ICチップ実装体の製造装置
【課題】 ICチップ実装体を高速で製造することができると共に加熱加圧の機構による専有スペースを削減したICチップ実装体の製造装置を提供すること。
【解決手段】 フィルム基板を搬送するフィルム基板収容部11及び製品巻取り部14と、フィルム基板上にICチップを搭載するICチップ搭載部12と、ICチップ及びフィルム基板を熱圧着する熱圧着部13とを備え、熱圧着部13が、フィルム基板を搬送する搬送経路上で、搬送経路上のフィルム基板を停止させることなく加圧する磁石付テープ25及び磁性体テープ26と、搬送経路上のフィルム基板を停止させることなく加熱する加熱手段とを有する。
【解決手段】 フィルム基板を搬送するフィルム基板収容部11及び製品巻取り部14と、フィルム基板上にICチップを搭載するICチップ搭載部12と、ICチップ及びフィルム基板を熱圧着する熱圧着部13とを備え、熱圧着部13が、フィルム基板を搬送する搬送経路上で、搬送経路上のフィルム基板を停止させることなく加圧する磁石付テープ25及び磁性体テープ26と、搬送経路上のフィルム基板を停止させることなく加熱する加熱手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ実装体の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、RFID(Radio Frequency Identification:電波方式認識)カードと称されるICチップ実装体が登場している。これは、内部にメモリと小型のアンテナとを有しており、リーダアンテナと非接触で情報の伝達を行うことによって、メモリに必要な情報を記録し、必要に応じてリーダライタなどの通信機器で情報の記録、書き換え、読み出しを短時間で行えるものである。
【0003】
このRFIDカードのようなICチップ実装体の製造装置として、例えば、一面に粘着性を有するベースシートをコンベアによって搬送し、この粘着面にアンテナ回路及びICチップが形成された回路シートを貼り合わせ、さらに一面に粘着性を有するカバーシートを貼り合わせることによってICチップ実装体を製造するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、一面に接着剤が塗布されたベースシートをコンベアによって搬送し、この粘着面に上述と同様の回路シートを貼り合わせ、さらに接着剤を介してカバーシートを貼り合わせることによってICチップ実装体を製造するものや、一面にアンテナ回路が形成されたフィルム基板をコンベアによって搬送し、このアンテナ回路と接続するようにICチップを搭載することによってICチップ実装体を製造するものなども提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0004】
また、ICチップをアンテナ回路が形成されたフィルム基板に接着するためには、一般的に加熱及び加圧が必要な異方導電性接着剤が用いられている。
【特許文献1】特開2003−6596号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−58848号公報(図1)
【特許文献3】特開2003−168099号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のICチップ実装体の製造装置では、以下の問題が残されている。すなわち、従来のICチップ実装体の製造装置では、フィルム基板上にICチップを搭載する際に、ベースシートまたはフィルム基板を一時的に止めてから回路シートまたはICチップを貼り合わせている。したがって、ICチップ実装体の製造速度を上げるのが困難である。また、ベースシートまたはフィルム基板を連続的に搬送しながら回路シートまたはICチップを貼り合わせる場合において、ベースシートまたはフィルム基板と回路シートまたはICチップとを異方導電性接着剤などで熱圧着させるためには、相当時間が必要であるため、加熱加圧の機構が非常に長くなり、大きなスペースが必要となる。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ICチップ実装体を高速で製造することができると共に加熱加圧の機構による専有スペースを削減したICチップ実装体の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のICチップ実装体の製造装置は、フィルム基板を搬送する搬送部と、前記フィルム基板上にICチップを搭載するICチップ搭載部と、前記ICチップ及び前記フィルム基板を熱圧着する熱圧着部とを備え、前記熱圧着部が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を搬送する搬送経路上で、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加圧する加圧手段と、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加熱する加熱手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、熱圧着部の周面に搬送経路を形成し、この搬送経路に沿ってICチップが搭載されたフィルム基板を搬送しながら加圧手段で加圧すると共に、加熱手段で加熱して熱圧着を行うことで、熱圧着のために必要なスペースを低減できる。
【0009】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記搬送経路が、前記熱圧着部の周面または螺旋状に設けられていることが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、搬送経路を螺旋状に巻回するように形成することで、熱圧着部の周面により長く搬送経路が設けられる。したがって、熱圧着のために必要なるスペースをより低減できる。
