説明

IDカード、認証装置および方法並びにプログラム

【課題】IDカードにおいて表示部に表示される情報を容易に変更できるようにする。
【解決手段】カード本体2と、本体2に内蔵され、ID認証情報を記憶する保護領域および書き換え可能な開放領域を有するメモリ6と、本体2に設けられ、開放領域に記憶された情報を表示する表示手段3とからIDカード1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員証、学生証および免許証等のIDカード、IDカードの所持者の認証を行う認証装置および方法、並びに認証方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔写真付きのIDカードとしては、学生証,社員証,運転免許証等が知られている。このようなIDカードには、IDカードの所持者を認証するためのID認証情報を記憶したICチップ等のメモリが埋め込まれており、認証情報とIDカードに付与された顔写真とを用いてカード所持者の認証を行っている。
【0003】
このようなIDカードにおいて、電子ペーパや液晶等の表示部を設け、メモリに認証情報とともに画像を記憶しておいて、表示部にメモリに記憶された画像を表示するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のIDカードによれば、認証情報により認証が行われた場合にのみしか、メモリに記憶された画像を書き換えることができないため、権限のある者以外の者により顔写真が勝手に変更されてしまうことを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−284677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたIDカードにおいては、権限のある者以外の者は顔写真を変更することができない。その一方で、ICチップ等のメモリは偽造が困難であることから、IDカードにおいては顔写真がなくてもセキュリティは高いものとなっている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、IDカードにおいて表示部に表示される情報を容易に変更できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるIDカードは、カード本体と、
該本体に内蔵され、ID認証情報を記憶する保護領域および書き換え可能な開放領域を有するメモリと、
前記本体に設けられ、前記開放領域に記憶された情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
なお、本発明によるIDカードにおいては、前記本体のカードホルダへの装着時に前記表示手段をオンとし、非装着時に該表示手段をオフとするスイッチ手段をさらに備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明によるIDカードにおいては、前記本体の上下左右の向きを検出する検出手段をさらに備えるものとし、
前記表示手段を、前記検出手段の検出結果に応じて、表示される前記情報の向きと前記本体の向きとを一致させる手段としてもよい。
【0009】
また、本発明によるIDカードにおいては、前記開放領域に複数の情報が記憶されている場合、前記表示手段に表示する情報を切り替える切替手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0010】
また、本発明によるIDカードにおいては、前記開放領域に複数の情報が記憶されている場合、前記検出手段により検出される前記本体の向きに応じて、前記表示手段に表示する情報を切り替える切替手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0011】
本発明による認証装置は、本発明のIDカードの前記メモリに対して情報の読み書きを行う情報読み書き手段と、
前記メモリの保護領域から読み出された前記ID認証情報を用いて前記IDカードの所持者の認証を行う認証手段と、
前記所持者を撮影して該所持者の画像を取得する撮影手段と、
前記画像を前記情報読み書き手段から前記メモリの開放領域に記憶する記憶制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
なお、本発明による認証装置においては、前記記憶制御手段を、前記メモリの開放領域に前記所持者の画像が記憶されている状態において前記認証手段による認証がなされると、前記開放領域から前記所持者の画像を削除する手段としてもよい。
【0013】
また、本発明による認証装置においては、前記記憶制御手段を、さらに所定の画像を前記開放領域に記憶する手段としてもよい。
【0014】
また、本発明による認証装置においては、前記所持者の画像を加工する加工手段をさらに備えるものとし、
