説明

ICカードを用いた金銭取引システム

【目的】 ICカードを用いた金銭取引のホストコンピュータへの依存性を軽減し、対障害性に優れた新規なICカードを用いた金銭取引システムを提供すること。
【構成】 ICカード入金装置10はICカード4が装荷されたとき、通信回線30を介してホストコンピュータ20と通信可能なときにはホストコンピュータ20内においてカード番号データベース24に記録された管理情報および利用履歴データベース26を用いてICカード4について所定の処理を行い、通信回線30を介してホストコンピュータ20と通信できないときにはICカード入金装置10内においてカード番号データベース16に記録された管理情報および利用履歴データベース18を用いてICカード4について所定の処理を行い、通信回線30が使用できないときにもICカード4について所定の処理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ICカードを用いた金銭取引システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ICカードをATM(自動金銭取引装置)、キャッシュディスペンサ等のICカード取引装置に装荷して金銭的取引を行うICカード金銭取引システムがある。ICカード金銭取引システムには、たとえば、ICカードにプリペイド機能を持たせ、その電子的入金を、ICカード取引装置を用いて、利用者の預金口座等から残金の一部をICカードに振り替えるものがある。このICカード金銭取引システムでは、ICカードの有効性を検証するためのデータを保持している検証データベースと利用履歴を保存する利用履歴データベースとをホストコンピュータが有し、利用者が通信回線を介してホストコンピュータと接続されたICカード取引装置にICカードを挿入する度にICカード取引装置は、ホストコンピュータと通信を行い、検証データベースからの検証データの受信および利用履歴データベースへの利用履歴の送信を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来のICカード金銭取引システムでは、ICカード取引装置はICカードが挿入される度にホストコンピュータと通信を行わなければならず、ICカードを用いた金銭取引処理はホストコンピュータに依存したものとなっている。そのため、何らかの原因で通信回線に障害が発生し、ICカード取引装置がホストコンピュータと通信ができなくなった場合には、ICカード取引装置はICカードの検証データの検証データベースからの受信および利用履歴データベースへの利用履歴の送信を行うことができず、事実上ICカードを用いた金銭取引を行うことができなくなるという問題点があった。
【0004】本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ICカードを用いた金銭取引のホストコンピュータへの依存性を軽減し、ICカード取引装置がホストコンピュータと通信できないときにも、ICカード取引装置等の端末装置においてICカードを用いた金銭取引を行うことが可能な、対障害性に優れた新規なICカードを用いた金銭取引システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決し上記目的を達成するために、本発明のICカードを用いた金銭取引システムは、ICカードの管理情報が記録されたホスト記録手段、前記ホスト記録手段に接続され所定の処理を行う制御手段を有するホストコンピュータと、前記管理情報の一部が記録された端末記録手段、装荷されたICカードを処理する操作手段、前記端末記録手段および前記操作手段に接続され所定の処理を行う制御手段を有し、ICカードを介して金銭取引を行う金銭取引装置と、前記ホストコンピュータと前記金銭取引装置とを接続する通信回線とを有し、前記金銭取引装置はICカードが装荷されたとき、前記通信回線を介して前記ホストコンピュータと通信可能なときには前記ホストコンピュータ内において前記ホスト記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行い、前記通信回線を介して前記ホストコンピュータと通信できないときには前記金銭取引装置内において前記端末記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行う。
【0006】また、本発明のICカードを用いた金銭取引システムは、ICカードの管理情報が記録されたホスト記録手段、前記ホスト記録手段に接続され所定の処理を行う制御手段を有するホストコンピュータと、前記管理情報の一部が記録された端末記録手段、装荷されたICカードを処理する操作手段、前記端末記録手段および前記操作手段に接続され所定の処理を行う制御手段を有し、ICカードを介して金銭取引を行う金銭取引装置と、前記ホストコンピュータと前記金銭取引装置とを接続する通信回線とを有し、前記金銭取引装置はICカードが装荷されたとき、前記端末記録手段に装荷されたICカードの管理情報が記録されていれば前記金銭取引装置内において前記端末記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行い、前記端末記録手段に装荷されたICカードの管理情報が記録されていなければ、前記ホストコンピュータ内において前記ホスト記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行う。
