説明

ICE阻害剤を使用する感染性疾患の処置

本発明は、ICE阻害剤を投与することによる、とりわけ目の、感染症または他の疾患を処置するための方法および組成物に関する。本発明はまた、ICE阻害剤を投与することによる、目の傷害、アレルギー、化学的刺激または火傷の処置法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はICE阻害剤を含む、感染症ならびに他の疾患および障害を処置するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
緑膿菌(P. aeruginosa)性角膜炎は、コンタクトレンズに関連する微生物性感染症の報告された症例の約3/4にのぼる、視力を脅かす角膜疾患である(Liesegang, 1997)。疾患は急速に進行して角膜の潰瘍化を引き起こし、そして積極的に処置されないときには、角膜損傷から視力の永久的な喪失を導き得る(Laibson, 1972)。緑膿菌性角膜炎中の組織損傷は、複数の微生物(Engel et al., 1998; Kernacki et al., 1995)および宿主関連因子(Steuhl et al., 1987; Steuhl et al., 1989)から起こり得る。しかしながら、宿主炎症反応が、P. aeruginosaでの眼感染症の発症に重要な役割を果たしていることが実験的に示された(Hazlett, 2002; Huang et al. , 2002; Kernacki et al., 2000; McClellan et al., 2003 ; Rudner et al., 2000 ; Thakur et al. , 2002; Xue et al., 2003a; Xue et al., 2003b)。
【0003】
細菌性角膜炎の管理は、感染生物の排除および宿主の破壊的炎症反応の抑制を意図する。通常、アミノグリコシドおよび強化眼用溶液中の第3世代セファロスポリンでの二剤療法(Baum and Barza, 2000;Dart and Seal, 1988; Guzek et al., 1994)、またはフルオロキノロンでの単独療法(Leibowitz, 1991; Parks et al., 1993)が緑膿菌性角膜炎の処置に処方されている。抗生物質(とりわけフルオロキノロン)耐性P. aeruginosa株によりもたらされる、難治性細菌性角膜炎の近年の増加(Chaudhry et al., 1999; Garg et al., 1999; Kunimoto et al. , 1999; Landman et al., 2002)は、重大な懸案事項であり、そしてまた治療選択肢を制限し得る。
【0004】
コルチコステロイドは抗細菌治療での残留炎症を処置するための標準的な抗炎症性医薬である。現在、コルチコステロイドのみが細菌性角膜感染症後に起こっている炎症反応の抑制のための眼用溶液において利用可能である。しかしながら、原因生物の同定および抗細菌治療に対する応答(または抗生物質感受性)は、コルチコステロイド治療を開始する前に考慮すべき重要な制限的要素である。宿主介在性組織損傷の減少に対するコルチコステロイドの影響(有益なまたは有害な)を、細菌性角膜炎において最終的に証明されていない(Hobden et al., 1993; Hobden et al., 1992; Phillips et al., 1983; Waterbury et al., 1987; Wilhelmus, 2002)。したがって、コルチコステロイドの問題となる役割および抗生物質に対するP. aeruginosaの耐性株の出現は、新規な補助治療手法の開発を保証する。
【0005】
サイトカイン(とりわけIL−1βおよびTNF−α)は、それらが多くの疾患を起こし、かつ維持させ得るため、最適な治療標的である。様々な戦略、例えば可溶性受容体、抗体、受容体アンタゴニストまたは阻害剤を、サイトカインを阻害するために使用する。これらの特異的な抗サイトカインを基礎とする治療は、多くの慢性炎症または自己免疫疾患における炎症の減少を示し、そしてヒトへの使用についてFDAから認可されている(Bresnihan et al., 1998; Mohler et al., 1993; Nuki et al., 2002; van Deventer, 1999)。緑膿菌性角膜炎の発症におけるIL−1βの重要性は、本発明以前の研究によって示された(Rudner et al., 2000 ; Thakur et al., 2002; Xue et al., 2003b)。IL−1β発現の持続的な上昇したレベルは、角膜疾患の重症度と相関するが、一方で減少したレベルは(抗体中和またはIL−1β受容体の阻害後)、減少した疾患重症度に帰する。
【0006】
細菌性角膜炎は、広域スペクトルの抗菌剤にもかかわらず、とりわけコンタクトレンズ使用者において、視力を制限する瘢痕および視覚障害の主要な原因である(Poggio et al., 1989; Schein et al., 1989; Schein and Poggio, 1990)。米国だけでも3千万を超える人々がコンタクトレンズを使用し(Barr et al., 2000)、そして1日装着コンタクトレンズ使用者の2,500人に1人が、そして長期装着コンタクトレンズ使用者の500人に1人が、毎年細菌性角膜炎を発症している(Schein and Poggio, 1990)。伝統的には、広域スペクトルの抗生物質(しばしばシプロフロキサシン)治療は、原因生物を同定するための培養を得た後に、すぐに角膜炎症例において開始される。抗微生物処置がしばしば角膜の滅菌をもたらすにもかかわらず、残存した宿主由来炎症のため、クリアーな視軸は保証されない。これは角膜の透明性を回復するためにコルチコステロイドの使用を必要とし得る。いくつかの症例において、コルチコステロイドの使用は角膜傷害治癒の遅延を含む、潜在的な有害事象を有し得る(Leibowitz et al.,1996 ; Singh, 1985)。
【0007】
したがって、感染症、とりわけ眼感染症において炎症を処置するための他の方法に対する必要性が存在する。
【0008】
ICE(カスパーゼ1としても知られる)は、IL−1βおよびIL−18の前駆体を活性なサイトカインへと切断する細胞内プロテアーゼである(Akita et al., 1997; Kuida et al., 1995)。他のプロテアーゼ(細菌性および宿主性プロテアーゼを含む)はpro−IL−1βを処理することができるが、ICE欠損(ICE−/−)マウスは内毒素に対する応答において成熟IL−1βを放出することができないことが示されている(Fantuzzi et al. , 1997 ; Li et al., 1995)。
【0009】
しかしながら、ICE阻害剤はある疾患、例えば細菌性角膜炎の処置において治療上有効であることを示した。したがって、細菌性角膜炎のような感染症の処置のための、小分子ICE阻害剤に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0010】
本発明は感染症およびICE阻害剤と関連する障害の処置法に関する。本発明はまた、ICE阻害剤を投与することによる、眼の傷害、アレルギー、化学刺激または火傷の処置法に関する。
【0011】
出願人は、P. aeruginosaの臨床分離株またはシプロフロキサシン耐性P. aeruginosa株によって誘導される実験的角膜感染症において、ICE阻害剤の効果を示した。臨床スコア、組織病理学、MPO活性、細菌プレート計数およびELISA分析を使用して、P. aeruginosa株19660での角膜感染後のC57BL/6(B6)マウスにおいて、ICE阻害剤対プラセボ+/−シプロフロキサシンでの処置(感染後18時間)の効果を評価した。臨床スコアは、ICE阻害剤対プラセボ+/−シプロフロキサシン処置マウスにおいて、感染後(p.i.)3、5および7日目で顕著に低下した。減少した炎症反応も、ICE阻害剤対プラセボ+/−シプロフロキサシンで処置したマウスの角膜において、感染後7日で、MPO活性ならびにIL−1βおよびMIP−2のタンパク質レベルの減少によって明らかとなった。
【0012】
同様に、細菌負荷は、ICE阻害剤対シプロフロキサシンなしのプラセボで処置されたマウスにおいて、感染後7日で、角膜において減少した。ICE阻害剤はまた、臨床単離株1025またはシプロフロキサシン耐性P. aeruginosa株によって誘導される角膜感染後の臨床スコアを低下させた。ICE阻害剤の単独での、またはシプロフロキサシンとの投与は、角膜疾患の重症度を顕著に減少させ、そして、細菌感染後の宿主炎症反応を、ICEおよびIL−1βを標的とする治療戦略によってうまく管理することができることを示す。
【0013】
本発明はICE/カスパーゼ1に対して選択的であれ、他のカスパーゼ(例えば2〜14)の範囲に対して広く活性であれ、ICE/カスパーゼ1の阻害剤の使用を含む。ICEの阻害およびIL−1β生成物の阻害によるこの処置は、感染症の症状を軽減し、および/または感染症を軽減する。好ましい態様において、該阻害剤は選択的ICE阻害剤である。
【0014】
本発明はまた、これらの疾患を処置するために有用な薬剤の同定法に関する。
【0015】
本発明はまた、本発明の方法を実施するための組成物およびキットの製造法に関する。
【発明の詳細な記載】
【0016】
本発明は感染症、とりわけ眼の感染症を、ICE阻害剤の投与によって処置する方法を提供する。
【0017】
出願人はICE阻害剤の単独での、または抗生物質との組合せでの使用が動物モデルにおける角膜炎の処置に極めて有効であることを証明した。
【0018】
具体的には、出願人はICE阻害剤が宿主炎症反応を制御することにより、ならびに、おそらくは減少した炎症性環境における効果的な細菌殺傷のため細菌増殖を制限する阻害剤の能力により、角膜分解を調節することができることを証明した。データは、内因性IL−1β活性の減少が組織損傷性宿主由来炎症反応の下方制御によってP. aeruginosaに対する宿主防御を改善する証拠を提供する。
【0019】
