ICタグ及び電子機器
【課題】ICタグと外部回路との接続が簡単な構成で行えるようにする。
【解決手段】誘電体よりなる基板の表面に配置したコイルアンテナ部20と、基板表面のコイルアンテナ部20の一端及び他端が接続された通信回路チップ12と、外部回路接続部31,32とを備える。外部回路接続部31,32は、コイルアンテナ部20の一端及び他端の近傍と基板の表面又は裏面で接続し、基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向した形状とする。そして、その対向した反対側の面の導電部を、外部回路と接続するパッド31,32とする。
【解決手段】誘電体よりなる基板の表面に配置したコイルアンテナ部20と、基板表面のコイルアンテナ部20の一端及び他端が接続された通信回路チップ12と、外部回路接続部31,32とを備える。外部回路接続部31,32は、コイルアンテナ部20の一端及び他端の近傍と基板の表面又は裏面で接続し、基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向した形状とする。そして、その対向した反対側の面の導電部を、外部回路と接続するパッド31,32とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リーダライタと非接触通信を行うICタグ、及びそのICタグを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
隣接したリーダライタとの間で非接触通信を行って、認証などの処理を行うICタグが普及している。特に、ICタグ自身が電池などの電源を持たず、リーダライタからの電波を受信してコンデンサなどに蓄積して得た電力で作動する、いわゆるパッシブ型のICタグが、使い勝手の良さから普及している。
【0003】
ICタグは、リーダライタからの電波を受信するアンテナパターンが形成された回路基板に、通信処理を行うICチップなどの部品を取り付けて構成される。アンテナパターンは、リーダライタからの電波を効率よく受信するために、回路基板上にコイル状に比較的大きな面積で配置してあり、通常、そのコイル状のアンテナパターンで囲まれる中央部に、ICチップやコンデンサなどの部品を配置した形状に構成される。ICタグで認証処理を行う際には、例えば、ICチップ内のメモリが記憶した情報をリーダライタに送り、また、リーダライタから送られた情報を、ICチップのメモリに書き込ませるなどの、ICタグ単独で通信処理が行われる。
【0004】
このように、ICタグだけで単独してリーダライタと無線通信が可能であり、例えばICタグを構成した回路基板を、カード形状のものに納めたものが、電子マネーカードや乗車券や認証用のカードなどとして、普及している。
これに対して、ICタグを携帯電話端末などの各種電子機器に内蔵させたものも普及している。この電子機器内蔵型のICタグの場合でも、ICタグそのものの基本構成は同じであるが、ICタグが内蔵された電子機器本体側で、ICタグでの通信状態に連動して何らかの動作を行う場合がある。例えば、ICタグがリーダライタと通信開始したことを検知し、その通信開始をトリガとして、電子機器本体の電源をオンさせることが行われている。
【0005】
図10は、従来の電子機器に内蔵されるICタグの構成例を示した図であり、図11は図10のA−A線に沿う断面図である。
樹脂材料よりなる長方形の基板1の表面の外周寄りに、帯状の導電膜を螺旋状に巻回した構成のコイルアンテナ部2を配置する。図10の例では、コイルアンテナ部2は、導電膜を3周させた構成である。
【0006】
コイルアンテナ部2の外周側の端部2aを、スルーホール3bを介して基板の裏面側の配線パターン2gに接続する。裏面側の配線パターン2gを、さらに別のスルーホール3bを介して、コイルアンテナ部2の内周寄りの表面に設けた配線パターン2dに接続する。コイルアンテナ部2の内周側の端部2bを、配線パターン2cに接続する。
このようにしてコイルアンテナ部2の一端及び他端に接続した配線パターン2cと配線パターン2dを、基板1の表面に取り付けたICチップ4に接続する。ICチップ4は、リーダライタと無線通信の処理を行う回路が組まれたチップである。このようにコイルアンテナ部2にICチップ4を接続することで、リーダライタと非接触通信を行うことができる。
【0007】
そして、図10の例のICタグは、基板1の表面のICチップ4に接続された配線パターン2c,2dの途中から分岐された配線パターン2e,2fを設け、その配線パターン2e,2fを、基板1の表面のパッド5a,5bに接続する。パッド5a,5bは、外部回路との接続端子として機能する電極部である。
【0008】
このようなパッド5a,5bを備えたICタグは、図12に示すように、電子機器内の回路である外部回路に接続される。すなわち、ICタグに設けたパッド5a,5bを、引き出し配線6a,6bを介して、整流回路7の入力端子7a,7bに接続する。整流回路7は、入力端子7a,7bに得られる信号を、コンデンサC1,C2を介して整流用ダイオードブリッジ7cに接続し、整流用ダイオードブリッジ7cで整流された信号を出力する。整流用ダイオードブリッジ7cの出力部には、コンデンサC3を接続する。そして、整流回路7で整流された信号を、検出回路8に供給する。
【0009】
検出回路8は、ICタグから整流回路7を介して閾値を超えるレベルの信号入力があるとき、検出信号を出力する。つまり、ICタグがリーダライタに接近して、リーダライタから送信される信号をコイルアンテナ部2で受信したとき、その受信レベルを検出回路8で検出する。この検出回路8で得た検出信号をトリガとして電子機器が使用することで、例えばリーダライタへの接近を契機として電子機器を起動させる等の、様々の処理が行うことができる。
【0010】
なお、コンデンサC1,C2は、ICタグ側の回路と、外部回路とが影響を受けないようにするために、ICタグ側の回路と外部回路とを直流的に切り離すためのものである。すなわち、ICタグ内のコイルアンテナ部2やICチップ4は、規定された共振周波数でリーダライタと非接触通信を行うように構成されている。ここで、外部回路を、コンデンサを介さずに直接ICタグに接続すると、共振周波数などの電気的特性が乱れて、ICタグとしての特性が劣化する虞がある。このため、そのような悪影響がないようするためにコンデンサC1,C2を接続されている。
【0011】
特許文献1には、ICタグを備えた電子機器の例として、携帯電話端末がICタグを備えた構成についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−6029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、図12に示すように、ICタグを外部回路に接続するために、コンデンサC1,C2を設ける構成とすると、それだけ外部回路の部品点数が増え、製造コストが上昇するという問題がある。また、コンデンサC1,C2を基板に配置するスペースが必要であり、それだけ外部回路側の基板が大型化するという問題があった。
【0014】
本開示はかかる点に鑑みてなされたものであり、ICタグと外部回路との接続を簡単に行うことができるICタグ、及びそのICタグを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示のICタグは、誘電体よりなる基板の表面に配置したアンテナパターンと、基板表面のアンテナパターンの一端及び他端が接続された通信回路チップと、外部回路接続部とを備える。
外部回路接続部は、アンテナパターンの一端及び他端の近傍と基板の表面又は裏面で接続し、基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向した形状とする。そして、その対向した反対側の面の導電部を外部回路と接続するパッドとする。
【0016】
本開示の電子機器は、ICタグを備えた機器である。
ICタグは、誘電体よりなる基板の表面に配置したアンテナパターンと、基板表面のアンテナパターンの一端及び他端が接続された通信回路チップと、外部回路接続部とを備える。
