説明

IL−4およびG−CSFに影響するナフチリジン類

【課題】IL−4およびG−CSFに影響するナフチリジン類などに関して、明細書に記載された化合物、組成物および方法を提供すること。
【解決手段】
本発明の化合物は、IL−4の拮抗薬であり、アレルギー、炎症、自己免疫疾病、および特定のB−細胞リンパ腫を処置するための薬剤として有用な拮抗薬である。
本発明の化合物および他の化合物はまた、ヒト末梢血単核細胞(PBMNC)および単球/マクロファージから製造される顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)産生の刺激物質でもある。従って、これらの化合物は、好中球顆粒球形成を刺激するので、癌患者の処置および骨髄移植を受けた患者の処置用薬剤として有用である。
本発明はまた、治療に有効な量の本発明の化合物または他の化合物を薬学的に受容可能なキャリアと共に含む薬学組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IL−4およびG−CSFに影響するナフチリジン類に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、IL−4およびG−CSFに影響するナフチリジン類などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、以下の式で表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、
【0004】
【化1】

ここで、Eは、
【0005】
【化2】

であり、ここで、WWは、アリールまたはヘテロアリール;そして
Aは、CH、S、NまたはN→O;
L、M、X、Z、W、T、U、およびVは、それぞれ独立してCH、NまたはN→Oであり、但し、L、T、U、およびVのうちの1つのみがNまたはN→Oであり、さらに、M、X、Z、およびWのうちの1つのみがNまたはN→Oであり得;
Yは、Hまたは−CH
Y’は、H、低級アルキル、フェニル、フェニル−低級アルキル;
Qは、H、低級アルキルO(O)CCH−、低級アルキル、または低級アルキル(O)C−、
a、b、c、g、h、およびjは、それぞれ独立して0または1;
fは1または2;
nは1から6;
ttは0または1;
は、H、OH、aおよびbが共に0のときハロ、C〜C10のアルキル、C〜Cのアルコキシ、−OCHPh、−CHPh、−CHCHPh、シクロヘキシル、CHC(O)OC;−O(CHO−(CHOCH、aおよびbが共に0のとき−COH;NHCHPh、NH(CO)CH、−NH、aが0のとき−OH、アリール、−CHC(O)OH、−CHC(O)ONa、フェニル、置換されたフェニル、
【0006】
【化3】

またはaおよびbが共に0のとき−SONH
Jは、SOCHCONH(CHSONa、−SOCHPh、−SOCHC(O)NHOH、−SOCHCOH、−SOCHCONa、−SOCHCO(CHO(CHOCH、−SO(CHCH、−S(O)CHCOCH、−S(O)CHC(O)NHCHC(O)OH、SOCH、−S(O)CHC(O)NHCHC(O)Na、−S(O)CHC(O)NH(CHSONa、−S(O)CHCONa、−SOCHCHOH、−SO(CHC(O)−アミノ酸、−SO(CHC(O)−保護されたアミノ酸;−SO(CHX’;ここで、X’は、エステルまたはアミド、およびnは1から6。
【0007】
これらの中で、Eが
【0008】
【化4】

である、式Iで表される化合物が好ましい。
【0009】
これらの中で、Eが
【0010】
【化5】

である、式Iで表される化合物もまた好ましい。
【0011】
これらの中で、Eが
【0012】
【化6】

である、式Iで表される化合物もまた好ましい。
【0013】
これらの中で、Eが
【0014】
【化7】

であり、ここで、WWがアリールまたはヘテロアリールである、式Iで表される化合物もまた好ましい。
【0015】
Zが、
【0016】
【化8】

である、式Iで表される化合物もまた好ましい。
【0017】
式I’で表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もまた好ましい:
【0018】
【化9】

ここで、aは、0または1;
bは0または1;および
は、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、−OCHPh、または−CHPh。
【0019】
これらの中で、aが1、bが1、およびRが−CHである、式I’で表される化合物もまた好ましい。
【0020】
が、C〜Cのアルキルである、式I’で表される化合物もまた好ましい。
【0021】
が、−OCHPhである、式I’で表される化合物もまた好ましい。
【0022】
が、−CHPhである、式I’で表される化合物もまた好ましい。
【0023】
本発明の例示的な化合物は、以下の通りである
【0024】
【化10】

またはカルボン酸のナトリウム塩;
【0025】
【化11】

【0026】
【化12】

【0027】
【化13】

【0028】
【化14】

【0029】
【化15】

【0030】
【化16】

【0031】
【化17】

【0032】
【化18】

【0033】
【化19】

【0034】
【化20】

【0035】
【化21】

【0036】
【化22】

【0037】
【化23】

本発明の他の化合物は、以下の通りである
【0038】
【化24】

本発明の最も好ましい化合物は、
【0039】
【化25】

またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0040】
本発明の他の最も好ましい化合物は、以下の通りである
【0041】
【化26】

本発明の他の最も好ましい化合物は、
【0042】
【化27】

またはカルボン酸のナトリウム塩である。
【0043】
本発明の式Iの化合物は、IL−4の拮抗薬であり、アレルギー、炎症、自己免疫疾病、および特定のB−細胞リンパ腫を処置するための薬剤として有用な拮抗薬である。
【0044】
本発明の式Iの化合物および他の化合物はまた、ヒト末梢血単核細胞(PBMNC)および単球/マクロファージから製造される顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)産生の刺激物質でもある。従って、これらの化合物は、好中球顆粒球形成を刺激するので、癌患者の処置および骨髄移植を受けた患者の処置用薬剤として有用である。
【0045】
本発明はまた、治療に有効な量の本発明の式Iで表される化合物または他の化合物を薬学的に受容可能なキャリアと共に含む薬学組成物に関する。
【0046】
本発明はまた、アレルギー、炎症、自己免疫疾病、特定のB−細胞リンパ腫、腫瘍、および骨髄移植の後遺症を処置するための方法であって、抗アレルギー、抗炎症、抗自己免疫疾病;抗B−細胞リンパ腫、抗腫瘍、または骨髄移植の抗後遺症などの処置を必要とする哺乳動物に、このような目的に有効な量の本発明の式Iで表される化合物または他の化合物を投与することを含む方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
発明の詳細な説明
不斉中心は、本発明の式Iの特定の化合物に存在する。従って、式Iの化合物は、立体異性体を含む。
【0048】
このような異性体形態およびその混合物はすべて本発明の範囲内である。特に記載のない限り、本明細書で開示する調製方法を用いると、すべての可能な構造異性体を含む生成物分布となり得る。しかし、言うまでもなく、生理学的な応答は、立体化学構造によって変化し得ることが理解される。異性体は、分別結晶、調製プレートもしくはシリカ、アルミナもしくは逆相担体上での分取プレートもしくはカラムクロマトグラフィー、またはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)などの従来の手段によって分離され得る。
【0049】
光学異性体は、適切であれば、光学的に純粋な試薬を用いて誘導体化または塩形成し、その後、例えば、結晶化することによって分離され得るか、またはキラル担体上での高速液体クロマトグラフィーなどの当該技術分野に公知の他の方法によって分離され得る。
【0050】
式Iの化合物は、水和形態(例えば、半水化物)を含む溶媒化形態および非溶媒化形態で存在し得る。一般に、水、エタノールなどの薬学的に受容可能な溶媒を用いた溶媒化形態は、本発明の目的では、非溶媒化形態と同等である。
【0051】
本発明の化合物の「薬学的に受容可能な塩」は、本発明の適切な化合物に、HCl、HBr、HSOまたはHPOなどの鉱酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、吉草酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、安息香酸、乳酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸などの有機酸をそれぞれ約化学量論量だけ加えることによって形成される非毒性酸付加塩を意味する。
【0052】
カルボン酸の塩もまた形成され得る。このような塩の例としては、ナトリウム塩が挙げられる。他の酸性中心(acidic center)の塩もまた形成され得る。例えば、カルボン酸の塩およびNHの塩はまた、以下の化合物にも見られる。
【0053】
【化28】