【0007】
【作用】本発明のICカードを用いた金銭取引システムにおいては、利用者はICカードを金銭取引装置に装荷する。金銭取引装置は、ICカードが装荷されるとホストコンピュータとの通信の可否を検証する。その検証の結果、ホストコンピュータと通信可能なときには、ホストコンピュータ内においてホスト記録手段に記録されたそのICカードに応じた管理情報を用いて処理した処理結果が通信回線を介して金銭取引装置に送信する。金銭取引装置はこの処理結果を用いてICカードについて所定の処理を行う。一方、検証の結果、ホストコンピュータと通信できないときには、金銭取引装置において端末記録手段に記録されたそのICカードに応じた管理情報を用いて可能な範囲内でICカードについて所定の処理を行う。
【0008】また、本発明のICカードを用いた金銭取引システムにおいては、利用者は、ICカードを金銭取引装置に装荷する。金銭取引装置は、ICカードが装荷されると端末記録手段にそのICカードに応じた管理情報が記録されていれば、金銭取引装置内においてその管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行う。一方、端末記録手段にそのICカードに応じた管理情報が記録されていなければ、ホストコンピュータとの通信の可否を検証する。その検証の結果、ホストコンピュータと通信可能なときには、ホストコンピュータ内においてホスト記録手段に記録されたそのICカードに応じた管理情報を用いて処理した処理結果が通信回線を介して金銭取引装置に送信され、金銭取引装置はこの処理結果を用いてICカードについて所定の処理を行う。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の第一の実施例に係わるICカードを用いた金銭取引システムとしてのICカード入出金システム2について説明する。図1は、ICカード入出金システム2の全体構成図である。ICカード入出金システム2は、たとえば、ICカード4のICチップ内にプリペイド機能を持たせ、その電子的入出金を、金銭取引装置としてのICカード入出金装置10およびホストコンピュータ20を用いて、利用者の預金口座等から残金の一部をICカード4のICチップ内にプリペイド金額として振り替えるシステムである。
【0010】図1に示すように、ICカード入出金システム2は、ICカード入出金装置10とホストコンピュータ20とICカード入出金装置10およびホストコンピュータ20を接続する通信回線30とで構成されている。ホストコンピュータ20は、たとえば銀行の支店等に配設され利用者の預金口座等を管理し、ICカード入出金装置10は、たとえばICカードを用いてキャッシュレス売買等ができる店舗等が置かれた総合ビル等に複数台配設され、利用者がICカード入出金装置10にICカード4を差し込む。また、通信回線30としては、公衆電話回線、ローカルエリアネットワーク(LAN)等が用いられる。
【0011】ICカード入出金装置10について説明する。ICカード入出金装置10は、たとえばマイクロコンピュータを用いて作製され、リード・ライト手段12と操作スイッチ手段13と制御手段14とICカード4の管理情報を記録する手段である端末記録手段としてのカード番号データベース16および利用履歴データベース18とで構成される。ICカード入出金装置10は、ICカード4が差し込まれるスロット11を有し、そこからICカード4がリード・ライト手段12内に着脱自在に挿入されるようになっている。リード・ライト手段12は、ICカード4の磁気ストライプ部からカード番号等を読み取り、またICカード4のICチップから利用履歴情報を読み取り、それぞれ制御手段14に出力するとともに、制御手段14から入力したプリペイド金額をICカード4のICチップに記憶する。
【0012】操作スイッチ手段13は、たとえばキーパッドおよび液晶表示部等で構成され、利用者がキーパッドを操作することにより、暗証番号、プリペイド金額等の情報を入力する。カード番号データベース16は、ICカード4のカード番号ごとにそのICカード4の有効性を確認するために用いられる利用者のPOS情報等の有効性確認情報を保持し、制御手段14からカード番号を入力し、そのカード番号に応じた有効性確認情報を制御手段14に出力する。カード番号データベース16の内容は、通信回線30を介してホストコンピュータ20と通信できるときには、たとえば1日1回定期的にホストコンピュータ20のカード番号データベース24の内容で更新される。利用履歴データベース18は、ICカード4のカード番号ごとに、プリペイド金額を使用した利用店名、利用日、利用金額等の利用履歴情報を保持し、制御手段14からカード番号と共に利用履歴情報を入力し、カード番号に応じた所定の領域に利用履歴情報を保持する。リード・ライト手段12、操作スイッチ手段13、カード番号データベース16および利用履歴データベース18は、制御手段14に接続してある。制御手段14は、リード・ライト手段12、操作スイッチ手段13、カード番号データベース16および利用履歴データベース18を制御する。さらに、制御手段14は、通信回線30を介してホストコンピュータ20の制御手段22と接続していて、相互にデータの受信および送信を行う。
