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HLAタイピング方法
説明

HLAタイピング方法

【課題】HLAの複雑で高度に多様なDNAの配列要素を同定するための方法の提供。
【解決手段】HLA−B遺伝子中の選択された位置番号で、親由来の対立遺伝子の両方において同時に特定の位置の短いDNA配列要素(2〜6塩基)を一義的に同定することによる、サブグループを作成のための、HLA−DRB1のHLAタイピング方法。位置の組は特定の位置からなり、各位置について、a)特定の位置の上流のDNA鎖に、すべての既知の配列変異体に対して相補的なオリゴヌクレオチド(プライマー)の組み合わせをハイブリダイズする過程、b)停止アナログで置き換えられた、四つのdNTP基質の少なくとも一つを用いてプライマー伸長反応を実施する過程、c)質量分析法によって生成物を分析する過程からなり、得られた質量によって、用いられたプライマーと付加された塩基を一義的に同定することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HLA遺伝子中の選択された位置番号で、親由来の対立遺伝子の両方において同時に特定の位置の短いDNA配列要素(2〜6塩基)を一義的に決定することによる、HLAタイピング方法に関するものであり、各位置について、a)特定の位置の上流のDNA鎖に、すべての既知の配列変異体に対して相補的なオリゴヌクレオチド(プライマー)の組み合わせをハイブリダイズする過程、b)停止アナログで置き換えられた、四つのdNTP基質の少なくとも一つを用いてプライマー伸長反応を実施する過程、c)質量分析法によって産物を分析する過程からなり、得られた質量によって、用いられたプライマーと付加された塩基を一義的に同定することが可能になる方法である。この方法は、特に、DNAに基づくHLAタイピングに、また、試験する部位の適切な選択と組み合わせることに、非常に適合しており、従来のHLAタイピング方法より操作が簡単な点で優れている。
【背景技術】
【0002】
ゲノム計画の中でもっとも重要なものであるヒトゲノムの完全な配列決定は完了した。この計画によって、30億塩基の完全な配列と、このゲノムにおける30000個と推定されるすべての遺伝子の相対位置とが明らかになった。この配列が得られたことによって、遺伝子機能とさまざまな遺伝子の相互作用を明らかにするための無限の可能性が開かれている。近年では、ヒトゲノム全体にわたって一塩基変異多型(SNP)を同定するために体系的な取り組み(SNPコンソーシアム)が行われてきており、今までのところ、さまざまなヒト個体間における数百万のこれらの差異が同定されてきている(2003年10月の時点でdbSNPは550万のSNPを含んでいる)。
【0003】
マトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI)によって生体分子の質量分析が発展してきている(Karas、M. & Hillenkamp、F.『Anal.Chem.』60、2299−2301(1988年))。質量分析法によるDNA分析の分野は近年、Tost and Gut(『Mass Spectrometry Reviews』21、388−418(2002年))およびSauer and Gut(『Journal of Chromatography B』782、73−87、(2002年))によって大規模に見直された。MALDIは、PCR産物の分析から、シングルヌクレオチドプライマー伸長反応およびシーケンシングに対立遺伝子特異的末端を用いるアプローチにわたる、多様なDNA分析に応用されてきている(Liu、Y.−H.、et al.『Rapid Commun.Mass Spectrom.』9、735−743(1995年);Ch’ang、L.−Y.、et al.『Rapid Commun.Mass Spectrom.』9、772−774(1995年);Little、D.P.、et al.『J.Mol.Med.』75、745−750(1997年);Haff、L. & Smirnov、I.P.『Genome Res.』7、378−388(1997年);Fei、Z.、Ono、T. & Smith、L.M.『Nucleic Acids Res.』26、2827−2828(1998年);Ross、P.、Hall、L.、Smirnov,I. & Haff、L.『Nature Biotech.』16、1347−1351(1998年);Ross、P.L.、Lee、K. & Belgrader、P、『Anal.Chem.』69、4197−4202(1997年);Griffin、T.J.、Tang、W. & Smith、L.M.『Nature Biotech.』15、1368−1372(1997年);Koster、H.、Higgins、G.S. & Little、D.P.米国特許第6043031号明細書)。これらの方法は、既に同定された変位、SNP、または挿入/欠失の遺伝子型を決定するために用いられている。スピンカラム精製および/または磁気ビーズ技術、逆相精製、あるいはイオン交換樹脂が、質量分析法の前に適用されることが多い。
【0004】
GOOD assay(I.G.Gut and S.Beck、米国特許第6268812号明細書、I.G.Gut et al.、米国特許第6503710号明細書)は、検出のためにMALDI質量分析法を用いるSNP遺伝子型決定法である(Sauer et al.28、e13 and e100(2000年))。対立遺伝子の区別はプライマー伸長に基づいている。産物をよりMALDI分析に供しやすくするためには、プライマーの主な部分を質量分析の前に除去する。さらなる要素として、電荷によるタグ付けが含まれる。このことは、最終的な産物が、一価の正または一価の負の電荷のどちらかを帯びるように調整されるということを意味している。一般的に、このことは、ホスホロチオエート骨格をアルキル化することによって、また、プライマーの最後から二番目の塩基が第四級アンモニウム基を含んでいる場合に、行うことができる。第四級アンモニウム基を付加することで、マルチプレックスの設計についての選択肢が得られ、つまり、最適な分別および分離を行うために、個々のSNPを質量スペクトル中で上方または下方に動かすことができる。
【0005】
ヒトの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)は染色体6p21上にある遺伝子クラスターである。多くの疾病がゲノムのこの領域にある遺伝子との関連を示しているように、これはもっとも重要である。ヒト白血球抗原(HLA)をコードしている全ての遺伝子はMHCに属している。HLA遺伝子は非常に多様であり、組織移植、免疫力、および、糖尿病、乾癬、狼瘡、クローン病、結腸炎、関節炎などのような自己免疫疾患に関与している。HLAクラスI遺伝子は、HLA−A、HLA−B、HLA−Cなどである。HLAクラスII遺伝子はHLA−DR、HLA−DQ、HLA−DPなどである。
【0006】
HLAタイピング方法はそのアプローチによって大幅に異なる。血清検査を行うことができるが、限られた分別しか行うことができない。過去15年の間、MHCのDNA配列は幅広く研究され、現在では、細分別(high resolution)タイピングにおいて豊富なDNA配列情報が用いられている。DNAに基づくHLAタイピング方法は、さまざまな対立遺伝子に特異的なプライマーの組み合わせを用いてPCRを実施するSSA(sequence specific amplification、配列特異的な増幅)を範囲としている(米国特許第5545526号明細書)。プライマーは、存在している塩基の組み合わせをPCR産物のサイジングによって一義的に決定することができるように、組み合わせる。HLAのタイプを同定するために、複数の組み合わせが用いられる。手順は、組み合わせを段階的に使用して行い、それにより、まず大まかなクラス分けをし、該クラスから、特異的試薬を用いてさらに試験を行って更に細かくクラス分けを行う。また、この方法はSSP(sequence specific primers、配列特異的なプライマー)としても知られている。もう一つの方法はSSOP(sequence specific oligonucleotide probes、配列特異的なオリゴヌクレオチドプローブ、米国特許第6503707号明細書)と呼ばれている。ここでは、遺伝子座特異的なPCRが行われ、その後に配列特異的なオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションを行う。ここ10年の間にシーケンシング技術(および、とりわけ配列の読み取りのためのソフトウェア)が劇的に進歩したため、現在では、シーケンシングによってHLAのタイプを良好な程度で同定することも可能となっている(国際公開第98/35059号パンフレット)。実際、遺伝子座特異的PCRの産物がシーケンスされる。ここで生じる問題は、ヘテロ接合の個体が、分別することのできない不明瞭なハプロタイプのコールを生じさせることがあるということである(Robinson、J.;Waller、M.J.;Marsh、St.G.E.:“Exon Identities and Ambiguous Typing Combinations”;IMGT/HLA Database;2003年10月)。対立遺伝子特異的なPCRが含まれることで、確実性を得ることができる。分別には、遺伝子座ごとに複数の産物が生じ、シーケンスされることが必要とされる。しかし、シーケンシングの結果が複雑になることがあるため、対立遺伝子特異的なPCRを行わないときの解釈は煩雑なものになりうる。配列に基づくタイピングはすべて、実施するときに何回もの反復が必要である。基準となる鎖を介した構造解析(RSCA、Reference strand mediated conformation analysis)は、過去に知られていない配列をHLAに有する可能性のあるサンプルを研究するために用いられる方法である(Correl et al.、『Tissue Antigens』56、82−86、2000年)。最近のHLAタイピングの理論ならびに方法の発展に関する調査についてはPetersdorf et al.(『Tissue Antigens』61、1−11、2003年)を参照のこと。
