説明

HUSI―I型インヒビタ―の生物学的活性を有するタンパク質をコ―ドするDNA配列、前記DNA配列を含む組換え体クロ―ニングベクタ―及び前記ベクタ―により形質転換された細菌

【発明の詳細な説明】
(1) 序 本発明はHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質をコードする哺乳動物のゲノムからの、殊にヒトのゲノムからのDNA配列に関し、また組換え体DNA技術を用いるそのようなDNA配列を含むベクターのクローニングおよび発現に関する。
(2) 発明の背景 生体細胞および生物中で、酵素の活性は最初に酵素のドゥノボ合成および化学修飾により調節される。細胞または生物の改変環境態および同時に高活性の特異性酵素に対する速い適応が必要であるときに、常にこの酵素が多量にドゥノボ合成されることを意味しない。しばしば既に存在する酵素のプールが活性化される。例えば消化酵素(プロテアーゼ)がそれらの貯蔵形態、いわゆるチモーゲンから活性プロテアーゼに転移される。必要なときに血液凝固因子が同様に不活性貯蔵形態から生物学的活性形態に転移される。貯蔵酵素の公知活性化機構は特異性ペプチダーゼによる開裂、プロテインキナーゼによるリン酸化、ベシクルからの遊離およびアロステリック配位子によるタンパク質立体配座の変更である。過度の上記活性化反応および活性化酵素の長時間効果はこれらの酵素の制御された分解または特異的阻害により防がれる。例えば活性化プロティナーゼの生物学的活性はしばしば特異的プロティナーゼインヒビターにより阻害される。
過去数年中に種々のプロティナーゼインヒビターの臨床および病因の関連が認められた(1、2)。リソソームプロティナーゼインヒビターが敗血症、リウマチ型の慢性疾患並びに上肺系の疾患の療法に適することが認められた。しかし現在、これらの疾患の治療に使用できたと知られるプロティナーゼインヒビターは存在しない。差当り、プロティナーゼインヒビターアプロチニンが療法に使用されるだけである。アプロチニンは高フィブリン溶解により生ずる術後出血の処置およびショックの早期処置に使用される。
上記疾患の療法にはHUSI(ヒト−精漿インヒビター)−I型インヒビターが適当であることができよう。それらはタンパク質である。HUSI−I型インヒビターの群の例はプロティナーゼインヒビターHUSI−I、CUSI−I(子宮頸分泌インヒビター)およびBSI(気管支分泌インヒビター)である。
HUSI−Iはヒト精漿からの酸耐性プロティナーゼインヒビターであり、グラニュロザイト(granulozyt)のリソソーム顆粒からのプロティナーゼ例えばエラスターゼを阻害する。HUSI−Iは単に他の細胞内または細胞外プロティナーゼに対し低い阻害活性を示す。その分子量は約11,000である。HUSI−Iの部分アミノ酸配列はフリッツ(Fritz)(48)により発表された。
HUSI−Iのほかに、ヒト精漿中にさらに酸耐性プロティナーゼインヒビター、すなわちHUSI−IIが存在する(3)。その分子量は約6,500である。HUSI−IおよびHUSI−IIは全く異なる阻害スペクトルを有する。HUSI−IIの阻害活性はトリプシンおよびアクロシンに限定されるけれども、HUSI−Iの最も顕著な性質はグラニュロザイトのリソソーム顆粒からのプロテアーゼ例えばエラスターゼの特異的不活性化である。その異なる生物学的活性のためにHUSI−IIは従って非HUSI−I型インヒビターである。
酸耐性インヒビターCUSI−Iは子宮頸分泌物から分離された(4)。CUSI−Iの分子量はHUSI−Iとほゞ等しい。さらにHUSI−IおよびCUSI−Iは同様の阻害スペクトルを有する。オッテルロニー免疫拡散試験においてHUSI−IおよびCUSI−Iは抗HUSI−I抗体と免疫交差反応を示す(5、6)。最後に、HUSI−IおよびCUSI−Iのアミノ酸分析は単に断片的に知られた限りほゞ等しい(47)。
気管支分泌インヒビター(BSI)は気管支分泌物から分離された(41、44、45、46)。BSIの初めの25個のアミノ酸配列は(41)に不完全に発表された。BSIは約10,000の分子量を有する。免疫試験において、BSIはウサギ抗HUSI−I抗体と交差反応を示す(47)。BSIは酸耐性であり、プロティナーゼロイコザイト(leukozyte)エラスターゼ、カテプシンG、トリプシンおよびキモトリプシンを阻害する。
HUSI−I型インヒビターの生物学的活性は実質的に知られているけれども、今までのところ、これらのインヒビターはそれらが実質的に純粋な形態で十分な量入手できなかったので治療目的に使用できなかった。
(3) 発明の概要 従って本発明の基礎となる問題はHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質をコーディングするDNA配列を提供することである。
この問題は哺乳動物のゲノムから、殊にヒトのゲノムから誘導されるDNA配列を提供することにより解決され、それは、好ましくは緊縮条件下に第4図および(または)第5図記載のDNA配列にハイブリッド形成し、またHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質をコードする。
本発明における「HUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質」という語はインヒビターHUSI−I、CUSI−IまたはBSIの生物学的活性、すなわち、例えば天然タンパク質の免疫特性および(または)天然タンパク質の特異的阻害性を有する融合タンパク質および非融合タンパク質に関する。HUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有する本発明のタンパク質の阻害活性は後に酵素キモトリプシンの抑制の測定により決定される。「緊縮条件下のハイブリッド形成」および「普通のハイブリッド形成条件」という語に関しては(28)第387〜389頁およびボンナー(Bonner)ほか(28)が参照される。一般にTm−15〜Tm−30、好ましくはTm−20〜Tm−27が使用される。HUSSI−I、CUSI−IおよびBSIのアミノ酸配列の単に一部を含む融合タンパク質および非融合タンパク質は本発明においてHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質と称される。タンパク質のアミノ酸配列の部分領域はまた「ドメイン」と称される。
本発明の好ましい態様において、DNA配列はCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質をコードする。本発明のさらに好ましい態様において、DNA配列は第5図に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。
本発明の殊に好ましい態様はPstIフラグメントの形態でpRH31およびpRH34中に含まれる第4図および第5図に示されるDNA配列である。プラスミドpRH31およびpRH34はドイッチェ・サムルング・フュア・ミクロオルガニスメン〔Deutsche Sammlung f■ Mikroorganismen(DSM)〕にそれぞれ寄託番号DSM3634およびDSM3635で寄託された。プラスミドpRH31およびpRH34またはそれらから誘導されたフラグメントおよび合成オリゴヌクレオチドはHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質、例えばHUSI−IおよびBSIをコードする他のDNA配列の同定および分離に対するプローブとして適する。この結論は、今までのところ利用できるインヒビターHUSI−IおよびBSIの一次構造データが不完全であるけれども大きい類似を示すので専門家には可能である。これからDNAレベルにおける高い配列同族関係が予想される。この高い配列同族関係に基いて単に1つの遺伝子が3つのインヒビターのすべてをコードすること、および個々のインヒビターが組織特異性発現生成物であることを排除できない。
好ましくは緊縮条件下の、前記DNA配列の1つへのDNA配列ハイブリッド形成もまた本発明の目的に適する。該DNA配列は天然、半合成または合成由来であり、それらは突然変異、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入またはヌクレオチド領域の逆位による前記DNA配列の1つに関し、それらはHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質をコードする。
本発明の主題はさらに前記DNA配列のクローニングおよび発現のためのベクターである。本発明において「ベクター」という語は例えばプラスミド例えばpBR322、pUC18、pUR290、pWH701およびpSP6、あるいはウィルスのゲノムおよびそのフラグメントまたは誘導体、例えばλファージまたはファージM13のゲノムに関する。本発明の発現ベクター中に、発明のDNA配列が表現制御配列に適切に結合される。好ましい態様において遺伝子の5′端における表現ベクターは次の配列:

を有するDNAフラグメントを含む 本発明による表現制御配列(プロモーター系)として大腸菌(E.coli)lacプロモーター、大腸菌trpプロモーター、大腸菌リポタンパク質プロモーター、アルカリ性ホスファターゼプロモーター、λPLプロモーター、λPRプロモーター、酵母表現制御配列または他の真核細胞表現規制配列を用いることができる。本発明の殊に好ましいプラスミドはプラスミドpRH31(DSM3634)およびpRH34(DSM3635)である。他の殊に好ましいプラスミドはプラスミドpRH31、pRH34およびpRH1810(DSM3905)で構築することができるプラスミドpRH24、pRH21およびpBA17である。
さらに本発明の主題は前記ベクターで形質転換された宿主生物である。好ましい宿主生物は種大腸菌(E.coli)の株、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)または他の細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、他の顕微鏡的小真菌、動物またはヒト細胞である。
本発明の主題はさらにHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質にも言及する。前記タンパク質はCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を示す。殊に好ましい態様において、CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質は第5図に示されるアミノ酸配列を示す。
他の殊に好ましい態様において、CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質は次のアミノ酸配列:Pro−Val−Asp−Thr−Pro−Asn−Pro−Thr−Arg−Arg−Lys−Pro−Gly−Lys−Cys−Pro−Val−Thr−Tyr−Gly−Gln−Cys−Leu−Met−Leu−Asn−Pro−Pro−Asn−Phe−Cys−Glu−Met−Asp−Gly−Gln−Cys−Lys−Arg−Asp−Leu−Lys−Cys−Cys−Met−Gly−Met−Cys−Gly−Lys−Ser−Cys−Val−Ser−Pro−Val−Lys−Ala−OH。
を有する。
他の殊に好ましい態様においてCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質は次のアミノ酸配列:Asp−Pro−Val−Asp−Thr−Pro−Asn−Pro−Thr−Arg−Arg−Lys−Pro−Gly−Lys−Cys−Pro−Val−Thr−Tyr−Gly−Gln−Cys−Leu−Met−Leu−Asn−Pro−Pro−Asn−Phe−Cys−Glu−Met−Asp−Gly−Gln−Gys−Lys−Arg−Asp−Leu−Lys−Cys−Cys−Met−Gly−Met−Cys−Gly−Lys−Ser−Cys−Val−Ser−Pro−Val−Lys−Ala−OH。
を有する。
本発明のDNA配列によりコードされるタンパク質は、好ましくは実質上純粋なタンパク質である。
本発明はさらに、前記形質転換した宿主生物の1つを普通の栄養培地中で培養し、場合により遺伝子生成物の発現を誘発し、培養から、すなわち培養細胞からおよび(または)普通培地から発現生成物を分離し、場合により発現生成物をさらに制御酸加水分解条件下に処理して部分加水分解し、ゲルクロマトグラフィーにより水解物から所望の生物学的活性タンパク質を分離することを含む前記タンパク質の製造方法に関する。それらの用途により、得られたタンパク質を好ましくはクロマトグラフィー、例えばアフィティークロマトグラフィーまたは高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)あるいはこれらの方法の組合せによりさらに精製することができる。
本発明のDNA配列によりコードされたタンパク質およびタンパク質フラグメントは、特に慢性気管支炎、慢性頸部炎症の治療、並びに過剰の粘液分泌に関連する他の慢性炎症過程およびそれから生ずる急性緊急状態の治療に適する。それらはさらにショックの初期治療および、例えば高フィブリン分解に基く術後出血の治療に適する。相応して、HUSI−I型インヒビターの生物活性を有するタンパク質有効量並びに普通の担体および(または)希釈剤および(または)アジュバントを含む製剤組成物についても言及する。治療にはHUSI−I型インヒビターの生物学的活性を有するタンパク質は無菌等張溶液の形態で、筋肉内、静脈内または皮下注射により炎症領域に、場合により注入により投与することができる。上記製剤組成物において、スプレーの形態の製剤組成物または吸入製剤が好ましい。それらは活性成分の気管支の管および肺の疾患部への直接適用により気道の疾患の治療に殊に適する。
(4) 発明の説明 異質タンパク質を合成できる宿主生物を構築するために多くの実験段階を行なうことが必要である。最初に所望タンパク質の生合成に対する情報をもつ遺伝子を同定して分離する。遺伝子の同定および分離には種々の方法がある。例えばCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質をコードするDNA配列の分離には、まずHUSI−Iタンパク質の部分タンパク質配列データに基く合成オリゴヌクレオチドの2つの混合物を調製する。これらのオリゴヌクレオチドは6個のアミノ酸をエンコード(encode)するDNA配列に相補性である(第1図RH1およびRH2参照)。CUSI−I、HUSI−I(48)およびBSI(41)の一次構造に関する不完全なデータを基にして適当なオリゴヌクレオチド混合物を合成することができなかった。アミノ酸配列の公知データに対しトリプシンフラグメント、ブロモシアノフラグメントまたはNH2末端の化学的に不均一な混合物を基にして得られた(48)。そのように得られた部分配列はさらに本発明により決定されたCUSI−Iタンパク質のアミノ酸配列から30%以上偏位する。アミノ酸の配列中の既に1つの簡単な不正確に決定されたアミノ酸がこのアミノ酸配列から誘導されるオリゴヌクレオチドプローブの作用を生じないことができることは十分に立証されている。(48)中には例えばRH2の領域中のアミノ酸配列がCys−Ser−Met−Gly−Met−Cysであると記載されているが、しかしこの領域中の本発明により決定されたアミノ酸配列はCys−Cys−Met−Gly−Met−Cysである(第4図参照)。
本発明によれば、cDNAライブラリーは合成オリゴヌクレオチドの前記混合物を用いてスクリーンされる。これらのcDNAライブラリーは出発物質としてヒト頸部組織からmRNAで調製された。本発明によるcDNAライブラリー調製の出発物質として、またヒト肺の上部気道(死後10時間にとった剖検物質)の組織からのmRNAを用いることができる(7)。供与組織から分離されたmRNAは常法で相補性DNA(cDNA)分子の合成に使用され、それは最後にプラスミドpBR322のPstI部位に挿入される。そのように調製されたcDNA分子で宿主生物、例えば大腸菌K12DH1、を形質転換し、常法でテトラサイクリンを含む寒天平板上で培養する。CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質をコードするcDNA配列を有するプラスミドを含む形質転換宿主細菌のコロニーはハイブリッド形成実験、いわゆるコロニーハイブリッド法で同定される。この実験には、レプリカニトロセルロースフィルターを寒天平板上に成長する細菌コロニーから調製する、サヤー(Thayer)(8)参照。レプリカニトロセルロースフィルターを次いでワリス(Wallace)(9)に従い2つの前記オリゴヌクレオチド混合物でハイブリッド形成する。陽性コロニーから、組換え体cDNA含有プラスミドを分離する。プラスミド中のcDNA挿入の大きさが決定され、適当な大きさの挿入体を有するプラスミドはcDNA挿入体のDNA配列の分析により一層詳細に確認される。従って組換え体プラスミドpRH31が分離される。それはDSMに寄託番号DSM3634で寄託されている。さらに頸部組織試料のmRNAからプラスミドpRH31のDNA配列から誘導されたオリゴヌクレオチドで調製したcDNAライブラリーをスクリーニングし、ハイブリッド形成中のブローブとして作用させることにより組換え体プラスミドpRH34を分離する(第4図、RH5参照)。組換え体プラスミドpRH34の挿入体のDNA配列を決定すると、このプラスミドがCUSI−Iタンパク質をコードする全領域を含むことを知ることができる。組換え体プラスミドpRH34はDSMに寄託番号DSM3635で寄託された。
プラスミドpRH31およびpRH34中に含まれるcDNA配列の援助で次に発現ベクターが構築される。最初の組換え体プラスミドpRH24は中間体として作用する組換え体プラスミドpRH1810から調製される。組換え体発現プラスミドpRH24はCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質をコードするプラスミドpRH34の領域、並びにシャイン−ダルガルノ配列および翻訳由来をともに含む合成DNAフラグメントを含む。組換え体発現ベクターpRH24から誘導された発現生成物は第5図に示される全アミノ酸を含む。
さらに組換え体発現プラスミドpRH21が調製される。このため、Sau III AフラグメントがプラミドpRH31から切り出され、プラスミドpUR290のBamH I制限部位中へ挿入される。そのように構築された組換え体発現プラスミドpRH21から誘導された発現生成物はN末端がβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列からなり、59C−末端アミノ酸がCUSI−Iタンパク質の最後の59アミノ酸に相当する融合タンパク質である(第5図参照)。58アミノ酸の長さを有するポリペプチドを常法で、この発現生成物からアスパラギン酸−プロリン結合の酸加水分解により(例えば10〜70%の酢酸またはギ酸、好ましくは約30%酢酸または70%ギ酸で、約10〜30℃の範囲内の温度、好ましくは室温で、20〜40時間処理することにより)分離する。次いでゲルクロマトグラフィーにより精製する。この58アミノ酸の長さを有するポリペプチドはCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有する第5図に記載されるタンパク質のC−末端ドメインに相当する。
プラスミドpBA17は他の組換え体発現プラスミドとして構築される。このためBamH I/Hinf IフラグメントがプラスミドpRH1810から切り出され、末端を満たした後発現プラスミドpSP6に連結される。発現プラスミドは連結のためにHind III開裂並びに次のムングビーン(Mungbean)ヌクレアーゼおよびアルカリ性ホスファターゼによる処理により調製される。生じた組換え体発現プラスミドpBA17から得られる発現生成物は59個のアミノ酸からなる。その配列は第5図中の59C−末端アミノ酸の1つに相当する。発現生成物はCUSI−Iタンパク質の生物学的活性を示す。
相当する形質転換した宿主生物による前記タンパク質の発現は免疫沈殿10により、またはウエスターンブロット(Westernblot)分析11、12により示される。発現生成物の生物学的活性はプロティナーゼキモトリプシンの阻害により決定される。
図面には次のように示される:第1図:HPLCにより精製し、トリプシンによるタンパク質の酵素開裂により得られた天然CUSI−Iタンパク質のフラグメントのアミノ酸配列。
合成オリゴヌクレオチドの2混合物が誘導された配列領域はRH1およびRH2と称される。それらはアンダーラインされている。
第2図:プラスミドpRH31の制限地図。
組換え体プラスミドpRH31が制限部位、P=Pst I、E=EcoR I、B=BamH I、H=Hind III、とともに示される。黒バーはcDNA挿入体を示し、円中の矢はテトラサイクリン耐性遺伝子(tetr)および中断アンピシリン耐性遺伝子(amps)を示す。
第3図:プラスミドpRH31のcDNA挿入の配列化方策の図式。
黒バーはプラスミドpRH31の500bp−Pst Iフラグメントを示し、黒矢はそれぞれの場合において配列反応に相当する。白色非充填矢はCUSI−IをコードするcDNA挿入体上の領域を示す。
第4図:プラスミドpRH31のCUSI−I−cDNAフラグメントのヌクレオチド配列。
二重鎖DNA配列が示される。CUSI−I配列の読取り枠はcDNA挿入体の5′(G:C)ホモポリマー尾の直後に始まる。読取り枠は3文字記号で示される90個のアミノ酸をエンコードする。さらに停止コドンTGAの後に178個の塩基が示される。
第5図:プラスミドpRH34のCUSI−I−cDNAフラグメントのヌクレオチド配列。
二重鎖DNA配列が示される。DNA配列から誘導されたアミノ酸が3文字記号で示される。位置59〜133のヌクレオチドはCUSI−Iタンパク質のシグナルペプチドをエンコードする。
第6図:pRH1807(プラスミドpRH34のCUSI−I cDNAフラグメントを含む)のPst I挿入の配列化方策。
各矢は配列実験を示す。
H=Hind III、P=Pst I、B=BamH I。
第7図:調節可能プロモーターλPLの3′端にCUSI−I遺伝子をもつ発現ベクターpRH24の構築図式。
ampr:アンピシリン耐性遺伝子N−CUSI−I:CUSI−I−N末端をコードするDNAフラグメントC−CUSI−I:CUSI−I−C末端をコードするDNAフラグメントOLPL:バクテリオファージλの左オペレーターおよびプロモーター領域SD:シャイン−ダルガルノ配列またはリボソーム結合部位制限エンドヌクレアーゼの略号:B=BamH I、E=EcoR I、H=Hind III、Hae=Hae III、P=Pst I、Sph=Sph I。
第8図:プラスミドpRH34の制限地図。
組換え体プラスミドpRH34が制限部位、P=Pst I、E=coR I、B=BamH I、H=Hind III、Hae=Hae IIIとともに示されている。黒バーはcDNA挿入の位置を示し、円内の矢はテトラサイクリン耐性遺伝子(tetr)および破壊アンビシリン耐性遺伝子(amps)の位置を示す。
第9図:アミノ酸配列分析が生ずる興味ある観点。
