「低級アルキニル」とは、炭素数が1〜10個であるアルキニル基を含む。
【0015】
本明細書中に使用する用語「アルコキシ」とは、−OR基(ここで、Rは低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール−低級アルキル、ヘテロアリール−低級アルキル、またはヘテロシクロ−低級アルキルである)を意味する。同様に、用語「アリールオキシ」とは、−OAr基(ここで、Arはアリール基またはヘテロアリール基である)を意味する。
【0016】
用語「アリール」および「Ar」は本明細書中で相互交換可能に使用し、そしてこれらは、該基の結合位置を供する少なくとも1個の芳香環を有する、炭素数が6〜14個の単環または多環の炭化水素基を意味する。多環のアリール基は、単離された環(例えば、ビフェニル)、または少なくとも1つの環が芳香環である縮合された環(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−6−イル、ナフチル、アントリル、またはフェナントリル)を有し得る。
【0017】
用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環状の環」は本明細書中で相互交換可能に使用し、そしてこれらは、環内の少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子によって置き換えられた、飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族のシクロアルキル、またはアリール基(単環を有する場合(例えば、モルホリノ、ピリジル、またはフリル)、多重縮合環を有する場合(例えば、ナフチリジル、キノキサリニル、キノリニル、またはインドリジニル))を意味する。本明細書中に使用する用語「ヘテロ原子」とは、炭素以外の原子(典型的には、S、O、PまたはNである)を意味する。用語「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香環」とは、少なくとも1個のヘテロ環が芳香環であるヘテロ環を意味する。
【0018】
なお更に、本明細書中に使用する用語「場合により置換された」とは、上で定義する基もしくは置換基と共有結合する少なくとも1個以上の水素原子、または窒素もしくはリンの原子上の自由電子対が、R、Ar、アリール−低級アルキル、OH、SH、OR、SR、OAr、SAr、S(=O)R、S(=O)Ar、SOR、SOAr、ハロゲン、CF3、OCF、SCF、NH、NHR、NR、NR+、NHCOR、NHCOAr、NHS(=O)R、NHS(=O)Ar、NHSOR、NHSOAr、NO、CN、COR、CONH、CONHR、CONR、C(=O)R、ヘテロアリール、およびヘテロアリール−低級アルキルからなる群から選ばれる、共有結合性の非水素置換基によって置換され得ることを意味する。上記の置換基において、Rは、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール−低級アルキル、へテロアリール−低級アルキル、またはヘテロサイクリル−低級アルキルである。
【0019】
本明細書中に使用する用語「プロドラッグ」とは、本発明の化合物の改変物を意味し、ここで、該改変化合物は、低い薬理学的な活性(非改変化合物と比較して)を示し、該改変化合物は、インビボで(標的細胞(例えば、T−細胞または肝細胞)または標的臓器(例えば、リンパ節または脾臓)内が好ましい)、非改変形態に変換し直される。該活性薬物が安全な全身投与として非常に毒性であり、該非改変化合物が消化管からの吸収に乏しく、あるいは、身体はそれが標的に達する前に該非改変化合物に分解する傾向がある場合には、本発明の化合物のプロドラッグ形態への変換は有用であり得る。
【0020】
用語「逆転写酵素を阻害する」とは、逆転写酵素による鋳型RNAまたはDNAからのDNAの生成の直接的なまたは間接的な低下を意味する。直接的な阻害とは、自殺性の(suicide)、競合的なおよび非競合的な阻害、アロステリックな阻害、または非ヌクレオシドポケット中でのインヒビターの結合を含む。間接的な阻害の例とは、DNA合成におけるヌクレオシドの欠乏、立体構造の変化への誘導または寄与などを含む。
【0021】
本明細書中に使用する用語「ウイルス増殖の低下」とは、試料中のウイルスの力価が低下することを意味する。該低下は、様々な方法(例えば、ウイルス複製の部分的もしくは全体的な阻害、ウイルスタンパク質のプロセシングもしくはアセンブリの部分的もしくは全体的な阻害、感染細胞中へのウイルスの侵入もしくは該細胞からの脱出(exit)、および/またはウイルスへの免疫応答によるシステムからの該ウイルスのクリアランスを含む)で有効となり得る。
【0022】
本発明は特に、以下の構造:
【化2】

[式中、
P、Q、R、RおよびRは上で定義する通りである]
の化合物を提供する。好ましい実施態様において、Rは、Cl、Br、I、CH、CF、CHFまたはCHFから選ばれ;RはHであり;Rは、Cl、Br、CFまたはCHから選ばれ;そして、Qは、COHまたはSONHである。特に好ましい実施態様において、RはClである。
【0023】
Pは、置換された、フェニル環、ナフチル環、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル環、キノリニル環、イソキノリニル環、またはシンノリニル環であることが好ましい。好ましい実施態様において、P基は、以下の分子(a)、(b)、(c)、または(d):
【化3】

から選ばれる。ここで、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、またはC3〜6シクロアルキルから選ばれ;R、R、およびRは独立して、H、F、Cl、Br、CH、CF、CFH、CFH、イソプロピル、シクロプロピル、OCH、OH、OCF、NH、またはNHCHから選ばれる。
【0024】
UおよびU'は独立して、NまたはCHから選ばれ;Rは、Cl、Br、I、CH、CF、OCH、イソプロピル、シクロプロピル、t−ブチル、またはシクロブチルから選ばれ;そして、R〜R11は独立して、HまたはCHである。QがSONHである場合には、Rがシクロプロピルまたはシクロプロピルメチルでない場合には、Rはメチルではなく、そしてRがメチルでもある場合には、Rはメチルのみである。
【0025】
好ましいクラスの化合物は、以下の構造2および3:
【化4】

[式中、
はCH、CHF、CHF、またはハロゲンであり;Rは、ハロゲン、CF、またはメチルであり、R'およびR''は独立してH、または場合により置換された、低級アルキル、C1〜5アシル、または1−(C2〜4アシルオキシ)C1〜4アルコキシカルボニル基であり、そしてRは上で定義する通りである]
を有する化合物を挙げられる。
【0026】
特に好ましいクラスの化合物は、構造4および5:
【化5】

[式中、
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、またはシクロプロピルメチルから選ばれる]
に相当する。Rはエチルまたはシクロプロピルであることが最も好ましい。RがBrであり、RがClまたはCHであり、Pがナフチルまたはテトラヒドロナフチルであり、そしてQがCOHまたはSONR'R''である特徴を有する化合物は、多数のHIV単離物からのRTに対して驚くべき強力な活性を、インビボでの予期しない良好な薬物動態学と併せて示す。
【0027】
(化合物の製造)
本発明の化合物の製造は、WO 2004/030611、WO 2004/050643、およびUS 5,939,462中に実質的に記載する製法に従って実施することができる。しかしながら、本発明の化合物についての多数の別法の合成経路が可能であると認識すべきである。以下の典型的な経路は、合成有機化学の分野における当業者の指針のために例示によって示す。
【0028】
1つの合成経路において、適当に置換されたアニリンは活性化されたカルボン酸化合物(カルボニルハライドが好ましく、ここで、該活性化されたカルボン酸化合物は更に、脱離基L(臭素が好ましい)を含む)を用いてアミド化する。該アニリドの生成後に、該反応生成物をメルカプトトリアゾール(Het−SH)と反応させて該脱離基を置換して、以下の反応式Iaに示す目的の化合物を得る。
【化6】

【0029】
メルカプトトリアゾール「Het−SH」がアニリンに対して貴重である場合に、この反応式は有利である。その理由は、該トリアゾールが最後の工程まで使用されず、そして中間体の合成操作中に生じる不可避的な損失を受けないためである。脱離基LおよびLの選択は、アミンの選択にある程度依存し、そしてメルカプトトリアゾールにはあまり大きな程度では依存しない。LおよびLはハライドであることが特に好ましく、クロリドまたはブロミドが最も好ましい。アミド化反応のための適当な溶媒は、エーテル、アルコール、および炭化水素(ハロゲン化炭化水素が好ましい)を含み、そして適当な溶媒の選択は少なくともある程度、反応体の化学的な性質に依存する。上記の反応において使用する溶媒、触媒および/または塩基に関しては、コネル(Connell)ら(米国特許第5,939,462号)によって記載される考察を通常使用する。
【0030】
別の一般的な方法を以下の反応式Ibに示す。この方法は、S−トリアゾリルメルカプト酢酸(これは、メルカプトトリアゾールをα−ハロ酢酸またはエステルを用いてアルキル化することによって容易に製造される)を用いたアニリンのアシル化を含む。
【化7】

【0031】
適当な試薬は、Rがメチルであることを所望する場合には、ヨード酢酸、ブロモ酢酸メチル、およびα−ブロモプロピオン酸エチルを含むが、これらに限定されない。エステルを使用する場合には、S−アルキル化後に、そのものを加水分解して遊離カルボン酸を得る。該酸および該アニリンを、通常のカルボキシル活性化試薬または試薬の混合物のいずれか(例えば、第3級アミン塩基(場合により触媒としてのN−ヒドロキシベンゾトリアゾールを有する)の存在下でのカルボジイミド、またはチオニルクロリドもしくはオキサリルクロリド(触媒としてのジメチルアミノピリジンを有する))とカップリングし得る。該アニリンがトリアゾールと比べて貴重である場合に、この反応式は有利である。
【0032】
反応式Iaの例は反応式2に概説する合成(ここで、本発明の化合物は2個の別々に製造される前駆体から製造する)が挙げられる。該第1の前駆体(置換トリアジンを含有する)、および第2の前駆体(置換アニリンを含有する)は、「実施例」の標題項目に以下に示すプロトコールに従って製造することができる。該前駆体の反応は典型的に、塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMF)中で実施する。
【化8】

