説明

ICタグ、ICタグを有する画像形成装置、ICタグの電源制御方法、及びプログラム

【課題】 無線通信及び有線通信の両方を使用可能なICタグにおいて、無駄な電力消費を回避する。
【解決手段】 前記無線通信の電波を整流して電源を生成する無線電源回路105と、無線送受信制御手段104と、有線送受信制御手段107と、無線電源回路105が生成する電源及び外部機器から供給される電源の、本ICタグ内部への通電を制御する電源制御手段109を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグ、ICタグを有する画像形成装置、ICタグの電源制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置等の機器において、保守サービスの向上やユーザに対する機器情報提供等のサービス向上のため、保守作業者やユーザ等により、その機器に関する設定情報や消耗品の使用状況等の情報を取得できるようにしたものが増加している。
これらの情報を記憶しておく方法として、機器毎にICタグを取り付けて使用する方法が知られている(特許文献1参照)。ICタグとは、一般に、情報を記憶しておくメモリと、メモリの読み出し及び書き込みを行う制御回路と、無線通信により外部との通信を行うための通信回路とを、1個のIC上に形成したもの(RFID:Radio Frequency Identification)であり、専用の無線端末により、そのメモリ内の情報を読取ることができる。このICタグを機器に取り付けて、その機器の設定情報等をICタグに記憶させることにより、ユーザは、機器の表示装置により設定情報を見ることができ、保守作業者は、携帯用の無線端末によりその設定情報見ることができる。
【0003】
しかし、従来のICタグ(RFID)では、機器との通信手段が無線通信に限られており、ICタグが取り付けられる機器自体との通信も無線により行う必要がある等、通信方法に柔軟性を欠くという問題を有している。
これを解消するため、無線通信に加えて、有線通信によっても機器との通信が可能なICタグが知られている(特許文献2参照)。このICタグは、適宜その有効/無効を切り換えて使用される無線用及び有線用の通信制御回路を備え、無線電波により供給される電力及び電線ケーブルを介して供給される電力を共に使用して動作する。
【0004】
しかしながら、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能な従来のICタグでは、無線用及び有線用の通信制御回路の有効/無効は切り換えられるものの、電源の供給は、無効となっている通信制御回路に対しても行われるため、無駄な電力が消費されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグにおいて、無駄な電力消費を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグであって、前記無線通信を行うための無線通信手段と、前記有線通信を行うための有線通信手段と、前記無線通信手段を駆動する無線電源及び前記有線通信手段を駆動する有線電源の、前記ICタグ内部の電気回路への通電を制御する電源制御手段と、を有し、前記電源制御手段は、前記無線電源及び前記有線電源を検出すると共に、前記無線電源のみを検出しているときは、前記無線電源を、前記有線通信手段を除く前記電気回路に通電し、前記有線電源のみを検出しているときは、前記有線電源を、前記無線通信手段を除く前記電気回路に通電することを特徴とする。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載されたICタグにおいて、前記無線通信の電波を整流して無線電源を生成する無線電源生成手段を有することを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載されたICタグにおいて、前記電源制御手段は、前記無線電源及び前記有線電源を共に検出しているときは、前記無線電源及び前記有線電源の、現在の通電状態を維持することを特徴とする。
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたICタグにおいて、前記電源制御手段は、セット端子及びリセット端子に前記無線電源及び前記有線電源がそれぞれ接続された、フリップフロップを有することを特徴とする。
請求項5に記載された発明は、入力された原稿の画像データに基づいて前記原稿画像を印刷する画像印刷手段を有する画像形成装置であって、請求項1ないし4のいずれかに記載されたICタグを有することを特徴とする。
