IL−17相同的ポリペプチドとその治療上の用途

【課題】ヒトを含む、哺乳動物における免疫関連疾患の診断及び治療にとって有用な組成物及び方法の提供。
【解決手段】ヒトIL−17及びIL−17レセプターの新規の相同的ポリペプチド及びこれらペプチドをコードする核酸分子を対象としている。また、ここにおいて提供されるのは、これら核酸配列を含んでなるベクター及び宿主細胞、異種ポリペプチド配列に融合したポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド分子、ポリペプチドと結合する抗体、並びにポリペプチドを製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、ここで「PRO」ポリペプチドと命名したインターロイキン-17及びインターロイキン-17レセプタータンパク質に対して配列同一性を有する新規なポリペプチドの組み換え法による生産、並びに新規なDNAの同定と単離に関する。
【0002】
細胞外タンパク質は、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には、他の細胞及び/又は直接の環境から受け取る情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが、次に多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。これらの分泌ポリペプチド又はシグナル分子は、通常は細胞分泌経路を通過して、細胞外環境におけるその作用部位に到達する。
分泌タンパク質は、製薬、診断、バイオセンサー及びバイオリアクターを含む、様々な産業上の利用性を有している。血栓溶解剤、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、コロニー刺激因子、及び種々の他のサイトカインのような、現在入手可能な大抵のタンパク質薬物は分泌タンパク質である。これらのレセプターは、膜タンパク質であり、治療又は診断用薬としての可能性をも有している。
【0003】
膜結合タンパク質及びレセプターは、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は直接の環境から受け取られる情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが次に多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。このような膜結合タンパク質及び細胞レセプターは、これらに限定されるものではないが、サイトカインレセプター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞-細胞間相互作用に関与するレセプター、及びセレクチン及びインテグリンのような細胞接着分子を含む。例えば、細胞の増殖及び分化を調節するシグナルの伝達は、様々な細胞タンパク質のリン酸化により部分的に調節される。そのプロセスを触媒する酵素であるプロテインチロシンキナーゼはまた成長因子レセプターとしても作用する。例えば、繊維芽細胞増殖因子及び神経成長因子レセプターが含まれる。
膜結合タンパク質及びレセプター分子は、製薬及び診断薬を含む、様々な産業上の利用性を有している。例えば、レセプターイムノアドヘシンはレセプター-リガンド間相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜結合タンパク質はまた、関連するレセプター/リガンド間相互作用の可能性のあるペプチド又は小分子インヒビターをスクリーニングするために使用することもできる。
【0004】
新規な天然の分泌及び膜結合レセプタータンパク質を同定するための努力が産業界と学術界の両方によってなされている。多くの努力が新規な分泌及び膜結合レセプタータンパク質に対するコード化配列を同定するために哺乳動物の組換えDNAライブラリをスクリーニングすることに注がれている。スクリーニング方法及び技術の例は文献に記載されている[例えば、Kleinら, Proc.Natl.Acad.Sci., 93:7108-7113 (1996);米国特許5,536,637を参照されたい]。
この点から、本発明は、免疫媒介及び炎症疾患に関連することが示されているインターロイキン-17(IL-17)のレセプター及び新規分泌ポリペプチドに関する。免疫関連及び炎症疾患は、完全な複合現象の症状又は結果であり、これらの殆どは複合的に関連した生物学的経路であり、正常な生理機能において、発作又は損傷へ応答すること、発作又は損傷からの回復を開始すること、並びに外来生物に対する先天性及び後天性の防御を増すことにおいて絶対不可欠である。疾患や病理現象は、これら正常な生理学的経路が付加的発作や損傷を、応答の強度と直接に関連しているものとして、異常な制御又は過度の刺激の結果として、自己への反応として、又はこれらの組み合わせの何れかとして生じせしめる場合に起こる。
これら疾患の起源には、殆どにおいて多段階経路及び複数の異なった生物学的系/経路が関与しているが、これらの一つ又は複数の経路の重要なポイントでの介入は、改善的又は治療的効果をもたらすことができる。治療的介入は、有害なプロセス/経路の拮抗作用又は有益なプロセス/経路の刺激の何れかによって生じることができる。
【0005】
多くの免疫関連疾患は知られていて、広く研究されてきた。このような疾患には、免疫媒介炎症疾患(例えば、リウマチ様関節炎、免疫媒介腎疾患、肝胆道疾患、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬、及び喘息)、非免疫媒介炎症疾患、感染症、免疫不全症、腫瘍症などが含まれる。
Tリンパ球(T細胞)は、哺乳動物の免疫応答の重要な構成物である。T細胞は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域中の遺伝子によってコードされている自己分子と結合する抗原を認識する。該抗原は、MHC分子とともに抗原提示細胞、ウイルス感染細胞、癌細胞、移植片などの表面に表示されうる。T細胞系は、宿主哺乳動物の健康へ脅威を与えるこれら改変細胞を除去する。T細胞には、ヘルパーT細胞と細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)が含まれる。ヘルパーT細胞は、抗原表示細胞上の抗原-MHC複合体の認識の後に大々的に増殖する。また、ヘルパーT細胞は、種々のサイトカイン、すなわちB細胞、細胞傷害性T細胞及び免疫応答に関与する種々の他の細胞の活性化において中心的な役割を担うリンフォカインを分泌する。
体液性及び細胞性免疫応答の双方における中心的現象は、ヘルパーT細胞の活性化とクローン性増殖である。ヘルパーT細胞活性化は、抗原表示細胞の表面におけるT細胞レセプター(TCR)-CD3複合体と抗原-MHCの相互作用によってはじまる。該相互作用は、生成ヘルパーT細胞が細胞周期(G0からG1への移行)へ入ること、並びにIL-2及び時にはIL-4のための高親和性レセプターの発現が生じることを含む、生化学現象のカスケードを媒介する。活性化T細胞は、記憶細胞(免疫記憶細胞,メモリー細胞)又はエフェクター細胞へ増殖及び分化する周期を通して発達する。
【0006】
TCRを通して媒介されるシグナルに加えて、T細胞の活性化には、抗原提示細胞によって、或いは抗原提示細胞上の膜結合分子とT細胞の相互作用を通してのサイトカイン放出によって誘導される付加的な共刺激が含まれる。サイトカインIL-1及びIL-6が、共刺激のシグナルを示すことが示されている。また、抗原提示細胞の表面に発現するB7分子とT細胞表面に発現するCD28及びCTL-4分子の間の相互作用は、T細胞活性化に作用する。活性化T細胞は、かなりの量のICAM-1、インテグリン、VLA-4、LFA-1、CD56等の細胞接着分子を発現する。
リンパ球混合培養又は混合リンパ球培養反応(MLR)におけるT細胞増殖は、免疫系を刺激する化合物の能力の定着した指標である。多くの免疫応答では、炎症細胞は損傷又は感染の部分へ浸潤する。この遊走細胞は、感染組織の組織学的検査によって判定することができる好中球、好酸球、単球又はリンパ球性の細胞でありうる。Current Protocols in Immunology, John E. Coliganら編,1994, John Wiley & Sons, Inc.
【0007】
免疫関連疾患は、免疫応答を抑制することで治療することができる。免疫刺激活性を有する分子を阻害する中和抗体を用いることは、免疫媒介及び炎症疾患の治療において有益である。免疫応答を阻害する分子は、免疫応答を阻害するのに利用することが可能であり(直接に、或いは抗体アゴニストの利用を経由するタンパク質)、それ故に免疫関連疾患を改善する。
インターロイキン-17(IL-17)は、Tリンパ指向性ヘルペスウイルスサイミリによってコードされているタンパク質の細胞類似物として同定されている[Rouvierら, J. Immunol., 150(12): 5445-5466(19993);Yanoら, J. Immunol., 122(12): 5483-5486(1995)及びYanoら, Immunity, 3(6): 811-821(1995)を参照]。後のキャラクタリゼーションでは、このタンパク質が、末梢組織での広範にわたる炎症誘発性の応答を誘導する有力ななサイトカインであることが示されている。IL-17は、CD4活性化記憶T細胞によってのみ合成及び分泌される約32kDaのホモ二量体のサイトカインである(Fossiezら., Int. Rev. Immunol., 16: 541-551[1998]にて概説)。
【0008】
限定された組織分布にもかかわらず、IL-17は種々の型の細胞に対してpletropicな生物活性を示す。IL-17は、多くのサイトカインの生産を刺激することが見出されている。それは、繊維芽細胞、ケラチノサイト、上皮及び内皮細胞のような接着細胞によってIL-6、IL-8、プロスタグランジンE2、MCP-1及びG-CSFの分泌を誘導する。また、IL-17は、ICAM-1の表層での発現、T細胞の増殖、並びにCD34ヒト前駆体の好中球への成長及び分化を誘導する能力がある。IL-17は、骨代謝にも関係しており、リウマチ様関節炎及び骨移植片のルースニングなどの活性化T細胞及びTNF-α生成の存在によって特徴付けられる病理学的症状において重要な役割を担うことが示唆されている(Van Bezooijenら., J. Bone Miner. Res., 14: 1513-1521[1999])。リウマチ様関節炎患者に由来する滑膜組織の活性化T細胞が、正常な個人又は変形関節炎患者に由来する滑膜組織の活性化T細胞よりもより多量のIL-17を分泌することが見出された(Chabaudら., Arthritis Rheum., 42: 963-970[1999])。このことは、この炎症誘発性のサイトカインが、リウマチ様関節炎の滑膜炎症へ活発に貢献することを示唆している。その炎症誘発性の作用を別にして、さらに他の機構によって、IL-17はリウマチ様関節炎の病理の一因となっていると思われる。例えば、IL-17が、骨芽細胞において破骨細胞分化因子(ODF)mRNAの発現を誘導することが示されている(Kotakeら., J. Clin. Invest., 103: 1345-1352[1999])。ODFは、骨吸収に関与している細胞である、破骨細胞への前駆細胞の分化を刺激する。リウマチ様関節炎患者の滑膜において、IL-17のレベルが顕著に増加することから、IL-17の誘導による破骨細胞の形成が、リウマチ様関節炎における骨吸収で重要な役割を担うと思われる。また、IL-17は、多発性硬化症のような特定の他の自己免疫疾患において重要な役割を担うものと考えられている(Matuseviciusら., Mult. Scler., 5: 101-104[1999])。IL-17が更に、細胞内シグナル伝達によって、ヒトマクロファージにおけるCa2流入及び[cAMP]の減少を刺激することが示されている(Jovanovicら., J. Immunol., 160: 3513[1998])。IL-17で処理された繊維芽細胞は、NF-κBの活性化を誘導し[Yanoら., Immunity, 3: 811(1995), Jovanovicら., 上掲]、一方では、IL-17で処理されたマクロファージはNF-κB及びマイトジェン活性化タンパク質キナーゼを活性化する(Shalom-Barekら., J. Biol. Chem., 273: 27467[1998])。
【0009】
さらには、IL-17は、また、骨及び軟骨の成長に関わる哺乳類のサイトカイン様因子7との配列類似性を共有する。IL-17ポリペプチドが配列類似性を共有する他のタンパク質には、ヒト胎児由来インターロイキン関連因子(EDIRF)及びインターロイキン-20がある。
IL-17の幅広い作用と呼応し、IL-17に対する細胞表面レセプターが多くの組織及び細胞型において広く発現していることが見出されている(Yanoら., Cytokine, 9: 794[1997])。ヒトIL-17レセプター(IL-R)(866アミノ酸)のアミノ酸配列から、一本鎖の膜貫通ドメイン並びに525アミノ酸長の細胞内ドメインを有するタンパク質を予測できるが、このレセプター配列は独特であり、サイトカイン/成長因子レセプターファミリーのどのレセプターに対しても類似していない。IL-17そのものが他の既知のタンパク質との類似性を欠くことと相まって、このことは、IL-17及びそのレセプターが、シグナルタンパク質及びレセプターの新規なファミリーの一部であろうことを示す。これまでの研究では、T細胞とIL-17レセプターポリペプチドの可溶性型を接触させることが、PHA、コンカナバリンA及び抗-TCRモノクローナル抗体によって誘導されるT細胞増殖及びIL-2生成を阻害することを示しており、IL-17活性が、それに対する独特な細胞表面レセプターへの結合を通して媒介されることが示されている(Yanoら., J. Immunol., 155: 5483-5486[1995])。よって、既知のサイトカインレセプター、特にIL-17レセプターに対して相同性を有する新規ポリペプチドを同定してキャラクタリゼーションすることに多大な関心が寄せられている。
【0010】
最近、我々は、IL-17に明らかに関連するIL-17B及びIL-17Cと称する二つの新しいタンパク質を同定し、IL-17様分子のファミリーが存在することを明らかにした(Liら., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 97(2): 773-778[2000])。興味あることに、これらがIL-17レセプターに対するリガンドとは思われず、このことは、これら因子に対する同族のレセプターとして作用する他の分子が存在することを示唆している。IL-17がリウマチ様関節炎、免疫媒介腎疾患、肝胆道疾患、炎症性腸疾患、乾癬、喘息、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、腫瘍成長の促進、又は変形性関節疾患を含む、免疫機能に関連する数々の重要な病状の一因となり得ることが明らかになるにつれて、このファミリーの分子に対する関心は増している。IL-17に関連する分子の潜在力が、免疫機能のコントロールにおける重要な役割を占めると仮定すると、このファミリーの他のメンバー、並びに特定の標的細胞集団を通してこれら分子の作用を方向づけるレセプターを同定することは興味あることである。この関点から、本発明は、IL-17に対してアミノ酸配列が類似している新規なポリペプチド(「PRO」ポリペプチドとここでは命名)のクローニング及びキャラクタリゼーション、その活性変異体、並びに新規IL-17タンパク質リガンドと相互作用することが示されている新規インターロイキンレセプター分子について記載する。
【0011】
(発明の概要)
A.実施態様
本発明は、ヒトを含む、哺乳動物における免疫関連疾患の診断及び治療にとって有用な組成物及び方法に関する。本発明は、哺乳動物の免疫応答を刺激又は阻害するタンパク質(アゴニスト及びアンタゴニスト抗体)の同定に基づいている。免疫関連疾患は、免疫応答を抑制又は高めることによって治療することができる。免疫応答を高める分子は、抗原に対する免疫応答を刺激又は増強する。免疫応答の向上が有益である場合には、免疫応答を刺激する分子は治療的に用いることができる。あるいは、免疫応答の緩和が有益である場合には(例えば炎症)、抗原に対する免疫応答を和らげる又は減じる免疫応答を抑制する分子(例えば中和抗体)を治療的に用いることができる。従って、本発明のPROポリペプチド、並びにそのアゴニスト及びアンタゴニストもまた、免疫関連及び炎症疾患の治療ののための医薬及び薬剤を調製するために有用である。特別な側面では、そのような医薬及び薬剤は、製薬的に許容可能な担体を有するPROポリペプチド、アゴニスト又はそのアンタゴニストの治療的有効量を含む。好ましくは、混合物は無菌である。
更なる実施態様では、本発明では、PROポリペプチドと候補化合物を接触させ、前記PROポリペプチドによって媒介される生物活性をモニタリングすることを含む、PROポリペプチドのアゴニスト又はPROポリペプチドに対するアンタゴニストを同定する方法に関する。好ましくは、PROポリペプチドは、天然配列PROポリペプチドである。特別な側面では、PROアゴニスト又はアンタゴニストは、抗-PRO抗体である。
【0012】
その他の側面では、本発明は、PROポリペプチド、或いは担体又は賦形剤との混合物中のポリペプチドと結合するアゴニスト又はアンタゴニスト抗体を含んでなる組成物に関する。一側面では、組成物が免疫刺激分子を含む場合には、(a)それを必要とする哺乳動物の組織への炎症細胞の浸潤を高めること、(b)それを必要とする哺乳動物での免疫応答を刺激又は高めること、(c)抗原に対する応答において、それを必要とする哺乳動物でのTリンパ球の増殖を増加させること、(e)血管透過性を増加させることのために、この組成物は有用である。更なる側面では、この組成物が免疫阻害分子を含む場合には、(a)それを必要とする哺乳動物の組織への炎症細胞の浸潤を低下させること、(b)それを必要とする哺乳動物での免疫応答を阻害又は減じること、(c)Tリンパ球の活性を低下させること、或いは(d)抗原対する応答において、それを必要とする哺乳動物でのTリンパ球の増殖を低下させることのために、この組成物は有用である。その他の側面では、この組成物は更に活性成分を含み、それは、例えば、更なる抗体、或いは細胞毒性又は化学療法剤であってもよい。好ましくは、この組成物は無菌である。
【0013】
その他の実施態様では、本発明は、治療を必要とする哺乳動物における免疫関連疾患を治療する方法に関する。この方法は、PROポリペプチド、そのアゴニスト、又はそれに対するアンタゴニストの治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含んでなる。好ましい側面では、免疫関連疾患は、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、変形関節炎、若年型慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症、特発性炎症性筋疾患、シェーグレン症候群、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、糖尿病、免疫媒介腎疾患、中枢及び末梢神経系の脱髄疾患例えば多発性硬化症、特発性脱髄多発神経障害又はギラン・バレー症候群、及び慢性炎症性脱髄性多発神経障害、肝胆道疾患例えば感染性、自己免疫性慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変 、肉芽腫性肝炎、及び硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、グルテン過敏性腸疾患、及びウィップル病、 水疱性皮膚病を含む自己免疫性又は免疫媒介皮膚疾患、多形滲出性紅斑及び接触性皮膚炎、乾癬 、アレルギー性疾患例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症及び蕁麻疹、肺の免疫疾患例えば好酸球性肺炎、特発性肺線維症及び過敏性肺炎、拒絶反応及び移植片対宿主病を含む移植関連疾患から成る群から選択される。
【0014】
その他の実施態様では、本発明は、上記又は下記に記載のポリペプチドの何れかに特異的に結合する抗体を提供する。随意的には、この抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体断片又は一本鎖抗体である。一側面では、本発明は、PROポリペプチドと結合する単離された抗体に関する。その他の側面では、抗体はPROポリペプチド(アゴニスト抗体)の活性を模倣するか、或いは逆に抗体はPROポリペプチド(アンタゴニスト抗体)の活性を阻害又は中和する。その他の側面では、この抗体はモノクローナル抗体であり、それは好ましくは非ヒトの相補性決定領域(CDR)及びヒトフレームワーク領域(FR)残基を有する。抗体はラベル化されてもよいし、固体支持体へ固定されてもよい。更なる側面では、抗体は抗体断片、モノクローナル抗体、一本鎖抗体、又は抗-イディオタイプ抗体である。
更なるその他の実施態様では、本発明は、製薬的に許容可能な担体との混合物である抗-PRO抗体を含んでなる組成物を提供する。一側面では、この組成物は治療的に有効量の抗体を含む。好ましくは、この組成物は無菌である。この組成物は、液体である製薬的製剤の形で投与され、それは貯蔵安定性を完遂できるように保存されてもよい。あるいは、この抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である。
【0015】
またさらなる実施態様において、本発明は:
(a)PROポリペプチド又はアゴニスト、アンタゴニスト、或いはその前記ポリペプチドと特異的に結合する抗体;
(b)前記組成物を収容する容器;並びに
(c)前記容器に添付されるラベル、又は免疫関連疾患の治療における前記PROポリペプチド又はアゴニスト又はそのアンタゴニストの使用を記した前記製薬品に含まれる包装挿入物を含んでなる製造品に関する。この組成物は、PROポリペプチド、或いはアゴニスト又はそのアンタゴニストの治療的有効量を含みうる。
その他の実施態様では、本発明は、(a)哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料、並びに(b)同じ細胞型の既知の正常組織細胞のコントロール試料からPROポリペプチドをコードする遺伝子の発現のレベルを検出することを含んでなる、哺乳動物における免疫関連疾患を診断する方法に関する。この方法では、コントロール試料と比較して試験試料でのより高い又は低い発現レベルが、試験組織細胞が得られた哺乳動物における免疫関連疾患の存在を示す。
【0016】
その他の実施態様では、本発明は、試験試料において、(a)哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料と抗-PRO抗体を接触せしめ、並びに(b)この抗体とPROポリペプチド間の複合体の形成を検出することを含んでなる、哺乳動物における免疫疾患を診断する方法に関する。この方法では、前記複合体の形成が、前記疾患の存在の有無を示す。検出は定性的又は定量的であってもよく、同じ細胞型の既知の正常組織細胞のコントロール試料における複合体の形成のモニターリングと比較して行われる。試験試料における多量の形成された複合体は、試験組織細胞が得られた哺乳動物における免疫疾患の存在の有無を示す。抗体は、好ましくは検出可能なラベルを有する。複合体の形成は、例えば、光学顕微鏡、フローサイトメトリー、蛍光定量法、或いは当該分野で知られている他の技術によってモニターすることができる。試験試料は、通常は、免疫系に欠損又は異常を有する個人から得られる。その他の実施態様では、本発明は、PROポリペプチドを含有すると思われる細胞の試験試料を抗-PRO抗体へ曝露し、前記抗体の前記細胞試料への結合を測定することを含んでなる、試料中のPROポリペプチドの存在を測定する方法を示す。特別な側面では、この試料はPROポリペプチドを含有すると思われる細胞を含み、抗体は細胞へ結合する。この抗体は、好ましくは検出可能にラベルされていて並びに/又は固体支持体へ結合している。
【0017】
その他の実施態様では、本発明は、抗-PRO抗体並びに適切な包装体に含まれる担体を含んでなる、免疫関連疾患診断用キットに関する。このキットは、好ましくは、PROポリペプチドを検出するために抗体を用いるための指示書を含む。好ましくは、この担体は製薬的に許容可能である。
その他の実施態様では、本発明は、適切な包装体に含まれる抗-PRO抗体を含有する診断用キットに関する。このキットは、好ましくは、この抗体をPROポリペプチドを検出するために用いるための指示書を含む。
その他の実施態様では、本発明は、哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料におけるPROポリペプチドの存在有無を検出することを含む、哺乳動物における免疫関連疾患を診断する方法を示し、その方法では、前記試験試料におけるPROポリペプチドの存否を検出することが、前記哺乳動物における免疫関連疾患の存在を示す。
その他の実施態様では、本発明は:
(a)通常は、PROポリペプチドによって誘導される細胞応答の誘導のために適した条件下でスクリーニングされる試験化合物と細胞を接触させること;並びに
(b)前記細胞応答が有効アゴニストである前記試験化合物の徴候である場合に、試験化合物が有効アゴニストであるかどうかを確定するために、前記細胞応答の誘導を測定することを含んでなる、PROポリペプチドのアゴニストを同定する方法に関する。
【0018】
その他の実施態様では、本発明は、候補化合物とPROポリペプチドの相互作用を可能にする条件下及び十分な時間に渡ってこの二つの成分を接触させること、並びにPROポリペプチドの活性が阻害されるかどうかを測定することを含んでなる、PROポリペプチドの活性を阻害することが可能な化合物を同定する方法に関する。特別な側面では、候補化合物又はPROポリペプチドのいずれかが固体支持体上に固定されている。その他の側面では、非固定化成分は検出可能なラベルを有する。好ましい側面では、この方法は:
(a)通常は、PROポリペプチドによって誘導される細胞応答の誘導のために適した条件下でスクリーニングされる試験化合物と細胞を接触させること;並びに
(b)試験化合物が有効アンタゴニストであるかどうかを確定するために、前記細胞応答の誘導を測定する段階を含む。
その他の実施態様では、本発明は、細胞と試験化合物を接触せしめて、PROポリペプチドの発現が阻害されるかどうかを確定することを方法が含む場合に、通常はポリペプチドを発現する細胞において、PROポリペプチドの発現を阻害する化合物を同定する方法を示す。好ましい側面では、この方法は:
(a)PROポリペプチドの発現を可能にする条件下でスクリーニングされる試験化合物と細胞を接触させること;並びに(b)前記ポリペプチドの発現の阻害を測定する段階を含む。
【0019】
更にその他の実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストのいずれかをコードする核酸分子を哺乳動物へ投与することを含んでなる、免疫関連疾患を患っている哺乳動物においてこの疾患を治療する方法に関する。この方法では、アゴニスト及びアンタゴニストが抗-PROポリペプチドであってもよい。好ましい実施態様では、この哺乳動物はヒトである。その他の好ましい実施態様では、この核酸はエキソビボ(生体外)遺伝子治療を経由して投与される。更なる好ましい実施態様では、この核酸は、ベクター、より好ましくはアデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レンチウイルス又はレトロウイルスベクターである。
更にその他の側面では、本発明は、プロモーター、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストをコードする核酸、並びにポリペプチドの細胞分泌のためのシグナル配列で必須として構成されるウイルスベクターを含んでなる組み換えウイルス粒子を提供する。この方法では、ウイルスベクターがウイルス構造タンパク質に関連する。好ましくは、シグナル配列は哺乳動物、例えば天然PROポリペプチドからのものである。
【0020】
より更なる実施態様では、本発明は、レトロウイルス構造タンパク質を発現する核酸作成物を含んでなるエキソビボ産生細胞に関する。そしてプロモーター、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストをコードする核酸、並びにポリペプチドの細胞分泌のためのシグナル配列で必須として構成されるレトロウイルスベクターをも含み、この方法では、前記産生細胞は、組み換えレトロウイルス粒子を生産するように、構造タンパク質と関連するレトロウイルスベクターを包み込んでいる。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への脈管構造からの炎症性細胞の浸潤を高める方法を提供する。この方法では、哺乳動物における脈管構造からの炎症性細胞の浸潤が高まる。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への脈管構造からの炎症性細胞の浸潤を減少させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物における脈管構造からの炎症性細胞の浸潤が減少する。
【0021】
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物におけるTリンパ球の活性を増加させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物におけるTリンパ球の活性が増加する。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物におけるTリンパ球の活性を減少させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物におけるTリンパ球の活性が減少する。
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物におけるTリンパ球の増殖を増加させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物におけるTリンパ球の増殖が増加する。
【0022】
より更なる実施態様では、本発明は、(a)PROポリペプチド、(b)PROポリペプチドのアゴニスト、又は(c)PROポリペプチドのアンタゴニストを哺乳動物へ投与することを含んでなる、哺乳動物におけるTリンパ球の増殖を減少させる方法を提供する。この方法では、哺乳動物におけるTリンパ球の増殖が減少する。
より更なる実施態様では、本発明は、T細胞をPRO1031又はPRO10272ポリペプチド又はそのアゴニストと接触させることを含んでなる、T細胞の増殖を刺激する方法を提供する。この方法では、T細胞の増殖が刺激される。
より更なる実施態様では、本発明は、Tリンパ球をPRO1031又はPRO10272ポリペプチドのアンタゴニストと接触させることを含んでなる、Tリンパ球の増殖を減じる方法を提供する。この方法では、T細胞の増殖が減少する。
より更なる実施態様では、本発明は、PRO1031ポリペプチド又はそのアゴニストの有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への炎症性細胞の浸潤を高める方法を提供する。この方法では、浸潤が高まる。
【0023】
より更なる実施態様では、本発明は、PRO1031ポリペプチドのアゴニストの有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物の組織への炎症性細胞の浸潤を減じる方法を提供する。この方法では、浸潤が減少する。
更にその他の実施態様では、本発明は、哺乳動物への抗-PRO1031抗体の治療的有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物においてPRO1031ポリペプチド又はそのアゴニストによって誘導される血管新生を阻害する方法を提供する。好ましくは、この哺乳動物はヒトであり、そしてより好ましくは、この哺乳動物は腫瘍又は網膜疾患を有する。
更にその他の実施態様では、本発明は、哺乳動物へのPRO1031ポリペプチド又はそのアゴニストの治療的有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物においてPRO1031ポリペプチドによって誘導される血管新生を刺激する方法を提供する。好ましくは、この哺乳動物はヒトであり、そしてより好ましくは、血管新生は組織再生又は創傷治癒を促進し得る。
その他の実施態様では、本発明は、哺乳動物へPRO1031ポリペプチドのアゴニストの有効量を投与することを含んでなる、哺乳動物における血管新生を阻害する方法を提供する。この方法では、前記血管新生は阻害される。
【0024】
より更なる実施態様では、PRO1031又はPRO1122ポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニスト(例えば、抗-PRO1031又は抗-PRO1122)に対して応答性のある症状の治療に有用である薬剤の調製のための、PRO1031又はPRO1122ポリペプチド、或いは前文に記載のそのアゴニスト又はアンタゴニスト、或いは抗-PRO1031又は抗-PRO1122抗体の利用に関する。特定の側面では、退行性軟骨性疾患を治療するための方法における、PRO1031又はPRO1122ポリペプチド、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニストの利用に関する。
より更なる実施態様では、本発明は、退行性軟骨性疾患を患う哺乳動物へPRO1031又はPRO1122ポリペプチド、アゴニスト、又はそのアンタゴニストの治療的有効量を投与することを含んでなる、前記哺乳動物における前記疾患を治療する方法に関連する。
【0025】
より更なる実施態様では、本発明は、退行性軟骨性疾患の治療において、製薬的に許容可能な担体との混合物であるPRO1031又はPRO1122ポリペプチド、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニスト、前記組成物を含有する容器、並びに前記組成物の利用に言及する前記容器に添付されたラベルを含んでなる、キットに関連する。
更なる実施態様では、本発明は、A、B、又はCポリペプチドを含有すると思われる試料からA、B、又はCと命名されたポリペプチドを検出する方法であって、前記試料をここでD、E、又はFと命名されたポリペプチドと接触させ、前記試料中でのA/D、B/D、C/E又はC/Fポリペプチドコンジュゲートの形成を測定する前記方法に関連する。この方法では、前記コンジュゲートの形成が前記試料中でのA、B、Cポリペプチドの存在を示し、そしてAがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記試料は、前記A、B又はCポリペプチドを発現すると思われる細胞を含む。
【0026】
この実施態様のその他の側面では、D、E、又はFポリペプチドは検出可能なラベルで標識されており、D、E、又はFポリペプチドは固体支持体へ結合している。
更なる実施態様では、本発明は、D、E、又はFポリペプチドを含有すると思われる試料からD、E、又はFと命名されたポリペプチドを検出する方法であって、前記試料をここでA、B,又はCと命名されたポリペプチドと接触させ、前記試料中でのA/D、B/D、C/E又はC/Fポリペプチドコンジュゲートの形成を測定する前記方法に関連する。この方法では、前記コンジュゲートの形成が前記試料中でのA、B、Cポリペプチドの存在を示し、そしてAがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記試料は、前記D、E、又はFポリペプチドを発現すると思われる細胞を含む。この実施態様のその他の側面では、前記A、B、又はCポリペプチドは検出可能なラベルで標識され、前記A、B、又はCポリペプチドは固体支持体へ結合している。
【0027】
より更なる実施態様では、本発明は、A、B、又はCと命名されたポリペプチドを発現する細胞と生物活性分子を結合させる方法であって、前記細胞と生物活性分子と結合しているD、E、又はFと命名されたポリペプチド接触させて、前記A、B、又はCと前記D、E、又はFポリペプチドが互いに結合することを可能にし、それによって前記生物活性分子と前記細胞を結合させることを含んでなる前記方法に関連する。この方法では、AがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記生物活性分子は、トキシン、放射能標識又は抗体である。この実施態様のその他の側面では、前記生物活性分子は、前記細胞の死を生じせしめる。
【0028】
更なる実施態様では、本発明は、D、E、又はFと命名されたポリペプチドを発現する細胞と生物活性分子を結合させる方法であって、前記細胞をA、B、又はCと命名された生物活性分子と結合しているポリペプチド接触させて、前記A、B、又はCと前記D、E、又はFポリペプチドが互いに結合することを可能にし、それによって前記生物活性分子と前記細胞を結合させることを含んでなる前記方法に関する。この方法では、AがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記生物活性分子は、トキシン、放射能標識又は抗体である。この実施態様のその他の側面では、前記生物活性分子は、前記細胞の死を生じせしめる。
【0029】
更にその他の実施態様では、本発明は、A、B、又はCと命名されたポリペプチドを発現する細胞の少なくとも一つの生物活性を調節する方法であって、前記細胞をD、E、又はFと命名されたポリペプチド或いは抗-A、抗-B、又は抗-Cポリペプチド抗体と接触させ、それによって前記D、E、又はFポリペプチド或いは抗-A、抗-B、又は抗-Cポリペプチド抗体が前記A、B、又はCポリペプチドと結合し、それによって前記細胞の少なくとも一つの生物活性を調節することを含んでなる前記方法に関する。この方法では、AがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記細胞は死滅せしめられる。
【0030】
更にその他の実施態様では、本発明は、D、E、又はFと命名されたポリペプチドを発現する細胞の少なくとも一つの生物活性を調節する方法であって、前記細胞をA、B、又はCと命名されたポリペプチド或いは抗-D、抗-E、又は抗-Fポリペプチド抗体と接触させ、それによって前記A、B、又はCポリペプチド或いは抗-D、抗-E、又は抗-Fポリペプチド抗体が前記D、E、又はFポリペプチドと結合し、それによって前記細胞の少なくとも一つの生物活性を調節することを含んでなる前記方法に関する。この方法では、AがPRO1031ポリペプチド(また、ここではIL-17Bと命名)、BがPRO10272ポリペプチド(また、ここではIL-17Eと命名)、CがPRO20110ポリペプチド(また、ここではIL-17Fと命名)、DがPRO5801ポリペプチド(また、ここではIL-17RH1と命名)、EがPRO1ポリペプチド(また、ここではIL-17Rと命名)、並びにFがPRO20040ポリペプチド(また、ここではIL-17RH2と命名)である。この実施態様の一側面では、前記細胞は死滅せしめられる。
【0031】
B.更なる実施態様
本発明の他の実施態様では、本発明は、PROポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる単離された核酸分子を提供する。
一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された全長アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示された膜貫通タンパク質の細胞外ドメインでシグナルペプチドを有する又は有しないもの、或いはここに開示された全長アミノ酸配列のその他の具体的に定義された断片を有するPROポリペプチドをコードするDNA分子、或いは(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を含む。
【0032】
一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された全長PROポリペプチドcDNAのコード化配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くPROポリペプチドのコード化配列、ここに開示された膜貫通タンパク質の細胞外ドメインのコード化配列でシグナルペプチドを有する又は有しないもの、或いはここに開示された全長アミノ酸配列のその他の具体的に定義された断片のコード化配列を含んでなるDNA分子、或いは(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を含む。
【0033】
更なる側面では、本発明は、本発明は、(a)ここに開示したATCCへ寄託されているヒトタンパク質cDNAのいずれかによってコードされているのと同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、或いは(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、さらにあるいは少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子に関する。
【0034】
本発明のその他の側面は、膜貫通ドメイン欠損又は膜貫通ドメイン不活性化のいずれかである、或いはそのようなコード化ヌクレオチド配列に対して相補的であるPROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を提供する。そのようなポリペプチドの膜貫通ドメインは、ここに開示されている。従って、ここに開示されたPROポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考察されている。
【0035】
他の実施態様は、PROポリペプチドコード化配列の断片、又はその相補鎖に関し、それらは、例えば、場合によっては抗-PRO抗体に対する結合部位を含むポリペプチドをコードするPROポリペプチドのコード化断片のハイブリダイゼーションプローブとして、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとしての用途が見いだされ得る。このような核酸断片は、通常は少なくとも約20ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約40ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約50ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約70ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約80ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約100ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約110ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約130ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約140ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約160ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約170ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約190ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約200ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約250ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約350ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約400ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約500ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約700ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約800ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約1000ヌクレオチド長であり、ここで「約」という語の内容は参照する長さのプラス又はマイナス10%のヌクレオチド配列長を指すことを意味する。PROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片は、多くの良く知られた配列アラインメントプログラムの任意のものを用いてPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列と他の公知のヌクレオチド配列とを整列させ、いずれのPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列断片が新規であるかを決定することにより、日常的な手法で同定してもよい。このようなPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の全ては、ここで考慮される。また、これらのヌクレオチド分子断片、好ましくは抗-PRO抗体に対する結合部位を含むPROポリペプチド断片によってコードされるPROポリペプチド断片も考慮される。
【0036】
他の実施態様では、本発明は、上記で特定された単離された核酸配列の何れかによってコードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。
或る側面では、本発明は、ここに開示した全長アミノ酸配列、ここに開示したシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示したシグナルペプチドを有するか又は有しない膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、或いはここに開示した全長アミノ酸配列のその他の具体的に定義された断片を有するPROポリペプチドに対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいはは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、単離されたPROポリペプチドに関する。
【0037】
さらなる態様では、本発明は、ここに開示したATCCに寄託されているヒトタンパク質cDNAのいずれかによってコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたPROポリペプチドに関する。
【0038】
さらなる態様では、本発明は、ここに開示した全長アミノ酸配列、ここに開示したシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示したシグナルペプチドを有する又は有しない膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、或いはここに開示した全長アミノ酸配列のその他の具体的に定義された断片を有するPROポリペプチドと比較し、少なくとも約80%ポジティブ、あるいは少なくとも約81%ポジティブ、あるいは少なくとも約82%ポジティブ、あるいは少なくとも約83%ポジティブ、あるいは少なくとも約84%ポジティブ、あるいは少なくとも約85%ポジティブ、あるいは少なくとも約86%ポジティブ、あるいは少なくとも約87%ポジティブ、あるいは少なくとも約88%ポジティブ、あるいは少なくとも約89%ポジティブ、あるいは少なくとも約90%ポジティブ、あるいは少なくとも約91%ポジティブ、あるいは少なくとも約92%ポジティブ、あるいは少なくとも約93%ポジティブ、あるいは少なくとも約94%ポジティブ、あるいは少なくとも約95%ポジティブ、あるいは少なくとも約96%ポジティブ、あるいは少なくとも約97%ポジティブ、あるいは少なくとも約98%ポジティブ、そして、あるいは少なくとも約99%ポジティブのスコアとされるアミノ酸配列を含んでなる単離されたPROポリペプチドに関する。
【0039】
特別な実施態様では、本発明は、N-末端シグナル配列及び/又は開始メチオニンを有しない、上記したようなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。それらを製造する方法もここに記載され、それらの方法は、適したなコード化核酸分子を含むベクターを含んでなる宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
本発明の他の態様は、膜貫通ドメインの欠失した或いは膜貫通ドメインが不活性化している単離されたPROポリペプチドを提供する。それらを製造する方法もここに記載され、それらの方法は、適したコード化核酸分子を含むベクターを含んでなる宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
さらに他の実施態様では、本発明は、ここで定義される天然PROポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストに関する。特別な実施態様では、アゴニスト又はアンタゴニストは抗-PRO抗体或いは小分子である。
【0040】
さらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストを同定する方法に関し、それは、PROポリペプチドを候補分子と接触させ、前記PROポリペプチドによって媒介される生物学的活性をモニターすることを含む。好ましくは、PROポリペプチドは天然PROポリペプチドである。
またさらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチド、或いはここに記載したPROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体を、担体と組み合わせて含んでなる組成物に関する。場合によっては、担体は製薬的に許容される担体である。
本発明のその他の実施態様は、PROポリペプチド、又は上記したようなそのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体を、PROポリペプチド、そのアゴニスト又はアンタゴニスト又は抗-PRO抗体に対して反応する症状の治療において有用な医薬の調製のために用いることに関する。
【0041】
