説明

IKKインヒビターとしての置換3−アミノ−チエノ−[2,3−B]ピリジン−2−カルボン酸アミド化合物

一般式(I)の化合物(式中、不定のR1、R2、R3及びZは本明細書に記載する)であって、IκBキナーゼ(IKK)複合体のキナーゼ活性のインヒビターとして有用なものを開示している。従って、その化合物は、IKK介在性疾患、例えば自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌の治療に有用である。また、これらの化合物を含む医薬組成物及びそれらの化合物の製造方法を開示する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年12月5日に出願された米国仮出願第60/527,522号のプライオリティを請求する。また、その出願は、米国特許出願第10/453,175号及び10/730,172号に関連する。
(発明の技術分野)
本発明は、IκBキナーゼ(IKK)複合体のキナーゼ活性のインヒビターとして有用な置換3-アミノ-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド化合物に関する。従って、その化合物は、IKK-介在性疾患、例えば自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌の治療に有用である。また、本発明は、そのような化合物の製造方法及びそれらを含む医薬組成物に関する。
【0002】
(発明の背景)
NF-κB又は核因子(nuclear factor)κBは、多くの炎症誘発性及び抗アポトーシス遺伝子の発現を誘発する転写因子(transcription factor)である。これらとしては、サイトカイン、例えば、IL-1、IL-2、TNF-α及びIL-6、ケモカイン、例えばIL-8及びRANTES、並びに他の炎症誘発性分子、例えばCOX-2及び細胞接着分子、例えば、ICAM-1、VCAM-1及びE-セレクチンが挙げられる。NF-κBファミリーとしては、Relファミリーのメンバーから構成されるホモ-及びヘテロダイマーの転写因子が挙げられる(例えば、P.A. Baeurle及びD. Baltimore、Cell、1996年、87, 13を参照されたい)。静止条件下、NF-κBは、IκBとの複合体として細胞のサイトゾルに存在する。タンパクのIκBファミリーは、NF-κBのインヒビターとして働き、その核局在化シグナルの作用を妨げる(例えば、U. Siebenlistら、Ann. Rev. Cell Biol.、1994年、10、405を参照されたい)。細胞活性化が続くIκB-NF-κB複合体の破壊において、NF-κBは、核に転座し、遺伝子転写を活性化する。IκB-NF-κB複合体の破壊及びその後のNF-κBの活性化は、IκBの分解により惹起される。
【0003】
様々な炎症誘発性刺激、例えばIL-1、TNF-α及びLPS(細菌性リポポリサッカライド)による細胞の活性化において、IκBの二つの特異的なセリン残基はリン酸化される。リン酸化において、IκBは、ポリユビキノン化及びその後の26Sプロテアソームによる分解を行い(例えば、V.J. Palombellaら、Cell、1994年、78、773を参照されたい)、NF-κBを遊離し、分子に転座する。IκBのリン酸化は、IκBキナーゼにより行われる(例えば、M. Karin及びM. Delhase、Seminars in Immunology、2000年、12、85のレビューを参照されたい)。伝統的なIKK複合体は、少なくとも3つのサブユニット、IKKα(IKK-1と呼ばれる)、IKKβ(又はIKK-2)及びIKKγ(又はNEMO)を含むが、IKKα及びIKKβを含む他の関連する複合体が存在してもよい。IKKα及びIKKβは、両方とも触媒サブユニットであり、一方IKKγは、調節サブユニットであると信じられている。IKKα及びIKKβの両方は、IκBをリン酸化することができる。本明細書の目的に関して、用語IKK又はIKK複合体は、IKKα及び/又はIKKβサブユニットから誘導されるキナーゼ活性を有するいずれかの複合体をいう。
【0004】
インビボにおいて、IKKの活性化は、その触媒サブユニットのリン酸化により生じる。IKKα及びIKKβの両方は、セリン残基、IKKβの場合には活性化ループのS177及びS181、またIKKαは活性化ループのS176及びS180でリン酸化可能である。177及び181でセリンの代わりにアラニンを有するIKKβ変異株は、IKKβリン酸化、及びTNFα、IL-1及び他の上流アクチベータ(upstream activator)によるIKK複合体のその後の活性化を妨げる。これらの結果により、IκBのリン酸化、その後の炎症誘発性刺激における、IKKβに関する重要な役割が支持されている。
【0005】
NF-κB経路が細胞及び動物において阻害されてきたという研究により、IκBのリン酸化の阻害が炎症、自己免疫及び他の疾患の治療に対して実現可能なアプローチであるという概念が支持されている。これらの研究において、NF-κB活性化は、IκBタンパクの非分解性のバージョン(version)の発現により妨げられた。慢性関節リウマチ患者由来の滑膜細胞におけるこのインヒビターの発現により、TNF-α、IL-6、IL-1β及びIL-8の発現は低減されるが、抗炎症性分子IL-1O、IL-1ra及びIL-11は影響されなかった。また、基質メタロプロテイナーゼ(MMP1及びMMP3)は、ダウンレギュレートされた(J. Bondersonら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、1999年、96, 5668)。T細胞でのIκBインヒビターの軽質転換発現により、マウスのコラーゲン誘導性関節炎の重症度及び発症が明らかに低減した(R. Seetharamanら、J. Immunol. 1999年、163, 1577)。これらの実験は、患部の関節におけるNF-κBの抑制が、RAの重症度及び進行の両方を低減できることを示すものである。一次(primary)腸管上皮細胞において、NF-κBインヒビターは、IL-1、IL-8、iNOS及びCOX-2、メディエータであって、炎症性腸疾患の経過の間にアップレギュレートされるものの発現をブロックした(C. Jubinら、J. Immunol.、1998年、160、410)。ある腫瘍細胞において、このインヒビターの発現は、化学療法剤によるこれらの細胞の殺傷性を増強する(A.A. Beg及びD. Baltimore、Science、1996年、274、782)。
【0006】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者の肺由来のバイオプシーの分析により、疾患の重症度に関連したNF-κBの発現の増加が見い出された(A. Di Stefanoら、Eur. Resp. J.、2002年、1、437)。IKK-βのインヒビターでのNF-κB活性化の阻害は、COPDの治療に潜在的に有用であることが報告されてきた抗炎症アプローチの一つである(P. J. Barnes、Nature Rev. Drug Disc.、2002年、1、437)。同様に、NF-κB活性の阻害は、喘息への治療アプローチとして述べられてきた(A. Pahl及びI. Szelenyi、Infl. Res.、2002年、51、273)。
【0007】
最近のレビューには、進行性循環器病において炎症性メディエータの本質的な役割が記載されている。炎症性メディエータ及びそれらが介入(recruit)する細胞は、脂肪線条及びアテローム性動脈硬化を導くプラークの発生に重要な役割を担うことが報告されている。さらに、それらはプラーク上に形成するその次の線維性キャップの分解に重要な役割を担い、それらは破壊及び血塊形成を導く。もし血塊が十分に大きく成長するならば、心筋梗塞又は卒中を生じ得る。従って、これらのメディエータの産生及びその後の介入及びこれらの細胞の活性化を阻害することができる抗炎症薬は、これらの疾患の治療に有益かも知れない(P. Libby、Scientific American、2002年、46)。
【0008】
多くの研究により、NF-κBが、また、癌の原因及び発生に重要な役割を担うことが示された(例えば、B. Haefner、Drug Disc. Today、2002年、7, 653及びM. Karinら、Nat. Rev. Cancer、2002年、2、301のレビューを参照されたい)。NF-κBが恒常的に活性である細胞はアポトーシスに対して抵抗することが研究により示された。このことは、染色体の変化又は損傷を起こす、細胞における細胞死を阻止することにより発癌の原因となり得る。さらに、恒常的に活性なNF-κBを有する腫瘍細胞は、化学療法及び照射を含む抗癌治療に抵抗する。さらに、研究は、様々なリンパ系-、骨髄性-及び上皮性-由来の悪性腫瘍、例えば、白血病、リンパ腫及び乳癌、胃癌、直腸癌、肺癌及び膵臓癌に対して活性なNF-κBに関連してきた。従って、NF-κBのインヒビター、例えばIKKα及びIKKβのインヒビターは、癌の治療において、単独又は他の抗癌治療とのコンビネーションのいずれかで有用であり得る。
【0009】
まとめると、前記研究は、IKKの阻害を介するNF-κB作用の阻害が、自己免疫及び炎症性疾患、循環器病及び癌の治療への有用な治療アプローチであってもよいということの支持を提供している。
また、IKKβ遺伝子の標的破壊(targeted disruption)したマウスにおいて、研究が行われた。IKKβ遺伝子のノックアウトは、肝細胞のアポトーシスのため、胚致死を生じる。しかし、IKKβノックアウト由来の線維芽細胞は、IL-1又はTNFαでの刺激によるIKK及びNF-κB活性化を行わず(Q. Liら、Science、1999年、284, 321)、それはIKKβ及びNF-κB活性化、その後の炎症性刺激に関して重要な役割をサポートしている。
【0010】
条件付きノックアウトは、肝特異性誘発性ドミナントネガティブIκBα導入遺伝子の発現により発生された(I. Lavonら、Nature Medicine、2000年、6, 573)。これらのマウスは、一年後でさえも肝機能障害の兆しなく生長可能であるが、それらは免疫機能不全であった。この研究により、IKKβの阻害が肝臓に損傷なく免疫抑制を生じることができるというアイデアが支持される。
【0011】
IKKαノックアウトマウスは、誕生後まもなく死亡し、様々な骨欠損及び皮膚異常を示した。これらのマウス由来の線維芽細胞及び胸腺細胞は、正常なIKK活性化及びTNFα、IL-1又はLPSに対する応答においてIκB分解(IκB degradation)を示した(Y. Huら、Science、1999年、284、316; K. Takedaら、Science、1999年、284、313)。ノックアウトマウス及びノックインマウスでの近年の研究により、発生及び細胞の情報伝達において、IKKαについて異なる役割が示された。IKKαノックアウトマウスでの研究とは対照的に、IKKαノックインのキナーゼ不活性バージョンのマウスは、成長可能かつ繁殖性(fertile)であり、IKKαノックアウトマウスに見られる致死性及び異常性は、キナーゼ活性の欠損のためでないことが示された。しかし、これらのマウスは、B細胞成熟及び二次的リンパ器官の発生が欠損している(U. Senftlebenら、Science、2001年、293、1495)。この表現型は、NF-κB2/p100タンパクのp52へのプロセッシングにおける欠損のためと考えられ、それは転写因子のRelファミリーのこのメンバーのDNA結合型である。次に、これは、B細胞におけるNF-κB標的遺伝子のサブセットの活性化の欠損を導く。さらに、これら同じマウスでの他の研究により、IKKαキナーゼ活性が、妊娠中の乳腺上皮のNF-κB活性化を要求することが示された。(Cao, Y.ら、Cell、2001年、107,763)。この経路は、TNFレセプターファミリーメンバーRANKを介して特異的に活性化され、それは標準的なIKK基質IκBαのリン酸化を要求し、結果的に細胞周期調節遺伝子サイクリンD1を誘導する。
【0012】
これらの研究は、IKKαキナーゼ活性のインヒビターが不適当なB細胞活性化に関連する疾患、例えば狼瘡(O.T. Chanら、Immunological Rev.、1999年、169、107)及び慢性関節リウマチ(A. Gause及びC. Borek、Biodrugs、2001年、15、73)の治療に有用かも知れないことを示している。さらに、NF-κBが多くの乳癌に恒常的に活性であり、多くのこれらの腫瘍が増殖に関してサイクリンD1に依存するので、IKKαのインヒビターは、乳癌の治療に有用かも知れない。
【0013】
IKKβの幾つかのインヒビターが報告されてきた。例えば、WO 01/58890及びWO 03/037886には、IKKβのインヒビターとして複素環式芳香族カルボキサミド誘導体が記載されている。WO 01/68648は、IKKβ阻害活性を有する置換βカルボリンが記載されている。IKKβ阻害活性を有する置換インドールは、WO 01/30774に報告されている。WO 01/00610には、NF-κB阻害活性を有する置換ベンズイミダゾールが記載されている。アスピリン及びサリチレートは、IKKβに結合し阻害することが報告されてきた(M. Yinら、Nature、1998年、396、77)。
細胞接着阻害活性を有する置換チエノピリジンは、US 2001/0020030 A1及びA.O. Stewartら、J. Med. Chem.、2001年、44、988に報告されている。ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗活性を示すチエノピリジンは、US 6,313,301に報告されている。テロメラーゼインヒビターとして記載される置換チエノピリジンは、U.S. 5,656,638に開示されている。
【0014】
多くの4,6-二置換チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドは、化学文献に記載されてきた。例としては、3-アミノ-4,6-ジメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2,4-ジカルボン酸ジアミド、3-アミノ-4-メチル-6-フェニル-チエノ[2,3-b]-ピリジン-2-カルボキサミド、3-アミノ-6-メチル-4-フェニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-6-(4-ブロモ-フェニル)-4-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-(4-ブロモ-フェニル)-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2,4-ジカルボン酸 2-アミド 4-ブチルアミド、3-アミノ-6-フラン-2-イル-4-フェニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-6-フラン-2-イル-4-ピリジン-3-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-(4-クロロ-フェニル)-6-フェニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-(4-フルオロ-フェニル)-6-フラン-2-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-(4-クロロ-フェニル)-6-フラン-2-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-(4-ブロモ-フェニル)-6-フラン-2-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4,6-ビス-(4-クロロ-フェニル)-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-6-ナフト-2-イル-4-ピリジン-3-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2,4-ジカルボン酸 2-アミド 4-(2-ヒドロキシ-エチル)アミド、3-アミノ-6-メチル-4-ピペリジン-1-イル-チエノ[2,3-b]-ピリジン-2-カルボキサミド及び3-アミノ-4-メチル-6-ヒドロキシ-チエノ[2,3-b]-ピリジン-2-カルボキサミドが挙げられ、それらは三環複素環の合成用中間体として報告され、抗アレルギー活性について評価された(G. Wagnerら、Pharmazie、1990年、45、102)。
【0015】
他の例としては、3-アミノ-4,6-ジフェニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド (A.M. Shestopalovら、J. Org. Chem. USSR、(Engl. Transl.) 1984年、20、1382)、3-アミノ-6-メチル-4-ピリジン-4-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド及び3-アミノ-6-メチル-4-ピリジン-3-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド (G. Wagnerら、Pharmazie、1993年、48、514)、3-アミノ-4-メトキシメチル-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド (E.I. Kaigorodovaら、Chem. Heterocycl. Compd. (Engl. Transl.)、1996年、32、1234)、3-アミノ-6-フェニル-4-チオフェン-2-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-フラン-2-イル-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド、3-アミノ-4-(4-クロロ-フェニル)-6-メチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド及び3-アミノ-4-フラン-2-イル-6-フェニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(F.A. Attaby、Phosphorus、Sulfur、Silicon Relat. Elem.、1998年、139、1)、3-アミノ-6-(4-クロロ-フェニル)-4-チオフェン-2-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド (Y. Sharaninら、J. Org. Chem. USSR、 (Engl. Transl.) 1996年、32、1207)、3-アミノ-6-フェニル-4-ピリジン-3-イル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(A. Krauze、Eur. J. Med. Chem. Chim. Ther.、1999年、34、301)及び3-アミノ-6-チオフェン-2-イル-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(M.I. Abdel-Monemら、Pharmazie、2001年、56、41)が挙げられる。
いずれの場合にも、これらの化合物がIKKα又はIKKβを阻害する可能性があるとは記載されていない。
【0016】
(発明の概要)
従って、本発明の目的は、IKKを阻害する以下の一般式(I)の新規化合物を提供することである:
【化1】