したがって、本発明の1つの態様は、宿主炎症反応の制御のための治療戦略を提供する。
【0020】
出願人は、驚くべきことに、ICE阻害剤がモデルにおいて炎症を減少させるだけでなく、細菌増殖も減少させることを証明した。理論に拘束されないが、出願人は、とりわけ細菌が損傷の減少した角膜において増殖することができないため、ICE阻害剤が細菌増殖を減少させると考える。
【0021】
本発明のさらなる利点は、ICE阻害剤が疼痛、掻痒および様々な感染症に関連する不快感のような症状を減少させることができることである。有利には、これらの利点は複数の化合物(例えば抗菌剤と抗炎症剤)を使用するよりもむしろ、単一の薬剤を使用することにより達成することができる。したがって本発明は、微生物感染症の病原性および/または炎症および/または疼痛を予防、阻害、調節、終了、管理、または減少させるために提供される。好ましい態様において、感染症、炎症または疼痛は眼におけるものである。
【0022】
ICE阻害剤処置マウスは、プラセボ処置群と比較して、IL−lβおよびMIP−2(PMNに対する化学誘因物質)の顕著に減少したレベル、減少したPMN浸潤および細菌負荷を示した。ICE阻害剤処置群の組織病理学的試験は、無傷の角膜上皮で浸潤細胞の顕著な減少を示し、そして臨床スコア観察を支持した。ICE阻害剤と局所抗生物質(シプロフロキサシン)の添加は、角膜疾患成績のさらなる改善を生み出した。
【0023】
重要なことに、出願人はICE阻害剤が標準的なATCC研究株(19660)に対してのみならず、臨床分離株(KEI−1025)に対しても有効であることを示した。さらに、ICE阻害が親19660株に由来のシプロフロキサシン耐性株に対して有効であることを発見した。臨床スコアは、シプロフロキサシン耐性P. aeruginosa株で感染後のICE阻害剤処置角膜において顕著に減少した。
【0024】
様々な研究(Chaudhry et al., 1999; Garg et al., 1999; Kowalski et al., 2001; Kunimoto et al., 1999)がインビトロでの抗生物質耐性と角膜炎患者における抗生物質に対する臨床的不応答との関係を示した。Gargら(1999)は、Pseudomonas角膜炎の141の培養確認済み(culture-proven)症例の、22症例がシプロフロキサシンに耐性の単離株によって引き起こされた(平均MIC43mg/ml)と報告した。シプロフロキサシンで最初に処置された19症例(22症例中)の、15症例(76.7%)が、悪化したか、または集中治療の3日後に臨床的改善が見られず、そして抗生物質治療の改変、角膜移植または摘出が必要であった。不利な結果に至るPseudomonasの抗生物質耐性の増加した発生率と、抗細菌治療への不応答は、新規な治療戦略の探求への強力な理由を提供する。ICE阻害剤は抗生物質耐性Pseudomonas角膜炎症例への新規な治療戦略であり得る。したがって、本発明は、とりわけ抗生物質耐性株によって引き起こされる微生物性角膜炎の症例において、細菌増殖を制御する方法を提供する。
【0025】
何らかの微生物または病原体による感染症、例えばUS2004/0229802に記載のもの(とりわけ0028〜0039段落参照)は、本発明にしたがって処置され得る。理解されるとおり、係る病原体は刺激、炎症、発赤、疼痛、組織損傷、および他の有害事象および症状を引き起こし得る。したがって、本発明の方法は、対象における感染症またはその症状(細菌性感染症、ウイルス性感染症、寄生虫性感染症または真菌性感染症を含む)を改善、処置、または予防するために使用することができ、該対象にICEを阻害する化合物を投与することを含む。好ましい態様において、該方法は眼感染症の改善、処置または予防用である。好ましい態様において、該方法は角膜炎(浸潤性角膜炎を含む)または角膜潰瘍の改善、処置または予防用である。本発明の処置により改善される他の眼疾患には、限定されないが、US2004/0229802に記載のもの(とりわけ0025段落参照)が含まれる。コンタクトレンズ使用と関係する感染症も含まれる(例えば、コンタクトレンズ関連充血(CLARE)、コンタクトレンズ誘導性辺縁潰瘍(CLPU))。
【0026】
他の態様において、本発明は対象にICEを阻害する化合物を投与することを含む、対象における細菌増殖を減少させる方法を提供する。他の態様において、本発明はICE阻害剤と抗菌剤を共投与し、それによって対象における細菌増殖を減少させる方法を提供する。
【0027】
他の態様において本発明は、対象にICEを阻害する化合物を投与することを含む、対象における眼の傷害、アレルギー、化学刺激または火傷を改善、処置または予防する方法を提供する。好ましい態様において本発明は、眼傷害の治癒の促進および改善された視覚の明瞭さを提供する。好ましい態様において眼傷害は、限定されないが、剥離、裂傷、擦過傷、外科手術による外傷、不慮の、または偶発的な外傷、および打撲を含む角膜傷害である。他の態様において本発明は、対象にICEを阻害する化合物を投与することを含む、ドライアイ(乾性角結膜炎)、シェーグレン症候群、眼の老化を改善、処置または予防する方法を提供する。他の態様において本発明は、感染症または炎症の副作用または眼外科手術に関連する疼痛を改善、処置または予防するために使用することができる。
【0028】
本発明は、眼の表面組織の炎症または発赤の処置にとりわけ有用である。炎症と関連する眼傷害には、例えば、結膜炎(細菌性結膜炎、真菌性結膜炎またはウイルス性結膜炎)、ブドウ膜炎、角膜裏面沈着物、黄斑浮腫、内眼レンズ移植後の炎症反応および外科手術または眼傷害によって引き起こされた損傷が含まれる。他の態様において本発明は、これらの障害の改善、処置または予防方法を提供する。
【0029】
したがって、本発明は眼の刺激、炎症、発赤、疼痛、組織損傷、および他の有害な症状の改善、処置または予防のために提供される。
【0030】
化合物は、対象、例えば動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトにおいて、感染性疾患状態を含む疾患および障害を処置するために使用することができる。本発明の方法は動物園用、実験用および家畜用動物を含む動物用施設において使用することができる。したがって、動物を含む対象、例えば霊長類、げっ歯類、および鳥類(限定されないが、モルモット、ハムスター、スナネズミ、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、アカゲザル、サル、タマリンド、サル、ヒヒ、ゴリラ、チンパンジー、オラウータン、テナガザル、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、シカ、およびダチョウを含む)。
【0031】
ICEを阻害する化合物を本発明の方法および組成物において使用することができる。かかる化合物には、ICEを選択的に阻害する化合物およびカスパーゼまたはICE/CED−3ファミリーの1以上の酵素を阻害する化合物が含まれる。かかるICE阻害剤には限定されないが、WO04/058718、WO04/002961、WO03/088917、WO03/068242、WO03/042169、WO98/16505、WO93/09135、WO00/55114、WO00/55127、WO00/61542、WO01/05772、WO01/10383、WO01/16093、WO01/42216、WO01/72707、WO01/90070、WO01/94351、WO02/094263、WO02/42278、WO03/106460、WO03/103677、WO03/104231、US6,184,210、US6,184,244、US6,187,771、US6,197,750、US6,242,422, April 2001 American Chemical Society (ACS) meeting in San Diego, California、USA.、WO02/22611、US2002/0058630、WO02/085899、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545およびWO01/90063に記載の化合物が含まれる(本明細書に記載のこれらの文献を、出典明示により本明細書の一部とする)。本発明の使用に好ましい化合物は、WO04/058718、WO04/002961、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545およびWO01/90063に記載されている。
【0032】
構造の全ての同位体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または立体))形態、例えば各不斉中心についてRおよびS立体配置、(Z)および(E)二重結合異性体、および(Z)および(E)立体配座異性体が含まれる。したがって、本発明の化合物の、1つの立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または立体)異性体混合物が、本発明の技術的範囲内である。特に言及がない限り、本発明の化合物の全ての互変異性型は、本発明の技術的範囲内である。さらに、特に言及がない限り、本明細書に記載の構造はまた、1以上の同位体に富む原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、上記構造を有する化合物は、重水素または三重水素による水素の置換、または13C−または14C−に富む炭素による炭素の置換を除き、本発明の技術的範囲内である。
【0033】
本発明に使用する化合物はまた、選択的生物学的特性を上昇させるために、好適な官能基を付加することによって修飾することができる。かかる修飾は当業者に既知であり、所望の生物学的系(例えば血管、リンパ管系、または中枢神経系)への生物学的的浸透を上昇させる、経口利用能を上昇させる、注射による投与を可能とするため溶解性を上昇させる、代謝を変化させる、および/または排泄速度を変化させるものが含まれる。
【0034】
本発明のより好ましい化合物には:
【化1】