請求項6に記載された発明は、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグの電源制御方法であって、前記無線通信手段を駆動する無線電源及び前記有線通信手段を駆動する有線電源を検出する工程と、前記無線電源及び前記有線電源の、前記ICタグ内部の電気回路への通電を制御する工程と、を有し、前記通電を制御する工程は、前記無線電源及び前記有線電源を検出すると共に、前記無線電源のみを検出しているときは、前記無線電源を、前記有線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電し、前記有線電源のみを検出しているときは、前記有線電源を、前記無線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電することを特徴とする。
請求項7に記載された発明は、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグのコンピュータを、前記無線通信手段を駆動する無線電源及び前記有線通信手段を駆動する有線電源を検出する手段と、前記無線電源及び前記有線電源の、前記ICタグ内部への通電を制御する手段と、として機能させるプログラムであって、前記通電を制御する手段は、前記無線電源及び前記有線電源を検出すると共に、前記無線電源のみを検出しているときは、前記無線電源を、前記有線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電し、前記有線電源のみを検出しているときは、前記有線電源を、前記無線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグにおいて、無駄な電力消費を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明によるICタグの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本ICタグを使用した画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本ICタグとの無線通信を行う無線送受信端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本ICタグの電源制御手段の動作手順を示すフロー図である。
【図5】本ICタグの電源制御手段の第1の実施例を示す回路図である。
【図6】本ICタグの電源制御手段の第2の実施例を示す構成図である。
【図7】本ICタグの電源制御手段の、第2の実施例の動作手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるICタグの一実施形態を示すブロック図である。
本ICタグは、機器の設定情報等が書き込まれた不揮発メモリ101と、不揮発メモリ101に対する情報の読み出し/書き込み動作を制御するメモリ制御回路102と、無線電波の送受信を行うアンテナ103と、アンテナ103を介して無線通信を行うための無線通信手段、例えば無線送受信制御回路104と、本ICタグが適用される外部機器の通信ラインが接続される有線信号ポート106と、有線信号ポート106を介して外部機器と有線通信を行うための有線通信手段、例えば有線送受信制御回路107とを有している。
【0010】
また、本ICタグは、無線通信手段である無線送受信制御回路104を駆動するための電源、すなわち無線電源を、例えば、アンテナ103から受信した電波を整流することによって生成する、無線電源生成手段である無線電源回路105と、有線通信手段である有線送受信制御回路107を駆動するための電源、すなわち有線電源を、例えば電線を介して機器から供給される電源から得るための有線電源ポート108と、有線電源及び無線電源の、本ICタグ内部の電気回路への通電を制御する電源制御手段109を有している。ここで、無線通信時及び有線通信時に共通して使用される不揮発メモリ101とメモリ制御回路102の電源ラインは、相互に接続されて電源制御手段109に接続されている(以下、この電源ラインを、「共通電源ライン」と称する。)。
なお、電源制御手段109は、後述するように、例えば、フリップフロップを用いた電気回路、あるいは、プログラムによりCPUを含むコンピュータの機能実現手段として実現される。
【0011】
