説明

ICタグリーダー、ICタグリーダーを備える端末装置、ICタグからの応答信号のグルーピング方法

【課題】従来技術ではICタグの位置を特定するために複数のICタグリーダーを用いる必要があった。
【解決手段】同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させて発信する機能を有するトリガー信号発信部と、前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する応答信号検出部と、トリガー信号発信部から発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出部の応答信号の数から演算するタグ検出数演算部と、演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングするグルーピング部と、を有するICタグリーダー等を提案する。また、当該ICタグリーダーを備える携帯可能な端末装置等を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグリーダーとICタグリーダーを備える端末装置、ICタグからの応答信号のグルーピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICタグリーダーで物品や生物等に付されたICタグの情報を非接触で読み取るシステムの導入が行われてきている。例えば、販売店の各商品にICタグを付し、レジにおいてICタグリーダーで複数のICタグを同時に読み取り、短時間で清算することが可能なシステムが知られている。
【0003】
また、様々な位置に配置されているICタグの位置を検出する技術も近年開示されている。例えば、特許文献1においては、複数のICタグリーダーから対象となるICタグまでの距離を測定し、三角測量法を用いてICタグの位置を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−133128
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ICタグリーダーはICタグと比較してそれ自身の料金が高く、そのサイズも小さくないため、複数のICタグリーダーを設けることはコストや軽量化の観点において好ましくなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させる機能を有するトリガー信号発信部と、前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する応答信号検出部と、トリガー信号発信部から発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出部の応答信号の数から演算するタグ検出数演算部と、演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングするグルーピング部と、を有するICタグリーダー等を提案する。また、当該ICタグリーダーを備える携帯可能な端末装置等を提案する。
【0007】
また、複数同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させて発信するトリガー信号発信ステップと、前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する応答信号検出ステップと、トリガー信号発信ステップにて発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出ステップにて検出する応答信号から演算するタグ検出数演算ステップと、演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングするグルーピングステップと、からなるICタグからの応答信号のグルーピング方法を提案する。
【発明の効果】
【0008】
上記発明により、単一のICタグリーダーにより複数のICタグをその配置領域ごとにグループ化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のICタグリーダー等の概要を示す図
【図2】実施例1のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図
【図3】トリガー信号の送信強度を上げていった場合において、各送信強度において新たに検出される応答信号の数を示した図
【図4】実施例1のICタグリーダーのハードウェア構成の一例を示す図
【図5】実施例1のICタグリーダーの処理の一例を示す図
【図6】複数のタイミングにおけるグルーピングの処理結果の時間的変化を示した図
【図7】実施例2のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図
【図8】実施例2のICタグリーダーの処理の一例を示す図
【図9】実施例3のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図
【図10】実施例3のICタグリーダーの処理の一例を示す図
【図11】実施例4のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図
【図12】実施例4のICタグリーダーの処理の一例を示す図
【図13】実施例4のICタグリーダーの処理の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、5、6などに関し、実施例2は主に請求項2、5、7などに関し、実施例3は主に請求項3、5、8などに関し、実施例4は主に請求項4、5、9などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【実施例1】
