説明

IGFの構造的アナログを投与することによる中枢神経系の治療方法

【課題】ヒトを含む哺乳動物における脳または脊髄の疾患または障害を治療するための方法を提供する。
【解決手段】この方法は、血液脳関門、血液中枢神経系関門または血液脊髄関門の外側の部位においてインスリン様増殖因子(IGF)の構造的アナログの効果的な量を投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は米国仮特許出願第60/228,633号(2000年8月29日出願)に基づく。
【0002】
合衆国政府は、国立神経障害・脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)補助金番号5RO1NS24327および同9RO1DK53922ならびに疾病管理センター補助金R49CCR811509に準じて本発明において一定の権利を有し得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、1つ以上のIGFの構造的アナログを非頭蓋内および非脊柱内に投与することによる中枢神経系の治療方法に関する。より詳細には、本発明は、1つ以上のIGFの構造的アナログを非頭蓋内または非脊柱内に投与することによって脳または脊髄の障害または疾患を治療するための方法に関する。
【0004】
(図面の説明)
図1は、ELISAによる(A)hIGF−I、(B)Des(1−3)hIGF−I、(C)[Leu24]hIGF−Iおよび(D)[Leu60]hIGF−Iの濃度依存的な検出を示す。サンプルはそれぞれの濃度において三連でアッセイされた。相関係数rが、コンピューターソフトウエアプログラムを使用する線形回帰によって求められた。
【0005】
図2は、成体ラットにおける皮下注射後のCSFおよび血漿における免疫反応性hIGF−Iの用量依存的な分布を示す。血漿およびCSFは、示された用量のhIGF−Iの単回ボーラス皮下注射の90分後にELISAのために採取され、それぞれのサンプルは三連でアッセイされた。群の平均値±SEMが示される(n=3ラット/用量)。A部、CSF中のhIGF−I。B部、血漿中のhIGF−I。データは、線形回帰を使用してプロットされた(r=0.97)。
【0006】
図3は、hIGF−IのCSFへの取り込みに対するhIGF−IIの同時投与の影響を示す。ラットには、150μgのhIGF−Iが単独(n=8)で、または150μgのhIGF−Iおよび400μgのhIGF−IIの組合せ(n=6)が皮下に注射された。血漿およびCSFをアッセイのために90分後に採取した。値は平均値±SEMである。群の平均値を、t検定を使用して比較した(P<0.02)。
【0007】
図4は、Des(1−3)hIGF−I(n=4)、hIGF−I(n=3)またはビヒクル(n=2)を投与した後のCSFおよび血漿における分布の比較を示す。Des(1−3)hIGF−IまたはhIGF−Iの等量(200μg/ラット)を皮下に注射して、血漿およびCSFをアッセイのために90分後に採取した。群の平均値を、ニューマン・クールズ事後検定を使用して比較した。CSFにおけるコントロールに対するDesおよびhIGF−Iについては、それぞれ、P<0.002およびP<0.003。血漿におけるコントロールに対するhIGF−IについてはP<0.002。
【0008】
図5は、[Leu24]hIGF−Iおよび[Leu60]hIGF−IのCSFへの取り込みを示す。[Leu24]hIGF−I(200μg/ラット;n=3ラット)、[Leu60]hIGF−I(100μg/ラット;n=4)、またはhIGF−I(200μg/ラット;n=3)、またはビヒクル(n=9)を皮下に注射し、90分後に血漿およびCSFをアッセイのために採取した。A部、CSF;B部、血漿。群平均値の差が、ニューマン・クールズ事後検定を使用して検出された。CSFにおける[Leu24]hIGF−Iに対するhIGF−IについてはP<0.002。コントロールに対する[Leu24]および[Leu60]についてはP<0.0004、CSFにおけるコントロールに対するhIGF−IについてはP<0.0007。血漿において、hIGF−Iに対する[Leu24]および[Leu60]についてはそれぞれP<0.0002およびP<0.0005。コントロールに対する[Leu60]およびhIGF−IについてはそれぞれP<0.0005およびP<0.0002。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】ELISAによる(A)hIGF−Iの濃度依存的な検出を示す。
【図1B】ELISAによる(B)Des(1−3)hIGF−Iの濃度依存的な検出を示す。