前記記憶制御手段を、加工された前記所持者の画像を前記メモリの開放領域に記憶する手段としてもよい。
【0015】
本発明による認証方法は、本発明のIDカードの前記メモリの保護領域から読み出された前記ID認証情報を用いて前記IDカードの所持者の認証を行い、
前記所持者を撮影して該所持者の画像を取得し、
前記画像を前記情報読み書き手段から前記メモリの開放領域に記憶することを特徴とするものである。
【0016】
なお、本発明による認証方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のIDカードによれば、メモリがID認証情報を記憶する保護領域および書き換え可能な開放領域を有するため、開放領域に自由に情報を書き込んだり削除したりすることができる。したがって、開放領域に所望とする情報を書き込むことにより、表示手段に、IDカードの所持者の顔写真の画像のみならず、テキスト、顔写真を加工した画像等の所望とする情報を表示することができ、その結果、IDカードを認証のための手段のみならず、コミュニケーションの手段としても用いることができる。
【0018】
また、本体のカードホルダへ装着時に表示手段をオンとし、非装着時に表示手段をオフとするスイッチ手段を設けることにより、本発明によるIDカードをカードホルダから取り出せば、必要でない時に表示手段に情報が表示されることを防止することができる。
【0019】
また、本体の上下左右の向きを検出し、検出結果に応じて表示される情報の向きと本体の向きとを一致させることにより、IDカード使用時において情報を見やすくすることができる。
【0020】
また、開放領域に複数の情報を記憶し、表示手段に表示する情報を切り替えるようにすることにより、表示する情報を種々変更することができる。
【0021】
また、本体の上下左右の向きを検出するに際して、開放領域に複数の情報を記憶し、本体の向きに応じて表示手段に表示する情報を切り替えるようにすることにより、情報の表示の切り替えを容易に行うことができる。
【0022】
本発明の認証装置および方法によれば、本発明のIDカードの所持者の画像を撮影し、IDカードのメモリの開放領域に撮影により取得した画像を記憶するようにしたため、常に所持者の最新の画像をIDカードに表示することができる。
【0023】
また、メモリの開放領域に所持者の画像が記憶されている状態において認証がなされると、開放領域から所持者の画像を削除することにより、不要な場合にIDカードに所持者の画像が表示されることを防止することができる。
【0024】
また、所定の画像を開放領域に記憶することにより、所持者の顔画像以外の画像をIDカードに表示することができる。
【0025】
また、ID認証情報および/または現在の日時に基づいて所持者の画像を加工し、加工された所持者の画像をメモリの開放領域に記憶することにより、IDカードに表示される所持者の画像に遊びの要素を付加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるIDカードの外部構成を示す平面図、図2は内部構成を示す平面図である。図1,2に示すように、本発明の第1の実施形態によるIDカード1は、例として社員証として用いられるものであり、本体2の表面に表示部3と、IDカードの電源となる太陽電池4とを備える。また、本体の内部には、太陽電池4が発生した電気を蓄電する二次電池5と、メモリ6と、後述する認証装置と非接触にて通信を行うためのアンテナ7と、表示部3の表示を制御する表示制御部8と、IDカード全体の制御を行う全体制御部9とを備える。
【0027】
本体2は容易に変形しないような樹脂等からなる。
【0028】
表示部3は、例えば液晶および電子ペーパ等からなり、後述するようにメモリ6に記憶された画像およびテキスト等の情報を表示する。
【0029】
太陽電池4は、情報の表示等、IDカード1の駆動に必要な電源となる。なお、太陽電池4が発生する電力は二次電池5に蓄電されるため、太陽電池4に光が照射されない状況でもIDカード1を駆動することができる。なお、太陽電池4を備えることなく、二次電池5のみを設けるようにしてもよい。この場合、二次電池5は入れ替え可能に本体2内に設けることが好ましい。
【0030】
メモリ6は図3に示すように保護領域6Aと開放領域6Bとに記憶領域が分けられている。保護領域6Aには、IDカード1の所持者の認証に必要なID認証情報が記憶されている。保護領域6Aには、権限のある者(例えばIDカード1の発行者)のみがアクセス可能とされており、IDカード1の所持者であっても記憶されているID認証情報を書き換えることはできない。開放領域6BはIDカード1の所持者が自由に情報の書き込みおよび削除を行うことが可能な領域である。
【0031】
アンテナ7は、IDカード1が認証装置と通信して、非接触にて情報のやりとりを行うためのものであり、これにより、後述するようにメモリ6へ書き込む情報を取得したり、情報の削除の指示を受けたりすることができる。
【0032】
