説明

HPPD阻害剤を含んでなる除草組成物及び芝草において雑草を防除するための方法

本発明は、HPPD阻害剤の除草上有効量、及びセーフナーを含んでなる組成物を使用して、芝草に対して顕著な障害を生じることなく、芝生における雑草を防除するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草に効果のある量のHPPD阻害剤、及びセーフナー(safener)を含んでなる組成物を使用しながら、芝草に顕著な被害を生じることなく、芝生において雑草を防除するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高品質で生育状態の良好な芝生は、例えば芝地、ゴルフコース、スポーツエリアのために必要不可欠であり、そして道路に隣接する。芝草植物と雑草との間の色彩及びテクスチャにおけるコントラストに起因し、雑草により芝生の質が低下する可能性がある。さらに、雑草は利用可能な水及び栄養に関して芝草植物と競争し、通常望ましい芝草の植生を菲薄することとなる。従って、高品質で、生育状態の良好な芝生を供する、芝草の質を増進するための新規な方法が必要である。
【0003】
HPPD阻害剤は、様々な作物に含まれる雑草に対する有効な除草剤として周知である。しかしながら、これらは一定の芝草種に対して、白化、葉枯れ(burning)及び成長阻害を含む植物毒性を生じる可能性がある。HPPD阻害剤が暖期の芝草に適用(application)される場合に、植物毒性は特に深刻である。従って、芝草、特に暖期の芝草に対するHPPD阻害剤の植物毒性を減少させることが必要である。
【0004】
WO2007/011847には、メソトリオンの粒剤が芝草に対するメソトリオンの植物毒性の減少に役立つことが開示されている。しかしながら、メソトリオンの芝生での安全性をさらに改善することが望ましい。
【0005】
驚くことに、一定のセーフナーと組み合わせて芝草に適用された場合に、除草性効果の損失なくHPPD阻害剤の植物毒性効果をさらに減少することができることが今日分かっている。特に、一定のセーフナーと組み合わせて適用された場合に除草性効果の損失なく、メソトリオン、或いはこれらの塩又は金属キレートの植物毒性効果をさらに減少することができることが分かっている。
【0006】
メソトリオンと様々な他の除草剤及び植物成長調節物質、さらに任意であるがセーフナーとの組み合わせによる混合物は、例えばWO08/011506、WO08/011509、WO08/011511、WO08/011283、GB2452374、GB2452375、GB2452376、GB2452377、WO09/019431、WO09/019432、WO09/027032、WO09/027029、WO09/027033、WO09/027030、WO09/027034、WO09/027031、WO09/027028、及びWO09/027027で周知である。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、顕著な障害を芝草に生じることなく芝草で雑草を防除する方法が提供され、この方法には、式I
【化1】

の化合物以外のHPPD阻害剤の除草上有効量、
並びにシプロスルファミド及び式IV
【化2】

の化合物から成る群から選択されるセーフナー(safener)化合物を含んでなる組成物を芝草に適用することが含まれ、但し、組成物は、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート(ethofumesate)及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;少なくとも1つのHPPD阻害剤、少なくとも1つの植物成長調節物質及び式IVの化合物;メソトリオン、アトラジン及びシプロスルファミド;メソトリオン、クロピラリド及びシプロスルファミド;メソトリオン、エトフメセート及びシプロスルファミド;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及びシプロスルファミド;メソトリオン、イマザキン及びシプロスルファミド;メソトリオン、オキサジアゾン及びシプロスルファミド;メソトリオン、ペンディメタリン及びシプロスルファミド;メソトリオン、プリミスルフロン及びシプロスルファミド;又は少なくとも1つのHPPD阻害剤、少なくとも1つの植物成長調節物質及びシプロスルファミドから構成されない組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
方法の別の実施形態では、組成物は、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;少なくとも1つのHPPD阻害剤、少なくとも1つの植物成長調節物質及び式IVの化合物;メソトリオン、アトラジン及びシプロスルファミド;メソトリオン、クロピラリド及びシプロスルファミド;メソトリオン、エトフメセート及びシプロスルファミド;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及びシプロスルファミド;メソトリオン、イマザキン及びシプロスルファミド;メソトリオン、オキサジアゾン及びシプロスルファミド;メソトリオン、ペンディメタリン及びシプロスルファミド;メソトリオン、プリミスルフロン及びシプロスルファミド;又は少なくとも1つのHPPD阻害剤、少なくとも1つの植物成長調節物質及びシプロスルファミド、を含まない。
【0009】
本発明のさらなる実施形態では、芝草に顕著な障害を生じることなく芝草で雑草を防除する方法が提供され、当該方法は、式I
【化3】

の化合物以外のHPPD阻害剤の除草上有効量、並びにシプロスルファミド及び式IVの化合物から成る群から選択されるセーフナーから本質的に成る組成物を芝草に適用することを含んでなる。適切には、組成物は式Iの化合物以外のHPPD阻害剤の除草上有効量、並びにシプロスルファミド及び式IVの化合物から成る群から選択されるセーフナーから構成される。
【0010】
