説明

IDカード作成・管理システム

【課題】顔画像データとID情報とを確実に対応づけてIDカードを作成し、再交付時等の処理を効率的に行う。
【解決手段】EWS2は、ID番号入力装置4から所定のID番号が入力されると、IDカード作成管理ファイルにID番号を登録し、ビデオカメラ9によって顔画像データが入力されると対応するファイルに顔画像準備完了をセットする。一方、ID番号を検索情報としてホスト11(磁気記録装置13b)からID情報が取り込まれると、対応するファイルにID情報準備完了をセットする。その際、ホスト11との通信が不能となっても処理を進行させ、通信が可能となった時点で前記ファイルをチェックして未取得のID情報を取得する。顔画像データ及びID情報が揃ったものからプリンタ8に転送してIDカードを作成し、前記顔画像データ及び前記ID情報を光ディスク13aに記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIDカード作成・管理システムに関し、詳しくは、例えば会社の従業員証や図書館の入館証,その他各種の特定資格を証明するための資格証明証などの顔写真入りIDカードを作成・管理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
所謂IDカード(Identification Card)の中でも、特定資格を証明するためのIDカードにおいては、本人の顔写真と共に、本人の住所,氏名,生年月日,個人識別番号(以下、ID番号という。)などのID情報(個人情報)を記録する形態とすることが多い。
上記のようなIDカードの作成システムとしては、本人の顔画像をビデオカメラで撮影し、このビデオカメラで得られる顔画像データと、氏名,住所,ID番号等のID情報とをIDカードプリンタに出力し、該IDカードプリンタでIDカードを作成させるものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平1−206098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のシステムでは、ID番号と顔画像データとを対応付けたデータ等が作成されず、それぞれ個別に入力される顔画像データ、ID情報が相互に関連付けられていないので、IDカードに記録される顔画像とID情報とに不一致を生ずるおそれがある。また、ID情報の入手が完了しないうちに別の人の顔画像撮影を実行することができず、通信障害などによりID情報の入手ができなくなると顔画像撮影が滞ることになり、IDカードの作成や顔画像データ、ID情報のデータベースへの記憶も非効率になる。さらに、IDカードの再交付時等において処理を効率的に行うことが望まれている。
【0004】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、顔画像データとID情報とを確実に対応づけてIDカードを作成できると共に、IDカードの再交付時等の処理を効率的に行うことのできるIDカード作成・管理システムを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明に係るIDカード作成・管理システムは、ID番号を入力するID番号入力手段と、顔画像データを入力する顔画像入力手段と、前記ID番号入力手段から所定のID番号が入力されると、該所定のID番号と前記顔画像入力手段で入力された顔画像データとを対応付けたデータを作成すると共に、ID情報を記憶する第1データベースから前記所定のID番号に対応する顔画像データを取得して、前記所定のID番号に対応する顔画像データ及びID情報を対として出力する一方、該対とした顔画像データ及びID情報を第2データベースに記憶させるIDカード作成制御手段と、前記IDカード作成制御手段から出力された顔画像データとID情報とに基づいて、カード材料に顔画像及びID情報をプリントするプリント手段と、を備え、前記IDカード作成制御手段は、前記第1データベースから前記所定のID番号に対応したID情報を取得できない状態においても前記所定のID番号と前記顔画像データとを対応付けたデータの作成を継続し、前記第1データベースから前記所定ID番号に対応してID情報を取得できるようになると前記所定のID番号に対応する顔画像データ及びID情報を対として出力することを特徴とする。
上記構成によると、ID番号に基づいて顔画像データとID情報との対応付けを行い、この対応付けられた顔画像データ及びID情報に基づいて、カード材料に顔画像及びID情報をプリントするので、IDカードに記録された顔画像とID情報とに不一致を生ずることが防止される。また、対応付けられた顔画像データ及びID情報を第2データベースに記憶させるので、あとで必要になったとき(例えば、IDカード再交付時)に、ID番号等を検索情報として読み出して利用することができる。さらに、通信不能等によってID情報を取得できないときにおいては、後からID情報を取得して所定のID番号に対応する顔画像データ及びID情報を対として出力することができる。
【0006】
ここで、前記ID番号入力手段は、IDカードの作成を申請する申請書に記載されているID番号を読み取るものであって、前記申請書のイメージデータを読み取る申請書入力手段を更に備え、前記IDカード作成制御手段が、前記ID番号を検索情報として、前記顔画像データ、前記申請書のイメージデータ及び前記ID情報をセットで前記第2データベースに記憶させるようにしてもよい。
