説明

III族窒化物半導体基板及びその製造方法

【課題】段差などの乱れが少ない平坦な劈開面が得られるIII族窒化物半導体基板及びそ
の製造方法を提供する。
【解決手段】直径25mm以上、厚さ250μm以上のIII族窒化物半導体基板であって
、前記III族窒化物半導体基板の外縁から5mm以内の外周部における少なくとも前記外
縁側の部分は、前記III族窒化物半導体基板の主面内の応力が引張応力であり、且つ前記III族窒化物半導体基板の前記外縁側の部分よりも中心側の部分に比べて相対的に引張応力が大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物半導体基板及びその製造方法に関し、特に劈開性を改善したIII族窒化物半導体基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)等のIII族窒化物半導体は、青色の発光ダイオード(LED)や
レーザーダイオ−ド(LD)用材料として、脚光を浴びている。さらに、III族窒化物半
導体は、耐熱性や耐環境性が良いという特徴を活かして、電子デバイスへの応用開発も始まっている。
【0003】
現在広く実用化されているGaN成長用の基板はサファイアであり、単結晶サファイア基板の上に有機金属気相成長法(MOVPE法)等でGaNをエピタキシャル成長させる方法が一般に用いられている。以下、GaNをIII族窒化物半導体の代表例として説明す
る。
【0004】
サファイア基板はGaNと格子定数が異なるため、サファイア基板上に直接GaNを成長させたのでは単結晶膜を成長させることができない。このため、サファイア基板上に一旦低温でAlNやGaNの窒化物バッファ層を成長させ、この低温成長窒化物バッファ層で格子の歪みを緩和させてから、その上にGaNを成長させる方法が考案されている。この低温成長窒化物層をバッファ層として用いることで、GaNの単結晶エピタキシャル成長は可能になった。しかし、この方法でも、やはりサファイア基板とGaN結晶の格子のずれは如何ともし難く、成長させたGaNは無数ともいえる結晶欠陥を有している。この結晶欠陥は、GaN系のLDや高輝度LEDを製作する上で障害となることがある。
【0005】
上記のような理由から、GaN自立基板の出現が切に望まれてきた。GaNは、SiやGaAsのように融液から大型のインゴットを引き上げることが困難なため、例えば超高温高圧法、Naフラックス法、ハイドライド気相成長法(HVPE法)などの種々の方法が試みられている。HVPE法によるGaN基板は、これらの方法の中でも最も開発が進んでいる。市場への流通も始まっており、LD用途だけでなく、高輝度LED向けとしても大きな期待が寄せられている。
【0006】
通常、LDの共振器の端面ミラーは劈開によって形成する。GaN単結晶基板の劈開性の良否を知るために、GaN単結晶基板の全面に単色光をあて光弾性効果によって歪値を測定し、測定した歪値の面内での最大値が所定値以下にあるか否かによって判定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−299741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、HVPE法によるGaN基板が実用化されたものの、GaN基板の特性は未だ改善の余地を大きく残している。ここで課題とするのは、GaN基板の劈開性である。通常、LDの共振器の端面ミラーは劈開によって形成する。劈開面は、原理的には原子レベルの平坦性を備え、ミラーとしては理想的なはずである。しかし実際の劈開面は
、様々な要因によって乱れ(段差)を生じ、LDの歩留まりを低下させる原因になっていた。図5に、HVPE法によって作製した従来のGaN基板を劈開した劈開面を、微分干渉顕微鏡(オリンパス製のBX11)を用いて観察した微分干渉像を示す。図5の破線で囲んだ部分の劈開面に段差部が見られる。
【0009】
本発明の目的は、段差などの乱れが少ない平坦な劈開面が得られるIII族窒化物半導体
基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、直径25mm以上、厚さ250μm以上のIII族窒化物半導体
基板であって、前記III族窒化物半導体基板の外縁から5mm以内の外周部における少な
くとも前記外縁側の部分は、前記III族窒化物半導体基板の主面内の応力が引張応力であ
り、且つ前記III族窒化物半導体基板の前記外縁側の部分よりも中心側の部分に比べて相
対的に引張応力が大きくなっているIII族窒化物半導体基板である。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様のIII族窒化物半導体基板において、前記外縁側の