本明細書および添付の請求の範囲で用いられる場合、以下の用語は、特に記載のない限り、以下の意味を有する。
【0054】
「アルキル」(アルコキシなどのアルキル部分を含む)は、1から20個の炭素原子を有する飽和炭化水素の直鎖または分岐鎖を示す。炭素原子の数は特定され得る。例えば、「C〜Cのアルキル」は、1から6個の炭素原子を有する飽和炭化水素の直鎖または分岐鎖を示す。「低級アルキル」は、1から6個の炭素原子を有する飽和炭化水素の直鎖または分岐鎖を示す。
【0055】
「アルコキシ」は、アルキルが上述したものである−O−アルキルを示す。
【0056】
「アルキルアミノ」は、アミンの1または2個の水素が、1から20個の炭素原子を有する飽和炭化水素の直鎖または分岐鎖によって置換されているアミンを示す。
【0057】
「シクロアルキル」(シクロアルキルアルコキシなどのシクロアルキル部分を含む)は、3から8個の炭素原子を有するシクロアルキルを示す。炭素原子の数が示されていてもよい。例えば、「C〜Cのシクロアルキル」は、3から6個の炭素原子を有するシクロアルキルを示す。
【0058】
「アリール」は、一環式または二環式芳香族系を示す。好ましいアリール基の例としては、6から10個の炭素原子を有するアリール基が挙げられる。代表的な例としては、フェニル、1−ナフチル、および2−ナフチルが挙げられる。アリール基は、ハロゲン原子(例えば、Cl、Br、F、および/またはl)、−OH、COH、CF、アルコキシ、アルキル、アミノ、−COO−低級アルキル、−COO−低級アルキル−フェニル、−CONH、−CONH−低級アルキル、−CON(低級アルキル)、および−CONH−低級アルキル−フェニルからなる群から選択されるさらなる置換基を含み得る。
【0059】
「アリールアルキル」は、上記で定義したアリール基が、アルキル水素原子の1つと置換している、上記で定義したアルキル基を示す。代表的な例としては、−CHフェニル、−CHCHフェニル、4−ヒドロキシベンジル(4−hdyroxybenzyl)、4−t−ブチルジメチルシリルオキシベンジルなどが挙げられる。「アリール低級アルキル」は、上記で定義したアリール基が、低級アルキル水素原子の1つと置換している、上記定義した低級アルキル基を示す。
【0060】
本明細書で用いる「dec」は、分解を意味する。
【0061】
本明細書で用いる「h」は、時間を意味する。
【0062】
「ヘテロアリール」(ヘテロアリールメチルのヘテロアリール部分を含む)は、環構造に少なくとも1つのO、Sおよび/またはNヘテロ原子を有する芳香族系を示す。好ましいヘテロアリール基の例としては、3から9個の炭素原子を含むものが挙げられる。ヘテロアリール基の代表的な例としては、限定はされないが、2−、3−または4−ピリジル、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、2−、4−または5−チアゾリル、2−、4−または5−イミダゾリル、2−、4−または5−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−または4−ピリダジニル、3−、5−または6−[1,2,4−トリアジニル]、3−または5−[1,2,4−チアジアゾリル]、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフラニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、2−または3−ピロリル、2−または3−N−メチルピロリルなどが挙げられる。ヘテロアリール基は、ピリジルのN酸化物を含む。
【0063】
「ハロゲン」または「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
【0064】
「アシル」(アリールアシルなどのアシル部分を含む)は、CO−アルキル、CO置換アルキル、COアリールまたはCO−アラルキルを意味し、ここでアルキル、置換アルキル、アリールおよびアラルキルは本明細書で定義されているものである。
【0065】
「置換された」は、H、C〜Cのアルキル、−COH、エステル、アミド、CF、OH、OC〜Cのアルキル、−NH、Cl、Br、I、F、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)からなる群から独立して選択される1から3個の置換基によって置換されることを意味する。
【0066】
用語「アミノ酸」は、以下の天然のアミノ酸、即ち、グリシン、およびL構造を有する以下の酸:バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、ヒスチジン、アラニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、スレオニン、システイン、チロシン、グルタミン、リシン、およびアルギニンを指し、これらはまた、それぞれ以下の略語:Gly、Val、Leu、Ile、Ser、Asp、Asn、Glu、His、Ala、Pro、Phe、Trp、Met、Thr、Cys、Tyr、Gln、LysおよびArgによっても呼ばれる。
【0067】
一般に、アミノ酸は、α−アミノ末端を介して、分子の残りの部分と結合される。
【0068】
側鎖ヒドロキシル、スルフヒドリル、またはアミノ基を有するアミノ酸は、α−アミノ基または側鎖ヘテロ原子のいずれかを介して、分子の残りの部分と結合され得る。
【0069】
用語「アミノ酸」はまた、D−体(configuration)を有する対応のアミノ酸を指す。
【0070】
用語「保護されたアミノ酸」は、アミノおよび/またはカルボキシ末端が保護されたアミノ酸を意味する。側鎖ヒドロキシル、スルフヒドリル、またはアミノ基を有するアミノ酸は、α−アミノ基または側鎖ヘテロ原子のいずれかを介して、分子の残りの部分と結合され得る。保護されたアミノ酸が、側鎖ヘテロ原子を介して結合されるとき、アミノおよびカルボキシ末端は、当該技術で公知の保護基によって保護され得る。例えば、本発明の化合物は、アミノ酸が、側鎖ヒドロキシル基を介して、分子の残りの部分と結合され得、α−アミノ基が、tert−ブチルオキシカルボニル部分によって保護され、カルボキシ基が、ベンジルエステルとして保護されているセリンまたはスレオニン誘導体を含み得る。側鎖ヘテロ原子を欠失する保護されたアミノ酸の場合、これらの保護アミノ酸は、α−アミノ末端を介して分子の他の部分に結合されるのに対して、カルボキシ末端は、公知の保護基によって保護される。
【0071】
特に記載しない限り、用語「エステル」は(CO)ORαを指し、
ここで、Rαは、低級アルキル、−(CH−G−R、−(CHm’COO−低級アルキル、または−(CHm’NR9’COO−低級アルキル;
はOまたはNR9’
mは0または2から6;
m’は1から6;
aは0または1;
は、H、低級アルキル、アリールまたはアシル、アリール低級アルキル;および
R9’は、H、低級アルキル、アリール、またはアリール低級アルキルである。
【0072】
特に記載しない限り、用語「アミド」は、−CONRβγを表し、ここでRβは、Hまたは−(CH−G−Rであり;および
γは、H、低級アルキル、またはNHR9’、−(CHm’COO−低級アルキル、または−(CHm’NHCOO−低級アルキルである。
【0073】
本発明の化合物の生物学的活性を以下に示すアッセイによって示した。
【0074】
側鎖、スルフヒドリル、またはアミノ基を有するアミノ酸は、α−アミノ基または側鎖ヘテロ原子のいずれかを介して、分子の残りの部分に結合され得る。後者の場合、アミノおよびカルボキシ末端は、当該技術分野で公知の保護基によって保護され得る。例えば、本発明の化合物は、セリンまたはスレオニン誘導体を含み得る。ここで、アミノ酸は、側鎖ヒドロキシル基を介して分子の残りの部分に結合され得、α−アミノ基は、tert−ブチルオキシカルボニル部分によって保護され、カルボキシ基は、ベンジルエステルとして保護される。
【0075】
IL−4拮抗作用をテストするためのアッセイ
B細胞分化マーカーCD23のJijoye細胞への誘導
Jijoye細胞ATCC)を、15%のウマの血清および5%のウシ胎児血清(FBS)を含有するRPMIにおいて通常通り増殖させた。細胞を3日毎に分割した。
【0076】
アッセイでは、開始前にJijoye細胞を指数増殖24時間に配置した。1ml当たり5×10細胞を培地中に懸濁し、テスト化合物の連続希釈を1mlの容量にした。24時間後、新鮮な培地(IL−4を含む)を1:1で総容量が2mlになるように加えた。アッセイのインキュベーション時間の合計は、37℃および5%のCOで48時間であった。実験終了時に、細胞を除去し、5%のFBSを含有するRPMI1640で2回洗浄した。ペレットに、RPMI5%中1:4希釈のMAb25(抗CD23)を加え、4℃で30分間インキュベートした。抗CD23モノクローナル抗体MAb25をUnicetで提供した。細胞を、1%のFBSを含有するPBS中で2回洗浄し、ペレットに遠心分離し、1:10希釈のFITC結合F(ab)ヤギ抗マウスIgGの100μl中に再懸濁した。4℃で30分間インキュベーションした後、細胞をPBS中で2回洗浄し、次いでベクトン−ディッキンソンFAC走査細胞蛍光計(Becton−Dickinson FACscan Cytofluorometer、を用いてカウントした。
【0077】
本明細書で用いる化合物AAは、te structutrakl式14988の化合物を示す:
【0078】
【化29】

