ICカードのICモジュール、これを備えたICカード、およびICモジュールの製造方法
【課題】不良品を確実に検出することができ、不良品の市場流出を防止することが可能なICモジュール、ICカードおよびICカードの製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、ICカードのICモジュールは、基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子C1〜C8と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔38と、前記基板の裏面に実装され、配線40により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用IC32と、を備えている。少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部46と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリット50と、を有する。
【解決手段】実施形態によれば、ICカードのICモジュールは、基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子C1〜C8と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔38と、前記基板の裏面に実装され、配線40により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用IC32と、を備えている。少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部46と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリット50と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ICカードのICモジュール、これを備えたICカード、およびICモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICカードと呼ばれるものには、ISO/IEC7816に規定される接触式ICカード、ISO/IEC14443に規定される非接触カード(無線カード)、およびその双方の機能を有するデュアルインターフェイスカードがある。
【0003】
例えば、接触式ICカードは一般的に、内部にICを有するICモジュールをポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、紙などのカード基材内に埋め込むことで形成される。ICモジュールは6つないしは8つの外部と通信するための端子を備え、接触端子裏側に配置したICと各端子が、金線などにより電気的に接続され、更に、ICと金線は熱硬化樹脂などで封止されている。それぞれの端子の機能はISO7816にて規定されている。ICモジュールのカードへの埋め込みは、一般的に、接着テープを貼り付けられたICモジュールを、カード基材の定められた位置に設けられたザグリ穴に設置し、加熱圧着することでICモジュールとカード基材との接着が行われる。
【0004】
上述したICモジュールを製造する場合、通常、複数組の端子が設けられたリール形状の端子付き基板を形成し、この基板の端子裏面側に、ICカード用のICを実装する。更に、端子裏面側の端子と電気的に導通しているボンディングホールと、ICのパッドと、をワイヤボンディングなどの手法で電気的に接続した後、ICをモールド樹脂などで封止することにより形成される。
【0005】
リール内のICモジュールは製造工程で不良があった場合、リールの所定の位置に貫通穴が設けられ、後工程にて、この貫通穴が不良品の識別に用いられる。接触式ICカードは、リール上に形成されたICモジュールを個々に打ち抜いて、カード基材上に切削加工により設けた凹部に接着剤で接着することで形成される。その際、別用の貫通穴を光電センサなどにより検知して、不良ICモジュールはカード基材に埋め込まれないよう処置が取られる。ICモジュールが埋め込まれたICカードは、カード発行工程にてICモジュールに情報が書き込まれた後、市場へと出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−86260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リール上に複数並べて形成されたICモジュールは、その一部に不良品を含んでおり、不良品には、所定の位置に貫通穴が設けられている。ICモジュールをカード基材に埋め込む工程にて、この貫通穴を光電センサなどにより検知することで、不良ICモジュールはカード基材に埋め込まれない。
【0008】