外部回路接続部は、アンテナパターンの一端及び他端の近傍と基板の表面又は裏面で接続し、基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向した形状とする。そして、その対向した反対側の面の導電部をパッドとする。
そして、パッドに接続して、パッドを介して得られる信号を整流する整流部と、整流部で整流された信号を検出する検出部とを備える。
【0017】
本開示によると、ICタグに設けた外部回路接続用のパッドが、基板の反対側の導電部と対向して、コンデンサとしても機能する。したがって、パッドに接続した外部回路は、アンテナパターンや通信回路チップと、コンデンサを介して接続されたことと同じになる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によると、ICタグのパッドに接続した外部の回路が、コンデンサを介してICタグ側と接続されたことになり、ICタグ内の回路と外部の回路とを直流的に切り離すコンデンサを別途設ける必要がなくなり、それだけ回路構成が簡単になる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるICタグの構成例を示す平面図である。
【図2】図1のI−I線に沿う断面図である。
【図3】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による端末装置の例を示す構成図である。
【図5】コンデンサの容量値と周波数特性との関係の例を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるICタグの構成例を示す平面図である。
【図7】図6のIII−III線に沿う断面図である。
【図8】図6のIV−IV線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による端末装置の例を示す構成図である。
【図10】従来のICタグの構成例を示す平面図である。
【図11】図10のA−A線に沿う断面図である。
【図12】従来のICタグに外部回路が接続される例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施の形態を、以下の順序で説明する。
1.第1の実施の形態の例
1−1.ICタグの構成(図1〜図3)
1−2.ICタグを装着した端末装置の構成(図4)
2.第2の実施の形態の例
2−1.ICタグの構成(図6〜図8)
2−2.ICタグを装着した端末装置の構成(図9)
3.変形例
【0021】
[1.第1の実施の形態の例]
以下、本開示の第1の実施の形態の例を説明する。第1の実施の形態の例のICタグは、端末装置に内蔵されるICタグである。まず、ICタグの構成を説明する。
【0022】
[1−1.ICタグの構成]
図1は、ICタグの構成例を示した図であり、図2は図1のI−I線に沿う断面図であり、図3は図1のII−II線に沿う断面図である。
ICタグ10は、図1に示すように、樹脂材料よりなる長方形の基板11の表面11aの外周寄りに、帯状の導電膜を螺旋状に巻回した構成のコイルアンテナ部20を配置する。
基板11は、誘電体である樹脂材料が使用され、例えばエポキシ樹脂基板が使用される。
なお、図1の例では、コイルアンテナ部20は、導電膜を3周させた構成のアンテナパターンとして示すが、4周以上配置した構成のコイルなどのアンテナパターンでもよい。
【0023】
そして、図2に示すように、コイルアンテナ部20の外周側の端部21を、スルーホール21aを介して基板11の裏面11b側の配線パターン25に接続する。この裏面11b側の配線パターン25を、さらに別のスルーホール23aを介して、表面11aのコイルアンテナ部20の内周寄りに設けた配線パターン23に接続する。
また、図1に示すように、コイルアンテナ部20の内周側の端部22を、配線パターン24に接続する。
そして、配線パターン23の端部23bと配線パターン24の端部24bとを近接させ、その近接した端部23b,24bにICチップ12を載せ、配線パターン23,24とICチップ12とを接続する。
【0024】
ICチップ12は、リーダライタと非接触無線通信の処理を行う回路が組まれた通信回路チップである。このICチップ12が、リーダライタからの電波を受信する受信処理を行い、またリーダライタに送信する送信処理を行う。送信時には、ICチップ12内のメモリに記憶された認証用のデータを送信し、また、受信したデータの内の必要なデータをメモリに記憶する。このようにコイルアンテナ部20にICチップ12を接続することで、近接したリーダライタと非接触通信が行える。ICチップ12は、例えば、13MHz帯で非接触無線通信を行う。
【0025】
なお、この例では、リーダライタからの電波を受信して得た信号を蓄積して電源として使用するコンデンサは図示していないが、例えばICチップ12内に電源として使用するコンデンサを内蔵させてもよい。あるいは、電源として使用するコンデンサを、ICチップと別部材として、配線パターンでICチップ12と並列に接続してもよい。ICチップ12とは別部材のコンデンサを用意する場合には、例えばチップ形状のコンデンサを使用する。
【0026】
そして本実施の形態の例のICタグ10は、外部回路接続部を備える。すなわち、図1に示すように、コイルアンテナ部20よりも内周側の基板11の表面11aに、外部回路との接続する電極部として使用するパッド31,32を配置する。パッド31,32は、図1に示すように、所定の面積のほぼ正方形の導電パターンで形成されており、基板11の表面では、パッド31,32は他の配線パターンと直接的には接続されていない。
【0027】
そして、図2に示すように、パッド31と対向する基板11の裏面11bに、パッド対向電極33を設ける。また、図3に示すように、パッド32と対向する基板11の裏面11bに、パッド対向電極34を設ける。
これらのパッド対向電極33,34は、パッド31,32とほぼ同じ面積及び形状の導電パターンである。
【0028】
そして、図2に示すように、裏面11b側のパッド対向電極33を、そのまま裏面側の配線パターン26を介して配線パターン25に接続する。先に説明したように、この裏面の配線パターン25は、スルーホール23aを介して、表面側の配線パターン23に接続されている。
また、図3に示すように、裏面11b側のパッド対向電極34を、裏面側の配線パターン27に接続し、その配線パターン27を、スルーホール24aを介して、表面側の配線パターン24に接続する。
したがって、パッド対向電極33,34は、ICチップ12が取り付けられた配線パターン23,24と導通した状態である。
【0029】
このように構成したことで、図2に示すように、パッド31とパッド対向電極33が、誘電体よりなる基板11を介して対向した配置となる。また、図3に示すように、パッド32とパッド対向電極34が、誘電体よりなる基板11を介して対向した配置となる。ここで、基板11はエポキシ樹脂などで構成される誘電体であり、基板11を挟んで対向したパッド31とパッド対向電極33とでコンデンサが構成される。同様に、基板11を挟んで対向したパッド32とパッド対向電極34とでコンデンサが構成される。但し、これらのパッド31,32とパッド対向電極33,34とで構成される2つのコンデンサは、微少な容量のコンデンサである。具体的には、それぞれのコンデンサとして、3pFや6pF程度の微少な容量で、最大でも20pF程度とする。このコンデンサの容量値を設定する意味については後述する。
【0030】
このように、外部回路接続部であるパッド31,32は、微少な容量のコンデンサを介してコイルアンテナ部20側と接続される。
【0031】
[1−2.ICタグを装着した端末装置の構成]
次に、図4を参照して、ICタグ10に接続される端末装置100側の構成を説明する。