G−CSF生成のインビトロ増強
化合物AAのヒトG−CSF生成に対する効果を決定するために、ヒト末梢血単核細胞(PBMNC)を(Ficoll−Paque:For in vitro isolation of lymphocytes(小冊子)1983年Pharmacia,Uppsala Sweden(本願では、これを参考のために援用する)に記載されているように)調製し、種々の濃度の化合物AAまたはビヒクル(0.1%のジメチルスルホキシド、DMSO)の存在下で、5μg/mlの植物性血球凝集素(PHA)とともに(Osterら、1989年、Blood 73:64、(本願では、これを参考のために援用する))に記載するように培養した。40時間後、培養上清を収集し、サイトカインレベルをELISA(R&D Systems、Minneapolis MN)で測定した。あるいは、24時間インキュベーションした後、これらの細胞からmRNAを標準プロトコルで調製し、逆転写し、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)にかけた。
【0079】
化合物AAを加えた結果、G−CSFレベルは4から5倍に増加し、15μMの有効濃度50(EC50)となった。この効果は、G−CSFに対して特異的であった。なぜなら、TNFα、TNFβ、IL−1α、IL−1β、IL−3、IL−6、IL−8、またはGM−CSFの生成における変化は観察されなかったからである。同様の結果は、リポ多糖(LPS)とインキュベートした末梢血水ひ単球(peripheral blood elutriated monocyte)(Wahl L.M.およびP.D.Smith、in Current Protocols in immunology、J.Coliganら編、1991年、7章、Wiley&Sons、New York(本願では、これを参照のために援用する)に記載のように調製される)について得られた。
【0080】
定常状態のG−CSF mRNAレベルもまた、PHA刺激PBMNCおよびLPS刺激単球の培養物において増加し、これは、化合物AAによるG−CSF遺伝子の転写または転写後活性化の調節を示している。
【0081】
これらのデータは、化合物AAが、PBMNCおよび単球に両方によるG−CSF生成を特異的に増強することを示し、この化合物が、化学療法もしくは放射線療法によるまたは骨髄移植後の好中球減少からの回復を促進するのに臨床的有用性を有し得ることを示唆している。
【0082】
シクロホスファミドで処置したマウスにおける好中球減少からの回復のインビボ促進
末梢好中球の数の増加および好中球コンパートメントの回復の促進における化合物AAの活性をテストするために、BALB/cJマウスを0日目に単一の致死量以下のCYで処理することによって好中球減少させた。次に、マウスを、1日目から開始して、40mg/kgの化合物AAまたはビヒクル(カルボキメチルセルロースCMC)で毎日処理し、3、5、6、8または10日目に殺し、末梢血および脾臓における顆粒球集団をフローサイトメトリーによって分析した。顆粒球を、顆粒球に特異的なRB6−8C5抗体(Hestdalら、1991年、J.Immunol. 147:22(本願では、これを参考のために援用する)を参照)および骨髄性細胞に特異的なMac−1抗体(Springerら、JEur.J.Immunol.9:301を参照)を用いて検出した。各時間点において、ビヒクルまたは化合物AAで処理された動物を、CYを受けなかった正常な年齢が一致したコントロールマウスと比較した。化合物AAの投与は、血液および脾臓の両方において、顆粒球の回復を促進し、血液中で5日目、脾臓中で4日目に正常な数に戻った。これらの顆粒球は、細胞診によってもっぱらセグメント化した好中球であることが確認された。好中球の回復は、化合物AAで処理された動物と比較して、ビヒクルを与えられたCY投与マウスにおいては1から2日遅れた。単球のパーセントまたは数の変化は観察されなかった。著しい毒性または異常の形跡も観察されなかった。
【0083】
これらのデータは、化合物AAが、CY処理されたマウスにおける好中球減少からの回復を実際に促進させることを示し、好中球減少患者における同様の活性を有することを示唆している。
【0084】
化合物AAを与えられたCY投与マウスにおける内因性G−CSFの測定
化合物AAによる好中球回復の促進は、骨髄のレベルで好中球の成長を刺激することによって発生し得る(Demetriら、1991年、Blood78:2791を参照)。化合物AAが、内因性G−CSF生成を増大させることによってインビボにおいて作用していることを確認するために、骨髄定常状態のG−CSFmRNAレベルをPCRによって決定した。化合物AA処理によって、G−CSFmRNAレベルが増大した。
【0085】
これらのデータは、この化合物が、そのG−CSF刺激活性によって好中球回復を増強することを示している。
【0086】
化合物AAとrhG−CSFとの比較
外因性G−CSF投与は、現在、好中球減少性発症を受けている患者のための標準的な療法である。上記のCYモデルにおける化合物AAによる処置と、G−CSF療法とを比較するために、本発明者らは、CYによって好中球が減少されたマウスに化合物AAまたは組換えヒトG−CSFのいずれかを毎日投与した。末梢血における顆粒球レベルを5日目に測定した。40mg/kgにおける化合物AAの末梢血好中球数を増加させる能力は、250mg/kgのrhG−CSFの能力に匹敵するものであり、50から125mg/kgのrhG−CSFで処理された動物において観察された能力よりも大きかった。
【0087】
これらのデータは、40mpkのSCH化合物AAが、rhG−CSFと比較して、CYで処理されたマウスにおける血液好中球レベルを保持するのに同等にまたはより効果的であることを示している。
【0088】
本発明の化合物は、例えば、局所的、経口、非経口、直腸、経皮などの従来の任意の数の投与形態で投与され得る。経口または直腸投与形態には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤、カシェ剤、および座薬が含まれる。液体経口投与形態には、溶液および懸濁液が含まれる。非経口調製剤には、滅菌溶液および懸濁液が含まれる。局所的投与形態は、クリーム、軟膏、ローション、経皮デバイス(例えば、従来の絆創膏またはマトリクスタイプ)などであり得る。
【0089】
上記の投与形態によって想定される処方物および薬学組成物は、従来の技術を用いて、従来の薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤で調製され得る。このような薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤は、キャリア、結合剤、着香剤、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、芳香剤、保存薬、潤滑剤などを含むものとする。適切な薬学的に受容可能な固体キャリアは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。カプセルは、活性化合物が、薬学的に受容可能なキャリアと共にカプセルに挿入されて形成され得る。本発明の活性化合物は、薬学的に受容可能な賦形剤と混合され得るか、またはカプセルに包接のための賦形剤を含まない微細に分離された粉末形態で使用され得る。同様に、カシェ剤が含まれる。液体形態の調製物は、非経口注入用の水または水−プロピレングリコール溶液のような溶液、懸濁液および乳剤を含む。液体調製物はまた、水を含み得るポリエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール中に溶液で処方され得る。経口使用に適した水溶液は、水中に活性成分を加え、適切な着色剤、芳香剤、安定剤、甘味料、可溶化剤および増粘剤を所望に応じて加えることによって、処方され得る。経口使用に適切な水性懸濁剤は、粘性材料(即ち、薬学的に受容可能な天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁剤と共に、水中に微細に分離された形態で活性成分を分散させることによって形成され得る。
【0090】
局所塗布用の処方物は、本発明に基づく活性成分を、局所的、乾燥、液体、クリームおよびエアロゾル処方物に普通に用いられる従来の薬学的に受容可能な希釈剤およびキャリアと組み合わせることにより調製された、上述の液体形態ならびにクリーム、エアロゾル、スプレー、ダスト(dust)、粉末、ローション、および軟膏を含み得る。軟膏およびクリームは例えば、水性または油性ベースとともに、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加えることによって処方し得る。従ってそのようなベースは例えば、水および/または流動パラフィンまたは落花生油もしくはヒマシ油などのような植物油などのオイルを含み得る。ベースの性質に従って用いられ得る増粘剤は、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、水素化ラノリン、蜜ろうなどを含む。
【0091】
ローションは、水性または油性ベースを用いた処方物であってもよく、一般には、1種以上の薬学的に受容可能な安定化剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、着色料、香料なども含む。
【0092】
粉末は、例えばタルク、乳糖、デンプンなどの任意の適切な薬学的に受容可能な粉末ベースの助けにより形成されてもよい。ドロップは、やはり1つ以上の薬学的に受容可能な分散剤、懸濁剤、可溶化剤などを含む水性ベースまたは非水性ベースを用いて処方され得る。
【0093】
局所的薬学的組成物は、例えばメチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウムなどの1つ以上の保存料または静菌剤との組み合わせで含み得る。
【0094】
局所的薬学的組成物はまた、本発明の活性組成物を、抗微生物剤(特に抗生物質、麻酔剤、鎮痛剤および鎮痒薬)などの他の活性成分との組み合わせで含み得る。また、使用直前に液状調製物に変換されて経口または非経口投与されることが意図される固形調製物も含まれる。このような液体形態は、溶液、懸濁液、および乳剤を含む。これらの特定の固形調製物は、単位用量形態で最も簡便に提供され、従って1回の液体投薬量単位を提供するために用いられる。あるいは、十分な固形物を提供し得、液体への変換後に、注射器、小匙またはその他の容量容器を用いるなどして所定の体積の液状調製物を測定することにより、複数の個々の液体用量を得てもよい。複数の液状用量がそのように調製される場合、その液体用量の未使用部分を、分解可能性を遅延するような条件下に維持することが好ましい。液状に変換されることを意図した固形調製物は、活性物質に加えて、薬学的に受容可能な着香料、着色料、安定化剤、緩衝液、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含み得る。液状調製物を調製するために用いられる溶媒は、水、等張水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコールなど、ならびにその混合物であり得る。用いられる溶媒は当然、投与経路を考慮して選択される。例えば、大量のエタノールを含有する液体調製物は非経口使用には適さない。
【0095】
本発明の組成物は、経皮的に送達して全身分布させることも可能であり得る。経皮的組成物は、クリーム、ローション、および/または乳剤の形態をとり得、この用途で当該分野において従来用いられているように、マトリクスまたはレザバー(reservoir)タイプの経皮絆創膏中に含められることが可能である。
【0096】
本発明の組成物は、薬学的に受容可能なキャリア物質をと組み合わせて、本発明の化合物の治療上有効な量を含有し得る。本発明の化合物は、本発明の化合物の治療上有効な量をそのような形態に用いることにより、任意の従来の投与形態によって投与され得る。投薬量は、担当臨床医の判断による患者要求、処置対象の状態の重篤度、および用いられる特定の化合物に依存して、変更され得る。特定の状況における適正な投薬量の決定は、通常の技術範囲内である。処置は、化合物の最適用量よりも少ない投薬量から開始することができる。その後、その状況下における最適な効果が達成されるまで、投薬量を小さな増分ずつ増加させるべきである。便利さのため、所望であれば一日の総投薬量を分割して一日にわたって部分づつ投与してもよい。
【0097】
適切な出発物質を用い、以下の実施例に記載した方法に従い、当業者は式Iに記載した化合物の全てを調製することができる。以下の実施例中における出発物質は市販されいるか、公知であるか、公知の方法により調製可能である。
【実施例】
【0098】
実施例1
N−[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(naphthyridin)−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミドとしても知られる、8−(p−アセトアミドベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
【0099】
【化30】

乾燥ジクロロメタン(1.1 L)中の8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(39.38g、0.167モル)、トリエチルアミン(18.71g、0.185モル)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(1.95g、0.016モル)およびN−アセチルスルファニリルクロリド(42.89g、0.184モル)の撹拌混合物を、55時間環流させ、反応混合物を10℃まで冷却し、混合物を濾過し、固形物をジクロロメタンで洗浄し(150mL)、真空乾燥する。こうして得られた粗生成物をN,N−ジメチルホルムアミドから結晶化する。結晶化生成物を濾過し、ジエチルエーテル、熱メタノール、ジエチルエーテルおよびジクロロメタンで連続的に粉末化することにより、0.25水和物C1922S・0.25HO、融点250〜251.5℃として表題の化合物を得る。FABMS:MH434(100%)。
【0100】
実施例1a
N−[4−[[(イミノピラジニルメチル)アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
実施例1で記載したのと同様な方法で、ピラジン−2−カルボキサミジンから開始して、表題の化合物を、1/6水和物C1313S・0.167HO、融点270〜274℃として調製する。FABMS:MH320(100%)。
【0101】
【化31】

実施例2
[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸、メチルエステル
乾燥ジクロロメタン(50mL)中に8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(630mg、2.67mmol)、トリエチルアミン(0.45mL、3.20mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(13mg)および90%メチル(クロロスルホニルアセテート(0.61mL、3.20mmol)を含有する溶液を室温で26時間攪拌する。減圧下で揮発物質を除去し、残留オイルをジエチルエーテルで粉末化し、得られる混合物を濾過する。濾過ケーキをジクロロメタン中に溶解し、水(3×)で洗浄し、減圧下で溶媒をエバポレートする。残留物にシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.1)で溶出し、溶出物をエタノールから結晶化して、標題の化合物、C1716S、mp147〜148.5℃、FABMS:MH373(100%)を得る。
【0102】
実施例3
[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸、ナトリウム塩
水(330mL)中に[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸、メチルエステル(4.17g、0.011mol)および水酸化ナトリウム(2.30g、0.058mol)を含有する攪拌溶液を60℃で2時間加熱する。真空中で溶液を25mLに濃縮し、酢酸で酸性化してpH4〜5とし、4℃に冷却する。得られる沈殿物を濾過して、冷水で洗浄する。五酸化燐上で43℃で乾燥させ、粗生成物をメタノール−水から結晶化して、水和物として標題の化合物、C1613SNa・HO、mp224〜226℃(dec)、FABMS:MNa381(100%)を得る。
【0103】
標題化合物の遊離酸形態を得るために、20mLの水中にナトリウム塩(432mg、1.08mmol)を含有する溶液を1.08mLの1.00N塩酸で酸性化する。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空中で50℃で乾燥させて、遊離酸形態の標題の化合物、C1614S、mp182.5〜184℃(dec)、FABMS:MH359(100%)を得る。
【0104】
実施例4
4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]安息香酸、ナトリウム塩
【0105】
【化32】

