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HaemophilusinfluenzaeIV型ピリ線毛
説明

HaemophilusinfluenzaeIV型ピリ線毛

【課題】疾患を引き起こす菌株のH.influenzaeと菌株Rdとの区別を行うこと。
【解決手段】本明細書中に記載される発明は、IV型ピリ線毛をコードするH.influenzaeレギュロンに関する。特に、本発明は、分類不能型H.influenzae(NTHi)由来およびH.influenzae株a、b、c、eおよびf由来のIV型ピリ線毛に関する。本発明は、H.influenzaeのピリ線毛の単離されたポリヌクレオチドおよびそのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドならびにその構造体の構築/分解に関するポリヌクレオチドおよびそのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを提供する。本発明はまた、H.influenzaeに対する免疫応答を誘発ならびにその感染の処置および予防する方法を含む、それらのポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に記載される発明に関する実験研究は、NIH/NIDCDからの助成金R01 DC03915およびR01 DC005980によって支援された。米国政府は、本発明において特定の権利を有し得る。
【0002】
(発明の分野)
本明細書中に記載される発明は、IV型ピリ線毛をコードするHaemophilus influenzae(H.influenzae)レギュロンに関する。特に、本発明は、分類不能型H.influenzae(NTHi)由来およびH.influenzae株a、b、c、eおよびf由来のIV型ピリ線毛に関する。本発明は、H.influenzaeのピリ線毛の単離されたポリヌクレオチドおよびそのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドならびにその構造体の構築/分解に関するポリヌクレオチドおよびそのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを提供する。本発明はまた、H.influenzaeに対する免疫応答を誘発するための方法ならびにH.influenzaeを処置および予防する方法を含む、それらのポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
中耳感染についての臨床的な用語は、中耳炎(OM)である。非特許文献1によると、OMは、病気の小児が保険医療を求めるため、ならびに米国における小児が抗生物質を受けるためおよび全身麻酔薬を受けるための最も一般的な理由である。統計値は、2450万人の医師の職場訪問が、1990年にOMのために行われたことを示し、それは、1980年代に報告されたものより、200%より高い増加を表す。死亡率とめったに関係しないが、OMに関連する病的状態は、深刻である。聴力損失は、この疾患に関連する一般的な問題であり、それは、しばしば、小児の行動、教育および言語能力の発達に影響を与える(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。OMの社会経済的影響もまた大きく、OMを診断および管理する直接的および間接的な費用は、米国単独において毎年50億$を超える(非特許文献5)。
【0004】
OMは、感染性要因、環境要因および宿主遺伝的要因の結果として生じると考えられる。Haemophilus influenzae、Streptococcus pneumoniaeおよびMoraxella catarrhalisのような細菌が、OMにおける最も一般的な感染性生物である。急性OMは、中耳における炎症の急速な発症ならびに短期間の徴候および症状によって特徴付けられる疾患であるが、慢性OMとは、中耳における比較的無症候性の流体(または滲出液)の存在によって定義される状態をいう。しかしながら、慢性OMにおいて、急性感染の特定の徴候(すなわち、耳痛または発熱)の欠如にもかかわらず、それらの異常な中耳液は、3ヶ月を越える期間、存続し得る。抗生物質治療による急性OMの処置は、一般的であるが、しかし抗生物質耐性細菌が、出現している。慢性OMの外科的管理は、小児では、全身麻酔をしながら、耳の鼓膜を通す中耳腔換気用チューブの挿入を含む。この手順は、一般的(普及率が約13%である;非特許文献6)であり、中耳の蓄積された流体を排出することによって、痛みの症状を軽減する点に関して非常に効果的であるが、それは、侵襲性であり、重なった危険性を保有する(非特許文献7;非特許文献6;非特許文献8;非特許文献9)。従って、OMの管理および好ましくは、予防に対するさらなるアプローチについての必要性が、存在する。
【0005】
OMワクチンの開発は、7価の莢膜結合体ワクチンであるPREVNAR(登録商標)(非特許文献10)の最近の承認および発表によって証明されるように、急性OM(AOM)の主用な原因因子である、S.pneumoniaeに関して最も進んでいる。PREVNAR(登録商標)は、侵襲性の肺炎球菌疾患に関して非常に効果的であるが、OMのための適用範囲は、ワクチンに含まれない血清型に起因するOM症例数の増加が報告されており失望(6%〜8%)されている(非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14)。
【0006】
H.influenzaeは、上に示したように、OMにおいて役割を果たすグラム陰性細菌である。H.influenzaeの臨床単離体は、それぞれ、細菌上の型特異性の多糖莢膜の存在または欠如に依存して、血清型「a」から「f」または分類不可能のいずれかとして分類される。H.influenzae b型のためのワクチンは、開発されている。Prevnar(登録商標)同様、b型H.influenzaeワクチンは、この生物の多糖莢膜を標的とし、従って、このワクチンは、タンパク質キャリアに結合された莢膜多糖から構成される。小児における急性OMのうちの約20%を引き起こし、滲出液を有する慢性OMにおいて優勢である分類不能型H.influenzae(NTHi)のためのワクチンに関する進歩は、ほとんどなされていない(非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17)。NTHiはまた、肺炎、副鼻腔炎、敗血症、心内膜炎、喉頭蓋炎、化膿性関節炎、髄膜炎、分娩後感染および新生児感染、分娩後敗血症および新生児敗血症、急性卵管炎および慢性卵管炎、喉頭蓋炎(epiglottis)、心膜炎(pericardis)、蜂巣炎、骨髄炎、心内膜炎、胆嚢炎、腹腔内感染、尿路感染症、乳様突起炎、大動脈移植感染、結膜炎(conjunctitivitis)、ブラジル紫斑熱、不顕性菌血症ならびに内在する肺疾患(例えば、慢性気管支炎、気管支拡張症(bronchietasis)および嚢胞性線維症)の再燃を引き起こし得る。原型NTHi単離体は、慢性OMを有する小児から回収された継代数の少ない単離体86−028NPである。この菌株は、インビトロ(非特許文献18;非特許文献19)ならびにチンチラ科OMモデル(非特許文献20;非特許文献21;非特許文献22)において十分に特徴付けられている。NTHi株86−026NPは、2001年10月16日にAmerican Type Culture Collection、10801 University Blvd.、Manassas、VA 20110に寄託されて、登録番号PTA−4764が割り当てられた。菌株86−028NPのゲノム由来のコンティグセットは、非特許文献23に見出され得る。
【0007】
付着性およびコロニー形成は、H.influenzaeの病因性において認められる最初の段階である。従って、H.influenzaeは、血球凝集性ピリ線毛付着因子、線毛付着因子および非線毛付着因子を含む、複数の付着因子を発現する(非特許文献24;非特許文献25;および非特許文献26)。特に、記載された付着因子のどれも、以前には運動性機能と関連付けられてなかった。さらに、H.influenzaeはまた、運動性と関連付けられた鞭毛を発現しない。単収縮運動性は、湿気のある表面上の細菌転位の鞭毛非依存性形態であり、それは、IV型ピリ線毛として公知の極性構造の伸長、連結(tethering)、次いで、収縮によって起こる(非特許文献27;非特許文献28;非特許文献29;非特許文献30)。IV型ピリ線毛は、代表的に、直径5〜7mm、長さ数マイクロメートルであり、1回転につき5つのサブユニットを有する螺旋状コンホメーションに構築された単一のタンパク質サブユニットから構成される(非特許文献31;非特許文献32)。IV型ピリンサブユニットは、通常、長さ145〜160アミノ酸であり、それは、グリコシル化され得るか、またはリン酸化され得る。ピリンサブユニットの2つのクラス(IVa型およびIVb型)が存在し、それらは、N−メチル化アミノ酸が、成熟タンパク質のN末端部分を占めるリーダーペプチドおよび成熟サブユニットの平均長さならびに(ジスルフィド領域に関する)D領域の平均長さによって互いに区別される。呼吸性の病原体のほとんどは、クラスIVaピリンを発現するが、腸病原体は、より代表的に、クラスIVbピリンを発現する。IVa型ピリ線毛は、高度に保存された疎水性のN−末端メチル化フェニルアラニンの存在によって区別される。
IV型ピリ線毛は、新しい表面の急速なコロニー形成の手段としての機能を果たす。従って、IV型ピリ線毛発現は、多くの細菌による付着およびバイオフィルム形成の両方にとって重要であり(非特許文献33;非特許文献34;非特許文献35;非特許文献36)、ならびに、とりわけNeisseria種、Moraxella bovis、Vibrio cholerae、腸病原性Escherichia coliおよびPseudomonas aeruginosaの毒性にとって重要である(非特許文献34;非特許文献35;非特許文献37;非特許文献38)。バイオフィルムは、細菌により排出されたエキソポリサッカライドマトリクスを介して表面に固着される細菌の複合組織である。このマトリクスは細菌を包み、ヒト免疫系から細菌を防御する。非特許文献39は、H.influenzaeによるバイオフィルム形成を記載している。IV型ピリ線毛とヒトの身体との間の相互作用を遮断することにより、細菌感染を避け得るか、または止め得ると推定されている(2001年7月31日に発行された特許文献1)。
IV型ピリ線毛発現は、複雑であり、高度に調節された細菌性機能である。P.aeruginosaにおいて、IV型ピリ線毛の生物発生および機能は、40より多い遺伝子によって制御される(非特許文献38)。現在まで、莫大な数の関連するIV型ピリ線毛遺伝子のうちのサブセットしか(非特許文献28;非特許文献40)、HAP(Haemophilus、ActinobacillusおよびPasteurella)ファミリーの数個のメンバーにおいて見出されていない(非特許文献41;非特許文献42;非特許文献43)が、しかし、IV型ピリ線毛の発現も、単収縮運動性もあらゆるH.influenzae単離体について今までに記載されていない。実際に、H.influenzaeは、菌株Rdゲノム内の潜在性遺伝子クラスターの存在(非特許文献44)にもかかわらず、それらの構造を発現しない細菌として古典的に記載されている(非特許文献45;非特許文献46)。菌株Rdは、H.influenzae血清型d生物の非被包性誘導体である(非特許文献47;非特許文献48;非特許文献49)。菌株Rdは、いくつかの毒性特性を有するが、血清型d菌株は一般に、片利共生生物であるとみなされ;それらは、頻繁には疾患を引き起こさない(非特許文献50)。従って、疾患を引き起こす菌株のH.influenzaeと菌株Rdとの区別を行うことが、重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】Meyerら、米国特許第6,268,171号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Klein、「Vaccine」、2000年、第19巻(補遺1)、S2−S8
【非特許文献2】Baldwin、「Am.J.Otol.」、1993年、第14巻、p.601−604
【非特許文献3】Hunterら、「Ann.Otol.Rhinol.Laryngol.Suppl.」、1994年、第163巻、p.59−61
【非特許文献4】Teeleら、「J.Infect.Dis.」、1990年、第162巻、p.685−694
【非特許文献5】Kaplanら、「Pediatr.Infect.Dis.J.」、1997年、第16巻、S9−11
【非特許文献6】Brightら、「Am.J.Public Health」、1993年、第83巻7号、p.1026−8
【非特許文献7】Bermanら、「Pediatrics」、1994年、第93巻3号、p.353−63
【非特許文献8】Cimons、「ASM News」、第60巻、p.527−528