部分の引張応力の大きさが、30MPa以上150MPa以下である。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様のIII族窒化物半導体基板において、前
記主面が、C面またはC面から傾いた傾斜面である。
【0013】
本発明の第4の態様は、種結晶基板上にIII族窒化物半導体層を結晶成長する工程を含
むIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前記III族窒化物半導体層を結晶成長する工程において、前記III族窒化物半導体層の外周部分に、前記種結晶基板の主面に対して
0°より大きく90°より小さい角度で傾斜した成長面を形成しながら結晶成長し、且つ前記傾斜した成長面を有する前記外周部分の前記III族窒化物半導体層のドーピング濃度
を、前記外周部分より中心側の前記III族窒化物半導体層のドーピング濃度よりも高くし
て結晶成長を行うIII族窒化物半導体基板の製造方法である。
【0014】
本発明の第5の態様は、第4の態様のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前
記III族窒化物半導体層の結晶成長にはHVPE法を用い、酸素ガスあるいは酸素化合物
ガスが存在する雰囲気で結晶成長を行う。
【0015】
本発明の第6の態様は、第5の態様のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前
記酸素ガスあるいは酸素化合物ガスは、結晶成長が行われる成長炉の外部からの供給、あるいは前記成長炉を構成する石英部材と前記成長炉内の雰囲気ガスとの反応によって供給される。
【0016】
本発明の第7の態様は、第5または第6の態様のIII族窒化物半導体基板の製造方法に
おいて、前記傾斜した成長面を有する前記外周部分のIII族窒化物半導体層中の酸素濃度
が、1×1018cm−3以上5×1020cm−3以下である。
【0017】
本発明の第8の態様は、第4〜第7の態様のいずれかのIII族窒化物半導体基板の製造
方法において、前記III族窒化物半導体層を結晶成長する工程の後に、前記III族窒化物半導体層の外周部分を研削加工する工程を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、段差などの乱れが少ない平坦な劈開面が得られるIII族窒化物半導体
基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例に係るIII族窒化物半導体基板の製造方法の工程を示す工程図である。
【図2】外周引張応力と傾斜成長部の酸素濃度との相関を示すグラフである。
【図3】外周引張応力と、劈開面の段差密度およびクラック発生率との関係を示すグラフである。
【図4】外周引張応力とLDの歩留まりとの関係を示すグラフである。
【図5】微分干渉顕微鏡による劈開面の段差を示す微分干渉像である。
【図6】本発明の一実施例におけるIII族窒化物半導体層の結晶成長工程で得られたアズグロウン状態のGaN層の詳細を示すもので、図6(a)は平面図、図6(b)は側面図、図6(c)はGaN層の傾斜面の一部(円錐面部)を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るIII族窒化物半導体基板及びその製造方法の一実施形態の説明に先だって
、GaN等のIII族窒化物半導体の基板を劈開する際に、劈開面に段差が生じると考えら
れる主な要因を以下に列挙して説明する。
【0021】
(a)結晶構造に起因する、劈開性の不完全性
GaNをはじめとするIII族窒化物半導体の安定な結晶構造は六方晶であり、六方晶の
劈開性は立方晶の劈開性ほど明瞭ではない。ゆえに、元来、III族窒化物半導体は劈開面
の段差を生じやすい。
(b)内部応力の局所的な変化
GaNをはじめとするIII族窒化物半導体の結晶は、サファイアやGaAs等の異種基
板を土台としてヘテロエピタキシャル成長で作製される場合が殆どである。格子不整合度の大きいヘテロエピタキシャル成長であるため、エピタキシャル層と基板と界面では高密度の結晶欠陥(転位)が生じる。転位密度を低減するために、例えば、下地基板に開口部を有するマスクを形成し、開口部からGaN層をラテラル成長させることにより転位の少ないGaN層を得る技術、いわゆるELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)技術がしばしば用いられる。しかし、転位密度の低減が図られるものの、転位密度が低い領域と高い領域ができて転位密度の粗密を生じることがある。転位密度の粗密は、転位の応力場を通じて内部応力の局所的な変化を生じ、その結果、劈開断面の段差を引き起こすと考えられる。内部応力の局所変化は、基板面内方向だけでなく、基板の厚さ方向にも生じうる。