【0010】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記加圧手段が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板の上下両面に配置されて、相対的に引力を有する一対の加圧テープによって構成され、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を挟持することで該ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、相対的に引力を有する一対の加圧テープでICチップが搭載されたフィルム基板を挟持し、加圧しながら搬送経路上を搬送することで、ICチップが搭載されたフィルム基板を熱圧着する。
【0011】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記一対の加圧テープが、磁気引力によって前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、相対的に磁気引力を有する一対の加圧テープでICチップが搭載されたフィルム基板を挟持して加圧する。
【0012】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記搬送経路と交差する方向に直流電流を流す通電手段を備え、電流を流すことによって前記磁石付テープとの間に発生するローレンツ力によって、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を前記搬送経路に沿って搬送することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、ICチップが搭載されたフィルム基板を挟持する磁石付テープ及び磁性体フィルムと通電手段とによってローレンツ力を発生させ、ICチップが搭載されたフィルム基板と磁石付テープと磁性体フィルムとを搬送経路に沿って搬送する。ここで、通電手段による直流電流の大きさを制御することで、フィルム基板の搬送速度を調節することができる。
【0013】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記搬送経路に、高圧エアが吐出する吐出孔が形成され、前記ICチップが搭載されたフィルム基板及び前記一対の加圧テープを前記高圧エアで浮上させながら搬送することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、高圧エアでフィルム基板及び一対の加圧テープを浮上させることで、搬送する際の摩擦係数を低減する。
【0014】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記加熱手段が、前記吐出孔から高温高圧エアを吐出して前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加熱することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、吐出孔から高温高圧エアを吐出してフィルム基板を加熱すると共に、一対の加圧テープで挟持することで加圧する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のICチップ実装体の製造装置によれば、アンテナ回路が形成されたフィルム基板上にICチップを搭載し、熱圧着するときに、フィルム基板を一時的に停止することなくICチップを搭載し、熱圧着できるので、ICチップ実装体の製造効率が向上する。したがって、ICチップ実装体のコストダウンが図れる。また、筒状の熱圧着部本体の周面に搬送経路を形成し、この搬送経路に沿ってICチップが搭載されたフィルム基板を搬送しながら熱圧着を行うことで、熱圧着のために必要なスペースを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかるICチップ実装体の製造装置の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。
本実施形態によるICチップ実装体の製造装置1は、ICチップ実装体として例えばIDタグ2を製造する製造装置である。
【0017】
このIDタグ2は、図1に示すように、所定位置にアンテナ回路3aが形成されたフィルム基板3と、このアンテナ回路3a上の所定位置に搭載されるICチップ4と、カバーシート5とによって構成されている。
アンテナ回路3aは、フィルム基板3上に予め印刷技術やエッチングによって形成されており、図2に示すように、フィルム基板3上に等間隔で連続的に形成されている。
ICチップ4は、裏面4aにアンテナ回路3aに接続するための例えば銅または金で形成されたバンプ4bが設けられており、例えば導電性ペーストで形成された接着剤6を介してアンテナ回路3aと接続される。
カバーシート5は、一面が接着性を有しており、フィルム基板3及びICチップ4を覆うように配されている。
【0018】
このICチップ実装体の製造装置1は、図3に示すように、フィルム基板3を収容するフィルム基板収容部11と、フィルム基板3の所定位置にICチップ4を搭載するICチップ搭載部12と、ICチップ4とフィルム基板3とを熱圧着する熱圧着部13と、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3を巻き取る製品巻取り部14と、これらを制御する制御部15とで構成されている。
【0019】