【0033】
トリアジンがフッ素化アルキル基で置換されている場合には、反応式3中に示す合成方法を使用し得る。同様な方法は、「実施例」の標題項目で以下に示す。
【化9】

【0034】
ハロゲン置換されたトリアゾールは、トリアゾールのジハロゲン化、続く該ハライドの1つの置換によって製造し得る(反応式4に示す)。これは、「実施例」の標題項目中の下記の方法に示す。
【化10】

【0035】
ハロゲンを有する置換トリアゾールを製造する別の方法は、以下の反応式5に示す、アミノトリアゾールのジアゾ化による。これは、「実施例」の標題項目中の下記の方法に示す。
【化11】

【0036】
別法として、トリアゾールがCFで置換されている場合には、反応式6中に示す合成方法を使用し得る。これは、「実施例」の標題項目中の下記の方法に示す。
【化12】

【0037】
反応式Iaに概説する別の合成方法の例は、以下の反応式7に示す。ここで、アニリンは予め調製したS−トリアゾリルメルカプト−酢酸によってアシル化する。
【化13】

【0038】
(医薬組成物)
本発明の化合物を薬理学的な組成物の部として投与する場合には、適当な化合物は、医薬的に許容し得る担体、賦形剤、および他の添加物と混合して製剤化することができると考える。本発明の化合物は、1個以上の非毒性の医薬的に許容し得る担体と一緒に製剤化する医薬組成物中に含有されることが特に好ましい。該医薬組成物は、固体または液体の形態での経口投与、非経口注射、または腸投与のために製剤化し得る。
【0039】
本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の動物に、経口で、直腸的に、非経口で、膣内で、腹腔内的に、局所的に、頬側的に、または口もしくは鼻スプレーとして、ヒトおよび他の動物に投与することができる。本明細書中に使用する用語「非経口」投与とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、および関節内の注射および注入を含むが、これらに限定されない投与様式を意味する。
【0040】
非経口注射のための医薬組成物は、医薬的に許容し得る減菌の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、並びに使用する直前に減菌注射用の溶液または分散液へ再構築するための減菌粉末を含むことが好ましい。適当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒、およびビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合物、植物性油(例えば、オリーブ油)、および注射用の有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含む。適当な流動度は例えば、コーティング物質(例えば、レシチン)を使用することによって、分散液の場合には必要な粒子サイズを保持することによって、そして界面活性剤を使用することによって、維持し得る。
【0041】
組成物はまた、添加物(例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤)をも含み得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を含有することによって保証し得る。等張性剤(例えば、糖類、塩化ナトリウムなど)を含むこともまた所望され得る。注射用の医薬形態の持続的な吸収は、吸収を遅延する剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびセラチン)を含有することによって得ることができる。
【0042】
本発明の化合物の効果を持続するために、皮下または筋肉内の注射からの薬物の吸収を遅くすることが所望され得る。このことは、水溶性が乏しい結晶性またはアモルファス性の物質の液体懸濁液を使用することによって達成することができる。該化合物の吸収の速度は、その解離の速度(これは、結晶サイズおよび結晶性形態に依存し得る)に依存する。別法として、本発明の非経口的に投与する化合物の吸収の遅延は、該薬物を油ビヒクル中に溶解しまたは懸濁することによって達成し得る。
【0043】
注射用デポー形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸−ポリグリコリド(polyglycolide)、ポリ(オルトエステル)、およびポリアンヒドリド(poly(anhydrides))を含むが、これらに限定されない)中の本発明の化合物の単位マトリックスまたはマイクロ粒子マトリックスを形成することによって製造する。薬物放出の速度は、ポリマーに対する薬物の比率、および使用するポリマーの性質を変えることによって制御し得る。デポー注射用製剤はまた、該化合物を、身体組織と適合し得るリポソームまたはマイクロエマルジョン中に封入することによっても製造し得る。
【0044】
経口投与のための固体剤形は例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、ドラジェ、および顆粒剤を含むが、これらに限定されない。該固体剤形中、活性化合物は、少なくとも1個の不活性な医薬的に許容し得る賦形剤または担体(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸ジカルシウム)、および/または(a)充填剤もしくはエクステンダー(extender)(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、(b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア)、(c)保湿剤(例えば、グリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒天−寒天、炭酸カルシウム、ポテトもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸、および炭酸ナトリウム)、(e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム化合物)、(g)湿潤剤(例えば、セチルアルコール、およびモノステアリン酸グリセロール)、(h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、および(i)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、およびそれらの混合物、と一緒に混合する。固体剤形はまた、緩衝化剤をも含み得る。
【0045】
固体組成物はまた、該賦形剤(例えば、ラクトースまたは乳糖)並びに高分子量のポリエチレングリコールなどを用いて、軟および硬−充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤としても使用し得る。該固体剤形は、コーティング剤およびシェル(例えば、腸溶コーティング)、および製薬分野においてよく知られる他のコーティング剤と一緒に製造し得る。それは場合により、不透明化剤を含み得て、そして有効成分のみを、または好ましくは、腸管のある部で、場合により遅延様式で放出する組成物の一部でもあり得る。該活性な化合物はまた、マイクロカプセル化形態中でもあり得る。
【0046】
経口投与のための液体剤形は、医薬的に許容し得る乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。該活性化合物に加えて、該液体剤形は、当該分野において通常使用する不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド)、油(特に、綿実油、落花生(groundnut)、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含み得る。経口液体組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、着色剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤)をも含み得る。
【0047】
直腸または膣投与のための組成物は、本発明の化合物を、適当な非刺激性の賦形剤もしくは担体(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール)、または他の坐剤ワックス(これは、室温で固体であるが、体温では液体であり、従って、直腸または膣腔中で溶融し、そして該活性化合物を放出する)と一緒に混合することによって製造し得る。
【0048】
本発明の化合物はまた、リポソームの形態で投与し得る。当該分野において知られる通り、リポソームは通常、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは典型的に、単膜または多重膜の水和液晶(これは、水性媒質中で分散する)から生成する。リポソームを形成することができるいずれかの非毒性の生理学的に許容し得る液体を使用し得る。リポソーム形態の組成物は、本発明の化合物に加えて、膜安定化剤、保存剤、賦形剤などを含み得る。好ましい脂質は、リン脂質、およびホスファチジルコリン(レシチン)(天然および合成の両方である)である。リポソームを得る方法は、当該分野において知られる。例えば、プレスコット(Prescott)編, Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N. Y. (1976), 頁33およびその次を参照。
【0049】
本発明の化合物は、無機または有機の酸から誘導される医薬的に許容し得る塩の形態で使用し得る。「医薬的に許容し得る塩」とは、健康な医学的な判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよびそれより下等の動物の組織と接触して使用するのに適当であり、そして合理的な利益/危険の比率が釣り合った、塩を意味する。医薬液に許容し得る塩は、当該分野においてよく知られる。例えば、S. M. ベルゲ(Berge)らは、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1およびその次を参照、の中において、医薬的に許容し得る塩を詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間にインシチュで、あるいは別に遊離塩基形態を適当な酸と反応させることによって製造し得る。代表的な酸付加塩は例えば、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、炭酸水素塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩を含むが、これらに限定されない。塩基性の窒素含有基はまた、例えば、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルのクロリド、ブロミド、およびヨード);ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルのスルフェート);長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルのクロリド、ブロミド、およびヨード);アリールアルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルのブロミド)、およびその他、などの剤を用いて第4級化することもできる。その結果、水または油に可溶性または分散性の生成物を得る。
【0050】
塩基付加塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製中にインシチュで、あるいはその後に、カルボン酸含有分子を適当な塩基(例えば、医薬的に許容し得る金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、または炭酸水素塩)と、またはアンモニアもしくは有機の第1級、第2級、もしくは第3級アミンと反応させることによって、製造することができる。医薬的に許容し得る塩は例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウムの塩など)、並びに非毒性の第4級アンモニウムおよびアミンの塩(例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなど)を含むが、これらに限定されない。塩基付加塩の生成に有用な他の代表的な有機アミンとは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、グルコサミン、ロイシンなどの塩を含む。
【0051】
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の用量レベルは、ある患者、組成物、および投与の様式についての所望する治療学的な応答を得るのに有効である量の活性な化合物を得るために、変えることができる。選ばれる用量レベルは、化合物の活性、投与の経路、投与スケジュール、処置する疾患の激しさ、並びに処置する患者の疾患および以前の病歴に依存する。用量レンジの研究はルーチンであり、そして所望する治療学的な効果を達成するのに必要であるレベルよりも低いレベルの用量の化合物で開始し、そして所望する効果が得られるまで該用量を徐々に増大することは、当該分野の当業者の能力の範囲内である。一般的に、1日、体重キログラム当たり活性化合物の約0.1〜約100mg(約5〜約50mgがより好ましい)の用量レベルを、哺乳動物の患者に経口投与する。所望する場合には、有効な1日用量を、投与の目的のために複数回の投与に(例えば、1日当たり2〜4回の別々の投与)に分けることができる。
【0052】
本発明の化合物は、単独で、またはHIVの処置のための他の薬物と組み合わせて投与することができる。特に企図する更なる化合物としては、例えばヌクレオシド−タイプ逆転写酵素インヒビター(例えば、ラミブジン、ジドブジン、スタブジン、アバカビル、テノフォビル、またはジダノシン)、非−ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(例えば、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ)、プロテアーゼインヒビター(例えば、リトナビル、サキナビル、インジナビル、ネルファビル(nelfmavir))、融合インヒビター(例えば、エンフビルチド)、CCR5拮抗薬、免疫治療薬(例えば、リバビリン、IL−2)、並びに活性な、受動的な、および/または治療学的なワクチン、を含む。本発明に記載する組み合わせ治療は、本発明の化合物およびその官能性誘導体の少なくとも1つ、並びに少なくとも1つの他の医薬的な有効成分の投与を含む。該有効成分および該医薬的に活性な薬物を、別々にまたは一緒に投与することができ、そして別々に投与する場合には、これは、同時にまたはいずれかの順序で別々に行なうことができる。該有効成分および該医薬的に活性な薬物の量、並びに投与の相対的なタイミングは、所望する組み合わせの治療学的な効果を達成するために選択する。
【0053】
従って、本発明は、上で定義する式1〜5のいずれかに記載する構造を有する化合物の1つ以上を含有する医薬組成物を提供し、ここで、該化合物は、該組成物を患者に投与する場合に、患者の細胞中での逆転写酵素および/またはHIV複製を阻害するのに有効な濃度で供する。好ましい実施態様において、本発明の医薬組成物は、式2〜5のいずれに記載する化合物の1個以上を含む。特に、多数の変異RT酵素の広範囲な阻害を得るために、多数の化合物を単一の医薬組成物中に含有し得ると考える。
【0054】
医薬組成物中の企図する化合物の適当な濃度に関しては、当該分野の当業者は逆転写酵素および/またはHIV複製の阻害を得るために、本発明の化合物の量を容易に調節することができると、認識すべきである。例えば、細胞(典型的には、HIVウイルスに感染したT−細胞)中での該HIV複製の阻害は、血液培養物および以下に記載するルシフェラーゼベースのアッセイシステムを用いて、インビトロで追跡し得る。別法として、該逆転写酵素の阻害は、血液またはリンパ節(HIV感染細胞を含有する)中でのウイルスDNAおよび/またはRNAのコピーの量を測定するために、RT−PCRを用いてインビトロで測定し得る。適当な濃度は1nM〜100μMの間(例えば、0.01nM〜1nMの間)の血清中濃度を達成すると、通常考える。
【実施例】
【0055】
以下の実験は例示の様式によってのみ供し、そしてこれは、本発明の範囲を限定するものと理解すべきではない。
【0056】
(本発明の化合物)
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(方法A)
【化14】