および
【化2】

を含む、その各立体異性体;
【化3】

および
【化4】

を含む、その各立体異性体;
【化5】

および
【化6】

を含む、その各立体異性体;ならびに
【化7】

および
【化8】

を含む、その各立体異性体;
が含まれる。
【0035】
本発明の化合物は、ICEを阻害しおよび/またはIL−1、とりわけIL−lβおよびIL−18レベルを減少させる。これらの化合物は、例えば、IL−1および/またはIL−18生産阻害、IL−1βおよび/またはIL−18レベルの制御、および/またはIL−1βおよび/またはIL−18活性への影響の能力についてアッセイすることができる。各活性についてのアッセイは、当業者に既知であり、下記実施例において詳細に記載されている。したがって、これらの化合物は、本明細書に記載のICEおよび/またはIL−1β介在性疾患における事象を標的化および阻害することができる。
【0036】
本発明はまた、本明細書に記載の方法および当業者に既知の方法により、抗感染活性について化合物(ICE阻害剤)をアッセイする方法を提供する。
【0037】
本発明の医薬組成物および方法は、したがって、インビトロまたはインビボでIL−1βレベルおよび/または活性を制御するのに有用である。したがって本発明の組成物および方法は、インビボでIL−1βレベルを制御するのに、そして本明細書に記載の疾患、障害または効果を含む、ある状態の進行、重症度または影響を処置または減少させるために有用である。
【0038】
他の態様において本発明は、上記本発明の化合物(ICE阻害剤)または薬学的に許容されるその誘導体(例えば塩)、および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0039】
他の態様において、本発明の組成物はさらに、他の治療剤を含み得る。かかる薬剤には、限定されないが、組織プラスミノーゲンアクチベーターおよびストレプトキナーゼのような血栓溶解剤、抗炎症剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、サイトカインアンタゴニスト、免疫抑制剤、抗がん剤、抗ウイルス剤、サイトカイン、成長因子、免疫調節剤(例えばブロピリミン、抗ヒトαインターフェロン抗体、IL−2、GM−CSF、メチオニンエンケファリン、インターフェロンα、インターフェロンα、ジエチルジチオカルバメート、腫瘍壊死因子、ナルトレキソンおよびrEPO)、プロスタグランジン、または抗血管増殖化合物が含まれる。他の薬剤には、限定されないが、下記の1以上が含まれる:さらなるICE阻害剤、NSAID(例えばWO01/08689参照)、抗菌剤、抗細菌剤、抗炎症剤、および他の薬剤を、それらが本発明の目的と反しない限り、含む(限定されないが、US2004/0191332、とりわけ0042−0051段落およびWO01/08689に記載の薬剤を含む)。
【0040】
有効成分として本発明の化合物のみを含む医薬組成物において、これらの組成物を投与する方法は、さらに対象に、本明細書に記載のもののようなさらなる薬剤を投与する工程を含み得る。第2の薬剤を使用するとき、該第2の薬剤は別々の投与形態として、または本発明の化合物もしくは組成物との単一投与形態の一部として投与され得る。
【0041】
“薬学的に許容される担体”との用語は、本発明の化合物と共に患者に投与することができ、かつその薬理活性を破壊しない無毒な担体を意味する。
【0042】
これらの組成物において使用し得る薬学的に許容される担体には、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、リン酸、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムのような緩衝物質、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が含まれる。
【0043】
上記組成物中に存在する化合物の量は、疾患の重症度において、またはICE阻害、IL−1および/またはIL−18レベル、もしくはIL−1および/またはIL−18活性において、検出可能な減少を引き起こすのに十分であるべきである。
【0044】
本発明の薬学的に許容される塩をこれらの組成物において使用するとき、これらの塩は好ましくは無機または有機酸、または塩基に由来する。このような酸塩には、とりわけ下記が含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ブチル酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩。塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンのような有機塩基との塩、およびアルギニン、リシンのようなアミノ酸との塩等が含まれる。
【0045】
また、塩基性窒素含有基を、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような低級アルキルハライド;ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル硫酸塩のようなジアルキル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような長鎖ハライド;臭素化ベンジルおよびフェネチルのようなアラルキルハライド等のような試薬で四級化することができる。したがって、水または油に溶解性もしくは分散性の生成物を得る。
【0046】
好ましい態様において、本発明の化合物は、対象、例えば哺乳類、好ましくはヒトへの医薬投与用に製剤される。
【0047】
かかる本発明の医薬組成物は、経口的に、非経腸的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔的に、経膣的にまたは埋め込み容器を介して投与することができる。“非経腸的”との用語は、本明細書において、皮下、静脈、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射ならびに輸液技術が含まれる。好ましくは、組成物は眼への投与用に製剤される。
【0048】
本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水または油懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、当業者に既知の技術により、好適な分散剤または湿潤剤、および分散剤を使用して製剤することができる。
【0049】
滅菌注射可能製剤はまた、無毒な、非経腸的に許容される希釈剤または溶媒、例えば1,3−ブタンジオール中の滅菌注射可能溶液または分散液であり得る。使用され得る許容されるビークルおよび溶媒は、水、リンガー液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁用媒体として通常使用される。この目的のため、合成モノ−またはジ−グリセリドを含む任意の無菌固定油を使用することができる。オリーブ油およびヒマシ油、とりわけそれらのポリオキシエチル化されたもののような天然の薬学的に許容される油と同様、オレイン酸のような脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は注射液の製剤に有用である。これらの油溶液または懸濁液は、乳液および懸濁液を含む薬学的に許容される投与形態の製剤において一般的に使用される、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤のような、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。他の一般的に使用される界面活性剤、例えばTween、Spanおよび他の乳化剤または薬学的に許容される固体、液体または他の投与形態の製造において一般的に使用されるバイオアベイラビリティー上昇剤も、製剤の目的で使用することができる。
【0050】
固体担体が使用されるとき、製剤を錠剤化する、粉体またはペレット形態で硬ゼラチンカプセル中に詰める、またはトローチまたはロゼンジの形態とすることができる。固体担体の量は、例えば約25mg〜400mgで変化し得る。液体担体を使用するとき、製剤は、例えばシロップ、乳液、軟ゼラチンカプセル、滅菌注射可能溶液、例えばアンプルまたは非水性液体懸濁液の形態であり得る。組成物がカプセルの形態であるとき、任意の常套のカプセル化が好適であり、例えば硬ゼラチンカプセル殻中に上記担体を使用する。
【0051】
シロップ製剤は液体担体、例えばエタノール、グリセリン、または水中の、香味剤または着色料との化合物の懸濁液または溶液からなる。エアロゾル製剤は液体担体、例えば水、エタノールまたはグリセリン中の化合物の溶液または懸濁液からなり;一方、パウダードライエアロゾルにおいて、製剤は例えば湿潤剤を含み得る。
【0052】
本発明の製剤は、有効成分を、その1以上の許容される担体と共に、および所望により他の治療剤(複数も可)を含む。該担体は製剤中の他の有効成分と適合し、その受容者に有害でないとの意味において“許容される”べきである。
【0053】
本発明の医薬組成物は、限定されないが、カプセル、錠剤、および水性懸濁液または溶液を含む任意の経口的に許容される投与形態において、経口的に投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用される錠剤にはラクトースおよびコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も、典型的には加えられる。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤にはラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液が経口的使用のために必要であるとき、有効成分を乳化剤および懸濁化剤と組み合わせる。所望により、特定の甘味剤、香味剤、または着色剤も加えることができる。