図4に示すように、ICタグ10のパッド31,32を、引き出し配線101,102を介して、整流回路110の入力端子110a,110bに接続する。パッド31,32と引き出し配線101,102との接続は、例えば半田付けにより行う。整流回路110は、ICタグ10からの信号を整流する整流部として機能し、入力端子110a,110bを、整流用ダイオードブリッジ111に接続し、この整流用ダイオードブリッジ111で整流された信号を得る。整流用ダイオードブリッジ111の出力部には、コンデンサ112を接続する。そして、整流回路110で整流された信号を、検出回路121に供給する。
【0032】
検出回路121は、ICタグ10から閾値を超えるレベルの信号入力があるとき、検出信号を出力する検出部として機能する。つまり、ICタグ10がリーダライタに接近して、リーダライタから送信される信号をコイルアンテナ部20で受信したとき、その受信レベルを検出回路121で検出する。この検出状態に基づいて、リーダライタへの接近や、リーダライタとの非接触通信の開始を検出した検出信号を出力する。
【0033】
この検出回路121で得た検出信号を、端末装置100の制御部122に供給する。制御部122は、検出回路121から供給される検出信号で、リーダライタへの接近や通信の開始を判別し、その判別に基づいて、各種処理を行う。例えば、表示部123で、リーダライタとの通信が開始されたことや通信中であることを、文字や図形などで表示する。あるいは、端末装置100が電源オフ状態又はスタンバイ状態で、検出回路121から検出信号が供給された場合に、制御部122の制御下で電源オンにする処理を行う。あるいはまた、制御部122からデータ処理部124に何らかの指示を送り、リーダライタとの通信開始に対応した処理を行う。
【0034】
このように構成した本実施の形態の例のICタグ10によると、ICタグ10の外部回路接続端子であるパッド31,32を使用して、外部回路である端末装置側の回路と接続する際に、ICタグ10と外部回路とを切り離すコンデンサが不要になる。すなわち、従来は図12に示したように、ICタグと外部回路とを直流的に切り離すコンデンサC1,C2が必要であったが、本実施の形態の場合には、パッド31,32がパッド対向電極33,34との作用でコンデンサを有した構成となっている。このため、図4に示すように、外部回路である整流回路110内に別途コンデンサC1,C2を設ける必要がなく、それだけ構成が簡単になる。
ICタグの電気的な特性としては、パッド31,32の部分によるコンデンサの作用で、ICタグ側の回路と外部回路とを直流的に切り離すことができ、ICタグとしての良好な特性を維持しながら、外部回路を簡単に接続することができる。
【0035】
また、パッド31,32の部分に構成されるコンデンサは、ICタグ10を構成する基板11の裏面側に対向電極33,34や配線パターン26,27を設けるだけでよい。ICタグは、元々裏面側にも配線パターンが必要な構成のため、コンデンサを構成することによる製造コストの上昇は殆どない。また、コンデンサとして機能させるために基板に設けた対向電極33,34は、パッド31,32と重なる位置であるため、コンデンサを設けたことでICタグとしての磁束の通過状態が従来のものと比べて妨げられることがない。したがって、ICタグとしての特性が、コンデンサを設けたことで劣化することがない。
【0036】
なお、パッド31,32とパッド対向電極33,34とで構成される2つのコンデンサとして、最大でも20pF以下の微少な容量としたのは、それ以上の容量値とした場合、ICタグ側と外部回路側とが直流的に切り離されなくなるためである。
すなわち、ICタグが13MHz帯で非接触無線通信を行う場合で、コンデンサを20pF以上としたとき、ICタグと外部回路との影響を考えたとき、コンデンサがない状態と実質的にほぼ同じになってしまう。
【0037】
図5は、ICタグを外部回路と接続する際における、ICタグと外部回路との間のコンデンサの容量値がICタグに与える影響を示した図である。この図5の縦軸は、ICタグでの非接触通信時の共振周波数を示す。図5に示した周波数F0は、ICタグに外部回路の接続がない場合の、ICタグ単体での共振周波数である。この例では、ICタグ単体での共振周波数F0は13.18MHzである。
一方、このICタグに、コンデンサを使用せずに直接外部回路(例えば図4の整流回路110)を接続した場合の共振周波数が、周波数F1である。図5から判るように、接続がない場合の周波数F0が13.18MHzであるのに対して、直接接続時の周波数F1は、13.07MHzに低下している。
【0038】
また、図5に示した周波数特性Faは、ICタグにコンデンサを介して外部回路を接続した場合の、変化特性を示したもので、容量値が3pFから23pFまでの特性を示す。この周波数特性Faから判るように、3pFのとき共振周波数が13.12MHzであり、6pFのとき共振周波数が13.11MHzである。これらの3pFや6pFのような小さな容量値とした場合、ICタグ単体での共振周波数F0からの変化を、比較的小さく抑えることができる。
これに対して、コンデンサの容量値が20pFを超えると、共振周波数が約13.07MHzであり、ICタグをコンデンサなしで直接外部回路に接続した場合の共振周波数F1とほぼ同じとなり、コンデンサを設ける効果がなくなってしまう。
【0039】
したがって、本開示のICタグ10のパッド31,32とパッド対向電極33,34とで構成される2つのコンデンサは、少なくとも20pF以下の容量値とする必要がある。好ましくは、10pFよりも小さい容量値とする。
なお、図5において、コンデンサ接続時の周波数特性Faの値が、ICタグ単体での共振周波数F0よりも若干低い周波数になるのは、接続した配線(図4での引き出し配線101,102に相当)などの影響である。
【0040】
[2.第2の実施の形態の例]
次に、本開示の第2の実施の形態の例を、図6〜図9を参照して説明する。この図6〜図9において、第1の実施の形態の例(図1〜5)で説明した箇所と同一の部分については同一符号を付している。第2の実施の形態の例のICタグは、パッドの位置を第1の実施の形態の例の構成から変更したものである。
【0041】
[2−1.ICタグの構成]
図6は、ICタグの構成例を示した図であり、図7は図6のIII−III線に沿う断面図であり、図8は図6のIV−IV線に沿う断面図である。
ICタグ50は、図6に示すように、樹脂材料よりなる長方形の基板51の表面51aの外周寄りに、帯状の導電膜を螺旋状に巻回した構成のコイルアンテナ部60を配置する。
基板51は、エポキシ樹脂基板などの誘電体材料が使用される。
【0042】
そして、図7に示すように、コイルアンテナ部60の外周側の端部61を、スルーホール61aを介して基板51の裏面51b側の配線パターン65に接続する。この裏面51b側の配線パターン65を、さらに別のスルーホール63aを介して、表面51aのコイルアンテナ部60の内周寄りに設けた配線パターン63に接続する。
また、図6に示すように、コイルアンテナ部60の内周側の端部62を、配線パターン64に接続する。
そして、配線パターン63,64とICチップ52とを接続する。ICチップ52は、リーダライタと非接触無線通信の処理を行う回路が組まれたチップである。
【0043】
図6の例では、リーダライタからの電波を受信して得た信号を蓄積して電源として使用するコンデンサを図示していないが、例えばICチップ52内に電源として使用するコンデンサを内蔵させてもよい。あるいは、電源として使用するコンデンサを、ICチップとは別部材とし、配線パターンでICチップ52と並列に接続してもよい。
【0044】
そして本実施の形態の例のICタグ50は、外部回路接続部を備える。すなわち、図6に示すように、コイルアンテナ部20よりも外周側の基板51の表面11aに、基板延長部51cを設け、この基板延長部51cの表面に、外部回路との接続する電極部として使用するパッド71,72を配置する。パッド71,72は、図6に示すように、所定の面積のほぼ正方形の導電パターンで形成されており、基板51の表面では、パッド71,72は他の配線パターンと直接的には接続されていない。
【0045】
そして、図7に示すように、パッド71と対向する基板51の裏面51bに、パッド対向電極73を設ける。また、図8に示すように、パッド72と対向する基板51の裏面51bに、パッド対向電極74を設ける。