【0011】
<概要>
図1は、本実施例のICタグリーダー等の概要を示す図である。ICタグリーダーからICタグに対して応答を促すトリガー信号を送信する場合、トリガー信号の送信強度によってICタグの応答可能な領域が変化し、ICタグリーダーにて検出可能なICタグの数が変化する。上記図の状況においてトリガー信号の送信強度を大きくしていくと、まず領域(0101)に属するICタグが検知され検出数が増える。しかしながら、領域(0101)と領域(0102)の間においては送信強度を大きくしても新たなICタグが検出されず、領域(0102)のところまで応答可能な領域が広がって再度検出数が増えることになる。つまり、領域(0101)と領域(0102)との間ではICタグ(検出信号)の検出数が変化しないことを利用して、領域(0101)に属するICタグをグループ化することが可能になる。
【0012】
<構成>
図2は、本実施例のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図である。この図に示すように、本実施例の「ICタグリーダー」0200は、「トリガー信号発信部」0201と、「応答信号検出部」0202と、「タグ検出数演算部」0203と、「グルーピング部」0204と、から構成される。
【0013】
なお、以下に記載する装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0014】
「トリガー信号発信部」は、複数同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させて発信する機能を有する。トリガー信号発信部は、例えばCPU、変調部、送信アンプ、アンテナ等から構成される。
【0015】
ここで、複数同時読取可能であるとは、各ICタグからの応答信号を混信しないように読み取ることが可能なことをいう。複数のICタグからの応答信号の受信は厳密な意味で同時刻である必要はなく、一定の時間幅において複数の応答信号を受信する態様も含まれるものである。具体的には、アンチコリジョン方式や、タイムスロット方式等の通信方式を採用することが考えられる。これらの通信方式により複数のICタグとの良好な通信を確立することが可能である。
【0016】
上記のように、トリガー信号はICタグに対して応答を促す信号である。ICタグに対して応答を促す信号としては、ICタグのメモリ(ROM等)に保持されているIDの情報の送信を促すコマンドが主として考えられる。しかし、ICタグとの通信を開始させるためのコマンドや、ICタグとの通信を中断させるためのコマンド、ICタグとの通信を再開させるためのコマンド、ICタグのメモリに対して書き込みを行うためのコマンドなどが含まれる態様も考えられる。
【0017】
有効応答可能領域に存在するICタグはICタグリーダーから送信される上記信号を受信して、内部の制御を介して応答信号をICタグリーダーに送信する。ここで、ICタグはそれぞれ固有のタグIDを有しており、同じ商品等に付されているものであってもそれぞれ区別することが可能である。また、ICタグがパッシブ型である場合は、応答信号の送信のために利用する電力を起電するのに必要なICタグリーダーからの電波の強度を同一にしておくことが好ましい。また、ICタグがアクティブ型である場合は、ICタグリーダーから送信されるトリガー信号の受信感度を同一にしておくことが好ましい。
【0018】
なお、有効応答可能領域はICタグがICタグリーダーからのトリガー信号を受信して応答することが可能な領域をいう。有効応答可能領域は、トリガー信号の送信強度の大きさに比例して大きくなることから、ICタグリーダーから離れた位置にあるICタグにトリガー信号を送信する場合は、ICタグリーダーから近い位置にあるICタグの場合と比較してより大きな送信強度にする必要がある。
【0019】
「応答信号検出部」は、前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する機能を有する。応答信号検出部は、例えばCPU、復調部、受信アンプ、アンテナ等から構成される。ここで、ICタグから返信される応答信号の受信強度が弱い場合は、再度トリガー信号を送信する構成とすることも可能である。
【0020】
応答信号検出部は、応答信号から取得されるICタグのタグIDに基づいてそれぞれの信号を区別することが可能である。また、同じICタグから重複して応答信号を受信した場合でも、タグIDを参照することで同一のICタグからの信号であると判断し、一の検出として捉えることが可能である。
【0021】
また、複数のICタグから応答信号を同時に受信した場合は、それぞれのICタグに対してそのIDに応じたタイムスロットにおいて再度応答信号を送信するようトリガー信号を送信する構成とすることも可能である。
【0022】
また、有効応答可能領域において複数のICタグが存在する場合、異なるタイミングで応答信号が返信されるため、各送信強度において適当な検出時間(例えば、0.1s)を設けることが好ましい。また、最後に応答信号を検出した時点から所定時間検出を継続して行う構成も可能である。
【0023】
ここで、ICタグがICタグリーダーから遠くにあるほど電波の往復距離も長くなるため、ICタグリーダーがトリガー信号を送信してから応答信号を検出するまでの時間も長くかかる。そこで応答信号を検出するまでの時間情報を利用して、有効可能領域にある各ICタグまでの距離を算出する処理を行うことも可能である。
【0024】
