IGF1Rインヒビターを用いた癌の処置方法
【課題】頭頸部癌、扁平上皮癌、孤立性形質細胞腫、多発性骨髄腫および腎細胞癌などの他の癌を治療または予防する治療用組成物および方法を提供する。
【解決手段】本発明は対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌などの病状を治療または予防するための組成物を提供し、治療有効量の配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1〜3、または配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1〜3、またはその両方を含む単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【解決手段】本発明は対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌などの病状を治療または予防するための組成物を提供し、治療有効量の配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1〜3、または配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1〜3、またはその両方を含む単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年12月13日に出願された米国仮特許出願第60/874,589号、2006年12月20日に出願された米国仮特許出願第60/870,937号、2007年1月25日に出願された米国仮特許出願第60/946,011号、および2007年10月11日に出願された米国仮特許出願第60/979,274号の利益を主張し、これらの米国仮特許出願のそれぞれは、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、癌を治療または予防するための組成物および方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ソマトメジンとしても公知であるインスリン様成長因子としては、インスリン様成長因子−I(IGF−I)およびインスリン様成長因子−II(IGF−II)が挙げられる(非特許文献1および非特許文献2)。これらの成長因子は、インスリン様成長因子−1受容体(IGF1RまたはIGFR1)という名称の共通受容体に結合することによって、腫瘍細胞を含む多様な細胞タイプに対して分裂促進活性を及ぼす(非特許文献3)(非特許文献4)。IGFのIGF1Rとの相互作用は、チロシン残基の受容体の自己リン酸化を誘発することによって受容体を活性化する(非特許文献5)。IGF1Rは活性化されると、次に細胞内標的をリン酸化して、細胞シグナル伝達経路を活性化する。この受容体活性化は、腫瘍細胞の増殖と生存の刺激にとって重要である。そのためIGF1R活性の阻害は、ヒト癌の増殖や他の増殖性疾患を治療または予防する貴重な潜在的方法に相当する。
【0004】
したがってIFG1Rを阻害する療法は、ある癌の治療または予防に有用である。抗IGF1R抗体は、癌を治療または予防する有用な療法である。当分野で公知であるいくつかの抗IGF1R抗体がある(たとえば特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8または特許文献9を参照)。他の小型分子IGF1Rインヒビターも当分野で公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/100008号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2002/53596号パンフレット
【特許文献3】国際公開第04/71529号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/106621号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/235582号明細書
【特許文献6】国際公開第04/83248号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/59951号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/87756号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2005/16970号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Klapperら、(1983)Endocrinol.112:2215
【非特許文献2】Rinderknechtら、(1978)Febs.Lett.89:283
【非特許文献3】Macaulay,(1992)Br.J.Cancer 65:311
【非特許文献4】Sepp−Lorenzino,(1998)Breast Cancer Research and Treatment 47:235
【非特許文献5】Butlerら、(1998)Comparative Biochemistry and Physiology 121:19
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一部の癌を治療または予防するために使用できる当分野で公知のIGF1Rインヒビターがあるが、頭頸部癌、扁平上皮癌、孤立性形質細胞腫、多発性骨髄腫および腎細胞癌などの他の癌を治療または予防する治療用組成物および方法への要求がなお当分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の背景)
本発明は、頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群(seary syndrome)、皮膚T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、骨髄線維症、骨髄化生、全身性肥満細胞症)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍または肝臓癌を治療または予防するのに有効であるIGF1Rインヒビターおよびその組み合せを提供することによって、上記要求に一部は対処する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 哺乳類対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液悪性腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、T細胞系統の急性リンパ芽球性白血病、B前駆細胞体系統の急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、中枢神経腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫、脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性疾患、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍および肝臓癌から成る群より選択される病状を治療または予防する方法であって、治療有効量の1つ以上のIGF1Rインヒビターまたはその医薬組成物を該対象に投与するステップを含む、方法。
(項目2) 前記IGF1Rインヒビターが
【化119】
から成る群およびヒトIGF1Rに特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合フラグメントより選択される、項目1に記載の方法。
(項目3) 前記インヒビターが、配列番号:2、4、6または8のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3 および/または配列番号:10または12のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む、抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目2に記載の方法。
(項目4) 前記インヒビターが、配列番号:25、26、27または28のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3および/または配列番号:29、30、31、32または33のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む、抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目2に記載の方法。
(項目5) 前記インヒビターが抗体であり、該抗体が:
(a)配列番号:2のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
(b)配列番号:4のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
(c)配列番号:6のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
(d)配列番号:8のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
を含む、項目2に記載の方法。
(項目6) 前記IGF1Rインヒビターが、1つ以上のさらなる化学療法剤またはその医薬組成物と組み合せて投与される、項目1に記載の方法。
(項目7) 前記さらなる化学療法剤が抗癌剤、制吐剤、抗貧血剤または抗粘膜炎剤である、項目6に記載の方法。
(項目8) 前記さらなる化学療法剤が、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV−299、DN−101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244(ARRY−142886)、AMN−107、TKI−258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ−197、MK−0457、MLN8054、PHA−739358、R−763、AT−9263、FLT−3インヒビター、VEGFRインヒビター、EGFR TKインヒビター、オーロラキナーゼインヒビター、PIK−1モジュレーター、Bcl−2インヒビター、HDACインヒビター、c−METインヒビター、PARPインヒビター、Cdkインヒビター、EGFR TKインヒビター、IGFR−TKインヒビター、抗HGF抗体、P13キナーゼインヒビター、AKTインヒビター、JAK/STATインヒビター、チェックポイント−1または2インヒビター、焦点接着キナーゼインヒビター、Mapキナーゼキナーゼ(mek)インヒビター、VEGFトラップ抗体、ペメトレキセド、エルロチニブ、ダサタニブ、ニロチニブ、デカタニブ、パニツブマム、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep−etu、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、オファツムマブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミリフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131−I−TM−601、ALT−110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ギマテカン、IL13−PE38QQR、INO 1001、IPdR、KRX−0402、ルカントン、LY 317615、ノイラジアブ、ビテスパン、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、ロミデプシン、ADS−100380、
【化120】
【化121】
、ボリノスタット、エトポシド、ゲムシタビン、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン、ビンクリスチン、テモゾロミド、ZK−304709、セリシクリブ;PD0325901、AZD−6244、カペシタビン、L−グルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−、二ナトリウム塩、七水和物、カンプトテシン、イリノテカン;イリノテカン、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの組み合せ;PEG標識イリノテカン、FOLFOXレジメン、タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストラゾール、エキセメスタン、レトロゾール、DES(ジエチルスチルベストロール)、エストラジオール、エストロゲン、抱合エストロゲン、ベバシズマブ、IMC−1C11、CHIR−258、
【化122】
);3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン、バタラニブ、AG−013736、AVE−0005、[D−Ser(Bu t)6,Azgly10]の酢酸塩(ピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu t)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2酢酸[C59H84N18O14−(C2H4O2)x、式中、x=1〜2.4]、酢酸ゴセレリン、酢酸ロイプロリド、パモ酸トリプトレリン、スニチニブ、リンゴ酸スニチニブ、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ラロキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸メゲストロール、CP−724714;TAK−165、HKI−272、エルロチニブ、ラパタニブ、カネルチニブ、ABX−EGF抗体、エルビタックス、EKB−569、PKI−166、GW−572016、ロナファーニブ
【化123】
、BMS−214662、チピファルニブ;アミフォスチン、NVP−LAQ824、スベロイルアナリドヒドロキサム酸、バルプロ酸、トリコスタチンA、FK−228、SU11248、ソラフェニブ、KRN951、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、L−アスパラギナーゼ、カルメット−ゲラン杆菌(BCG)ワクチン、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、エピルビシン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、サトラプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トレチノイン、ビンデシン、13−シス−レチノイン酸、フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、デオキシコフォルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミトラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキン、ディフチトックス、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、パクリタキセル、クレモフォールフリーパクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンB、BMS−247550、BMS−310705、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA−923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン、イドキシフェン、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン、PTK787/ZK 222584、VX−745、PD 184352、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、テムシロリムス、AP−23573、RAD001、ABT−578、BC−210、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646、ワートマニン、ZM336372、L−779,450、PEG−フィルグラスチム、ダーベポエチン、5−フルオロウラシル、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、ゾレンドロネート、プレドニゾン、セツキシマブ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒストレリン、ペグ化インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2a、ペグ化インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−2b、アザシチジン、PEG−L−アスパラギナーゼ、レナリドマイド、ゲムツズマブ、ヒドロコルチゾン、インターロイキン−11、デクスラゾキサン、アレムツズマブ、オールトランスレチノイン酸、ケトコナゾール、インターロイキン−2、メゲストロール、免疫グロブリン、ナイトロジェンマスタード、メチルプレドニゾロン、イブリツモマブチウキセタン、アンドロゲン、デシタビン、ヘキサメチルメラミン、ベキサロテン、トシツモマブ、三酸化ヒ素、コルチゾン、エジトロナート、ミトタン、シクロスポリン、リポソームダウノルビシン、Edwinaアスパラギナーゼ、ストロンチウム89、カソピタント、ネツピタント、NK−1受容体拮抗薬、パロノセトロン、アプレピタント、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、メトクロプラミド、ロラゼパム、アプラゾラム、ハロペリドール、ドロペリドール、ドロナビノール、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プロクロルペラジン、グラニセトロン、オンダンセトロン、ドラセトロン、トロピセトロン、ペグフィルグラスチム、エリスロポエチン、エポエチンアルファおよびダーベポエチンアルファから成る群より選択される1つ以上のメンバーである、項目6に記載の方法。
(項目9) 前記IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤が同時に投与される、項目6に記載の方法。
(項目10) 前記IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤が同時に投与されない、項目6に記載の方法。
(項目11) 前記抗体がIgG定常領域を含む、項目2に記載の方法。
(項目12) 前記対象がヒトである、項目1に記載の方法。
(項目13) 前記対象が小児である、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記IGF1Rインヒビターが抗癌治療処置と組み合せて投与される、項目1に記載の方法。
(項目15) 前記抗癌治療処置が外科的腫瘍摘出術および/または抗癌放射線治療である、項目14に記載の方法。
【0009】
本発明は、1つ以上のIGF1Rインヒビターまたはその医薬組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む、対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍または肝臓癌から成る群より選択される病状を治療または予防する方法を提供する。実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0010】
【化1】
およびIGF1R(たとえばヒトIGF1R)に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合フラグメントから成る群より選択される。実施形態において、抗体は:(a)配列番号:2のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(b)配列番号:4のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(c)配列番号:6のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(d)配列番号:8のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;または下の「IGF1Rインヒビター」の節に、本明細書で述べる他のいずれかのIGF1Rインヒビターを含む。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、1つ以上のさらなる抗癌化学療法剤またはその医薬組成物と組み合せて投与される。本発明の実施形態において、さらなる抗癌化学療法剤は、
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
、およびたとえば下の「さらなる化学療法剤」の節で述べられているような、本明細書で述べる他の任意の化学療法剤より選択されるメンバーである。本発明の実施形態において、本明細書で述べる抗IGF1R抗体の投薬量は約0.3〜20mg/体重kgまたは約40〜1200mg/m2の範囲内にある。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤は同時に投与される。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤は同時に投与されない。本発明の実施形態において、抗体はIgG定常領域を含む。本発明の実施形態において、対象はヒト(たとえば小児)である。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは抗癌治療処置と組み合せて投与される。本発明の実施形態において、抗癌治療処置は外科的腫瘍摘出術および/または抗癌放射線処置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】Taqmanを使用して測定した原発性頭頸部腫瘍サンプルにおけるIGF1RmRNA発現。各点は単一の組織サンプルにおけるIGF1Rの正規化発現レベルを表す。各サンプルを採取した患者の頭頸部癌のステージは、I、II、IIIまたはIVと示されている。正常組織サンプルに相当する値は「normal」と示し、腫瘍組織に隣接して位置するが、そうでなければ正常な特徴を呈している、正常隣接組織に相当する値は、「NAT」と示す。
【図2】各種の細胞株における全IGF1R、IGF−IおよびIGF−IIのタンパク質発現レベルのウェスタンブロット分析(上パネル)。各種の細胞株から周囲の成長培地に分泌されたIGF1およびIGF2の量(ng IGF1またはIGF2タンパク質/106細胞)(下パネル)。
【図3A】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における、インビトロ細胞株での扁平上皮癌の阻害。(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【図3B】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における、インビトロ細胞株での扁平上皮癌の阻害。(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【図3C】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における、インビトロ細胞株での扁平上皮癌の阻害。(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【図4】正常組織のIGF2の発現レベルと比較した、原発性胃腺癌腫瘍におけるIGF2の発現レベル。
【図5】ウェスタンブロット分析によって測定した複数の胃癌および卵巣癌細胞株における各種のタンパク質の発現レベル。
【図6】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における扁平上皮癌癌細胞(細胞株SNU−16)のインビトロ成長阻害。
【図7】抗IGF1R抗体LCF/HCAまたは対照免疫グロブリンへの曝露後の、時間に対するマウス異種移植モデルにおける腎細胞の癌腫瘍成長。
【図8】各種濃度の抗IGF1R抗体LCF/HCAに曝露したときの黒色腫細胞株A375−SMのインビトロ成長阻害。
【図9】抗IGF1R抗体LCF/HCAに曝露したときのマウスにおける扁平上皮癌細胞株SCC15のインビボ成長阻害。
【図10−1】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−2】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−3】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−4】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−5】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、非癌性医学的障害、ならびに頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群(seary syndrome)、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌、胃癌、巨人症、下垂体腺腫、乾癬および腎臓の桿状腫瘍を含む、癌を治療または予防する組成物および方法を含む。癌は、IGF1Rインヒビター、たとえば抗IGF1R抗体を投与することによって治療または予防できる。抗体は、さらなる化学療法剤、たとえば本明細書で述べるいずれの抗癌化学療法剤などの化学療法剤と組み合せることができる。
【0016】
IGF1R、IGFR1およびIGF−1Rという用語は同意語であり、インスリン様成長因子1受容体を指す。
【0017】
IGF1Rインヒビター
「IGF1Rインヒビター」または「IGF1R拮抗薬」などの用語は、非癌性医学的障害および癌(たとえば腫瘍成長)の両方の徴候、症状および/または臨床的特徴のいずれかの測定可能な緩和ならびに/あるいは癌(たとえば頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群(seary syndrome)、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌、胃癌、巨人症、下垂体腺腫、乾癬および腎臓の桿状腫瘍)のいずれかの程度までの進行または転移の予防、遅延または停止を含む、投与者(たとえば研究者、医師または獣医師)が求めている、組織、系、対象または患者の生物学的または医学的応答を誘発する、IGF1Rの発現、リガンド結合(たとえばIGF−1および/またはIGF−2への結合)、キナーゼ活性(たとえば自己リン酸化活性)または他のいずれかの生物活性(たとえば足場非依存性細胞成長の媒介)と、ホスホ−IRS1レベルとを低下させる、いずれかの物質を含む。
【0018】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与することができるIGF1Rインヒビターは、Burtrumら、Cancer Research 63:8912−8921(2003);仏国特許出願FR2834990、FR2834991およびFR2834900ならびにPCT国際出願番号.WO 03/100008;WO 03/59951;WO 2006/13472;WO 04/71529;WO 03/106621;WO 04/83248;WO 04/87756、WO 05/16970;およびWO 02/53596のいずれかに開示されたもののいずれかなどの、インスリン様成長因子−1受容体(ヒトIGF1R)(たとえばモノクローナル抗体)(たとえば完全ヒトモノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、二重特異的抗体、Fab抗体フラグメント、F(ab)2抗体フラグメント、Fv抗体フラグメント(たとえばVHまたはVL)、単鎖Fv抗体フラグメント、dsFv抗体フラグメント、ヒト化抗体、キメラ抗体または抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する任意の単離抗体または抗原結合フラグメントである。
【0019】
本発明の実施形態において、本発明の方法で患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、成熟19D12/15H12軽鎖−C、D、EまたはF(LCC、LCD、LCE、またはLCF)および成熟19D12/15H12重鎖AまたはB(HCAまたはHCB)を含む、単離抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体である。本発明の実施形態において、抗体は成熟LCFおよび成熟HCAを含む(LCF/HCA)。本発明の実施形態において、本発明の方法で患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、19D12/15H12軽鎖−C、D、EまたはFおよび/または19D12/15H12重鎖AまたはBの1つ以上の相補性決定領域(CDR)(たとえば3つすべての軽鎖CDRおよび3つすべての重鎖CDR)を含むIGF1Rに特異的に結合する単離抗体である。
【0020】
本発明の一部の抗体鎖のアミノ酸およびヌクレオチド配列を下に示す。点線が下に引かれているタイプはシグナルペプチドを示す。実線が下に引かれているタイプはCDRを示す。下線のないタイプはフレームワーク領域を示す。成熟フラグメントにはシグナルペプチドがない。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
本発明は、本明細書で述べる抗体鎖が抗体結合活性に著しい影響を及ぼさない1つ以上の突然変異によって保存的に置換される実施形態を含む。
【0026】
15H12/19D12軽鎖および重鎖に作動可能に連結されたCMVプロモータを含むプラスミドは、American Type Culture Collection(ATCC);10801 University Boulevard;マナッサス、バージニア州20110−2209に2003年5月21日に寄託されている。プラスミドの寄託名およびATCCアクセション番号を下に示す:
【0027】
【化10】
本発明は、ATCCに寄託された上述のプラスミドのいずれかに位置する免疫グロブリン軽鎖および/または重鎖あるいはその成熟フラグメントのいずれかを含む抗IGF1R抗体およびその抗原結合フラグメントを含む方法および組成物(たとえば本明細書で開示されるいずれも)を含む。
【0028】
本発明の実施形態において、ヒトIGF1Rに「特異的に」結合する抗体は、約10−8Mまたは10−7Mあるいはより小さい数のKdで;あるいは本発明の別の実施形態において、Biacore測定により、約1.28×10−10Mまたはより小さい数のKdで、あるいはKinExA測定により、約2.05×10−12Mまたはより小さい数のKdで結合する。別の実施形態において、ヒトIGF1Rに「特異的に」結合する抗体は、ヒトIGF1Rのみに結合して、他のタンパク質にはいかなる特定の量でも結合しない。
【0029】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2002/53596に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2002/53596で述べられた配列番号:2、6、10、14、18、22、47および51から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2002/53596で述べられた配列番号:4、8、12、16、20、24、45および49から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗体は、WO 2002/53596の抗体2.12.1;2.13.2;2.14.3;3.1.1;4.9.2;および4.17.3の重鎖および/または軽鎖より選択される重鎖および/または軽鎖を含む。
【0030】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2003/59951に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2003/59951で述べられた配列番号:54、61、および65から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2003/59951で述べられた配列番号:69、75、79、および83から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0031】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2004/83248に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2004/83248で述べられた配列番号:109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141および143から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2004/83248で述べられた配列番号:108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140および142から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗体は、WO 2004/83248の
【0032】
【化11】
の軽鎖および/または重鎖より選択される軽鎖および/または重鎖を含む。
【0033】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2003/106621に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2003/106621で述べられた配列番号:8−12、58−69、82−86、90、94、96、98から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2003/106621で述べられた配列番号:7、13、70−81、87、88、92から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0034】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2004/87756に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2004/87756で述べられた配列番号:2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2004/87756で述べられた配列番号:1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0035】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2005/16970に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2005/16970で述べられた配列番号:6または10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2005/16970で述べられた配列番号:2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0036】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは:
【0037】
【化12】
から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
【0038】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは:
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
【0041】
本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は:
【0042】
【化15】
のアミノ酸配列を含む、軽鎖免疫グロブリン、またはその成熟フラグメント(すなわちシグナル配列がない)、またはその可変領域を含む。本発明の実施形態において、シグナル配列は配列番号:25−28のアミノ酸1−22である。本発明の実施形態において、成熟可変領域には下線が付けてある。本発明の実施形態において、CDRはボールド/イタリックフォントである。本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上で述べたような1つ以上のCDR(たとえば3つの軽鎖CDR)を含む。
【0043】
本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は:
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
のアミノ酸配列を含む、重鎖免疫グロブリン、またはその成熟フラグメント(すなわちシグナル配列がない)、またはその可変領域を含む。本発明の実施形態において、シグナル配列は配列番号:29−32のアミノ酸1−19である。本発明の実施形態において、成熟可変領域には下線が付けてある。本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上で述べたような1つ以上のCDR(たとえば3つの軽鎖CDR)を含む。
【0046】
本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は、配列番号:13−18のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とそれぞれ対合した、配列番号:19−24のいずれかのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は、配列番号:29または30のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対合した、配列番号:25または26のいずれかのアミノ酸配列を含む成熟軽鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は、配列番号:31または32のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対合した、配列番号:27または28のいずれかのアミノ酸配列を含む成熟軽鎖可変領域を含む。