(式中、不定のR1、R2、R3及びZは本明細書中に記載する)。本発明のさらなる目的は、IKKにより悪化する疾患及び病理学的条件、例えば自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌(それらに限定されない)を治療する方法を提供することである。また、本発明のさらなる目的は、前記新規化合物の新規製造方法を提供することである。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の第一の態様は、以下の一般式(I)の一定の新規及び公知の分子、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれら異性体の混合物の投与による、炎症性又は自己免疫状態の治療方法を含む:
【化2】

{式中、R1は、
(a) フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル(pyrrolyl)、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれるヘテロアリール(1〜2のR4で置換されていてもよい)、
(b) 1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれる複素環(C1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリールから選ばれる1〜2の基で置換されていてもよく、ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)、
(c) R7(CH2)mO-、
(d) R7OCH2-、
(e) R7(CH2)mNH-、
(f) R7(CH2)p(CH=CH)m-、
(g) C1-6アルキル(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよく、また1〜2のR8で置換されていてもよい)、
(h) C1-8アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよく、また1〜2のR8で置換されていてもよい)、
(i) C1-8アルキルS(O)n-(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよく、また1〜2のR8で置換されていてもよい)、
(j) -N(R5)(R6)、又は
(k) -C(O)NHR'(R'は、R7、ピリジル又は-CH3である)であり;
【0018】
R2は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニルからなる群より選ばれるヘテロアリールであり(1〜3のR4で置換されていてもよい);
【0019】
R3は、-OH又は-Hであり;
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(R5)(R6)、フェニル(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)及びR9から選ばれるヘテロアリールから選ばれ、;
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ;
R7は、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7は、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
【0020】
R8は、オキソ、-OH、-NR4R5、-CO2H及びC1-6アルコキシから選ばれ;
R9は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニル及びメチルイミジゾリル(methyl imidizolyl)、カルバノメチルスルファニル、メトキシピペリジニル、メトキシピリジニル、ブロモピリジニル及びメトキシピリミジニルからなる群より選ばれるヘテロアリールであり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1、2又は3であり;
Zは、結合又は-O-CH2-である}。
【0021】
第二の態様において、本発明は前記の一般式(I)の新規化合物及び医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれらの異性体の混合物を提供する;
{式中、
R1は、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -C2-3アルキルOH、
(d) -CF3
(e) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(f) -OC2-3アルキルOH、
(g) -C1-6アルキルチオ、又は
(h) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
【0022】
R2は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、 チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、 ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びナフチリジニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3は、-OH又は-Hであり;
【0023】
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(R5)(R6)、フェニル(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)、及びR9から選ばれるヘテロアリールから選ばれ;
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ;
R7は、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7は、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
【0024】
R9は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニル及びメチルイミジゾリル、カルバノメチルスルファニル、メトキシピペリジニル、メトキシピリジニル、ブロモピリジニル及びメトキシピリミジニルからなる群より選ばれるヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2であり;
Zは、結合又は-O-CH2-である}。
【0025】
他の態様において、前記一般式(I)の新規化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれらの異性体の混合物を提供する;
{式中、
R1は、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -CF3
(d) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(e) -C1-6アルキルチオ、又は
(f) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
【0026】
R2は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、 チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、 ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びナフチリジニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR9で置換されていてもよい)であり;
R3は、-OHであり;
【0027】
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ;
R7は、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7は、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
nは、0、1又は2であり;
Zは、結合又は-O-CH2-である}。
【0028】
本発明のさらに他の態様において、前記一般式(I)の新規化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれらの異性体の混合物を提供する:
{式中、
R1は、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -CF3
(d) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(e) -C1-6アルキルチオ、又は
(f) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
【0029】
R2は、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル及びイソキノリニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3は、-OHであり;
【0030】
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル及びフェニルエチルから選ばれ;
R7は、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7は、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
nは、0、1又は2であり;
Zは、結合又は-O-CH2-である}。
【0031】
本発明のさらに他の態様において、前記一般式(I)の新規化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれらの異性体の混合物を提供する:
{式中、
R1は、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -CF3
(d) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(e) -C1-6アルキルチオ、又は
(f) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
【0032】
R2は、3-チエニル、2-チアゾリル、2-イミダゾリル、2-、3-及び4-ピリジニル、4-ピリミジニル、2-ピラジニル、2-インドリル、2-ベンゾチエニル、2-ベンズイミダゾリル、2-ベンズチアゾリル、2-、3-、4-及び6-キノリニル及び1-及び3-イソキノリニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3は、-OHであり;
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
【0033】
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル及びフェニルエチルから選ばれ;
R7は、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7は、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
nは、0、1又は2であり;
Zは、結合又は-O-CH2-である}。
【0034】
本発明のさらなる態様において、前記一般式(I)の新規化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれら異性体の混合物を提供する:
{式中、
R1は、
(a) C1-3アルキル、
(b) -CF3、又は
(c) -OCH2CF3であり;
【0035】
R2は、3-チエニル、2-チアゾリル、2-イミダゾリル、2-、3-及び4-ピリジニル、4-ピリミジニル、2-ピラジニル、2-インドリル、2-ベンゾチエニル、2-ベンズイミダゾリル、2-ベンズチアゾリル、2-、3-、4-及び6-キノリニル及び1-及び3-イソキノリニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい);
R3は、-OHであり;
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル及びフェニルエチルから選ばれ;
nは、0、1又は2であり;
Zは、結合である}。
【0036】
本発明のさらなる態様において以下の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体及びそれらの異性体の混合物を提供する:
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
【化9】