(c)劈開時の力の加え方
GaN基板を劈開する一般的な方法は、まず基板の端部に、劈開方向に沿った小さな鋭い傷をつける。このとき、いわゆるダイヤモンドペンやスクライバーを用いる。その後、基板の端部の傷を広げるような力を加えると、端部の傷を発端にしてクラックが基板の反対側まで伸展し、基板の劈開が完了する。このとき、加える力の方向や強さが適切でないと、特に端部に付けた傷の付近で劈開面の段差が生じやすい。
【0022】
以上に挙げた各要因に対して、次に述べるような軽減対策が考えられる。
まず、劈開を行う前に、基板を裏面側から削り込んで基板を薄くすることである。概ね200μm以下の薄さにすることで、劈開面の段差はかなり軽減される。これは、基板を薄くすることで、基板の厚さ方向の応力変化が小さくなることが一因と考えられる。
また、転位密度の粗密のない、均一な基板を用いることも効果がある。転位密度の均一な基板の作製には、例えば、サファイア基板上のGaN薄膜表面にTiを蒸着し、これを熱処理することでGaN薄膜にボイド構造を形成し、その上にHVPE法によりGaNを厚く成長し、上記のボイド構造部分よりサファイア基板を剥離する、VAS法(Void-Assisted Separation Method)などが好適に用いられる。
しかし、これらの対策を行った後でも、上記要因(c)に起因する、基板の端部付近の劈開面の段差は依然として生じやすいままである。
【0023】
本発明者は、要因(c)によって劈開面が乱れてしまうのは、上記要因(a)で述べたIII族窒化物半導体結晶が本来備えている不明瞭な劈開性のゆえに、基板の端面からの劈
開時に大きな力を加えざるを得ず、大きな力を加えて劈開する際には、力を加える方向や強さによって段差が生じやすいためであり、もし、より軽い力で劈開することができれば、この問題を解決できるかもしれないと考えた。
基板をより薄くすることで、劈開に要する外力の大きさを小さくできることは容易に想像できるが、ハンドリング時に基板が破損する危険があるため、現実的には現状の200μm前後が限界と考えられ、基板を薄くする方法ではさらに劈開性を向上させるのは無理である。
【0024】
そこで、本発明者は鋭意検討の結果、劈開の開始地点である基板の外周部(外縁部)に、引張応力を内在させればよいという着想に至った。基板の外周部(外縁部)に引張応力が内在していれば、軽い力をちょっと加えるだけで自発的に劈開が開始されるので、無理な外力を加える場合に比べると、劈開面の段差の発生が抑制されるというアイデアである。
【0025】
基板の外周部(外縁部)に引張応力を内在させるための具体的な方法として、本発明者は、基板外周部にドーピング濃度が高い領域を設けながら結晶成長を行う方法を見出した。すなわち、ドーピング濃度の高い領域を成長領域の外周部分に設け、ドーピングによる物性的な不整合により引張応力を生じさせる。ただし、引張応力を有する領域の幅は、例えば、直径25mm以上の基板の外縁から5mm以内であることが望ましい。引張応力の領域の幅が5mmより広くなると、基板全体が反ってしまうおそれがあるからである。また、引張応力の領域の幅が狭くても十分な引張応力を生じさせるためには、引張応力を有する領域の境界は急峻でなければならない。しかし、通常、結晶の成長過程において、ドーパント原料を狭い領域のみに限定して拡散させずに供給することは困難である。
【0026】
そこで、本発明者は、結晶の面指数によるドーパントの取り込み効率の差を利用する方法を創案した。例えば、同じ条件で成長しても、(10−11)面や(11−22)面で成長したGaNは、(0001)面(C面)で成長したGaNよりも1000倍近くも多く酸素を取り込むことがある。すなわち、例えばC面を主面として成長させようとする結晶の外周部に、傾斜したファセット面(例えば、(10−11)面、(11−22)面等からなる面)を形成し、雰囲気中に酸素あるいは酸素化合物を供給しながら結晶成長を行う。これにより、傾斜したファセット面で成長する外周部の酸素ドーピング濃度が高く、C面で成長する中心側の部分の酸素ドーピング濃度が低いという、ドーピング濃度が大きく異なる2つの領域を急峻な界面で隔てて形成することが可能となる。
【0027】
しかし、過度な引張応力は、ハンドリングやエピタキシャル成長などの際に、些細なきっかけで基板に意図しないクラックを生じる原因になる。また、引張応力が小さすぎても劈開性の向上効果が現れない。引張応力を適切な範囲に調整する必要がある。引張応力の調整は、基板にドーピング濃度差を設けることに加えて、基板外周部の研削加工によって、引張応力発生部の幅を小さくすることでも可能である。
【0028】
以下に、本発明のIII族窒化物半導体基板及びその製造方法の一実施形態を説明する。
【0029】
本実施形態に係るIII族窒化物半導体基板は、直径25mm以上、厚さ250μm以上