1−シクロプロピル−ナフタレン
臭化シクロプロピルマグネシウム(150mL、テトラヒドロフラン中の0.5M)を、0℃で撹拌したテトラヒドロフラン(10mL)中の1−ブロモ−ナフタレン(10g、50mmol)および[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル(II)の溶液にゆっくりと加えた。該反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして該溶媒を減圧下で蒸発させた。EtOAcおよび水中の塩化アンモニウムを加えた。抽出後に、該有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1−シクロプロピル−ナフタレン(6.4g、76%)を得た。
【0057】
1−シクロプロピル−4−ニトロ−ナフタレン
亜硝酸ナトリウム(30mL)を、0℃で撹拌した1−シクロプロピル−ナフタレン(6.4g、38mmol)にゆっくりと(2時間かけて)加えた。該反応混合物を0℃で更に30分間撹拌し、次いでこのものを氷中にゆっくりとそそいだ。水を加え、続いてEtOAcを加えた。抽出後に、該有機層をNaOHの1%水溶液を用いて洗浄し、次いで水洗し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1−シクロプロピル−4−ニトロ−ナフタレン(5.2g、64%)を得た。
【0058】
1−アミノ−4−シクロプロピル−ナフタレン
エタノール(200mL)中の1−シクロプロピル−4−ニトロ−ナフタレン(5g、23mmol)の溶液を、Pd/C(正味10%、1.8g)の存在下、水素下で撹拌した。該反応混合物を終夜振り混ぜ、次いでセライトでろ過した。該溶媒を蒸発させ、そして該残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1−アミノ−4−シクロプロピル−ナフタレン(3.1g、73%)を得た。
【0059】
1−シクロプロピル−4−イソチオシアネート−ナフタレン
チオホスゲン(1.1g、9.7mmol)を、0℃に撹拌したジクロロメタン(50mL)中の1−アミノ−4−シクロプロピル−ナフタレン(1.8g、9.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2当量)の溶液に加えた。該反応混合物をこの温度で5分間撹拌し、次いで水中の1%HCl溶液を加え、そして該有機層を分離し、ブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして該溶媒を減圧下で蒸発させた。ヘキサンを加え、そして得られた沈降物をろ過した。該溶媒を蒸発して、1−シクロプロピル−4−イソチオシアネートナフタレン(1.88g、86%)を得た。
【0060】
5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール
DMF(20mL)中のアミノグアニジン塩酸塩(3.18g、29mmol)、1−シクロプロピル−4−イソチオシアネート−ナフタレン(3.24g、14mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(3当量)の混合物を、50℃で15時間撹拌した。該溶媒を蒸発させ、トルエンを加え、そして該溶媒を再び蒸発させた。水酸化ナトリウムの2.0M水溶液(30mL)を加え、そして該反応混合物を50℃で60時間加熱した。該反応混合物をろ過し、そして該ろ液を、HClの2.0M水溶液を用いて中和した。新たなろ過後に、溶媒の蒸発、およびシリカゲルクロマトグラフィーによる残渣の精製により、5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリゾール−3−チオール(2.0g、49%)を得た。
【0061】
2−[5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド
DMF(20mL)中の5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(708mg、2.5mmol)、KCO(380mg、2.5mmol)の溶液に、2−クロロ−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(710mg、2.5mmol)を加えた。該反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応の完結後に、該溶媒を蒸発させた。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−[5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(1.26g、95%)を得た。
【0062】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド
ジクロロ酢酸(180μL、2.2mmol)を、ジブロモメタン(30mL)中の2−[5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(0.59g、1.1mmol)、亜硝酸ナトリウム(1.5g、22mmol)、およびBTEABr(0.91g、3.3mmol)の懸濁液に加えた。該反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いでジクロロメタンおよび水中の炭酸水素ナトリウムを用いて抽出した。該有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(224mg、31%)を得た。
【0063】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(方法B)
【化15】

2−[5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]酢酸メチルエステル
【表1】

【0064】
製法:
DMF中のチオトリアゾールおよび炭酸カリウムの懸濁液に、クロロ酢酸メチルを室温で5分間滴下した。該反応液を室温で24時間撹拌し、そしてこのものを撹拌した氷冷の水溶液中にゆっくりとそそいだ。該黄褐色沈降物を真空ろ過によって集め、そしてPの存在下、50℃で高真空下、16時間乾燥して、標題化合物(2.24g、80%)を得た。
【0065】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]酢酸メチルエステル
【表2】

【0066】
製法:
ブロモホルム中の2−[5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]酢酸メチルエステルおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロリドの溶液に、亜硝酸ナトリウムを加えた。該混合物に、ジクロロ酢酸を加え、そして該反応混合物を室温で3時間撹拌した。該混合物を、CHClでパックしたシリカゲルの7インチカラム上に直接的にロードした。該カラムを最初に、全てのCHBrが溶出するまでCHClを用いて溶出し、そして次いでアセトン/CHCl(5:95)を用いて溶出して、標題化合物(713mg、85%)を得た。
【0067】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−酢酸
【表3】

【0068】
製法:
0℃のTHFおよびEtOHの混合液中の2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]酢酸メチルエステルの溶液に、HO中のLiOHの溶液を5分間かけて滴下した。0℃で更に45分間撹拌後に、該反応は完結した。該反応液を、0℃の0.5N HCl溶液を加えることによってpH 7にまで中和し、そして得られる混合物をその最初の容量の5分の1にまで真空下で濃縮した。該混合物をHO(〜20mL)を用いて希釈し、そして0.5N HClを加えることによってpH 2〜3まで酸性として、粘着性固体を得た(酸性化の間、生成物が油状物として生じる場合には、CHClを用いる抽出を推奨する)。該黄褐色固体を真空ろ過によって集め、そしてPの存在下、50℃で16時間高真空下で乾燥して、標題化合物(1.02g、93%)を得た。
【0069】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド
【表4】

【0070】
製法:
0℃のピリジン中の上記のカルボン酸およびアニリンの溶液に、POClを5分間滴下した。0℃で更に50分間撹拌後に、該反応は完結した。該反応混合物を、HO(1mL)を加えることによってクエンチし、次いで真空下で濃縮して明褐色油状物を得て、このものをCHCl(200mL)を用いて希釈した。該有機層をHO(1×50mL)、飽和NaHCO溶液(1×50mL)、次いでブライン(1×50mL)を用いて洗浄した。該有機溶液をNaSOを用いて乾燥し、そして乾固するまで濃縮した。得られた油状物をEtOHを用いてトリチュレートして、明黄色固体を得た。該混合物にHOを加えて、より多くの固体を集めた。該明黄色固体を真空ろ過によって集め、そして16時間、高圧下で乾燥して、生成物(930mg、72%)を得た。更なる生成物(132mg、10%)を、CHClを用いてろ液から抽出し、続いてアセトン/CHCl(20:80)を用いるカラムクロマトグラフィーによって回収した。
【0071】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−7−メトキシナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド
【化16】