【0047】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fxの免疫グロブリン重鎖(配列番号:33)または成熟フラグメントまたは可変領域(本発明の実施形態において、リーダー配列には下線が付けてある;本発明の実施形態において、CDRはボールド/イタリックフォントである):
【0048】
【化18】
を含む。
【0049】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fx(配列番号:33)のアミノ酸20−470を含む。
【0050】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、成熟免疫グロブリン重鎖可変領域2.12.1fx(配列番号:33のアミノ酸20−144;配列番号:34):
【0051】
【化19】
を含む。
【0052】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、免疫グロブリン軽鎖または成熟フラグメントまたは可変領域2.12.1fx(配列番号:35)(本発明の実施形態において、リーダー配列には下線が付けてある;本発明の実施形態において、CDRはボールド/イタリックフォントである):
【0053】
【化20】
を含む。
【0054】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fx(配列番号:35)のアミノ酸23−236を含む。
【0055】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、成熟免疫グロブリン軽鎖可変領域2.12.1fx(配列番号:35のアミノ酸23−130;配列番号:36):
【0056】
【化21】
を含む。
【0057】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fx(配列番号:35)のアミノ酸23−236を含むまたはそれより成る軽鎖免疫グロブリン鎖および2.12.1fx(配列番号:33)のアミノ酸20−470を含むまたはそれより成る重鎖免疫グロブリン鎖を含むまたはそれより成る。
【0058】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上で述べたような1つ以上の2.12.1fxCDR(たとえば3つの軽鎖CDRおよび/または重鎖CDR)を含む。
【0059】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体または抗原結合フラグメントあるいはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン軽鎖可変領域;バージョン1(配列番号:37):
【0060】
【化22】
を含む。
【0061】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン軽鎖可変領域;バージョン2(配列番号:38):
【0062】
【化23】
を含む。
【0063】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン1(配列番号:39):
【0064】
【化24】
を含む。
【0065】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン2(配列番号:40):
【0066】
【化25】
を含む。
【0067】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン3(配列番号:41):
【0068】
【化26】
を含む。
【0069】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、A12免疫グロブリン重鎖可変領域(配列番号:42):
【0070】
【化27】
を含む。
【0071】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、A12免疫グロブリン軽鎖可変領域(配列番号:43):
【0072】
【化28】
または(配列番号:105):
【0073】
【化29】
を含む。
【0074】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、1A免疫グロブリン重鎖可変領域(配列番号:44):
【0075】
【化30】
を含み;場合により次の突然変異:R30、S30、N31、S31、Y94、H94、D104、E104を含む。
【0076】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、1A免疫グロブリン軽鎖可変領域(配列番号:45):
【0077】
【化31】
を含み;場合により次の突然変異:P96、I96、P100、Q100、R103、K103、V104、L104、D105、E105を含む。
【0078】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)8A1(配列番号:46):
【0079】
【化32】
を含む。
【0080】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)9A2(配列番号:47):
【0081】
【化33】
を含む。
【0082】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)11A4(配列番号:48):
【0083】
【化34】
を含む。
【0084】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)7A4(配列番号:49):
【0085】
【化35】
を含む。
【0086】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)11A1(配列番号:50):
【0087】
【化36】
を含む。
【0088】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)7A6(配列番号:51):
【0089】
【化37】
を含む。
【0090】
発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメント(たとえば重鎖または軽鎖免疫グロブリン)は:
【0091】
【化38】
から成る群より選択される1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む。
【0092】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは:
【0093】
【化39】
【0094】
【化40】
【0095】
【化41】
【0096】
【化42】
【0097】
【化43】
から成る群より選択される軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む。
【0098】
本発明の範囲は、患者が抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体を投与される方法を包含し、ここでその抗体の可変領域は、任意の免疫グロブリン定常領域に連結している。一つの実施形態において、軽鎖可変領域はκ鎖定常領域に連結している。一つの実施形態において、重鎖可変領域はγ1、γ2、γ3、またはγ4鎖定常領域に連結している。本明細書中で示される免疫グロブリン可変領域のいずれかは、本発明の実施形態において、前述の定常領域のいずれかに連結され得る。
【0099】
さらに本発明の範囲は、Chothiaら、J.Mol.Biol.186:651−663(1985);Novotny and Haber,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4592−4596(1985)またはKabat,E.A.ら、 Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,(1987))で述べられた方法のいずれかによって示されるような、本明細書で述べる軽鎖免疫グロブリンまたは重鎖免疫グロブリンのいずれかの1つ以上のCDR(3つの軽鎖CDRおよび/または3つの重鎖CDR)および/またはフレームワーク領域を含むいずれの抗体または抗体フラグメントも含む。
【0100】
本発明の実施形態において、「モノクローナル抗体」という用語は本明細書で使用するように、実質的に同種の抗体の集合から得た抗体を指し、すなわちその集合を構成する個々の抗体が、より少ない量で存在可能な考えられる天然発生型変異を除いて同一である。上記のように、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohlerら、(1975)Nature 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製できる。
【0101】
本発明の実施形態において、二重特異的または二官能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異的抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を含む各種の方法によって産生できる。たとえばSongsivilaiら、(1990)Clin.Exp.Immunol.79:315−321,Kostelnyら、(1992)J Immunol.148:1547−1553を参照。さらに二重特異的抗体は、「ダイアボディ」(Holligerら、(1993)PNAS USA 90:6444−6448)として、または「Janusin」(Trauneckerら、(1991)EMBO J.10:3655−3659およびTrauneckerら、(1992)Int.J.Cancer Suppl.7:51−52)として形成することができる。
【0102】
本発明の実施形態において、「完全ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。完全ヒト抗体は、マウス細胞またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、非ヒト、たとえばマウス炭化水素鎖を含有できる。同様に、「マウス抗体」は、マウス免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。
【0103】
本発明は、「キメラ抗体」、すなわち別のヒトまたは非ヒト種(たとえばマウス、ウマ、ウサギ、イヌ、ウシ、ニワトリ)からの抗体領域(たとえば定常領域)によって融合またはキメラ化された、本発明の可変領域を含む抗体を含む。これらの抗体は、非ヒト種でのIGF1Rの発現または活性を調節するために使用できる。
【0104】
「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを有し、これらのドメインは1つのポリペプチド鎖内に存在する。一般に、sFvポリペプチドは、sFvに抗原結合のための所望の構造を形成させることができるポリペプチドリンカーをVHドメインとVLドメインとの間にさらに含む。単鎖抗体の産生について記載された技法(米国特許第5,476,786号;第5,132,405号および第4,946,778号)は、抗IGF1R特異的単鎖抗体を産生するのに適合させることができる。sFvの総説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照。
【0105】
本発明の実施形態において、「ジスルフィド安定化Fvフラグメント」および「dsFv」は、ジスルフィド架橋によって結合されている可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)を含む免疫グロブリンを指す。
【0106】
本発明の範囲内の抗原結合フラグメントは、たとえばペプシンによる、IgGの酵素切断によって産生できるF(ab)2フラグメントも含む。Fabフラグメントは、たとえばジチオスレイトールまたはメルカプトエチルアミンによるF(ab)2の還元によって産生できる。Fabフラグメントは、ジスルフィド架橋によってVH−CH1鎖に付加されたVL−CL鎖である。F(ab)2フラグメントは、2個のジスルフィド架橋によって付加される2個のFabフラグメントである。F(ab)2分子のFab部分は、間にジスルフィド架橋が位置するFc領域の部分を含む。
【0107】
FvフラグメントはVLまたはVH領域である。
【0108】
その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには少なくとも5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのいくつかはさらにサブクラス(アイソタイプ)、たとえばIgG−1、IgG−2、IgG−3およびIgG−4;IgA−1およびIgA−2に細分することができる。本明細書に記載されるように、そのいずれの抗体または抗原結合フラグメントも本発明の範囲内にある。
【0109】
本発明の抗IGF1R抗体およびフラグメントは、化学部分に結合体化され得る。化学部分は特に、ポリマー、放射性核種または細胞傷害性因子でもよい。本発明の実施形態において、化学部分は対象の体内で抗体分子の半減期を延長するポリマーである。適切なポリマーとしては、これに限定されるわけではないが、ポリエチレングリコール(PEG)(たとえば2kDa、5kDa、10kDa、12kDa、20kDa、30kDaまたは40kDaの分子量のPEG)、デキストランおよびモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)が挙げられる。Leeら(1999)(Bioconj.Chem.10:973−981)は、PEG結合体化単鎖抗体を開示している。Wenら(2001)(Bioconj.Chem.12:545−553)は、抗体に放射性金属キレート剤(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA))に結合されているPEGを結合体化することを開示している。
【0110】
本発明の抗体および抗体フラグメントは、99Tc、90Y、111In、32P、14C、125I、3H、131I、11C、15O、13N、18F、35S、51Cr、57To、226Ra、60Co、59Fe、57Se、152Eu、67CU、217Ci、211At、212Pb、47Sc、109Pd、234Th、および40K、157Gd、55Mn、52Trおよび56Feなどの標識と結合体化され得る。
【0111】
本発明の抗体および抗体フラグメントには、フルオロフォア、たとえば希土類キレート、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、イソチオシアナート、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、フルオレサミン、152Eu、ダンシル、ウンベリフェロン、ルシフェリン、ルミナール標識、イソルミナール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム塩標識、シュウ酸エステル標識、エクオリン標識、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、ビオチン/アビジン、スピン標識および安定遊離ラジカルを含む蛍光または化学発光標識を結合体化することもできる。
【0112】
抗体および抗体フラグメントは、細胞傷害性因子、たとえばジフテリア毒素、Pseudomonas aeruginosa外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質および化合物(たとえば脂肪酸)、ジアンチンタンパク質、Phytoiacca americanaタンパク質PAPI、PAPII、およびPAP−S、momordica charantiaインヒビター、クルシン、クロチン、saponaria officinalis阻害剤、ミトゲリン、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、およびエノマイシンに結合体化することもできる。
【0113】
本発明の抗体分子およびフラグメントを各種の部分に結合体化するための当分野で公知のいずれの方法も、Hunterら、(1962)Nature 144:945;Davidら、(1974)Biochemistry 13:1014;Painら、(1981)J.Immunol.Meth.40:219;およびNygren,J.,(1982)Histochem.and Cytochem.30:407によって記載された方法を含めて、利用できる。抗体を結合体化する方法は従来的であり、当分野できわめて周知である。
【0114】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、BMS−577098
【0115】
【化44】
である。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの病状を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0116】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0117】
【化45】
を含む、WO 03/48133で述べられたピリミジン誘導体のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0118】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0119】
【化46】
を含む、WO 03/35614で述べられたチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0120】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0121】
【化47】
を含む、WO 03/35615で述べられたチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0122】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0123】
【化48】
を含む、WO 03/35616で述べられたチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0124】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0125】
【化49】
を含む、WO 03/35619で述べられチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0126】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばVEGF−2R、Kit、FLT3および/またはPDGFRも阻害する多標的キナーゼインヒビター、たとえばSU−11248(たとえばリンゴ酸スニチニブ)またはBay43−9006(ソラフェニブ)である。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0127】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0128】
【化50】
を含む、WO 03/24967で述べられた化合物のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0129】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0130】
【化51】
を含む、WO 04/30625で述べられた化合物のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0131】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0132】
【化52】
を含む、WO 04/30627で述べられた化合物のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0133】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0134】
【化53】
を含む、WO 00/35455で述べられたヘテロアリール−アリール尿素のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0135】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/27246で述べられたペプチドのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0136】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、PCT Application Publication No.WO 02/92599で開示された
【0137】
【化54】
またはいずれかの4−アミノ−5−フェニル−7−シクロブチル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体である。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0138】
抗体の産生
IGF1Rを阻害する所望の生物学的特性を備えた抗体を誘発するために、いずれの適切な方法も使用できる。各種の哺乳類宿主、たとえばマウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなどからモノクローナル抗体(mAb)を作製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を作製する技法の説明については、たとえばStitesら(eds.)BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY(4th ed.)Lange Medical Publications,Los Altos,CA、およびそこで引用された参考文献;Harlow and Lane(1988)ANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL CSH Press;Goding(1986)MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(2d ed.)Academic Press,New York,NY.に見出すことができる。それゆえモノクローナル抗体は、当分野の研究者が精通する各種の技法によって得ることができる。通例、所望の抗原で免疫化した動物からの脾臓細胞は、一般に骨髄腫細胞との融合によって不死化される。Kohler and Milstein(1976)Eur.J.Immunol.6:511−519を参照。不死化の代わりの方法としては、エプスタイン・バー・ウイルス、オンコジーンまたはレトロウイルスによる形質転換、あるいは当分野で公知の他の方法が挙げられる。たとえばDoyleら、(eds.1994 and periodic supplements)CELL AND TISSUE CULTURE:LABORATORY PROCEDURES,John Wiley and Sons,New York,NY.を参照。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原に対する所望の特異性および親和性の抗体の産生についてスクリーニングされ、このような細胞により生成されるモノクローナル抗体の産生は、脊椎動物宿主の腹腔への注入を含む各種の技法によって向上させることができる。あるいはたとえばHuseら(1989)Science 246:1275−1281によって概説された一般プロトコルに従って、ヒトB細胞からのDNAライブラリをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体またはその結合フラグメントをコードするDNA配列を単離できる。
【0139】
他の適切な技法は、ファージまたは同様のベクター中の抗体のライブラリの選択を含む。たとえばHuseら、Science 246:1275−1281(1989);およびWardら、Nature 341:544−546(1989)を参照。本発明のポリペプチドおよび抗体は、キメラまたはヒト化抗体を含めて、改変を伴って、または改変なしで使用することができる。ポリペプチドおよび抗体は頻繁に、検出可能なシグナルを与える物質を共有的にまたは非共有的に結合することによって標識されるであろう。多種多様の標識およびコンジュゲーション技法が公知であり、科学文献および特許文献の両方で広範に報告されている。上述のように、適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補助因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;および第4,366,241号が挙げられる。組み換え免疫グロブリンは、産生可能であり、たとえばCabilly 米国特許第4,816,567号;およびQueenら(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029−10033を参照;またはトランスジェニックマウス内で産生可能である、Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146−156を参照。キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体を生成するさらなる方法が当分野で周知である。たとえばQueenらに付与された米国特許第5,530,101号、Winterらに付与された米国特許第5,225,539号、Bossらに付与された米国特許第4,816,397号を参照、そのすべては参考としてその全体が組み入れられている。
【0140】
本発明の抗体の発現のための宿主として利用できる哺乳類細胞株は当分野で公知であり、American Type Culture Collection(ATCC)より入手できる多くの不死化細胞株を含む。これらとしては特に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(たとえばHep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK−293細胞および多数の他の細胞株が挙げられる。哺乳類宿主細胞としては、ヒト、マウス、ラット、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマおよびハムスター細胞が挙げられる。特に選好される細胞株は、高い発現レベルを有する細胞株を決定することによって選択される。使用できる他の細胞株は、昆虫細胞系、たとえばSf9細胞、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞および真菌細胞である。重鎖またはその抗原結合部分、軽鎖および/またはその抗原結合部分をコードする組み換え発現ベクターが哺乳類宿主細胞中に導入されるとき、抗原は、宿主細胞での抗体の発現を、またはさらに好ましくは宿主細胞が培養されている培地中への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間にわたって宿主細胞を培養することによって産生される。
【0141】
抗体は、標準のタンパク質精製方法を使用して培地から回収できる。さらに産生細胞株からの本発明の抗体(またはそれからの他の部分)の発現は、多数の公知の技法を使用して高められ得る。たとえばグルタミンシンターゼ遺伝子発現系(GS系)は、ある条件下での発現を高める一般的な手法である。GS系は、欧州特許第0 216 846号、第0256 055号、および第0 323 997号ならびに欧州特許出願第89303964.4号に関連して全体または一部が議論されている。
各種の細胞株によって、またはトランスジェニック動物において発現された抗体は互いに異なるグリコシル化を有することが考えられる。しかしながら本明細書で提供する核酸分子によってコードされた、または本明細書で提供するアミノ酸配列を含むすべての抗体は、抗体のグルコシル化とは関係なく、本発明の一部である。
【0142】
抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを産生するのに有用な都合の良いプラスミド系は、公開された米国特許出願US2005/0176099で述べられている(WO2005/47512も参照)。
【0143】
さらなる化学療法剤
本発明は、さらなる化学療法剤(たとえば抗癌化学療法剤および/または制吐化学療法剤)と組み合せて、たとえば本明細書で述べたような、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントの治療的に許容される投薬量または量を投与することによって、本明細書で述べた医学的障害のいずれかを治療または予防する方法を提供する。たとえばさらなる化学療法剤としては、エルロチニブ、ダサタニブ(dasatanib)、ニロチニブ、デカタニブ(decatanib)、パニツブマム、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep−etu(「リポソーム封入パクリタキセル−Easy to Use」、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、オファツムマブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミリフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131−I−TM−601、ALT−110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ギマテカン、IL13−PE38QQR、INO 1001、IPdR、KRX−0402、ルカントン、LY 317615、ノイラジアブ(neuradiab)、ビテスパン(vitespan)、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV−299、DN−101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244(ARRY−142886)、AMN−107、TKI−258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ−197、MK−0457、MLN8054、PHA−739358、R−763またはAT−9263が挙げられる。
【0144】
アブラキサンは、平均粒径が約130ナノメートルのパクリタキセルのアルブミン結合形を含む、パクリタキセルタンパク質結合粒子の注射用懸濁剤である。アブラキサンは、静脈内注入前に0.9%塩化ナトリウム注射、USP 20mLで再構成するために、白色〜黄色の滅菌凍結乾燥粉末として供給される。各単回使用バイアルは、パクリタキセル100mgおよびヒトアルブミン約900mgを含有する。再構成された懸濁剤は1ミリリットル(mL)につきパクリタキセル5mgを含有する。アブラキサンは、溶媒を含まず、クレモフォール(ポリオキシエチル化ヒマシ油)を含まない。
【0145】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0146】
【化55】
【0147】
【化56】
【0148】
【化57】
と組み合せて提供される。
【0149】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、エトポシド(VP−16;
【0150】
【化58】
)と組み合せて提供される。
【0151】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ゲムシタビン(
【0152】
【化59】
)と組み合せて提供される。
【0153】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、公開された米国特許出願US2004/0209878A1で開示された(たとえば
【0154】
【化60】
によって表されるコア構造を含む)いずれかの化合物またはCaelyxまたはDoxil(登録商標)(ドキソルビシンHClリポソーム注射;Ortho Biotech Products LP;ラリタン、ニュージャージー州)を含むドキソルビシン(
【0155】
【化61】
)と組み合せて提供される。Doxilは、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンナトリウム塩(MPEG−DSPE);完全水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、およびコレステロールで構成されるStealth(登録商標)リポソーム担体中のドキソルビシンを含む。
【0156】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(
【0157】
【化62】
)と組み合せて提供される。
【0158】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ビンクリスチン(
【0159】
【化63】
)と組み合せて提供される。
【0160】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、テモゾロミド(
【0161】
【化64】
)いずれかのCDKインヒビター、たとえばZK−304709、セリシクリブ(R−ロスコビチン)
【0162】
【化65】
;いずれかのMEKインヒビター、たとえばPD0325901(
【0163】
【化66】
)、AZD−6244;カペシタビン(5’−デオキシ−5−フルオロ−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−シチジン);あるいはL−グルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−、二ナトリウム塩、七水和物(
【0164】
【化67】
);ペメトレキセド二ナトリウム塩、七水和物と組み合せて提供される。
【0165】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、カンプトテシン
【0166】
【化68】
またはイリノテカン
【0167】
【化69】
;イリノテカン、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの組み合せ;あるいはPEG標識イリノテカンと組み合せて提供される。
【0168】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、FOLFOXレジメン(オキサリプラチン(
【0169】
【化70】
)、注射用フルオロウラシル(
【0170】
【化71】
)およびフォリン酸(
【0171】
【化72】
)を含む)と組み合せて提供される(Chaoucheら、Am.J.Clin.Oncol.23(3):288−289(2000);de Gramontら、J.Clin.Oncol.18(16):2938−2947(2000))。
【0172】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗エストロゲン、たとえば
【0173】
【化73】
と組み合せて提供される。
【0174】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、アロマターゼインヒビター、たとえば
【0175】
【化74】
または
【0176】
【化75】
と組み合せて提供される。
【0177】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、エストロゲン、たとえばDES(ジエチルスチルベストロール)、
【0178】
【化76】
または抱合エストロゲン(Wyeth Pharmaceuticals Inc.;フィラデルフィア、ペンシルバニア州によってPremarin(登録商標))と組み合せて提供される。
【0179】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ベバシズマブ(Avastin(商標);Genentech;サンフランシスコ、カリフォルニア州)を含む抗血管新生剤、抗VEGFR−2抗体IMC−1C11、他のVEGFRインヒビター、たとえば:CHIR−258(
【0180】
【化77】
)、WO2004/13145(たとえばコア構造式:
【0181】
【化78】
を含む)、WO2004/09542(たとえばコア構造式:
【0182】
【化79】
を含む)、WO00/71129(たとえばコア構造式:
【0183】
【化80】
を含む)、WO2004/09601(たとえばコア構造式:
【0184】
【化81】
を含む)、WO2004/01059(たとえばコア構造式:
【0185】
【化82】
を含む)、WO01/29025(たとえばコア構造式:
【0186】
【化83】
を含む)、WO02/32861(たとえばコア構造式:
【0187】
【化84】
を含む)、で述べられた、またはWO03/88900(たとえばコア構造式:
【0188】
【化85】
を含む)で述べられたインヒビターのいずれか;3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン;バタラニブ(
【0189】
【化86】
;PTK/ZK;GPG−79787;ZK−222584)、AG−013736(
【0190】
【化87】
);ならびにVEGFトラップ(AVE−0005)、すなわちVEGF受容体1および2の一部を含む可溶性のおとり受容体と組み合せて提供される。
【0191】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)作用薬、たとえば[D−Ser(Bu t)6,Azgly 10](ピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu t)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2酢酸の酢酸塩[C59H84N18O14−(C2H4O2)x、式中、x=1〜2.4];
【0192】
【化88】
または
【0193】
【化89】
と組み合せて提供される。