しかし、センサの設定ミスや、不良識別用の貫通穴にゴミが付いてしまうことで、不良品が検知されず、誤ってカード基材に埋め込まれる場合が有る。不良ICモジュールの一部は傷、欠け等の外観不良などによるものであり、カード基材に埋め込まれると正常に動作する場合がある。この場合、ICカードは検査工程を通って、市場へ流出してしまう可能性がある。このことから、不良ICモジュールは間違ってカード基材に埋め込まれた後も動作しないことが望ましい。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その課題は、不良品を確実に検出することができ、不良品の市場流出を防止することが可能なICカードのICモジュール、これを備えたICカード、およびICモジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、ICカードのICモジュールは、基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るICカードを示す平面図。
【図2】図2は、図1の線A−Aに沿ったICカードの断面図。
【図3】図3は、前記ICカードのICモジュールを示す平面図。
【図4】図4は、前記ICモジュールのカード制御用ICおよび透孔を透視して示すICモジュールの平面図。
【図5】図5は、前記ICモジュールの外部端末の接触子と接触可能な接触領域を示すICモジュールの平面図。
【図6】図6は、前記ICモジュールの断面図。
【図7】図7は、前記ICモジュールおよびICカードの製造工程を示す平面図。
【図8】図8は、断線孔が空けられた不良ICモジュールを示す平面図。
【図9】図9は、前記不良ICモジュールの断面図。
【図10】図10は、第2の実施形態に係るICカードのICモジュールを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、種々の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1ないし図6は、第1の実施形態に係る接触式のICカードを示している。ICカード10は、矩形板状のカード基材12と、カード基材12に埋め込まれたICモジュール16と、を備えている。
【0013】
図1および図2に示すように、カード基材12は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)などの材料からなる薄厚のプラスチックシートを複数積層し、熱プレスで接着してISO/IEC7810に規定される厚さ(0.76±0.08mm)のシートを形成した後、このシートを所定サイズのカード形状に打ち抜くことにより、形成される。その他、カード基材12は、カード形状の金型を用いて、合成樹脂により射出成形してもよい。カード基材12の最も外側の面に透明のオーバーコート層をさらに積層してもよい。
【0014】
カード基材12には、ICモジュール16が装着される段付きの凹所20が形成され、カード基材12の表面に開口している。凹所20は、矩形状の大径凹所20aと、大径凹所の中心部に、この大径凹所20aよりも深く形成された矩形状の小径凹所20bとを有し、矩形状の2段凹所に形成されている。
【0015】
図3は、ICモジュールの外部端子を示す平面図、図4は、ICモジュールのカード制御用ICおよび配線用の透孔を示す平面図、図5は、外部端末の接触子が接触する規定端子位置を示す平面図、図6は、ICモジュールの断面図である。図3ないし図6に示すように、ICモジュール16は、絶縁材料で形成された矩形状の基板30と、この基板30の上面上に形成されISO/IEC7816にて規定される接触通信用の外部端子C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8と、基板30の裏面に実装されたカード制御用IC32と、を備えている。
【0016】
外部端子C1ないしC8は、互いに0.2mm程度の隙間31をおいて配置され、互いに電気的に絶縁されている。また、外部端子C1ないしC8は、輪郭を形成する外側縁を有し、これら外部端子C1ないしC8全体として、矩形状の輪郭を有している。実施形態において、矩形の角部に位置するC1端子は、例えば、電源として用いられ、他の角部に位置するC5端子は、グランドとして用いられている。C5端子は、外部端子郡の中央部に延出する中央延出部36を有し、この中央延出部の裏面側で基板30に制御用IC32が実装される。他の外部端子、C2、C3、C6ないしC8は、それぞれ別々の機能が割り当てられている。
【0017】
図4および図6に示すように、基板30には複数の透孔38が形成され、これらの透孔は、制御用IC32の外周に位置し、それぞれ外部端子C1ないしC8の内側の端部(接続部)、つまり、中央延出部36側の端部、に対向している。基板30に実装された制御用IC32の複数のパッドは、例えば、ワイヤボンディングを用いて、金線等からなるボンディングワイヤ40により、透孔38を通して対応する外部端子の接続部に電気的に接続されている。本実施形態では、外部端子C1、C2、C3、C5、C7がそれぞれ制御用IC32に電気的に接続され、外部端子C4、C6、C8は空きの状態となっている。