配列の2つのシフトを無視すると分子中に存在する全システィン残基が、タンパク質を2つに分け、それらを相互の上に記したときに重ねることができる(アミノ酸1〜54と55〜107)。さらに、隣接アミノ酸がシスティン残基に関してしばしば保存されることが認められる。この観察に対して2つの異なる説明が存在する:(i)CUSIが2つのほぼ等しくたたまれたインヒビター活性セグメント、すなわちトリプシンに対するものとロイコザイトエラスターゼまたはキモトリプシンに対するもの、を含むことができる。
(ii)タンパク質はおそらく存在するドメインからの遺伝子コードのレベル上で形成され、従って両ドメインが互いに無関係に生じた。
第10図:β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質として部分CUSI−I配列の発現に対するクローニング方策。
黒バー部分CUSI−I配列を、非充填バーはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)を表わし、円内の矢はテトラサイクリル耐性遺伝子(tetr)またはアンビシリン耐性遺伝子(ampr)を示す。
P=Pst I、S=Sau3A、E=EcoR I、H=Hind III、B=BamH I、p=lacプロモータ、o=lacオペレーター。
第11図:C−末端CUSI−Iドメイン(=CUSI−I第2ドメイン)の発現のための発現ベクターpBA17の構築図式。
Ampr=アンピシリン耐性遺伝子Ptac=tacプロモーターTess=不活性テトラサイクリン耐性残基遺伝子rrnBT1T2=リポソームRNA遺伝子の転写ターミネーターシグナル用いた次の略号は次の意味を有する:A578 578nmにおける吸収DTT ジチオトレイトールBis N,N′,N′−メチレンビスアクリルアミドbp 塩基対D ドルトンDE(DEAE) ジエチルアミノエチルds cDNA 二重鎖cDNAdNTP デオキシヌクレオシド−5′−三リン酸EDTA エチレンジアミン四酢酸IgG 免疫グロブリンIPTG イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド32P 相対質量32のリンの同位体RPM 回転毎分32S 相対質量35の硫黄同位体SDS ドデシル硫黄ナトリウムss cDNA 一重鎖cDNATPEG p−アミノフェニル−I−チオ−β−D−ガラクトピラノシドTris トリスヒドロキシメチルアミノメタンU 酵素活性の単位サルコシン N−ラウリルサルコシンα−(32P)−dCTP αリン酸残基中に同位体32Pを有するデオキシシチジル−5′−三リン酸LB培地 10g/■酵素消化カゼイン〔シグマ(Sigma)〕、5g/■酵母エキス(シグマ)、8g/■NaCl、pH7.5に調整。
実施例において、下記の方法および示した物質が使用される。物質および方法はさらにマニアティス(T.Maniatis)ほか28に記載されている。
(i)酵素 制限エンドヌクレアーゼ〔ベテスダ・リサーチ・ラボラトリー(Bethesda Research Laboratory)(BRL)〕およびT4−DNAリガーゼ〔ベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)〕並びに仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(ベーリンガー・マンハイム)、T4−ポリヌクレオチドキナーゼ(ベーリンガー・マンハイム)およびムングビーンヌクレアーゼ〔ファルマシア(Pharmacia)〕は商業的に入手でき、製造者の指図書に従って使用される。末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(BRL)はセクション(vii)記載のように使用される。大腸菌DNAポリメラーゼ(BRL)、リボヌクレアーゼH(BRL)並びにAMV逆転写酵素〔ライフ・サイエンス(Life Science)は(13)に従って使用される。大腸菌ポリメラーゼI(クレノウフラグメント)(ベーリンガー・マンハイム)は(14)記載のように使用される。
(ii)微生物 グラム陰性およびグラム陽性株、例えば大腸菌またはバシラス・サチリス(Bacillus subtillis)の株はともにCUSI−Iの生物学的活性を有するタンパク質の発現のための微生物として使用できる。CUSI−Iの生物学的活性を有するタンパク質に対する構造遺伝子を含む適当なベクターとともに真核生物例えばサッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerivisiae)あるいは哺乳動物細胞に対する通常の発現系も同様に使用できる。本発明によれば大腸菌株K12MC1061λ15(DSMに寄託番号DSM3631で寄託)が完全天然CUSI−Iタンパク質の直接発現に使用される。遺伝子型は次のように規定することができる:ara D139、Δ(ara、leu)7697、Δlac X74、gal U-、gal K-、hsr-、hsm+、str A。本発明によれば大腸菌株K12JM101〔アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)に寄託番号ATCC33876で寄託〕がβ−ガラクトシダーゼとCUSI−Iタンパク質のC−末端ドメインとの間の融合タンパク質の発現に使用される。その遺伝子型は次のように規定することができる:Δ(lac pro)、thi、Str A、Sup E、end A、sbc B、hsd R-、F′tra、D36、pro AB、lac Ig、ZΔM15。合成cDNAの挿入後(実施例1(c)参照)に得られた組換え体プラスミドの分離には大腸菌K12DH1(ATCCに寄託番号ATCC33849で寄託)が使用される(17)。その遺伝子型は次のとお規定することができる:F-、res A1、end A1、gyr A96、thi−1、hsd R17(rk-、mK+)、sup E44、rel A1。プラスミドおよびλファージのプロモーターPLを含む新に構築された組換え体プラスミドを分離するために、大腸菌K12野生型W6菌を初めに形質転換する。これらの宿主細菌中でλPLプロモーターは絶えず温度耐性λリプレッサーによりブロックされる。大腸菌K12野生型W6はDSMに寄託番号DSM3632で寄託された。
(iii)ベクター 大腸菌の形質転換には、次の公知プラスミドが使用される。それらの若干は市販されている。
pBR322〔ATCC31344、(23)、ファルマシア(Pharmacia、Freiburg)〕
pUC18〔DSMに寄託番号DSM3424で寄託、(24)、ファルマシア(Pharmacia、Freiburg)
pUR290〔DSM3417、(25)〕
pWH701〔DSM3633、(26)
大腸菌K12JMB9のpRK248c I ts〔ATCC33766、(27)、(49)〕
pSP6(DSM3904)、およびPRH1810(DSM3905)。
当業者はまた当業者に知られた宿主生物との関連で本発明に使用できる他の適当なベクターに明るい。
(iv)ゲル電気泳動 DNAの長さにより、アガロースまたはポリアクリルアミドゲルがDNAフラグメントの分離に、使用される。800bp以上のDNAフラグメントはTAE緩衝液(40mM−Tris−酢酸塩、pH8.3、2mM−EDTA)中の1〜1.2%アガロースゲルで、800bp以下のDNAフラグメントはTBE緩衝液(60mM−Tris−塩基、60mMホウ酸、1mMEDTA、pH8.3)中の5%ポリアクリルアミドゲル〔アクリルアミド/ビスアクリルアミド(19:1)〕で分離される。cDNAの分離のための変性アガロースゲル電気泳動は例えばマクドネル(McDonnell)ほか(19)による1.2%アルカリ性アガロースゲル中で行なわれる。
mRNAの電気泳動分離は1.4%アガロースゲルおよび15mM水酸化メチル水銀で行なわれる。試料は電気泳動にかけ、ベイレイ(Bailey)ほか(20)の方法により変性することができる。SDS−ポリアクリルアミドゲル中のタンパク質の分離にはレムリ(Laemmli)(21)の方法が使用される。
(v)ゲル溶離法 1,000bp以下のDNAフラグメントの調製分離は5%ポリアクリルアミドゲル中で行なわれる。フラグメントの溶離はマクサム・アンド・ギルバート(22)に従って行なわれる。そのように分離されたフラグメントをそれぞれサブクローニングおよび配列分析に用いた。
(vi)RNAの分離 ヒト組織からの全RNAはマニアチス(Maniatis)ほか(28)の方法により分離される。全RNAの抽出の次にCsCl−勾配遠心分離し、DNAを分離する(29)。このため5.7M−CsCl3ml、100mM−EDTAを16mlベックマン(Beckman)−SW27遠心分離管に入れ、RNA溶液(1%N−ラウリルサルコシン中3〜4mg核酸、5mM−Tris−HCl、pH7.5、1mMEDTA、4g/4ml CsCl)4mlで覆い、ベックマンSW−27ローター中で15℃で17,000rpmで17時間遠心分離にかける。RNA沈降物をTE緩衝液(10mM−Tris−HCl、pH8.0、1mM−EDTA)中に再懸濁し、エタノールで沈殿させ、最後にアビブほか(Aviv and Leder)(30)に従いオリゴ(dT)セルロース(タイプ9、ファルマシア)によるポリ(A+)mRNAの強化のためにクロマトグラフィーにかける。mRNAを溶離液からエタノールで沈殿させ70%エタノール中に−70℃で保持する。mRNA分離物の生存力はウサギ網状赤血球リゼイト中の試験管内翻訳により(セクション(xvi)参照)、または変性ゲル電気泳動により調べることができる。そのように分離されたmRNAは次いでcDNA合成およびノザンブロット(Northern blot)分析に使用される。
(vii)cDNA合成 相補性一重鎖または二重鎖DNAはガブラー(Gubler)ほか(13)に従って合成される。合成収率はα−〔32P〕−dCTPの挿入によりスクリーニングし、生じたcDNA分子の長さは1.2%アルカリ性アガロースゲルおよび放射性標識標準DNA分子により決定される。cDNAの3′末端のオリゴ(dC)ホモポリマーによるテーリングは次の条件下に全量40μ■で行なわれる:100mM−K−カコジレート、pH7.2、10mM−CoCl2、1mM−DTT、500μM dCTP、1〜2mg/ml cDNA、600U/ml末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ。反応混合物を20で50分間インキュベートし、反応をEDTAの添加(最終濃度20mM)により停止させる。0.3M酢酸ナトリウム溶液からエタノールで沈殿させた後、沈殿したcDNAをTE緩衝液(10mM−Tris−HCl、pH8.0、1mM−EDTA)中に懸濁させ、Pst I−開裂3′−オリゴ(dG)テールプラスミドpBR322でハイブリッド形成する(100mM−NaCl、10mM−Tris−HCl、pH7.8、0.1mM−EDTA、0.1〜0.3ng/μ■ cDNA、1.2ng/μ■プラスミドDNA)。ハイブリッド形成にはこの混合物を次いで65℃で5分間、56℃で45分間、43℃で45分間および室温で15分間インキュベートする。次いでそれを形質転換に直接使用する(セクション(ix)参照)。
(viii)ノザンブロット分析 RNAを変性ゲル電気泳動にかけ、トーマス(Thomas)(31)に従いニトロセルロースフィルターに移す。前ハイブリッド形式および5′−標識オリゴヌクレオチドとのハイブリット形成は(9)記載のように行なうことができる(セクション(xi)参照)。非特異的に結合したオリゴヌクレチオドはハイブリッド形成後ニトロセルロースフィルターの洗浄により、例えばフィルターを室温で15分間、SSC緩衝液(900mM−NaCl、90mMクエン酸ナトリウム、pH7.0)中の融点の2℃下で3分間洗浄することにより除去することができる。融点はサグス(Suggs)ほか(32)に従って算出される。
(ix)大腸菌の形質転換およびプラスミドの分離 ドウノボ合成したcDNAを含む組換え体プラスミド(実施例1(c)参照)による形質転換のため大腸菌K12DH1のコンピテント細胞をハナハン(Hanahan)(17)に従って調製する。大腸菌K12種JM101、W6およびMc1061の細胞をマンデルほか(Mandel and Higa)(33)に従い形質転換する。プラスミドDNAは(34)記載の方法に従い1■培養から調製された。プラスミドの迅速分析はホルメス(Holmes)ほか(35)に従って行なわれる。
(x)オリゴヌクレオチド合成 オリゴヌクレオチドはホスホアミダイト(phosphoamidite)法(36)により合成される。オリゴヌクレオチドは、例えばシャンドン・ハイパーシル(Shandon−Hypersil)ODS(登録商標)(粒径5μm、カラムサイズ4.6×250mm)上の逆相クロマトグラフィーにより精製する。トリチル基を80%酢酸で除去した後、生成物を再び上記カラム物質上でクロマトグラフィーにかけ、5′端に標識した後20%ポリアクリルアミド中で分析する(セクション(xi)参照)。この方法により2つのオリゴヌクレオチド混合物、すなわちRH1およびRH2が合成される。これらのオリゴヌクレオチド混合物はともにプローブとして使用される。2混合物中のオルゴヌクレオチド分子の配列はHUSI−Iタンパク質のトリプシンフラグメントの適当なアミノ酸配列から誘導される(第1図参照)。これらのフラグメントのアミノ酸配列はマチレイト(W.Machleidt)(50)に従って決定された。単に若干のトリプシンフラグメントおよび若干のブロモシアノフラグメントの分析により公知HUSI−I配列を補正することにより、本発明のオリゴヌクレオチド混合物に到達することが可能になった。オリゴヌクレオチド混合物はいわゆる「混合プローブ」、すなわち遺伝子コードの退化に基く規定された位置中で異なるオリゴヌクレオチドの混合物である(9)。通常の「混合プローブ」の不利益はHPLCによるオリゴヌクレオチドの高精製により、並びにその定量的32Pリン酸化により補うことができた。オリゴヌクレオチド混合物RH1はCUSI−Iタンパク質のトリプシンフラグメントT2のアミノ酸配列に相当する(第1図参照)。従って、オリゴヌクレオチド混合物は各17塩基の長さを有する16種の異なるオリゴヌクレオチドを含む。配列は次のとおりである。