【0194】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、スニチニブまたはマレイン酸スニチニブ
【0195】
【化90】
と組み合せて提供される。
【0196】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、プロゲステロン剤、たとえば
【0197】
【化91】
【0198】
【化92】
(カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン;17−((1−オキソヘキシル)オキシ)プレグナ−4−エン−3,20−ジオン;)、酢酸メゲストロールまたはプロゲスチンと組み合せて提供される。
【0199】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、たとえば
【0200】
【化93】
と組み合せて提供される。
【0201】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、これに限定するわけではないが:
【0202】
【化94】
【0203】
【化95】
(フルタミド;2−メチル−N−[4−ニトロ−3(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド;Schering Corporation、ケニルワース、ニュージャージー州によってEulexin(登録商標)として販売);
【0204】
【化96】
および
【0205】
【化97】
を含む、抗アンドロゲンと組み合せて提供される。
【0206】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、これに限定されるわけではないが、
【0207】
【化98】
;N−{3−クロロ−4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−6−[5−({[2−(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)−2−フリル]−4−キナゾリンアミン;PCT公開番号.WO99/35146)、カネルチニブ(CI−1033;
【0208】
【化99】
、ABX−EGF抗体(Abgenix,Inc.;フリーモント、カリフォルニア州;Yangら、Cancer Res.59(6):1236−43(1999);Yangら、Crit Rev Oncol Hematol.38(1):17−23(2001))、エルビタックス(米国特許第6,217,866号;IMC−C225、セツキシマブ;Imclone;ニューヨーク、ニューヨーク州)、
【0209】
【化100】
、PK−166(
【0210】
【化101】
;CGP−75166)、GW−572016、いずれかの抗EGFR抗体およびいずれかのHER2抗体を含む、EGF受容体またはHER2の作用を拮抗させる1つ以上のインヒビターと組み合せて提供される。
【0211】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0212】
【化102】
と組み合せて提供される。別の実施形態において、次のFPTインヒビターの一方:
【0213】
【化103】
が本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合せて提供される。
【0214】
本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントと結合して提供されうる他のFPTインヒビターとしては、BMS−214662
【0215】
【化104】
;(R)−7−シアノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−3−(フェニルメチル)−4−(2−チエニルスルホニル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン))およびR155777(ティピファニブ;Garnerら、Drug Metab.Dispos.30(7):823−30(2002);Danceyら、Curr.Pharm.Des.8:2259−2267(2002);(B)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン);
【0216】
【化105】
が挙げられる。
【0217】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0218】
【化106】
【0219】
【化107】
【0220】
【化108】
【0221】
【化109】
【0222】
【化110】
【0223】
【化111】
【0224】
【化112】
【0225】
【化113】
【0226】
【化114】
と組み合せて提供される。
【0227】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは:フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、デオキシコフォルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミトラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキン、ディフチトックス、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンB、BMS−247550(Lee ら、Clin.Cancer Res.7:1429−1437(2001)を参照)、BMS−310705、ドロロキシフェン(3−ヒドロキシタモキシフェン)、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA−923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン(CP−336156)、イドキシフェン、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン、PTK787/ZK 222584(Thomasら、Semin Oncol.30(3 Suppl 6):32−8(2003))、ヒト化抗VEGF抗体ベバシツマブ、VX−745(Haddad,Curr Opin.Investig.Drugs 2(8):1070−6(2001))、PD 184352(Sebolt−Leopoldら、Nature Med.5:810−816(1999))、いずれかのmTORインヒビター、
【0228】
【化115】
【0229】
【化116】
、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646(Vlahosら、J.Biol.Chem.269(7):5241−5248(1994))、ワートマニン、BAY−43−9006、(Wilhelmら、Curr.Pharm.Des.8:2255−2257(2002))、ZM336372、L−779,450、Lowingerら、Curr.Pharm Des.8:2269−2278(2002)に開示されているいずれかのRafインヒビター;フラボピリドール(L86−8275/HMR 1275;Senderowicz,Oncogene 19(56):6600−6606(2000))またはUCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン;Senderowicz,Oncogene 19(56):6600−6606(2000))のいずれかの1つ以上と組み合せて提供される。
【0230】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは:スチリル置換ヘテロアリールEGFRインヒビターを開示している米国特許第5,656,655号;ビス単環式および/または二環式アリールヘテロアリール炭素環およびヘテロ炭素環EGFRおよびPDGFRインヒビターを開示している米国特許第5,646,153号;EGFRを阻害する三環式ピリミジン化合物を開示している米国特許第5,679,683号;受容体チロシンキナーゼ阻害活性を有するキナゾリン誘導体を開示している米国特許第5,616,582号;EGFRを阻害する構造(Fryらの図1を参照)を有する化合物を開示しているFryら、Science 265 1093−1095(1994);EGFRを阻害するヘテロアリールエテンジイル化合物またはヘテロアリールエテンジイルアリール化合物を開示している米国特許第5,196,446号;受容体のEGFR、PDGFR、およびFGFRファミリーを阻害するPD166285として同定された化合物を開示しており、PD166285は6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニルアミノ)−8−メチル−8H−ピリド(2,3−d)ピリミジン−7−オンとして同定されている、Panekら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 283:1433−1444(1997)で述べられている化合物のいずれか1つ以上と組み合せて提供される。
【0231】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファ−2a、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファ−2b、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファ−2c、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファn−1、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファn−3、およびペグ化、非ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはアルブミン−インターフェロン−アルファのいずれか1つ以上と組み合せて提供される。
【0232】
「インターフェロンアルファ」という用語は本明細書に使用するように、細胞増殖を阻害して、免疫応答を調節する高度に相同性の種特異的タンパク質のファミリーを意味する。代表的な適切なインターフェロン−アルファとしては、これに限定されるわけではないが、組み換えインターフェロンアルファ−2b、組み換えインターフェロンアルファ−2a、組み換えインターフェロンアルファ−2c、アルファ2インターフェロン、インターフェロンアルファ−n1(INS)、天然アルファインターフェロンの精製ブレンド、米国特許第4,897,471号および第4,695,623号(特にその実施例7、8または9)に記載されたようなコンセンサス・アルファ・インターフェロン、またはインターフェロンアルファ−n3、天然アルファインターフェロンの混合物が挙げられる。
【0233】
インターフェロンアルファ−2aは、Hoffmann−La Roche(ナットレイ、ニュージャージー州)によってROFERON−A(登録商標)として販売されている。
【0234】
インターフェロンアルファ−2bは、Schering Corporation(ケニルワース、ニュージャージー州)によってINTRON−A(登録商標)として販売されている。インターフェロンアルファ−2bの製造はたとえば、米国特許第4,530,901号に記載されている。
【0235】
インターフェロンアルファ−n3は、Hemispherx Biopharma,Inc.(フィラデルフィア、ペンシルバニア州)によってALFERON N INJECTION(登録商標)として販売されている。
【0236】
インターフェロンアルファ−n1(INS)は、Glaxo−Smith−Kline(リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州)によってWELLFERON(登録商標)として販売されている天然インターフェロンの混合物である。
【0237】
コンセンサスインターフェロンは、Intermune,Inc.(ブリスベーン、カリフォルニア州)によってインフェルゲン(登録商標)として販売されている。
【0238】
インターフェロンアルファ−2cは、Boehringer lngelheim Pharmaceutical,Inc.(リッジフィールド、コネチカット州)によってBEROFOR(登録商標)として販売されている。
【0239】
天然インターフェロンの精製ブレンドは、住友;東京、日本によってSUMIFERON(登録商標)として販売されている。
【0240】
「ペグ化インターフェロンアルファ」という用語は本明細書で使用するように、インターフェロンアルファ、好ましくはインターフェロンアルファ−2aおよびアルファ−2bのポリエチレングリコール修飾結合体を意味する。好ましいポリエチレングリコール−インターフェロンアルファ−2b結合体は、PEG12000−インターフェロンアルファ−2bである。「12,000分子量ポリエチレングリコール結合体化インターフェロンアルファ」 および「PEG 12000−IFNアルファ」という句は本明細書で使用するように、国際公開番号WO 95/13090およびEP1039922の方法に従って調製され、インターフェロンアルファ−2aまたは2bアミノ基と、12000の平均分子量を有するポリエチレングリコールとの間にウレタン結合を含有するような結合体を含む。ペグ化インターフェロンアルファ、PEG12000−IFN−アルファ−2bは、Schering−Plough Research Institute、ケニルワース、ニュージャージー州から入手できる。
【0241】
好ましいPEG 12000−インターフェロンアルファ−2bは、PEGポリマーをインターフェロンアルファ−2b分子中のヒスチジン残基に結合することによって調製できる。単一のPEG 12000分子は、IFNアルファ−2b分子の遊離アミノ基にウレタン結合を介して結合体化することができる。この結合体は、結合されたPEG 12000の分子量を特徴とする。PEG 12000−IFNアルファ−2b結合体は、注射用凍結乾燥粉剤として調合できる。
【0242】
ペグ化インターフェロンアルファ−2bは、Schering Corporation(ケニルワース、ニュージャージー州)によってPEG−INTRON(登録商標)として販売されている。
【0243】
ペグ化インターフェロンアルファ−2aは、Hoffmann−La Roche(ナットレイ、ニュージャージー州)によってPEGASYS(登録商標)として販売されている。
【0244】
他のインターフェロンアルファ結合体は、インターフェロンアルファを水溶性ポリマーに結合することによって調製できる。このようなポリマーの非制限的なリストは、他のポリアルキレンオキシドホモポリマー、たとえばポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、そのコポリマーおよびそのブロックコポリマーを含む。ポリアルキレンオキシドベースポリマーの代用として、効果的な非抗原性物質、たとえばデキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物ベースポリマーなどが使用できる。このようなインターフェロンアルファ−ポリマー結合体はたとえば、米国特許第4,766,106号、米国特許第4,917,888号、欧州特許出願第0 236 987号または第0 593 868号またはInternational Publication No.WO 95/13090に記載されている。好ましいPEG 12000−INFアルファ−2bは、PEGポリマーをインターフェロンアルファ−2b分子中のヒスチジン残基に結合することによって調製できる。
【0245】
非経口投与に適切なペグ化インターフェロンアルファの医薬組成物は、適切な緩衝剤、たとえばTris−HCl、第二リン酸ナトリウム/第一リン酸ナトリウム緩衝剤などの酢酸塩またはリン酸塩、および医薬的に許容される賦形剤(たとえばスクロース)、担体(ヒト血漿アルブミン)、等張化剤(toxicity agents)(たとえばNaCl)、保存料(たとえばチメロサール、クレゾールまたはベンジルアルコール)、および界面活性剤(tweenまたはポリソルベート)を用いて注射用の滅菌水中で調合できる。ペグ化インターフェロンアルファは、凍結乾燥粉剤として2〜8℃にて冷蔵で貯蔵できる。再構成された水溶液は、2〜8℃で貯蔵されて、再構成の24時間以内に使用されるときに安定である。たとえば米国特許第4,492,537号;第5,762,923号および第5,766,582号を参照。再構成された水溶液は、インスリンなどの薬物の送達に有用なものなどの、前もって充填された複数回用量注射器に貯蔵することも可能である。代表的で適切な注射器としては、Novo Nordiskより入手できるNOVOLET(登録商標)ノボペンまたはSchering Corporation、ケニルワース、ニュージャージー州より入手できるREDIPEN(登録商標)などの、ペン型注射器に取り付けられた予め充填されたバイアルを含むシステムが挙げられる。他の注射器システムとしては、個別の区画内に希釈剤および凍結乾燥ペグ化インターフェロンアルファ粉剤を含有するガラスカートリッジを含むペン型注射器が挙げられる。
【0246】
本発明の範囲は、1つ以上の他の抗癌化学療法剤(たとえば本明細書に記載したような)と組み合せて、および/またはこれに限定されるわけではないが、カソピタント(GlaxoSmithKline)、ネツピタント(MGI−Helsinn)および他のNK−1受容体拮抗薬、パロノセトロン(MGI PharmaによってAloxiとして販売)、アプレピタント (Merck and Co.;ラーウェイ、ニュージャージー州によってEmendとして販売)、ジフェンヒドラミン(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってBenadryl(登録商標)として販売)、ヒドロキシジン(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってAtarax(登録商標)として販売)、メトクロプラミド(AH Robins Co,;リッチモンド、バージニア州によってReglan(登録商標)として販売)、ロラゼパム(Wyeth;マディソン、ニュージャージー州によってAtivan(登録商標)として販売)、アプラゾラム(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってXanax(登録商標)として販売)、ハロペリドール(Ortho−McNeil;ラリタン、ニュージャージー州によってHaldol(登録商標)として販売)、ドロペリドール(Inapsine(登録商標))、ドロナビノール(Solvay Pharmaceuticals,Inc.;マリエッタ、ジョージア州によってMarinol(登録商標)として販売)、デキサメタゾン(Merck and Co.;ラーウェイ、ニュージャージー州によってDecadron(登録商標)として販売)、メチルプレドニゾロン(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってMedrol(登録商標)として販売)、プロクロルペラジン(Glaxosmithkline;リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州によってCompazine(登録商標)として販売)、グラニセトロン(Hoffmann−La Roche Inc.;ナットレイ、ニュージャージー州によってKytril(登録商標)として販売)、オンダンセトロン(Glaxosmithkline;リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州によってZofran(登録商標)として販売)、ドラセトロン(Sanofi− Aventis;ニューヨーク、ニューヨーク州によってAnzemet(登録商標)として販売)、トロピセトロン(Novartis;イーストハノーバー、ニュージャージー州によってNavoban(登録商標)として販売)を含む制吐薬と組み合せて、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物を投与することによる、本明細書で述べた病状または疾患の治療または予防の方法も含む。
【0247】
制吐薬を含む組成物は、抗癌化学療法の一般的な副作用である悪心を予防または治療するのに有用である。したがって本発明は、場合により1つ以上の他の化学療法剤(たとえば本明細書に記載した)と組み合せた、そして場合により1つ以上の制吐剤と組み合せた、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することによって、対象の癌を治療または予防する方法を含む。
【0248】
癌治療の他の副作用としては、赤血球および白血球欠乏が挙げられる。したがって本発明の方法は、このような欠乏を治療または予防する薬剤、たとえばペグフィルグラスチム、エリスロポエチン、エポエチンアルファまたはダーベポエチン(darbepoetin)アルファと場合により組み合せた、抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物を含む。
【0249】
別の抗癌療法の副作用は粘膜炎である。したがって本発明は、抗粘膜炎治療と組み合せて抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することによって、本明細書で述べた病状または疾患を治療または予防する方法および組成物を提供する。たとえば粘膜炎治療としては、麻酔ゲル粘性Xylocaine(登録商標)(リドカイン)2%の局所使用および含嗽;またはアロプリノール、塩酸ベンジダミン、コルチコステロイドおよび/またはカモミールを含むマウスウォッシュが挙げられる。
【0250】
本発明は、治療処置、たとえば外科的腫瘍摘出術または抗癌放射線処置と組み合せて;場合によりたとえば上述したようなさらなる化学療法剤および/または制吐薬と組み合せて抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することによって、本明細書で述べたいずれの病状のいずれの段階または種類も治療または予防する方法をさらに含む。
【0251】
「組み合せて」という用語は、本発明の組成物の成分(たとえばドセタキセルを加えた、抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメント)が同時送達のための単一組成物として調合できること、または2つ以上の組成物(たとえばキット)として別個に調合できることを示す。さらに各成分は、他の成分が投与されるのとは別の時に対象に投与することができる;たとえば各投与は、所与の期間にわたって複数の間隔で非同時的に(たとえば別個にまたは連続して)与えることができる。その上、別個の成分は、同じまたは別の経路で対象に投与できる(たとえば抗IGF1R抗体は非経口的に投与され、ゲフィチニブは経口投与される)。
【0252】
治療方法および投与
本発明は、頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌、胃癌、巨人症、下垂体腺腫、乾癬および腎臓の桿状腫瘍のいずれかを治療または予防するために、さらなる化学療法剤、またはその製薬調合物と場合により組み合せて、IGF1Rインヒビターを使用する方法を含む。
【0253】
さらなる化学療法剤(たとえば上述したような)および医薬的に許容される担体と組み合せてIGF1Rインヒビターを(たとえば単一組成物に、またはキット内で別個に)含む医薬組成物も、本発明の範囲内である。医薬組成物は、製薬分野で周知のいずれの方法によっても調製できる;たとえば
【0254】
【化117】
を参照。本発明の実施形態において、抗体は、抗体、たとえばLCF/HCA(たとえば1、5、10、15、20または25mg/ml)、酢酸ナトリウム三水和物(たとえば1.8、2.3または3.1mg/ml)、氷酢酸(たとえば0.5、0.18または2.2mg/ml);スクロース(たとえば50または70mg/ml);およびpH約5.5の水を含む医薬組成物の一部として対象に投与される。
【0255】
「頭頸部癌」などの用語は、口腔、咽頭、副鼻腔;鼻腔、喉頭、および唾液腺(たとえば耳下腺、顎下腺、舌下線)を含む、体の頭部および頸部範囲に発生するいずれの癌も含む。普通のタイプの頭頸部癌は、頭部および頸部範囲に発生する扁平上皮癌である。他のタイプの頭頸部癌としては、唾液腺腫瘍、黒色腫、リンパ腫および肉腫が挙げられる。
【0256】
「扁平上皮癌」(SCC)などの用語は、皮膚の扁平細胞を含むいずれの癌も含む。該用語は、たとえば角化棘細胞腫、孔道癌(carcinoma cuniculatum)、浸潤性SCC、インサイチューSCC、または転移性SCCを含む、いずれのサブタイプの扁平上皮癌も含む。
【0257】
「多発性骨髄腫」および「孤立性形質細胞腫」などの用語は、形質細胞の癌を含む。孤立性形質細胞腫は、体内の単一の場所における骨髄腫である。「多発性骨髄腫」という用語は、たとえば骨髄腫細胞が体内の複数の部位(たとえば骨髄部位)で発生する実施形態を含む。該用語は、たとえば軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫を含むいずれのサブタイプの多発性骨髄腫も含む。
【0258】
「腎細胞癌」などの用語は、腎臓の癌または腎腺癌とも呼ばれ、癌細胞が腎臓のいずれかの組織に見出される実施形態を含む。該用語はたとえば、たとえば明細胞癌(顆粒細胞と混合している、またはしていない)、好色素性癌、腎臓の桿状腫瘍、嫌色素性癌、膨大細胞癌、集合管癌、移行細胞癌および肉腫様腫瘍を含む、いずれのサブタイプの腎細胞癌も含む。
【0259】
「対象」または「患者」という用語は、いずれの生物も、好ましくは哺乳類(たとえば霊長類、イヌ、ウマ、ラット、マウス、ネコ、ウサギ)を、最も好ましくはヒトを含む。本発明の実施形態において、「対象」または「患者」は、ヒト成人(たとえば18歳以上)またはヒト小児(たとえば18歳未満、たとえば1歳未満、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10歳)である。
【0260】
場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターを含有する医薬組成物は、従来の医薬的に許容される賦形剤および添加剤ならびに従来の技法を使用して調製できる。このような医薬的に許容される賦形剤および添加剤としては、非毒性適合性充填剤、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存料、抗酸化剤、滑沢剤、香料、増粘剤、着色料、乳化剤などが挙げられる。これに限定されるわけではないが、非経口(たとえば皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、局所、腹腔内、吸入、頭蓋内)および非経口以外(たとえば経口、経皮、経鼻、眼内、舌下、経直腸および局所)を含む、すべての投与経路が検討される。
【0261】
注射剤は、液体液剤または懸濁剤、注射前に液体への溶解または懸濁に適した固体形、あるいは乳剤のどちらかとしての従来の形で調製できる。注射剤、液剤および乳剤も1つ以上の賦形剤を含有できる。賦形剤としてはたとえば、水、食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールが挙げられる。さらに所望ならば、投与される医薬組成物は、微量の非毒性補助物質、たとえば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤、および他のこのような薬剤、たとえば酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンおよびシクロデキストリンも含有できる。
【0262】
本発明の実施形態において、非経口調製物で使用する医薬的に許容される担体としては、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散化剤、乳化剤、封鎖剤またはキレート剤および他の医薬的に許容される物質が挙げられる。
【0263】
水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張デキストロース注射剤、滅菌水注射、デキストロースおよび乳酸加リンゲル注射が挙げられる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物起源の固定油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油およびラッカセイ油が挙げられる。フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンズエトニウムを含む、静菌または静真菌濃度の抗菌剤は、複数回用量容器に包装された非経口調製物に添加する必要がある。等張剤としては、塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁化剤および分散化剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN−80)が挙げられる。金属イオン封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられる。医薬担体としては、水混和性ビヒクルのための、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;そしてpH調製のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸も挙げられる。
【0264】
本発明の実施形態において、非経口投与用の調製物としては、すぐに注射できる滅菌液剤、皮下注射用錠剤を含む、使用直前にすぐに溶媒と混合できる滅菌無水溶解性生成物、たとえば凍結乾燥粉剤、すぐに注射できる滅菌懸濁剤、使用直前にビヒクルとすぐに混合できる滅菌無水不溶性生成物および滅菌乳剤が挙げられる。液剤は、水性または非水性のどちらかであることが可能である。
【0265】
一定レベルの投薬量が維持されるような遅延放出または持続放出システムの植え込みも本明細書で検討される。簡潔には、活性剤(たとえば、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せた、IGF1Rインヒビター)を、体液に不溶性である外部ポリマー膜、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーによって包囲された、固体内部マトリクス(たとえばポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩コポリマー、親水性ポリマー、たとえばアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコールおよび架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニル)に分散させる。化合物は、放出速度制御ステップにて外部ポリマー膜を通じて拡散する。このような非経口組成物に含有された活性化合物のパーセンテージは、その特異的な性質はもちろんのこと、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターの活性、および対象の要求にも大きく依存する。
【0266】
場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターの濃度は、注射が所望の薬理学的効果を生成する有効量を提供するように調整することができる。後述するように、正確な用量は、当分野で公知であるように、患者または動物の年齢、体重および状態によって変わる。
【0267】
本発明の実施形態において、単位用量非経口調製物は、アンプル、バイアルまたは針を備えた注射器に包装される。当分野で公知であり、実施されているように、非経口投与用の調製物はすべて滅菌されていなければならない。
【0268】
本発明の実施形態において、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターは、凍結乾燥粉剤として調合されて、投与のために液剤、乳剤および他の混合物として再構成することが可能である。粉剤は再構成され、固体またはゲルとして調合されることも可能である。
【0269】
本発明の実施形態において、滅菌凍結乾燥粉剤は、場合によりさらなる化学療法剤、またはその医薬的に許容される誘導体と組み合せたIGF1Rインヒビター(たとえば抗IGF1R抗体)を適切な溶媒に溶解させることによって調製される。溶媒は、粉剤または粉剤から調製された再構成液剤の安定性または他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含有することができる。使用可能である賦形剤としては、これに限定されるわけではないが、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロースまたは他の適切な薬剤が挙げられる。溶媒は、一実施形態において、ほぼ中性pHの緩衝剤、たとえばクエン酸塩、リン酸ナトリウムまたはカリウムあるいは当業者に公知の他のこのような緩衝剤も含有できる。当業者に公知の標準条件下での、液剤の次の滅菌濾過と、続いての凍結乾燥は、所望の調合物を提供する。一実施形態において、得られた溶液は凍結乾燥のためにバイアル内に分配されるであろう。各バイアルは、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターの単回投薬量または複数回投薬量を含有することができる。用量または一連の用量に必要とされるよりもわずかに多い量を含む(たとえば約10%)過剰充填バイアルは、正確なサンプル取り出しと正確な投薬を容易にするために許容される。凍結乾燥粉剤は、約4℃〜室温などの適切な条件下で貯蔵することができる。
【0270】
凍結乾燥粉剤の注射用水による再構成は、非経口投与で使用するための調合物を提供する。本発明の実施形態において、再構成のために、凍結乾燥粉剤は滅菌水または他の適切な担体に添加される。正確な量は、投与されている選択した療法によって変わる。このような量は経験的に決定できる。
【0271】
吸入による投与は、トリオレイン酸ソルビタンまたはオレイン酸を含有するエアゾールを、たとえばトリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、または他のいずれかの生物適合性推進剤ガスと共に使用することによって提供できる;場合によりさらなる化学療法剤と組み合せた、単独の、または粉末形の賦形剤と組み合せた、IGF1Rインヒビターを含有するシステムを使用することも可能である。
【0272】
本発明の実施形態において、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターは、経口投与のための固体投薬形として、一実施形態においてはカプセル剤または錠剤として調合される。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、次の成分:結合剤;滑沢剤;希釈剤;流動促進剤;崩壊剤;着色剤;甘味剤;着香剤;湿潤剤;催吐コーティング;およびフィルムコーティングの1つ以上、または同様の性質の化合物を含有することができる。結合剤の例としては、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、スクロースおよびデンプンペーストが挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム、セキショウシおよびステアリン酸が挙げられる。希釈剤としてはたとえば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトールおよびリン酸二カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、これに限定されるわけではないが、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としてはたとえば、認可認証された水溶性FDおよびC染料、この混合物;ならびにアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FDおよびC染料のいずれかが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトールおよび人工甘味剤、たとえばサッカリン、およびいずれかの数の噴霧乾燥香料が挙げられる。着香剤としては、果物などの植物から抽出された天然香料およびこれに限定されるわけではないが、ペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの快い感覚を生じる化合物の合成ブレンドが挙げられる。湿潤剤としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコールおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラックおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
【0273】
本明細書で述べた薬剤のいずれも、単層ベシクル(ULV)および多層ベシクル(MLV)リポソームならびにデポフォーム(商標)粒子などのリポソーム調合物を含む持続放出調合物に調合することができる(Kimら、Biochim.Biophys.Acta(1983)728(3):339−348;Kim,Methods Neurosci.(1994)21:118−131;Kimら、Anesthesiology(1996)85(2):331−338;Katreら、J.Pharm.Sci.(1998)87(11)1341−1346)。デポフォームシステムの特徴は、各デポフォーム粒子の内側で、脂質膜の連続非同心性網目に囲まれた不連続内部水性チャンバが、より高い水性対脂質の容積比と、MLVと比較してはるかに大きい粒径を与えることである。
【0274】
調剤および投与
本発明の方法は、場合によりさらなる化学療法剤、またはその医薬組成物と組み合された、IGF1Rインヒビターの投与を含む。通例、このような薬剤の投与および調剤は、可能な場合、Physicians’Desk Reference 2003(Physicians’Desk Reference,57th Ed);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;57th edition(November 2002)で承認薬の製品情報シートに記載されたスケジュールはもちろんのこと、当分野で周知の治療プロトコルにも従って行われる。
【0275】