【0043】
【化10】

【0044】
【化11】

【0045】
【化12】

【0046】
【化13】

【0047】
【化14】

【0048】
【化15】

【0049】
【化16】

【0050】
【化17】

【0051】
【化18】

【0052】
【化19】

【0053】
【化20】

【0054】
【化21】

【0055】
【化22】

【0056】
【化23】

【0057】
【化24】

【0058】
【化25】

【0059】
【化26】

【0060】
【化27】

【0061】
【化28】

【0062】
【化29】

【0063】
【化30】

【0064】
本出願に開示した全ての化合物について、命名法が構造と矛盾した場合、化合物は構造により定義されると理解されるべきである。
本発明は、一般式(I)の化合物の医薬的に許容され得る誘導体を含む。「医薬的に許容され得る誘導体」は、本発明の化合物のいずれかの医薬的に許容され得る酸、塩又はエステル、又は患者への投与において本発明の化合物、薬理学的に活性な代謝物又は薬理学的に活性なそれらの残基を(直接的又は間接的に)提供することができるいずれかの他の化合物をいう。
【0065】
本発明の化合物の医薬的に許容され得る塩としては、医薬的に許容され得る無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものが挙げられる。好適な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。他の酸、例えばシュウ酸は、それら自体が医薬的に許容されないとしても、本発明の化合物及びそれらの医薬的に許容され得る酸付加塩を得る中間体として有用な塩の調製に使用してもよい。好適な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN-(C1-C4アルキル)4+塩が挙げられる。
【0066】
さらに、本発明の化合物としては、一般式(I)の化合物のプロドラッグが挙げられる。プロドラッグとしては、単純なトランスホーメーションにおいて、本発明の化合物を製造するために修飾されるそれらの化合物が挙げられる。単純な化学的トランスホーメーションとしては、加水分解、酸化及び還元であって、酵素的、代謝的等により生じるものが挙げられる。具体的には、本発明のプロドラッグが患者に投与される場合、望ましい薬理学的効果を与えることにより、そのプロドラッグは、一般式(I)の化合物に転換されてもよい。
【0067】
一つ以上の不斉炭素原子を含む本発明のいずれかの化合物は、ラセミ体及びラセミ体混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じてもよい。これら化合物のすべてのそのような異性体の形態は、本発明に明らかに含まれる。各立体異性炭素(stereogenic carbon)は、R配位又はS配位、又は配位のコンビネーションであってもよい。
本発明の幾つかの化合物は、一つより多い互変異性体の形態で存在することができる。本発明は、全てのそのような互変異性体を含む。
【0068】
本発明の化合物は、単に、当業者により認められるような「化学的安定」が企図されるものである。例えば、「ダングリング価(dangling valency)」又は「カルボアニオン」を有すると考えられる化合物は、本発明により企図される化合物ではない。
本明細書に使用する場合、以下の定義を使用する:
DMFは、ジメチルホルムアミドであり;
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、
EtOAcは、エチルアセテートであり;
EtOHは、エタノールであり;
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーであり、
MeOHは、メタノールであり;
THFは、テトラヒドロフランであり;
TLCは、薄層クロマトグラフィーである。
【0069】
本明細書に具体的に定義しない用語は、開示及び内容に照らして、当業者によりそれらに与えられると考えられる意味を与えるべきである。例えば、「C1-6アルコキシ」は、末端の酸素を有するC1-6アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペントキシ及びヘキソキシである。全てのアルキル、アルキレン又はアルキニル基は、特に規定しない限り、分岐、非分岐と理解されるべきである。他のより具体的な定義を以下に示す:
【0070】
用語「アルキル」は、特に規定しない限り、炭素数1〜10の飽和脂肪族基又は炭素数2〜12のモノ-又はポリ不飽和脂肪族炭化水素基をいう。モノ-又はポリ不飽和脂肪族炭化水素基は、少なくとも一つの二重又は三重結合をそれぞれ含む。「アルキル」は、分岐及び非分岐アルキル基の両方をいう。「アルキル」の例としては、炭素数1〜8の直鎖アルキル基及び炭素数3〜10の分岐アルキル基であるアルキル基が挙げられる。他の例としては、炭素数1〜6の直鎖アルキル基及び炭素数3〜6の分岐アルキル基である低級アルキル基が挙げられる。接頭語「アル(alk)」又は「アルキル」を使用するいずれかのコンビネーション用語は、前記定義の「アルキル」の類似体をいうと理解されるべきである。例えば、「アルコキシ」、「アルキルチオ」のような用語は、酸素又は硫黄原子により第二の基に結合するアルキル基をいう。「アルカノイル」は、カルボニル基(C=O)に結合するアルキル基をいう。本明細書に記載する各アルキル又はアルキル類似体は、部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよいと理解されるべきである。
【0071】
用語「シクロアルキル」は、前記のように、アルキル基の環状類似体をいう。シクロアルキル基の例は、炭素数3〜8の飽和又は不飽和の非芳香族シクロアルキル基であり、他の例としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。
用語「ヘテロシクロアルキル」は、安定な4〜8員(しかし、好ましくは5又は6員)の単環又は8〜11員の二環複素環基であって、飽和又は不飽和であり、非芳香族のものをいう。各複素環は、炭素原子及び、窒素、酸素及び硫黄から選ばれる1〜4のヘテロ原子からなる。複素環は、環のいずれの原子に結合していてもよく、それが安定構造を創造する。「ヘテロシクロアルキル」の例としては、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ジヒドロ-オキサゾリル、1,2-チアジナニル-1,1-ジオキシド、1,2,6-チアジアジナニル-1,1-ジオキシド、イソチアゾリジニル-1,1-ジオキシド及びイミダゾリジニル-2,4-ジオンが挙げられる。
【0072】
用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素又はヨウ素をいう。
用語「アリール」は、6〜12員の芳香族炭素環を意味すると理解されるべきであり、それは、単環であってもよく、又は一緒に縮合するか又は共有結合する多環であってもよい。用語「アリール」としては、例えば、フェニル及びナフチルが挙げられ;「アリール」を含む他の用語は、アリール成分に関する同じ定義を有すると考えられ、これらの成分の例としては:アリールアルキル、アリールオキシ又はアリールチオが挙げられる。
【0073】
用語「ヘテロアリール」は、安定な5〜8員(しかし、好ましくは5又は6員)の単環又は8〜11員の二環芳香族複素環基をいう。各複素環は、炭素原子、及び窒素、酸素及び硫黄から選ばれる1〜4のヘテロ原子からなる。ヘテロアリール基は、環のいずれの原子に結合していてもよく、それが安定構造をつくる。「ヘテロアリール」の例としては、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニルのような基が挙げられる。
【0074】
用語「所望の」又は「所望により」は、次に記載される事象又は状況が生じても生じなくてもよいこと、及びその記載が、その事象又は状況が生じる例及び生じない例を含むことを意味する。例えば、「所望により置換されているアリール」は、アリール基が置換されていてもいなくてもよいこと、及びその記載が置換されているアリール基及び置換基を有さないアリール基の両方を含むことを意味する。
【0075】
用語「置換されている」は、基又は成分上の原子におけるいずれかの一つ以上の水素が、具体的に示されていてもいなくても、原子の正常価を超えずかつ置換が安定化合物を生じることを条件として、置換基の指摘された群から選ばれたもので置き換えられることを意味する。置換基への結合が、環内での二つの原子を連結する結合と交差することを示すならば、その後、そのような置換基は環のいずれの原子に結合していてもよい。そのような置換基が化合物の残基に結合する原子を示すことなしに、置換基が記載されている場合、従ってそのような置換基は、そのような置換中のいずれの原子により結合していてもよい。例えば、置換基がピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリルの場合、特に規定しない限り、そのようなピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリル基は、そのようなピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリル基中のいずれの原子により本発明の化合物の残部に結合していてもよい。一般的に、いずれかの置換基又は基がいずれかの構成物又は化合物中において一度より多く生じる場合、それぞれの発生におけるその定義は、それぞれの他の発生でのその定義とは独立している。従って、例えば、もし基が0〜2のRで置換されていることが示されるならば、その後、そのような基は、2以下のR基で所望により置換され、またそれぞれの発生でのRは、可能なRの所定のリストから独立して選ばれる。しかし、置換基及び/又は不定のそのようなコンビネーションは、そのようなコンビネーションが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
【0076】
本明細書の前記及び全体に使用するように、「窒素」及び「硫黄」は、窒素及び硫黄のいずれかの酸化型及びいずれかの塩基性窒素の四級型を含む。
治療における使用方法
本発明により、一般式(I)の化合物を使用する新規方法を提供する。本発明の化合物は、IKKβ及び/又はIKKαの活性を阻害するのに有効である。特に、これらの化合物は、IKKβ介在性NF-κB活性化及びB細胞活性のIKKα活性化又は細胞周期調節遺伝子サイクリンD1により増悪する疾患プロセスを阻害することに有用である。NF-κB活性化を阻害することにおいて、本発明の化合物は、炎症性サイトカイン、例えば、IL-1、IL-2、IL-6、IL-8、TNFα、ケモカイン、例えばIL-8及びRANTES並びに他の炎症誘発性分子、例えばCOX-2及び細胞接着分子、例えばICAM-1、VCAM-1及びE-セレクチンをコード化する遺伝子の転写を効果的に阻害する。これらのメディエータは、炎症性、自己免疫及び循環器疾患及び癌の原因に重要な役割を担う。これらのメディエータの生成の阻止は、これらの疾患を治療するために望ましい手段である。従って、本発明の化合物を使用して、これらの状態を治療する方法を提供する。そのような炎症及び自己免疫状態としては、変形性関節炎、再潅流傷害、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、多発性硬化症、ギランバレー症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、アルツハイマー病、毒素性ショック症候群、インシュリン依存性糖尿病、急性及び慢性の疼痛、熱的傷害(thermal injury)、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、損傷に対する二次的な多臓器傷害(multiple organ injury secondary to trauma)、急性糸球体腎炎、急性炎症性コンポーネントを伴う皮膚炎、急性化膿性髄膜炎又は他の中枢神経系疾患、バセドウ氏病、重症筋無力症、強皮症及びアトピー性皮膚炎が挙げられるが、それらに限定されない。そのような循環器病としては、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞及び卒中が挙げられるが、それらに限定されない。そのような癌としては、リンパ性、骨髄球性、及び上皮性誘導性の悪性腫瘍、例えば白血病、リンパ腫及び乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌及び膵臓癌が挙げられるが、それらに限定されない。本発明の化合物は、前記のものとは無関係か又は本発明の背景において論じたNF-κBのIKK活性と関連した他の疾患を治療するために使用することができる。例えば、本発明の化合物は、化学療法剤の有効性を増強することにより、癌の治療に有用であってもよい。従って、本発明は、また、炎症性疾患及び自己免疫疾患、及び他の疾患、例えば癌の治療方法であって、医薬的に有効量の本発明の化合物を、そのような治療が必要な患者に投与することを含む前記方法を提供する。
【0077】
治療上の使用に関して、本発明の化合物を、いずれかの従来の方法において、いずれかの従来の投与形態において投与してもよい。投与経路としては、注入、舌下、経皮、経口又は吸入により、静脈内、筋肉内、皮下、滑膜内(intrasynovially)への投与が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい投与形態は、経口及び静脈内である。それぞれの前記投与経路に関して本発明の化合物を含む組成物は、当業者に自明である。また、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。そのような医薬組成物は、さらに以下に記載の医薬的に許容され得るキャリヤー及びアジュバント含むと考えられる。
【0078】
本発明の化合物は、単独で又はアジュバントとの組合せで投与してもよく、それはインヒビターの安定性を増強し、一定の態様においてそれらを含む医薬組成物の投与を容易にし、溶解又は分散を強化し、阻害活性を増強し、補助療法等を提供し、他の活性成分を含む。好都合には、そのようなコンビネーション治療は、低用量の従来の治療法を利用し、従って、これらの薬剤が単剤治療として使用される場合に負わされると考えられ得る毒性及び副作用が避けられる。本発明の化合物を、従来の治療法又は他のアジュバントと物理的に組み合わせ、単一の医薬組成物にしてもよい。好都合には、その後、化合物を単一の投与形態において一緒に投与してもよい。幾つかの態様において、化合物のそのようなコンビネーションを含む医薬組成物は、少なくとも約15%(w/w)、より好ましくは少なくとも約20%の本発明の化合物又はそれらの組み合わせを含む。或いは、化合物は、別々に(連続又は平行して)投与してもよい。別々の投与は、投与計画の柔軟性をより高めることを可能にする。
【0079】
前記のように、本発明の化合物の投与形態は、当技術分野に公知の医薬的に許容可能なキャリヤー及びアジュバントを含む。これらのキャリヤー及びアジュバントとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清蛋白質、緩衝物質、水、塩又は電解質及びセルロースベース物質が挙げられる。好ましい投与形態としては、錠、カプセル、カプレット、液、溶液、サスペンジョン、エマルジョン、トローチ、シロップ、再生可能な粉末(reconstitutable powder)、顆粒、坐剤及び経皮用パッチが挙げられる。そのような投与形態の製造方法は公知である(例えば、H.C. Ansel及びN.G. Popovish、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第5版、Lea and Febiger (1990年)を参照されたい)。投与量及び要求は、当技術分野において十分認識されており、また特定の患者に好適な利用可能な方法及び技術から当業者により選択されてもよい。いくつかの態様において、投与量は、70kgの患者につき約10〜1000mg/投与の範囲である。1日当たり1回投与で十分かも知れないが、1日当たり5回投与以下で与えてもよい。経口投与に関して、2000mg/日が要求されてもよい。当業者は認識していると考えられるが、より少ないか又はより多い量が、特定の因子により要求されてもよい。例えば、具体的な投与及び治療方法は、患者の一般的な健康状態、患者の疾患の重篤度及び経過又はそれらの性質、及び治療医の判断等の因子によると考えられる。
【0080】
(一般的な合成方法)
本発明は、一般式(I)の化合物の製造方法をさらに提供する。本発明の化合物は、以下に示す一般的な方法及び例、及び当業者に公知の方法により製造してもよい。このことに関するさらなる文献としては米国特許出願第10/453,173号が挙げられ、それは参考文献としてここに含まれるものとする。最適な反応条件及び反応時間は、使用する特定の反応体により変えてもよい。特に規定しない限り、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件は、当業者により容易に選択されてもよい。具体的な方法は、合成例のセクションに提供する。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)のような従来法によりモニターしてもよい。中間体及び生成物は、当技術分野に公知の方法、例えばカラムクロマトグラフィー、HPLC又は再結晶により精製してもよい。以下のスキームに使用する中間体は、当技術分野に公知又は以下の合成例セクションに記載の方法により容易に製造してもよい。
一般式Iの化合物は、スキームIに記載の方法により製造してもよい。
【化31】

【0081】
前記のように、ピペリドン中間体Iを、還元アミノ化反応においてアミン中間体IIIと合わせ、所望の一般式Iの化合物を提供してもよい。スキームIIに記載する他の方法において、遊離基X、例えばハロゲン又はトリフルオロメチルスルホニル基を有する中間体IVを、好適な塩基の存在下、中間体Vと反応させ、所望の一般式Iの化合物を提供する。関連方法において、Vは、二つの遊離基、例えばハロゲン又はトリフルオロメタンスルホニルを有する中間体VIと反応させ、VIIを提供してもよい。好適な塩基の存在下、VIIとメルカプトアセトアミドとのその後の反応により、所望の一般式Iの化合物を提供する。
【化32】

【0082】
合成例
実施例1:3-アミノ-6-[4-(2-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化33】

【0083】
ベンゾチオフェン(671.5 mg、5.00 mmol)を、乾燥THF 10mLに溶解し、-78℃に冷却した。これに、1.7M t-BuLi(3.00 mL、5.10 mmol)を滴下して加えた。反応物を1時間攪拌した。[(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(545.6 mg、2.50 mmol)を乾燥THF2.5mLに滴下して加えた。反応物を2時間攪拌し、-40℃に加温し、その後飽和NH4Cl 15mLでクエンチした。混合物をEtOAc 20mLで2回抽出し、有機層を鹹水20mLで1回洗った。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をCH2Cl2に溶解し、SiO2カラムに適用して精製し(0〜10% EtOAc/へキサン)、(2-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル 554 mg、74.7%を得た。
【0084】
(2-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル (544 mg、1.867 mmol)を、EtOAc 3mlに溶解し、ジオキサン中の4.0 M HCl 10mLを加えた。混合物を一晩攪拌し、白色沈殿物を形成させた。沈殿物をEtOAc 10mLで3回すり潰し、真空下で乾燥させ粗2-アミノ-1-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-エタノン塩酸塩 400mg、94.7%を得た。その物質をさらに精製せずに用いた。
前記2-アミノ-1-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-エタノン塩酸塩(400.0 mg、1.757 mmol)を、MeOH 3mLに溶解した。混合物を湿式氷浴中で冷却し、NaBH4(128.6 mg、3.400 mmol)を一度に加え、H2を形成した。30分後、混合物をロータリーエバポレータで乾燥濃縮し、油状物を得た。その物質をCH2Cl2/へキサン 6mlに懸濁し、乾燥濃縮した。2-アミノ-1-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-エタノールを粘稠な固形物として得るまで、そのサイクルを繰り返した。
【0085】
前記2-アミノ-1-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-エタノール(57.9 mg、0.300 mmol)、3-アミノ-6-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(50.0 mg、0.15 mmol)、MP-ホウ化水素(100 mg)及び酢酸(0.075 mL、1.31 mmol)を、THF(4 mL)中、2-ドラムバイアル中で混合し、室温で21時間、一晩中振盪した。反応物をろ過し、ホウ化水素残渣をMeOHですすぎ、その後再びろ過した。合わせたろ液をロータリーエバポレータで濃縮し、粗生成物を得た。残渣を最少量のMeOHに溶解し、調製プレート((Merck)に施し、5% MeOH/CH2Cl2、1% NH3で溶出し、表題の化合物21.3 mg、27.9%を得た。ES+ 510.1 m/z (MH+)。
【0086】
また、以下の化合物を、好適なアミンと、実施例1に記載のように3-アミノ-6-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドとの反応により製造した:
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-チアゾール-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 460.8 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 455.4 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0087】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 455 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 455.4 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-[4-(2-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 510.6 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0088】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 458.7 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-[4-(2-ベンゾチアゾール-2-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 511.1 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 647.0 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0089】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-インドール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 507.7 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 508.4 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 494.1 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0090】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1H-イミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 444.4 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-(2,3-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 523.1 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0091】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 469.6 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[4-フェニル-1-(2-トリメチルシラニル-エトキシメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 650.8 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 469.4 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0092】
3-アミノ-4-プロピル-6-[4-(2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 439.7 m/z (MH+)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-4-プロピル-6-[4-(2-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES- 437.3 m/z (M-1)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-4-プロピル-6-[4-(2-ピリジン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES- 437.3m/z (M-1)を実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0093】
実施例2:3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-チオフェン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化34】