また、IDカードの再交付時に、前記第2データベースに記憶させた顔画像データ、申請書のイメージデータ又はID情報を読み出すように構成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明にかかるIDカード作成装置を含むIDカード作成・管理システムを示すシステムブロック図である。この図1において、同じ構成を有する2つのIDカード作成端末(IDカード作成手段)1a,1bが、各端末1a,1bに設けられたエンジニアリング・ワーク・ステーション(以下、EWSという。)2を介してネットワークで結合され、IDカード作成端末1a,1b間での相互通信が可能になっている。
【0008】
尚、前記EWS2には、それぞれモニタ3が付設されている。各IDカード作成端末1a,1bは、前記EWS2の他、ID番号入力装置(ID番号入力手段)4,申請書スキャナ5,画像処理装置6,TVモニタ7,IDカード作成プリンタ(プリント手段)8,ビデオカメラ9,オートフレーミング装置10を備えている。
前記ID番号入力装置4(ID番号入力手段)は、IDカードの作成を申請する申請者が提出する申請書に記載されるID番号を読取る装置であり、申請書に対してID番号が文字情報として記録される場合には光学式文字読取り装置(OCR)を用いることができ、また、申請書に対してバーコードとしてID番号が記録される場合にはバーコードリーダーを用いることができ、更に、ID番号が申請書に磁気記録される場合には磁気読取り装置を用いることができる。
【0009】
尚、ID番号の読取りは、旧IDカードに印字されているID番号をOCRで読み取ったり、旧IDカードに磁気記録されているID番号の情報を磁気読取装置で読み取ったりしても良く、更に、申請書或いは旧IDカードからの読取りが、汚れ等の理由によって不能である場合には、キーボード操作によって入力するよう構成しても良い。
申請書スキャナ5(申請書読取り手段)は、前記申請書に記載されている内容をイメージデータとして読み取るための装置であり、一般的なスキャナを用いても良いが、申請書の表裏に記載される場合には、表裏を同時に読み取れるような専用スキャナとすることが好ましい。
【0010】
前記申請書スキャナ5としては、特願平4−37778号,特願平4−94604号,特願平4−94605号,特願平4−94607号,特願平4−120606号に示されるようなものを用いると良い。
この申請書スキャナ5で読み取られた申請書のイメージデータは、前記EWS2のモニタ3に対して表示されるようにすると良く、前記モニタ3にはこの他、周辺端末のステータス情報を表示させると良い。
【0011】
前記申請書のイメージデータは、最終的には、後述するホストコンピュータのデータベースに記憶され、ID番号等に基づいてかかる申請書のイメージデータを読み出して、再交付処理などにおける作業情報として提供できるようになっている。
尚、前記ID番号入力装置4及び申請書スキャナ5の具体的な例を、後で詳細に説明する。
【0012】
また、ビデオカメラ9は、申請者の顔を直接に撮影して申請者の顔画像データ(カラー画像データ)を読み取るための撮影装置(顔画像データ入力手段)である。
前記ビデオカメラ9には、オートフレーミング装置10が備えられている。該オートフレーミング装置10は、ビデオカメラ9で撮影された申請者の顔の画像データから、輪郭抽出などの画像処理技術を用いて画面内における顔の位置を測定し、顔が画面内の基準位置になるように、ビデオカメラ9の向きを上下又は/及び左右に移動させる(又は撮影画面内から顔が基準位置となる画面を切り出す)ものである(特願平4−177156号参照)。
【0013】
ここで、オペレータは、前記ビデオカメラ9の撮影画像(又は切出し後の画像)が写し出されるTVモニタ7の画面によって、オートフレーミング機能が正規に動作していて、然も、目つぶりがないことを確認できるようになっている。
前記オートフレーミング装置10は、オペレータがカメラの向きを個々の申請者毎に変える操作負担を軽減させるために設けてあり、該オートフレーミング装置10の機能によって顔撮影の作業を無人化することも可能であるが、オートフレーミング装置10を省略してオペレータがカメラの向きを申請者毎に変える構成であっても良い。
【0014】
一方、EWS2は、前記ID番号入力装置4で読み取られたID番号を入力し、これを後述するホストコンピュータ11に送り、該ホストコンピュータ11から前記ID番号に対応するデータとして転送されて来るID情報(ID番号に対応する住所,氏名,国籍・本籍,生年月日,資格内容など)を内蔵するハードディスクに取り込む。
画像処理装置6は、前記ビデオカメラ9で撮影された申請者の顔画像の信号(アナログビデオ信号)をディジタル化し、フレームメモリに格納後、SCSIバス経由でEWS2に転送する。
【0015】
尚、前記読み取られたID番号の情報も、別途RS232C経由でEWS2に転送される。
ここで、画像処理装置6を、VME−bus 等に対応したフレームメモリボード等としてEWS2の内部に設けるようにしても良い。
EWS2(IDカード作成制御手段)は、前記ホストコンピュータ11から送られてきた所定のID情報(ID番号を含む)と前記顔画像データとを対としてIDカード作成プリンタ8に出力する。
【0016】
IDカード作成プリンタ8では、所定のカードに前記顔画像及びID情報をプリントしてIDカードを作成する。
【0017】
次に前記ホストコンピュータ11について説明する。
ホストコンピュータ11は、前記IDカード作成端末1a,1bと共にネットワークを構成し、ファイリング装置12を介して管理される集合型光ディスク13a及びホストコンピュータ11に直接に接続された磁気記憶装置13b(磁気テープ装置若しくは磁気ディスク装置)からなるデータベースを含んで構成される。即ち、IDカード作成端末1a,1bは、前記データベースを共用しつつ、並行してIDカードの作成処理を実行することができるようになっている。
【0018】