さらに、ICタグリーダーから遠くにあるICタグほど応答信号の強度が弱くなるため、当該応答信号の強度を検出して、有効可能領域にある各ICタグまでの距離を算出する処理を行うことも可能である。
【0025】
「タグ検出数演算部」は、トリガー信号発信部から発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出部の応答信号の数から演算する機能を有する。タグ検出数演算部は、例えばCPU、RAM、ROMや専用の処理回路等から構成される。
【0026】
ICタグの検出数の変化を演算する構成としては、トリガー信号の送信強度を一段階大きくした後の応答信号の数と一段階大きくする前の応答信号の数の差分を算出する構成が考えられる。また、同様に、トリガー信号の送信強度を数段階大きくした場合のICタグの検出数の変化についても差分を算出することにより取得することが可能である。送信強度の各段階の変化幅については種々の値を取ることが可能であり、例えば、有効応答可能領域の最大検出距離が10cmくらいずつ増加するように各段階の送信強度を設定することが考えられる。
【0027】
タグ検出数演算部の演算処理には、トリガー信号の送信強度を変化させた後の応答信号の数と変化させる前の応答信号の数が一致するか否か判断する処理なども含まれるものであり、ICタグの検出数の変化が分かる処理であれば特に限定されるものではない。
【0028】
「グルーピング部」は、演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングする機能を有する。グルーピング部は、例えばCPU、ROM、RAMや専用の処理回路等から構成される。ここで、応答信号をグルーピングするとは、一又は複数の応答信号をグループ化する処理を行うことをいう。具体的には、一又は複数の応答信号に対して同一識別子であるグループIDを割り当てることをいう。ただし、グルーピングする対象が一つである場合はグループIDを割り当てる必要は必ずしもない。
【0029】
図3は、トリガー信号の送信強度を上げていった場合において、各送信強度において新たに検出される応答信号の数を示した図である。この図の例では、送信強度の段階が4から8以下の部分(0301)や段階が12から18以下の部分(0302)においては新たに検出される応答信号の数が存在するが、送信強度の段階が0から3以下の部分や9から11以下の部分などにおいては新たに検出される応答信号の数が存在しない。こういった場合、送信強度の段階が4から8以下の部分(0301)と、送信強度の段階が12から18以下の部分(0302)においてそれぞれ検出される応答信号は違う領域に属するICタグからのものであると判断でき、それぞれグループIDが割り当てられる。なお、グループの数や、グループの分け方については種々の方式か考えられ、上記例に限定されるものではない。
【0030】
なお、上記で説明した各構成からなるICタグリーダーを携帯可能な端末装置に組み込むことも可能である。携帯可能な端末装置としては、携帯電話や、PDA、携帯音楽プレーヤー、ノートパソコン等が考えられるが、特にこれに限定されるものではない(以下の実施例でも同様である)。
【0031】
また、上記で説明した各構成からなるICタグリーダーを買い物カゴ等に配置することも可能である。例えば、買い物カゴの適当なスペースに配置して、買い物カゴの中にある商品の情報をICタグリーダーのディスプレイ等に出力させることも考えられる。ここで、買い物カゴの中にあるICタグのみを検出しやすいように、買い物カゴの中心付近にICタグリーダーのアンテナを配置することも考えられる。
【0032】
<具体的な構成>
図4は、本実施例のICタグリーダーの機能的な各構成要素をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、ハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0033】
この図にあるように、ICタグリーダーは、「CPU」0401、「ROM」0402、「RAM」0403、「変調部」0404、「復調部」0405、「送信アンプ」0406、「受信アンプ」0407、「アンテナ」0408、「表示制御回路」0409、「ディスプレイ」0410、「IF(インターフェイス)」0411A、0411B、0411Cから構成される。上記の構成は、「システムバス」0412のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0034】
CPUは、ROMに格納されているプログラムにより各構成を制御する。RAMは、CPUが各構成を制御する際に必要なデータの書き込みや読み出しが行われ、揮発性メモリ等で構成される。
【0035】
<処理の流れ>
図5は、CPU等により実行される処理手順を示したフローチャートである。この図を用いて本実施例のICタグリーダーの処理の一例を説明する。
【0036】
まず、ステップS0501において、トリガー信号の送信強度を初期値に設定する処理を行う。次にステップS0502において、トリガー信号の送信強度を1段階上げる処理を行う。次にステップS0503において、変調部、送信アンプを制御してアンテナから上記送信強度のトリガー信号(タグIDを要求する信号)を送信する処理を行う。
【0037】
次にステップS0504において、トリガー信号に応じてICタグから返信されるタグIDを示す応答信号をアンテナ、復調部を介して検出する。次にステップS0505において、タグIDの情報を参照してトリガー信号の送信強度を1段階上げることによって新たに検出された応答信号(ICタグ)の数を演算する処理を行う。
【0038】