【非特許文献9】Paap、「Ann.Pharmacother.」、1996年、第30巻11号、p.1291−7
【非特許文献10】EskolaおよびKilpi、「Pedriatr.Infect.Dis.J.」、2000年、第16巻、S72−78
【非特許文献11】Blackら、「Pedriatr.Infect.Dis J」、2000年、第19巻、p.187−195
【非特許文献12】Eskolaら、「Pedriatr.Infect.Dis J.」、2000年、第19巻、S72−78
【非特許文献13】Eskolaら、「N.Engl.J.Med.」、2001年、第344巻、p.403−409
【非特許文献14】Snowら、「Otol.Neurotol」、2002年、第23巻、p1−2
【非特許文献15】Colemanら、「Inf and Immunity」、1991年、第59巻5号、p.1716−1722
【非特許文献16】Klein、「Pedriatr.Infect.Dis J.」、1997年、第16巻、S5−8
【非特許文献17】Spinolaら、「J.Infect.Dis.」1986年、第154巻、p.100−109
【非特許文献18】Bakaletzら、「Infect.Immun.」、1988年、第53巻、p.331−5
【非特許文献19】Holmesら、「Microb.Pathog.」、1997年、第23巻、p.157−66
【非特許文献20】Bakaletzら、「Vaccine」、1997年、第15巻、p.955−61
【非特許文献21】Suzukiら、「Infect.Immun.」、1994年、第62巻、p.1710−8
【非特許文献22】DeMariaら、「Infect.Immun.」、1996年、第64巻、p.5187−92
【非特許文献23】インターネット<URL:http://www.microbial−pathogenesis.org>
【非特許文献24】Gilsdorfら、「Pediatr Res」、1996年、第39巻、p.343−348
【非特許文献25】Gilsdorf.、「Infect.Immun.」、1997年、第65巻、p.2997−3002
【非特許文献26】St.Geme III、「Cell.Microbiol.」、2002年、第4巻、p.191−200
【非特許文献27】Bardy.「Microbiology」、2003年、第149巻、p.295−304
【非特許文献28】TonjumおよびKoomey、「Gene」、1997年、第192巻、p.155−163
【非特許文献29】Wolfgangら、「EMBO J.」、第19巻、p.6408−6418
【非特許文献30】Mattick、「Annu.Rev.Microbiol」、2002年、第56巻、p.289−314
【非特許文献31】Bardyら、「Microbiology」、2003年、第149巻、p.295−p304
【非特許文献32】WallおよびKaiser、「Mol.Microbiol.」、1999年、第32巻、p.1−10
【非特許文献33】Mattick、「Annu.Rev.Microbiol.」、2002年、第56巻、p.289−314
【非特許文献34】O’TooleおよびKolter、「Mol.Microbiol.」、1998年、第30巻、p.295−304
【非特許文献35】Klausenら、「Mol.Microbiol.」、2003年、第50巻、p.61−68
【非特許文献36】Jesaitisら、「J.Immunol.」、2003年、第171巻、p.4329−4339
【非特許文献37】Klausenら、「Mol.Microbiol.」、2003年、第48巻、p.1511−1524
【非特許文献38】StromおよびLory、「Annu.Rev.Microbiol.」、1993年、第47巻、p.565−596
【非特許文献39】Ehrlichら、「JAMA」、2002年、第287巻13号、p.1710−1715
【非特許文献40】DarzinsおよびRussell、「Gene」、1997年、第192巻、p.109−115
【非特許文献41】Stevensonら、「Vet.Microbiol.」、2003年、第92巻、p.121−134
【非特許文献42】Doughtyら、「Vet.Microbiol.」、2000年、第72巻、p.79−90
【非特許文献43】DoughertyおよびSmith、「Microbiology」、1999年、第145巻、p.401−409
【非特許文献44】Fleischmannら、「Science」、1995年、第269巻、p.496−512
【非特許文献45】Friedrichら、「Appl.Environ.Microbiol.」、2003年、第69巻、p.3695−3700
【非特許文献46】Fusseneggerら、「Gene」、1997年、第192巻、p.125−134
【非特許文献47】Zwahlenら、「Infect.Immun.」、1983年、第42巻、p.708−715
【非特許文献48】BendlerおよびGoodgal、「J.Microbiol.」、1972年、第70巻、p.411−422
【非特許文献49】Risbergら、「Eur.J.Biochem.」、1999年、第261巻、p.171−180
【非特許文献50】Dainesら、「J.Med.Microbiol.」、2003年、第52巻、p.277−282
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、H.influenzae、特に分類不能型H.influenzae(NTHi)およびH.influenzae菌株a、b、c、eおよびfのIV型ピリ線毛遺伝子クラスターに関する。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
PilAポリペプチド配列番号2、PilBポリペプチド配列番号4、PilCポリペプチド配列番号6、PilDポリペプチド配列番号8、ComAポリペプチド配列番号10、ComBポリペプチド配列番号12、ComCポリペプチド配列番号14、ComDポリペプチド配列番号16、ComEポリペプチド配列番号18、ComFポリペプチド配列番号20、PilFポリペプチド配列番号22、PilAポリペプチド配列番号26、PilAポリペプチド配列番号26、PilAポリペプチド配列番号28、PilAポリペプチド配列番号30、PilAポリペプチド配列番号32、PilAポリペプチド配列番号34、PilAポリペプチド配列番号36、PilAポリペプチド配列番号38、PilAポリペプチド配列番号40、PilAポリペプチド配列番号42、またはpilAポリペプチド配列番号44のいずれか1つのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
(項目2)
pilA配列番号1、pilB配列番号3、pilC配列番号5、pilD配列番号7、comA配列番号9、comB配列番号11、comC配列番号13、comD配列番号15、comE配列番号17、comF配列番号19、pilF配列番号21、pilA配列番号25、pilA配列番号27、pilA配列番号29、pilA配列番号31、pilA配列番号33、pilA配列番号35、pilA配列番号37、pilA配列番号39、pilA配列番号41またはpilA配列番号43のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、単離されたポリペプチド。
(項目3)
項目1または2に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
(項目4)
項目1に記載のヌクレオチド配列またはそれらのフラグメントによってコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
(項目5)
PilAポリペプチド配列番号2、PilBポリペプチド配列番号4、PilCポリペプチド配列番号6、PilDポリペプチド配列番号8、ComAポリペプチド配列番号10、ComBポリペプチド配列番号12、ComCポリペプチド配列番号14、ComDポリペプチド配列番号16、ComEポリペプチド配列番号18、ComFポリペプチド配列番号20、PilFポリペプチド配列番号22、PilAポリペプチド配列番号26、PilAポリペプチド配列番号26、PilAポリペプチド配列番号28、PilAポリペプチド配列番号30、PilAポリペプチド配列番号32、PilAポリペプチド配列番号34、PilAポリペプチド配列番号36、PilAポリペプチド配列番号38、PilAポリペプチド配列番号40、PilAポリペプチド配列番号42、またはPilAポリペプチド配列番号44、あるいはそれらのペプチドフラグメントのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
(項目6)
項目5に記載のポリペプチドまたはペプチドフラグメントおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物。
(項目7)
項目5に記載のポリペプチドまたはペプチドフラグメントに特異的に結合する抗体。
(項目8)
項目8に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物。
(項目9)
生物学的サンプルにおけるNTHi細菌を検出するための方法であって、該方法は、
(a)項目1に記載のポリヌクレオチドまたはそれらのフラグメントと生物学的サンプルとを接触させる工程、および
(b)該サンプル内の該ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを検出する工程であって、ここで、ハイブリダイゼーションは、NTHi細菌の存在を示す、工程
を包含する、方法。
(項目10)
生物学的サンプルにおけるNTHi細菌を検出するための方法であって、該方法は、
(a)項目2に記載のポリヌクレオチドまたはそれらのフラグメントと生物学的サンプルとを接触させる工程、および
(b)該サンプル内の該ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを検出する工程であって、ここで、ハイブリダイゼーションは、NTHi細菌の存在を示す、工程
を包含する、方法。
(項目11)
生物学的サンプルにおけるNTHi細菌を検出するための方法であって、該方法は、
(a)項目7に記載の抗体と生物学的サンプルとを接触させる工程、および
(b)該サンプル内の該抗体の結合を検出する工程であって、ここで、結合は、NTHi細菌の存在を示す、工程
を包含する、方法。
(項目12)
項目9、10または11のいずれか1項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルは、血清、痰、耳液、血液、尿、リンパ液、および脳脊髄液からなる群より選択される、方法。
(項目13)
NTHi細菌に対する免疫応答を誘発するための方法であって、該方法は、項目5に記載の1種以上のポリペプチドまたはペプチドフラグメントの免疫原性用量を、NTHi細菌感染の危険性がある患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目14)
NTHi細菌に対する免疫応答を誘発するための方法であって、該方法は、項目1に記載の1種以上のポリヌクレオチドの免疫原性用量を、NTHi細菌感染の危険性がある患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目15)
前記ポリヌクレオチドは、プラスミドまたはウイルス性ベクターに存在する、項目14に記載の方法。
(項目16)
NTHi細菌感染を処置または予防する方法であって、該方法は、項目5に記載のポリペプチドの発現または活性を阻害する分子を、それらを必要とする患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目17)
必要とする患者に投与される前記分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、項目16に記載の方法。
(項目18)
必要とする患者に投与される前記分子は、抗体である、項目16に記載の方法。
(項目19)
必要とする患者に投与される前記分子は、低分子である、項目16に記載の方法。
(項目20)
前記NTHi感染は、中耳に存在する、項目16に記載の方法。
【0011】
(本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド)
本発明は、H.influenzaeポリヌクレオチドおよび特に2つの遺伝子クラスターに加えて1つの他の遺伝子において配列されたレギュロン由来のオープンリーディングフレームを提供する。このレギュロンは、以前は特徴付けられていないH.influenzae IV型ピリ線毛の主要なサブユニットをコードする遺伝子(pilA)を含む。このレギュロンは、ピリンポリペプチドPilA(主要なピリンサブユニット)、PilD(リーダーペプチダーゼ)、PilBおよびPilC(ピリン構造体の構築/分解に関与する)をコードする遺伝子クラスター;ComA、ComB、ComC、ComD、ComEおよびComF(形質転換およびピリ線毛発現のための能力に関与する)をコードする別の遺伝子クラスター;ならびにPilF(IV型ピリ線毛生物発生に必要とされる)をコードする遺伝子由来のポリヌクレオチドを含む(Watsonら、Gene、49:56、1996)。1つの実施形態において、ピリ線毛レギュロンは、NTHi H.influenzae菌株86−028NPのものである。