1−アミノ−4−シクロプロピル−7−メトキシナフタレン
テトラヒドロフラン(50mL)およびジクロロメタン(100mL)の混合物中の8−アミノ−2−ナフトール(5g、31.4mmol)の撹拌溶液に、二炭酸ジ−t−ブチル(6.86g、31.4mmol)を加えた。該混合物を70℃で18時間撹拌した。該混合物を室温まで冷却後に、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、そして生成物をジクロロメタンを用いて抽出した。該有機層を水およびブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。該得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル、9:1を用いる)によって精製して、N−BOC誘導体a(4.85g、60%収率)を得た。
【0072】
ジクロロメタン(170mL)中の該N−BOC誘導体a(4.85g、18.7mmol)およびトリエチルアミン(3.91g、28.1mmol)の混合物に、0℃でメタンスルホン酸無水物(3.58g、20.6mmol)を加えた。該混合物を30分間撹拌し、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中にそそいだ。該有機層をジクロロメタンを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、メタンスルホン酸エステルb(6.22g、定量)を得た。
【0073】
酢酸(150mL)中のメタンスルホネートb(6.12g、18.1mmol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(3.39g、19mmol)を加えた。該混合物を2時間撹拌し、そしてジクロロメタンを加えた。該水相を、10N 水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって、pH 7にまで調節した。該有機層をジクロロメタンを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、粗5−ブロモ誘導体c(7.6g、定量)を得た。
【0074】
テトラヒドロフラン(220mL)中のc(7.72g、18.5mmol)および10%水酸化ナトリウム水溶液(370mL)の混合物を、50℃で5日間撹拌した。該混合物を0℃まで冷却し、そして濃塩酸を用いて中和した。該混合物を減圧下で濃縮し、そして該生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。該有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして濃縮してナフトールd(5.87g、94%収率)を得た。
【0075】
アセトン(25mL)中のナフトールd(3.53g、10.4mmol)、ヨウ化メチル(0.65mL、10.4mmol)、および水酸化ナトリウム(417mg、10.4mmol)の混合物を、室温で4日間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、そして該残渣をカラムクロマトグラフィー(85%ヘキサン/15%酢酸エチルを使用)によって精製して、メチルエーテルe(2.39g、65%収率)を得た。
【0076】
4N HCl/1,4−ジオキサン(92mL)中のメチルエーテルe(3.25g、9.22mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、そして酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。該抽出した有機層を水およびブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして減圧下で濃縮して、2−メトキシ−5−ブロモ−8−アミノナフタレンf(2.14g、92%収率)を得た。
【0077】
トルエン(21mL)および水(0.8mL)中のアミノナフタレンf(1g、4.0mmol)、シクロプロピルボロン酸(438mg、5.1mmol)、リン酸カリウム(2.97g、14mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(112mg、0.4mmol)の溶液に窒素雰囲気下で、酢酸パラジウム(45mg、0.2mmol)を激しく撹拌しながら加えた。該混合物を100℃まで3時間加熱し、次いで室温まで冷却した。水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー精製(50%ヘキサン/50%酢酸エチルを使用)による精製により、標題化合物g(699mg、82%収率)を得た。
【化17】

【0078】
化合物g(699mg、3.28mmol)をジクロロメタン(18mL)中に溶解した。炭酸水素ナトリウム(9mL、飽和溶液)およびチオホスゲン(0.25mL、3.28mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して化合物h(819mg、98%収率)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0079】
化合物h(819mg、3.21mmol)をジメチルホルムアミド(6mL)中に溶解し、アミノグアニジン塩酸塩(532mg、4.8mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.84mL、4.8mmol)を加え、そして該混合物を50度で18時間撹拌した。次いで、該混合物を濃縮し、そして該残渣に2M 水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。該混合物を50℃で18時間撹拌し、次いでこのものを室温まで冷却した。次いで、得られた混合物を1N 塩酸を用いて中和し、そして該沈降物を集めて、化合物i(200mg、25%収率)を得た。
【0080】
化合物i(63mg、0.2mmol)および化合物j(57mg、0.2mmol)をDMF(2mL)中に溶解し、そして炭酸カリウム(30mg、0.2mmol)を加えた。該混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、水を該混合物に加え、そして生成する沈降物を集めて、化合物k(70mg、57%)を得た。
【0081】
ジクロロ酢酸(0.05mL、0.226mmoL)を、ジブロモメタン(5mL)中の化合物k(63mg、0.113mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(93mg、0.34mmol)、および亜硝酸ナトリウム(156mg、2.26mmol)の混合物に加えた。該混合物を暗中、室温で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をプレパTLC(95%ジクロロメタン/5%メタノールを使用)によって精製して、スルホン酸(13.8mg)および標題化合物l(2mg)を得た。
【0082】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−2−メチルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド
【化18】

テトラヒドロフラン(225mL)中の2−メチル−1−アミノナフタレンa(7.5g、47.7mmol)の撹拌溶液に、N−ブロモスクシンイミド(10g、56.2mmol)を0℃で加えた。該混合物を室温で4時間撹拌した。水を該混合物に加え、そして該生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。該有機層を水およびブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(75%ヘキサン/25%酢酸エチルを使用)によって精製して、化合物b(4.73g、42%収率)を得た。
【0083】
トルエン(22mL)および水(0.85mL)中のb(1g、4.24mmol)、シクロプロピルボロン酸(472mg、5.5mmol)、リン酸カリウム(3.14g、14.8mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(118mg、0.42mmol)の溶液に窒素雰囲気下で、酢酸パラジウム(47mg、0.21mmol)を加えた。該混合物を100℃まで3時間加熱し、次いで室温まで冷却した。水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(90%ヘキサン/10%酢酸エチルを使用)による精製により、化合物c(728mg、87%収率)を得た。
【0084】
化合物c(728mg、3.7mmol)をジクロロメタン(18mL)中に溶解した。炭酸水素ナトリウム(9mL、飽和溶液)およびチオホスゲン(0.28mL、3.7mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して化合物d(877mg、99%)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0085】
化合物d(877mg、3.7mmol)をジメチルホルムアミド(6mL)中に溶解し、アミノグアニジン塩酸塩(608.5mg、5.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.5mmol)を加え、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。該混合物を濃縮し、そして該得られた残渣に、2M水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加えた。該混合物を50℃で18時間撹拌し、次いでこのものを室温まで冷却した。次いで、得られた混合物を1N 塩酸を用いて中和し、そして該沈降物を集めて化合物e(472mg、50%収率)を得た。
【0086】
化合物e(100mg、0.34mmol)および化合物f(96mg、0.34mmol)をDMF(2mL)中に溶解し、そして炭酸カリウム(51mg、0.37mmol)を加えた。該混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、水を該混合物に加え、そして生成する沈降物を集め、そしてプレパTLC(90%ジクロロメタン/10%メタノールを使用)によって精製して、化合物g(83mg、45%)を得た。
【0087】
ジクロロ酢酸(0.03mL、0.31mmol)を、ジブロモメタン(5mL)中の化合物g(83mg、0.15mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(125mg、0.46mmol)、および亜硝酸ナトリウム(211mg、3.06mmol)の混合物に加えた。該混合物を暗中、室温で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をプレパTLC(95%ジクロロメタン/5%メタノールを使用)によって精製して、スルホン酸(55.7mg)および標題化合物h(7mg)を得た。
【0088】
2−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピルフェニル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド
【化19】

化合物a(1g、4.8mmol)を無水塩化メチレン(10mL)中に溶解した。この混合物に、トリエチルアミン(0.68mL、4.8mmol)を加え、そして該反応液を室温で5分間撹拌した。次いで、アセチルクロリド(0.5mL、7.2mmol)を0℃で加え、そして該混合物を室温で2時間撹拌した。水およびジクロロメタンを加え、そして相分離した。次いで、該有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して化合物b(1.11g、92%収率)を得た。
【0089】
トルエン(10mL)および水(0.4mL)中のb(500mg、2.01mmol)、シクロプロピルボロン酸(225mg、2.62mmol)、リン酸カリウム(1.49g、7.04mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(56mg、0.2mmol)の溶液に窒素雰囲気下で、酢酸パラジウム(23mg、0.1mmol)を加えた。該混合物を100℃まで3時間加熱し、次いでこのものを室温まで冷却した。水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して粗生成物c(550mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0090】
化合物c(500mg、2.4mmol)をエタノール(4mL)中に溶解した。1N塩酸(4mL)を加え、そして該混合物を8時間還流下で撹拌した。該溶媒を真空下で除去して化合物d(440mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0091】
化合物d(440mg、2.6mmol)をジクロロメタン(14mL)中に溶解した。炭酸水素ナトリウム(7mL、飽和溶液)およびチオホスゲン(0.2mL、2.6mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して化合物e(877mg、99%収率)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0092】
化合物e(447mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)中に溶解し、アミノグアニジン塩酸塩(355mg、3.2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.56mL、3.2mmol)を加え、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、該混合物を濃縮し、そして得られた残渣に2M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。該混合物を50℃で18時間撹拌し、次いでこのものを室温まで冷却した。次いで、得られた混合物を1N塩酸を用いて中和し、そして沈降物(生成物)を集めて、化合物f(240mg、44%収率)を得た。
【0093】
化合物f(89mg、0.33mmol)および化合物g(94mg、0.33mmol)をDMF(1.5mL)中に溶解し、そして炭酸カリウム(51mg、0.37mmol)を加えた。該混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、水を該混合物に加え、そして生成する沈降物を集め、そしてプレパTLC(90%ジクロロメタン/10%メタノールを使用)によって精製して、化合物h(116mg、68%収率)を得た。
【0094】
ジクロロ酢酸(0.04mL、0.46mmol)を、ジクロロブロモメタン(5mL)中の化合物h(116mg、0.23mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(183mg、0.68mmol)、および亜硝酸ナトリウム(304mg、4.6mmol)の混合物に加えた。該混合物を暗中、室温で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をプレパTLC(95%ジクロロメタン/5%メタノールを使用)によって精製して、スルホン酸(99.10mg)および標題化合物i(17.90mg)を得た。
【0095】
4−(2−(5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピル−6−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸
【化20】