フィルム基板収容部11は、図2に示すフィルム基板3のロール16を収容すると共にフィルム基板3が一定速度かつ一定張力になるように制御部15により制御されている。また、このフィルム基板収容部11から送り出されたフィルム基板3が、ICチップ搭載部12に向かって連続搬送されるように構成されている。
【0020】
ICチップ搭載部12は、ICチップ4を搬送されたフィルム基板3のアンテナ回路3a上にICチップ4を搭載し、熱圧着部13に搬送するように構成されている。
【0021】
熱圧着部13は、図4から図6に示すように、周面にICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送する搬送経路が設けられた熱圧着部本体21と、搬送経路上のICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送しながら加熱する高温送風機構(加熱手段)22と、搬送経路上のICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送しながら加圧する加圧手段23と、を備えている。
【0022】
熱圧着部本体21は、ほぼ円筒形状を有しており、その周面にICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送する搬送経路が螺旋状に巻回するように設けられている。また、熱圧着部本体21には、この搬送経路に沿って高温送風機構22からの高温圧縮空気を噴射する噴射孔(吐出孔)21aが形成されており、搬送経路上を搬送されるフィルム基板3を熱圧着部本体21の周面から浮上させると共に加熱する。さらに、熱圧着部本体21には、熱圧着部本体21の周方向の等間隔で導電性を有する板状の通電バー(通電手段)24が、熱圧着部本体21の周面に対して間隙を介して配置されている。
【0023】
加圧手段23は、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の両面にそれぞれ配置される磁石付テープ(加圧テープ)25及び磁性体テープ(加圧テープ)26によって構成されている。
磁石付テープ25及び磁性体テープ26は、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3が熱圧着部本体21に搬送される前に図3に示す配置ローラ27によってフィルム基板3の上下両面にそれぞれ配置され、フィルム基板3が熱圧着部本体21から搬出された後で図3に示す離間ローラ28によってフィルム基板3から分離するように構成されている。また、磁石付テープ25及び磁性体テープ26は、熱圧着部本体21の搬入側と搬出側とがそれぞれ接続されており、エンドレスベルトとなっている。
【0024】
磁石付テープ25は、その一面に永久磁石が配置されており、磁性体テープ26との間で磁気吸引力が発生するように構成されている。そして、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の上下両面に配置された磁石付テープ25及び磁性体テープ26は、その磁気吸引力によってフィルム基板3を挟持してICチップ4及びフィルム基板3を加圧する。また、上述した通電バー24に図6に示す矢印A1方向に直流電流を流すことで、磁石付テープ25に対してローレンツ力が働き、フィルム基板3、磁石付テープ25及び磁性体テープ26がこのローレンツ力によって熱圧着部本体21の周面に沿って図5に示す矢印A2方向に搬送されることとなる。ここで、高温圧縮空気によってフィルム基板3、磁石付テープ25及び磁性体テープ26が浮上しているので、平滑に搬送される。
なお、通電バー24を流れる直流電流の大きさは、フィルム基板3、磁石付テープ25及び磁性体テープ26がローレンツ力によって熱圧着部本体21の周面に沿って搬送される搬送速度が、フィルム基板3の搬送速度と同期して等速であるように制御されている。また、上述した熱圧着部本体21と通電バー24との間隙は、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の両面に磁石付テープ25及び磁性体テープ26を配置した厚さよりも十分広いものとなっている。また、図6に示すように、磁石付テープ25とフィルム基板3との間に、磁気吸引力によるか圧力を調節するために、スペーサ29を介在させてもよい。
【0025】
製品巻取り部14は、製造されたIDタグ2を巻き取ってロール31として収容するように構成されている。
制御部15は、高温送風機構22の送風量や温度の制御を行う高温圧縮空気制御部41と、通電バー24を流れる電流量を制御する電流制御部42とを備えている。
【0026】
次に、IDタグの製造方法について図7を用いて説明する。
まず、製品巻取り部14は、フィルム基板3をフィルム基板収容部11から一定の速度でチップ搭載部13に搬送する(ステップST1)。
そして、チップ搭載部13が、アンテナ回路3aの所定位置にICチップ4を搭載する(ステップST2)。
その後、熱圧着部13が、ICチップ4とフィルム基板3とを熱圧着する(ステップST3)。
最後に、製品巻取り部14が、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3を巻き取る(ステップST4)。
【0027】
ここで、熱圧着部13によるICチップ4とフィルム基板3との熱圧着方法について図8を用いて詳細に説明する。
まず、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の上下両面に、磁石付テープ25及び磁性体テープ26をそれぞれ配置する。ICチップ4とフィルム基板3とは、磁石付テープ25及び磁性体テープ26の磁気吸引力によって加圧される(ステップST11)。
【0028】