本発明のさらなる実施態様では、本発明は、ここに記載するポリペプチドの任意いずれかをコードするDNAを含んでなるベクターを提供する。また、そのようなベクターのいずれかを含む宿主細胞が提供される。例として、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又はバキュウロウイルス感染昆虫細胞でもよい。ここに記載した任意のポリペプチドの製造方法がさらに提供され、それは、宿主細胞を所望のポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培地から所望のポリペプチドを回収することを含む。
他の実施態様では、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合した、ここに記載した任意のポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例は、エピトープタグ配列或いは免疫グロブリンのFc領域に融合したここに記載の任意のポリペプチドを含む。
他の実施態様では、本発明は、任意の上記又は下記のポリペプチドと特異的に結合する抗体を提供する。場合によっては、この抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体断片又は一本鎖抗体である。
さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列又はアンチセンスプローブを単離するために有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それらのプローブは上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導され得る。
【0042】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
I.定義
ここで使用される際の「PROポリペプチド」及び「PRO」という用語は、直後に数値符号がある場合に種々のポリペプチドを指し、完全な符号(例えば、PRO/番号)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」がここで使用される実際の数値符号である、ここで使用される「PRO/番号ポリペプチド」及び「PRO/番号」という用語は、天然配列ポリペプチド及び変異体(ここで更に詳細に定義する)を含む。ここで記載されているPROポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離してもよく、組換え又は合成方法によって調製してもよい。「PROポリペプチド」という用語は、ここで開示されている各個々のPRO/番号ポリペプチドに指す。「PROポリペプチド」を指すこの明細書中の全ての開示は、各ポリペプチドを個別にも組み合わせとしても言及する。例えば、調製の、精製の、誘導の、抗体の形成、投与の、含有する組成物、疾患の治療、などの記述は、本発明の各ポリペプチドに個別に関係する。また、「PROポリペプチド」という用語は、ここに開示されているPRO/番号ポリペプチドの変異体を含む。
【0043】
「天然配列PROポリペプチド」は、天然由来の対応するPROポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列PROポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる。「天然配列PROポリペプチド」という用語には、特に、特定のPROポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然配列PROポリペプチドは、関連する図に示されている全長アミノ酸配列を含有する成熟又は全長天然配列ポリペプチドである。開始及び終止コドンは、太い書体及び下線で図中に示さている。しかし、関連する図に開示されているPROポリペプチドがメチオニン残基で開始すると図のアミノ酸位置1において示されている一方で、図のアミノ酸位置1より上流又は下流のいずれかに位置する他のメチオニン残基が、PROポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いられることが考えられるし可能である。
【0044】
PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質ドメインを実質的に有しないPROポリペプチドの形態を意味する。通常、PROポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のPROポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、最初に同定されたドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を越えない可能性が高い。従って、PROポリペプチド細胞外ドメインは、場合によっては、実施例又明細書おいてに同定された膜貫通ドメインのいずれかの末端から約5を越えないアミノ酸を含みうるし、付着のシグナルペプチドを有する又は有しないそのようなポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本発明において考慮される。
【0045】
ここに開示する種々のPROポリペプチドの「シグナルペプチド」の適切な位置は、本明細書と添付の図面に示される。しかし、注記するように、シグナルペプチドのC-末端境界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプチドC-末端境界のいずれかの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、シグナルペプチドのC-末端境界は、そのような型のアミノ酸配列成分を同定するのに日常的に使用される基準に従って同定しうる(例えば、Nielsenら, Prot. Eng. 10: 1-6 (1997)及びvon Heinjeら, Nucl. Acids. Res. 14: 4683-4690 (1986))。さらに、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからのシグナルペプチドの切断は完全に均一ではなく、1つ以上の分泌種をもたらすことも認められる。シグナルペプチドがここに定義されるシグナルペプチドのC-末端境界の何れかの側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらをコードするポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。
【0046】
「PROポリペプチド変異体」とは、上記又は下記に定義されるように、ここに開示される全長天然配列PROポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド有無のここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された全長PROポリペプチドの他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する活性PROポリペプチドを意味する。このようなPROポリペプチド変異体には、例えば、全長天然アミノ酸配列のN-又はC-末端において一つ又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたPROポリペプチドが含まれる。通常、PROポリペプチド変異体は、ここに開示される全長天然アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された全長PROポリペプチドの特に同定された他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常は、PRO変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくとも約20アミノ酸長、あるいは少なくとも約30アミノ酸長、あるいは少なくとも約40アミノ酸長、あるいは少なくとも約50アミノ酸長、あるいは少なくとも約60アミノ酸長、あるいは少なくとも約70アミノ酸長、あるいは少なくとも約80アミノ酸長、あるいは少なくとも約90アミノ酸長、あるいは少なくとも約100アミノ酸長、あるいは少なくとも約150アミノ酸長、あるいは少なくとも約200アミノ酸長、あるいは少なくとも約300アミノ酸長、又はそれ以上である。
【0047】
ここに定義されるPROポリペプチドに対してここで同定されている「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、PROポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所, ワシントンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。
【0048】
アミノ酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%アミノ酸配列同一性の計算の例として、「PRO」が対象となる仮説的PROポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」が対象となる「比較」タンパク質が比較されているアミノ酸配列を表し、そして「X」、「Y」及び「Z」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表2及び3は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示す。
【0049】
特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は上記のようにALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%アミノ酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480(1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU-BLAST2が用いられた場合には、、%アミノ酸配列同一性値は、(a)天然PROポリペプチドから誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドのアミノ酸配列と、対象とする比較アミノ酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドが比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によって決定した一致する同一アミノ酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドの残基の総数で除した商によって決定される。例えば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ又は持っているアミノ酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、アミノ酸配列Aが対象である比較アミノ酸配列であり、アミノ酸配列Bが対象であるPROポリペプチドのアミノ酸配列である。
【0050】
また、%アミノ酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschulら, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI-BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
【0051】
アミノ酸配列比較にNCBI-BLAST2が用いれれる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
【0052】
「PRO変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO変異体核酸配列」とは、下記に定義されるように、活性PROポリペプチドをコードする核酸分子であり、ここに開示する全長天然配列PROポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するPROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する全長PROポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくはあるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。
【0053】
通常は、PRO変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約210ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約240ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約270ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、又はそれ以上である。
【0054】
ここで同定されるPROコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、PRO配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所,ワシントン D.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。
【0055】
核酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さがアミノ酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例として、「PRO−DNA」が対象となる仮説的PROコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「PRO−DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO−DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
【0056】
特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直上のパラグラフに示したようにALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU-BLAST-2が用いられた場合、%核酸配列同一性値は、(a)天然配列PROポリペプチドコード化核酸から誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列と、対象とする比較核酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子が比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によって決定した一致する同一核酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例えば、「核酸配列Bに対して少なくとも80%の核酸配列同一性を持つ又は持っている核酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、核酸配列Aが対象とする比較核酸配列であり、核酸配列Bが対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列である。
【0057】
また、%核酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschulら, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI-BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
【0058】
核酸配列比較にNCBI-BLAST2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
【0059】
他の実施態様では、PRO変異体ポリペプチドヌクレオチドは、活性PROポリペプチドをコードし、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに開示する全長PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする核酸分子である。PRO変異体ポリペプチドは、PRO変異体ポリヌクレオチドにコードされるものであってもよい。
「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離されたポリペプチドには、PROポリペプチドの自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。
【0060】
「単離された」PROポリペプチドコード化核酸は、同定され、PROポリペプチドをコードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然の細胞中に存在するPROポリペプチドコード化核酸分子とは区別される。しかし、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるPROポリペプチドを通常発現する細胞に含まれるPROポリペプチド核酸分子を含む。
「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
【0061】
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗-PROポリペプチドモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ特異性を持つ抗-PRO抗体組成物、一本鎖抗-PRO抗体、及び抗-PRO抗体の断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を称する。
【0062】
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定され、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブが短くなると温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補的鎖がその融点に近いがそれより低い環境に存在する場合における変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイゼーション可能な配列との間の所望の相同性の程度が高くなると、使用できる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をよりストリンジェントにするが、低い温度はストリンジェンシーを低下させる。さらに、ストリンジェンシーは塩濃度に逆比例する。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの更なる詳細及び説明は、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。
【0063】
ここで定義される「ストリンジェントな条件」又は「高度にストリンジェントな条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いるもの;(3)42℃における50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xデンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%のデキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃での50%ホルムアミド、次いで55℃におけるEDTAを含む0.1xSSCからなる高度にストリンジェントな洗浄を用いるものによって同定される。
【0064】
「中程度にストリンジェントな条件」は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように同定され、上記のストリンジェンシーより低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度にストリンジェントな条件は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハード液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、次いで1xSSC中37−50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかを認識する。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合したPROポリペプチド、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは対象とするPROポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
【0065】
ここで用いられる「イムノアドヘシン」なる用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインとを結合した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3又はIgG-4サブタイプ、IgA(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロブリンから得ることができる。
【0066】
「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生物学的活性を阻止、阻害、又は中和する任意の分子を指す。同様に「アゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子を指す。好適なアゴニスト又はアンタゴニスト分子は特に、アゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、天然PROポリペプチドの断片又はアミノ酸配列変異体、ペプチド、有機小分子、などを含む。PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストの同定方法は、PROポリペプチドを候補アンタゴニスト又はアゴニストと接触させ、PROポリペプチドに通常は関連している一つ又は複数の生物学的活性の変化を測定することを含んでもよい。
【0067】
「治療」とは、治癒的処置、予防的療法及び防止的療法の両方を意味し、患者は標的とする病理学的状態又はしっかんを防止又は低下(減少)させられる。治療が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹りやすいもの又は疾患が防止されているものを含む。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギなどを含む哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
一つ又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
【0068】
ここで用いられる「担体」は、製薬的に許容されうる担体、賦形剤、又は安定化剤を含み、用いられる用量及び濃度でそれらに暴露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である。生理学的に許容されうる担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容されうる担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン;グルコース、マンノース又はデキストランを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又は祖ルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商品名)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商品名)を含む。
【0069】
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体(Zapataら, Protein Eng. 8(10): 1057-1062 [1995]);一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab’)断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置において各ドメインの3つのCDRが相互作用してV−Vに量体の表面に抗原結合部位を決定する。正しくは、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
【0070】
またFab断片は、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの一つ又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab’断片と相違する。ここで、Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を持つFab’を表す。F(ab’)抗体断片は、最初はFab’断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる二つの明らかに異なる型の一方に分類される。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに分類できる。免疫グロブリンの五つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分類される。
【0071】
「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は、抗体のV及びVドメインを含む抗体断片を含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、sFvが抗原結合とって望ましい構造の形成を可能にする、V及びVドメイン間のポリペプチドリンカーを更に含む。sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)のPluckthunを参照のこと。
用語「ダイアボディ(diabodies)」は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(V−V)内で軽鎖可変ドメイン(V)に結合した重鎖可変ドメイン(V)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成して二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161;及びHollingerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
【0072】
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、その抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95%を越える抗体、最も好ましくは99重量%を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製工程により調製される。
「特異的に結合する」抗体、又は特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ特異的な抗体とは、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープとは実質的に結合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ結合するものである。
【0073】
「標識」なる語は、ここで用いられる場合、「標識」抗体が生成されるように、抗体に直接又は間接的に抱合している検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自身検出可能でもよく(例えば、放射性標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学変換を触媒してもよい。
「固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する。ここに意図する固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンから形成されたものを含む。或る種の実施態様では、内容に応じて、固相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特許第4,275,149号に記載されたような、別個の粒子の不連続な固相も包含する。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物(PROポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。
ここで開示されたポリペプチドの「有効量」、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニストとは、特別に言及された目的を実行するために十分な量のことである。「有効量」とは、言及された目的に関連して、経験的及び常套的方法によって決定することができる。
【0074】
ここでの目的に対する「活性な」又は「活性」とは、天然又は天然に生じるPROポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROポリペプチドの形態を意味し、その中で、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生PROポリペプチドが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生産を誘発する能力以外の、天然又は天然発生PROポリペプチドによって引き起こされる生物機能(阻害又は刺激)を意味し、「免疫」活性とは、天然又は天然発生PROポリペプチドが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生産を誘発する能力を意味する。好ましい生物活性には、NF-κBの活性化を誘導すること、並びに炎症誘発性ケモカインIL-8の生産の刺激が含まれる。その他の好ましい生物活性には、末梢血単核細胞又はCD4+の刺激が含まれる。その他の生物活性には、例えば、THP1細胞からのTNF-αの放出が含まれる。代替活性は、関節軟骨からのIL-1a誘導によるNO(一酸化窒素)生成の減少である。その他の活性には、関節軟骨でのマトリックス合成の増大が含まれる。あるいは、その他の活性には、マトリックス合成の阻害と並んで関節軟骨マトリックスの破壊の促進が含まれる。その他の好ましい生物活性には、炎症性腸疾患の軽度から重度の段階の間、又は発作中のインターロイキン-17シグナル伝達経路のレベルを調節することが含まれる。
【0075】
「免疫学的」活性とは、単に、天然又は天然発生PROポリペプチドによって保持されている抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘導する能力を意味する。
「変性軟骨性疾患」は主に軟骨マトリックスの破壊によって特徴づけられる多くの疾患を記述している。更なる症状には、一酸化窒素の生成及びプロテオグリカン分解の上昇が含まれる。この定義に包含される疾患の例には、例えば関節炎(例えば、変形性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎)が含まれる。
「免疫関連疾患」という用語は、哺乳動物の免疫系の構成成分が哺乳動物の病的状態を引き起こし、媒介し、或いは寄与する疾患を意味する。また、免疫反応の刺激又は処置が、疾患の進行に対して改善的な効果を有するような疾患をも含む。この用語には、免疫媒介炎症誘発性疾患、非免疫媒介炎症誘発性疾患、感染性疾患、免疫不全性疾患、腫瘍形成等が含まれる。
「T細胞媒介疾患」という用語は、T細胞が哺乳動物の病的状態を直接、又は間接に媒介する、或いは寄与する疾患を意味する。T細胞媒介疾患は、細胞媒介効果、リンホカイン媒介効果等、そして例えば、T細胞によって分泌されたリンホカインによってB細胞が刺激された場合に、B細胞と関連している効果にさえも関連している。
【0076】
そのうちの免疫又はT細胞媒介であり、本発明によって治療することが可能な免疫関連及び炎症性疾患の例には、全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、若年型慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症(強皮症)、特発性炎症性筋疾患(皮膚筋炎、多発性筋炎)、シェーグレン症候群、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血(免疫性汎血球減少症、発作性夜間ヘモグロビン尿症)、自己免疫性血小板減少症(溶血性血小板減少性紫斑病、免疫媒介血小板減少症)、甲状腺炎(バセドウ病、橋本甲状腺炎、若年型リンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、糖尿病、免疫媒介腎疾患(糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎)、中枢及び末梢神経系の脱髄疾患例えば多発性硬化症、特発性脱髄多発神経障害又はギラン・バレー症候群、及び慢性炎症性脱髄性多発神経障害、肝胆道疾患例えば感染性肝炎(A、B、C、D、E型肝炎、及び他の非肝親和性ウイルス)、自己免疫性慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肉芽腫性肝炎、及び硬化性胆管炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎:クローン病)、グルテン過敏性腸疾患、及びウィップル病、水疱性皮膚病を含む自己免疫又は免疫媒介皮膚疾患、多形滲出性紅斑及び接触性皮膚炎、乾癬 、アレルギー性疾患例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症及び蕁麻疹、肺の免疫疾患例えば好酸球性肺炎、特発性肺線維症及び過敏性肺炎、拒絶反応及び移植片対宿主病を含む移植関連疾患が含まれる。感染症疾患には、ウイルス性疾患、例えばAIDS(HIV感染)、A、B、C、D及びE型肝炎、ヘルペス等、細菌感染症、真菌感染症、原虫感染症及び寄生虫症が含まれる。
【0077】
「有効量」とは、特に定まった目的を達成することを引き起こすPROポリペプチド及び/又はアゴニスト/アンタゴニストの濃度又は量である。更には、「治療的有効量」とは、定まった治療的有効量を達成するために効果的なPROポリペプチド及び/又はアゴニスト/アンタゴニストの濃度又は量である。また、この量は実験的に確定してもよい。
ここで用いられる「細胞傷害性剤」は、細胞の機能を阻害又は抑制し、及び/又は細胞破壊を起こす物質を意味する。この用語は、放射性同位元素(例えば、I131、I125、Y90及びRe186)、化学治療薬、及び細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素又はその断片を意味する。
【0078】
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化合物である。化学療法剤の例には、アドリアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、タキソイド類、例えばパクリタキセル(タキソール, Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, NJ)及びドセタキセル(docetaxel)(タキソテール(Taxotere), Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France)、トキソテール、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イホスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン(vinorelbine)、カルボプラチン、テニポシド(teniposide)、ダウノマイシン、カルミノマイシン(carminomycin)、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラミシン(esperamicins)(米国特許第4,675,187号参照)、メルファラン、及び他の関連したナイトロジェンマスタードが含まれる。またこの定義には、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように働くホルモン剤、例えばタモキシフェン及びオナプリストーン(onapristone)も含まれる。
【0079】
ここで使用される場合の「成長阻害剤」とは、インビトロ又はインビボのいずれかにおいて、特にここで同定された任意の遺伝子を過剰発現する細胞の成長を阻害する化合物又は組成物を指すものである。よって、成長阻害剤とは、S期におけるそのような遺伝子の過剰発現細胞のパーセンテージを有意に低減させるものである。成長阻害剤の例には、細胞分裂周期の進行をブロックする薬剤(S期以外の場所において)、例えばG1停止及びM期停止を誘発する薬剤が含まれる。伝統的なM期ブロッカーには、ビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキソール、及びトポIIインヒビター、例えばドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンが含まれる。G1を停止させるこれらの薬剤、例えばDNAアルキル化剤、例えばタモキシフェン、プレドニソン、ダカーバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びara-CがS期停止へ波及する。更なる情報は、Murakamiらにより「細胞分裂周期の調節、オンコジーン、及び抗新生物薬(Cell cycle regulation, oncogene, and antineoplastic drugs)」と題された、癌の分子的基礎(The Molecular Basis of Cancer)、Mendelsohn及びIsrael編、第1章(WB Saunders;Philadelphia, 1995)、特に13頁に見出すことができる。
【0080】
「サイトカイン」という用語は、一つの細胞集団から放出されるタンパク質であって、他の細胞に対して細胞間メディエータとして作用するものの包括的な用語である。このようなサイトカインの例としては、リンフォカイン、モノカイン、及び伝統的なポリペプチドホルモンを挙げることができる。サイトカインには、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラクシン;プロリラクシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)のような糖タンパク質ホルモン、副甲状腺刺激ホルモン(TSH)、及び黄体形成ホルモン(LH);肝臓成長因子;繊維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤ラクトゲン;腫瘍壊死因子-α及び-β;ミュラー阻害物質;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF−β等の神経成長因子;血小板成長因子;TGF-αあるいはTGF-βのような形質転換成長因子(TGF);インスリン様成長因子-I及び-II;エリスロポイエチン(EPO);オステオインダクティブ因子;インターフェロン-α、-β、及び-γのようなインターフェロン;マクロファージCSF(M-CSF)のようなコロニー刺激因子(CSF);顆粒球マクロファージCSF(GM−CSF)及び顆粒球CSF(G-CSF);IL-1、IL-1a、IL-2、IL-3、 IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、 IL-8、IL-9、IL-11、IL-12、又はIL-17等のインターロイキン(IL);腫瘍壊死因子、例えばTNF-α又はTNF-β;及びLIF及びキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が含まれる。ここで使用される場合、サイトカインなる用語は天然源由来あるいは組換え細胞培養由来のタンパク質及び天然配列サイトカインの生物的に活性な等価物を含む。
【0081】

【0082】

【0083】

【0084】

【0085】

【0086】

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【0090】

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【0098】

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】
II.本発明の組成物及び方法
A.全長PROポリペプチド
本発明は、本出願でPROポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする新規に同定され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に説明するように、種々のPROポリペプチドをコードするcDNAが同定され単離された。別々の発現ラウンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は全ての与えられたDNA及びコード化タンパク質に独特であり、変わることはないことを記しておく。しかしながら、単純化のために、本明細書において、ここに開示した全長天然核酸分子にコードされるタンパク質並びに上記のPROの定義に含まれるさらなる天然相同体及び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO/番号」で呼称する。
下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンがATCCに寄託されている。これらのクローンの正確なヌクレオチド配列は、この分野で日常的な方法を用いて寄託されたクローンを配列決定することにより容易に決定することができる。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したPROポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
【0103】
B.PROポリペプチド変異体
ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PRO変異体も調製できると考えられる。PRO変異体は、PROポリペプチドDNAに適当なヌクレオチド変化を導入することにより、あるいは所望のPROポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がPROポリペプチドの翻訳後プロセスを変えうることを理解するであろう。
天然全長配列PRO又はここに記載したPROポリペプチドの種々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されている保存的及び非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は、結果として天然配列PROと比較してPROポリペプチドのアミノ酸配列が変化するPROポリペプチドをコードする一つ又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも1つのアミノ酸のPROポリペプチドの一つ又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PROポリペプチドの配列を相同性の知られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸の類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を下記の実施例に記載するインビトロアッセイの任意のもので活性について試験することにより決定される。
【0104】
PROポリペプチド断片がここに提供される。このような断片は、例えば、全長天然タンパク質と比較した際に、N-末端又はC-末端で切断されてもよく、又は内部残基を欠いていてもよい。或る種の断片は、PROポリペプチドの所望の生物学的活性に必須ではないアミノ酸残基を欠いている。
PRO断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペプチド断片は化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理することにより、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるPRO断片の生成を含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、PROポリペプチド断片は、ここに開示した天然PROポリペプチドと少なくとも1つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換を先頭にして表6に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表6に例示的置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より置換的な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
【0105】

【0106】
ポリペプチドの機能及び免疫学的同一性の置換的修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異なる置換基を選択することにより達成される。天然発生残基は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
【0107】
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、好ましくは残された(非保存)部位に導入されうる。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘発[Carterら, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zollerら, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wellsら, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wellsら, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができ、又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施してPRO変異体DNAを作成することもできる。
【0108】
また、隣接配列に沿って一つ又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニングアミノ酸分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好ましいスキャンニングアミノ酸である[Cunningham及びWells, Science, 244: 1081-1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的には好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られることが多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol. Biol., 150:1(1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。
【0109】
C.PROの修飾
PROポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の1つの型は、PROポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PROポリペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることである。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPROを水不溶性支持体マトリクスあるいは抗-PRO抗体の精製方法又はその逆で用いるための表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3’-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオ]プロピオイミダート等の試薬を含む。
【0110】
他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル及びアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、ここで意図されるのは、天然配列PROに見られる一つ又は複数の炭水化物部分の欠失(存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/又は酵素的手段によるグリコシル化の削除のいずれかによる)、及び/又は天然配列PROに存在しない一つ又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。さらに、この文節は、存在する種々の炭水化物部分の性質及び特性の変化を含む、天然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。
【0111】
PROポリペプチドへのグリコシル化部位の付加はアミノ酸配列の変更を伴ってもよい。この変更は、例えば、一つ又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然配列PRO(O-結合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされてもよい。PROアミノ酸配列は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に、PROポリペプチドをコードするDNAを予め選択された塩基において変異させ、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンを生成させることを通して変更されてもよい。
PROポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技術分野において、例えば、1987年9月11日に発行されたWO87/05330、及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている。
【0112】
PROポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、あるいはグルコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコドンの変異的置換によってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば、Hakimuddinら, Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)により、及びEdgeら, Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakuraら, Meth. Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種々のエンド及びエキソグリコシダーゼを用いることにより達成される。
本発明のPROの共有結合的修飾の他の型は、PROポリぺプチドの、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又は第4,179,337号に記載された方法での結合を含む。
また、本発明のPROポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾してもよい。
【0113】
一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できるエピトープを提供するタグポリペプチドとPROポリペプチドとの融合を含む。エピトープタグは、一般的にはPROポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に位置する。このようなPROポリペプチドのエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する他の型の親和性マトリクスを用いたアフィニティ精製によってPROポリペプチドを容易に精製できるようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良く知られている。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ-his)又はポリ−ヒスチジン−グリシン(poly-his-gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5[Fieldら, Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (1988)];c-mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evanら, Molecular and Cellular Biology, 5:3610-3616(1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborskyら, Protein Engineering, 3(6):547-553 (1990)]を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグペプチド[Hoppら, BioTechnology, 6:1204-1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martinら, Science, 255:192-194 (1992)];α-チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら, J. Biol. Chem., 266:15163-15166 (1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuthら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6393-6397(1990)]を含む。
【0114】
それに換わる実施態様では、キメラ分子はPROの免疫グロブリン又は免疫グロブリンの特定領域との融合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」とも呼ばれる)については、そのような融合体はIgG分子のFc領域であり得る。Ig融合体は、好ましくはIg分子内の少なくとも1つの可変領域に換えてPROポリペプチドの可溶化(膜貫通ドメイン欠失又は不活性化)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免疫グロブリン融合体は、IgG1分子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995年6月27日発行の米国特許第5,428,130号を参照のこと。
より更なる実施態様では、本発明のPROポリペプチドは、ロイシンジッパーに融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法でも修飾してもよい。種々のロイシンジッパーポリペプチドがこの分野で記載されている。例えば、Landschulz等, Science, 240: 1759 (1988); WO 94/10308; Hoppe等, FEBS Letters, 344: 1991 (1994); Maniatis等, Nature, 341: 24 (1989)を参照。PRO364ポリペプチドに融合したロイシンジッパーの使用は、溶液中の可溶性PROポリペプチドの二量体化又は三量体化を助けると考えられる。当業者は、ロイシンジッパーがPRO分子のN-又はC-末端のいずれかに融合することを認めるであろう。
【0115】
D.PROの調製
以下の説明は、主として、PRO核酸を含むベクターで形質転換又はトランスフェクションされた細胞を培養することによりPROを生産する方法に関する。もちろん、当該分野においてよく知られている他の方法を用いてPROを調製することができると考えられる。例えば、PRO配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産してもよい[例えば、Stewartら, Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., サン フランシスコ, カリフォルニア(1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(フォスター シティー, カリフォルニア)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PROの種々の部分は、別々に化学的に合成され、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて全長PROを生産してもよい。
【0116】
1.PROをコードするDNAの単離
PROをコードするDNAは、PROmRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリから得ることができる。従って、ヒトPRODNAは、実施例に記載されるように、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。またPRO-コード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又は公知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計されたプローブ(PROに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。所望のPROポリペプチドをコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrookら,上掲;Dieffenbachら, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
【0117】
下記の実施例には、cDNAライブラリのスクリーニング技術を記載している。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされるライブラリ内のDNAとのハイブリダイゼーション時に検出可能であるように標識されていることが好ましい。標識化の方法は当該分野において良く知られており、32P標識されたATPのような放射線標識、ビオチン化あるいは酵素標識の使用が含まれる。中程度のストリンジェンシー及び高度のストリンジェンシーを含むハイブリダイゼーション条件は、上掲のSambrookら,に示されている。
このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genbankら,の公共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能とされている周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決定された領域内又は全長に渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)配列同一性は、当該分野で知られた、及びここに記載した方法を用いて決定することができる。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されていないmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrookら,に記述されているような従来のプライマー伸展法を使用して選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることによって得られる。
【0118】
2.宿主細胞の選択及び形質転換
宿主細胞を、ここに記載したPRO生産のための発現又はクローニングベクターでトランスフェクション又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及びSambrookら, 上掲に見出すことができる。
【0119】
原核生物細胞トランスフェクション及び真核生物細胞トランスフェクションの方法、例えば、CaCl、CaPO、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られている。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前掲のSambrookら,に記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、一般的に原核生物に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shawら, Gene, 23:315(1983)及び1989年6月29日公開のWO89/05859に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母菌中への形質転換は、典型的には、Van Solingenら, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiaoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keownら, Methods in Enzymology, 185:527-537 (1990)及び Mansourら, Nature, 336:348-352 (1988)を参照のこと。
【0120】
ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、原核生物、酵母菌、又は高等真核生物細胞である。適切な原核生物は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えば大腸菌のような腸内細菌科を含む。種々の大腸菌株が公衆に利用可能であり、例えば、大腸菌K12株MM294(ATCC31,446);大腸菌X1776(ATCC31,537);大腸菌株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,635)である。他の好ましい原核動物宿主細胞は、大腸菌、例えば、E. coli、エンテロバクター、エルビニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ、例えば、ネズミチフス菌、セラチア、例えば、セラチアマルセサンス(Serratia marcescans) 、及び赤痢菌、並びに桿菌、例えばバチルス・スブチルス(B. subtilis)及びバチルス・リチェニフォルミス(B. licheniformis)(例えば、1989年4月12日発行のDD266,710に記載されたバチルス・リチェニフォルミス41P)、シュードモナス、例えば緑膿菌及びストレプトマイセスなどの腸内細菌科を含む。これらの例は限定ではなく例示である。株W3110は、組換えDNA生産発行のための共通の宿主株であるので一つの特に好ましい宿主又は親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌する。例えば、株W3110は、細胞に外来のタンパク質をコードする遺伝子における遺伝子変異をするように修飾してもよく、そのような宿主の例としては、完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA prt3 phoA E15 (argF−lac)169 degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (algF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degP欠失変異を持つ37D6株である大腸菌W3110株40B4;及び1990年8月7日発行 米国特許第4,946,783号に開示された変異周辺質プロテアーゼを有する大腸菌株を含む。あるいは、クローニングのインビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が好ましい。
【0121】
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、PROポリペプチドコード化ベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシアは、通常用いられる下等真核生物宿主微生物である。他に、シゾサッカロミセス・プロンブ(Schizosaccharomyces prombe)(Beach及びNurse, Nature, 290: 140 [1981]; 1985年5月2日発行のEP139,383);クルベロミセス宿主(Kluveromyces hosts)(米国特許第4,943,529号; Fleerら, Bio/Technology, 9: 968-975 (1991))、例えばクルベロミセスラクチス(K. lactis)(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourtら, J. Bacteriol.154(2): 737-742 [1983])、クルベロミセス・フラギリス(K. fragilis)(ATCC 12,424)、クルベロミセス・ブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,045)、クルベロミセス・ウィケラミイ(K. wickeramii)(ATCC 24,178)、クルベロミセスワルチイ(K. waltii)(ATCC 56,500)、クルベロミセス・ドロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Bergら, Bio/Technology, 8: 135 (1990))、クルベロミセス・テモトレランス(K. thermotolerans)及びクルベロミセス・マルキシアナス(K. marxianus);ヤロウィア(yarrowia)(EP 402,226);ピチア・パストリス(Pichia pastoris)(EP 183,070; Sreekrishnaら, J. Basic Microbiol, 28: 265-278 [1988]);カンジダ;トリコデル・マレーシア(Trichoderma reesia)(EP 244,234);アカパンカビ(Caseら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259-5263 [1979]);シュワニオマイセス(Schwanniomyces)、例えばシュワニオマイセスオクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)(1990年10月31日発行のEP394,538);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラジウム(Tolypocladium)(1991年1月10日発行のWO91/00357);及びアスペルギルス宿主、例えばアスペルギルス・ニダランス(Ballanceら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284-289 [1983]; Tilburnら, Gene, 26: 205-221 [1983]; Yeltonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470-1474 [1984])及びアスペルギルス・ニガー(Kelly及びHynes, EMBO J., 4: 475-479 [1985])が含まれる。ここで好ましいメチロトロピック(C1化合物資化性、Methylotropic)酵母は、これらに限られないが、ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ、クロエケラ(Kloeckera)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス、トルロプシス(Torulopsis)、及びロドトルラ(Rhodotorula)からなる属から選択されたメタノールで成長可能な酵母を含む。この酵母の分類の例示である特定の種のリストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載されている。
【0122】
グリコシル化PROの発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。無脊椎動物細胞の例としては、ショウジョウバエS2及びスポドスペラSf9等の昆虫細胞並びに植物細胞が含まれる。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びCOS細胞を含む。より詳細な例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamら, J. Gen Virol., 36:59 (1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO, Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980))ヒト肺細胞 (W138,ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (Hep G2,HB 8065); 及びマウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562,ATCC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、この分野の技術常識内にある。
【0123】
3.複製可能なベクターの選択及び使用
PROポリペプチドをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、一つ又は複数のシグナル配列、複製開始点、一つ又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の一つ又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術を用いる。
【0124】
PROポリペプチドは直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN-末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ペプチドとしても生産される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入されるPRO-コード化DNAの一部である。シグナル配列は、例えばアルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択された原核生物シグナル配列であってよい。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載されている)、又は酸ホスファターゼリーダー、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日発行のEP362179)、又は1990年11月15日に公開されたWO90/13646に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物シグナル配列は、同一あるいは関連ある種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分泌に使用してもよい。
【0125】
発現及びクローニングベクターは、共に一つ又は複数の選択された宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は多くの細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)複合培地から得られない重要な栄養素、例えば桿菌のD-アラニンラセマーゼをコードしている遺伝子を供給するタンパク質をコードする。
【0126】
哺乳動物細胞に適切な選べるマーカーの例は、DHFRあるいはチミジンキナーゼのようにPRO-コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することのできるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaubらにより Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO株化細胞である。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcombら, Nature, 282:39(1979);Kingsmanら, Gene, 7:141(1979);Tschemperら, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4-1のようなトリプトファン内で成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones, Genetics, 85:12 (1977)]。
発現及びクローニングベクターは、通常、PRO-コード化核酸配列に作用可能に結合し、mRNA合成を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細胞により認識される好適なプロモーターが知られている。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Changら, Nature, 275:615 (1978); Goeddelら, Nature, 281:544 (1979)]、アルカリフォスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター[deBoer ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:21-25 (1983)]を含む。細菌系で使用するプロモータもまたPROポリペプチドをコードするDNAと作用可能に結合したシャイン-ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
【0127】
酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3-ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzeman ら, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の糖分解酵素[Hess ら, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochemistry, 17:4900(1987)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸フォスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現に好適に用いられるベクターとプロモータはEP 73,657に更に記載されている。
【0128】
哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからのPROポリペプチド転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス(1989年7月5日公開のUK2,211,504)、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及びサルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、及び熱衝撃プロモーターから得られるプロモーターによって、このようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り制御される。
より高等の真核生物による所望のPROポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PROコード化配列の5’又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’位に位置している。
【0129】
また、真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの通常は5’、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これらの領域は、PROポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。
組換え脊椎動物細胞培養でのPROポリペプチドの合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gethingら, Nature, 293:620-625 (1981); Manteiら, Nature, 281:40-46 (1979);EP117,060;及びEP117,058に記載されている。
【0130】
4.遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201-5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。次いで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PROポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はPRO DNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
【0131】
5.ポリペプチドの精製
PROポリペプチドの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)又は酵素的切断を用いて膜から引き離すことができる。PROポリペプチドの発現に用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。
PROポリペプチドを、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製することが望ましい。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラム;及びPROポリペプチドのエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methodes in Enzymology, 182(1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer-Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用いることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生産される特定のPROの性質に依存する。
【0132】
E.PROの用途
PROをコードする核酸配列(又はそれらの相補鎖)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNA及びDNAの生成において種々の用途を有している。また、PRO核酸も、ここに記載される組換え技術によるPROポリペプチドの調製に有用である。
全長天然配列PRO遺伝子又はその一部は、全長PROcDNAの単離又はここに開示したPRO配列に対して所望の配列同一性を持つ更に他の遺伝子(例えば、PROの天然発生変異体又は他の種からのPROをコードするもの)の単離のためのcDNAライブラリ用のハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。場合によっては、プローブの長さは約20〜約50塩基である。ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的に全長天然ヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の実験をすることなく、天然配列PROのプロモーター、エンハンサー成分及びイントロンを含むゲノム配列から誘導され得る。例えば、スクリーニング法は、PROポリペプチド遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプローブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識されうる。本発明のPROポリペプチド遺伝子に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムDNA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバーがプローブにハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーション技術は、以下の実施例において更に詳細に記載する。
【0133】
本出願で開示する任意のESTはプローブと同様に、ここに記載した方法で用いることができる。
PRO核酸の他の有用な断片は、標的PRO mRNA(センス)又はPRO DNA(アンチセンス)配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNA又はDNAのいずれか)を含むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、本発明によると、PRO DNAのコード化領域の断片を含む。このような断片は、一般的には少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドを含む。与えられたタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを制御する可能性は、例えば、Stein及びCohen(Cancer Res. 48: 2659: 1988)及び van der Krolら,(BioTechniques 6: 958, 1988)に記載されている。
【0134】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は二重鎖の形成をもたらし、それは、二重鎖の分解の促進、転写又は翻訳の期外停止を含む幾つかの方法の一つ、又は他の方法により、標的配列の転写又は翻訳を阻止する。よって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PROタンパク質の発現を阻止するのに用いられる。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾糖−ホスホジエステル骨格(又は他の糖結合、WO91/06629に記載のもの等)を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、そのような糖結合は内因性ヌクレアーゼ耐性である。そのような耐性糖結合を持つオリゴヌクレオチドは、インビボで安定であるが(即ち、酵素分解に耐えうるが)、標的ヌクレオチド配列に結合できる配列特異性は保持している。
センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例は、WO90/10048に記載されているもののような、有機部分、及びオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を向上させる他の部分、例えばポリ-(L-リジン)に共有結合したオリゴヌクレオチドを含む。さらにまた、エリプチシン等の挿入剤、アルキル化剤又は金属作体をセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させ、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的ヌクレオチド配列への結合特異性を改変してもよい。
【0135】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO-媒介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子転換方法により、又はエプスタイン-バーウイルスなどの遺伝子転換ベクターを用いることにより、標的核酸配列を含む細胞に導入される。好ましい方法では、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレトロウイルスベクターに挿入される。標的核酸配列を含む細胞は、インビボ又はエキソビボで組換えレトロウイルスベクターに接触させる。好適なレトロウイルスベクターは、これらに限られないが、マウスレトロウイルスM-MuLVから誘導されるもの、N2(M-MuLVから誘導されたレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5Cと命名されたダブルコピーベクター(WO90/13641参照)を含む。
また、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO91/04753に記載されているように、リガンド結合分子との複合体の形成により標的配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子は、これらに限られないが、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、又は細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを含む。好ましくは、リガンド結合分子の複合体形成は、リガンド結合分子がその対応する分子又はレセプターに結合する、あるいはセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその複合体の細胞への侵入を阻止する能力を実質的に阻害しない。
【0136】
あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO90/10448に記載されたように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは内因性リパーゼにより細胞内で分解される。
アンチセンスRNA又はDNA分子は一般に少なくとも約5塩基長、約10塩基長、約15塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基長、約40塩基長、約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長、約65塩基長、約70塩基長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、約90塩基長、約95塩基長、約100塩基長、あるいはそれ以上である。
また、プローブは、PCR技術に用いて、密接に関連したPROコード化配列の同定のための配列のプールを作成することができる。
また、PROをコードするヌクレオチド配列は、そのPROをコードする遺伝子のマッピングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーでのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体の特定領域にマッピングすることができる。
【0137】
PROのコード化配列が他のタンパク質に結合するタンパク質をコードする場合(例えば、PROがレセプターである場合)、PROは、そのリガンドを同定するアッセイに用いることができる。このような方法により、レセプター/リガンド結合性相互作用の阻害剤を同定することができる。このような結合性相互作用に含まれるタンパク質も、ペプチド又は小分子阻害剤又は結合性相互作用のアゴニストのスクリーニングに用いることができる。また、レセプターPROは関連するリガンドの単離にも使用できる。スクリーニングアッセイは、天然PRO又はPROのレセプターの生物学的活性に似たリード化合物の発見のために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリーの高スループットスクリーニングにも用いられ、小分子候補薬剤の同定に特に適したものとする。考慮される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。アッセイは、この分野で良く特徴付けられているされているタンパク質−タンパク質結合アッセイ、生物学的スクリーニングアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施される。
【0138】
また、PRO又はその任意の修飾型をコードする核酸は、トランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物のいずれかを産生することに使用でき、これらは治療的に有用な試薬の開発やスクリーニングに有用である。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)とは、出生前、例えば胚段階で、その動物又はその動物の祖先に導入された導入遺伝子を含む細胞を有する動物である。導入遺伝子とは、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムに組み込まれたDNAである。一実施形態では、PROをコードするcDNAは、PROをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製するために使用するゲノム配列及び確立された技術に基づいて、PROをコードするゲノムDNAをクローン化するために使用することができる。トランスジェニック動物、特にマウス又はラット等の特定の動物を産生する方法は、当該分野において常套的になっており、例えば米国特許第4,736,866号や第4,870,009号に記述されている。典型的には、特定の細胞を組織特異的エンハンサーでのPRO導入遺伝子の導入の標的にする。胚段階で動物の生殖系列に導入されたPROコード化導入遺伝子のコピーを含むトランスジェニック動物はPROをコードするDNAの増大した発現の影響を調べるために使用できる。このような動物は、例えばその過剰発現を伴う病理学的状態に対して保護をもたらすと思われる試薬のテスター動物として使用できる。本発明のこの態様においては、動物を試薬で治療し、導入遺伝子を有する未治療の動物に比べ病理学的状態の発症率が低ければ、病理学的状態に対する治療上の処置の可能性が示される。
【0139】
あるいは、PROの非ヒト相同体は、動物の胚性細胞に導入されたPROをコードする変更ゲノムDNAと、PROをコードする内在性遺伝子との間の相同的組換えによって、PROをコードする欠陥又は変更遺伝子を有するPRO「ノックアウト」動物を作成するために使用できる。例えば、PROをコードするcDNAは、確立された技術に従い、PROをコードするゲノムDNAのクローニングに使用できる。PROをコードするゲノムDNAの一部を欠失したり、組み込みをモニターするために使用する選択可能なマーカーをコードする遺伝子等の他の遺伝子で置換することができる。典型的には、ベクターは無変化のフランキングDNA(5’と3’末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターについてはThomas及びCapecchi, Cell, 51:503(1987)を参照のこと]。ベクターは胚性幹細胞に(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入されたDNAが内在性DNAと相同的に組換えられた細胞が選択された[例えば、Liら, Cell, 69:915(1992)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注入されて集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxford, 1987), pp. 113-152参照のこと]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母に移植し、期間をおいて「ノックアウト」動物を作り出す。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それらを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させることができる。ノックアウト動物は、PROポリペプチドの欠乏によるある種の病理的状態及びその病理的状態の進行に対する防御能力によって特徴付けられる。
【0140】
また、PROポリペプチドをコードする核酸は遺伝子治療にも使用できる。遺伝子治療用途においては、例えば欠陥遺伝子を置換するため、治療的有効量の遺伝子産物のインビボ合成を達成するために遺伝子が導入される。「遺伝子治療」とは、1回の処理により継続的効果が達成される従来の遺伝子治療と、治療的に有効なDNA又はmRNAの1回又は繰り返し投与を含む遺伝子治療薬の投与の両方を含む。アンチセンスRNA及びDNAは、ある種の遺伝子のインビボ発現を阻止する治療薬として用いることができる。短いアンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞膜による制限された取り込みに起因する低い細胞内濃度にもかかわらず、それが阻害剤として作用する細胞中に移入できることは既に示されている(Zamecnikら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83: 4143-4146 [1986])。オリゴヌクレオチドは、それらの負に荷電したリン酸ジエステル基を非荷電基で置換することによって取り込みを促進するように修飾してもよい。
【0141】
生存可能な細胞に核酸を導入するための種々の技術が存在する。これらの技術は、核酸が培養細胞にインビトロで、あるいは意図する宿主の細胞においてインビボで移入されるかに応じて変わる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで移入するのに適した方法は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法などを含む。現在好ましいインビボ遺伝子移入技術は、ウイルス(典型的にはレトロウイルス)ベクターでのトランスフェクション及びウイルス被覆タンパク質-リポソーム媒介トランスフェクションである(Dzauら, Trends in Biotechnology 11, 205-210(1993))。幾つかの状況では、核酸供給源を、細胞表面膜タンパク質又は標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上のレセプターに対するリガンド等の標的細胞を標的化する薬剤とともに提供するのが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスを伴って細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質、例えば、特定の細胞型向性のキャプシドタンパク質又はその断片、サイクルにおいて内部移行を受けるタンパク質に対する抗体、細胞内局在化を標的とし細胞内半減期を向上させるタンパク質が、標的化及び/又は取り込みの促進のために用いられる。レセプター媒介エンドサイトーシスは、例えば、Wuら, J. Biol. Chem. 262, 4429-4432 (1987); 及びWagnerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 3410-3414 (1990)によって記述されている。遺伝子作成及び遺伝子治療のプロトコールの概説については、Andersonら, Science 256, 808-813 (1992)を参照のこと。
【0142】
ここに記載したPROポリペプチドをタンパク質電気泳動目的の分子量マーカーとして用いてもよく、単離された核酸配列を、これらのマーカーを組み換え発現に用いてもよい。
ここに記載したPROポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は、染色体の同定に有用である。この点において、実際の配列に基づく染色体マーキング試薬は殆ど利用可能ではないため、新規な染色体マーカーの同定の必要である。本発明の各PRO核酸分子は染色体マーカーとして使用できる。
また、本発明のPROポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングに使用でき、本発明のPROポリペプチドは、好ましくは同じ型の正常組織に比較して疾患性組織において、一方の組織で他方に比較して異なる発現をする。PRO核酸分子には、PCR、ノーザン分析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されるであろう。
【0143】
ここに記載したPROポリペプチドは治療薬として用いてもよい。本発明のPROポリペプチドは、製薬的に有用な組成物を調製するのに知られた方法に従って製剤され、これにより、このPRO生成物は製薬的に許容される担体媒体と混合される。治療用製剤は、凍結乾燥された製剤又は水性溶液の形態で、任意的な製薬上許容可能なキャリア、賦形剤又は安定剤と、所望の精製度を有する活性成分とを混合することにより(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, A. Osol, Ed., [1980])、調製され保管される。許容される担体、賦形剤又は安定剤は、用いる投与量及び濃度ではレシピエントに対して無毒性であり、リン酸、クエン酸及び他の有機酸等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(残基数10個未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性重合体;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリン等の単糖類、二糖類又は他の炭水化物、EDTA等のキレート剤、マンニトール又はソルビトール等の糖類、ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、PLURONICS(商品名)又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0144】
インビボ投与に使用される製剤は滅菌されていなくてはならない。これは、凍結乾燥及び再構成の前又は後に、滅菌フィルター膜を通す濾過により容易に達成される。
ここで、本発明の製薬組成物は一般に、無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、皮下注射針で貫通可能なストッパーを持つ静脈内バッグ又はバイアル内に配される。
投与経路は周知の方法、例えば、静脈内、腹膜内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内又は病巣内経路での注射又は注入、局所投与、又は徐放系による。
本発明の製薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は、意図する特定の用途に応じて変化する。適切な用量又は投与経路の決定は、通常の内科医の技量の範囲内である。動物実験は、ヒト治療のための有効量の決定についての信頼できるガイダンスを提供する。有効量の種間スケーリングは、Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobiら, 編, Pergamon Press, New York 1989, pp. 42-96のMordenti, J. 及びChappell, W. 「The use of interspecies scaling in toxicokinetics」に記載された原理に従って実施できる。
【0145】
PROポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニストのインビボ投与が用いられる場合、正常な投与量は、投与経路に応じて、哺乳動物の体重当たり1日に約10ng/kgから100mg/kgまで、好ましくは約1μg/kg/日から10mg/kg/日である。特定の用量及び輸送方法の指針は文献に与えられている;例えば、米国特許第4,657,760号、第5,206,344号、又は第5,225,212号参照。異なる製剤が異なる治療用化合物及び異なる疾患に有効であること、例えば一つの器官又は組織を標的とする投与には、他の器官又は組織とは異なる方式で輸送することが必要であることが予想される。
【0146】