【0054】
あるいは、本発明の医薬組成物を経直腸投与のために座薬の形態で投与することができる。これらは、薬剤を、室温では固体であり、直腸温度では液体であり、したがって直腸内で溶解して薬剤を放出する、好適な非刺激性の賦形剤と混合して製造することができる。かかる物質にはココアバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0055】
本発明の医薬組成物はまた、眼、皮膚または下部腸管の疾患を含む、とりわけ処置の標的に局所使用によって容易に到達可能である領域または臓器を含むとき、局所的に投与することができる。好適な局所製剤はこれらの領域または臓器の各々について、容易に製造される。
【0056】
下部腸管についての局所投与は、直腸座薬製剤(上記参照)または好適なかん腸製剤で達成できる。局所用経皮パッチも使用することができる。
【0057】
局所投与のため、医薬組成物を、1以上の担体に懸濁または溶解させた有効成分を含む好適な軟膏に製剤することができる。本発明の化合物の局所投与用担体には、限定されないが、鉱物油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が含まれる。あるいは、医薬組成物を1以上の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解させた有効成分を含む好適なローションまたはクリームに製剤することができる。好適な担体には、限定されないが、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が含まれる。
【0058】
眼用組成物において、担体は眼用に許容される、すなわち問題の濃度または量で眼組織に適合する物質であるべきである。かかる物質は眼組織と接触させたとき、顕著なまたは不適当な副作用を引き起こすことがない。かかる担体の例は当業者に既知である(例えばWO01/08689およびUS2004/0229802参照)。水性担体、とりわけ少なくとも50重量%が水であるものが好ましい。
【0059】
眼用組成物において、担体には薬学的内または眼科的に許容される成分、例えば張性(または等張性)調節剤、バッファー、粘性剤(例えば増粘剤)、滑沢剤、界面活性剤、保存剤、乳化剤、湿潤剤、増量剤(bodying agent)、チキソトロープ剤、保護剤および眼用組成物において典型的に使用されるその他の成分が含まれる。かかる担体および眼に許容される成分の例は当業者に既知である(例えば、WO01/08689、US2004/0198763、US2004/0191332、US2004/0191332およびUS2004/0229802参照、これらを参照により本明細書の一部とする)。
【0060】
好ましくは、眼用組成物のpHは意図される対象の生理的範囲内である(例えば、約3、4または5から約7.5、8.5、または9、好ましくは約7、約7.5、または約8)。
【0061】
本発明の眼用組成物は、眼への投与に好適な任意の形態、例えば溶液、懸濁液、軟膏、ゲル、および個体であり得る(例えばWO01/08689参照)。個体挿入および人工涙液が含まれる。
【0062】
眼への使用のために、医薬組成物を、等張pH調節滅菌食塩水中の微粉懸濁液として、または好ましくは塩化ベンザルコニウムのような保存剤添加または無添加の等張pH調節滅菌食塩水中の溶液として製剤することができる。あるいは、眼への使用のために、医薬組成物をワセリンのような軟膏中で製剤することができる。1つの態様において、組成物は本明細書のとおりに製剤される。他の眼用製剤は、例えば U. S. Patent 6,645,994 および/またはU. S. Patent 6,630,473において見ることができる。
【0063】
本発明の医薬組成物はまた、経鼻エアロゾルまたは吸入により投与することができる。かかる組成物は医薬製剤の分野において既知の技術によって製造され、そしてベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティーを向上させるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当業者に既知の他の常套の溶解剤または分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として製造することができる。
【0064】
本発明の組成物はまた、キレート剤または捕捉成分または安定化剤を含み得る(例えばWO01/08689およびUS2004/0229802に記載のもの)。
【0065】
本発明の組成物は常套の技術によって製造することができる。本発明の1つの態様は、ICE阻害剤および担体(好ましくは滅菌精製水)を含み、かつ所望により本明細書に記載のさらなる薬剤の組合せを含む点眼組成物の製造法を提供する。眼軟膏はICE阻害剤と基剤の組合せによって製造することができる(例えば、US2004/0198763参照)。
【0066】
薬学的に許容される担体または希釈剤が混合される有効成分の量、投与経路、および他の既知の変更可能点によって決定されることは、当業者に理解される。
【0067】
眼用および他の製剤の製造および投与の記述は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(旧Remington's Pharmaceutical Sciences)に見出される。
【0068】
上記化合物および組成物はまた、ある感染性疾患に関する治療適用に有用である。
【0069】
本発明の化合物はIL−1βおよび/またはIL−18の放出を阻害し得、したがって本明細書に記載の疾患のいくつかの病態生理学的効果を阻害またはブロックするために有用であり得る。
【0070】
本発明はまた、(1)細胞からのIL−1βおよび/またはIL−18放出を阻害すること、および/または(2)ヒトを含む動物におけるIL−1βおよび/またはIL−18の過剰に高い組織レベルの不適当な、毒性または致死作用を予防することによって、ある疾患を処置するための治療法に関する。この方法は、哺乳類に、有効なICE阻害量の1個以上のICE/CED−3阻害剤を投与することを含む。この方法はまた、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症および寄生虫感染症を含むそれに影響されるある疾患の予防的処置または予防に使用することができる。本発明は、それを必要とするヒトを含む哺乳類に、かかる化合物の有効量(すなわち、治療上有効量)を投与することによる、これらの疾患の治療法を提供する。
【0071】
化合物は、ICEを阻害することおよびIL−1βおよび/またはIL−18の放出を阻害することまたはIL−1βおよび/またはIL−18レベルおよび活性、ならびにこれらの状況の各々においてIL−1βおよび/またはIL−18の過剰レベルの病態生理学的作用を低下させることによって、ある疾患の抑制または治癒を直接促進し、そして正常機能の回復を促進する。併せて、これらの作用は感染疾患の処置におけるそれらの新規な使用と関連する。
【0072】
ICE阻害は当業者に既知の方法によって、そして本明細書により詳しく記載のとおりに測定することができる。
【0073】
化合物は単球、マクロファージ、神経細胞、内皮細胞、上皮細胞、間葉細胞(例えば:繊維芽細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、心筋細胞)および多くの他のタイプの細胞による、IL−1βおよび/またはIL−18の放出を阻害するのに有用であり得る。
【0074】
“状態”または“状況”との用語は、対象において有害な生物学的結果をもたらす任意の疾患、障害、または影響を意味する。
【0075】
患者の血中もしくは細胞中または細胞培養物(すなわち細胞内または細胞培養培地内)中のIL−1βおよび/またはIL−18タンパク質レベルは、例えばIL−1βおよび/またはIL−18と、あるいは活性IL−1βおよび/またはIL−18の存在の結果物として生産されることが知られている他のタンパク質と免疫特異的に結合するアッセイによって測定することができる。かかる方法は当業者に既知である。例えば、使用することができる免疫アッセイには、限定されないが、競合および非競合アッセイ系、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素免疫測定)、“サンドイッチ”イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル内沈降反応、凝集アッセイ、補体捕捉アッセイ、免疫放射アッセイ、蛍光イムノアッセイ、タンパク質Aイムノアッセイおよび標識化抗体でのFACS分析が含まれる。かかるアッセイは当業者に既知である(例えば、Ausubel et al, eds, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York参照、その全体を参照により本明細書の一部とする)。
【0076】