【0013】次に、ホストコンピュータ20について説明する。ホストコンピュータ20は、制御手段22とホスト記録手段としてのカード番号データベース24および利用履歴データベース26と操作スイッチ手段23とで構成されている。制御手段22は、ICカード入出金装置10の制御手段14と通信回線30を介して接続されている。制御手段22は、操作スイッチ手段23、カード番号データベース24および利用履歴データベース26と接続されている。操作スイッチ手段23は、たとえばキーパッドおよび液晶表示部等で構成され、ホストコンピュータ20が配設された銀行の支店等の情報管理者がキーパッドを操作することにより、利用者のPOS情報等の有効性確認情報を入力する。
【0014】カード番号データベース24は、上述のカード番号データベース24と同様にカード番号ごとに有効性確認情報を保持し、操作スイッチ手段24から入力される情報により順次更新され、最新の有効性識別情報が記憶される。利用履歴データベース26は、上述の利用履歴データベース18と同様に、カード番号に応じた所定の領域に利用履歴情報を保持し、通信回線30を介して通信回線30に接続されたICカード入出金装置10と通信できるときに、制御手段22を介して各ICカード入出金装置10から各ICカード入出金装置10が読み取ったICカード4のICチップ内の利用履歴情報を入力し、利用履歴データベース26の内容を順次更新し、最新の利用履歴情報を保持する。
【0015】制御手段14による制御の内容を図1および図2を基に説明する。制御手段14は、ステップS1でリード・ライト手段12からカード番号を入力すると、ステップS2において、通信回線30を介してホストコンピュータ20と通信が可能であるかを検証し、その検証の結果、通信が可能であれば、ステップS3の処理に移行し、その後ホストコンピュータ20のカード番号データベース24および利用履歴データベース26を用いてICカード4に以下に示す所定の処理を行う。一方、ステップS2における検証の結果、ホストコンピュータ20と通信ができなければ、ステップS11の処理に移行し、その後ICカード入出金装置10のカード番号データベース16および利用履歴データベース18を用いてICカード4に以下に示す所定の処理を行う。
【0016】ステップS3においては、制御手段14は、ステップS1でリード・ライト手段12から入力したカード番号を通信回線30を介してホストコンピュータ20の制御手段22に送信する。制御手段22は、制御手段14からカード番号を入力すると、ホストコンピュータ20のカード番号データベース24からカード番号に応じた有効性確認情報を読み込む。そして、その有効性確認情報からカード番号の有効性を検証し、その検証結果を通信回線30を介してICカード入出金装置10の制御手段14に出力する。制御手段14は、ステップS4でホストコンピュータ20の制御手段22から検証結果を受信するとステップS5の処理を実行する。ステップS5で、制御手段14は、ステップS4で制御手段22から受信した検証結果がカード番号が有効であることを示すものであればステップS6の処理を実行し、検証結果がカードが有効でないことを示すものであればステップS10の処理に移行する。ステップS10においては、制御手段14は、リード・ライト手段12に対して所定の信号を出力し、リード・ライト手段12は、スロット11からICカード4を排出する。
【0017】一方、ステップS6においては、制御手段14は、操作スイッチ手段13から暗証番号およびプリペイド金額を入力し、その後ステップS7の処理を実行する。ステップS7においては、制御手段14は、ステップS6で入力した暗証番号とリード・ライト手段12がICカード4の磁気ストライプから読み込んだ暗証番号とが一致しているかを検証し、その結果、一致していればステップS8の処理を実行し、一致していなければステップS10の処理を実行する。ステップS8では、制御手段14は、ステップS6で操作スイッチ手段13から入力したプリペイド金額がステップS4で入力した検証結果に記載された利用者の預金口座の残高を越えていなければ、ICカード4のICチップ内のプリペイド領域にプリペイド金額を記録する。その後、制御手段14は、ステップS9の処理を実行し、ICカード4のICチップ内の利用履歴情報を読み込み、通信回線30を介してICカード入出金装置10の制御手段22に出力する。制御手段22は、ICカード入出金システム2からこの利用履歴情報を入力すると、利用履歴データベース18のカード番号に応じた所定の領域に、この利用履歴情報を記録する。その後制御手段14は、ステップS10の処理を実行し、ICカード4をスロット11から排出する。