【0018】
基板30の裏面上に実装されたカード制御用IC32、透孔38、およびボンディングワイヤ40は、熱硬化樹脂、モールド樹脂等の封止材42によって覆われ封止されている。封止材42の外形輪郭は、例えば矩形状に形成され、透孔38の外側に位置しているとともに、外部端子C1ないしC8の外側縁から広く離間している。
【0019】
図5および図6に示すように、外部端子C1ないしC8の各々は、ICカード10を外部端末に装着した際、外部端末側の接触子44に接触可能な接触領域D1ないしD8を有している。これらの接触領域D1ないしD8の位置は、ISO/IEC7816により規定領域に決められている。
【0020】
図3ないし図5に示すように、制御用ICに電気的に接続されている外部端子の少なくとも1つ、ここでは、外部端子C1は、接触領域D1を含む第1領域R1とIC32との接続部を含む第2領域R2とを電気的に連結しているとともに貫通孔(断線孔)を形成することにより切除可能な連結部46と、第1領域R1と第2領域R2との間を外部端子C1の一側縁から連結部46まで延びる分離用スリット50と、を有している。分離用スリット50は、隙間31から封止材42の外輪郭を越えて、外部端子C1の外側縁近傍まで延びている。これにより、分離用スリット50の先に残る連結部46は、封止材42から外れて位置しているとともに、連結部46の幅Wは、後述する断線孔の径よりも小さく、例えば、2mm程度に形成されている。
【0021】
上記のように構成されたICモジュール16は、図1および図2に示すように、カード基材12の第2凹所20に埋め込まれ、接着剤51によりカード基材12に加熱圧着される。第2凹所20の大径凹所20aは、基板30に対応した大きさおよび形状に形成され、ICモジュール16の基板30および外部端子が、大径凹所20a内に収容されている。基板30は、裏面の周縁部が接着剤51により大径凹所20aの底に接着される。ICモジュール16の外部端子C1〜C8は、カード基材12の表面とほぼ面一に配置され、外部に露出している。小径凹所20bは、ICモジュール16の封止材42に対応した大きさおよび深さに形成され、この小径凹所20bに封止部分が収容されている。
【0022】
上記のように構成されたICカード10およびICモジュール16の製造工程について説明する。
図7に示すように、複数組の外部端子が並んで形成されているとともに、裏面に基板30が貼付されたリール60を形成する。外部端子の裏面側で基板30にカード制御用IC32を実装し、ワイヤボンディングなどの手法で、ICのパッドと外部端子の接続部と透孔38を通して電気的に接続する。次いで、IC32、透孔38、ボンディングワイヤ40をモールド樹脂などで封止する。これにより、複数のICモジュール16がリール60上に形成される。
【0023】
続いて、各ICモジュール16の外形検査、および、外部端子の規定接触位置に検査ピンを当て電気的な接続が成されているか否かを検査する。
【0024】
これらの検査により、良品と判断されたICモジュール16は、リール60から打ち抜き、カード基材12上に切削加工により設けた凹所20に接着剤で接着する。これにより、ICカードが製造される。ICモジュール16が埋め込まれたICカード10は、カード検査工程を経て、カード発行工程にてICモジュール16に情報が書き込まれた後、市場へと出荷される。
【0025】
一方、上述したICモジュール16の検査工程において、不良品として識別されたICモジュール16aが発生した場合、図7、図8、図9に示すように、C1端子の第1領域R1と第2領域R2との間にある分離用スリット50の延長上にある連結部46に貫通孔(断線孔52)を開け、連結部46を除去する。これにより、C1端子の第1領域R1と第2領域R2が切り離され、電気的に完全に接続されない状態となる。ICモジュール製造工程で発生した不良品は識別用の断線孔52を光電センサなどにより検知して、不良ICモジュール16aはカード基材12に埋め込まれないよう処置が取られる。
【0026】
また、誤って不良ICモジュール16aがリール60から打ち抜かれ、カード基材12に埋め込まれた場合、カード検査工程でC1端子の規定接触位置に検査ピンを当てても電源がIC32に供給されないため動作せず、不良品であることが容易に識別することができる。従って、この不良ICカードを排除し、誤って市場に流出することを防ぐことができる。
上記のように断線孔52を不良識別孔として、良品/不良品の判定に用いても良いし、断線孔と不良識別孔とを別々に形成してもよい。
【0027】