表示制御部8は、メモリ6の開放領域6Bから情報を読み出して、表示部3へ表示するための処理を行う。
【0033】
全体制御部9は、情報のメモリ6への書き込みおよび削除等、IDカード1の全体の駆動を制御する。
【0034】
図4は本実施形態による認証装置を用いた認証システムの概略図である。図4に示すように本実施形態による認証装置20は、セキュリティが必要な制限区域の出入口に設置されるものであり、本体21にカメラ22、表示部23、および非接触通信部24が設けられており、ホストサーバ30と接続されている。
【0035】
カメラ22はデジタルカメラであり、IDカード1の所持者の認証時に所持者の顔を撮影して顔の画像を取得し、取得した画像をホストサーバ25に送信する。
【0036】
表示部23は液晶モニタからなり、カメラ22により撮影される画像を表示する。
【0037】
非接触通信部24は、不図示のアンテナを備えており、IDカード1と通信を行い、IDカード1のメモリ6の保護領域6Aに記憶されたID認証情報を読み出し、ホストサーバ25へ送信する。また、カメラ22が取得した画像をホストサーバ25から取得してIDカード1のメモリ6の開放領域6Bに書き込む。
【0038】
ホストサーバ30は、多数の人物についての認証に必要な情報を記憶する記憶媒体を備え、認証装置20が取得したID認証情報を用いて、IDカード1の所持者の認証の処理を行う。また、制限区域への入場時に前述したようにIDカード1の所持者の撮影を行って、所持者の画像をIDカード1に書き込み、退出時には所持者の画像をIDカード1から削除するよう認証装置20を制御する。
【0039】
次いで、認証システムにおいて行われる処理について説明する。図5は認証システムにおいて行われる処理を示すフローチャートである。IDカード1の所持者が制限区域へ入場する際に、IDカード1を認証装置20の非接触通信部24に接触させることにより認証装置20が処理を開始し、IDカード1のメモリ6の保護領域6AからID認証情報を読み出し(ステップST1)、ホストサーバ30に送信する(ステップST2)。また、カメラ22が所持者の顔を撮影して所持者の画像を取得し(ステップST3)、ホストサーバ30に送信する(ステップST4)。
【0040】
ホストサーバ30は、ID認証情報を用いて所持者の認証の処理を行い(ステップST5)、認証がOKであると、画像をIDカード1に書き込む指示を認証装置20に行う(ステップST6)。認証装置20は画像をIDカード1のメモリ6の開放領域6Bに書き込み(ステップST7)、処理を終了する。これにより、IDカード1の表示部3には、図6に示すように開放領域6Bに記憶された所持者の顔の画像が表示される。
【0041】
一方、認証がNGであると、ホストサーバ30はその旨を認証装置20に送信する(ステップST8)。認証装置20は、例えば「認証できません」等の認証できなかった旨の表示を表示部23に行い(ステップST9)、処理を終了する
なお、制限区域から退場する際には、IDカード1の所持者がIDカード1を認証装置20の非接触通信部24に接触させると、IDカード1のメモリ6の開放領域6Bから画像が削除される。これにより、IDカード1の表示部3には何ら画像は表示されなくなる。なお、所持者の画像を削除するとともに、所持者の画像とは異なる画像をメモリ6の開放領域6Bに書き込むようにしてもよい。例えば、風景の画像をメモリ6の開放領域6Bに書き込んだ場合、図7に示すようにIDカード1の表示部3には風景の画像が表示される。
【0042】
これにより、第1の実施形態においては、制限区域への入場する毎に所持者が撮影されて、所持者の画像がIDカード1の表示部3に表示される。このため、常に最新の画像をIDカード1の表示部3に表示することができる。また、所持者の髪型、服装および装飾品と、その所持者が所持するIDカード1に表示されている画像とが一致するため、セキュリティを向上させることもできる。
【0043】
また、制限区域から退出すると、IDカード1の表示部3には所持者の画像が表示されなくなるため、IDカードをカードホルダに入れて身体に装着したままであっても、制限区域外の全く関係のない他人にIDカード1の所持者の画像が見られることがなくなる。また、画像が表示されたままのIDカード1を身体に装着して外出しても、画像が見られることがないため、所持者が恥ずかしい思いをすることもなくなる。
【0044】
なお、上記第1の実施形態においては、IDカード1の所持者が制限区域から退出する際に、開放領域6Bに書き込んだ画像を削除しているが、画像を削除しなくてもよい。この場合、IDカード1の所持者が制限区域に再度入場する際に、開放領域6Bに記憶されている画像を削除して、再入場時の際に撮影により取得した画像を新たに開放領域6Bに書き込めばよい。
【0045】
また、上記第1の実施形態においては、認証装置20が撮影により取得した画像をそのままIDカード1のメモリ6の開放領域6Bに記憶しているが、ホストサーバ30における認証時に、ID認証情報および/または現在の日時に基づいて、所持者の画像を加工してもよい。