トルエン(20mL)および水(0.76mL)中の1(1g、4.5mmol)、シクロプロピルボロン酸(506mg、5.9mmol)、リン酸カリウム(3.34g、15.8mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(126mg、0.45mmol)の溶液に窒素雰囲気下で、酢酸パラジウム(51mg、0.23mmol)を加えた。該混合物を100℃まで3時間加熱し、次いでこのものを室温まで冷却した。水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して粗2−クロロ−4−シクロプロピル−6−メチルベンゼンアミン(2)(775mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0096】
化合物2(775mg、4.3mmol)をジクロロメタン(9mL)中に溶解した。炭酸水素ナトリウム(4.5mL、飽和溶液)およびチオホスゲン(0.33mL、4.3mmoL)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して1−クロロ−5−シクロプロピル−2−イソチオシアネート−3−メチルベンゼン(3)(935mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0097】
化合物3(935mg、4.2mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)中に溶解し、アミノグアニジン塩酸塩(695mg、6.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.1mL、6.3mmol)を加え、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、該混合物を濃縮し、そして得られた残渣に2M水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加えた。該混合物を50℃で18時間撹拌し、次いでこのものを室温まで冷却した。次いで、該得られた混合物を1N塩酸を用いて中和し、そして該沈降物(生成物)を集めて、5−アミノ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピル−6−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(4)(780mg、66%収率)を得た。
【0098】
化合物4(100mg、0.36mmol)および3−クロロ−4−(2−クロロアセトアミド)安息香酸(5)(88mg、0.36mmol)をDMF(4mL)中に溶解し、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出した。該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して、粗4−(2−(5−アミノ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピル−6−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸(6)(192mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0099】
ジクロロ酢酸(0.065mL、0.78mmol)を、ジブロモメタン(10mL)中の化合物6(192mg、0.39mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(318mg、1.17mmol)、および亜硝酸ナトリウム(538mg、7.8mmol)の混合物に加えた。該混合物を暗中、室温で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をプレパTLC(95%ジクロロメタン/5%メタノールを使用)によって精製して、4−(2−(5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピル−6−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸(7)(88mg、42%収率)を得た。
【0100】
4−[2−(5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド]−3−クロロ安息香酸
【化21】

トルエン(10mL)および水(0.4mL)中の1(500mg、2.01mmol)、シクロプロピルボロン酸(225mg、2.62mmol)、リン酸カリウム(1.49g、7.04mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(56mg、0.2mmol)の溶液に窒素雰囲気下、酢酸パラジウム(23mg、0.1mmol)を加えた。該混合物を100℃まで3時間加熱し、次いでこのものを室温まで冷却した。水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して粗4−シクロプロピルナフタレン−1−アミン(2)(550mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0101】
化合物2(440mg、2.6mmol)をジクロロメタン(14mL)中に溶解した。炭酸水素ナトリウム(7mL、飽和溶液)およびチオホスゲン(0.2mL、2.6mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して1−シクロプロピル−4−イソチオシアネートナフタレン(3)(877mg、99%収率)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0102】
化合物3(447mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)中に溶解し、アミノグアニジン塩酸塩(355mg、3.2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.56mL、3.2mmol)を加え、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、該混合物を濃縮し、そして該得られた残渣に2M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。該混合物を50℃で18時間撹拌し、次いでこのものを室温まで冷却した。次いで、得られた混合物を1N塩酸を用いて中和し、そして該沈降物(生成物)を集めて、5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(4)(240mg、44%収率)を得た。
【0103】
化合物4(789mg、2.79mmol)および3−クロロ−4−(2−クロロアセトアミド)安息香酸(5)(693mg、2.79mmol)をDMF(6mL)中に溶解し、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出した。該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して4−(2−(5−アミノ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸(6)(1.04g、75%収率)を得た。
【0104】
ジクロロ酢酸(0.35mL、4.2mmol)を、ジブロモメタン(44mL)中の化合物6(1.04g、2.1mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(1.65g、6.1mmol)、および亜硝酸ナトリウム(2.9g、42.1mmol)の混合物に加えた。該混合物を暗中、室温で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(95%ジクロロメタン/5%メタノールを使用)によって精製して、4−(2−(5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸(393mg、34%収率)を得た。
【0105】
4−(2−(5−ブロモ−4−(7−メトキシ−4−メチルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸
【化22】

THF(100mL)中の8−アミノ−2−ナフトール1(8.2g、52mmol)、ベンズアルデヒド(16mL、156mmol)、および硫酸ナトリウム(41.3g、291mmol)の混合物を還流下で終夜撹拌した。該混合物を室温まで冷却し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン 75/23/2を使用)によって精製して、不純な(E)−8−(ベンジリデンアミノ)ナフタレン−2−オール(2)(12.65g)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0106】
アセトン(125mL)中の2(12.65g、51.2mmol)、MeI(6.4mL、102mmol)、およびNaOH(6.14g、153mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、そして該残渣をエーテル中に溶解し、水およびブラインを用いて洗浄し、そして濃縮した。得られた残渣を2N HCl−THF(780mL、2:1)中に溶解し、そして室温で1.5時間撹拌した。得られた溶液をエーテルを用いて洗浄し、そして該水層をNaCOを用いて塩基性とし、そしてエーテルを用いて抽出した。該有機層をブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 3:1を使用)によって精製して、7−メトキシナフタレン−1−アミン(3)(6.94g、78%収率)を得た。
【0107】
アセトン(100mL)中の3(6.94g、40mmol)および炭酸カリウム(16.6g、120mmol)の撹拌混合物に、臭化ベンジル(19.0mL、160mmol)を0℃で加えた。該混合物を3日間還流し、そして室温まで冷却した。該沈降物を除去し、そして該ろ液を濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Hex 100%を使用)によって精製して未反応の臭化ベンジルを除去し、次いでカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル100%を使用)によって精製して、N,N−ジベンジル−7−メトキシナフタレン−1−アミン(4)(11.75g)(83%収率)を得た。
【0108】
DMF(30mL)の撹拌溶液に、POCl(10.65mL、116mmol)を0℃で3分間かけて加えた。次いで、該混合物を0℃で30分間撹拌し、そしてDMF(120mL)中の4(11.75g、33.2mmol)を加えた。該混合物を室温で6日間撹拌し、そして氷水中にそそいだ。該生成物の混合物をジクロロメタンを用いて抽出し、そして該有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、およびブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して4−(ジベンジルアミノ)−6−メトキシ−1−ナフチルアルデヒド(5)(13.58g)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0109】
メタノール(150mL)中の5(5.0g、13.1mmol)およびPd/炭素(812mg)の混合物を、水素雰囲気下(40 PSI)下、18時間撹拌した。該混合物をセライトに通し、そして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 3:1を使用)によって精製して、7−メトキシ−4−メチルナフタレン−1−アミン(6)(826mg、35%収率)を得た。
【0110】
化合物6(826mg、4.4mmol)をジクロロメタン(25mL)中に溶解した。炭酸水素ナトリウム(15mL、飽和溶液)およびチオホスゲン(0.34mL、4.4mmol)を加え、そして該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して4−イソチオシアネート−6−メトキシ−1−メチルナフタレン(7)(1.9g、99%収率)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0111】
化合物7(1.0g、4.4mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解し、アミノグアニジン塩酸塩(723mg、6.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.14mL、6.5mmoL)を加え、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、該混合物を濃縮し、そして該得られた残渣に、2M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。該混合物を50℃で18時間撹拌し、次いでこのものを室温まで冷却した。次いで、得られた混合物を1N塩酸を用いて中和し、そして沈降物(生成物)を集めて、5−アミノ−4−(7−メトキシ−4−メチルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(8)(1.14mg、91%収率)を得た。
【0112】
化合物8(200mg、0.7mmol)および3−クロロ−4−(2−クロロアセトアミド)安息香酸(9)(174mg、0.7mmol)をDMF(3mL)中に溶解し、そして該混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、水を加え、そして該混合物を酢酸エチルを用いて抽出した。該有機層を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮して、4−(2−(5−アミノ−4−(7−メトキシ−4−メチルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸(10)(304mg)を得て、このものを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0113】
ジクロロ酢酸(0.1mL、1.2mmol)を、ジブロモメタン(10mL)中の化合物10(304mg、0.6mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(492mg、1.8mmol)、および亜硝酸ナトリウム(828mg、12mmol)の混合物に加えた。該混合物を暗中、室温で18時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(95%ジクロロメタン/5%メタノールを使用)によって精製して、4−(2−(5−ブロモ−4−(7−メトキシ−4−メチルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)アセトアミド)−3−クロロ安息香酸(11)(80mg、24%収率)を得た。
【0114】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−N−プロピオニルスルファモイルフェニル)アセトアミド
【化23】