HPPD阻害剤は、酵素4−ヒドロキシフェニル−ピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害する選択的除草剤であり、カロテノイド生合成に影響することによって作用する。式Iの化合物以外の任意のHPPD阻害剤は、本発明の方法に従って使用してよい。例えば、HPPD阻害剤は、トリケトン、イソキサゾール、ピラゾール、ベンゾビシクロン及びケトスピラドックスから成る群から選択してよい。トリケトン、イソキサゾール及びピラゾールに含まれる個々の化合物のさらに詳細なものは、PCT公開番号WO2005/053407(この開示は参照により明細書中に組み込まれている)において確認されるが、メソトリオン、スルコトリオン、イソキサフルトール、イソキサクロルトール、ベンキソフェナプ(benxofenap)、ピラゾリネート及びピラゾキシフェンが挙げられる。さらに、本発明において使用のための適当なHPPD阻害剤には、テンボトリオン、トプラメゾン、及び任意の上記化合物のあらゆる互変異性形態が含まれる。市販のあらゆるHPPD阻害剤の完全なリストは、駆除剤マニュアル(British Crop Protection Councilによって出版された14版)で確認される。
【0011】
本発明の一実施形態において、HPPD阻害剤は、メソトリオン、テンボトリオン及びトプラメゾンから成る群から選択される。本発明のさらなる実施形態において、HPPD阻害剤は、テンボトリオンである。本発明の他の実施形態において、HPPD阻害剤は、トプラメゾンである。本発明の他の実施形態において、HPPD阻害剤はメソトリオンである。
【0012】
メソトリオン(2−(2’−ニトロ−4’−メチルスルホニルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)は、HPPD阻害剤のトリケトンクラスのメンバーである。酸性形態において、その構造は、
【化4】

として表すことができる。
【0013】
酸性形態に加えて、メソトリオンはまた、塩及び金属キレート、例えば、銅キレートを形成する。これらの金属キレートは、とりわけ、米国特許第5,912,207(この開示は、参照により明細書中に組み込まれている)において開示され、キレート化されていないメソトリオンと比較した場合に、これらは一定の環境で意外にも優れた安定性を有することが示されている。
【0014】
メソトリオンは、発芽後にコーン及び芝草に適用される場合に、成長段階の広範囲において広葉雑草の広域スペクトルを制御するその安定性のため最も良く知られる。これは、適用時に存在しさらにその後最大4週間中に出現する雑草を防除するために、典型的に低率(適用タイミング時に、除草剤製剤に応じて、1ヘクタールあたり100〜225グラムの活性成分)で使用される。一度適用されると、メソトリオンは葉、芽、根及び種子によって急速に吸収される。感受性のある雑草において、これはカロテノイド生合成、植物の成長のための必須の過程を乱し、そしてこれにより植物死につながる。雑草と異なり、コーン植物及び一定の芝草種は、急速に活性化合物を分解して不活性化合物にすることによってメソトリオンに耐性を有することができる。
【0015】
本明細書で使用する場合、称呼「メソトリオン」には、メソトリオンの塩及びキレート化形態並びに酸性形態が含まれ、そしてまた幾何異性体を生じる任意のエノールの互変異性形態が含まれる。さらに、一定の場合には、様々な置換基及び/又はキレート化形態は、光学異性及び/又は立体異性の一因となる。このような全ての互変異性形態、ラセミ混合物及び異性体は、本発明の範囲に含まれる。
【0016】
本発明の一実施形態において、メソトリオンは酸性形態として存在する。さらなる実施形態において、メソトリオンは塩又は金属キレートとして存在する。
【0017】
メソトリオンの適当な塩には、農業又は園芸使用のための塩の組成の技術分野で周知且つ認められる陽イオン又は陰イオンの塩が含まれる。このような塩は、例えば、アミン、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基及び4級アンモニウム塩基を使用して形成されてよい。
【0018】
メソトリオンを含む2−(置換ベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン化合物の金属キレートは、とりわけ、米国特許第5,912,207号に説明される。一実施形態において、メソトリオンの適当な金属キレートは、一般構造:
【化5】

を有し、
ここで、Mは二価又は三価金属イオンを表す。
【0019】
好適には、二価又は三価金属イオンは、Cu2+、Co2+、Zn2+、Ni2+、Ca2+、Al3+、Ti3+又はFe3+イオンである。より好適には、金属イオンは、二価遷移金属イオン、例えばCu2+、Ni2+、Zn2+及びCo2+である。より好適には、金属イオンは、Cu2+及びZn2+、そして最も好適にはCu2+である。
【0020】
本発明における使用のためのメソトリオンの除草性金属キレートは、前述の米国特許において説明される方法、又は化学文献において使用又は説明される周知の方法の適用及び適応によって調製されてよい。特に、二価又は三価の金属イオン源となり得る任意の適切な塩は、本発明に従ってジオン化合物の金属キレートを形成するために使用してよい。特に適当な塩には、クロリド、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、フォスフェート及びアセテートが含まれる。
【0021】
語句「顕著な障害を芝草に生じることがない」とは、植物毒性、芝草のブリーチング又は成長阻害の容認できないレベル、及び/或いは芝草の色及び質において容認できない減少をもたらすことがないことを意味する。芝草の色及び質は、スケール1〜9に基づく業界基準アセスメントを使用し、9は芝生が濃緑色であり且つ最上質であることを意味する。芝草の質のアセスメントは、芝生群落の成長阻害、均一性及び密度を含む複数の要因に基づく。芝草の6以下の質は、容認できないものと見なされる。
【0022】