【0094】
3-チオフェンカルボキシアルデヒド(0.438 mL、5.000 mmol)を、乾燥CH2Cl2に溶解し、アルゴン下に置いた。ここに、トリメチルシリルシアニド(0.933 mL、7.000 mmol)及びトリエチルアミン(0.070 mL、0.500 mmol)を加えた。反応混合物を4時間攪拌した。混合物を、ロータリーエバポレータで濃縮乾燥し、澄明な油状物としてチオフェン-3-イル-トリメチルシラニルオキシ-アセトニトリルを得た。
前記チオフェン-3-イル-トリメチルシラニルオキシ-アセトニトリルを乾燥THF 5mLに溶解した。ここに、1.0 M BH3/THF溶液(7.00 mL、7.00 mmol)を加えた。反応物を一晩攪拌した。混合物をロータリーエバポレータで濃縮した。残渣をMeOH 10mLに溶解し、加熱しながらロータリーエバポレータで濃縮した。このサイクルを4回繰り返した。その後、得られた粗アミンを、実施例1に記載の方法を使用して表題の化合物になるように続けた。ES+ 460.2 m/z (MH+)。
【0095】
実施例3:3-アミノ-6-{4-[2-(5-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、方法6、方法1により製造し、[2-(5-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルを以下の方法により製造した。
【化35】

【0096】
2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル (310 mg、0.977 mmol)、トリスジベンジリデンビスパラジウム(22.9 mg、0.025 mmol)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)(27.1、0.049 mmol)及びシアン化亜鉛(274 mg、2.34 mmol)をマイクロ波チューブに置き、乾燥DMF 3mLとシールした。チューブを180℃で10分間、Smith SynthesizerTM (Personal Chemistry)中で加熱した。冷却後、反応混合物をEtOAc 30mLで希釈した。有機層をH2O 20mLで2回、鹹水20mLで1回洗い、MgSO4で乾燥させ、濾過及び濃縮した。残渣をCH2Cl2中に溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(25〜50% EtOAc/へキサン)、[2-(5-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル152.1mg、52%を得た。
【0097】
3-アミノ-6-{4-[2-(5-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例1に記載の方法を使用して、前記アミンから製造した。ES+ 480.3 m/z (MH+)。
【0098】
実施例4: 3-アミノ-6-{4-[2-(6-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化36】

【0099】
2-(6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(447.0 mg、1.504 mmol)、トリスジベンジリデンビスパラジウム(33.9 mg、0.037 mmol)、DPPF (41.1、0.075 mmol)及びシアン化亜鉛(423.0 mg、3.61 mmol)をマイクロ波チューブに置き、乾燥DMF 3mLとシールした。チューブを180℃で10分間、Smith synthesizerTM (Personal Chemistry)で加熱した。冷却後、反応混合物をEtOAc 30mLで希釈した。有機層をH2O 20mLで2回、鹹水20mLで1回洗った。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過及び濃縮し、CH2Cl2中に溶解した残渣を、SiO2カラムに施し、精製し(25〜50% EtOAc/へキサン)、[2-(6-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル 147.5 mg、37.2 %及び[2-(6-カルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル 126.0、28%を得た。
【0100】
[2-(6-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステルを実施例1に記載のように、酸での処理により脱保護した。3-アミノ-6-{4-[2-(6-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを実施例1の方法により製造した。ES+ 480.3 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-{4-[2-(6-カルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、[2-(6-カルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステルの脱保護及び実施例1に記載の方法によるさらなる反応により製造した。ES+ 498.3 m/z(MH+)。
【0101】
実施例5: 3-アミノ-6-{4-[2-(5-ベンジルカルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化37】

【0102】
-40℃での乾燥THF 10mL中の6-ヨード-ニコチン酸メチルエステルに、2M i-プロピルマグネシウムクロライド溶液(4.33 mL、8.60 mmol)を、滴下して加えた。反応物を、0℃に温めながら1時間攪拌した。フラスコを-40℃に冷却し、[(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステルを一度に加えた。反応混合物を3時間にわたって室温に温め、さらに1時間攪拌した。反応物を飽和NH4Clでクエンチし、EtOAc 50mLを加えた。有機層をH2O 20 mLで2回、鹹水 20mLで1回洗い、乾燥させ(MgSO4)、ろ過及び濃縮した。残渣をCH2Cl2中に溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(0〜20% EtOAc/ヘキサン)、6-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-アセチル)-ニコチン酸メチルエステルとニコチン酸メチルエステル(3.2/.0.18)の混合物として132.7 mgを得た。
【0103】
6-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-アセチル)-ニコチン酸メチルエステル(132.7 mg、0.451 mmol)をMeOH 3mLに溶解した。これに、水素化ホウ素ナトリウム(18.96 mg、0.50 mmol)を一度に加えた。0.5時間後、反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮した。残渣をEtOAc 20mLに溶解した。有機層をNH4Cl 20mLで2回、鹹水20mLで1回洗い、乾燥させ(MgSO4)、濾過及び濃縮し、6-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-ヒドロキシ-エチル)-ニコチン酸メチルエステル 133 mg、99.5%を得た。
【0104】
6-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-ヒドロキシ-エチル)-ニコチン酸メチルエステル(137.3 mg、0.450 mmol)を、MeOH 3mLに溶解した。これに、LiOH 一水和物(56.5、1.350 mmol)を加えた。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、水 2mLに溶解し、AcOHでpH 4にした。混合物をEtOAc 10mLで3回抽出し、有機層画分を合わせた。有機層をH2O 20mLで2回、鹹水20mLで1回洗い、乾燥させ(MgSO4)、ろ過及び濃縮し、6-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-ヒドロキシ-エチル)-ニコチン酸130mgを得た。
【0105】
6-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-ヒドロキシ-エチル)-ニコチン酸(130 mg、0.461 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (DIPEA) (0.426 mL、2.44 mmol)、[(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)-ジメチルアミノ-メチレン]-ジメチル-アンモニウムテトラフルオロボレート(319 mg、1.00 mmol)、及びベンジルアミン(0.246 mL、2.30 mmol)を、乾燥DMFに溶解し、一晩攪拌した。LC-MSは、結合生成物の形成を示した。混合物をEtOAc 30mLで希釈し、有機層を、H2O 20mLで2回、鹹水20mLで1回洗い、乾燥させ(MgSO4)、ろ過及び濃縮した。残渣をCH2Cll2に溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(10〜30% EtOAc/ヘキサン)、[2-(5-ベンジルカルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル47.8、27.9%を得た。
【0106】
[2-(5-ベンジルカルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(47.0 mg、0.129 mmol)をEtOAc 2mLに溶解し、ジオキサン中の4.0 N HCl(1.0 mL、4 mmol)を加えた。反応物を一晩攪拌した。得られた沈殿物をTHF 5mLで3回すり潰し、ロータリーエバポレータで濃縮し、乾燥させ、6-(2-アミノ-1-ヒドロキシ-エチル)-N-ベンジル-ニコチンアミド 2HCl 43 mgを得た。
3-アミノ-6-{4-[2-(5-ベンジルカルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例1に記載の方法を使用して、前記アミンから製造した。ES+ 588.3 m/z (MH+)。
【0107】
実施例6: 3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化38】

【0108】
2-アミノ-1-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エタノールジヒドロクロライド塩(0.339 g、1.83 mmol)を、最少量のMeOHに溶解し、THF 10mLで希釈した。これに、t-ブチル-4-オキソ-1-ピペリジンカルボキシレート(0.478 g、2.40 mmol)、AcOH (0.458 mL、8.00 mmol)及びトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(1.696 g、8.00 mmol)を加え、反応物を一晩攪拌した。LC-MS分析は、出発材料の完全な消費を示した。混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、残渣をCH2Cl2に溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(0〜10% MeOH/CH2Cl2)、4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル 511.0 mg、57.8%を得た。
【0109】
4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(510.0 mg、1.387 mmol)を、EtOAc 3mLに溶解し、ジオキサン中の4.0 M HCl 3mLを加えた。混合物を一晩攪拌し、白色沈殿物を形成した。沈殿物をEtOAc 10mLで3回すり潰し、真空下で乾燥し、粗1-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-2-(ピペリジン-4-イルアミノ)-エタノールジヒドロクロライド塩 441.4 mg、93.2%を得た。その物質をさらに精製することなく用いた。
【0110】
前記アミノアルコールジヒドロクロライド塩(268.36 mg、0.700 mmol)、DIPA (0.610 mL、3.50 mmol)及びトリフレート(200 mg、0.586 mmol)をジオキサン10mLに溶解し、80℃で2時間加熱した。反応混合物に、2.5 M Na2CO3溶液5mLを加えた。混合物を一晩還流した。冷却後、反応混合物をEtOAc 100mLで希釈した。有機層をH2O 50mLで2回、鹹水50mLで1回洗い、乾燥させ(MgSO4)、濾過及び濃縮し、黄褐色の残渣を得、それをEtOAc 10mLで3回すり潰し、表題の化合物153.2 mg、52%を得た。ES+ 502.4 m/z (MH+)。
【0111】
実施例7: 3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化39】

【0112】
2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチル-ニコチノニトリル (277 mg、1.15 mmol)を、無水EtOH 10mLに溶解し、湿式氷浴中で冷却した。ここにDIPEA (1.74 mL、10 mmol)及び1-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-2-(ピペリジン-4-イルアミノ)-エタノールジヒドロクロライド(400 mg、1.15 mmol)を加えた。混合物を2時間攪拌した。LC-MS分析は、生成物の形成を示した。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、残渣をCH2Cl2に溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(0〜10% MeOH/CH2Cl2)、DIPEAが未だ混入している油状物を得た。EtOAcですり潰し、6'-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-4'-トリフルオロメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2']ビピリジニル-5'-カルボニトリル 344 mg、62.4%を得た。
【0113】
6'-クロロ-4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-4'-トリフルオロメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2']ビピリジニル-5'-カルボニトリル(344.0 mg、0.718 mmol)を、乾燥DMF 2mLに溶解した。ここに、メルカプトアセトアミドの1.09 M MeOH性溶液(1.00 mL、1.09 mmol)及び1 M MeOH性NaOMe溶液(2.87 mL、2.87 mmol)を加えた。反応混合物を60℃で2時間加熱した。LC-MSは、メルカプトアセトアミド付加物への完全な転化を示した。反応物を、その後80℃で一晩加熱した。反応混合物をロータリーエバポレータで70℃に加熱しながら濃縮し、暗橙色油状物を得た。油状物を少量のMeOHに溶解し、SIO2カラムに施し、0〜10% MeOH/CH2Cl2及び0〜10% MeOH/CH2Cl2〜1% NH3で溶出し、表題の化合物213.7 mg、55.8%を得た。ES+ 534.3 m/z (MH+)。
【0114】
また、以下の化合物を前記実施例に記載の方法を使用して製造した:
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 528.5 m/z (MH+)を、実施例6及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 495.3 m/z (MH+)を、実施例6及びスキームIIに記載の方法により製造した。
【0115】
実施例8: 3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化40】

【0116】
乾燥DMSO(5 mL)中の水素化ナトリウムのサスペンジョン(鉱油中60%、480 mg、12 mmol)に、室温で、乾燥DMSO 12mL中のトリメチルスルホニウムヨウ化物の溶液(2.66 g、13 mmol)をゆっくりと加えた。5分間室温で攪拌した後、DMSO 7mL中の3-キノリンカルボキシアルデヒド(300 mg、1.91 mmol)の溶液を加えた。そのアルデヒドの添加が完了した後、溶液は無色から黄色に、その後、茶色がかった緑色に変化した。反応の進行はLC-MSにより追った。室温で1.5時間後、反応混合物を氷水でクエンチし、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機抽出物を鹹水で2回洗い、乾燥させ(Na2SO4)、濾過した。溶媒を真空下で除去し、茶色油状物を得、溶出液としてMeOH/CH2Cl2混合物を使用してSiO2上でのフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製し、きれいなエポキシド190mgを明るい黄色油状物として得た。
【0117】
前記のように得られたキノリンエポキシド(190 mg、1.11 mmol)を、無水CH3CN 5mLに溶解した。4-アミノ-ピペリジン-1-tert-ブチル-カルボキシレート(238 mg、1.19 mmol)及び過塩素酸リチウム(127 mg、1.19 mmol)を加えた。得られたサスペンジョンを、CH3CN 10mLでさらに希釈し、室温で一晩、その後60℃の湯浴中で41時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAcと水に分配した。水層をEtOAcで一度抽出し、合わせた有機物を鹹水で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、真空下で濃縮した。その粗物質を、溶出液としてMeOH/CH2Cl2混合物を使用してSiO2のフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製し、無色油状物を得、それをMeOH 5mLに溶解し、ジオキサン中の4N HCl 5mLで処理した。2時間後、TLCは、出発物質が完全に消費されたことを示した。溶媒を真空下で除去し、淡黄色泡状物としてジヒドロクロライド塩265mg(0.77 mmol、理論値の69%)を得た。
【0118】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例6に記載の方法により製造した(mp: 213〜216℃、ES+ 505 m/z (MH+))。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、4-キノリン-カルボキシアルデヒドから出発して、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した:170〜172℃、ES+ 505 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、2-キノリン-カルボキシアルデヒドから出発して、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。mp: 159〜161℃、ES+ 505 m/z (MH+)。
【0119】
実施例9: 3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化41】