【図1C】ELISAによる(C)[Leu24]hIGF−Iの濃度依存的な検出を示す。
【図1D】ELISAによる(D)[Leu60]hIGF−Iの濃度依存的な検出を示す。
【図2A】成体ラットにおける皮下注射後のCSFおよび血漿における免疫反応性hIGF−Iの用量依存的な分布を示す。A部、CSF中のhIGF−I。
【図2B】成体ラットにおける皮下注射後のCSFおよび血漿における免疫反応性hIGF−Iの用量依存的な分布を示す。B部、血漿中のhIGF−I。
【図3A】hIGF−IのCSFへの取り込みに対するhIGF−IIの同時投与の影響を示す。
【図3B】hIGF−IのCSFへの取り込みに対するhIGF−IIの同時投与の影響を示す。
【図4A】Des(1−3)hIGF−I(n=4)、hIGF−I(n=3)またはビヒクル(n=2)を投与した後のCSFおよび血漿における分布の比較を示す。
【図4B】Des(1−3)hIGF−I(n=4)、hIGF−I(n=3)またはビヒクル(n=2)を投与した後のCSFおよび血漿における分布の比較を示す。
【図5A】[Leu24]hIGF−Iおよび[Leu60]hIGF−IのCSFへの取り込みを示す。[Leu24]hIGF−I(200μg/ラット;n=3ラット)、[Leu60]hIGF−I(100μg/ラット;n=4)、またはhIGF−I(200μg/ラット;n=3)、またはビヒクル(n=9)を皮下に注射し、90分後に血漿およびCSFをアッセイのために採取した。
【図5B】[Leu24]hIGF−Iおよび[Leu60]hIGF−Iの血漿への取り込みを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、1つ以上のIGFの構造的アナログを非頭蓋内および非脊柱内に投与することによる中枢神経系の治療方法に関する。より詳細には、本発明は、1つ以上のIGFの構造的アナログを非頭蓋内または非脊柱内に投与することによって脳または脊髄の障害または疾患を治療するための方法に関する。本発明の目的のために、「IGFの構造的アナログ」は、ヒトおよび動物(ウシ、ブタ、イヌ、ヒツジ、ウマ、シカ、ヤギ、ラット、マウスおよびニワトリ(これらに限定されない)を含む)のIGF−IおよびIGF−IIを含む、天然に存在するインスリン様増殖因子(IGF)に対する実質的な配列相同性を有する分子として定義される。より好ましくは、IGFの構造的アナログは、欠失、置換および/または15個以下のアミノ酸の付加によって修飾されているIGF分子のアミノ酸配列を有する。
【0011】
本発明による方法において、IGFの構造的アナログの好ましい投与経路は、血液脳関門(BBB)、血液中枢神経系関門(B−CNS−B)および血液脊髄関門(B−SC−B)の外側の部位からである。IGFの構造的アナログを循環内に送達することができる、薬学者に知られている一般的な投与経路はいずれも使用することができ、これには、経皮、皮内、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、腹腔内、非経口、口内、舌下、直腸内、経口、鼻内、吸入、皮下の埋め込まれたポンプもしくはマトリックスから、またはIGFの構造的アナログの遺伝子を含み、かつBBB、B−CNS−BおよびB−SC−Bの外側の部位に投与されるプラスミド構築物からが含まれるが、これらに限定されない。例えば、鼻腔および肺には血管が多く分布しており、鼻腔内に、または吸入によって投与されたIGFの構造的アナログは局所的な微小血管によって迅速に取り込まれ、これにより、IGFアナログがBBBまたはB−CNS−Bを越えて脳脊髄液(CSF)に取り込まれ得る。本発明は、投与が、BBB、B−CNS−BおよびB−SC−Bの外側の部位からである場合以外、特定の投与経路に限定されない。
【0012】
好ましい実施形態において、IGFの構造的アナログは単独で投与することができ、または他のIGFアナログとの組合せで投与することができる。IGFアナログはまた、製剤において使用することができる、薬学者に知られている1つ以上の賦形剤、着色剤、塩、溶媒、担体、安定化剤および他の成分と組み合わせることができる。さらなる好ましい実施形態において、IGFの構造的アナログは約0.01μg/kg/日から約4mg/kg/日までの量で投与される。
【0013】
好ましい実施形態において、本発明は、出生後の脳または脊髄の障害または疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、AIDS関連痴呆、老人性痴呆、脳卒中、トラウマ、皮質基底神経節症候群、進行性痴呆、痙攣性不全対麻痺を伴う家族性痴呆、進行性核上麻痺、多発性硬化症、肝性脳症、ピック病、ハンチントン病、シルダーの汎発性脳硬化症、急性壊死性出血性脳脊髄炎、脳腫瘍などを治療するための方法に関する。本発明には、筋萎縮性側索硬化症は含まれない。