図2は、本ICタグを使用した画像形成装置の構成を示すブロック図である。本画像形成装置200は、原稿の画像を読み込んで電気信号に変換し、画像データを出力する、画像読取手段であるスキャナ部201と、スキャナ部201から出力される画像データを処理すると共に、画像形成装置200各部の動作を制御する制御部202と、スキャナ部201が読み込んだ画像を表示する表示部203と、ユーザからの指示を入力するため指示入力部204と、スキャナ部201から読み込まれ制御部202で処理された画像データを印刷する、画像印刷手段であるプリンタ部205とを有している。また、プリンタ部205は、印刷に使用する4色の顔料をそれぞれ格納したトナーボトル2051〜2054を有しており、各トナーボトル2051〜2054には、それぞれ、図1にその構成を示した本ICタグ1〜4が設けられている。なお、図2のトナーボトルに示す(Y)(M)(C)及び(K)の文字は、そのトナーボトルが格納している顔料の色が、それぞれ、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)であることを示している。
【0012】
図3は、画像形成装置200の保守作業者等が携帯し、画像形成装置200に設けられた本ICタグ1〜4との間で無線によるデータの送受信を行うための、無線送受信端末300の構成を示すブロック図である。
本無線送受信端末300は、本ICタグ1〜4との間で無線電波の送受信を行うアンテナ301と、アンテナ301により送信する信号を生成すると共に、アンテナ301により受信された信号を処理する信号処理部302と、アンテナ301により受信された本ICタグ1〜4からのデータを表示する表示部303と、本ICタグ1〜4に送信すべきデータを保守作業者が入力するための入力部304とを有している。
【0013】
本ICタグ1〜4の動作はそれぞれ同じであるため、以下の説明においては、本ICタグ1を例に採って説明する。
上記の構成において、本ICタグ1の電源制御手段109は、無線電源の供給のみを検出したときは、有線送受信制御回路107以外への無線電源の通電のみをオンにする。これにより、無線通信の際には不用な有線送受信制御回路107には通電されず、無駄な電力消費が回避される。また、電源制御手段109は、有線電源の供給のみを検出したときは、無線送受信制御回路104以外への有線電源の通電のみをオンにする。これにより、有線通信の際には不用な無線送受信制御回路104には通電されず、無駄な電力消費が回避される。さらに、無線電源及び有線電源の供給を共に検出したときは、現在の通電状態を維持し、上記と同様にして、無駄な電力消費を回避しつつ、無線通信又は有線通信のうち、現在に行われている通信を継続する。
以上により、本ICタグ1は、無駄な電力消費が回避しつつ、画像形成装置200又は無線送受信端末300との間で、それぞれ、無線通信又は有線通信を行うことができる。
【0014】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、画像形成装置200が、本ICタグ1に対して有線通信を要求する手順について説明する。
ユーザが、画像形成装置200の電源を投入し、画像形成装置200の指示入力部204を介して、本ICタグ1に記憶されている設定情報等の読み出しを要求すると、画像形成装置200の制御部202は、本ICタグ1の有線電源ポート108に電源(有線電源)を供給する。
本ICタグ1は、電源制御手段109により、有線電源が供給されたことを検出し、画像形成装置200が有線通信を要求していることを認識する。
【0015】
次に、無線送受信端末300が、本ICタグ1に対して無線通信を要求する手順について説明する。
保守作業者が、無線送受信端末300の電源を投入し、入力部304を介して、本ICタグ1に記憶されている設定情報等の読み出しを要求すると、無線送受信端末300はアンテナ301から電波の送信を開始する。
本ICタグ1は、アンテナ103により、この電波を受信し、無線電源回路105が、その電波を整流して電源を出力する。電源制御手段109は、無線電源回路105から電源が出力されたことを検出して、無線送受信端末300が無線通信を要求していることを認識する。
【0016】
以下、本ICタグ1の動作手順を、図4のフロー図に従って説明する。
(1)上述のようにして、有線電源又は無線電源が本ICタグ1に供給され、電源制御手段109が動作を開始する(S101)。
(2)電源制御手段109は、無線電源が供給されているか否かを判定し(S102)、無線電源が供給されているときには(S102、Yes)、有線電源が供給されているか否かも判定する(S103)。そして、有線電源も供給されているときには(S103、Yes)、ステップ102に戻る。これにより、無線電源及び有線電源の双方が供給されているときは、現在の通電状態が維持される。その結果、先に確立した通信を維持することとなる。
【0017】