【0046】
これにより、例えば所持者の画像に、制限区域に入場した日の社員食堂のメニューや、入退室時間をテキストとして付与することができる。なお、入退室時間については、遅刻した場合にテキストの色を例えば赤色にして遅刻であることを知らせるようにすることもできる。
【0047】
また、認証に使用するID認証情報により取得できる所持者の誕生日の情報から、所持者の星座に合わせたその日の占い結果を画像にテキストとして付与したり、認証日が所持者の誕生日であれば所持者の顔の部分に王冠を付与したり、「おめでとう」のテキストを付与したり、認証日が所持者の結婚記念日であれば指輪のイラストを画像に付与したり、所持者の入社日の情報に基づいて、入社日から3ヶ月間は画像に初心者マークを付与したりすることができる。
【0048】
また、現在の日時がクリスマスである場合にはクリスマスにちなんだイラストを、現在の日時が4月1日である場合には冗談めかしたイラストを、現在の日時が会社の創立記念日の場合には「創立○○年」のテキストを画像に付与したりすることができる。
【0049】
ここで、認証日が所持者の誕生日であった場合の加工の例を図8に示す。
【0050】
なお、第1の実施形態によるIDカード1には、認証装置20のみならず、所持者が取得した画像を表示することも可能である。例えば、パソコンに接続されたカメラ、カメラ付き携帯電話、およびデジタルカメラ等の撮影装置に非接触で通信を行うアンテナを設け、所持者が撮影装置を用いて撮影を行うことにより取得した画像(自身の顔の画像を含む)を、撮影装置からIDカード1に送信して、送信した画像をメモリ6の開放領域6Bに書き込むことができる。
【0051】
この場合、セキュリティを確保するために、画像を送信する際にあらかじめ登録したパスワードの入力を行わせることが好ましい。なお、IDカード1にユニークなIDを付与しておき、事前に撮影装置に登録したIDを有するIDカード1に対してのみ、画像の送信を許可するようにしてもよい。
【0052】
次いで、本発明によるIDカードの第2の実施形態について説明する。図9は本発明の第2の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態によるIDカード1Aは、IDカードの上下左右の方向を検出する加速度センサからなる方向検出センサ10を備えた点が第1の実施形態と異なる。
【0053】
このように方向検出センサ10を設けることにより、IDカード1Aの上下左右の向きを検出することができる。したがって、図10に示すように、IDカード1Aの上下を間違えてカードホルダ40に装着した場合であっても、表示部3に表示される画像の上下を正しいものとすることができる。また、図11に示すように、IDカード1Aを横型のカードホルダ41に装着した場合であっても、表示部3に表示される画像の上下を正しいものとすることができる。
【0054】
また、第2の実施形態によるIDカード1Aのメモリ6の開放領域6Bに画像やテキスト等の複数の情報を記憶しておき、IDカード1Aの上下左右の向きを変更する毎に表示部3に表示する情報を切り替えるようにしてもよい。例えば、メモリ6の開放領域6Bに4つの情報A〜Dが記憶されている場合、図12(a)〜(d)に示すようにIDカード1Aの上下左右の向きに応じて4つの情報A〜Dを切り替えて表示するようにしてもよい。
【0055】
また、所持者のまじめな顔の画像(フォーマル画像とする)およびふざけた顔の画像(カジュアル画像とする)の2つの画像をメモリ6の開放領域6Bに記憶しておき、第2の実施形態によるIDカード1Aを、図13(a)に示すように表示部3が上側となるように縦型のカードホルダ40に装着した場合にはフォーマル画像を、図13(b)に示すように表示部3が下側となるように縦型のカードホルダ40に装着した場合にはカジュアル画像を表示部3に表示するようにしてもよい。これにより、IDカード1Aの所持者は、IDカード1Aに表示する画像をTPOに応じて切り替えることができる。
【0056】
また、所持者の画像とメモ等の隠しておきたいテキストをメモリ6の開放領域6Bに記憶しておき、第2の実施形態によるIDカード1Aを、図14(a)に示すように表示部3が上側となるように縦型のカードホルダ40に装着した場合には所持者の画像を、図14(b)に示すように、カードホルダ40ごとIDカード1Aの上下を反転させた場合にテキストを表示するようにしてもよい。これにより、他人には見せたくないメモを読みたい時にはカードホルダの上下を反転させれば、他人に知られることなくメモを読むことができる。
【0057】
次いで、本発明によるIDカードの第3の実施形態について説明する。図15は本発明の第3の実施形態によるIDカードの外部構成を示す平面図である。なお、第3の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第3の実施形態によるIDカード1Bは、IDカード1Bの表示部3の表示のオン・オフを行うための導通スイッチ11を備えた点が第1の実施形態と異なる。