【0012】
以下の配列番号に示されるNTHi86−028NPピリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、本発明によって提供される:配列番号2におけるPilAポリペプチド、配列番号4におけるPilBポリペプチド、配列番号6におけるPilCポリペプチド、配列番号8におけるPilDポリペプチド、配列番号10におけるComAポリペプチド、配列番号12におけるComBポリペプチド、配列番号14におけるComCポリペプチド、配列番号16におけるComDポリペプチド、配列番号18におけるComEポリペプチド、配列番号20におけるComFポリペプチドおよび配列番号22におけるPilFポリペプチド。従って、代替のコドン使用法が、本発明によって具体的に企図される。1つの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、前述のポリペプチドをそれぞれコードする以下の配列番号に示されるNTHi86−028NP遺伝子配列を含む:配列番号1におけるpilA、配列番号3におけるpilB、配列番号5におけるpilC、配列番号7におけるpilD、配列番号9におけるcomA、配列番号11におけるcomB、配列番号13におけるcomC、配列番号15におけるcomD、配列番号17におけるcomE、配列番号19におけるcomF;および配列番号21におけるpilF。上記ポリヌクレオチド配列の各々は、終止コドンを表す最終的な3つのヌクレオチドを含む。
【0013】
NTHi臨床単離体1728MEE、1729MEE、3224A、10548MEE、1060MEE、1885MEE、1714MEE、1236MEE、1128MEEおよび214NP由来のPilAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。これらのPilAポリペプチドのアミノ酸配列を、配列番号26、28、30、32、34、36、38、40、42および44にそれぞれ示す。さらに、代替のコドン使用の可能性が、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにおいて具体的に企図される。1つの実施形態において、上記ポリペプチドは、配列番号25、27、29、31、33、35、37、39、41および43に示されるヌクレオチド配列によって、それぞれコードされる。
【0014】
本発明は、ストリンジェントな条件下で、(a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、25、27、29、31、33、35、37、39、41または43に示されるヌクレオチド配列の相補体;(b)上に列挙した任意のポリヌクレオチドの対立遺伝子改変体であるポリヌクレオチド;(c)上に列挙した任意のタンパク質の種のホモログをコードするポリヌクレオチド;または(d)本発明のポリペプチドの特定のドメインもしくは短縮を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。他の分類不能型H.influenzae菌株由来およびH.influenzae菌株a、b、c、eおよびf由来のIV型ピリンポリヌクレオチドが、具体的に企図される。これらのポリヌクレオチドは、プローブまたはプライマーとしてそれぞれ、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、25、27、29、31、33、35、37、39、41または43のポリヌクレオチドの一部または全てを使用するハイブリダイゼーションおよびポリメラーゼ連鎖反応のような当該分野における標準的な技術によって同定および単離され得る。
【0015】
本発明のポリヌクレオチドはまた、上に列挙したポリヌクレオチドと実質的に均等なヌクレオチド配列を含む。本発明に従うポリヌクレオチドは、上に列挙したNTHiポリヌクレオチドに対して、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%または少なくとも89%、より代表的には少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%または少なくとも94%およびさらにより代表的には少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有し得る。
【0016】
本発明の核酸配列の範囲内に含まれるものは、ストリンジェントな条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、25、27、29、31、33、35、37、39、41または43のNTHiヌクレオチド配列、あるいはそれらの相補体にハイブリダイズする核酸配列フラグメントであり、このフラグメントは、約5ヌクレオチドより大きい、好ましくは7ヌクレオチドより大きい、より好ましくは9ヌクレオチドより大きい、そして最も好ましくは17ヌクレオチドより大きい。例えば、選択される(すなわち、本発明のポリヌクレオチドのいずれか1つに特異的にハイブリダイズする)15ヌクレオチド、17ヌクレオチドもしくは20ヌクレオチドまたはそれより大きなフラグメントが、企図される。本発明のNTHiポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズし得るこれらの核酸配列フラグメントが、本発明のNTHiポリヌクレオチドを検出するためにプローブとして使用され得、そして/または本発明のNTHiポリヌクレオチドと他の細菌性遺伝子とを区別し得、そして好ましくは、独特のヌクレオチド配列に基づく。
【0017】
用語「ストリンジェント」とは、ストリンジェントとして当該分野において一般的に理解される条件をいうために本明細書中で使用される。ハイブリダイゼーションストリンジェンシーは、主に、温度、イオン強度、および変性剤(例えば、ホルムアミド)の濃度によって決定される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄についてのストリンジェントな条件の例は、65℃〜68℃における0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムまたは42℃における0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、および50%ホルムアミドである。Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、(Cold Spring Harbor、N.Y.1989)を参照のこと。
【0018】
よりストリンジェントな条件(例えば、より高い温度、より低いイオン強度、より高濃度のホルムアミド、または他の変性剤)もまた使用され得るが、しかし、ハイブリダイゼーションの速度が、影響される。デオキシオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが関与する場合において、さらなる例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、37℃(14塩基のオリゴについて)、48℃(17塩基のオリゴについて)、55℃(20塩基のオリゴについて)、および60℃(23塩基のオリゴについて)での、6×SSC 0.05%ピロリン酸ナトリウムにおける洗浄を含む。
【0019】
他の因子が、非特異的ハイブリダイゼーションおよび/またはバックグランドハイブリダイゼーションを減少させる目的のためにハイブリダイゼーション緩衝液および洗浄緩衝液に含まれ得る。例は、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニル−ピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、NaDodSO、(SDS)、フィコール、デンハート液(Denhardt’s solution)、超音波処理したサケの精子DNA(または他の非相補的DNA)、および硫酸デキストランであるが、他の適切な因子もまた、使用され得る。これらの添加物の濃度および種類は、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質的に影響を与えずに変更され得る。ハイブリダイゼーション実験は通常、pH6.8〜7.4で行われるが、しかしながら、代表的なイオン強度条件では、ハイブリダイゼーションの速度は、pHにほとんど依存しない。Andersonら、Nucleic Acid Hybridisation:A Practical Approach,Ch.4,IRL Press Limited(Oxford,England)を参照のこと。ハイブリダイゼーション条件は、それらの可変物を適応させるため、および、異なる配列関連性のDNAがハイブリッドを形成することを可能にするために、当業者によって調整され得る。
【0020】
上に示したように、本発明によって企図されるポリヌクレオチドは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、25、27、29、31、33、35、37、39、41または43という特定のポリヌクレオチドに限定されないが、例えば、それらの対立遺伝子バリエーションおよび種バリエーションもまた、挙げられる。対立遺伝子バリエーションおよび種バリエーションは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、25、27、29、31、33、35、37、39、41または43、好ましくはその中のオープンリーディングフレーム、それらの代表的なフラグメント、あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、25、27、29、31、33、35、37、39、41または43内のオープンリーディングフレームに対して少なくとも90%同一、好ましくは95%同一のヌクレオチド配列において提供される配列を同じ種または別の種の別の単離体由来の配列と比較することによって、慣用的に決定され得る。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法としては、GAP(Devereuxら、Nucl.Acid.Res.、12:387、1984;Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、WI)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Altschulら、J.Mol.Biol.、215:403−410、1990)を含む、GCGプログラムパッケージが挙げられるが、これらに限定されない。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)および他の供給源(BLAST Manual、Altschulら、NCB/NLM/NIH Bethesda、MD20894;Altschulら、前出)から公に入手可能である。周知のSmith−Watermanアルゴリズムもまた、同一性を決定するために、使用され得る。
【0021】
本発明のポリヌクレオチドは、天然の供給源から単離され得るか、または標準的な化学技術(例えば、Matteucciら、J Am Chem Soc.、103:3185(1981)に記載されるホスホトリエステル法)によって合成され得る。
【0022】
本発明のピリ線毛ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに相補的なアンチセンスポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0023】
本発明のポリペプチドとしては、ピリンポリペプチドPilA、PilD、PilB、PilC、ComA、ComB、ComC、ComD、ComE、ComFおよびPilFが挙げられる。1つの実施形態において、上記ポリペプチドとしては、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または22にそれぞれ示されるNTHi
86−028NPアミノ酸配列が挙げられる。本発明のポリペプチドとしてはまた、配列番号26、28、30、32、34、36、38、40、42または44に示されるPilAポリペプチドが挙げられる。さらなる実施形態において、本発明のIV型ピリンポリペプチドは、他の分類不能型H.influenzae菌株のIV型ピリンポリペプチドおよびH.influenzae菌株a、b、c、eおよびf由来のIV型ピリンポリペプチドである。
【0024】