【0120】
丸底フラスコにおいて、2-(3-ピリジル)-2-ヒドロキシ-1-エチルアミン(1.516 g、10.97 mmol)を無水ジクロロエタン40mL中に分散した。このサスペンジョンに、tert-ブチル4-オキソ-ピペリジン-1-カルボキシレート(1.822 g、9.14 mmol)及び氷酢酸(1.57 mL、27.5 mmol)を加えた。混合物を室温で20分間攪拌した。トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(12.111 g、57.14 mmol)を加えた。混合物をCH3CN 10mLで希釈し、2日間室温で攪拌した。
反応混合物を飽和NaHCO3溶液でクエンチし、30分間攪拌した。その後、水で希釈し、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機抽出物を鹹水で洗い、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をCH2Cl2に溶解し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーカラムにかけた。溶出液としてMeOH/CH2Cl2混合物を使用した精製により、黄色油状物としてBoc-保護ピペリジン1.017gを得た(理論値の35%)。
【0121】
Boc-保護ピペリジン(1.017 g、3.16 mmol)を、MeOH 30 mLに、丸底フラスコにおいて溶解した。ここに、ジオキサン中の4N HCl 10mL(40 mmol)を加え、混合物を室温で35分間攪拌した。反応の進行をTLC(10% MeOH/ジクロロメタン)により追った。溶媒を真空下で除去し、桃色泡状物1.07mgを得、それをさらに精製することなしに使用した。
上記のように得られた置換4-アミノ-ピペリジンジヒドロクロライド塩(931mg、3.16 mmol)を、0℃で、EtOH 40 mLに分散させた。2,6-ジクロロ-3-シアノ-5-トリフルオロメチル-ピリジン(763 mg、3.16 mmol)を加え、その後、Hunig's塩基(2.21 mL、12.66 mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した。TLCは、完全な転化を示した。溶媒を真空下で除去し、残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーカラムにかけた。溶出液としてMeOH/ジクロロメタン混合物を使用する精製により、橙色泡状物として所望のモノクロロ-ピリジン709mgを得た(理論値の53%)。
【0122】
丸底フラスコにおいて、前記のように得られたクロロ-ピリジン(709 mg、1.67 mmol)をDMF 7mLに溶解した。ここに、2-メルカプトアセトアミド(メタノール性アンモニア中に10%、3.0 mL、3.33 mmol)及びMeOH中の0.5 M NaOMe 6.7 mL(3.4 mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、その後さらにMeOH中の0.5 M NaOMe 6.7 mL(3.4 mmol)を加えた。室温で1時間攪拌し、その後さらにMeOH中の0.5 M NaOMe 6.7 mL(3.4 mmol)を加え、60℃の油浴中で一晩攪拌した。高真空下で溶媒を除去し、水を加え、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、真空下で溶媒を除去した。残渣を温MeOHですり潰し、ブフナー漏斗を通して濾過した。粗生成物を、溶出液としてMeOH/ジクロロメタン混合物を使用してSiO2のフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製した。表題の化合物を、明るい黄色固形物305 mgとして得た(理論値の38%)。m.p.: 179〜181℃、ES+ 481 m/z (MH+)。
【0123】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例9及びスキームIIに記載の方法により、2-(2-ピリジル)-2-ヒドロキシ-1-エチルアミンから出発して製造した。mp: 201〜202℃、ES+ 481 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例9及びスキームIIに記載の方法により、2-(4-ピリジル)-2-ヒドロキシ-1-エチルアミンから出発して製造した。mp: 217〜220℃、ES+ 481 m/z (MH+)。
【0124】
実施例10: 3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化42】

【0125】
乾燥DMSO(5mL)中の水素化ナトリウムのサスペンジョン(鉱油中60%、800 mg、20.0 mmol)に、乾燥DMSO 21mL中のトリメチルスルホニウムヨウ化物(4.428 g、21.7 mmol)を室温でゆっくりと加えた。5分間攪拌した後、その溶液に、DMSO 7mL中の2-キノリン-カルボキシアルデヒド(500 mg、3.18 mmol)溶液を加えた。混合物の色は、無色から黄色、その後緑に変わった。反応の進行をLC-MSにより追い、40分後に氷水でクエンチした。水層をCH2Cl2で3回抽出し、合わせた有機層を鹹水で洗い、緑色溶液を得た。これを乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をCH2Cl2に溶解し、溶出液としてMeOH/ジクロロメタン混合物を使用してSiO2のフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製した。このようにして、所望のエポキシド232mgを黄色油状物として得た(理論値の42.6%)。
【0126】
無水CH3CN 4mLを含有する丸底フラスコに、前記2-キノリンエポキシド(232 mg、1.36 mmol)を溶解した。その後、4-アミノ-ピペリジン-1-tert-ブチル-カルボキシレート(290 mg、1.45 mmol)、その後LiClO4(154 mg、1.45 mmol)を加えた。黄色から橙色への色の変化により添加が完了した。混合物をさらに無水CH3CN 4mLで希釈し、60℃の油浴中で一晩攪拌し、その後、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣を、溶出液としてMeOH/ジクロロメタン混合物を使用してSiO2のフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製した。純粋な置換アミノ-ピペリジンを黄色油状物368 mg(理論値の73%)として得た。
前記のようにして得たBoc-保護ピペリジンを、MeOH 10mLに溶解した。この溶液に、ジオキサン中の4N HCl 5mLを加え、混合物を室温で一晩攪拌したままにした。真空下における溶媒の除去により、黄色泡状物としてジヒドロクロライド塩386mgを得、それを精製せずに次の工程に使用した。
【0127】
前記のように得られたピペリジンジヒドロクライド塩(341 mg、0.991 mmol)を、無水EtOH 20mLに分散させた。混合物を0℃に冷却し、ジクロロピリジン(239 mg、0.991 mmol)で処理し、その後、Hunigs塩基を、得られた溶液に滴下して加えた。1時間後、溶媒を真空下で除去し、明るい黄色固形物を生成した。CH2Cl2ですり潰し、その後ろ過し、モノクロロ-ピリジン414mg(理論値の88%)を白色固形物として得た。
【0128】
丸底フラスコにおいて、前記のモノクロロ-ピリジン(412 mg、0.866 mmol)を、DMSO 7mLに分散させた。この混合物にメルカプト-アセトアミド(メタノール性アンモニア中、10%、0.95 mL、1.04 mmol)を、その後MeOH中の0.5 M ナトリウムメトキシド 2.1 mLを加えた。その混合物を室温で3時間攪拌し、その後、60℃の油浴中で攪拌しながら加熱した。別のナトリウムメトキシド溶液(2.1mL)を加え、60℃で一晩攪拌し続けた。溶媒を高真空下で除去し、明るい黄色固形物を得、それを温MeOHですり潰した。真空ブフナー漏斗による濾過により、純粋な表題の化合物209mg(理論値の46%)を得た。mp: 198〜201℃、ES+ 531 m/z (MH+)。
【0129】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例10及びスキームIIに記載の方法により、3-キノリン-カルボキシアルデヒドから出発して製造した。ES+ 531 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例10及びスキームIIに記載の方法により、4-キノリン-カルボキシアルデヒドから出発して製造した。ES+ 531 m/z (MH+)。
【0130】
実施例11: 3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化43】

【0131】
メチル 3-イソキノリンカルボキシレート(1.50 g、8.01 mmol)を、無水トルエン 60mLに入れ、0℃に冷却した。その溶液を、トルエン中の1M DIBAL溶液(8.2 mL、8.2 mmol)の滴下により処理した。その溶液は、無色から黄色に、その後、添加の間に徐々に橙色に変化した。2時間後、トルエン中の1M DIBAL溶液2mLを加え、混合物をさらに1時間、0〜10℃で攪拌したままにした。その後、混合物を水性Na K 酒石酸塩溶液でクエンチし、15分攪拌し、その後鹹水及びEtOAcで希釈した。その層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を鹹水で繰り返し洗い(エマルジョン)、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、溶媒を真空下で除去した。橙色の油状物をこのようにして得、それを、MeOH/ジクロロメタン溶出液混合物を使用してSiO2のフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製した。所望のイソキノリンカルボキシアルデヒド420 mg(理論値の33%)を黄色固形物として単離した。
【0132】
乾燥DMSO(18mL)中の水素化ナトリウムのサスペンジョン(鉱油中60%、0.792 g、19.8 mmol)に、無水DMSO 25mL中のトリメチルスルホニウムヨウ化物(4.3 g、21.1 mmol)の溶液を、室温でゆっくりと加えた。5分間攪拌した後、上記のように得られたイソキノリンカルボキシアルデヒド(520 mg、3.31 mmol)を、無水DMSO 2mL中の溶液として加えた。混合物を室温で1時間攪拌したままにし、その後、氷水に注ぎ、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、溶媒を真空下で除去した。粗物質を、溶出液としてジクロロメタン中のMeOHを使用してSiO2のカラムクロマトグラフィにより精製した。これにより、所望のエポキシド319mgを暗黄色油状物として得た。
【0133】
上記のように得られたイソキノリンエポキシド(319 mg、1.86 mmol)及び4-アミノ-ピペリジン-1-tert-ブチル-カルボキシレート(373 mg、1.86 mmol)を、無水アセトニトリル 7mLに合わせ、過塩素酸リチウム固形物(198 mg、1.86 mmol)で処理した。その混合物を室温で1日間、及び60℃で一晩攪拌し続けた。溶液の最終的な色は、橙色だった。その混合物を希NaHCO3水溶液でクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、その溶媒を真空下で除去し、橙色泡状物を得た。この粗物質を、溶出液としてジクロロメタン及びMeOHの混合物を使用してSiO2のカラムクロマトグラフィにより精製した。置換アミノ-Boc-保護ピペリジン(375 mg)を、黄色泡状物として単離した。1H NMRは、望ましい位置異性体と一致していた。
【0134】
前記のように得られたBoc-ピペリジン(375 mg、1.01 mmol)を、MeOH 30 mLに溶解し、1,4-ジオキサン(8.75 mL)中の4M HClで室温で処理した。その混合物を室温で一晩攪拌し続けた。真空下での溶媒の除去により、ジヒドロクロライド塩439 mgを淡黄色泡状物として得た。これを精製せずに次の工程に使用した。
【0135】
前記イソキノリニル-エチルアミノ-ピペリジンジヒドロクロライド塩(160 mg、0.52 mmol)を、無水1,4-ジオキサン4mLに分散した。トリエチルアミン(0.73 mL、5.2 mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。ピリジン-トリフレート(250 mg、0.65 mmol)を加え、その混合物をさらなるジオキサン4mLで希釈した。反応チューブを70℃の油浴に置き、一晩攪拌した。反応混合物を冷却し、2M Na2CO3水溶液で処理した。その後、チューブをシールし、2層混合物を100℃で7時間、勢いよく攪拌した。冷却後、水を加え、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、溶媒を真空下で除去した。黄-茶色油 315mgを得た。この粗物質を、ジクロロメタン中のMeOH混合物を使用して、SiO2のフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製し、黄褐色泡状物98mgを得た。温MeOHでの粉砕により、表題の化合物62 mg(理論値の24%)を白色固形物として得た。mp: 213〜215℃(dec)、ES+ 505 m/z (MH+)。
【0136】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例11及びスキームIIに記載の方法により、メチル-3-イソキノリンカルボキシレートから出発して製造した。mp: 169〜172℃、ES+ 531 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-1-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例11及びスキームIIに記載の方法により、メチル-1-イソキノリンカルボキシレートから出発して製造した。mp: <150℃、ES+ 505 m/z (MH+)。
【0137】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-1-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8、実施例3及びスキームIIに記載の方法により、メチル-1-イソキノリンカルボキシレートから出発して製造した。ES+ 531 m/z (MH+)。
【0138】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-6-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例11及びスキームIIに記載の方法により、メチル-6-キノリンカルボキシレートから出発して製造した。ES+ 505 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-6-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例11及びスキームIIに記載の方法により、メチル-6-キノリンカルボキシレートから出発して製造した。mp: 217〜219℃、ES+ 531 m/z (MH+)。
【0139】
実施例12: 3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピラジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化44】

【0140】
丸底フラスコに、ニトロメタン10mL中の2-ピラジンカルボキシアルデヒド(770 mg、7.12 mmol)を加え、トリエチルアミン(721 mg、7.12 mmol)の添加を行った。反応混合物を室温で1時間攪拌した。その反応混合物を真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィカラムにかけた。カラムを0〜5%のMeOH/CH2Cl2で溶出した。生成物の画分を集め、2-ニトロ-1-ピラジン-2-イル-エタノール1124mg(93.3%)を得た。(TLC: Rf = 0.2、5% MeOH/CH2Cl2、UV)。
【0141】
丸底フラスコに、MeOH 40mL及びTHF 40mL中の2-ニトロ-1-ピラジン-2-イル-エタノール(1012 mg、6 mmol)、ギ酸アンモニウム(1886 mg、30 mmol)及び活性炭素担持10%パラジウム(220 mg)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を珪藻土を通してろ過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィカラムにかけた。カラムを、MeOH/CH2Cl2中の0〜5% 2M NH3 で溶出した。生成物の画分を集め、濃縮し、黄色固形物2-アミノ-1-ピラジン-2-イル-エタノール 480mg(57.7%)を得た。(TLC: Rf = 0.15、 MeOH/CH2Cl2中、5% 2M NH3、UV)。MH+ = 140.3。前記中間体を、実施例6に記載の方法を使用して、最終化合物に向けて用いた。MH+ = 456.42
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピラジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例12及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 482.41 m/z (MH+)
【0142】
実施例13:トリフルオロ-メタンスルホン酸 6-カルバモイルメチルスルファニル-5-シアノ-4-シクロプロピル-ピリジン-2-イルエステル
【化45】