本明細書において使用される語句「芝草への適用」には、芝草それ自体への直接的な適用、芝草の場所への適用、芝草中で成長している雑草への適用、及び芝草の種子への適用、並びに芝草の種子が播種された又はされる裸地への適用が含まれる。「場所」には、土壌、種子、及び苗木並びに定着した植物が含まれることを意図とする。
【0023】
用語「除草上有効量」は、植物の成長に対する防除又は修正(modifying)効果をもたらすことができるHPPD阻害剤の量を意味する。防除又は修正効果には、自然な成長からのあらゆる逸脱、例えば:枯死、成長遅延(retardation)、葉枯れ、白化、矯化等が含まれる。例えば、枯死していない植物はしばしば発育が阻止され、且つ開花が阻害され競争力がない。用語「植物」は、種子、苗、幼樹、根、塊茎、茎、柄、葉及び果実を含む植物のあらゆる物質的部分を意味する。
【0024】
本明細書において使用される用語「セーフナー」は、除草剤の芝草に対する植物毒性効果を減少する化合物を意味する。従って、セーフナー(又は解毒剤)は、その植物毒性の芝草に対する潜在力を減少又は除去することによって、除草剤選択性を高める効果を有する。用語「解毒性上有効量」は、有益作物の除草剤に対するある程度の植物毒性応答を弱めるセーフナー化合物の量を表す。
【0025】
本発明の一実施形態において、セーフナーはシプロスルファミドである。本発明の他の実施形態において、セーフナーは式IVの化合物である。
【0026】
一実施形態において、組成物は液体である。液体組成物には、製剤タイプ、例えば溶液、懸濁液又はエマルション等が含まれる。
【0027】
他の実施形態において、組成物は固体である。固体組成物には、製剤タイプ、例えば、顆粒、粉体、粉末、プレート、錠剤、スティック等が含まれる。例えば、製剤は、顆粒としてよい。任意の適当な顆粒は、成長促進剤顆粒及び不活性担体顆粒を含んで、本発明に従って使用してよい。一実施形態において、顆粒は成長促進剤顆粒である。
【0028】
HPPD阻害除草剤のセーフナーに対する割合は、除草剤の選択、セーフナーの選択、製剤タイプ及び組成物が適用される多様な芝草種に応じて変化してよい。当業者は、任意のシナリオに対する適切な割合の決定を熟知している。典型的には、除草剤のセーフナーに対する割合は、重量で約50:1〜1:50の範囲である。一実施形態において、除草剤のセーフナーに対する割合は、重量で20:1〜1:1である。
【0029】
必要に応じて、本発明には、例えば雑草防除のスペクトルを高めるために、HPPD阻害除草剤の一つ以上の混合物の使用が含まれる。本発明と組み合わせて、例えば選択性を高めるために(すなわち、障害が減少された除草組成物を、望まれる芝草種のより広い範囲に提供するために)、セーフナーの一つ以上の混合物を使用することもまた可能である。
【0030】
特に、本発明の方法で使用するためのHPPD阻害除草剤とセーフナーとの次の混合物:メソトリオン及びシプロスルファミド;メソトリオン及び式IVの化合物;テンボトリオン及びシプロスルファミド;テンボトリオン及び式IVの化合物;トプラメゾン及びシプロスルファミド;並びにトプラメゾン及び式IVの化合物、が挙げられる。
【0031】
本発明の一実施形態において、HPPD阻害剤はメソトリオンであり、セーフナーはシプロスルファミドである。本発明のさらなる実施形態において、HPPD阻害剤はメソトリオンであり、セーフナーは式IVの化合物である。
【0032】
本発明の組成物が適用される割合は、防除される雑草の特定のタイプ、必要とされる防除の程度、芝草種並びに適用のタイミング及び方法次第である。通常、本発明の組成物は、0.005キログラムの活性成分/ha(kg/ha)〜約5.0kgの活性成分/haの適用割合で適用することができる。約0.1kg ai/ha〜約3.0kg ai/haの適用割合が好ましく、特に約0.5kg ai/ha〜1.2kg ai/haの適用割合が好ましい。
【0033】
本発明の組成物は、単子葉植物雑草及び双子葉植物雑草を含む、多数の農業上重大な雑草を防除するために使用してよい。
【0034】
例えば、本発明は、双子葉植物雑草、例えばアブチロン属(Abutilon spp.)、ブタクサ属(Ambrosia spp.)、アマランツス属(Amaranthus spp.)、アカザ属(Chenopodium spp.)、エリシマム属(Erysimum spp.)、トウダイグサ属(Euphorbia spp.)、ソバカズラ属(Fallopia spp.)、ヤエムグラ属(Galium spp.)、チドメグサ属(Hydrocoiyle spp.)、イポメア属(lpomoea spp.)、ラミウム属(Lamium spp.)、ウマゴヤシ属(Medicago spp.)、カタバミ属(Oxalis spp.)、オオバコ属(Plantago spp.)、ポリゴヌム属(polygonum spp.)、アカネ属(Richardia spp.)、キンゴジカ属(Sida spp.)、シナピス属(Sinapis spp.)、ナス属(Solarium spp.)、ステラリア属(Stellaria spp.)、タンポポ属(Taraxacum spp.)、シャジクソウ属(Trifolium spp.)、ベロニカ属(Veronica spp.)、ビオラ属(Viola spp.)及びオナモミ属(Xanthium spp.)を防除するために使用してよい。
【0035】
本発明はまた、単子葉植物雑草、例えばアグロスチス属(Agrostis spp.)、アロペクルス属(Alopecurus spp.)、アペラ属(Apera spp.)、アベナ属(Avena spp.)、ブラチアリア属(Brachiaria spp.)、スズメノチャヒキ属(Bromus spp.)、ディギタリア属(Digitaria spp.)、エチノクロア属(Echinochloa spp.)、エレウシネ属(Eleusine spp.)、エルコビエ属(Eriochloa spp.)、アゼガヤ属(Leplochloa spp.)、ロリウム属(Lolium spp.)、オトコロア属(Ottochloa spp.)、キビ属(Panicum spp.)、パスパルム属(Paspalum spp.)、ファラリス属(Phalaris spp.)、ポア属(Poa spp.)、ロトボエリア属(Rottboellia spp.)、セタリア属(Setaria spp.)、ソルガム属(Sorghum spp.)、任意のこれらの芝雑草の本質的に感受性且つ耐性(例えば、ACCase 及び/又はALS耐性)のあるいずれものバイオタイプ、並びに広葉単子葉植物雑草、例えばコメリナ属(Commelina spp.)、ミズアオイ属(Monochorea spp.)、オモダカ属(Sagittaria spp.)、及び例えばシペルス属(Cyperus spp.)等のスゲ並びにスキルプス属(Scirpus spp.)の防除のために使用してよい。