(3)一方、ステップS102において、無線電源が供給されていないと判定したときは(S102、No)、有線電源は供給されているので、電源制御手段109は、有線電源を、無線送受信制御手段104以外の電気回路に通電して(S104)、ステップS102に戻る。これにより、有線通信が確立されるか、又は、既に有線通信が確立している場合は、有線通信が維持される。
(4)また、ステップS103において、有線電源が供給されていないと判定したときは(S103、No)、無線電源のみが供給されているので、電源制御手段109は、無線電源を、有線送受信制御回路107以外の電気回路に通電して(S105)、ステップS102に戻る。これにより、無線通信が確立又は維持される。
【0018】
次に、図1に示す本ICタグの電源制御手段109の第1の実施例を、図5を用いて説明する。
図5は、本ICタグの電源制御手段109(1)の回路図である。
本電源制御手段109(1)は、負論理のS(セット)端子に有線電源が接続され、負論理のR(リセット)端子に無線電源が接続されたRSフリップフロップ401と、RSフリップフロップ401のQ端子からの出力により無線電源の通電をオン・オフするためのPNP型のトランジスタ(Tr:Transistor)402及びNPN型のTr403と、RSフリップフロップ401のnQ端子からの信号により、有線電源の通電をオン・オフするためのPNP型のTr404及びNPN型のTr405と、無線電源及び有線電源の電圧を分圧して、RSフリップフロップ401のS端子及びR端子への入力電圧を規定する抵抗(R:Resistor)406〜409を有している。なお、RSフリップフロップ401のV(電源)端子には、無線電源及び有線電源が接続されており、このため、RSフリップフロップ401は、無線電源又は有線電源のうち少なくともいずれか一方の電源が供給状態になれば動作することとなる。
【0019】
また、電源制御手段109(1)は、ダイオード(D:Diode)410〜413も有している。ここに、D410、411は、無線電源及び有線電源の間で相互に電流が流れ込まないよう、無線電源と有線電源とを分離するためのダイオード、D412は有線電源が無線送受信制御回路104に通電されないようにするためのダイオード、D413は無線電源が有線送受信制御回路107に通電されないようにするためのダイオードである。
【0020】
上記の構成において、RSフリップフロップ401のS端子及びR端子は、抵抗407及び409により接地されているため、有線電源又は無線電源が供給されていない状態では、それぞれ、0Vの低電圧状態となる。一方、有線電源又は無線電源が供給された状態では、各電源の電圧は、抵抗406、407、及び抵抗408、409によりそれぞれ分圧され、S端子又はR端子の入力は、それぞれ高電圧状態となる。
【0021】
次に、本電源制御手段109(1)の動作を、無線電源及び有線電源の供給状態ごとに説明する。
(無線電源のみ供給された状態)
無線電源のみが供給されると、RSフリップフロップ401のS端子が低電圧状態、R端子が高電圧状態となり、S端子及びR端子は共に負論理であることから、RSフリップフロップ401のQ端子は高電圧状態となる。これにより、Tr403のコレクタ・エミッタ間(以下、「CE間」と称する。)がオン状態となり、Tr402のCE間もオン状態となって、Tr402のエミッタに接続されている無線電源がコレクタに出力され、有線送受信制御回路107以外の電気回路に通電される。
一方、有線電源は供給されていないため、有線電源はTr404のエミッタには供給されない。また、nQ端子は、Q端子の論理反転状態、すなわち低電圧状態となるので、Tr405のCE間はオフ状態となり、Tr404のCE間もオフ状態となって、有線電源ラインはTr404のエミッタには接続されない。
【0022】
(有線電源のみ供給された状態)
有線電源のみが供給されると、RSフリップフロップ401のS端子が高電圧状態、R端子が低電圧状態となり、S端子及びR端子は共に負論理であることから、RSフリップフロップ401のQ端子は低高電圧状態、nQ端子は高電圧状態となる。これにより、nQ端子に接続されているTr405のCE間及びTr404のCE間がオン状態となり、Tr404のエミッタに接続されている有線電源がコレクタに出力され、無線送受信制御回路104以外の電気回路に通電される。
一方、無線電源は供給されていないため、無線電源はTr402のエミッタには供給されない。また、Q端子は低電圧状態となるので、Tr403のCE間及びTr402のCE間は共にオフ状態となり、無線電源ラインはTr402のエミッタには接続されない。
【0023】
(無線電源及び有線電源が共に供給された状態)