50mL丸底フラスコを、THF(5mL)および塩化メチレン(5mL)の混合液中の2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)−アセトアミド(45mg、0.076mmol)、EDC(29mg、0.15mmol)、およびプロピオン酸(6.7mL、0.09mmol)で満たした。該混合物に、DMAP(18.3mg、0.15mmol)を1回で加えた。該反応混合物をRTで14時間撹拌した。該溶媒を減圧下で蒸発させて、濃厚な油状残渣を得た。該残渣を塩化メチレン(20mL)中に再溶解し、次いでそのものを2.0M塩酸(20mL)を用いて洗浄した。該有機層をNaSOを用いて乾燥した。該溶媒を回転蒸発機によって除去して、油状残渣を得た。該残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノールおよび塩化メチレン(1:9)の混合物を使用)によって精製して、白色固体として得られる目的物(18.5mg、38%)を得た。
【0115】
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−プロピオニルスルファモイル−フェニル)リシンアミド
【化24】

25mL丸底フラスコを、THF(5mL)および塩化メチレン(5mL)の混合物中の2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド(50mg、0.085mmol)、EDC(35mg、0.18mmol)、Boc−Lys(Boc)−OH・DCHA(47mg、0.09mmol)で満たした。該混合物に、DMAP(16mg、0.13mmol)を1回で加えた。該反応混合物をRTで14時間撹拌した。該溶媒を減圧下で蒸発して、濃厚な油状残渣を得た。該残渣を、ジオキサン中の4.0M HCl(5mL)中に溶解した。該反応液をRTで14時間撹拌した。該溶媒を減圧下で蒸発して、濃厚な油状残渣を得た。該残渣を塩化メチレン(10mL)およびエーテル(10mL)を用いて連続して洗浄して、明黄色固体の標題化合物(44mg、65%)を得た。
【0116】
(試薬)
1−メチル−4−ニトロ−ナフタレン
【化25】

0℃の丸底フラスコ中の1−メチルナフタレン(8.0g、56mmol)に、硝酸(26mL)を滴下した(注意:硝酸の遅い添加は、他の位置異性体の生成を避けるのに最も重要である)。該反応混合物を0℃で更に15分間撹拌した後に、そのものをHO(65mL)中にそそいだ。該水溶液をベンゼンを用いて2回抽出し、そして該ベンゼン溶液を合わせて10%NaOH溶液を用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー精製(EtOAc/ヘキサン=5:95を使用)により、未だ数%の他の位置異性体を含有する生成物を得た。そのものをEtOAc/ヘキサンを用いて再結晶化して、1(9.0g、43%)を得た。
【0117】
4−メチル−ナフタレン−1−イルアミン
【化26】

エタノール(300mL)中の1−メチル−4−ニトロ−ナフチル−アミン(4.0g、21mmol)の溶液に、ラネーニッケル(4すくい量(scoop))を加えた。該混合物をH(1atm)で16時間撹拌した。該反応液をろ過のパッドを通してろ過して、そして濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=15:85を使用)による精製により、生成物(3.2g、75%)を得た。
【0118】
4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミン
【化27】

該製法は、上記の4−メチル−ナフタレン−1−イルアミンについての経路と本質的に同じであるが、しかしながら、5−エチル−8−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン(795mg、3.95mmol)の溶液を用いて開始した。
【0119】
4−メチル−ナフタレン−1−イル−チオセミカルバジド
【化28】

0℃の無水塩化メチレン(5mL)中のチオホスゲン(0.33mL、4.3mmol)の溶液に、無水塩化メチレン(5mL)中の4−メチルナフチルアミン(671mg、4.3mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.6mmol)の溶液を滴下した。該反応混合物を0℃で更に10分間撹拌した後に、そのものを1%HCl溶液、次いでHOを用いて洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、そして濃縮して暗褐色油状物を得た。該油状物をヘキサン(15mL)中に溶解し、そして得られた褐色スラリーをろ過した。該ろ過したものを濃縮して、純粋なチオイソシアネートを得た。無水アセトニトリル(20mL)中の該チオイソシアネートの溶液に、RTでヒドラジン(0.13mL、4.3mmol)を加えた。RTで20分間撹拌後に、該混合物を濃縮した。該得られた黄色油状物をEtOAc:ヘキサン(1:1)を用いてトリチュレートして、オフホワイト色固体の生成物(701mg、71%収率)を得た。
【0120】
5−ジフルオロ−4−(4−エチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール
【化29】

ジフルオロ酢酸(2mL)中の4−メチルナフチルチオセミカルバジド(180mg、0.78mmol)の溶液を、100℃で4時間加熱した。該混合物を室温まで冷却した後に、白色固体を反応混合物から析出した。より多くの生成物を集めるために、ヘキサン(2mL)を該混合物に加えた。ろ過により、白色固体の生成物(179mg、79%収率)を得た。
【0121】
5−フルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール
【化30】

MeOH(10mL)および4.37M NaOMe(0.23mL、1.02mmol)中の4−メチル−ナフチル−チオセミカルバジド(158mg、0.68mmol)の溶液に、フルオロ酢酸エチル(0.13mL、1.37mmol)を加え、そして室温で17時間撹拌した。該反応混合物を濃縮し、水を加え、そしてジエチルエーテルを用いて洗浄した。該水層に、pHをHClを用いて調節し、白色固体の生成物(78mg、42%収率)をろ取した。1H NMR (DMSO, 300 MHz) δ 14.26 (s, 1H), 8.14 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.67-7.52 (m, 4H), 7.26 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 5.20 (dd, J= 12.0, 21.0 Hz, 1H), 5.03 (dd, J= 12.0, 20.4 Hz, 1H), 2.74 (s, 3H)。
【0122】
2−[5−ジフルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド
【化31】

DMF(1.5mL)中の5−ジフルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(53mg、0.18mmol)、KCO(27.0mg、0.20mmol)の溶液に、2−メチル−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(47mg、0.18mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完結後に、HO(4.0mL)を該反応液に加え、そして沈降物が生じるまで撹拌し、そして生成物をろ取した(77.0mg、83%収率)。1H NMR (DMSO, 300 MHz) δ 9.84 (幅広いs, 1H), 8.18 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.70-7.53 (m, 7H), 7.18 (t, J= 51.5 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 4.26 (s, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.27 (s, 3H)。
【0123】
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[5−ジフルオロメチル−4−(4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−アセトアミド
【化32】

DMF(2.0mL)中の5−ジフルオロメチル−4−(4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(85mg、0.28mmol)、KCO(41.8mg、0.30mmol)の溶液に、2−クロロ−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(77.8mg、0.28mmol)を加えた。該反応混合物を室温で終夜撹拌した。該反応の完結後に、MeOHを該反応液に加え、そして沈降物が生じるまで撹拌し、そして生成物をろ取した(71.0mg、46%収率)。1H NMR (DMSO, 300 MHz) δ 10.14 (s, 1H), 8.03 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.88 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H), 7.46 (幅広いs, 2H), 7.34-7.00 (m, 3H), 4.33 (見かけのq, J= 15.6 Hz, 2H), 2.71 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.62 (q, J= 7.5 Hz, 2H), 2.28-2.08 (m, 2H), 1.72-1.60 (m, 4H), 1.19 (t, J= 7.5 Hz, 3H)。
【0124】
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[5−ジフルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−アセトアミド
【化33】

DMF(1.5mL)中の5−ジフルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(59mg、0.20mmol)、KCO(30.0g、0.22mmol)の溶液に、2−クロロ−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(57mg、0.20mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間撹拌した。該反応の完結後に、HO(4.0mL)を該反応液に加え、そして沈降物が生じるまで撹拌し、そして生成物をろ取した(77.0mg、71%収率)。1H NMR (DMSO, 300 MHz) δ 10.11 (幅広いs, 1H), 8.18 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.75-7.54 (m, 5H), 7.46 (幅広いs, 2H), 7.18 (t, J= 50.0 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 4.32 (s, 2H), 2.27 (s, 3H)。
【0125】
2−[5−フルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド
【化34】

DMF(2.0mL)中の5−フルオロメチル−4−(4−メチルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(89mg、0.33mmol)、KCO(50.0mg、0.36mmol)の溶液に、2−クロロ−N−(2−メチル−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(87mg、0.33mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間撹拌した。該反応の完結後に、HO(2.0mL)を該反応液に加え、沈降物が生じるまで撹拌し、そしてろ過した。逆相HPLCによる精製により、固体の生成物(53.3mg、50%収率)を得た。1H NMR (DMSO, 300 MHz) δ 9.84 (幅広いs, 1H), 8.18 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.71-7.53 (m, 7H), 7.26 (s, 2H), 7.10 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 5.34 (dd, J= 12.0, 27.3 Hz, 1H), 5.18 (dd, J= 12.3, 26.4 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.25 (s, 3H)。
【0126】
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[5−フルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−アセトアミド
【化35】