次にステップS0506において、新たに検出された応答信号の数が所定数(例えば、1)よりも小さいか否か判断する。ここでの判断が新たに検出された応答信号の数が所定数よりも小さいとの判断である場合は、ステップS0507に進む。ここでの判断が新たに検出された応答信号の数が所定数以上であるとの判断である場合は、ステップS0502に戻る。
【0039】
ステップS0507においては、応答信号の数が所定数よりも小さかった段階が所定回数(例えば、3回)以上続いたか否か判断する。ここでの判断が小さかった段階が所定回数以上続いたとの判断である場合は、ステップS0508に進む。ここでの判断が小さかった段階が所定回数以上は続いていないとの判断である場合は、ステップS0502に戻る。
【0040】
ステップS0508においては、ステップS0502からステップS0507までのループ処理において検出された応答信号の総数が所定数(例えば1)以上であるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上であるとの判断である場合はステップS0509に進む。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上ではないとの判断である場合は処理を終了する。ステップS0509においては、ステップS0502からステップS0507までのループ処理において検出された一又は複数の応答信号について一のグループIDを付与する処理を行う。
【0041】
なお、処理の確実性を高めるために、上記の一連処理を複数回繰り返して行うことも可能である。ICタグリーダーとICタグとの相対的位置関係は上記の一連の処理時間内においてはほぼ固定されていると仮定することが可能であるが、一定の時間経過によってICタグリーダーとICタグの相対的位置関係が変わることもある。このため、一定時間毎に上記の一連処理を行い、結果のアップデートを行うことが考えられる。
【0042】
例えば、買い物カゴにICタグリーダーが配置されており(または買い物カゴを持つ人がICタグリーダーを持っており)、陳列棚の近くを移動する場合を考える。図6はこの状況においてグルーピングの処理結果がどのように時間的に変化するかを示した図である。まず、あるタイミングにおいては買い物カゴの中にある商品に付されたICタグ(0601・0602・0603)の他に、買い物カゴの近くにある陳列棚の商品に付されたICタグ(0604)も同じグループに属するとして判断されている。しかしながら、時間の経過によってICタグリーダー(0600)とICタグ(0604)との相対的位置が変わるため、ICタグ(0604)はグループから外れ、ICタグ(0605)がグループに加わっている。つまり、異なるタイミングにおいてグループの共通項となるICタグ(0601・0602・0603)は買い物カゴの中に存在し、ICタグ(0604)は買い物カゴの外に存在するといった判断処理を合わせて行うことも可能になる。また、上記の例の他に、買い物カゴ同士が近くをすれ違う場合などにおいても、同様の処理を行うことが考えられる。
【0043】
また、複数のタイミングで行ったグルーピングの処理結果をIDタグリーダー内部の記憶装置に保持しておき、任意のタイミングでディスプレイや他の装置に対して出力可能な構成としておくことも考えられる。
【0044】
また、図5のステップS0501において設定するトリガー信号の送信強度の初期値を前の一連処理において終了した時点におけるトリガー信号の送信強度とすることが考えられる。当該構成とすることにより、ICタグリーダーからの距離が異なる複数の領域に存在するICタグについてそれぞれグループIDを付与することが可能になる。
【0045】
なお、トリガー信号の送信強度が大きすぎる場合、ICタグの回路が適切に作動せず応答できない状況が想定される。よって、トリガー信号の送信強度が上限閾値に達した場合は、処理を中断し、それまでの検出結果に応じて応答信号をグルーピングする処理を行う、といった構成も可能である。
【0046】
さらに、上記の一連処理においてはトリガー信号の送信強度を初期値から徐々に上げていく構成としているが、逆にトリガー信号の送信強度の初期値から徐々に下げていく構成とすることも可能である。この場合、トリガー信号の送信強度の初期値は高く設定しておく(例えば、送信強度の上限閾値に設定しておく)ことが考えられる。また、送信強度を徐々に上げていった後に再度徐々に下げていく処理を行う構成とすることも可能である。ここで、上記トリガー信号の送信強度の上げ幅又は下げ幅は一定である必要はない。
【0047】
なお、図5の例ではステップS0506において、新たに検出された応答信号の数が所定数よりも小さいか否か判断する処理を行っているが、当該処理の代わりに、トリガー信号の送信強度を変化させる前と変化させた後の応答信号の総数を比較する処理を行うことも可能である。
【0048】
<方法の発明>
また、上記発明は装置として実現できるのみでなく、ICタグからの応答信号のグルーピング方法としても実現可能である。ICタグからの応答信号のグルーピング方法は、複数同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させて発信するトリガー信号発信ステップと、前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する応答信号検出ステップと、トリガー信号発信ステップにて発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出ステップにて検出する応答信号から演算するタグ検出数演算ステップと、演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングするグルーピングステップと、からなる。当該方法の処理の流れは、装置の発明における処理の流れと同様である。