【0036】
より具体的には、本発明の組成物によって防除される雑草の中で、単子葉植物雑草、例えばイヌエビ(エチノクロア・クルス−ガル(Echinochloa crus-galli)、大メヒシバ及びキタメヒシバ(Digitaria sanguinalis, Digitaria ischaemum)、オヒシバ(Eleusine indica)、ベントグラス{コヌカグサ属(Agroslis spp.)}、キンエノコログサ(Setaria glauca)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculenlus)、ウインドグラス(windmillgrass)(Chloris verticillata)及びニンブルウィル(nimblewill)(Muhlenbergia schreberi)、並びに双子葉植物雑草、例えばタンポポ{タンポポ属(Taraxacum spp.)}、シロ及びムラサキツメクサ{シャジクソウ属(Trifolium spp.)}、ハコベ(Stellaria media)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)、カタバミ{カタバミ属(Oxalis spp.)}、ヘラオオバコ及び西洋オオバコ(Plantago lanceolala, Plantago major)、ダラーウィード(dollar weed)(Hydrocotyle umbellata)、ハシカグサモドキ(FL pusley)(Richardia scabr)、シロザ{アカザ属(Chenopodium spp.)}、タデ{ソバカズラ属(Fallopia spp.)}、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、ワイルドバイオレット{ビオラ属(Viola spp.)}、アカザ{アマランツス属(Amaranthus spp.)}、コメツブウマゴヤシ(Medicago lupulina)、ヘッジウィード(hedge weed)(Erysimum officinale)、キンポウゲ(Ranunculus sardous)、クルマバザクロソウ(Mollugo verticillata)、ナガバギシギシ(Rumex cripsus)、フロリダベトニー(florida betony)(Stachys floridana)、ハキダメギク(Galinsoga ciliala)、カキドウシ(Glechoma hederacea)、ウツボグサ(Prunella vulgaris)、メリケントキンソウ(Saliva sessilis)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、スベリヒユ(Portulaca oleracea)、ナズナ(Capsella bursa-pasloris)、ノゲシ(Sanchus oleraceus)、カラクサナズナ(Coronopus didymus)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、バーベナ(Verbena hastata)並びにノラニンジン(Daucus carota)が挙げられる。
【0037】
本発明の目的のために、用語「雑草」には、望ましくない作物種、例えば自生作物が含まれる。例えば、ゴルフ場等の芝草作物に関しては、緑の芝生を形成しているクリーピングベントグラスは、異なる多様な草が管理されるフェアウェイ区域で見られる場合には、「自生植物」と見なすことができる。以下に列挙する他の草は、都合の悪い場所で発見される場合に、同様に雑草とみなすことができる。
【0038】
本発明の利点は、定着した芝草中の雑草を枯死するために組成物が適用される場合に最も見られる。本発明は、寒期の芝草及び暖期の芝草いずれのものにも適用されてよい。
【0039】
寒期の芝草には、例えば:イチゴツナギ(Poci L.)、例えばケンタッキーブルーグラス(Poa prat ensis L.)、オオスズメノカタビラ(Poa trivialis L.)、コイチゴツナギ(Poa compressa L.)及びアニュアルブルーグラス(Poa annua L.);ベントグラス(Agrostis L.)、例えばクリーピングベントグラス(Agrostis palustris Huds.)、コロニアルベントグラス(Agrostis tenius Sibth.)、ベルベットベントグラス(Agrostis canina L.)及びコヌカグサ(Agrostis alba L.);フェスク(Festuca L.)、例えばクリーピングレッドフェスク(Festuca rubra L.)、チーイングフェスク(Festuca rubra var. commutata Gaud.)、シープフェスク(Festuca ovina L.)、ハードフェスク(Festuca longifolia)、トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)、メドーフェスク(Festuca elatior L.);ライグラス(Lolium L.)、例えばペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)、アニュアル(Italian)ライグラス(Lolium multiflorum Lam.);ウィートグラス(Agropyron Gaertn.)、例えばフェアウェイウィートグラス(Agropyron cristatum (L.) Gaertn.)、ヒメカモジグサ(Agropyron smithii Rydb.);スムースブローム(Smooth Brome)(Bromus inermis Leyss.);並びにオオアワガエリ(Phleum L.)が含まれる。