ここで、前記磁気記憶装置13bにはコード情報であるID情報を、また、集合型光ディスク装置13aには申請書イメージデータ,顔画像データを記憶させるようになっている。尚、ネットワークを構成するIDカード作成端末1を2つに限定するものでないことは明らかであり、要求される処理能力等を考慮して適宜のIDカード作成端末を増設することが可能である。
【0019】
前記ホストコンピュータ11では、ネットワークを介して送られてくるIDカードに関係する各種情報(ID情報,申請書のイメージデータ、顔画像データ)を、集合型光ディスク13a或いは磁気記憶装置13bに記憶させ、また、ネットワークを介して送られてくる検索情報に基づいて前記集合型光ディスク13a或いは磁気記憶装置13bから対応するデータを検索し、これをネットワークを介して要求先に転送する機能を有している。
【0020】
また、該ホストコンピュータ11には、ID情報管理システム14,ID情報照会システム15が設けられており、ホストコンピュータ11において、オペレータの操作によって各種ID情報の管理・照会ができるようになっている。
更に、図1に示すIDカード作成・管理システムにおいては、IDカードの更新窓口の作業を行うためのシステム16と、IDカードの紛失時などに対応する再交付窓口の作業を行うためのシステム17とが設けられている。
【0021】
前記更新窓口システム16は、新規の申請者に関わる各種ID情報を入力し、これを前記ホストコンピュータ11に登録したり、また、ID番号の入力によって前記ホストコンピュータ11から前記ID番号に対応する登録済みのID情報を読み出すための登録端末18と、IDカードの申請書(図6参照)にホストコンピュータ11から送られてきたID情報(ID番号を含む)をプリントするためのプリンタ19とからなる端末が複数設けられ、これらの端末がオフィプロセッサ20を介してネットワークに結合されている。
【0022】
一方、再交付窓口システム17は、EWS21を介してネットワークに結合されており、ファイリング装置12を介して集合型光ディスク13aから申請書や顔画像等のイメージデータを読み出して再発行申請者の本人確認を行い、また、必要なデータ(記憶されていた顔画像データ,申請書データ,ID情報)を磁気記憶装置13b或いは集合型光ディスク13aから読み出してプリントできるようになっている。
【0023】
かかる機能のため、前記再交付窓口システム17には、前記EWS21の他、顔画像をプリントするためのカラープリンタ22、及び、この実施形態では、ID情報(住所,氏名)に欠字(コード化されていない特殊文字)を入力するための欠字入力装置23(タブレット,イメージスキャナ等)、申請書のイメージデータを印字するプリンタ24を含んで構成される。尚、欠字入力装置23は、ホストコンピュータ11や専用のEWSに設けても良い。
【0024】
ここで、図2に従って、前記IDカード作成端末1a,1bの構成をより詳細に説明する。図2に示すように、EWS2は、各種のインターフェイスを介して画像処理装置6,IDカード作成プリンタ8及びネットワークと接続されており、更に、オフラインでデータの受渡しを行うための増設用MT31が接続されている。
【0025】
また、EWS2には、ハードディスクドライブ(HDD)32が内蔵されており、各端末で扱う申請書のイメージデータ,顔画像データ,ID情報などは、前記HDD32に一旦記憶されるようになっている。
更に、前記ビデオカメラ9は、ビデオカメラ本体33,照明装置34,電動式の雲台35によって構成され、オートフレーミング装置10からの指令に応じて前記雲台35を動かしてフレーミング動作が行われる。
【0026】
ここで、前記ビデオカメラ9による撮影結果は、TVモニタ7に写し出されるようになっており、このTVモニタ7を目視しながらオペレータが正規位置にオートフレーミングされたことを確認して操作部36のシャッターボタンを操作すると、そのときの画面(静止画)が画像処理装置6にフリーズされる。そして、フリーズさせた静止画をモニタ表示で確認し、目つぶりなどの不備がないことを確認すると、オペレータは操作部36の確認ボタンを操作する。
【0027】
すると、画像処理装置6のフレームメモリの顔画像データが、IDカード作成用の顔画像データとしてEWS2に転送される。
TVモニタ7に表示された画面によって目つぶりなどの不備が発見されたときには再度撮影を行って、所期の顔画像データが得られるまで撮影を繰り返すことになる。
ここで、画像処理装置6に複数枚のフレームメモリを備えるようにする一方、操作部36のシャッターボタン操作によって連続的に複数枚の撮影が行われるようにし、前記フレームメモリに蓄えられた複数の画像の中から、モニタ表示(インデックス表示又は1枚毎の切り換え表示)によって最適なものをオペレータが選択し、該選択された1つの画像のみをEWS2に出力させるようにしても良い。
【0028】
尚、ホストコンピュータ11のデータベースにID情報や各種のイメージデータを記憶させる場合には、各種のID情報に関しては、ID情報がコード情報であって大きな記憶容量を必要としないので、前述のように、磁気記憶装置13bに記憶させ、顔画像データや申請書のイメージデータなどのイメージデータについては集合型光ディスク13aに記憶させるようにすると良い。
【0029】
上記のように記憶手段を使い分けるようにすると、ID情報管理システムとID情報照会システムとを分けることができる。
つまり、ホストコンピュータ11,ID情報管理システム14,更新窓口システム16のみを稼働させて、ID情報の管理・登録処理を行わせたり、更新窓口システム16に設けられたプリンタ19によって申請書にIDカードの記載項目を印字させ、別途設けられた銀塩写真式カード作成装置によって該申請書の内容と申請者の顔とを光学的に合成して露光させることでIDカードを作成させることができる。