【0143】
エチルエーテル50mLにシクロプロピルアセチレン(10.0 g、148 mmol)を含む溶液に、-78℃、アルゴン下で、メチルリチウム(エチルエーテル中、1.4 M、107 mL、150 mmol)を加えた。この溶液を、-78℃で1時間攪拌した。メチルクロロホルメート(12.0 mL、154 mmol)を加えた。反応混合物を2時間後に室温に温め、水でクエンチした。有機層を分離した。水層をエチルエーテルで抽出した(50 mL×3)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、シクロプロピル-プロピン酸メチルエステル(13.25 g、72%)を黄色油状物として得た。
無水EtOH 300mL中にシクロプロピル-プロピン酸メチルエステル(13.25 g、0.107 mol)を含む溶液に、室温で、アルゴン下、モルホリン(9.7 mL、0.11 mol)を加えた。この溶液を45℃で、40分間加熱した。2-シアノトイオアセトアミド(2-cyanothoioacetamide)(11.36 g、0.110 mol)を加えた。この混合物を、60℃で、1.5時間加熱した。黄色沈殿物を形成した。室温で16時間静置した後、3-シアノ-4-シクロプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-チオールモルホリン塩(15.02 g、50%)を濾過により回収し、EtOHで洗い、その後、真空下、室温で20時間乾燥させた。
【0144】
3-シアノ-4-シクロプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-チオールモルホリン塩(15.00 g、53.69 mmol)を乾燥DMF 15mLに懸濁した。2-ブロモアセトアミド(7.74 g、55.0 mmol)を加えた。この混合物を室温で30分間攪拌し、水でクエンチした。得られた固形物を濾過により集め、水で洗い、高真空下で24時間乾燥させ、2-(3-シアノ-4-シクロプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-イルスルファニル)-アセトアミドを、青白い(pale)色の固形物として得た(13.22 g、99%)。
【0145】
2-(3-シアノ-4-シクロプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-イルスルファニル)-アセトアミド(13.22 g、53.03 mmol)及びN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(20.00 g、55.42 mmol)を、ジクロロメタン100mLに懸濁/溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(10.00 mL、56.83 mmol)を加えた。この混合物を、室温で4時間攪拌した。表題の化合物を濾過により回収し、ジクロロメタンで洗った。収量: 17.80 g 88%。(ES+ 382 m/z (MH+)。
【0146】
実施例14: トリフルオロ-メタンスルホン酸 6-カルバモイルメチルスルファニル-5-シアノ-4-エチル-ピリジン-2-イルエステル
【化46】

【0147】
乾燥DMF 15mLにエチルイソブチレート(12.0 g、15.1 mmol)を含む溶液に、2-シアノチオアセトミド(7.76 g、15.2 mmol)を、その後、カリウムtert-ブトキシド(9.00 g、76.2 mmol)を加えた。この混合物を、80℃で、アルゴン下で、4時間加熱し、その後、室温に冷ました。2-ブロモアセトアミド(10.6 g、75.3 mmol)を加えた。得られたサスペンジョンを室温で30分間攪拌した。水を加えた。2-(3-シアノ-4-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-イルスルファニル)-アセトアミドを濾過により回収し、MeOHから再結晶した(4.62 g、24%)。
【0148】
2-(3-シアノ-4-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-イルスルファニル)-アセトアミド(4.62 g、18.4 mmol)及びN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(7.00 g、19.4 mmol)を、ジクロロメタン100mL中に懸濁/溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(4.00 mL、22.7 mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間攪拌した。トリフルオロメタンスルホン酸 6-カルバモイルメチルスルファニル-5-シアノ-4-イソプロピル-ピリジン-2-イルエステルを濾過により回収し、ジクロロメタンで洗い、4.64 g(66%)を提供した(ES+ 384 m/z (MH+)。表題の化合物を、実施例13に記載のものと類似の方法を使用して製造した。
【0149】
実施例15:3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-イソプロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化47】

【0150】
2-アミノ-1-ピリジン-2-イル-エタノール(0.700 g、5.07 mmol)及びN-boc-ピペリドン(1.20 g、5.90 mmol)を、1,2-ジクロロエタン 5mLに溶解した。氷酢酸(0.40 mL、7.0 mmol)を、その後トリアセトキシホウ化水素(tricaetoxy borohydride)(2.00 g、8.97 mmol)を加えた。この混合物をアルゴン下、室温で16時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル 12 g、ジクロロメタン、MeOH及び水酸化アンモニウム100〜95:4.9:0.1での溶出)により精製し、茶色油状物として4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.46 g、90%)を得た。
【0151】
4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.46 g、4.54 mmol)を、MeOH 5mLに溶解した。1,4-ジオキサン中のHCl(4.0 M、5 mL、20 mmol)を加えた。この溶液を室温で40分間攪拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣をエーテルですり潰し、2-(ピペリジン-4-イルアミノ)-1-ピリジン-2-イル-エタノールジヒドロクロライド塩(1.314 g、88%)を茶色固形物として得た。
上記固形物(265 mg、0.801 mmol)及びトリフルオロ-メタンスルホン酸 6-カルバモイルメチルスルファニル-5-シアノ-4-イソプロピル-ピリジン-2-イルエステル(310 mg、0.809 mmol)を、ジオキサン10mLに溶解/懸濁した。トリエチルアミン(0.56 mL、4.0 mmol)を加えた。この反応混合物を80℃で2時間加熱した。t-ブトキシドカリウム(230 mg、1.95 mmol)を加えた。この反応混合物を80℃で、さらに4時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、ジクロロメタン中の0〜5% アンモニア/MeOH (0.1% アンモニア)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより精製し、表題の化合物を結晶性生成物として得た。収量: 143 mg、39 %。ES+ 455 m/z (MH+)。
【0152】
3-アミノ-4-シクロプロピル-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例13及びスキームIIに記載の方法により製造した(ES+ 453 m/z (MH+)。
3-アミノ-4-エチル-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例14及びスキームIIに記載の方法により製造した(ES+ 441 m/z (MH+)。
【0153】
実施例16: 3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化48】

【0154】
DMSO(150mL)に2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(60.0 g、416 mmol)を含む溶液に、二硫化炭素(25 mL、420 mmol)及びトリエチルアミン(116 mL、832 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、その後0℃に冷まし、ヨードメタン52 mL(830 mmol)を加えた。反応混合物を室温までゆっくり温め、15時間攪拌した。混合物を氷-H2O混合物にデカントし、固形物を溶液の攪拌により沈殿させた。固形物を濾過により回収し、石油エーテル:Et2Oの1:1混合物で洗い、真空下で乾燥させ、5-(ビス-メチルスルファニル-メチレン)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-4,6-ジオン 29.7 g(28.8%)を橙色固形物として得た。
【0155】
EtOH(150 mL)にナトリウムエポキシド(40.0 mL、123 mmol)を含む溶液に、シアノチオアセトアミド(12.5 g,122 mmol)を加えた。その混合物を室温で15分間攪拌し、その後上記ジオン30.0g(121 mmol)を、EtOH(100 mL)溶液として加えた。サスペンジョンを加熱し、15時間還流させた。混合物を室温まで冷まし、その固形物を濾過により回収した。その物質をEtOHで洗い、減圧下で乾燥させ、2-メルカプト-4-メチルスルファニル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリル 12.5(52.2%)を黄色固形物として得た。
【0156】
DMF(300 mL)中の前記2-メルカプト-4-メチルスルファニル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-3-カルボニトリル(12.5 g、63.0 mmol)の溶液を0℃に冷まし、鉱油中の60%分散液として水素化ナトリウム(2.60 g、65.0 mmol)を加えた。その混合物を0℃で30分間攪拌し、その後、2-ブロモアセトアミド(8.80 g、63.8 mmol)を固形物として一度に加えた。混合物を室温までゆっくりと温め、15時間攪拌した。混合物を、氷-H2Oに注ぎ、全ての氷が解けるまで攪拌し、その間、固形物が溶液から沈殿した。混合物を2N HClで酸性化し、その後0℃に冷却し、固形物を濾過により回収した。物質をEt2O、その後へキサンで洗い、2-(3-シアノ-4-メチルスルファニル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-イルスルファニル)-アセトアミド 11.2 g(69.9%)を褐色固形物として得た。
【0157】
DMF(300mL)中、2-(3-シアノ-4-メチルスルファニル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-2-イルスルファニル)-アセトアミド(11.2 g、44.1 mmol)を含む溶液を、0℃に冷却し、鉱油中の60%分散液として水素化ナトリウム(3.60 g、90.0 mmol)を加えた。混合物を0℃で30分間攪拌し、その後、N-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(15.8 g、44.2 mmol)を、DMF(100mL)中の溶液として加えた。混合物を室温までゆっくりと温め、15時間攪拌した。混合物をH2Oに注ぎ、溶液から固形物を沈殿させた。固形物を濾過により回収し、H2Oで洗い、減圧下で乾燥させ、トリフルオロ-メタンスルホン酸 3-アミノ-2-カルバモイル-4-メチルスルファニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-6-イルエステル 8.95(52.4%)を黄色粉末として得た。
【0158】
H2OとMeOHの1:1混合物(200 mL)中に前記トリフルオロ-メタンスルホン酸 3-アミノ-2-カルバモイル-4-メチルスルファニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-6-イルエステル(8.95 g、23.1 mmol)を含むサスペンジョンを、0℃に冷却し、オキソゾン(oxzone)(17.0 g、27.7 mmol)を固形物として一度に加えた。反応混合物を室温までゆっくりと温め、6時間攪拌した。LCMSは、所望の生成物の存在を示し、その痕跡は質量404.08 [M+H]+でのピークを示した。黄色固形物を濾過により回収し、H2Oで洗った。残渣をEtOAcで洗い、減圧下で乾燥することにより精製し、トリフルオロ-メタンスルホン酸 3-アミノ-2-カルバモイル-4-メタンスルフィニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-6-イルエステル 3.00 g (32.2%)を黄色粉末として得た。
【0159】
DMF(100 mL)中にトリフルオロ-メタンスルホン酸 3-アミノ-2-カルバモイル-4-メタンスルフィニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-6-イルエステル(3.00 g、7.44 mmol)を含む溶液に、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]-デカン(2.20 g、15.4 mmol)を加えた。混合物を70℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷まし、H2Oで希釈し、CH2Cl2で洗った。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、3-アミノ-6-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イル)-4-メタンスルフィニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド 1.25 g(42.2%)を黄色固形物として得た。
【0160】
2,2,2-トリフルオロエタノール 30mLを0℃に冷却し、新たに切断し、ヘキサン中で洗った金属ナトリウム(0.60 g、15 mmol)を少量加えた。混合物を室温まで温め、全ての金属ナトリウムが反応するまで攪拌した。その混合物に、3-アミノ-6-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イル)-4-メタンスルフィニル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(1.30 g、3.28 mmol)を固形物として一度に加えた。混合物を70℃で15時間加熱した。混合物を室温まで冷まし、H2Oで希釈した。混合物をCH2Cl2で洗い、合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、3-アミノ-6-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イル)-4-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド 0.940gを白色粉末として得た。
【0161】
酢酸:H2O(20 mL)の4:1混合物中に白色粉末として3-アミノ-6-(1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イル)-4-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(0.940 g、2.17 mmol)を含む溶液を、80℃まで4時間加熱し、その後室温まで冷まし、NaHCO3の飽和水溶液の添加により塩基性にし、溶液から固形物を沈殿させた。その固形物を濾過により回収し、減圧下で乾燥させ、3-アミノ-6-(4-オキソ-ピペリジン-1-イル)-4-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド 0.680 g (80.5%)を澄明な油状物として得た。
表題の化合物を、実施例1に記載のものと類似の方法を使用して、前記中間体から製造した。ES+ 511.22 m/z (MH+)
【0162】
実施例17: 3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド:
【化49】