のIII族窒化物半導体基板であって、前記III族窒化物半導体基板の外縁から5mm以内の外周部における少なくとも前記外縁側の部分は、前記III族窒化物半導体基板の主面内の
応力が引張応力であり、且つ前記III族窒化物半導体基板の前記外縁側の部分よりも中心
側の部分に比べて相対的に引張応力が大きくなっている。
【0030】
III族窒化物半導体基板の外縁から5mm以内の外周部(特に、外縁側の部分(外縁部
))に、引張応力を有する部分を設けることにより、劈開時のクラックの自発的な伝播を促すことができ、劈開面の段差の発生を抑制できる。
【0031】
基板の外縁部が有する引張応力の大きさは、30MPa以上150MPa以下が好ましい。これは、引張応力を30MPa以上にすると、劈開面の段差の発生を効果的に抑制でき、また、引張応力が150MPaを超えると、ハンドリング時などに基板が不定形に割れてしまう頻度が高くなってしまうからである。より好ましい引張応力の大きさは、50MPa以上120MPa以下である。
III族窒化物半導体基板の主面内の応力(応力分布)は、例えば、光弾性測定によって
求めることができる。ここで、光弾性測定とは、試料を透過した光の位相の、複屈折によるずれ量を測定する方法であり、位相のずれ量と試料の応力とが相関をもつため、試料の応力を測定することができる。
【0032】
基板の外縁部がそれよりも中心側の部分に比べて相対的に引張応力が大きくなっているというのは、基板の中心側の部分が外縁部の引張応力よりも小さな引張応力を有する場合、基板の中心側の部分がゼロ応力の場合、或いは基板の中心側の部分が圧縮応力の場合が含まれる。
【0033】
また、III族窒化物半導体基板の主面は、C面またはC面から傾いた傾斜面であるのが
好ましい。III族窒化物半導体基板の主面がC面またはC面に近い傾斜面であると、III族窒化物半導体基板(自立基板)上に発光デバイスなどの素子構造を成長するのに適しているからである。なお、III族窒化物半導体基板の主面は、C面またはC面から傾いた傾斜
面の他に、A面、M面など、或いはA面、M面などから傾いた傾斜面であってもよい。ここで、C面などから傾いた傾斜面とは、C面などに対して角度10°以内の範囲で傾いた面である。
【0034】
上記III族窒化物半導体基板は、自立基板とすることが好ましい。「自立基板」とは、
自らの形状を保持できるだけでなく、ハンドリングに不都合が生じない程度の強度を有する基板をいう。このような強度を有するためには、自立基板の厚さを250μm以上とするのが好ましい。また素子形成後の劈開の容易性等を考慮して、自立基板の厚さをlmm以下とするのが好ましい。
【0035】
上記III族窒化物半導体基板は、直径25mm以上の自立基板とするのが好ましい。III族窒化物半導体基板の直径は、製造時に用いる下地基板(種結晶基板)の直径に依存し、大口径の下地基板を用いることで、それに伴い大口径の自立基板を得ることができる。例えば、直径6インチ(152.4mm)のサファイア基板が市販されているので、このサ
ファイア基板を用いて直径6インチのGaN種結晶基板を製造し、さらにこのGaN種結晶基板を用いて約直径6インチ以下の本発明に係るGaN自立基板を製造することができる。
【0036】
次に、本発明の一実施形態に係るIII族窒化物半導体基板の製造方法を説明する。
【0037】
本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法は、種結晶基板上にIII族窒化物半導体層を結晶成長する工程を含むIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前記III族窒化物半導体層を結晶成長する工程において、前記III族窒化物半導体層の外周部分に、前記
種結晶基板の主面に対して0°より大きく90°より小さい角度で傾斜した成長面を形成しながら結晶成長し、且つ前記傾斜した成長面を有する前記外周部分の前記III族窒化物
半導体層のドーピング濃度を、前記外周部分より中心側の前記III族窒化物半導体層のド
ーピング濃度よりも高くして結晶成長を行う。
【0038】
III族窒化物半導体層の外周部分に、傾斜した成長面を形成しながら結晶成長を行うに
は、例えば、種結晶基板表面の外周部を環状のマスクで覆い、マスク内側の種結晶基板上にIII族窒化物半導体層の結晶成長を行う際に、前記III族窒化物半導体層の外縁部に傾斜したファセットを形成して成長する成長条件を用いる方法などがある。
傾斜した成長面には、酸素などのドーパントが取り込まれやすい面を選定する。例えばC面を主面としてGaNを成長させようとする結晶の外周部に、(10−11)面を含む(10−11)面と等価な面である{10−11}面や、(11−22)面を含む(11−22)面と等価な面である{11−22}面からなる傾斜したファセット面を形成して結晶成長する。