PROポリペプチドの投与を必要とする任意の疾患又は疾病の治療に適した放出特性を持つ製剤でPROポリペプチドの持続放出が望まれる場合、PROポリペプチドのマイクロカプセル化が考えられる。持続放出のための組換えタンパク質のマイクロカプセル化は、ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン-(rhIFN-)、インターロイキン-2、及びMN rgp120で成功裏に実施されている。Johnsonら, Nat. Med., 2: 795-799 (1996); Yasuda, Biomed. Ther., 27: 1221-1223 (1993); Horaら, Bio/Technology, 8: 755-758 (1990); Cleland, 「Design and Production of Single Immunization Vaccines Using Polyactide Polyglycolide Microsphere Systems」Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach, Powell 及び Newman編, (Plenum Press: New York, 1995), p.439-462; WO97/03692,WO96/40072,WO96/07399;及び米国特許第5,564,010号。
これらのタンパク質の持続放出製剤は、ポリ-乳酸-コグリコール酸(PLGA)ポリマーを用い、その生体適合性及び広範囲の生分解特性に基づいて開発された。PLGAの分解生成物である乳酸及びグリコール酸は、ヒト身体内で即座にクリアされる。さらに、このポリマーの分解性は、分子量及び組成に依存して数ヶ月から数年まで調節できる。Lewis, 「Controlled release of bioactive agents from lactide/glycolide polymer」: M. Chasin及び R. Langer (編), Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems (Marcel Dekker: New York, 1990), pp. 1-41。
【0147】
本発明は、PROポリペプチドに類似する(アゴニスト)又はPROポリペプチドの効果を阻害する(アンタゴニスト)ものを同定するための化合物のスクリーニング方法も包含する。アンタゴニスト候補薬のスクリーニングアッセイは、ここに同定した遺伝子にコードされるPROポリペプチドと結合又は複合体形成する化合物、又は他にコード化ポリペプチドの他の細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、それを特に小分子候補薬の同定に適したものにする、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに適用可能なアッセイを含む。
該アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、及び細胞ベースのアッセイで、この分野で知られたものを含む種々の方式で実施される。
アンタゴニストについての全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定された核酸にコードされるPROポリペプチドと、これら2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させることを必要とすることにおいて共通する。
【0148】
結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離されるか、又は反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された遺伝子にコードされるPROポリペプチド又は候補薬が、共有又は非共有結合により固相、例えばミクロタイタープレートに固定化される。非共有結合は、一般的に固体表面をPROポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成される。あるいは、固定化されるPROポリペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノクローナル抗体を、それを固体表面に固着させるために用いることができる。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄によって除去し、固体表面に固着した複合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識抗体によって検出できる。
【0149】
候補化合物が相互作用するがここに同定した遺伝子にコードされる特定のPROポリペプチに結合しない場合、そのポリペプチドとの相互作用は、タンパク質-タンパク質相互作用を検出するために良く知られている方法によってアッセイすることができる。そのようなアッセイは、架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィカラムを通す同時精製などの伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質-タンパク質相互作用は、Chevray及びNathans[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 89, 5789-5793 (1991)]に開示されているように、Fields及び共同研究者ら[Fiels及びSong, Nature(London) 340, 245-246 (1989); Chienら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578-9582 (1991)]に記載された酵母ベースの遺伝子系を用いることによってモニターすることができる。酵母GAL4などの多くの転写活性化剤は、2つの物理的に別個のモジュラードメインからなり、一方はDNA結合ドメインとして作用し、他方は転写活性化ドメインとして機能する。前出の文献に記載された酵母発現系(一般に「2-ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所を利用し、並びに2つのハイブリッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質がGAL4のDNA結合ドメインに融合し、他方では候補となる活性化タンパク質が活性化ドメインに融合している。GAL1-lacZリポーター遺伝子のGAL4活性化プロモーターの制御下での発現は、タンパク質-タンパク質相互作用を介したGAL4活性の再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含むコロニーは、β-ガラクトシダーゼに対する色素生産性物質で検出される。2-ハイブリッド技術を用いた2つの特定なタンパク質間のタンパク質-タンパク質相互作用を同定するための完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clontechから商業的に入手可能である。また、この系は、特定のタンパク質相互作用に含まれるタンパク質ドメインのマッピング、並びにこれら相互作用にとって重要なアミノ酸残基の特定へ拡大適用することができる。
【0150】
ここで同定されたPROポリペプチドをコードする遺伝子と細胞内又は細胞外成分との相互作用を阻害する化合物は、次のように試験できる:通常、反応混合物は、遺伝子産物と細胞外又は細胞内成分を、これら2つの生成物の相互作用及び結合が可能な条件下及び時間に渡って含むように調製される。候補化合物が結合を阻害する能力を試験するために、反応は試験化合物の不存在及び存在下で実施される。さらに、プラシーボを第3の反応混合物に添加してポジティブコトロールを提供してもよい。混合物中に存在する試験化合物と細胞内又は細胞外成分との結合(複合体形成)は上記のようにモニターされる。試験化合物を含有する反応混合物ではなく、コントロール反応における複合体の形成は、試験化合物が試験化合物とその結合パートナーとの相互作用を阻害することを示す。
【0151】
アンタゴニストをアッセイするためには、特定の活性についてスクリーニングされる化合物とともにPROポリペプチドを細胞へ添加してもよく、PROポリペプチド存在下における対象活性を阻害する化合物の能力は、化合物がPROポリペプチドのアンタゴニストであることを示す。あるいは、PROポリペプチドと膜結合PROポリペプチドレセプター又は組換えレセプターを有する潜在的アンタゴニストを競合的阻害アッセイに適した条件下で結合させることによって、アンタゴニストを検出してもよい。放射活性などでPROポリペプチドを標識することが可能であり、潜在的アンタゴニストの有効性を判断するためにレセプターに結合したPROポリペプチドの数を利用することができる。レセプターをコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例えばリガンドパンニング及びFACSソートによって同定できる。Coliganら, Current Protocols in Immun., 1(2): 第5章(1991)。好ましくは、発現クローニングが用いられ、ポリアデニル化RNAがPROポリペプチドに反応性の細胞から調製され、このRNAから生成されたcDNAライブラリがプールに分配され、COS細胞又はPROポリペプチド反応性でない他の細胞のトランスフェクションに使用される。スライドガラスで成長させたトランスフェクション細胞を、標識したPROポリペプチドで暴露する。このPROポリペプチドは、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナーゼの認識部位の封入を含む種々の手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後、スライドにオートラジオグラフィ分析を施す。ポジティブプールを同定し、相互作用サブプール化及び再スクリーニング工程を用いてサブプールを調製して再トランスフェクションし、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生成する。
【0152】
レセプター同定の代替的方法として、標識化PROポリペプチドをレセプター分子を発現する細胞膜又は抽出調製物に光親和性結合させることができる。架橋材料をPAGEで溶解させ、X線フィルムへ暴露する。レセプターを含む標識複合体を励起し、ペプチド断片へ分解し、タンパク質マイクロ配列決定を施すことができる。マイクロ配列決定から得たアミノ酸配列は、推定レセプターをコードする遺伝子を同定するcDNAライブラリをスクリーニングする縮重オリゴヌクレオチドプローブの一組の設計に用いられる。
アンタゴニストの他の検定では、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調製物を、候補化合物の存在下で標識PROポリペプチドとともにインキュベートする。次いで、この相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPROポリペプチドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリペプチド-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、従ってPROポリペプチドの作用を競合的に阻害するPROポリペプチドの変異形態であってもよい。
【0153】
他の潜在的なPROポリペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技術を用いて調製されたアンチセンスRNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセンスRNA又はDNAは、標的mRNAにハイブリダイゼーションしてタンパク質翻訳を妨害することによりmRNAの翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセンス技術は、トリプルへリックス形成又はアンチセンスDNA又はRNAを通して遺伝子発現を制御するのに使用でき、それらの方法はともに、ポリペプチドヌクレオチドのDNA又はRNAへの結合に基づく。例えば、ここでの成熟PROポリペプチドをコードするポリペプチドヌクレオチド配列の5’コード化部分は、約10から40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計に使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相補的であるように設計され(トリプルへリックス−Leeら, Nucl, Acid Res., 6: 3073 (1979); Cooneyら, Science, 241: 456 (1988); Dervanら, Science, 251: 1360 (1991)参照)、それによりPROポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリダイゼーションしてmRNA分子のPROポリペプチドへの翻訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 56: 560 (1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (SRS Press: Boca Raton, FL, 1988))。上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に輸送され、アンチセンスRNA又はDNAをインビボで発現させて、PROポリペプチドの生産を阻害することもできる。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
【0154】
潜在的アンタゴニストは、PROポリペプチドの活性部位、レセプター結合部位、又は成長因子又は他の関連結合部位に結合し、それによりPROポリペプチドの正常な生物学的活性を阻止する小分子を含む。小分子の例は、これらに限られないが、小型ペプチド又はペプチド様分子、好ましくは可溶性ペプチド、及び合成非ペプチド有機又は無機化合物を含む。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼーション、次いでヌクレオチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current Biology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO97/33551(1997年9月18日公開)を参照。
【0155】
転写阻害に用いられるトリプルヘリックス形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO97/33551、上掲を参照。
これらの小分子は、上記で検討したスクリーニングアッセイの一つ又は複数の任意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる。
また、ここで開示されている分子の診断的及び治療的利用は、下記に開示及び記載のポジティブ機能アッセイヒットに基づいている。
【0156】
F.組織分布
本発明のPROを発現する組織の位置は、、種々のヒト組織でのmRNA発現の測定により確認できる。そのような遺伝子の位置は、PROポリペプチドの活性の刺激及び阻害によって最も影響を受けやすい組織に関する情報を提供する。また、特定の組織中の遺伝子の位置は、下記において論じる活性遮断アッセイのための試料組織を提供する。
上記したように、種々の組織における遺伝子増幅又は遺伝子発現は、mRNAの転写の定量化のための従来のサザンブロット、ノーザンブロット(Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 5201-5205 [1980])、ドットブロット(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーションによって、ここに提供する配列に基づき、適切な標識プローブを用いて測定できる。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二重鎖又はDNA-タンパク質二重鎖を含む特定の二重鎖を認識する抗体を用いてもよい。
あるいは、種々の組織における遺伝子発現は、遺伝子産物を直接定量化するための、組織断片及び細胞培地又は体液の免疫組織学的染色などの免疫的方法によっても測定できる。免疫組織学的染色又は試料液のアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の動物から調製される。都合良く、抗体は、PROポリペプチドの天然配列に対して、又は本発明のポリペプチドをコードするDNA配列に基づく合成ペプチドに対して、或いはPROポリペプチドをコードし、特異的抗体エピトープをコードするDNAと融合した外来配列に対して調製してもよい。下記に、抗体を生成するための一般的な技術、並びにノーザンブロット及びインサイツハイブリダイゼーションのプロトコールを提供する。
【0157】
G.抗体結合の研究
本発明のPROポリペプチドの活性は、組織細胞に対するPROポリペプチドの効果を阻害する抗-PRO抗体の能力が試験される抗体結合の研究によって更に確認できる。例示的な抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性、及びへテロコンジュゲート抗体を含み、その調製は以下に記載する。
抗体結合の研究は、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドウィッチアッセイ、及び免疫沈降アッセイなどの既知のアッセイ法で実施してよい。Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158 (CRC Press, Inc., 1987)。
競合的結合アッセイは、標識標準物の、限られた量の抗体との結合について試験分析物と競合する能力による。試験試料中の(腫瘍細胞で増幅された遺伝子にコードされる)標的タンパク質の量は、抗体に結合し始める標準物の量に逆比例する。結合し始める標準物の量の測定を促進するために、抗体は好ましくは競合の前又は後に固定化し、抗体に結合した標準品及び分析物が未結合で残っている標準物及び分析物から容易に分離できるようにする。
【0158】
サンドウィッチアッセイは2つの抗体の使用を含み、各々が検出すべきタンパク質の異なる免疫原部分、又はエピトープに結合できる。サンドウィッチアッセイにおいて試験試料分析物は固体支持体上に固定化された第1の抗体に結合し、その後第2の抗体が分析物に結合し、よって不溶性の3成分複合体が形成される。例えば米国特許第4,376,110号参照。第2の抗体は検出可能部分で標識され(直接サンドウィッチアッセイ)、あるいは検出可能部分で標識された抗-免疫グロブリン抗体を用いて測定してもよい(間接サンドウィッチアッセイ)。例えば、サンドウィッチアッセイの一形態はELISAアッセイであり、この場合の検出可能部分は酵素である。
免疫組織学のためには、腫瘍試料は新鮮でも凍結したものでもよく、パラフィンに包埋して、例えばホルマリン等の保存剤で固定してもよい。
【0159】
H.細胞ベースアッセイ
細胞ベースアッセイ及び免疫関連疾患の動物モデルを、ここで同定された遺伝子とポリペプチド、並びに免疫関連疾患の発達と病原性との関係をさらに理解するのに用いることができる。
異なる方法では、ここに記載されたcDNAを特定の免疫関連疾患に関与することが知られているある細胞型の細胞へトランスフェクションし、これらのcDNAの免疫機能を刺激又は阻害する能力を分析する。適当な細胞は所望の遺伝子でトランスフェクションし、そして免疫機能をモニターすることができる。このようなトランスフェクション株化細胞は、例えばT細胞の増殖又は炎症性細胞の浸潤を調節する免疫機能を阻害又は刺激するポリ−又はモノクローナル抗体又は抗体組成物の能力を試験するのに用いることができる。ここに同定した遺伝子のコード化配列でトランスフェクションした細胞は、さらに、免疫関連疾患の治療の候補薬の同定に用いることができる。
さらには、安定な株化細胞が好ましいが、トランスジェニック動物から誘導された一次培地を(下記のような)、ここでの細胞ベースアッセイに使用することができる。トランスジェニック動物から連続株化細胞を誘導する技術は、この分野で良く知られている(Smallら, Mol. Cell. Biol. 5, 642-648 [1985]参照)。
【0160】
一つの適切な細胞ベースアッセイは、混合リンパ球反応(MLR)である。Current Protocols in Immunology, unit3.12;J E Coligan, A M Kruisbeek, D H Marglies, E M Shevach, W Strober編, 国立衛生研究所, John Wiley & Sons, Inc。このアッセイでは、活性T細胞の増殖を刺激又は阻害する試験化合物の能力が評価される。レスポンダーT細胞の懸濁液を同種刺激細胞と培養し、T細胞の増殖をトリチウム化チミジンの取り込みによって測定する。このアッセイは、T細胞反応性の一般的な測定法である。活性化によって、T細胞の大多数がIL-2へ応答し、IL-2を生産することから、このアッセイでの応答性の相違の一部は、応答細胞によるIL-2生産の違いを反映する。MLRの結果は、標準的なリンフォカイン(IL-2)検出アッセイによって確かめられる。Current Protocols in Immunology, 上掲, 3.15,6.3。
【0161】
MLRアッセイにおける増殖性のT細胞応答は、アッセイされた分子の直接的な分裂促進特性又は外来性の抗原誘導活性化に起因する。本発明のポリペプチドのT細胞刺激性活性の更なる確認は、同時刺激アッセイによって得ることができる。T細胞活性化には、T細胞レセプター(TCR)を通して媒介される抗原特異性シグナルと二番目のリガンド結合による相互作用を通して媒介される同時刺激シグナル、例えばB7(CD80,CD86)/CD28結合相互作用が必要される。CD28架橋は、活性化T細胞によるリンフォカインの分泌を増加させる。T細胞活性化は、ネガティブ又はポジティブ効果のあるリガンド結合を通して、ネガティブ及びポジティブコントロールの両方を有する。CD28及びCTLA-4はB7と結合するIgスーパーファミリーの関連する糖タンパク質である。B7へのCD28の結合には、T細胞活性化のポジティブ同時刺激効果がある;逆を言えば、B7へのCTLA-4の結合には、ネガティブなT細胞非活性化効果がある。Chambers, C.A.及びAllison, J.P., Curr. Opin. Immunol.(1997) 9:396;Schwartz, R.H., Cell(1992) 71: 1065;Linsey, P.S.及びLedbetter, J.A., Annu. Rev. Immunol.(1993) 11:191;June, C.H.ら., Immunol. Today(1994) 15:321;Jenkins, M.K., Immunity(1994) 1:405。同時刺激アッセイでは、T細胞同時刺激性又は阻害活性について本発明のPROポリペプチドをアッセイする。
【0162】
本発明の他の化合物と並んで、T細胞増殖の刺激剤(同時刺激剤)及びアゴニスト、例えばアゴニスト抗体あり、その上にMLR及び同時刺激アッセイによって確定されたように、PROポリペプチドは、例えば、弱く、最適状態には及ばない、或いは不十分な免疫機能として特徴付けられる免疫関連疾患の治療に有用である。これらの疾患は、T細胞(並びにT細胞媒介免疫)の増殖及び活性化を刺激すること、並びに刺激PROポリペプチドのような刺激性化合物の投与を通して哺乳動物の免疫応答を高めることによって治療される。この刺激ポリペプチドは、例えば、PROポリペプチド又はそのアゴニスト抗体でもよい。
本発明におけるような刺激化合物の直接的用途は、初期T細胞上に発現するリガンド(4-1BBL)と結合し、T細胞活性化と成長の信号を伝達する、腫瘍壊死因子レセプターファミリーのメンバーである4-1BB糖タンパク質をともなう実験において確かめられている。Alderson, M.E.ら., J. Immunol. 24:2219(1994) 。
【0163】
アゴニスト刺激性化合物の用途も実験的に確かめられている。アゴニスト抗-4-1BB抗体による治療での4-1BBの活性化は、腫瘍の根絶を促進する。Hellstrom, I.及びHellstrom, K.E., Crit. Rev. Immunol. (1998) 18:1。下記により詳しく記載されている免疫吸着剤療法による腫瘍の治療は、本発明の刺激性化合物の用途のもう一つの例である。MLRアッセイにおいて阻害することが見出されているPROの活性と拮抗する、或いはそれを遮断することによって、免疫刺激又は促進効果も達成することができる。化合物の阻害活性を打ち消すことは、正味の刺激性効果を生み出す。適切なアンタゴニスト/遮断化合物は、阻害性タンパク質を認識してそれと結合するそれの抗体又は断片であり、このタンパク質のレセプターとの効果的な相互作用を遮断して、レセプターを通してのシグナル伝達を阻害する。恐らくはCTLA-4の結合による阻害シグナルを除くことによってT細胞の増殖を促進する抗-CTLA-4抗体を用いる実験において、この効果は確認されている。Walunas, T.L.ら, Immunity(1994) 1:405。
あるいは、免疫刺激又は増強効果は、また、血管透過性を高める特性を有するPROポリペプチドの投与によって達成することができる。高まった血管透過性は、免疫細胞(例えば、単球、好酸球、PMN)の局所的な浸潤によって和らげることが可能な疾患に対して有益である。
【0164】
一方では、T細胞増殖/活性化、リンフォカイン分泌、及び/又は血管透過性の直接的阻害剤である本発明の他の化合物と同様にPROポリペプチドは、免疫応答を抑制へ直接に用いることができる。これらの化合物は、免疫応答の程度を減じること、並びに異常に活発な、並外れに最適な、又は自己免疫性の応答によって特徴付けられる免疫関連疾患を治療するのに有用である。本発明のこの化合物の用途は、レセプターB7へのCTLA-4の結合がT細胞を不活性化させる上記に記載の実験によって確認されている。本発明の直接的阻害性化合物は、類似の方法で機能する。血管透過性を抑制する化合物の用途は、炎症を減じることが期待できる。そのような用途は、過度の炎症に関連する症状を治療するのに有益である。
あるいは、例えば、本発明の刺激PROポリペプチドと結合し、これら分子の刺激効果を遮断する抗体は、正味の阻害性効果を生成し、T細胞増殖/活性化及び/又はリンフォカイン分泌を阻害することによってT細胞性免疫応答を抑制することに用いることができる。このポリペプチドの刺激効果を遮断することは、哺乳動物の免疫応答を抑制する。この用途は、抗-IL2抗体を用いる実験において確認されている。これらの実験では、抗体はIL2と結合し、IL2のそのレセプターとの結合を遮断することでT細胞阻害効果を達成する。
【0165】
I.動物モデル
細胞ベースインビトロアッセイの結果は、インビトロ動物モデル及びT細胞機能向けのアッセイを用いてさらに確かめることができる。免疫関連疾患の発達及び病理におけるここで同定される遺伝子の役割を更に理解するために、そして抗体、及び小分子アゴニストを含む天然ポリペプチドの他のアゴニストを含む候補治療薬の有効性を試験するために、種々の良く知られた動物モデルが使用できる。このようなモデルのインビボの性質によって、特にヒト患者における反応を予測できる。免疫関連疾患の動物モデルは、非組換え及び組換え(トランスジェニック)動物の両方を含む。非組換え動物モデルは、例えば、齧歯類、例えばマウスモデルを含む。このようなモデルは、標準的な技術、例えば、皮下注射、尾部静脈注射、脾臓移植、腹膜内移植、腎被膜下移植などにより、細胞を導入することによって作成される。
【0166】
移植片対宿主疾患は、免疫担当細胞が免疫抑制又は寛容(トレランス)な患者に移植された際に起こる。ドナー細胞が宿主抗原を認識し、これへ応答する。この応答には、生命を脅かす重篤な炎症から下痢及び体重減少の穏やかな場合にまで変化し得る。移植片対宿主疾患モデルは、MHC抗原及び微量の移植抗原に対するT細胞の反応性を評価する手段を提供する。好適な手法は、上記のCurrent Protocols in Immunology unit 4.3に詳しく記載されている。
皮膚移植片拒絶の動物モデルは、T細胞がインビボ組織破壊を媒介する能力を試験する手段であり、移植片拒絶におけるそれらの役割の基準である。最も普通で許容されるモデルは、マウスの尾の皮膚移植である。繰り返し実験により、皮膚同種移植片拒絶はT細胞、ヘルパーT細胞尾キラー効果T細胞に媒介され、抗体ではないことが示された。Auchincloss, H. Jr.及びSachs, D.H., Fundamental Immunology, 2版, W.E. Paul編, Raven Press, NY, 1989, 889-992。好適な手法は、上記のCurrent Protocols in Immunology, unit 4.4に詳細に記載されている。本発明の化合物の試験に使用できる他の移植片拒絶モデルは、Tanabe, M.ら, Transplantation (1994) 58: 23及びTinubu, S.A.ら, J. Immunol. (1994) 4330-4338に記載されている同種心臓移植モデルである。
【0167】
遅延型過敏症の動物モデルは、同様に細胞媒介免疫機能のアッセイ法を提供する。詳細な型の過敏症反応は、抗原負荷後時間が経過するまでピークに達しない炎症を特徴とするT細胞媒介免疫反応である。これらの反応はまた、組織特異的自己免疫疾患、例えば多発性硬化症(MS)及び実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE、MSのモデル)を起こす。好適な手法は、上記のCurrent Protocols in Immunology, unit 4.5に詳細に記載されている。
EAEは、T細胞及び単核球炎症、及びその結果生じた中枢神経系の軸索の脱髄によって特徴付けられるT細胞性自己免疫疾患である。EAEは、一般的には、ヒトのMSの関連する動物モデルであると考えられる。Bolton, C., Multiple Sclerosis(1995) 1: 143。急性及び再発性軽減モデルの両方が開発されている。Current Protocols in Immunology, unit 15.1及び15.2に記載のプロトコールを用いて、本発明の化合物は、免疫性脱髄疾患に対するT細胞刺激性又は阻害性活性について試験することができる。Duncan, I.D.ら, Molec. Med. Today(1997) 554-561に記載されている、オリゴデンドログリア又はシュワン細胞が中枢神経系へ移植されるミエリン疾患のモデルも参照のこと。
【0168】
接触過敏症は、細胞性免疫機能の単純な遅延型過敏症インビボアッセイである。この手法では、遅延型過敏症反応を引き起こす外来性ハプテンへの皮膚被爆が測定そして定量化される。接触過敏症には、誘発期が後に続く初期感作期が含まれる。この誘発期は、Tリンパ球が以前に接触した抗原と遭遇する際に起こる。腫れと炎症が起こり、それをヒトアレルギー性接触皮膚炎の優れたモデルにする。好適な手法は、Current Protocols in Immunology, Eds. J. E. Cologan, A. M. Kruisbeek, D. H. Margulies, E. M. Shevach及びW. Strober, John Wiley & Sons, Inc., 1994, unit 4.2に詳しく記載されている。Grabbe, S. 及びSchwarz, T, Immun. Today 19(1): 37-44(1998)も参照のこと。
関節炎の動物モデルはコラーゲン誘発関節炎である。このモデルは、ヒトの自己免疫性慢性関節リウマチと臨床的、組織学的及び免疫学的特徴を共有し、ヒトの自己免疫性関節炎の許容されるモデルである。マウス及びラットモデルは、滑膜炎、軟骨及び肋軟骨下骨の浸食を特徴とする。本発明の化合物は、上記のCurrent Protocols in Immunology, unit 15.5に記載されているプロトコールを用いて、自己免疫性関節炎に対する活性について試験できる。また、Issekutz, A.C.ら, Immunology 88: 569 (1996)に記載されているCD18及びVLA-4インテグリンに対するモノクローナル抗体を用いたモデルも参照のこと。
【0169】
喘息のモデルは記載され、そこでは抗原誘発気道過剰反応性、肺性好酸球増加症及び炎症が、動物をオボアルブミンで感作し、次いで動物にエアロゾルで運ばれる同じタンパク質を負荷することにより誘発される。幾つかの動物モデル(モルモット、ラット、非ヒト霊長類)は、エアロゾル抗原で負荷した際にヒトのアトピー性喘息に似た徴候を示す。マウスモデルは、ヒト喘息の多くの特徴を持つ。本発明の化合物の喘息治療における活性及び有効性を試験するための好適な方法は、Wolyniec, W.W.ら, Am. J. Respir. Cell Mol. Biol., 18: 777(1998) 及びその引用文献に記載されている。
さらに、本発明の化合物は、乾癬様疾患の動物モデルでも試験できる。証拠は、乾癬についてのT細胞病原を示唆している。本発明の化合物は、Schon, M.P.ら, Nat. Med. (1997)3: 183によって記載された、マウスが乾癬に類似する組織病原学的皮膚疾患を示すscid/scidマウスモデルでも試験できる。他の好適なモデルは、Nickoloff, B.J.ら, Am . J. Pathol. (1995) 146: 580に記載されたように調製されるヒト皮膚/scidマウスキメラである。
【0170】
組換え(トランスジェニック)動物モデルは、ここに同定された遺伝子のコード部分を、トランスジェニック動物作成のための標準的技術を用いて、対象とする動物のゲノムに導入することにより加工できる。トランスジェニック操作の標的として提供できる動物は、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヒツジ、ヤギ、ブタ、及び非-ヒト霊長類、例えばヒヒ、チンパンジー及びサルを含む。これらの動物に導入遺伝子を導入するのにこの分野で知られた技術は、全核マイクロインジェクション(Hoppe及びWanger, 米国特許第4,873,191号);胚系列へのレトロウイルス媒介遺伝子転移(例えば、Van der Puttenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 6148-615 [1985]);胚性肝細胞での遺伝子標的化(Thompsonら, Cell 56, 313-321 [1989]);胚のエレクトロポレーション(Lo, Mol. Cel. Biol. 3, 1803-1814 [1983]);精子媒介遺伝子転移(Lavitranoら, Cell 57, 717-73 [1989])を含む。概説としては、例えば、米国特許第4,736,866号を参照のこと。
本発明の目的のために、トランスジェニック動物は、その一部にのみ導入遺伝子を有するもの(「モザイク動物」)を含む。導入遺伝子は、単一の導入遺伝子として、又はコンカテマー、例えば頭部と頭部又は頭部と尾部の直列型として組み込まれる。特定の細胞型への導入遺伝子の選択的導入も、例えば、Laskoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 6232-636 (1992)の技術に従って可能である。
【0171】
トランスジェニック動物における導入遺伝子の発現は、標準的技術によってモニターできる。例えば、導入遺伝子の組み込みの確認にサザンブロット分析又はPCR増幅が用いられる。次いで、mRNA発現のレベルは、インサイツハイブリダイゼーション、ノーザンブロット分析、PCR、又は免疫組織化学などの技術を用いて分析できる。
例えば免疫細胞の特定の細胞への浸潤を確定するための組織学的検査によって、免疫疾患病理の兆候に関してこの動物を更に調べてもよい。本発明の化合物によるT細胞増殖の刺激又は阻害の程度を確定するために、この化合物で処理したトランスジェニック動物で遮断実験をも行うことができる。これらの実験では、上記に記載のようにして調製した本発明のポリペプチドと結合する遮断抗体が動物へ投与され、そして免疫機能への影響が測定される。
【0172】
あるいは、「ノックアウト」動物は、ここで同定されたポリペプチドをコードする内在性の遺伝子と、動物の胚性細胞へ導入されたそのポリペプチドをコードする改変ゲノムDNAとの間の相同組み換えの結果として、ここで同定されたポリペプチドをコードする欠陥又は改変遺伝子を有するものとして構築することができる。例えば、ある特定ポリペプチドをコードするcDNAは、確立されている技術によって、そのポリペプチドをコードするゲノムDNAのクローニングに利用できる。ある特定のポリペプチドをコードするゲノムDNAの一部は、その他の遺伝子、例えば組み込みをモニターするために利用できる選択可能なマーカーをコードする遺伝子によって置き換え又は除去できる。概して、ベクターは無変化のフランキングDNA(5'と3'末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターについてはThomas及びCapecchi, Cell, 51:503(1987)を参照のこと]。ベクターを胚性幹細胞へ(例えば電気穿孔法等によって)導入し、導入されたDNAが内在性DNAと相同的に組換えられた細胞を選択する[例えば、Liほか, Cell, 69:915(1992)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注入され、集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxford, 1987), pp. 113-152参照]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母に移植し、期間をおいて「ノックアウト」動物をつくり出す。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それらを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させることができる。ノックアウト動物は、例えば腫瘍の発達を含む、ポリペプチドが不在であることによるある種の病理的状態及びその病理的状態の発達に対する防御能力によって特徴付けられる。
【0173】
J.免疫アジュバンド療法
一実施態様では、本発明の免疫刺激化合物を腫瘍(癌)治療のための免疫アジュバンド療法に利用することができる。T細胞がヒト腫瘍の特異的抗原を認識することは、現在は立証されている。MAGE、BAGE及びGAGEファミリーの遺伝子によってコードされている腫瘍抗原の一群は、すべての成人の正常組織では沈黙しているが、腫瘍、例えばメラノーマ、肺癌、頭頸部腫瘍、及び膀胱癌においてかなりの量が発現している。DeSmet. C.ら., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 7149(1996)。インビトロとインビボの双方において、T細胞の同時刺激によって腫瘍の退行と抗腫瘍応答が誘導されることが示されている。Melero, I.ら., Nature Medicine, 3: 682(1997);Kwon, E.D.ら., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94: 8099(1997);Lynch, D.H.ら., Nature Medicine, 3:625(1997);Finn, O.J.及びLotze, M.T., J. Immunol., 21:114(1998)。本発明の刺激性化合物は、アジュバンドとして、T細胞増殖/活性化及び腫瘍抗原への抗腫瘍応答を刺激するために、単独又は成長制御剤、細胞傷害性剤又は化学療法剤とともに投与することができる。既知の投与処方によって、成長制御、細胞傷害性、又は化学療法剤を従来量で投与してもよい。本発明の化合物による免疫刺激活性によって、成長制御、細胞傷害性、又は化学療法剤の減量が可能となり、それによって患者の毒性が潜在的に低下する。
【0174】
K.候補薬ためのスクリーニングアッセイ
候補薬のスクリーニングアッセイは、ここで同定された遺伝子によってコードされているポリペプチド、或いはその生物活性断片と結合又は複合化する化合物、或いはそうでなければコードされているポリペプチドと他の細胞性タンパク質の相互作用を妨害する化合物を同定するように設計されている。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに従うアッセイを含み、特に、小分子候補薬の同定に適している。考えられる小分子には、ペプチド、好ましくは可溶性ペプチド、(ポリ)ペプチド-免疫グロブリン融合物を含む合成有機又は無機化合物を含み、そして特に限定することなく、ヒト抗体及び抗体断片と並んで、ポリ-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びそのような抗体又は断片のキメラ又はヒト化異形を含む抗体を含む。このアッセイは、この分野で良く特徴付けられているタンパク質−タンパク質結合アッセイ、生物学的スクリーニングアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施される。すべてのアッセイは、候補薬とここで同定された核酸によってコードされているポリペプチドの相互作用を可能にする条件下及び十分な時間に渡って、これら二つの分子を接触させることを必要とするという点で共通である。
【0175】
結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離されるか、或いは反応混合物中で検出することができる。特別な実施態様では、ここに同定された遺伝子にコードされるポリペプチド又は候補薬が、共有又は非共有結合により固相、例えばマイクロタイタープレートに固定化される。非共有結合は、一般的に固体表面をポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成される。あるいは、固定化すべきペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノクローナル抗体を、そのペプチドを固体表面に固着させるために用いることができる。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識抗体によって検出できる。
【0176】
候補化合物が相互作用するが特定のタンパク質に結合しない場合、そのレセプターとの相互作用は、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するために良く知られた方法によってアッセイすることができる。そのようなアッセイは、架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィカラムを通す同時精製などの伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質−タンパク質相互作用は、Fields及び共同研究者等[Fiels及びSong, Nature(London) 340, 245-246 (1989); Chienら,Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578-9582 (1991)]に記載された酵母菌ベースの遺伝子系を用いることにより、Chevray及びNathans[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 89, 5789-5793 (1991)]に開示されているようにモニターすることができる。酵母菌GAL4などの多くの転写活性化剤は、2つの物理的に別個のモジュラードメインからなり、一方はDNA結合ドメインとして作用し、他方は転写活性化ドメインとして機能する。以前の文献に記載された酵母菌発現系(一般に「2-ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所を利用して、2つのハイブリッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質がGAL4のDNA結合ドメインに融合し、他方では、候補となる活性化タンパク質が活性化ドメインに融合している。GAL1-lacZリポーター遺伝子のGAL4活性化プロモーターの制御下での発現は、タンパク質-タンパク質相互作用を介したGAL4活性の再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含むコロニーは、β-ガラクトシダーゼに対する色素生産性物質で検出される。2-ハイブリッド技術を用いた2つの特定なタンパク質間のタンパク質-タンパク質相互作用を同定するための完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clontechから商業的に入手可能である。この系は、特定のタンパク質相互作用に含まれるタンパク質ドメインのマッピング、並びにこの相互作用にとって重要なアミノ酸残基の特定にも拡張することができる。
【0177】
ここで同定された遺伝子の相互作用を妨害する化合物と、試験が可能な他の細胞内又は細胞外成分を見出すために、二つの産物の相互作用と結合を可能にする条件と時間の下で、遺伝子の生産物、並びに細胞内又は細胞外成分を含有するように、反応混合物は、通常は調製される。試験化合物の結合を阻害する能力を試験するためには、反応を試験化合物が存在する場合と存在しない場合で実施する。さらに、第3の反応混合物へプラシーボを添加してポジティブコントロールとしてもよい。コントロール反応において複合体の形成があり、試験化合物を含有しない反応混合物では複合体の形成がないことは、試験化合物が、試験化合物とその反応パートナーとの相互作用を妨害することを示す。
【0178】
L.免疫関連疾患治療のための組成物及び方法
免疫関連疾患の治療に有用な組成物は、限定されないが、タンパク質、抗体、小有機分子、ペプチド、ホスホペプチド、アンチセンス及びリボザイム分子、三重螺旋分子などを含み、免疫機能、例えばT細胞増殖/活性化、リンフォカイン放出、又は免疫細胞浸潤を阻害又は刺激する。
例えば、アンチセンスRNA及びRNA分子は、標的mRNAにハイブリダイゼーションしてタンパク質翻訳を防止することによりmRNAの翻訳を直接阻止する。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
【0179】
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼーション、次いでヌクレオチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current Biology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO 97/33551(1997年9月18日発行)を参照。
転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を介する三重螺旋形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO 97/33551, 上掲を参照。
これらの分子は上記のスクリーニングアッセイの任意のもの又は任意の組み合わせにより、又は当業者に知られた他のスクリーニング技術により同定できる。
【0180】
M.抗-PRO抗体
本発明は、さらに抗-PRO抗体を提供するものである。抗体の例としては、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体が含まれる。
【0181】
1.ポリクローナル抗体
抗-PRO抗体はポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫剤、及び所望するのであればアジュバントを、一つ又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免疫剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫剤を免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に抱合させるのが有用である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。
【0182】
2.モノクローナル抗体
あるいは、抗-PRO抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫剤により免疫化することで、免疫剤に特異的に結合する抗体を生成するか或いは生成可能なリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。
【0183】
免疫剤は、典型的には対象とするPROポリペプチド又はその融合タンパク質を含む。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PBLs」)が使用され、あるいは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化株化細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103]。不死化株化細胞は、通常は、形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラット又はマウスの骨髄腫株化細胞が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複数の物質を含有する適切な培地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマの培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン及びチミジンを含み(「HAT培地」)、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。
【0184】
好ましい不死化株化細胞は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性である。より好ましい不死化株化細胞はマウス骨髄腫株であり、これは例えばカリフォルニア州サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerやメリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫株化細胞も開示されている[Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984)、Brodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51-63]。