【0163】
丸底フラスコに、乾燥THF 20mL中の4-ヒドロキシピリジン(250 mg、2.63 mmol)、グリシドール(glycidol)(194.74 mg、2.63 mmol)及びトリフェニルホスフィン(758.45 mg、2.89 mmol)を加え、その後、ジエチルアゾジカルボキシレート(503.6 mg、2.89 mmol)の添加を行った。反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣をCH2Cl2で希釈した。有機層を飽和NaHCO3及び鹹水で洗った。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィカラムにかけた。カラムを0〜5% MeOH/CH2Cl2で溶出した。生成物画分を回収し、濃縮し、4-オキシラニルメトキシ-ピリジン8 0 mg (20.1%)を得た。(TLC: Rf =0.4、5% MeOH/CH2Cl2、UV)。MH+ = 152.31。
【0164】
密封したチューブに、DMF 4mL中の4-オキシラニルメトキシ-ピリジン(80 mg、0.529 mmol)を加え、その後4-アミノ-1-N-boc-ピペリジン(148 mg、0.739 mmol)の添加を行った。反応混合物を80℃で48時間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィカラムにかけた。カラムを、MeOH/CH2Cl2中の0〜5% 2M NH3で溶出した。生成物画分を回収し、濃縮し、4-[2-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル 68mg(36.6%)を明るい茶色の油状物として得た。(TLC: Rf = 0.15、MeOH/CH2Cl2中の5% 2M NH3、UV)。ES+ 352.43 m/z (MH+)
【0165】
丸底フラスコに、HCl(1,4-ジオキサン中、4.0 M) 5mL及びMeOH 5mL中の4-[2-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(68 mg、0.194 mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。その反応混合物を高真空ポンプで濃縮し、オフホワイト色の固形生成物1-(ピペリジン-4-イルアミノ)-3-(ピリジン-4-イルオキシ)-プロパン-2-オール 3HCl塩 69mg(98.9%)を得た。ES+ 252.41 m/z (MH+)
【0166】
密封したチューブに、乾燥DMF 4mL中のトリフルオロ-メタンスルホン酸 6-カルバモイルメチルスルファニル-5-シアノ-4-プロピル-ピリジン-2-イルエステル(66.7 mg、0.174 mmol)を加え、その後、1-(ピペリジン-4-イルアミノ)-3-(ピリジン-4-イルオキシ)-プロパン-2-オールトリヒドロクロライド塩(69 mg、0.191 mmol)及びN-N-ジイソプロピルエチルアミン(180 mg、1.39 mmol)を添加した。反応混合物を70℃で2時間攪拌した。DMFを真空下で除去した。残渣をMeOH 5mLに溶解し、その後、MeOH中の0.5M ナトリウムメトキシド溶液(1.74 mL、0.86 mmol)を添加した。反応混合物を70℃で2時間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーカラムにかけた。カラムを、MeOH/CH2Cl2中の0〜5% 2M NH3で溶出した。生成物画分を回収し、濃縮し、高真空ポンプ下で乾燥させ、表題の化合物24mg(28.5%)を明るい茶色固形生成物として得た。(TLC:Rf =0.4、MeOH/CH2Cl2中、5% 2M NH3、UV)。ES+ 485.29 m/z (MH+)
【0167】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(キノリン-4-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例17及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 535.44 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(イソキノリン-5-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例17及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 535.45 m/z (MH+)
【0168】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(キノリン-5-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例17及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 535.30 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(キノリン-6-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例17及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 535.33 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[(S)-2-ヒドロキシ-3-(キノリン-6-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例17及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 561.31 m/z (MH+)
【0169】
3-アミノ-6-{4-[(R)-2-ヒドロキシ-3-(キノリン-6-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例17及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 561.31 m/z (MH+)
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリミジン-5-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド ES+ 482.30 m/z (MH+)を、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-(6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド m/z (MH+)を、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 559.08/562.07
【0170】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-ヒドロキシ-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により、6-tert-ブトキシ-ピリジン-2-カルバルデヒド(carbaldehyde)から製造した。ES+ 497.58 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-ヒドロキシ-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により6-tert-ブトキシ-ピリジン-2-カルバルデヒドから製造した。ES+ 471.35 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-(6-クロロ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 515.49/517.49 m/z (MH+)
【0171】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 511.45 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド を、実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 484.23 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド を、実施例12及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 484.13 m/z (MH+)
【0172】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-ピリジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例12及びスキームIIに記載の方法により、2-ヒドロキシ-ピリジン-4-カルバルデヒドから製造した。ES+ 497.37 m/z (MH+)
2-ヒドロキシ-ピリジン-4-カルバルデヒドは、J. Am. Chem Soc. 1997 115、3619に記載のように、4-メチル-ピリジン-2-オールから入手可能である。
【0173】
実施例18: 3-アミノ-6-[4-(2-[3,3']ビピリジニル-6-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化50】

【0174】
乾燥DMF(15mL)及び水(3mL)中の、[2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(460 mg、1.45 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(168 mg、0.145 mmol)、炭酸カリウム(401 mg、2.90 mmol)、及びピリジン-3-ボロン酸(207 mg、1.60 mmol)のN2-パージしたサスペンジョンを密封し、85℃で18時間加熱した。反応物を水100mLでクエンチし、酢酸エチル150mLで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣を少量のDMFに溶解し、セライトプラグにかけ、SiO2クロマトグラフィ(0〜100% EtOAc/CH2Cl2、その後0〜25% MeOH/EtOAc)により精製し、(2-[3,3']ビピリジニル-6-イル-2-ヒドロキシ-エチル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル 442 mg、87.0%を得た。ES+ 316.5 m/z (MH+)。
【0175】
3-アミノ-6-[4-(2-[3,3']ビピリジニル-6-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、スキームIIに記載の方法により製造した。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-キノリン-3-イル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 608.6 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-フェニル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 557.7 m/z (MH+)
【0176】
3-アミノ-6-{4-[2-(6'-ジメチルアミノ-[3,3']ビピリジニル-6-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 601.9 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-ピリミジン-5-イル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 559.9 m/z (MH+)
3-アミノ-6-[4-(2-[3,4']ビピリジニル-6-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 558.9 m/z (MH+)
【0177】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-キノリン-8-イル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 608.9 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-イソキノリン-4-イル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例18及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 608.8 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 559.6/561.6 m/z (MH+)
【0178】
実施例19: 3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-メタンスルホニル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化51】

【0179】
乾燥DMF(4mL)及び水(1mL)中の3-アミノ-6-{4-[2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(60 mg、0.107 mmol)、(3-メチルスルホニルフェニル)ボロン酸(24 mg、0.118 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(19 mg、0.016 mmol)及び炭酸カリウム(30 mg、0.214 mmol)のN2-パージしたサスペンジョンを密封し、85℃で18時間加熱した。粗反応混合物をセライトプラグにかけ、SiO2クロマトグラフィ(0〜25% MeOH/CH2Cl2と1% NH4OH)により精製した。生成物を含む画分を貯蔵し、濃縮した。固形の黄色残渣を、DMF 1mLに溶解し、2 mm プレッププレート(Merck)に施し、10% MeOH/CH2Cl2と1% NH4OHで2回溶出した。回収した黄色残渣を水0.5ml、MeOH 2ml、CH2Cl2 10ml及びEtOAc 10mlに溶解し、ヘキサン50mlの添加により結晶化し、3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-メタンスルホニル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド生成物29.0mg、42.3%を得た。ES+ 635.1 m/z (MH+)。
【0180】
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-ヒドロキシ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 573.1 m/z (MH+)
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-メタンスルホニルアミノ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 650.2 m/z (MH+)
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-ヒドロキシメチル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 587.3 m/z (MH+)
【0181】
3-アミノ-6-(4-{2-[5-(3-アミノ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシ-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 572.4 m/z (MH+)
3-アミノ-6-(4-{2-[5-(3-ジメチルアミノ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシ-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 600.2 m/z (MH+)
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-メチルカルバモイル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 614.3 m/z (MH+)
【0182】
3-アミノ-6-(4-{2-[5-(3-ジメチルカルバモイル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシ-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 628.3 m/z (MH+)
6-(4-{2-[5-(3-アセチルアミノ-フェニル)-ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシ-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-3-アミノ-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 614.3 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-(6'-アミノ-[3,3']ビピリジニル-6-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 573.3 m/z (MH+)
3-アミノ-6-(4-{2-[5-(3-カルバモイル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-2-ヒドロキシ-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 600.3 m/z (MH+)
【0183】
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-{5-[3-(モルホリン-4-カルボニル)-フェニル]-ピリジン-2-イル}-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 670.4 m/z (MH+)
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(2-メトキシ-ピリミジン-5-イル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 589.3 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6'-メトキシ-[3,3']ビピリジニル-6-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 588.4 m/z (MH+)
【0184】
実施例20: 3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化52】

【0185】
乾燥DMF(4ml)中の3-アミノ-6-{4-[2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド(150 mg、0.268 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(153 mg、0.590 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)-CH2Cl2複合体(33 mg、0.040 mmol)及びカリウムアセテート(133 mg、1.34 mmol)のN2-パージしたサスペンジョンを、80℃で2.5時間加熱した。粗反応混合物をその後直接シリンジにより添加し、乾燥DMF(6ml)及び水(2ml)中の6-ブロモ-2-オキシインドール(65 mg、0.295 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(47 mg、0.040 mmol)及び炭酸カリウム(74 mg、0.536 mmol)のN2-パージしたサスペンジョンを室温で攪拌した。密封した混合物を85℃で4時間加熱した。粗反応物をSiO2カラムに直接施し、精製した(0〜25% MeOH/CH2Cl2とNH4OH)。所望の生成物を含有する画分を貯蔵し、濃縮した。黄色残渣をDMF 2mLに溶解し、2mmプレッププレート(Merck)にかけ、10% MeOH/CH2Cl2と1% NH4OHで溶出した。黄色生成物を最初に結晶化し、不純物をプレートに運ぶことにより除去した。回収した黄色残渣をDMF 1ml、MeOH 2ml、EtOAc 5ml及びCH2Cl2 5mlに溶解し、ヘキサン30mlを添加することにより結晶化し、3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド生成物 20.5 mg、11.9%を得た。ES+ 612.4 m/z (MH+)。
【0186】
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例20及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 612.5 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-チアゾール-2-イル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例20及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 564.4 m/z (MH+)
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-8-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+: 505.60 m/z (MH+)
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-8-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 531.64 m/z (MH+)
【0187】
実施例21: 3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化53】

【0188】
3,4-ジアミノ-安息香酸メチルエステル (2 g、12.035 mmol)をDCM 40mLに分散した。hunig's塩基(2.516 mL、14.442 mmol)を、全てが溶解するまで室温で攪拌した。その混合物に、塩化ベンゾイル(1.397 mL、12.035 mmol)を滴下して加え、室温で1時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液を反応混合物に加えた。DCMで3回抽出した。合わせた全ての有機抽出物を鹹水で洗った。Na2SO4で乾燥させた。ろ過し、真空下で溶媒を除去した。溶出混合物として10% MeOH/DCMを使用してフラッシュクロマトグラフィにより精製した。4-アミノ-3-ベンゾイルアミノ-安息香酸メチルエステルを、温酢酸エチル中ですり潰し、白色固形物1.667 g(51.2 %)を得た。
ベンズイミダゾールへの環化(Cylization)は、Tetrahedron 2001年、57 (9)、1793〜1799頁に見られる方法を使用した。
【0189】
2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(1.178 g、4.67 mmol)をTHF 20mLに溶解した。0℃に冷却し、その後LAH(886 mg、23.35 mmol)を加えた。混合物を50℃で一晩加熱した。水0.9ml、15%NaOH水溶液0.9mL、その後水3mLを加えた。室温で30分間攪拌した。セライトを通してろ過し、酢酸エチルでセライトを洗った。鹹水でろ液を洗った。Na2SO4で乾燥させた。ろ過し、真空下で溶媒を除去した。(2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-メタノール783mg(74.8%)をオフホワイトの泡状物として得た。
(2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-メタノール(783 mg、3.49 mmol)を、THF 20mLに溶解した。MnO2(3.035 g、34.91 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。セライトを通してろ過し、真空下で溶媒を除去した。2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルバルデヒド 769 mg(99.1%)を明るい黄色泡状物として得た。
【0190】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例2及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 570.57 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例21、実施例2及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 596.54 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-イソプロピル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例21、実施例2及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 562.54 m/z (MH+)
【0191】
実施例22:3-アミノ-6-[4-((R)-2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
2-クロロ-6-(R)-オキシラニル-ピリジンのエナンチオ選択的合成を、Merck and Co.、米国特許第5,561,142号、1996年10月1日に記載の方法により、6-ヒドロキシピロリン酸から出発して、(+)-DIPクロライドを使用して、89%eeで達成した。
【化54】

【0192】
2-クロロ-6-(S)-オキシラニル-ピリジンを、過塩素酸リチウムの存在下、tert-ブチル-4-アミノ-1-ピペリジン-カルボキシレートで開環した(上記スキームを参照されたい)。得られた4-[(R)-2-(6-クロロ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルを、ギ酸アンモニウム及び10%パラジウム/炭素からの水素付加を行うことにより脱塩素化を、収率70%で行った。その後、ピペリジンを、1,4-ジオキサン/メタノール中のHClでの処理により、前記のように定量的収率において脱保護した。3-アミノ-6-[4-((R)-2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド 95.0%ee、Mp:165〜167℃を、スキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 481 m/z (MH+)
【0193】
3-アミノ-6-[4-((S)-2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド95.4%ee、Mp:165〜167℃を、実施例22及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 481 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[(S)-2-(6-クロロ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例22及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 489.56 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[(R)-2-(6-クロロ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例22及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 489.54 m/z (MH+)
【0194】
3-アミノ-6-{4-[(S)-2-(6-クロロ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド アミドを、実施例22及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 515.37/517.37 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[(R)-2-(6-クロロ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド アミドを、実施例22及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 515.33/517.33 m/z (MH+)
【0195】
実施例23: 3-アミノ-6-{4-[(R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド
【化55】

【0196】
2-メチル-6-オキシラニル-ピリジン(9.49 g、70.29 mmol)を、CH3CN 50mLに溶解した。ここに、アジ化ナトリウム(5.53 g、85.00 mmol)及び過塩素酸リチウム(9.043 g、85.00 mmol)を加えた。混合物を一晩攪拌した。LC-MS分析は、完全な反応を示した。混合物を粘稠な油に濃縮した。CH2Cl2に溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(20% EtOAc/ヘキサン)、2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノール5.00gを得た。
トルエン200mLに2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノール(4.300 g、24.130 mmol)を溶解した。ここに、酢酸ビニル(9.22 mL、100.00 mmol)及びリパーゼ PS-C II(4.00 g)を加えた。混合物を4.5時間室温で攪拌し、1H NMRによりモニターした。反応混合物をセライト床を通してろ過し、トルエン100mLですすいだ。ろ液を真空下で濃縮した。CH2Cl2に残渣を溶解し、SiO2カラムに施し、精製し(5〜30% EtOAc/ヘキサン)、酢酸(R)-2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルエステル2.20g及び(S)-2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノール2.11を、ee% >99で得た。
【0197】
酢酸(R)-2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルエステル(2.20 g、9.90 mmol)をMeOH 50mLに溶解した。ここに、K2CO3(1.50 g)を加え、不均一な混合物を2時間攪拌した。LC-MS分析は、反応の完了を示した。混合物を濃縮し、H2O 100mLを加えた。混合物をCH2Cl2 100mLで2回抽出し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、(R)-2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノール 1.78gを得た。ee% >99。
Ar下、EtOH 100mLに10% Pd/C(0.50g)を懸濁させた。ここに、(R)-2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノール(3.57 g、20.74 mmol)を加えた。反応物をH2圧下、12時間置いた。LC-MS分析は、いくらかアジドが残存していることを示した。H2圧を再装填し、さらに12時間攪拌した。LC-MS分析は、反応の完了を示した。混合物を、セライト床を通して濾過した。セライトをEtOH 100mLですすいだ。ろ液を濃縮し、(R)-2-アミノ-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノール 2.99gを得た。
【0198】
3-アミノ-6-{4-[(S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例6及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 495.54 m/z (MH+)
3-アミノ-6-{4-[(S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、(S)-2-アジド-1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エタノールから、実施例6及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 495.24 m/z (MH+)
【化56】