競合的結合アッセイもIL−1βおよび/またはIL−18のレベルを測定するために使用することができる。競合的結合アッセイの1つの例は、IL−1βを発現している細胞由来の標識化タンパク質(例えばHまたは125I)と、抗IL−1β抗体との、大量の未標識化IL−1βの存在下でのインキュベーション、および標識化IL−1βと結合している抗IL−1β抗体の検出を含むラジオイムノアッセイである。特定の抗原についての所望の抗体の親和性および結合解離速度を、Scatchardプロット分析によるデータから決定することができる。2次抗体との競合も、ラジオイムノアッセイを使用して測定することができる。この場合、抗原を標識化化合物(例えばHまたは125I)と結合した所望の抗体と、大量の未標識化2次抗体の存在下でインキュベーションする。
【0077】
IL−1βおよび/またはIL−18レベルはまた、活性によってアッセイすることができ、例えば、IL−1βレベルを、IL−1または成長因子のようなサイトカインの生物活性レベルを検出することができる細胞株によってアッセイすることができる。1つの態様において、生物試料中の生物活性IL−1βのレベルを、イソプロピル−b−D−チオガラクトピラノシドで遺伝子組み換えされた細胞株をインキュベートすることによって検出する。細胞株を試験される試料とインキュベートし、そして細胞株中の細胞死を、披験試料中の生物活性サイトカインまたは成長因子の指標である青色の強度を測定することによって観察する[また、TNF観察に関して、例えば、X.-S. Liu, Burns 20(1), pp. 40-44 (1994)参照]。
【0078】
有効成分化合物の、1日当たり約0.01〜約100mg/kg体重、好ましくは1日当たり約0.5〜約75mg/kg体重、そして最も好ましくは1日当たり約1〜約50mg/kg体重の投与量が、単独治療には有用である。約300nM〜3mM、好ましくは約3pM〜約300uMのICE阻害剤の濃度が局所製剤(例えば点眼薬)に有用である。かかる局所眼用製剤は、必要に応じて、好ましくは眼あたり約1〜約10滴の割合で、そして1日当たり約1〜約10回投与される。本発明の他の眼用製剤において、ICE阻害剤は、少なくとも約0.001%(w/vまたはw/w)、少なくとも約0.03%(w/vまたはw/w)、少なくとも約0.15%(w/vまたはw/w)で、そして and in an amount of no more than 約10%(w/vまたはw/w)以下、約3%(w/vまたはw/w)以下、約1%(w/vまたはw/w)以下、または約0.5%(w/vまたはw/w)以下の量で存在する。存在するとき、保存剤は、少なくとも約0.0001wt%、約0.1wt%、約0.2wt%〜約0.5wt%、約1wt%、または約2.5wt%の量で存在する。
【0079】
典型的には、本発明の医薬組成物は1日当たり約1〜5回投与され、または持続注入として投与される。かかる投与は、慢性または急性治療として使用することができる。単一投与形態を生産するための担体物質と組み合わせることができる有効成分の量は、処置される宿主および特定の投与形態に依存して変化する。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含む。好ましくは、かかる製剤は約20%〜約80%の活性化合物を含む。
【0080】
本発明の組成物が本発明の組成物と1個以上のさらなる治療剤との組合せを含むとき、該化合物およびさらなる薬剤のいずれもが単剤療法レジメにおいて通常投与される量の約10%〜約80%の投与レベルで存在するべきである。
【0081】
患者の状態の改善によって、本発明の化合物、組成物または組合せ剤の維持用量が、所望により投与され得る。その後、投与量または投与頻度、あるいはその両方を、症状の関数として、改善された状態が維持されるレベルへと減ずることができる。症状が所望のレベルへと軽減されたとき、処置をやめるべきである。患者は、しかしながら、なんらかの再発または疾患症状に基づき、長期の断続的な処置が必要であり得る。
【0082】
任意の特定の患者についての具体的な投与量および処置レジメンは、具体的な使用される化合物、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬剤の組合せ、および処置医師の判断ならびに処置される具体的な疾患の重症度に依存することが理解されるべきである。活性成分の量はまた、組成物中の特定の化合物および存在するとき、他の治療剤に依存する。
【0083】
したがって、対象における疾患を処置または予防する本発明の方法は、対象に本明細書に記載のいずれかの化合物、医薬組成物、または組合せ剤を投与することを含む。
【0084】
好ましい態様において、本発明は上記疾患の1つを有する哺乳類(好ましくはヒト)の処置法であって、当該哺乳類に上記薬学的に許容される組成物を投与することを含んでなる方法を提供する。この態様において、患者が他の治療剤も投与されるとき、それは単一投与形態で、または別々の投与形態として、本発明の化合物と共に送達され得る。
【0085】
別々の投与形態として投与されるとき、他の治療剤は本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物の投与の前に、同時に、または後に、投与され得る。
【0086】
本発明はまた、本発明のおよび当業者に既知の方法により、抗感染活性について化合物(ICE阻害剤)をアッセイするための方法を提供する。
【0087】
本発明の疾患を処置するための化合物または組成物の同定法には、複数の化合物または組成物を、ある疾患の影響を改善する、および/または本発明のある疾患を有する患者の状態を改善するそれらの能力についてスクリーニングする方法が含まれる。本発明の1つの態様において、ハイスループットスクリーニングは、マイクロタイタープレート中の複数のウェルにおいて細胞を培養し、各ウェルに異なる化合物または組成物を加え、そして各細胞培養物中のICE阻害および/またはIL−1βおよび/またはIL−18レベルおよび/または活性を、対照ウェル中の細胞培養物におけるレベルまたは活性と比較することによって達成され得る。本発明の工程との比較のために有用な対照には、化合物または組成物で処理されていない細胞または対象、およびICE阻害または活性に影響がないことが知られている化合物または組成物で処理された細胞または対象が含まれる。
【0088】
本発明の1つの態様において、ハイスループットスクリーニングは、細胞のプレートへの添加を含み、化合物または組成物の添加後のデータ収集および分析までの工程を、機械によって行うべく、自動化される。本発明の比較工程において有用である装置、例えば標識化物体(例えば放射線、蛍光または着色標識化物体)またはそれ自体検出可能である物体を検出することができる装置は、市販されておりおよび/または当業者に既知である。したがって、本明細書に記載のある疾患を処置するために有用である本発明の化合物および組成物を、素早く、そして効果的にスクリーニングされ得る。
【0089】
1つの態様は、感染疾患(または本明細書に記載の他の疾患または障害)を改善、処置または予防するための方法であって、感染細胞集団または細胞培養物をICEを阻害する化合物と接触させ、そして細胞集団または細胞培養物における感染の量をICE阻害剤で処理されなかった細胞集団または細胞培養物における感染の量を比較することを含んでなる方法を提供する。
【0090】
他の態様は、対象における感染疾患状態を改善、処置または予防するための化合物の同定法であって、WO04/058718、WO04/002961、WO03/088917、WO03/068242、WO03/042169、WO98/16505、WO93/09135、WO00/55114、WO00/55127、WO00/61542、WO01/05772、WO01/10383、WO01/16093、WO01/42216、WO01/72707、WO01/90070、WO01/94351、WO02/094263、WO02/42278、WO03/106460、WO03/103677、WO03/104231、US6,184,210、US6,184,244、US6,187,771、US6,197,750、US6,242, 422, April 2001 American Chemical Society (ACS) meeting in San Diego, California、USA.、WO02/22611、US2002/0058630、WO02/085899、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545およびWO01/90063のいずれかに記載のICE阻害剤または該化合物を含む医薬組成物を投与すること、そして化合物処置前後の対象の感染性疾患状態を比較することを含んでなる方法を提供する。
【0091】
本発明の他の態様は、本発明の処置において患者に使用するためのパッケージキットであって:各医薬成分の1つのまたは複数の医薬製剤;該医薬製剤を、貯蔵の間および投与前に格納しておく容器;および本発明の方法を効果的に実施するための方法で薬剤の投与を実施するための指示書を含んでなるキットを含む。典型的には、かかるキットは例えば、薬学的に許容される担体に(そして1または複数の医薬製剤中に)各ICE阻害剤および所望によりさらなる薬剤、および同時または逐次投与のために記載された指示書を含む。キットはまた、固体形態のICE阻害剤および薬学的に許容される担体ならびに医薬組成物の製造のために記載された指示書を含み得る。
【0092】
他の態様において、自己投与のための1個以上の投与形態;該投与形態を、貯蔵の間および使用の前に格納しておく、好ましくは密封された容器手段;および薬剤投与を実施するための患者に対する指示書を含むパッケージキットが提供される。指示書は典型的には、パッケージ添付文書、ラベル、および/またはキットの他の要素上の文書化された指示書であり、そして投与形態(複数も可)は本明細書に記載のとおりである。各投与形態は、例えば、個々のセルまたはバブル中に他から独立した各投与形態を有する金属フォイル−プラスチックラミネートのシート中に、個々に格納され得、または投与形態はプラスチックボトル中のような1つの容器中に格納することができる。本キットはまた、典型的には、個々のキット要素、すなわち、投与形態、容器手段、および使用のために記載された指示書をパッケージするための手段を含む。各パッケージ手段は段ボール箱または紙箱、プラスチックまたはフォイルポーチ等の形態を取り得る。