次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PROに対するモノクローナル抗体の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクローナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技術及びアッセイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson及びPollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)によるスキャッチャード解析法によって測定することができる。
【0185】
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及びRPMI−1640倍地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物においてインビボで腹水として成長させることもできる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製される。
【0186】
また、モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号に記載された方法により作成することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、常套的な方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離し配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたら、DNAは発現ベクター内に配することができ、これが宿主細胞、例えばサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは免疫グロブリンタンパク質を生成等しない骨髄腫細胞内にトランスフェクションされ、組換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス配列に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[米国特許第4,816,567号;Morrisonら, 上掲]、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合することにより修飾することができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインに置換でき、あるいは本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換でき、キメラ性二価抗体を生成する。
【0187】
抗体は一価抗体であってもよい。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意の点で切断される。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換するか欠失させて架橋を防止する。
一価抗体の調製には、同じくインビトロ法が適している。抗体の消化による、その断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成が可能である。
【0188】
3.ヒト及びヒト化抗体
本発明の抗-PRO抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986); Riechmannら, Nature, 332:323-329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)]。
【0189】
非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト化抗体には非ヒト由来の1つ又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト抗体の該当する配列を置換することによりウィンター(Winter)及び共同研究者[Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmannら, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyenら, Science, 239:1534-1536 (1988)]の方法に従って、齧歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
【0190】
また、ヒト抗体は、ファージ表示ライブラリ[Hoogenboom及びWinter, J. Mol. Biol., 227:381(1991);Marksら, J. Mol. Biol., 222:381 (1991)]を含むこの分野で知られた種々の方法を用いて作成することもできる。また、Coleら及びBoernerらの方法も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる[Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss. p.77(1985)及びBoernerら, J. Immunol., 147(1):86-95(1991) ]。同様に、ヒト抗体はヒト免疫グロブリン座位をトランスジェニック動物、例えば内在性免疫グロブリン遺伝子は部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入することにより産生することができる。投与の際に、遺伝子再配列、組立、及び抗体レパートリーを含むあらゆる観点においてヒトに見られるものに非常に類似しているヒト抗体の生産が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、及び次の科学文献:Marksら, Bio/Technology 10, 779-783 (1992); Lonbergら, Nature 368 856-859 (1994); Morrison, Nature 368, 812-13 (1994); Fishwildら, Nature Biotechnology 14, 845-51 (1996); Neuberger, Nature Biotechnology 14, 826 (1996); Lonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13 65-93 (1995)に記載されている。
【0191】
また、抗体は、上記に記載のような既知の選択及び/又は突然変異誘発法を利用して親和的に成熟している。好ましい親和性成熟抗体は、5倍、より好ましくは10倍、さらにより好ましくは20又は30倍も成熟抗体の調製の元である出発抗体(一般的には、マウス、ヒト化又はヒト)より高い親和性を有する。
【0192】
4.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合においては、結合特異性の一方はPROに対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature, 305:537-539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、その内の一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開のWO93/08829、及びTrauneckerら, EMBO J.,10:3655-3656 (1991)に開示されている。
【0193】
所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。少なくとも一つの融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時トランスフェクションする。二重特異性抗体を作成するための更なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210(1986)を参照されたい。
【0194】
WO96/27011に記載された他の方法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収される異種二量体の割合を最大にすることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの1つ又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
【0195】
二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab’)二重特異性抗体)として調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解性に切断してF(ab’)断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab’断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab’-TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab’-チオールに再転換し、他のFab’-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
大腸菌からFab’フラグメントを直接回収でき、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalabyら, J. Exp. Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)分子の製造を記述している。各Fab’フラグメントは大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
【0196】
また、組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作成し分離する様々な方法が記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産されている。Kostelnyら, J.Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab’部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(V)に重鎖可変ドメイン(V)を結合してなる。従って、一つの断片のV及びVドメインは他の断片の相補的V及びVドメインと強制的に対形成させられ、2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特異性抗体断片を製造する他の方策もまた報告されている。Gruberら, J.Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
【0197】
例示的な二重特異性抗体は、ここに与えられたPROポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合しうる。あるいは、抗-PROポリペプチドのアームは、特定のPROポリペプチド発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させるように、T細胞レセプター分子(例えばCD2、CD3、CD28、又はB7)等の白血球上のトリガー分子又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプターに結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体は特定のPROポリペプチドを発現する細胞に細胞毒性薬を局在化させるためにも使用されうる。これらの抗体はPRO結合アーム及び細胞毒性薬又は放射性キレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、又はTETAと結合するアームを有する。興味の対象となる他の二重特異性抗体はPROポリペプチドに結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。
【0198】
5.ヘテロコンジュゲート抗体
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の治療のために[WO91/00360;WO92/200373;EP03089]提案されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,6767,980号に開示されたものが含まれる。
【0199】
6.エフェクター機能の加工
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば癌治療における抗体の有効性を向上させることが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。そのようにして生成された同種二量体抗体は、向上した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗体−依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有する可能性がある。Caronら, J. Exp. Med. 176: 1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148: 2918-2922 (1992)参照。また、向上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体は、Wolffら, Cancer research 53: 2560-2565 (1993)に記載されている異種二官能性架橋を用いて調製することができる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevensonら, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230 (1989)参照。
【0200】
7.免疫コンジュゲート
また、本発明は、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち、放射性コンジュゲート)と抱合している抗体を含む免疫複合体に関する。
このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬を上に記載した。用いることのできる酵素活性毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。放射性コンジュゲート抗体の生成には、様々な放射性ヌクレオチドが利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reが含まれる。
【0201】
抗体及び細胞毒性薬の複合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら, Science 238: 1098 (1987)に記載されているように調製することができる。カーボン-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合のためのキレート剤の例である。WO94/11026参照。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレプトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体-レセプター複合体は患者に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細胞毒性薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に抱合された「リガンド」(アビジン等)を投与する。
【0202】
8.免疫リポソーム
また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を含むリポソームは、Epsteinら, Proc. Natl. acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985);Hwangら, Proc. natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martinら, J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに抱合され得る。化学治療薬(ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizonら, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
【0203】
9.抗-PRO抗体の用途
本発明の抗-PRO抗体は様々な有用性を有している。例えば、抗-PRO抗体は、PROの診断アッセイ、例えばその特定細胞、組織、又は血清での発現の検出に用いられる。競合的結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び不均一又は均一相で行われる免疫沈降アッセイ[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Press, Inc. (1987) pp. 147-158]等のこの分野で知られた種々の診断アッセイ技術が使用される。診断アッセイで用いられる抗体は、検出可能な部位で標識される。検出可能な部位は、直接又は間接に、検出可能なシグナルを発生しなければならない。例えば、検出可能な部位は、H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、あるいはアルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素であってよい。抗体に検出可能な部位を抱合させるためにこの分野で知られた任意の方法が用いられ、それにはHunterら, Nature 144:945 (1962);Davidら, Biochemistry, 13: 1014 (1974);Painら, J. Immunol. Meth., 40:219 (1981);及びNygren, J. Histochem. and Cytochem., 30:407 (1982)に記載された方法が含まれる。
【0204】
また、抗-PRO抗体は、組換え細胞培養又は天然供給源からのPROのアフィニティー精製にも有用である。この方法においては、PROに対する抗体を、当該分野でよく知られている方法を使用して、セファデックス樹脂や濾紙のような適当な支持体に固定化する。次に、固定化された抗体を精製するPROを含む試料と接触させた後、固定化された抗体に結合したPRO以外の試料中の物質を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、PROを抗体から脱離させる他の適当な溶媒で支持体を洗浄する。
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
【0205】
N.製薬的組成物
本発明の活性PRO分子(例えば、PROポリペプチド、抗-PRO抗体、及び/又は各変異体)並びに上記に開示したスクリーニングアッセイで同定された他の分子は、免疫関連疾患の治療のために、製薬組成物の形態で投与することができる。活性PRO分子の治療製剤、好ましくは本発明のポリペプチド又は抗体は、所望される程度の純度を持つ活性成分を、凍結乾燥製剤又は水性溶液の形態で、最適な製薬上許容される担体、賦形剤又は安定化剤と混合することにより調製され保存される(Remington's Pharmaceutical Science 16th edition, Osol, A. Ed. [1980])。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;ベンズアルコニウムクロライド;ベンズエトニウムクロライド;フェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物、EDTA等のキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)及び/又はトゥイーン(TWEEN)(商品名)、プルロニクス(PLURONICS)(商品名)、及びポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0206】
本発明のスクリーニングアッセイによって同定された化合物は、当該分野において良く知られた技術を用いて、類似の方法で製剤化することができる。
また、リポフェクション又はリポソームをPRO分子を細胞に導入するために利用することができる。抗体断片が用いられる場合には、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持するペプチド分子を設計することができる。このようなペプチドは、化学的に合成でき及び/又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、Marascoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 (1993)参照。
【0207】
ここでの製剤は、治療すべき特定の徴候に必要な場合に一つ以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものも含んでよい。あるいは、又はそれに加えて、組成物は、細胞毒性薬、サイトカイン又は成長阻害剤を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は、Remington's Pharmaceutical Science 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通した濾過により容易に達成される。
【0208】
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸及びγ-エチル-L-グルタメート、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商品名)(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能な小球)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ-(D)-(-)-3-ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝集し、その結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができる。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S-S結合形成であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の付加、及び特異的ポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されうる。
【0209】
O.治療方法
本発明のポリペプチド、抗体及び他の活性化合物は、例えば、組織への炎症性細胞の浸潤、T細胞増殖の刺激、T細胞増殖の阻害、増加又は減少した血管透過性又はその阻害によって特徴付けられるものを含む、T細胞媒介疾患のような種々の免疫関連疾患及び症状を治療するのに利用することが可能であると考えられている。
【0210】
本発明のポリペプチド、抗体及び他の化合物によって治療される例示的症状又は疾患には、限定されないが、全身性エリテマトーデス、慢性関節リュウマチ、若年性慢性関節炎、変形性関節症、脊椎関節症、全身性硬化症(強皮症)、特発性炎症誘発性筋疾患(皮膚筋炎、多発性筋炎)、シェーグレン症候群、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血(免疫性汎血球減少症、発作性夜間血色素尿)、自己免疫性血小板減少症(特発的血小板減少性紫斑病、免疫媒介血小板減少症)、甲状腺炎(グレーブ疾患、ハシモト甲状腺炎、若年性リンパ性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、真性糖尿病、免疫性腎臓疾患(糸状体腎炎、尿細管間質性腎炎)、特発性脱髄性多発神経障害、Guillain-Barre症候群、及び慢性炎症誘発性脱髄性多発神経障害のような中枢及び抹消神経系の脱髄性疾患、感染性肝炎(A、B、C、D、E型肝炎及び他の非肝炎性ウィルス)のような肝胆道疾患、自己免疫性慢性活性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肉芽腫性肝炎、及び硬化性胆管炎、炎症誘発性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン疾患)のような炎症誘発性及び線維性肺疾患、グルテン感受性腸疾患、及びフィップル疾患、水泡性皮膚疾患を含む自己免疫性又は免疫媒介性皮膚疾患、多形性紅斑及び接触皮膚炎、乾癬、喘息のようなアレルギー性疾患、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物過敏症及びジンマシン、好酸球性肺炎のような肺の免疫学的疾患、特発性肺線維症及び高感受性間質性肺炎、移植片拒絶及び移植片対宿主の疾患を含む、移植関連疾患が含まれる。
【0211】
全身性エリテマトーデスでは、疾患の中心媒介物は自己タンパク質/組織に対する自己反応性抗体の生成、及び引き続き起こる免疫媒介炎症である。抗体は、直接又は間接的のいずれかによって組織傷害を媒介する。Tリンパ球が直接に組織傷害へ関与していることは示されていないが、Tリンパ球は自己反応性抗体の発生において必須である。従って、疾患の発生はTリンパ球へ依存する。腎臓、肺、筋骨格系、粘膜皮膚、眼、中枢神経系、心臓血管系、胃腸管、骨髄及び血液を含む多臓器及び系が、臨床的に病気で冒される。
【0212】
慢性関節リュウマチ(RA)は、主に複数の関節の滑膜に係る慢性全身性自己免疫疾患であり、結果として関節軟骨に傷害が生じる。病原はTリンパ球依存であり、リウマチ因子、自己IgGに指向する自己抗体の生成を付随し、結果として関節体液及び血液において高レベルに達する免疫複合体が形成される。関節におけるこれらの複合体は、滑膜へのリンパ球及び単球の顕著な浸潤と、続いての顕著な滑膜変化を誘発しうる;多数の好中球の添加により同様の細胞で浸潤されるならば関節空間/体液でもである。影響を受けている組織は、多くの場合対称的なパターンで主に関節である。しかしながら、2つの主な形態の関節外疾患も生じる。一方の形態は進行中の進行性関節疾患及び肺線維症の局部的障害、血管炎、及び皮膚潰瘍を伴う関節外障害の発達である。関節外疾患の第2の形態はいわゆるフェルティー症候群であり、RA疾患経路の末期、時々は関節疾患が鎮静した後に生じ、好中球減少、血小板減少及び脾肥大の存在に関与する。これは、梗塞、皮膚潰瘍及び壊疽の形成を伴う多数の器官及び血管炎に付随する。多くの場合、患者では、発病している関節上にある皮下組織にリウマチ様小結節が発達し;小結節は、混合炎症細胞浸潤に包囲された壊死性中心を有する。RAで生じる可能性のある他の徴候には:心外膜炎、胸膜炎、冠動脈炎、肺線維症を伴う間質性肺炎、乾性角結膜炎、及びリウマチ様小結節が含まれる。
【0213】
若年性慢性関節炎は、多くの場合16才以下で発症する慢性特発性炎症疾患である。その表現型はRAといくつかの類似点があり;リウマチ因子がポジティブである患者の中には若年性リウマチ様関節炎に分類されるものもいる。この疾患は主な3つのカテゴリー:小関節(pauciarticular)、多関節(polyarticular)及び全身性ものに亜分類される。関節炎は重度で局所的な破壊が生じ、関節強直症及び遅延成長に至るおそれもある。他の徴候には慢性前ブドウ膜炎及び全身性アミロイド症が含まれる。
【0214】
脊椎関節症は、一般的にHLA-B27遺伝子生成物の発現に関連した、いくつかの共通した臨床的特徴を有する疾患のグループである。疾患には:強直症、脊椎炎(sponylitis)、ライター症候群(反応性関節炎)、炎症性大腸疾患に関連した関節炎、乾癬に関連した脊椎炎、若年発生脊椎関節症及び未分化脊椎関節症が含まれる。区別する特徴には、脊椎炎を伴うか伴わない仙腸関節炎;HLA-B27(血清学的には、クラスI MHCのHLA-B座位にある定義された対立遺伝子)を伴う炎症非対称性関節炎;眼の炎症、及び他のリウマチ疾患に関連した自己抗体の不在が含まれる。疾患の誘導における鍵として関わるほとんどの細胞はCD8+Tリンパ球であり、クラスI MHC分子により付与される抗原を標的としている細胞である。CD8+T細胞は、MHCクラスI分子により発現した外来ペプチドであるかのように、クラスI MHC対立遺伝子HLA-B27と反応する。HLA-27のエピトープが細菌性又は他の微生物の抗原エピトープを模倣し、よってCD8+細胞の反応が誘発されると仮定されている。
【0215】
全身性硬化症(強皮症)は病因がよく知られていない。疾患の特徴は皮膚の硬化であり;これは活性化炎症プロセスにより誘発される。強皮症は局部的又は全身的であり:血管障害が一般的で、微小血管系における内皮細胞傷害は全身性硬化症の発達における初期の重要な事象であり;血管傷害は免疫媒介されうる。免疫学的基準では、皮膚障害における単核細胞浸潤の存在、多くの患者において抗細胞核抗体の存在を意味する。多くの場合、ICAM-1は皮膚障害における線維芽細胞の細胞表面をアップレギュレーションし、これらの細胞と相互作用するT細胞が疾患の病因における役割を担っていることが示唆される。関連する他の器官には:胃腸管:萎縮症及び線維症があり、結果として異常なぜん動/運動性となっている平滑筋:腎臓:小弓形及び小葉間動脈に影響を及ぼし、結果として腎皮質の血流が低下し、タンパク尿、高窒素血尿及び高血圧になる同心性内皮下内膜増殖:骨格筋:萎縮、間質性線維症:炎症:肺:間質性肺炎及び間質性線維症:及び心臓:収縮バンド壊死、瘢痕/線維症が含まれる。
【0216】
皮膚筋炎、多発性筋炎及び他のものを含む特発性炎症ミオパシーは病因がよく知られていない慢性筋肉炎症疾患であり、筋肉の弱化に至る。筋肉損傷/炎症は多くの場合対称的で進行性である。自己抗体は多くの形態と関連している。これらの筋炎特異的自己抗体は、タンパク質合成に係る成分、タンパク質及びRNAに対して産生されてその機能を阻害する。
シェーグレン症候群は、免疫媒介炎症、続く涙腺及び唾液腺の機能破壊によるものである。この疾患は炎症結合組織疾患を伴うか又は伴わない。この疾患は、双方ともが小RNA-タンパク質複合体であるRo及びLa抗原に対する抗体産出に関連している。障害により、結果として乾性角結膜炎、bilary硬変を含む他の徴候又は会合を伴う口内乾燥、末梢又は感覚ニューロパシー、及び明白な紫斑病に至る。
【0217】
全身性血管炎症症は主な障害が炎症で、続いて血管にダメージを受け、結果として影響を受けた脈管により供給される組織に虚血/壊死/変性が生じ、最終的な末端器官ではいくつかのケースで機能障害になるといった疾患である。また、第2の障害として血管炎(vasculitides)、又は他の免疫炎症媒介疾患、例えばリウマチ様関節炎、全身性硬化症等、特に免疫複合体の形成に関連した疾患等の続発症が生じるおそれがある。主な全身性血管炎症症グループの疾患には:全身壊死性血管炎:多動脈炎結節(polyarteritis nodosa)、アレルギー性脈管炎、及び肉芽腫症、多脈管炎:ヴェゲナー肉芽腫症;リンパ腫様肉芽腫症:及び巨細胞動脈炎が含まれる。種々の血管炎には:粘膜皮膚リンパ節症候群(MLNS又は川崎病)、単離したCNS血管炎、ベヘット(Behet's)病、閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)及び皮膚壊死性細静脈炎(venulitis)が含まれる。列挙した血管炎のほとんどの種類の病原メカニズムは、主に脈管壁に免疫グロブリン複合体が付着し、続いてADCC、補体活性又は双方を介して炎症反応が誘発されることによると考えられている。
【0218】
サルコイドーシスは、体内のほとんど任意の組織中に類上皮細胞肉芽腫が存在し、肺ではほとんど一般的に包含されることにより特徴付けられる、病因がよく知られていない病状である。病原には疾患部位に活性マクロファージ及びリンパ球が残留していることに関連しており、続いてこれらの細胞種より放出される局部的又は全身的活性物質の放出の結果として慢性続発症が生じる。
自己免疫性溶血性貧血、免疫再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿を含む自己免疫性溶血性貧血は、赤血球細胞(いくつかのケースにおいては、血小板を含む他の血液細胞)表面で発現する抗原と反応する抗体が産出される結果によるものであり、補体媒介溶解及び/又はADCC/Fc-レセプター-媒介メカニズムを介して、その抗体被覆細胞の除去に反映される。
他の臨床的セッティング(setting)における血小板減少性紫斑病及び免疫仲介血小板減少を含む自己免疫性血小板減少では、抗体又は補体が血小板に接合し、続いて補体溶解、ADCC又はFc-レセプター-媒介メカニズムによる除去の結果として生じる。
【0219】
グレーブス疾患、ハシモト甲状腺炎、若年性リンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎を含む甲状腺炎は、甲状腺内に多くの場合特異的に存在するタンパク質と反応する抗体の産出を伴う、甲状腺抗原に対する自己免疫反応の結果によるものである。実験用モデルには:内在的モデルラット(BUF及びBBラット)及びチキン(肥満チキン種);誘導性モデル:チログロブリン、甲状腺ミクロソーム抗原(甲状腺ペルオキシダーゼ)を用いた動物の免疫化が含まれる。
I型真性糖尿病又はインシュリン依存性糖尿病は膵臓小島β細胞の自己免疫破壊であり;この破壊は自己抗体及び自己反応性T細胞により媒介される。また、インシュリン又はインシュリン様レセプターに対する抗体は、インシュリン-非-反応性の表現型を産出することができる。
【0220】
糸球体腎炎及び尿細管間質性腎炎を含む免疫仲介腎疾患は、腎抗原に対する自己反応性抗体又はT細胞が産出される結果により直接的に、又は他の非腎抗原に対して反応する、腎臓における抗体及び/又は免疫複合体の沈着の結果により間接的に、腎組織に抗体又はT細胞媒介傷害が生じることによるものである。よって、免疫複合体の形成の結果生じる他の免疫媒介疾患により、間接的続発症等の免疫媒介腎疾患が誘発される。直接的及び間接的免疫メカニズムの双方により、結果として腎組織における障害発達が産出/誘発されるといった炎症反応が生じ、器官機能が損なわれ、いくつかのケースでは腎臓機能不全が進行する。体液及び細胞免疫メカニズムに双方が障害の病原に関与している。
【0221】
多発性硬化症のような中枢及び末梢神経系の脱髄疾患、特発性脱髄性多発神経障害、又はギラン-バレー症候群;及び慢性炎症脱髄性多発神経障害は、自己免疫基準であり、神経脱髄が生じて、オリゴデンドロサイト又はミエリンに直接的に起因するダメージの結果によるものと考えられている。MSにおいて、疾患の誘発及び進行はTリンパ球に依存すると示唆される証拠がある。多発性硬化症は、Tリンパ球依存性であり、再発性弛緩経路又は慢性進行経路のいずれかを有する脱髄疾患である。病因はよく知られていないが、ウイルス感染、遺伝的素因、環境及び自己免疫性の全てが寄与している。障害はT細胞媒介小膠細胞の優先的湿潤、及びマクロファージの浸潤を含み;CD4+Tリンパ球は障害において優先的な細胞型であった。オリゴデンドロサイトの細胞死及び続く脱髄のメカニズムはよく知られていないが、Tリンパ球の駆動によると思われる。
【0222】
好球性肺炎;特発性肺線維症及び過敏性肺炎のような炎症及び線維症の肺疾患には、調節されない免疫炎症反応が関連している。反応を阻害することは治療的に有益なことである。
水疱性皮膚疾患、多形性紅斑及び接触性皮膚炎を含む自己免疫又は免疫媒介皮膚疾患は自己抗体により媒介され、Tリンパ球に依存して発生する。
乾癬はTリンパ球媒介炎症疾患である。障害はTリンパ球、マクロファージ及び抗原プロセシング細胞及びある種の好中球の浸潤が含まれる。
喘息;アレルギー性鼻炎;アトピー性皮膚炎;食物過敏症及び蕁麻疹等を含むアレルギー性疾患はT細胞依存性である。この疾患は炎症により誘発されるTリンパ球、及びIgE媒介炎症、又は双方の組合せにより主に媒介される。
拒絶反応及び移植片対宿主疾患(GVHD)を含む移植関連疾患は、Tリンパ球依存性であり;Tリンパ球の機能を阻害することで改善される。
【0223】
免疫及び/又は炎症反応への介在が有益である他の疾患には、限定するものではないがウイルス感染(限定するものではないがAIDS、A型、B型、C型、D型及びE型肝炎、ヘルペス)、細菌感染、真菌感染、原生動物感染及び寄生虫感染(MLRを刺激する分子(又は誘導体/アゴニスト)を治療に利用し、感染要因に対する免疫反応性を増強することができる)、MLRを刺激する(分子/誘導体/アゴニスト)を治療に利用し、受け継ぎ、獲得し、感染誘発された(例えばHIV感染)又は医原性(例えば化学療法)免疫欠損疾患の病状に対する免疫反応を増強することができる免疫欠損疾患、及び異常増殖が含まれる。
【0224】
幾つかのヒト癌患者において、腫瘍性細胞上の抗原に対する抗体及び/又はTリンパ球が発生することが示されている。また、免疫応答の増加によって、その特定の腫瘍の拒絶又は退行を引き起こすことができることが、腫瘍形成の動物モデルにおいて示されている。MLRにおけるTリンパ球の応答を高める分子(又はアゴニストの方法で同じレセプターへ影響を与える小分子アゴニスト又は抗体)を、癌治療へ治療的に用いることができる。また、MLRにおいてリンパ球の応答を阻害する分子は、腫瘍形成の間に、インビボにおいて腫瘍に対する免疫応答を抑制する;このような分子は、腫瘍性細胞そのものによって発現されるか、或いは他の細胞の腫瘍がその発現を誘導できる。このような分子の拮抗効果(抗体、小分子又は他の手段の何れかとともに)は、免疫性腫瘍拒絶反応を高める。
【0225】
その上に、炎症誘発性特性を有する分子の阻害作用は、再潅流傷害;発作;心筋梗塞;アテローム性動脈硬化症;急性肺障害;出血性ショック;火傷;敗血症/敗血性ショック;急性腎尿細管壊死;子宮内膜症;変形性関節疾患及び膵炎にとって治療的に有益である。本発明の化合物、例えばポリペプチド又は抗体は、哺乳動物、好ましくはヒトに、周知の方法、例えば、ボーラスとして又は所定時間に渡る連続注入による静脈内投与、筋肉内、腹膜内、脳脊髄内、皮下、関節間、滑膜内、鞘内、経口、局所、又は吸入(鼻腔内、肺内の)経路などにより投与される。ポリペプチド及び抗体の静脈内又は吸入投与が好ましい。免疫アジュバンド療法では、抗癌剤の投与のような他の治療的養生法を本発明のタンパク質、抗体又は化合物の投与と組み合わせてもよい。また、本発明の免疫アジュバンドで治療される患者は、抗癌剤(化学療法剤)又は放射線治療を受けてもよい。このような化学治療剤の調製法及び用量スケジュールは、製造者の指示に従って使用されるか、熟練した実務者により経験的に決定される。そのような化学治療に対する調製法及び用量スケジュールはまたChemotherapy Service M.C. Perry編, Williams & Wilkins, Baltimore, MD (1992)にも記載されている。化学治療剤は、免疫アジュバンドの投与に先立って、又は続いて投与してもよく、あるいはそれらと同時に投与してもよい。その上に、抗-エストロゲン化合物、例えばタモキシフェン等の抗エストロゲン化合物又はオナプリストンなどの抗-プロゲステロン(EP 616812参照)を、これらの分子について知られた用量で与えてもよい。また、他の免疫疾患関連又は腫瘍関連抗原に対する抗体、例えばCD20、CD11a、CD18、ErbB2、EGFR、ErbB3、ErbB4、又は血管内皮因子(VEGF)に結合する抗体を投与することも好ましい。あるいは、又はその上に、ここで開示される同じ又は二つ以上の異なる抗原と結合する二つ以上の抗体を、患者へ同時投与してもよい。時折、患者にサイトカインを投与することも有利である。好ましい実施態様では、本発明のポリペプチドを、成長阻害剤と同時投与する。例えば、まず最初に成長阻害剤を投与し、続いて本発明のポリペプチドを投与する。しかしながら、同時投与、又は最初に投与することも考えられる。成長阻害剤についての適切な用量は、現在用いられている量であり、成長阻害剤と本発明のポリペプチドとの組み合わせ(相乗)効果により減少させてもよい。免疫関連疾患の治療又は感度の縮小のためには、本発明の化合物の適切な用量は、上記に定義したような治療される疾患の型、疾患の重篤さ及び経過、防止又は治療目的で薬剤が投与されるか否か、従前の治療、患者の臨床履歴及び薬剤に対する反応、及び主治医の裁量に依存する。薬剤は、患者に一回又は一連の治療に渡って適切に投与される。
【0226】
例えば、1又はそれ以上の別々の投与あるいは連続注入のどちらでも、例えば、疾患の型及び重篤さに応じて、約1μg/kgから15mg/kg(例えば、0.1−20mg/kg)のポリペプチド又は抗体が、患者に投与するための最初の候補用量である。典型的な1日の用量は、上記の要因に応じて、約1μg/kgから100mg/kg又はそれ以上であろう。数日以上に渡る繰り返し投与のためには、状態に応じて、疾患の徴候に所望の抑制が現れるまで治療が続けられる。しかしながら、他の用量計画が有用であることもある。従来の技術及びアッセイによって、この治療の進行は容易にモニターされる。
【0227】
P.製造品
本発明のその他の実施態様では、上記の疾患の診断又は治療に有用な物質を含む製造品が提供される。この製造品は容器とラベルとを含んでなる。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの材料から形成されてよい。容器は、状態を診断し治療するのに有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の活性剤は本発明のポリペプチド又は抗体である。容器上又は添付されるラベルは、組成物が選択した状態の診断又は治療のために使用されることを示す。製造品はさらに、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液などの製薬的に許容される緩衝液を含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用上の指示を付けたパッケージ挿入物を含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
【0228】
Q.免疫関連疾患の診断及び予後
細胞表層タンパク質、例えばある免疫関連疾患において過剰発現するタンパク質は、候補薬や疾患療法にとって優れた標的である。免疫関連疾患で増幅した遺伝子によってコードされている分泌タンパク質に加えて、これと同じタンパク質には、これら疾患の診断及び予後において更なる用途があることが見出されている。例えば、多発性硬化症、リュウマチ関節炎、又はその他の免疫関連疾患において増幅した遺伝子のタンパク質生産物に対する抗体は、診断上に又は予後兆候として利用できる。
例えば、抗体断片を含む抗体は、増幅又は過剰発現した遺伝子(「マーカー遺伝子産物」)によってコードされたタンパク質の発現の定性的又は定量的検出に用いることができる。抗体は、好ましくは検出可能な、例えば蛍光標識を備え、結合は光学顕微鏡、フローサイトメトリー、蛍光定量法、又はこの分野で知られた他の技術によってモニターできる。過剰発現している遺伝子が細胞表層タンパク質をコードする場合には、これらの技術は特に適している。このような結合アッセイは、上記に記載のように原則的に実施される。
【0229】
マーカー遺伝子産物に結合する抗体のインサイツ検出は、例えば、免疫蛍光又は免疫電子顕微鏡によって実施できる。この目的のために、組織学的試料を患者から取り出し、好ましくは生物学的試料に抗体を被せることにより、標識抗体をそれに適用する。また、この手法によって、試験される組織におけるマーカー遺伝子産物の分布の決定を可能にする。当業者には、インサイツ検出のために広範な組織学的方法が容易に利用できることは明らかであろう。
【0230】
以下の実施例は例示目的のためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献は、その全体を出典明示によりここに取り入れる。
【0231】
(実施例)
実施例で言及されている全ての他の市販試薬は、特に示さない限りは製造者の使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マナッサス、バージニアである。
【0232】
実施例1:ヒトPRO1031をコードするcDNAクローンの単離
Swiss-Prot公的データベースの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、発現配列タグ(EST)データベースの検索に使用した。ESTデータベースは、公的データベース(例えば、GenBank、Merck/Wash U.)及び独自に開発したESTデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を含んだ。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上となった比較を、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
phrapを用いて、他の同定されたEST配列に関連する初期仮想配列断片(コンセンサスアセンブリ)を構築した。上記にて検討したEST配列のソースを用いて、可能な限りこのコンセンサス配列を伸張するために、初期コンセンサスDNA配列をBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長した。このコンセンサスアセンブリの結果をDNA47332と称する。
【0233】
コンセンサスアセンブリを含有する一つの配列である、W74558(クローン344649)をさらに調査した。配列はIMAGEconsortiumから得られたもので、これを分析した。Lennonら, Genomics 33:151(1996)。DNA配列は、PRO1031の全長DNA配列[ここで、DNA59294-1381と命名される](配列番号:1)及びPRO1031の誘導タンパク質配列(UNQ516)(配列番号:2)を与えた。
DNA59294-1381の全核酸配列を図1(配列番号:1)に示す。クローンDNA59294-1381は、単一のオープンリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置42-44に見かけの翻訳開始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置582-584の停止コドンで終端する(図1)(配列番号:1)。予測されるポリペプチド前駆体は180アミノ酸長である(図2)(配列番号:2)。図2(配列番号:2)に示した全長PRO1031(UNQ516)タンパク質は、約20,437の見かけ分子量及び約9.58のpIを有する。クローンDNA59249-1381はATCCに寄託され、寄託番号209866が付与されている。ここで提供された配列にいくつかの配列化における不規則性又は誤りがある場合、寄託されたクローンはDNA59624−1381(配列番号:1)として正しい配列を含むと理解される。更に、ここで提供された配列は既知の配列決定法の結果である。
全長PRO1031ポリペプチドのアミノ酸配列(UNQ516)(配列番号:2)の分析は、それがここでIL-17Bと命名された、新規なインターロイキン-17相同体であることを示唆している。
配列番号:2のアミノ酸配列の更なる分析により、推定シグナルペプチドは配列番号:2のおよそアミノ酸1-20であることが明らかである。N-グリコシル化部位は配列番号:2のおよそアミノ酸75-78である。IL-17と配列同一性を有する領域はおよそアミノ酸96-180である。対応するヌクレオチドは、ここに提供した配列から日常的に決定できる。
【0234】
実施例2:ヒトPRO1122をコードするcDNAクローンの単離
発現配列タグ(ECD)DNAデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を検索し、ESTを同定した。ESTはDNA49665とも称されるIncyte1347523であった。DNA49665に基づいて、1)PCRにより興味ある配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO1122の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレオチドを合成した。[例えば、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989);Dieffenbach等, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
正方向及び逆方向PCRプライマーは一般に20から30ヌクレオチドの範囲であり、約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計されることが多い。プローブ配列は典型的には40−55bp長である。或る場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きいとき付加的オリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンについて幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAをAusubel等, Current Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対でのPCR増幅によってスクリーニングした。ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコードするクローンの単離に使用した。
【0235】
PCRプライマー(正方向、逆方向及びハイブリダイゼーション)を合成した:
正方向PCRプライマー 5'-ATCCACAGAAGCTGGCCTTCGCCG-3'(配列番号:19)
逆方向PCRプライマー 5'-GGGACGTGGATGAACTCGGTGTGG-3'(配列番号:20)
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-TATCCACAGAAGCTGGCCTTCGCCGAGTGCCTGTGCAGAG-3'(配列番号:21)
全長クローンの供給源について幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上で同定したPCRプライマー対でPCR増幅してスクリーニングした。次いで、ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びPCRプライマー対の一方を用いてPRO1122遺伝子をコードするクローンを単離するために使用した。
【0236】