【0049】
<効果>
本実施例の発明により、単一のICタグリーダーのみで複数のICタグをその配置領域ごとにグループ化することが可能になる。
【実施例2】
【0050】
<構成>
図7は、本実施例のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図である。この図に示すように、本実施例の「ICタグリーダー」0700は、「トリガー信号発信部」0701と、「応答信号検出部」0702と、「タグ検出数演算部」0703と、「グルーピング部」0704と、から構成され、「トリガー信号発信部」は「段階的時間変化制御手段」0705を有する。以下、実施例1との相違点である「段階的時間変化制御手段」について説明する。
【0051】
「段階的時間変化制御手段」は、トリガー信号の送信強度を段階的に時間変化させる機能を有する。ここで、送信強度を段階的に時間変化させるとは、時間経過と供に送信強度を増やしたり、減らしたりすることをいう。なお、送信強度の時間変化は、時間の経過と供に一様に増えたり、減ったりするものである必要は必ずしもなく、周期的に変化する態様も可能である。
【0052】
送信強度を段階的に変化させるための時間幅は、トリガー信号を送信してからICタグからの応答にかかる時間の情報を予めタグリーダーにおいて保持しておき、当該情報に基づいて決定することが可能である。また、当該時間幅は一定である必要はなく、送信強度の増大に伴って変化させる態様も考えられる。
【0053】
<具体的な構成>
図8は、本実施例のICタグリーダーのCPU等により実行される処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0054】
まず、ステップS0801において、トリガー信号の送信強度を初期値に設定する処理を行う。次にステップS0802において、トリガー信号の送信強度を1段階上げる処理を行う。次にステップS0803において、変調部、送信アンプを制御してアンテナから上記送信強度のトリガー信号(タグIDを要求する信号)を送信する処理を行う。
【0055】
次にステップS0804において、トリガー信号に応じてICタグから返信されるタグIDを示す応答信号をアンテナ、復調部を介して検出する。次にステップS0805においては、所定時間が経過したか否か判断する。ここでの判断が所定時間経過していないとの判断である場合は、ステップS0804に戻る。ここでの判断が所定時間経過したとの判断である場合は、ステップS0806に進む。ステップS0806においては、タグIDの情報を参照してトリガー信号の送信強度を1段階上げることによって新たに検出された応答信号(ICタグ)の数を演算する処理を行う。
【0056】
次にステップS0807において、新たに検出された応答信号の数が所定数(例えば、1)よりも小さいか否か判断する。ここでの判断が新たに検出された応答信号の数が所定数よりも小さいとの判断である場合は、ステップS0808に進む。ここでの判断が新たに検出された応答信号の数が所定数以上であるとの判断である場合は、ステップS0802に戻る。
【0057】
ステップS0808においては、応答信号の数が所定数よりも小さかった段階が所定回数(例えば、3回)以上続いたか否か判断する。ここでの判断が小さかった段階が所定回数以上続いたとの判断である場合は、ステップS0809に進む。ここでの判断が小さかった段階が所定回数以上は続いていないとの判断である場合は、ステップS0802に戻る。
【0058】
ステップS0809においては、ステップS0802からステップS0808までのループ処理において検出された応答信号の総数が所定数(例えば1)以上であるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上であるとの判断である場合はステップS0810に進む。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上ではないとの判断である場合は処理を終了する。ステップS0810においては、ステップS0802からステップS0808までのループ処理において検出された一又は複数の応答信号について一のグループIDを付与する処理を行う。
【0059】
<方法の発明>
また、上記発明は装置として実現できるのみでなく、ICタグからの応答信号のグルーピング方法としても実現可能である。ICタグからの応答信号のグルーピング方法は、実施例1の方法の発明で説明したものと同様であるが、トリガー信号発信ステップにおいて、トリガー信号の送信強度を段階的に時間変化させることが可能である(段階的時間変化制御サブステップ)。
【0060】
<効果>
本実施例のICタグリーダー等により、単体のICタグリーダーのみでICタグが付された物品等が存在する領域を特定することが可能になる。
【実施例3】
【0061】
<構成>
図9は、本実施例のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図である。この図に示すように、本実施例の「ICタグリーダー」0900は、「トリガー信号発信部」0901と、「応答信号検出部」0902と、「タグ検出数演算部」0903と、「グルーピング部」0904と、から構成され、「グルーピング部」は「第一グルーピング手段」0905を有する。以下、実施例1、2との相違点である「第一グルーピング手段」について説明する。
【0062】
「第一グルーピング手段」は、トリガー信号の送信強度の所定以上の変化に対して前記ICタグの検出数が変化しない場合に、その時点における有効応答可能領域内のICタグから返信される応答信号をグルーピングする機能を有する。
【0063】