以上のように構成されたICモジュール、ICカードおよびその製造方法によれば、外部端子に断線孔により切除可能な連結部および分離用スリットを設け、不良品発生時に、断線孔を開けて連結部を除去することにより、外部端子の接触領域と接続部とを電気的に完全に切り離すことができる。これにより、ICモジュールをカード基材に埋め込む工程にて、不良識別用貫通孔の検知を誤った場合でも、カード基材に埋めこまれたICモジュールは動作不能となっているため、カード検査工程にて容易に不良品を発見することができ、不良品の市場流出を確実に防ぐことができる。また、連結部は、断線孔の径よりも小さい幅に形成され、更に、封止材の外側に設けられていることから、不良品として識別された際、ICモジュールに断線孔を容易に開けることができるとともに、連結部を確実に切除し、外部端子を断線状態とすることができる。
【0028】
本実施形態では、C1端子に接触領域と接続部との間を断線する構造を設けたが、これに限らず、制御用ICに接続されている別の端子に上述した断線構造を設けてもよい。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るICカードについて説明する。図10は、第2の実施形態に係る接触式のICカード10のICモジュール16を示している。本実施形態によれば、分離用スリット50および連結部46は、カード制御用IC32に電気的に接続されたC5端子に設けられている。
【0030】
分離用スリット50は、隙間31により規定されているC5端子の一側縁から、C5端子の接触領域と接続部との間を通り、更に、ほぼ直角に折れ曲がった後、C5端子の外側縁近傍まで延びている。分離用スリット50の延出端とC5端子の外側縁との間に連結部46が形成されている。連結部46は、断線孔52を形成することにより切除可能な幅に形成されている。
【0031】
分離用スリット50は、基板の裏面側でカード制御用IC32、透孔38、およびボンディングワイヤ40を覆った封止材42の外側まで延び、連結部46は、封止材42から外れて位置している。
ICカードおよびICモジュール16の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
上記のように構成された第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
この発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、本発明に係るICカードは、接触式のICカードに限らず、無線通信の機能を更に有するコンビカード、ハイブリッドカードにも適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…ICカード、12…カード基材、16…ICモジュール、20…凹所、
22…配線、30…基板、31…隙間、32…カード制御用IC、38…透孔、
40…ボンディングワイヤ、42…封止材、46…連結部、50…分離用スリット、
52…断線孔(貫通孔)、C1〜C8…外部端子、R1…第1領域、R2…第2領域
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ICカードのICモジュール、これを備えたICカード、およびICモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICカードと呼ばれるものには、ISO/IEC7816に規定される接触式ICカード、ISO/IEC14443に規定される非接触カード(無線カード)、およびその双方の機能を有するデュアルインターフェイスカードがある。
【0003】
例えば、接触式ICカードは一般的に、内部にICを有するICモジュールをポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、紙などのカード基材内に埋め込むことで形成される。ICモジュールは6つないしは8つの外部と通信するための端子を備え、接触端子裏側に配置したICと各端子が、金線などにより電気的に接続され、更に、ICと金線は熱硬化樹脂などで封止されている。それぞれの端子の機能はISO7816にて規定されている。ICモジュールのカードへの埋め込みは、一般的に、接着テープを貼り付けられたICモジュールを、カード基材の定められた位置に設けられたザグリ穴に設置し、加熱圧着することでICモジュールとカード基材との接着が行われる。
【0004】
上述したICモジュールを製造する場合、通常、複数組の端子が設けられたリール形状の端子付き基板を形成し、この基板の端子裏面側に、ICカード用のICを実装する。更に、端子裏面側の端子と電気的に導通しているボンディングホールと、ICのパッドと、をワイヤボンディングなどの手法で電気的に接続した後、ICをモールド樹脂などで封止することにより形成される。
【0005】