cDNAライブラリー作成のためのRNAは、ヒト胎児肺組織から単離した。cDNAクローンの単離に用いたcDNAライブラリは、Invitrogen, San Diego, CAからのもの等の市販試薬を用いて標準的な方法により作成した。cDNAをNotI部位を含むオリゴdTでプライムし、平滑末端(blunt)でSalIヘミリン酸化アダプターに結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分類し、適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253: 1278-1280 (1991)参照)に、独特のXhoI及びNotI部位において、所定の方向でクローニングした。
上記のように単離したクローンのDNA配列決定により、PRO1122の全長DNA配列[ここで、DNA62377-1381-1)と命名される](配列番号:3)及び誘導タンパク質PRO1122配列(UNQ516)(配列番号:4)が得られた。
【0237】
DNA62377-1381-1(配列番号:3)の全ヌクレオチド配列を図3(配列番号:3)に示す。クローンDNA62377-1381-1(配列番号:3)は、単一のオープンリーディングフレームを含み、配列番号:3(図3)のヌクレオチド位置50−52に見かけの翻訳開始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置641−643の停止コドンで終端する。予測されるポリペプチド前駆体は197アミノ酸長である(図4)(配列番号:4)。図4に示した全長PRO1122タンパク質(UNQ561)(配列番号:4)は、約21765の見積もり分子量及び約8.53のpIを有する。クローンDNA62377-1381-1は1998年12月22日にATCCに寄託され、寄託番号203552が付与されている。ここで提供された配列にいくつかの配列化における不規則性又は誤りがある場合、正しい配列は寄託された配列である。さらにここで提供された全ての配列は公知の配列化技術の結果によるものである。
単離された全長PRO1122(UNQ561)のアミノ酸配列の分析は、それがIL-17と類似性を有することを示唆し、よってPRO1122(UNQ561)が新規なサイトカインとなりうるし、ここでIL-17Cと命名されることが示されている。また図4(配列番号:4)には、IL-17と配列同一性を有する領域、ロイシンジッパーパターン、シグナルペプチドのおよその位置が示されている。
【0238】
実施例3:ヒトPRO10272をコードするcDNAクローンの単離
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、GenBankのゲノムDNA配列を検索するために使用した。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
コンセンサスDNA配列を、上記に記載したようにphrapを用いて他のEST配列に関連して組み立てた。このコンセンサス配列を、ここでDNA146646と命名する。幾つかのケースでは、このコンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され、それは、上記において検討したEST配列のソースを用いて中間コンセンサス配列が可能な限り伸張するように、BLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させたものである。
【0239】
DNA146646コンセンサス配列に基づいて、1)PCRによって対象である配列を含むcDNAライブラリを同定するため、並びに2)PRO10272の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレオチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計される。プローブ配列は、典型的には40−55bp長である。幾つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンに関して幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、上掲のAusubel等, Current Protocols in Molecular BiologyのようにPCRプライマー対でのPCR増幅によってスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて興味ある遺伝子をコードするクローンを単離することに使用した。
【0240】
PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した:
正方向PCRプライマー:
5'-GTTGCATTCTTGGCAATGGTCATGGGA-3'(配列番号:22)
逆方向PCRプライマー:
5'-GGTCCATGTGGGAGCCTGTCTGTA-3'(配列番号:23)
さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをコンセンサスDNA146646配列から構築した:
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-CAGCAGCTCCTCAGAGGTGTCCTGCCCTTTGCTGGGGCAGCAGCT-3'
(配列番号:24)
【0241】
cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト精巣組織から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミリン酸化アダプターへ平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNotI部位においてクローン化した。
上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO10272ポリペプチドについての全長DNA配列(DNA147531-2821と命名する[図5、配列番号:5])、並びにそのPRO10272ポリペプチドの誘導タンパク質配列を与えた。
【0242】
上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置259−261に見かけの翻訳開始部位、並びにヌクレオチド位置790−792の停止シグナルを有していた(図5;配列番号:5)。予測されるポリペプチド前駆体は177アミノ酸長であり、約20,330ダルトンの計算上の分子量と約8.78の見積もりpIを有する。図6(配列番号:6)に示した全長PRO10272配列の分析は、図6に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クローンDNA147531−2821は2000年1月11日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−1185が付与されている。
【0243】
単離された全長PRO10272のアミノ酸配列の分析は、それがIL-17及びその種々の相同体との類似性を有していることを示唆し、それ故にPRO10272が新規サイトカインである可能性があり、ここでIL-17Eと命名されることを示す。具体的には、図6(配列番号:6)に示した全長配列のALIGN-2配列アライメント分析を用いた、Dayhoffデーターベース(version 35.45 SwissProt35)の分析は、PRO10272アミノ酸配列と次のDayhoff配列の間の配列同一性を明らかにした:P_Y22197, P_W85620, AF18469_1, P_Y41762, P_Y28235, P_W97350, P_Y22198, P_Y28236, P_W28514, P_W13651。
【0244】
実施例4:ヒトPRO21175をコードするcDNAクローンの単離
Merk/Washington Universityの発現配列タッグ(EST)DNAデーターベースを検索し、インターロイキン-17に対して相同性を示したESTを同定した。
種々の組織の50の異なるヒトcDNAライブラリのプールをクローニングに用いた。ヒトPRO21175をコードするcDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリを、Invitrogen, San Diego, CAのもの等の市販試薬を用いる標準的な方法によって構築した。cDNAをNotI部位を含むオリゴdTでプライムし、平滑末端(blunt)でSalIヘミリン酸化アダプターに結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分類し、適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253: 1278-1280 (1991)参照)の独特のXhoI及びNotI部位において、所定の方向にクローニングした。
【0245】
次いで、1)PCRによって対象である配列を含むcDNAライブラリを同定するため、並びに2)PRO21175の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、上記に記載のEST配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは、一般的に20〜30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計される。プローブ配列は、典型的には40−55bp長である。全長クローンに関して幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、上掲のAusubel等, Current Protocols in Molecular BiologyのようにPCRプライマー対によるPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて興味ある遺伝子をコードするクローンを単離することに使用した。
【0246】
用いたオリゴヌクレオチドプローブは次の通りである:
正方向プライマー 5'-GCTCAGTGCCTTCCACCACACGC-3'(配列番号:25)
逆方向プライマー 5'-CTGCGTCCTTCTCCGGCTCGG-3'(配列番号:26)
ハイブリダイゼーションプローブ
5'-CGTTCCGTCTACACCGAGGCCTACGTCACCATCCCCGTGGGCTGC-3'
(配列番号:27)
【0247】
上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置1−3に見かけの翻訳開始部位、並びにヌクレオチド位置607−609の停止シグナルを有していた(図7;配列番号:7)。予測されるポリペプチド前駆体は202アミノ酸長であり、約21,879ダルトンの計算上の分子量と約9.3の見積もりpIを有する。図8(配列番号:8)に示した全長PRO21175配列の分析は、図8に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クロモソームマッピングによって、PRO21175コード化核酸がヒトの13q11に位置することが明らかになった。クローンDNA173894−2947は2000年6月20日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−2108が付与されている。
【0248】
単離された全長PRO21175のアミノ酸配列の分析は、それがIL-17との類似性を有していることを示唆し、それ故にPRO21175が新規サイトカインである可能性があり、ここでIL-17Dと命名されることを示す。具体的には、図8(配列番号:8)に示した全長配列のALIGN-2配列アライメント分析を用いた、Dayhoffデーターベース(version 35.45 SwissProt35)の分析は、PRO21175アミノ酸配列と次のDayhoff配列の間の配列同一性を明らかにした:AF152099_1。
【0249】
実施例5:ヒトPRO5801をコードするcDNAクローンの単離
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデーターベースを検索するために使用した。このESTデーターベースには、(1)公的ESTデーターベース(例えば、GenBank)並びに(2)独自開発のESTデーターベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharamaceuticals, Palo Alto, CA)が含まれた。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
コンセンサスDNA配列を、上記に記載したようにphrapを用いて他のEST配列に関連して組み立てた。このコンセンサス配列を、ここでDNA105850と命名する。幾つかのケースでは、このコンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され、それは、上記において検討したEST配列のソースを用いて中間コンセンサス配列が可能な限り伸張するように、BLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させたものである。
【0250】
DNA105850コンセンサス配列に基づいて、1)PCRによって対象である配列を含むcDNAライブラリを同定するため、並びに2)PRO5801の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレオチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計される。プローブ配列は、典型的には40−55bp長である。幾つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンに関して幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、上掲のAusubel等, Current Protocols in Molecular BiologyのようにPCRプライマー対でのPCR増幅によってスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて興味ある遺伝子をコードするクローンを単離することに使用した。
【0251】
PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した:
正方向PCRプライマー1:
5'-ACTCCATATTTTCCTACTTGTGGCA-3' (配列番号:28)
正方向PCRプライマー2:
5'-CCCAAAGTGACCTAAGAAC-3'(配列番号:29)
逆方向PCRプライマー:
5'-TCACTGAATTTCTTCAAAACCATTGCA-3' (配列番号:30)
さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをコンセンサスDNA105850配列から構築した:
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-TGTGGCAGCGACTGCATCCGACATAAAGGAACAGTTGTGCTCTGCCCACA-3'
(配列番号:31)
【0252】
cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肝臓組織から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミリン酸化アダプターへ平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNotI部位においてクローン化した。
上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO5801ポリペプチドについての全長DNA配列(DNA115291-2681と命名する[図11、配列番号:11])、並びにそのPRO5801ポリペプチドの誘導タンパク質配列を与えた。
【0253】
上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置7−9に見かけの翻訳開始部位、並びにヌクレオチド位置1513−1515の停止シグナルを有していた(図12;配列番号:12)。予測されるポリペプチド前駆体は502アミノ酸長であり、約55,884ダルトンの計算上の分子量と約8.52の見積もりpIを有する。図12(配列番号:12)に示した全長PRO5801配列の分析は、図12に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クローンDNA115291−2681は1999年6月8日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−202が付与されている。
【0254】
Dayhoff データーベースの分析は、PRO5801がIL-17レセプターと配列同一性を有し、そして更にPRO5801は、本出願の実施例22に記載されているように、ここでIL-17RH1と命名されていることを示ている。具体的には、図12(配列番号:12)に示した全長配列のALIGN-2配列アライメント分析を用いた、Dayhoffデーターベース(version 35.45 SwissProt35)の分析は、PRO5801アミノ酸配列と次のDayhoff配列の間の配列同一性を明らかにした:HSU58917_1, P_W92409, P_W61271, P_W04184, P_W92408, GEN13979, MMU31993_1及びYSO2_CAEEL。
【0255】
実施例6:ヒトPRO20040をコードするcDNAクローンの単離
発現配列タッグ(EST)DNAデーターベース(Merk/Washington University)を検索し、インターロイキン-17に対して相同性を示したESTを同定した。
種々の組織の50の異なるヒトcDNAライブラリのプールをクローニングに用いた。ヒトPRO20040をコードするcDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリを、Invitrogen, San Diego, CAのもの等の市販試薬を用いる標準的な方法によって構築した。cDNAをNotI部位を含むオリゴdTでプライムし、平滑末端(blunt)でSalIヘミリン酸化アダプターに結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分類し、適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253: 1278-1280 (1991)参照)の独特のXhoI及びNotI部位において、所定の方向にクローニングした。
【0256】
次いで、1)PCRによって対象である配列を含むcDNAライブラリを同定するため、並びに2)PRO20040の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、上記に記載のEST配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは、一般的に20〜30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計される。プローブ配列は、典型的には40−55bp長である。全長クローンに関して幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、上掲のAusubel等, Current Protocols in Molecular BiologyのようにPCRプライマー対によるPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて興味ある遺伝子をコードするクローンを単離することに使用した。
【0257】
用いたオリゴヌクレオチドプローブは次の通りである:
正方向プライマー 5'-CCGACTTCTTGCAGGGCCGG-3'(配列番号:32)
逆方向プライマー 5'-GCAGCACGCAGCTGAGCGAG-3'(配列番号:33)
ハイブリダイゼーションプローブ
5'-AGCGAGTGGCTACAGGATGGGGTGTCCGGGCCC-3'(配列番号:34)
上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置233−235に見かけの翻訳開始部位、並びにヌクレオチド位置2348−2350の停止シグナルを有していた(図13;配列番号:13)。予測されるポリペプチド前駆体は705アミノ酸長であり、約76,898ダルトンの計算上の分子量と約6.08の見積もりpIを有する。図14(配列番号:14)に示した全長PRO20040配列の分析は、図14に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クローンDNA164625−2890は2000年3月21日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−1535が付与されている。
【0258】
Dayhoff データーベースの分析は、PRO20040がIL-17レセプターと配列同一性を有し、そして更にPRO20040は、本出願の実施例20に記載されているように、ここでIL-17RH2と命名されていることを示ている。具体的には、図14(配列番号:14)に示した全長配列のALIGN-2配列アライメント分析を用いた、Dayhoffデーターベース(version 35.45 SwissProt35)の分析は、PRO20040アミノ酸配列と次のDayhoff配列の間の配列同一性を明らかにした:HSU58917_1。
【0259】
実施例7:ヒトPRO9877をコードするcDNAクローンの単離
DNA119502−2789を、公的(例えば、GenBank)及び/又は私的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc., Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びにクラスター化及び組み立てられたEST断片へジェネンテク,インク(South San Francisco, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを適用することによって同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考慮している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たない少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1のATGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するアミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価パラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
【0260】
上記に記載したシグナル配列アルゴリズムの使用は、ここでCLU42993と命名されたLIFESEQ(登録商標)(Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)データーベースからのEST配列の同定を可能にした。次いでこのESTクラスター配列を、公的データベース(例えば、GenBank)及び独自に開発したEST DNAデータベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む種々の発現配列タグ(EST)データベースと比較して、存在する相同性を同定した。相同体検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBLASTスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)で集団化してコンセンサスDNA配列を構築した。そこから得られたコンセンサス配列を、ここでDNAFROMと命名する。
DNAFROMコンセンサス配列とLIFESEQ(登録商標)データーベースIncyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CAのESTクローン番号700536に含まれるEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、クローン番号700536を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長タンパク質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の配列を図15に示し、ここでDNA119502−2789と命名する。
【0261】
クローンDNA119502−2789は単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置106−108に見かけの翻訳開始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置2107−2109の停止コドンで終端する(図15;配列番号:15)。予測されるポリペプチド前駆体は667アミノ酸長である(図16)。図16に示す全長PRO9877タンパク質は、約74,810ダルトンの見積もられた分子量及び約9.55のpIを有する。図16(配列番号:16)に示した全長PRO9877配列の分析は、図16に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クローンDNA119502−2789は1999年12月22日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−1082が付与されている。
【0262】
Dayhoff データーベースの分析は、PRO9877がIL-17レセプターと配列同一性を有し、そして更にPRO9877はがここでIL-17RH3と命名されていることを示ている。具体的には、図16(配列番号:16)に示した全長配列のALIGN-2配列アライメント分析を用いたDayhoffデーターベース(version 35.45 SwissProt35)の分析は、PRO9877アミノ酸配列と次のDayhoff配列の間の配列同一性を明らかにした:P_W61272, HSU58917, P_W04185, P_W92409, GEN13979, P_W04184, P_W92408, MMU31993_1, P_W61271, 及びAF090114_1。
【0263】
実施例8:ヒトPRO20026をコードするcDNAクローンの単離
Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質の細胞外ドメイン(ECD)配列(存在すれば、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデーターベースを検索するために使用した。このESTデーターベースには、独自開発のESTデーターベース(LIFESEQ(登録商標)、Incyte Pharamaceuticals, Palo Alto, CA)が含まれた。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、EST配列の6フレーム翻訳に対するECDタンパク質配列の比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、70のBlastスコア(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle, Washington)でクラスター化し、コンセンサスDNA配列へ組み立てた。
コンセンサスDNA配列を、上記に記載したようにphrapを用いて他のEST配列に関連して組み立てた。このコンセンサス配列を、ここでDNA149870と命名する。幾つかのケースでは、このコンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導され、それは、上記において検討したEST配列のソースを用いて中間コンセンサス配列が可能な限り伸張するように、BLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させたものである。
【0264】
DNA149870コンセンサス配列に基づいて、フリップクローニングを実施した。1)PCRによって対象である配列を含むcDNAライブラリを同定するため、並びに2)PRO5801の全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌクレオチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるように設計される。プローブ配列は、典型的には40−55bp長である。幾つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合には更なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンに関して幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、per Schankeら., Bio Techniques, 16: 414-416(1994)のように、PCRプライマー対でプリップPCR増幅によってスクリーニングした。次いで、ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一つを用いて対象である遺伝子をコードするクローンを単離するために用いた。
【0265】
PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した:
正方向PCRプライマー:
5'-CGTTGTTTGTCAGTGGAGAGCAGGG-3' (配列番号:35)
逆方向PCRプライマー:
5'-CAGGAACACCTGAGGCAGAAGCG-3' (配列番号:36)
さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブをコンセンサスDNA149870配列から構築した:
ハイブリダイゼーションプローブ:
5'-CTATCTCCCTGCCAGGAGGCCGGAGTGGGGGAGGTCAGAC-3'
(配列番号:37)
【0266】
cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト組織から単離した。cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミリン酸化アダプターへ平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよそのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体である;Holmes等, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNotI部位においてクローン化した。
上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO20026ポリペプチドについての全長DNA配列(DNA154095−2998と命名する[図17、配列番号:17])、並びにそのPRO20026ポリペプチドの誘導タンパク質配列を与えた。
【0267】
上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置70−72に見かけの翻訳開始部位、並びにヌクレオチド位置2254−2256の停止シグナルを有していた(図17;配列番号:17)。予測されるポリペプチド前駆体は728アミノ酸長であり、約81,310ダルトンの計算上の分子量と約6.84の見積もりpIを有する。図18(配列番号:18)に示した全長PRO20026配列の分析は、図18に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのものである。クローンDNA154095−2998は2000年10月10日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−2591が付与されている。
【0268】
Dayhoff データーベースの分析は、PRO20026がIL-17レセプターと配列同一性を有し、そして更にPRO20026がここでIL-17RH4と命名されていることを示ている。具体的には、図18(配列番号:18)に示した全長配列のALIGN-2配列アライメント分析を用いた、Dayhoffデーターベース(version 35.45 SwissProt35)の分析は、PRO20026アミノ酸配列と次のDayhoff配列の間の配列同一性を明らかにした:T42695, P_W04185, P_W92409, P_W61272, NM_014339_1, HSU58917_1, MMU31993_1, GEN13979, P_W04184, P_W61271。
【0269】
実施例9:ハイブリダイゼーションプローブとしてのPROの利用
以下の方法は、PROをコードするヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションプローブとしての利用を示している。
ここに開示されている全長又は成熟PROをコード化配列を含むDNAは、ヒト組織cDNAライブラリ又はヒト組織ゲノムライブラリの相同的なDNA(PROの天然発生変異体をコードするもの等)のスクリーニングのためのプローブとして用いられる。
ハイブリダイゼーション及びいずれかのライブラリDNAを含有するフィルターの洗浄を、次の高緊縮性条件下において実施する。放射標識PRO誘導プローブのフィルターへのハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハード液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中において42℃で20時間に渡って実施する。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDS水溶液中において42℃で実施する。
次いで、全長天然配列をコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、この分野で知られている標準的技術を用いて同定することができる。
【0270】
実施例10:インサイツハイブリダイゼーション
インサイツハイブリダイゼーションは、細胞又は組織調製物内での核酸配列の検出及び局在化のための強力で多用途の技術である。それは、例えば、遺伝子発現部位の同定、転写物の組織分布の分析、ウイルス感染の同定及び局在化、特定mRNA合成及び染色体マッピングにおける追跡に有用である。
インサイツハイブリダイゼーションは、Lu及びGillett, Cell Vision 1: 169-176 (1994)のプロトコールの最適な変形に従って、PCR生成33P-標識リボプローブを用いて実施される。簡単には、ホルマリン固定、パラフィン包埋ヒト組織を切片化し、脱パラフィンし、プロテイナーゼK(20g/ml)で15分間37℃で脱タンパクし、さらに上掲のLu及びGillettに記載されたようにインサイツハイブリダイゼーションする。[33P]UTP-標識アンチセンスリボプローブをPCR産物から生成し、55℃で終夜ハイブリダイゼーションする。スライドをKodak NTB2核トラックエマルションに浸漬して4週間に渡って露出する。
【0271】
33P-リボプローブ合成
6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amersham BF 1002, SA<2000 Ci/mmol)をスピード真空乾燥させた。乾燥33P−UTPを含む管に以下の成分を添加した:
2.0μlの5x転写バッファー
1.0μlのDTT(100mM)
2.0μlのNTP混合物(2.5mM: 10μl; 各々10mM GTP, CTP & ATP +10μl H2O)
1.0μlのUTP(50μM)
1.0μlのRnasin
1.0μlのDNAテンプレート(1μg)
1.0μlのH
1.0μlのRNAポメラーゼ(PCR産物についてT3=AS, T7=S,通常)
管を37℃で1時間インキュベートし、1.0μlのRQ1 DNaseを添加し、次いで37℃で15分間インキュベートした。90μlのTE(10mMトリスpH7.6/1mMのEDTApH8.0)を添加し、混合物をDE81紙にピペットした。残りの溶液をMicrocon-50限外濾過ユニットに負荷し、プログラム10を用いてスピンさせた(6分間)。濾過ユニットを第2の管に変換し、プログラム2を用いてスピンさせた(3分間)。最終回収スピンの後、100μlのTEを添加した。1μlの最終生成物をDE81紙にピペットし6mlのBiofluor IIで数えた。
プローブをTBE/尿素ゲル上で走らせた。1−3μlのプローブ又は5μlのRNA MrkIIIを3μlの負荷バッファーに添加した。加熱ブロック上で95℃に3分間加熱した後、ゲルを即座に氷上に置いた。ゲルのウェルをフラッシングし、試料を負荷し、180−250ボルトで45分間走らせた。ゲルをサランラップでラップし、−17℃冷凍機内で補強スクリーンを持つXARフィルムに1時間から終夜に渡って露出した。
【0272】
33P-ハイブリダイゼーション
A.凍結切片の前処理
スライドを冷凍機から取り出し、アルミニウムトレイに配置して室温で5分間解凍した。トレイを55℃のインキュベータに5分間配置して凝結を減らした。スライドを蒸気フード内において4%パラホルムアルデヒド中で5分間固定し、0.5xSSCで5分間室温で洗浄した(25ml 20xSSC + 975ml SQ H2O)。0.5μg/mlのプロテイナーゼ中、37℃で10分間の脱タンパクの後(250mlの予備加熱RNase無しRNaseバッファー中の10mg/mlストック12.5μl)、切片を0.5xSSCで10分間室温で洗浄した。切片を、70%、95%、100%エタノール中、各2分間脱水した。
B.パラフィン包埋切片の前処理
スライドを脱パラフィンし、SQ HO中に配置し、2xSSCで室温において各々5分間2回リンスした。切片を20μg/mlのプロテイナーゼK(250mlのRNase無しRNaseバッファー中10mg/mlを500μl;37℃、15分間)−ヒト胚又は8xプロテイナーゼK(250mlのRNaseバッファー中100μl、37℃、30分間)−ホルマリン組織で脱タンパクした。続く0.5xSSCでのリンス及び脱水は上記のように実施した。
【0273】
C.プレハイブリダイゼーション
スライドをBoxバッファー(4xSSC、50%ホルムアミド)−飽和濾紙で列を作ったプラスチックボックスに並べた。組織を50μlのハイブリダイゼーションバッファー(3.75gデキストラン硫酸+6mlSQ HO)で被覆し、ボルテックスし、キャップを外して2分間マイクロ波で加熱した。氷上で冷却した後、18.75mlのホルムアミド、3.75mlの20xSSC及び9mlのSQ HOを添加し、組織を良くボルテックスし、42℃で1−4時間インキュベートした。
D.ハイブリダイゼーション
スライド当たり1.0x10cpmのプローブ及び1.0μlのtRNA(50mg/mlストック)を95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、スライド当たり48μlのハイブリダイゼーションバッファーを添加した。ボルテックスの後、50μlの33P混合物をスライド上のプレハイブリッド50μlに添加した。スライドを55℃で終夜インキュベートした。
【0274】
E.洗浄:
洗浄は、2xSSC、EDTAで2x10分間、室温で実施し(400mlの20xSSC+16mlの0.25M EDTA、V=4L)、次いでRNaseA処理を37℃で30分間行った(250mlRNaseバッファー中10mg/mlを500μl=20μg/ml)。スライドを2x10分間、EDTAで室温において洗浄した。緊縮性洗浄条件は次の通り:55℃で2時間、0.1xSSC、EDTA(20mlの20xSSC+16mlのEDTA、V=4L)。
F.オリゴヌクレオチド
ここに開示したDNA59294−1381についてインサイツ分析を実施した。これらの分析にために用いたオリゴヌクレオチドは、ここで開示したヌクレオチド配列から誘導され、概して約40から50ヌクレオチド長である。
G.結果
ここに開示されているように、インサイツ分析をDNA59294−1381に関して実施した。この分析の結果は、以下の通りである。
【0275】
DNA59294−1381(PRO1031)
このIL17相同体の発現は、正常成人及び胎児組織及び炎症、主に慢性リンパ球炎症を持つ組織からなるパネルで評価した。このパネルは、Tリンパ球作用を媒介(刺激性又は阻害性)する新規なタンパク質の免疫媒介疾患における発現パターンを特異的に評価するために設計した。このタンパク質は、Ig-融合タンパク質として発現された場合は、ヒト混合リンパ球反応(MLR)において用量依存的に免疫刺激性であり;2つの異なる濃度(1.0%及び0.1%の560nMストック)で用いられたとき、ベースライン刺激指数より285%及び147%という増加を生じる(下記の実施例25を参照)。要旨:発現は、筋肉、成人の或る種の型の平滑筋及びヒト胎児の平滑筋に制限された。ヒト成人における発現は、結腸及び胆嚢を含む管器官の平滑筋において評価された。血管及び気管支の平滑筋では発現されなかった。ヒト成人骨格筋は評価しなかった。胎児組織において、骨格筋、体幹骨格及び肢における中程度から高度の拡散発現があった。腸壁の平滑筋では弱い発現があったが、心筋では発現されなかった。発現したヒト成人組織:結腸:慢性炎症性腸疾患を持つ5検体において平滑筋(筋層)で低レベルの拡散発現があった。胆嚢:胆嚢の平滑筋で弱から低レベルの発現があった。発現したヒト胎児組織:骨格筋において中程度の拡散発現及び平滑筋において弱から低レベル発現があった;胎児心臓又は肝臓、脾臓、CNS、腎臓、腸、肺を含む他の任意の器官では発現は無かった。発現の無いヒト組織:慢性肉芽腫炎症及び慢性気管支炎(5患者)の肺、末梢神経、心臓、胎盤、肝臓(疾患多重ブロック)、脳(大脳及び小脳)、扁桃(反応性過形成)、末梢リンパ節、胸腺。
【0276】
実施例11:大腸菌におけるPROの発現
この実施例は、大腸菌中における組み換え発現によるPROの非グリコシル化型の調製を例証する。
DNA配列コード化は選択されたPCRプライマーを利用して最初に増幅される。このプライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含まなければならない。様々な発現ベクターを使用することができる。適したベクターの例としては、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性に対する遺伝子を含むpBR322(大腸菌由来;Bolivarら, Gene, 2:95 (1997)を参照のこと)がある。ベクターは制限酵素によって消化され、脱リン酸化される。次いで、PCR増幅配列をベクターにライゲーションする。ベクターは好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリHisリーダー(最初の6つのSTIIコドン、ポリHisリーダー、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、PROコード領域、ラムダ転写集結因子及びargU遺伝子をコードする配列を含む。
【0277】
次いで、Sambrookら, 上記に記載されている方法を用いて選択された大腸菌株を形質転換するために、このライゲーション混合物を利用した。形質転換体をLB部レート上でのその成長能力によって同定し、次いで抗生物質耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、それを制限分析及びDNA配列決定によって確認することができる。
選択されたクローンを、抗生物質が補填されたLBブロスのような液体培地で一晩かけて成長させることができる。この一晩の培養を、次により大きなスケールでの培養を播種するために使用してもよい。そして、細胞を所望の光学密度になるまで成長させ、その間に発現プロモーターが作用し始める。
更に数時間、細胞を培養した後に、遠心分離によって細胞を収集することが可能である。遠心分離によって得られた細胞ペレットは、当該分野で公知の様々な薬剤を使用して可溶化でき、次いで、この溶解したPROタンパク質を、タンパク質の堅固な結合を可能にする条件下において金属キレート化カラムを用いて精製すること可能である。
【0278】
以下の手法を用いて、ポリ−Hisタグ形態でPROを大腸菌で発現させてもよい。PROをコードするDNAを、選択したPCRプライマーを用いて最初に増幅した。このプライマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位、及び効率的で信頼性のある翻訳開始、金属キレートカラムでの迅速な精製、及びエンテロキナーゼでのタンパク質分解的除去を与える他の有用な配列を含む。次いで、PCR増幅されたポリ-Hisタグ配列を発現ベクターへ結合させ、これを株52(W3110 fuhA(tonA) lon galE rpoHts(htpRts) clpP(lacIq))に基づく大腸菌宿主の形質転換に使用した。形質転換体を、最初に50mg/mlのカルベニシリンを含有するLB中で、30℃で振盪しながら3−5のO.D.600に達するまで成長させた。ついで培養液をCRAP培地(3.57gの(NHSO、0.71gのクエン酸ナトリウム・2HO、1.07gのKCl、5.36gのDifco酵母抽出物、500mL水中の5.36gのSheffield hycase SF、並びに110mMのMPOS、pH7.3、0.55%(w/v)のグルコース及び7mMのMgSOの混合で調製)中にて50−100倍希釈し、30℃で振盪によって約20−30時間成長させた。SDS-PAGEにより発現を確認するために試料を取り出し、細胞がペレットとなるようにバルク培地を遠心分離した。精製及びリフォールディング(再折りたたみ)まで、細胞ペレットを凍結させた。
【0279】
0.5から1Lの発酵(6−10gペレット)からの大腸菌ペーストを、7Mのグアニジン、20mMのトリス、pH8バッファー中で10容量(w/v)で再懸濁させた。固体硫酸ナトリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを添加して最終濃度を各々0.1M及び0.02Mとし、溶液を4℃で終夜撹拌した。この工程により、すべてのシステイン残基が亜硫酸によりブロックされた変性タンパク質が生じる。溶液をBeckman Ultracentrifuge中で40,000rpmで30分間濃縮した。上清を金属キレートカラムバッファー(6Mのグアニジン、20mMのトリス、pH7.4)の3−5容量で希釈し、透明にするために0.22ミクロンフィルターを通して濾過する。透明抽出物を、金属キレートカラムバッファーで平衡化させた5mlのQiagen Ni-NTA金属キレートカラムに負荷した。カラムを50mMのイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade)を含む添加バッファー、pH7.4で洗浄した。タンパク質を250mMのイミダゾールを含有するバッファーで溶離した。所望のタンパク質を含有する画分をプールし、4℃で保存した。タンパク質濃度は、そのアミノ酸配列に基づいて計算した吸光係数を用いて280nmにおけるその吸収により見積もった。
【0280】
試料を20mMのトリス、pH8.6、0.3MのNaCl、2.5Mの尿素、5mMのシステイン、20mMのグリシン及び1mMのEDTAからなる新たに調製した再生バッファー中で徐々に希釈することによって、タンパク質を再生させた。リフォールディング容量は、最終的なタンパク質濃度が50〜100マイクログラム/mlとなるように選択した。リフォールディング溶液を4℃で12−36時間ゆっくりと撹拌した。リフォールディング反応はTFAを採取濃度0.4%(約3のpH)で添加することにより停止させた。タンパク質をさらに精製する前に、溶液を0.22ミクロンフィルターを通して濾過し、アセトニトリルを最終濃度2−10%で添加した。再生したタンパク質を、Poros R1/H逆相カラムで、0.1%TFAの移動バッファーと10〜80%のアセトニトリル勾配での溶離を用いてクロマトグラフにかけた。A280吸収を持つ画分のアリコートをSDSポリアクリルアミドゲルで分析し、相同な再生タンパク質を含有する画分をプールした。一般的に、殆どの正しく再生したタンパク質種は、これらの種が最もコンパクトであり、その疎水性内面が逆相樹脂との相互作用から遮蔽されているので、アセトニトリルの最低濃度で溶離される。凝集した種は通常、より高いアセトニトリル濃度で溶離される。誤って再生したタンパク質を所望の形態から除くのに加えて、逆相工程は試料からエンドトキシンも除去する。
所望の再生したPROポリペプチドを含有する画分をプールし、溶液に向けた窒素の弱い気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで平衡化したG25Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHepes、pH6.8に調製した。
ここで開示された多くのPROポリペプチドは、上記の方法によって成功裏に発現した。
【0281】
実施例12:哺乳動物細胞におけるPROの発現
この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現による潜在的にグリコシル化した形態のPROの調製を例証する。
発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日公開のEP307,247参照)を用いた。場合によっては、PRO DNAを選択した制限酵素を持つpRK5に結合させ、上記のSambrook等に記載されたようなライゲーション方法を用いてPRODNAを挿入させる。得られたベクターは、pRK5-PROと呼ばれる。
【0282】
一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞とすることができる。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分及び/又は抗生物質を添加したDMEMなどの培地中で組織培養プレートにおいて成長させて集密化した。約10μgのpRK5-PRODNAを約1μgのVA RNA遺伝子コード化DNA[Thimmappayaら, Cell, 31:543 (1982))]と混合し、500μlの1mM トリス-HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaClに溶解させた。この混合物に、滴状の500μlの50mM HEPES(pH7.35)、280mM NaCl、1.5mM NaPOを添加し、25℃で10分間析出物を形成させた。析出物を懸濁し、293細胞に加えて37℃で約4時間定着させた。培地を吸引し、2mlのPBS中20%グリセロールを30秒間添加した。293細胞は、次いで無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートした。
