説明

ICタグを用いた物品鑑別方法とその装置

【課題】ICタグを用いた物品の真贋判定において、ICタグの信頼性や寿命と物品の真贋判定の精度という相反した問題を解決するとともに、不良ICタグが装着された物品の流通を阻止する。
【解決手段】同一の対象物に搭載されていることを示す情報を送出したICタグの個数と、元来情報を送出されるべきICタグの個数との比を求め、その比で真贋を判定する。他の手段を用いた真贋判定を併用する場合には,物品にその手段で検出できる情報を付加しておき、その検査領域情報をICタグに記憶させておく。不良ICタグの個数が多い場合には、物品を回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグを物品に装着し、それにより物品の真贋を鑑別する方法およびその装置に関する。なお、ここでの“ICタグ”とは、情報を無線で送出するための機能を持つ微小装置の総称として使っており、それらの機能を有する半導体チップ、μチップ、一般RFID他を指す。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネーやクレジットカード利用による物品の購入が盛んになってきており紙幣の流通量が減少していくとの見通しがあるが、それと裏腹に、紙幣利用による物品の購入もいまだに盛んであるのが現状である。このことは紙幣の発行数の増大からも明確である。一方、近年、現金自動支払機への不正アクセス、たとえば、偽札使用の件数も極端に増加している。そのため、各国では様々なセキュリティーをいれた紙幣を新しく開発している。また、偽物という観点からは、国際化に伴いブランド品の高度な偽物も出回りその対策も重要となってきている。しかも、ブランド品の製作者自身が同じ材料で偽物を作る場合もあり、それを見分けるには、品物自体の質の検査ではなく、正式な製造元が認定しているかどうかの情報のチェックが必要となってきている。
【0003】
以上の状況下で最近有力視されているのがICタグの紙幣や物品への装着,あるいは,ICタグを利用した認証機能が付加されている物品である。これらはICタグ内の情報により真贋を判定するというものである。例えば、特開2003-58856号公報”超小型ICチップを内蔵した偽造防止印刷媒体及び偽造防止印刷物”(特許文献1)では、紙葉の中に一つまたは複数の半導体チップを特定の領域に埋め込むことが提案されている。特開2001-283011号公報”半導体チップを持つ有価証券”(特許文献2)では、チップ内の情報を送出できるものとできないものを用意しカモフラージュにて偽造対策を高度化する方式も提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003-58856号公報
【0005】
【特許文献2】特開2001-283011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上説明した方式は、真贋判定に関して非常に有効なものである。しかし、真贋判定をされるものを持っている所有者の立場への考慮をやや欠いたものと思われる。すなわち、真贋判定をICタグ(半導体チップ)の情報による判定にかなりのウエイトをおいてあるため、ICタグ自体の誤動作、故障、あるいは、対象物からの離脱があった場合、たとえ、本物であっても、偽物と判定されてしまうということである。特に、有価証券や紙幣などは、数年から十数年、出回る可能性が高く、その間を通じて、ICタグ自体の品質を保証することが難しい場合も考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明では、物品に、同一の対象物に搭載されていることを示す情報を保持するICタグを複数個(A個)、一の物品に搭載する。物品の真贋判定の際には、同一の対象物に搭載されていることを示す情報を送出したICタグの個数Bと、元来情報を送出されるべきICタグの個数Aとの比を求め、その比αで真贋を判定する。すなわち、B>C=[α*A] ([]はガウス記号,α>=0.5)の場合、本物と判定する。また、例えば、BがAより少なくCに近い場合でさらに真贋判定を強化したい場合には、Bの個数に応じて他の手段を用いた真贋判定を併用するようにしてもよい。さらに、複数の種類の物品の真贋を判定する場合には、装着ICタグ内に上記3つの情報A,C,αのうちのいずれか2つの情報自体をICタグ内に記憶しておき、それを呼び出して判定に使うことで物品の種類の違いに対応した判定を行っても良い。また、上記3つの情報A,C,αの全てを予め固定の値にしておく、または、一部は固定値として他の値はICタグから読み出す、などの方法でもよい。他の手段を用いた真贋判定を併用する場合には,物品にその手段で検出できる情報を付加しておく。