「治療有効量」または「治療有効投薬量」という用語は、癌、たとえば頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌の徴候、症状および/または臨床的特徴の測定可能な緩和(いずれのIGF1R活性、たとえばIGF−IおよびIGF−II結合またはキナーゼ活性の阻害を含む)および/またはの任意の程度までの進行または転移の予防、遅延または停止を含む、投与者(たとえば研究者、医師または獣医師)が求めている組織、系、対象および宿主の生物学的または医学的応答を誘発するであろう本発明の組成物(たとえばIGF1Rインヒビター、たとえば抗IGF1R抗体)の量または投薬量を意味する。たとえば一実施形態において、いずれかの抗IGF1R抗体;たとえば(a)配列番号:2のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(b)配列番号:4のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(c)配列番号:6のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(d)配列番号:8のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;を含む抗体またはその抗原結合フラグメントあるいは本明細書で言及した他のいずれかの抗IGF1R抗体の「治療有効投薬量」は、週2回、週1回、2週ごとに1回、3週ごとに1回、または1ヶ月に1回、約0.3〜約20mg/体重kg(たとえば約0.5mg/体重kg、約1mg/体重kg、約2mg/体重kg、約3mg/体重kg、約4mg/体重kg、約5mg/体重kg、約6mg/体重kg、約7mg/体重kg、約8mg/体重kg、約9mg/体重kg、約10mg/体重kg、約11mg/体重kg、約12mg/体重kg、約13mg/体重kg、約14mg/体重kg、約15mg/体重kg、約16mg/体重kg、約17mg/体重kg、約18mg/体重kg、約19mg/体重kg、約20mg/体重kg)である。
【0276】
投薬量レジメンは、最適な所望の応答(たとえば治療応答)を与えるために調整できる。たとえば単回用量を投与することができるか、または複数回に分割された用量を経時的に投与することができるか、または治療状況の要件によって示されるように用量を比例的に増減することができる。たとえば投薬量は、患者の年齢、体重、身長、過去の病歴、現在の薬物治療ならびに交差反応、アレルギー、感受性および副作用の可能性に従って、当分野の開業医(たとえば内科医または獣医師)が決定または調整することができる。投与の容易さおよび投薬の一様性のために、非経口組成物を投薬単位で調合することが特に好都合である。
【0277】
当分野の通常の技能を有する開業医(内科医または獣医師)は、要求される医薬組成物の有効量をただちに決定および処方できる。たとえば医師または獣医師は、医薬組成物で利用された本発明の化合物の開始用量を所望の治療効果を達成するために要求される用量よりも低いレベルで開始して、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることができる。本発明の抗体または組合せの所与の用量または治療レジメンの有効性は、たとえば対象において治療されている腫瘍が縮小する、または成長を終止するかどうかを判定することによって判定できる。腫瘍のサイズは、たとえばX線、磁気共鳴撮像(MRI)によって、外科処置にて視覚的に、または触診にて手動で容易に判定できる。腫瘍サイズおよび増殖は、チミジンPETスキャンの使用によっても測定できる(たとえばWellsら、Clin.Oncol.8:7−14(1996)を参照)。一般に、チミジンPETスキャンは、放射性トレーサー、たとえば[2−11C]−チミジンの注入と、続いての患者の体のPETスキャンを含む(Vander Borghtら、Gastroenterology 101:794−799,1991:Vander Borghtら、J.Radiat.Appl.Instrum.Part A,42:103−104(1991))。使用することができる他のトレーサーとしては、[18F]−FDG(18−フルオロデオキシグルコース)、[124I]IUdR(5−[124I]ヨード−2’−デオキシウリジン)、[76Br]BrdUrd(ブロモデオキシウリジン)、[18F]FLT(3’−デオキシ−3’フルオロチミジン)または[11C]FMAU(2’−フルオロ−5−メチル−1−β−D−アラビノフラノシルウラシル)が挙げられる。
【0278】
たとえば頭頸部癌の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。頭頸部癌を監視する方法としては、たとえば理学的検査(たとえば目視または触診検査)、観察しにくい区域の内視鏡(たとえば鼻咽頭鏡検査、咽頭鏡検査、または喉頭鏡検査)、コンピュータ断層スキャン(CT)、磁気共鳴画像スキャン(MRI)、超音波検査、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、パノレックス(顎のX線)、食道造影、歯科X線、胸部X線、および放射線核種骨スキャンが挙げられる。
【0279】
たとえば扁平上皮癌の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。扁平上皮癌を監視する方法はたとえば、患者問診、または理学的検査(たとえばいずれかの腫瘍のサイズ、形状または他の視覚的品質の目視検査およびドキュメンテーション)が挙げられる。
【0280】
たとえば多発性骨髄腫の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。多発性骨髄を監視する方法はたとえば、全血球数測定(CBC)を用いた、たとえば低ヘマトクリット(貧血)、低赤血球数、低血小板、および/または低白血球数の検出、骨髄生検、血清タンパク質電気泳動、骨折または空洞化した骨病変を確認するための骨X線、あるいは血清カルシウム、総タンパク、または異常腎機能を検出するための化学プロフィールが挙げられる。
【0281】
たとえば腎細胞癌の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。腎細胞癌を監視する方法としてはたとえば、塊を検出するための腹部触診、全血球数測定(CBC)、赤血球を検出するための尿試験、上昇を検出するための血清カルシウムレベルのアッセイ、上昇を検出するための血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)およびアルカリホスファターゼのアッセイ、尿細胞診アッセイ、肝機能試験、腹部および腎臓の超音波検査、腎臓X線、静脈内腎盂像(IVP)または腎動脈造影が挙げられる。
【0282】
本発明の組成物および方法としては、場合により1つ以上の化学療法剤と組み合せた、IGF1Rインヒビターが挙げられる。「組み合せた」という用語は、本発明の組み合せの成分が、同時送達のための単一組成物として調合することができるか、または2つ以上の組成物として個別に調合することができる(たとえばキット)ことを示す。さらに本発明の組み合せの各成分は、他の成分が投与されるのとは別の時に対象に投与することができる;たとえば各投与は、所与の期間にわたって複数の間隔で非同時に(たとえば別個にまたは連続して)与えることができる。その上、別個の成分は、同じまたは異なる経路(たとえば経口、静脈内、皮下)によって対象に投与することができる。
【実施例】
【0283】
本発明は、本発明を例示することを意図しており、本発明の制限となることを意図しない。下に開示されるいずれの方法または組成物も本発明の範囲内にある。
【0284】
(実施例1)
IGF1RおよびIGF−IIが頭頸部癌で発現される。
【0285】
本実施例において、IGF1RまたはIGF−2の発現のレベルを判定するために、頭頸部癌をアッセイした。原発性腫瘍組織サンプル(ステージ2、3または4の癌より)、正常隣接組織サンプルおよび正常組織サンプルを、IGF1R RNA発現のレベルについて分析した。さらに各種の細胞株でのIGF1R、IGF−1およびIGF−2のレベルを分析した。
【0286】
RNAは腫瘍サンプルから作製して、cDNAはRNAから合成した。IGF1Rの発現は、ABI Prism 7700配列検出システム9(Applied Biosystems;フォスターシティ、カリフォルニア州)を使用した特異的プローブおよびプライマーによる蛍光原5’−ヌクレアーゼPCRアッセイにおいて、cDNAサンプル20ngを使用して分析した。CT数は、すべてのサンプルにおけるユビキチンまたはアクチンmRNA発現に対して正規化した。
【0287】
使用したプライマーおよびプローブは次の通りである:
【0288】
【化118】
H322は、非小細胞肺癌細胞株である;CAL27、SCC25、SCC15、SCC9およびHS802は扁平上皮癌細胞株である。
【0289】
これらの方法で生成されたデータを図1および2に示す。図1は、IGF1Rが原発性頭頸部腫瘍サンプルにて、正常組織よりも高いレベルで発現されたことを示している。その上、正常隣接組織(NAT)は、正常組織よりも高い、IGF1R発現のレベルを示した。IGF1R発現のレベルは、頭頸部腫瘍のステージが上昇するにつれて(IからIV)まで、わずかに上昇した。各点は単一の組織サンプルにおけるIGF1Rの正規化レベルを表す。
【0290】
図2も、IGF1R、IGF−IおよびIGF−IIが各種の肺および扁平上皮癌細胞株で発現されたことを示している。上パネルは、細胞での全IGF1R(tIGF−1R)の発現レベルを示す、複数の細胞株のウェスタンブロット分析である。アクチン発現も、内部対照として示されている。下パネルは、アッセイした細胞から分泌されたIGF1およびIGF2のレベルを示す(106細胞当たり分泌されたタンパク質のng)。
【0291】
(実施例2)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))が、扁平上皮癌細胞株のインビトロ増殖を阻害する。
【0292】
本実施例は、抗IGF1R抗体LCF/HCAが各種の扁平上皮癌(SCC)細胞株の増殖を阻害することを示す。
【0293】
細胞増殖は、Cell−Titer Gloアッセイ(Promega Corp.;マディソン、ウィスコンシン州)を使用してアッセイした。cell−titer gloアッセイは生細胞からのATPの存在下で「グロー」発光シグナルを産生して、発光シグナルはプレートリーダー照度計またはCCD撮像装置で検出できる。
【0294】
本アッセイでは、扁平上皮癌細胞、SCC9、SCC25およびSCC15はトリプシン処理して、カウントして、NEAA、L−Glu、MEMビタミンおよびPSを含有する10% HI−FBS RPMIに25,000細胞/mlで再懸濁させた。細胞懸濁物100ml(2500細胞)をBD Falcon 96ウェル黒色、透明底TC処理プレートの各ウェルに添加した。細胞を付着させて、37℃にて一晩拡散させた。次いで翌日に、LCF/HCA抗体を適切な濃度で含有する2% RPMI 100mlで10% RPMI培地を置換した。各実験で使用した抗IGF1R抗体濃度は、100nM、20nM、5nM、0.8nM、0.16nM、0.032nM、0.0064nM、0.00128nM、および0.000256nMであった。すべての処理は、2% RPMIで20倍の濃度で調製して、連続希釈した。各試験ポイントは、別々のアッセイプレートに3通り調製した。上述のように、細胞増殖はCell−Titer Glo発光細胞生存能アッセイ(Promega)を使用して処理後96時間で測定した。発光は、スタッカーを用いたWallac 420プレートリーダーで検出した。
【0295】
本研究の結果は、扁平上皮癌細胞株の増殖が各種の濃度のLCF/HCAへの曝露によって阻害されたこと(図では19D12として示す)を示す図3a〜3cに示されている。図(a)、(b)、および(c)のデータは、次のような上述の細胞株に相当する:(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【0296】
(実施例3)
IGF2およびIGF1Rは、胃および卵巣癌細胞株で高度に発現される。
【0297】
本例において、IGF2 mRNAは、正常なサンプルおよび細胞株と比較して、原発性胃腫瘍サンプルおよび胃腺癌細胞株にて高レベルで発現されることが示された。腫瘍サンプルでのIGF2の高度発現は、IGF1R成長経路を通じての自己分泌刺激のマーカーであり、腫瘍の成長が抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体処置によって阻害されるであろうことを示す。
【0298】
発現レベルが判定される細胞株は、本質的に上述のように成長、調製およびアッセイされた。タンパク質レベルはウェスタンブロットによって分析し、mRNAレベルはTaqman分析によって分析した。定量的フローサイトメトリーは、抗IGF1R、IR(インスリン受容体)、EGFR(上皮成長因子受容体)またはHER2抗体で標識した細胞を使用し、Bangs Laboratories,Inc.(フィッシャーズ、インディアナ州)のQuantitative Simply Cellular systemを使用して実施した。
【0299】
A2780はヒト卵巣癌細胞株であり、NCI−N87、SNU−16、SNU−1およびHs746Tはヒト胃癌細胞株である。
【0300】
本研究の結果を図4および5に示す。図4は、IGF2が正常細胞および正常隣接細胞でのレベルと比較して、原発性胃腫瘍細胞にて高レベルで発現されたことを示している。各点は、単一の腫瘍組織サンプルで発現されたIGF2 mRNAの正規化レベルを示す(ユビキチンの発現レベルに対する正規化)。
【0301】
図5の上パネルは、複数の細胞株に関連する定量的フローサイトメトリーデータであり、IGF1R、IR、EGFRおよびHER2の受容体/細胞の数を示す。図5の下パネルは、pIRS−1(リン酸化インスリン受容体基質−1(IRS−1))、pAKT(ホスホリル化AKT(タンパク質キナーゼ−Bとしても公知)(非アイソフォーム特異的))、tIRS−1(全IRS−1)、pERK1、2(ホスホリル化ERK1(細胞外シグナル調節キナーゼ1)およびERK2(細胞外シグナル調節キナーゼ2))、tIGR1R(全IGFR1)およびアクチンの発現レベルを示す、複数の細胞株のウェスタンブロットデータである。tIRS−1列のNCI N87のレーン3の下のバンドが予想よりもやや低速で移動して、それが本実験で使用した抗IRS−1抗体と交差反応するHER2であることが示唆されている。
【0302】
(実施例4)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体が胃癌および骨髄腫細胞株のインビトロ増殖を阻害する。
【0303】
本例は、胃癌細胞株SNU−16細胞および骨髄腫細胞株RPMI8226が抗IGF1R抗体LCF/HCAによって阻害されたことを示す。細胞を増殖、調製し、上述したのと実質的に同様にCell−Titer Gloアッセイを使用してアッセイした。各実験で使用した抗IGF1R抗体濃度は、100nm、20nm、5nm、0.8nm、0.16nm、0.032nm、0.0064nm、0.00128nm、および0.000256nMであった。
【0304】
本研究の結果を図6に示す。図6は、抗体の複数の濃度におけるSNU−16細胞株のインビトロ成長阻害を示す。40〜45%レベルの骨髄腫細胞株の成長阻害もインビトロで観察された。
【0305】
(実施例5)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体がインビボ腎細胞癌およびインビトロ黒色腫腫瘍細胞の成長を阻害する。
【0306】
本実施例は、腎細胞癌または黒色腫の治療または予防のための抗IGF1R療法の有効性を示す。
【0307】
胸腺欠損ヌードマウスの右側腹部に、A498ヒト腎臓癌腫瘍細胞をマトリゲル(1:1::細胞:ゲル)と共に皮下接種した。これらの実験において、通常のマトリゲルを含む1:1ミックス中の5×106細胞/マウスを接種した。LCF/HCA抗IGF1R抗体は腹腔内(ip)接種した(0.1mg/注射)。マウスに抗体を週2回、第12日から開始して7回、腹腔内注射によって投薬した。腫瘍サイズをカリパスで測定して、データをLABCATデータ実験コレクションおよび解析プログラムプログラム(Innovative Programming Associates,Inc.;プリンストン、ニュージャージー州)に入力した。平均サイズ100mm3のマウスをグループ分けした。腫瘍サイズと体重を週2回測定した。
【0308】
ヒト黒色腫細胞(A375−SM)も、100nM、20nM、5nM、0.8nM、0.16nM、0.032nM、0.0064nM、0.00128nM、および0.000256nM濃度に対する応答性についてインビトロでアッセイした。アッセイは上述したようにCell−Titer Gloアッセイによって実施した。
【0309】
本研究の結果を図7および8に示す。図7は、LCF/HCA抗体が投与されたときの、経時的な腎細胞癌細胞株のインビボ成長阻害を示す。図8は、LCF/HCA抗体の各種の濃度における黒色腫細胞株のインビトロ成長阻害を示す。
【0310】
(実施例6)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体がインビボ扁平上皮癌細胞成長を阻害する。
【0311】
本実施例は、扁平上皮癌などの頭頸部癌の治療または予防のための抗IGF1R療法の有効性を示す。
【0312】
免疫不全SCIDマウス(系統SCID)の右側腹部に、SCC15ヒト扁平上皮癌腫瘍細胞をマトリゲル(1:1 細胞:ゲル)と共に皮下接種した。これらの実験において、通常のマトリゲルを含む1:1ミックス中の5×106細胞/マウスを接種した。LCF/HCA抗IGF1R抗体は腹腔内(ip)接種した(0.1mg/注射)。マウスに抗体を週2回、第10日から開始して7回、第31日の最終投薬で、腹腔内注射によって投薬した。腫瘍サイズをカリパスで測定して、データをlabcatプログラムに入力した。平均サイズ100mm3のマウスをグループ分けした。腫瘍サイズと体重を週2回測定した。
【0313】
これらの実験から生成したデータを図9に示す。LCF/HCA抗体を接種したマウス(グラフに「19D12」と示す)における腫瘍成長は、抗体なしの対照注射のみを投与されたマウスで観察された腫瘍成長より小さかった。
【0314】
(実施例7)
LCF(κ)/HCA(γ1)抗IGF1R抗体のPPTPパネル試験
LCF/HCAは、インスリン様成長因子1受容体(IGF1R)に対して作られた完全ヒト抗体であり、広範囲の悪性腫瘍の成長および転移表現型に関与している。IGF1Rシグナル伝達は、小児癌、たとえば神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、および骨肉種と関連する小児期の癌の状況で特に重要である。抗体の活性は、小児前臨床試験プログラム(Pediatric Preclinical Testing Program、PPTP)のインビトロおよびインビボパネルに対して評価した。PPTPは、国立癌研究所(National Cancer Institute、NCI)によって樹立および構築されたインビトロ細胞株のパネルおよびインビボマウス異種移植パネルを含み、最も一般的な小児癌の療法の試験を可能にする(たとえばHoughtonら、Pediatric Blood & Cancer(2007)49(7):928−40を参照)。
【0315】
PPTPは、一般的なタイプの小児期固形腫瘍および小児期ALL(急性リンパ芽球性白血病)の大半を表す、分子的に特徴付けられた細胞株のインビトロパネル(n=27)および異種移植片のインビボパネル(n=61)を含む。LCF/HCA抗IGF1R抗体は、PPTPインビトロパネルに対しては、0.01nM〜100nMの範囲にわたる濃度で試験を行い;PPTPインビボパネルに対しては、週2回、4週間にわたって腹腔内注射で投与されたマウス当たり0.5mgの用量にて試験を行った。抗腫瘍活性の3つの測定値を使用した:1)臨床場面後にモデル化された応答基準;2)第21日における処置対対照(T/C)腫瘍体積;および3)処置および対照株の中央値EFSに基づくイベントまでの時間(腫瘍体積の4倍増加)測定値(中間活性はEFS(無イベント生存)T/C>2を必要とし、高活性は実験の終わりに中央値腫瘍体積の正味の縮小をさらに必要とした)。
【0316】
方法
インビトロ試験。インビトロ試験は、組織培養マルチウェルプレートにて(二酢酸フルオレセイン[FDA]を使用して)生細胞の数を定量する半自動蛍光ベースデジタル画像顕微鏡システムである、DIMSCANを使用して実施した(Keshelavaら、Methods Mol.Med.(2005)110:139−153)。試験は96時間にわたって、0.01nM〜0.1mMの濃度にて、データ点当たり6個の複製物を用いて行った。データは、Kaleidagraphソフトウェア(Synergy Software;リーディング、ペンシルバニア州)、非線形回帰S字形用量−応答モデルの応答への当てはめ;相対蛍光値対濃度を使用して解析した。PPTPインビトロパネルは、神経芽細胞腫(4)、ユーイング肉腫(4)、横紋筋肉腫(4)、急性リンパ芽球性白血病(5)、NHL(2)およびその他の細胞株を含有する。
【0317】
ステージ1試験は、その最大許容用量(MTD)における、または成人前臨床モデルを使用してPK/PD(薬物動態学的/薬力学的)試験に基づいて選択した用量における、小児癌異種移植株のPPTPパネル全体にわたる薬剤の試験を含む。
【0318】
インビボ固形腫瘍試験:各異種移植株の場合、皮下(SC)腫瘍を持つマウス10匹は、腫瘍の体積が0.2〜0.5cm3であるときに処置を開始した。2個の垂直腫瘍直径をデジタルノギスで週1回測定した。腫瘍が球形であると仮定すると、体積は式(π/6)xd3(式中、dは平均直径を表す)から計算された。
インビボ急性リンパ芽球性白血病試験:各異種移植株の場合、マウス8匹に、二次レシピエントマウスの脾臓から精製した3〜5x106単核細胞を接種した。移植はフローサイトメトリーによって毎週監視して、末梢血中のヒトCD45+細胞の割合が1%に達したときに処置を開始した。
末梢血中のヒトCD45+細胞の割合を、処置過程を通じて毎週監視した。
【0319】
薬物:LCF/HCAは、150mM塩化ナトリウムを含有する20mM酢酸ナトリウムpH5緩衝液に溶解させて、動物当たり0.5mgの用量で週2回、4週間連続して腹腔内投与した。抗体は、PPTPの標準操作手順に従って盲検のために、試験部位へ記号を付けたバイアルに入れて供給した。
【0320】
【表2】
【0321】
【表3】
中央値群応答:各処置群の各マウスはそれぞれ、応答スコアを割り当てられ(上の表を参照)、処置群の中央値スコアが計算されて、次に各処置群に下の表に従って全体的な応答が割り当てられた。
【0322】
【表4】
統計的方法:各処置群の無イベント生存(EFS)分布を、正確なログランク検定を使用して各対照群のEFS分布と比較した。P値は両側であり、本試験の予備的な性質を考慮して、多重比較用に調整されなかった。P値<0.05は有意と見なされた。
【0323】
結果
【0324】
【表1】
各種の細胞タイプのインビボ腫瘍体積の経時的なグラフ解析を示す図10も参照されたい。
【0325】
Affymetrix U133 Plus2アレイを使用して、IGF−1R発現も評価した。
【0326】
IGF1R発現が非常に低い5つの異種移植片は、抗体に応答しなかった(すなわちPD1)。たとえばOS−33は非常に低い発現を有し、抗体に対して応答を示さない2つの骨肉種異種移植片の一方であった。CRまたはMCR応答を持つ3つの異種移植片は、高いIGF1R発現を有していた。中〜高IGF1R発現を持つ一部の異種移植片は、抗体に応答しなかった(たとえばRh41)。
【0327】
インビトロアッセイで達成された最大成長阻害は30%であり、T細胞ALL株、MOLT−4で観察された。試験を行った最高濃度におけるインビトロパネルの中央値成長阻害は5%であった。
【0328】
本発明は、本明細書で開示した詳細な実施形態によって範囲を制限されないものとする。実際に、本発明の範囲は、本明細書で詳細に述べられている実施形態および本明細書で詳細に述べられていない実施形態を含む;本明細書で詳細に述べられている実施形態は、必ずしも網羅的であることを意図しない。本発明の各種の変更形態は、本明細書に記載したことに加えて、上述の説明から当業者に明らかになるであろう。このような変更形態は、請求項の範囲内に含まれることを意図する。
【0329】
特許、特許出願、公報、製品説明およびプロトコルは本出願を通じて引用され、その開示は、すべての目的についてその全体が参考として本明細書に組み入れられている。
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年12月13日に出願された米国仮特許出願第60/874,589号、2006年12月20日に出願された米国仮特許出願第60/870,937号、2007年1月25日に出願された米国仮特許出願第60/946,011号、および2007年10月11日に出願された米国仮特許出願第60/979,274号の利益を主張し、これらの米国仮特許出願のそれぞれは、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、癌を治療または予防するための組成物および方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ソマトメジンとしても公知であるインスリン様成長因子としては、インスリン様成長因子−I(IGF−I)およびインスリン様成長因子−II(IGF−II)が挙げられる(非特許文献1および非特許文献2)。これらの成長因子は、インスリン様成長因子−1受容体(IGF1RまたはIGFR1)という名称の共通受容体に結合することによって、腫瘍細胞を含む多様な細胞タイプに対して分裂促進活性を及ぼす(非特許文献3)(非特許文献4)。IGFのIGF1Rとの相互作用は、チロシン残基の受容体の自己リン酸化を誘発することによって受容体を活性化する(非特許文献5)。IGF1Rは活性化されると、次に細胞内標的をリン酸化して、細胞シグナル伝達経路を活性化する。この受容体活性化は、腫瘍細胞の増殖と生存の刺激にとって重要である。そのためIGF1R活性の阻害は、ヒト癌の増殖や他の増殖性疾患を治療または予防する貴重な潜在的方法に相当する。
【0004】
したがってIFG1Rを阻害する療法は、ある癌の治療または予防に有用である。抗IGF1R抗体は、癌を治療または予防する有用な療法である。当分野で公知であるいくつかの抗IGF1R抗体がある(たとえば特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8または特許文献9を参照)。他の小型分子IGF1Rインヒビターも当分野で公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/100008号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2002/53596号パンフレット
【特許文献3】国際公開第04/71529号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/106621号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/235582号明細書
【特許文献6】国際公開第04/83248号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/59951号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/87756号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2005/16970号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Klapperら、(1983)Endocrinol.112:2215
【非特許文献2】Rinderknechtら、(1978)Febs.Lett.89:283
【非特許文献3】Macaulay,(1992)Br.J.Cancer 65:311
【非特許文献4】Sepp−Lorenzino,(1998)Breast Cancer Research and Treatment 47:235
【非特許文献5】Butlerら、(1998)Comparative Biochemistry and Physiology 121:19
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一部の癌を治療または予防するために使用できる当分野で公知のIGF1Rインヒビターがあるが、頭頸部癌、扁平上皮癌、孤立性形質細胞腫、多発性骨髄腫および腎細胞癌などの他の癌を治療または予防する治療用組成物および方法への要求がなお当分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の背景)
本発明は、頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群(seary syndrome)、皮膚T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、骨髄線維症、骨髄化生、全身性肥満細胞症)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍または肝臓癌を治療または予防するのに有効であるIGF1Rインヒビターおよびその組み合せを提供することによって、上記要求に一部は対処する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 哺乳類対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液悪性腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、T細胞系統の急性リンパ芽球性白血病、B前駆細胞体系統の急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、中枢神経腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫、脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性疾患、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍および肝臓癌から成る群より選択される病状を治療または予防する方法であって、治療有効量の1つ以上のIGF1Rインヒビターまたはその医薬組成物を該対象に投与するステップを含む、方法。
(項目2) 前記IGF1Rインヒビターが
【化119】
から成る群およびヒトIGF1Rに特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合フラグメントより選択される、項目1に記載の方法。
(項目3) 前記インヒビターが、配列番号:2、4、6または8のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3 および/または配列番号:10または12のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む、抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目2に記載の方法。
(項目4) 前記インヒビターが、配列番号:25、26、27または28のアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3および/または配列番号:29、30、31、32または33のアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む、抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目2に記載の方法。
(項目5) 前記インヒビターが抗体であり、該抗体が:
(a)配列番号:2のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
(b)配列番号:4のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
(c)配列番号:6のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
(d)配列番号:8のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;
を含む、項目2に記載の方法。
(項目6) 前記IGF1Rインヒビターが、1つ以上のさらなる化学療法剤またはその医薬組成物と組み合せて投与される、項目1に記載の方法。
(項目7) 前記さらなる化学療法剤が抗癌剤、制吐剤、抗貧血剤または抗粘膜炎剤である、項目6に記載の方法。
(項目8) 前記さらなる化学療法剤が、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV−299、DN−101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244(ARRY−142886)、AMN−107、TKI−258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ−197、MK−0457、MLN8054、PHA−739358、R−763、AT−9263、FLT−3インヒビター、VEGFRインヒビター、EGFR TKインヒビター、オーロラキナーゼインヒビター、PIK−1モジュレーター、Bcl−2インヒビター、HDACインヒビター、c−METインヒビター、PARPインヒビター、Cdkインヒビター、EGFR TKインヒビター、IGFR−TKインヒビター、抗HGF抗体、P13キナーゼインヒビター、AKTインヒビター、JAK/STATインヒビター、チェックポイント−1または2インヒビター、焦点接着キナーゼインヒビター、Mapキナーゼキナーゼ(mek)インヒビター、VEGFトラップ抗体、ペメトレキセド、エルロチニブ、ダサタニブ、ニロチニブ、デカタニブ、パニツブマム、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep−etu、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、オファツムマブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミリフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131−I−TM−601、ALT−110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ギマテカン、IL13−PE38QQR、INO 1001、IPdR、KRX−0402、ルカントン、LY 317615、ノイラジアブ、ビテスパン、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、ロミデプシン、ADS−100380、
【化120】
【化121】
、ボリノスタット、エトポシド、ゲムシタビン、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン、ビンクリスチン、テモゾロミド、ZK−304709、セリシクリブ;PD0325901、AZD−6244、カペシタビン、L−グルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−、二ナトリウム塩、七水和物、カンプトテシン、イリノテカン;イリノテカン、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの組み合せ;PEG標識イリノテカン、FOLFOXレジメン、タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストラゾール、エキセメスタン、レトロゾール、DES(ジエチルスチルベストロール)、エストラジオール、エストロゲン、抱合エストロゲン、ベバシズマブ、IMC−1C11、CHIR−258、
【化122】
);3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン、バタラニブ、AG−013736、AVE−0005、[D−Ser(Bu t)6,Azgly10]の酢酸塩(ピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu t)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2酢酸[C59H84N18O14−(C2H4O2)x、式中、x=1〜2.4]、酢酸ゴセレリン、酢酸ロイプロリド、パモ酸トリプトレリン、スニチニブ、リンゴ酸スニチニブ、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ラロキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸メゲストロール、CP−724714;TAK−165、HKI−272、エルロチニブ、ラパタニブ、カネルチニブ、ABX−EGF抗体、エルビタックス、EKB−569、PKI−166、GW−572016、ロナファーニブ
【化123】