【0018】一方、ステップS2で、ホストコンピュータ20との通信ができなければ、制御手段14は、ステップS11の処理を実行し、ICカード入出金装置10のカード番号データベース16からカード番号に応じた有効性確認情報を読み込む。その後制御手段14は、ステップS12の処理を実行し、その有効性確認情報からカード番号の有効性を検証する。その後制御手段14は、ステップS13の処理を実行し、ステップS12で行った、カード番号の有効性の検証結果がカード番号が有効であるとを示すものであればステップS14の処理を実行し、カード番号が有効でないことを示すものであればステップS10の処理を実行する。ステップS14およびステップS15における処理は、上述のステップS6およびステップS7における処理と同一である。ステップS16では、ステップS13で入力したプリペイド金額がステップS12で行った検証結果に記載された利用者の預金口座の残高を越えていなければICカード4のICチップ内のプリペイド領域にこのプリペイド金額を記録する。その後、制御手段14は、ステップS17の処理を実行し、ICカード4のICチップ内の利用履歴情報を読み込み、利用履歴データベース18に記録する。この利用履歴データベース18の内容は、ホストコンピュータ20との通信が可能になりしだい通信回線30を介してホストコンピュータ20の利用履歴データベース26に記憶される。その後、制御手段14は、ステップS10の処理を実行し、リード・ライト手段12に信号を出力し、ICカード4をスロット11から排出する。
【0019】このように、ICカード入出金システム2では、ホストコンピュータ20のみならず、ICカード入出金装置10もカード番号データベース16および利用履歴データベース18を有している。そのため、ICカード入出金装置10はホストコンピュータ20と通信できないときにもICカード入出金装置10のカード番号データベース16を用いてICカード4のカード番号の有効性の確認を行うことができ、利用者はICカード入出金装置10を用いてプリペイド処理を行うことができる。また、ICカード4のICチップ内の利用履歴情報は、ICカード入出金装置10の利用履歴データベース18に記憶され、ホストコンピュータ20との通信が可能となったときにこの利用履歴データベース18に記憶された利用履歴情報をホストコンピュータ20の利用履歴データベース18に記憶される。そのため、ホストコンピュータ20の利用履歴データベース26はICカード入出金装置10で処理を行ったICカード4の利用履歴情報を漏れなく管理することができる。
【0020】以下、図1および図3を参照し、本発明の第二の実施例に係わるICチップを用いた金銭取引システムとしてのICチップ入出金システム40について説明する。ICカード入出金システム40のICカード入出金システム2との相違は、制御手段14における制御のみである。ICカード入出金システム40における制御手段14による制御の内容を図3に示す。制御手段14は、ステップS22でリード・ライト手段12からカード番号を入力すると、ステップS23の処理を実行し、ステップS22でリード・ライト手段12から入力したカード番号に応じた有効性確認情報をICカード入出金装置10のカード番号データベース16から読み込む。制御手段14は、その後、ステップS24の処理を実行し、ステップS23でカード番号に応じた有効性確認情報の読み込みができればステップS25の処理を実行しカード番号の有効性の検証を行い、その後ステップS23で読み込んだ有効性確認情報およびICカード入出金装置10の利用履歴データベース26を用いてステップS26〜ステップS30の処理を行う。
【0021】一方、ステップS23で読み込みができなければステップS32の処理を実行しホストコンピュータ20との通信の可否を検証し、通信ができれば、その後ホストコンピュータ20のカード番号データベース24および利用履歴データベース26を用いてステップS33〜ステップS39の処理を実行する。ステップS25〜ステップS30およびステップS33〜ステップS39の処理は、それぞれ図2におけるステップS12〜ステップS17およびステップS3〜ステップS9の処理と同じである。また、ステップS31では、図2におけるステップS10における処理と同様に、制御手段14は、リード・ライト手段12に対して、ICカード4をスロット11から排出する信号を出力する。
【0022】このように、ICカード入出金システム40では、ステップS32の前にステップS23を実行し、ホストコンピュータ20との通信の可否に係わらずICカード入出金装置10のカード番号データベース16からカード番号に応じた有効性確認情報の読み取りを行う。そのため、カード番号データベース16にカード番号に応じた有効性確認情報が存在すれば通信回線30を介してホストコンピュータ20と通信を行うことなく、ICカード入出金装置10のカード番号データベース16を用いてカード番号の有効性を確認することができ、通信回線30の使用頻度を低くすることができる。その結果、通信回線30の使用頻度が低下し、通信回線30に接続された各ICカード入出金装置10は通信回線30の獲得が容易となり、通信回線30の獲得の待ち状態が短くなる。