【発明の効果】
【0008】
たとえば、αを0.5以上(0.5を含まない)とすると、Aが10の場合には、Bが6以上となる。したがって、4個まではICタグの不具合や離脱を許容できる。これにより、ICタグの不具合や離脱によって本物を偽物と判定する誤判定がかなり低減する。また、故意にICタグを抜き取り、偽物に装着して本物にみせかけようとしても、αを0.5以上(0.5を含まない)に設定すれば、ICタグの個数が足りなくなるため、2つの対象品を作りだすことは不可能となる。さらに、紙幣を取り扱う自動現金取り扱い機では、入金の際、たとえB>Cであっても、Bの大小、すなわち、故障ICタグとおもわれるICタグの個数の大小で、紙幣を回収する機能を設けることができる。これにより、入金は完了するとともに、真の紙幣ではあるがICタグが故障あるいは離脱している紙幣を回収できるので、流通紙幣の信頼性の向上が見込める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明では、真贋判定をする必要のある紙幣などの有価証券などの物品に、予め複数のICタグを装着しておき、判定時に、同一の対象物に搭載されていることを示す情報を送出したICタグの個数Bと、元来情報を送出されるべきICタグの個数Aとの比を求め、その比αで真贋を判定することで、ICタグの故障に対応しながら判定精度を保持できるようにしたことを特徴としている。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本実施形態におけるICタグを利用した紙幣の真贋判定フローの構成の一例を示す図である。図2は、ICタグを埋め込んだ紙幣の例を示した図である。図3は真贋判定機能を有した現金自動取り扱い機の構成の構成を示す図である。
【0011】
図2に示した例は、7つのICタグを紙幣に編みこんだ場合を示してある(A=7)。これらのICタグの情報を図3の鑑別部301で読み込み、紙幣の真贋判定を行う。鑑別部は、ICタグのリーダーを有する。鑑別部301はまた、真贋判定のための他の機能、例えば、印刷パターンにより真贋を判定する機能を有しても良い。真贋判定した情報に基づいて、紙幣が本物の場合には上の2段の正券格納ボックス302に、偽札の場合には最下段の偽券回収ボックス304に、また、許容個数の不良ICタグが搭載された紙幣の場合には下から2段目の損券回収ボックス303に収容される。紙幣を送る紙葉送り部305は鑑別部301に向けて、および鑑別部301からそれぞれの格納ボックスに向けて、紙幣を送る。紙葉送り部305がどの格納ボックスに紙幣を送るかは、鑑別部301における真贋判定結果により決定される。
【0012】
図5は、ICタグの構成の一例を示す図である。記憶部501には、複数のICタグが互いに同じ物品に搭載されていることを判断するために用いる真贋判定情報が記憶される。通信部502は、真贋判定の際に真贋判定情報を外部の装置に送出するためのものである。記憶部501は、真贋判定情報を一度のみ書き込むことができる読取り専用の記憶媒体にすれば、一の物品からとり外したICタグの真贋判定情報を書き換えて他の物品に搭載することによる見せかけが不可能になる。また、真贋判定情報としては、同一の物品に搭載するICタグには完全に同一、または一部が同一のIDをつけることが考えられる。この同一の部分としては、物品に割り当てられる個体ID番号を用いてもよい。あるいは、同一の物品に搭載されるICタグの真贋判定情報に、連続する数値を含めるようにしてもよい。これに限らず、同一の物品に搭載されていることを判定できて、他の物品に搭載されるICタグとの判別ができるような情報であれば、他の情報を真贋判定情報として利用してもよい。S2のステップで1つのICタグを複数回カウントしてしまうことを防ぐためには、1の物品に装着するICタグに連番を付けるなど、一部は異なる情報を真贋判定情報に含めるとよい。また、同一の物品に装着されるべきICタグ全体数(A)のうちの何番目にあたるか(n)という情報を組にした(A、n)を真贋判定情報に含めてもよい。
【0013】