本発明のポリペプチドは具体的には、本発明の完全長ポリペプチドの1つ以上の生物学的特性または免疫原性特性を保持するペプチドフラグメント(すなわち、ペプチド)を含む。1つの実施形態において、本発明によって提供されるPilAペプチドフラグメントは、命名されたTfpQ2、TFPQ3、TfpQ4およびOLP3であり、それぞれ、配列番号2のアミノ酸35〜68、配列番号2のアミノ酸69〜102、配列番号2のアミノ酸103〜137、および配列番号2のアミノ酸21〜35を含む。
【0025】
本発明はまた、ポリペプチドの生物学的活性および/または免疫原性活性に影響を与えない1つ以上の保存的アミノ酸置換を有するポリペプチドを提供する。あるいは、本発明のポリペプチドは、生物学的活性を変化させてもよくまたは変化させなくてもよい、保存的アミノ酸置換を有するように企図される。用語「保存的アミノ酸置換」とは、その位置でのアミノ酸残基の極性または電荷にほとんどまたは全く影響しないような、元々のものでない残基(天然に生じるアミノ酸および天然に生じないアミノ酸を含む)による元々のアミノ酸残基の置換をいう。例えば、保存的置換は、ポリペプチドにおける非極性残基の、任意の他の非極性残基による置換から生じる。さらに、ポリペプチドにおける任意の元々の残基はまた、「アラニンスキャニング変異誘発(scanning mutagenesis)」の方法に従って、アラニンによって置換され得る。天然に生じるアミノ酸は、以下のように、それらの側鎖に基づいて特徴付けられる:塩基性:アルギニン、リジン、ヒスチジン;酸性:グルタミン酸、アスパラギン酸;無電荷極性:グルタミン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン;および非極性:フェニルアラニン、トリプトファン、システイン、グリシン、アラニン、バリン、プロリン、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン。アミノ酸置換についての一般的規則を、以下の表1に示す。
【0026】
【表1】

本発明はまた、生物学的活性および/または免疫原性活性を保持する、本発明のポリペプチドの改変体(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または22のポリペプチドに対して、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、代表的には少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、より代表的には少なくとも約98%、または最も代表的には少なくとも約99%のアミノ酸同一性を示すポリペプチド)を提供する。
【0027】
本発明は、本発明のポリヌクレオチドが、増幅または発現のためのベクターに挿入され得ることを企図する。発現のために、上記ポリヌクレオチドは、適切な発現制御配列(例えば、プロモーター配列およびポリアデニル化シグナル配列)に作動可能に連結される。さらに提供されるのは、本発明のポリヌクレオチドを含む宿主細胞である。例示的な原核生物の宿主細胞としては、E.coli、Bacillus、Streptomyces、Pseudomonas、SalmonellaおよびSerratiaのような細菌が挙げられる。その宿主細胞を増殖させ、そしてその宿主細胞または増殖培地からポリペプチドを単離することによって、本発明のポリペプチドを産生する方法が、具体的に企図される。ピリ線毛レギュロン由来からの1つ以上のポリヌクレオチドは、宿主細胞において発現され得る。例えば、天然のピリ線毛構造体の構築に影響を与えるために、ピリ線毛レギュロン由来のpilA遺伝子単独の発現および複数のポリヌクレオチドの発現の両方が、具体的に企図される。あるいは、本発明のポリペプチドは、標準的な手段を使用する化学合成によって調製され得る。特に便利なのは、固相技術である(例えば、Eriksonら、The Proteins(1976)v.2、Academic Press、New York、p.255を参照のこと)。自動固相合成機は、市販されている。さらに、配列の改変は、適切な残基の置換、付加または欠失によって容易になされる。例えば、システイン残基は、キャリアタンパク質への簡便な結合のためのスルフヒドリル基を提供するために、カルボキシ末端に付加され得るか、またはスペーサーエレメント(例えば、付加的なグリシン残基)は、C末端において結合しているアミノ酸とペプチドの残りの部分との間の配列の中に組み込まれ得る。
【0028】
用語「単離された」とは、その物質が元々存在する環境の他の成分から取り出された物質、およびその物質が元々存在する環境の他の成分を本質的に含まない物質をいう。例えば、ポリペプチドは、他の細胞タンパク質から分離されるか、またはDNAは、そのDNAが元々存在するゲノムにおいてそのDNAと隣接する他のDNAから分離される。
【0029】
(抗体)
本発明は、本発明のH.influenzaeピリ線毛ポリペプチドに独特の(すなわち、特異的な)抗原性エピトープに結合する抗体を提供する。複数のH.influenzaeサブタイプの間で共通であるが、任意の他の抗原性エピトープに関して独特である抗原性エピトープに結合する抗体もまた提供される。この抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、それらが、それらの独特のエピトープに結合する能力を保持する抗体フラグメント(例えば、Fvフラグメント、FabフラグメントおよびF(ab)2フラグメント)、単鎖抗体およびヒト抗体またはヒト化抗体であり得る。抗体は、抗原として本発明のピリ線毛ポリペプチドまたは本発明のピリンポリペプチドを発現する宿主細胞を使用して、当該分野における標準的な技術によって産生され得る。
【0030】
本発明は、本発明のピリンポリペプチドおよびそのフラグメントに特異的な抗体を提供し、それは、H.influenzae細菌を殺傷する能力およびヒトを感染から防御する能力の両方を示す。本発明はまた、本発明のポリペプチドに特異的な抗体を提供し、この抗体は、毒性を減少させ、付着を阻害し、バイオフィルム形成を阻害し、単収縮運動性を阻害し、細胞分裂を阻害し、そして/またはH.influenzae細菌の上皮への侵入を阻害し、そして/もしくはH.influenzae細菌の食作用を増強する。
【0031】
インビトロでの補体媒介性殺菌アッセイシステム(Musherら、Infect.Immun.39:297−304、1983;Andersonら、J.Clin.Invest.51:31−38、1972)が、抗ピリ線毛抗体の殺菌活性を測定するために使用され得る。
【0032】
本発明のH.influenzaeポリペプチドに対して予め形成された抗体の投与を介して、受動免疫治療によって宿主に短期間の防御を与えることもまた可能である。従って、本発明の抗体は、受動免疫治療において使用され得る。異種の免疫グロブリンは、その外来の免疫原性成分に対する免疫応答を誘発し得るので、ヒト免疫グロブリンは、ヒト医薬において好ましい。このような受動免疫は、特別な危険性を被っている免疫されていない個体の即座の防御のための緊急事態に使用され得る。
【0033】
別の実施形態において、本発明の抗体は、抗イディオタイプ抗体の産生において使用され得、それは、次いで、ピリンエピトープに対する免疫応答を刺激するための抗原として使用され得る。
【0034】
(免疫応答を誘発するための方法およびそのための組成物)
本発明は、1種以上のH.influenzae IV型ピリ線毛ポリペプチドに対する免疫応答を個体において誘発する方法を企図する。特定の実施形態において、この方法は、PilAタンパク質に対する免疫応答を誘発する。これらの方法は、細菌複製を阻害する免疫応答、細胞へのH.influenzae付着を阻止する免疫応答、H.influenzae単収縮を防止する免疫応答およびバイオフィルム形成を防止する免疫応答を含むが、これらに限定されない1つ以上の免疫応答を誘発する。1つの実施形態において、この方法は、本発明の1種以上のポリペプチドを含む免疫原性用量の組成物を投与する工程を包含する。別の実施形態において、この方法は、本発明の1種以上のポリペプチドを発現する細胞を含む免疫原性用量の組成物を投与する工程を包含する。さらに別の実施形態において、この方法は、本発明の1種以上のポリペプチドをコードする1種以上のポリヌクレオチドを含む免疫原性用量の組成物を投与する工程を包含する。このポリヌクレオチドは、任意の他の核酸と結合していないむきだしの(naked)ポリヌクレオチドであり得るか、またはベクター(例えば、プラスミドベクターまたはウイルスベクター(例えば、アデノ随伴ウイルスベクターまたはアデノウイルスベクター))中に存在し得る。この方法は、単一の個体において組み合わせて使用され得る。この方法は、個体のH.influenzae感染の前または後に使用され得る。
【0035】
本発明の方法の1つの実施形態において、本発明の組成物は、初回免疫用量として投与され、続いて、1つ以上の追加免疫用量として投与される。免疫応答を有利に増強するタンパク質またはポリペプチド(例えば、サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12、GM−CSF)、サイトカイン誘発分子(例えば、Leaf)または補助刺激分子)の同時投与もまた、企図される。
【0036】
本発明の組成物の「免疫原性用量」は、投与前の検出可能な免疫応答と比較して、または投与前の標準的な免疫応答と比較して、投与後、検出可能な体液性免疫応答(抗体)および/または細胞性免疫応答(T細胞)を生じるものである。本発明は、上記方法から生じる免疫応答が保護性であり得、そして/または治療的であり得ることを企図する。好ましい実施形態において、上記抗体および/またはT細胞免疫応答は、個体をH.influenzae感染、特に中耳および/または鼻咽頭気道もしくは下気道の感染から保護する。この使用において、正確な用量は、患者の健康状態および体重、投与様式、処方物の性質などに依存するが、しかし、一般的に、70kgの患者あたり、約1.0μg〜約5000μg、より一般的には、70kgの体重あたり、約10μg〜約500μgの範囲である。
【0037】
体液性免疫応答は、多くの周知の方法(例えば、一元放射免疫拡散法(SRID)、酵素免疫法(EIA)および血球凝集抑制法(HAI))によって測定され得る。特に、SRIDは、試験される免疫原を含む、ゲル(例えば、アガロース)の層を利用する。このゲルに切り込みが入れられてウェルとされ、試験される血清が、そのウェル中に置かれる。ゲルの中へ出ていく抗体の拡散は、沈殿する輪の形成を導き、その面積は、試験される血清中の抗体の濃度に比例する。EIAは、ELISA(酵素結合免疫測定法)としてもまた公知であり、サンプル中の全抗体を測定するために使用される。免疫原は、マイクロタイタープレートの表面に吸着される。試験血清は、プレートに曝露され、続いて、酵素に結合した免疫グロブリン(例えば、IgG)に曝露される。プレートに対して付着した酵素活性は、任意の便利な手段(例えば、分光測光法)によって定量され、試験サンプル中に存在する免疫原に対する抗体の濃度に比例する。HAIは、免疫原(例えば、ウイルスタンパク質)がニワトリの赤血球(など)を凝集させる能力を利用する。このアッセイは、中和抗体(すなわち、赤血球凝集を阻害し得る抗体)。試験血清の希釈液は、標準的な濃度の免疫原とともにインキュベートされ、続いて、赤血球を添加される。中和抗体の存在は、免疫原による赤血球の凝集を阻害する。細胞性免疫応答を測定するための試験は、遅発型過敏症の決定または標的免疫原に対するリンパ球の増殖性応答を測定することを含む。
【0038】
本発明は、同様に、本発明のピリ線毛ポリペプチドに対する免疫応答を誘発するために適切な組成物を提供する。上に示したように、この組成物は、1種以上のピリ線毛ポリペプチド、1種以上のポリペプチドを発現する細胞、または1種以上のピリ線毛ポリペプチドをコードする1種以上のポリヌクレオチドを含む。この組成物はまた、他の成分(例えば、キャリアおよびアジュバント)を含み得る。
【0039】
本発明の組成物において、組換え方法によって産生される場合、ピリ線毛ポリペプチドは、別のタンパク質と融合され得る。1つの実施形態において、他のタンパク質は、単独では、抗体を誘発しないかもしれないが、しかし、それは、第1のタンパク質を安定化し、免疫原性活性を維持する融合タンパク質を形成する。別の実施形態において、この融合タンパク質は、免疫原性である別のタンパク質(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはβ−ガラクトシダーゼ)、融合タンパク質を可溶化してその産生および精製を容易にする比較的大きい共タンパク質を含む。他のタンパク質は、免疫系の全身性の刺激を提供するという意味でアジュバントとして作用し得る。他のタンパク質は、本発明のNTHiタンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかに融合され得る。
【0040】