【0039】
種結晶基板には、GaN基板等のIII族窒化物半導体基板、サファイア基板、あるいは
GaAs基板などが用いられる。また、III族窒化物半導体層から作製されるIII族窒化物半導体基板には、GaN基板、AlN基板、AlGaN基板などが挙げられる。
【0040】
III族窒化物半導体層の結晶成長にはHVPE法を用いるのが好ましい。例えば、HV
PE法によるGaNの成長は次のようになされる。溶融Gaを収容した容器にHClガスを供給してGaClガスを発生させ、このGaClガスと別途導入されるNHガスとを、HVPE装置の成長炉内に加熱状態にある種結晶基板に供給することにより、種結晶基板の表面でGaClとNHとが反応してGaN結晶が成長する。
酸素ガスあるいは酸素化合物ガスが存在する雰囲気にある成長炉内で、GaN等のIII
族窒化物半導体の結晶成長を行うことにより、III族窒化物半導体結晶中に酸素がドープ
される。酸素ガスあるいは酸素化合物ガスは、結晶成長が行われる成長炉の外部から供給するか、あるいは成長炉を構成する反応管等の石英部材と成長炉内の雰囲気ガスとの反応によって発生した酸素ガス等を供給する。
【0041】
成長炉を構成する反応管等の石英部材と成長炉内の雰囲気ガスとの反応によって、酸素ガスが発生する詳細なメカニズムはよくわかっていないが、HVPE法はホットウォール方式であり、石英反応管などが外部ヒータで加熱されて高温となること、及びHVPE法では塩化物原料(HClガスなど)を用いることから、塩化物原料と石英部材とが高温で触れ合うことで石英が分解し、Si(シリコン)やO(酸素)を含むガスが発生すると考えられる。このため、コールドウォール方式であり塩化物原料を用いないMOVPE法と比較して、HVPE法で成長したGaNには、SiとOがドープされやすいと考えられる。
反応管等の石英部材と成長炉内の雰囲気ガスとの反応によって発生する酸素ガスの量を調整するには、例えば、次のようにすればよい。原料ガスと触れ合う石英部材(成長炉の高温領域に設置)の表面積を増やすと酸素量が増え、成長炉の高温領域を、石英以外の例えばグラファイトなどで構成すると酸素量が減る。また、成長条件でも調整でき、成長速度や成長温度を大きくすると、III族窒化物半導体結晶への酸素の取り込みが大きくなる
傾向がある。
【0042】
III族窒化物半導体層に酸素をドープする場合、傾斜した成長面を有する外周部分のIII族窒化物半導体層中の酸素濃度は、1×1018cm−3以上5×1020cm−3以下とするのが好ましい。酸素濃度をこの範囲にするで、III族窒化物半導体基板の外縁部に
、劈開時に段差の発生を抑制できる適切な引張応力を付与することができる。外周部分よりも中心側の部分のIII族窒化物半導体層中の酸素濃度は、一般的なSIMS分析装置の
検出下限値(2×1016cm−3)以下とするのが好ましい。
【0043】
III族窒化物半導体層を結晶成長する工程の後に、III族窒化物半導体層の外周部分を研
削加工する工程を実施するようにしてもよい。引張応力の付与・調整は、III族窒化物半
導体基板にドーピング濃度差を設けることでなされるが、このドーピング濃度差を設けることに加えて、III族窒化物半導体基板の外周部に研削加工を施すことによって、引張応
力部の幅を小さく調整することも可能である。
なお、後述の実施例で示すように、傾斜した成長面を有する外周部分に酸素を高濃度に添加して引張応力を付与すると、この外周部分より中心側の低酸素濃度のIII族窒化物半
導体層の領域にも引張応力が残留するので、傾斜した成長面を有する外周部分を全て研削加工によって除去した場合にも、劈開性に優れたIII族窒化物半導体基板が得られる。
【実施例】
【0044】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0045】
(実施例1)
実施例1では、基板外周部に引張応力部分を有するGaN基板を作製した。実施例1のGaN基板の製造工程および得られたGaN基板の劈開について、図1を用いて説明する。
【0046】
はじめに、C面(Ga面)を主面とする直径60mm、厚さ400μmの円盤状のGaN自立基板(種結晶基板)1を用意した(図1(a))。光弾性測定により、この種結晶基板1の応力分布は略均一であることを確認した。なお、図1の(a)〜(e)の各図において、上部は平面図、下部は断面図であり、図1(f)はGaN基板をバー状に劈開した斜視図である。
【0047】
次に、この種結晶基板1の上に、直径55mmの円形開口を有する環状の高純度カーボン製のマスク2を重ね(図1(b))、重ねた状態のままHVPE装置の成長炉内にセットし、C面を成長面としてGaNのホモエピタキシャル成長を行った。GaN成長のための原料としては、GaClガスとNHガスとを用いた。GaClガスは、成長炉の上流領域に設置されたGa融液とHClガスとの反応により生成させた。GaClガスとNHガスの分圧はそれぞれ0.8kPおよび5kPaとした。キャリアガスにはHとN