【0014】
本発明において使用され得るIGFの構造的アナログには、des(1−3)IGF−I(これは、N末端のトリペプチドを有しないIGF−Iアナログである)、[Arg3]IGF−I(これは、3位のGluがArgに置換されているIGF−Iアナログである)、[Leu24]IGF−I(これは、24位のThrがLeuに置換されているIGF−Iアナログである)、[Leu60]IGF−I(これは、60位のTyrがLeuに置換されている変異体IGF−Iである)、ロングR3IGF−I(これは、3位のGluがArgに置換され、かつ13アミノ酸の伸長をN末端に有する変異体IGF−Iである)、des(1−6)IGF−II(これは、N末端の6ペプチドを有しないIGF−IIアナログである)、[Gly1]IGF−II(これは、1位のAlaがGlyに置換されているIGF−II変異体である)、[Arg6]IGF−II(これは、6位のGluがArgに置換されているIGF−II変異体である)、および[Leu27]IGF−II(これは、27位のTyrがLeuに置換されているIGF−II変異体である)が含まれるが、これらに限定されない。これらのIGFの構造的アナログは、例えば、GroPep,Pty.Ltd(オーストラリア)から市販されている。この分野では、様々な別のIGFの構造的アナログを製造することが可能であると理解されている。
【0015】
本発明において使用されるIGFの構造的アナログは生物学的活性を有する。例えば、眼内に投与されたdes(1−3)IGF−Iは、移植された脊髄、大脳皮質および頭頂葉皮質の眼における増殖を高め得ることが知られている。des(1−3)IGF−Iは、培養された脊髄におけるコリンアセチルトランスフェラーゼ活性を増大させることができ、そして培養された嗅球細胞の増殖を高めることができる。[Arg3]IGF−I、ロングRIGF−I、[Leu24]IGF−I、[Leu60]IGF−I、des(1−6)IGF−II、[Gly1]IGF−II、[Arg6]IGF−IIおよび[Leu27]IGF−IIは、I型IGF受容体、II型IGF受容体またはIGF結合タンパク質に結合し、細胞におけるタンパク質合成を変化させることができる。従って、BBB、B−CNS−BまたはB−SC−Bを通過するIGFの構造的アナログを本発明の目的のために使用することができる。
【0016】
脳および脊髄の治療は、末梢神経系の治療よりも複雑である。これは、B−CNS−B、B−SC−BおよびBBBが、薬学的薬剤(特に、タンパク質およびペプチド)の中枢神経系への送達に対する障害になっているからである。これらの関門はタンパク質およびペプチド(IGFなど)の取り込みおよび進入を防止すると一般に考えられており、これらの問題はIGFの構造的アナログにも同様に当てはまる。出願人は、IGF−IまたはIGF−IIが血液からCSF内に横断して移行し、疾患状態の脳の生化学を正常化し、脊髄における軸索の喪失を妨げ、そして中枢神経系に対する機能的損傷を妨げることができることを以前に明らかにしている。従って、その後の研究に基づいて、IGFの構造的アナログも同様に、血液から脳脊髄液(CSF)内に横断して移行することができ、そして中枢神経系における損傷、疾患または障害を防止し得ることが期待される。
【0017】
下記の例では、IGFの構造的アナログが循環からCSFに進入し得ることが示される。従って、IGFの構造的アナログは、中枢神経系において変化を生じさせることでき、または中枢神経系を治療することができる。例では、IGFを循環からCSFに取り込むキャリアが存在すること、そしてこのキャリアの性質は、I型IGF受容体またはII型IGF受容体などの知られているIGF結合タンパク質およびIGF受容体とは異なることが示される。CSF内に取り込まれる、例におけるIGFアナログには、des(1−3)IGF−I、[Leu24]IGF−Iおよび[Leu60]IGF−Iが含まれる。さらに、IGF−IIは、CSF内へのIGF−Iの取り込みを低下させる。これは、共通するIGFキャリアによる取り込みに対する競合と一致している。本発明は、そのより広い態様において、記載された具体的な細部または代表的な例に限定されない。従って、その後の研究に基づいて、このようなキャリアによってCSF内に取り込まれるIGFの構造的アナログは本発明の目的にために使用され得ることが予想される。CSF内に取り込まれるそのようなIGFの構造的アナログはアゴニストまたはアンタゴニストとして作用し得る。アンタゴニストは、例えば、IGFに依存し得る脳腫瘍の増殖を阻害するために有用であり得る。アゴニストは、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳卒中、トラウマ、老人性痴呆などの脳の様々な疾患および障害を治療するために有用であり得る。