熱圧着部本体21に搬送されたフィルム基板3は、噴射孔21aから噴射される高温圧縮空気によって加熱されながら、磁石付テープ25及び磁性体テープ26の磁気吸引力によって加圧される(ステップST12)。ここで、通電バー24には直流電流が流れているため、磁石付テープ25と直流電流とによってローレンツ力が発生し、フィルム基板3は磁石付テープ25及び磁性体テープ26によって挟持された状態を保ちながら熱圧着部本体21の搬送経路に沿って搬送される。なお、噴射孔21aから噴射される高温圧縮空気によってフィルム基板3と磁石付テープ25と磁性体テープ26とが熱圧着部本体21の表面に対して浮上しているため、ローレンツ力による搬送が平滑に行われる。
【0029】
熱圧着部本体21から搬出されたフィルム基板3から、磁石付テープ25及び磁性体テープ26をそれぞれ分離する(ステップST13)。以上のようにしてフィルム基板3とICチップ4とを熱圧着する。
【0030】
このように構成されたICチップ実装体の製造装置によれば、フィルム基板3を一時的に停止させることなく熱圧着が行えるので、IDタグ2の製造効率が向上する。
また、熱圧着部本体21の周面に螺旋状の搬送経路を形成することで、ICチップ4とフィルム基板3とを熱圧着させるために必要な専有スペースを削減することができる。
また、通電バー24を流れる直流電流の大きさを制御することで安定したフィルム基板3の搬送が行われる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、IDタグの製造装置であったが、ICチップを実装したカードであってもよい。
また、フィルム基板には予めアンテナ回路が形成されていたが、アンテナ回路を製作する装置を接着剤印刷装置の前に配置することで、アンテナ回路が形成されていないフィルム基板を供給するような装置であってもよい。
また、カバーフィルムがアンテナ回路及びICチップを挟むように覆うような構造にしてもよい。
また、フィルム基板のローラ21は、回転自在にしてもよい。
また、熱圧着部本体21は、モータによってフィルム基板を搬送してもよく、搬送経路として溝が形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明にかかる第1の実施形態におけるIDタグを示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図2】図1のフィルム基板を示す平面図である。
【図3】本発明にかかる一実施形態におけるICチップ実装体の製造装置を示す概略側面図である。
【図4】図3の熱圧着部を示す正面図である。
【図5】図3の熱圧着部を示す底面図である。
【図6】図5の熱圧着部本体の部分拡大断面図である。
【図7】本発明にかかる第1の実施形態におけるIDタグの製造手順を示すフローチャートである。
【図8】図7の熱圧着手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 ICチップ実装体の製造装置
2 IDタグ(ICチップ実装体)
3 フィルム基板
4 ICチップ
11 フィルム基板収容部(搬送部)
12 ICチップ搭載部
13 熱圧着部
14 製品巻取り部(搬送部)
21 熱圧着部本体
21a 噴射孔(吐出孔)
22 高温送風機構(加熱手段)
23 加圧手段
24 通電バー(通電手段)
25 磁石付テープ(加圧テープ)
26 磁性体テープ(加圧テープ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ実装体の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、RFID(Radio Frequency Identification:電波方式認識)カードと称されるICチップ実装体が登場している。これは、内部にメモリと小型のアンテナとを有しており、リーダアンテナと非接触で情報の伝達を行うことによって、メモリに必要な情報を記録し、必要に応じてリーダライタなどの通信機器で情報の記録、書き換え、読み出しを短時間で行えるものである。
【0003】
このRFIDカードのようなICチップ実装体の製造装置として、例えば、一面に粘着性を有するベースシートをコンベアによって搬送し、この粘着面にアンテナ回路及びICチップが形成された回路シートを貼り合わせ、さらに一面に粘着性を有するカバーシートを貼り合わせることによってICチップ実装体を製造するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、一面に接着剤が塗布されたベースシートをコンベアによって搬送し、この粘着面に上述と同様の回路シートを貼り合わせ、さらに接着剤を介してカバーシートを貼り合わせることによってICチップ実装体を製造するものや、一面にアンテナ回路が形成されたフィルム基板をコンベアによって搬送し、このアンテナ回路と接続するようにICチップを搭載することによってICチップ実装体を製造するものなども提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0004】
また、ICチップをアンテナ回路が形成されたフィルム基板に接着するためには、一般的に加熱及び加圧が必要な異方導電性接着剤が用いられている。
【特許文献1】特開2003−6596号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−58848号公報(図1)