との混合ガスを用いた。また、5Paの酸素ガスを添加して成長炉内に供給した。成長炉内の圧力は大気圧で、成長温度は1060℃とした。このとき成長速度は約120μm/hであった。5時間の成長により、600μmのGaN層3を得た(図1(c))。
GaN層3の外周部(外縁から半径方向内方に約350μmの部分)には、{10−11}面および{11−22}面からなる傾斜面4が形成されていた。SIMS分析の結果、GaN層3の傾斜面4より内側で成長したC面成長部の酸素濃度は検出下限(2×1016cm−3)以下であり、傾斜面4で成長した傾斜成長部の酸素濃度は1×1019cm−3であり、酸素濃度が大きく異なることが確認された。
【0048】
アズグロウン状態のGaN層3の詳細を図6を用いて更に説明する。図6(a)はアズグロウン状態のGaN層3の平面図(上面図)、図6(b)はGaN層3の側面図、図6(c)はGaN層3の傾斜面4の一部(円錐面部4b)を拡大した断面図である。
GaN層3の形状は、図6(a)、(b)に示すように、全体として円錐台状である。GaN層3の上面3aはC面であり、GaN層3の側面である傾斜面4は、フラット部4aと円錐面部4bとからなる。フラット部4aは、{10−11}面であり、円錐台状のGaN層3の外周に沿って60度おきに6箇所に現れる。フラット部4a、4a間の円錐面部4bは、肉眼では円錐面に見えるが、顕微鏡等で拡大して観察すると、図6(c)に示すように、{10−11}面と{11−22}面とが細かく交互に並んだギザギザ状の表面になっている。なお、図6(c)における鎖線は、肉眼観察で滑らかな面と見なされる円錐面の断面の輪郭線Rを示す。
【0049】
GaN成長終了後、この基板の裏面側(種結晶基板1側)を500μm研削し、種結晶基板1を完全に除去した後、鏡面研磨を行った。さらに基板の表面側(GaN層3側)も研削および研磨加工を行い、厚さ400μm、直径55mmの傾斜成長部を有するGaN基板5を得た(図1(d))。このGaN基板5に対して再び光弾性測定を行ったところ、GaN基板5のエッジ(外縁)から約3mm以内の外周部分に、同心円状の引張応力(以下、「外周応力」と呼ぶ)が生じていることが確認された。
【0050】
さらに、このGaN基板5の傾斜成長部を含む外周部を研削し、直径を2インチ(50.8mm)に調整し、直径2インチの円盤状のGaN基板6を得た(図1(e))。傾斜
成長部を含む外周部を研削したGaN基板6でも、光弾性測定を行うと、約50MPaの外周応力が残留していることがわかった。引張応力発生の原因となっていた高酸素濃度領域(傾斜成長部)は完全に除去されているにもかかわらず引張応力が残留しているのは、外周部の引張応力の影響下で結晶成長が進行した結果、中心側のC面成長部の欠陥の分布に変化が生じ、その結果として応力分布に変化が生じたものと推察される。
【0051】
上記プロセスで得られたGaN基板6をMOVPE装置にセットし、GaN基板6上にLD(レーザダイオード)構造のエピタキシャル層を成長させた。原料としてTMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、およびNHを用いた。GaN基板6上に、LD構造のエピタキシャル層として、n型AlGaNクラッド層、GaN障壁層/InGaN井戸層の多重量子井戸構造(MQW)の活性層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順次積層した。その後、全体の厚さが200μmになるまでエピタキシャル基板のGaN基板6側の裏面を研削・加工した。
【0052】
得られたエピタキシャル基板の裏面側(GaN基板6側)のエッジ部に、ダイヤモンドスクライブ装置を用いて、M面に沿った長さ1mmの罫書き線(スクライブ線)をつけた。次いで、罫書き線の両側を平型のピンセットではさみ、罫書きによる傷口(刻み)を開くようにごく軽い力を加えたところ、簡単に劈開が完了した。
【0053】
同じ要領で、直径2インチのGaN基板6を幅5mmずつのバー7に劈開し(図1(f))、罫書きしたエッジ部から20mm以内の劈開面8の領域(図中、網目を施した)に生じた段差の密度を、微分干渉顕微鏡を用いて調べた。すなわち、当該劈開面8に生じた段差を微分干渉顕微鏡下でカウントし、そのカウント数を観察した幅20mmで除すことによって段差密度を求めた。
同じ段差密度の調査を、前述したのと同じ工程で、GaN層3の成長時における雰囲気中の酸素ガス分圧を変えることによって、GaN層3の傾斜成長部の酸素濃度を変化させて作製した種々のGaN基板6についても行った。GaN基板6の外周応力の測定には光弾性法を用い、GaN基板6のエッジから1mmの位置における値を測定した。外周応力(外周引張応力)と傾斜成長部の酸素濃度との相関を図2に示す。図2に示すように、外周応力は、傾斜成長部の酸素濃度が増加するのに従って増加する傾向が見られた。