4−(クロロスルホニル)安息香酸(3.40g、0.0154mol)を、無水ジクロロメタン(40mL)中に8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(3.26g、0.0138mol)、トリエチルアミン(5.2mL、0.0373mol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.3g)を含有する攪拌溶液に添加する。室温で5日間攪拌し、真空中で揮発物質を除去し、残留物にシリカゲル上でクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウムを(90:9:0.1)から(80:18:0.1)の段階的勾配で用いて溶出する。得られる粗生成物を熱エタノール(50〜80mL)で粉末化し、濾過し、単離した固形物を水(100mL)中に懸濁させる。6N水酸化ナトリウムでpHを12に調整して固形物を溶解し、次に酢酸を添加することによって酸性化してpH4.4とする。得られる沈殿物を回収し、乾燥させて、0.5水和物としての遊離酸形態の標題の化合物、C2116S・0.5HO、mp337〜338℃(dec)、FABMS:MH421(100%)を得る。
【0106】
水(80mL)中に遊離酸(493mg、1.17mmol)を含有する攪拌懸濁物に、0.100N水酸化ナトリウム(11.7mL、1.17mmol)を添加する。混合物を温めて固形物を溶解し、減圧下で水を除去し、残留物をメタノール(25mL)中で環流する。混合物を室温まで冷却し、濾過して、0.25水和物として標題のナトリウム塩、C2115SNa・0.25HO、mp>360℃、FABMS:MH421(48%);MNa443(25%)を得る。
【0107】
実施例5
8−[2−(2−ピリジニルメチレン)−ヒドラジノ]−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
【0108】
【化33】

A.8−オキソ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
濃塩酸(120mL)中に8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(17.3g、0.0732mol)を含有する混合物を17時間環流する。減圧下で半固形状態に濃縮する。この残留物を冷水(500mL)中で溶解し、溶液を濃縮水酸化アンモニウムで塩基性化してpH〜7.5とする。得られる懸濁物を水(50mL)で希釈し、氷水浴中で冷却する。混合物を濾過し、単離した固形物をイソプロパノールで粉末化し、再濾過し、固形物をエタノールから結晶化して、標題の化合物、mp225〜227℃を得る。
【0109】
B.8−クロロ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
オキシ塩化燐(200mL)中に8−オキソ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(16.4g、69.1mmol)を含有する混合物を蒸気浴上で3時間加熱する。減圧下で過剰なオキシ塩化燐を除去し、氷水浴中で冷却し、氷(100g)および水(100mL)を添加する。温度を10℃より低く保ちながら濃縮水酸化アンモニウムを添加して溶液を中性化する。得られる混合物を濾過し、固形物を空気乾燥させ、沸騰ベンゼン(1L)で粉末化する。混合物を濃縮し、濾過し、単離した固形物をベンゼンから結晶化して、標題の化合物、mp130〜131℃を得る。
【0110】
C.8−ヒドラジノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
エタノール(100mL)中に98%のヒドラジン水和物(7.4g、0.148mol)を含有する溶液に、8−クロロ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(8.5g、0.0332mol)を添加して、2.5時間環流する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留固形物を水で粉末化し、濾過し、単離した固形物をベンゼン−石油エーテルから結晶化して、標題の化合物、mp115〜116℃を得る。
【0111】
D.8−[2−(2−ピリジニルメチレン)−ヒドラジノ]−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン、0.2水和物
エタノール(50mL)中に8−ヒドラジノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(5g、19.9mmol)を含有する懸濁物に、2−ピリジンカルボキシアルデヒド(2.7g、25.2mmol)を添加する。混合物を1時間環流する。混合物を冷却し、減圧下で溶媒を除去する、残留固形物をクロロホルム−ヘキサンから再結晶化して、標題の化合物、C2016、mp178〜179℃、FABMS:MH341(100%)を得る。
【0112】
実施例6
8−メルカプト−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
【0113】
【化34】

ピリジン(250mL)中に8−オキソ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(10.0g、42.1mmol)および五硫化燐(9.8g、44.1mmol)を含有する混合物を蒸気浴上で3時間環流する。反応溶液を沸騰水(400mL)に注ぎ、得られる混合物を1時間、沸点で維持する。混合物を濾過し、回収した固形物を熱クロロホルム中で溶解し、脱色用木炭で処理する。木炭を濾過し、濾液を沸点まで加熱して、ジエチルエーテルを添加することによって結晶化を誘導する。このようにして得られる沈殿物をクロロホルムから再結晶化して、標題の化合物、C1411S、mp220〜222.5℃、FABMS:MH254(100%)を得る。
【0114】
実施例7
8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン
【0115】
【化35】

2N水酸化ナトリウム水溶液(37mL、74mmol)中に8−(p−アセトアミドベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(3.67g、8.47mmol)を含有する攪拌混合物を6時間環流する。混合物を<15℃まで冷却し、酢酸−水(1:4)で酸性化してpH6とし、濾過する。回収した固形物をメタノール(125mL)中で環流し、熱混合物を濾過し、濾過ケーキをメタノール(25mL)で洗浄する。回収した固形物を高真空下で乾燥して、二水和物として標題の化合物、C2017S・2HO、mp278〜283℃、FABMS:MH392(100%)を得る。
【0116】
実施例8
4−(アセチルアミノ)−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンズアミド
【0117】
【化36】

8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(332mg、1.41mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中に4−アセトアミド安息香酸(229mg、1.78mmol)、1−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(DEC・HCl;270mg、1.41mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(190mg、1,41mmol)を含有する拡散懸濁物に18℃で添加する。冷却浴を除去し、混合物を室温で16時間攪拌する。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、DEC・HClの別の部分を添加し、さらに20時間攪拌する。減圧下で揮発物質を除去し、残留物をジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.125)中に溶解して、Celiteを通して濾過する。濾液にシリカゲル上でフラシュクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(90:9:0.125)で溶出し、このようにして単離された固形物をアセトニトリルから結晶化して、0.25水和物として標題の化合物、C2319・0.25HO、mp233〜239.5℃、FABMS:MH398(100%)を得る。
【0118】
実施例9
フェニルメチル[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]カルバメート()および4−[(アミノカルボニル)アミノ]−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド(II
【0119】
【化37】

トリクロロメチルクロロホルメート(0.16mL、1.32mmol)を、ジクロロメタン(25mL)中に8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(0.43g、1.10mmol)、トリエチルアミン(0.183mL、1.32mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.03g)を含有する攪拌懸濁物に25℃で急速に添加する。室温で1時間攪拌する。この反応混合物を、ベンジルアルコールのリチウム塩の攪拌溶液[テトラヒドロフラン中にリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを含有する1M溶液(1.5mL、1.5mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中のベンジルアルコール(0.15mL、1.45mmol)と共に0.5時間攪拌することによって調製される]に添加する。得られる混合物を室温で3日間攪拌する。別のベンジルアルコールのリチウム塩[テトラヒドロフラン中にリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを含有する1M溶液(3mL、3mmol)を、ジクロロメタン(1mL)中のベンジルアルコール(0.30mL、2.90mmol)と共に上述のようにして調製される]を導入し、24時間環流する。減圧下で溶媒を除去し、シリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1→90:9:0.1)の段階的勾配で溶出して、標題の化合物IおよびIIを得る。このようにして単離された極性がより低い固形物をメタノール−エタノール(1:1)中で5〜10分間環流し、室温に冷却し、そして濾過して、0.25水和物として標題の化合物I、C2823S・0.25HO、mp229.5〜231℃(dec)、FABMS:MH526(100%)を得る。カラムから溶出された極性がより低い固形物をエタノール(5mL)から結晶化して、0.5水和物として標題の化合物II、C2118S・0.5HO、mp258.5〜260℃(dec)、FABMS:MH435(94%)を得る。
【0120】
実施例10
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−4−(フェニルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド
【0121】
【化38】

窒素雰囲気中で、テトラヒドロフラン中にリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを含有する1M溶液(3.05mL、3.05mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中にN−[6−3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−4−(ヒドロキシ)−ベンゼンスルホンアミド(593mg、1.37mmol)を含有する攪拌懸濁物に室温で添加する。室温で0.5時間攪拌し、ベンジルブロミド(0.18mL、1.51mmol)を添加する。75℃で0.75時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で揮発物質を除去する。残留物を水で攪拌し、3M塩酸(1mL)を添加することによって酸性化する。濾過し、固形物をエタノール(75mL)中で環流し、混合物を室温に冷却し、再び濾過する。回収した固形物にシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.1)で溶出して、標題の化合物、C2722S、mp204〜205℃、FABMS:MH483(48%)を得る。
【0122】
実施例11
N−4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]ベンゼンアセトアミド
【0123】
【化39】

フェニルアセチルクロリド(0.35mL、2.7mmol)を、乾燥ジクロロメタン(50mL)中に8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)―6―(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(0.83g、2.1mmol)、トリエチルアミン(0.37mL、2.7mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.02g)を含有する攪拌懸濁物に室温で添加する。室温で16時間攪拌し、追加のトリエチルアミン(0.374mL、5.4mmol)を、続いてフェニルアセチルクロリド(0.35mL、2.7mmol)を添加する。次に、18時間還流し、室温で5日間攪拌する。混合物を濾過し、減圧下で濾液を濃縮する。残留物を熱N,N−ジメチルホルムアミド中で溶解し、室温に冷却し、沈殿物(トリエチルアミンヒドロクロリド)を濾過し、濾液を真空中で濃縮する。残留物にシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(90:10:0.1)で溶出して、0.5水和物としての表題の化合物、C2823S・0.5HO、mp258〜259℃(dec)、FABMS:MH510(100%)を得る。
【0124】
実施例12
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0125】
【化40】

乾燥ジクロロメタン(30mL)中に8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(1.06g、4.49mmol)、トリエチルアミン(0.50g、4.94mmol)、および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.055g)を含有する攪拌混合物に、ベンゼンスルホニルクロリド(0.63mL、4.94mmol)を添加して、21時間還流する。室温に冷却し、混合物を濾過し、固形物を冷ジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥して、表題の化合物、C2016S、mp259.5〜261.5℃(dec)、FABMS:MH377(100%)を得る。
【0126】
実施例13
N−[4−[[(6−フェニル−1,7−ナフチリジン−8−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0127】
【化41】

乾燥ジクロロメタン(14mL)中に8−アミノ−6−フェニル−1,7−ナフチリジン(0.51g、2.30mmol)、トリエチルアミン(0.26g、2.53mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.03g)、およびN−アセチルスルファニリルクロリド(0.59g、2.53mmol)を含有する攪拌混合物を、45時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、1.1M重炭酸ナトリウム溶液(30mL)、続いて水(2×25mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去する。残留物にシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.125)で溶出して、一水和物として標題の化合物、C2218S・HO、mp135.5〜137℃(dec)、FABMS:MH419(100%)を得る。
【0128】
実施例14
N−[4−[[[6−(2−ピリジニル]−1,7−ナフチリジン−8−イル)アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0129】
【化42】