DMF(2.0mL)中の5−フルオロメチル−4−(4−メチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(89mg、0.33mmol)、KCO(50.0mg、0.36mmol)の溶液に、2−クロロ−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(93mg、0.33mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間撹拌した。該反応の完結後に、HO(2.0mL)を該反応液に加え、そして沈降物が生じるまで撹拌し、そしてろ過して固体(126.8mg、74%収率)を得た。1H NMR (DMSO, 300 MHz) δ 10.12 (幅広いs, 1H), 8.18 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 8.04 (dd, J = 4.8, 8.7 Hz), 7.87 (s, 1H), 7.76-7.52 (m, 5H), 7.46 (s, 2H), 7.11 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 5.35 (dd, J = 12.3, 26.7 Hz, 1H), 5.19 (dd, J = 11.7, 25.8 Hz, 1H), 4.26 (s, 2H), 2.75 (s, 3H)。
【0127】
N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−2−[4−(4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−5−フルオロメチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−アセトアミド
【化36】

DMF(2.0mL)中の4−(4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−5−フルオロメチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−チオール(85mg、0.29mmol)、KCO(44.4mg、0.32mmol)の溶液に、2−クロロ−N−(2−クロロ−4−スルファモイル−フェニル)−アセトアミド(82.6mg、0.29mmol)を加えた。該反応混合物を室温で16時間撹拌した。該反応の完結後に、HO(2.0mL)を該反応液に加え、そして沈降物が生じるまで撹拌し、そしてろ過して固体(73.0mg、47%収率)を得た。1H NMP (DMSO, 300 MHz) δ 10.15 (s, 1H), 8.05 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46 (s, 2H), 7.21-7.06 (m, 2H), 5.26 (d, J= 48.0 Hz. 2H), 4.29 (見かけのq, J= 15.6 Hz, 2H), 2.71-2.58 (m, 3H), 2.25 (s, 1H), 2.25-2.09 (m, 2H), 1.72-1.59 (m, 4H), 1.19 (t, J= 7.5 Hz, 3H)。
【0128】
適当な出発物質を使用して、上記の方法と同様な方法によって、以下の化合物を製造する:
2−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−(シクロプロピルメチル)フェニル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シクロブチルフェニル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−(シクロプロピルメチル)ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シクロプロピルフェニル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−トリフルオロメチル−4−(2−クロロ−4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−5,6,7,9−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(4−エチルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(4−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(5−シクロプロピルキノリン−8−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(5−シクロプロピルイソキノリン−8−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(5−シクロプロピルシンノリン−8−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(1−メチルアセナフテン−5−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(2−メチルアセナフテン−5−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、
2−[5−ブロモ−4−(1,1−ジメチルアセナフテン−5−イル)−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド。
【0129】
(HIV−逆転写酵素の阻害)
ハイスループットセルベースアッセイ(これは、レポーター遺伝子として、HIV−1発現ホタルルシフェラーゼ、および水疱性口内炎ウイルスエンベロープ糖タンパク質(VSV−G)との偽型を使用する)を用いて、化合物を、ヒト免疫不全症ウイルス1型(HIV−1)に対する阻害活性についてスクリーニングした。実験方法は本質的には、コナー(Connor)らによる, in Journal of Virology (1996), 70: 5306-5311(ヒト免疫不全症ウイルス1型感染症の長期間の生存者からのenv遺伝子の機能的な性質の確認(Characterization of the functional properties of env genes from long-term survivors of human immunodeficiency virus type 1 infection))、およびポピック(Popik)らによる, in Journal of Virology (2002), 76: 4709-4722(ヒト免疫不全症ウイルス1型は、脂質ラフト−共存CD4および、CD4T細胞中への増殖的な侵入のためのケモカイン受容体を使用する(Human immunodeficiency virus type 1 uses lipid raft-colocalized CD4 and chemokine receptors for productive entry into CD4+ T cells))によって記載される通りである。ウイルスは、ウイルスを現行の非ヌクレオシドHIV−1薬に対する非常に高い耐性とするRT遺伝子中の2個の導入される突然変異(PCR突然変異誘発によって調製する、K103NおよびY181C)を含むと、特に認識すべきである。ウイルスのストックは、VSV−GをコードするプラスミドDNAをベクターpNL4−3Env(−)Luc(+)と293T細胞中に同時形質導入することによって得た。形質導入の64時間後に、ウイルス含有培地を遠心分離によって集め、そして−80℃で凍結保存した。
【0130】
ヒーラ細胞を、384ウェルマイクロタイタープレートフォーマット中、スクリーニング化合物の存在下で、VSV−G偽型ウイルスを用いて感染した。最初の感染の48時間後に、溶解緩衝液およびルシフェラーゼアッセイ試薬(プロメガ社(Promega)製)を該細胞に加え、そしてルシフェラーゼ活性を、得られたルミネセンスをLJLルミノメーターを用いてカウントすることによって測定した。該ルシフェラーゼ遺伝子はウイルスゲノム中に保有されるので、その発現レベルは、化合物の存在下でのウイルス複製レベルに直接に影響を及ぼす。
【0131】
野生型HIV−1に対する本発明の化合物の活性を評価するために、高レベルのCD4およびCCR5を発現するヒーラJC53セルラインを使用した(プラット(Platt)らによる, Journal of Virology (1998), 72: 2855-2864:ヒト免疫不全症ウイルス1型のマクロファージ向性の単離物による、感染症に及ぼすCCR5およびCD4細胞表面濃度の影響(Effect of CCR5 and CD4 cell surface concentrations on infection by macrophagetropic isolates of human immunodeficiency virus type 1)。該セルラインを、HIV−1プロモーターのコントロール下でルシフェラーゼを発現する安定なセルラインの単離によって改変した。このセルラインのHIV−1感染はHIV−1プロモーターからのルシフェラーゼの転写を刺激し、そして該ルシフェラーゼ遺伝子の発現レベルは、ウイルス複製のレベルに比例する(ハリングトン(Harrington)らによる, in Journal of Virology Methods (2000), 88: 111-115:遠心分離−インジケーター細胞アッセイを用いる、血液中でのHIV−1の感染の直接的な検出(Direct detection of infection of HIV-I in blood using a centrifugation-indicator cell assay);および、ロース(Roos)らによる, in Virology (2000), 273: 307-315:LuSIV細胞: HIVおよびSIV複製の1サイクルの検出および定量化のためのレポーターセルライン(LuSIV cells: a reporter cell line for the detection and quantitation of a single cycle of HIV and SIV replication))。ウイルスの感染、化合物の試験、およびルシフェラーゼ活性の測定についての方法は、VSV−G偽型HIV−1の場合と同じであった。
【0132】
HIV−1ウイルスアッセイにおいて発見された陽性化合物の細胞毒性を評価するのに、2個の方法を使用した。第1の方法は、ウイルス感染症なしに高レベルのルシフェラーゼを常時発現する、別の改変ヒーラJC53セルラインを使用した。これらの細胞中のルシフェラーゼ発現のレベルは、本発明の化合物の存在下での細胞複製についての指標として機能した。化合物の試験およびルシフェラーゼ活性の測定のための方法は、ウイルス感染の試験の場合と同じであった。他の毒性アッセイは、ヒーラJC53細胞、および商業的に入手可能なMTSアッセイキット(プロメガ社製)(これは、細胞のミトコンドリア機能を測定する)を使用した。
【0133】
上記と同様な方法を用いて、2−[5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−メチル−4−スルファモイルフェニル)アセトアミド、および2−[5−ブロモ−4−(4−エチルナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−スルファモイルフェニル)−アセトアミドを、N−4−カルバミルアナログとして、2−[5−ブロモ−4−(4−エチル−ナフタレン−1−イル)−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル]−N−(2−クロロ−4−カルバモイルフェニル)−アセトアミド、およびN−4−カルボキシアナログを製造した。該化合物の各々を1パネルの突然変異HIV逆転写酵素(これは、最も広く使用される非−ヌクレオシドHIV−RTインヒビターである、エファビレンツ((4S)−6-クロロ−4−(シクロプロピルエチニル)−1,4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オン)に対して耐性である患者の試料の約2%以上において見られる22個の変異体のうちの20個を含有する)について試験した。試験する20個の高い有病率の変異体の各々について、これらの化合物の少なくとも1つは、エファビレンツよりも20倍以上強力であるか、あるいは、1nM以下のEC50を示した。ほとんどの場合に、両方の基準を満たした。多数の場合において、3個の化合物は全てエファビレンツよりもより強力であった。化合物を、野生型Y181CおよびY188L突然変異逆転写酵素についての活性と比較した。両方のアミドは、3個の酵素全てについてカルボン酸よりも有意に優れていた。
【0134】
(結果)
本発明の化合物を、野生型および4個の突然変異HIV逆転写酵素について試験した。該結果を、EC50(nM)およびIC50(nM)として表1中に例示する。表中、Aは50nM以下であり、Bは50〜100nMの間であり、そしてCは100nM以上である。NDは測定せずである。本発明の好ましい化合物は、EC50およびIC50の両方について、野生型(WT)および耐性変異体において50nM以下の活性を示す化合物である。
【化37】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式A:
【化1】

[式中、
Qは、COHもしくはその塩、CONR'R''、SOHもしくはその塩、およびSONR'R''からなる群から選ばれ;
Pは、(a)、(b)、(c)および(d):
【化2】