、BMS−214662、チピファルニブ;アミフォスチン、NVP−LAQ824、スベロイルアナリドヒドロキサム酸、バルプロ酸、トリコスタチンA、FK−228、SU11248、ソラフェニブ、KRN951、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、L−アスパラギナーゼ、カルメット−ゲラン杆菌(BCG)ワクチン、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、エピルビシン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、サトラプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トレチノイン、ビンデシン、13−シス−レチノイン酸、フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、デオキシコフォルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミトラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキン、ディフチトックス、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、パクリタキセル、クレモフォールフリーパクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンB、BMS−247550、BMS−310705、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA−923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン、イドキシフェン、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン、PTK787/ZK 222584、VX−745、PD 184352、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、テムシロリムス、AP−23573、RAD001、ABT−578、BC−210、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646、ワートマニン、ZM336372、L−779,450、PEG−フィルグラスチム、ダーベポエチン、5−フルオロウラシル、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、ゾレンドロネート、プレドニゾン、セツキシマブ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒストレリン、ペグ化インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2a、ペグ化インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−2b、アザシチジン、PEG−L−アスパラギナーゼ、レナリドマイド、ゲムツズマブ、ヒドロコルチゾン、インターロイキン−11、デクスラゾキサン、アレムツズマブ、オールトランスレチノイン酸、ケトコナゾール、インターロイキン−2、メゲストロール、免疫グロブリン、ナイトロジェンマスタード、メチルプレドニゾロン、イブリツモマブチウキセタン、アンドロゲン、デシタビン、ヘキサメチルメラミン、ベキサロテン、トシツモマブ、三酸化ヒ素、コルチゾン、エジトロナート、ミトタン、シクロスポリン、リポソームダウノルビシン、Edwinaアスパラギナーゼ、ストロンチウム89、カソピタント、ネツピタント、NK−1受容体拮抗薬、パロノセトロン、アプレピタント、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、メトクロプラミド、ロラゼパム、アプラゾラム、ハロペリドール、ドロペリドール、ドロナビノール、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プロクロルペラジン、グラニセトロン、オンダンセトロン、ドラセトロン、トロピセトロン、ペグフィルグラスチム、エリスロポエチン、エポエチンアルファおよびダーベポエチンアルファから成る群より選択される1つ以上のメンバーである、項目6に記載の方法。
(項目9) 前記IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤が同時に投与される、項目6に記載の方法。
(項目10) 前記IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤が同時に投与されない、項目6に記載の方法。
(項目11) 前記抗体がIgG定常領域を含む、項目2に記載の方法。
(項目12) 前記対象がヒトである、項目1に記載の方法。
(項目13) 前記対象が小児である、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記IGF1Rインヒビターが抗癌治療処置と組み合せて投与される、項目1に記載の方法。
(項目15) 前記抗癌治療処置が外科的腫瘍摘出術および/または抗癌放射線治療である、項目14に記載の方法。
【0009】
本発明は、1つ以上のIGF1Rインヒビターまたはその医薬組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む、対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍または肝臓癌から成る群より選択される病状を治療または予防する方法を提供する。実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0010】
【化1】
およびIGF1R(たとえばヒトIGF1R)に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合フラグメントから成る群より選択される。実施形態において、抗体は:(a)配列番号:2のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(b)配列番号:4のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(c)配列番号:6のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(d)配列番号:8のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;または下の「IGF1Rインヒビター」の節に、本明細書で述べる他のいずれかのIGF1Rインヒビターを含む。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、1つ以上のさらなる抗癌化学療法剤またはその医薬組成物と組み合せて投与される。本発明の実施形態において、さらなる抗癌化学療法剤は、
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
、およびたとえば下の「さらなる化学療法剤」の節で述べられているような、本明細書で述べる他の任意の化学療法剤より選択されるメンバーである。本発明の実施形態において、本明細書で述べる抗IGF1R抗体の投薬量は約0.3〜20mg/体重kgまたは約40〜1200mg/m2の範囲内にある。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤は同時に投与される。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌治療剤は同時に投与されない。本発明の実施形態において、抗体はIgG定常領域を含む。本発明の実施形態において、対象はヒト(たとえば小児)である。本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは抗癌治療処置と組み合せて投与される。本発明の実施形態において、抗癌治療処置は外科的腫瘍摘出術および/または抗癌放射線処置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】Taqmanを使用して測定した原発性頭頸部腫瘍サンプルにおけるIGF1RmRNA発現。各点は単一の組織サンプルにおけるIGF1Rの正規化発現レベルを表す。各サンプルを採取した患者の頭頸部癌のステージは、I、II、IIIまたはIVと示されている。正常組織サンプルに相当する値は「normal」と示し、腫瘍組織に隣接して位置するが、そうでなければ正常な特徴を呈している、正常隣接組織に相当する値は、「NAT」と示す。
【図2】各種の細胞株における全IGF1R、IGF−IおよびIGF−IIのタンパク質発現レベルのウェスタンブロット分析(上パネル)。各種の細胞株から周囲の成長培地に分泌されたIGF1およびIGF2の量(ng IGF1またはIGF2タンパク質/106細胞)(下パネル)。
【図3A】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における、インビトロ細胞株での扁平上皮癌の阻害。(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【図3B】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における、インビトロ細胞株での扁平上皮癌の阻害。(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【図3C】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における、インビトロ細胞株での扁平上皮癌の阻害。(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【図4】正常組織のIGF2の発現レベルと比較した、原発性胃腺癌腫瘍におけるIGF2の発現レベル。
【図5】ウェスタンブロット分析によって測定した複数の胃癌および卵巣癌細胞株における各種のタンパク質の発現レベル。
【図6】抗IGF1R抗体LCF/HCAの各種の濃度における扁平上皮癌癌細胞(細胞株SNU−16)のインビトロ成長阻害。
【図7】抗IGF1R抗体LCF/HCAまたは対照免疫グロブリンへの曝露後の、時間に対するマウス異種移植モデルにおける腎細胞の癌腫瘍成長。
【図8】各種濃度の抗IGF1R抗体LCF/HCAに曝露したときの黒色腫細胞株A375−SMのインビトロ成長阻害。
【図9】抗IGF1R抗体LCF/HCAに曝露したときのマウスにおける扁平上皮癌細胞株SCC15のインビボ成長阻害。
【図10−1】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−2】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−3】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−4】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【図10−5】EW5(ユーイング肉腫)、OS−1(骨肉腫)およびOS−9(骨肉種)異種移植腫瘍モデルにおける時間に対する腫瘍体積の評価。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、非癌性医学的障害、ならびに頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群(seary syndrome)、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌、胃癌、巨人症、下垂体腺腫、乾癬および腎臓の桿状腫瘍を含む、癌を治療または予防する組成物および方法を含む。癌は、IGF1Rインヒビター、たとえば抗IGF1R抗体を投与することによって治療または予防できる。抗体は、さらなる化学療法剤、たとえば本明細書で述べるいずれの抗癌化学療法剤などの化学療法剤と組み合せることができる。
【0016】
IGF1R、IGFR1およびIGF−1Rという用語は同意語であり、インスリン様成長因子1受容体を指す。
【0017】
IGF1Rインヒビター
「IGF1Rインヒビター」または「IGF1R拮抗薬」などの用語は、非癌性医学的障害および癌(たとえば腫瘍成長)の両方の徴候、症状および/または臨床的特徴のいずれかの測定可能な緩和ならびに/あるいは癌(たとえば頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群(seary syndrome)、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌、胃癌、巨人症、下垂体腺腫、乾癬および腎臓の桿状腫瘍)のいずれかの程度までの進行または転移の予防、遅延または停止を含む、投与者(たとえば研究者、医師または獣医師)が求めている、組織、系、対象または患者の生物学的または医学的応答を誘発する、IGF1Rの発現、リガンド結合(たとえばIGF−1および/またはIGF−2への結合)、キナーゼ活性(たとえば自己リン酸化活性)または他のいずれかの生物活性(たとえば足場非依存性細胞成長の媒介)と、ホスホ−IRS1レベルとを低下させる、いずれかの物質を含む。
【0018】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与することができるIGF1Rインヒビターは、Burtrumら、Cancer Research 63:8912−8921(2003);仏国特許出願FR2834990、FR2834991およびFR2834900ならびにPCT国際出願番号.WO 03/100008;WO 03/59951;WO 2006/13472;WO 04/71529;WO 03/106621;WO 04/83248;WO 04/87756、WO 05/16970;およびWO 02/53596のいずれかに開示されたもののいずれかなどの、インスリン様成長因子−1受容体(ヒトIGF1R)(たとえばモノクローナル抗体)(たとえば完全ヒトモノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、二重特異的抗体、Fab抗体フラグメント、F(ab)2抗体フラグメント、Fv抗体フラグメント(たとえばVHまたはVL)、単鎖Fv抗体フラグメント、dsFv抗体フラグメント、ヒト化抗体、キメラ抗体または抗イディオタイプ抗体に特異的に結合する任意の単離抗体または抗原結合フラグメントである。
【0019】
本発明の実施形態において、本発明の方法で患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、成熟19D12/15H12軽鎖−C、D、EまたはF(LCC、LCD、LCE、またはLCF)および成熟19D12/15H12重鎖AまたはB(HCAまたはHCB)を含む、単離抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体である。本発明の実施形態において、抗体は成熟LCFおよび成熟HCAを含む(LCF/HCA)。本発明の実施形態において、本発明の方法で患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、19D12/15H12軽鎖−C、D、EまたはFおよび/または19D12/15H12重鎖AまたはBの1つ以上の相補性決定領域(CDR)(たとえば3つすべての軽鎖CDRおよび3つすべての重鎖CDR)を含むIGF1Rに特異的に結合する単離抗体である。
【0020】
本発明の一部の抗体鎖のアミノ酸およびヌクレオチド配列を下に示す。点線が下に引かれているタイプはシグナルペプチドを示す。実線が下に引かれているタイプはCDRを示す。下線のないタイプはフレームワーク領域を示す。成熟フラグメントにはシグナルペプチドがない。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
本発明は、本明細書で述べる抗体鎖が抗体結合活性に著しい影響を及ぼさない1つ以上の突然変異によって保存的に置換される実施形態を含む。
【0026】
15H12/19D12軽鎖および重鎖に作動可能に連結されたCMVプロモータを含むプラスミドは、American Type Culture Collection(ATCC);10801 University Boulevard;マナッサス、バージニア州20110−2209に2003年5月21日に寄託されている。プラスミドの寄託名およびATCCアクセション番号を下に示す:
【0027】
【化10】
本発明は、ATCCに寄託された上述のプラスミドのいずれかに位置する免疫グロブリン軽鎖および/または重鎖あるいはその成熟フラグメントのいずれかを含む抗IGF1R抗体およびその抗原結合フラグメントを含む方法および組成物(たとえば本明細書で開示されるいずれも)を含む。
【0028】
本発明の実施形態において、ヒトIGF1Rに「特異的に」結合する抗体は、約10−8Mまたは10−7Mあるいはより小さい数のKdで;あるいは本発明の別の実施形態において、Biacore測定により、約1.28×10−10Mまたはより小さい数のKdで、あるいはKinExA測定により、約2.05×10−12Mまたはより小さい数のKdで結合する。別の実施形態において、ヒトIGF1Rに「特異的に」結合する抗体は、ヒトIGF1Rのみに結合して、他のタンパク質にはいかなる特定の量でも結合しない。
【0029】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2002/53596に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2002/53596で述べられた配列番号:2、6、10、14、18、22、47および51から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2002/53596で述べられた配列番号:4、8、12、16、20、24、45および49から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗体は、WO 2002/53596の抗体2.12.1;2.13.2;2.14.3;3.1.1;4.9.2;および4.17.3の重鎖および/または軽鎖より選択される重鎖および/または軽鎖を含む。
【0030】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2003/59951に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2003/59951で述べられた配列番号:54、61、および65から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2003/59951で述べられた配列番号:69、75、79、および83から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0031】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2004/83248に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2004/83248で述べられた配列番号:109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141および143から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2004/83248で述べられた配列番号:108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140および142から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗体は、WO 2004/83248の
【0032】
【化11】
の軽鎖および/または重鎖より選択される軽鎖および/または重鎖を含む。
【0033】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2003/106621に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2003/106621で述べられた配列番号:8−12、58−69、82−86、90、94、96、98から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2003/106621で述べられた配列番号:7、13、70−81、87、88、92から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0034】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2004/87756に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2004/87756で述べられた配列番号:2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2004/87756で述べられた配列番号:1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0035】
本発明の実施形態において、本発明による方法で患者に投与できるIGF1Rインヒビターは、参考としてその全体が本明細書に組み入れられている国際公開番号WO 2005/16970に記載された任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。たとえば本発明の実施形態において、抗体は、WO 2005/16970で述べられた配列番号:6または10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/またはWO 2005/16970で述べられた配列番号:2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0036】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは:
【0037】
【化12】
から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
【0038】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは:
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
【0041】
本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は:
【0042】
【化15】
のアミノ酸配列を含む、軽鎖免疫グロブリン、またはその成熟フラグメント(すなわちシグナル配列がない)、またはその可変領域を含む。本発明の実施形態において、シグナル配列は配列番号:25−28のアミノ酸1−22である。本発明の実施形態において、成熟可変領域には下線が付けてある。本発明の実施形態において、CDRはボールド/イタリックフォントである。本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上で述べたような1つ以上のCDR(たとえば3つの軽鎖CDR)を含む。
【0043】
本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は:
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
のアミノ酸配列を含む、重鎖免疫グロブリン、またはその成熟フラグメント(すなわちシグナル配列がない)、またはその可変領域を含む。本発明の実施形態において、シグナル配列は配列番号:29−32のアミノ酸1−19である。本発明の実施形態において、成熟可変領域には下線が付けてある。本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上で述べたような1つ以上のCDR(たとえば3つの軽鎖CDR)を含む。
【0046】
本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は、配列番号:13−18のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とそれぞれ対合した、配列番号:19−24のいずれかのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は、配列番号:29または30のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対合した、配列番号:25または26のいずれかのアミノ酸配列を含む成熟軽鎖可変領域を含む。本発明の実施形態において、抗IGF1R抗体は、配列番号:31または32のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対合した、配列番号:27または28のいずれかのアミノ酸配列を含む成熟軽鎖可変領域を含む。
【0047】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fxの免疫グロブリン重鎖(配列番号:33)または成熟フラグメントまたは可変領域(本発明の実施形態において、リーダー配列には下線が付けてある;本発明の実施形態において、CDRはボールド/イタリックフォントである):
【0048】
【化18】
を含む。
【0049】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fx(配列番号:33)のアミノ酸20−470を含む。
【0050】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、成熟免疫グロブリン重鎖可変領域2.12.1fx(配列番号:33のアミノ酸20−144;配列番号:34):
【0051】
【化19】
を含む。
【0052】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、免疫グロブリン軽鎖または成熟フラグメントまたは可変領域2.12.1fx(配列番号:35)(本発明の実施形態において、リーダー配列には下線が付けてある;本発明の実施形態において、CDRはボールド/イタリックフォントである):
【0053】
【化20】
を含む。
【0054】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fx(配列番号:35)のアミノ酸23−236を含む。
【0055】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、成熟免疫グロブリン軽鎖可変領域2.12.1fx(配列番号:35のアミノ酸23−130;配列番号:36):
【0056】
【化21】
を含む。
【0057】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1fx(配列番号:35)のアミノ酸23−236を含むまたはそれより成る軽鎖免疫グロブリン鎖および2.12.1fx(配列番号:33)のアミノ酸20−470を含むまたはそれより成る重鎖免疫グロブリン鎖を含むまたはそれより成る。
【0058】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上で述べたような1つ以上の2.12.1fxCDR(たとえば3つの軽鎖CDRおよび/または重鎖CDR)を含む。
【0059】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体または抗原結合フラグメントあるいはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン軽鎖可変領域;バージョン1(配列番号:37):
【0060】
【化22】
を含む。
【0061】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン軽鎖可変領域;バージョン2(配列番号:38):
【0062】
【化23】
を含む。
【0063】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン1(配列番号:39):
【0064】
【化24】
を含む。
【0065】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン2(配列番号:40):
【0066】
【化25】
を含む。
【0067】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン3(配列番号:41):
【0068】
【化26】
を含む。
【0069】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、A12免疫グロブリン重鎖可変領域(配列番号:42):
【0070】
【化27】
を含む。
【0071】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、A12免疫グロブリン軽鎖可変領域(配列番号:43):
【0072】
【化28】
または(配列番号:105):
【0073】
【化29】
を含む。
【0074】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、1A免疫グロブリン重鎖可変領域(配列番号:44):
【0075】
【化30】
を含み;場合により次の突然変異:R30、S30、N31、S31、Y94、H94、D104、E104を含む。
【0076】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、1A免疫グロブリン軽鎖可変領域(配列番号:45):
【0077】
【化31】
を含み;場合により次の突然変異:P96、I96、P100、Q100、R103、K103、V104、L104、D105、E105を含む。
【0078】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)8A1(配列番号:46):
【0079】
【化32】
を含む。
【0080】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)9A2(配列番号:47):
【0081】
【化33】
を含む。
【0082】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)11A4(配列番号:48):
【0083】
【化34】
を含む。
【0084】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)7A4(配列番号:49):
【0085】
【化35】
を含む。
【0086】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)11A1(配列番号:50):
【0087】
【化36】
を含む。
【0088】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体(fv)7A6(配列番号:51):
【0089】
【化37】
を含む。
【0090】
発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメント(たとえば重鎖または軽鎖免疫グロブリン)は:
【0091】
【化38】
から成る群より選択される1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む。
【0092】
本発明の実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは:
【0093】
【化39】
【0094】
【化40】
【0095】
【化41】
【0096】
【化42】
【0097】
【化43】
から成る群より選択される軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む。
【0098】
本発明の範囲は、患者が抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体を投与される方法を包含し、ここでその抗体の可変領域は、任意の免疫グロブリン定常領域に連結している。一つの実施形態において、軽鎖可変領域はκ鎖定常領域に連結している。一つの実施形態において、重鎖可変領域はγ1、γ2、γ3、またはγ4鎖定常領域に連結している。本明細書中で示される免疫グロブリン可変領域のいずれかは、本発明の実施形態において、前述の定常領域のいずれかに連結され得る。
【0099】
さらに本発明の範囲は、Chothiaら、J.Mol.Biol.186:651−663(1985);Novotny and Haber,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4592−4596(1985)またはKabat,E.A.ら、 Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,(1987))で述べられた方法のいずれかによって示されるような、本明細書で述べる軽鎖免疫グロブリンまたは重鎖免疫グロブリンのいずれかの1つ以上のCDR(3つの軽鎖CDRおよび/または3つの重鎖CDR)および/またはフレームワーク領域を含むいずれの抗体または抗体フラグメントも含む。
【0100】
本発明の実施形態において、「モノクローナル抗体」という用語は本明細書で使用するように、実質的に同種の抗体の集合から得た抗体を指し、すなわちその集合を構成する個々の抗体が、より少ない量で存在可能な考えられる天然発生型変異を除いて同一である。上記のように、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohlerら、(1975)Nature 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製できる。
【0101】
本発明の実施形態において、二重特異的または二官能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異的抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を含む各種の方法によって産生できる。たとえばSongsivilaiら、(1990)Clin.Exp.Immunol.79:315−321,Kostelnyら、(1992)J Immunol.148:1547−1553を参照。さらに二重特異的抗体は、「ダイアボディ」(Holligerら、(1993)PNAS USA 90:6444−6448)として、または「Janusin」(Trauneckerら、(1991)EMBO J.10:3655−3659およびTrauneckerら、(1992)Int.J.Cancer Suppl.7:51−52)として形成することができる。
【0102】
本発明の実施形態において、「完全ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。完全ヒト抗体は、マウス細胞またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、非ヒト、たとえばマウス炭化水素鎖を含有できる。同様に、「マウス抗体」は、マウス免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。
【0103】
本発明は、「キメラ抗体」、すなわち別のヒトまたは非ヒト種(たとえばマウス、ウマ、ウサギ、イヌ、ウシ、ニワトリ)からの抗体領域(たとえば定常領域)によって融合またはキメラ化された、本発明の可変領域を含む抗体を含む。これらの抗体は、非ヒト種でのIGF1Rの発現または活性を調節するために使用できる。
【0104】
「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを有し、これらのドメインは1つのポリペプチド鎖内に存在する。一般に、sFvポリペプチドは、sFvに抗原結合のための所望の構造を形成させることができるポリペプチドリンカーをVHドメインとVLドメインとの間にさらに含む。単鎖抗体の産生について記載された技法(米国特許第5,476,786号;第5,132,405号および第4,946,778号)は、抗IGF1R特異的単鎖抗体を産生するのに適合させることができる。sFvの総説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照。
【0105】
本発明の実施形態において、「ジスルフィド安定化Fvフラグメント」および「dsFv」は、ジスルフィド架橋によって結合されている可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)を含む免疫グロブリンを指す。
【0106】
本発明の範囲内の抗原結合フラグメントは、たとえばペプシンによる、IgGの酵素切断によって産生できるF(ab)2フラグメントも含む。Fabフラグメントは、たとえばジチオスレイトールまたはメルカプトエチルアミンによるF(ab)2の還元によって産生できる。Fabフラグメントは、ジスルフィド架橋によってVH−CH1鎖に付加されたVL−CL鎖である。F(ab)2フラグメントは、2個のジスルフィド架橋によって付加される2個のFabフラグメントである。F(ab)2分子のFab部分は、間にジスルフィド架橋が位置するFc領域の部分を含む。
【0107】
FvフラグメントはVLまたはVH領域である。
【0108】
その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには少なくとも5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのいくつかはさらにサブクラス(アイソタイプ)、たとえばIgG−1、IgG−2、IgG−3およびIgG−4;IgA−1およびIgA−2に細分することができる。本明細書に記載されるように、そのいずれの抗体または抗原結合フラグメントも本発明の範囲内にある。
【0109】
本発明の抗IGF1R抗体およびフラグメントは、化学部分に結合体化され得る。化学部分は特に、ポリマー、放射性核種または細胞傷害性因子でもよい。本発明の実施形態において、化学部分は対象の体内で抗体分子の半減期を延長するポリマーである。適切なポリマーとしては、これに限定されるわけではないが、ポリエチレングリコール(PEG)(たとえば2kDa、5kDa、10kDa、12kDa、20kDa、30kDaまたは40kDaの分子量のPEG)、デキストランおよびモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)が挙げられる。Leeら(1999)(Bioconj.Chem.10:973−981)は、PEG結合体化単鎖抗体を開示している。Wenら(2001)(Bioconj.Chem.12:545−553)は、抗体に放射性金属キレート剤(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA))に結合されているPEGを結合体化することを開示している。
【0110】
本発明の抗体および抗体フラグメントは、99Tc、90Y、111In、32P、14C、125I、3H、131I、11C、15O、13N、18F、35S、51Cr、57To、226Ra、60Co、59Fe、57Se、152Eu、67CU、217Ci、211At、212Pb、47Sc、109Pd、234Th、および40K、157Gd、55Mn、52Trおよび56Feなどの標識と結合体化され得る。
【0111】
本発明の抗体および抗体フラグメントには、フルオロフォア、たとえば希土類キレート、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、イソチオシアナート、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、フルオレサミン、152Eu、ダンシル、ウンベリフェロン、ルシフェリン、ルミナール標識、イソルミナール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム塩標識、シュウ酸エステル標識、エクオリン標識、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、ビオチン/アビジン、スピン標識および安定遊離ラジカルを含む蛍光または化学発光標識を結合体化することもできる。
【0112】