【0030】
また、前記ホストコンピュータ11,ID情報管理システム14,更新窓口システム16からなるID情報管理システムを上記のように単独で稼働させる場合と、ホストコンピュータ11,ID情報照会システム15,再交付窓口システム17,IDカード作成端末1,ファイリング装置12,集合型光ディスク13aからなるID情報照会システムを同時に稼働させる場合とを選択できる。
【0031】
更に、顔画像データ,申請書イメージデータを記憶させる必要がない場合も想定され、この場合には、ファイリング装置12,集合型光ディスク13a,申請書スキャナ5は不要となるが、この場合でも、ID情報はID情報管理システム14が管理するので、登録管理に加え、IDカード作成端末1でIDカードの作成が可能である。
また、上記のようにID情報を磁気記憶装置13bに記憶させるようにすれば、登録端末18からID情報をアクセスしたときのアクセス時間は、ホストコンピュータ11が管理する磁気記憶装置13bの方が、光ディスクを使ったファイリング装置12に比べて早いというメリットもある。
【0032】
また、顔画像データ,申請書イメージデータを光ディスク13aに記憶させるとき、ID情報照会システム15はID情報管理システム14から入手したID情報を、前記2つのイメージデータとセットで記憶させることができ、イメージデータの検索時にキーワードとしてID番号だけでなく、ID情報に含まれる住所,氏名等を使うことができる。
【0033】
ところで、前記図1に示すシステムでは、各IDカード作成端末1a,1bは、申請者の顔を直接ビデオカメラ9で撮影した結果をIDカードにプリントする構成となっているが、このように申請者の顔を直接撮影する代わりに、申請書に貼付される顔写真をビデオカメラで撮影し、該撮影結果を用いてIDカードに顔写真をプリントする作業を行わせたい場合があり、前述の直接撮影するタイプのIDカード作成端末(直接撮影型のIDカード作成手段)と共に、申請書の貼付写真を撮影するタイプのIDカード作成端末(間接撮影型のIDカード作成手段)を備えてネットワークを構築すれば、汎用性を高めることができる。
【0034】
図3は、上記の直接撮影型のIDカード作成端末と間接撮影型のIDカード作成端末との両方をネットワークで結合した実施形態を示すシステムブロック図である。この図3で、間接撮影型のIDカード作成端末41は、既述した直接撮影型のIDカード作成端末1のビデオカメラ9及びオートフレーミング装置10に代えて、申請書に貼付された顔写真を撮影するための間接撮影装置42を設けて構成され、その他の構成については直接撮影型のIDカード作成端末1と同一である。
【0035】
また、図4は、前記間接撮影型のIDカード作成端末41の詳細な構成を示す図であるが、直接撮影型のIDカード作成端末1の詳細な構成を示す図2におけるビデオカメラ9(照明装置23,ビデオカメラ本体24,電動式雲台25),オートフレーミング装置10,操作部36に代えて、図4では、間接撮影装置42を設けてある点のみが異なる。
前記間接撮影装置42は、申請書に貼付された顔写真を読み取る装置であるから、同じく申請書の読取りを行うID番号入力装置4及び申請書スキャナ5と一体的に設けることが好ましい。
【0036】
図5は、間接撮影装置42にID番号入力装置4を内蔵させ、更に、該間接撮影装置42で撮影を終えた申請書が連続的に申請書スキャナ5に搬送されるようにした実施形態を示す。図5に示す装置は、上から申請書の自動搬送装置(ADF)51,ID番号入力装置4を含む間接撮影装置42,申請書スキャナ4の3つの装置から構成されており、3つの装置それぞれには、各装置の動作を制御するためにCPU52a,52b,52cが備えられている。申請書は、自動搬送装置51に備えられた申請書トレー53に所定の向きで載せられ、1枚ずつ間接撮影装置42に送り出される。間接撮影装置42に送り込まれた申請書は、CCDカメラ54及びID番号入力装置4としての光学式文字読取り装置(OCR)55による読取り位置で停止される。
【0037】
ここで、申請書上の顔写真の貼付位置及びID番号の記録位置(図6参照)、更に、申請書の停止位置に応じて位置決めされているCCDカメラ54及びOCR55(OCRリーダー55a,解読部55b)によって、申請書の顔写真がCCDカメラ54によって撮影され、同時にOCR55によって申請書に文字情報として記録されているID番号が読み取られる。従って、顔画像データとID番号との対応を確実に付けることができ、また、顔写真及びID番号の読取り動作を効率的に行わせることができる。
【0038】
CCDカメラ54で読み取られた申請書の顔写真のカラー画像データは、画像処理装置6のフレームメモリ57を介してディジタル信号としてEWS2に出力される。一方、OCR55によって読み取られたID番号は、別途EWS2に出力され、EWS2では、前記顔画像データ及びID番号をHDD32に記憶する。
尚、図5に示す構成では、CCDカメラ54及びOCR55による読取り停止位置において、申請書を裏面(写真が貼付される方を表面とする)から押圧する装置59が設けられており、これによりCCDカメラ54及びOCR55による読取り最適位置に申請書を位置させることができるようにしてある。
【0039】
また、58は、CCDカメラ54による顔写真の撮影照明用の蛍光灯である。CCDカメラ54及びOCR55による読取りが終わると、停止させていた申請書の搬送を再開し、申請書を次の申請書スキャナ5に送り込む。
申請書スキャナ5では、図7に示すように、申請書の表裏を同時に読み取ることができるように、申請書の搬送路を挟んで両側に、光源61及び読取センサ62を備えており、申請書が図7で下向きに搬送されながら固定の読取センサ62によって申請書の表裏のイメージデータが読み取られるようになっている。