からなる群から選ばれ;
は、Cl、Br、I、CH、CF、CHF、およびCHFからなる群から選ばれ;
は、HまたはCHであり;
R'およびR''は独立して、H、低級アルキル、および1個以上の基(該基は、OR基、COR基、NHR基、NR基、またはCF基であり、ここで、RはHまたは低級アルキルである)で置換された低級アルキルからなる群から選ばれるか、あるいは、R'およびR''はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、4−、5−、または6−員のヘテロ環を形成し;
は、Cl、Br、CF、およびメチルからなる群から選ばれ;
は、ハロゲン、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、またはC〜Cシクロアルキルからなる群から選ばれ;
、R、およびRは独立して、H、F、Cl、Br、CH、CF、CFH、CFH、イソプロピル、シクロプロピル、OCH、OH、OCF、NH、およびNHCHからなる群から選ばれ;
UおよびU'は独立して、NおよびCHから選ばれ;
は、Cl、Br、I、CH、CF、OCH、イソプロピル、シクロプロピル、tert−ブチル、およびシクロブチルからなる群から選ばれ;そして、
、R、R10、およびR11は独立して、HまたはCHであり;
但し、QがSONHである場合には、
がハロゲン、シクロプロピルメチル、またはC〜Cシクロアルキルでない場合には、Rはメチルではなく、そして、
がメチルである場合には、Rはメチルのみである]
で示される化合物。
【請求項2】
、R、およびRのいずれもOH、NH、またはNHCHでない、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Pは置換フェニルではなく、そしてR、R、およびRの少なくとも1つはHまたはCH以外である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Pは置換フェニルであり、そしてRはメチルではない、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
Pは置換フェニルではなく、そしてR、R、およびRの少なくとも1つはHまたはCH以外である、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
Pは置換フェニルではなく、そしてR、RおよびRの少なくとも1つはHまたはCH以外である、請求項3記載の化合物。
【請求項7】
Pは置換ナフチルであり、そしてRは、Br、CF、CFH、およびCFHからなる群から選ばれる、請求項2記載の化合物。
【請求項8】
、R、およびRの各々はHである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
はシクロプロピルである、請求項7記載の化合物。
【請求項10】
はBrであり、そしてRはClである、請求項7記載の化合物。
【請求項11】
Pは置換キノリンまたは置換イソキノリンであり、そしてRはBr、CF、CFH、およびCFHからなる群から選ばれる、請求項2記載の化合物。
【請求項12】
、R、およびRの各々はHである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
はシクロプロピルである、請求項11記載の化合物。
【請求項14】
はBrであり、そしてRはClである、請求項11記載の化合物。
【請求項15】
QはSONHである、請求項3、7または11のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項16】
QはCOHである、請求項2、4、9または11のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項17】
塩は、Na、K、Ca++、Mg++、DABCOの塩である、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1つに記載の化合物を1個以上の医薬的に許容し得る担体と組み合わせて含有する、医薬組成物。
【請求項19】
式(A):
【化3】

[式中、
は、C1〜3アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−Cl、−Br、−NH、または水素であり;
は、シクロアルキル基またはヘテロ環基を含有するアリール分子またはヘテロアリール分子(これらは更に、アルキル分子、シクロアルキル分子、アリール分子、ヘテロアリール分子で置換され得る)であり;
QはC3〜5シクロアルキルであり;
Wは、S、O、または場合により置換されたアミンであり;
XおよびYは独立してCHまたはNであり、そしてZは、CH、NH、NR、O、またはSであり、ここで、Rは、場合により置換されたN−アルキル、N−アシル、またはN−アルキル−アシルであり;
は、C1〜3アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−Cl、−Brであり;そして、
は、COOH、−COR'または−S(O)R'であり、ここで、Rは−NHまたは−NH(アルキル)である]
で示される構造式を有する化合物。
【請求項20】
は4−Q−ナフチ−1−イルまたは4−Q−フェン-1−イルである、請求項20記載の化合物。
【請求項21】
R'はNHであり、そしてRはCOOH以外である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
Qはシクロプロピルである、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
WはSである、請求項21記載の化合物。
【請求項24】
WはSである、請求項22記載の化合物。
【請求項25】
は水素以外である、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
はBrであり、Rはナフチルであり、そしてRはメチルまたはClである、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
2-[5-ブロモ-4-(4-シクロプロピル-ナフタレン-1-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルスルファニル]-N-(2-クロロ-4-スルファモイル-フェニル)-アセトアミド、または、
2-[5-ブロモ-4-(4-シクロプロピル-ナフタレン-1-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルスルファニル]-N-(2-クロロ-4-カルバモイル-フェニル)-アセトアミド、
である、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
2-[5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-l-イル)-4H-[l,2,4]トリアゾール-3-イルスルファニル]-N-(2-メチル-4-スルファモイル-フェニル)-アセトアミド、または、
2-[5-ブロモ-4-(4-シクロプロピルナフタレン-1-イル)-4H-[l,2,4]トリアゾール-3-イルスルファニル]-N-(2-メチル-4-カルバモイル-フェニル)-アセトアミド、
である、請求項26記載の化合物。
【請求項29】
式A:
【化4】

[式中、
は、C1〜3アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−Cl、−Br、−NH、または水素であり;
は、4−Q−ナフタ−1−イルまたは4−Q−フェン−1−イルであり、QはC2〜5アルキルであり、そしてWはS、O、または場合により置換されたアミンであり;
は、C1〜3アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−Cl、−Brであり;そして、
は、COOH、−COR'、または−S(O)R'であり、ここで、R'は−NHまたは−NH(アルキル)である]
で示される化合物。
【請求項30】
WはSである、請求項30記載の化合物。
【請求項31】
R'はNHであり、そしてRはCOOH以外である、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
はH以外である、請求項30記載の化合物。
【請求項33】
Qはエチルである、請求項32記載の化合物。
【請求項34】
はクロロまたはメチルである、請求項33記載の化合物。
【請求項35】
2-[5-ブロモ-4-(4-エチル-ナフタレン-l-イル)-4H-[l,2,4]トリアゾール-3-イルスルファニル]-N-(2-クロロ-4-スルファモイル-フェニル)-アセトアミド、または、
2-[5-ブロモ-4-(4-エチル-ナフタレン-l-イル)-4H-[l,2,4]トリアゾール-3-イルスルファニル]-N-(2-クロロ-4-カルバモイル-フェニル)-アセトアミド、
である、請求項34記載の化合物。
【請求項36】
式;
【化5】

[式中、
Pは、(a)、(b)、(c)および(d):
【化6】

からなる群から選ばれ;
は、Cl、Br、I、CH、CF、CHF、およびCHFからなる群から選ばれ;
およびR’は独立して、H、場合により置換されたC1〜5アシル、1−(C2〜4アシルオキシ)C1〜4アルコキシカルボニル、およびα−アミノ酸由来のアシル基からなる群から選ばれ;
は、HまたはCHであり;
は、Cl、Br、CF、およびメチルからなる群から選ばれ;
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選ばれ;
、RおよびRは独立して、H、F、Cl、Br、CH、CF、CFH、CFH、イソプロピル、シクロプロピル、OCH、OH、OCF、NH、およびNHCHからなる群から選ばれ;
UおよびU'は独立して、NまたはCHから選ばれ;
は、Cl、Br、I、CH、CF、OCH、イソプロピル、シクロプロピル、tert−ブチル、シクロブチル、およびメチルからなる群から選ばれ;そして、
、R、R10、R11は独立して、HまたはCHであり;
但し、RおよびR'がHである場合には、
がシクロプロピルでない場合には、Rはメチルではなく、そして、
がメチルである場合には、Rはメチルのみである]
で示される化合物。
【請求項37】
、RおよびRのいずれもOH、NH、またはNHCHではない、請求項36記載の化合物。
【請求項38】
Pは置換フェニルではなく、そしてR、RおよびRの少なくとも1つはHまたはCH以外である、請求項36記載の化合物。
【請求項39】
Pは置換フェニルであり、そしてRはメチルではない、請求項36記載の化合物。
【請求項40】
Pは置換フェニルではなく、そしてR、R、およびRの少なくとも1つはHまたはCH以外である、請求項37記載の化合物。
【請求項41】
Pは置換フェニルではなく、そしてR、RおよびRの少なくとも1つはHまたはCH以外である、請求項38記載の化合物。
【請求項42】
Arは置換ナフチルであり、そしてRはBr、CF、CFH、およびCFHからなる群から選ばれる、請求項37記載の化合物。
【請求項43】
、RおよびRの各々はHである、請求項42記載の化合物。
【請求項44】
はシクロプロピルである、請求項42記載の化合物。
【請求項45】
はBrであり、そしてRはClである、請求項42記載の化合物。
【請求項46】
Pは置換キノリンまたは置換イソキノリンであり、そしてRはBr、CF、CFH、およびCFHからなる群から選ばれる、請求項37記載の化合物。
【請求項47】
、R、およびRの各々はHである、請求項46記載の化合物。
【請求項48】
はシクロプロピルである、請求項46記載の化合物。
【請求項49】
はBrであり、そしてRはClである、請求項46記載の化合物。
【請求項50】
はアセチルまたは2−アセチル−プロポキシカルボニルである、請求項38記載の化合物。
【請求項51】
はアセチルまたは1−アセトキシエトキシカルボニルである、請求項37記載の化合物。
【請求項52】
はアセチルまたは1−アセトキシエトキシカルボニルである、請求項46記載の化合物。
【請求項53】
'はHである、請求項50、51、または52のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項54】
およびR'は共にHである、請求項38、42、または46のいずれか1つに記載の化合物。

【公開番号】特開2012−77088(P2012−77088A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−790(P2012−790)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【分割の表示】特願2007−530127(P2007−530127)の分割
【原出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(507062026)アーディア・バイオサイエンシーズ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】ARDEA BIOSCIENCES, INC.
【Fターム(参考)】