オリゴヌクレオチド混合物RH2はHUSI−Iタンパク質のトリプシンフラグメントT3のアミノ酸配列に相当する(第1図参照)。従って、各17塩基の長さを有する32種の異なるオリゴヌクレオチドが合成される。それらは次の配列を有する:

(xi)DNAの放射性標識化 化学合成オリゴヌクレオチドおよび二重鎖脱リン酸化DNAフラグメントのリン酸化は酵素T4−ポリヌクレオチド−キナーゼで20〜50μ■反応体積〔50mM−Tris−HCl、pH9.5、20mM−MgCl2、1mM−EDTA、10〜20pmol 5′−OH端基質、8μ■ γ−〔32P〕ATP(〜8,000Ci/mmol)、0.2U/μ■ T4−ポリヌクレオチド−キナーゼ〕中で行なわれ、次に非転化γ−〔32P〕−ATPが調製用ゲル電気泳動、次にゲル溶離およびDE52(ジアミノジエチルセルロース)〔ワットマン(Whatman)〕上のイオン交換クロマトグラフィーにより分離される。DNA制限フラグメントの5′−突出端をフォルケルト(Volkert)ほか(14)に従って相補性α−〔32P〕−デオキシリポヌクレオシド三リン酸の存在下に大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで満たすことができる。組込まれないα−〔32P〕−dNTPsはセファデックス(Sephadex)G−50上のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分離され、溶離画分を減圧下に濃縮する。
(xii)DNA配列分析 DNA分子の配列はマクサム・アンド・ギルバート(Maxam and Gilbert)(22)に従って決定される。
(xiii)β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の精製 CUSI−I−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質はウルマン(Ullmann)(37)に従ってアフィニティークロマトグラフィーにより精製される。
(xiv)タンパク質のニトロセルロースフィルターへの移動 SDS−ポリアクリルアミドゲル中で分離されたタンパク質はトウビン(Towbin)ほか(12)に従いニトロセルロースフィルターに移される。
(xv)CUSI−I阻害試験 CUSI−Iの生物学的活性を有するタンパク質の活性はトリプシン(38)およびキモトリプシン(39)の阻害の測定により示される。
(xvi)mRNAの無細胞翻訳 網状赤血球リゼイト中のmRAの無細胞翻訳はペルハム(Pelham)ほか(40)に従って、放射性標識アミノ酸として1200Ci/mmolの比活性を有する35S−メチオニンを用いて行なわれる。
実施例は発明の例示である。
実施例1部分CUSI−Iタンパク質−特異性cDNAクローンのクローニングおよび同定(a)mRNAの分離および確認 全RNAまたはmRNAをヒト頸部組織(生検物質)からセクション(vi)記載のように分離する。約1.6〜2.2mgの全RNAが14〜17gの頸部組織から得られる。オリゴ(dT)−セルロース(タイプ9、ファルマシア)でアフィニティ−クロマトグラフィーによりポリ(A+)−mRNAを強化後、20〜25μg mRNA/mg全RNAが得られる。これは約2.0〜2.5%mRNAの収率に相当する。変性アガロースゲル中のゲル電気泳動分析によりRNAが分離中に分解しないことが示される。相当する結果はまたウサギ網状赤血球リゼイト中の全およびポリ(A+)−mRNAの試験管内翻訳から得られる。
(b)CUSI−Iタンパク質−特異配列の検出のための合成オリゴヌクレオチドによる分離したmRNAのノザンブロット分析 ノザンブロット分析は頸部mRNA分離物中の特異mRNA配列の確認のために行なわれる。アミノ酸Phe−Cys−Glu−Met−Asp−GlyをコードするmRNAと相補性であるオリゴヌクレオチド混合物RH1(第1図参照)はハイブリッド形成プローブとして作用する。ハイブリッド形成中に得られたニトロセルロースフィルターにX線フィルム〔「コダック(Kodak)X−o−mat−AR」〕にさらすことにより特異性シグナルが検出される。オリゴヌクレオチド混合物RH2で陽性シグナルが認められなかったけれども、混合物のオリゴヌクレオチド配列の1つは後に(配列化後)右配列であると示された。
ハイブリッド形成mRNA種の分子の大きさをDNA標準分子と変性ゲル中で比較するとハイブリッド形成mRNAの長さが約650〜800塩基であることが認められる。
(c)プラスミドpBR322によるcDNAライブラリーの調製 4〜6μgのポリ(A+)−mRNAをcDNA合成の出発物質として用いる。一重鎖cDNAは約280ng(約7%)である。合成一重鎖cDNA分子は約400〜2,500ヌクレオチドの大きさを有する。280ngのSS cDNAから、約270ngの二重鎖cDNAが第2鎖を合成するときに得られる。従って、二重鎖合成の収率は約50%である。cDNA分子の3′端がホモポリマー(dC)領域でテーリングされる。得られたcDNA分子はハイブリッド形成反応中に、Pst I開裂され3′端にホモポリマー(dG)領域でテーリングされたプラスミドpBR322の分子に付加する。付加生成物は大腸菌K12DH1の形質転換に使用される。次いで形質転換細胞をテトラサイクリン耐性およびアンビシリン感受性について選択する。用いた毎ng cDNA当り120形質転換細胞(12,000形質転換細胞/100ng ds cDNA)が得られる。テトラサイクリン耐性およびアンピシリン感受性形質転換細胞またはコロニーの割合は約80%である。これらの形質転換細胞は貯蔵培養(培地:LB培地)、10g/■酵素消化カゼイン(シグマ)、8g/■ NaCl、pH7.5、5g/■酵母エキス(シグマ)、20μg/mlテトラサイクリン、20%グリセリン)としてミクロタイタープレート(98ウエル/プレート)中で培養し、−20℃で保つ。
(d)CUSI−Iタンパク質特異性cDNAによる組換え体プラスミドの同定 上記のように得られた6,000形質転換細胞の分析のため、コロニーハイブリッド形成がオリゴヌクレオチド混合物RH1で行なわれる。オリゴヌクレオチド混合物の活性は0.8μCi/pmolの比活性でハイブリッド形成体積中約1×106cpmである。X線フィルムをハイブリッド形成中に得られたフィルターの各−70℃で、2補強スクリーンの存在下に12時間さらす。陽性シグナルが検出される。相当する形質転換細胞の貯蔵培養から出発し、pRH31と称される組換え体プラスミドが0.5■培養〔LB培地、10g/■酵素消化カゼイン(シグマ)、10g/■ NaCl、5g/■酵母エキス(シグマ)、pH7.5、20μg/mlテトラサイクリン〕から調製される。制限エンドヌクレアーゼPst I、EcoR I,BamH I並びにHind IIIの使用による組換え体プラスミドpRH31の制限地図が得られる(第2図参照)。cDNA挿入体は500bpの長さを有する(第2図参照)。プラスミドpHR31はDSMに寄託番号3634で寄託された。
(e)rRH31のcDNA挿入体の配列分析 マクサム・アンド・ギルバード(22)に従う配列化のためにプラスミドpRH31からのPst Iフラグメント(500bp)をプラスミドpUC18中へ再クローンする。このためpRH31のDNA10μgを制限エンドヌクレアーゼPst I 30Uで開裂し、アガロースゲル上で調製的に分離し、得られた500bpフラグメントをゲルから溶離する。さらにプラスミドpUC18のDNA10μgを制限エンドヌクレアーゼPst Iで開裂し、脱リン酸し、フェノールおよびエチルエーテルで抽出し、最後に0.3mol酢酸ナトリウム溶液からエタノールで沈殿させる。次のT4−DNAリガーゼ反応には0.2pmolのプラスミドDNAおよび0.4pmolのPst Iフラグメントを用いる。得られた組換え体DNA分子を大腸菌K12JM101の形質転換に用いる。アンピシリンを含むLB平板(10g/■カゼイン、8g/■ NaCl、5g酵母エキス、100μg/mlアンピシリン)上で選択を行なう。アンピシリン耐性形質転換細胞中に含まれる組換え体プラスミドはプラスミド迅速分析により確認される。pRH31のPst Iフラグメントを反対配向で含む組換え体プラスミドpRH181およびpRH182が得られる。第3図に示される配列化方策はこれらのプラスミドの構築から生じ、それは単に容易なDNA配列化のための補助構築として作用する。配列化(22)により決定されたプラスミドpRH31の500bp Pst Iフラグメントのヌクレオチド配列が第4図に示される。配列は20(dG)−残基で5′−端で出発する。その後に273bpにわたって延びる読取り枠が続く(第4図、位置25〜297参照)。この読取り枠は90個のアミノ酸をコードし、停止コドンTGAで終る(第4図参照)。ヌクレオチド配列から、オリゴヌクレオチド混合物RH1のオリゴヌクレオチドがヌクレオチド配列の位置208〜224と相補性であること、およびオリゴヌクレオチド混合物RH2のオリゴヌクレオチドがヌクレオチド配列の位置247〜263と相補性であることを知見できる。停止コドンTGAにさらに178bpが続く。ヌクレオチド配列の分析はCUSI−Iタンパク質のN末端セグメントをコードする領域がヌクレオチド配列中に含まれないこと示す。
実施例2全CUSI−Iタンパク質をコードするcDNAフラグメントによる組換え体プラスミドの分離(a)オリゴヌクレオチドRH5の合成 CUSI−Iタンパク質をコードする全領域を含むcDNAフラグメントを分離するためにオリゴヌクレオチドRH5をホスファミダイト法(36)に従って合成する。オリゴヌクレオチドRH5は20塩基の長さを有する。それは第4図に示されるコーディングDNA鎖の位置31〜50と相補性であり、次の配列を有する:

オリゴヌクレオチドRH5を放射性標識し、cDNAフラグメントがその5′端に少くともプラスミドpRH31の5′−末端領域を含む組換え体プラスミドを含む形質転換細胞を新cDNAライブラリー中で同定するためにプロブとして使用される。
(b)CUSI−Iタンパク質の全コーティング領域による組換え体プラスミドを含む新cDNA遺伝子ライブラリーの調製 プラスミドpBR322を用いる大腸菌中の新cDNAライブラリーを調製するためCUSI−Iタンパク質をコードするmRNAを分離する。このためヒト頸部組織からの全RNA250μgを、その大きさにより15mM水酸化メチル水銀を含む変性1.4%「低融点(LMP)」アガロース中で電気泳動的に分離する(セクション(iv)参照)。約700〜850塩基の長さを有するmRNA約10μgがこのゲルから抽出により分離される。このmRNA4μgをcDNA合成に用い(セクション(vii)参照)、大腸菌K12DH1中へ導入する(セクション(ix)参照)。53ng二重鎖cDNAを有する4,300形質転換細胞が得られる。形質転換細胞は5′標識オリゴヌクレオチドRH5とのコロニーハイブリッド形成により分析される(実施例2(a)参照)。ハイブリット形成溶液中のオリゴヌクレオチドの活性は0.72μCi/pmolの比活性で2×105cpm/mlである。12形質転換細胞が分離され、その組換え体プラスミドはオリゴヌクレオチドRH5とハイブリッド形成する。形質転換細胞の貯蔵培養のアリコートで組換え体プラスミドを調製し、Pst I、BamH IおよびHind IIIによる制限開裂により地図が作られる。これらのプラスミドの11個がプラスミドpRH31とほぼ同様の制限パターンを有し、すなわちそれは各380bpの1つのBamH I/Pst Iフラグメントおよび約125bpの1フラグメント、並びに約290bpの1つのHind III/Pst Iフラグメントおよび約200bpの1フラグメントを含む。Pst Iフラグメントの長さはそれぞれの場合に約500bpである。1つのプラスミドのみが異なる制限地図を示し、すなわちそれは285bpの1つのBamH I/Pst Iフラグメントおよび約275bpの1フラグメント、並びに約450bpの1つのHind III/Pst Iフラグメントおよび105bpの1フラグメントを含む。偏位組換え体プラスミドの挿入体の長さは約550bpである。この組換え体プラスミドはpRH34と称される。その制限地図は第8図に示される。プラスミドpRH34はDSMに寄託番号DSM3635で寄託された。
(c)組換え体プラスミドpRH34の挿入体のヌクレオチド配列 pRH34からのPst I−cDNAフラグメントおよびpRH34からの両BamH I/Pst IフラグメントはDNAをPst IまたはPst IとBamH Iで開裂し、アルカリ性ホスファターゼで処理した後プラスミドpUC18のDNA中でサブクローンする。そのように構築したDNA配列分析のための補助構築物である組換え体プラスミドはpRH1807(Pst Iフラグメント)、pRH1808(N−末端BamH I/Pst Iフラグメント)およびpRH1809(C−末端BamH I/Pst Iフラグメント)と称される。サブクローンしたDNAフラグメントの配列はマクサム・アンド・ギルバート(22)に従って分析する。組換え体プラスミドの配列化方策は第6図から知ることができる。pRH34からのcDNAフラグメントのヌクレオチド配列は第5図に示される。それは位置25〜308のpRH31のcDNA挿入体の配列に等しい(第4図参照)。しかし、pRH34のcDNA挿入体は5′−端で184bp長い。これらの143bpはmRNAと相補性の配列に相当し、41bpはPst I制限部位を含むdCTPによるcDNAのホモポリマーテーリングに由来する。
アミノ酸