リール内のICモジュールは製造工程で不良があった場合、リールの所定の位置に貫通穴が設けられ、後工程にて、この貫通穴が不良品の識別に用いられる。接触式ICカードは、リール上に形成されたICモジュールを個々に打ち抜いて、カード基材上に切削加工により設けた凹部に接着剤で接着することで形成される。その際、別用の貫通穴を光電センサなどにより検知して、不良ICモジュールはカード基材に埋め込まれないよう処置が取られる。ICモジュールが埋め込まれたICカードは、カード発行工程にてICモジュールに情報が書き込まれた後、市場へと出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−86260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リール上に複数並べて形成されたICモジュールは、その一部に不良品を含んでおり、不良品には、所定の位置に貫通穴が設けられている。ICモジュールをカード基材に埋め込む工程にて、この貫通穴を光電センサなどにより検知することで、不良ICモジュールはカード基材に埋め込まれない。
【0008】
しかし、センサの設定ミスや、不良識別用の貫通穴にゴミが付いてしまうことで、不良品が検知されず、誤ってカード基材に埋め込まれる場合が有る。不良ICモジュールの一部は傷、欠け等の外観不良などによるものであり、カード基材に埋め込まれると正常に動作する場合がある。この場合、ICカードは検査工程を通って、市場へ流出してしまう可能性がある。このことから、不良ICモジュールは間違ってカード基材に埋め込まれた後も動作しないことが望ましい。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その課題は、不良品を確実に検出することができ、不良品の市場流出を防止することが可能なICカードのICモジュール、これを備えたICカード、およびICモジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、ICカードのICモジュールは、基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るICカードを示す平面図。
【図2】図2は、図1の線A−Aに沿ったICカードの断面図。
【図3】図3は、前記ICカードのICモジュールを示す平面図。
【図4】図4は、前記ICモジュールのカード制御用ICおよび透孔を透視して示すICモジュールの平面図。
【図5】図5は、前記ICモジュールの外部端末の接触子と接触可能な接触領域を示すICモジュールの平面図。
【図6】図6は、前記ICモジュールの断面図。
【図7】図7は、前記ICモジュールおよびICカードの製造工程を示す平面図。
【図8】図8は、断線孔が空けられた不良ICモジュールを示す平面図。
【図9】図9は、前記不良ICモジュールの断面図。
【図10】図10は、第2の実施形態に係るICカードのICモジュールを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、種々の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1ないし図6は、第1の実施形態に係る接触式のICカードを示している。ICカード10は、矩形板状のカード基材12と、カード基材12に埋め込まれたICモジュール16と、を備えている。
【0013】
図1および図2に示すように、カード基材12は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)などの材料からなる薄厚のプラスチックシートを複数積層し、熱プレスで接着してISO/IEC7810に規定される厚さ(0.76±0.08mm)のシートを形成した後、このシートを所定サイズのカード形状に打ち抜くことにより、形成される。その他、カード基材12は、カード形状の金型を用いて、合成樹脂により射出成形してもよい。カード基材12の最も外側の面に透明のオーバーコート層をさらに積層してもよい。
【0014】
カード基材12には、ICモジュール16が装着される段付きの凹所20が形成され、カード基材12の表面に開口している。凹所20は、矩形状の大径凹所20aと、大径凹所の中心部に、この大径凹所20aよりも深く形成された矩形状の小径凹所20bとを有し、矩形状の2段凹所に形成されている。
【0015】
図3は、ICモジュールの外部端子を示す平面図、図4は、ICモジュールのカード制御用ICおよび配線用の透孔を示す平面図、図5は、外部端末の接触子が接触する規定端子位置を示す平面図、図6は、ICモジュールの断面図である。図3ないし図6に示すように、ICモジュール16は、絶縁材料で形成された矩形状の基板30と、この基板30の上面上に形成されISO/IEC7816にて規定される接触通信用の外部端子C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8と、基板30の裏面に実装されたカード制御用IC32と、を備えている。