【特許文献1】米国特許第6043031号明細書
【特許文献2】米国特許第6268812号明細書
【特許文献3】米国特許第6503710号明細書
【特許文献4】米国特許第5545526号明細書
【特許文献5】米国特許第6503707号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、発明者らは、ゲノムの高度に多型な領域におけるすべての親由来の小さなハプロタイプを同時に決定するための簡単な方法を提供することとした。この方法は、費用対効果のよい遺伝子型決定のプラットフォームで実施可能でなければならない。この方法は特に、HLAタイピングに適用可能でなければならない。可能な限り、頻出するHLA対立遺伝子および頻出しないHLA対立遺伝子を分別することが一つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、HLA遺伝子中の選択された位置番号で、親由来の対立遺伝子の両方において同時に特定の位置の短いDNA配列要素(2〜6塩基)を一義的に決定することによる、HLAタイピング方法であり、各位置について、a)特定の位置の上流のDNA鎖に、既知のすべての配列変異体に相補的なオリゴヌクレオチドの組み合わせ(プライマープール)をハイブリダイズする過程、b)停止アナログによって置き換えられた、四つのdNTP基質の少なくとも一つを用いてプライマー伸長反応を行う過程、c)質量分析法によって産物を分析する過程からなる方法であり、得られた質量によって、用いられたプライマーおよび付加された塩基を一義的に同定することができる方法である。
【0009】
本発明において、
−「HLA」とは、染色体6p21におけるヒト白血球抗原の遺伝子座を意味し、たとえば移植組織のレシピエントとドナーの間での適合度を判定するために用いられている、HLA遺伝子(HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DRB1など)で構成される。
−「HLAタイピング」とは、特定の遺伝子座において既知のHLA対立遺伝子(HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DRB1など)を同定することを意味する。
−「HLA対立遺伝子」とは、二つの親由来の染色体の一方における、遺伝子座内のヌクレオチド配列を意味する。
−「HLA−A」とは、HLA−A遺伝子のエクソン2およびエクソン3のDNA配列を意味する。
−「HLA−B」とは、HLA−B遺伝子のエクソン2およびエクソン3のDNA配列を意味する。
−「HLA−DRB1」とは、HLA−DRB1遺伝子のエクソン2のDNA配列を意味する。
−「多型」とは、さまざまな変異体に存在する、DNA配列中の個々の位置を意味する。
−「ハプロタイプ」とは、ゲノムの特定の領域における二つの対立遺伝子の一方のDNA配列を意味する。
−「小さなハプロタイプ」とは、一方の親由来の対立遺伝子における2〜6個の連続した塩基を意味する。
−「プライマープール」または「プライマーのプール」とは、一回のプライマー伸長反応で用いられるプライマーの集合を意味する。既知のHLA対立遺伝子のそれぞれに対して、配列が完全に相補的なプライマーが少なくとも一つプール中にある。このことによって、完全なアニーリングが保証される。プライマーの3’末端から4塩基以上離れたところにあるミスマッチは、これらの塩基のすべてがプライマー伸長反応の後に5’ホスホジエステラーゼによって除去されるため、GOOD assayの結果に影響を与えない。最後の少数の塩基中にミスマッチを有するプール中のプライマーは、DNAポリメラーゼによって伸長されず、したがって観察されることはない。
−「MALDI質量分析計」とは、サンプルの気化にはマトリクス支援レーザー脱離イオン化を用い、質量分離には飛行時間分析を用いる、質量分析計を意味する。
−「サブグループ」とは、選択された位置の最初の組を小さなハプロタイプに分けた結果同一である対立遺伝子を意味する。細分別タイピングでは、10回の小さなハプロタイプの決定で生じたサブグループを分別する。サブグループを分別するための基準は、a)それらが依然として二桁の異なるタイプの対立遺伝子を含んでいること、b)四つ以上の対立遺伝子を有するサブグループであること、c)頻出する対立遺伝子(下記の表参照)を有するサブグループであることである。
【0010】
これから、ゲノムの非常に多型的な領域における2〜6塩基の配列モチーフを決定する方法論を示すこととする。原則として、この方法は2〜6塩基の小さなハプロタイプを決定することに等しい。親由来の個々の小さなハプロタイプは、一回の反応で一義的に決定することができる。この方法論は、HLA−A、HLA−BおよびHLA−DRB1のHLAタイピングのために、選択された位置の組に適用される。ここで開示される組はさまざまな目的を有している。19個、19個および10個の位置からなる第一の組によって、一般集団において頻出する分化対立遺伝子であるか頻出しない分化対立遺伝子であるかを、HLA−A、HLA−BおよびHLA−DRB1のそれぞれにおいて最大数のHLA対立遺伝子について区別する。スクリーニングされた頻出する対立遺伝子は、HLA−Aについては、A*0101、A*0201、A*0301、A*2301、A*2402、A*2902、A*3001およびA*3002であり、HLA−Bについては、B*0702、B*0801、B*1302、B*1501、B*1801、B*3501、B*3503、B*4001、B*4402、B*4403、B*5101およびB*5701であり、HLA−DRB1については、DRB1*0101、DRB1*0301、DRB1*0401、DRB1*0701、DRB1*1101、DRB1*1104、DRB1*1302およびDRB1*1501である。マーカーのこの組により、HLA−Aでは93.4%〜100%、HLA−Bでは97.6%〜100%、そしてHLA−DRB1では97.2%〜100%の確実性で、頻出するHLA対立遺伝子を一義的に同定することができる。
【0011】
HLA−A、HLA−BおよびHLA−DRB1それぞれにおいて10個の位置からなる第二の組は、それぞれ、最大数のサブグループをもたらすものであり、該サブグループは、サブグループの特定の位置の組を加えることでさらに分別することができる。また、各遺伝子座において10個の位置を、上記の頻出するHLA対立遺伝子と残りのHLA対立遺伝子(頻出しない)とをもっともよく区別するということに基づいて選択した。この結果、遺伝子座に応じて2〜30個のHLA対立遺伝子を含むグループが得られた。各グループ内では、多くの位置を、グループ内でのHLA対立遺伝子間を分別するために試験することができる。追加的に分析する必要のある位置の数は、四桁の分解を行うためには1〜25にわたる。この技術によって、HLAタイピングを、実績のあるハイスループットの検出プラットフォーム(MALDI質量分析法)を用いて実質的に低いコストで実施することができる。
【0012】
本発明による方法の好ましい実施態様では、過程a)のDNA鎖は、PCRまたはローリングサークル複製のようなDNA複製手段によって産生される。
【0013】
各遺伝子座を選択的に増幅するための遺伝子座特異的PCR反応のセットは、国際組織適合性ワーキンググループ(International Histocompatibility Working Group)の技術マニュアル(Technical Manuals、www.ihwg.org/tmanual/Tmcontents.htm)に記載されている。
【0014】