これらのパッド対向電極73,74は、パッド71,72とほぼ同じ面積及び形状の導電パターンである。
【0046】
そして、図7に示すように、裏面51b側のパッド対向電極73を、そのまま裏面側の配線パターン66を介して配線パターン65に接続する。先に説明したように、この裏面の配線パターン65は、スルーホール63aを介して、表面側の配線パターン63に接続されている。
また、図8に示すように、裏面51b側のパッド対向電極74を、裏面側の配線パターン67に接続し、その配線パターン67を、スルーホール64aを介して、表面側の配線パターン64に接続する。
したがって、パッド対向電極73,74は、ICチップ52が取り付けられた配線パターン63,64と導通した状態である。
【0047】
このように構成したことで、図7に示すように、パッド71とパッド対向電極73が、誘電体よりなる基板51を介して対向した配置となる。また、図8に示すように、パッド72とパッド対向電極74が、誘電体よりなる基板51を介して対向した配置となる。ここで、基板51は誘電体であり、基板51を挟んで対向したパッド71とパッド対向電極73とでコンデンサが構成される。同様に、基板51を挟んで対向したパッド72とパッド対向電極74とでコンデンサが構成される。
これらのパッド71,72とパッド対向電極73,74とで構成される2つのコンデンサは、第1の実施の形態の場合と同様に、3pFや6pF程度の微少な容量のコンデンサで、最大でも20pF以下とする。20pF以下とする根拠は、第1の実施の形態の例で図5で説明した周波数特性に基づく。
【0048】
このようにして、外部回路接続部であるパッド71,72は、微少な容量のコンデンサを介してコイルアンテナ部60側と接続される。
【0049】
[2−2.ICタグを装着した端末装置の構成]
次に、図9を参照して、ICタグ50に接続される端末装置100側の構成を説明する。
図9に示すように、ICタグ50のパッド71,72を、引き出し配線101,102を介して、整流回路110の入力端子110a,110bに接続する。パッド71,72と引き出し配線101,102との接続は、例えば半田付けにより行う。整流回路110以降の端末装置100′側の構成や動作は、第1の実施の形態の例で、図4に示した端末装置100の構成や動作と同じである。
【0050】
図9に示した本実施の形態の例のICタグ50の場合には、外部回路接続部であるパッド71,72が、コイルアンテナ部20の外側に配置してあるため、引き出し配線101,102がコイルアンテナ部20とクロスしない。したがって、引き出し配線101,102を短くすることができる。
【0051】
この第2の実施の形態の例の場合にも、第1の実施の形態の例と同様に、ICタグ50のパッド71,72がコンデンサとして機能し、外部回路である端末装置側の回路と接続する際に、ICタグ10と外部回路とを切り離すコンデンサが不要になる。したがって、ICタグを接続した端末装置(電子機器)の構成を簡単にすることができる。
【0052】
[3.変形例]
なお、上述した各実施の形態の例では、ICタグが装着される端末装置の具体的な例については示さなかったが、ICタグを有する各種電子機器が適用可能である。例えば、携帯電話端末装置に適用することで、携帯電話端末装置でICタグでの通信状態に応じた表示や電源オン処理などが行える。
また、各図に示したコイルアンテナ部や、各導電パターンの形状は好適な一例を示したものであり、その他の形状としてもよい。
【0053】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部を外部回路と接続するパッドとした外部回路接続部と、
を備えるICタグ。
【0054】
(2)前記外部回路接続部の前記所定面積の導電部が対向することで得られる容量を、前記通信回路チップと前記アンテナパターンで形成される回路と前記外部回路とを直流的に切り離す20pF以下の容量とした
前記(1)記載のICタグ。
【0055】
(3)前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの内側の前記基板上に配置した
前記(1)又は(2)のいずれか1項に記載のICタグ。
【0056】
(4)前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの外側の前記基板上に配置した
前記(1)又は(2)のいずれか1項に記載のICタグ。
【0057】
(5)誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部をパッドとした外部回路接続部と、よりなるICタグと、
前記ICタグのパッドに接続し、前記パッドを介して得られる信号を整流する整流部と、
前記整流部で整流された信号を検出する検出部と、
を備える電子機器。
【0058】
(6)前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号により電源をオン状態にする制御部を備えた
前記(5)記載の電子機器。
【0059】
(7)前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号によりリーダライタへの接近を表示する表示部を備えた
前記(5)又は(6)のいずれか1項に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0060】
1…基板、2…コイルアンテナ部、2a〜2g…配線パターン、3a,3b…スルーホール、4…ICチップ、5a,5b…パッド、6a,6b…引き出し配線、7…整流回路、7a,7b…入力端子、7c…ダイオードブリッジ、8…検出回路、10…ICタグ、11…基板、11a…表面、11b…裏面、12…ICチップ、20…コイルアンテナ部、21…外周側の端部、22…内周側の端部、23〜27…配線パターン、21a,23a,24a…スルーホール、31,32…パッド、33,34…パッド対向電極、50…ICタグ、51…基板、51a…表面、51b…裏面、52…ICチップ、60…コイルアンテナ部、61…外周側の端部、62…内周側の端部、63〜67…配線パターン、61a,63a,64a…スルーホール、71,72…パッド、73,74…パッド対向電極、100…端末装置、101,102…引き出し配線、110…整流回路、110a,110b…入力端子、111…ダイオードブリッジ、112…コンデンサ、121…検出回路、122…制御部、123…表示部、124…データ処理部
【技術分野】
【0001】
本開示は、リーダライタと非接触通信を行うICタグ、及びそのICタグを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
隣接したリーダライタとの間で非接触通信を行って、認証などの処理を行うICタグが普及している。特に、ICタグ自身が電池などの電源を持たず、リーダライタからの電波を受信してコンデンサなどに蓄積して得た電力で作動する、いわゆるパッシブ型のICタグが、使い勝手の良さから普及している。
【0003】
ICタグは、リーダライタからの電波を受信するアンテナパターンが形成された回路基板に、通信処理を行うICチップなどの部品を取り付けて構成される。アンテナパターンは、リーダライタからの電波を効率よく受信するために、回路基板上にコイル状に比較的大きな面積で配置してあり、通常、そのコイル状のアンテナパターンで囲まれる中央部に、ICチップやコンデンサなどの部品を配置した形状に構成される。ICタグで認証処理を行う際には、例えば、ICチップ内のメモリが記憶した情報をリーダライタに送り、また、リーダライタから送られた情報を、ICチップのメモリに書き込ませるなどの、ICタグ単独で通信処理が行われる。
【0004】
このように、ICタグだけで単独してリーダライタと無線通信が可能であり、例えばICタグを構成した回路基板を、カード形状のものに納めたものが、電子マネーカードや乗車券や認証用のカードなどとして、普及している。