【0093】
本明細書に記載の全ての出願、特許および参考文献を、参照により本明細書の一部とする。
【0094】
本発明をより十分に理解するために、下記製造および試験例を記載する。これらの例は説明のみの目的であり、いかなる方法においても本発明の技術的範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0095】
実施例1 動物感染
8週齢のメスB6マウス(The Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)をこれらの実験において使用した。麻酔した各マウスの左角膜を滅菌25 5/8ゲージ針を使用して、立体顕微鏡下で3本の平行な1mmの切り傷付けた。傷付けた角膜を、1.0×10CFU/μlのP. aeruginosa(ATCC株19660または臨床分離株1025またはシプロフロキサシン耐性19660株)で、既出のとおり5μlの用量で局所的にチャレンジした(Kwon and Hazlett, 1997)。眼を感染後(p.i.)1日、および下記時点で、全マウスが同様に感染しているかを確認するため、そして疾患の経過を観察するため、肉眼により試験した。全動物を人道的に、そして実験における動物の使用および処置に関する眼科と視覚に関する研究会議の決議を十分に遵守して処置した。
【0096】
実施例2 細菌株
P. aeruginosa株19660を標準実験株として使用し、B6マウスモデルにおいて再生産可能な角膜病変を生み出した(Kernacki et al., 2000; Rudner et al., 2000)。P. aeruginosa株1025(KEI−1025)を1999に、ヒト細菌性角膜炎症例から、Kresge Eye Institute, Detroit, MIで単離した。実験室由来のシプロフロキサシン耐性変異株を、野生型P. aeruginosa株19660をシプロフロキサシン含有Luria-Bertani(LB)肉汁で連続的に継代培養することにより発現させて、シプロフロキサシン耐性を得る(Sanchez et al., 2002)。シプロフロキサシン耐性P. aeruginosa株は、親株と比較したとき、インビトロでのバクテリア殺傷に必要なシプロフロキサシンの最小阻害濃度(MIC)において100倍増加を示した(0.25mg/ml対25mg/ml)。シプロフロキサシン耐性変異株(P.aeruginosa19660)の毒性は、親株と比較して、この変異体のインビトロ生産の間に減少したが、これは特別ではなく、以前に報告されている(Bjorkman et al., 1998)。
【0097】
実施例3 ICE阻害剤製剤
本実験において使用されるICE阻害剤は、他の非ICEカスパーゼに対してICEの強力な阻害(Ki=0.8nM)および>100倍の選択性を示す。ICE阻害剤(300pM)を有するまたは有さないビークル(PBS)の4つの符号化され、かつ盲検化した製剤を、結膜下および局所投与について試験した。全製剤は、他に処置していないマウスにおいて眼に無毒であることが判っており、そして細菌を殺傷する直接的な能力(インビトロ)を有しなかった。
【0098】
実施例4 処置スケジュール
B6マウス(n=5/群)に、感染18時間後、5□□1の濃度600□MのICE阻害剤またはプラセボを結膜下注射し、次いでD(ICE阻害剤)またはC(プラセボ)+/−シプロフロキサシン(Ciloxan; Alcon, Ft. Worth, TX)の局所投与を感染18時間後に開始し、その後7日間3x/日行った。感染18時間後でのICE阻害剤治療の開始は、より臨床的に関連するデータを提供するための実験的な試験をするために選択された。さらに、この時点から、患者がかすみ、不快感および疼痛のような眼症状に気づき、そして治療を求めることが予期された。
【0099】
実施例5 臨床試験
マウス(n=5/群)を色分けし、そしてP. aeruginosa感染後の疾患の重症度を評価するために、感染後1、3、5および7日目に2人の独立した観察者が盲検的方法で試験した。眼疾患を等級分けし、そして臨床スコアを下記確立された基準を使用して表現した(Hazlett et al., 1987):0、濁っていないまたは瞳孔を部分的に覆うわずかな濁り;+1、前部を十分に覆うわずかな混り;+2、瞳孔を部分的にまたは完全に覆う濃い混り;+3、前部を覆う濃い混り;そして+4、角膜せん孔。
【0100】
実施例6 組織病理学
組織病理学的試験のために、ICE阻害剤またはプラセボ+/−シプロフロキサシン処置マウス由来の眼(n=3/群)を感染後7日目に摘出した。既出のとおり眼をPBS中に浸し、すすぎ、四酸化オスミウム、2.5%グルタルアルデヒド、および0.2MのSorensonリン酸バッファー(pH7.4)を、1:1:1の比率で含む定着剤中に、4℃にて3時間おいた。眼を1.5時間後に新鮮な定着剤へと移し、次いで等級エタノール中で脱水し、Epon-araldite中に包埋し、切片を切り、修飾Richardson染色剤で染色し、そして撮影した(Hazlett et al., 2000)。
【0101】
実施例7 ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性の測定
試料を、既出のとおり、MPO活性について測定した(Williams et al., 1982)。ICE阻害剤またはプラセボ+/−シプロフロキサシン処置マウス由来の角膜(n=5/群)を感染後7日目に収集し、そして1mlのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HTAB)バッファー(50mMリン酸バッファー中の0.5%HTAB、pH6.0)中でホモジナイズした。試料を3回の凍結−解凍サイクルに供し、次いで14,000rpmで20分間遠心分離した。上清を、0.167mg/mlの塩酸O−ジアニシジンおよび0.0005%過酸化水素を含む50mMリン酸バッファー(pH6.0)と、1:30の比率で、全体で3mlの体積となるように混合した。460nmでの吸収の変化を5分間、継続的に観察した。結果はMPO/角膜の単位として表した。MPO活性の1単位は、約2.0×10 PMN細胞と対応する(Williams et al., 1982)。
【0102】
実施例8 角膜における生存細菌の定量
感染後7日目に、ICE阻害剤またはプラセボ+/−シプロフロキサシン処置マウス由来の角膜(n=5/群)を収集し、そして生存細菌の数を測定した。これのため、個々の角膜を滅菌PBS中でホモジナイズし、そして連続希釈のアリコート(100μl)を、3連で、Pseudomonas分離寒天(Difco, Detroit, MI)プレートに播種した。プレートを24時間、37℃にてインキュベートした。結果をCFU/角膜±SEMの対数として表した。
【0103】
実施例9 角膜ホモジネートにおけるサイトカインタンパク質の定量
IL−1βおよびMIP−2のタンパク質レベルを、ICE阻害剤またはプラセボ+/−シプロフロキサシン処置マウスにおいて、ELISAキット(R & D Systems, Minneapolis, MN)を使用して、製造業者の指示に従って試験した。角膜(n=5/群)を感染後7日目に除去し、そして即座に−70℃にて貯蔵した。分析の前に、個々の角膜を0.1%Tween20−PBS中に、ガラスKontes乳鉢(Fisher, Itasca, IL)を使用してホモジナイズし、5000×gで10分間、4℃にて遠心分離し、そして上清を、IL−1βおよびMIP−2タンパク質を定量するために使用した。結果を、pg/mlとして報告する。
【0104】
実施例10 統計分析
群内での臨床スコアにおける時間での変化を、ランクについて変法の、Friedman2方向分析により試験した。各実験時点でのICE阻害剤とプラセボ処置B6マウスの間の臨床スコアにおける差異を、Mann-Whitney U検定により検定した。対応のない、両側スチューデント−t検定を使用して、処置群と対照群とのMPOアッセイ、細菌数およびELISA分析のデータについての統計学的有意性を決定した。平均差はp□0.05で有意であると見なした。実験は再現性を確認するため少なくとも2回繰り返した。1つの実験に由来する代表的データを示す。
【0105】
実施例11 結果
ICE阻害剤処置マウスは、ビークル処置マウスと比較して、感染後3日目(P=0.012)、5日目(P=0.007)および7日目(P=0.007)で、疾患重症度において顕著な低下を示した。ICE阻害剤とシプロフロキサシンの組合せ治療はまた、ビークルおよびシプロフロキサシン処置群と比較して、感染後5日目(P=0.050)および7日目(P=0.047)で、顕著に低い臨床スコアをもたらした。有意差はまた、ICE阻害剤+シプロフロキサシン処置群を除き、時間と共に群内での臨床スコアにおいて観察された(ビークル、P=0.0001;ビークル+シプロフロキサシン、P=0.009;ICE阻害剤、P=0.0014;ICE阻害剤+シプロフロキサシン、P=0.77)。
【0106】