【特許文献3】特開2003−168099号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のICチップ実装体の製造装置では、以下の問題が残されている。すなわち、従来のICチップ実装体の製造装置では、フィルム基板上にICチップを搭載する際に、ベースシートまたはフィルム基板を一時的に止めてから回路シートまたはICチップを貼り合わせている。したがって、ICチップ実装体の製造速度を上げるのが困難である。また、ベースシートまたはフィルム基板を連続的に搬送しながら回路シートまたはICチップを貼り合わせる場合において、ベースシートまたはフィルム基板と回路シートまたはICチップとを異方導電性接着剤などで熱圧着させるためには、相当時間が必要であるため、加熱加圧の機構が非常に長くなり、大きなスペースが必要となる。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ICチップ実装体を高速で製造することができると共に加熱加圧の機構による専有スペースを削減したICチップ実装体の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のICチップ実装体の製造装置は、フィルム基板を搬送する搬送部と、前記フィルム基板上にICチップを搭載するICチップ搭載部と、前記ICチップ及び前記フィルム基板を熱圧着する熱圧着部とを備え、前記熱圧着部が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を搬送する搬送経路上で、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加圧する加圧手段と、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加熱する加熱手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、熱圧着部の周面に搬送経路を形成し、この搬送経路に沿ってICチップが搭載されたフィルム基板を搬送しながら加圧手段で加圧すると共に、加熱手段で加熱して熱圧着を行うことで、熱圧着のために必要なスペースを低減できる。
【0009】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記搬送経路が、前記熱圧着部の周面または螺旋状に設けられていることが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、搬送経路を螺旋状に巻回するように形成することで、熱圧着部の周面により長く搬送経路が設けられる。したがって、熱圧着のために必要なるスペースをより低減できる。
【0010】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記加圧手段が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板の上下両面に配置されて、相対的に引力を有する一対の加圧テープによって構成され、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を挟持することで該ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、相対的に引力を有する一対の加圧テープでICチップが搭載されたフィルム基板を挟持し、加圧しながら搬送経路上を搬送することで、ICチップが搭載されたフィルム基板を熱圧着する。
【0011】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記一対の加圧テープが、磁気引力によって前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、相対的に磁気引力を有する一対の加圧テープでICチップが搭載されたフィルム基板を挟持して加圧する。
【0012】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記搬送経路と交差する方向に直流電流を流す通電手段を備え、電流を流すことによって前記磁石付テープとの間に発生するローレンツ力によって、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を前記搬送経路に沿って搬送することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、ICチップが搭載されたフィルム基板を挟持する磁石付テープ及び磁性体フィルムと通電手段とによってローレンツ力を発生させ、ICチップが搭載されたフィルム基板と磁石付テープと磁性体フィルムとを搬送経路に沿って搬送する。ここで、通電手段による直流電流の大きさを制御することで、フィルム基板の搬送速度を調節することができる。
【0013】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記搬送経路に、高圧エアが吐出する吐出孔が形成され、前記ICチップが搭載されたフィルム基板及び前記一対の加圧テープを前記高圧エアで浮上させながら搬送することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、高圧エアでフィルム基板及び一対の加圧テープを浮上させることで、搬送する際の摩擦係数を低減する。
【0014】
また、本発明のICチップ実装体の製造装置は、前記加熱手段が、前記吐出孔から高温高圧エアを吐出して前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加熱することが好ましい。