【0058】
導通スイッチ11は、2箇所の端子11A,11Bを備え、端子11A,11Bが電気的に接続されると表示部3の表示をオンとし、電気的接続が解除されると表示部3の表示をオフとするものである。
【0059】
図16は、第3の実施形態によるIDカード1Bを装着するためのカードホルダの構成を示す図である。図16に示すようにこのカードホルダ50は、ホルダ内部にIDカード1Bの導通スイッチ11をオンとすべく、端子11Aおよび端子11Bを電気的に接続するための導通端子51を備える。
【0060】
このため、第3の実施形態によるIDカード1Bをカードホルダ50に装着していない状態においては、端子11Aと端子11Bとは電気的に接続していないため、表示部3には何ら情報は表示されない。一方、第3の実施形態によるIDカード1Bをカードホルダ50に装着すると、導通端子51により端子11Aと端子11Bとが電気的に接続されるため、図17に示すようにIDカード1Bの表示部3にメモリ6の開放領域6Bに記憶された情報(ここでは画像)が表示される。
【0061】
次いで、本発明によるIDカードの第4の実施形態について説明する。図18は本発明の第4の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図である。なお、第4の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第4の実施形態によるIDカード1Cは、IDカード1Cの表示部3の表示のオン・オフを行うためのスイッチ12を備えた点が第1の実施形態と異なる。
【0062】
スイッチ12はメカニカルスイッチであり、圧迫されるとオンとなって表示部3の表示をオンとし、圧迫されていない状態においてはオフとされて表示部3の表示をオフとするものである。
【0063】
図19は、第4の実施形態によるIDカード1Cを装着するためのカードホルダの構成を示す図である。図19に示すようにこのカードホルダ53は、ホルダ内部にIDカード1Cのスイッチ12をオンとすべく、スイッチ12に対応する位置にホルダ内部に突出する凸形状の突出部54を備える。
【0064】
このため、第4の実施形態によるIDカード1Cをカードホルダ53に装着していない状態においては、スイッチ12は圧迫されていないため、表示部3には何ら情報は表示されない。一方、第4の実施形態によるIDカード1Cをカードホルダ53に装着すると、突出部54によりスイッチ12が圧迫されるため、図20に示すようにIDカード1Cの表示部3にメモリ6の開放領域6Bに記憶された情報(ここでは画像)が表示される。
【0065】
なお、上記実施形態においては、本発明によるIDカードを社員証として用いているが、学生証、会員証および免許証等、IDカードとしてであればどのような態様にて用いてもよい。
【0066】
また、上記第2の実施形態においては、複数の情報をメモリ6の開放領域6Bに記憶した際に、IDカード1Aを回転させることにより、表示部3に表示される情報を切り替えているが、IDカード1Aに方向検出センサ10に代えて切替スイッチを設け、切替スイッチを操作する毎に、表示部3に表示される情報を切り替えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施形態によるIDカードの外部構成を示す平面図
【図2】本発明の第1の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図
【図3】メモリの保護領域および開放領域を説明するための図
【図4】本実施形態による認証装置を用いた認証システムの概略図
【図5】本実施形態による認証システムにおいて行われる処理を示すフローチャート
【図6】所持者の顔の画像が表示部に表示された状態を示す図
【図7】風景の画像が表示部に表示された状態を示す図
【図8】現在の日時が所持者の誕生日であった場合の画像の加工の例を示す図
【図9】本発明の第2の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図
【図10】第2の実施形態においてIDカードの上下を反転させた状態を示す図
【図11】第2の実施形態においてIDカードの横向きにした状態を示す図
【図12】第2の実施形態においてIDカードを回転させた時の表示の状態を示す図
【図13】第2の実施形態においてIDカードを上下反転してカードホルダに装着した時の表示の状態を示す図
【図14】第2の実施形態においてIDカードをカードホルダに装着して上下反転した時の表示の状態を示す図
【図15】本発明の第3の実施形態によるIDカードの外部構成を示す平面図
【図16】本発明の第3の実施形態によるIDカードを装着するカードホルダを示す平面図
【図17】本発明の第3の実施形態によるIDカードをカードホルダに装着した状態を示す平面図