ICE阻害剤処置マウスにおいて、疾患の重症度における有意な減少が、ビークル処置マウスと比較して、感染後3日目(P=0.007)、5日目(P=0.015)および7日目(P=0.007)(P. aeruginosa KEI-1025)で見出された。P. aeruginosa株19660感染角膜におけるICE阻害剤およびシプロフロキサシンでの処置と同様に、この群(KEI−1025で感染)はまた、ビークル+シプロフロキサシン処置角膜と比較して、B+Dおよびシプロフロキサシン処置角膜において、感染後3日目(P=0.007)、5日目(P=0.015)および7日目(P=0.031)で、顕著に低下した臨床スコアを示した。時間と共に群内での臨床スコアはまた、有意に異なった(ビークル、P=0.0001;ビークル+シプロフロキサシン、P=0.04;ICE阻害剤、P=0.0002;ICE阻害剤+シプロフロキサシン、P=0.04)。
【0107】
P. aeruginosa(19660)のシプロフロキサシン耐性株に感染した角膜のICE阻害剤での処置は、ビークル処置マウスと比較して、感染後3日目(P=0.03)、5日目(P=0.03)および7日目(P=0.007)で、有意に低い臨床スコアを示した。同様に、感染後3日目(P=0.03)、5日目(P=0.03)および7日目(P=0.007)日目での有意に低い臨床スコアが、ビークルおよびシプロフロキサシン処置群と比較して、ICE阻害剤およびシプロフロキサシン処置群において観察された。ICE阻害剤およびシプロフロキサシン処置マウスはICE阻害剤対ビークル処置マウスと同様の臨床スコアを示し、この株のインビボでのシプロフロキサシンに対する耐性を確認した。臨床スコアは、時間と共にビークル(p=0.01)およびICE阻害剤(p=0.002)処置群において有意に異なった。臨床スコアにおける差は、時間と共に、ビークル+シプロフロキサシンまたはICE阻害剤+シプロフロキサシン処置群において観察されなかった。
【0108】
感染後7日目でのICE阻害剤対ビークル処置群における細隙灯顕微鏡検査により、臨床スコアを確認した。ICE阻害剤処置角膜において、主に瞳孔の中心角膜に局在する細胞内浸潤が顕著に少ないことが観察された。下角膜領域において見られる混濁は、前房に重力沈降された(gravity settled)浸潤細胞のためである。これとは逆に、ビークルで処置された全てのマウスはせん孔した角膜を示した。ICE阻害剤およびシプロフロキサシン処置角膜における細隙灯顕微鏡検査は、角膜および前房において重度の細胞浸潤を示すビークルおよびシプロフロキサシン処置角膜と比較して、わずかな角膜混濁を示した。
【0109】
ICE阻害剤処置後の眼の組織病理試験は、最小前房炎症細胞反応を有する角膜間質において細胞浸潤の顕著な減少を示した。これとは逆に、ビークル処置B6マウスは、角膜において、重度の細胞浸潤を示し、上皮の完全な削剥、中心間質分解、重度の浮腫および重度の前房炎症細胞反応を伴った。ICE阻害剤およびシプロフロキサシンで処置した角膜は、前房において重度の炎症性細胞浸潤および角膜上皮との接着を示すビークルおよびシプロフロキサシンで処置された典型的な眼と比較して、角膜上皮に沿って、そして前房においてごくわずかな炎症細胞を示した。
【0110】
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を、ICE阻害剤対ビークル処置マウスの角膜における感染後7日目でのPMN浸潤を定量するためにアッセイした。ICE阻害剤処置マウスは、ビークル処置マウスと比較して、有意に低い(P=0.04)PMNの数を示した。同様に、ICE阻害剤+シプロフロキサシン対ビークル+シプロフロキサシン処置マウスにおいて、MPO活性は角膜において、感染後7日目で有意に減少した(P=0.0024)。角膜あたりのMPO活性の単位(±SEM)を示し得る。
【0111】
生存細菌プレート数を、感染後7日目で、ICE阻害剤対ビークル処置群由来の角膜において(n=5/群)測定した。ICE阻害剤処置群の角膜における生存細菌の数の有意な減少(P=0.02)が、プラセボ処置群と比較したとき見出された。細菌コロニーをICE阻害剤とシプロフロキサシンおよびビークルとシプロフロキサシン処置群由来の角膜において、感染後7日目で、プレート数から単離しなかった。角膜当たりの生存細菌のlog10数の平均(±SEM)を示し得る。
【0112】
ICE阻害剤対ビークル処置群におけるIL−1βおよびMIP−2のタンパク質レベルを、感染後7日目で、ELISA分析を使用して測定した。IL−1β(P=0.023)およびMIP−2(P=0.012)の有意に低いタンパク質レベルが、ビークル処置群と比較してICE阻害剤群において検出された。おそらく感染症の除去により前炎症性刺激を減少させるため、シプロフロキサシン処置が顕著にIL−1βおよびMIP−2の両方のレベルを減少させた。それにもかかわらず、ICE阻害剤およびシプロフロキサシン処置群において、IL−1β(P=0.036)およびMIP−2(P=0.04)のタンパク質レベルはまた、ビークルおよびシプロフロキサシン処置群と比較して、さらに、かつ有意に、減少した。
【0113】
実施例12 ICE阻害
化合物を、当業者に既知の方法により、ICE阻害の能力について試験することができる(例えば、本明細書に記載の文献を参照)。
【0114】
参考文献
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【0119】
本明細書に記載の文献は、参照により本明細書の一部とする。
【0120】
本発明の多くの態様を記載したが、我々の基礎的な実施例が変化して本発明の化合物および方法を利用する他の態様を提供することができることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、実施例により記載された具体的な態様によるよりもむしろ、添付の特許請求の範囲に定義されていることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における感染症の処置法であって、対象にICEを阻害する化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項2】
感染症が細菌性、ウイルス性、寄生虫性または真菌性感染症である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化合物が抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤または抗真菌剤からなる群から選択されるさらなる薬剤と共に投与される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
感染症が細菌性感染症である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらなる薬剤が抗生物質である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
感染症が眼感染症である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤または抗真菌剤が眼用薬剤である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
対象における目の傷害、アレルギー、化学刺激もしくは火傷、ドライアイ、シェーグレン症候群、目の老化の処置法であって、該対象にICEを阻害する化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項9】
化合物がさらなる薬剤と共に投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
さらなる薬剤が眼用薬剤である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらなる薬剤が化合物と単一投与形態で投与される、請求項3または9に記載の方法。
【請求項12】
各さらなる薬剤が化合物と別個の投与形態で投与される、請求項3または9に記載の方法。
【請求項13】
化合物が眼への投与用に製剤される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
化合物がWO04/058718、WO04/002961、WO03/088917、WO03/068242、WO03/042169、WO98/16505、WO93/09135、WO00/55114、WO00/55127、WO00/61542、WO01/05772、WO01/10383、WO01/16093、WO01/42216、WO01/72707、WO01/90070、WO01/94351、WO02/094263、WO02/42278、WO03/106460、WO03/103677、WO03/104231、US6,184,210、US6,184,244、US6,187,771、US6,197,750、US6,242,422、April 2001 American Chemical Society (ACS) meeting in San Diego, California, USA.、WO02/22611、US2002/0058630、WO02/085899、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545またはWO01/90063のいずれかに記載のものである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
化合物がWO04/058718、WO04/002961、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545またはWO01/90063のいずれかに記載のものである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
化合物が
【化1】