【0040】
図7で、63は申請書を搬送するための搬送ローラ、64は前記搬送ローラ63を回転駆動するためのモータである。
尚、図5に示す例では、間接撮影装置42と申請書スキャナ5とを一体化させたが、これらを別々の装置として構成しても良い。また、図5に示す構成からCCDカメラ54の部分を省略して、ID番号入力装置4(OCR55)と申請書スキャナ5とからなる装置とし、これを直接撮影型のIDカード作成端末用の装置としても良い。
【0041】
この場合、図8のフローチャートに示すように、申請書をID番号入力装置4(OCR55)に対してADF51で自動搬送させると、まず、申請書からID番号が読み取られ、該読み取られたID番号に基づくID情報の照会、次いで、ID情報のプリンタへの転送が行われる一方、ID番号が読み取られた申請書は、次の申請書スキャナ5に送られて申請書のイメージデータが読み取られる。
【0042】
上記のようにID番号の読取りが行われて初めて、ID情報の照会が行えるようになるから、ID番号を読取りは申請書のイメージデータの読取りなどに優先して行わせるべきである。また、図7に示した申請書スキャナ5にID番号入力装置4(OCR55)を内蔵させるようにして、直接撮影型に対応する申請書読取り装置としても良い。
【0043】
図9は、かかるID番号入力装置4内蔵型の申請書スキャナ5を示し、前述の図7に示した申請書スキャナ5の読取り終了側にOCR55を設けた構成としてある。そして、図9に示す構成では、申請書スキャナ5で読み取られた申請書を前記OCR55の読取り位置に申請書のID番号の記録部分が合う位置で停止させ、かかる停止状態でID番号の読取りを行わせる。
【0044】
但し、図9に示す構成では、申請書のイメージデータの読取りが終了してからID番号の読取りが行われることになって、ID情報の照会が遅れることになるので、申請書スキャナ5にID番号入力装置4(OCR55)を内蔵させる場合には、図9に示す読取り順とは逆に、まず、ID番号が読み取られてからイメージデータの読取りが行われるよう構成することが好ましい。
【0045】
図10には、IDカード作成プリンタ8の構成例を示してある。
図10において、IDカードのカード材料が、カードカセット71に収納されており、該カードカセット71から1枚ずつ取り出されたカード材料は、各色(イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックB)のプリント部72a〜72dで、順次色別のプリントがなされ、イエローY,マゼンタM,シアンCのプリントを重ねることで、IDカードの顔写真等の部分のカラープリントを可能としており、また、最後に住所,氏名などの文字情報がブラックBでプリントされる。
【0046】
尚、前記イエローY,マゼンタM,シアンCによるカラープリントを可能にするため、レッドR,グリーンG,ブルーBの3原色信号として読み取られた顔画像データは、前記イエローY,マゼンタM,シアンCの濃度情報に変換されるようにしてある。
また、前記イエローY,マゼンタM,シアンCのカラープリント部72a〜72cは、昇華インク型プリンタを用いており、また、ブラックBのプリント部72dは、前記昇華インク型プリンタに対して一般にプリント速度の早い溶融インク型プリンタを用いている。
【0047】
顔写真を含む必要事項のプリントを終えたカード材料は、ホットスタンプ部73(特願平5−9272号参照)に送られ、ここでホットスタンプが施された後、UV塗布部74で紫外線硬化樹脂の塗布が施され、続いてUV光照射部75で紫外線を照射して硬化させて、IDカードの作成が終了する。
【0048】
ここで、前記IDカード作成・管理システムによる処理の流れを、直接撮影型のIDカード作成端末を用いる場合を中心として説明する。
まず、IDカードの申請者は、更新窓口でIDカード発行の登録手続きを行う。具体的には、必要事項を記載し、また、顔写真を貼付した申請書を、旧のIDカードと共に更新窓口に提出する。
【0049】
更新窓口では、前記申請書に記載されたID番号をキーボードから入力し、又は、旧のIDカードのID番号をOCRで読み取らせて、ID番号をホストコンピュータ11に送る。そして、ホストコンピュータ11から前記ID番号に対応するデータとして転送されてきたID情報(ID番号を含むIDカード上への記録情報)を、申請書上にプリントさせる。
【0050】
前記ID情報の申請書上へのプリントは、IDカードの記録フォーマットに合わせることが好ましく(図6参照)、これにより、申請者は内容確認が容易に行える。申請書上へのID番号の記録は、後で行われるOCR読取りが容易となるように、OCRフォントとすることが好ましい。
尚、IDカードの新規申請者の場合や住所変更などがある更新申請者の場合には、申請書に記載された事項(住所,氏名,生年月日など)を、オペレータがキーボード操作によってホストコンピュータ11に新規登録又は更新登録し、また、新規登録者に対応するID番号の設定を行う。
【0051】
ここで、申請者の氏名等に欠字(コード化されていない特殊文字)が含まれている場合には、前記欠字入力装置23によって欠字のイメージデータを入力する。
欠字入力装置23をイメージスキャナとする場合には、欠字は手書きで用紙に記入させるが、申請書が前記用紙を兼ねるようにしても良い。
前記更新窓口での手続きを終えた申請者は、IDカード作成端末に移動し、オペレータに申請書を手渡す。
【0052】
このとき、申請者が多数の場合には、各端末1a,1bに申請者を振り分けるようにすれば良く、これによって、IDカードの作成作業をデータベースを共用しながら並列的に実行させることができる。