【0018】
実施例では、IGFの構造的アナログがラットに皮下注射された。90分後に血漿およびCSFが採取され、ELISAによって分析された(表I)。
【0019】
【表1】

【0020】
ELISAにより、ヒトIGF−IおよびIGFの構造的アナログが検出された。しかし、このELISAでは、IGF−IIまたはインスリンは検出されなかった。さらに、非治療ラットのCSFまたは血漿におけるいずれの成分もELISAを妨害しなかった。このことは、この試験は、ヒトのIGF−IおよびIGFの構造的アナログに対して特異的であったことを示している。すなわち、CSFまたは血漿における内因性のラットIGF−I、ラットIGF−II、ラットインスリンおよび他のラット物質はELISAを妨害しなかった。図1には、種々の濃度のヒトのIGF−I、des(1−3)IGF−I、[Leu24]IGF−Iおよび[Leu60]IGF−Iに対する標準的なELISA曲線が示される。
【0021】
成体ラットに様々な用量のヒトIGF−Iを皮下注射した。図2は、血漿中のIGF−Iが用量に比例して直線的に増大したことを示している。しかし、CSF内へのIGF−Iの取り込みは用量の増大により飽和した。このことは、取り込みがIGF取り込みキャリアを介してであったことを示している。図3は、IGF−IIが、CSF内への取り込みに対してIGF−Iと競合したことを示している。
【実施例】
【0022】
(実施例)
実施例1.des(1−3)IGF−Iは、N末端から最初の3アミノ酸を失っており、これにより、IGF結合タンパク質−3(IGFBP−3)、IGFBP−4およびIGFBP−5に対して少なくとも1/25に低下した親和性をもたらす。IGFBP−1に対する結合も同様に低下している。des(1−3)IGF−IはI型IGF受容体に結合し、そしてニューロンに対する生物学的活性が増強されている。des(1−3)IGF−Iは、IGFBPに対する結合が低下しているために、より強力である。図4は、皮下に投与されたdes(1−3)IGF−Iが成体ラットにおいて脳脊髄液に取り込まれることを示している。従って、IGFBP−1、IGFBP−3、IGFBP−4およびIGFBP−5に対するIGFおよび変異型IGFの結合はCSF内への取り込みには必要とされず、IGF取り込みのキャリア分子は、IGFBP−1、IGFBP−3、IGFBP−4またはIGFBP−5の特徴を有していない。
【0023】
実施例2.[Leu24]IGF−Iでは、24位のThrがLeuに置換されている。[Leu24]IGF−Iを成体ラットに皮下注射した後、[Leu24]IGF−Iが脳脊髄液において容易に検出された(図5)。このことは、実施例1および実施例3と共に、様々な欠失または置換を有するIGFの構造的アナログが循環からCSF内に取り込まれ得ることを示している。
【0024】
実施例3.[Leu60]IGF−Iでは、60位のTyrがLeuに置換されている。[Leu60]IGF−Iは、I型IGF受容体に対する親和性が1/20に低下している。[Leu60]IGF−Iを成体ラットに皮下注射した後、[Leu60]IGF−Iが脳脊髄液において容易に検出された(図5)。このことは、I型IGF受容体に対する結合は様々なIGFの取り込みには必ずしも必要でないこと、そしてIGFキャリア分子はI型IGF受容体の特徴を有していないことを示している。
【0025】
des(1−3)IGF−IおよびIGF−Iは、認められるほどII型IGF受容体に結合しないが、これらのリガンドはともに皮下投与後にCSF内に取り込まれる。従って、II型IGF受容体に対する結合は、様々なIGFのCSF内への取り込みには必要とされず、そしてIGFキャリア分子はII型IGF受容体の特徴を有していない。
【0026】
循環から脳脊髄液(CSF)内への様々なインスリン様増殖因子(IGF)の取り込みは輸送キャリアタンパク質と一致している。このキャリアタンパク質は、I型もしくII型のIGF受容体またはIGF結合タンパク質と同じ性質を有していない。従って、キャリアは、以前に特徴づけられたIGF結合分子の性質とは異なる性質を有する。
【0027】