図6は、鑑別部301の構成である。通信部601は、ICタグの通信部502と通信をして真贋判定情報を読み取るために用いられる。処理部602は、読み取られた真贋判定情報に基づいて真贋判定処理を行う。記憶部603は、真贋判定処理のためのプログラム、読み取られた真贋判定情報などを記憶する。上記で説明した、真贋判定に用いられる数値A,C,αの少なくともいずれかが予め決まっている場合は、その情報を記憶部603に格納しておいてもよい。ICタグ以外の情報を併せて用いる場合のために、その他の判別モジュール604を具備してもよい。その他の判別モジュールには例えばスキャナなどの入力手段を設け、判別のための情報処理は処理部602で行う。
【0014】
図1は、鑑別部の処理部で行われる紙幣の真贋判定を行うフローの一例である。S1では、個々のICタグの情報を読み取る。この際、ICタグがランダムに紙幣内に配置されていると、それに応じて情報をよみこむセンサーを紙幣搬送方向に垂直に多く配置する必要が生ずる。それでもよいが、センサーの個数を減らすために、紙幣に搭載するICタグを図4に示したように、紙幣搬送方向に何列か並べることもできる。この場合には、時系列にICタグの情報を読み取りことになる。ICタグ内に記憶されている情報には、少なくとも,他の紙幣に対してユニークな紙幣ID番号が含まれている。その他に,同一紙幣内にあるタグを区別をするためのタグID番号や前記3つの情報A,C,αのうちの2つの情報を各ICタグに記憶させておいてもよい。また,ICタグと紙幣自体の対応をとるための情報として,個々の紙幣特有パターンの情報,たとえば,記番号などを記憶しておいてもよい。さらに,補助的な紙幣パターンのチェックを行うためのチェック座標を記憶しておいてもよい。
【0015】
図1のS2では,同一の対象物に搭載されていることを示す情報を送出したICタグの個数を求める。それには,各ICタグの真贋判定情報を読み出し,同一の紙幣に搭載されていることをしめす真贋判定情報の個数をカウントする。真券の場合には,すべて同じ紙幣に搭載されていることを示す真贋判定情報であるのでその個数Bが計数されることになる。一方,機能的に不具合があり情報が読めないICタグ,あるいは,情報が読めない偽造ICタグの場合は,当然,それらの個数は計測されない。また,故意に他の紙幣から剥がされ装着されたICタグがある場合には,異なる紙幣に対応する真贋判定情報が読み取られる。この場合には,複数の紙幣に対応する真贋判定情報が存在することになるが,その頻度の多いほうを計数値とする。この場合で,セキュリティレベルの高い応用には,ICタグと紙幣自体の対応をとるための情報を読み出し,それと紙幣パターンから得られる情報とを比較して,カウントすべき紙幣ID番号を決めてもよい。たとえば,ICタグと紙幣自体の対応をとるための情報が記番号の場合には,紙幣パターンから既存のOCR技術などを利用してこの情報を読み取り,ICタグから読み出された記番号情報と照合することで,実現できる。
【0016】
S3では,計数値Bの評価を行う。すなわち,先に説明したB>C=[α*A] ([]はガウス記号,α>=0.5)の判定を行う。Cの値は,プログラム上で定義してあってもよいし,汎用性を考慮して,ICタグに予めCの値を書き込んでおき、計数値Bに寄与したICタグの1つから読み出してもよい。この不等式を満足しない場合には,偽札と判定し,紙幣を偽券回収ボックスに格納する。偽券と判定された場合には、正しくない入金なので、偽造紙幣の可能性があるとして警告を発するなどの処理を行う。この不等式を満足する場合には,S4にて真券(本物)と判定する。セキュリティレベルの高い応用の場合には,S4にて,計数値Bの大小により付加的なチェックを行ってもよい。例えば,Bの値がCに近い場合(情報が読めないICタグがやや多い場合)には,その他の判別モジュール604を用いて、ICタグと紙幣自体の対応をとるための情報,たとえば,記番号などのチェックを先に説明したOCR技術を使って行う。こうして、情報が読めないICタグがやや多く、信頼性がやや低い紙幣についてはより厳しい基準で他のチェックを行うことで、ICタグの信頼性を補完することができる。さらには,計数値Bに寄与したICタグの1つから補助的な紙幣パターンのチェックを行うためのチェック座標を読み出し,その領域の物理量を検査することもできる。αを0.5以上にすることにより、もともと一の物品に搭載されていたICタグのうち半分を取り外し、偽物に取り外した半分を搭載して本物に見せかける、という偽造方法を無効にすることができる。
【0017】