この発明にかかるICチップ実装体の製造装置では、吐出孔から高温高圧エアを吐出してフィルム基板を加熱すると共に、一対の加圧テープで挟持することで加圧する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のICチップ実装体の製造装置によれば、アンテナ回路が形成されたフィルム基板上にICチップを搭載し、熱圧着するときに、フィルム基板を一時的に停止することなくICチップを搭載し、熱圧着できるので、ICチップ実装体の製造効率が向上する。したがって、ICチップ実装体のコストダウンが図れる。また、筒状の熱圧着部本体の周面に搬送経路を形成し、この搬送経路に沿ってICチップが搭載されたフィルム基板を搬送しながら熱圧着を行うことで、熱圧着のために必要なスペースを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかるICチップ実装体の製造装置の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。
本実施形態によるICチップ実装体の製造装置1は、ICチップ実装体として例えばIDタグ2を製造する製造装置である。
【0017】
このIDタグ2は、図1に示すように、所定位置にアンテナ回路3aが形成されたフィルム基板3と、このアンテナ回路3a上の所定位置に搭載されるICチップ4と、カバーシート5とによって構成されている。
アンテナ回路3aは、フィルム基板3上に予め印刷技術やエッチングによって形成されており、図2に示すように、フィルム基板3上に等間隔で連続的に形成されている。
ICチップ4は、裏面4aにアンテナ回路3aに接続するための例えば銅または金で形成されたバンプ4bが設けられており、例えば導電性ペーストで形成された接着剤6を介してアンテナ回路3aと接続される。
カバーシート5は、一面が接着性を有しており、フィルム基板3及びICチップ4を覆うように配されている。
【0018】
このICチップ実装体の製造装置1は、図3に示すように、フィルム基板3を収容するフィルム基板収容部11と、フィルム基板3の所定位置にICチップ4を搭載するICチップ搭載部12と、ICチップ4とフィルム基板3とを熱圧着する熱圧着部13と、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3を巻き取る製品巻取り部14と、これらを制御する制御部15とで構成されている。
【0019】
フィルム基板収容部11は、図2に示すフィルム基板3のロール16を収容すると共にフィルム基板3が一定速度かつ一定張力になるように制御部15により制御されている。また、このフィルム基板収容部11から送り出されたフィルム基板3が、ICチップ搭載部12に向かって連続搬送されるように構成されている。
【0020】
ICチップ搭載部12は、ICチップ4を搬送されたフィルム基板3のアンテナ回路3a上にICチップ4を搭載し、熱圧着部13に搬送するように構成されている。
【0021】
熱圧着部13は、図4から図6に示すように、周面にICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送する搬送経路が設けられた熱圧着部本体21と、搬送経路上のICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送しながら加熱する高温送風機構(加熱手段)22と、搬送経路上のICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送しながら加圧する加圧手段23と、を備えている。
【0022】
熱圧着部本体21は、ほぼ円筒形状を有しており、その周面にICチップ4が搭載されたフィルム基板3を搬送する搬送経路が螺旋状に巻回するように設けられている。また、熱圧着部本体21には、この搬送経路に沿って高温送風機構22からの高温圧縮空気を噴射する噴射孔(吐出孔)21aが形成されており、搬送経路上を搬送されるフィルム基板3を熱圧着部本体21の周面から浮上させると共に加熱する。さらに、熱圧着部本体21には、熱圧着部本体21の周方向の等間隔で導電性を有する板状の通電バー(通電手段)24が、熱圧着部本体21の周面に対して間隙を介して配置されている。
【0023】
加圧手段23は、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の両面にそれぞれ配置される磁石付テープ(加圧テープ)25及び磁性体テープ(加圧テープ)26によって構成されている。
磁石付テープ25及び磁性体テープ26は、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3が熱圧着部本体21に搬送される前に図3に示す配置ローラ27によってフィルム基板3の上下両面にそれぞれ配置され、フィルム基板3が熱圧着部本体21から搬出された後で図3に示す離間ローラ28によってフィルム基板3から分離するように構成されている。また、磁石付テープ25及び磁性体テープ26は、熱圧着部本体21の搬入側と搬出側とがそれぞれ接続されており、エンドレスベルトとなっている。
【0024】
磁石付テープ25は、その一面に永久磁石が配置されており、磁性体テープ26との間で磁気吸引力が発生するように構成されている。そして、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の上下両面に配置された磁石付テープ25及び磁性体テープ26は、その磁気吸引力によってフィルム基板3を挟持してICチップ4及びフィルム基板3を加圧する。また、上述した通電バー24に図6に示す矢印A1方向に直流電流を流すことで、磁石付テープ25に対してローレンツ力が働き、フィルム基板3、磁石付テープ25及び磁性体テープ26がこのローレンツ力によって熱圧着部本体21の周面に沿って図5に示す矢印A2方向に搬送されることとなる。ここで、高温圧縮空気によってフィルム基板3、磁石付テープ25及び磁性体テープ26が浮上しているので、平滑に搬送される。