8−アミノ−6−(2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(160mg、0.718mmol)、トリエチルアミン(80.5mg、0.795mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(8.5mg、0.0688mmol)およびN−アセチルスルファニリルクロライド(185mg、0.791mmol)の、乾燥ジクロロメタン(6mL)中の撹拌溶液を、11時間環流する。反応混合物を冷却し、そして濾過する。このようにして得られた粗製生成物をエタノールから結晶化し、濾過して、0.25水和物、C2117S・0.25HO、mp 292〜293℃(dec)として、表題化合物を得る。FABMS:MH420(100%)。
【0130】
実施例15
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−4−[(フェニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
【0131】
【化43】

鉱油中の60%の水素化ナトリウム分散物(94.3mg、2.36mmol)を、8−(p−アセトアミドベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(929mg、2.14mmol)の、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;25mL)中の撹拌懸濁液に添加し、その結果得られた混合物を、室温で45分間撹拌する。反応混合物をDMF(10mL)で希釈し、水素化ナトリウム分散物の別の部分(9.4mg、0.235mmol)を添加して、室温でさらに10分間撹拌する。この混合物に臭化ベンジル(0.28mL、2.35mmol)を添加して、室温で16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、濃縮物をジクロロメタン(30mL)で希釈し、氷の上に注ぐ。層を分離させ、ジクロロメタン(2×10mL)で水相を抽出する。わずかな体積のメタノールを添加することによって、合わせたジクロロメタン抽出物を透明化し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下で溶媒を除去し、そして、その残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.125)で溶出して、0.125水和物、C2723S・0.125HO、mp 131.5〜134℃(dec)として、表題化合物を得る。FABMS:MH482(100%)。
【0132】
実施例16
N−[4−[[(1,7−ナフチリジン−8−イル)アミノ]スルホニル]フェニル] アセトアミド
【0133】
【化44】

8−アミノ−1,7−ナフチリジン(1.00g、6.91mmol)、トリエチルアミン(0.77g、7.60mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.08g)およびN−アセチルスルファニリルクロライド(1.78g、7.60mmol)の、乾燥ジクロロメタン(25mL)中の混合物を、室温で20時間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、濾過する。粗製固体生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.125 → 90:9:0.125)で溶出し、クロマトグラフにより得られた生成物をメタノールから結晶化して、0.375水和物、C1614S・0.375HO、mp 260〜261℃(dec)として、表題化合物を得る。FABMS:MH343(100%)。
【0134】
実施例17
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−3−ピリジンスルホンアミド
【0135】
【化45】

8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(508mg、2.15mmol)、トリエチルアミン(0.66mL、4.74mmol)、および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(26mg)の、乾燥ジクロロメタン(18mL)中の撹拌混合物に、3−ピリジンスルホニルクロライド(508mg、2.36mmol)を添加し、22時間環流する。混合物を室温まで冷却し、濾過して、mp 267〜268.5℃(dec)の表題化合物の遊離塩基の形態を得る。
【0136】
表題化合物の遊離塩基のサンプル(553mg、 1.47mmol)を、エタノール中(5ml)で懸濁し、5.3Mエタノール性塩酸(18.6mL、 98.6mmol)で酸性にする。結果として得られた透明な黄色い溶液から、減圧下で、溶媒を除去する。残留している油をジエチルエーテルで粉末化し、結果として得られた固体を濾過し、真空下で乾燥させて、C1915S・1.4HCl・0.5HO、mp 245〜247℃(dec)として、表題化合物の塩酸塩を得る。FABMS:MH378(100%)。
【0137】
実施例18
4−メトキシ−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0138】
【化46】

8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(597mg、2.53mmol)および4−メトキシベンゼンスルホニルクロライド(575mg、2.78mmol)の、乾燥ピリジン(14mL)中の混合物を、室温で22時間撹拌する。4−メトキシベンゼンスルホニルクロライドの別の部分(50mg、0.242mmol)を添加し、反応混合物を環流する。5時間後、4−メトキシベンゼンスルホニルクロライドの第3の部分(56.3mg、0.273mmol)を添加し、室温で24時間撹拌する。混合物を濾過する。濾過物を水(70mL)で処理し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出する。抽出物を合わせ、水(3×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。乾燥剤を濾過し、減圧下で溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテルで粉末化する。濾過し、分離された固体を真空下で乾燥させ、0.25水和物、C2118S・0.25HO、mp 180〜181℃(dec)として、表題化合物を得る。FABMS:MH407(100%)。
【0139】
実施例19
N−[[4−(アセチルアミノ)フェニル]スルホニル]−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アセトアミド
【0140】
【化47】

窒素雰囲気下、鉱油中の60%の水素化ナトリウム分散物(50.3mg、1.26mmol)を、8−(p−アセトアミドベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(496mg、1.14mmol)の、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;24mL)中の撹拌混濁(hazy)溶液に添加し、その結果得られた混合物を、室温で30分間撹拌する。塩化アセチル(0.09mL、1.27mmol)を添加し、室温で24時間撹拌する。塩化アセチルの第2の部分(0.05mL、0.703mmol)を添加し、50℃で22時間加熱する。反応混合物を冷却させ、減圧下で溶媒を除去し、イソプロピルエーテルで残渣を粉末化し、そして濾過する。単離された固体をジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)中に溶解し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出する。このようにして単離された生成物をジエチルエーテルで粉末化し、濾過して、C2421S、mp 235.5〜236.5℃(dec)として、表題化合物を得る。FABMS:MH476(57%)。
【0141】
実施例20
2−(2−メトキシエトキシ)エチル[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]カルバメート
【0142】
【化48】

8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(412mg、1.74mmol)、トリエチルアミン(0.27mL、1.92mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(21mg)、および4−[2−メトキシ[2−エトキシ(エトキシ)]カルボニルアミノ]ベンゼンスルホニルクロライド(650mg、1.92mmol)の、乾燥ジクロロメタン(25mL)中の溶液を、室温で撹拌する。48時間後、塩化スルホニル試薬の第2の部分(75mg、0.222mmol)を添加し、室温でさらに96時間撹拌し続ける。反応混合物を水(3×15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過し、そして減圧下で溶媒を除去する。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出する。このようにして単離された生成物をエタノールから結晶化し、濾過して、C2627S、mp 182.5〜185℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH538(100%)。
【0143】
実施例21
4−ヒドロキシ−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0144】
【化49】

窒素雰囲気下、4−メトキシ−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド(229mg、0.563mmol)およびナトリウムチオメトキシド(98.6mg、1.41mmol)の、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の撹拌溶液を100〜110℃で30分間加熱する。温度を150℃に上昇させ、1.5時間加熱し、そして、さらなる量(56.6mg、0.808mmol)のナトリウムチオメトキシドを添加して、150℃で3.5時間加熱を続ける。溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(90:9:1)で溶出する。このようにして単離された生成物を、メタノール−アセトニトリルから結晶化し、ジエチルエーテルで粉末化して、C2016S、mp 262〜262.5℃(dec)として表題化合物を得る。HNMR[DMSO, 300MHz];δ2.36(s, 2.25H);2.72(s, 0.75H);6.71(d, J≒7.5Hz, 1.5H); 6.86(d, J≒7.5Hz, 0.75H);7.39(dd; 0.75H);7.55(dd; 0.25H);7.66〜7.77(m, 1H);7.79〜7.90(m, 3.5H);7.95(d, J≒7.5Hz, 0.25H);8.41(d, J≒7.5Hz, 0.25H);8.49(m, 1.5H);8.74(d, 0.25H);8.91(d, 0.25H);9.03(d, 0.75H);10.31(s, 0.25H);10.39(s, 0.75H);10.71(br s, 0.75H);13.14(br s, 0.25H)[O−交換可能]。
【0145】
実施例22
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]メタンスルホンアミド
【0146】
【化50】

8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(1.05g、4.48mmol)、トリエチルアミン(0.68mL、4.89mmol)およびメタンスルホニルクロライド(0.38mL、4.89mmol)の、乾燥ジクロロメタン(25mL)中の混合物を、室温で撹拌する。72時間後、メタンスルホニルクロライドの第2の部分(0.08mL、1.03mmol)を添加し、室温でさらに24時間撹拌し続ける。濾過し、濾過物を水(3×35mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過し、そして減圧下で溶媒を除去する。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.1)で溶出する。このようにして単離された生成物をエタノールから結晶化し、そして濾過してC1514S、mp 184.5〜185.5℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH315(100%)。
【0147】
実施例23
N−[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]ベンズアミド
【0148】
【化51】

塩化ベンゾイル(0.044mL、0.383mmol)のジクロロメタン(5mL)中の溶液を、8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(136mg、0.348mmol)およびトリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)の、ジクロロメタン(25mL)中の、5℃に維持された撹拌懸濁液に添加する。混合物を室温まで上昇させ、次いで、19時間環流する。反応混合物を0℃まで冷却し、濾過し、固体を低温のジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥させて、C2721S、mp 270〜272℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH496(75%)。
【0149】
実施例24
N−[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]シクロヘキサンカルボキサミド
【0150】
【化52】

8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(1.04g、2.65mmol)、トリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)およびシクロヘキサンカルボニルクロライド(0.83mL、6.20mmol)の、ジクロロメタン(50mL)中の撹拌混合物を、5日間環流する。反応混合物を室温まで冷却させ、濾過し、そして固体をジクロロメタンで洗浄する。メタノールから結晶化させ、真空乾燥させて、C2727S、mp 240〜241℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH502(100%)。

実施例25
メチル4−[[[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アミノ]カルボニル]ベンゾエート
【0151】
【化53】

8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(1.43g、3.65mmol)、トリエチルアミン(1.22mL、0.876mmol)、テレフタル酸モノメチルエステルクロライド(1.74mL、8.76mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.1g)の、ジクロロメタン(120mL)中の撹拌懸濁液を、4日間環流する。反応混合物を室温まで冷却させ、濾過し、そして固体をジクロロメタンで洗浄する。粗製生成物を、環流しているN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、高温の溶液を濾過し、濾過物を<5mLの体積まで濃縮する。高温の濃縮物に、水を混濁点(point of cloudiness)まで添加し、次いで、混合物を室温まで冷却させる。濾過し、固体を真空乾燥させて、0.25水和物、C2923S・0.25HO、mp 275〜277℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH554(100%)。
【0152】
実施例26
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−4−[[[(フェニルメチル)アミノ]カルボニル]アミノ]ベンゼンスルホンアミド
【0153】
【化54】