【0016】
外部端子C1ないしC8は、互いに0.2mm程度の隙間31をおいて配置され、互いに電気的に絶縁されている。また、外部端子C1ないしC8は、輪郭を形成する外側縁を有し、これら外部端子C1ないしC8全体として、矩形状の輪郭を有している。実施形態において、矩形の角部に位置するC1端子は、例えば、電源として用いられ、他の角部に位置するC5端子は、グランドとして用いられている。C5端子は、外部端子郡の中央部に延出する中央延出部36を有し、この中央延出部の裏面側で基板30に制御用IC32が実装される。他の外部端子、C2、C3、C6ないしC8は、それぞれ別々の機能が割り当てられている。
【0017】
図4および図6に示すように、基板30には複数の透孔38が形成され、これらの透孔は、制御用IC32の外周に位置し、それぞれ外部端子C1ないしC8の内側の端部(接続部)、つまり、中央延出部36側の端部、に対向している。基板30に実装された制御用IC32の複数のパッドは、例えば、ワイヤボンディングを用いて、金線等からなるボンディングワイヤ40により、透孔38を通して対応する外部端子の接続部に電気的に接続されている。本実施形態では、外部端子C1、C2、C3、C5、C7がそれぞれ制御用IC32に電気的に接続され、外部端子C4、C6、C8は空きの状態となっている。
【0018】
基板30の裏面上に実装されたカード制御用IC32、透孔38、およびボンディングワイヤ40は、熱硬化樹脂、モールド樹脂等の封止材42によって覆われ封止されている。封止材42の外形輪郭は、例えば矩形状に形成され、透孔38の外側に位置しているとともに、外部端子C1ないしC8の外側縁から広く離間している。
【0019】
図5および図6に示すように、外部端子C1ないしC8の各々は、ICカード10を外部端末に装着した際、外部端末側の接触子44に接触可能な接触領域D1ないしD8を有している。これらの接触領域D1ないしD8の位置は、ISO/IEC7816により規定領域に決められている。
【0020】
図3ないし図5に示すように、制御用ICに電気的に接続されている外部端子の少なくとも1つ、ここでは、外部端子C1は、接触領域D1を含む第1領域R1とIC32との接続部を含む第2領域R2とを電気的に連結しているとともに貫通孔(断線孔)を形成することにより切除可能な連結部46と、第1領域R1と第2領域R2との間を外部端子C1の一側縁から連結部46まで延びる分離用スリット50と、を有している。分離用スリット50は、隙間31から封止材42の外輪郭を越えて、外部端子C1の外側縁近傍まで延びている。これにより、分離用スリット50の先に残る連結部46は、封止材42から外れて位置しているとともに、連結部46の幅Wは、後述する断線孔の径よりも小さく、例えば、2mm程度に形成されている。
【0021】
上記のように構成されたICモジュール16は、図1および図2に示すように、カード基材12の第2凹所20に埋め込まれ、接着剤51によりカード基材12に加熱圧着される。第2凹所20の大径凹所20aは、基板30に対応した大きさおよび形状に形成され、ICモジュール16の基板30および外部端子が、大径凹所20a内に収容されている。基板30は、裏面の周縁部が接着剤51により大径凹所20aの底に接着される。ICモジュール16の外部端子C1〜C8は、カード基材12の表面とほぼ面一に配置され、外部に露出している。小径凹所20bは、ICモジュール16の封止材42に対応した大きさおよび深さに形成され、この小径凹所20bに封止部分が収容されている。
【0022】
上記のように構成されたICカード10およびICモジュール16の製造工程について説明する。
図7に示すように、複数組の外部端子が並んで形成されているとともに、裏面に基板30が貼付されたリール60を形成する。外部端子の裏面側で基板30にカード制御用IC32を実装し、ワイヤボンディングなどの手法で、ICのパッドと外部端子の接続部と透孔38を通して電気的に接続する。次いで、IC32、透孔38、ボンディングワイヤ40をモールド樹脂などで封止する。これにより、複数のICモジュール16がリール60上に形成される。
【0023】
続いて、各ICモジュール16の外形検査、および、外部端子の規定接触位置に検査ピンを当て電気的な接続が成されているか否かを検査する。
【0024】
これらの検査により、良品と判断されたICモジュール16は、リール60から打ち抜き、カード基材12上に切削加工により設けた凹所20に接着剤で接着する。これにより、ICカードが製造される。ICモジュール16が埋め込まれたICカード10は、カード検査工程を経て、カード発行工程にてICモジュール16に情報が書き込まれた後、市場へと出荷される。
【0025】