本発明による方法の非常に好ましい実施態様では、プライマーの組み合わせ(プライマーのプール)は、わずかに異なった配列を含んでおり、その結果、HLA対立遺伝子の既知のすべての配列が、完全に適合するプライマーと組になる。
【0015】
プライマーのプールによって、少なくとも一つのプライマーが完全に適合することが保証される。プライマープールのハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドは、多型の位置の方へ伸長される。必要なことは、付加された塩基がプライマーの塩基組成と共に固有の質量を示すことである。質量分析の結果においてこの質量が検出されると、プライマーの相補的配列と付加された塩基の両方を含む配列が存在するということである。質量によってプライマープールのすべてのプライマーを区別可能にするために、さまざまな質量シフト物質をプライマーに加えることができる。このことを行うためのもっとも簡単な方法は、GOOD assayで用いられているような電荷/質量タグ付け技術を用いることである。プライマーの3’末端の最後から二番目の塩基はアミノ修飾されており、NHSエステルの化学反応を経てタグを加えるために用いられる。当然、プライマーのプールは、塩基一つ分だけわずかに異なっていることのあるプライマーを含んでいる。塩基の構成が同一である配列も、質量タグの適切な選択によってさらに区別することができる。また、3’末端から8個までの塩基にミスマッチを含んだプライマーは、たとえアニールしていたとしても、ポリメラーゼでは伸長されず、したがってスクリーニングされないことを発見した。これは、ミスマッチがあるときの、不十分なハイブリダイゼーション、または、DNAポリメラーゼが付着もしくは伸長を行わないことが原因である可能性がある。したがって、我々は、小さなハプロタイプの決定に二つの機能を用いることとした。すなわち、1)対立遺伝子特異的なハイブリダイゼーション、そして、2)対立遺伝子特異的なプライマー伸長である。伸長プライマーの3’末端から4塩基以上離れたところにあるミスマッチは、GOOD assayの5’ホスホジエステラーゼ消化段階において除去されているため、質量スペクトルがより複雑になるということはない。
【0016】
本発明による方法の好ましい実施態様では、質量シフトタグがプライマープールの個々のプライマー配列に加えられることで、停止塩基がひとたび加えられると該プライマー配列を一意に区別することができる。
【0017】
本発明による方法のもう一つの好ましい実施態様では、完全にハイブリダイズしたプライマーを、DNAポリメラーゼによってdNTPおよびddNTPまたはこれらのアナログの組み合わせで伸長することで、特定の停止後産物を生成することによって、既知の対立遺伝子の停止後産物を、それらの質量によって一意に区別することができるようにする。
【0018】
本発明による方法の好ましい実施態様では、GOOD assayが用いられる。これは典型的には一塩基プライマー伸長を適用するものであり、したがって、四つの停止塩基(ddNTP)、または、DNAポリメラーゼに対する抵抗性という点で同質の合成アナログのみが、プライマー伸長に用いられる。α−S−ddNTPは非常に適したアナログである。
【0019】
本発明による方法の好ましい実施態様では、質量分析法、特にMALDIまたはESI質量分析法が産物の質量分析のために用いられる。
【0020】
HLAタイピングについては、十分な情報内容を得るために、前記小さなハプロタイプの決定の解析の組を実施しなければならない。
【0021】
HLA−AのHLAタイピングについては、好ましい解析の組は、98位、414位、539位、282位、571位、368位、256位、292位、238位、270位、453位、527位、502位、81位、268位、559位、92位、123位および396位での解析である(エクソン1のcDNA配列の1位から開始されるHLA−A遺伝子の番号付けに従う。図1参照)。これにより、HLAタイピングの中分別(medium resolution)が行われる。選択のための入力基準は、HLA対立遺伝子の頻度である。
【0022】
いくつかのHLAタイプが一義的に同定される。
【0023】
これにならい、HLA−BのHLAタイピングについては、中分別を行うために、小さなハプロタイプの決定の解析によって以下の位置が好適に分析される:539位、419位、559位、412位、272位、362位、302位、363位、206位、369位、259位、97位、583位、292位、222位、527位、418位、435位および571位(エクソン1のcDNA配列の1位から開始されるHLA−B遺伝子の番号付けに従う。図2参照)。
【0024】
これにならい、HLA−DRB1のHLAタイピングについては、中分別を行うためには、小さなハプロタイプの決定によって以下の位置が好適に分析される:125位、196位、197位、227位、261位、286位、299位、308位、341位および345位(エクソン1のcDNA配列の1位から開始されるHLA−DRB1遺伝子の番号付けに従う。図3参照)。
【0025】
細分別の好ましい実施態様では、HLA−Aの98位、414位、539位、282位、571位、368位、256位、292位、238位および270位(エクソン1のcDNA配列の1位から開始されるHLA−A遺伝子の番号付けに従う。図4参照)のHLAタイピングが、サブグループ(HLA−A_A、HLA−A_B、HLA−A_C、HLA−A_D、HLA−A_E、HLA−A_F、HLA−A_G、HLA−A_H、HLA−A_I、HLA−A_J、HLA−A_K、HLA−A_L、HLA−A_M、HLA−A_NおよびHLA−A_O。表1参照)を作成するための小さなハプロタイプの決定に用いられる。
【0026】
好ましくは、サブグループHLA−A_A(対立遺伝子A*29010101およびA*29010102でエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、224位、268位、376位、502位、561位および616位が分析され、サブグループHLA−A_Bを分別するためには126位および526位が分析され、サブグループHLA−A_C(対立遺伝子A*24020101、A*24020102L、A*240203、A*2409NおよびA*2411Nでエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、81位、90位、92位、212位、214位、257位、265位、299位、302位、404位、420位、427位、453位、485位、489位および502位が分析され、サブグループHLA−A_Dを分別するためには、160位、200位、362位および524位が分析され、サブグループHLA−A_Eを分別するためには、180位、299位、301位、302位、346位、418位、453位、517位、524位、526位、527位、557位、559位および560位が分析され、サブグループHLA−A_Fを分別するためには、299位、301位、302位、341位および583位が分析され、サブグループHLA−A_Gを分別するためには、127位、341位、399位、480位、502位、503位、524位、526位、527位、553位、559位、560位および565位が分析され、サブグループHLA−A_Hを分別するためには、228位、233位、463位、519位、530位および583位が分析され、サブグループHLA−A_I(対立遺伝子A*680102およびA*6811Nでエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、102位、275位、317位、362位、418位、419位、497位、524位、555位、595位および618位が分析され、サブグループHLA−A_Jを分別するためには、92位、331位、453位、524位、559位、560位および564位が分析され、サブグループHLA−A_K(対立遺伝子A*02010101、A*02010102、A*020108、A*0209、A*0243NおよびA*0266でエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、78位、81位、123位、125位、142位、144位、194位、268位、294位、324位、355位、362位、396位、403位、419位、453位、456位、477位、493位、517位、524位、526位、527位、559位および560位が分析され、サブグループHLA−A_Lを分別するためには、113位、299位、301位、302位、308位、311位、523位、524位が分析され、サブグループHLA−A_Mを分別するためには、171位、363位、498位および559位が分析され、サブグループHLA−A_Nを分別するためには、376位、426位、527位、555位、557位および595位が分析され、そしてサブグループHLA−A_Oを分別するためには299位が分析される。
【0027】
【表1】