これに対して、ICタグを携帯電話端末などの各種電子機器に内蔵させたものも普及している。この電子機器内蔵型のICタグの場合でも、ICタグそのものの基本構成は同じであるが、ICタグが内蔵された電子機器本体側で、ICタグでの通信状態に連動して何らかの動作を行う場合がある。例えば、ICタグがリーダライタと通信開始したことを検知し、その通信開始をトリガとして、電子機器本体の電源をオンさせることが行われている。
【0005】
図10は、従来の電子機器に内蔵されるICタグの構成例を示した図であり、図11は図10のA−A線に沿う断面図である。
樹脂材料よりなる長方形の基板1の表面の外周寄りに、帯状の導電膜を螺旋状に巻回した構成のコイルアンテナ部2を配置する。図10の例では、コイルアンテナ部2は、導電膜を3周させた構成である。
【0006】
コイルアンテナ部2の外周側の端部2aを、スルーホール3bを介して基板の裏面側の配線パターン2gに接続する。裏面側の配線パターン2gを、さらに別のスルーホール3bを介して、コイルアンテナ部2の内周寄りの表面に設けた配線パターン2dに接続する。コイルアンテナ部2の内周側の端部2bを、配線パターン2cに接続する。
このようにしてコイルアンテナ部2の一端及び他端に接続した配線パターン2cと配線パターン2dを、基板1の表面に取り付けたICチップ4に接続する。ICチップ4は、リーダライタと無線通信の処理を行う回路が組まれたチップである。このようにコイルアンテナ部2にICチップ4を接続することで、リーダライタと非接触通信を行うことができる。
【0007】
そして、図10の例のICタグは、基板1の表面のICチップ4に接続された配線パターン2c,2dの途中から分岐された配線パターン2e,2fを設け、その配線パターン2e,2fを、基板1の表面のパッド5a,5bに接続する。パッド5a,5bは、外部回路との接続端子として機能する電極部である。
【0008】
このようなパッド5a,5bを備えたICタグは、図12に示すように、電子機器内の回路である外部回路に接続される。すなわち、ICタグに設けたパッド5a,5bを、引き出し配線6a,6bを介して、整流回路7の入力端子7a,7bに接続する。整流回路7は、入力端子7a,7bに得られる信号を、コンデンサC1,C2を介して整流用ダイオードブリッジ7cに接続し、整流用ダイオードブリッジ7cで整流された信号を出力する。整流用ダイオードブリッジ7cの出力部には、コンデンサC3を接続する。そして、整流回路7で整流された信号を、検出回路8に供給する。
【0009】
検出回路8は、ICタグから整流回路7を介して閾値を超えるレベルの信号入力があるとき、検出信号を出力する。つまり、ICタグがリーダライタに接近して、リーダライタから送信される信号をコイルアンテナ部2で受信したとき、その受信レベルを検出回路8で検出する。この検出回路8で得た検出信号をトリガとして電子機器が使用することで、例えばリーダライタへの接近を契機として電子機器を起動させる等の、様々の処理が行うことができる。
【0010】
なお、コンデンサC1,C2は、ICタグ側の回路と、外部回路とが影響を受けないようにするために、ICタグ側の回路と外部回路とを直流的に切り離すためのものである。すなわち、ICタグ内のコイルアンテナ部2やICチップ4は、規定された共振周波数でリーダライタと非接触通信を行うように構成されている。ここで、外部回路を、コンデンサを介さずに直接ICタグに接続すると、共振周波数などの電気的特性が乱れて、ICタグとしての特性が劣化する虞がある。このため、そのような悪影響がないようするためにコンデンサC1,C2を接続されている。
【0011】
特許文献1には、ICタグを備えた電子機器の例として、携帯電話端末がICタグを備えた構成についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−6029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、図12に示すように、ICタグを外部回路に接続するために、コンデンサC1,C2を設ける構成とすると、それだけ外部回路の部品点数が増え、製造コストが上昇するという問題がある。また、コンデンサC1,C2を基板に配置するスペースが必要であり、それだけ外部回路側の基板が大型化するという問題があった。
【0014】
本開示はかかる点に鑑みてなされたものであり、ICタグと外部回路との接続を簡単に行うことができるICタグ、及びそのICタグを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示のICタグは、誘電体よりなる基板の表面に配置したアンテナパターンと、基板表面のアンテナパターンの一端及び他端が接続された通信回路チップと、外部回路接続部とを備える。
外部回路接続部は、アンテナパターンの一端及び他端の近傍と基板の表面又は裏面で接続し、基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向した形状とする。そして、その対向した反対側の面の導電部を外部回路と接続するパッドとする。
【0016】
本開示の電子機器は、ICタグを備えた機器である。
ICタグは、誘電体よりなる基板の表面に配置したアンテナパターンと、基板表面のアンテナパターンの一端及び他端が接続された通信回路チップと、外部回路接続部とを備える。
外部回路接続部は、アンテナパターンの一端及び他端の近傍と基板の表面又は裏面で接続し、基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向した形状とする。そして、その対向した反対側の面の導電部をパッドとする。
そして、パッドに接続して、パッドを介して得られる信号を整流する整流部と、整流部で整流された信号を検出する検出部とを備える。
【0017】
本開示によると、ICタグに設けた外部回路接続用のパッドが、基板の反対側の導電部と対向して、コンデンサとしても機能する。したがって、パッドに接続した外部回路は、アンテナパターンや通信回路チップと、コンデンサを介して接続されたことと同じになる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によると、ICタグのパッドに接続した外部の回路が、コンデンサを介してICタグ側と接続されたことになり、ICタグ内の回路と外部の回路とを直流的に切り離すコンデンサを別途設ける必要がなくなり、それだけ回路構成が簡単になる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるICタグの構成例を示す平面図である。
【図2】図1のI−I線に沿う断面図である。
【図3】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による端末装置の例を示す構成図である。
【図5】コンデンサの容量値と周波数特性との関係の例を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるICタグの構成例を示す平面図である。
【図7】図6のIII−III線に沿う断面図である。
【図8】図6のIV−IV線に沿う断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による端末装置の例を示す構成図である。
【図10】従来のICタグの構成例を示す平面図である。
【図11】図10のA−A線に沿う断面図である。
【図12】従来のICタグに外部回路が接続される例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施の形態を、以下の順序で説明する。
1.第1の実施の形態の例
1−1.ICタグの構成(図1〜図3)
1−2.ICタグを装着した端末装置の構成(図4)
2.第2の実施の形態の例
2−1.ICタグの構成(図6〜図8)
2−2.ICタグを装着した端末装置の構成(図9)
3.変形例
【0021】
[1.第1の実施の形態の例]
以下、本開示の第1の実施の形態の例を説明する。第1の実施の形態の例のICタグは、端末装置に内蔵されるICタグである。まず、ICタグの構成を説明する。