8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(0.43g、1.10mmol)、トリエチルアミン(0.183mL、1.32mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(0.03g)の、ジクロロメタン(25mL)中の25℃の撹拌懸濁液に、トリクロロメチルクロロホルメート(0.16mL、1.32mmol)を素早く添加する。室温で1時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、ベンジルアミン(0.32mL、2.92mmol)を添加し、室温で3日間撹拌する。トリエチルアミン(0.61mL、4.40mmol)を添加し、次いで、追加のベンジルアミン(0.16mL、1.46mmol)を添加して、2.5時間環流する。0℃まで冷却し、濾過し、N,N−ジメチルホルムアミド−水から結晶化させる。濾過し、固体を水で洗浄し、次いで、暖かいエタノールで洗浄し、そして、真空乾燥させて、0.25水和物、C2824S・0.25HO、mp 274〜275℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH525(100%)。
【0154】
実施例27
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−2−チオフェンスルホンアミド
【0155】
【化55】

8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(0.97g、4.11mmol)、トリエチルアミン(0.86mL、6.16mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(50mg)および2−チオフェンスルホニルクロライド(1.12g、6.16mmol)の、乾燥ジクロロメタン(28mL)中の混合物を、室温で撹拌する。48時間後、塩化スルホ二ル試薬の第2の部分(187mg、0.411mmol)およびトリエチルアミン(0.14ml、1.0mmol)を添加し、室温でさらに96時間撹拌する。反応混合物を濾過し、固体をジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥させて、C1814、mp 280.5〜281℃(dec)として表題化合物を得る。FABMS:MH382(52%)。
【0156】
実施例28
4−デシルアミノ−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【0157】
【化56】

窒素雰囲気下において、8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(448mg、1.14mmol)とテトラブチルアンモニウムブロミド(3.25g、10.1mmol)との親密な(intimate)混合液を、115℃に維持した油浴中で加熱することにより溶融物(mass)を形成する。攪拌した混合液に、1−ブロモデカン(0.24mL、1.16mmol)を添加し、30分間窒素下で加熱を続ける。1−ブロモデカンの更なる部分(0.10mL、0.482mmol)を添加し、30分間加熱し、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL、1.15mmol)を添加し、さらに60分間加熱する。反応混合液を室温まで冷却し、ジクロロメタン(5mL)に溶解し、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.1)で溶出する。このようにして単離した生成物をジクロロメタンに溶解し、Darco G60で処理する。濾過し、減圧下で濾液をエバポレートして、残渣をエタノールから結晶化する。真空下で固体を濾過し乾燥することにより、表題化合物であるC3037Sを得る。mp157〜159.5℃。FABMS:MH532(51%)。
【0158】
実施例29
2−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−N−(フェニルスルホニル)ヒドラジンカルボキサミド
【0159】
【化57】

アルゴン雰囲気下の8−ヒドラジノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(162mg、0.645mmol)のジクロロメタン(2.5mL)攪拌溶液に、1部分のベンゼンスルホニルイソシアネート(0.0905mL、124mg、0.678mmol)を注射器で添加して、得られた懸濁液を室温で23時間攪拌する。反応混合液をジエチルエーテル(3.5mL)で希釈し、濾過する。単離された固体をジクロロメタン(4mL)−ジエチルエーテル(3mL)で粉末化し、濾過し、真空下で乾燥することにより、表題化合物であるC2118Sを得る。mp162.5〜163.5℃(dec)。FABMS:MH435(100%)。
【0160】
実施例30
4−アセチルアミノ−2−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホン酸ヒドラジン
【0161】
【化58】

アルゴン雰囲気下の8−ヒドラジノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(162mg、0.645mmol)のジクロロメタン(5mL)攪拌溶液に、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(5mg)、N−アセチルスルファニリルクロライド(205mg、0.876mmol)、およびトリエチルアミン(0.122mL、88.4mg、0.876mmol)を連続的に添加し、得られた混合液を室温で47時間攪拌する。反応混合液をジエチルエーテル(2.5mL)で希釈し、5分間攪拌し、濾過する。単離された固体を水(4.5mL)で粉末化し、濾過し、ジエチルエーテル−アセトン(85:15)、次いで純粋ジエチルエーテルで連続的に洗浄し、真空下で乾燥することにより、表題化合物であるC2220S・H0を得る。mp166〜168℃(dec)。FABMS:MH449(100%)。
【0162】
実施例31
N−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド
【0163】
【化59】

アルゴン雰囲気下の8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(560mg、2.37mmol)のジクロロメタン(12mL)攪拌溶液に、ベンゼンスルホニルイソシアネート(0.334mL、458mg、0.876mmol)を添加し、得られた混合液を室温で19時間攪拌する。反応混合液をジエチルエーテル(12mL)で希釈し、沈殿物を10分間粉末化して濾過する。単離された固体をジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥することにより、表題化合物であるC2117Sを得る。mp212〜215℃(dec)。FABMS:MH420(61%)。
【0164】
【化60】

実施例32
エチル3−[[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]−フェニル]アミノ]−3−オキソプロパノエート
8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(2.56g、6.55mmol)、トリエチルアミン(1.0mL、7.17mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(25mg)のジクロロメタン(45mL)攪拌溶液に、エチルマロニルクロライド(1.02g、6.77mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を添加する。室温で72時間攪拌し、次いで、18.5時間還流する。溶媒を真空下でエバポレートし、1,2−ジクロロエタン(50mL)と置換する。トリエチルアミン(1.0mL、7.17mmol)およびエチルマロニルクロライド(1.02g、6.77mmol)を添加し、18時間還流する。反応混合液を室温まで冷却し、単離された固体を濾過し、熱メタノールで粉末化する。混合液を室温まで冷却し、濾過することにより、表題化合物を、二水和物であるC2523S・2HOとして得る。mp237.5〜238℃(dec):MH506(100%)。
【0165】
実施例33
3−[[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]−フェニル]アミノ]−3−オキソプロパン酸
エチル3−[[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アミノ]−3−オキソプロパノエート(387mg、0.765mmol)の0.125N水酸化ナトリウム水溶液中の攪拌懸濁液を60℃で2時間加熱する。反応混合液を室温まで冷却し、溶液のpHを氷酢酸の滴下により4〜5に調整する。水(50mL)で希釈し、濾過する。単離された固体をメタノール(1.5mL)で粉末化し、水(50mL)で希釈し、濾過し、真空乾燥することにより、表題化合物を、一水和物であるC2319S・HOとして得る。mp163〜164℃(dec)。:MH478(100%)。
【0166】
0.100N水酸化ナトリウム水溶液18.86mLを、表題化合物(459mg、0.943mmol)の水(100mL)攪拌懸濁液に添加する。得られた溶液を凍結乾燥し、残渣をジエチルエーテルで粉末化し、濾過し、真空下で乾燥することにより、表題化合物のニナトリウム塩を、二水和物であるC2317SNa・2HOとして得る。mp305(発泡を伴う分解)。FABMS:MH478(16%);MNa500(17%)。
【0167】
本明細書の全体において、「dec」は分解を意味する。
【0168】
実施例34
N−[(4−アミノフェニル)スルホニル−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]グリシン、エチルエステル
【0169】
【化61】

8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(510mg、1.30mmol)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)攪拌溶液に、水素化ナトリウムの鉱油分散液(60%、55mg、1.37mmol)を添加し、室温で30分間攪拌し、次いで、エチルブロモアセテート(0.08mL、0.721mmol)を添加し、室温で5.5時間攪拌する。エチルブロモアセテートの第2の量(0.08mL、0.721mmol)を添加し、室温で18時間攪拌する。混合液を50℃で減圧下においてエバポレートし、エチルアセテートで粉末化し、未変化の出発物質を濾過により除去する。濾液をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、エチルアセテート−メタノール(98:2)の段階的グラジエントで溶出する。単離された生成物をジエチルエーテルで粉末化し、固体を濾過し真空下で乾燥することにより、表題化合物であるC2423Sを得る。mp170−173℃(dec)。FABMS:MH478(100%)。
【0170】
実施例35
N−[(4−アミノスルホニル)フェニル)−N’−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ウレア
【0171】
【化62】

8−アミノ−6−(3−メチルー2−ピリジニル)−1.7−ナフチリジン(160mg、0.675mmol)とトリエチルアミン(0.10mL、0.743mmol)のジクロロメタン(5mL)攪拌溶液に4−クロロスルホニルフェニルイソシアネート(162mg、0.743mmol)の乾燥ジクロロメタン(2mL)懸濁液を4〜6℃で添加する。5〜15℃で1時間攪拌し、次いで室温で23時間攪拌する。イソシアネートの第2の部分(16mg、0.074mmol)を添加し、室温でさらに24時間攪拌する。反応混合液を真空下でエバポレートし、残渣(251mg、0.553mmol)をジクロロメタン)(12mL)に溶解する。アンモニアのメタノール(3.4mL)飽和溶液を添加し、室温で20分間攪拌し、次いで、混合物を減圧下でエバポレートする。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけて、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1→90:9:0.1)の段階的グラジエントで溶出することにより、表題化合物であるC2118Sを得る。mp248.5〜249.5℃(dec):FABMS:MH435(100%)。
【0172】
実施例36
N−[4−[[[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0173】
【化63】

8−アミノ−6−(3−メチルー2−ピリジニル)−1.7−ナフチリジン(10.0g、0.0425mmol)と5%炭素上パラジウム(0.52g)とのメタノール(150mL)中の混合物を50psiで18時間水素化する。3.4Mエーテル含有塩酸(12.5mL、0.0425mmol)で酸性化し、メタノール(200mL)で希釈し、さらに24時間水素化を続ける。反応混合物をセライトを介して濾過し、濾液を減圧下でエバポレートし、残渣をジエチルエーテル(450mL)中で粉末化する。単離された固体を濾過し結晶化することにより、8−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジンの塩酸塩を0.1エタノレートであるC1416として得る。mp255−257℃(dec):CIMS:MH241(100%)。
【0174】
8−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジンヒドロクロライド(1.06g、3.83mmol)、トリエチルアミン(1.1mL、7.66mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(47mg)のジクロロメタン(50mL)溶液を4−アセチルスルファニリルクロライド(984mg、4.21mmol)で処理し、室温で3日間攪拌する。4−アセチルフルファニリルクロライドの更なる量(98mg、0.42mmol)を添加し、室温で4日間攪拌する。反応混合液を0℃まで冷却し、単離された固体を濾過しエタノールから結晶化することにより、表題化合物を、半水和物であるC2223S・0.5HOとして得る。mp247−249℃(dec):FABMS:MH438(86%)。
【0175】
実施例37
4−アミノ−N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0176】
【化64】