【0040】
暖期の芝草の例としては、バミューダグラス(Cynodon L. C. Rich)、ノシバ(Zoysia Willd.)、イヌシバ(Slenotaphrum secundatum (Walt.) Kuntze)、ムカデシバ(Eremochloa ophiuroides (Munro.) Hack.)、カーペットグラス(Axonopus Beauv.)、バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge.)、キクユグラス(Pennisetum clandestinum Hochst. ex Chiov.)、バッファログラス(Buchloe dactyloides (Nutt.) Engelm.)、センチピードグラス(Eremochloa spp)、ノシバ(Zoysia spp.)及びシーショアパスパラム(Paspalum vaginatum swartz)が挙げられる。
【0041】
暖期の芝草は、寒期の芝草よりも、HPPD阻害剤の適用による障害に対して、感受性が高い。一実施形態において、組成物は暖期の芝草に適用される。
【0042】
本発明は、育種又は遺伝子操作の従来の方法の結果として、害虫及び除草剤を含む駆除剤、又は除草剤のクラス(並びに、適切には、HPPD阻害除草剤)に耐性を有することとなった芝草に適用されてよい。除草剤耐性とは、特定の除草剤によって生じるダメージに対する感受性が、従来の芝草と比較して低下していることを意味する。芝草は、例えば、HPPD阻害剤、例えばメソトリオン、EPSPS阻害剤、例えばグリフォセート又はグルホシネートに耐性を示すように改良又は育種することができる。コーンは天然にメソトリオンに耐性があることに留意されたい。本発明の一実施形態において、芝草はHPPD耐性がある。
【0043】
本発明の組成物は、組合せが適用される作物に応じた、防除が望まれる場所への発芽前又は後の適用による望ましくない植物の成長の防除において有効である。従って、一実施形態において、本発明の除草組成物は発芽前に適用される。さらなる実施形態では、本発明の除草組成物は発芽後に適用される。
【0044】
本発明のHPPD阻害化合物及びセーフナーは、同時に又は任意の順序で連続して適用してよい。連続して投与される場合、成分は、任意の順序で、例えば、第一成分の投与の時間と最後の成分の投与の時間との間が24時間以内である適当なタイムスケールで投与されてよい。適切には、数時間のタイムスケール、例えば1時間内に全成分が投与される。成分が同時に投与される場合、これらは別々に又はタンク混合物として、或いは全成分の事前に製剤された混合物として投与されてよい。一実施形態において、本発明の混合物又は組成物は、種まきに先立った種子処理として作物に適用されてよい。
【0045】
本発明の方法が、HPPD阻害剤及びセーフナーの同時に製剤された組成物の芝草への適用を意味する場合、組成物はHPPD阻害化合物とセーフナーどちらも含んでなる。例えば、HPPD阻害化合物及びセーフナーは、他の全製剤成分と共に均一に混合されてよい。続いて成分は、固体製剤を形成するために圧縮、押し出し、又は顆粒化されてよい。あるいは、HPPD阻害化合物及びセーフナーは共に混合され、予め形成された固体製剤の表面にコーティングとして、又は顆粒に吸収されるように溶媒中に適用される。あるいはHPPD阻害化合物は、固体製剤を形成するために他の製剤成分と共に混合されて、セーフナーはその後当該固体製剤の表面に適用されてよく、逆もまた同様に可能である。あるいは、HPPD阻害化合物及びセーフナーは、「固体」組成物を形成するためにカプセル化された液体形態であってよい。
【0046】
本発明の方法が、1つはHPPD阻害剤を含んでなり、もう一方はセーフナーを含んでなる2つの組成物の、芝草への(同時の又は連続する)別々の適用を意味する場合、組成物のどちらか一方又は両方が固体製剤であってよい。
【0047】
実際には、本発明の方法で使用される組成物は、産業上周知又は使用される様々なアジュバント及び担体を含有する製剤として適用される。
【0048】
乳化可能な濃縮物は、水又は他の液体中に分散可能な均一な液体組成物であり、液体又は固体乳化剤を有して全体的に活性化合物から成るか、又は液体担体、例えばキシレン、重質芳香族ナフサ、イソホロン及び他の不揮発性有機溶媒を含んでよい。使用中は、これらの濃縮物は、水又は他の液体中に分散され、処理するための地帯に通常スプレーとして適用される。活性成分の量は、濃縮物の約0.5%〜約95%の範囲である。
【0049】
除草上の適用のための他の有効な製剤には、活性成分が目的の濃度で完全に溶解する溶媒、例えばアセトン、アルキル化ナフタレン、キシレン及び他の有機溶媒中の活性成分の単純溶液が含まれる。活性成分が低沸点の分散性溶媒担体の気化の結果として微粉化された形態で分散される加圧された散布器もまた、使用してよい。
【0050】
HPPD阻害剤とセーフナーとの製剤が固体製剤として適用される場合に、暖期芝草でより優れた芝草安全性のレベルが一般的に達成されることに留意されたい。従って、本発明の組成物は、顆粒(そして、適切には、安定化された顆粒)として、可溶性粉体として、粉体又は粉末として、流動性物質(flowable)として、或いは例えばマイクロカプセル等の放出制御製剤として製剤されてよい。これらの製剤は、活性成分をわずか約0.5重量%〜約95重量%又はそれ以上含有してよい。任意の所定の化合物に関する最適量は、製剤、適用装置及び防除される植物の性質によって決まる。
【0051】
可溶性粉体は、水中又は他の液状担体で容易に分散する微粉化された粒子形態である。粒子は、固体マトリックス中に保持される活性成分を含有する。典型的な固体マトリックスには、フラー土、カオリン粘土、シリカ及び他の容易に吸湿する有機又は無機固体が含まれる。可溶性粉体は通常、約5%〜約95%の活性成分、さらにその上少量の湿潤、分散剤又は乳化剤を含有する。