トリガー信号の送信強度の所定以上の変化があったか否かを判断する処理としては、所定閾値以上となる強度変化があったか否か判断する処理や、送信強度を変化させるステップが所定回数以上行われたか否か判断する処理などが考えられる。
【0064】
トリガー信号の送信強度の所定以上の変化に対してICタグの検出数が変化しないことを利用して、独立した一つのグループとしてまとめることが可能であるか否か判断することが可能になる。
【0065】
具体的には、買い物カゴをもって買い物している状況を考える。手元のカゴと少し離れた位置の陳列棚にはICタグが付された商品がそれぞれ存在している。ICタグリーダーのトリガー信号の送信強度を徐々に大きくすることにより、カゴの中にあるICタグが徐々に検出されていく。しかしながら、カゴの領域と陳列棚の領域とは一般的に空間を隔てていることから、当該空間においてはICタグの検出数は変化しない。つまり、送信強度を所定以上変化させたとしてもICタグの検出数が変化しないことをもって、カゴの中にあるICタグが付された一又は複数の商品をグループとして抽出することが可能になる。
【0066】
<具体的な構成>
図10は、本実施例のICタグリーダーのCPU等により実行される処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0067】
まず、ステップS1001において、トリガー信号の送信強度を初期値に設定する処理を行う。次にステップS1002において、トリガー信号の送信強度を1段階上げる処理を行う。次にステップS1003において、変調部、送信アンプを制御してアンテナから上記送信強度のトリガー信号(タグIDを要求する信号)を送信する処理を行う。
【0068】
次にステップS1004において、トリガー信号に応じてICタグから返信されるタグIDを示す応答信号をアンテナ、復調部を介して検出する。次にステップS1005において、タグIDの情報を参照して現時点でのトリガー信号の送信強度によって検出される応答信号(ICタグ)の総数を取得する処理を行う。
【0069】
次にステップS1006において、応答信号の総数が送信強度を1段階上げる前の応答信号の総数と同じであるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が同じであるとの判断である場合は、ステップS1007に進む。ここでの判断が応答信号の総数が同じではないとの判断である場合は、ステップS1002に戻る。
【0070】
ステップS1007においては、応答信号の総数が変化しない段階が所定回数(例えば、3回)以上続いたか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が変化しない段階が所定回数以上続いていないとの判断である場合は、ステップS1002に戻る。ここでの判断が応答信号の総数が変化しない段階が所定回数以上続いているとの判断である場合は、ステップS1008に進む。
【0071】
ステップS1008においては、検出された応答信号の総数が所定数(例えば1)以上であるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上であるとの判断である場合はステップS1009に進む。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上ではないとの判断である場合は処理を終了する。ステップS1009においては、検出された一又は複数の応答信号について一のグループIDを付与する処理を行う。
【0072】
上記の処理の流れにおいては、ステップS1006において、応答信号の総数が送信強度を1段階上げる前の応答信号の総数と同じであるか否か判断する処理を行っているが、当該処理の代わりに、トリガー信号の送信強度を1段階上げることによって新たに検出された応答信号(ICタグ)の数を演算し、新たに検出された応答信号の数が所定数よりも小さいか否か判断する処理を行うことも可能である。
【0073】
<方法の発明>
また、上記発明は装置として実現できるのみでなく、ICタグからの応答信号のグルーピング方法としても実現可能である。ICタグからの応答信号のグルーピング方法は、実施例1の方法の発明で説明したものと同様であるが、グルーピングステップにおいて、トリガー信号の送信強度の所定以上の変化に対してICタグの検出数が変化しない場合に、その時点における有効応答可能領域内のICタグから返信される応答信号をグルーピングすることが可能である(第一グルーピングサブステップ)。
【0074】
<効果>
本実施例の発明により、単一のICタグリーダーのみで複数のICタグをその配置領域ごとにグループ化することが可能になる。
【実施例4】
【0075】
<構成>
図11は、本実施例のICタグリーダーの機能ブロックの一例を示す図である。この図に示すように、本実施例の「ICタグリーダー」1100は、「トリガー信号発信部」1101と、「応答信号検出部」1102と、「タグ検出数演算部」1103と、「グルーピング部」1104と、「情報取得部」1105と、「情報出力部」1106と、から構成される。以下、実施例1から3との相違点である「情報取得部」と「情報出力部」について説明する。
【0076】
「情報取得部」は、前記ICタグから返信される応答信号に基づいて情報を取得する機能を有する。情報取得部は、例えば、CPU、RAM、ROM等から構成される。
【0077】
ICタグから返信される応答信号により取得されるタグIDを利用してその他の情報を種々の方法で取得することが可能である。例えば、ICタグにおいてタグIDの他に詳細な情報が保持されている場合は、当該ICタグに対して詳細な情報を要求するための信号を送信することが考えられる。
【0078】