オペレータは、図5に示した申請書トレー53に申請書を載せる。これにより、申請書は順次自動搬送され、ID番号の認識,申請書イメージデータの読取りが行われる。
【0053】
申請書から認識されたID番号はEWS2に送られ、EWS2を介してホストコンピュータ11にID情報の照会がなされる。そして、ホストコンピュータ11から転送されるID情報は、EWS2が管理するHDD32に記憶される。
また、申請書スキャナ5で読み取られた申請書のイメージデータは、ID番号が付されてやはりEWS2が管理するHDD32に記憶される。尚、申請書スキャナ5にデータ圧縮機能を持たせ、申請書のイメージデータを圧縮した後にHDD32に記憶させるようにしても良い。
【0054】
一方、撮影ブースに移動した申請者は、ビデオカメラ9による顔の撮影を受け、顔画像データは画像処理装置6を介してEWS2が管理するHDD32に記憶される。HDD32上で、ID情報とこれに対応する顔画像データとが揃うと、IDカード作成プリンタ8がプリント可能な状態の時に、EWS2からIDカード作成プリンタ8に対して前記ID情報と顔画像データとを対として転送し、IDカードのプリントを行わせる。
【0055】
ここで、一方のIDカード作成端末のIDカード作成プリンタ8におけるプリントが滞っている場合や、プリンタ故障が発生していて、プリント不能な状況にある場合には、ネットワークを介して別のIDカード作成端末のプリンタにデータを転送して、別のIDカード作成端末でIDカードのプリントを行わせるようにしても良い。
【0056】
直接撮影型のIDカード作成端末を複数備えるネットワークを構築した場合(図1参照)には、直接撮影によるIDカードの作成を各端末で並列的に処理することが可能であり、特に、上記のようなプリント不能時のデータ転送を端末間で行わせるようにすれば、1つの端末でプリント不能になっても、全体システムとしてこれを吸収して、IDカードの作成作業が大きく滞ってしまうことがない。
【0057】
また、間接撮影型のIDカード作成端末を、直接撮影型のIDカード作成端末と共に備えてネットワークを構成し、間接撮影と直接撮影との両方に柔軟に対応できるようにする場合(図3参照)、同じ割合で間接型と直接型とを可動させることは通常はないと想定されるので、上記のように、プリント不能時の端末間でのデータ転送を行わせるようにすれば、プリンタの可動率を上げて効率の良いIDカード作成が可能となる。
【0058】
一方、HDD32に記憶されている顔画像データ,申請書イメージデータ,ID情報(ID番号を含む)は、ID番号を検索情報としてEWS2の空き時間にホストコンピュータ11にファイリングデータとして転送され、顔画像データ,申請書イメージデータについては集合型光ディスク13aに、また、ID情報については磁気記憶装置13bに記憶される。尚、ホストコンピュータ11に転送される顔画像データについては、圧縮処理をEWS2で施してから転送させるようにしても良い。
【0059】
上記の説明したシステムにおいて、各端末1a,1bを1人のオペレータが操作し、2人の申請者を8秒のサイクルで同時処理する場合を想定すると、各種処理内容は、図11のタイムチャートに示すようにして実行される。
尚、下記の項目番号は、図11のタイムチャート中に示す処理時間に付された番号に対応するものとする。まず、オペレータの動作として、
(1)申請書を申請者から受け取る(1秒)
(2)申請書を申請書スキャナ(OCR)に投入する(1秒)
(3)ID番号をモニタで確認する(3秒)
(4)画像を確認して確認ボタンを押す(1秒)
が行われ、また、申請者の動作としては、
(5)撮影ブースに移動し、着席する(4秒)
が必要となり、顔画像の撮影に当たっては、オートオートフレーミング装置10の動作として、
(6)自動撮影後に、結果をモニタに表示する(2秒)
が行われる。
【0060】
更に、前記オペレータによって投入された申請書に関連して、OCR55,スキャナ5による読取り動作として、
(7)OCRによる申請書のID番号の自動認識(2秒)
(8)申請書をスキャナに自動搬送(2秒)
(9)申請書のスキャナ読取り(3秒)
が行われ、EWS2においては、
(10)ID情報のホスト照会後、ディクスに書き込み(6秒)
(11)顔画像データを受け取り、ディスクに書き込み(2秒)
(12)申請書イメージデータを受け取り、ディスクへ書き込み(4秒)
(13)顔画像データとID情報とを取り出し、プリンタに転送(3秒)
が行われる。
【0061】
一方、上記のようにして顔画像データとID情報とが転送されるプリンタにおいては、
(14)IDカードの作成(8秒)
が行われ、更に、図11のタイムチャート中には示していないが、データベースに対するファイリングデータのソフト圧縮処理や転送処理(10秒)が行われる。
ここで、上記項目番号(10)に示すように、ID情報をホストに照会し、ID情報を入手するまでには数秒以上要し、特に、照会を行う端末を多く設けた場合には、ホストの負担が大きくなって前記照会時間はより長くなってしまう。
【0062】
ID情報と顔画像データとが揃った段階でプリンタにこれらのデータを転送し、更に、各種のファイリングデータを転送し、1人の申請者に対する処理を全て終了してから、次の申請者に対する処理を開始させる構成の場合、プリンタの処理能力が高くても、前記ID情報の照会に要する時間が長いと、撮影のサイクルタイムが長くなって効率が悪い。また、プリンタ8,申請書スキャナ5にエラーが発生したり、ホストコンピュータ11との通信(アクセス)が不能になった場合に、上記の申請者毎に処理を完結させる構成であると、エラー,通信不能状態が復活するまでの間、処理(特に申請者の顔画像撮影)が滞ってしまうことになって好ましくない。
【0063】