および
【化2】

を含む各立体異性体から選択される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
化合物が
【化3】

および
【化4】

を含む各立体異性体から選択される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
化合物が
【化5】

および
【化6】

を含む各立体異性体から選択される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
化合物が
【化7】

および
【化8】

を含む各立体異性体から選択される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
対象における感染性疾患を改善、処置または予防するための医薬組成物であって、ICEを阻害する化合物および薬学的に許容される担体を含んでなる組成物。
【請求項21】
組成物がさらに抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗真菌剤または他の眼用薬剤を含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
組成物が眼科学的製剤である、請求項20または21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
ICE阻害剤および薬学的に許容される担体を含む、眼用組成物。
【請求項24】
ICE阻害剤および抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗真菌剤または他の眼用薬剤を含む、医薬組合せ剤(または、治療組合せ)。
【請求項25】
ICE阻害剤および抗生物質を含む、医薬組合せ剤(または、治療組合せ)。
【請求項26】
ICE阻害剤(および所望により抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗真菌剤、または他の眼用薬剤)およびICE阻害剤を使用する感染症処置のための指示書を含むキットであって、該指示書が所望により抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗真菌剤または他の眼用薬剤の投与についての指示を含む(それらがキット中に含まれるか否かにかかわらず)、キット。

【公表番号】特表2007−513092(P2007−513092A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541503(P2006−541503)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040345
【国際公開番号】WO2005/053665
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】