【0028】
細分別のための好ましい実施態様では、HLA−Bの539位、419位、559位、412位、272位、362位、302位、363位、206位および369位(エクソン1のcDNA配列の1位から開始されるHLA−Bの番号付けに従う。図5参照)のHLAタイピングが、サブグループ(HLA−B_A、HLA−B_B、HLA−B_C、HLA−B_D、HLA−B_E、HLA−B_F、HLA−B_G、HLA−B_H、HLA−B_I、HLA−B_J、HLA−B_K、HLA−B_L、HLA−B_M、HLA−B_N、HLA−B_O、HLA−B_P、HLA−B_Q、HLA−B_R、HLA−B_S、HLA−B_T、HLA−B_U、HLA−B_V、HLA−B_W、HLA−B_X、HLA−B_Y、HLA−B_Z、HLA−B_AA、HLA−B_AB、HLA−B_AC;表2参照)を得るための小さなハプロタイプの決定に用いられた。
【0029】
好ましくは、サブグループHLA−B_A(対立遺伝子B*0801およびB*0819Nでエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、259位、341位および473位が分析され、サブグループHLA−B_B(対立遺伝子B*44020101、B*44020102、B*4419NおよびB*4427でエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、106位、144位、222位、259位、273位、311位、313位、418位、445位、493位、528位および540位が分析され、サブグループHLA−B_Cを分別するためには、319位、416位、545位および572位が分析され、サブグループHLA−B_Dを分別するためには、106位、131位、165位、215位、243位、277位、292位、322位、481位、582位、603位および616位が分析され、サブグループHLA−B_E(対立遺伝子B*15010101およびB*15010102でエクソン2およびエクソン3が同一の配列)を分別するためには、106位、146位、165位、181位、238位、259位、263位、292位、328.1/329位(B*1579Nへのインサート)、379位、435位、453位、463位、485位、526位、571位、572位および583位が分析され、サブグループHLA−B_Fを分別するためには、142位、171位、255位、257位、395位、430位、544位、566位および572位が分析され、サブグループHLA−B_G(対立遺伝子B*270502、B*270504、B*2713でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、117位、247位、248位、277位、345位、418位、489位および527位が分析され、サブグループHLA−B_Hを分別するためには、134位、141位、200位、213位、259位、304位および527位が分析され、サブグループHLA−B_I(対立遺伝子B*510101、B*510105、B*5111N、B*5130およびB*5132でエクソン2が同一配列)を分別するためには、83位、141位、211位、222位、242位、322位、404位、414位、435位、463位、502位、527位、544位、571位、572位および583位が分析され、サブグループHLA−B_J(対立遺伝子B*400101およびB*400102でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、103位、142位、222位、243位、259位、292位、477位、486位および499位が分析され、サブグループHLA−B_K(対立遺伝子B*180101およびB*1817Nでエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、103位、259位、292位、295位、527位および583位が分析され、サブグループHLA−B_Lを分別するためには、320位および500位が分析され、サブグループHLA−B_Mを分別するためには311位、527位および583位が分析され、サブグループHLA−B_N(対立遺伝子B*350101、B*3540NおよびB*3542でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、119位、292位、259位、319位、425位、527位、546位および583位が分析され、サブグループHLA−B_Oを分別するためには、97位、142位、245位および527位が分析され、サブグループHLA−B_Pを分別するためには、97位および175位が分析され、サブグループHLA−B_Qを分別するためには、246位および277位が分析され、サブグループHLA−B_Rを分別するためには、246位、292位、311位および503位が分析され、サブグループHLA−B_Sを分別するためには、103位、261位、309位、311位および474位が分析され、サブグループHLA−B_T(対立遺伝子B*390101およびB*390103でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、97位、103位、106位、243位、259位、292位、404位および524位が分析され、サブグループHLA−B_Uを分別するためには、259位および320位が分析され、HLA−B_Vを分別するためには106位が分析され、HLA−B_Wを分別するためには97位が分析され、HLA−B_Xを分別するためには、97位、106位、257位、418位および463位が分析され、HLA−B_Yを分別するためには106位が分析され、HLA−B_Zを分別するためには106位および144位が分析され、HLA−B_AAを分別するためには、117位、247位、248位、283位、345位、418位、489位および527位が分析され、HLA−B_ABを分別するためには106位が分析され、そしてHLA−B_ACを分別するためには548位が分析される。
【0030】
【表2a】