そこで、前記EWS2(IDカード作成制御手段)が、ID番号,顔画像データ,ID情報,申請書のイメージデータの取得完了及びプリンタ8への作成指令完了,プリンタ8からのIDカード作成完了の通知の情報をID番号毎に記憶するカード作成管理ファイルをHDD32上に設定するよう構成し、ID番号の取得をトリガーとして前記ファイル登録を行い、各種データの取得や作成指令,完了通知の情報を逐次前記ファイルにセットし、複数のIDカード作成にかかる処理が1つの端末内で並列的に処理できるようにすると良い。
【0064】
ここで、前記カード作成管理ファイルを用いた制御の様子を、図12のデータ・フロー・ダイアグラムを参照しつつ説明する。
尚、図12において、□で囲まれた部分は装置を示し、○で囲まれた部分は機能を示し、更に、上下に直線で挟まれる部分はデータ格納を示すものとする。EWS2においては、まず、ID番号の取得がなされると、前記カード作成管理ファイルにID番号を登録し、ファイルの新規設定を行う。
【0065】
そして、顔画像データのディスクへの格納が終了すると、対応するファイルに顔画像準備完了をセットし、また、前記ID番号を検索情報としてホストからID情報が取り込まれると、対応するファイルにID情報準備完了をセットする。
そして、前記カード作成管理ファイルに基づいて顔画像データとID情報とが取得済みであることが判別されると、顔画像データとID情報とを付属のプリンタ8に転送し、次いで作成指令をプリンタ8に出力し、前記ファイルに対して作成指令完了をセットする。
【0066】
ここで、顔画像データの読取りをID情報の照会に対応させて行わせる必要はなく、たとえID情報の照会が済んでいなくても、顔画像データの読取りを優先してどんどん進行させ、ID情報の照会が済んで顔画像データとID情報とが揃ったことが管理ファイル上で確認されたものから、逐次プリンタ8に対してデータを転送し、作成指令を出力させるようにすれば良い。
【0067】
このように顔画像の撮影を優先させて進行させれば、撮影サイクルがID情報の照会に影響されて長引くことがなく、申請者の顔画像撮影を早期に済ませることができる。
プリンタ8においては、EWS2から転送される顔画像データとID情報とを一時的に記憶できるバッファメモリ(入力データ記憶手段)を備え、IDカードの作成完了又は作成指令のキャンセルがなされるまでは、前記バッファメモリの記憶内容を保持するよう構成する。
【0068】
そして、EWS2から作成指令が出力されると、前記バッファメモリの対応するデータを使用してカード作成を開始する。
ここで、IDカード作成中に、各種消耗品の残量不足やジャムなどのエラーが発生したときには、エラー・ワーニング発生ユニットの信号に基づいて、プリンタのエラー発生ユニット(プリント部72a〜72d,ホットスタンプ部73,UV塗布部74,UV光照射部75)よりも下流側のユニットでは処理を順次進行させ、また、エラー発生ユニットの上流側では各ユニットの処理を終えたところで待機させる。
【0069】
尚、各ユニットの処理を終えたところで待機させるのは、各ユニットにおけるプリント途中で停止させると、画像や文字に白すじが残ってしまうためである。
次いで、EWS2側にエラー・ワーニングデータをステータス情報として通報すると共に、エラー情報をプリンタ8の操作パネルに表示してオペレータに警告する。
オペレータは、前記警告に従ってプリンタ8におけるエラー要因を確認し、そのエラー要因を取り除き、プリント再開信号をプリンタ8の操作パネルを介して入力し、待機させておいたプリント動作を再開させる。
【0070】
ここで、カード材のつまり等によって作成途中のカードを抜いたような場合には、該当するカードに対応する作成指令の再発行を要請する必要があり、オペレータがプリンタ8の操作パネルを介してEWS2に再発行を選択的に指示できるようになっている。
該作成指令の再発行時において、プリンタ8は、エラー発生によってプリントできなかったIDカードの作成をバッファメモリに記憶されているデータに基づいて最初からやり直し、IDカードの作成が完了すると、かかる情報をEWS2に出力して、対応する管理ファイルの作成完了通知がセットされるようにする。
【0071】
従って、プリンタ8による作成中にエラーが生じても、再度顔画像データやID情報をEWS2から転送する必要がなく、エラー要因を除くことで、カード作成を直ちに再開でき、また、エラーによって作成途中のカードを抜いたような場合でも、オペレータの操作によって内蔵バッファメモリ(記憶手段)の記憶データを用いたプリントを最初から行わせることができる。
【0072】
EWS2側では、プリンタ8から送られるエラー・ワーニングデータを表示すると共に、作成指令を出力してから規定時間以上経っても、カード作成管理ファイルに作成完了通知がセットされないときには、先に発行した作成指令を一旦キャンセルし、再度、顔画像データ,ID情報を転送し、作成指令を再発行する。
ここで、上記の顔画像データ,ID情報の再転送及び作成指令の再発行は、同じプリンタ8に対して行っても良いし、付属のプリンタ8によるIDカードの作成は不能であるものと見做し、別の端末に付属されるプリンタ8に対して行われるようにしても良い。
【0073】
これにより、プリント作成指令は出力したものの、実際にプリントされないまま放置されることを回避でき、IDカードの作成を確実かつ早期に行わせることが可能となる。尚、別の端末のプリンタ8に再発行を指示する場合には、カード作成管理ファイル及びハードディスク32に格納されているIDカード作成に関わる各種のデータを、プリントを行わせるプリンタ8に対応するEWS2に移動させ、常に、プリンタ8が特定のEWS2と対となって動作するようにすると良い。
【0074】