一方、上述したICモジュール16の検査工程において、不良品として識別されたICモジュール16aが発生した場合、図7、図8、図9に示すように、C1端子の第1領域R1と第2領域R2との間にある分離用スリット50の延長上にある連結部46に貫通孔(断線孔52)を開け、連結部46を除去する。これにより、C1端子の第1領域R1と第2領域R2が切り離され、電気的に完全に接続されない状態となる。ICモジュール製造工程で発生した不良品は識別用の断線孔52を光電センサなどにより検知して、不良ICモジュール16aはカード基材12に埋め込まれないよう処置が取られる。
【0026】
また、誤って不良ICモジュール16aがリール60から打ち抜かれ、カード基材12に埋め込まれた場合、カード検査工程でC1端子の規定接触位置に検査ピンを当てても電源がIC32に供給されないため動作せず、不良品であることが容易に識別することができる。従って、この不良ICカードを排除し、誤って市場に流出することを防ぐことができる。
上記のように断線孔52を不良識別孔として、良品/不良品の判定に用いても良いし、断線孔と不良識別孔とを別々に形成してもよい。
【0027】
以上のように構成されたICモジュール、ICカードおよびその製造方法によれば、外部端子に断線孔により切除可能な連結部および分離用スリットを設け、不良品発生時に、断線孔を開けて連結部を除去することにより、外部端子の接触領域と接続部とを電気的に完全に切り離すことができる。これにより、ICモジュールをカード基材に埋め込む工程にて、不良識別用貫通孔の検知を誤った場合でも、カード基材に埋めこまれたICモジュールは動作不能となっているため、カード検査工程にて容易に不良品を発見することができ、不良品の市場流出を確実に防ぐことができる。また、連結部は、断線孔の径よりも小さい幅に形成され、更に、封止材の外側に設けられていることから、不良品として識別された際、ICモジュールに断線孔を容易に開けることができるとともに、連結部を確実に切除し、外部端子を断線状態とすることができる。
【0028】
本実施形態では、C1端子に接触領域と接続部との間を断線する構造を設けたが、これに限らず、制御用ICに接続されている別の端子に上述した断線構造を設けてもよい。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るICカードについて説明する。図10は、第2の実施形態に係る接触式のICカード10のICモジュール16を示している。本実施形態によれば、分離用スリット50および連結部46は、カード制御用IC32に電気的に接続されたC5端子に設けられている。
【0030】
分離用スリット50は、隙間31により規定されているC5端子の一側縁から、C5端子の接触領域と接続部との間を通り、更に、ほぼ直角に折れ曲がった後、C5端子の外側縁近傍まで延びている。分離用スリット50の延出端とC5端子の外側縁との間に連結部46が形成されている。連結部46は、断線孔52を形成することにより切除可能な幅に形成されている。
【0031】
分離用スリット50は、基板の裏面側でカード制御用IC32、透孔38、およびボンディングワイヤ40を覆った封止材42の外側まで延び、連結部46は、封止材42から外れて位置している。
ICカードおよびICモジュール16の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
上記のように構成された第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
この発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、本発明に係るICカードは、接触式のICカードに限らず、無線通信の機能を更に有するコンビカード、ハイブリッドカードにも適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…ICカード、12…カード基材、16…ICモジュール、20…凹所、
22…配線、30…基板、31…隙間、32…カード制御用IC、38…透孔、
40…ボンディングワイヤ、42…封止材、46…連結部、50…分離用スリット、
52…断線孔(貫通孔)、C1〜C8…外部端子、R1…第1領域、R2…第2領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードのICモジュールであって、
基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有するICモジュール。
【請求項2】
前記基板の裏面側で前記カード制御用ICおよび配線を覆った封止材を備え、
前記分離用スリットは、前記封止材の外側まで延びているとともに、前記連結部は、前記封止材から外れて位置している請求項1に記載のICモジュール。
【請求項3】