【0031】
【表2b】

【0032】
好ましい実施態様では、HLAタイピング方法によりHLA−DRB1のグループA〜Pが分別される。
【0033】
細分別には、HLA−DRB1の125位、196位、197位、227位、261位、286位、299位、308位、341位および345位(エクソン1のDNA配列の1位から開始されるHLA−DRB1遺伝子の番号付けに従う。図6参照。)のHLAタイピングが、サブグループ(HLA−DRB1_A、HLA−DRB1_B、HLA−DRB1_C、HLA−DRB1_D、HLA−DRB1_E、HLA−DRB1_F、HLA−DRB1_G、HLA−DRB1_H、HLA−DRB1_I、HLA−DRB1_J、HLA−DRB1_K、HLA−DRB1_L、HLA−DRB1_M、HLA−DRB1_N、HLA−DRB1_O、HLA−DRB1_P;表3参照)を得るための小さなハプロタイプの決定に用いられる。
【0034】
非常に好ましい実施態様では、サブグループHLA−DRB1_Aを分別するためには、123位、174位、250位、278位および317位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Bを分別するためには、192位、203位、256位および259位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Cを分別するためには、256位、260位、317位および351位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Dを分別するためには、155位、204位、233位、239位、256位、304位、357位および366位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Eを分別するためには、122位、171位、257位および317位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Fを分別するためには、164位、167位、171位、230位、235位、306位、317位、321位および337位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Gを分別するためには、164位、257位、266位および303位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Hを分別するためには、164位、181位、188位、220位、229位、256位、266位、317位および318位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Iを分別するためには257位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Jを分別するためには181位、239位および357位が分析され、サブグループHLA−DRB1_K(対立遺伝子DRB1*110101およびDRB1*110102でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、122位、144位、239位、303位、317位、318位および321位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Lを分別するためには、118位、161位、257位、260位、318位および321位が分析され、サブグループHLA−DRB1_M(対立遺伝子DRB1*120101およびDRB1*1206でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、165位、257位、293位および303位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Nを分別するためには、177位、240位、256位、257位および357位が分析され、サブグループHLA−DRB1_O(対立遺伝子DRB1*150101およびDRB1*1513でエクソン2およびエクソン3が同一配列)を分別するためには、150位、175位、230位、236位および321位が分析され、そしてサブグループHLA−DRB1_Pを分別するためには、115位、220位および317位が分析される。
【0035】
本発明のもう一つの目的は、方法を実施するためのキットである。該キットは、プールされたプライマーの組み合わせで構成される。HLA−A、HLA−BおよびHLA−DRB1のプールに用いられるプライマー、ならびに遺伝子型決定産物の質量はそれぞれ、表4、5および6に示されている。CTは、プールのそのプライマーに付けられた、質量をシフトさせる質量タグを表している。
【0036】
本発明のもう一つの目的は、組織のドナーをスクリーニングするために本発明による方法を用いることである。
【0037】
好ましい実施態様では、登録されている骨髄ドナーに本発明による方法を用いて、頻出するHLAタイプおよび頻出しないHLAタイプをスクリーニングする。
【0038】
さらなる本発明の目的は、HLAタイピングを実施するための、表4、5および6に示されたプライマーの使用である。
【0039】
【表3】

【0040】
【表4a】

【0041】
【表4b】

【0042】
【表5a】

【0043】
【表5b】

【0044】
【表6】

【0045】
HLA−AおよびHLA−Bのそれぞれに対して19個のマーカーで得られる分別およびHLA−DRB1に対して10個のマーカーで得られる分別が、以下の表7から表9に示されている。
【0046】
【表7】

【0047】
【表8】

【0048】
【表9】

【0049】
HLA対立遺伝子と、もっとも詳細な情報を得ることのできる、小さなハプロタイプを決定するマーカー(HLA−A、HLA−BおよびHLA−DRB1それぞれに対して10個)によって得られたサブグループとの完全なリストが、以下の表10から表12に示されている。
【0050】
【表10a】