トランスフェクションの約24時間後、培地を除去し、培地(のみ)又は200μCi/ml35S−システイン及び200μCi/ml35S−メチオニンを含む培地で置換した。12時間のインキュベーションの後、条件培地を回収し、スピンフィルターで濃縮し、15%SDSゲルに添加した。処理したゲルを乾燥させ、PROポリペプチドの存在を現す選択された時間にわたってフィルムにさらした。形質転換した細胞を含む培地に、更なるインキュベーションを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
【0283】
これに換わる技術において、PROは、Somparyacら, Proc. Natl. Acad. Sci., 12:7575 (1981)に記載されたデキストラン硫酸法を用いて293細胞に一過的に導入される。293細胞は、スピナーフラスコ内で最大密度まで成長させ、700μgのpRK5-PRODNAを添加する。細胞は、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PBSで洗浄した。DNA-デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートした。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培地で洗浄し、組織培地、5μg/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再度導入した。約4日後に、条件培地を遠心分離して濾過し、細胞及び細胞片を除去した。次いで発現PROポリペプチドを含む試料を、透析及び/又はカラムクロマトグラフィー等の選択した方法によって濃縮し精製することが可能である。
他の実施態様では、PROをCHO細胞で発現させることができる。pRK5-PROは、CaPO又はDEAE−デキストランなどの公知の試薬を用いてCHO細胞にトランスフェクションすることができる。上記したように、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(のみ)又は35S-メチオニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PROポリペプチドの存在を同定した後、培地を無血清培地に置換してもよい。好ましくは、培地を約6日間インキュベートし、次いで条件培地を収集する。次いで、発現PROポリペプチドを含む培地を、任意の選択した方法によって濃縮し精製することができる。
【0284】
また、エピトープタグPROは、宿主CHO細胞において発現させてもよい。PROはpRK5ベクターからサブクローニングしてもよい。サブクローン挿入物は、PCRを施してバキュロウイルス発現ベクター中のポリ-hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ枠に融合できる。ポリ-hisタグPRO挿入物は、次いで、安定なクローンの選択のためのDHFR等の選択マーカーを含むSV40誘導ベクターにサブクローニングできる。最後に、CHO細胞をSV40誘導ベクターで(上記のように)トランスフェクションした。発現を確認するために、上記のように標識化を行ってもよい。発現されたポリ-hisタグPROを含む培地は、次いで濃縮し、Ni2+-キレートアフィニティクロマトグラフィー等の選択された方法により精製できる。
またPROは、一過性発現法によりCHO及び/又はCOS細胞で、他の安定な発現方法によりCHO細胞で発現させてもよい。
CHO細胞における安定な発現は以下の方法を用いて実施された。タンパク質は、それぞれのタンパク質の可溶化形態のコード配列(例えば、細胞外ドメイン)がIgG1のヒンジ、CH2及びCH2ドメインを含む定常領域配列に融合したIgG作成物(イムノアドヘシン)、又はポリ-Hisタグ形態として発現された。
【0285】
PCR増幅に続いて、対応するDNAを、Ausubelら, Current Protocols of Molecular Biology, Unit 3.26, John Wiley and Sons (1997)に記載されたような標準的技術を用いてCHO発現ベクターにサブクローニングした。CHO発現ベクターは、対象とするDNAの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cDNAの便利なシャトル化ができるように作成される。ベクターは、Lucasら, Nucl. Acids Res. 24: 9, 1774-1779 (1996)に記載されたようにCHO細胞での発現を用い、対象とするcDNA及びジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)の発現の制御にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFR発現は、トランスフェクションに続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にする。
所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販のトランスフェクション試薬Superfect(登録商標)(Quiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)約1千万のCHO細胞に導入する。細胞は、上記のLucas等に記載されているように成長させた。約3x10細胞を、下記のような更なる成長及び生産のためにアンプル中で凍結させた。
【0286】
プラスミドDNAを含むアンプルを水槽に配して解凍し、ボルテックスにより混合した。内容物を10mLの媒質を含む遠心管にピペットして、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸引して細胞を10mLの選択培地(0.2μm濾過PS20、5%の0.2μm透析濾過ウシ胎児血清を添加)中に懸濁させた。次いで細胞を90mLの選択培地を含む100mLスピナーに分ける。1−2日後、細胞を150mLの選択培地を満たした250mLスピナーに移し、37℃でインキュベートする。さらに2−3日後、250mL、500mL及び2000mLのスピナーを3x10細胞/mLで播種した。細胞培地を遠心分離により新鮮培地に交換し、生産培地に再懸濁させた。任意の適切なCHO培地を用いてもよいが、実際には1992年6月16日に発行された米国特許第5,122,469号に記載された生産培地を使用した。3Lの生産スピナーを1.2x10細胞/mLで播種した。0日目に、細胞数とpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプルし、濾過空気での散布を実施した。2日目に、スピナーをサンプルし、温度を33℃に変え、30mLの500g/Lのグルコース及び0.6mLの10%消泡剤(例えば35%ポリジメチルシロキサンエマルション、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)をとった。生産を通して、pHは7.2近傍に調節し維持した。10日後、又は生存率が70%を下回るまで、細胞培地を遠心分離で回収して0.22μmフィルターを通して濾過した。濾過物は、4℃で貯蔵するか、即座に精製用カラムに充填した。
【0287】
ポリ-Hisタグ作成物に関して、タンパク質をNi-NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製の前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加した。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepes,pH7.4バッファーで平衡化した6mlのNi−NTAカラムへ4−5ml/分の流速によって4℃でポンプ供給した。充填後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タンパク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製されたタンパク質は、続いて10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニトール,pH6.8を含む貯蔵バッファー中で25mlのG25Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩し、−80℃で貯蔵した。
【0288】
イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を、以下通りに条件培地から精製した。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー,pH6.8で平衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)へポンプ注入した。充填後、カラムを平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸,pH3.5で溶離した。溶離したタンパク質は、1mlの画分を275μLの1Mトリスバッファー,pH9を含む管に回収することにより即座に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ−Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。均一性はSDSポリアクリルアミドゲルとエドマン(Edman)分解によるN−末端アミノ酸配列決定により評価した。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0289】
実施例13:酵母菌でのPROの発現
以下の方法は、酵母菌中でのPROポリペプチドの組換え発現を記載する。
第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPROの細胞内生産又は分泌のための酵母菌発現ベクターを作成する。PROポリペプチドをコードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位に挿入してPROポリペプチドの細胞内発現を指示する。分泌のために、PROをコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするDNA、天然PROシグナルペプチド又は他の哺乳動物シグナルペプチド、又は、例えば酵母菌α因子又はインベルターゼ分泌シグナル/リーダー配列、及び(必要ならば)PROの発現のためのリンカー配列とともにクローニングすることができる。
【0290】
酵母菌株AB110等の酵母菌は、次いで上記の発現プラスミドで形質転換し、選択された発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリクロロ酢酸での沈降及びSDS−PAGEによる分離で分析し、次いでクマシーブルー染色でゲルの染色をすることができる。
続いて組換えPROポリペプチドは、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、次いで選択されたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。PROポリペプチドを含む濃縮物は、選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0291】
実施例14:バキュロウイルス感染昆虫細胞でのPROの発現
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPROの組換え発現を記載する。
PROコードする配列を、バキュロウイルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上流に融合させた。このようなエピトープタグは、ポリ-hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域など)を含む。pVL1393(Navagen)などの市販されているプラスミドから誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単には、PRO又はPROコード配列の所定部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列又はタンパク質が細胞外である場合の成熟タンパク質をコードする配列などが、5’及び3’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、次いで、選択された制限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
【0292】
組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGold(商品名)ウイルスDNA(Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)中にリポフェクチン(GIBCO-BRLから市販)を用いて同時トランスフェクションすることにより作成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出されたウイルスを回収し、更なる増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O'Reilleyら, Baculovirus expression vectors: A laboratory Manual, Oxford: Oxford University Press (1994)に記載されているように実施した。
【0293】
次に、発現されたポリ-hisタグPROは、例えばNi2+-キレートアフィニティクロマトグラフィーにより次のように精製される。抽出は、Rupertら, Nature, 362:175-179 (1993)に記載されているように、ウイルス感染した組み換えSf9細胞から調製した。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理用バッファー(25mLのHepes,pH7.9;12.5mMのMgCl;0.1mM EDTA;10%グリセロール;0.1%のNP−40;0.4MのKCl)中に再懸濁し、氷上で2回20秒間超音波処理した。超音波処理物を遠心分離で透明化し、上清を負荷バッファー(50mMリン酸塩、300mMのNaCl、10%グリセロール、pH7.8)で50倍希釈し、0.45μmフィルターで濾過した。Ni2+-NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を5mLの総容積で調製し、25mLの水で洗浄し、25mLの負荷バッファーで平衡させた。濾過した細胞抽出物は、毎分0.5mLでカラムに負荷した。カラムを、分画回収が始まる点であるA280のベースラインまで負荷バッファーで洗浄した。次に、カラムを、結合タンパク質を非特異的に溶離する二次洗浄バッファー(50mMリン酸塩;300mMのNaCl、10%グリセロール、pH6.0)で洗浄した。A280のベースラインに再度到達した後、カラムを二次洗浄バッファー中で0から500mMイミダゾール勾配で展開した。1mLの分画を回収し、SDS-PAGE及び銀染色又はアルカリホスファターゼ(Qiagen)に複合したNi2+-NTAでのウェスタンブロットで分析した。溶離したHis10-タグPROを含む画分をプールして負荷バッファーで透析した。
あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PROの精製は、例えば、プロテインA又はプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施できる。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0294】
実施例15:PROに結合する抗体の調製
この実施例は、PROに特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。
モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば、上記のGodingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PROポリペプチド、PROポリペプチドを含む融合タンパク質、細胞表面に組換えPROポリペプチドを発現する細胞を含む。免疫原の選択は、当業者が過度の実験をすることなくなすことができる。
Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は腹腔内に1−100マイクログラムで注入したPRO免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Researh, ハミルトン, モンタナ)に乳化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、次いで10から12日後に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する。抗PRO抗体の検出のためのELISAアッセイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期的に採取してもよい。
【0295】
適当な抗体力価が検出された後、抗体に「ポジティブ(陽性)」な動物に、PRO静脈内注射の最後の注入をすることができる。3から4日後、マウスを屠殺し、脾臓細胞を取り出した。次いで脾臓細胞を(35%ポリエチレングリコールを用いて)、ACTTから番号CRL1597で入手可能なP3X63AgU.1等の選択されたマウス骨髄腫株化細胞に融合させた。融合によりハイブリドーマ細胞が生成され、次いで、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに蒔き、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害した。
ハイブリドーマ細胞は、PROに対する反応性についてのELISAでスクリーニングされる。PROに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポジティブ(陽性)」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PROモノクローナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行うことができる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくアフィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
【0296】
実施例16:特異的抗体を用いたPROポリペプチドの精製
天然又は組換えPROポリペプチドは、この分野の種々の標準的なタンパク質精製方法によって精製できる。例えば、プロ-PROポリペプチド、成熟ポリペプチド、又はプレ-PROポリペプチドは、対象とするPROポリペプチドに特異的な抗体を用いた免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。一般に、免疫親和性カラムは抗PROポリペプチド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合させて作成される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、硫酸アンモニウムでの沈殿又は固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)での精製のいずれかにより免疫血清から調製される。同様に、モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿又は固定化プロテインAでのクロマトグラフィーによりマウス腹水液から調製される。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr-活性化セファロース(商品名)(Pharmacia LKB Biotechnology)等のクロマトグラフィー樹脂に共有結合される。抗体が樹脂に結合され、樹脂がブロックされ、誘導体樹脂は製造者の指示に従って洗浄される。
【0297】
このような免疫親和性カラムは、可溶化形態のPROポリペプチドを含有する細胞からの画分を調製することによるPROポリペプチドの精製において利用される。この調製物は、洗浄剤の添加又はこの分野で公知の方法により微分遠心分離を介して得られる全細胞又は細胞成分画分の可溶化により誘導される。あるいは、シグナル配列を含む可溶化PROポリペプチドは、細胞が成長する培地中に有用な量で分泌される。
可溶化PROポリペプチド含有調製物は、免疫親和性カラムを通され、カラムはPROポリペプチドの好ましい吸着をさせる条件下(例えば、洗浄剤存在下の高イオン強度バッファー)で洗浄される。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合を分解する条件下(例えば、約2−3といった低pH、高濃度の尿素又はチオシアン酸イオン等のカオトロープ)で溶離され、PROポリペプチドが回収される。
【0298】
実施例17:薬物スクリーニング
本発明は、PROポリペプチド又はその結合断片を種々の薬物スクリーニング技術において使用することによる化合物のスクリーニングとって特に有用である。そのような試験に用いられるPROポリペプチド又は断片は、溶液中の自由状態でも、固体支持体に固定されても、細胞表面に担持されていても、或いは細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリーニングの1つの方法では、PROポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定にトランスフェクションされる真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのようなトランスフェクション細胞に対して、競合的結合アッセイによってスクリーニングされる。生存可能又は固定化形態のいずれかによって、このような細胞は標準的な結合アッセイで使用できる。例えば、PROポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定してよい。あるいは、試験する試薬によって生ずるPROポリペプチドとその標的細胞との間の複合体形成における減少を試験することもできる。
【0299】
従って、本発明は、PROポリペプチド関連疾患又は障害に影響を与えうる薬剤又は任意の他の試薬のスクリーニング方法を提供する。これらの方法は、その試薬をPROポリペプチド又は断片に接触させ、(i)試薬とPROポリペプチド又は断片との間の複合体の存在について、又は(ii)PROポリペプチド又は断片と細胞との間の複合体の存在について、検定することを含む。これらの競合結合アッセイでは、PROポリペプチド又は断片が典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、自由なPROポリペプチド又は断片を結合形態のものから分離し、自由又は未複合の標識の量が、特定の試薬がPROポリペプチドに結合する又はPROポリペプチド/細胞複合体を阻害する能力の尺度となる。
【0300】
薬剤スクリーニングのための他の技術は、ポリペプチドに対して適当な結合親和性を持つ化合物についての高スループットスクリーニングを提供し、1984年9月13日に公開されたWO84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べれば、多数の異なる小型ペプチド試験化合物が、プラスチックピン等の固体支持体又は幾つかの他の表面上で合成される。PROポリペプチドに適用すると、ペプチド試験化合物はPROポリペプチドと反応して洗浄される。結合したPROポリペプチドはこの分野で良く知られた方法により検出される。精製したPROポリペプチドは、上記の薬剤スクリーニング技術に使用するためにプレート上に直接被覆することもできる。さらに、非中和抗体は、ペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に固定化するのに使用できる。
また、本発明は、PROポリペプチドに結合可能な中和抗体がPROポリペプチド又はその断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイも考慮する。この方法において、抗体は、PROポリペプチドで、1つ又は複数の抗原決定基を持つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
【0301】
実施例18:合理的薬物設計
合理的薬物設計の目的は、対象とする生物学的活性ポリペプチド(例えば、PROポリペプチド)又はそれらが相互作用する小分子、例えばアゴニスト、アンタゴニスト、又はインヒビターの構造的類似物を製造することである。これらの例の任意のものが、PROポリペプチドのより活性で安定な形態又はインビボでPROポリペプチドに機能を促進又は阻害する薬物の創作に使用できる(参考、Hodgson, Bio/Technology, 9: 19-21 (1991))。
【0302】
1つの方法において、PROポリペプチド、又はPROポリペプチド-インヒビター複合体の三次元構造が、x線結晶学により、コンピュータモデル化により、最も典型的には2つの方法の組み合わせにより決定される。分子の構造を解明し活性部位を決定するためには、PROポリペプチドの形状及び電荷の両方が確認されなければならない。数は少ないが、PROポリペプチドの構造に関する有用な情報が相同タンパク質の構造に基づいたモデル化によって得られることもある。両方の場合において、関連する構造情報は、類似PROポリペプチド様分子の設計又は効果的なインヒビターの同定に使用される。合理的な薬剤設計の有用な例は、Braxton及びWells, Biochemistry, 31: 7796-7801 (1992)に示されているような向上した活性又は安定性を持つ分子、又はAthaudaら,J. Biochem., 113: 742-746 (1993)に示されているような天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、又はアンタゴニストとして作用する分子を含む。
【0303】
また、上記のような機能アッセイによって選択された標的特異的な抗体を単離しその結晶構造を解明することもできる。この方法は、原理的には、それに続く薬剤設計が基礎をおくことのできるファーマコア(pharmacore)を生成する。機能的な薬理学的に活性な抗体に対する抗-イディオタイプ抗体(抗-ids)を生成することにより、タンパク質結晶学をバイパスすることができる。鏡像の鏡像として、抗-idsの結合部位は最初のレセプターの類似物であると予測できる。抗-idは、次いで、化学的又は生物学的に製造したペプチドのバンクからペプチドを同定及び単離するのに使用できる。単離されたペプチドは、ファーマコアとして機能するであろう。
本発明によって、X線結晶学などの分析実験を実施するために十分な量のPROポリペプチドが入手可能である。さらに、ここに提供したPROポリペプチドアミノ酸配列の知識は、X線結晶学に代わる又はそれに加わるコンピュータモデル化技術で用いられるガイダンスを提供する。
【0304】
実施例19:差次的組織発現分布
オリゴヌクレオチドプローブを、定量PCR増幅反応での利用のために、添付図面に示すPRO1031、PRO1122、PRO21175、PRO10272、PRO20110、PRO5801、PRO20040、PRO9877、及びPRO20026ポリペプチドコード化ヌクレオチド配列から構築した。オリゴヌクレオチドプローブを、標準的PCR反応において、その結合テンプレートの3' 末端から、約200−600塩基対の増幅断片が生じるように選択した。このオリゴヌクレオチドプローブを、異なるヒト成人及び/又は胎児の組織源から単離されたcDNAライブラリーを用いた標準的な定量PCR増幅反応に使用し、試験した種々の組織におけるPROポリペプチドコード化核酸の発現レベルの定量を得るためにアガロースゲル電気泳動によって分析した。種々の異なるヒト組織型におけるPROポリペプチドコード化核酸の発現パターンの知識は、転移腫瘍等の一次組織源を決定するために、他の組織特異的マーカーを用いて又は用いない組織分類分けに有用な診断用マーカーが提供される。これらのアッセイは、以下の結果を提供する。
【0305】


【0306】
実施例20:レセプター/リガンド相互作用の同定−レセプター/リガンド相互作用の同定に関するPROポリペプチドのスクリーニングアッセイの概要
このアッセイでは、レセプター/リガンド相互作用を同定することを目的として、潜在的レセプター又はリガンド分子の一群(パネル)へ結合する能力に関して種々のPROポリペプチドを試験する。既知のレセプターに対するリガンド、既知のリガンドに対するレセプター或いは新規のレセプター/リガンド対の同定は種々の指示にとって有用であり、それらには例えば、レセプター又はリガンドを発現することが知られている細胞へ生物活性分子(リガンド又はレセプターへ結合)を標的とすること、組成物がリガンド又はレセプターを発現すると思われる細胞を含む可能性がある場合に、レセプター又はリガンドを含むと思われる組成物中でのそれらの存在を検出する試薬としてレセプター又はリガンドを利用すること、レセプター又はリガンドを発現すること又はこれらへ反応することが知られている細胞の成長、或いはその他の生物学的又は免疫学的活性を調節すること、細胞の免疫応答又はレセプター又はリガンドを発現する細胞に対する免疫応答を調節すること、レセプター又はリガンドを発現する細胞の成長又は生物学的或いは免疫学的活性を調節するレセプター又はリガンドに対するアゴニスト、アンタゴニスト及び/又は抗体の調製を可能にすること、並びに普通の熟練技術者にとって難なく理解できる種々の他の指示が含まれる。
【0307】
一般的には、このアッセイは、次のようにしておこなわれる。レセプターのリガンドと思われる本発明のPROポリペプチドを、ヒトIgG(イムノアドヘシン)のFcドメインを含む融合タンパク質として発現する。イムノアドヘシンポリペプチドと候補PROポリペプチドレセプターを発現する細胞(例えばCos細胞)との相互作用、結合したイムノアドヘシンのFc融合ドメインを対象とする蛍光試薬での視覚化、及び顕微鏡で検査することで、レセプター−リガンド結合を検出する。同時に、レセプター分子として機能する可能性があるPROポリペプチドをコードするcDNA発現ベクターのライブラリの明確な一部分の一過性トランスフェクションによって、候補レセプターを発現する細胞は生産される。次いで、レセプター結合の可能性を試験されるPROポリペプチドイムノアドヘシンの存在下において、細胞を1時間に渡ってインキュベーションする。この細胞を、次にパラホルムアルデヒドで洗浄して固定化する。次に、この細胞をPROポリペプチドイムノアドヘシンのFc部分に対する蛍光コンジュゲート抗体とインキュベートする(例えば、FITCコンジュゲートヤギ抗-ヒト-Fc抗体)。次に、この細胞を再び顕微鏡によって調べる。特定のPROポリペプチドレセプター又はレセプタープールをコードするcDNAでトランスフェクションされた細胞に蛍光ラベルが在ること、並びに他のcDNA又はcDNAプールでトランスフェクションされた同様に調製された細胞に同様な蛍光ラベルが無いことによって、ポジティブ(陽性)相互作用は判断される。PROポリペプチドイムノアドヘシンとの相互作用について、cDNA発現ベクターの明白なプールがポジティブ(陽性)であると判断された場合は、PROポリペプチドイムノアドヘシンと相互作用することができるレセプターをコードする特定のcDNAを確定するために、プールを構成する個々のcDNA種を個別に検定する(このプールは「崩壊される」)。
【0308】
このアッセイのその他の実施態様では、潜在的なエピトープタッグリガンドPROポリペプチド(例えば、8ヒスチジン「His」タッグ)は、ヒトIgGのFcドメイン(イムノアドヘシン)との融合として発現されている潜在的レセプターPROポリペプチドの一群(パネル)と相互作用する。エピトープタッグPROポリペプチドとの1時間に渡る同時インキュベーションの後、個々の候補レセプターをプロテインAビーズで免疫沈降し、ビーズを洗浄した。潜在的なリガンド相互作用は、エピトープタッグを標的とする抗体による免疫沈降複合体のウェスタンブロット分析によって測定する。エピトープタッグタンパク質の予想分子量のバンドが、候補レセプターとのウェスタンブロット分析において観察されるものの、潜在的レセプターの一群(パネル)の他のメンバーとのウェスタンブロットで観察されない場合には、、相互作用が起こっていると判断する。
【0309】
これらのアッセイを利用し、ここで、次のレセプター/リガンド相互作用が同定されている:
(1)PRO1031(ここで、ヒトIL-17Bリガンドと命名)がPRO5801(ここで、ヒトIL-17RH1レセプターと命名)と結合する。
(2)PRO10272(ここで、ヒトIL-17Eリガンドと命名)がPRO5801(ここで、ヒトIL-17RH1レセプターと命名)と結合する。
(3)PRO201110(ここで、ヒトIL-17Eリガンドと命名)がヒトIL−17レセプター(IL-17R)(Yaoら, Cytokine 9(11):794-800(1997);またここでPRO1と命名された)及びPRO20040(ここで、ヒトIL-17RH2レセプターと命名)へ結合する。
(4)PRO1031(IL-17Bリガンド)及びPRO1122(IL-17Cリガンド)は、ヒトIL-17レセプターと結合しない(Li ら., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 97(2):773-778(2000))。
【0310】
実施例21:ヒトIL-17レセプター(IL-17R;PRO1と命名)の新規リガンドIL-17B(PRO1031と命名)及びIL-17C(PRO1122と命名)との結合
A.ヒトIL-17レセプター(IL-17Rと命名;ここでPRO1として命名)のECDのクローニング:
新規IL-17相同性ポリペプチドIL-17B及びIL-17Cのリガンド/レセプター相互作用を研究するために、ヒトIL-17レセプター(Yaoら, Cytokine 9(11):794-800(1997)のECDをクローンした。公表されている配列に基づき、2つのオリゴヌクレオチドプライマーをIL-17R ECDの5’及び3’末端に設計した〔Yanoら., Cytokine, 9:794(1997)〕。2つのプローブは次の配列を有する:
プライマー1:5'-CTG TAC CTC GAG GGT GCA GAG-3' (配列番号:38)
プライマー2:5'-CCC AAG CTT GGG TCA ATG ATG ATG ATG ATG ATG ATG ATG CCA CAG GGG CAT GTA GTC C-3' (配列番号:39)
上述したプライマーをPCR反応に使用し、Pfu Turbo DNAポリメラーゼ(Promrga)を用いて、ヒト精巣cDNAライブラリから全長cDNAを増幅させる。C-末端hisタグを、8つのヒスチジンをコードするヌクレオチドの添加を通し、PCRにより3'末端プライマーに導入した。ついで、PCR生成物を発現プラスミドベクターpRK5B中でサブクローンした。配列分析により、挿入物が、公表されているhIL-17レセプターの細胞外ドメイン(1-320アミノ酸)をコードするDNAフラグメントを含有していることが確認された。
【0311】
B.IL-17R ECDの免疫沈降
IL-17B(PRO1031;配列番号:2)及びIL-17C(PRO1122;配列番号:4)と比較した場合のIL-17の差異のある活性は(本出願の実施例28から30を参照)、それらが異なる細胞表面に結合し活性化していることを示唆している。IL-17B(PRO1031)又はIL-17C(PRO1122)が直接にレセプターと結合してるか否かテストするために、IL-17R(PRO1)(C-末端hisタグ)を含有する発現プラスミドを、SuperFectトランスフェクション試薬(Quiagen)を使用して293細胞へトランスフェクトした。50μCi/ml[35S]-Cys/Met混合物を6時間使用したトランスフェクションの後に、293細胞の代謝ラベリングを16時間行った。培養上清を収集して濃縮した(Centricon-10, Amicon)。IL-17R ECDの発現を検査するために、Ni-NTAビーズ(Quiagen)を使用して、培養上清からhis-タグIL-17R ECDを親和沈降させた。
【0312】
培養上清をRIPAバッファー(1%のNP40、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のPBSに入ったSDS)で希釈し、IL-17及びFc融合タンパク質とともに4℃で一晩インキュベートした。Fc融合タンパク質を沈殿させるために、プロテインA-アガロースビーズ(Pierce)を添加した。この沈殿物をRIPAバッファー中で3回洗浄し、SDSサンプルバッファーで変性させ、NuPAGE 4-12% Bis-Trisゲル(Novex)上で電気泳動にかけた。IL-17免疫沈降のために、抗IL-17抗体(R & Dシステム)を添加した。競合結合実験において、IL-17(配列番号:11)によるIL-17R ECDの免疫沈降を、5倍モル過度のIL-17B.His、IL-17C.His及び対照hisタグタンパク質の存在下で行った。
IL-17R ECDは、そのヒスチジンタグを介して精製する際に、60kDaのバンドとして移動した(図29A)。さらにIL-17R ECDはまた、IL-17(レーン3)と組み合わされて沈殿した。しかしながら、IL-17BとIL-17Cの両方ともに、ラベルされたIL-17レセプターECDに対するIL-17の結合と競合することができなかった(図29B、レーン15及び16)。
【0313】
実施例22:新規ヒトIL-17レセプター(IL-17RH1)(PRO5801と命名)のヒトIL-17及び新規リガンドIL-17B(PRO1031と命名)、IL-17C(PRO1122と命名)、及びIL-17E(PRO10272と命名)との結合;IL-17EによるNF-κB活性及びIL-8生成の誘導
A.IL-17E(PRO10272)の単離、並びに発現ベクターの構築
IL-17E(DNA147531−2821;配列番号:5)及びIL-17RH1(DNA115291−2681;配列番号:11)cDNAクローンをヒトcDNAライブラリから単離し、各々実施例3及び実施例5に示されているように、それらの全部の配列を決定した。Fc融合タンパク質(イムノアドヘシン)を、真核生物発現ベクターpRK5tkNEO及びバキュロウイルスベクターpHIF、Pharmingenから購入したpVL1393の誘導体で、IL-17、IL-17B(PRO1031)、IL-17C(PRO1122)、及びIL-17E(PRO10272)の全オープンリーディーングフレームのフレーム単位でのヒトIgG1のFc領域との融合によって調製した。融合タンパク質を、ヒト293細胞又はSf9昆虫細胞で過度的に発現させ、プロテインAカラムを通して精製した。また、IL-17RH1レセプター(PRO5801)の細胞外ドメインを、C-末端8xHis-tag融合としてバキュロウイルスで発現させ、ニッケルアフィニティーカラムによって精製した。更に、IL-17E(PRO10272)を8xHis-tag融合としてバキュロウイルスで発現させ、精製してリフォールデング(再折りたたみ)した。この精製タンパク質の同一性は、N-末端分析によって確かめられた。
【0314】
B.ウェスタンブロット、ノーザンブロット及びTaqman分析:
IL-17E(PRO10272)のIL-17RH1(PRO5801)との結合のウェスタンブロット分析を、Xieら., Cytokine, 11(10): 729-735(1999)及びXieら., J. Biol. Chem., 275(40): 31335-31339(2000)によって記載の通りにおこなった。ノーザンブロット分析では、製造者の推奨の通りに、多組織ノーザンブロット(multiple tissue Northern blots)(Clontech)を、ランダムプライムIL-17RH1 cDNAの32P-ラベルプローブでプローブし、72時間に渡ってX-omat(Kodak)に曝露した。定量PCR分析(Taqman(商品名))では、推奨の通りに(Perkin Elmer)、IL-17RH1のコード化配列に基づいて、プライマーでヒト組織からの全mRNA(50ng)を分析した。
【0315】
C.FACS分析
ヒト293細胞を、表示の通りに、緑色蛍光タンパク質(GFP)、及びIL-17RH1(PRO5801)又はIL-17R(PRO1と命名)に関する発現ベクターで過度的に同時トランスフェクションした。24時間後に、細胞を表示の通りに細胞をFcタッグリガンドでインキュベートし、結合をPEコンジュゲート抗-ヒトFc抗体で明らかにした。FACS曲線は、同時トランスフェクションされたGFPポジティブの細胞集団中のPE染色を示す(図32A)。
【0316】
D.NF-κB、及びIL-8アッセイそしてウェスタンブロット分析
ルシェフェラーゼレポーターアッセイを、Gurneyら., Curr Biol., 9(4): 215-218(1999)に記載の通りにおこなった。要約すると、293又はTK-10細胞(2x10)を、トランスフェクションの間のDNA量を一定に保つためのキャリアープラスミドpRK5D及びIL-17E発現プラスミド(0.1μg)に加えて、0.5μgのホタルルシェフェラーゼレポータープラスミドpGL3-ELAM.tk、及び内部トランスフェクションコントロールとして0.05μgのウミシイタケルシフェラーゼレポータープラスミド
によるEffectine(Quiagen)トランスフェクションによってトランスフェクションした。24時間後、細胞を収集し、推奨の通りにルシェフェラーゼ活性をアッセイした(Pharmacia)。IL-8 ELISAを、製造者の指示書の通りにおこなった(R & D Systems)(図33)。
【0317】
E.結果及び議論:
上に記述したように、IL-17ファミリーの新規メンバーは同定されてキャラクタリゼーションされ、ここでIL-17B(PRO1031)、IL-17C(PRO1122)、IL-17D(PRO21175)、及びIL-17E(PRO10272)と命名された。IL-17ファミリーの4ファミリー、IL-17、IL-17B、IL-17C及びIL-17Eは、C-末端部分に最も高い類似性を共有し、その部分には20−30%のアミノ酸配列同一性、並びに4個のシステインの厳格な保存がある。機能的に保存され得る付加的なシステインは、異なる位置に存在する。対照的に、N-末端の80残基には、保存部が殆ど無いことが明らかである。IL-17ファミリーメンバー[IL-17(配列番号:40)、IL-17B(PRO1031;配列番号:2);IL-17C(PRO1122、配列番号:4);及びIL-17E(PRO10272、配列番号:6)]のアライメントが図30に示されている。保存システインは小丸で示され、潜在的なN-結合グリコシル化部位は囲いで示されている。
IL-17E mRNAは、ノーザンブロット分析では検出されなかった。しかしながら、スプライシングされたmRNAをゲノムDNAから識別できるように設計されたプライマーを用いるRT-PCRによって、IL-17Eは、脳、腎臓、肺、前立腺、精巣、脊髄、副腎及び気管を含む種々の組織において低レベルで検出されている。IL-17E(PRO10272)発現のRT-PCR分析の結果は、図23に示されている。上に記述のように、表示の組織のRNAを、IL-17Eのコード化配列のすべてを増幅するように設計したプライマーによるRT-PCRへ供した。このPCR産物をアガロースゲル電気泳動で分離し、ナイロン膜へ移し、32PでラベルしたIL-17E cDNAプローブでプローブした。
【0318】
出願人は、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)がヒトIL-17レセプター(ここでPRO1と命名)と結合しないことを示している(実施例21を参照)。新規IL-17レセプター(ここでIL-17RH1と命名;PRO5801)が、ここで同定されてキャラクタリゼーションされている。IL-17RH1(DNA115291−2681;配列番号:11)cDNAは、ヒトcDNAライブラリから単離され、実施例5に記述したようにその全体が配列決定された。IL-17RH1 mRNA発現は、図31Aに示すようにノーザンブロット分析、並びに図31Bに示すように定量PCR法で調べられた。最も高いレベルのIL-17RH1(PRO5801)の発現は、腎臓、並びに他の抹消器官、例えば結腸、小腸、前立腺、精巣、膵臓及び子宮で観察され、肝臓でも有意な発現が観察された。
結合研究は、この新規分子(IL-17RH1と命名;PRO5801)がIL-17ファミリーの他のメンバーに対するレセプターとして機能を果たすか否かを確定するためにおこなわれた。IL-17RH1のための発現ベクターでトランスフェクションしたヒト293細胞がIL-17E-Fc融合タンパク質(イムノアドヘシン)と結合することが示されたが、ヒトIL-17の有意な結合は示さなかった(図32Aに示す)。IL-17RH1発現細胞へのIL-17Eイムノアドヘシン結合は、HisエピトープタッグIL-17Eとの競合によって完全に阻害されることもあり得る。相対的に、IL-17Rのための発現ベクターでトランスフェクションされた細胞は、IL-17イムノアドヘシンと結合するが、IL-17Eとは結合しない。IL-17ファミリーのメンバーとの直接相互作用があるか否かを調べるために、リガンド結合研究を、IL-17RH1レセプターのエピトープタッグ細胞外ドメインでおこなった。図32Bに示しあるように、この新規レセプターは、IL-17E-Fcの強い結合を示し、そしてIL-17B-Fcへの弱い結合示すが、IL-17-Fc又はIL-17C-Fcと結合しない。
【0319】
IL-17がNF-κB活性を誘導することが観察されている(Jovanovicら., 上掲)。また、IL-17E(PRO10272)が二つのヒト癌細胞株、293及びTK細胞(これら双方の細胞株が内在性IL-17RH1 mRNAを発現することが見出された)において、NF-κB応答性ルシェフェラーゼレポーター遺伝子を誘導するか否かを確定するために研究がおこなわれた。これらの研究の結果は、図33Aに示されている。IL-17Eの発現ベクターのトランスフェクションによって、ルシェフェラーゼ活性が著しく誘導された。このルシェフェラーゼ活性は用量依存的に誘導され、以前にNF-κB活性の潜在的なインデューサーであることが示されたTNFレセプタースーパーファミリーメンバーGITR(図33B)の過剰発現によって観察されたのと同程度である(Gurneyら., 上掲)。NF-κBは炎症誘発性シグナルを媒介すると考えられており、このことはIL-17Eが炎症誘発性活性を有し得ることを示している。この可能性を検討するために、IL-8の生成、IL-17によって誘導される炎症誘発性ケモカインを調べた。図34に示すように、IL-17E(PRO10272)は、TK-10細胞でIL-8の活性を誘導した。
要約すると、IL-17RH1(PRO5801)は、IL-17ファミリーのメンバーと結合する同定されたセカンドレセプターである。IL-17レセプターファミリーは、他のタンパク質とは全く関連がない。しかしながら、二つのレセプターの比較によって細胞外ドメインでの多くのシステインの保存が明らかとなり、このことは、それらが類似の構造を保持していることを示唆している。同じように、細胞内ドメインに保存エレメントがあり、これらレセプターが同じような細胞内機構に関わっていると思われる。このことは、IL-17のように、IL-17EがNF-κBの活性化をシグナル伝達するという観察によって支持されている。細胞内ドメイン内の保存領域は、NF-κBを活性化することが知られている他のレセプターファミリー、IL1/Toll及びTNFレセプターファミリーとの明確な類似性を有しない。
【0320】
IL-17Eは、更にIL-17によって誘導されることが観察されている炎症誘発性分子、IL-8の生成を誘導し、このことは、これら二つの生物活性が類似していることを示唆している。IL-17RH1(PRO5801)の若干より制限されたmRNA発現パターンとは対照的に、IL-17レセプターはかなり広範な発現パターンを有する(図31参照)。これらの分子が広く類似の炎症性誘発応答を媒介するならば、拡大するIL-17サイトカインファミリーの異なるメンバーの機能を理解するための手掛かりである考慮するべき点は、発現パターン及び同族レセプターの制御である。
図25から28は、ここで、各々IL-17RH1(PRO5801;配列番号:12)、IL-17RH2(PRO20040;配列番号:14)、IL-17RH3(PRO9877;配列番号:16)及びIL-17RH4(PRO20026;配列番号:18)と同定された新規IL-17レセプター相同体に関する相対的な組織発現分布を示す。
要約すると、図35は、IL-17ファミリーのサイトカインパターンの重複するレセプター-リガンド特異性を表す。示されているように、IL-17C及びIL-17Dは、IL-17R、IL-17RH1又はIL-17RH2以外の異なるインターロイキン-17レセプターに対する特異性を有すると思われる。更には、図20から28及び図31は、ここで同定された新規IL-17相同体及びIL-17レセプターに関する相対的な組織発現分布を示している。
【0321】
実施例23:内皮細胞におけるc-fosの誘導(アッセイ#34)
このアッセイはPROポリペプチドが内皮細胞においてc-fosを誘導する能力を示すか否を確定するために設計されている。このアッセイにおいてポジティブと評価されたPROポリペプチドは、例えば創傷治癒やそれに類似のものを含む血管新生が有益な症状や疾患の治療上の処置にとって有用であると期待される(これらPROポリペプチドのアゴニストのように)。このアッセイにおいて陽性と評価されたPROポリペプチドのアンタゴニストは、癌性の腫瘍の治療上の処置にとって有用であると期待される。
成長培地(50%のハムのF12w/oGHT:低グルコース、及びグリシンなしの50%DMEM:NaHCO、1%グルタミン、10mMのHEPES、10%のFBS、10ng/mlのbFGF)中のヒト静脈臍静脈内皮細胞(HUVEC, Cell Systems)を1x10細胞/ウェルの細胞密度で96ウェルマクロタイタープレートにプレーティングした。プレーティングの次の日、成長培地を除き、細胞を100μl/ウェルの試験試料と対照(ポジティブ対照=成長培地;ネガティブ対照=プロテイン32バッファー=10mMのHEPES、140mMのNaCl、4%(w/v)マンニトール、pH6.8)で処理することにより、細胞を飢餓させた。細胞を5%CO中で37℃において30分間インキュベートした。試料を取り除いて、DNAキットプロトコール(Chiron Diagnostics, cat.#6005-037)の最初の部分に従った。ここで、下記の各大文字の試薬/バッファーはキットから利用可能であった。
【0322】