【0052】
顆粒製剤には、押し出し成形物と相対的に粗い粒子のどちらも含まれ、通常希釈なしに植物の抑制が目的とされる地帯へ適用される。粒剤のための典型的な担体には、成長促進剤、砂、フラー土、アタバルジャイト粘土、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、バーミキュライト、パーライト、カルシウム炭酸塩、ブリック、軽石、パイロフィライト、カオリン、白雲石、プラスター、木粉、挽いたトウモロコシ軸、挽いた落花生殻、砂糖、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、マグネシア、雲母、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、ジプサム、珪藻土、硫酸カルシウム、及び活性化合物を吸収する又は活性化合物でコートされることができる他の有機又は無機材料が含まれる。特に適当なものは、成長促進剤顆粒担体である。粒剤は通常、界面活性剤、例えば重質芳香族ナフサ、ケロシン及び他の石油画分、又は植物油、及び/又はステッカー、例えばテキストリン、接着剤又は合成樹脂を含む約5%〜約25%の活性成分を含有する。適切には、粒剤は、少なくとも1つのメソトリオンの金属キレート及びセーフナーを含有する、少なくとも1つの顆粒基板物質を含んでなる安定化された組成物であってよい。顆粒基板物質は、上述の典型的な担体の1つとすることができ、且つ/或いは成長促進剤物質、例えばウレア/ホルムアルデヒド成長促進剤、ウレア、塩化カリウム、アンモニウム化合物、リン化合物、硫黄、同様の植物栄養素及び微量栄養素並びにこれらの混合物或いは組合せとすることができる。メソトリオン金属キレート及びセーフナーは、顆粒が形成された後に、顆粒中に均一に分散され、或いは顆粒基質にスプレー含浸又は吸収されてよい。
【0053】
粉末は、微粉化された固体、例えばタルク、粘土、粉末及び分散剤及び担体として機能する他の有機及び無機固体を有する活性成分の流動性混合物である。
【0054】
マイクロカプセルは、典型的には、制御された割合で封入物質の周囲への放出が可能である、不活性の多孔性卵殻中に封入された活性物質の液滴又は顆粒である。カプセル化された顆粒は、一般的には、顆粒細孔開口をシールしている多孔性膜を有する多孔性の顆粒であり、顆粒細孔中に液体形態で活性種を保有する。顆粒は、典型的には、直径で1mm〜1cm、好適には1〜2mmの範囲である。顆粒は押し出し、凝集又は顆粒化によって形成され、或いは天然に生じている。このような物質の例としては、バーミキュライト、焼結された粘土、カオリン、アタバルジャイト粘土、おがくず及び顆粒炭素である。卵殻又は膜物質には、天然及び合成のゴム、セルロース系物質、スチレンブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン及びデンプンキサントゲンが含まれる。
【0055】
上述のこれらの製剤の多くには、湿潤、分散剤又は乳化剤が含まれる。例としては、スルホン酸及び硫酸アルキル及びアルキルアリール並びにこれらの塩、多価アルコール;ポリエトキシルアルコール、エステル及び脂肪族アミンが挙げられる。これらの剤は使用される場合、通常製剤の0.1〜15重量%含まれる。
【0056】
上述の製剤タイプの本発明において使用するための組成物の製剤化において有効である、適当な農業アジュバント及び担体は、当業者に周知のものである。異なるクラスの適当な例は、以下のリストにおいて確認されるがこれらに限定されない。
【0057】
使用することができる液体担体は、水、トルエン、キシレン、石油、ナフサ、穀物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、アセトニトリル、アセトフェノン、アミルアセテート、2−ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、アルキルアセテート、ジアセトンアルコール、1,2−ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p−ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール(diproxitol)、アルキルピロリジノン、酢酸エチル、2−エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1−トリクロロエタン、2−ヘプタノン、アルファピネン、d−リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ−ブチロラクトン、グリセロール、グリセロールジアセタート、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、イソアミルアセテート、イソボルニルアセテート、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、イソプロピルミリステート、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキサイド、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルラウレート、メチルオクタノエート、メチルオレエート、塩化メチレン、m−キシレン、n−ヘキサン、n−オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、O−キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール(PEG400)、プロピオン酸、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、p−キシレン、トルエン、トリエチルフォスフェート、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、ミネラルオイル、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、アミルアセテート、ブチルアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及び高分子量アルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、その他、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン等である。水は通常、濃縮物の希釈のために選択される担体である。