【0051】
【表10b】

【0052】
【表10c】

【0053】
【表10d】

【0054】
【表10e】

【0055】
【表11a】

【0056】
【表11b】

【0057】
【表11c】

【0058】
【表11d】

【0059】
【表11e】

【0060】
【表11f】

【0061】
【表11g】

【0062】
【表11h】

【0063】
【表11i】

【0064】
【表11j】

【0065】
【表12a】

【0066】
【表12b】

【0067】
【表12c】

【0068】
【表12d】

【0069】
【表12e】

【0070】
【表12f】

【0071】
【表12g】

【0072】
【表12h】

【0073】
【表12i】

【0074】
中分別タイピングのための通則的な方法を以下に説明する。
中分別タイピングのために、最大限に詳細な情報を得ることのできるマーカーの位置の組を決定した。これらは、HLA−Aの98位、414位、539位、282位、571位、368位、256位、292位、238位、270位、453位、527位、502位、81位、268位、559位、92位、123位および396位(番号付けはエクソン1の転写開始位置から開始している)、HLA−Bの539位、419位、559位、412位、272位、362位、302位、363位、206位、369位、259位、97位、583位、292位、222位、527位、418位、435位および571位(番号付けはエクソン1の転写開始位置から開始している)、そしてHLA−DRB1の125位、196位、197位、227位、261位、286位、299位、308位、341位および345位(番号付けはエクソン1の転写開始位置から開始している)から構成される。
【0075】
全般にわたって、位置の順序は、頻出するHLA対立遺伝子と頻出しないHLA対立遺伝子(上記の頻出するHLA対立遺伝子のリスト参照)とを選択する基準についてもっとも詳細な情報を得ることができるものから、もっとも情報が得られないものの順になっている。したがって、良好なタイピング方法のために選択される10個のマーカー(HLA−AおよびHLA−B)は、頻出するHLA対立遺伝子(HLA−A、HLA−B)と頻出しないHLA対立遺伝子(HLA−A、HLA−B)とを一度で分類するための19個のマーカーの組のうち、最初の10個のマーカーである。配列に基づくHLAタイピングを用いるときと同じように、分別できないHLA対立遺伝子のヘテロ接合の組み合わせがある。しかし、この方法では、小さいハプロタイプが得られるため、不明確さがより少ない。
【0076】
本発明のもう一つの目的は、本発明による前記方法を、組織ドナー、たとえば登録されている骨髄ドナーを、頻出するHLA対立遺伝子と頻出しないHLA対立遺伝子についてスクリーニングすることに使用することである。
【0077】
HLA対立遺伝子の説明は、Anthony Nolanデータベース(www.ebi.ac.uk/imgt/hla/)に基づいている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
前述した方法に加えて、本発明はさらに、裏付けとなる本発明による実施例に言及している以下の説明ならびに添付の図面および表によって明らかになる構成も含むものである。
【0079】
図1は、基準となるHLA−A対立遺伝子A*010101上にマップされた、HLA−Aの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、19個の位置を示している。黒のボックスは伸長する位置を示しており、灰色のボックスは、プライマープールの各プライマーによるアニーリングによって検出される多型を示している。プールはフォワード側およびリバース側で用いられる。番号付けはcDNAの転写開始にしたがっている。
【0080】
図2は、基準となるHLA−B対立遺伝子B*070201上にマップされた、HLA−Bの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、19個の位置を示している。黒のボックスは伸長する位置を示しており、灰色のボックスは、プライマープールの各プライマーによるアニーリングによって検出される多型を示している。プールはフォワード側およびリバース側で用いられる。番号付けはcDNAの転写開始にしたがっている。
【0081】
図3は、基準となるHLA−DRB1対立遺伝子DRB1*0101上にマップされた、HLA−DRB1の識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、10個の位置を示している。黒のボックスは伸長する位置を示しており、灰色のボックスは、プライマープールの各プライマーによるアニーリングによって検出される多型を示している。プールはフォワード側およびリバース側で用いられる。番号付けはcDNAの転写開始にしたがっている。
【0082】
図4は、さらに分析することのできるサブグループを区別するための、基準となるHLA−A対立遺伝子A*010101上にマップされた、HLA−Aの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、10個の位置を示している。黒のボックスは伸長する位置を示しており、灰色のボックスは、プライマープールの各プライマーによるアニーリングによって検出される多型を示している。プールはフォワード側およびリバース側で用いられる。番号付けはcDNAの転写開始にしたがっている。
【0083】
図5は、さらに分析することのできるサブグループを区別するための、基準となるHLA−B対立遺伝子B*070201上にマップされた、HLA−Bの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、10個の位置を示している。黒のボックスは伸長する位置を示しており、灰色のボックスは、プライマープールの各プライマーによるアニーリングによって検出される多型を示している。プールはフォワード側およびリバース側で用いられる。番号付けはcDNAの転写開始にしたがっている。
【0084】
図6は、位置HLA−B_272に対する、CEPHファミリー(1418、01=父、02=母、03=子、04=子)の遺伝子型決定の結果を示している。1407.3Daはプライマー6、7、8または9に対するCの付加に対応し、1422.3Daはプライマー6、7、8または9に対するTの付加に対応し、1431.4Da/1430.9Daはプライマー6、7、8または9に対するAの付加に対応し、そして、1447.4Da/1448.5Daはプライマー6、7、8または9に対するGの付加に対応している。
【0085】
表1は、さまざまなサブグループにおいて10個のマーカーによって検出されたHLA−A対立遺伝子と、サブグループを分別するためにタイプ決定する必要のある追加的な位置を示している。
【0086】
表2は、さまざまなサブグループにおいて10個のマーカーによって検出されたHLA−B対立遺伝子と、サブグループを分別するためにタイプ決定する必要のある追加的な位置を示している。
【0087】
表3は、さまざまなサブグループにおいて10個のマーカーによって検出されたHLA−DRB1対立遺伝子と、サブグループを分解するためにタイプ決定する必要のある追加的な位置を示している。
【0088】