【0023】本発明は、上述の実施例に限定されず、種々に改変することが可能である。たとえば、制御手段14の処理は、ICカード入出金装置10が通信回線30を介してホストコンピュータ20と通信を行うことができるときでもあっても、通信回線30の使用状況が一定レベルを越えていれば、ホストコンピュータ20との通信を行わず、ICカード入出金装置10のカード番号データベース16および利用履歴データベース18を用いてICカード4に対して処理を行なってもよい。また、上述の実施例では、ICカード入金装置10がホストコンピュータ20と通信可能なときに、ホストコンピュータ20内でICカード4の有効性の検証を行いその検証結果をICカード入金装置10が受信し、その検証結果を用いてICカードに対して処理を行ったが、ICカード入金装置10はホストコンピュータ20からICカード4に応じた有効性確認情報を受信して、ICカード入金装置10内において、この有効性確認情報を用いてICカード4の有効性の検証を行い、ICカードに対し処理を行ってもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のICカードを用いた金銭取引システムでは、管理情報をホストコンピュータおよび金銭取引装置の双方が保持している。そのため、金銭取引システムがホストコンピュータと通信を行うことができないときにも利用者は金銭取引装置を用いて、ICカードについて所定の処理を行うことができ、ICカードを用いた金銭取引のホストコンピュータへの依存性を軽減することができる。また、本発明のICカードを用いた金銭取引システムでは、金銭取引装置に装荷されたICカードについての管理情報を金銭取引装置が保持していないときのみホストコンピュータと通信を行うため、通常の金銭取引においては通信回線を介してホストコンピュータと通信することなく金銭取引装置で処理が可能となり、処理の迅速化が図れ通信回線の使用頻度も低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係わるICカードを用いた金銭取引システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第一の実施例に係わるICカードを用いた金銭取引システムの制御手段における処理を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の第二の実施例に係わるICカードを用いた金銭取引システムの制御手段における処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
2 ICカード入出金システム
4 ICカード
10 ICカード入出金装置
11 スロット
12 リード・ライト手段
13 操作スイッチ手段
14、22 制御手段
16、24 カード番号データベース
18、26 利用履歴データベース
20 ホストコンピュータ
30 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ICカードの管理情報が記録されたホスト記録手段と、前記ホスト記録手段に接続され所定の処理を行う制御手段とを有するホストコンピュータと、前記管理情報の一部が記録された端末記録手段と、装荷されたICカードを処理する操作手段と、前記端末記録手段および前記操作手段に接続され所定の処理を行う制御手段とを有し、ICカードを介して金銭取引を行う金銭取引装置と、前記ホストコンピュータと前記金銭取引装置とを接続する通信回線とを有し、前記金銭取引装置はICカードが装荷されたとき、前記通信回線を介して前記ホストコンピュータと通信可能なときには前記ホストコンピュータ内において前記ホスト記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行い、前記通信回線を介して前記ホストコンピュータと通信できないときには前記金銭取引装置内において前記端末記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行う、ICカードを用いた金銭取引システム。
【請求項2】 ICカードの管理情報が記録されたホスト記録手段と、前記ホスト記録手段に接続され所定の処理を行う制御手段とを有するホストコンピュータと、前記管理情報の一部が記録された端末記録手段と、装荷されたICカードを処理する操作手段と、前記端末記録手段および前記操作手段に接続され所定の処理を行う制御手段とを有し、ICカードを介して金銭取引を行う金銭取引装置と、前記ホストコンピュータと前記金銭取引装置とを接続する通信回線とを有し、前記金銭取引装置はICカードが装荷されたとき、前記端末記録手段に装荷されたICカードの管理情報が記録されていれば前記金銭取引装置内において前記端末記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行い、前記端末記録手段に装荷されたICカードの管理情報が記録されていなければ前記ホストコンピュータ内において前記ホスト記録手段に記録された管理情報を用いてICカードについて所定の処理を行う、ICカードを用いた金銭取引システム。
【請求項3】 前記ホスト記録手段および前記端末記録手段に、前記管理情報としてICカードを識別するための識別情報と取引に応じて順次更新される残額および利用店等に関する利用履歴情報とが記録されている請求項1または請求項2に記載のICカードを用いた金銭取引システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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