【0022】
[1−1.ICタグの構成]
図1は、ICタグの構成例を示した図であり、図2は図1のI−I線に沿う断面図であり、図3は図1のII−II線に沿う断面図である。
ICタグ10は、図1に示すように、樹脂材料よりなる長方形の基板11の表面11aの外周寄りに、帯状の導電膜を螺旋状に巻回した構成のコイルアンテナ部20を配置する。
基板11は、誘電体である樹脂材料が使用され、例えばエポキシ樹脂基板が使用される。
なお、図1の例では、コイルアンテナ部20は、導電膜を3周させた構成のアンテナパターンとして示すが、4周以上配置した構成のコイルなどのアンテナパターンでもよい。
【0023】
そして、図2に示すように、コイルアンテナ部20の外周側の端部21を、スルーホール21aを介して基板11の裏面11b側の配線パターン25に接続する。この裏面11b側の配線パターン25を、さらに別のスルーホール23aを介して、表面11aのコイルアンテナ部20の内周寄りに設けた配線パターン23に接続する。
また、図1に示すように、コイルアンテナ部20の内周側の端部22を、配線パターン24に接続する。
そして、配線パターン23の端部23bと配線パターン24の端部24bとを近接させ、その近接した端部23b,24bにICチップ12を載せ、配線パターン23,24とICチップ12とを接続する。
【0024】
ICチップ12は、リーダライタと非接触無線通信の処理を行う回路が組まれた通信回路チップである。このICチップ12が、リーダライタからの電波を受信する受信処理を行い、またリーダライタに送信する送信処理を行う。送信時には、ICチップ12内のメモリに記憶された認証用のデータを送信し、また、受信したデータの内の必要なデータをメモリに記憶する。このようにコイルアンテナ部20にICチップ12を接続することで、近接したリーダライタと非接触通信が行える。ICチップ12は、例えば、13MHz帯で非接触無線通信を行う。
【0025】
なお、この例では、リーダライタからの電波を受信して得た信号を蓄積して電源として使用するコンデンサは図示していないが、例えばICチップ12内に電源として使用するコンデンサを内蔵させてもよい。あるいは、電源として使用するコンデンサを、ICチップと別部材として、配線パターンでICチップ12と並列に接続してもよい。ICチップ12とは別部材のコンデンサを用意する場合には、例えばチップ形状のコンデンサを使用する。
【0026】
そして本実施の形態の例のICタグ10は、外部回路接続部を備える。すなわち、図1に示すように、コイルアンテナ部20よりも内周側の基板11の表面11aに、外部回路との接続する電極部として使用するパッド31,32を配置する。パッド31,32は、図1に示すように、所定の面積のほぼ正方形の導電パターンで形成されており、基板11の表面では、パッド31,32は他の配線パターンと直接的には接続されていない。
【0027】
そして、図2に示すように、パッド31と対向する基板11の裏面11bに、パッド対向電極33を設ける。また、図3に示すように、パッド32と対向する基板11の裏面11bに、パッド対向電極34を設ける。
これらのパッド対向電極33,34は、パッド31,32とほぼ同じ面積及び形状の導電パターンである。
【0028】
そして、図2に示すように、裏面11b側のパッド対向電極33を、そのまま裏面側の配線パターン26を介して配線パターン25に接続する。先に説明したように、この裏面の配線パターン25は、スルーホール23aを介して、表面側の配線パターン23に接続されている。
また、図3に示すように、裏面11b側のパッド対向電極34を、裏面側の配線パターン27に接続し、その配線パターン27を、スルーホール24aを介して、表面側の配線パターン24に接続する。
したがって、パッド対向電極33,34は、ICチップ12が取り付けられた配線パターン23,24と導通した状態である。
【0029】
このように構成したことで、図2に示すように、パッド31とパッド対向電極33が、誘電体よりなる基板11を介して対向した配置となる。また、図3に示すように、パッド32とパッド対向電極34が、誘電体よりなる基板11を介して対向した配置となる。ここで、基板11はエポキシ樹脂などで構成される誘電体であり、基板11を挟んで対向したパッド31とパッド対向電極33とでコンデンサが構成される。同様に、基板11を挟んで対向したパッド32とパッド対向電極34とでコンデンサが構成される。但し、これらのパッド31,32とパッド対向電極33,34とで構成される2つのコンデンサは、微少な容量のコンデンサである。具体的には、それぞれのコンデンサとして、3pFや6pF程度の微少な容量で、最大でも20pF程度とする。このコンデンサの容量値を設定する意味については後述する。
【0030】
このように、外部回路接続部であるパッド31,32は、微少な容量のコンデンサを介してコイルアンテナ部20側と接続される。
【0031】
[1−2.ICタグを装着した端末装置の構成]
次に、図4を参照して、ICタグ10に接続される端末装置100側の構成を説明する。
図4に示すように、ICタグ10のパッド31,32を、引き出し配線101,102を介して、整流回路110の入力端子110a,110bに接続する。パッド31,32と引き出し配線101,102との接続は、例えば半田付けにより行う。整流回路110は、ICタグ10からの信号を整流する整流部として機能し、入力端子110a,110bを、整流用ダイオードブリッジ111に接続し、この整流用ダイオードブリッジ111で整流された信号を得る。整流用ダイオードブリッジ111の出力部には、コンデンサ112を接続する。そして、整流回路110で整流された信号を、検出回路121に供給する。
【0032】
検出回路121は、ICタグ10から閾値を超えるレベルの信号入力があるとき、検出信号を出力する検出部として機能する。つまり、ICタグ10がリーダライタに接近して、リーダライタから送信される信号をコイルアンテナ部20で受信したとき、その受信レベルを検出回路121で検出する。この検出状態に基づいて、リーダライタへの接近や、リーダライタとの非接触通信の開始を検出した検出信号を出力する。
【0033】
この検出回路121で得た検出信号を、端末装置100の制御部122に供給する。制御部122は、検出回路121から供給される検出信号で、リーダライタへの接近や通信の開始を判別し、その判別に基づいて、各種処理を行う。例えば、表示部123で、リーダライタとの通信が開始されたことや通信中であることを、文字や図形などで表示する。あるいは、端末装置100が電源オフ状態又はスタンバイ状態で、検出回路121から検出信号が供給された場合に、制御部122の制御下で電源オンにする処理を行う。あるいはまた、制御部122からデータ処理部124に何らかの指示を送り、リーダライタとの通信開始に対応した処理を行う。
【0034】
このように構成した本実施の形態の例のICタグ10によると、ICタグ10の外部回路接続端子であるパッド31,32を使用して、外部回路である端末装置側の回路と接続する際に、ICタグ10と外部回路とを切り離すコンデンサが不要になる。すなわち、従来は図12に示したように、ICタグと外部回路とを直流的に切り離すコンデンサC1,C2が必要であったが、本実施の形態の場合には、パッド31,32がパッド対向電極33,34との作用でコンデンサを有した構成となっている。このため、図4に示すように、外部回路である整流回路110内に別途コンデンサC1,C2を設ける必要がなく、それだけ構成が簡単になる。
ICタグの電気的な特性としては、パッド31,32の部分によるコンデンサの作用で、ICタグ側の回路と外部回路とを直流的に切り離すことができ、ICタグとしての良好な特性を維持しながら、外部回路を簡単に接続することができる。
【0035】