表4は、HLA−Aの小さなハプロタイプの決定のためのプールを構成するために必要な個々のプライマーのリストを示している(19個のマーカー)。サブグループを作成するために必要な10個のマーカーも含まれている。^は質量/電荷タグを付けるために用いられる塩基を表し、CTは質量/電荷タグの質量の違いを表し、spはホスホロチオエート基を意味している。質量分析法によって分析される産物は、最も5’側のホスホロチオエート(sp)の5’側の塩基を含んでいる。
【0089】
表5は、HLA−Bの小さなハプロタイプの決定のためのプールを構成するために必要な個々のプライマーのリストを示している(19個のマーカー)。サブグループを作成するために必要な10個のマーカーも含まれている。^は質量/電荷タグを付けるために用いられる塩基を表し、CTは質量/電荷タグの質量の違いを表し、spはホスホロチオエート基を意味している。質量分析法によって分析される産物は、最も5’側のspの5’側の塩基を含んでいる。
【0090】
表6は、HLA−DRB1の小さなハプロタイプの決定のためのプールを構成するために必要な個々のプライマーのリストを示している(10個のマーカー)。^は質量/電荷タグを付けるために用いられる塩基を表し、CTは質量/電荷タグの質量の違いを表し、spはホスホロチオエート基を意味する。質量分析法によって分析される産物は、最も5’側のspの5’側の塩基を含んでいる。
【0091】
表7は、HLA−Aにおいて頻出するHLA対立遺伝子を区別するための、19個のマーカーで行うことのできる分別を示している。
【0092】
表8は、HLA−Bにおいて頻出するHLA対立遺伝子を区別するための、19個のマーカーで行うことのできる分別を示している。
【0093】
表9は、HLA−DRB1において頻出するHLA対立遺伝子を区別するための、10個のマーカーで行うことのできる分別を示している。
【0094】
表10は、サブグループを作り出すための、10個のマーカーで分別されるHLA−A対立遺伝子のリストを表している。各サブグループは空白行で隔てられている。頻出する対立遺伝子に濃い灰色で影をつけているのに対し、明るい灰色はプライマーが伸長していく位置を指示している。
【0095】
表11は、サブグループを作り出すための、10個のマーカーで分別されるHLA−B対立遺伝子のリストを表している。各サブグループは空白行で隔てられている。頻出する対立遺伝子に濃い灰色で影をつけているのに対し、明るい灰色はプライマーが伸長していく位置を指示している。
【0096】
表12は、サブグループを作り出すための、10個のマーカーで分別されるHLA−DRB1対立遺伝子のリストを表している。各サブグループは空白行で隔てられている。頻出する対立遺伝子に濃い灰色で影をつけているのに対し、明るい灰色はプライマーが伸長していく位置を指示している。
【実施例1】
【0097】
HLA−Bの272位における、修正されたGOOD assayによる、小さなハプロタイプの決定。
【0098】
HLA−Bのエクソン2およびエクソン3の遺伝子座特異的PCR産物を、国際組織適合性ワーキンググループの技術マニュアル(Hurly、Fernandes−Vina、Gao、Middleton、Noreen、Ren and Smith;www.ihwg.org/tmanual/Tmcontents.htm)によって公開されているプライマーの組を用いて増幅した。PCR産物をSAPと共にインキュベートすることで、すべての余分なdNTPを除去した。次に、PCR単位複製配列中の272位において一塩基プライマー伸長を実施した。小さなハプロタイプを作成するためのプライマーの組は表5に示している。その後、5’ホスホジエステラーゼ消化を行うことで、コア配列に対するプライマーを減少させた。小さなハプロタイプ断片のDNA骨格をアルキル化した後、産物を、マトリックスを事前に被覆させたMALDIターゲット上に移した。別の方法として、マトリックス溶液をサンプルと混合し、MALDIターゲット上に移して乾燥することもできる。MALDIターゲットをMALDI質量分析計に挿入し、分析した。質量スペクトルは、一つまたは二つの質量ピークを示しており、該ピークは特定の小さなハプロタイプに対応している。
【0099】
PCR:
フォワードプライマー、BAmp1 5’−G GGT CCC AGT TCT AAA GTC CCC ACG−3’(1.875pmol)、リバースプライマー、BAmp2 5’−CC ATC CCC GGC GAC CTA TAG GAG ATG−3’(1.875pmol)、BAmp3 5’−AGG CCA TCC CGG CGG GCG ATC TAT−3’(1.875pmol)、0.25μlの10×PCR緩衝液(HiFiプラチナTaq)、0.3μlのMgSO4(50mM)、0.2μlのdCTP、dATP、dGTPおよびdTTP(各2mM)それぞれの混合物、0.25Uの改変DNAポリメラーゼ(HiFiプラチナDNAポリメラーゼ;Invitrogen社)および5ngのDNAを水に溶解して3μlとした。サイクル:過程1:94℃で3分、過程2:94℃で20秒、過程3:64℃で30秒、過程4:72℃で30秒で、過程2から過程4を35回繰り返し、過程5:72℃で5分。
【0100】
SAP消化:
1.75μlの50mMのTris−HCIと0.25μlのSAP(USBコーポレーション、クリーブランド、アメリカ合衆国)をPCR産物に添加し、これを37℃で60分間インキュベートし、その後、SAP酵素を変性させるために90℃で10分間インキュベートした。
【0101】
一塩基プライマー伸長:
SAP処理したPCR産物に、2μlの伸長混合物を添加した。この混合物は15mMのMgCl2、それぞれ0.1mMの四つのα−S−ddNTP、5pmolの伸長プライマーの組および0.4UのThermosequenaseを含んでいる。サイクル:過程1:94℃で2分、過程2:94℃で15秒、過程3:58℃で20秒、過程4:72℃で20秒で、過程2から過程4を50回繰り返す。
【0102】
PDE消化:
伸長産物に、0.5ulの0.5Mの酢酸と1.5μlのPDE(5.1U)を添加し、37℃で少なくとも120分間インキュベートする。
【0103】
アルキル化:
アルキル化は、21μlのアルキル化混合物を添加し、40℃で15分間インキュベートして行う。アルキル化混合物は、377:15:75:174の無水アセトニトリル、2Mトリエチルアミン/CO2(pH〜7.5)、2mMのTris−HClおよびヨウ化メチルを含んでいる。
【0104】
アルキル化は、10μlの脱イオン水を加えて停止する。得られた5μlの上相を、10μlの40%アセトニトリルで希釈する。
【0105】
MALDIターゲットの調製とMALDI質量分析計での測定のために、0.5μlの最終的な希釈物を、事前にマトリックス(α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸メチルエステル)で被覆したMALDIターゲットに移した。測定はBruker Autoflexで、典型的には−18kVの加速電圧、200nsの遅延時間でのパルスイオン引き出し、そして直線検波モードでの検出で実施した。CEPHファミリー1418に対する結果は図6に示している。
【実施例2】
【0106】
GOOD assayによるHLA−DRタイピング。
HLA−DRBに対する遺伝子座特異的PCRを実施した。したがって、以下に示した対立遺伝子特異的プライマーの組を用いた。これらのプライマーはJ.Wu et al.によってhttp://www.ihwg.org/tmanual/TMcontents.htmの第10章のBに公開されている。
【0107】
【表13】

