説明

ICカード

【目的】可視光線通信を利用した情報の受給が可能であるとともにICカードとしての機能を備えた可視光線通信が可能なICカードの提供を目的とする。
【構成】ICカードは、情報を含む可視光線が発光されている環境下において、情報を含む可視光線を可視光線受光手段2が受光(S1)し、受光した可視光線に含まれる情報を電気信号情報変換手段5において電気信号情報に変換(S2)し、変換した前記電気信号情報を記憶手段6に記憶(S3)し、記憶した前記電気信号情報を表示画面上に視覚情報として表示(S4)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明光を利用した可視光線通信により配信された情報を受信し、画面上に表示可能なICカードに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや携帯電話等の端末機器の発達とともに個人に対する広告、宣伝情報、クーポン情報等が多量に流通し、どの情報が有益な情報であるのか見極めるのが難しい。
【0003】
従来、携帯電話やコンピュータ、非接触式ICカード等多くの機器で情報の受け渡しに無線通信が利用されている。無線通信は、広範囲の通信を可能にするものの、電波が遮断されるような屋内や地下では通信を不可能にするため、屋内での通信を可能にするためには屋内にアンテナの設置をするなど別途インフラ整備が必要となり、また一定のエリア毎に特定者を対象に異なる情報を配信することは難しい。
【0004】
近年では無線通信の代替技術として特に発光ダイオード(LED)を用いた発行素子が発行する可視光を利用した可視光通信技術の開発が進められている。可視光線通信は屋内外を問わず多数あるLED照明機器に通信装置を付加するのみで容易にデータ通信を実現することが可能であり、また照明毎に異なる情報を配信させることが可能であるため、施設内での階層毎や、エリア毎のようにユーザの位置に応じた情報をリアルタイムに配信することも可能となる。しかしこれら可視光線通信技術を利用するためには可視光線を受信し、情報として読めるように変換する装置が必要となる。
【0005】
一方、ICカード技術の向上は著しく、定期券、クレジットカード、会員証等に用いられ、電子マネー機能の付加により、物品購入等に際して電子決済を利用するものも少なくない。しかし従来において広告、宣伝やクーポンなどの情報を提示して電子決済時にサービスを受ける場合には、受信した情報を携帯電話のような端末で提示してからICカード等で決済処理をしなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−117892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明においては、前述したように、可視光線通信を利用した情報の受給が可能であるとともにICカードとしての機能を備えた可視光線通信が可能なICカードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は可視光通信により受信した情報を表示可能なICカードであって、
照明装置が発光する情報を保持した可視光を受光する可視光受光手段と、前記受光した情報を保持した可視光を電気信号情報に変換する電気信号情報変換手段と、前記電気信号情報変換手段により変換された電気信号情報を記憶する記憶手段と、前記電気信号情報を表示画面上に表示する表示手段と、
を有することを特徴とするICカードである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、可視光線通信による情報の受信が可能であり、受信した情報をICカードが有する表示画面上において確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を示すICカードを説明する全体図
【図2】本発明の一実施例を示すICカードの構成を説明するブロック図
【図3】本発明の一実施例を示すICカードの動作を説明するフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の一実施例を示すICカードの全体図である。ICカード本体1は、可視光線受光手段2と、表示手段3を備える。可視光線受光手段2は、室内の照明等のLEDより発光された広告、販促等の任意の情報を含んだ可視光線を受光する機能を有する。可視光線受光手段2は太陽電池のような電源供給手段を備えていてもよく、これにより表示手段3に可視光線受光手段2を通じて得られた情報を表示するための電力を供給することが可能となる。
【0012】
表示手段3は、前記可視光線受光手段2を通じて得られた情報をユーザが視覚的に認識することを可能にするものであって、液晶や、電子ペーパ等の表示技術を採用することができる。また本発明によるICカードは従来のICカードと同様に外部のリーダライタとの通信により情報の読み書きを可能とし、電子決済等を実施するための非接触通信技術を有するが図示および説明については省略する。
【0013】
図2は本発明の一実施例を示すICカードの構成を説明するブロック図である。ICカード本体1は、照明等から発光される情報を含む可視光線を受光する可視光線受光手段2と、受光した前記情報を含む可視光線を電気信号情報に変換する電気信号情報変換手段5と、変換した前記電気信号情報を記憶する記憶手段6と、前記電気信号情報を表示画面上に視覚情報として表示する表示手段3とを有する。この構成により受光した情報を含む可視光線をICカード本体で確認することが可能となる。
【0014】
図3は本発明の一実施例を示すICカードの動作を説明するフロー図である。ICカードは、情報を含む可視光線が発光されている環境下において、情報を含む可視光線を可視光線受光手段2が受光(S1)し、受光した可視光線に含まれる情報を電気信号情報変換手段5において電気信号情報に変換(S2)し、変換した前記電気信号情報を記憶手段6に記憶(S3)し、記憶した前記電気信号情報を表示画面上に視覚情報として表示(S4)する。
【0015】
上述したように、本発明においては照明等から発光される可視光線により情報の配信が可能となるため、例えば、複数階層構造の百貨店等において階層ごとにその階に応じた商品、サービス情報の提供が可能になる。また、同じ階層であってもエリアに応じて異なる情報を包含させた可視光線を発光することができるので、そのエリアに興味を有する特定対象者に対して商品、サービス情報の発信が可能となるので高い広告、販促効果を得ることが可能となる。
【0016】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【符号の説明】
【0017】
1・・・ICカード本体
2・・・可視光線受光手段
3・・・表示手段
4・・・制御手段
5・・・電気信号情報変換手段
6・・・記憶手段





【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光通信により受信した情報を表示可能なICカードであって、
照明装置が発光する情報を保持した可視光を受光する可視光受光手段と、
前記受光した情報を保持した可視光を電気信号情報に変換する電気信号情報変換手段と、
前記電気信号情報変換手段により変換された電気信号情報を記憶する記憶手段と、
前記電気信号情報を表示画面上に表示する表示手段と、
を有することを特徴とするICカード。










































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−158957(P2011−158957A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17953(P2010−17953)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】