HMGB1に対する高親和性の抗体およびその使用法
脊椎動物の細胞から炎症促進性サイトカインの放出を阻害するための、および患者における炎症性サイトカインカスケードを阻害するための組成物および方法を開示する。前記組成物は、例えば、HMG1に特異的に結合する高親和性抗体、およびその抗原性フラグメントを含む。本発明の高親和性抗体、およびそれを含む薬剤組成物は、多くの目的で、例えば、敗血症(Sepsis)、関節リウマチ、腹膜炎、クローン病、再潅流傷害、敗血症(septicemia)、内毒素性ショック、嚢胞性線維症、心内膜炎、乾癬、乾癬性関節炎、関節炎、アナフィラキシーショック、臓器虚血、再潅流傷害、および同種移植片拒絶反応など、広範囲の炎症性疾患および障害に対する治療法として有用である。さらに本発明の高親和性抗体は、診断用の抗体として有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体がヒトHMGB1ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに39nM以下の解離定数(Kd)で結合する、ヒトHMGB1ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに特異的に結合する単離された抗体。
【請求項2】
前記抗体が、前記ヒトHMGB1ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに22nM〜39nMの解離定数(Kd)で結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗体が、ヒトHMGB1 Bボックスを含むポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記抗体が、ヒトHMGB1 Bボックスから成るポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記ヒトHMGB1 Bボックスが、配列番号3、配列番号28、および配列番号29から成る群から選択される、請求項3に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体が、配列番号4のヒトHMGB1 Aボックスから本質的に成るポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
前記抗体が、配列番号4のヒトHMGB1 Aボックスから成るポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、短鎖Fv(scFv)、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、細胞内抗体、および合成抗体から成る群から選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
前記抗体が、ヒト抗体、またはその抗原結合性フラグメントである、請求項1、2、3、4、5、6、7、または8に記載の抗体。
【請求項10】
前記抗体のpIが6.5〜9.5である、請求項1に記載の抗体。
【請求項11】
前記抗体のTmが65℃〜95℃である、請求項1に記載の抗体。
【請求項12】
前記抗体が、高移動度(HMG)タンパク質で処置した脊椎動物の細胞からの炎症促進性サイトカインの放出を阻害するものである、請求項9に記載の抗体。
【請求項13】
前記抗体をマウスに投与した場合に、マウスCLP敗血症モデルで少なくとも30%保護的である、請求項1に記載の抗体。
【請求項14】
前記抗体を齧歯動物に投与した場合に、少なくとも1つの齧歯動物関節症モデルで少なくとも30%保護的である、請求項1に記載の抗体。
【請求項15】
齧歯動物関節症モデルが、マウス受動的コラーゲン誘発性関節炎モデル、マウス能動的コラーゲン誘発性関節炎モデル、およびラットアジュバント誘発性関節炎モデルから成る群から選択される、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
前記抗体をマウスに投与した場合に、マウス腹膜炎モデルで少なくとも30%保護的である、請求項1に記載の抗体。
【請求項17】
請求項1に記載の抗体を生成する方法。
【請求項18】
請求項1に記載の抗体を含む抗体組成物。
【請求項19】
少なくとも1つの請求項1に記載の抗体の治療上有効な量を投与することを含む、炎症性サイトカインカスケードの活性化を特徴とする状態を処置するための方法。
【請求項20】
少なくとも1つの請求項9に記載の抗体の治療上有効な量を投与することを含む、関節リウマチを処置するための方法。
【請求項21】
a)好適な抗体−HMGB結合の条件下で、生物学的サンプルを請求項1に記載の抗体と接触させること、およびb)前記生物学的サンプルにおいて結合したHMGBを検出することを含む、炎症性サイトカインカスケードの活性化を特徴とする状態に対する治療の有効性を、診断し、予知し、またはモニターする方法。
【請求項22】
S2、S6、S16、およびG4から成る寄託された抗体の群から選択される抗体。
【請求項23】
請求項22に記載の寄託された抗体が、HMG1ポリペプチドと同等、またはそれを超える親和性を有する、寄託された抗体と同じエピトープに結合する抗体。
【請求項1】
抗体がヒトHMGB1ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに39nM以下の解離定数(Kd)で結合する、ヒトHMGB1ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに特異的に結合する単離された抗体。
【請求項2】
前記抗体が、前記ヒトHMGB1ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに22nM〜39nMの解離定数(Kd)で結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗体が、ヒトHMGB1 Bボックスを含むポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記抗体が、ヒトHMGB1 Bボックスから成るポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記ヒトHMGB1 Bボックスが、配列番号3、配列番号28、および配列番号29から成る群から選択される、請求項3に記載の抗体。
【請求項6】
前記抗体が、配列番号4のヒトHMGB1 Aボックスから本質的に成るポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
前記抗体が、配列番号4のヒトHMGB1 Aボックスから成るポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
前記抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、短鎖Fv(scFv)、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、細胞内抗体、および合成抗体から成る群から選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
前記抗体が、ヒト抗体、またはその抗原結合性フラグメントである、請求項1、2、3、4、5、6、7、または8に記載の抗体。
【請求項10】
前記抗体のpIが6.5〜9.5である、請求項1に記載の抗体。
【請求項11】
前記抗体のTmが65℃〜95℃である、請求項1に記載の抗体。
【請求項12】
前記抗体が、高移動度(HMG)タンパク質で処置した脊椎動物の細胞からの炎症促進性サイトカインの放出を阻害するものである、請求項9に記載の抗体。
【請求項13】
前記抗体をマウスに投与した場合に、マウスCLP敗血症モデルで少なくとも30%保護的である、請求項1に記載の抗体。
【請求項14】
前記抗体を齧歯動物に投与した場合に、少なくとも1つの齧歯動物関節症モデルで少なくとも30%保護的である、請求項1に記載の抗体。
【請求項15】
齧歯動物関節症モデルが、マウス受動的コラーゲン誘発性関節炎モデル、マウス能動的コラーゲン誘発性関節炎モデル、およびラットアジュバント誘発性関節炎モデルから成る群から選択される、請求項14に記載の抗体。
【請求項16】
前記抗体をマウスに投与した場合に、マウス腹膜炎モデルで少なくとも30%保護的である、請求項1に記載の抗体。
【請求項17】
請求項1に記載の抗体を生成する方法。
【請求項18】
請求項1に記載の抗体を含む抗体組成物。
【請求項19】
少なくとも1つの請求項1に記載の抗体の治療上有効な量を投与することを含む、炎症性サイトカインカスケードの活性化を特徴とする状態を処置するための方法。
【請求項20】
少なくとも1つの請求項9に記載の抗体の治療上有効な量を投与することを含む、関節リウマチを処置するための方法。
【請求項21】
a)好適な抗体−HMGB結合の条件下で、生物学的サンプルを請求項1に記載の抗体と接触させること、およびb)前記生物学的サンプルにおいて結合したHMGBを検出することを含む、炎症性サイトカインカスケードの活性化を特徴とする状態に対する治療の有効性を、診断し、予知し、またはモニターする方法。
【請求項22】
S2、S6、S16、およびG4から成る寄託された抗体の群から選択される抗体。
【請求項23】
請求項22に記載の寄託された抗体が、HMG1ポリペプチドと同等、またはそれを超える親和性を有する、寄託された抗体と同じエピトープに結合する抗体。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【公表番号】特表2008−520552(P2008−520552A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538027(P2007−538027)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/037734
【国際公開番号】WO2007/001422
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/037734
【国際公開番号】WO2007/001422
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(504333972)メディミューン,インコーポレーテッド (108)
【Fターム(参考)】
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