説明

ICタグ装着具

【課題】 使用後回収した後、残留した変形を形状回復性により初期の形状に回復可能なICタグの装着具を提供する。
【解決手段】 ICタグの装着具2の一部あるいは全部を形状固定した形状記憶ポリマ3とし、使用後回収し熱や電気等のエネルギを加えることにより形状回復可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグの装着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICタグを使用したシステムが種々の業界で実用化されている。 印刷、紙加工等の分野で有効な特許文献1のようなICタグを原紙の紙管内に装着する装着具を提案した。
段ボール原紙の紙管内で一定の位置にICタグ付き装着具を装着する必要があるが、特許文献2にその装着装置を提案した。 原紙使用後に紙管は回収されてリサイクルあるいは処分されるが、ICタグ付き装着具は使い捨てでなく回収して再使用したい。 使用時には小さな円筒状である紙管の内側に装着具の樹脂板の弾性により張り付いているが、回収後にはくせがついて真っ直ぐに戻らない場合がある。 長期間使用後あるいは多回数繰返し使用後には特に平らにならない場合がある。 新しい材料である形状記憶材料の一つである形状記憶ポリマは形状固定後、熱、電気、イオン、光等のエネルギにより形状回復が可能であり、この形状記憶特性を利用する。
【0003】
【特許文献1】 特願2005−368766
【特許文献2】 特願2006−145892
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙管の内面に装着されているICタグ付き装着具を破損しないで回収した後変形したものを再使用することになるが、使用した期間や回数により変形の度合いが1枚1枚異なる。
装着装置については特願2006−145892の場合でも多数積載したICタグ付き装着具の一番上から1枚を捕捉し装着するが、変形したものは取扱いが難しく供給系のトラブルの原因になりやすいし、変形が大きいと再使用時に全面が接触せず装着力が不足してずれたり、外れやすくなる。 使用時には変形が必要だが、再使用時には変形をなくし元の状態にしたい。 また弾性の強い樹脂は塑性変形は少ないかもしれないが、うまく紙管内に沿って広がらないので接触面積が減少し不向きであり、程々の弾性が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
紙管の内径が小さい一方、乱暴な取扱いによってICタグ付き装着具がずれたり、外れると困るので適度な弾性が必要であり、さらにICタグそのものの材質も樹脂製で、装着具も通常樹脂製になる。 一般的な樹脂は大きな変形が長時間続くと塑性変形が残り完全に元の平らな状態に戻らない場合が多いが、使用時には変形するが使用後回収し、熱、光、電気等のエネルギを与えると形状記憶特性の形状回復性により、初期の平らな形状に戻せる装着具にする。 ICタグとの接着性によりあるいは弾性の大きさにより、形状記憶ポリマのみあるいは非形状記憶の一般的な樹脂(4)と貼り合わせたものとする。
【発明の効果】
【0006】
適当な弾性を持ち、回収後変形をなくし初期状態に形状回復できることから、再使用する場合のトラブルの発生が押さえられ、円滑に装着作業が行なえる。
【発明を実施するため最良の形態】
【0007】
装着具2は1個あるいは複数個ICタグ1を付着させ紙管に装着するが、装着具にはICタグの接着強度と紙管の内面に沿って前面が接触する適当な弾性が必要であるが、同時に再使用時に形状回復し初期と同等の形状を保持したい。 塑性変形は繰返し使用頻度が高くなると大きくなり紙管の内側での保持力が落ちてくると位置がずれたり、脱落につながる。 形状記憶ポリマがちょうど必要なICタグの接着力と弾性に合致すれば、装着具は形状記憶ポリマだけでよく図2のようになるが、形状記憶ポリマ3のみで条件が満たされない場合は、図1のように形状記憶性のない樹脂4と貼り合わせたものになることも考えられる。 ICタグ1はどちらかの樹脂の表面に接着してもいいし、間に挟んでもいい。
3と4の間に挟めば同時にICタグの保護にもなる。 もちろん3、4の両方とも形状記憶ポリマでもよい。
【実施例1】
【0008】
図1に概念図を示す。 樹脂の板3と4の間にICタグを挟んでいる。 形状記憶ポリマの多くは熱エネルギの変化により形状が変化する熱活性ポリマであるが、他に電場、イオン、光等の作用で形状の変化が現れる電気活性ポリマもあり、実用化されているものとしてはポリウレタン系が一般的であるが他にも種々の物がある。 ICタグとの接着性、装着具としての適当な弾性、形状記憶性のない樹脂4との接着性等を考慮し、さらに形状回復時に与えるエネルギに対する耐性、例えば温度の場合樹脂4やICタグの耐熱性を考慮する必要がある。
【実施例2】
【0009】
図2に概念図を示す。 実施例1が貼り合わせているのに対し1枚である。 ICタグを形状記憶ポリマ3に貼りつけている。 形状記憶ポリマの多くは熱エネルギの変化により形状が変化する熱活性ポリマであるが、他に電場、イオン、光等の作用で形状の変化が現れる電気活性ポリマもあり、実用化されているものとしてはポリウレタン系が一般的であるが他にも種々の物がある。 ICタグとの接着性、装着具としての適当な弾性を考慮し、さらに形状回復時に与えるエネルギに対する耐性、例えば温度の場合ICタグの耐熱性を考慮する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明の装着具は形状記憶ポリマを使用し形状回復性を利用し初期形状に戻し、多数回繰返し使用できるのでトラブルも減り、実用の可能性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明の実施例1の概念図である。
【図2】 本発明の実施例2の概念図である。
【符号の説明】
【0012】
1 ICタグ
2 装着具
3 形状記憶ポリマ
4 非形状記憶樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着時に変形させて使用する、1枚あるいは複数枚のICタグ(1)付き装着具(2)において、装着具の一部あるいは全てを形状記憶ポリマ(3)とした、形状回復可能なICタグの装着具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−282373(P2008−282373A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152108(P2007−152108)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(594087115)富士キネティックス株式会社 (26)
【Fターム(参考)】