また、ICタグリーダーの補助記憶装置等においてタグIDと関連づけられた情報を保持している場合は、タグIDに基づいて当該関連する情報を読み出してメモリに格納する処理を行うことが可能である。
【0079】
さらに、ICタグのタグIDと関連づけられた情報がネットワークを介して接続されるサーバー装置や他の装置に保持されている場合は、ICタグリーダーから当該サーバー装置等に対してタグIDの情報を送信し、タグIDと関連づけられた情報を受信する処理を行うことも考えられる。
【0080】
なお、上記情報取得部が取得する情報としては、ICタグのタグIDの他に、ICタグが付されている商品の料金や製造・販売者、製造年月日、原産地、原料等の情報や、ICタグが付されている生物の種類や性別、年齢、健康状態等の情報が考えられる。その他種々の情報が考えられ、上記の例に限定されるものではない。
【0081】
「情報出力部」は、取得した情報を出力するための機能を有する。当該情報の出力先としては、表示出力装置、音声出力装置、印刷出力装置、記憶装置、送信装置等など種々のものが考えられる。
【0082】
なお、情報出力部は、取得した情報をそのまま出力する構成も可能であるが、取得した情報に対して何らかの処理をした上で出力する構成も可能である。例えば、ICタグのタグIDに関連づけられた料金の情報から、買い物カゴの中にある複数の料金を合計し、当該合計金外をディスプレイに対して出力したり、携帯端末装置に送信したりすることが考えられる。
【0083】
また、グルーピングの処理結果をチェックするための処理を、タグIDに関連づけられた情報を利用して行うことも可能である。例えば、お店において買い物をしている場合を考える。買い物カゴの中にある商品は比較的異なる種類のものが多いのに対して、陳列棚にある商品は同じ種類のものが一定領域を占めていることが多い。このため、タグIDに関連づけられた情報を利用して、同じ種類の商品が一定領域に所定以上存在するか否か判断し、当該判断結果を出力することも可能である。
【0084】
<具体的な構成>
図12は、本実施例のICタグリーダーのCPU等により実行される処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0085】
まず、ステップS1201において、トリガー信号の送信強度を初期値に設定する処理を行う。次にステップS1202において、トリガー信号の送信強度を1段階上げる処理を行う。次にステップS1203において、変調部、送信アンプを制御してアンテナから上記送信強度のトリガー信号(タグIDを要求する信号)を送信する処理を行う。
【0086】
次にステップS1204において、トリガー信号に応じてICタグから返信されるタグIDを示す応答信号をアンテナ、復調部を介して検出する。次にステップS1205において、タグIDの情報を参照してトリガー信号の送信強度を1段階上げることによって新たに検出された応答信号(ICタグ)の数を演算する処理を行う。
【0087】
次にステップS1206において、新たに検出された応答信号が存在するか否か判断する。ここでの判断が新たに検出された応答信号が存在しないとの判断である場合は、ステップS1207Aに進む。ここでの判断が新たに検出された応答信号が存在するとの判断である場合は、ステップS1207Bに進む。
【0088】
ステップS1207Bにおいては、新たに検出されたICタグ(又はサーバー装置等)に対して詳細な情報を要求する信号を送信する処理を行う。次にステップS1208Bにおいて、新たに検出されたICタグ(又はサーバー装置等)からタグIDと関連づけられた情報の示す信号を受信する処理を行い、ステップS02に戻る。
【0089】
ステップS1207Aにおいては、新たに検出される応答信号が存在しなかった段階が所定回数(例えば、3回)以上続いたか否か判断する。ここでの判断が新たに検出される応答信号が存在しなかった段階が所定回数以上続いたとの判断である場合は、ステップS1208Aに進む。ここでの判断が新たに検出される応答信号が存在しなかった段階が所定回数以上は続いていないとの判断である場合は、ステップS1202に戻る。
【0090】
ステップS1208Aにおいては、ステップS1202からステップS1207Aまでのループ処理において検出された応答信号の総数が所定数(例えば1)以上であるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上であるとの判断である場合はステップS1209に進む。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上ではないとの判断である場合は処理を終了する。
【0091】
ステップS1209においては、ステップS1202からステップS1207Aまでのループ処理において検出された一又は複数の応答信号について一のグループIDを付与する処理を行う。ステップS1210においては、グループに属するICタグの情報をICタグリーダーのディスプレイ等に出力する処理を行う。
【0092】
なお、その他の例として図13のような処理を行うことも考えられる。
【0093】
まず、ステップS1301において、トリガー信号の送信強度を初期値に設定する処理を行う。次にステップS1302において、トリガー信号の送信強度を1段階上げる処理を行う。次にステップS1303において、変調部、送信アンプを制御してアンテナから上記送信強度のトリガー信号(タグIDを要求する信号)を送信する処理を行う。
【0094】
次にステップS1304において、トリガー信号に応じてICタグから返信されるタグIDを示す応答信号をアンテナ、復調部を介して検出する。次にステップS1305において、タグIDの情報を参照して現時点でのトリガー信号の送信強度によって検出される応答信号(ICタグ)の総数を取得する処理を行う。