抗体および抗体フラグメントは、細胞傷害性因子、たとえばジフテリア毒素、Pseudomonas aeruginosa外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質および化合物(たとえば脂肪酸)、ジアンチンタンパク質、Phytoiacca americanaタンパク質PAPI、PAPII、およびPAP−S、momordica charantiaインヒビター、クルシン、クロチン、saponaria officinalis阻害剤、ミトゲリン、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、およびエノマイシンに結合体化することもできる。
【0113】
本発明の抗体分子およびフラグメントを各種の部分に結合体化するための当分野で公知のいずれの方法も、Hunterら、(1962)Nature 144:945;Davidら、(1974)Biochemistry 13:1014;Painら、(1981)J.Immunol.Meth.40:219;およびNygren,J.,(1982)Histochem.and Cytochem.30:407によって記載された方法を含めて、利用できる。抗体を結合体化する方法は従来的であり、当分野できわめて周知である。
【0114】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、BMS−577098
【0115】
【化44】
である。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの病状を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0116】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0117】
【化45】
を含む、WO 03/48133で述べられたピリミジン誘導体のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0118】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0119】
【化46】
を含む、WO 03/35614で述べられたチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0120】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0121】
【化47】
を含む、WO 03/35615で述べられたチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0122】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0123】
【化48】
を含む、WO 03/35616で述べられたチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0124】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0125】
【化49】
を含む、WO 03/35619で述べられチロシンキナーゼインヒビターのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0126】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばVEGF−2R、Kit、FLT3および/またはPDGFRも阻害する多標的キナーゼインヒビター、たとえばSU−11248(たとえばリンゴ酸スニチニブ)またはBay43−9006(ソラフェニブ)である。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0127】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0128】
【化50】
を含む、WO 03/24967で述べられた化合物のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0129】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0130】
【化51】
を含む、WO 04/30625で述べられた化合物のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0131】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0132】
【化52】
を含む、WO 04/30627で述べられた化合物のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0133】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、たとえばコア構造:
【0134】
【化53】
を含む、WO 00/35455で述べられたヘテロアリール−アリール尿素のいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0135】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/27246で述べられたペプチドのいずれかである。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0136】
本発明の実施形態において、IGF1Rインヒビターは、PCT Application Publication No.WO 02/92599で開示された
【0137】
【化54】
またはいずれかの4−アミノ−5−フェニル−7−シクロブチル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体である。これらの薬剤を投与することによって本明細書で述べるいずれかの医学的障害を治療または予防する方法は、本発明の範囲内である。
【0138】
抗体の産生
IGF1Rを阻害する所望の生物学的特性を備えた抗体を誘発するために、いずれの適切な方法も使用できる。各種の哺乳類宿主、たとえばマウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなどからモノクローナル抗体(mAb)を作製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を作製する技法の説明については、たとえばStitesら(eds.)BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY(4th ed.)Lange Medical Publications,Los Altos,CA、およびそこで引用された参考文献;Harlow and Lane(1988)ANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL CSH Press;Goding(1986)MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(2d ed.)Academic Press,New York,NY.に見出すことができる。それゆえモノクローナル抗体は、当分野の研究者が精通する各種の技法によって得ることができる。通例、所望の抗原で免疫化した動物からの脾臓細胞は、一般に骨髄腫細胞との融合によって不死化される。Kohler and Milstein(1976)Eur.J.Immunol.6:511−519を参照。不死化の代わりの方法としては、エプスタイン・バー・ウイルス、オンコジーンまたはレトロウイルスによる形質転換、あるいは当分野で公知の他の方法が挙げられる。たとえばDoyleら、(eds.1994 and periodic supplements)CELL AND TISSUE CULTURE:LABORATORY PROCEDURES,John Wiley and Sons,New York,NY.を参照。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原に対する所望の特異性および親和性の抗体の産生についてスクリーニングされ、このような細胞により生成されるモノクローナル抗体の産生は、脊椎動物宿主の腹腔への注入を含む各種の技法によって向上させることができる。あるいはたとえばHuseら(1989)Science 246:1275−1281によって概説された一般プロトコルに従って、ヒトB細胞からのDNAライブラリをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体またはその結合フラグメントをコードするDNA配列を単離できる。
【0139】
他の適切な技法は、ファージまたは同様のベクター中の抗体のライブラリの選択を含む。たとえばHuseら、Science 246:1275−1281(1989);およびWardら、Nature 341:544−546(1989)を参照。本発明のポリペプチドおよび抗体は、キメラまたはヒト化抗体を含めて、改変を伴って、または改変なしで使用することができる。ポリペプチドおよび抗体は頻繁に、検出可能なシグナルを与える物質を共有的にまたは非共有的に結合することによって標識されるであろう。多種多様の標識およびコンジュゲーション技法が公知であり、科学文献および特許文献の両方で広範に報告されている。上述のように、適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補助因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;および第4,366,241号が挙げられる。組み換え免疫グロブリンは、産生可能であり、たとえばCabilly 米国特許第4,816,567号;およびQueenら(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029−10033を参照;またはトランスジェニックマウス内で産生可能である、Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146−156を参照。キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体を生成するさらなる方法が当分野で周知である。たとえばQueenらに付与された米国特許第5,530,101号、Winterらに付与された米国特許第5,225,539号、Bossらに付与された米国特許第4,816,397号を参照、そのすべては参考としてその全体が組み入れられている。
【0140】
本発明の抗体の発現のための宿主として利用できる哺乳類細胞株は当分野で公知であり、American Type Culture Collection(ATCC)より入手できる多くの不死化細胞株を含む。これらとしては特に、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(たとえばHep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK−293細胞および多数の他の細胞株が挙げられる。哺乳類宿主細胞としては、ヒト、マウス、ラット、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマおよびハムスター細胞が挙げられる。特に選好される細胞株は、高い発現レベルを有する細胞株を決定することによって選択される。使用できる他の細胞株は、昆虫細胞系、たとえばSf9細胞、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞および真菌細胞である。重鎖またはその抗原結合部分、軽鎖および/またはその抗原結合部分をコードする組み換え発現ベクターが哺乳類宿主細胞中に導入されるとき、抗原は、宿主細胞での抗体の発現を、またはさらに好ましくは宿主細胞が培養されている培地中への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間にわたって宿主細胞を培養することによって産生される。
【0141】
抗体は、標準のタンパク質精製方法を使用して培地から回収できる。さらに産生細胞株からの本発明の抗体(またはそれからの他の部分)の発現は、多数の公知の技法を使用して高められ得る。たとえばグルタミンシンターゼ遺伝子発現系(GS系)は、ある条件下での発現を高める一般的な手法である。GS系は、欧州特許第0 216 846号、第0256 055号、および第0 323 997号ならびに欧州特許出願第89303964.4号に関連して全体または一部が議論されている。
各種の細胞株によって、またはトランスジェニック動物において発現された抗体は互いに異なるグリコシル化を有することが考えられる。しかしながら本明細書で提供する核酸分子によってコードされた、または本明細書で提供するアミノ酸配列を含むすべての抗体は、抗体のグルコシル化とは関係なく、本発明の一部である。
【0142】
抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを産生するのに有用な都合の良いプラスミド系は、公開された米国特許出願US2005/0176099で述べられている(WO2005/47512も参照)。
【0143】
さらなる化学療法剤
本発明は、さらなる化学療法剤(たとえば抗癌化学療法剤および/または制吐化学療法剤)と組み合せて、たとえば本明細書で述べたような、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントの治療的に許容される投薬量または量を投与することによって、本明細書で述べた医学的障害のいずれかを治療または予防する方法を提供する。たとえばさらなる化学療法剤としては、エルロチニブ、ダサタニブ(dasatanib)、ニロチニブ、デカタニブ(decatanib)、パニツブマム、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep−etu(「リポソーム封入パクリタキセル−Easy to Use」、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、オファツムマブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミリフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131−I−TM−601、ALT−110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ギマテカン、IL13−PE38QQR、INO 1001、IPdR、KRX−0402、ルカントン、LY 317615、ノイラジアブ(neuradiab)、ビテスパン(vitespan)、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV−299、DN−101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244(ARRY−142886)、AMN−107、TKI−258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ−197、MK−0457、MLN8054、PHA−739358、R−763またはAT−9263が挙げられる。
【0144】
アブラキサンは、平均粒径が約130ナノメートルのパクリタキセルのアルブミン結合形を含む、パクリタキセルタンパク質結合粒子の注射用懸濁剤である。アブラキサンは、静脈内注入前に0.9%塩化ナトリウム注射、USP 20mLで再構成するために、白色〜黄色の滅菌凍結乾燥粉末として供給される。各単回使用バイアルは、パクリタキセル100mgおよびヒトアルブミン約900mgを含有する。再構成された懸濁剤は1ミリリットル(mL)につきパクリタキセル5mgを含有する。アブラキサンは、溶媒を含まず、クレモフォール(ポリオキシエチル化ヒマシ油)を含まない。
【0145】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0146】
【化55】
【0147】
【化56】
【0148】
【化57】
と組み合せて提供される。
【0149】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、エトポシド(VP−16;
【0150】
【化58】
)と組み合せて提供される。
【0151】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ゲムシタビン(
【0152】
【化59】
)と組み合せて提供される。
【0153】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、公開された米国特許出願US2004/0209878A1で開示された(たとえば
【0154】
【化60】
によって表されるコア構造を含む)いずれかの化合物またはCaelyxまたはDoxil(登録商標)(ドキソルビシンHClリポソーム注射;Ortho Biotech Products LP;ラリタン、ニュージャージー州)を含むドキソルビシン(
【0155】
【化61】
)と組み合せて提供される。Doxilは、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンナトリウム塩(MPEG−DSPE);完全水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、およびコレステロールで構成されるStealth(登録商標)リポソーム担体中のドキソルビシンを含む。
【0156】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(
【0157】
【化62】
)と組み合せて提供される。
【0158】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ビンクリスチン(
【0159】
【化63】
)と組み合せて提供される。
【0160】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、テモゾロミド(
【0161】
【化64】
)いずれかのCDKインヒビター、たとえばZK−304709、セリシクリブ(R−ロスコビチン)
【0162】
【化65】
;いずれかのMEKインヒビター、たとえばPD0325901(
【0163】
【化66】
)、AZD−6244;カペシタビン(5’−デオキシ−5−フルオロ−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−シチジン);あるいはL−グルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−、二ナトリウム塩、七水和物(
【0164】
【化67】
);ペメトレキセド二ナトリウム塩、七水和物と組み合せて提供される。
【0165】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、カンプトテシン
【0166】
【化68】
またはイリノテカン
【0167】
【化69】
;イリノテカン、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの組み合せ;あるいはPEG標識イリノテカンと組み合せて提供される。
【0168】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、FOLFOXレジメン(オキサリプラチン(
【0169】
【化70】
)、注射用フルオロウラシル(
【0170】
【化71】
)およびフォリン酸(
【0171】
【化72】
)を含む)と組み合せて提供される(Chaoucheら、Am.J.Clin.Oncol.23(3):288−289(2000);de Gramontら、J.Clin.Oncol.18(16):2938−2947(2000))。
【0172】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗エストロゲン、たとえば
【0173】
【化73】
と組み合せて提供される。
【0174】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、アロマターゼインヒビター、たとえば
【0175】
【化74】
または
【0176】
【化75】
と組み合せて提供される。
【0177】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、エストロゲン、たとえばDES(ジエチルスチルベストロール)、
【0178】
【化76】
または抱合エストロゲン(Wyeth Pharmaceuticals Inc.;フィラデルフィア、ペンシルバニア州によってPremarin(登録商標))と組み合せて提供される。
【0179】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ベバシズマブ(Avastin(商標);Genentech;サンフランシスコ、カリフォルニア州)を含む抗血管新生剤、抗VEGFR−2抗体IMC−1C11、他のVEGFRインヒビター、たとえば:CHIR−258(
【0180】
【化77】
)、WO2004/13145(たとえばコア構造式:
【0181】
【化78】
を含む)、WO2004/09542(たとえばコア構造式:
【0182】
【化79】
を含む)、WO00/71129(たとえばコア構造式:
【0183】
【化80】
を含む)、WO2004/09601(たとえばコア構造式:
【0184】
【化81】
を含む)、WO2004/01059(たとえばコア構造式:
【0185】
【化82】
を含む)、WO01/29025(たとえばコア構造式:
【0186】
【化83】
を含む)、WO02/32861(たとえばコア構造式:
【0187】
【化84】
を含む)、で述べられた、またはWO03/88900(たとえばコア構造式:
【0188】
【化85】
を含む)で述べられたインヒビターのいずれか;3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン;バタラニブ(
【0189】
【化86】
;PTK/ZK;GPG−79787;ZK−222584)、AG−013736(
【0190】
【化87】
);ならびにVEGFトラップ(AVE−0005)、すなわちVEGF受容体1および2の一部を含む可溶性のおとり受容体と組み合せて提供される。
【0191】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)作用薬、たとえば[D−Ser(Bu t)6,Azgly 10](ピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu t)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2酢酸の酢酸塩[C59H84N18O14−(C2H4O2)x、式中、x=1〜2.4];
【0192】
【化88】
または
【0193】
【化89】
と組み合せて提供される。
【0194】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、スニチニブまたはマレイン酸スニチニブ
【0195】
【化90】
と組み合せて提供される。
【0196】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、プロゲステロン剤、たとえば
【0197】
【化91】
【0198】
【化92】
(カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン;17−((1−オキソヘキシル)オキシ)プレグナ−4−エン−3,20−ジオン;)、酢酸メゲストロールまたはプロゲスチンと組み合せて提供される。
【0199】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、たとえば
【0200】
【化93】
と組み合せて提供される。
【0201】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、これに限定するわけではないが:
【0202】
【化94】
【0203】
【化95】
(フルタミド;2−メチル−N−[4−ニトロ−3(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド;Schering Corporation、ケニルワース、ニュージャージー州によってEulexin(登録商標)として販売);
【0204】
【化96】
および
【0205】
【化97】
を含む、抗アンドロゲンと組み合せて提供される。
【0206】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、これに限定されるわけではないが、
【0207】
【化98】
;N−{3−クロロ−4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−6−[5−({[2−(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)−2−フリル]−4−キナゾリンアミン;PCT公開番号.WO99/35146)、カネルチニブ(CI−1033;
【0208】
【化99】
、ABX−EGF抗体(Abgenix,Inc.;フリーモント、カリフォルニア州;Yangら、Cancer Res.59(6):1236−43(1999);Yangら、Crit Rev Oncol Hematol.38(1):17−23(2001))、エルビタックス(米国特許第6,217,866号;IMC−C225、セツキシマブ;Imclone;ニューヨーク、ニューヨーク州)、
【0209】
【化100】
、PK−166(
【0210】
【化101】
;CGP−75166)、GW−572016、いずれかの抗EGFR抗体およびいずれかのHER2抗体を含む、EGF受容体またはHER2の作用を拮抗させる1つ以上のインヒビターと組み合せて提供される。
【0211】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0212】
【化102】
と組み合せて提供される。別の実施形態において、次のFPTインヒビターの一方:
【0213】
【化103】
が本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合せて提供される。
【0214】
本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントと結合して提供されうる他のFPTインヒビターとしては、BMS−214662
【0215】
【化104】
;(R)−7−シアノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−3−(フェニルメチル)−4−(2−チエニルスルホニル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン))およびR155777(ティピファニブ;Garnerら、Drug Metab.Dispos.30(7):823−30(2002);Danceyら、Curr.Pharm.Des.8:2259−2267(2002);(B)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン);
【0216】
【化105】
が挙げられる。
【0217】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0218】
【化106】
【0219】
【化107】
【0220】
【化108】
【0221】
【化109】
【0222】
【化110】
【0223】
【化111】
【0224】
【化112】
【0225】
【化113】
【0226】
【化114】
と組み合せて提供される。
【0227】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは:フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、デオキシコフォルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミトラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキン、ディフチトックス、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンB、BMS−247550(Lee ら、Clin.Cancer Res.7:1429−1437(2001)を参照)、BMS−310705、ドロロキシフェン(3−ヒドロキシタモキシフェン)、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA−923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン(CP−336156)、イドキシフェン、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン、PTK787/ZK 222584(Thomasら、Semin Oncol.30(3 Suppl 6):32−8(2003))、ヒト化抗VEGF抗体ベバシツマブ、VX−745(Haddad,Curr Opin.Investig.Drugs 2(8):1070−6(2001))、PD 184352(Sebolt−Leopoldら、Nature Med.5:810−816(1999))、いずれかのmTORインヒビター、
【0228】
【化115】
【0229】
【化116】
、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646(Vlahosら、J.Biol.Chem.269(7):5241−5248(1994))、ワートマニン、BAY−43−9006、(Wilhelmら、Curr.Pharm.Des.8:2255−2257(2002))、ZM336372、L−779,450、Lowingerら、Curr.Pharm Des.8:2269−2278(2002)に開示されているいずれかのRafインヒビター;フラボピリドール(L86−8275/HMR 1275;Senderowicz,Oncogene 19(56):6600−6606(2000))またはUCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン;Senderowicz,Oncogene 19(56):6600−6606(2000))のいずれかの1つ以上と組み合せて提供される。
【0230】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは:スチリル置換ヘテロアリールEGFRインヒビターを開示している米国特許第5,656,655号;ビス単環式および/または二環式アリールヘテロアリール炭素環およびヘテロ炭素環EGFRおよびPDGFRインヒビターを開示している米国特許第5,646,153号;EGFRを阻害する三環式ピリミジン化合物を開示している米国特許第5,679,683号;受容体チロシンキナーゼ阻害活性を有するキナゾリン誘導体を開示している米国特許第5,616,582号;EGFRを阻害する構造(Fryらの図1を参照)を有する化合物を開示しているFryら、Science 265 1093−1095(1994);EGFRを阻害するヘテロアリールエテンジイル化合物またはヘテロアリールエテンジイルアリール化合物を開示している米国特許第5,196,446号;受容体のEGFR、PDGFR、およびFGFRファミリーを阻害するPD166285として同定された化合物を開示しており、PD166285は6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニルアミノ)−8−メチル−8H−ピリド(2,3−d)ピリミジン−7−オンとして同定されている、Panekら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 283:1433−1444(1997)で述べられている化合物のいずれか1つ以上と組み合せて提供される。
【0231】
本発明の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファ−2a、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファ−2b、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファ−2c、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファn−1、ペグ化または非ペグ化インターフェロンアルファn−3、およびペグ化、非ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはアルブミン−インターフェロン−アルファのいずれか1つ以上と組み合せて提供される。
【0232】
「インターフェロンアルファ」という用語は本明細書に使用するように、細胞増殖を阻害して、免疫応答を調節する高度に相同性の種特異的タンパク質のファミリーを意味する。代表的な適切なインターフェロン−アルファとしては、これに限定されるわけではないが、組み換えインターフェロンアルファ−2b、組み換えインターフェロンアルファ−2a、組み換えインターフェロンアルファ−2c、アルファ2インターフェロン、インターフェロンアルファ−n1(INS)、天然アルファインターフェロンの精製ブレンド、米国特許第4,897,471号および第4,695,623号(特にその実施例7、8または9)に記載されたようなコンセンサス・アルファ・インターフェロン、またはインターフェロンアルファ−n3、天然アルファインターフェロンの混合物が挙げられる。
【0233】
インターフェロンアルファ−2aは、Hoffmann−La Roche(ナットレイ、ニュージャージー州)によってROFERON−A(登録商標)として販売されている。
【0234】
インターフェロンアルファ−2bは、Schering Corporation(ケニルワース、ニュージャージー州)によってINTRON−A(登録商標)として販売されている。インターフェロンアルファ−2bの製造はたとえば、米国特許第4,530,901号に記載されている。
【0235】
インターフェロンアルファ−n3は、Hemispherx Biopharma,Inc.(フィラデルフィア、ペンシルバニア州)によってALFERON N INJECTION(登録商標)として販売されている。
【0236】
インターフェロンアルファ−n1(INS)は、Glaxo−Smith−Kline(リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州)によってWELLFERON(登録商標)として販売されている天然インターフェロンの混合物である。
【0237】
コンセンサスインターフェロンは、Intermune,Inc.(ブリスベーン、カリフォルニア州)によってインフェルゲン(登録商標)として販売されている。
【0238】
インターフェロンアルファ−2cは、Boehringer lngelheim Pharmaceutical,Inc.(リッジフィールド、コネチカット州)によってBEROFOR(登録商標)として販売されている。
【0239】
天然インターフェロンの精製ブレンドは、住友;東京、日本によってSUMIFERON(登録商標)として販売されている。
【0240】
「ペグ化インターフェロンアルファ」という用語は本明細書で使用するように、インターフェロンアルファ、好ましくはインターフェロンアルファ−2aおよびアルファ−2bのポリエチレングリコール修飾結合体を意味する。好ましいポリエチレングリコール−インターフェロンアルファ−2b結合体は、PEG12000−インターフェロンアルファ−2bである。「12,000分子量ポリエチレングリコール結合体化インターフェロンアルファ」 および「PEG 12000−IFNアルファ」という句は本明細書で使用するように、国際公開番号WO 95/13090およびEP1039922の方法に従って調製され、インターフェロンアルファ−2aまたは2bアミノ基と、12000の平均分子量を有するポリエチレングリコールとの間にウレタン結合を含有するような結合体を含む。ペグ化インターフェロンアルファ、PEG12000−IFN−アルファ−2bは、Schering−Plough Research Institute、ケニルワース、ニュージャージー州から入手できる。
【0241】
好ましいPEG 12000−インターフェロンアルファ−2bは、PEGポリマーをインターフェロンアルファ−2b分子中のヒスチジン残基に結合することによって調製できる。単一のPEG 12000分子は、IFNアルファ−2b分子の遊離アミノ基にウレタン結合を介して結合体化することができる。この結合体は、結合されたPEG 12000の分子量を特徴とする。PEG 12000−IFNアルファ−2b結合体は、注射用凍結乾燥粉剤として調合できる。
【0242】
ペグ化インターフェロンアルファ−2bは、Schering Corporation(ケニルワース、ニュージャージー州)によってPEG−INTRON(登録商標)として販売されている。
【0243】
ペグ化インターフェロンアルファ−2aは、Hoffmann−La Roche(ナットレイ、ニュージャージー州)によってPEGASYS(登録商標)として販売されている。
【0244】
他のインターフェロンアルファ結合体は、インターフェロンアルファを水溶性ポリマーに結合することによって調製できる。このようなポリマーの非制限的なリストは、他のポリアルキレンオキシドホモポリマー、たとえばポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、そのコポリマーおよびそのブロックコポリマーを含む。ポリアルキレンオキシドベースポリマーの代用として、効果的な非抗原性物質、たとえばデキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物ベースポリマーなどが使用できる。このようなインターフェロンアルファ−ポリマー結合体はたとえば、米国特許第4,766,106号、米国特許第4,917,888号、欧州特許出願第0 236 987号または第0 593 868号またはInternational Publication No.WO 95/13090に記載されている。好ましいPEG 12000−INFアルファ−2bは、PEGポリマーをインターフェロンアルファ−2b分子中のヒスチジン残基に結合することによって調製できる。
【0245】