また、パッド31,32の部分に構成されるコンデンサは、ICタグ10を構成する基板11の裏面側に対向電極33,34や配線パターン26,27を設けるだけでよい。ICタグは、元々裏面側にも配線パターンが必要な構成のため、コンデンサを構成することによる製造コストの上昇は殆どない。また、コンデンサとして機能させるために基板に設けた対向電極33,34は、パッド31,32と重なる位置であるため、コンデンサを設けたことでICタグとしての磁束の通過状態が従来のものと比べて妨げられることがない。したがって、ICタグとしての特性が、コンデンサを設けたことで劣化することがない。
【0036】
なお、パッド31,32とパッド対向電極33,34とで構成される2つのコンデンサとして、最大でも20pF以下の微少な容量としたのは、それ以上の容量値とした場合、ICタグ側と外部回路側とが直流的に切り離されなくなるためである。
すなわち、ICタグが13MHz帯で非接触無線通信を行う場合で、コンデンサを20pF以上としたとき、ICタグと外部回路との影響を考えたとき、コンデンサがない状態と実質的にほぼ同じになってしまう。
【0037】
図5は、ICタグを外部回路と接続する際における、ICタグと外部回路との間のコンデンサの容量値がICタグに与える影響を示した図である。この図5の縦軸は、ICタグでの非接触通信時の共振周波数を示す。図5に示した周波数F0は、ICタグに外部回路の接続がない場合の、ICタグ単体での共振周波数である。この例では、ICタグ単体での共振周波数F0は13.18MHzである。
一方、このICタグに、コンデンサを使用せずに直接外部回路(例えば図4の整流回路110)を接続した場合の共振周波数が、周波数F1である。図5から判るように、接続がない場合の周波数F0が13.18MHzであるのに対して、直接接続時の周波数F1は、13.07MHzに低下している。
【0038】
また、図5に示した周波数特性Faは、ICタグにコンデンサを介して外部回路を接続した場合の、変化特性を示したもので、容量値が3pFから23pFまでの特性を示す。この周波数特性Faから判るように、3pFのとき共振周波数が13.12MHzであり、6pFのとき共振周波数が13.11MHzである。これらの3pFや6pFのような小さな容量値とした場合、ICタグ単体での共振周波数F0からの変化を、比較的小さく抑えることができる。
これに対して、コンデンサの容量値が20pFを超えると、共振周波数が約13.07MHzであり、ICタグをコンデンサなしで直接外部回路に接続した場合の共振周波数F1とほぼ同じとなり、コンデンサを設ける効果がなくなってしまう。
【0039】
したがって、本開示のICタグ10のパッド31,32とパッド対向電極33,34とで構成される2つのコンデンサは、少なくとも20pF以下の容量値とする必要がある。好ましくは、10pFよりも小さい容量値とする。
なお、図5において、コンデンサ接続時の周波数特性Faの値が、ICタグ単体での共振周波数F0よりも若干低い周波数になるのは、接続した配線(図4での引き出し配線101,102に相当)などの影響である。
【0040】
[2.第2の実施の形態の例]
次に、本開示の第2の実施の形態の例を、図6〜図9を参照して説明する。この図6〜図9において、第1の実施の形態の例(図1〜5)で説明した箇所と同一の部分については同一符号を付している。第2の実施の形態の例のICタグは、パッドの位置を第1の実施の形態の例の構成から変更したものである。
【0041】
[2−1.ICタグの構成]
図6は、ICタグの構成例を示した図であり、図7は図6のIII−III線に沿う断面図であり、図8は図6のIV−IV線に沿う断面図である。
ICタグ50は、図6に示すように、樹脂材料よりなる長方形の基板51の表面51aの外周寄りに、帯状の導電膜を螺旋状に巻回した構成のコイルアンテナ部60を配置する。
基板51は、エポキシ樹脂基板などの誘電体材料が使用される。
【0042】
そして、図7に示すように、コイルアンテナ部60の外周側の端部61を、スルーホール61aを介して基板51の裏面51b側の配線パターン65に接続する。この裏面51b側の配線パターン65を、さらに別のスルーホール63aを介して、表面51aのコイルアンテナ部60の内周寄りに設けた配線パターン63に接続する。
また、図6に示すように、コイルアンテナ部60の内周側の端部62を、配線パターン64に接続する。
そして、配線パターン63,64とICチップ52とを接続する。ICチップ52は、リーダライタと非接触無線通信の処理を行う回路が組まれたチップである。
【0043】
図6の例では、リーダライタからの電波を受信して得た信号を蓄積して電源として使用するコンデンサを図示していないが、例えばICチップ52内に電源として使用するコンデンサを内蔵させてもよい。あるいは、電源として使用するコンデンサを、ICチップとは別部材とし、配線パターンでICチップ52と並列に接続してもよい。
【0044】
そして本実施の形態の例のICタグ50は、外部回路接続部を備える。すなわち、図6に示すように、コイルアンテナ部20よりも外周側の基板51の表面11aに、基板延長部51cを設け、この基板延長部51cの表面に、外部回路との接続する電極部として使用するパッド71,72を配置する。パッド71,72は、図6に示すように、所定の面積のほぼ正方形の導電パターンで形成されており、基板51の表面では、パッド71,72は他の配線パターンと直接的には接続されていない。
【0045】
そして、図7に示すように、パッド71と対向する基板51の裏面51bに、パッド対向電極73を設ける。また、図8に示すように、パッド72と対向する基板51の裏面51bに、パッド対向電極74を設ける。
これらのパッド対向電極73,74は、パッド71,72とほぼ同じ面積及び形状の導電パターンである。
【0046】
そして、図7に示すように、裏面51b側のパッド対向電極73を、そのまま裏面側の配線パターン66を介して配線パターン65に接続する。先に説明したように、この裏面の配線パターン65は、スルーホール63aを介して、表面側の配線パターン63に接続されている。
また、図8に示すように、裏面51b側のパッド対向電極74を、裏面側の配線パターン67に接続し、その配線パターン67を、スルーホール64aを介して、表面側の配線パターン64に接続する。
したがって、パッド対向電極73,74は、ICチップ52が取り付けられた配線パターン63,64と導通した状態である。
【0047】
このように構成したことで、図7に示すように、パッド71とパッド対向電極73が、誘電体よりなる基板51を介して対向した配置となる。また、図8に示すように、パッド72とパッド対向電極74が、誘電体よりなる基板51を介して対向した配置となる。ここで、基板51は誘電体であり、基板51を挟んで対向したパッド71とパッド対向電極73とでコンデンサが構成される。同様に、基板51を挟んで対向したパッド72とパッド対向電極74とでコンデンサが構成される。
これらのパッド71,72とパッド対向電極73,74とで構成される2つのコンデンサは、第1の実施の形態の場合と同様に、3pFや6pF程度の微少な容量のコンデンサで、最大でも20pF以下とする。20pF以下とする根拠は、第1の実施の形態の例で図5で説明した周波数特性に基づく。
【0048】
このようにして、外部回路接続部であるパッド71,72は、微少な容量のコンデンサを介してコイルアンテナ部60側と接続される。
【0049】
[2−2.ICタグを装着した端末装置の構成]
次に、図9を参照して、ICタグ50に接続される端末装置100側の構成を説明する。
図9に示すように、ICタグ50のパッド71,72を、引き出し配線101,102を介して、整流回路110の入力端子110a,110bに接続する。パッド71,72と引き出し配線101,102との接続は、例えば半田付けにより行う。整流回路110以降の端末装置100′側の構成や動作は、第1の実施の形態の例で、図4に示した端末装置100の構成や動作と同じである。
【0050】
図9に示した本実施の形態の例のICタグ50の場合には、外部回路接続部であるパッド71,72が、コイルアンテナ部20の外側に配置してあるため、引き出し配線101,102がコイルアンテナ部20とクロスしない。したがって、引き出し配線101,102を短くすることができる。
【0051】