【0054】
また、劈開面の段差密度と外周応力(外周引張応力)との関係の調査結果を図3に示す。外周応力が30MPa以上のときに大きな段差抑制効果が得られ、50MPa以上ではさらに顕著なことがわかった。また、図3に示すように、外周応力が120MPaを超えると、MOVPE成長中から成長後、あるいはその後の研削加工の最中に不定形に割れてしまう頻度(「クラック発生率」と呼ぶ)が高まり、150MPaを超えるとクラック発生率が急激に高まることがわかった。以上の結果から、外周応力を30MPa以上150MPa以下とすることにより、良好な結果が得られ、50MPa以上120MPa以下とすることでさらに好ましい効果が得られることがわかった。
【0055】
また、クラック発生率の小さかった、外周応力が120MPa未満のGaN基板6に関しては、段差密度を測定した部分から実際にLDを作製し、その歩留まりを評価した。ただし、LDの閾電流の値が正常値よりも20%以上高いものを不良品として歩留まりの評価を行った。その結果を図4に示す。外周引張応力の大きさがおよそ30MPa以上のときに、非常に良好な値が得られることがわかった。
【0056】
(実施例2)
まず、実施例1と同様にしてGaN基板6を作製した。ただし、HVPE成長の際の酸素供給量を調整し、GaN層3の傾斜成長部の酸素濃度が5×1020cm−3になるようにした。また、傾斜成長部を有するGaN基板5の外周の研削量を増やし、GaN基板6の直径が45mmになるようにした。外周研削後の実施例2のGaN基板6には、光弾性測定により、80MPaの外周引張応力が残留していることが確認された。
このGaN基板6上に、実施例1と同様のLD構造のエピタキシャル層をMOVPE法によって成長し、裏面研削を行って200μmの厚さに加工した後、劈開して劈開面の段差密度を調べたところ、0.08本/mmと非常に良好な値が得られた。このとき、実施
例1と同様にして評価したLDの歩留まりも、約97%と非常に良好であった。
【0057】
(比較例)
比較例では、主面(C面)内の応力分布が均一なGaN自立基板を用いて劈開性を調べた。はじめに、実施例1と同様のC面(Ga面)を主面とする直径2インチ、厚さ400μmのGaN自立基板(種結晶基板)を用意した。光弾性法により、この種結晶基板の応力分布が略均一であることを確認した。
次に、このGaNの種結晶基板をMOVPE装置にセットし、実施例1と同様にしてLD構造のエピタキシャル層を成長させた。その後、全体の厚さが200μmになるまで裏面を研削・加工した。
得られたエピタキシャル基板のエッジ部に、ダイヤモンドスクライブ装置を用いて、M面に沿った長さ1mmの罫書き線をつけた。罫書き線の両側を平型のピンセットではさみ、罫書きによる傷口を開くように力を加えたところ、LDエピタキシャル基板が劈開した。実施例1,2の場合よりも劈開時には強い力を要した。実施例1と同様にして、劈開面の段差密度を調べたところ、約1.5本/mmと高密度であった。また、実施例1と同様
にして評価したLDの歩留まりは、約55%と非常に低かった。
【0058】
(実施例3)
直径6インチ(152.4mm)のGaN自立基板(種結晶基板)1を用い、直径14
7.4mmの円形開口を有する環状の高純度カーボン製のマスク2を用い、1200μm
のGaN層3を成長させる以外、実施例1と同様の製造工程により、厚さ1000μm、底部の直径147.4mmであって傾斜成長部を有するGaN基板5を得た。なお、上記
の直径6インチの種結晶基板1は、直径6インチのサファイア基板上にGaN薄膜を形成すると共にTi層を蒸着し、これを熱処理することでGaN薄膜にボイド構造を形成し、その上にHVPE法によりGaNを厚く成長し、上記のボイド構造部分よりサファイア基板を剥離することによって得られた基板である。
上記実施例3のGaN基板5においても、実施例1と同様に、GaN基板5のエッジから約3mm以内の外周部分に同心円状の外周応力が生じていることが確認された。
このGaN基板5の傾斜成長部を含む外周部を研削し、直径143mmのGaN基板6を得た。このGaN基板6について光弾性測定を行ったところ、約50MPaの外周応力が残留していた。
この実施例3のGaN基板6上に、実施例1と同様のLD構造のエピタキシャル層をMOVPE法によって成長し、裏面研削を行って200μmの厚さに加工した後、劈開して劈開面の段差密度を調べたところ、0.1本/mmと良好な値であった。また、実施例1
と同様にして評価したLDの歩留まりも約96%と良好な値であった。
【0059】
(実施例4)