本発明の他の組成物において、ピリ線毛ポリペプチドは、別の方法でキャリア物質に結合され得る。当該分野において公知のこのような結合を作製する任意の方法が、使用され得る。結合は、1つの官能基の末端におけるジスルフィド結合および他の官能基の末端におけるペプチド結合を生じるヘテロ二官能性因子(例えば、ジスルフィドアミド形成因子(例えば、N−スクシジミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(N−succidimidyl−3−(2−pyridyldithio)proprionate)(SPDP)))(例えば、Jansenら、Immun.Rev.62:185、1982を参照のこと)およびジスルフィド結合よりむしろチオエーテル結合を形成する二官能性カップリング剤(例えば、6−マレイミドカプロン酸、2−ブロモ酢酸、2−ヨード酢酸、4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸などの反応性エステル)、およびカルボキシル基と、スクシンイミドまたは1−ヒドロキシ−2−ニトロ−4−スルホン酸(ナトリウム塩として例えば、スクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC))とを結合させることによって、カルボキシル基を活性化するカップリング剤を用いて形成され得る。
【0041】
ピリ線毛ポリペプチドは、中性形態または塩形態として処方され得る。薬学的に受容可能な塩としては、(ペプチドの遊離アミノ基を用いて形成される)酸付加塩が挙げられ、それは、無機酸(例えば、塩酸またはリン酸)あるいは有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸)を用いて形成される。遊離カルボキシル基を用いて形成される塩はまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化第二鉄)、および有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、およびプロカイン)から誘導され得る。
【0042】
本発明の組成物は、アジュバントをさらに含み得る。例えば、公知のアジュバントとしては、エマルジョン(例えば、フロイントのアジュバントおよび他のオイルエマルジョン)、Bordetella pertussis、MF59、Quillaja saponaria(QS21)由来の精製されたサポニン、アルミニウム塩(例えば、水酸化物、リン酸塩およびミョウバン)、リン酸カルシウム(および他の金属塩)、ゲル(例えば、水酸化アルミニウム塩)、ムラミルジペプチドを含むミコバクテリア産物、固形物、粒子(例えば、リポソームおよびビロソーム)が挙げられる。アジュバントとして使用されることが公知の天然産物および細菌性産物の例としては、モノホスホリルリピドA(MPL)、RC−529(合成MPL様アシル化単糖類)、E.coli由来のリピドA誘導体であるOM−174、ホロ毒素(例えば、コレラ毒素(CT)またはその誘導体の1つ、百日咳毒素(PT)およびE.coliの熱不安定性毒素(LT)またはその誘導体の1つ)、およびCpGオリゴヌクレオチドが挙げられる。アジュバント活性は、多くの因子(例えば、キャリア効果、貯蔵物形成、変更されたリンパ球再循環、Tリンパ球の刺激、Bリンパ球の直接刺激およびマクロファージの刺激)によって影響され得る。
【0043】
本発明の組成物は代表的に、液体の溶液または懸濁液のいずれかとして、注射可能物質として処方され;注射前の液体への溶解または懸濁に適切な固形もまた、調製され得る。この調製物もまた、乳化され得る。この活性免疫原性成分はしばしば、賦形剤と混合され、その賦形剤は、薬学的に受容可能であり、この活性成分と適合性である。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに、所望される場合、ワクチンは、そのワクチンの効果を増強する少量の補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、またはアジュバント)を含み得る。ワクチンは、慣例的に、非経口的に、注射(例えば、皮下または筋肉内のいずれか)によって投与される。
【0044】
投与の他の様式のために適切なさらなる処方物としては、座剤およびいくつかの場合において、経口処方物が挙げられる。座剤に関して、伝統的結合剤およびキャリアとしては、例えば、ポリアルカレン(polyalkalene)グリコールまたはトリグリセリドが挙げられ得;このような座剤は、0.5%〜10%、好ましくは1%〜2%の範囲における活性成分を含む混合物から形成され得る。経口処方物としては、例えば、薬学的な等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような、通常使用される賦形剤が挙げられる。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放処方物または粉剤の形態をとり、10%〜95%の活性成分、好ましくは25%〜70%の活性成分を含む。
【0045】
組成物はまた、ジェット式注射器、マイクロニードル、エレクトロポレーション、ソノポレーション、マイクロカプセル化、ポリマーまたはリポソームを利用する、経皮経路、経粘膜経路ならびにネブライザー、エアロゾルおよび鼻スプレーを用いる鼻腔内経路を介して投与され得る。天然ポリマーまたは合成ポリマー(例えば、デンプン、アルギネートおよびキトサン、D−ポリL−ラクテート(PLA)、D−ポリDL−ラクチック−コグリコリックミクロスフェア、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物およびポリホスファゼンポリホスファタザン(polyphosphatazane))を用いるマイクロカプセル化は、経皮投与および経粘膜投与の両方のために有用である。合成ポリオルニテート、ポリ−リジンおよびポリ−アルギニンまたは両親媒性ペプチドを含むポリマー複合体は、経皮送達系のために有用である。さらに、それらの両親媒性の性質に起因して、リポソームは、経皮、経粘膜および鼻腔内のワクチン送達系のために企図される。ワクチン送達のために使用される一般的な脂質としては、N−(1)2,3−(ジオレイル−ジヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−メチルスルフェート(DOTAP)、ジオレイルオキシ−プロピル−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジミスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウム(dimystyloxypropyl−3−dimethyl−hydroxyethyl ammonium)(DMRIE)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)および9N(N’,N−ジメチルアミノエタン)カルバモイル)コレステロール(DC−Chol)が挙げられる。ヘルパー脂質とリポソームとの組み合わせは、皮膚を介するリポソームの取り込みを増強する。これらのヘルパー脂質としては、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)が挙げられる。さらに、チリのソープツリー(soap tree)の樹皮(Quillaja saponaria)由来のトリテルペノイドグリコシドまたはサポニンおよびキトサン(脱アセチル化チタン)は、鼻腔内および経粘膜でのワクチン送達のために有用なアジュバントとして企図されている。
【0046】
処方物は、単位用量コンテナまたは複数用量コンテナ(例えば、密閉されたアンプルおよびバイアル)に存在し得、そして、使用の直前に滅菌した液体キャリアの添加のみを必要とする、凍結乾燥した状態で貯蔵され得る。
【0047】
(H.influenzaeを阻害する方法)
代替として、本発明は、個体におけるH.influenzae IV型ピリ線毛機能を阻害する方法を包含する。この方法は、例えば、ピリ線毛の機能を阻害する量において、本発明の1種以上の抗体;本発明の1種以上のポリペプチド;本発明の1種以上のアンチセンスポリヌクレオチド;1種以上のRNAi分子;および/または1種以上の低分子を、個体に投与する工程を包含する。インビトロでのアッセイは、ピリ線毛の機能を阻害する能力を示すために、使用され得る。これらの方法の実施形態としては、例えば、ピリ線毛ポリペプチド合成および/またはピリ線毛構築のインヒビター、IV型ピリ線毛を介して媒介される付着のインヒビター、IV型ピリ線毛によって媒介される既存のバイオフィルムを破壊するインヒビター、および単収縮のインヒビターを用いる方法が挙げられる。
【0048】
阻害は、H.influenzaeに関与する任意の病理学的状態(例えば、OM、肺炎、副鼻腔炎、敗血症、心内膜炎、喉頭蓋炎、化膿性関節炎、髄膜炎、分娩後感染および新生児感染、分娩後敗血症および新生児敗血症、急性卵管炎および慢性卵管炎、喉頭蓋炎、心膜炎、蜂巣炎、骨髄炎、心内膜炎、胆嚢炎、腹腔内感染、尿路感染症、乳様突起炎、大動脈移植感染、結膜炎、ブラジル紫斑熱、不顕性菌血症ならびに内在する肺疾患(例えば、慢性気管支炎、気管支拡張症および嚢胞性線維症)の再燃)に関して企図される。
【0049】
H.influenzae IV型ピリ線毛機能のインヒビターを含む組成物が、提供される。この組成物は、前述の活性成分のうちの1つのみから構成されてもよく、前述の活性成分の組み合わせを含んでもよく、または細菌感染を処置するために使用されるさらなる活性成分を含んでもよい。上に議論したように、この組成物は、1種以上のさらなる成分(例えば、薬学的に効果的なキャリア)を含み得る。また、上に議論したように、この組成物の投与用量および投与頻度は、標準的な技法によって決定され、そして、例えば、個体の体重および年齢、投与経路、ならびに症状の重篤度に依存する。薬学的組成物の投与は、当該分野において標準的な経路(例えば、非経口、静脈内、経口、口腔内、鼻、肺、直腸、鼻腔内、または膣内)によってであり得る。
【0050】
(動物モデル)
本発明の方法は、OMについての実験モデルとして広範に認められたチンチラモデルにおいて示され得る。特に、NTHi誘発OMのチンチラモデルは、十分に特徴付けられており(Bakaletzら、J.Infect.Dis.、168:865−872、1993;BakaletzおよびHolmes、Clin.Diagn.Lab.Immunol.、4:223−225、1997;SuzukiおよびBakaletz、Infect.Immun.、62:1710−1718、1994;Masonら、Infect.Immun.、71:3454−3462、2003)、OMに対する数個のNTHi外膜タンパク質、外膜タンパク質の組み合わせ、キメラ合成ペプチドワクチン成分、およびアジュバント処方物の予防効力を決定するために、使用されている(Bakaletzら、Vaccine、15:955−961、1997;Bakaletzら、Infect.Immun.、67:2746−2762、1999;Kennedyら、Infect.Immun.、68:2756−2765、2000;Kydら、Infect.Immun.、66:2272−2278、2003;NovotnyおよびBakaletz、J.Immunol.、171、1978−1983、2003)。
【0051】
このモデルにおいて、アデノウイルスは、チンチラをH.influenzae誘発OMに罹患しやすくし、それは、NTHiの生物学的アセスメントについて適切な細胞、組織および器官の培養系の確立を可能にした(Bakaletzら、J.Infect.Dis.、168:865−72、1993;Suzukiら、Infect.Immunity 62:1710−8、1994)。単独のアデノウイルス感染は、誘導された血清抗体の鼓膜への漏出を評価するために使用されており(Bakaletzら、Clin.Diagnostic Lab Immunol.、4(2):223−5、1997)、そして、それは、NTHiと共に共病原体として、種々のNTHi外膜タンパク質、OMPの組み合わせ、キメラ合成ペプチドワクチン成分、および中耳炎に対する痘苗原としてのアジュバント処方物を対象とする、数個の能動免疫レジメンおよび受動免疫レジメンの予防効力を決定するために使用されている(Bakaletzら、Infect Immunity、67(6):2746−62、1999;Kennedyら、Infect.Immun.、68(5):2756−65、2000;Novotnyら、Infect Immunity 68(4):2119−28、2000;Poolmanら、Vaccine 19(補遺1):S108−15、2000)。
(H.influenzae細菌を検出する方法)