この第2の実施の形態の例の場合にも、第1の実施の形態の例と同様に、ICタグ50のパッド71,72がコンデンサとして機能し、外部回路である端末装置側の回路と接続する際に、ICタグ10と外部回路とを切り離すコンデンサが不要になる。したがって、ICタグを接続した端末装置(電子機器)の構成を簡単にすることができる。
【0052】
[3.変形例]
なお、上述した各実施の形態の例では、ICタグが装着される端末装置の具体的な例については示さなかったが、ICタグを有する各種電子機器が適用可能である。例えば、携帯電話端末装置に適用することで、携帯電話端末装置でICタグでの通信状態に応じた表示や電源オン処理などが行える。
また、各図に示したコイルアンテナ部や、各導電パターンの形状は好適な一例を示したものであり、その他の形状としてもよい。
【0053】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部を外部回路と接続するパッドとした外部回路接続部と、
を備えるICタグ。
【0054】
(2)前記外部回路接続部の前記所定面積の導電部が対向することで得られる容量を、前記通信回路チップと前記アンテナパターンで形成される回路と前記外部回路とを直流的に切り離す20pF以下の容量とした
前記(1)記載のICタグ。
【0055】
(3)前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの内側の前記基板上に配置した
前記(1)又は(2)のいずれか1項に記載のICタグ。
【0056】
(4)前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの外側の前記基板上に配置した
前記(1)又は(2)のいずれか1項に記載のICタグ。
【0057】
(5)誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部をパッドとした外部回路接続部と、よりなるICタグと、
前記ICタグのパッドに接続し、前記パッドを介して得られる信号を整流する整流部と、
前記整流部で整流された信号を検出する検出部と、
を備える電子機器。
【0058】
(6)前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号により電源をオン状態にする制御部を備えた
前記(5)記載の電子機器。
【0059】
(7)前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号によりリーダライタへの接近を表示する表示部を備えた
前記(5)又は(6)のいずれか1項に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0060】
1…基板、2…コイルアンテナ部、2a〜2g…配線パターン、3a,3b…スルーホール、4…ICチップ、5a,5b…パッド、6a,6b…引き出し配線、7…整流回路、7a,7b…入力端子、7c…ダイオードブリッジ、8…検出回路、10…ICタグ、11…基板、11a…表面、11b…裏面、12…ICチップ、20…コイルアンテナ部、21…外周側の端部、22…内周側の端部、23〜27…配線パターン、21a,23a,24a…スルーホール、31,32…パッド、33,34…パッド対向電極、50…ICタグ、51…基板、51a…表面、51b…裏面、52…ICチップ、60…コイルアンテナ部、61…外周側の端部、62…内周側の端部、63〜67…配線パターン、61a,63a,64a…スルーホール、71,72…パッド、73,74…パッド対向電極、100…端末装置、101,102…引き出し配線、110…整流回路、110a,110b…入力端子、111…ダイオードブリッジ、112…コンデンサ、121…検出回路、122…制御部、123…表示部、124…データ処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部を外部回路と接続するパッドとした外部回路接続部と、
を備えるICタグ。
【請求項2】
前記外部回路接続部の前記所定面積の導電部が対向することで得られる容量を、前記通信回路チップと前記アンテナパターンで形成される回路と前記外部回路とを直流的に切り離す20pF以下の容量とした
請求項1記載のICタグ。
【請求項3】
前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの内側の前記基板上に配置した
請求項2記載のICタグ。
【請求項4】
前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの外側の前記基板上に配置した
請求項2記載のICタグ。
【請求項5】
誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部をパッドとした外部回路接続部と、よりなるICタグと、
前記ICタグのパッドに接続し、前記パッドを介して得られる信号を整流する整流部と、
前記整流部で整流された信号を検出する検出部と、
を備える電子機器。
【請求項6】
前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号により電源をオン状態にする制御部を備えた
請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号によりリーダライタへの接近を表示する表示部を備えた
請求項5記載の電子機器。
【請求項1】
誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部を外部回路と接続するパッドとした外部回路接続部と、
を備えるICタグ。
【請求項2】
前記外部回路接続部の前記所定面積の導電部が対向することで得られる容量を、前記通信回路チップと前記アンテナパターンで形成される回路と前記外部回路とを直流的に切り離す20pF以下の容量とした
請求項1記載のICタグ。
【請求項3】
前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの内側の前記基板上に配置した
請求項2記載のICタグ。
【請求項4】
前記外部回路接続部のパッドを、前記アンテナパターンの外側の前記基板上に配置した
請求項2記載のICタグ。
【請求項5】
誘電体よりなる基板と、
前記基板の表面に配置したアンテナパターンと、
基板表面の前記アンテナパターンの一端及び他端と接続し、無線信号の送信処理及び/又は受信処理を行う通信回路チップと、
前記アンテナパターンの一端及び他端の近傍と前記基板の表面又は裏面で接続し、前記基板の対向した反対側の面との間で所定面積の導電部が対向し、前記対向した反対側の面の導電部をパッドとした外部回路接続部と、よりなるICタグと、
前記ICタグのパッドに接続し、前記パッドを介して得られる信号を整流する整流部と、
前記整流部で整流された信号を検出する検出部と、
を備える電子機器。
【請求項6】
前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号により電源をオン状態にする制御部を備えた
請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記整流部で整流された信号レベルが所定以上の場合に、前記検出部がトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号によりリーダライタへの接近を表示する表示部を備えた
請求項5記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−16076(P2013−16076A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149464(P2011−149464)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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