前記複数の外部端子は、互いに隙間を置いて並んで配置され、前記分離スリットは、前記隙間から前記外部端子の外側縁近傍まで延びている請求項1又は2に記載のICモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの外部端子は、電源用端子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のICモジュール。
【請求項5】
カード基材と、
前記カード基材に埋め込まれたICモジュールと、を備え、
前記ICモジュールは、基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有するICカード。
【請求項6】
前記基板の裏面側で前記カード制御用ICおよび配線を覆った封止材を備え、
前記分離用スリットは、前記封止材の外側まで延びているとともに、前記連結部は、前記封止材から外れて位置している請求項5に記載のICカード。
【請求項7】
前記複数の外部端子は、互いに隙間を置いて並んで配置され、前記分離スリットは、前記隙間から前記外部端子の外側縁近傍まで延びている請求項6又は7に記載のICカード。
【請求項8】
基板と、この基板の上面上に形成され、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有するICモジュールの製造方法であって、
リール上に前記ICモジュールを複数並んで形成し、
前記形成されたICモジュールを検査し、
前記検査により良品とされたICモジュールを前記リールから切り出し、
前記検査により不良品とされたICモジュールの連結部に断線孔を開けて前記連結部を切除し、前記外部端子の接触領域と接続部とを切り離す
ICモジュールの製造方法。
【請求項1】
ICカードのICモジュールであって、
基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有するICモジュール。
【請求項2】
前記基板の裏面側で前記カード制御用ICおよび配線を覆った封止材を備え、
前記分離用スリットは、前記封止材の外側まで延びているとともに、前記連結部は、前記封止材から外れて位置している請求項1に記載のICモジュール。
【請求項3】
前記複数の外部端子は、互いに隙間を置いて並んで配置され、前記分離スリットは、前記隙間から前記外部端子の外側縁近傍まで延びている請求項1又は2に記載のICモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの外部端子は、電源用端子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のICモジュール。
【請求項5】
カード基材と、
前記カード基材に埋め込まれたICモジュールと、を備え、
前記ICモジュールは、基板と、この基板上に設けられ、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有するICカード。
【請求項6】
前記基板の裏面側で前記カード制御用ICおよび配線を覆った封止材を備え、
前記分離用スリットは、前記封止材の外側まで延びているとともに、前記連結部は、前記封止材から外れて位置している請求項5に記載のICカード。
【請求項7】
前記複数の外部端子は、互いに隙間を置いて並んで配置され、前記分離スリットは、前記隙間から前記外部端子の外側縁近傍まで延びている請求項6又は7に記載のICカード。
【請求項8】
基板と、この基板の上面上に形成され、それぞれ外部端末の接触子が接触可能な接触領域を有する接触通信用の複数の外部端子と、前記基板に形成され、それぞれ前記外部端子の接続部に対向する複数の透孔と、前記基板の裏面に実装され、配線により前記透孔を通して前記外部端子に接続されたカード制御用ICと、を備え、
少なくとも1つの外部端子は、前記接触領域と前記接続部とを電気的に連結しているとともに貫通孔を形成することにより切除可能な連結部と、前記接触領域と前記接続部との間を前記外部端子の一側縁から前記連結部まで延びる分離用スリットと、を有するICモジュールの製造方法であって、
リール上に前記ICモジュールを複数並んで形成し、
前記形成されたICモジュールを検査し、
前記検査により良品とされたICモジュールを前記リールから切り出し、
前記検査により不良品とされたICモジュールの連結部に断線孔を開けて前記連結部を切除し、前記外部端子の接触領域と接続部とを切り離す
ICモジュールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−77249(P2013−77249A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218022(P2011−218022)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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