本発明によってまた提供されるのは、個体における細菌を検出するための方法である。1つの実施形態において、この方法は、ポリヌクレオチドに特異的に結合するプライマーまたはプローブを使用して、生物学的サンプルにおける本発明のピリ線毛ポリヌクレオチドを検出する工程を包含する。このポリヌクレオチドの検出は、例えば、ハイブリダイゼーションおよび/またはPCRを含む、当該分野における多数の慣用的な技術によって達成され得る。別の実施形態において、この方法は、このポリペプチドに特異的に結合する本発明の抗体を使用して、生物学的サンプルにおける本発明のピリ線毛ポリペプチドを検出する工程を包含する。この抗体は、当該分野において公知の任意の免疫学的検定システム(ラジオイムノアッセイ、ELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応(gel diffusion precipitin reaction)、免疫拡散アッセイ、凝集反応アッセイ、蛍光免疫学的検定、プロテインA免疫学的検定および免疫電気泳動アッセイが挙げられるが、それらに限定されない)において使用され得る。この方法において利用される生物学的サンプルとしては、血液、血清、耳液、髄液、痰、尿、リンパ液、および脳脊髄液が挙げられるが、それらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、NTHi Rd、86−028NP(配列番号2)、1728MEE(配列番号26)、1729MEE(配列番号28)、3224A(配列番号30)、10548MEE(配列番号32)、1060MEE(配列番号34)、1885MEE(配列番号36)、1714MEE(配列番号38)、1236MEE(配列番号40)、1128MEE(配列番号42)、214NP(配列番号44)のPilAポリペプチドのアミノ酸配列のアラインメントである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(発明の詳細な説明)
以下の実施例は、本発明を例示し、ここで、実施例1は、本発明のNTHi菌株86−028NP IV型ピリ線毛遺伝子の配列および13種の臨床的H.influenzae単離体におけるpilA遺伝子の検出を記載し、実施例2は、NTHi菌株86−028NPによる古典的なIV型ピリ線毛に依存的な凝集体形成を示し、実施例3は、NTHi菌株86−028NPにおける単収縮運動性を示し、実施例4は、ネガティブ染色および透過型電子顕微鏡法によるNTHi菌株86−928NP上のIV型ピリ線毛の観察を記載し、実施例5は、pilA変異体の作製を記載し、実施例6は、NTHiおよびpilA変異体NTHiでの感染のチンチラモデルにおける実験を記載し、実施例7は、10種のNTHi臨床的単離体由来のpilA遺伝子を記載し、実施例8は、小児におけるNTHiピリ線毛に対する免疫応答を示す実験を記載し、そして実施例9は、免疫原としての使用のためのNTHiペプチドフラグメントの同定を記載する。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
IV型ピリ線毛レギュロンを、NTHiのOM単離体において同定した。
【0055】
菌株86−028NPを含む、NTHiの多くの菌株は、血球凝集性LKPピリ線毛の発現に必要とされるhif遺伝子座を保有しない(Mhlanga−Mutangaduraら、J.Bacteriol.、180(17)、4693−4703、1988)が、ほとんどは、バイオフィルムを形成する。ピリ線毛は、他の細菌系においてバイオフィルム形成に重要であるため、NTHi菌株86−028NPのゲノム配列決定の成果(http://www.microbial−pathogenesis.orgまたは共有者に係る米国特許出願第60/453,134号を参照のこと)由来のコンティグセットを、別のピリ線毛型をコードする可能性のある遺伝子について分析した。データセットは、www.Pseudomonas.comにおけるPilQおよびPilTを含むP.aeruginosaについてのIV型ピリ線毛または単収縮運動性関連として注釈をつけたPseudomonas aeruginosaタンパク質を使用するデフォルトパラメーターを用いるtblasnアルゴリズムを使用するBLASTedであった。P.multocida PilAタンパク質について翻訳されたポリペプチドもまた、この検索において使用した(Doughtyら、Vet.Microbiol.、72、79−90、2000)。
【0056】
潜在性IV型ピリ線毛遺伝子座であるように最初は見えたものを、同定した。具体的には、菌株86−028NPにおいて、H.influenzae菌株Rd、A.pleuropneumoniaeおよびP.multocidaにおける遺伝子と高度に相同性である4つの遺伝子が存在する(Stevensonら、Vet.Microbiol.、92、121−134、2003;Doughtyら、前出;Zhangら、FEMS Microbiol Lett、189、15−18、2000;およびRuffoloら、Infect.Immun.、65、339−343、1997)。これらの遺伝子は、菌株RdにおいてPilA、PilB、PilCおよびPilDをコードする(DoughertyおよびSmith、Microbiology、145(2)、401−409、1999)。
【0057】
NTHi菌株86−028NPレギュロンは、ピリンポリペプチドPilA(主要なピリンサブユニット)、PilD(リーダーペプチダーゼ)、PilBおよびPilC(同じmRNAから転写されて、ピリン構造体の構築/分解に関与するように企図される)をコードするポリヌクレオチドの遺伝子クラスター;ピリンポリペプチドComA、ComB、ComC、ComD、ComEおよびComF(形質転換およびピリ線毛発現に関する能力に関与する)をコードするポリヌクレオチドの遺伝子クラスター;およびPilF(IV型ピリ線毛生物発生に必要とされる)をコードする別の遺伝子を含む。ピリンポリペプチドのアミノ酸配列を、以下の配列番号に示す:配列番号2におけるPilA、配列番号4におけるPilB、配列番号6におけるPilC、配列番号8におけるPilD、配列番号10におけるComA、配列番号12におけるComB、配列番号14におけるComC、配列番号16におけるComD、配列番号18におけるComE、配列番号20におけるComFおよび配列番号22におけるPilF。上記ポリペプチドをコードする遺伝子配列を、前述のポリペプチドをそれぞれコードする以下の配列番号に示す:配列番号1におけるpilA、配列番号3におけるpilB、配列番号5におけるpilC、配列番号7におけるpilD、配列番号9におけるcomA、配列番号11におけるcomB、配列番号13におけるcomC、配列番号15におけるcomD、配列番号17におけるcomE、配列番号19におけるcomF;および配列番号21におけるpilF。上記ポリヌクレオチド配列の各々は、終止コドンを表す最終的な3つのヌクレオチドを含む。
【0058】
受容能力(すなわち、NTHiが、その遺伝的多様性を増強または拡張する可能性のある外来のDNAを取り込む生来の能力)の発達の間、NTHi遺伝子の調節を特徴付けるためにcDNAマイクロアレイを使用する遺伝子発現プロファイリング研究において、com遺伝子ならびにpil遺伝子が、受容能力発達の間に、アップレギュレートされる。
【0059】
プローブとしてpilA配列を使用するサザンブロット実験において、慢性中耳炎のための鼓膜切開およびチューブ挿入を受けた患者から回収した13種の継代数の少ない臨床的NTHi OM単離体および嚢胞性線維症を有する患者から回収した1種の臨床的単離体は、それらのゲノム内に1コピーのpilAを有した。これらの合計14種の単離体に、それぞれ、以下の菌株番号を割り当てた:86−028NP;1728MEE;1729MEE;1714MEE;214NP;1236MEE;165NP;1060MEE;1128MEE;10548MEE;3224A;3185A、1885MEEおよび27W11679INI。
【0060】
この実験において、細菌の染色体DNAを、Gentra Systems(Minneapolis、MN)から得られるPUREGENE DNA単離キットを使用して単離し、MfeIで消化し、この消化物を0.8%アガロースゲルで泳動した。DNAを、Turbo Blotterキット(Schleicher & Schuell、Keene、NH)を使用して、Nytran SuPerCharge膜に移した。プローブを、プライマー5’tgtgacacttccgcaaaaa(配列番号23)および5’taataaaaggaaaatgaatga(配列番号24)を使用して、86−028NP pilA遺伝子配列コードのPCR増幅によって作製した。アンプリコンを、QIAクイックPCR精製キット(Qiagen Inc.、Valencia、CA)を使用して、精製した。製造業者の指示書に従って、100ngの精製したPCR産物を、ECL Direct Nucleic Acid LabelingおよびDetection System(Amersham Biosciences UK Ltd.、Little Chalfont、Bucks、UK)を使用して、西洋ワサビオキシダーゼで標識した。現像したブロットを、Fuji Super Rx X線フィルム(Fuji Photo Film Co.、Tokyo、Japan)に曝露した。
【0061】
NTHi菌株86−028NPのPilAポリペプチドは、約14kDaの推定および見かけの分子量を有し、N末端メチル化フェニルアラニンを含む。
【0062】
(実施例2)
NTHi菌株86−028NPは、栄養分枯渇の条件下で増殖させた場合、寒天下表面トランスロケーションアッセイおよび表面増殖アッセイにおいて古典的な凝集体を形成した。
【0063】
NTHi菌株86−028NPを、全ての実験の前に、18〜20時間(加湿雰囲気中で37℃、5%CO)、チョコレート寒天上で増殖させた。続いて、この生物を、NTHiが非常によく増殖するリッチ培地であるsBHIまたは83%RPMI1640培地(Gibco BRL、Rockville、MD)、ピルビン酸ナトリウム(87.3mM)(Gibco BRL)、β−NAD(0.0087mg/ml)(Sigma Chemical Co.、St Louis、MO)、HEME−ヒスチジン(0.0175mg/ml)(Sigma)、ウラシル(0.087mg/ml)(Sigma)、およびイノシン(1.75mg/ml)(Sigma)から構成されるH.influenzaeの増殖を支持する化学的に規定された培地(Colemanら、J.Clin.Micro.、41:4408−4410、2003)のいずれかに接種した。
【0064】
両方の寒天を、滅菌した8ウェルチャンバースライド(Lab−tech、Naperville、IL)における2つのフォーマットのうちの1つ、または滅菌した35mmのガラスペトリ皿(Fisher Scientific、location)に注いだ。スライドガラスを、8ウェルチャンバースライドから分離した場合、寒天は、そのチャンバーの中に残り、従って、接種のための寒天の「底」表面の使用を可能にし、それは、この表面の相対的な滑らかさに起因する単収縮運動性のアッセイのために最適である(Semmlerら、Microbiology、145、2863−2873、1999およびMattick、Ann.Rev.Microbiol.、56、289−314、2002)。8ウェルチャンバースライド中で成型した寒天を、表面増殖表現型を示すために使用したが、ペトリ皿の中に注がれた寒天を、表面下寒天トランスロケーション(Semmlerら、前出)の実証のために使用し、一方、8ウェルチャンバースライド中で成型した寒天を、寒天の表面の増殖表現型を示すために使用した。全てのアッセイを、別の日に最低3回繰り返した。
【0065】
滅菌したガラスペトリ皿の中に注がれた寒天に、滅菌したマイクロピペットチップを使用して、上記のように増殖させたNTHiの0.5μlの懸濁液を表面下で接種した。プレートを、24時間のインキュベーション(37℃、5%CO)後に観察して、次いで、寒天の底表面とガラスペトリ皿との間の細菌のトランスロケーションの徴候を再び判断する前に、さらに24時間、室温(25℃)で保持した。
【0066】
sBHI培地上で、接種24時間後、NTHiは、寒天とガラスペトリ皿の底との間の接種部位の周囲の狭い面積(約0.5mm半径)において増殖したことが観察された。さらに24時間後、増殖パターンは、24時間で観察したものと類似のままであった。化学的に規定された培地上で、24時間のインキュベーション後、NTHiの増殖は、接種部位から2mm〜5mmの距離で、寒天表面とガラスペトリ皿の底との間で観察された。細菌はまた、接種部位の周囲のハロ様パターンにおける小さなコロニーに凝集した。48時間後、NTHiは、非常に異なる整列のマイクロコロニーを形成し、その多くは、接種部位から5mmよりはなれた距離で生じた。接種の元の部位から5mmの距離までの微小付随体の形成は、化学的に規定された培地における増殖の顕著な特徴の知見であり、菌株86−028NPを、リッチ寒天上で増殖させた場合、決して見られなかった。
【0067】
チャンバースライドを、18時間〜20時間チョコレート寒天で増殖させたNTHiの0.5μlの懸濁液[発熱物質を含まない滅菌した生理食塩水で懸濁した(American Pharmaceutical Partners Inc.、Schaumburg、IL)]で接種するか、またはシングルコロニーを、寒天の表面への移動のために、滅菌したつま楊枝を用いて、穿刺するかのいずれかをした。