なお、通電バー24を流れる直流電流の大きさは、フィルム基板3、磁石付テープ25及び磁性体テープ26がローレンツ力によって熱圧着部本体21の周面に沿って搬送される搬送速度が、フィルム基板3の搬送速度と同期して等速であるように制御されている。また、上述した熱圧着部本体21と通電バー24との間隙は、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の両面に磁石付テープ25及び磁性体テープ26を配置した厚さよりも十分広いものとなっている。また、図6に示すように、磁石付テープ25とフィルム基板3との間に、磁気吸引力によるか圧力を調節するために、スペーサ29を介在させてもよい。
【0025】
製品巻取り部14は、製造されたIDタグ2を巻き取ってロール31として収容するように構成されている。
制御部15は、高温送風機構22の送風量や温度の制御を行う高温圧縮空気制御部41と、通電バー24を流れる電流量を制御する電流制御部42とを備えている。
【0026】
次に、IDタグの製造方法について図7を用いて説明する。
まず、製品巻取り部14は、フィルム基板3をフィルム基板収容部11から一定の速度でチップ搭載部13に搬送する(ステップST1)。
そして、チップ搭載部13が、アンテナ回路3aの所定位置にICチップ4を搭載する(ステップST2)。
その後、熱圧着部13が、ICチップ4とフィルム基板3とを熱圧着する(ステップST3)。
最後に、製品巻取り部14が、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3を巻き取る(ステップST4)。
【0027】
ここで、熱圧着部13によるICチップ4とフィルム基板3との熱圧着方法について図8を用いて詳細に説明する。
まず、ICチップ4が搭載されたフィルム基板3の上下両面に、磁石付テープ25及び磁性体テープ26をそれぞれ配置する。ICチップ4とフィルム基板3とは、磁石付テープ25及び磁性体テープ26の磁気吸引力によって加圧される(ステップST11)。
【0028】
熱圧着部本体21に搬送されたフィルム基板3は、噴射孔21aから噴射される高温圧縮空気によって加熱されながら、磁石付テープ25及び磁性体テープ26の磁気吸引力によって加圧される(ステップST12)。ここで、通電バー24には直流電流が流れているため、磁石付テープ25と直流電流とによってローレンツ力が発生し、フィルム基板3は磁石付テープ25及び磁性体テープ26によって挟持された状態を保ちながら熱圧着部本体21の搬送経路に沿って搬送される。なお、噴射孔21aから噴射される高温圧縮空気によってフィルム基板3と磁石付テープ25と磁性体テープ26とが熱圧着部本体21の表面に対して浮上しているため、ローレンツ力による搬送が平滑に行われる。
【0029】
熱圧着部本体21から搬出されたフィルム基板3から、磁石付テープ25及び磁性体テープ26をそれぞれ分離する(ステップST13)。以上のようにしてフィルム基板3とICチップ4とを熱圧着する。
【0030】
このように構成されたICチップ実装体の製造装置によれば、フィルム基板3を一時的に停止させることなく熱圧着が行えるので、IDタグ2の製造効率が向上する。
また、熱圧着部本体21の周面に螺旋状の搬送経路を形成することで、ICチップ4とフィルム基板3とを熱圧着させるために必要な専有スペースを削減することができる。
また、通電バー24を流れる直流電流の大きさを制御することで安定したフィルム基板3の搬送が行われる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、IDタグの製造装置であったが、ICチップを実装したカードであってもよい。
また、フィルム基板には予めアンテナ回路が形成されていたが、アンテナ回路を製作する装置を接着剤印刷装置の前に配置することで、アンテナ回路が形成されていないフィルム基板を供給するような装置であってもよい。
また、カバーフィルムがアンテナ回路及びICチップを挟むように覆うような構造にしてもよい。
また、フィルム基板のローラ21は、回転自在にしてもよい。
また、熱圧着部本体21は、モータによってフィルム基板を搬送してもよく、搬送経路として溝が形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明にかかる第1の実施形態におけるIDタグを示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図2】図1のフィルム基板を示す平面図である。
【図3】本発明にかかる一実施形態におけるICチップ実装体の製造装置を示す概略側面図である。
【図4】図3の熱圧着部を示す正面図である。
【図5】図3の熱圧着部を示す底面図である。
【図6】図5の熱圧着部本体の部分拡大断面図である。
【図7】本発明にかかる第1の実施形態におけるIDタグの製造手順を示すフローチャートである。
【図8】図7の熱圧着手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 ICチップ実装体の製造装置
2 IDタグ(ICチップ実装体)
3 フィルム基板
4 ICチップ
11 フィルム基板収容部(搬送部)
12 ICチップ搭載部
13 熱圧着部
14 製品巻取り部(搬送部)
21 熱圧着部本体
21a 噴射孔(吐出孔)
22 高温送風機構(加熱手段)
23 加圧手段
24 通電バー(通電手段)
25 磁石付テープ(加圧テープ)
26 磁性体テープ(加圧テープ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム基板を搬送する搬送部と、
前記フィルム基板上にICチップを搭載するICチップ搭載部と、
前記ICチップ及び前記フィルム基板を熱圧着する熱圧着部とを備え、