【0199】
3-アミノ-6-{4-[2-(2-ベンジル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例21、実施例2及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 610.5 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[5-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-ピリジン-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例20及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 608.4 m/z (MH+)。ES+ 561.4 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-フェニル-ピリジン-3-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 557.5 m/z (MH+)。
【0200】
3-アミノ-6-[4-(2-[2,3']ビピリジニル-5-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 558.5 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-ピリミジン-5-イル-ピリジン-3-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 559.5 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[6-(2-メトキシ-ピリミジン-5-イル)-ピリジン-3-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 589.5 m/z (MH+)。
【0201】
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6'-メトキシ-[2,3']ビピリジニル-5-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 588.5 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-キノリン-8-イル-ピリジン-3-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例19及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 608.4 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-{4-[2-(6-ブロモ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例8及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 608.4 m/z (MH+)。ES+ 559.3/561.3 m/z (MH+)。
【0202】
3-アミノ-6-{4-[2-(6-カルバモイルメチルスルファニル-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドは、前記実施例の副生成物であった。ES+ 570.5 m/z (MH+)。
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミドを、実施例1及びスキームIIに記載の方法により製造した。ES+ 511.3 m/z (MH+)。
【0203】
生物学的特性の評価
本発明の化合物によるIKKα及びIKKβの阻害を、それぞれのキナーゼによるIκBα基質のリン酸化を測定する以下の分析により測定した。分析に使用する酵素は、ヒトIKKβ又はIKKαのN-末端フラグタグバージョン(flag-tagged versions)であり、基質はIκBα(アミノ酸1〜54)を有するGST融合タンパクであった。
反応混合物(60μl)は、20mM HEPES pH 7.5、10 mM MgCl2、2 mM MnCl2、100 mM NaCl、100 μM Na3VO4、20 mM β-グリセロホスフェート、1 mM DTT、 2% DMSO、250 nM ATP、0.4 nM [33P]ATP (特異的活性、3000 Ci/mmol)、IκBα基質、IKK酵素及び試験化合物を含んでいた。反応混合物は、3.6 μg/ml IKKα及び245 μg/ml IκBα又は0.9 μg/ml IKKβ及び53μg/ml IκBαのいずれかを含んでいた。
【0204】
反応は、IκBα基質及びATPの溶液を、IKK酵素を含むポリプロピレンプレートであって、試験化合物と5分間プレインキュベートしたものに添加することにより開始した。その後、反応混合物を25℃で1時間インキュベートし、氷上に置き、10% トリクロロ酢酸 150μl及び5%ピロリン酸二ナトリウムの添加によりクエンチした。混合後、クエンチした反応混合物の全内容物を予め湿らせたPackard UniFilter濾過プレートに移し、吸引し、Packard Filtermate Harvesterを使用して、ddH2O 250μlで6回洗った。濾過プレートをその後風乾し、Microscint 20シンチレーション液 40μlを補い、33P-標識反応生成物を、Packard TopCountシンチレーションカウンターを使用して定量化した。
【0205】
化合物は、3倍連続希釈において試験し、酵素活性の50%阻害(即ち、IC50)を達成するインヒビター濃度を、SASソフトウエア(SAS Institute、Cary NC)を使用して、用量反応曲線から誘導した。ヒル式をベースとした非直線回帰分析を、濃度データに対する阻害パーセントに応用した。全ての場合において、化合物濃度をHPLCにより検証した。
本発明の詳細な説明における表中の化合物は、IKKβ阻害に関する分析において全て評価し、そのIC50は約1μM以下であった。
化合物は、IKKα阻害に関する分析において全て評価し、そのIC50は約20μM以下であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体又はそれら異性体の混合物:
【化1】

{式中、R1は、
(a) フェニル又はフラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル及びベンゾフラニルから選ばれるヘテロアリール(1〜2のR4で置換されていてもよい)、
(b) 1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルから選ばれる複素環(C1-6アルキル、-CO2C1-5アルキル、フェニル、ベンジル、-OH及び-C(O)ヘテロアリールから選ばれる1〜2の基で置換されていてもよく、ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピリジル及びピロリルから選ばれる)、
(c) R7(CH2)mO-、
(d) R7OCH2-、
(e) R7(CH2)mNH-、
(f) R7(CH2)p(CH=CH)m-、
(g) C1-6アルキル(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよく、また1〜2のR8で置換されていてもよい)、
(h) C1-8アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよく、また1〜2のR8で置換されていてもよい)、
(i) C1-8アルキルS(O)n-(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよく、また1〜2のR8で置換されていてもよい)、
(j) -N(R5)(R6)、又は
(k) -C(O)NHR'(R'は、R7、ピリジル又は-CH3である)であり;
R2は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニルからなる群より選ばれるヘテロアリールであり(1〜3のR4で置換されていてもよい);
R3は、-OH又は-Hであり;
R4は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(R5)(R6)、フェニル(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)及びR9から選ばれ;
R5及びR6は、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ;
R7は、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7は、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
R8は、オキソ、-OH、-NR4R5、-CO2H及びC1-6アルコキシから選ばれ;
R9は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニル及びメチルイミジゾリル、カルバノメチルスルファニル、メトキシピペリジニル、メトキシピリジニル、ブロモピリジニル及びメトキシピリミジニルからなる群より選ばれるヘテロアリールであり;
mは、0又は1であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1、2又は3であり;
Zは、結合又は-O-CH2-である}。
【請求項2】
式中、R1が、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -C2-3アルキルOH、
(d) -CF3
(e) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(f) -OC2-3アルキルOH、
(g) -C1-6アルキルチオ、又は
(h) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
R2が、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、 チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、 ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びナフチリジニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3が、-OH又は-Hであり;
R4が、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)、-NHC(O)NHC1-6アルキル、-C(O)N(R5)(R6)、フェニル(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN又はC1-6アルコキシで置換されていてもよい)、及びR9から選ばれるヘテロアリールから選ばれ;
R5及びR6が、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ;
R7が、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていいてもよい)であるか、又はR7が、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
R9が、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニル及びメチルイミジゾリル、カルバノメチルスルファニル、メトキシピペリジニル、メトキシピリジニル、ブロモピリジニル及びメトキシピリミジニルからなる群より選ばれるヘテロアリールであり;
nが、0、1又は2であり;
Zが、結合又は-O-CH2-である、請求項1に記載の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体又はそれらの異性体の混合物。
【請求項3】
式中、R1が、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -CF3
(d) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(e) -C1-6アルキルチオ、又は
(f) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
R2が、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、 チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、 ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びナフチリジニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3が、-OHであり;
R4が、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6が、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル、フェニルエチル及び(CH3)3COC(O)-から選ばれ;
R7が、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7が、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
nが、0、1又は2であり;
Zが、結合又は-O-CH2-である、請求項1に記載の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体又はそれらの異性体の混合物。
【請求項4】
式中、R1が、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -CF3
(d) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(e) -C1-6アルキルチオ、又は
(f) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
R2が、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル及びイソキノリニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3が、-OHであり;
R4が、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6が、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル及びフェニルエチルから選ばれ;
R7が、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7が、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
nが、0、1又は2であり;
Zが、結合又は-O-CH2-である、請求項1に記載の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体又はそれらの異性体の混合物。
【請求項5】
式中、R1が、
(a) R7(CH=CH)-、
(b) C1-6アルキル、
(c) -CF3
(d) -C1-6アルコキシ(部分的又は全体的にハロゲン化されていてもよい)、
(e) -C1-6アルキルチオ、又は
(f) -C(O)NHR'(R'は、R6、ピリジル又は-CH3である)であり;
R2が、3-チエニル、2-チアゾリル、2-イミダゾリル、2-、3-及び4-ピリジニル、4-ピリミジニル、2-ピラジニル、2-インドリル、2-ベンゾチエニル、2-ベンズイミダゾリル、2-ベンズチアゾリル、2-、3-、4-及び6-キノリニル及び1-及び3-イソキノリニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3が、-OHであり;
R4が、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6が、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル及びフェニルエチルから選ばれ;
R7が、フェニル基(ハロゲン、C1-6アルキル、-CN、-CO2C1-6アルキル、-C(O)NR5R6、-SO2NH2、-NO2、-OH、-NH2、-CF3及びC1-6アルコキシから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい)であるか、又はR7が、C3-6シクロアルキル、-CH2OH、ナフタレン-2-イル、ナフタレン-1-イル、ピリジル又はチエニルであり;
nが、0、1又は2であり;
Zが、結合又は-O-CH2-である、請求項1に記載の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体又はそれらの異性体の混合物。
【請求項6】
式中、R1が、
(a) C1-3アルキル、
(b) -CF3、又は
(c) OCH2CF3であり;
R2が、3-チエニル、2-チアゾリル、2-イミダゾリル、2-、3-及び4-ピリジニル、4-ピリミジニル、2-ピラジニル、2-インドリル、2-ベンゾチエニル、2-ベンズイミダゾリル、2-ベンズチアゾリル、2-、3-、4-及び6-キノリニル及び1-及び3-イソキノリニルからなる群より選ばれるヘテロアリール(1〜3のR4で置換されていてもよい)であり;
R3が、-OHであり;
R4が、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロゲン、-CN、-CO2H、-CO2C1-6アルキル、-S(O)nC1-6アルキル、-S(O)n-p-トリル、-NO2、-OH、-CF3、-N(R5)(R6)及び-C(O)N(R5)(R6)から選ばれ;
R5及びR6が、独立して、H、C1-6アルキル、-C(O)C1-6アルキル、-SO2C1-6アルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピペリジニル及びフェニルエチルから選ばれ;
nが、0、1又は2であり;
Zが、結合である、請求項1に記載の化合物、医薬的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、個々の異性体又はそれら異性体の混合物。
【請求項7】
以下のものからなる群より選ばれる化合物:
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-1-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-イソキノリン-1-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピラジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピラジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-イソプロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-4-シクロプロピル-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-4-エチル-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-チオフェン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-チアゾール-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ベンゾチアゾール-2-イル-2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-インドール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1H-イミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-(2,3-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-(4-{2-ヒドロキシ-2-[4-フェニル-1-(2-トリメチルシラニル-エトキシメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]-エチルアミノ}-ピペリジン-1-イル)-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-ピリジン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-(5-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-(5-ベンジルカルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-(6-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-(6-カルバモイル-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(5-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(2-メチルスルファニル-ピリミジン-4-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)-エチルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-6-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-[4-(2-ヒドロキシ-2-キノリン-6-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-4-プロピル-6-[4-(2-ピリジン-2-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-4-プロピル-6-[4-(2-ピリジン-3-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-4-プロピル-6-[4-(2-ピリジン-4-イル-エチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(キノリン-4-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(イソキノリン-5-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(キノリン-5-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[2-ヒドロキシ-3-(キノリン-6-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-プロピル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド;
3-アミノ-6-{4-[(S)-2-ヒドロキシ-3-(キノリン-6-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド; 及び
3-アミノ-6-{4-[(R)-2-ヒドロキシ-3-(キノリン-6-イルオキシ)-プロピルアミノ]-ピペリジン-1-イル}-4-トリフルオロメチル-チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸アミド。
【請求項8】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項9】
炎症又は自己免疫疾患状態の治療方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物をそのような治療を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
炎症又は自己免疫疾患又は状態が、変形性関節炎、再潅流傷害、喘息、多発性硬化症、ギランバレー症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、アルツハイマー病、毒素性ショック症候群、インシュリン依存性糖尿病、急性及び慢性の疼痛、熱的傷害、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、損傷に対する二次的な多臓器傷害、急性糸球体腎炎、急性炎症性コンポーネントを伴う皮膚炎、急性化膿性髄膜炎又は他の中枢神経系疾患、バセドウ氏病、重症筋無力症、強皮症及びアトピー性皮膚炎からなるリストから選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
炎症又は自己免疫疾患が、変形性関節炎、慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)から選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞及び卒中の治療方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物をそのような治療を必要とする患者に投与することを含む前記方法。
【請求項13】
リンパ性、骨髄球性、及び上皮性誘導性の悪性腫瘍、白血病、リンパ腫、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、肺癌及び膵臓癌から選ばれる癌の治療方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物をそのような治療を必要とする患者に投与することを含む前記方法。
【請求項14】
一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【化2】

(式中、R1、R2、R3及びZは、請求項1に定義したとおりである)
還元アミノ化条件下、一般式IIの化合物を一般式IIIのアミンと反応させ、所望の一般式Iの化合物を提供する前記方法。
【化3】

【請求項15】
一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【化4】

(式中、R1、R2、R3及びZは、請求項1に定義したとおりである)
一般式IVの化合物(式中Xは遊離基である)を、一般式Vの化合物と、好適な塩基の存在下で反応させ、所望の一般式Iの化合物を提供する前記方法。
【化5】


【公表番号】特表2007−513187(P2007−513187A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542877(P2006−542877)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040888
【国際公開番号】WO2005/056562
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(500091335)ベーリンガー インゲルハイム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (55)
【Fターム(参考)】