従って、IGFの構造的アナログは、哺乳動物において、BBB、B−CSF−Bおよび/またはB−SC−Bを通過してCSFに進入することが明らかにされる。本発明は、変異型IGFおよびIGFアナログを、BBB、B−CSF−BおよびB−SC−Bの外側から投与することができ、そして頭蓋内または髄膜下などの浸襲性で、より危険な投与方法を使用する必要がないという利点を有する。手術の危険性および費用ならびにCNS感染の危険性を本発明によって回避することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中枢神経系を治療する方法であって、中枢神経系におけるニューロン損傷を治療または防止するためにIGFの構造的アナログの効果的な量を投与することを含む方法。
【請求項2】
中枢神経系に対するニューロン損傷が出生後の脳または脊髄における障害または疾患に帰因する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脳におけるニューロン損傷が、アルツハイマー病、パーキンソン病、AIDS関連痴呆、老人性痴呆、脳卒中、トラウマ、皮質基底神経節症候群、進行性痴呆、痙攣性不全対麻痺を伴う家族性痴呆、進行性核上麻痺、多発性硬化症、肝性脳症、ピック病、ハンチントン病、シルダーの汎発性脳性硬化症、または急性壊死性出血性脳脊髄炎のためである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
脳または脊髄におけるニューロン損傷が腫瘍またはガンである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
IGFの構造的アナログがdes(1−3)IGF−Iである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
IGFの構造的アナログが、[Arg3]IGF−I、[Leu24]IGF−I、[Leu60]IGF−I、ロングR3IGF−I、des(1−6)IGF−II、[Gly1]IGF−II、[Arg6]IGF−IIまたは[Leu27]IGF−IIである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
変異型IGFまたはIGFアナログが約0.01μg/kg/日から約4mg/kg/日までの量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
IGFの構造的アナログが非頭蓋内投与および非脊柱内投与によって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
中枢神経系を治療する方法であって、中枢神経系におけるニューロン損傷を治療または防止するために、IGFの構造的アナログの効果的な量を非頭蓋内および非脊柱内に投与することを含む方法。
【請求項10】
損傷が中枢神経系における障害または疾患(ただし、筋萎縮性側索硬化症である場合は除く)に帰因する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
損傷が腫瘍またはガンに帰因する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
変異型IGFまたはIGFアナログがdes(1−3)IGF−Iである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
IGFの構造的アナログが、[Arg3]IGF−I、[Leu24]IGF−I、[Leu60]IGF−I、ロングR3IGF−I、des(1−6)IGF−II、[Gly1]IGF−II、[Arg6]IGF−IIまたは[Leu27]IGF−IIである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
変異型IGFまたはIGFアナログが約0.01μg/kg/日から約4mg/kg/日までの量で投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
非頭蓋内投与および非脊柱内投与が、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、吸入または鼻腔内投与である、請求項9に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2012−197290(P2012−197290A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−123309(P2012−123309)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2002−522924(P2002−522924)の分割
【原出願日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【出願人】(503195056)オーロジエン・インコーポレイテツド (1)
【Fターム(参考)】