8−(p−アセトアミドベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチルー2−ピリジニル)−1.7−ナフチリジン(1.20g、2.77mmol)と3.4Mエーテル含有塩酸(0.9mL、3.06mmol)とのメタノール(50mL)溶液に5%炭素上パラジウムを添加する。56psiで20時間水素化し、濾過により触媒を除去し、濾液を減圧下でエバポレートする。残渣をジクロロメタン(25mL)と1.1M重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)とで18時間攪拌する。層を分離し、有機相を水(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去することにより、表題化合物とN−[4−[[[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−(3−メチル−2−ピリジル)−1.7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミドとの混合物を得る。混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけて、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.1→95:5:0.1)の段階的グラジエントで溶出し、部分的に純化した表題化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(2〜2.5mL)から結晶化する。濾過し、収集した固体をエタノールおよびジエチルエーテルで連続的に洗浄して、真空乾燥することにより、表題化合物であるC2021Sを得る。mp291〜292℃(dec):FABMS:MH396(100%)。
【0177】
実施例38
4−[[[ジフェニルメチル)アミノ]カルボニル]アミノ]−N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0178】
【化65】

8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(0.43g、1.10mmol)、トリエチルアミン(0.183mL、1.32mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.03g)のジクロロメタン(25mL)中の攪拌懸濁液にトリクロロメチルクロロホルメート(0.16mL、1.32mmol)を25℃で急速に添加する。室温で1時間攪拌する。得られた懸濁液をジクロロメタン(20mL)で希釈する。アミノジフェニルメタン(0.50mL、2.9mmol)を添加し、室温で3日間攪拌する。アミノジフェニルメタンの更なる量(0.25mL、1.45mmol)を添加し、室温で2.5時間攪拌し、トリエチルアミン(0.61mL、4.4mmol)を添加し、24時間還流する。反応混合液を室温まで冷却し、固体をジクロロメタンで濾過し洗浄する。濾液と洗浄液とを合わせて減圧下でエバポレートし、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出する。単離された生成物をN,N−ジメチルホルムアミド−水から結晶化し、濾過し、固体を、水およびエタノールで連続的に洗浄し、65℃で18時間真空乾燥することにより、表題化合物であるC3428Sを得る。mp255〜256.5℃(dec)。FABMS:MH601(100%)。
【0179】
実施例39
N−[4−[[[3−(3−メチル−4−ピリジニル)−2,6−ナフチリジン−1−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0180】
【化66】

1−アミノ−3−(3−メチル−4−ピリジニル)−2,6−ナフチリジン(814g、3.44mmol)とN−アセチルスルファニリルクロライド(885mg、3.79mmol)とのピリジン(25mL)懸濁液を室温で20時間攪拌する。N−アセチルスルファニリルクロライドの第2の量(411mg、1.76mmol)を添加し、室温で24時間攪拌する。反応混合液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1→90:9:0.1)の段階的グラジエントで溶出する。単離された生成物をエタノールから結晶化し、濾過し、真空乾燥することにより、表題化合物を、0.25水和物であるC2219S・0.25HOとして得る。mp244.5〜245.5℃。FABMS:MH434(100%)。
【0181】
実施例40
N−[4−[[[3−フェニル−2,7−ナフチリジン−1−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0182】
【化67】

1−アミノ−3−フェニル−2,7−ナフチリジン(756mg、3.42mmol)とN−アセチルスルファニリルクロライド(798mg、3.42mmol)とのピリジン(25mL)溶液を室温で72時間攪拌する。N−アセチルスルファニリルクロライドの更なる量(200mg、0.854mmol)を添加し、室温で2.5時間攪拌する。反応混合液を40℃まで温め、室温で7.5時間攪拌する。反応混合液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1→90:9:0.1)の段階的グラジエントで溶出する。単離された生成物をイソプロピルアルコール(100mL)中で還流し、濾過し、固体をメタノールで洗浄し、真空乾燥することにより、表題化合物であるC2218Sを得る。mp189.5〜190.5℃(dec)。FABMS:MH419(27%)。
【0183】
実施例41
N−[4−[[[3−(4−メチル−3−ピリジニル)−2,7−ナフチリジン−1−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0184】
【化68】

1−アミノ−3−(4−メチル−3−ピリジニル)−2,6−ナフチリジン(929mg、3.93mmol)とN−アセチルスルファニリルクロライド(1.01g、4.32mmol)とのピリジン(22mL)懸濁液を室温で24時間攪拌する。N−アセチルスルファニリルクロライドの第2の量(102mg、0.438mmol)を添加し、室温で72時間攪拌する。N−アセチルスルファニリルクロライドの第3の部分(109mg、0.468mmol)を添加し、室温で32時間攪拌する。反応混合物を真空下で濃縮し、ジクロロメタン−水(25mL/10mL)混合物中で残渣を分配し、混合物をセライトを介して濾過する。濾液の層を分離し、ジクロロメタン(2×5mL)で水層を抽出し、合わせた抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(90:9:0.1)で溶出する。生成物の豊富なフラクションを合わせ、再度クロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出することにより、表題化合物を0.75水和物であるC2219S・0.75HOとして得る。mp143.5〜148.5℃(dec)。CIMS:MH434(100%)。
【0185】
実施例42
メチル[[2−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ヒドラジノ]スルホニル]アセテート
【0186】
【化69】

ジクロロメタン(75mL)中の8−ヒドラジノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(1.09g、4.34mmol)、トリエチルアミン(0.67mL、4.81mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(18mg)の撹拌された溶液に、ジクロロメタン(25mL)中のメチル2−クロロスルホニルアセテート(0.83g、4.81mmol)の溶液を加え、得られた混合液を室温にて23時間撹拌する。反応混合液を真空下で濃縮し(concentrate)、水(50mL)で残渣を粉末化し、固体を濾過し、そしてフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出)し、表題化合物C1717S、mp139.5〜140.5℃(dec)を得る。FABMS:MH388(100%)。
【0187】
実施例43
4−[[2−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]ヒドラジノ]スルホニル]安息香酸
【0188】
【化70】

ジクロロメタン(25mL)中の8−ヒドラジノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(257mg、1.02mmol)、トリエチルアミン(0.16mL、1.12mmol)、4−クロロスルホニル安息香酸(247mg、1.12mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(24mg)の混合液を室温にて24時間撹拌する。固体を濾過し、水(15mL)で撹拌し、単離した固体を再濾過し、そしてフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、アセトニトリル−メタノール−酢酸(4:1:0.1)で溶出)する。生成物をジエチルエーテルで粉末化し、濾過し、そして真空乾燥し、これにより、遊離酸の形態の0.5水和物としての表題化合物C2117S・0.5HOを得る。FABMS:MH436(5%)。
【0189】
遊離酸の形態の表題化合物の溶液(67mg、0.15mmol)および水(20mL)中の0.100N水酸化ナトリウム水溶液(0.15mmol)1.5mLを撹拌する。エタノール−イソプロピルエーテルからの残渣を凍結乾燥および結晶化し、これにより、ナトリウム塩の形態の表題化合物C2116SNa、mp217〜221℃(dec)を得る。FABMS:MH436;[MNa+H]458。HRMS:[MNa+H]458.0917(実測値);458.0899(計算値)。
【0190】
実施例44
[[[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]アセチル]アミノ]酢酸
【0191】
【化71】

ジクロロメタン(50mL)中の[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸(572mg、1.60mmol)およびトリエチルアミン(0.22mL、1.60mmol)の懸濁液を0.5時間撹拌する。1−(N,N−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(367mg、1.92mmol)を加え、そして室温にて48時間撹拌する。濾過を行い、これにより、表題カルボン酸の分析的に純粋なt−ブチルエステルを得る。濾液をエバポレートし、メタノール−イソプロピルエーテルからの残渣を結晶化し、これにより、さらなるt−ブチルエステルを得る。FABMS:MH472(100%)。
【0192】
トリフルオロ酢酸(6.1mL)中のt−ブチルエステルの形態の表題化合物(350mg、0.742mmol)の溶液を室温にて1時間撹拌する。減圧下で溶媒を除去し、残渣をエタノール(20mL)で粉末化し、これにより、粗表題酸(crude title acid)を得る。エタノール(25mL)から粗酸を結晶化し、結晶化した固体をジエチルエーテル中で30分間還流し、室温まで冷却し、そして、濾過し、これにより、0.125水和物としての表題化合物C1817S、mp217〜218℃(dec)を得る。FABMS:MH416(100%)。
【0193】
水(20mL)中の表題酸(177mg、0.424mmol)の磁気撹拌した懸濁液(magnetically stirred suspension)に、0.100M水酸化ナトリウム(4.24mL、0.424mmol)を加える。得られた溶液を凍結乾燥し、これにより、分析的に純粋なナトリウム塩の形態の1/8水和物としての表題化合物C1816SNa・0.125H0、mp〜170℃(dec)を得る。FABMS:MH416(73%);MNa438(100%)。
【0194】
実施例45
2−[[[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]アセチル]アミノ]ブタン二酸(butanedioic acid),二ナトリウム塩
【0195】
【化72】

乾燥ジクロロメタン(25mL)中の[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸(457mg、1.27mmol)、L−アスパラギン酸,ジ−t−ブチル塩酸エステル(358mg、1.27mmol)、およびトリエチルアミン(0.18mL、1.29mmol)の混合液を室温にて10分間撹拌する。1−(N,N−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(293mg、1.53mmol)を加え、室温にて72時間撹拌する。減圧下で溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー処理(ジクロロメタン−メタノール−濃水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出)し、これにより、表題ジカルボン酸の粗ジ−t−ブチルエステルを得る。ジ−t−ブチルエステル(599mg、1.02mmol)をトリフルオロ酢酸(2mL)中に溶解し、溶液を室温にて18時間放置する。減圧下で溶媒を除去し、水(5mL)およびジクロロメタン(mL)の間で残渣を分配する(partition)。水層を連続的にジクロロメタン(5mL)およびジエチルエステル(3mL)で洗浄する。減圧下で水層から水を除去し、これにより、粗表題酸(遊離形態)を得る。メタノール−イソプロピルエーテルから結晶化し、次いで、メタノール(25mL)中で還流し、室温まで冷却し、そして、濾過し、これにより、分析的に純粋な遊離形態の表題酸C2019S、mp207〜208℃(dec)を得る。FABMS:MH474(12%)。
【0196】
水(50mL)中の表題遊離酸(226mg、0.476mmol)の磁気撹拌した懸濁液に、0.10M水酸化ナトリウム(9.52mL、0.952mmol)を加える。得られた溶液を凍結乾燥し、五酸化リン上で残渣を真空乾燥し、これにより、分析上純粋なニナトリウム塩の形態の二水和物としての表題化合物C2017SNa・2HO、mp約208℃(dec)を得る。FABMS:MH474(15%);MNa496(49%)。
【0197】
実施例46
N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−O−[[[[(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]アセチル]セリンフェニルメチルエステル
【0198】
【化73】