S5では,(A-B)の値の大小により真券紙幣を流通させるか回収するかを判定するステップである。Aの値は,プログラム上で定義してあってもよいし,汎用性を考慮して,計数値Bに寄与したICタグの1つから読み出してもよい。(A-B)の値が,ある一定値よりも大きい場合には,不良のICタグが一定個数以上存在しているということなので,紙幣を不良品と判定し,損券回収ボックスに送る。この仕組みにより、古い紙幣(動作不良のICタグが多くなった紙幣)を流通から回収することができる。ただし、損券回収ボックスに送られる紙幣は、S4において真券と判断されたものであるので正しい入金として扱われる。一方,ある一定値より小さい場合には,将来も流通させてよいと判断し,正券格納ボックスに紙幣を格納する。この現金自動取り扱い機が還流式の装置である場合には、正券格納ボックス302に格納された紙幣は出金に使われるが、損券回収ボックス303に格納された紙幣は出金には使われない。
なお,将来の解析に必要ならば,判定した紙幣毎に計数値B,各ICタグ内の情報(紙幣ID番号,タグID番号,他)とその紙幣を投入したユーザ情報とを関連づけて記憶しておくことも考えられる。
【0018】
本発明は前記の実施対象に限定されずに広く適用することが可能である。たとえば,本発明は,紙幣に限定されずに,一定期間その価値を保障すべき有価証券,商品券,宝くじ券などに適用できる。その他、いわゆるブランド品など、価値を保障する必要のある製品、特に模造品が多く出回るような製品の真贋判定に利用できる。
【0019】
紙幣自動取り扱い機以外を用いて紙幣の真贋判定を行う場合、または紙幣以外の物品の真贋判定を行う場合には、図1で説明したステップのうちS3までのステップを実行すればよい(図7)。紙幣では、本物と判断されたものでも状態によっては回収すべきな場合があるが、回収の必要がない物品では、S5以降を省略することができる。
このための装置としては、ICタグを読み取って真贋判定処理を行うための、図6で示した鑑別部を具備すれば十分なので、ハンドヘルドのバーコードリーダ程度の小型の装置で実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、ICタグを利用した真贋判定で,ICタグの寿命,信頼性の限界と判定精度の保証という相反した従来の課題を完全に解決でき,一定期間その価値を保障する必要のある様々な物品の真贋判定に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態におけるICタグを利用した紙幣の真贋判定フローの構成の一例を示す図である。
【図2】ICタグを埋め込んだ紙幣の例を示した図である。
【図3】真贋判定機能を有した現金自動取り扱い機の構成の構成図である。
【図4】ICタグを埋め込んだ紙幣の別の例を示した図である。
【図5】ICタグの構成例を示した図である。
【図6】鑑別部の構成例を示した図である。
【図7】真贋判定フローの第2例である。
【符号の説明】
【0022】
S1:ICタグの内容読み込み、S2:同一の対象物に搭載されていることを示す情報を送出したICタグの個数のカウント、S3:計数値Bの評価、S4:真券の判定、S5:真券紙幣を流通させるか回収するかの判定。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のICタグが同一の物品に装着されたものであることを確認するための真贋判定情報を記憶し、該真贋判定情報を送出する機能を有する複数のICタグと、該ICタグから該真贋判定情報を受信して真贋判定に用いる真贋判定装置とを用い、
もともとは第1の所定の個数のICタグが装着された物品に装着された複数のICタグ内の情報を前記真贋判定装置により読み出し、該真贋判定装置で、第2の所定の個数以上の前記読み出されたICタグ内の真贋判定情報が同一物品に装着されたことを示す情報であるか否かを判定して、該物品の真贋の判定を行い、
前記第2の所定の個数は前記第1の所定の個数よりも少ないことを特徴とする物品真贋判定方法。
【請求項2】
請求項1記載の物品真贋判定方法であって、前記第2の所定の個数は、前記第1の所定の個数の半数よりも多いことを特徴とする物品真贋判定方法。
【請求項3】
請求項1記載の物品真贋判定方法であって、前記真贋判定情報に、前記第1の所定の個数の情報または前記第2の所定の個数の情報を含むことを特徴とする物品真贋判定方法。
【請求項4】
請求項1記載の物品真贋判定方法であって、同一物品に装着されたことを示す真贋判定情報を読み出せるICタグの個数の大小に応じて、物品の物理的な特徴を計測する部位の個数または質を調整できる付加的な計測方法を具備することを特徴とする物品真贋判定方法。