非経口投与に適切なペグ化インターフェロンアルファの医薬組成物は、適切な緩衝剤、たとえばTris−HCl、第二リン酸ナトリウム/第一リン酸ナトリウム緩衝剤などの酢酸塩またはリン酸塩、および医薬的に許容される賦形剤(たとえばスクロース)、担体(ヒト血漿アルブミン)、等張化剤(toxicity agents)(たとえばNaCl)、保存料(たとえばチメロサール、クレゾールまたはベンジルアルコール)、および界面活性剤(tweenまたはポリソルベート)を用いて注射用の滅菌水中で調合できる。ペグ化インターフェロンアルファは、凍結乾燥粉剤として2〜8℃にて冷蔵で貯蔵できる。再構成された水溶液は、2〜8℃で貯蔵されて、再構成の24時間以内に使用されるときに安定である。たとえば米国特許第4,492,537号;第5,762,923号および第5,766,582号を参照。再構成された水溶液は、インスリンなどの薬物の送達に有用なものなどの、前もって充填された複数回用量注射器に貯蔵することも可能である。代表的で適切な注射器としては、Novo Nordiskより入手できるNOVOLET(登録商標)ノボペンまたはSchering Corporation、ケニルワース、ニュージャージー州より入手できるREDIPEN(登録商標)などの、ペン型注射器に取り付けられた予め充填されたバイアルを含むシステムが挙げられる。他の注射器システムとしては、個別の区画内に希釈剤および凍結乾燥ペグ化インターフェロンアルファ粉剤を含有するガラスカートリッジを含むペン型注射器が挙げられる。
【0246】
本発明の範囲は、1つ以上の他の抗癌化学療法剤(たとえば本明細書に記載したような)と組み合せて、および/またはこれに限定されるわけではないが、カソピタント(GlaxoSmithKline)、ネツピタント(MGI−Helsinn)および他のNK−1受容体拮抗薬、パロノセトロン(MGI PharmaによってAloxiとして販売)、アプレピタント (Merck and Co.;ラーウェイ、ニュージャージー州によってEmendとして販売)、ジフェンヒドラミン(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってBenadryl(登録商標)として販売)、ヒドロキシジン(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってAtarax(登録商標)として販売)、メトクロプラミド(AH Robins Co,;リッチモンド、バージニア州によってReglan(登録商標)として販売)、ロラゼパム(Wyeth;マディソン、ニュージャージー州によってAtivan(登録商標)として販売)、アプラゾラム(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってXanax(登録商標)として販売)、ハロペリドール(Ortho−McNeil;ラリタン、ニュージャージー州によってHaldol(登録商標)として販売)、ドロペリドール(Inapsine(登録商標))、ドロナビノール(Solvay Pharmaceuticals,Inc.;マリエッタ、ジョージア州によってMarinol(登録商標)として販売)、デキサメタゾン(Merck and Co.;ラーウェイ、ニュージャージー州によってDecadron(登録商標)として販売)、メチルプレドニゾロン(Pfizer;ニューヨーク、ニューヨーク州によってMedrol(登録商標)として販売)、プロクロルペラジン(Glaxosmithkline;リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州によってCompazine(登録商標)として販売)、グラニセトロン(Hoffmann−La Roche Inc.;ナットレイ、ニュージャージー州によってKytril(登録商標)として販売)、オンダンセトロン(Glaxosmithkline;リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ州によってZofran(登録商標)として販売)、ドラセトロン(Sanofi− Aventis;ニューヨーク、ニューヨーク州によってAnzemet(登録商標)として販売)、トロピセトロン(Novartis;イーストハノーバー、ニュージャージー州によってNavoban(登録商標)として販売)を含む制吐薬と組み合せて、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物を投与することによる、本明細書で述べた病状または疾患の治療または予防の方法も含む。
【0247】
制吐薬を含む組成物は、抗癌化学療法の一般的な副作用である悪心を予防または治療するのに有用である。したがって本発明は、場合により1つ以上の他の化学療法剤(たとえば本明細書に記載した)と組み合せた、そして場合により1つ以上の制吐剤と組み合せた、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することによって、対象の癌を治療または予防する方法を含む。
【0248】
癌治療の他の副作用としては、赤血球および白血球欠乏が挙げられる。したがって本発明の方法は、このような欠乏を治療または予防する薬剤、たとえばペグフィルグラスチム、エリスロポエチン、エポエチンアルファまたはダーベポエチン(darbepoetin)アルファと場合により組み合せた、抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物を含む。
【0249】
別の抗癌療法の副作用は粘膜炎である。したがって本発明は、抗粘膜炎治療と組み合せて抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することによって、本明細書で述べた病状または疾患を治療または予防する方法および組成物を提供する。たとえば粘膜炎治療としては、麻酔ゲル粘性Xylocaine(登録商標)(リドカイン)2%の局所使用および含嗽;またはアロプリノール、塩酸ベンジダミン、コルチコステロイドおよび/またはカモミールを含むマウスウォッシュが挙げられる。
【0250】
本発明は、治療処置、たとえば外科的腫瘍摘出術または抗癌放射線処置と組み合せて;場合によりたとえば上述したようなさらなる化学療法剤および/または制吐薬と組み合せて抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することによって、本明細書で述べたいずれの病状のいずれの段階または種類も治療または予防する方法をさらに含む。
【0251】
「組み合せて」という用語は、本発明の組成物の成分(たとえばドセタキセルを加えた、抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメント)が同時送達のための単一組成物として調合できること、または2つ以上の組成物(たとえばキット)として別個に調合できることを示す。さらに各成分は、他の成分が投与されるのとは別の時に対象に投与することができる;たとえば各投与は、所与の期間にわたって複数の間隔で非同時的に(たとえば別個にまたは連続して)与えることができる。その上、別個の成分は、同じまたは別の経路で対象に投与できる(たとえば抗IGF1R抗体は非経口的に投与され、ゲフィチニブは経口投与される)。
【0252】
治療方法および投与
本発明は、頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌、胃癌、巨人症、下垂体腺腫、乾癬および腎臓の桿状腫瘍のいずれかを治療または予防するために、さらなる化学療法剤、またはその製薬調合物と場合により組み合せて、IGF1Rインヒビターを使用する方法を含む。
【0253】
さらなる化学療法剤(たとえば上述したような)および医薬的に許容される担体と組み合せてIGF1Rインヒビターを(たとえば単一組成物に、またはキット内で別個に)含む医薬組成物も、本発明の範囲内である。医薬組成物は、製薬分野で周知のいずれの方法によっても調製できる;たとえば
【0254】
【化117】
を参照。本発明の実施形態において、抗体は、抗体、たとえばLCF/HCA(たとえば1、5、10、15、20または25mg/ml)、酢酸ナトリウム三水和物(たとえば1.8、2.3または3.1mg/ml)、氷酢酸(たとえば0.5、0.18または2.2mg/ml);スクロース(たとえば50または70mg/ml);およびpH約5.5の水を含む医薬組成物の一部として対象に投与される。
【0255】
「頭頸部癌」などの用語は、口腔、咽頭、副鼻腔;鼻腔、喉頭、および唾液腺(たとえば耳下腺、顎下腺、舌下線)を含む、体の頭部および頸部範囲に発生するいずれの癌も含む。普通のタイプの頭頸部癌は、頭部および頸部範囲に発生する扁平上皮癌である。他のタイプの頭頸部癌としては、唾液腺腫瘍、黒色腫、リンパ腫および肉腫が挙げられる。
【0256】
「扁平上皮癌」(SCC)などの用語は、皮膚の扁平細胞を含むいずれの癌も含む。該用語は、たとえば角化棘細胞腫、孔道癌(carcinoma cuniculatum)、浸潤性SCC、インサイチューSCC、または転移性SCCを含む、いずれのサブタイプの扁平上皮癌も含む。
【0257】
「多発性骨髄腫」および「孤立性形質細胞腫」などの用語は、形質細胞の癌を含む。孤立性形質細胞腫は、体内の単一の場所における骨髄腫である。「多発性骨髄腫」という用語は、たとえば骨髄腫細胞が体内の複数の部位(たとえば骨髄部位)で発生する実施形態を含む。該用語は、たとえば軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫を含むいずれのサブタイプの多発性骨髄腫も含む。
【0258】
「腎細胞癌」などの用語は、腎臓の癌または腎腺癌とも呼ばれ、癌細胞が腎臓のいずれかの組織に見出される実施形態を含む。該用語はたとえば、たとえば明細胞癌(顆粒細胞と混合している、またはしていない)、好色素性癌、腎臓の桿状腫瘍、嫌色素性癌、膨大細胞癌、集合管癌、移行細胞癌および肉腫様腫瘍を含む、いずれのサブタイプの腎細胞癌も含む。
【0259】
「対象」または「患者」という用語は、いずれの生物も、好ましくは哺乳類(たとえば霊長類、イヌ、ウマ、ラット、マウス、ネコ、ウサギ)を、最も好ましくはヒトを含む。本発明の実施形態において、「対象」または「患者」は、ヒト成人(たとえば18歳以上)またはヒト小児(たとえば18歳未満、たとえば1歳未満、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10歳)である。
【0260】
場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターを含有する医薬組成物は、従来の医薬的に許容される賦形剤および添加剤ならびに従来の技法を使用して調製できる。このような医薬的に許容される賦形剤および添加剤としては、非毒性適合性充填剤、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存料、抗酸化剤、滑沢剤、香料、増粘剤、着色料、乳化剤などが挙げられる。これに限定されるわけではないが、非経口(たとえば皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、局所、腹腔内、吸入、頭蓋内)および非経口以外(たとえば経口、経皮、経鼻、眼内、舌下、経直腸および局所)を含む、すべての投与経路が検討される。
【0261】
注射剤は、液体液剤または懸濁剤、注射前に液体への溶解または懸濁に適した固体形、あるいは乳剤のどちらかとしての従来の形で調製できる。注射剤、液剤および乳剤も1つ以上の賦形剤を含有できる。賦形剤としてはたとえば、水、食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールが挙げられる。さらに所望ならば、投与される医薬組成物は、微量の非毒性補助物質、たとえば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤、および他のこのような薬剤、たとえば酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンおよびシクロデキストリンも含有できる。
【0262】
本発明の実施形態において、非経口調製物で使用する医薬的に許容される担体としては、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散化剤、乳化剤、封鎖剤またはキレート剤および他の医薬的に許容される物質が挙げられる。
【0263】
水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張デキストロース注射剤、滅菌水注射、デキストロースおよび乳酸加リンゲル注射が挙げられる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物起源の固定油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油およびラッカセイ油が挙げられる。フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンズエトニウムを含む、静菌または静真菌濃度の抗菌剤は、複数回用量容器に包装された非経口調製物に添加する必要がある。等張剤としては、塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁化剤および分散化剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN−80)が挙げられる。金属イオン封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられる。医薬担体としては、水混和性ビヒクルのための、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;そしてpH調製のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸も挙げられる。
【0264】
本発明の実施形態において、非経口投与用の調製物としては、すぐに注射できる滅菌液剤、皮下注射用錠剤を含む、使用直前にすぐに溶媒と混合できる滅菌無水溶解性生成物、たとえば凍結乾燥粉剤、すぐに注射できる滅菌懸濁剤、使用直前にビヒクルとすぐに混合できる滅菌無水不溶性生成物および滅菌乳剤が挙げられる。液剤は、水性または非水性のどちらかであることが可能である。
【0265】
一定レベルの投薬量が維持されるような遅延放出または持続放出システムの植え込みも本明細書で検討される。簡潔には、活性剤(たとえば、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せた、IGF1Rインヒビター)を、体液に不溶性である外部ポリマー膜、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーによって包囲された、固体内部マトリクス(たとえばポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩コポリマー、親水性ポリマー、たとえばアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコールおよび架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニル)に分散させる。化合物は、放出速度制御ステップにて外部ポリマー膜を通じて拡散する。このような非経口組成物に含有された活性化合物のパーセンテージは、その特異的な性質はもちろんのこと、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターの活性、および対象の要求にも大きく依存する。
【0266】
場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターの濃度は、注射が所望の薬理学的効果を生成する有効量を提供するように調整することができる。後述するように、正確な用量は、当分野で公知であるように、患者または動物の年齢、体重および状態によって変わる。
【0267】
本発明の実施形態において、単位用量非経口調製物は、アンプル、バイアルまたは針を備えた注射器に包装される。当分野で公知であり、実施されているように、非経口投与用の調製物はすべて滅菌されていなければならない。
【0268】
本発明の実施形態において、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターは、凍結乾燥粉剤として調合されて、投与のために液剤、乳剤および他の混合物として再構成することが可能である。粉剤は再構成され、固体またはゲルとして調合されることも可能である。
【0269】
本発明の実施形態において、滅菌凍結乾燥粉剤は、場合によりさらなる化学療法剤、またはその医薬的に許容される誘導体と組み合せたIGF1Rインヒビター(たとえば抗IGF1R抗体)を適切な溶媒に溶解させることによって調製される。溶媒は、粉剤または粉剤から調製された再構成液剤の安定性または他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含有することができる。使用可能である賦形剤としては、これに限定されるわけではないが、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロースまたは他の適切な薬剤が挙げられる。溶媒は、一実施形態において、ほぼ中性pHの緩衝剤、たとえばクエン酸塩、リン酸ナトリウムまたはカリウムあるいは当業者に公知の他のこのような緩衝剤も含有できる。当業者に公知の標準条件下での、液剤の次の滅菌濾過と、続いての凍結乾燥は、所望の調合物を提供する。一実施形態において、得られた溶液は凍結乾燥のためにバイアル内に分配されるであろう。各バイアルは、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターの単回投薬量または複数回投薬量を含有することができる。用量または一連の用量に必要とされるよりもわずかに多い量を含む(たとえば約10%)過剰充填バイアルは、正確なサンプル取り出しと正確な投薬を容易にするために許容される。凍結乾燥粉剤は、約4℃〜室温などの適切な条件下で貯蔵することができる。
【0270】
凍結乾燥粉剤の注射用水による再構成は、非経口投与で使用するための調合物を提供する。本発明の実施形態において、再構成のために、凍結乾燥粉剤は滅菌水または他の適切な担体に添加される。正確な量は、投与されている選択した療法によって変わる。このような量は経験的に決定できる。
【0271】
吸入による投与は、トリオレイン酸ソルビタンまたはオレイン酸を含有するエアゾールを、たとえばトリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、または他のいずれかの生物適合性推進剤ガスと共に使用することによって提供できる;場合によりさらなる化学療法剤と組み合せた、単独の、または粉末形の賦形剤と組み合せた、IGF1Rインヒビターを含有するシステムを使用することも可能である。
【0272】
本発明の実施形態において、場合によりさらなる化学療法剤と組み合せたIGF1Rインヒビターは、経口投与のための固体投薬形として、一実施形態においてはカプセル剤または錠剤として調合される。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、次の成分:結合剤;滑沢剤;希釈剤;流動促進剤;崩壊剤;着色剤;甘味剤;着香剤;湿潤剤;催吐コーティング;およびフィルムコーティングの1つ以上、または同様の性質の化合物を含有することができる。結合剤の例としては、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、スクロースおよびデンプンペーストが挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム、セキショウシおよびステアリン酸が挙げられる。希釈剤としてはたとえば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトールおよびリン酸二カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、これに限定されるわけではないが、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としてはたとえば、認可認証された水溶性FDおよびC染料、この混合物;ならびにアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FDおよびC染料のいずれかが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトールおよび人工甘味剤、たとえばサッカリン、およびいずれかの数の噴霧乾燥香料が挙げられる。着香剤としては、果物などの植物から抽出された天然香料およびこれに限定されるわけではないが、ペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの快い感覚を生じる化合物の合成ブレンドが挙げられる。湿潤剤としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコールおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラックおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
【0273】
本明細書で述べた薬剤のいずれも、単層ベシクル(ULV)および多層ベシクル(MLV)リポソームならびにデポフォーム(商標)粒子などのリポソーム調合物を含む持続放出調合物に調合することができる(Kimら、Biochim.Biophys.Acta(1983)728(3):339−348;Kim,Methods Neurosci.(1994)21:118−131;Kimら、Anesthesiology(1996)85(2):331−338;Katreら、J.Pharm.Sci.(1998)87(11)1341−1346)。デポフォームシステムの特徴は、各デポフォーム粒子の内側で、脂質膜の連続非同心性網目に囲まれた不連続内部水性チャンバが、より高い水性対脂質の容積比と、MLVと比較してはるかに大きい粒径を与えることである。
【0274】
調剤および投与
本発明の方法は、場合によりさらなる化学療法剤、またはその医薬組成物と組み合された、IGF1Rインヒビターの投与を含む。通例、このような薬剤の投与および調剤は、可能な場合、Physicians’Desk Reference 2003(Physicians’Desk Reference,57th Ed);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;57th edition(November 2002)で承認薬の製品情報シートに記載されたスケジュールはもちろんのこと、当分野で周知の治療プロトコルにも従って行われる。
【0275】
「治療有効量」または「治療有効投薬量」という用語は、癌、たとえば頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、いずれかの血液悪性腫瘍(たとえば慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(たとえばT細胞系統、B前駆細胞体系統)、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患)、および中枢神経腫瘍(たとえば脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫および脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(たとえば真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍、肝臓癌の徴候、症状および/または臨床的特徴の測定可能な緩和(いずれのIGF1R活性、たとえばIGF−IおよびIGF−II結合またはキナーゼ活性の阻害を含む)および/またはの任意の程度までの進行または転移の予防、遅延または停止を含む、投与者(たとえば研究者、医師または獣医師)が求めている組織、系、対象および宿主の生物学的または医学的応答を誘発するであろう本発明の組成物(たとえばIGF1Rインヒビター、たとえば抗IGF1R抗体)の量または投薬量を意味する。たとえば一実施形態において、いずれかの抗IGF1R抗体;たとえば(a)配列番号:2のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(b)配列番号:4のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(c)配列番号:6のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;(d)配列番号:8のアミノ酸20−128を含む軽鎖可変領域および配列番号:10または12のアミノ酸20−137を含む重鎖可変領域;を含む抗体またはその抗原結合フラグメントあるいは本明細書で言及した他のいずれかの抗IGF1R抗体の「治療有効投薬量」は、週2回、週1回、2週ごとに1回、3週ごとに1回、または1ヶ月に1回、約0.3〜約20mg/体重kg(たとえば約0.5mg/体重kg、約1mg/体重kg、約2mg/体重kg、約3mg/体重kg、約4mg/体重kg、約5mg/体重kg、約6mg/体重kg、約7mg/体重kg、約8mg/体重kg、約9mg/体重kg、約10mg/体重kg、約11mg/体重kg、約12mg/体重kg、約13mg/体重kg、約14mg/体重kg、約15mg/体重kg、約16mg/体重kg、約17mg/体重kg、約18mg/体重kg、約19mg/体重kg、約20mg/体重kg)である。
【0276】
投薬量レジメンは、最適な所望の応答(たとえば治療応答)を与えるために調整できる。たとえば単回用量を投与することができるか、または複数回に分割された用量を経時的に投与することができるか、または治療状況の要件によって示されるように用量を比例的に増減することができる。たとえば投薬量は、患者の年齢、体重、身長、過去の病歴、現在の薬物治療ならびに交差反応、アレルギー、感受性および副作用の可能性に従って、当分野の開業医(たとえば内科医または獣医師)が決定または調整することができる。投与の容易さおよび投薬の一様性のために、非経口組成物を投薬単位で調合することが特に好都合である。
【0277】
当分野の通常の技能を有する開業医(内科医または獣医師)は、要求される医薬組成物の有効量をただちに決定および処方できる。たとえば医師または獣医師は、医薬組成物で利用された本発明の化合物の開始用量を所望の治療効果を達成するために要求される用量よりも低いレベルで開始して、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることができる。本発明の抗体または組合せの所与の用量または治療レジメンの有効性は、たとえば対象において治療されている腫瘍が縮小する、または成長を終止するかどうかを判定することによって判定できる。腫瘍のサイズは、たとえばX線、磁気共鳴撮像(MRI)によって、外科処置にて視覚的に、または触診にて手動で容易に判定できる。腫瘍サイズおよび増殖は、チミジンPETスキャンの使用によっても測定できる(たとえばWellsら、Clin.Oncol.8:7−14(1996)を参照)。一般に、チミジンPETスキャンは、放射性トレーサー、たとえば[2−11C]−チミジンの注入と、続いての患者の体のPETスキャンを含む(Vander Borghtら、Gastroenterology 101:794−799,1991:Vander Borghtら、J.Radiat.Appl.Instrum.Part A,42:103−104(1991))。使用することができる他のトレーサーとしては、[18F]−FDG(18−フルオロデオキシグルコース)、[124I]IUdR(5−[124I]ヨード−2’−デオキシウリジン)、[76Br]BrdUrd(ブロモデオキシウリジン)、[18F]FLT(3’−デオキシ−3’フルオロチミジン)または[11C]FMAU(2’−フルオロ−5−メチル−1−β−D−アラビノフラノシルウラシル)が挙げられる。
【0278】
たとえば頭頸部癌の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。頭頸部癌を監視する方法としては、たとえば理学的検査(たとえば目視または触診検査)、観察しにくい区域の内視鏡(たとえば鼻咽頭鏡検査、咽頭鏡検査、または喉頭鏡検査)、コンピュータ断層スキャン(CT)、磁気共鳴画像スキャン(MRI)、超音波検査、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、パノレックス(顎のX線)、食道造影、歯科X線、胸部X線、および放射線核種骨スキャンが挙げられる。
【0279】
たとえば扁平上皮癌の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。扁平上皮癌を監視する方法はたとえば、患者問診、または理学的検査(たとえばいずれかの腫瘍のサイズ、形状または他の視覚的品質の目視検査およびドキュメンテーション)が挙げられる。
【0280】
たとえば多発性骨髄腫の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。多発性骨髄を監視する方法はたとえば、全血球数測定(CBC)を用いた、たとえば低ヘマトクリット(貧血)、低赤血球数、低血小板、および/または低白血球数の検出、骨髄生検、血清タンパク質電気泳動、骨折または空洞化した骨病変を確認するための骨X線、あるいは血清カルシウム、総タンパク、または異常腎機能を検出するための化学プロフィールが挙げられる。
【0281】
たとえば腎細胞癌の進行は、内科医または獣医師により各種の方法で監視することが可能であり、それに従って投薬レジメンを変更することができる。腎細胞癌を監視する方法としてはたとえば、塊を検出するための腹部触診、全血球数測定(CBC)、赤血球を検出するための尿試験、上昇を検出するための血清カルシウムレベルのアッセイ、上昇を検出するための血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)およびアルカリホスファターゼのアッセイ、尿細胞診アッセイ、肝機能試験、腹部および腎臓の超音波検査、腎臓X線、静脈内腎盂像(IVP)または腎動脈造影が挙げられる。
【0282】
本発明の組成物および方法としては、場合により1つ以上の化学療法剤と組み合せた、IGF1Rインヒビターが挙げられる。「組み合せた」という用語は、本発明の組み合せの成分が、同時送達のための単一組成物として調合することができるか、または2つ以上の組成物として個別に調合することができる(たとえばキット)ことを示す。さらに本発明の組み合せの各成分は、他の成分が投与されるのとは別の時に対象に投与することができる;たとえば各投与は、所与の期間にわたって複数の間隔で非同時に(たとえば別個にまたは連続して)与えることができる。その上、別個の成分は、同じまたは異なる経路(たとえば経口、静脈内、皮下)によって対象に投与することができる。
【実施例】
【0283】
本発明は、本発明を例示することを意図しており、本発明の制限となることを意図しない。下に開示されるいずれの方法または組成物も本発明の範囲内にある。
【0284】
(実施例1)
IGF1RおよびIGF−IIが頭頸部癌で発現される。
【0285】
本実施例において、IGF1RまたはIGF−2の発現のレベルを判定するために、頭頸部癌をアッセイした。原発性腫瘍組織サンプル(ステージ2、3または4の癌より)、正常隣接組織サンプルおよび正常組織サンプルを、IGF1R RNA発現のレベルについて分析した。さらに各種の細胞株でのIGF1R、IGF−1およびIGF−2のレベルを分析した。
【0286】
RNAは腫瘍サンプルから作製して、cDNAはRNAから合成した。IGF1Rの発現は、ABI Prism 7700配列検出システム9(Applied Biosystems;フォスターシティ、カリフォルニア州)を使用した特異的プローブおよびプライマーによる蛍光原5’−ヌクレアーゼPCRアッセイにおいて、cDNAサンプル20ngを使用して分析した。CT数は、すべてのサンプルにおけるユビキチンまたはアクチンmRNA発現に対して正規化した。
【0287】
使用したプライマーおよびプローブは次の通りである:
【0288】
【化118】
H322は、非小細胞肺癌細胞株である;CAL27、SCC25、SCC15、SCC9およびHS802は扁平上皮癌細胞株である。
【0289】
これらの方法で生成されたデータを図1および2に示す。図1は、IGF1Rが原発性頭頸部腫瘍サンプルにて、正常組織よりも高いレベルで発現されたことを示している。その上、正常隣接組織(NAT)は、正常組織よりも高い、IGF1R発現のレベルを示した。IGF1R発現のレベルは、頭頸部腫瘍のステージが上昇するにつれて(IからIV)まで、わずかに上昇した。各点は単一の組織サンプルにおけるIGF1Rの正規化レベルを表す。
【0290】
図2も、IGF1R、IGF−IおよびIGF−IIが各種の肺および扁平上皮癌細胞株で発現されたことを示している。上パネルは、細胞での全IGF1R(tIGF−1R)の発現レベルを示す、複数の細胞株のウェスタンブロット分析である。アクチン発現も、内部対照として示されている。下パネルは、アッセイした細胞から分泌されたIGF1およびIGF2のレベルを示す(106細胞当たり分泌されたタンパク質のng)。
【0291】
(実施例2)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))が、扁平上皮癌細胞株のインビトロ増殖を阻害する。
【0292】
本実施例は、抗IGF1R抗体LCF/HCAが各種の扁平上皮癌(SCC)細胞株の増殖を阻害することを示す。
【0293】
細胞増殖は、Cell−Titer Gloアッセイ(Promega Corp.;マディソン、ウィスコンシン州)を使用してアッセイした。cell−titer gloアッセイは生細胞からのATPの存在下で「グロー」発光シグナルを産生して、発光シグナルはプレートリーダー照度計またはCCD撮像装置で検出できる。
【0294】
本アッセイでは、扁平上皮癌細胞、SCC9、SCC25およびSCC15はトリプシン処理して、カウントして、NEAA、L−Glu、MEMビタミンおよびPSを含有する10% HI−FBS RPMIに25,000細胞/mlで再懸濁させた。細胞懸濁物100ml(2500細胞)をBD Falcon 96ウェル黒色、透明底TC処理プレートの各ウェルに添加した。細胞を付着させて、37℃にて一晩拡散させた。次いで翌日に、LCF/HCA抗体を適切な濃度で含有する2% RPMI 100mlで10% RPMI培地を置換した。各実験で使用した抗IGF1R抗体濃度は、100nM、20nM、5nM、0.8nM、0.16nM、0.032nM、0.0064nM、0.00128nM、および0.000256nMであった。すべての処理は、2% RPMIで20倍の濃度で調製して、連続希釈した。各試験ポイントは、別々のアッセイプレートに3通り調製した。上述のように、細胞増殖はCell−Titer Glo発光細胞生存能アッセイ(Promega)を使用して処理後96時間で測定した。発光は、スタッカーを用いたWallac 420プレートリーダーで検出した。
【0295】
本研究の結果は、扁平上皮癌細胞株の増殖が各種の濃度のLCF/HCAへの曝露によって阻害されたこと(図では19D12として示す)を示す図3a〜3cに示されている。図(a)、(b)、および(c)のデータは、次のような上述の細胞株に相当する:(a):細胞株SCC15;(b):細胞株SCC25;(c):細胞株SCC9。
【0296】
(実施例3)
IGF2およびIGF1Rは、胃および卵巣癌細胞株で高度に発現される。
【0297】
本例において、IGF2 mRNAは、正常なサンプルおよび細胞株と比較して、原発性胃腫瘍サンプルおよび胃腺癌細胞株にて高レベルで発現されることが示された。腫瘍サンプルでのIGF2の高度発現は、IGF1R成長経路を通じての自己分泌刺激のマーカーであり、腫瘍の成長が抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体処置によって阻害されるであろうことを示す。
【0298】
発現レベルが判定される細胞株は、本質的に上述のように成長、調製およびアッセイされた。タンパク質レベルはウェスタンブロットによって分析し、mRNAレベルはTaqman分析によって分析した。定量的フローサイトメトリーは、抗IGF1R、IR(インスリン受容体)、EGFR(上皮成長因子受容体)またはHER2抗体で標識した細胞を使用し、Bangs Laboratories,Inc.(フィッシャーズ、インディアナ州)のQuantitative Simply Cellular systemを使用して実施した。
【0299】
A2780はヒト卵巣癌細胞株であり、NCI−N87、SNU−16、SNU−1およびHs746Tはヒト胃癌細胞株である。
【0300】
本研究の結果を図4および5に示す。図4は、IGF2が正常細胞および正常隣接細胞でのレベルと比較して、原発性胃腫瘍細胞にて高レベルで発現されたことを示している。各点は、単一の腫瘍組織サンプルで発現されたIGF2 mRNAの正規化レベルを示す(ユビキチンの発現レベルに対する正規化)。
【0301】
図5の上パネルは、複数の細胞株に関連する定量的フローサイトメトリーデータであり、IGF1R、IR、EGFRおよびHER2の受容体/細胞の数を示す。図5の下パネルは、pIRS−1(リン酸化インスリン受容体基質−1(IRS−1))、pAKT(ホスホリル化AKT(タンパク質キナーゼ−Bとしても公知)(非アイソフォーム特異的))、tIRS−1(全IRS−1)、pERK1、2(ホスホリル化ERK1(細胞外シグナル調節キナーゼ1)およびERK2(細胞外シグナル調節キナーゼ2))、tIGR1R(全IGFR1)およびアクチンの発現レベルを示す、複数の細胞株のウェスタンブロットデータである。tIRS−1列のNCI N87のレーン3の下のバンドが予想よりもやや低速で移動して、それが本実験で使用した抗IRS−1抗体と交差反応するHER2であることが示唆されている。
【0302】
(実施例4)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体が胃癌および骨髄腫細胞株のインビトロ増殖を阻害する。
【0303】
本例は、胃癌細胞株SNU−16細胞および骨髄腫細胞株RPMI8226が抗IGF1R抗体LCF/HCAによって阻害されたことを示す。細胞を増殖、調製し、上述したのと実質的に同様にCell−Titer Gloアッセイを使用してアッセイした。各実験で使用した抗IGF1R抗体濃度は、100nm、20nm、5nm、0.8nm、0.16nm、0.032nm、0.0064nm、0.00128nm、および0.000256nMであった。
【0304】
本研究の結果を図6に示す。図6は、抗体の複数の濃度におけるSNU−16細胞株のインビトロ成長阻害を示す。40〜45%レベルの骨髄腫細胞株の成長阻害もインビトロで観察された。
【0305】
(実施例5)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体がインビボ腎細胞癌およびインビトロ黒色腫腫瘍細胞の成長を阻害する。