無線電源及び有線電源の双方が供給されると、RSフリップフロップ401のS端子が高電圧状態、R端子も高電圧状態となり、S端子及びR端子は共に負論理であることから、Q端子及びnQ端子は、以前の状態を保持する。このため、既にTr402のコレクタから無線電源が出力されていれば、その状態が保持され、逆に、既にTr404のコレクタから有線電源が出力されていれば、その状態が保持される。その結果、既に確立されていた通信が維持されることとなる。
【0024】
次に、図1に示す本ICタグの電源制御手段109の第2の実施例を、図6を用いて説明する。
図6は、本ICタグの電源制御手段109(2)の構成を示すブロック図である。
本電源制御手段109(2)は、通電制御部501と、通電制御部501により制御され、無線電源及び有線電源の通電をオン・オフするためのセレクタ502を有している。
【0025】
また、通電制御部501は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、セレクタ502との通信を行うための入出力インタフェース5011と、抵抗503、504及び505、506によりそれぞれ分圧された無線電源及び有線電源が接続された入力ポート5012と、入力ポート5012に入力された無線電源及び有線電源の分圧レベルを検出して無線電源及び有線電源の供給状態を検出する電源検出手段5013と、セレクタ502に指示を与えて無線電源及び有線電源の通電をオン・オフする通電指示手段5104とを有している。
ここで、上述した通電制御部501が有する各手段は、プログラムによりCPUを含むコンピュータで実現される機能実現手段である。
【0026】
上記の構成において、通電制御部501及びセレクタ502は、無線電源及び有線電源が直接接続され、無線電源又は有線電源が供給されると、その動作を開始する。また、セレクタ502は、通電制御部501から送信されるコマンドを受信して、無線電源から無線送受信制御回路104及び共通電源ラインへの通電をオン・オフすると共に、有線電源から有線送受信制御回路107及び共通電源ラインへの通電をオン・オフする。
【0027】
次に、図6の電源制御手段109(2)の動作手順を、図7に示すフロー図に従って説明する。
(1)無線電源又は有線電源のうち、少なくとも一方の電源が供給され、通電制御部501が動作を開始する(S201)。
(2)電源検出手段5013は、入力ポート5012に入力された無線電源の分圧レベルを検出して(S202)、無線電源が供給されているか否かを判定する(S203)。そして、無線電源が供給されているときには(S203、Yes)、入力ポート5012に入力された有線電源の分圧レベルを検出して(S204)、有線電源が供給されているか否かも判定する(S205)。そして、有線電源も供給されているときには(S205、Yes)、ステップS202に戻る。これにより、無線電源及び有線電源の双方が供給されているときには、セレクタ502の状態は変更されず、現在の通電状態が維持される。その結果、先に確立された通信が維持されることとなる。
【0028】
(3)一方、ステップS203において、無線電源が供給されていないと判定したときは(S203、No)、有線電源は供給されているので、通電指示手段5104は、セレクタ502にコマンドを送信し、有線電源の通電をオンにして(S206)、ステップS202に戻る。これにより、有線電源が、有線送受信制御回路107及び共通電源ラインへ通電され、有線通信が確立又は維持される。
【0029】
(4)また、ステップS205において、有線電源が供給されていないと判定したときは(S205、No)、無線電源のみが供給されているので、通電指示手段5104は、セレクタ502にコマンドを送信し、無線電源の通電をオンにして(S207)、ステップS202に戻る。これにより、無線電源が、無線送受信制御回路104及び共通電源ラインに通電され、無線通信が確立又は維持される。
【0030】
以上説明したように、本ICタグは、無線電源のみが供給されているときは、無線通信を行う際に不要となる電気回路部分には無線電源を通電せず、また、有線電源のみが供給されているときは、有線通信を行う際に不要となる電気回路部分には有線電源を通電しないため、無駄な電力消費を回避して消費電力を低減することができる。
また、無線電源及び有線電源の双方が供給されているときは、先に供給を開始した電源の通電を維持するため、上記と同様に無断な電力消費を回避しつつ、無線通信又は有線通信のうち、先に確立された通信を維持することができる。
【符号の説明】
【0031】