【請求項5】
請求項1記載の物品真贋判定方法であって、該物品が真と判定された場合にも、情報が読めないICタグが一定個以上ある場合には、該物品を回収するステップを有することを特徴とする物品真贋判定方法。
【請求項6】
ICタグが装着された物品の真贋を判定する物品真贋判定装置であって、物品に装着された複数のICタグ内の真贋判定情報を読み出す通信部と、該物品に本来装着されているべき第1の所定の個数よりも少ない第2の所定の個数以上の前記読み出されたICタグ内の真贋判定情報が同一物品に装着されたことを示す情報であるか否かを判定して、物品の真贋の鑑別を行う処理部とを有することを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項7】
請求項6記載の物品真贋判定装置であって、前記第2の所定の個数は、前記第1の所定の個数の半数よりも多いことを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項8】
請求項6記載の物品真贋判定装置であって、前記真贋判定情報に、前記第1の所定の個数の情報または前記第2の所定の個数の情報を含むことを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項9】
請求項6記載の物品真贋判定装置であって、同一物品に装着されたことを示す真贋判定情報を読み出せるICタグの個数の大小に応じて、物品の物理的な特徴を計測する部位の個数または質を調整できる付加的な計測方法を具備することを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項10】
請求項6の物品真贋判定装置であって、該物品が真と判定された場合にも、情報が読めないICタグが一定個以上ある場合には、物品を回収する手段を有することを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項11】
請求項6の物品真贋判定装置であって、前記ICタグを装着する物品は紙幣であり、該物品真贋判定装置は、紙幣の自動取り扱い機能を有することを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項12】
請求項11の物品真贋判定装置であって、該紙幣が偽物と判定された場合に該偽物紙幣を格納する偽券格納ボックスと、該紙幣が真と判定された場合で情報が読めないICタグが一定個以上ある場合に、該紙幣を回収する損券格納ボックスと、それ以外の場合の紙幣を格納する正券格納ボックスとを有することを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項13】
請求項11記載の物品真贋判定装置であって、同一物品に装着されたことを示す真贋判定情報を読み出せるICタグの個数の大小に応じて、該紙幣の物理的な特徴を計測する部位の個数または質を調整できる付加的な計測方法を実施することを特徴とする物品真贋判定装置。
【請求項14】
第1の所定の個数である複数のICタグを装着する物品であって、該複数のICタグは、互いに同一の物品に装着されていることを示す真贋判定情報を記憶する記憶部と、前記真贋判定情報を送出する通信部とを有し、前記真贋判定情報は、前記同一の物品に装着されていることを示す真贋判定情報が第1の所定の個数よりも少ない第2の所定の個数以上のICタグから読み取られた場合に該物品を真と判定するために用いられることを特徴とする物品。
【請求項15】
請求項14記載の物品であって、前記真贋判定情報に、前記第1の所定の個数または前記第2の所定の個数を含めることを特徴とする物品。
【請求項16】
請求項14記載の物品であって、前記真贋判定情報に、前記第1の所定の個数と、各ICタグが該第1の所定の個数のうちのいずれに該当するかを示す情報とを含むことを特徴とする物品。
【請求項17】
請求項14記載の物品であって、前記真贋判定情報に、該物品に割り当てられる個体ID番号。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−113700(P2006−113700A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298334(P2004−298334)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】