はHUSI−IインヒビターのN−末端と同定された。アミノ酸コドンは分離されたDNA配列の5′−末端ヌクレオチドから推論すると読取り枠のこの部分中に停止コドンが認められない。従って、読取り枠中に出現するATGは開始に関与し、CUSI−Iタンパク質の出発をコードする。さらに、分泌タンパク質のシグナルペプチド構造は稀に25個のアミノ酸より長い。シグナルペプチド間の制限部位および相当する天然タンパク質は最もしばしばアミノ酸アラニン、セリンおよびグリシンの後に認められ、従って、配列

が全く普通である。
頸部分泌物からのヒトCUSI−Iタンパク質の一次構造は従って104個のアミノ酸からなる。決定されたヌクレオチド配列によりエンコードされるアミノ酸配列は、本発明以前に単に不完全に知られた気管支抗ロイコプロテアーゼのN−末端アミノ酸配列(41)に実質的に等しい。
参考例1大腸菌中のCUSI−Iタンパク質の発現(a)調節可能λPLプロモーターの下流に全CUSI−I cDNAを含む発現プラスミドの構築 開始するために、RH6およびRH7と称される2つの合成オリゴヌクレオチドを合成する。それらは互いに相補性であり、最適リボソーム結合部位(42)に対する配列、Sal IおよびEcoR I制限部位並びに位置1〜位置14のCUSI−Iのコーディング領域のヌクレオチド配列をもつ。両オリゴヌクレオチドを酵素T4−−ポリヌクレオチド−キナーゼで5′−末端をリン酸化し、12%ポリアクリルアミドゲル中で調製的に電気泳動的に分離し、ゲルから溶離し、DE52でクロマトグラフィーにかける。次のセファデックス(Sephadex)G−50上のゲルパーミエーションクロマトグラフィー後、各オリゴヌクレオチド10pmolを混合し、90℃で変性し、室温で徐冷することにより相互にハイブリッド形成させる。この方法で次の二重鎖DNAフラグメントが得られる:

第2分離成分はプラスミドpRH34の210bp(Hae III/BamH I)フラグメントであり、それはさらにN−末端領域をコードする。このため、プラスミドpRH34、10μgを制限エンドヌクレアーゼHae IIIおよびBamH Iで開裂し、5%ポリアミドゲル中で電気泳動的に分離する。210bpフラグメントを次いでポリアクリルアミドゲルから溶離する。プラスミドpRH1807(第6図)は第3成分として、従ってベクターとして作用する(第7図)。このため、このプラスミド10μgを制限酵素EcoR IおよびBamH Iで開裂する。ベクターフラグメントをアルカリ性ホスファターゼで処理し、次いでフェノールで抽出し、エタノールで沈殿させる。3成分を連結するため(第7図R>図)、合成オリゴヌクレオチド1pmolを互いにハイブリッド形成させ、N−末端Hae III−BamH Iフラグメント0.2pmolおよびベクターDNA0.03pmolと混合し30μ■の反応体積で5UT4−DNAリレガーゼで互いに連結させる。大腸菌K12株JM101を形質転換に使用する。得られた形質転換細胞のプラスミドを放射性標識オリゴヌクレオチドRH6でハイブリッド形成することによりスクリーニングする。さらにSal I、EcoR IおよびBamH Iに対する制限部位を調べ、相当するフラグメントの長さを決定する。正しい新しい構築されたプラスミドはpRH1810(DSM3905)と称される(第7図)。
発現プラスミドを構築するため、ベクターpWH701(26)10μgをEcoR IおよびSph Iで開裂し、脱リン酸し、フェノールで抽出し、エタノールで沈殿させる。プラスミドpRH1810からEcoR I−Sph Iフラグメントを調製するため、DNA10μRをEcoR IおよびSph Iで開裂する。生じた525bpフラグメントをゲル電気泳動により5%ポリアクリルアムドゲルでベクターから分離し、ゲルから溶離する。次いで0.3pmolのベクターpWH701および1pmolのEcoR I−Sph Iフラグメントを互いに連結し、大腸菌K12野性型W6へ案内する。生じた形質転換細胞のプラスミドをプラスミド迅速分析および次のアガロースゲル電気泳動により確認する。組換え体発現プラスミドは挿入のない発現プラスミドより280bp長い。新同定組換え体発現プラスミドはpRH24と称され、次の発現実験に使用される。第7図に組換え体発現プラスミドpRH24の構築図式が示される。
(b)発言プラスミドpRH24によるCUSI−I cDNAの大腸菌K12MC1061/pRK248cIts中の発現(15、27)
宿主菌株単独はλ−溶原でなく、すなわち、それはλcIリプレッサーを含まない。温度感受性リプレッサーλcI857に対する遺伝子情報はプラスミドpRK248cIts上に局在化され、それはまた宿主細菌にテトラサイクリン耐性を与える(27)。30で、λPLプロモーター支配転写が完全に抑圧される。42℃で温度感受性cI857リプレッサーがその不活性化形態中に存在し、PLプロモーターの下流にある遺伝子が転写される。この大腸菌K12MC1061/pRK248cItsを組換え体発現プラスミドpRH24で形質転換する。λPLプロモーターの下流にあるCUSI−I遺伝子の発現を誘発するため、LB培地(20μg/mlテトラサイクリン、50μg/mlアンピシリン)200mlに大腸菌K12MC1061/pRK248cIts/pRH24の一夜培養3mlを接種し、28℃で0.7A578単位/mlの細胞密度まで培養する。次いで培養をさらに42℃で振とうする。タンパク質分析を行なうため、発現の誘発前および誘発開始後種々の間隔で細胞試料をとり、細胞(約1×109細胞)を1A578単位当りに満たし、3分間12,000gで遠心分離し、細胞沈降物を、さらにプロセッシングするまで−20℃に凍結する。
参考例2大腸菌K12MC1061/pRK248cIts/pRH24中のCUSI−Iタンパク質発現後の粗タンパク質抽出物の確認(a)ラビット抗HUSI−I抗血清との免疫交差反応試験 細胞沈降物を60μ■破壊緩衝液(50mM−Tris−HCl、pH8.0、1mM−EDTA、2%トリトン−X−100)中に再懸濁し、40μ■還元緩衝液(4%SDS、40%β−メルカプトエタノール、20%グリセリン、0.1%ブロモフェノールブルー)を加える。次に試料を100℃で5分間、次いで超音波浴中室温で5分間、再び100℃で5分間インキュベートする。細胞破壊体積20μ■を13.5%SDS−ポリアクリルアミド中で電気泳動的に分離し、免疫検定のためにニトロセルロース上に移す。ニトロセルロースフィルターを、フィルター上の非特異的結合部位を飽和するために「ブロッキング」緩衝液(50mM−Tris−HCl、pH7.4、200mM−NaCl、0.05%ツイーン20、1.5%ゼラチン)で37℃で1時間インキュベートする。ウサギ抗HUSI−I抗血清(「ブロッキング」緩衝液中1:600希釈)を第1抗体反応に用い(インキュベーション:室温で2時間)、ヒツジ抗ウサギIgG−ペルオキシダーゼ結合体を第2抗体として用いる。ホースラディッシュ(horseradish)ペルオキシダーゼの基質反応をジアミノベンジジンで行なう。
(b)大腸菌中に発現されたプロティナーゼインヒビターの阻害活性試験 誘発(誘発開始6時間後)、および非誘発細胞試料を破壊し、試験した。細胞沈降物(1A578単位細胞)を500μ■のリゾチーム破壊緩衝液(50mM−Tris−HCl、pH8.0、1mM−EDTA、1mg/mlリゾチーム)中に懸濁し、室温で10分間インキュベートし、150μ■の50mM−Tris−HCl、pH8.0、1mM−EDTAで希釈し、超音波浴中で室温で5分間インキュベートする。非誘発および誘発細胞の粗抽出物のそれぞれ20μ■および80μ■をキモトリプシン試験(39)で阻害活性について試験する。試験結果は表Iに示される。


大腸菌からのキモトリプシン非誘発粗抽出物の活性と比較すると、誘発細胞の細胞抽出物による阻害がそれぞれ8%および37%高い。
参考例3大腸菌K12JM101中のβ−ガラクターゼ融合タンパク質としてC−末端CUSI−Iドメインの発現 第9図から知見できるように、CUSIインヒビターの構造は遺伝子内重複により形成される2つのドメインからなるタンパク質分子と記載することができる。大腸菌中のC−端末ドメインの発現のために、C−末端の59個のアミノ酸をコードするDNA配列がプラスミドpUR290(25)のβ−ガラクトシダーゼのC−末端をエンコードするDNA配列で正しい読取り枠中に連結される。クローニング図式は第10図に示される。
プラスミドpRH31、10μgを制限エンドヌクレアーゼSau3Aで開裂し、5%ポリアクリルアミドゲル中で調製的に分離し、320bp CSUI−I部分フラグメントをゲルから溶離する。pUR290(10μg)を酵素BamH Iで開裂し、アルカリ性ホスファターゼで処理し、320bpフラグメントで連結する。第3の連結DNAをCaCl2処理大腸菌K12JM101細胞に導入する。クローンはLB−amp寒天平板〔10g/■酵素消化カゼイン(シグマ)、8g/■ NaCl、5g/■酵母エキス(シグマ)、pH7.5、100μg/mlアンピシリン〕上で選択する。CUSI−I部分フラグメントの2配向が組換え体プラスミド中に可能であるので、プラスミド迅速分析を次のHind III制限で行なう。プラスミドが165bp Hind IIIフラグメントを含むクローンをさらに分析する。これらのプラスミドの1つがpRH21として示される。融合タンパク質発現の導入のため、100μg/mlアンピシリンを含む100mg LB培地に、プラスミドpRH21で形質転換した一夜培養からの大腸菌K12JM101菌を接種する。培養を37℃でインキューベートし、細胞成長を578nmでモニターする。0.5の光学密度(578nm)で培養を500μmol IPTGに調整し、さらに37℃でインキュベートする。融合タンパク質の導入は時間に依存し、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析する。導入後、最初に排他的にCUSI−I−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質が、後にまたβ−ガラクトシダーゼが形成される。抗−CUSI−I抗体との免疫反応を示すために、SDSゲル上で電気泳動的に分離した大腸菌粗抽出物のタンパク質をニトロセルロースに移動させる。融合タンパク質の特異的検出のためウエスターンブロット分析を実施例4(a)記載のように行なう。融合タンパク質は次のように分離し、精製する: (37)に従い、IPTGアナログTPEGをCH−セファロースに結合させる。CUSI−I−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質を精製するために、プラスミドpRH21を含む種大腸菌K12JM101を50μg/mlアンピシリンを有する1■LB培地中で培養し、培地を0.5m mol IPTGに調整することにより0.5A578単位/mlの細胞密度で誘発させる。1時間後誘発相を、培養を4℃に急冷することにより停止させる。細胞を沈降させ(5.5g重量、湿性)、溶解緩衝液(20mM−Tris−HCl、pH7.4、20mM−MgCl2、20mMβ−メルカプトエタノール)中に懸濁させ、超音波処理により破壊する。粗抽出物を約20mg/mlタンパク質濃度および1.6mol NaClに調整し、TPEG−セファロース−クロマトグラフィにかける。カラム物質を20mM−Tris−HCl、pH7.4、10mMβ−メルカプトエタノール、10mM−MgCl2、1.6M NaClで洗浄した後、CUSI−I−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質を100mMホウ酸ナトリウム、10mMβ−メルカプトエタノール、pH10で溶離する。クロマトグラフィーはβ−ガラクトシダーゼ活性の測定(43)によりモニターする。1■培養が8mgの純CUSI−I−β−ガラクトシダーゼ(90%)を生じた。さらに精製融合タンパク質がまた抗HUSI−I抗体と反応することが示された。
C−末端CUSI−Iドメインを開裂するため、そのように精製された融合タンパク質を10%または30%酢酸あるいは70%ギ酸に溶解する。酸感受性アスパラギン酸−プロリン結合の存在(CUSI−Iのアミノ酸配列参照)が室温で24〜36時間の反応後にC−末端CUSI−Iドメインの40〜60%の除去を生ずる。この酸処理後、この完全なCUSI−IドメインをG−75でゲル濾過により分離し、精製することができる。
発現C−末端CUSI−Iドメインのアミノ酸配列は次のとおり読み取る:Pro−Val−Asp−Thr−Pro−Asn−Pro−Thr−Arg−Arg−Lys−Pro−Gly−Lys−Cys−Pro−Val−Thr−Tyr−Gly−Gln−Cys−Leu−Met−Leu−Asn−Pro−Pro−Asn−Phe−Cys−Glu−Met−Asp−Gly−Gln−Cys−Lys−Arg−Asp−Leu−Lys−Cys−Cys−Met−Gly−Met−Cys−Gly−Lys−Ser−Cys−Val−Ser−Pro−Val−Lys−Ala−OH。
この配列は全CUSI−Iタンパク質の位置50〜107と等しい。
参考例4大腸菌K12JM101中のC−末端CUSI−Iドメインの発現 参考例3から知見できるように、C末端CUSI−Iドメインを大腸菌K12JM101中にβ−ガラクトシダーゼ融合タンパク質として発現できる。第11図に示されるように、C−末端59アミノ酸をエンコードするcDNAを、C−末端CUSI−Iドメインを生タンパク質として発現させるために読取り枠中にプラスミドpSP6のアルカリ性ホスファターゼ遺伝子のシグナル配列に連結させる。プラスミドpSP6はDSMに寄託番号DSM3904で寄託された。
プラスミドpRH1860、30μgをBamH IおよびHinf Iで開裂する。DNAフラグメントを8%ポリアクリルアミドゲル中で分離する。C−末端ドメインをコードする175bp CUSI−I−DNAフラグメントをゲルから溶離する。突出DNA端をDNAポリメラーゼのクレノウフラグメントにより満たす。ブラントエンドを有する182bp二重鎖DNA分子が得られる。
ベクターpSP6、3μgを制限エンドヌクレアーゼHind IIIで開裂する。突出一重鎖DNA端をムングビーンヌクレアーゼで分解し、5′−末端リン酸残基をアルカリ性ホスファターゼで除去する。
そのように処理したベクター0.3pmolをC−末端CUSI−I−DNAフラグメント1pmolで連結する。株大腸菌K12DH1の形質転換コンピテント(17)細胞を、得られた連結生成物の1/2で形質転換する。クローンをLB−Amp寒天平板上で選択する。4クローンをオリゴヌクレチオドAH12とのコロニーハイブリッド形成により同定する。クローンのプラスミドDNAは用いたプローブと相補性のDNA配列を含む。オリゴヌクレチオドAH12はCUSI−I−cDNAクローンのヌクレチオド配列241〜258と相補性である。それは配列:5′CCTGTTGACACCCCAAAC3′を有する。
プラスミド迅速分析並びにDNAのHind IIIおよびBamH Iによる開裂により、クローンは挿入体として540bp DNAフラグメントを含むと同定される。このDNAフラグメントはプロモーター領域Ptac、アルカリ性ホスファターゼの、C−末端CUSI−Iドメインに対するcDNA配列のシグナルペプチド配列からなる。そのように構築されたプラスミドはpBA17と称される。次いでコンピテント大腸菌K12JM101細胞を構築発現プラスミドpBA17のDNAで形質転換する。C−末端CUSI−Iドメインを発現するため、LB−Amp培地250mlに、得られた形質転換細胞を接種する。次いでインキュベーションを37℃で行なう。細胞成長を578nmにおける濁りの測定によりモニターする。0.97の光学密度で、発現を誘発するためにIPTGを0.5mMの最終濃度に加える。1A578単位細胞のアリコートを発現の誘発前後に種々の時間でとり(第II表参照)、12,000gで3分間遠心分離し、細胞沈降物を−20℃で貯蔵する。発現生成物は次の配列で59個のアミノ酸を有する:Asp−Pro−Val−Asp−Thr−Pro−Asn−Pro−Thr−Arg−Arg−Lys−Pro−Gly−Lys−Cys−Pro−Val−Thr−Tyr−Gly−Gln−Cys−Leu−Met−Leu−Asn−Pro−Pro−Asn−Phe−Cys−Glu−Met−Asp−Gly−Gln−cys−Lys−Arg−Asp−Leu−Lys−Cys−Cys−Met−Gly−Met−Cys−Gly−Lys−Ser−Cys−Val−Ser−Pro−Val−Lys−Ala−OH。
大腸菌中に発現されたC−末端CUSI−Iドメインの阻害活性試験 キモトリプシン阻害試験(39)を実施例4記載のように行なう。キモトリプシンに対する大腸菌阻抽出物の阻害活性の増加を時間に依存してモニターする。それぞれの場合に大腸菌リゼイト(100μ■)の半分を阻害活性について試験する。結果は表IIに示される。