簡単には、試験に必要なTM溶菌バッファー及びプローブの量を製造者により提供された情報に基づいて計算した。適当な量の解凍プローブをTM溶菌バッファーに添加した。捕獲ハイブリッド形成バッファー(Capture Hybridization Buffer)を室温まで温めた。bDNAストリップを金属ストリップホルダーにセットアップし、100μlの捕獲ハイブリッド形成バッファーを必要な各b-DNAウェルに添加し、少なくとも30分インキュベートした。細胞内の試験プレートをインキュベータから取り除き、真空マニフォールドを使用して培地を穏やかに除いた。マイクロタイタープレートの各ウェルに100μlのプローブを伴う溶菌ハイブリッド形成バッファーを各b-DNAウェルにピペットで素早く添加した。ついで、プレートを15分間55℃でインキュベートした。インキュベーターからの取り出し、マイクロタイターアダプターヘッドを備えたボルテックスミキサーにプレートを配し、1分の間、#2の設定でボルテックスした。80μlの溶菌液を取り除き、捕獲ハイブリッド形成バッファーを含むbDNAウェルに添加し、ピペットで上下して混合した。プレートを少なくとも16時間の間53℃でインキュベートした。
【0323】
次の日に、bDNAキットプロトコールの第2の部分に従った。すなわち、プレートをインキュベーターから取り除き、ベンチに配置して10分間冷却した。必要な添加の容積は製造者により適用された情報に基づいて計算した。ALハイブリッド形成バッファー中に1:100の希釈のアンプリファイアー濃縮物(Amplifier Concentrate)(20fm/μl)を作成することにより50μlのアンプリファイアー作用液を調製した。ついで、プレートをインキュベーターから取り除いて10分間冷却した。標識プローブ作用液を、ALハイブリッド形成バッファー中に1:100の希釈で標識濃縮物(40pmoles/μl)を作成することにより調製した。10分の冷却期間後、アンプリファイアーハイブリッド形成混合物を除去し、プレートを洗浄剤Aで2回洗浄した。50μlの標識プローブ作用液を各ウェルに添加し、ウェルを53℃で15分間インキュベートした。10分間の冷却後、基質を室温まで温めた。アッセイに必要な各モルの基質に3μlの基質エンハンサーを添加して、プレートを10分間冷却し、標識ハイブリッド形成混合物を取り除き、プレートを洗浄剤Aで2回、洗浄剤Dで3回洗浄した。50μlのエンハンサーを伴う基質溶液を各ウェルに添加した。プレートを37℃で30分間インキュベートし、RLUを適当な照度計で読みとった。
【0324】
複製を平均化し変動係数を決定した。ネガティブ対照(上述のプロテインHEPESバッファー)値に対する増加倍数の活性の測定は化学発光単位(RLU)によって示された。ネガティブ対照値に対して少なくとも2倍の値を示す試料はポジティブと考えた。
次に示すように、PRO1031は「ポジティブ」とアッセイされた。
アッセイ#1
ネガティブコントロール = 1.0RLU
ポジティブコントロール = 10.96RLU
0.056nMのPRO1031 = 2.22RLU
アッセイ#2
ネガティブコントロール = 1.0RLU
ポジティブコントロール = 10.96RLU
0.56nMのPRO1031 = 2.01RLU
【0325】
実施例24:皮膚血管透過性アッセイ(アッセイ64)
このアッセイは、本発明のあるポリペプチドが免疫系を刺激し、哺乳類の注射の部位での単核球、好酸球及びPMN浸潤を誘導することによる炎症を誘導することを示す。免疫応答を刺激する化合物は、免疫応答が有益である場合には治療的に有用である。この皮膚血管透過性アッセイは,以下のようにおこなわれる。350g又はそれ以上の無毛モルモットにケタミン(70−80mg/kg)と5mg/kgのキシラジンを筋肉内投与して麻酔をかける(IM)。本発明の精製ポリペプチド又は条件付試験試料を、注射部位当たり100μlで試験動物の背の皮膚に皮内注射する。動物当たりおよそ10−30、好ましくは16−24の注射部位を有することが可能である。ついで1μlのエバンスブルー染料(1%の緩衝化された生理的食塩水)を心臓内注射する。そして、注射部位の斑点を注射後1及び6時間後に測定する(mm直径)。動物は、注射から6時間後に犠牲となった。各々の皮膚注射部位は、生検されてホルマリンで固定される。そして、この皮膚は、組織病理学的評価のために調整される。各々の部位は、皮膚への炎症細胞湿潤のために評価される。可視的な炎症細胞湿潤の部位は、陽性とスコアされる。炎症細胞は、好中球、好酸球、単核球又はリンパ性である可能性がある。
少なくとも、注射部位の最小血管周囲湿潤物は陽性とスコアされ、注射の部位の湿潤物でないものは、陰性とスコアされる。このアッセイでは、PRO1031は、24時間の時間間隔でポジティブであった。
【0326】
実施例25:混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおける刺激性活性(アッセイ24)
この実施例は、本発明の所定のペプチドが、刺激されたT-リンパ球の増殖の刺激剤として活性であることを示す。リンパ球の増殖を刺激する化合物は、免疫応答の増強が有益な場合、治療的に有用である。治療剤は、本発明のポリペプチドのアンタゴニストの形をとり、例えば、ポリペプチドに対するマウス−ヒトキメラ、ヒト化又はヒト抗体である。このアッセイの基本的プロトコールは、Current Protocols in Immunology, unit3.12;J E Coligan, A M Kruisbeek, D H Marglies, E M Shevach, W Strober編, 国立衛生研究所, John Wiley & Sons, Incに記載されている。
【0327】
さらに具体的には、このアッセイの一変形例では、抹消血単核細胞(PBMC)を個々の哺乳類、例えばヒトのボランティアからロイコフェレーシスにより単離する(一人のドナーには刺激物PBMCを供給し、他のドナーにはレスポンダーPBMCを供給する)。所望するならば、単離後に、細胞をウシ胎児血清及びDMSO中で凍結する。凍結細胞をアッセイ用培地(37℃、5%CO)で一晩解凍し、ついで洗浄し、アッセイ用培地(RPMI;10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HEPES、1%非必須アミノ酸、1%ピルビン酸塩)で3x10細胞/mlに再懸濁する。刺激物PBMCは、細胞を照射する(約300ラド)ことによって調製される。このアッセイは混合物:100:1の1%又は0.1%に希釈された試験試料、50:1の照射を受けた刺激物細胞、及び50:1のレスポンダーPBMC細胞を三重ウェルに蒔くことによって調製される。100マイクロタイターの細胞培養培地或いは100マイクロタイターのCD4-IgGをコントロールとして使用する。ついで、ウェルを37℃、5%COで4日間インキュベートする。5日目には、各ウェルへトリチウム化チミジン(1.0 mCi/ウェル;Amersham)を適用する。6時間後に細胞を3回洗浄し、次いで標識の取込を評価する。
【0328】
このアッセイの他の変形例では、PBMCをBalb/cマウス及びC57B6マウスの脾臓から単離する。細胞を、アッセイ用培地(RPMI;10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HEPES、1%非必須アミノ酸、1%ピルバート)において、新たに収集した脾臓から取り出して細かく切断し、そしてPMBCをリンパライトM(Lympholyte M)(Organon Teknika)上にこれらの細胞をオーバーレイし、2000rpmで20分間遠心分離し、回収し、アッセイ用培地で単核細胞層を洗浄し、アッセイ用培地で1x10細胞/mlになるように細胞を再懸濁させることによって単離する。次いで、このアッセイは上記のように行われる。コントロールに対する増加がポジティブであると考えられ、好ましくは180%以上又は180%と同等の増加が好ましい。しかしながら、コントロールより大きい全ての値は、試験用タンパク質に関して刺激効果を示す。本発明の化合物に関するこのアッセイの結果を、次に示す:
PRO PRO濃度 コントロールを超えるパーセント増加
PRO10272 0.84nM 201.5
【0329】
実施例26:抗CD3及びPROタンパク質による末梢血単核細胞(PBMC)又はCD4+の刺激(アッセイ#99)
このアッセイは、一つ以上のPROポリペプチドがPBMC又はCD4+の刺激のエンハンサーとして活性があることを示している。CD4+は、LSM分離後にMACビーズを用いるネガティブ選択によって濃縮される。抗-CD28にとって代わるPROポリペプチドの能力を、刺激効果を測定するために検討した。
抗-CD3及び抗-CD28がPBMCを刺激することが知られている。このアッセイで用いられているPBMCを単離するための基本的プロトコールは、Current Protocols in Immunology, unit3.12;J E Coligan, A M Kruisbeek, D H Marglies, E M Shevach, W Strober編, 国立衛生研究所, John Wiley & Sons, Incに記載されている。
【0330】
さらに具体的には、このアッセイの一変形例では、抹消血単核細胞(PBMC)を個々の哺乳類、例えばヒトのボランティアからロイコフェレーシスにより単離する。所望するならば、この細胞をCD4+関して富ませ、次いで細胞をウシ胎児血清及びDMSO中で凍結する。凍結細胞をアッセイ用培地(37℃、5%CO)で一晩解凍し、ついで洗浄し、アッセイ用培地(RPMI;10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HEPES、1%非必須アミノ酸、1%ピルビン酸塩)で0.5x10細胞/mlに再懸濁する。
このアッセイは、抗-CD3及びPROタンパク質の一晩コーティングの後に、200μlの細胞の混合物を三重ウェルへプレートすることによって調製される。
50μlの抗-CD3(50ng/ml、Amac0178)及び50μlのPROタンパク質を、4℃で一晩、96ウェルプレートにコーティングする。PROタンパク質に代わって、50μl Hu-IgGをコントロールとして用いる。次いで、このウェルを約3日間、37℃、5%COでインキュベートする。4日目には、各ウェルをトリチウム化チミジン(1.0mC/ウェル;Amersham)でパルスする。6時間後、細胞を収集し、次いでラベルの取り込みを評価する。
【0331】
コントロールの200%を超える刺激効果(すなわち、[H]-チミジン取り込み)を示す結果を、ポジティブな刺激結果であると考える。
このアッセイの他の変形例では、PBMC又はCD4+をBalb/cマウスの脾臓から単離する。細胞を、アッセイ用培地(RPMI;10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%グルタミン、1%HEPES、1%非必須アミノ酸、1%ピルバート)において、この新たに収集した脾臓から取り出して細かく切断し、そしてPMBCをリンパライトM(Lympholyte M)(Organon Teknika)上にこれらの細胞をオーバーレイし、2000rpmで20分間遠心分離し、回収してアッセイ用培地で単核細胞層を洗浄することで単離した。CD4+細胞を、ビーズを用いたネガティブ選択によって濃縮し、培地で洗浄し、そしてアッセイ用培地で1x10細胞/mlとなるようにこの細胞を再懸濁する。本アッセイは、上文に示すようにおこなわれる。結果を次に示す:
PRO濃度 刺激(+)/阻害(−)
PRO1031 5.6nM ベースライン刺激インデックスを
(+)285%超える
PRO1031 o.56nM ベースライン刺激インデックスを
(+)147%超える
【0332】
実施例27:IL-17B及びIL-17C Fc/His融合タンパク質の生成
IL17B及びIL17Cのコード化配列をPCRで増幅し、これらをpBPH.His.cのEcoRI及びSmaI部位へサブクローンしてC-末端GHHHHHHHHタッグを作成するか、或いはpBPH.IgGのEcoRI及びStu部位へサブクローンしてヒトIgG1のFc領域を有するC-末端融合を作成した。ベクターpBPH.His.c及びpBPH.IgGは、バキュロウイルス発現ベクターpVL1393の誘導体である(Pharmingen)。コントロールFc又はHis-タッグタンパク質を同じような方法で構築し、膵炎関連タンパク質(175アミノ酸)がヒトIgG1又はhis-8-タッグのFc部分へC末端で結合するようにした。
この融合タンパク質を、製造者が奨める方法(Invitrogen)を用いてHigh5細胞で発現させた。要約すると、7:1の割合でDNA作成物とBaculoGoldバキュロウイルスDNA(Pharmingen)を粘着Sf9細胞へ同時トランスフェクションした。細胞を4日間に渡って28℃でインキュベートし、その上清を回収した。このトランスフェクション上清を増幅させ、Fc融合タンパク質のためのプロテインA-セファロースビーズ(Pharmacia)又はHis-タッグタンパク質のためのNi-NTAアガロースビーズ(QIAGEN)のいずれかによるアフィニティー精製にかけた。
タンパク質の発現を検討するために、銀染色の前に、非還元及び還元条件下で、アフィニティー精製した組み換えタンパク質についてSDS-PAGE分析をおこなった。
【0333】
実施例28:IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)によるIL-6及びTNF-α放出の誘導
IL-6放出に関してYaoら., Immunol., 155: 5483(1995)に要約されている方法を用いて、ヒト包皮繊維芽細胞(ATCC CRL-2091)を試験サイトカインとともにMEM培地(10%FBS)で培養した。37℃及び5%COでの18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R& D System)を用いてIL-6に関して培養上清をアッセイした。TNF-α分泌のために、ヒト単球性白血病THP-1細胞を試験サイトカインとともにRPMI培地(10% FBS)で培養した。37℃及び5%COでの18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R& D System)を用いてTNF-αに関して培養上清を定量した。
ヒト包皮繊維芽細胞(ATCC )を、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)を含むMEM培地(10%FBS)中で単独で培養した。37℃及び5%COでの18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R&D System)を用いてIL-6に関して培養上清をアッセイした。IL-17によって誘導される高レベルのIL-6とは対照的に、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)の両方が繊維芽細胞からのIL-6分泌を刺激することは無かった(図36Aに示す)。
【0334】
Yaoら., Immunol., 155: 5483(1995)に要約されている方法を利用し、RPMI培地(10%FBS)で培養することによって、ヒト単球性白血病、THP-1細胞をIL-17、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1031)によるTNF-αの放出の刺激をアッセイするために用いた。37℃及び5%COでの18時間に渡るインキュベーションの後、ELISAキット(R&D System)を用いてTNF-αに関して培養上清を定量した。IL-17がTHP-1細胞において唯一低レベルのTNF-αを誘導する一方で、IL-17B及びIL-17C(Fc融合タンパク質として)の両方がTHP-1細胞においてTNF-αの生成を刺激した(図36Bに示す)。コントロールFc融合タンパク質が効果を有しなかった。
IL-17B及びIL-17CによるTNF-α放出の刺激を更に特徴付けるために、THP-1細胞において、タイムコース及び濃度依存性の応答をアッセイした。図37は、IL-17B及びIL-17CTNF-αの放出を時間及び濃度依存的に刺激することを示している。IL-17Cに関するEC50が25nMである一方で、IL-17B刺激に関するEC50は2.4nMである。
これら実験で用いられたIL-17B及びIL-17C調製物が検出不可能なレベルのエントドキシンを含有する一方で(1 EU/mlより低い)、THP-1細胞からのTNF-αが事実であり人為的な現象では無いことを確かめるために追加のコントロール実験がおこなわれた。IL-17B及びIL-17C活性は、ポリミキシンB処理によって影響されず、熱処理によって破壊され、このことは、どの混入しているエントドキシンでもなく、タンパク質そのものが活性を担っているという考えを支持している。
【0335】
実施例29:IL-17、IL-17B及びIL-17融合タンパク質による、THP-1への結合の蛍光活性化細胞ソーター(FACS)分析
非特異的結合を阻止するために、THP-1細胞(5x10)を5%ウマ血清を含有するPBSで4℃で30分間に渡ってプレインキュベートした。IL-17、IL-17B.Fc、又はコントロールFc(各1mg)を添加し、THP-1細胞とともに0.25mlの容量で1時間に渡って氷上でインキュベートした。IL-17結合実験のために、事前のしっかりとした洗浄の後、一次抗hIL-17抗体(1:100希釈)及びFITCへ共役させた二次ヤギ抗-マウス抗体(Jackson Immunology Lab, 1:100希釈)を30−60分のインキュベーションによって経時的に添加した。Fc融合タンパク質のために、細胞をヤギ抗-ヒトIgGで共役したFITC(Fc特異的、Jackson Immunology Lab, 1:100希釈)によって染色した。十分な洗浄の後、最小限の5,000細胞をFACScan(Becton Dickinson)を用いて分析した。
上記の方法の結果は、コントロールFc融合タンパク質と比較して、IL-17B及びIL-17C Fc融合タンパク質の両方が、THP-1への結合を示すということであった(図38に示す)。
【0336】
実施例30:IL-17及びIL-17Cに関する関節軟骨外植片アッセイ
A.導入:
上述したように、IL-17は前炎症反応の開始又は持続における役割を担っていると思われる。IL-17はCD4+Th細胞により発現するサイトカインであり、滑膜細胞(synoviocytes)及びマクロファージを含む数種の細胞における前炎症及び血液生成サイトカインの分泌を誘発する(例えば、IL-β、TNF-α、IL-6、IL-8、GM-CSF。Aarvakら, J. Immunol 162:1246-1251(1999);Fossiezら, J. Exp. Med. 183:2593-2603(1996);Jovanovicら, J. Immunol.160:3513-3521(1998))。IL-17の存在下で、繊維芽細胞はCD34+血液生成原種の増殖を支持し、好中球における優先的成熟を誘発する。結果として、IL-17はT細胞依存性炎症反応の初期の開始剤を構成し、血液生成に免疫系を架橋させたサイトカイン網状組織の一部となる。
【0337】
IL-17の発現は、慢性関節リュウマチ又は骨関節症患者の滑膜で、正常な結合組織ではないものにおいて見出される。IL-17は単球誘導、前炎症サイトカインIL-β又はTNF-αを相乗効果を起こし、IL-6及びGB-CSFを誘発する。滑膜細胞に直接作用することにより、IL-17はインビボで炎症誘発性サイトカインの分泌性を高め、よって関節の炎症及び破壊が悪化する。
IL-17の可能性のある役割をさらに理解するために、本出願人は軟骨マトリックス代謝におけるIL-17の影響をテストした。軟骨における一酸化窒素(NO)の公知の異化作用、及び関節におめる高レベルのNOに鑑みて、さらにNO生成を測定した。
【0338】
B.方法:
関節軟骨外植:4〜6ヶ月の雌豚の中手指関節を無菌状態で切開し、下骨を避けて、関節軟骨を注意深く、フリーハンドでスライスして取り出した。軟骨を細かく切断し、0.1%のBSA及び抗生物質を有する無血清(SF)培地で、95%の空気と5%のCOの湿った雰囲気下で、少なくとも24時間培養した。3回洗浄した後、約80mgの関節軟骨をマイクロニクスチューブ中で等分し、上述したSF培地で少なくとも24時間インキュベートした。ついで、テストタンパク質を単独で、又はIL-1α(10ng/ml)(配列番号:25)と組合せて添加した。培地を集め、種々の時間点(0、24、48、72時間)で交換し、Farndale及びButtle, Biochem. Biophys. Acta 883:173-177(1985)に記載された1,9-ジメチル-メチレンブルー(DMB)比色分析を使用し、プロテオグリカン含有量をアッセイした。35S-硫黄でラベルした後(一晩)、チューブを計量して、組織の量を測定した。続いて一晩消化させ、組織中に残存するプロテオグリカン、並びにプロテオグリカン合成(35S-取り込み)の量を測定する。
【0339】
NO生成の測定:アッセイは2,3-ジアミノナフタレン(DAN)が酸性条件下で亜硝酸塩と反応し、蛍光物質である1-(H)-ナフトトリアゾールを形成するという原則に基づいている。NOが亜硝酸塩(NO2-1)及び硝酸塩(NO3-1)に素早く代謝されたとき、亜硝酸塩の検出は、(たとえ、実際よりも少なく計測しても)実際に生成したNOの一つの検出手段である。10μLのDAN(0.62MのHCl中に0.05mg.mL)を100μLのサンプルに添加して混合し、室温で10〜20分間インキュベートした。反応は2.8NのNaOH 5mLで停止させる。2,3-ジアミノナフトトリアゾールの形成を、360nmで励起して、450nmで放射読み取りをするサイトフロー蛍光プレートリーダーを使用して測定した。蛍光密度の光学測定のために、透明な底部を有する黒板を使用した。
【0340】
結果及び議論:
IL-17がプロテオグリカンの放出を増加させ、合成を低減することが見出された(図39に示す)。さらにこの効果はIL-1αで見られる効果にも付加的である。IL-17の効果は一酸化窒素の生成によって媒介されないし、一酸化窒素放出の阻害によってマトリックス破壊を増大させることもない(図40〜42)。IL-17C(PRO1122)はマトリックス破壊を増加させ、マトリックス合成を阻害する。よって、PRO1122の発現は変成軟骨疾患に関連してると思われる。
結論として、IL-17は関節における関節軟骨の損失に寄与し、よって活性阻害により、炎症及び軟骨破壊が制限されるように思われる。IL-1α及びIL-17は、異なったレセプターの利用と下流のオーバーラップしているシグナル伝達機構のために、類似しているが区別できる活性を有する。
関節軟骨外植に対するIL-17の強力な分解効果、並びにIL-17に対するIL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)の相同性が見出されたと仮定すると、任意の又は全てのこれらタンパク質のアンタゴニストは、炎症状態及び軟骨欠損、例えば関節炎の治療に有用であり得る。
最後に、成長因子は二相効果を有し、病気になった組織がインビトロにおいて付与された因子に対して正常な組織とは異なる反応を起こすことができることは良く知られている。このため、IL-17B(PRO1031)、IL-17C(PRO1122)又はIL-17のアンタゴニスト又はアゴニスト(例えばタンパク質それ自体)は、炎症状態及び軟骨欠損、例えば関節炎の治療に有用である。
【0341】
実施例31:炎症性腸疾患(IBD):IBDのマウスモデルにおけるIL-17ファミリーの発現
サイトカインレセプターCRF2-4/IL-10Rbを欠くマウスでは、ヒトの炎症性腸疾患(IBD)の症状に類似する突発性及び進行性大腸炎を発症する。この表現型は、以前にも報告されている(Spencer., J. Exp. Med., 187: 571-578(1998))。このIBDのモデルでのIL-17ファミリーメンバーの発現の役割を検討するために、正常(野生型「WT」)マウス及びCRF2-4欠損マウスから結腸を収集した。CRF2-4欠損マウスからの結腸を、軽度のIBDを示す標本、並びにより進行した重度のIBDを示す標本に下位範疇化した。RNAを結腸試料から単離し、IL-17ファミリーメンバーの相対発現を定量PCR(Taqman(商品名))によって測定した。図44は、GAPDHに相対的なデルタCTで表したIL-17、IL-17E(DNA147531−2821)、IL-17B(DNA59294−1381−1)、及びIL-17D(DNA173894−2947)の相対発現を示す。IL-17Eの発現は、正常(野生型「WT」)マウスでの発現レベルと比較して、より進行した重度IBDにおいて際だって減少した。対照的に、軽度から重度のIBDでは、IL-17の増大した発現値が観察された。従って、IL-17Eは、この炎症症状のマーカーとしての機能を果たし得る。
【0342】
実施例32:発作のモデルマウスにおけるIL-17D発現
発作のマウス実験モデルで、IL-17D(DNA173894−2947)発現を調べた。C57B1/6雄マウスの右総頸動脈(RCCA)を正中切開によって単離した。緩いヒモを血管の周りに配した。頭蓋に鼻腔裂と高さで頭蓋円窓を形成することによって中大脳動脈(MCA)を視覚化した。定刻には、各々11−0縫合及び6−0縫合で45分の虚血期間に渡ってMCA及びRCCAを塞いだ。この虚血性発作に続いて、RCCA及びMCA縫合をほどいてMCA領域の再灌流を可能にした。IL-17Dの相対発現を、再灌流に続く五つの時点(3,6,24及び72時間)で虚血性皮質から単離したRNAを利用した定量PCR(Taqman(商品名))によって測定し、コントロール非虚血性組織から単離したRNAにおいて観察されたIL-17Dの発現と比較した。図45は、この研究の結果を示す。示されているように、五つの例示された時点で調べると、IL-17D発現は、発作後には急速に減少する。
【0343】
実施例33:癌牲腫瘍でのPROポリペプチドの過剰発現を検出するためのマイクロアレイ分析
幾千もの遺伝子配列を殆ど場合において含む核酸マイクロアレイは、組織の正常な対応物と比較して、疾患組織において差次的に発現している遺伝子を同定するために有用である。核酸マイクロアッセイを用いると、試験及びコントロール組織試料からの試験及びコントロールmRNA試料が逆転写され、cDNAプローブを生成するために標識される。次いで、このcDNAプローブは、固体支持体上に固定化さた多くの核酸とハイブリダイズされる。このアレイは、アレイの各メンバーの配列と位置がわかるように構成されている。例えば、ある疾患段階で発現することが知られている遺伝子から選ばれたものを固体支持体上に整列してもよい。標識プローブとある特定のアレイのメンバーとのハイブリダイゼーションは、プローブが誘導された試料がその遺伝子を発現していることを示す。試験(疾患組織)からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルが、コントロール(正常組織)試料からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルより大きい場合は、疾患組織において過剰発現している遺伝子又は複数遺伝子が同定される。この結果の意味は、疾患組織で過剰発現しているタンパク質は、疾患症状の存在のための診断的マーカーとしてだけではなく、疾患症状の治療のための治療上の標的としても有用であるということである。
核酸のハイブリダイゼーション及びマイクロアレイ技術の方法論は、当業者には良く知られている。本実施例では、ハイブリダイゼーション及びプローブ、スライドのための核酸の特別な調製、並びにハイブリダイゼーションの条件は、2000年3月31日に出願された米国仮出願一連番号 60/193,767にすべて詳述されており、ここにおいて文献として取り入れられている。
【0344】
本実施例では、癌牲腫瘍で過剰発現しているPROポリペプチドを同定するための試みとして、非癌牲ヒト組織に関連するPROポリペプチドコード化遺伝子発現のために、種々のヒト組織から誘導された癌牲腫瘍が研究された。2セットの実験データーが作成された。1つのセットでは、同じ患者からの癌牲ヒト結腸腫瘍組織、及び適合した非癌牲ヒト結腸腫瘍組織(「適合した直腸コントロール」)を得て、そして上記で記載したマイクロアレイ技術を用いてPROポリペプチド発現について分析した。二番目のセットのデーターでは、任意の種々の異なるヒト腫瘍を得て、肝臓、腎臓、及び肺を含む上皮由来の非癌牲ヒト組織をプールすることによって調製される「普遍的」上皮コントロール試料と比較した。プールされた組織から単離されたmRNAは、これら異なる組織での発現遺伝子産物の混合物を示す。プールされたコントロール試料を用いたマイクロアレイハイブリダイゼーション実験は、二色分析において直線的なプロットを生じた。次いで、二色分析において生じたこの線の傾斜を、各実験の(試験:コントロール検出)の比率を標準化するために用いた。次いで、種々の実験の標準化された比率を比較し、そして遺伝子発現の集積牲を同定するために用いた。従って、プール化された「普遍的なコントロール」試料は、単純な二つの試料の比較における有効で相対的遺伝子発現の判定を可能にするだけではなく、幾つかの実験に渡る複数の試料の比較をも可能にする。
【0345】
本実験では、ここに記載のPROポリペプチドコード化核酸配列から誘導された核酸プローブをマイクロアレイの作製に用い、上記に列挙した腫瘍組織のRNAをさらにハイブリダイゼーションに用いた。標準化比:実験比に基づく値は、「カットオフ」と命名された。このカットオフを上回る値のみを重要であると判定した。下記の表7は、これらの実験の結果を示しており、本発明の種々のPROポリペプチドが非癌牲ヒト組織コントロールと比べて種々のヒト腫瘍組織において著しく過剰発現していることを示している。上記にて記載のように、これらのデーターは、本発明のPROポリペプチドが一つ以上の癌牲腫瘍の存在を示す診断マーカーとしてだけではなく、これら腫瘍の治療のための治療上の標的としての機能も果たすことを示している。
【0346】

【0347】
次の材料をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション,10801 ユニバーシティー ブルバード, マナサス, バージニア, 20110−2209 アメリカ合衆国(ATCC)に寄託した:

【0348】
これらの寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存培養物が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、何れが最初に来ようとも、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
【0349】
本出願の譲受人は、寄託した材料の培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のものと速やかに取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。
【0350】
上記の文書による明細書は、当業者に本発明を実施できるようにするために十分であると考えられる。寄託した態様は、本発明のある側面の一つの説明として意図されており、機能的に等価なあらゆる作成物がこの発明の範囲内にあるため、寄託された作成物により、本発明の範囲が限定されるものではない。ここでの材料の寄託は、ここに含まれる文書による説明が、そのベストモードを含む、本発明の任意の側面の実施を可能にするために不十分であることを認めるものではないし、それが表す特定の例証に対して請求の範囲を制限するものと解釈されるものでもない。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に変形することは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の範囲内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【0351】
【図1】配列番号:1がここにおいて「DNA59294−1381−1」と命名されたクローンである、天然配列PRO1031cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1)。
【図2】図1に示された配列番号:1のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:2)。
【図3】配列番号:3がここにおいて「DNA62377−1381−1」と命名されたクローンである、天然配列PRO1122cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:3)。
【図4】図3に示された配列番号:3のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:4)。
【図5】配列番号:5がここにおいて「DNA147531−2821」と命名されたクローンである、天然配列PRO10272cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:5)。
【図6】図5に示された配列番号:5のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:6)。
【図7】配列番号:7がここにおいて「DNA173894−2947」と命名されたクローンである、天然配列PRO21175cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:7)。
【図8】図7に示された配列番号:7のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:8)。
【図9】配列番号:9がここにおいて「DNA166819」と命名されたクローンである、天然配列PRO20110cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:9)。
【図10】図9に示された配列番号:9のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:10)。
【図11】配列番号:11がここにおいて「DNA115291−2681」と命名されたクローンである、天然配列PRO5801cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:11)。
【図12】図11に示された配列番号:11のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:12)。
【図13】配列番号:13がここにおいて「DNA164625−2890」と命名されたクローンである、天然配列PRO20040cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:13)。
【図14】図13に示された配列番号:13のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:14)。
【図15】配列番号:15がここにおいて「DNA119502−2789」と命名されたクローンである、天然配列PRO9877cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:15)。
【図16】図15に示された配列番号:15のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:16)。
【図17】配列番号:17がここにおいて「DNA154095−2998」と命名されたクローンである、天然配列PRO20026cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:17)。
【図18】図17に示された配列番号:17のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:18)。
【図19】ヒトIL-17ファミリーメンバーのアライメントを示す:h-IL-17[配列番号:40];h-IL-17B[PRO1031;配列番号:2];h-IL-17C[PRO1122;配列番号:4];h-IL-17D[PRO21175;配列番号:8];h-ILE[PRO10272;配列番号:6];及びh-IL-17F[PRO20110;配列番号:10]。
【図20】IL-17Bリガンド(PRO1031)の相対組織発現分布。
【図21】IL-17Cリガンド(PRO1122)の相対組織発現分布。
【図22】IL-17Dリガンド(PRO21175)の相対組織発現分布。
【図23】RT-PCR分析によるIL-17E(PRO10272)のmRNA発現。指示された組織からのRNAを、IL-17Eのコード化配列の全体が増幅するように設計されたプライマーとともにRT-PCRにかけた。PCR産物をアガロースゲル電気泳動で分離し、ナイロン膜へ移し、そして32P-ラベル化IL-17EcDNAプローブでプローブした。
【図24】IL-17Fリガンド(PRO20110)の相対組織発現分布。
【図25】IL-17RH1リガンド(PRO5801)の相対組織発現分布。
【図26】IL-17RH2リガンド(PRO20040)の相対組織発現分布。
【図27】IL-17RH3リガンド(PRO9877)の相対組織発現分布。
【図28】IL-17RH4リガンド(PRO20026)の相対組織発現分布。
【図29】IL-17、IL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)によるIL-17R細胞外ドメイン(ECD)の免疫沈降。His-タッグIL-17R ECDを293細胞で発現させ、実施例21に記載のように35Sで代謝的に標識した。上清を回収し、Ni-NTAをその上清中のHis-タッグIL-17R ECDをアフィニティー沈殿させるために用いた(レーン1)。パートAでは、IL-17、IL-17B.Fc及びIL-17C.Fc、又はFc融合タンパク質を上清とインキュベートし、プロテイン-A-アガロースビーズを添加してFc融合タンパク質を沈殿させた。IL-17免疫沈降反応のために、抗-IL-17抗体をインキュベートした。パートBは、競合性結合実験を示し、IL-17によるIL-17R ECDの免疫沈降を、5倍過剰のIL-17B.His及びHis-タッグタンパク質の存在下でおこなった。パートA及びBの双方の沈殿物を、NuPAGE(4−12% Bis-Tris)での電気泳動によって分析した。分子量マーカーは、各パネルの左側に示されている。
【図30】ヒトIL-17ファミリーメンバー(h-IL-17;h-IL-17B;;h-IL-17C;及び;h-ILE)のアライメント。予想されるシグナル配列には下線が引かれている。保存システインをドットで示し、そして潜在的なN-結合グリコシル化部位を囲みで示した。
【図31】IL-17RH1レセプター(PRO5801)のmRNA発現レベル。図31Aは、選択した組織でのIL-17RH1レセプターのノーザンブロット分析。図31Bは、選択された組織でのIL-17RH1 mRNA発現の定量PCR分析。
【図32】IL-17RH1レセプター(PRO5801)へのIL-17E(PRO10272)リガンド結合。図32Aは、IL-17Rレセプター(ここでPRO1と命名)及びIL-17RH1レセプター(PRO5801)へのIL-17及びIL-17E(PRO10272)リガンド結合の比較。293細胞を、示されている通りに、緑色蛍光タンパク質(GCP)及びIL-17R又はIL-17RH1レセプターのための発現ベクターで過度的に同時トランスフェクションした。細胞を、指示されたにIL-17-Fc又はIL-17E-Fcタンパク質とともにインキュベートし、結合をPEコンジュゲート抗-ヒトFc抗体で明らかにした。FACS曲線は、同時トランスフェクションされたGFPポジティブ細胞集団内のPE染色を示す。図32Bでは、His-エピトープタッグIL-17RH1レセプター細胞外ドメインを、次に記載のヒトIL-17ファミリーのメンバーのリガンド-Fc融合タンパク質とともにインキュベートした:レーン1、IL-17RH1-His直接負荷;レーン2、IL-17;レーン3、IL-17B(PRO1031);レーン4、IL-17C(PRO1122);及びレーン5、IL-17E(PRO10272)。リガンドイムノアドヘシンをプロテインA粒子で免疫沈降し、結合IL-17RH1レセプターをHis-エピトープタッグに対する抗体でウエスタンブロットによって分析した。分子量マーカー(kDa)の位置は、左側に示されている。
【図33】IL-17E(PRO10272)によるNF-κBの誘導。図33(パートA)は、示されている通りに、NF-κB応答性ルシェフェラーゼレポーターpGL3.ELAM.tk及びIL-17Eの発現ベクターで、ヒト293及びTK-10細胞を過度的にトランスフェクションした結果である。ルシェフェラーゼ活性を、実施例22に示されている通りに測定した。図33(パートB)は、IL-17EによるNF-κB誘導の滴定を示す。ヒト293細胞を、示されている通りに、NF-κB応答ルシェフェラーゼレポーターpGL3.ELAM.tk及び示されたIL-17Eの発現ベクターでトランスフェクションした。
【図34】IL-8生産に対するIL-17E(PRO10272)の効果。ヒトTK-10腎臓由来細胞株をElisaによってインキュベートした。示されているのは、測定されたIL-8のレベルからサイトカイン添加無しで見出されたIL-8生産のレベルを差し引いたもの。この実験は、数回繰り返されて、類似の結果であった。
【図35】サイトカインのIL-17ファミリー、並びに重複するレセプター-リガンド特異性の複合パターンを示す。左から右へは、図35は、IL-17リガンドのIL-17レセプター(IL-17R;ここでは、PRO1と命名)との結合;IL-17Bリガンド(PRO1031)のIL-17RH1レセプター(PRO5801)との結合;IL-17Eリガンド(PRO10272)のIL-17RH1レセプター(PRO5801)との結合;IL-17Fリガンド(PRO20110)のIL-17レセプター(IL-17R、ここで、PRO1と命名)並びにIL-17RH2レセプター(PRO20040)の双方との結合;IL-17Cリガンド(PRO1122)及びIL-17Dリガンド(PRO21175)は、IL-17R、IL-17RH1又はIL-17RH2レセプターとは相互作用しない。
【図36】IL-17、IL-17B(PRO1031)、及びIL-17C(PRO1122)の生物活性を示す棒グラフ。図36(パートA)は、18時間に渡って、100ng/mlのコントロールFc融合タンパク質、IL-17、IL-17B.Fc又はIL-17C.Fcで培養したヒト包皮繊維芽(HFF)細胞を示し、実施例28に記載のように、IL-6について条件培地を分析した。図36(パートB)は、同じ条件下で上記と同じサイトカイン(100ng/ml)で処理され、TNF-α放出のレベルについて上清をアッセイした、ヒト白血病細胞株、THP-1を示す。結果は、一つの体表的な実験の三組定量の平均+/−SEで表している。
【図37】THP-1細胞からのIL-17B(PRO1031)及びIL-17C(PRO1122)活性化によるTNF-α放出の相関関係を示すタイムコース。図37(パートA)では、THP-1細胞を、100ng/ml(2.2nM)のIL-17B.Fc又はIL-17C.Fcで 0.5から32時間に渡ってインキュベートし、その培養上清を収集し、そして実施例28に記載のようにそのTNF-α濃度を定量化した。図37(パートB)では、THP-1細胞を、18時間に渡って濃度範囲が0から120nMのIL-17B.Fc及びIL-17C.Fcで処理した。
【図38】実施例29に記載されているような、THP-1細胞へのIL-17B.Fc及びIL-17C.Fcの結合のFACS分析。PBS(5%ウマ血清)において、THP-1細胞を、IL-17B.Fc(図38パートA)又はIL-17C.Fc(図38パートB)又はコントロールFc融合タンパク質でインキュベートし、FITCコンジュゲート抗-Fc二次抗体の添加を引き続きおこなった。
【図39】関節軟骨に対するIL-17の効果。軟骨組織外植片を、指示された濃度のIL-17のみ(中実の)、或いは指示された濃度のIL-α(斜線)の存在下、又はIL-1ra(IL-1レセプターアンタゴニスト、R&Dシステム、1μg/ml、72時間)で培養した。培地(上のパネル)へのプロテオグリカン(PG)の放出は、マトリックスの破壊を示す。マトリックス合成は、組織への35S-硫酸塩の取り込みによって測定される(下のパネル)。
【図40】一酸化窒素の放出に対するIL-17の効果。外植片をIL-17(10ng/ml)のみ(左のカラム)、或いはIL-1α(10ng/ml)(右のカラム)の存在下で処理した。48時間後に、亜硝酸の濃度について、培地をアッセイした。
【図41】IL-17に対する一酸化窒素(NO)の効果がマトリックス代謝に変化を誘導したことを示す。外植片を、IL-17(5ng/ml)のみ(+)、或いは一酸化窒素合成酵素の不可逆阻害剤、NOS(L-NIO、Cayman Chemical. 0.5mM)で処理する。72時間に渡る処理の後、亜硝酸塩(図41パートA)及びプロテオグリカン(Pgs)について培地をアッセイする(図41パートB)。図41パートCは、組織への35S-硫酸塩の取り込みによって測定されたプロテオグリカン合成。
【図42】IL-17に対する一酸化窒素(NO)の阻害の効果が、プロテオグリカン(PG)代謝に変化を誘導したことを示す。関節軟骨外植片を、IL-1α(5ng/ml)のみ(+)、或いはNOSの阻害剤、NOS(L-NIO又はL-NIL)(NIL、可逆NOS阻害剤、Cayman Chemical)、又はIL-1ra(IL-1レセプターアンタゴニスト、R&D Systems、1μg/ml)で処理した。72時間に渡る処理の後、亜硝酸塩濃度及びプロテオグリカンの量について培地をアッセイした。マトリックス合成は、組織への35S-硫酸塩の取り込みによって測定された。
【図43】関節軟骨に対するIL-17C(PRO1122)の効果を示す。外植片を、IL-1α(+)(10ng/ml)の存在(最も左の三つのカラム)、或いは非存在下(最も右の三つのカラム)で、1%又は0.1%のIL-17Cで処理した。コントロールより多い量で、プロテオグリカン(PG)放出及び合成が示されている。
【図44】GAPDHに対するデルタCt値によって示された、炎症性腸疾患[IBD]のマウスモデルにおけるヒトIL-17ファミリーの相対発現。マウスモデルでの炎症性腸疾患の軽度及び重度の段階の間で、IL-17の増大した発現が認められた。対照的に、IBDの重度が段階の間は、IL-17E(PRO10272)は、顕著な発現の減少を示したが、一方では、IL-17B(PRO1031)は、重度のIBDでは、中程度の発現の減少を示した。
【図45】脳卒中のマウスモデルでの最初の72時間に渡る、IL-17D(PRO21175)の相対発現を測定するタイムコース研究。72時間の終点において時間発作が誘導されると、脳におけるIL-17D発現は劇的に減少する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。
【請求項2】
以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド:
(a)1位〜20位に位置するシグナルペプチドを欠く配列番号:14のアミノ酸配列を有するポリペプチド;及び
(b)(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。
【請求項3】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項4】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリヌクレオチド:
(a)配列番号:13に示すポリ塩基配列の全長コード化配列を有するポリヌクレオチド;及び
(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項5】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリヌクレオチド:
(a)ATCC登録番号PTA−1535で寄託したDNAの全長コード化配列を有するポリヌクレオチド;及び
(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。
【請求項7】
ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列と作用可能に連結している請求項6のベクター。
【請求項8】
請求項6のベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項9】
前記細胞がCHO細胞、大腸菌細胞、酵母細胞又はバキュロウイルス感染昆虫細胞である、請求項8の宿主細胞。
【請求項10】
リペプチドの発現に適した条件下で請求項8の宿主細胞を培養し、前記ポリペプチドを細胞培養から回収することを含んでなる、ポリペプチドを製造する方法。
【請求項11】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a)配列番号:14に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。
【請求項12】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a)1位〜20位に位置するシグナルペプチドを欠く配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。
【請求項13】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a)ATCC登録番号PTA−1535で寄託したDNAの全長コード化配列によってコードされているアミノ酸配列を有するポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、他の組織と比べて前立腺でより高く発現しているポリペプチド。
【請求項14】
異種アミノ酸配列と融合した請求項11ないし13の何れか一項に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
【請求項15】
前記異種アミノ酸配列が、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域である、請求項14のキメラ分子。
【請求項16】
請求項11ないし13の何れか一項に記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体。
【請求項17】
前記抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体又は一本鎖抗体である、請求項16の抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2009−189367(P2009−189367A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74148(P2009−74148)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【分割の表示】特願2005−171331(P2005−171331)の分割
【原出願日】平成12年12月20日(2000.12.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.サランラップ
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】