また、申請書スキャナ5にエラーが発生し、申請書のイメージデータの取込みが行われていない場合には、IDカードの作成処理には支障はないので、IDカードの作成処理を逐次進行させておき、後で管理ファイルをチェックして申請書のイメージデータの処理が済んでいないことを判別した段階で、入力処理及びデータベースへの転送を行わせることができる。
【0075】
従って、申請書スキャナのエラーが途中で発生しても、IDカードの作成処理は通常に行わせておき、例えば、予定のIDカード作成が終了した後で管理ファイルをチェックして、申請書の読取りが行われていないものについてのみまとめて読取りを行わせることができ、申請書スキャナ5におけるエラー発生が、IDカード作成サイクルに影響を与えることを回避できる。
【0076】
また、ホストコンピュータ11との通信が不能になり、ホストコンピュータ11のデータベース(磁気記憶装置13b)にアクセスしてID情報を照会することができない場合には、IDカードの作成は行えなくなるが、その他のID番号の読取り,顔画像の撮影,申請書の読取りは進行させておき、ホストコンピュータ11との通信が可能になった段階で、ID情報の照会が済んでいない申請者を前記管理ファイルでチェックして逐次ID情報の照会を行い、顔画像データとID情報とが揃ったものから順次IDカードの作成を行わせるようにすれば良い。
【0077】
従って、ホストコンピュータ11との通信が不能になっても、通常に申請者毎の顔画像の撮影、申請書の読取りを進行させておくことができ、前記通信不能によっても撮影が滞ってしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】IDカード作成・管理システムを示すシステムブロック図。
【図2】直接撮影型のIDカード作成端末を示すブロック図。
【図3】IDカード作成・管理システムの別の構成例を示すシステムブロック図。
【図4】間接撮影型のIDカード作成端末を示すブロック図。
【図5】申請書の読取り装置を示す縦断面図。
【図6】申請書の例を示す図。
【図7】申請書スキャナの例を示す縦断面図。
【図8】直接撮影型における処理を示すフローチャート。
【図9】ID番号入力装置を内蔵した申請書スキャナを示す縦断面図。
【図10】プリンタの構成例を示す縦断面図。
【図11】実施形態における処理手順を示すタイムチャート。
【図12】管理ファイルに基づいて処理制御の概略を示すブロック図
【符号の説明】
【0079】
1a,1b…IDカード作成端末(直接撮影型)
2…エンジニアリング・ワーク・ステーション
4…ID番号入力装置
5…申請書スキャナ
6…画像処理装置
7…TVモニタ
8…IDカード作成プリンタ
9…ビデオカメラ
10…オートフレーミング装置
11…ホストコンピュータ
12…ファイリング装置
13a…集合型光ディスク
13b…磁気記憶装置
32…HDD
41… IDカード作成端末(間接撮影型)
42…間接撮影装置
54…CCDカメラ
55…OCR

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID番号を入力するID番号入力手段と、
顔画像データを入力する顔画像入力手段と、
前記ID番号入力手段から所定のID番号が入力されると、該所定のID番号と前記顔画像入力手段で入力された顔画像データとを対応付けたデータを作成すると共に、ID情報を記憶する第1データベースから前記所定のID番号に対応するID情報を取得して、前記所定のID番号に対応する顔画像データ及びID情報を対として出力する一方、該対とした顔画像データ及びID情報を第2データベースに記憶させるIDカード作成制御手段と、
前記IDカード作成制御手段から出力された顔画像データとID情報とに基づいて、カード材料に顔画像及びID情報をプリントするプリント手段と、を備え、
前記IDカード作成制御手段は、前記第1データベースから前記所定のID番号に対応したID情報を取得できない状態においても前記所定のID番号と前記顔画像データとを対応付けたデータの作成を継続し、前記第1データベースから前記所定ID番号に対応してID情報を取得できるようになると前記所定のID番号に対応する顔画像データ及びID情報を対として出力することを特徴とするIDカード作成・管理システム。
【請求項2】
前記ID番号入力手段は、IDカードの作成を申請する申請書に記載されているID番号を読み取るものであって、
前記申請書のイメージデータを読み取る申請書入力手段を更に備え、
前記IDカード作成制御手段は、前記ID番号を検索情報として、前記顔画像データ、前記申請書のイメージデータ及び前記ID情報をセットで前記第2データベースに記憶させることを特徴とする請求項1記載のIDカード作成・管理システム。
【請求項3】
IDカードの再交付時に、前記第2データベースに記憶させた顔画像データ、申請書のイメージデータ又はID情報を読み出す再交付システムを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のIDカード作成・管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−320319(P2007−320319A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203578(P2007−203578)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【分割の表示】特願2005−362839(P2005−362839)の分割
【原出願日】平成5年8月20日(1993.8.20)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】