表IIIにブダペスト条件に従って寄託した微生物が示される。


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【図面の簡単な説明】
第1図はHUSI−Iのトリプシンフラグメントのアミノ酸配列を示す図であり、
第2図はプラスミドpRH31の制限地図であり、
第3図はプラスミドpRH31のcDNA挿入の配列化方策を示す図式であり、
第4図はプラスミドpRH31のCUSI−IのcDNAフラグメントのヌクレオチド配列を示す図であり、
第5図はプラスミドpRH34のCUSI−I−cDNAフラグメントのヌクレオチド配列を示す図であり、
第6図はpRH1807のPst I挿入の配列化方策を示す図であり、
第7図は発現ベクターpRH24の構築図式であり、
第8図はプラスミドpRH34の制限地図であり、
第9図はCUSI−Iインヒビターの遺伝子内重複に対する相同アプローチを示す図であり、
第10図はβ−ガラクトシダーゼ融合タンパク質として部分CUSI−I配列の発現に対するクローニング方策を示す図であり、
第11図はC−末端CUSI−Iドメイン(=CUSI−I第2ドメイン)の発現のための発現プラスミドpBA17の構築図式である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有し、かつ下記アミノ酸配列1を有するタンパク質をコードすることを特徴とするDNA配列。
アミノ酸配列1:

【請求項2】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有し、かつ下記アミノ酸配列2を有するタンパク質をコードすることを特徴とするDNA配列。
アミノ酸配列2:



【請求項3】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質をコードし、かつ下記DNA配列3を有することを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のDNA配列。
DNA配列3:

【請求項4】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有するタンパク質をコードし、かつ下記DNA配列4を有することを特徴とする特許請求の範囲第(2)項記載のDNA配列。
DNA配列4:



【請求項5】DNA配列3が組換え体プラスミドpRH31(DSM3634)中にPst Iフラグメントとして含まれることを特徴とする特許請求の範囲第(3)項記載のDNA配列。
【請求項6】DNA配列4が組換え体プラスミドpRH34(DSM3635)中にPst Iフラグメントとして含まれることを特徴とする特許請求の範囲第(4)項記載のDNA配列。
【請求項7】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有し、かつアミノ酸配列1又はアミノ酸配列2を有するタンパク質をコードするDNA配列の発現のための最適リボソーム結合部位を有する、以下の配列5を有するDNAフラグメント。
アミノ酸配列1:

アミノ酸配列2:

配列5:

【請求項8】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有し、かつアミノ酸配列1又はアミノ酸配列2を有するタンパク質をコードするDNA配列を含むことを特徴とする組換え体クローニングベクター。
アミノ酸配列1:

アミノ酸配列2:

【請求項9】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有し、かつアミノ酸配列1又はアミノ酸配列2を有するタンパク質をコードするDNA配列に表現制御配列を適切に連結させてなる組換え体ベクター。
アミノ酸配列1:



アミノ酸配列2:

【請求項10】表現制御配列が大腸菌lacプロモーター、大腸菌trpプロモーター、大腸菌リポタンパク質プロモーター、λP1プロモーターまたはλPRプロモーター、酵母表現制御配列および他の真核細胞表現制御配列から選ばれることを特徴とする、特許請求の範囲第(9)項記載の組換え体ベクター。
【請求項11】プラスミドpRH31(DSM3634)である特許請求の範囲第(8)項記載の組換え体ベクター。
【請求項12】プラスミドpRH34(DSM3635)である特許請求の範囲第(8)項記載の組換え体ベクター。
【請求項13】CUSI−Iタンパク質の生物学的活性を有し、かつアミノ酸配列1又はアミノ酸配列2を有するタンパク質をコードするDNA配列を含む組換え体クローニングベクターにより形質転換されることを特徴とする細菌。
アミノ酸配列1:

アミノ酸配列2:

【請求項14】細菌が、種大腸菌の株又はバシラス・サチリス(B.subtilis)である特許請求の範囲第(13)項記載の細菌。

【第3図】
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【第1図】
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【第2図】
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【第6図】
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【第4図その1】
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【第4図その2】
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【第5図その1】
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【第5図その2】
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【第7図】
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【第8図】
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【第9図】
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【第10図】
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【第11図】
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【特許番号】第2533869号
【登録日】平成8年(1996)6月27日
【発行日】平成8年(1996)9月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭62−3084
【出願日】昭和62年(1987)1月9日
【公開番号】特開昭62−259591
【公開日】昭和62年(1987)11月11日
【微生物の受託番号】 DSM     3634
【微生物の受託番号】 DSM     3635
【微生物の受託番号】 DSM     3905
【出願人】(999999999)グリユ−ネンタ−ル ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【参考文献】
【文献】Hopper−Seyler’sZeitschriftfuerPhysiologischeChemie,Vol.357No.10〔1976〕P.1333−1337
【文献】CibaFoundationSymposium,Vol.75〔1980〕P.351−379