【0058】
適当な固体担体には、タルク、二酸化チタン、パイロフィライト粘土、シリカ、アタバルジャイト粘土、珪藻土、チョーク、珪藻土(diatomaxeous earth)、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイト粘土、フラー土、成長促進剤、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉末、リグニン等が含まれる。
【0059】
様々な界面活性剤が、組成物中で使用される。界面活性剤は、特性として陰イオン、陽イオン、非イオン又は重合体とすることができ、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤として又は他の目的のために使用することができる。典型的な界面活性剤には、硫酸アルキル塩、例えばジエタノールアンモニウムラウリル硫酸塩;アルキルアリールスルホナート塩、例えばカルシウムドデシルベンゼンスルホナート;アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加生成物、例えばノニルフェノール−C.sub.18エトキシレート;アルコールアルキレンオキサイド付加生成物、例えばトリデシルアルコール−C.sub.16エトキシレート;ソープ、例えばナトリウムステアレート;アルキルナフタレンスルホナート塩、例えばナトリウムジブチルナフタレンスルホナート;スルホスクシネート塩のジアルキルエステル、例えばナトリウムジ(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート;ソルビトールエステル、例えばソルビトールオレエート;4級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのブロック共重合体;並びにモノ及びジアルキルフォスフェートエステルの塩が含まれる。
【0060】
農業組成物において一般的に利用される他のアジュバントには、色素、抗酸化物質、発泡剤、遮光剤、相溶化剤、金属イオン封鎖剤、中和剤及び緩衝剤、腐食阻害剤、染料、着臭剤、展着剤、透過補助剤、微量栄養素、軟化剤、潤滑剤、固着剤等が含まれる。組成物はまた、微粒子成長促進剤担体、例えば硝酸アンモニウム、ウレア等と共に製剤することができる。
【0061】
本発明によれば、メソトリオン及び式IVのセーフナー化合物を含んでなる除草組成物であって、但し、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;又はメソトリオン、少なくとも1つの植物成長調節物質{例えば、トリネキサパク(trinexapac)エチル、プロヘキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、メピコートクロリド及びクロルメクエートクロリド}及び式IVの化合物から構成されない除草組成物が提供される。
【0062】
本発明によれば、メソトリオン及び式IVのセーフナー化合物を含んでなる除草組成物であって、但し、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;又はメソトリオン、少なくとも1つの植物成長調節物質及び式IVの化合物を含まない除草組成物もまた提供される。
【0063】
本発明によれば、活性成分としてメソトリオン及び式IVのセーフナー化合物から本質的に成る除草組成物が提供される。好適には、除草組成物は、活性成分としてメソトリオン及び式IVのセーフナー化合物から成る。
【0064】
本発明によれば、メソトリオン及び式IVのセーフナー化合物を含んでなる顆粒組成物が提供される。
【0065】
さらに、他の殺生物性の活性成分又は組成物は、本発明の除草組成物と組み合わされてよい。例えば、組成物は、活性スペクトルを拡大するために、HPPD阻害剤及びセーフナーに加えて、他の除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤及び/又は植物成長調節物質を含んでよい。特に、本発明の組成物は、グリフォセート、グルホシネート、ジカンバ、s−メトラクロール、アセトクロール及び2,4−Dから成る群から選択される除草剤をさらに含んでなる。
【0066】
上述の各製剤は、製剤(希釈剤、乳化剤、界面活性剤等)の他の成分と共に、除草剤を含有するパッケージとして調製することができる。
【0067】
これらの製剤は、防除が望まれる地帯に従来の方法によって適用することができる。例えば、定着した芝草への顆粒製剤の適用は、手持ち散布機、プッシュ散布機又はトラクターに取り付けられた散布機による散布を介したものであってよい。芝草が播種されている又はされる土壌の表面に適用される粉末又は顆粒組成物は、従来の方法、例えば注水、ディスキング(discing)、ドラッギング(dragging)又は混合操作によって土壌の表面下に分散することができる。
【0068】
本発明は、雑草防除が望まれる任意の状況において、例えば農耕地帯において、ゴルフ場で、運動場又は他の専門的に管理される芝草地帯において、或いは庭園において使用することができる。本発明は、芝草における雑草の選択的な防除に対して特に適当である。成長促進剤顆粒上にコーティングされる又は成長促進剤顆粒中に含浸されるメソトリオンとセーフナーとの混合物は、特に有効である。
【0069】