前記熱圧着部が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を搬送する搬送経路上で、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加圧する加圧手段と、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加熱する加熱手段とを有することを特徴とするICチップ実装体の製造装置。
【請求項2】
前記搬送経路が、前記熱圧着部の周面または螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項3】
前記加圧手段が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板の上下両面に配置されて、相対的な引力を有する一対の加圧テープによって構成され、
前記ICチップが搭載されたフィルム基板を挟持することで該ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することを特徴とする請求項1または2に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項4】
前記一対の加圧テープが、磁気引力によって前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することを特徴とする請求項3に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項5】
前記搬送経路と交差する方向に直流電流を流す通電手段を備え、
電流を流すことによって前記磁石付テープとの間に発生するローレンツ力によって、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を前記搬送経路に沿って搬送することを特徴とする請求項4に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項6】
前記搬送経路に、高圧エアが吐出する吐出孔が形成され、
前記ICチップが搭載されたフィルム基板及び前記一対の加圧テープを前記高圧エアで浮上させながら搬送することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項7】
前記加熱手段が、前記吐出孔から高温高圧エアを吐出して前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加熱することを特徴とする請求項6に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項1】
フィルム基板を搬送する搬送部と、
前記フィルム基板上にICチップを搭載するICチップ搭載部と、
前記ICチップ及び前記フィルム基板を熱圧着する熱圧着部とを備え、
前記熱圧着部が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を搬送する搬送経路上で、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加圧する加圧手段と、前記搬送経路上の前記ICチップが搭載されたフィルム基板を停止させることなく加熱する加熱手段とを有することを特徴とするICチップ実装体の製造装置。
【請求項2】
前記搬送経路が、前記熱圧着部の周面または螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項3】
前記加圧手段が、前記ICチップが搭載されたフィルム基板の上下両面に配置されて、相対的な引力を有する一対の加圧テープによって構成され、
前記ICチップが搭載されたフィルム基板を挟持することで該ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することを特徴とする請求項1または2に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項4】
前記一対の加圧テープが、磁気引力によって前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加圧することを特徴とする請求項3に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項5】
前記搬送経路と交差する方向に直流電流を流す通電手段を備え、
電流を流すことによって前記磁石付テープとの間に発生するローレンツ力によって、前記ICチップが搭載されたフィルム基板を前記搬送経路に沿って搬送することを特徴とする請求項4に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項6】
前記搬送経路に、高圧エアが吐出する吐出孔が形成され、
前記ICチップが搭載されたフィルム基板及び前記一対の加圧テープを前記高圧エアで浮上させながら搬送することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のICチップ実装体の製造装置。
【請求項7】
前記加熱手段が、前記吐出孔から高温高圧エアを吐出して前記ICチップが搭載されたフィルム基板を加熱することを特徴とする請求項6に記載のICチップ実装体の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−163790(P2006−163790A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354069(P2004−354069)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
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