【0095】
次にステップS1306において、応答信号の総数が送信強度を1段階上げる前の応答信号の総数と同じであるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が同じであるとの判断である場合は、ステップS1307に進む。ここでの判断が応答信号の総数が同じではないとの判断である場合は、ステップS1302に戻る。
【0096】
ステップS1307においては、応答信号の総数が変化しない段階が所定回数(例えば、3回)以上続いたか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が変化しない段階が所定回数以上続いていないとの判断である場合は、ステップS1302に戻る。ここでの判断が応答信号の総数が変化しない段階が所定回数以上続いているとの判断である場合は、ステップS1308に進む。
【0097】
ステップS1308においては、検出された応答信号の総数が所定数(例えば1)以上であるか否か判断する。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上であるとの判断である場合はステップS1309に進む。ここでの判断が応答信号の総数が所定数以上ではないとの判断である場合は処理を終了する。
【0098】
ステップS1309においては、ステップS1305において取得された一又は複数の応答信号について一のグループIDを付与する処理を行う。ステップS1310においては、グループに属する各ICタグのタグIDと関連づけられた情報をサーバー装置等に対して要求する信号を送信する処理を行う。ステップS1311においては、サーバー装置等から各ICタグのタグIDと関連づけられた情報を示す信号を受信し、メモリに格納する処理を行う。次にステップS1312において、グループに属するICタグのタグIDと関連づけられた情報をディスプレイ等に対して出力する処理を行う。
【0099】
<方法の発明>
また、上記発明は装置として実現できるのみでなく、ICタグからの応答信号のグルーピング方法としても実現可能である。ICタグからの応答信号のグルーピング方法は、実施例1の方法の発明で説明したものと同様であるが、ICタグから返信される応答信号に基づいて情報を取得するステップ(情報取得ステップ)と、取得した情報を出力するためのステップ(情報出力ステップ)とをさらに有する。
【0100】
<効果>
本実施例の発明により、単一のICタグリーダーのみで複数のICタグをその配置領域ごとにグループ化することが可能になる。
【符号の説明】
【0101】
0200…ICタグリーダー、0201…トリガー信号発信部、0202…応答信号検出部、0203…タグ検出数演算部、0204…グルーピング部、0705…段階的時間変化制御手段、1105…情報取得部、1106…情報出力部、0401…CPU、0402…ROM、0403…RAM、0404…変調部、0405…復調部、0406…送信アンプ、0407…受信アンプ、0408…アンテナ、0409…表示制御回路、0410…ディスプレイ、0411A・B・C…IF(インターフェイス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させて発信する機能を有するトリガー信号発信部と、
前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する応答信号検出部と、
トリガー信号発信部から発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出部で検出する応答信号から演算するタグ検出数演算部と、
演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングするグルーピング部と、
を有するICタグリーダー。
【請求項2】
前記トリガー信号発信部は、
トリガー信号の送信強度を段階的に時間変化させる段階的時間変化制御手段を有する請求項1に記載のICタグリーダー。
【請求項3】
前記グルーピング部は、トリガー信号の送信強度の所定以上の変化に対して前記ICタグの検出数が変化しない場合に、その時点における有効応答可能領域内のICタグから返信される応答信号をグルーピングする第一グルーピング手段を有する請求項1又は2に記載のICタグリーダー。
【請求項4】
前記ICタグから返信される応答信号に基づいて情報を取得する情報取得部と、
取得した情報を出力するための情報出力部と、
を有する請求項1から3のいずれか一に記載のICタグリーダー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載のICタグリーダーを備える携帯可能な端末装置。
【請求項6】
複数同時読取可能なICタグに対して応答を促す信号であるトリガー信号の送信強度を変化させることで有効応答可能領域を変化させて発信するトリガー信号発信ステップと、
前記トリガー信号に応じて前記ICタグから返信される応答信号を検出する応答信号検出ステップと、
トリガー信号発信ステップにて発信されるトリガー信号の送信強度の変化に対する前記ICタグの検出数の変化を応答信号検出ステップにて検出する応答信号から演算するタグ検出数演算ステップと、
演算された検出数の変化に応じて応答信号をグルーピングするグルーピングステップと、
からなるICタグからの応答信号のグルーピング方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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