次の実施例は、単に説明することを目的とする。実施例は、実施される全体試験における必須のものとして意図とするものではなく、本発明を多少なりとも限定することを意図するものではない。当業者が周知の通り、除草性テストにおいて、容易に制御することができない顕著な数の要因が個々のテスト結果に影響し、再現性が得られない可能性がある。これらの結果は、例えば、環境要因、例えば、太陽光及び水の量、土壌タイプ、土壌のpH、温度及び湿度に応じて変化するかもしれない。また、種まきの深度、セーフナーに対する個々の及び組合せ除草剤の適用割合、セーフナーの適用割合、個々の除草剤の割合、並びにテストされている作物又は雑草の性質は、試験結果に影響し得る。結果は、芝草種(species)間及び芝草亜種(varieties)内で変化する。
【実施例】
【0070】
実施例1
メソトリオン{カリスト(Callisto)(登録商標)}液体製剤を、スプレー適用によって、セーフナーと共に又はなしで、バミューダグラス(Cynodon dactylon x C. dactylori)及びノシバ(Zoysia matrellct)に、以下の表に示すように様々な割合で適用した。成長阻害パーセンテージ、毒性パーセンテージ{白化及び/又はバーニング(burning)}を測定するために、適用後7、14及び21日目にアセスメントを行った。
【表1】

【表2】

【0071】
これらの結果は、暖期芝草に適用する場合に、メソトリオンの液体製剤を、式IVの化合物又はシプロスルファミドと組み合わせることによって、安全性が達成されることを示す。特に良好な安全性は、式IVの化合物と共に適用する場合に確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝草に対して顕著な障害を生じることのない、芝草における雑草を防除する方法であって、
式I
【化1】

の化合物以外のHPPD阻害剤の除草上有効量、
並びにシプロスルファミド及び式IV
【化2】

の化合物から成る群から選択されるセーフナー化合物を含んでなる組成物を芝草に適用することを含んでなる、方法、
但し、上記組成物が、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;少なくとも1つのHPPD阻害剤、少なくとも1つの植物成長調節物質及び式IVの化合物;メソトリオン、アトラジン及びシプロスルファミド;メソトリオン、クロピラリド及びシプロスルファミド;メソトリオン、エトフメセート及びシプロスルファミド;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及びシプロスルファミド;メソトリオン、イマザキン及びシプロスルファミド;メソトリオン、オキサジアゾン及びシプロスルファミド;メソトリオン、ペンディメタリン及びシプロスルファミド;メソトリオン、プリミスルフロン及びシプロスルファミド;或いは少なくとも1つのHPPD阻害剤、少なくとも1つの植物成長調節物質及びシプロスルファミドから構成されない。
【請求項2】
前記HPPD阻害剤が、メソトリオン、テンボトリオン及びトプラメゾンから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記HPPD阻害剤が、メソトリオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セーフナーが、シプロスルファミドである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記セーフナーが、式IVの化合物である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、固体である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、不活性又は成長促進剤顆粒である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記芝草が、暖期の芝草である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記芝草が、HPPD耐性がある、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
セーフナーに対する除草剤の割合が、20:1〜1:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
メソトリオン及び式IVのセーフナーの化合物を含んでなる除草組成物であって、但し、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;又はメソトリオン、少なくとも1つの植物成長調節物質及び式IVの化合物から構成されない、除草組成物。
【請求項13】
メソトリオン及び式IVのセーフナー化合物を含んでなる除草組成物であって、但し、メソトリオン、アトラジン及び式IVの化合物;メソトリオン、クロピラリド及び式IVの化合物;メソトリオン、エトフメセート及び式IVの化合物;メソトリオン、フェノキサプロップエチル及び式IVの化合物;メソトリオン、イマザキン及び式IVの化合物;メソトリオン、オキサジアゾン及び式IVの化合物;メソトリオン、ペンディメタリン及び式IVの化合物;メソトリオン、プリミスルフロン及び式IVの化合物;又はメソトリオン、少なくとも1つの植物成長調節物質及び式IVの化合物を含まない、除草組成物。
【請求項14】
メソトリオン及び式IVのセーフナー化合物を含んでなる顆粒組成物。
【請求項15】
グリフォセート、グルホシネート、ジカンバ、s−メトラクロール、アセトクロール及び2−4Dから成る群から選択される除草剤をさらに含んでなる、請求項12〜14のいずれか1項に記載の除草組成物。

【公表番号】特表2012−504567(P2012−504567A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529484(P2011−529484)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007098
【国際公開番号】WO2010/040485
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】