【0068】
sBHI培地において、接種後30分、NTHiは、寒天表面と密接に関連して現れて、シート様のパターンにおいて増殖した。2.5時間で、表面積の約80%〜90%が、細菌の薄いシートで覆われた。またこの時点で、NTHiの微小凝集体が、現れ始めた。接種6時間〜7時間後、それらの微小凝集体は、肉眼で識別可能であり、ウェルにつき、約3〜5の微小凝集体が存在した。さらに、NTHiはまだ、寒天表面の約50%〜70%を覆うシートとして増殖しているように観察された。接種24時間後、NTHiは、各接種部位において大きなシングルコロニーとして現れた。
【0069】
sBHI上で観察されたものと同様、化学的に規定された培地において、接種30分後、NTHiは、シート状に増殖しているように見えたが、しかし、細菌の密度は、sBHI寒天上で観察されたものよりかなり低いようであった。接種2.5時間後、多数の微小凝集体は、寒天表面の全体にわたって明らかであった。示したものと対照的に、NTHiをsBHI寒天上に接種した場合、それらの微小凝集体は、外観上、より大きく、ずっと高密度であった。約30〜40の微小凝集体が、各ウェル上に見られ得た。さらに、この時点で、NTHiのシート様の増殖の大きな領域が存在し、表面積の約80%が細菌によって覆われた。接種6時間〜7時間後で、微小凝集体は、より大きく、より高密度で、肉眼で容易に見えた。また、放射状の増殖の領域またはハロは、NeisseriaおよびPseudomonas sp.(参考文献)について記載された増殖パターンと同様に、大きなコロニーから外向きに放射状に広がって見えた。この期間までに、ほとんどの細菌が、小さな群れまたは微凝集体に整列されて、非常に少ない割合のものは、シートまたは単層として寒天表面を覆って見られた。24時間後、各接種部位において大きなシングルコロニーが存在したが、しかし、接種点から離れた部位を含む、寒天表面全体にわたって存在する多くの小さな付随体コロニーもまた存在した。
【0070】
従って、NTHi菌株86−028NPは、栄養分枯渇の条件下で増殖させた場合、IV型ピリ線毛発現P.aeruginosa(Semmlerら、Microbiology、145(10)、2863−2873、1999)について報告されたものと同様に、古典的な凝集体形成を示す。
【0071】
(実施例3)
カバーガラスと滑らかな寒天表面との間での個々のNTHi細胞の動きを、ビデオ顕微鏡検査によって追跡した。細胞は、約0.42μm/秒で移動した。これは、単収縮するP.aeruginosa(SkerkerおよびBerg、Proc.Natl.Acad.、Sci.USA、98、6901−6904、2001)およびNeisseria gonorrhoeae(Merzら、Nature、207、98−102、2000)について報告されたものと一致する。
【0072】
20時間、37℃および5%COにてチョコレート寒天上で増殖させて、次いで、さらに24時間、周囲温度で保持した白金耳量のNTHi菌株86−028NPを、滅菌した水に懸濁して、得られた0.5μlの懸濁液を、滅菌したスライドガラスの上に置いた。コントラストを与えて、それによって可視化を促進するために、0.5μlのトリパンブルー(0.4%、Sigma、St.Louis MO)を、この細菌懸濁液に添加した。次いで、液滴を、滅菌したカバーガラスで覆い、光学顕微鏡(Axioskope 40、Zeiss、Thornwood、NY)を通して見た。試料を、約15分〜20分間にわたって室温で観察した。細菌は、容易に観察可能であり、全てではないが、いくつかの細胞または細胞の微小凝集体の指向性の動きが注目された。活性を刺激するために、本発明者らは、0.5μlのヘム溶液(1mg/ml)(Sigma、St.Louis、MO)を、滅菌したカバーガラスの片側に添加した。単収縮活性は、ビデオ[VCRに取り付けたビデオ耳鏡検査法システム(MEDRInc、Seminole、FL)]ならびに長さおよび偏倚運動の速度を測定するためのさらなる画像の両方の捕捉によって実証された。
【0073】
個々の細胞、または細胞の微小凝集体は、51秒間かけて約11.0μmの総直線距離を移動した(速度約0.22μm/秒)。しかしながら、観察の期間全体で、観察された単収縮運動の速度は、0.14μm/秒〜0.48μm/秒の範囲であった。
【0074】
(実施例4)
IV型ピリ線毛を、ネガティブ染色および透過型電子顕微鏡法によって可視化した。
【0075】
NTHi菌株86−028NPの一晩の培養液を、sBHIおよび規定した寒天プレート上に接種して、37℃、5%COで2時間、6時間または24時間、インキュベートした。さらに、培養液を、sBHIブロスおよび規定したブロスの中に接種して、2.5時間または5.5時間インキュベートした。これらの後者の時点は、それぞれ、増殖の指数期および誘導期へ入ったことを示す。次いで、細菌を、滅菌水中に2.0%酢酸アンモニウムw/v(Sigma)および2.0%モリブデン酸アンモニウムw/v(Sigma)を含むWhatmanフィルター処理した溶液を用いて、ネガティブ染色した(Bakaletzら、Infect Immun、1988 56:331−5)。フォルムバールコーティングおよび炭素コーティングされた銅のグリッド(300メッシュ)(Electron Microscopy Sciences)を、寒天プレート上で増殖した個々のコロニーに接して、次いで、ネガティブ染色溶液の液滴の上に浮かせた。ブロス増殖培養物を粒状にし、細菌を滅菌水に再懸濁して、グリッドを、等しい体積の細菌懸濁液およびネガティブ染色液の上に浮かせた。5分後、グリッドを軽くぬぐい、風乾燥させ、その後、ビデオモニター(Gatan,Inc.、Pleasanton、CA)およびデジタル画像システム(Gatan、Inc.)が取り付けられたHitachi Model H−600透過型電子顕微鏡で観察した。
【0076】
NTHiをsBHI上で増殖させた場合、IV型ピリ線毛様構造体は、観察されなかった。反対に、規定した栄養物条件下で増殖させた場合、NTHiは、直径約6nm〜7nmの構造体を発現することが見られた。これらの構造体の多くはまた、グリッド表面上に遊離して見出された。1つの細菌細胞につき、約5〜6のピリ線毛が存在し、それらは、適切な場所にあり極性を形成した。
【0077】
(実施例5)
PilAの発現が欠失した変異体を、菌株86−028NPを、化学的に規定された培地上でアルカリ条件で増殖させた場合に観察された構造体の成分をさらに特徴付けるために、作製した。
【0078】
菌株86−028NPからのpilA遺伝子ならびにこの遺伝子の5’側および3’側約1kbを、PCRによって増幅させて、pGEM−T Easy(Promega)の中へクローン化して、そのDNA配列を決定して、PCR増幅の結果としてクローンにおいて配列に変化がないことを確認した。pilA遺伝子において都合の良い制限酵素認識部位は存在しなかったので、BamHI部位を操作して、Stratagene QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kitを使用してこの遺伝子の中へ入れた。得られた構築物をBamHIで直鎖化し、この遺伝子を、ΩKn−2カセットを用いて挿入不活化した(Perez−Casalら、J.Bacteriol.、173:2617−2624、1991)。得られた構築物を直鎖化し、MIV法を使用して、菌株86−028NPに形質転換した(PojeおよびRedfield、Herbertら(編)、Haemophilus influenzae Protocols、Humana Press Inc.、Toronto、2003のp.57−70)。カナマイシン耐性クローンを選択して、86−028NP pilA遺伝子の挿入不活化を、サザンハイブリダイゼーションによって選択されたクローンにおいて確認した。
【0079】
pilA変異体を、親の単離体(実施例4)においてIV型ピリ線毛の増加した発現を誘導した条件下で増殖させた後のIV型ピリ線毛の発現について評価した場合、細胞に結合したIV型ピリ線毛も遊離IV型ピリ線毛も観察されず、pilA遺伝子産物(および/または変異は下流の遺伝子産物を崩壊させるようであるpilAであるため、pilBCD遺伝子産物)が、ピリ線毛発現を必要とするこが確認された。
【0080】
(実施例6)
IV型ピリ線毛が、鼻咽頭のコロニー形成、ならびに中耳におけるバイオフィルム中での生存および/またはバイオフィルムを形成する能力を必要とされるか否かを決定するために、本発明者らは、親の菌株86−028NPまたは同遺伝子系pilA変異体(実施例5)のいずれかを用いて、14匹の成体のチンチラを鼻腔内およびトランスブラリー(transbullarly)の両方でチャレンジした。チャレンジ後、2日目、5日目、10日目、15日目および20日目に、鼻咽頭洗浄および鼓膜の上部の穿刺を行い、鼻および中耳の両方の鼓膜を1つの集団につき1〜2匹のチンチラから回収して、それらの解剖学的部位の各々におけるNTHiのcfuを決定した。親およびpilA変異体の両方は、20日間、チンチラ宿主において生存し得た。しかしながら、鼻粘膜の組織ホモジネートにおける付着性の小集団についてアッセイした場合、両方の菌株は、洗浄液および穿刺液において等価な量で存在したが、pilA変異体は、5日目より後に回収したホモジネートの80%に存在しなかったか、または本発明者らの検出能力未満であり、一方、親の単離体でチャレンジした動物から回収した87%の同様の鼻粘膜は、培養陽性であった。
【0081】
共焦点顕微鏡検査を、急速凍結した組織について行って、バイオフィルムが存在するか否かを決定した。中耳においてpilA変異体によって形成されたバイオマスは、親の単離体に特有の十分に構築されたバイオフィルムとは異なる特性のものであった。データは、NTHi IV型ピリ線毛が、OMの疾患過程において重要な役割を果たすことを示す。
【0082】
(実施例7)
NTHiの10種の臨床的単離体のpilA遺伝子を、配列決定した。これらの単離体からのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、それぞれ以下のように示す:配列番号25および配列番号26における1728MEE、配列番号27および配列番号28における1729MEE、配列番号29および配列番号30における3224A、配列番号31および配列番号32における10548MEE、配列番号33および配列番号34における1060MEE、配列番号35および配列番号36における1885MEE、配列番号37および配列番号38における1714MEE、配列番号39および配列番号40における1236MEE、配列番号41および配列番号42における1128MEE、配列番号43および配列番号44における214NP。これらのアミノ酸配列とRdからのpilAポリペプチドのアミノ酸配列および86−028NPからのpilAポリペプチドのアミノ酸配列とのアラインメントを、図1に示す。
【0083】
全ての単離体のpilA遺伝子は、2つの単離体ならびに菌株Rdにおいて6位におけるQをLに置換することを除いて、大部分が不変である12残基のリーダーペプチドをコードする。成熟PilAは、137残基を含み、+1位に特徴的なメチル化フェニルアラニンを含むと予測される。+24位および+27位にあり、サブユニット−サブユニット相互作用に関与すると考えられるチロシン残基は、+50位、+60位、+119位および+132位における4つのCys残基と同様に高度に保存される。興味深いことに、NTHi PilAタンパク質は、新しいクラスのIV型ピリ線毛を表すように見える。リーダーペプチドは、IV型ピリンに特徴的なもの(代表的に長さ5〜6残基)より長く、さらに代表的なIVbリーダーペプチドより短い(15〜30残基)。137残基において、成熟NTHiピリンは、クラスIVaピリンまたはIVbピリン(それぞれ、150残基および190残基)のいずれよりも短い。NTHi PilAタンパク質は、N−メチル化フェニルアラニンで開始されるため、それらは、クラスIVaピリンの可能性がより高いが、しかし、電子顕微鏡写真において、遊離NTHi IV型ピリ線毛は、逆並行の相互作用によって自己会合する能力に起因して、クラスIVbピリンとより古典的に関連した表現型である側面が会合した束状態で常に出現する。
【0084】
NTHi PilA配列多様性に関して、全体的にそれらの配列は、高度に相同性である。図1を参照のこと。保護的な免疫優勢または付着因子結合機能に起因して、表面が利用しやすく、また、ワクチン開発を目的とする場合、潜在的に重要な多様性の2つの領域は、55〜64位および79〜87位に存在する。第1の領域内で、臨床的単離体の間に、2つの主要な改変体が存在するように見え、一方、多数派(11種の単離体のうち7種、64%)を示し、配列:NET/ITNCT/MGGKによって特徴付けられ、他方は、少数派(11種の単離体のうち4種、36%)を示し、配列:GKP/LST/SCSGGSによって特徴付けられる。しかしながら、多数派のグループ分けにおいて+57位および+61位、ならびに少数派のグループ分けについて+57位および+59位でのいくつかのさらなる小数のバリエーションが存在する。+61位に示される多様性は、現在のところ1種の単離体(菌株#1885)にのみ見られ、TをMにする置換が存在する。第2の焦点を合わせた相違領域(79位〜87位)内で、臨床的NTHi単離体の間で2つの等しく分配された改変体が存在するようである。配列ASVKTQSGGが、11種の臨床的単離体のうちの5種(約45%)において存在するが、配列KSVTTSNGAは、11種の臨床的単離体のうちの6種(約55%)において存在する。