C面から10度傾いた傾斜面を主面とするGaN自立基板(種結晶基板)1を用いる以外、実施例1と同様の製造工程により、傾斜成長部を含む外周部を研削した直径2インチ、厚さ400μmのGaN基板6を得た。この実施例4のGaN基板6の成長面は、C面から10度傾いた傾斜面となっていた。このGaN基板6について光弾性測定を行ったところ、約50MPaの外周応力が残留していた。
この実施例4のGaN基板6上に、実施例1と同様のLD構造のエピタキシャル層をMOVPE法によって成長し、裏面研削を行って200μmの厚さに加工した後、劈開して劈開面の段差密度を調べたところ、0.09本/mmと良好な値であった。また、実施例
1と同様にして評価したLDの歩留まりも約98%と良好な値であった。
【0060】
上記実施例においてはGaNの場合について記載したが、本発明は、GaN以外にもAlNやAlGaN等の他のIII族窒化物半導体にも好適に用いることが出来る。また、H
VPE法以外にも、高温高圧法や、Naフラックス法、アモノサーマル法のような溶液成長の場合にも同様に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 種結晶基板
2 マスク
3 GaN層
4 傾斜面
5 傾斜成長部を有するGaN基板
6 GaN基板
7 バー状に劈開されたGaN基板
8 段差密度を調査した劈開面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径25mm以上、厚さ250μm以上のIII族窒化物半導体基板であって、 前記III族窒化物半導体基板の外縁から5mm以内の外周部における少なくとも前記外縁側の部分は、前記III族窒化物半導体基板の主面内の応力が引張応力であり、且つ前記III族窒化物半導体基板の前記外縁側の部分よりも中心側の部分に比べて相対的に引張応力が大きくなっていることを特徴とするIII族窒化物半導体基板。
【請求項2】
請求項1に記載のIII族窒化物半導体基板において、前記外縁側の部分の引張応力の大
きさが、30MPa以上150MPa以下であることを特徴とするIII族窒化物半導体基
板。
【請求項3】
請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体基板において、前記主面が、C面または
C面から傾いた傾斜面であることを特徴とするIII族窒化物半導体基板。
【請求項4】
種結晶基板上にIII族窒化物半導体層を結晶成長する工程を含むIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を結晶成長する工程において、前記III族窒化物半導体層の外周部分に、前記種結晶基板の主面に対して0°より大きく90°より小さい角度で傾斜した成長面を形成しながら結晶成長し、且つ前記傾斜した成長面を有する前記外周部分の前記III族窒化物半導体層のドーピング濃度を、前記外周部分より中心側の前記III族窒化物半導体層のドーピング濃度よりも高くして結晶成長を行うことを特徴とするIII族窒化物
半導体基板の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前記III族窒化物半導体層の結晶成長にはHVPE法を用い、酸素ガスあるいは酸素化合物ガスが存在する雰囲気で結晶成長を行うことを特徴とするIII族窒化物半導体基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前記酸素ガスあるいは
酸素化合物ガスは、結晶成長が行われる成長炉の外部からの供給あるいは前記成長炉を構成する石英部材と前記成長炉内の雰囲気ガスとの反応によって供給されることを特徴とするIII族窒化物半導体基板の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前記傾斜した
成長面を有する前記外周部分のIII族窒化物半導体層中の酸素濃度が、1×1018cm
−3以上5×1020cm−3以下であることを特徴とするIII族窒化物半導体基板の製
造方法。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、前記III族窒化物半導体層を結晶成長する工程の後に、前記III族窒化物半導体層の外周部分を研
削加工する工程を有することを特徴とするIII族窒化物半導体基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−126745(P2011−126745A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287528(P2009−287528)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】