【0306】
本実施例は、腎細胞癌または黒色腫の治療または予防のための抗IGF1R療法の有効性を示す。
【0307】
胸腺欠損ヌードマウスの右側腹部に、A498ヒト腎臓癌腫瘍細胞をマトリゲル(1:1::細胞:ゲル)と共に皮下接種した。これらの実験において、通常のマトリゲルを含む1:1ミックス中の5×106細胞/マウスを接種した。LCF/HCA抗IGF1R抗体は腹腔内(ip)接種した(0.1mg/注射)。マウスに抗体を週2回、第12日から開始して7回、腹腔内注射によって投薬した。腫瘍サイズをカリパスで測定して、データをLABCATデータ実験コレクションおよび解析プログラムプログラム(Innovative Programming Associates,Inc.;プリンストン、ニュージャージー州)に入力した。平均サイズ100mm3のマウスをグループ分けした。腫瘍サイズと体重を週2回測定した。
【0308】
ヒト黒色腫細胞(A375−SM)も、100nM、20nM、5nM、0.8nM、0.16nM、0.032nM、0.0064nM、0.00128nM、および0.000256nM濃度に対する応答性についてインビトロでアッセイした。アッセイは上述したようにCell−Titer Gloアッセイによって実施した。
【0309】
本研究の結果を図7および8に示す。図7は、LCF/HCA抗体が投与されたときの、経時的な腎細胞癌細胞株のインビボ成長阻害を示す。図8は、LCF/HCA抗体の各種の濃度における黒色腫細胞株のインビトロ成長阻害を示す。
【0310】
(実施例6)
抗IGF1R(LCF(κ)/HCA(γ1))抗体がインビボ扁平上皮癌細胞成長を阻害する。
【0311】
本実施例は、扁平上皮癌などの頭頸部癌の治療または予防のための抗IGF1R療法の有効性を示す。
【0312】
免疫不全SCIDマウス(系統SCID)の右側腹部に、SCC15ヒト扁平上皮癌腫瘍細胞をマトリゲル(1:1 細胞:ゲル)と共に皮下接種した。これらの実験において、通常のマトリゲルを含む1:1ミックス中の5×106細胞/マウスを接種した。LCF/HCA抗IGF1R抗体は腹腔内(ip)接種した(0.1mg/注射)。マウスに抗体を週2回、第10日から開始して7回、第31日の最終投薬で、腹腔内注射によって投薬した。腫瘍サイズをカリパスで測定して、データをlabcatプログラムに入力した。平均サイズ100mm3のマウスをグループ分けした。腫瘍サイズと体重を週2回測定した。
【0313】
これらの実験から生成したデータを図9に示す。LCF/HCA抗体を接種したマウス(グラフに「19D12」と示す)における腫瘍成長は、抗体なしの対照注射のみを投与されたマウスで観察された腫瘍成長より小さかった。
【0314】
(実施例7)
LCF(κ)/HCA(γ1)抗IGF1R抗体のPPTPパネル試験
LCF/HCAは、インスリン様成長因子1受容体(IGF1R)に対して作られた完全ヒト抗体であり、広範囲の悪性腫瘍の成長および転移表現型に関与している。IGF1Rシグナル伝達は、小児癌、たとえば神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、および骨肉種と関連する小児期の癌の状況で特に重要である。抗体の活性は、小児前臨床試験プログラム(Pediatric Preclinical Testing Program、PPTP)のインビトロおよびインビボパネルに対して評価した。PPTPは、国立癌研究所(National Cancer Institute、NCI)によって樹立および構築されたインビトロ細胞株のパネルおよびインビボマウス異種移植パネルを含み、最も一般的な小児癌の療法の試験を可能にする(たとえばHoughtonら、Pediatric Blood & Cancer(2007)49(7):928−40を参照)。
【0315】
PPTPは、一般的なタイプの小児期固形腫瘍および小児期ALL(急性リンパ芽球性白血病)の大半を表す、分子的に特徴付けられた細胞株のインビトロパネル(n=27)および異種移植片のインビボパネル(n=61)を含む。LCF/HCA抗IGF1R抗体は、PPTPインビトロパネルに対しては、0.01nM〜100nMの範囲にわたる濃度で試験を行い;PPTPインビボパネルに対しては、週2回、4週間にわたって腹腔内注射で投与されたマウス当たり0.5mgの用量にて試験を行った。抗腫瘍活性の3つの測定値を使用した:1)臨床場面後にモデル化された応答基準;2)第21日における処置対対照(T/C)腫瘍体積;および3)処置および対照株の中央値EFSに基づくイベントまでの時間(腫瘍体積の4倍増加)測定値(中間活性はEFS(無イベント生存)T/C>2を必要とし、高活性は実験の終わりに中央値腫瘍体積の正味の縮小をさらに必要とした)。
【0316】
方法
インビトロ試験。インビトロ試験は、組織培養マルチウェルプレートにて(二酢酸フルオレセイン[FDA]を使用して)生細胞の数を定量する半自動蛍光ベースデジタル画像顕微鏡システムである、DIMSCANを使用して実施した(Keshelavaら、Methods Mol.Med.(2005)110:139−153)。試験は96時間にわたって、0.01nM〜0.1mMの濃度にて、データ点当たり6個の複製物を用いて行った。データは、Kaleidagraphソフトウェア(Synergy Software;リーディング、ペンシルバニア州)、非線形回帰S字形用量−応答モデルの応答への当てはめ;相対蛍光値対濃度を使用して解析した。PPTPインビトロパネルは、神経芽細胞腫(4)、ユーイング肉腫(4)、横紋筋肉腫(4)、急性リンパ芽球性白血病(5)、NHL(2)およびその他の細胞株を含有する。
【0317】
ステージ1試験は、その最大許容用量(MTD)における、または成人前臨床モデルを使用してPK/PD(薬物動態学的/薬力学的)試験に基づいて選択した用量における、小児癌異種移植株のPPTPパネル全体にわたる薬剤の試験を含む。
【0318】
インビボ固形腫瘍試験:各異種移植株の場合、皮下(SC)腫瘍を持つマウス10匹は、腫瘍の体積が0.2〜0.5cm3であるときに処置を開始した。2個の垂直腫瘍直径をデジタルノギスで週1回測定した。腫瘍が球形であると仮定すると、体積は式(π/6)xd3(式中、dは平均直径を表す)から計算された。
インビボ急性リンパ芽球性白血病試験:各異種移植株の場合、マウス8匹に、二次レシピエントマウスの脾臓から精製した3〜5x106単核細胞を接種した。移植はフローサイトメトリーによって毎週監視して、末梢血中のヒトCD45+細胞の割合が1%に達したときに処置を開始した。
末梢血中のヒトCD45+細胞の割合を、処置過程を通じて毎週監視した。
【0319】
薬物:LCF/HCAは、150mM塩化ナトリウムを含有する20mM酢酸ナトリウムpH5緩衝液に溶解させて、動物当たり0.5mgの用量で週2回、4週間連続して腹腔内投与した。抗体は、PPTPの標準操作手順に従って盲検のために、試験部位へ記号を付けたバイアルに入れて供給した。
【0320】
【表2】
【0321】
【表3】
中央値群応答:各処置群の各マウスはそれぞれ、応答スコアを割り当てられ(上の表を参照)、処置群の中央値スコアが計算されて、次に各処置群に下の表に従って全体的な応答が割り当てられた。
【0322】
【表4】
統計的方法:各処置群の無イベント生存(EFS)分布を、正確なログランク検定を使用して各対照群のEFS分布と比較した。P値は両側であり、本試験の予備的な性質を考慮して、多重比較用に調整されなかった。P値<0.05は有意と見なされた。
【0323】
結果
【0324】
【表1】
各種の細胞タイプのインビボ腫瘍体積の経時的なグラフ解析を示す図10も参照されたい。
【0325】
Affymetrix U133 Plus2アレイを使用して、IGF−1R発現も評価した。
【0326】
IGF1R発現が非常に低い5つの異種移植片は、抗体に応答しなかった(すなわちPD1)。たとえばOS−33は非常に低い発現を有し、抗体に対して応答を示さない2つの骨肉種異種移植片の一方であった。CRまたはMCR応答を持つ3つの異種移植片は、高いIGF1R発現を有していた。中〜高IGF1R発現を持つ一部の異種移植片は、抗体に応答しなかった(たとえばRh41)。
【0327】
インビトロアッセイで達成された最大成長阻害は30%であり、T細胞ALL株、MOLT−4で観察された。試験を行った最高濃度におけるインビトロパネルの中央値成長阻害は5%であった。
【0328】
本発明は、本明細書で開示した詳細な実施形態によって範囲を制限されないものとする。実際に、本発明の範囲は、本明細書で詳細に述べられている実施形態および本明細書で詳細に述べられていない実施形態を含む;本明細書で詳細に述べられている実施形態は、必ずしも網羅的であることを意図しない。本発明の各種の変更形態は、本明細書に記載したことに加えて、上述の説明から当業者に明らかになるであろう。このような変更形態は、請求項の範囲内に含まれることを意図する。
【0329】
特許、特許出願、公報、製品説明およびプロトコルは本出願を通じて引用され、その開示は、すべての目的についてその全体が参考として本明細書に組み入れられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液悪性腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、T細胞系統の急性リンパ芽球性白血病、B前駆細胞体系統の急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、中枢神経腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫、脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性疾患、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍および肝臓癌から成る群より選択される病状を治療または予防するための組成物であって、治療有効量の配列番号:40で示されるアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3、または配列番号:38で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3、またはその両方を含む単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【請求項2】
前記病状が、
B前駆細胞体系統の急性リンパ芽球性白血病;
T細胞系統の急性リンパ芽球性白血病;
急性リンパ球性白血病;
急性骨髄性白血病;
未分化星状細胞腫;
星状細胞腫;
バーキットリンパ腫;
カルチノイド癌;
中枢神経腫瘍;
軟骨肉腫;
脈絡叢乳頭腫;
慢性リンパ芽球性白血病;
慢性リンパ球性白血病;
慢性骨髄芽球性白血病;
慢性骨髄性白血病;
慢性骨髄単球性白血病;
慢性骨髄増殖性疾患;
皮膚T細胞リンパ腫;
びまん性大細胞型リンパ腫;
子宮体癌;
上衣細胞腫;
濾胞性リンパ腫;
胚細胞腫瘍;
神経膠芽腫;
ヘアリーセル白血病;
頭頸部癌;
肝芽腫;
肝細胞癌;
ホジキン病;
特発性骨髄線維症;
マントル細胞リンパ腫;
肥満細胞性白血病;
肥満細胞性新生物;
髄芽腫;
黒色腫;
髄膜腫;
菌状息肉腫;
骨髄増殖性疾患;
非神経膠芽脳腫瘍;
非ホジキンリンパ腫;
乏突起細胞腫;
下垂体腺腫;
真性多血症;
未分化神経外胚葉性腫瘍;
腎臓の桿状腫瘍;
セザリー症候群;
軟部組織肉腫;
孤立性形質細胞腫;
扁平上皮癌;
血小板血症;
甲状腺癌;および
前庭神経鞘腫
から成る群から選択されるメンバーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号:38を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;および配列番号:40を含む重鎖免疫グロブリン可変領域を含むモノクローナル抗体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号:38を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域および配列番号:40を含む重鎖免疫グロブリン可変領域を含む抗体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、(i)1つ以上のさらなる化学療法剤または(ii)1つ以上のさらなる化学療法剤を含む医薬組成物と組み合せて投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記さらなる化学療法剤が抗癌剤、制吐剤、抗貧血剤または抗粘膜炎剤である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記さらなる化学療法剤が、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV−299、DN−101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244(ARRY−142886)、AMN−107、TKI−258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ−197、MK−0457、MLN8054、PHA−739358、R−763、AT−9263、FLT−3インヒビター、VEGFRインヒビター、EGFR TKインヒビター、オーロラキナーゼインヒビター、PIK−1モジュレーター、Bcl−2インヒビター、HDACインヒビター、c−METインヒビター、PARPインヒビター、Cdkインヒビター、EGFR TKインヒビター、IGFR−TKインヒビター、抗HGF抗体、P13キナーゼインヒビター、AKTインヒビター、JAK/STATインヒビター、チェックポイント−1または2インヒビター、焦点接着キナーゼインヒビター、Mapキナーゼキナーゼ(mek)インヒビター、VEGFトラップ抗体、ペメトレキセド、エルロチニブ、ダサタニブ、ニロチニブ、デカタニブ、パニツブマム、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep−etu、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、オファツムマブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミリフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131−I−TM−601、ALT−110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ギマテカン、IL13−PE38QQR、INO 1001、IPdR、KRX−0402、ルカントン、LY 317615、ノイラジアブ、ビテスパン、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、ロミデプシン、ADS−100380、
【化120】
【化121】
、ボリノスタット、エトポシド、ゲムシタビン、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン、ビンクリスチン、テモゾロミド、ZK−304709、セリシクリブ;PD0325901、AZD−6244、カペシタビン、L−グルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−、二ナトリウム塩、七水和物、カンプトテシン、イリノテカン;イリノテカン、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの組み合せ;PEG標識イリノテカン、FOLFOXレジメン、タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストラゾール、エキセメスタン、レトロゾール、DES(ジエチルスチルベストロール)、エストラジオール、エストロゲン、抱合エストロゲン、ベバシズマブ、IMC−1C11、CHIR−258、
【化122】
);3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン、バタラニブ、AG−013736、AVE−0005、[D−Ser(Bu t)6,Azgly10]の酢酸塩(ピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu t)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2酢酸[C59H84N18O14−(C2H4O2)x、式中、x=1〜2.4]、酢酸ゴセレリン、酢酸ロイプロリド、パモ酸トリプトレリン、スニチニブ、リンゴ酸スニチニブ、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ラロキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸メゲストロール、CP−724714;TAK−165、HKI−272、エルロチニブ、ラパタニブ、カネルチニブ、ABX−EGF抗体、エルビタックス、EKB−569、PKI−166、GW−572016、ロナファーニブ
【化123】
、BMS−214662、チピファルニブ;アミフォスチン、NVP−LAQ824、スベロイルアナリドヒドロキサム酸、バルプロ酸、トリコスタチンA、FK−228、SU11248、ソラフェニブ、KRN951、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、L−アスパラギナーゼ、カルメット−ゲラン杆菌(BCG)ワクチン、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、エピルビシン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、サトラプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トレチノイン、ビンデシン、13−シス−レチノイン酸、フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、デオキシコフォルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミトラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキン、ディフチトックス、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、パクリタキセル、クレモフォールフリーパクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンB、BMS−247550、BMS−310705、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA−923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン、イドキシフェン、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン、PTK787/ZK 222584、VX−745、PD 184352、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、テムシロリムス、AP−23573、RAD001、ABT−578、BC−210、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646、ワートマニン、ZM336372、L−779,450、PEG−フィルグラスチム、ダーベポエチン、5−フルオロウラシル、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、ゾレンドロネート、プレドニゾン、セツキシマブ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒストレリン、ペグ化インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2a、ペグ化インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−2b、アザシチジン、PEG−L−アスパラギナーゼ、レナリドマイド、ゲムツズマブ、ヒドロコルチゾン、インターロイキン−11、デクスラゾキサン、アレムツズマブ、オールトランスレチノイン酸、ケトコナゾール、インターロイキン−2、メゲストロール、免疫グロブリン、ナイトロジェンマスタード、メチルプレドニゾロン、イブリツモマブチウキセタン、アンドロゲン、デシタビン、ヘキサメチルメラミン、ベキサロテン、トシツモマブ、三酸化ヒ素、コルチゾン、エジトロナート、ミトタン、シクロスポリン、リポソームダウノルビシン、Edwinaアスパラギナーゼ、ストロンチウム89、カソピタント、ネツピタント、NK−1受容体拮抗薬、パロノセトロン、アプレピタント、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、メトクロプラミド、ロラゼパム、アプラゾラム、ハロペリドール、ドロペリドール、ドロナビノール、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プロクロルペラジン、グラニセトロン、オンダンセトロン、ドラセトロン、トロピセトロン、ペグフィルグラスチム、エリスロポエチン、エポエチンアルファおよびダーベポエチンアルファから成る群より選択される1つ以上のメンバーである、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントおよびさらなる化学療法剤が同時に投与される、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントおよびさらなる化学療法剤が同時に投与されない、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
前記軽鎖免疫グロブリンが、κ免疫グロブリン定常領域に連結し;そして前記重鎖免疫グロブリンが、γ−1免疫グロブリン定常領域に連結する、請求項3に記載の組成物。
【請求項11】
前記対象がヒトである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記対象が小児である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが抗癌治療処置と組み合せて投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記抗癌治療処置が外科的腫瘍摘出術および/または抗癌放射線治療である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記抗体またはフラグメントが、2週間毎に10mg/体重kgの投薬量で投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項1】
対象における頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液悪性腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、T細胞系統の急性リンパ芽球性白血病、B前駆細胞体系統の急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ヘアリーセル白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞性新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、中枢神経腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起細胞腫、上衣細胞腫、脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性疾患、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮体癌、カルチノイド癌、胚細胞性腫瘍および肝臓癌から成る群より選択される病状を治療または予防するための組成物であって、治療有効量の配列番号:40で示されるアミノ酸配列を含む重鎖免疫グロブリンからのCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3、または配列番号:38で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖免疫グロブリンからのCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3、またはその両方を含む単離された抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【請求項2】
前記病状が、
B前駆細胞体系統の急性リンパ芽球性白血病;
T細胞系統の急性リンパ芽球性白血病;
急性リンパ球性白血病;
急性骨髄性白血病;
未分化星状細胞腫;
星状細胞腫;
バーキットリンパ腫;
カルチノイド癌;
中枢神経腫瘍;
軟骨肉腫;
脈絡叢乳頭腫;
慢性リンパ芽球性白血病;
慢性リンパ球性白血病;
慢性骨髄芽球性白血病;
慢性骨髄性白血病;
慢性骨髄単球性白血病;
慢性骨髄増殖性疾患;
皮膚T細胞リンパ腫;
びまん性大細胞型リンパ腫;
子宮体癌;
上衣細胞腫;
濾胞性リンパ腫;
胚細胞腫瘍;
神経膠芽腫;
ヘアリーセル白血病;
頭頸部癌;
肝芽腫;
肝細胞癌;
ホジキン病;
特発性骨髄線維症;
マントル細胞リンパ腫;
肥満細胞性白血病;
肥満細胞性新生物;
髄芽腫;
黒色腫;
髄膜腫;
菌状息肉腫;
骨髄増殖性疾患;
非神経膠芽脳腫瘍;
非ホジキンリンパ腫;
乏突起細胞腫;
下垂体腺腫;
真性多血症;
未分化神経外胚葉性腫瘍;
腎臓の桿状腫瘍;
セザリー症候群;
軟部組織肉腫;
孤立性形質細胞腫;
扁平上皮癌;
血小板血症;
甲状腺癌;および
前庭神経鞘腫
から成る群から選択されるメンバーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号:38を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域;および配列番号:40を含む重鎖免疫グロブリン可変領域を含むモノクローナル抗体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号:38を含む軽鎖免疫グロブリン可変領域および配列番号:40を含む重鎖免疫グロブリン可変領域を含む抗体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、(i)1つ以上のさらなる化学療法剤または(ii)1つ以上のさらなる化学療法剤を含む医薬組成物と組み合せて投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記さらなる化学療法剤が抗癌剤、制吐剤、抗貧血剤または抗粘膜炎剤である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記さらなる化学療法剤が、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV−299、DN−101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244(ARRY−142886)、AMN−107、TKI−258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ−197、MK−0457、MLN8054、PHA−739358、R−763、AT−9263、FLT−3インヒビター、VEGFRインヒビター、EGFR TKインヒビター、オーロラキナーゼインヒビター、PIK−1モジュレーター、Bcl−2インヒビター、HDACインヒビター、c−METインヒビター、PARPインヒビター、Cdkインヒビター、EGFR TKインヒビター、IGFR−TKインヒビター、抗HGF抗体、P13キナーゼインヒビター、AKTインヒビター、JAK/STATインヒビター、チェックポイント−1または2インヒビター、焦点接着キナーゼインヒビター、Mapキナーゼキナーゼ(mek)インヒビター、VEGFトラップ抗体、ペメトレキセド、エルロチニブ、ダサタニブ、ニロチニブ、デカタニブ、パニツブマム、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep−etu、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、オファツムマブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミリフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131−I−TM−601、ALT−110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ギマテカン、IL13−PE38QQR、INO 1001、IPdR、KRX−0402、ルカントン、LY 317615、ノイラジアブ、ビテスパン、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、ロミデプシン、ADS−100380、
【化120】
【化121】
、ボリノスタット、エトポシド、ゲムシタビン、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン、ビンクリスチン、テモゾロミド、ZK−304709、セリシクリブ;PD0325901、AZD−6244、カペシタビン、L−グルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−、二ナトリウム塩、七水和物、カンプトテシン、イリノテカン;イリノテカン、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンの組み合せ;PEG標識イリノテカン、FOLFOXレジメン、タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストラゾール、エキセメスタン、レトロゾール、DES(ジエチルスチルベストロール)、エストラジオール、エストロゲン、抱合エストロゲン、ベバシズマブ、IMC−1C11、CHIR−258、
【化122】
);3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン、バタラニブ、AG−013736、AVE−0005、[D−Ser(Bu t)6,Azgly10]の酢酸塩(ピロ−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Bu t)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NH2酢酸[C59H84N18O14−(C2H4O2)x、式中、x=1〜2.4]、酢酸ゴセレリン、酢酸ロイプロリド、パモ酸トリプトレリン、スニチニブ、リンゴ酸スニチニブ、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ラロキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸メゲストロール、CP−724714;TAK−165、HKI−272、エルロチニブ、ラパタニブ、カネルチニブ、ABX−EGF抗体、エルビタックス、EKB−569、PKI−166、GW−572016、ロナファーニブ
【化123】
、BMS−214662、チピファルニブ;アミフォスチン、NVP−LAQ824、スベロイルアナリドヒドロキサム酸、バルプロ酸、トリコスタチンA、FK−228、SU11248、ソラフェニブ、KRN951、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、L−アスパラギナーゼ、カルメット−ゲラン杆菌(BCG)ワクチン、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、エピルビシン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、サトラプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トレチノイン、ビンデシン、13−シス−レチノイン酸、フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、デオキシコフォルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミトラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL−3、ネオバスタット、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキン、ディフチトックス、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、パクリタキセル、クレモフォールフリーパクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンB、BMS−247550、BMS−310705、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA−923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン、イドキシフェン、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン、PTK787/ZK 222584、VX−745、PD 184352、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、テムシロリムス、AP−23573、RAD001、ABT−578、BC−210、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646、ワートマニン、ZM336372、L−779,450、PEG−フィルグラスチム、ダーベポエチン、5−フルオロウラシル、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、ゾレンドロネート、プレドニゾン、セツキシマブ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒストレリン、ペグ化インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2a、ペグ化インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−2b、アザシチジン、PEG−L−アスパラギナーゼ、レナリドマイド、ゲムツズマブ、ヒドロコルチゾン、インターロイキン−11、デクスラゾキサン、アレムツズマブ、オールトランスレチノイン酸、ケトコナゾール、インターロイキン−2、メゲストロール、免疫グロブリン、ナイトロジェンマスタード、メチルプレドニゾロン、イブリツモマブチウキセタン、アンドロゲン、デシタビン、ヘキサメチルメラミン、ベキサロテン、トシツモマブ、三酸化ヒ素、コルチゾン、エジトロナート、ミトタン、シクロスポリン、リポソームダウノルビシン、Edwinaアスパラギナーゼ、ストロンチウム89、カソピタント、ネツピタント、NK−1受容体拮抗薬、パロノセトロン、アプレピタント、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、メトクロプラミド、ロラゼパム、アプラゾラム、ハロペリドール、ドロペリドール、ドロナビノール、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プロクロルペラジン、グラニセトロン、オンダンセトロン、ドラセトロン、トロピセトロン、ペグフィルグラスチム、エリスロポエチン、エポエチンアルファおよびダーベポエチンアルファから成る群より選択される1つ以上のメンバーである、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントおよびさらなる化学療法剤が同時に投与される、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントおよびさらなる化学療法剤が同時に投与されない、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
前記軽鎖免疫グロブリンが、κ免疫グロブリン定常領域に連結し;そして前記重鎖免疫グロブリンが、γ−1免疫グロブリン定常領域に連結する、請求項3に記載の組成物。
【請求項11】
前記対象がヒトである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記対象が小児である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが抗癌治療処置と組み合せて投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記抗癌治療処置が外科的腫瘍摘出術および/または抗癌放射線治療である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記抗体またはフラグメントが、2週間毎に10mg/体重kgの投薬量で投与される、請求項1に記載の組成物。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10−1】
【図10−2】
【図10−3】
【図10−4】
【図10−5】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10−1】
【図10−2】
【図10−3】
【図10−4】
【図10−5】
【公開番号】特開2012−193204(P2012−193204A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−156460(P2012−156460)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2009−541358(P2009−541358)の分割
【原出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156460(P2012−156460)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2009−541358(P2009−541358)の分割
【原出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】
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