【0108】
このプライマーの組は、他のHLA−DRB鎖についての遺伝子を共増幅する高い危険性を伴い、不明瞭な結果につながる。しかし、これはHLA−DRB1のPCRについて現状で利用可能な最良の選択肢である。この問題を解決するためには、さらなるなミニハプロタイピング試験を追加することができる。HLA−DRB_122−126の小さなハプロタイプの決定の解析によって、HLA−DRB遺伝子が良好に分別され、HLA−DRB1のPCR産物のタイピングについて生じた結果を検証することができる。HLA−DRB1遺伝子の同定が可能であり、また、存在するその他の増幅されたHLA−DRB遺伝子の同定も可能である。以下に示したプライマーのリストをプライマー伸長反応に用いた。方法の詳細は実施例1と同じである。
【0109】
【表14】

【0110】
13の可能性のある小さなハプロタイプのうち、4つがHLA−DRB1以外の遺伝子を示した。センス方向でAACACである小さなハプロタイプGTGTT(1821.7Da)は、100%の確実度でHLA−DRB9遺伝子の共増幅を示した。センス方向でAGTATである小さなハプロタイプATACT(1760.8Da)は、すべてのHLA−DRB1*07対立遺伝子(HLA−DRB1*070102は除く)またはHLA−DRB5遺伝子の共増幅を示した。センス方向でAGTGTであるタイプTGTGT(1745.7Da)は、HLA−DRB4遺伝子もしくはHLA−DRB6遺伝子のすべての変異体の共増幅に対応した。最後に、センス方向でAGTCTであるタイプAGACT(1799.7Da)は、HLA−DRB1*1130とHLA−DRB1*1446の他に、HLA−DRB3遺伝子とHLA−DRB7遺伝子のすべての変異体の共増幅を示した。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】基準となるHLA−A対立遺伝子A*010101上にマップされた、HLA−Aの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる19個の位置を示した図。
【図2】基準となるHLA−B対立遺伝子B*070201上にマップされた、HLA−Bの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、19個の位置を示した図。
【図3】基準となるHLA−DRB1対立遺伝子DRB1*0101上にマップされた、HLA−DRB1の識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、10個の位置を示した図。
【図4】基準となるHLA−A対立遺伝子A*010101上にマップされた、HLA−Aの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、10個の位置を示した図。
【図5】基準となるHLA−B対立遺伝子B*070201上にマップされた、HLA−Bの識別のための小さなハプロタイプの決定の解析に用いられる、10個の位置を示した図。
【図6】位置HLA−B_272に対する、CEPHファミリー(1418、01=父、02=母、03=子、04=子)の遺伝子型決定の結果を示した図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLA−B遺伝子中の選択された位置番号で、親由来の対立遺伝子の両方において同時に特定の位置の短いDNA配列要素(2〜6塩基)を一義的に同定することによる、サブグループA〜Pを作成するための、HLA−DRB1のHLAタイピング方法であり、位置の組が、125位、196位、197位、227位、261位、286位、299位、308位、341位、および345位(エクソン1のcDNA配列の1位で開始されるHLA−DRB1遺伝子の番号付けに従う)からなり、各位置について、a)特定の位置の上流のDNA鎖に、すべての既知の配列変異体に対して相補的なオリゴヌクレオチド(プライマー)の組み合わせをハイブリダイズする過程、b)停止アナログで置き換えられた、四つのdNTP基質の少なくとも一つを用いてプライマー伸長反応を実施する過程、c)質量分析法によって生成物を分析する過程からなり、得られた質量によって、用いられたプライマーと付加された塩基を一義的に同定することが可能になるHLAタイピング方法。
【請求項2】
過程a)のDNA鎖がPCRまたはローリングサークル複製のようなDNA複製手段によって産生される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プライマーの組み合わせの配列がわずかに変化していることで、ハプロタイプのすべての配列が、完全に適合するプライマーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
質量シフトタグが個々のプライマー配列に加えられることで、停止塩基がひとたび付加されると該個々のプライマーを一意に区別可能にすることができる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
完全にハイブリダイズしたプライマーをDNAポリメラーゼによってdNTPおよびddNTPまたはこれらのアナログの組み合わせで伸長することで、特定の停止後産物を生成することにより、既知の対立遺伝子の区別可能な停止後産物が得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
GOOD assayが用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
MALDIまたはESI質量分析法が産物の質量分析に用いられる、請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
サブグループHLA−DRB1_Aを分別するためには123位、174位、250位、278位、および317位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Bを分別するためには192位、203位、256位、および259位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Cを分別するためには256位、260位、317位、および351位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Dを分別するためには155位、204位、233位、239位、256位、304位、357位、および366位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Eを分別するためには122位、171位、257位、および317位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Fを分別するためには164位、167位、171位、230位、235位、306位、317位、321位、および337位が分析され、サブグループHLA_DRB1_Gを分別するためには164位、257位、266位、および303位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Hを分別するためには164位、181位、188位、220位、229位、256位、266位、317位、および318位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Iを分別するためには257位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Jを分別するためには181位、239位、および357位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Kを分別するためには122位、144位、239位、303位、317位、318位、および321位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Lを分別するためには118位、161位、257位、260位、318位、および321位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Mを分別するためには165位、257位、293位、および303位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Nを分別するためには177位、240位、256位、257位、および357位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Oを分別するためには150位、175位、230位、236位、および321位が分析され、サブグループHLA−DRB1_Pを分別するためには115位、220位、および317位が分析される、請求項1に記載のHLAタイピング方法。
【請求項9】
表6に示されたプライマーのプールからなる、請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の方法を実行するためのキット。
【請求項10】
組織ドナーのスクリーニングを行うための、請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の方法の使用。
【請求項11】
登録されている骨髄提供者で、頻出するHLAタイプと頻出しないHLAタイプについてスクリーニングするための、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
HLA−DRB1のHLAタイピングを実施するための、表6に示されたプライマーのプールの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−200244(P2011−200244A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117721(P2011−117721)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【分割の表示】特願2006−540671(P2006−540671)の分割
【原出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(510184472)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【Fターム(参考)】