【0085】
全体的に、55位〜64位において多数派の配列を有する7種の単離体のうちの5種の単離体はまた、領域79〜87においてKSVTTSNGAモチーフを有し、残りの2つの単離体は、この領域においてASVKTQSGGモチーフを有する。55位〜64位において少数派の配列を有する4種の残っている臨床的単離体のうちの3種はまた、領域79〜87においてASVKTQSGGモチーフを有し、1つの単離体のみが、このドメインにおいてKSVTTSNGA配列を有する。従って、これらが保存的置換であるか否かおよび、配列が、表面の利用可能な抗原性指標の高い親水性領域内に存在し、それによって、ワクチン開発の標的となるかに依存して、それらは、NTHiに対する免疫応答を誘発するためのIV型ピリ線毛ベースの成分として含まれることを必要としても、必要としなくてもよい。
【0086】
(実施例8)
NTHi誘発OMにおけるIV型ピリ線毛の役割を調べるため、そして、生まれつきの疾患中の小児からの抗体が、IV型ピリ線毛を認識するかどうかを決定するために、4つの連続的な合成ペプチド(これは、NTHi菌株86−028NPの成熟PilAの配列番号2のアミノ酸21〜137を表す)を合成し、OMを有する小児から得られた小児の血清および中耳滲出液のパネルに対してバイオセンサーによってアッセイした。NTHiに起因するOMを有する2ヶ月、6ヶ月〜7ヶ月または18ヶ月〜19ヶ月および4歳〜6歳の年齢の小児からの血清を、OMのエピソードの数によって決定して、低い発生率および高い発生率の群に分けた。
【0087】
現在のところ、高いOMの発生率または低いOMの発生率のいずれかの2ヶ月齢および6ヶ月〜7ヶ月齢の小児から得られた血清中の抗体は、IV型ピリ線毛ペプチドのいずれかと制限された反応性を示し、それぞれ、3〜38および4〜61の共鳴単位(RU)の値を有した。しかしながら、これらの群の間の著しい相違が、18ヶ月齢〜19ヶ月齢で得られた血清で見られた。低い発生率の18ヶ月〜19ヶ月の群からの血清で得られた値は、44RU〜105RUであったが、高い発生率のパネルからの血清は、IV型ピリ線毛ペプチドを5倍高く(81RU〜528RU)まで認識した。4歳〜6歳の年齢において、小児が生まれつきOMを消散する場合、IV型ピリ線毛ペプチドに対する反応性は、2つの発生率の群の間で、再び同様であった。ここで観察された反応性が、NTHiに起因する疾患に特異的であることを確認するために、S.pneumoniaeに起因するOMを有する小児からの血清もまた、アッセイした。全ての場合において、16〜120のRU値が、全てのIV型ピリ線毛ペプチドに対して得られた。中耳から得られた滲出液においてIV型ピリ線毛に対する抗体の存在についてアッセイするために、本発明者らはまた、バイオセンサーによってそれらの液体をアッセイした。Streptococcusに起因するOMを有する小児からの滲出液は、未反応であったが、NTHiに起因するOMを有する小児から回収された滲出液は、IV型ピリ線毛ペプチドと高度に反応した。集合的に、このデータは、OMの疾患経過の間に、NTHi IV型ピリ線毛が、インビボにおいて発現されること、および、それらの構造体が免疫原性であることを強く示唆する。
【0088】
(実施例9)
NTHiに対する広い交差防御免疫応答を与える免疫原の同定を、以下のように行いうる。
【0089】
(NTHiピリンペプチドの合成)
PilAの免疫優性ドメインおよび付着因子結合ドメインをマッピングするために、重なり合う連続的なペプチドならびに既知の多様性の2つの焦点を合わせた領域由来のペプチド(上記の実施例6を参照のこと)のパネルを、合成する。例えば、5残基の重なりを有する13の15マーペプチドを、137残基の成熟ピリンタンパク質の全体をマッピングするために合成する。最終的なC末端ペプチドは、成熟PilAの最終的な2つのアミノ酸を組み込むために、実際には残基121〜137にわたる17マーである。2つの記載した多様性領域を適合させるために、残基51〜65に及ぶ2つのペプチド改変体および残基79〜95に及ぶ2つのペプチド改変体を、合成する。この後者の多様性領域を完全に適合させるために、多様性領域は、実際には残基79〜87に及ぶため、2つのペプチドを、N末端における1つのアミノ酸ずつ長さを変えて作製する。付加的な残基に起因して、これらの後者の2つのペプチドの各々は、長さが16マーである。従って、合計15のペプチドを合成する:12は、15マーであり、1つは、17マーであり、そして2つは、16マーペプチドである。このペプチドを以下の表2に示し、ここで、アミノ酸残基の数は、配列番号2のアミノ酸と一致する。
【0090】
【表2−1】

【0091】
【表2−2】

(組換えNTHiピリン(rPilA)の作製)
組換えPilAタンパク質(rPilA)を、アッセイにおいて完全なピリンサブユニットタンパク質を示すために使用するための、より容易に再生可能な産物として役立たせるために作製し得る。このようにするために、天然のピリンサブユニットの機能的な品質を所有するためにはrPilAが同様に適切に折りたたまれていることが重要であるので、4つのCys残基を有したピリンを研究したKeizerら(J.Biol.Chem.、276:24186−14193、2001)の公開されたプロトコルを利用する。手短かにいうと、先端を切り取ったピリンを操作し、ここで、最初の28残基を、凝集を防止するために、N末端から取り除き、この先端を切り取ったピリンをさらに、構築物にOmpAリーダー配列の組み込みによって、ペリプラズムに運ばれるように操作する。この戦略を使用して、Keizerらは、インビトロでのアッセイにおいてそのレセプター(アシアロGM1)に結合し得る組換え可溶性モノマーのP.aeruginosaピリンタンパク質を作製して、異種チャレンジの前にこのペプチドを15分送達した場合、マウスにおける罹患率および死亡率を減少させた。このNTHi PilAの可溶性モノマー性の先を切り取った形態は、以下に記載した研究において有用である。
【0092】
(PilAの免疫優性ドメインのマッピング)
ペプチドならびに天然PilAタンパク質および組換えPilAタンパク質を、NTHiに起因する実験的または生まれつきのOMを受けているチンチラおよび小児からの中耳液に加えて、急性でかつ回復期にあるチンチラおよび小児血清(本発明者らの現在の試料収集物内で全て入手可能であるか、または別の発案の一部分として収集物が計画されている)の両方において合わせて使用して、ELISAおよびまたバイオセンサーアッセイによって、PilAの免疫優性ドメインをマッピングする。手短にいうと、PilAペプチド、rPilAおよび天然のピリ線毛を、96ウェルマイクロタイタープレートまたはバイオセンサーチップ表面に結合させ、次いで、血清または中耳液サンプル内の各ペプチドに結合する抗体の相対量をアッセイする。
【0093】
これらの研究は、チンチラ宿主およびヒトの小児の両方によって認識される場合に、ピリンサブユニットのうちの他のものよりも比較的免疫優性である領域を同定する。最もN末端の合成ペプチドは、非常に無極性(疎水性)のアミノ酸から構成され、従って、ピリ線毛繊維内に埋没するようであり、抗体に接近できないという事実に起因して、この15マーペプチドは、本明細書中に記載されるアッセイについての内部のネガティブコントロールとして役立つと予想される。正常な小児の血清および未刺激のチンチラ血清は、ネガティブ血清コントロールとして役立ち、未刺激の動物から回収される中耳の洗浄液は、中耳のNTHi感染の間に回収される滲出液についてのネガティブコントロールとして使用される。
【0094】
(PilAの付着因子結合ドメインのマッピング)
PilAの真核細胞結合ドメインをマッピングするために、競合的ELISAアッセイを行い、ならびに共焦点顕微鏡検査によって、合成ピリンペプチドが細胞培養物における真核細胞に対するNTHi結合を阻害する能力の評価を行う。最初のスクリーニングアッセイのために、適切な真核生物標的細胞を、96ウェルマイクロタイターディッシュ内で増殖させる。細胞を洗浄し、次いで、合成ピリンペプチド、rPilAまたは天然のNTHiピリ線毛[PBSにおいて0.2μg]とともに予備インキュベートして、それらの真核生物へのNTHi菌株86−028NP(ピリン発現を促進することが公知の条件下で増殖させた)の結合をブロックするそれらの相対能力を決定した。NTHiの相対的付着性を、相同な完全NTHi OMP調製物およびHRP結合プロテインAに対するポリクローナル抗血清を使用して、テトラメチルベンジジン(TMB)で発色させて決定する。適切なこれらのアッセイのために、上皮標的細胞[すなわち、チンチラの中耳上皮細胞(CMEE)、正常なヒト気管支/気管の細胞(NHuBr)、ヒトII型肺胞上皮細胞株(A549)]、NTHiが付着しない臨床的に関連性がない上皮標的細胞(CHO)ならびに内皮標的細胞[ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)]を使用する。
【0095】
抑制活性を示すペプチド(代表的に、カットオフは、コントロールに対して15%以上の付着性阻害である)について、観察された細菌付着ブロック能力に対するあらゆる用量依存性を決定する。相互作用をさらに、Transwellシステムを使用して、付着性遮断アッセイを行うことによって評価し得、ここで、気道上皮細胞(CMEEおよびNHuBr)を、空気−流体界面で増殖させる。これらの細胞を、目的の第1の合成ペプチド(または適切なコントロール、すなわち、それぞれ、付着性に関与するか、または関与しないNTHi表面タンパク質についてのポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとしての単離されたOMP P5およびP2、ならびにrPilA)とともにインキュベートして、利用可能なTfpレセプターをブロックすることを試み、次いで、それらを、新鮮な増殖培地で5回洗浄し、続いて、本発明者がTfpの発現を促進すると知っている条件下で増殖させた約2〜5×107のNTHiを接種する。培養物を洗浄して、非付着性の細菌を除去し、次いで、5分間、氷上でメタノールで固定し、風乾し、PBSでリンスし、膜をTranswellから取り出して、共焦点顕微鏡検査によて画像化するためにカバーガラスの上に置く。付着性NTHiを検出するために、チンチラの超免疫抗NTHi OMP血清およびFITC−プロテインAを使用して、NTHiとその上皮標的細胞との相互作用、あるいは逆に、PilAの推定付着因子結合ドメインを示すペプチドによるこの相互作用の遮断を実証する。
【0096】
(免疫原の選択)
上記に得られたデータに基づいて、免疫原性ペプチドを、相対的免疫優性ならびに呼吸器の上皮標的細胞に対するNTHiの付着性を阻害する能力の両方に基づいて選択する。目的の領域の生化学的特性および構造的特性に依存して、このペプチドを、合成ペプチドまたは組換えペプチドのいずれかとして産生する。
【0097】
PilA免疫原の免疫原性効力および防御効力を、本明細書中に開示したチンチラ動物モデルおよびヒト試験において最初に評価する。
【0098】
(実施例の要旨)
前述の証拠は、NTHiが、それらの表面上に機能的IV型ピリ線毛を発現することを示す。これらの遺伝子によってコードされるタンパク質は、分類可能なH.influenzaeにおける形質転換能力に重要であると公知であり、同様にNTHiによるバイオフィルム形成のために重要であると本明細書中に企図される。集団的に、これらの観察は、NTHiが、ヒト宿主という栄養物を制限された環境におけるIV型ピリ線毛の発現をアップレギュレートするようであることを示す。従って、IV型ピリ線毛は、NTHiならびにH.influenzae菌株a、b、c、eおよびfによって引き起こされる病原性状態のためのワクチンならびに/または抗菌戦略について優れた目的を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【公開番号】特開2011−50396(P2011−50396A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267903(P2010−267903)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【分割の表示】特願2006−547336(P2006−547336)の分割
【原出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(502200830)ネイションワイド チルドレンズ ホスピタル, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】