1〜4・・・ICタグ、101・・・不揮発メモリ、102・・・メモリ制御回路、103・・・アンテナ、104・・・無線送受信制御回路、105・・・無線電源回路、106・・・有線信号ポート、107・・・有線送受信制御回路、108・・・有線電源ポート、109、109(1)、109(2)・・・電源制御手段、200・・・画像形成装置、201・・・スキャナ部、202・・・制御部、203・・・表示部、204・・・指示入力部、205・・・プリンタ部、2051〜2054・・・トナーボトル、300・・・無線送受信端末、301・・・アンテナ、302・・・信号処理部、303・・・表示部、304・・・入力部、401・・・RSフリップフロップ、402〜405・・・トランジスタ、406〜409・・・抵抗器、410〜413・・・ダイオード、501・・・通電制御部、502・・・セレクタ、503〜506・・・抵抗器、5011・・・入出力インタフェース、5012・・・入力ポート、5013・・・電源検出手段、5014・・・通電指示手段。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2003−224677号公報
【特許文献2】特許第4337645号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグであって、
前記無線通信を行うための無線通信手段と、
前記有線通信を行うための有線通信手段と、
前記無線通信手段を駆動する無線電源及び前記有線通信手段を駆動する有線電源の、前記ICタグ内部の電気回路への通電を制御する電源制御手段と、
を有し、
前記電源制御手段は、前記無線電源及び前記有線電源を検出すると共に、前記無線電源のみを検出しているときは、前記無線電源を、前記有線通信手段を除く前記電気回路に通電し、前記有線電源のみを検出しているときは、前記有線電源を、前記無線通信手段を除く前記電気回路に通電することを特徴とするICタグ。
【請求項2】
請求項1に記載されたICタグにおいて、
前記無線通信の電波を整流して無線電源を生成する無線電源生成手段を有することを特徴とするICタグ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたICタグにおいて、
前記電源制御手段は、前記無線電源及び前記有線電源を共に検出しているときは、前記無線電源及び前記有線電源の、現在の通電状態を維持することを特徴とするICタグ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたICタグにおいて、
前記電源制御手段は、セット端子及びリセット端子に前記無線電源及び前記有線電源がそれぞれ接続された、フリップフロップを有することを特徴とするICタグ。
【請求項5】
入力された原稿の画像データに基づいて前記原稿画像を印刷する画像印刷手段を有する画像形成装置であって、
請求項1ないし4のいずれかに記載されたICタグを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグの電源制御方法であって、
前記無線通信手段を駆動する無線電源及び前記有線通信手段を駆動する有線電源を検出する工程と、
前記無線電源及び前記有線電源の、前記ICタグ内部の電気回路への通電を制御する工程と、
を有し、
前記通電を制御する工程は、前記無線電源及び前記有線電源を検出すると共に、前記無線電源のみを検出しているときは、前記無線電源を、前記有線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電し、前記有線電源のみを検出しているときは、前記有線電源を、前記無線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電することを特徴とするICタグの電源制御方法。
【請求項7】
無線通信及び有線通信により機器との通信が可能なICタグのコンピュータを、
前記無線通信手段を駆動する無線電源及び前記有線通信手段を駆動する有線電源を検出する手段と、
前記無線電源及び前記有線電源の、前記ICタグ内部への通電を制御する手段と、
として機能させるプログラムであって、
前記通電を制御する手段は、前記無線電源及び前記有線電源を検出すると共に、前記無線電源のみを検出しているときは、前記無線電源を、前記有線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電し、前記有線電源のみを検出しているときは、前記有線電源を、前記無線通信にのみ用いられる電気回路以外の電気回路に通電することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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