【図18】本発明の第4の実施形態によるIDカードの内部構成を示す平面図
【図19】本発明の第4の実施形態によるIDカードを装着するカードホルダを示す平面図
【図20】本発明の第4の実施形態によるIDカードをカードホルダに装着した状態を示す平面図
【符号の説明】
【0068】
1,1A,1B,1C IDカード
2 本体
3 表示部
4 太陽電池
5 二次電池
6 メモリ
6A 保護領域
6B 開放領域
7 アンテナ
8 表示制御部
9 全体制御部
10 方向検出センサ
11 導通スイッチ
12 スイッチ
20 認証装置
21 本体
22 カメラ
23 表示部
24 非接触通信部
30 ホストサーバ
40,41,50,53 カードホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード本体と、
該本体に内蔵され、ID認証情報を記憶する保護領域および書き換え可能な開放領域を有するメモリと、
前記本体に設けられ、前記開放領域に記憶された情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とするIDカード。
【請求項2】
前記本体のカードホルダへの装着時に前記表示手段をオンとし、非装着時に該表示手段をオフとするスイッチ手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のIDカード。
【請求項3】
前記本体の上下左右の向きを検出する検出手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、表示される前記情報の向きと前記本体の向きとを一致させる手段であることを特徴とする請求項1または2記載のIDカード。
【請求項4】
前記開放領域に複数の情報が記憶されている場合、前記表示手段に表示する情報を切り替える切替手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2項記載のIDカード。
【請求項5】
前記開放領域に複数の情報が記憶されている場合、前記検出手段により検出される前記本体の向きに応じて、前記表示手段に表示する情報を切り替える切替手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3項記載のIDカード。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載のIDカードの前記メモリに対して情報の読み書きを行う情報読み書き手段と、
前記メモリの保護領域から読み出された前記ID認証情報を用いて前記IDカードの所持者の認証を行う認証手段と、
前記所持者を撮影して該所持者の画像を取得する撮影手段と、
前記画像を前記情報読み書き手段から前記メモリの開放領域に記憶する記憶制御手段とを備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項7】
前記記憶制御手段は、前記メモリの開放領域に前記所持者の画像が記憶されている状態において前記認証手段による認証がなされると、前記開放領域から前記所持者の画像を削除する手段であることを特徴とする請求項6記載の認証装置。
【請求項8】
前記記憶制御手段は、さらに所定の画像を前記開放領域に記憶する手段であることを特徴とする請求項7記載の認証装置。
【請求項9】
前記所持者の画像を加工する加工手段をさらに備え、
前記記憶制御手段は、加工された前記所持者の画像を前記メモリの開放領域に記憶する手段であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の認証装置。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか1項記載のIDカードの前記メモリの保護領域から読み出された前記ID認証情報を用いて前記IDカードの所持者の認証を行い、
前記所持者を撮影して該所持者の画像を取得し、
前記画像を前記情報読み書き手段から前記メモリの開放領域に記憶することを特徴とする認証方法。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか1項記載のIDカードの前記メモリの保護領域から読み出された前記ID認証情報を用いて前記IDカードの所持者の認証を行う手順と、
前記所持者を撮影して該所持者の画像を取得する手順と、
前記画像を前記情報読み書き手段から前記メモリの開放領域に記憶する手順とを有することを特徴とする認証方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−217286(P2008−217286A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52211(P2007−52211)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】