乾燥ジクロロメタン(50mL)中の[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸(533mg、1.49mmol)、N−t−Boc−L−セリン,ベンジルエステル(483mg、1.63mmol)、1−(N,N−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(DEC・HCl、314mg、1.63mmol)、および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(21mg)の懸濁液を室温にて3日間撹拌する。還流し、そして以下のスケジュールに従って、さらなる量の保護セリン(protected serine)、次いでDEC・HClを加える:7.5時間後、保護セリン(75mg、0.253mmol)、次いでDEC・HCl(48mg、0.253mmol);23.5時間後、保護セリン(136mg、0.459mmol)、次いでDEC・HCl(88mg、0.456mmol)。室温にて18時間撹拌し、別の量の保護セリン(48mg、0.163mmol)、次いでDEC・HCl(31mg、0.163mmol)を加え、さらに5日間室温にて撹拌する。反応混合液をフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(95:5:0.1)で溶出)する。主画分を再クロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出)し、これにより、1/4水和物としての表題化合物C3133S・0.25HO、mp77〜81.5℃を得る。FABMS:MH636(9%)。
【0199】
実施例47
N−[4−[[メチル−6−(3−メチルピリジン−2−イル]−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド
【0200】
【化74】

乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(19mL)中のN−[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド(841mg、1.94mmol)の撹拌された懸濁液に、60%の水素化ナトリウム−鉱物油分散物(85.4mg、2.14mmol)を加える。室温にて20分間撹拌する。ヨウ化メチル(303mg、2.13mmol)を加え、室温にて21時間撹拌する。2回めの部分(portion)のヨウ化メチル(83mg、0.582mmol)を加え、室温にて5時間撹拌し、減圧下で溶媒を除去する。ゴム状の(gummy)残渣をクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、段階勾配のジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.125→95:5:0.125)で溶出)し、これにより、表題化合物C2321S、mp227〜228.5℃を得る。FABMS:MH448(34%)。
【0201】
実施例48
N−[4−[[[6−(3−メチルピリジン−2−イル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド−N’N−オキシド
【0202】
【化75】

乾燥ジクロロメタン(325mL)中のN−[4−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]フェニル]アセトアミド(1.09g、2.51mmol)、および80〜85%のm−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA;600mg、2.87mmol)の撹拌された懸濁液を46時間還流する。さらに3分割してm−CPBAを以下のようにして加える;10時間後、30mg(0.146mmol);26時間後、120mg(0.574mmol);42時間後、86mg(0.412mmol)。反応混合液を室温まで冷まし、これを10%の重硫酸ナトリウム溶液(100mL)および水(50mL×2)で連続的に洗浄し、そして、無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。乾燥剤を濾過除去し、真空中で溶媒を除去し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(80:18:0.25)で溶出)し、これにより、表題化合物C2219S、mp230〜231.5℃(dec)を得る。FABMS:MH450(100%)。
【0203】
実施例49
N−[4−[[[6−(3−メチルピリジン−2−イル]−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルフィニル]フェニル]アセトアミド
【0204】
【化76】

乾燥ジクロロメタン(28mL)中の8−アミノ−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(962mg、4.07mol)およびトリエチルアミン(453mg、4.48mmol)の撹拌した溶液に、4−(アセチルアミノ)塩化ベンゼンスルフィニル(974mg、4.48mmol)、および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP;50mg、0.410mol)を室温にて連続的に加える。反応混合液を室温にて2時間撹拌し、20時間還流し、次いで室温まで冷ます。トリエチルアミン(114mg、1.12mmol)および4−(アセチルアミノ)塩化ベンゼンスルフィニル(244mg、1.12mmol)をそれぞれもう1部分ずつ加え、そして室温にて18.5時間撹拌する。それぞれ3回めの部分のトリエチルアミン(57mg、0.56mmol)および4−(アセチルアミノ)塩化ベンゼンスルフィニル(122mg、0.56mmol)を加え、そして室温にて4日間撹拌する。反応混合液を水(10mL)で希釈し、層を分離し、有機相を水(10mL×2)で洗浄する。無水硫酸マグネシウム上で有機相を乾燥させる。乾燥剤を濾過除去し、真空中で溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニア(90:9:0.125)で溶出)し、これにより、表題化合物C2219S、mp206〜207℃(dec)を得る。FABMS:MH418(67%)。
【0205】
実施例50
N−[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
【0206】
【化77】

8−(p−アミノベンゼンスルホンアミド)−6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン(590mg、1.51mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム(4.28g)のよく混合した混合液(intimate mixture)を調製し、この混合液を丸底フラスコに移し、2−ブロモエチルベンゼン(0.23mL、1.66mmol)を加え、油浴中、115℃で3時間加熱する。ジイソプロピルエチルアミン(0.30mL、1.72mmol)を加え、115℃でさらに2時間加熱する。この混合液を室温まで冷まし、残渣を水(2×25mL)で粉末化する。単離した固体を濾過し、そしてフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(98:2:0.1)で溶出)し、これにより、表題化合物C2825S、mp152〜153.5℃を得る。FABMS:MH496(100%)。
【0207】
実施例51
2−(2−メトキシエトキシ)エチル[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]アセテート
【0208】
【化78】

濃硫酸(0.5mL)を含む2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(15mL)中の[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸(660mg、1.84mmol)の溶液を80℃で2時間加熱する。反応溶液を75〜80℃、減圧下(1〜2Torr)で容積約3mLに濃縮する。この濃縮液をジクロロメタン(15mL)中に溶解し、この溶液を飽和水性炭酸ナトリウム溶液で洗浄することによって中和する。有機層を分離し、水(3×5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾燥剤を濾過除去し、そして濾液を真空下でエバポレートする。残渣をフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、ジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(90:9:0.1)で溶出)し、これにより、粘性の油として表題化合物を得る。この油を、ヘキサン、次いでイソプロピルエーテル(5mL)で連続的に粉末化し、これにより、固体として表題化合物C2124S、mp89.5〜92℃(dec)を得る。FABMS:MH461(46%)。
【0209】
実施例52
N−ヒドロキシ−2−[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]アセトアミド
【0210】
【化79】

水(40mL)中の[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸、メチルエステル(252mg、0.675mmol)、塩酸ヒドロキシアミン(235mg、3.38mmol)、およびトリエチルアミン(1.03g、10.1mmol)の溶液を室温にて42時間撹拌する。真空下、≦50℃で水を除去し、残渣をジクロロメタン(50mL)とともに撹拌し、そして濾過する。単離した固体をメタノール(100mL)中で2時間還流し、室温まで冷まし、濾過し、これにより、その遊離酸の形態の1.75水和物としての表題化合物C1615S・1.75HO、mp168.5〜169℃(dec)を得る。FABMS:MH374(5%)。
【0211】
水(5mL)中の表題酸(76mg、0.202mmol)の撹拌された懸濁液に、0.100N水酸化ナトリウム溶液(4.04mL、4.04mmol)を加える。減圧下、55℃でエタノールを用いて共沸させることによって、得られた溶液から水を除去する。残渣をジエチルエーテルで粉末化し、そして濾過し、これにより、二ナトリウム塩の形態の表題化合物C1613SNa、mp217〜218.5℃(dec)を得る。FABMS:2Na塩としてMH418(85%)。
【0212】
実施例53
2−[[[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]アセチル]アミノ]エタンスルホン酸,ナトリウム塩
【0213】
【化80】

N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中の[[[6−(3−メチル−2−ピリジニル)−1,7−ナフチリジン−8−イル]アミノ]スルホニル]酢酸(409mg、1.14mmol)の撹拌された溶液(混濁(cloudy))に、1−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(DEC・HCl、328mg、1.71mmol)およびタウリンのナトリウム塩(168mg、1.14mmol;等量の水性水酸化ナトリウムと処理し、そして凍結乾燥によって水を除去することにより酸から調製)を連続的に加える。反応混合液を室温にて4時間撹拌する。減圧下で溶媒を除去し、ゴム状残渣(residual gum)をメタノール(2mL)とともに撹拌し、エーテル(25mL)で希釈し、そして上澄をデカンテーションする。残渣をジエチルエーテル(25mL)で粉末化して、そしてデカンテーションを行う。残渣を水(15mL)中に溶解し、ジクロロメタン(5mL×4)で洗浄し、そして減圧下、55〜60℃で溶媒を除去する。メタノール−アセトニトリルからの残渣を結晶化する。一部精製された固体をフラッシュクロマトグラフィー処理(シリカゲルを用い、段階勾配のアセトニトリル−酢酸−水(50:1:1→20:1:1→10:1:1→5:1:1)で溶出)する。メタノール(30mL)からの主画分を結晶化して、これにより、1.25水和物としての表題化合物C1818Na・1.25HO、mp256.5〜258℃(dec)を得る。FABMS:MH466(47%)、MNa488(69%)。
【産業上の利用可能性】
【0214】
本発明により以下が提供される:
1.以下の式で表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0215】
【化81】

ここで、Eは、
【0216】
【化82】

であり、ここで、WWは、アリールまたはヘテロアリール;そして
Aは、CH、S、NまたはN→O;
L、M、X、Z、W、T、U、およびVは、それぞれ独立してCH、NまたはN→Oであり、但し、L、T、U、およびVのうちの1つのみがNまたはN→Oであり得、さらに、M、X、Z、およびWのうちの1つのみがNまたはN→Oであり得;
Yは、Hまたは−CH
Y’は、H、低級アルキル、フェニル、フェニル−低級アルキル;
Qは、H、低級アルキルO(O)CCH−、低級アルキル、または低級アルキル(O)C−、
a、b、c、g、h、およびjは、それぞれ独立して0または1;
fは1または2;
nは1から6;
ttは0または1;
は、H、OH、aおよびbが共に0のときハロ、C〜C10のアルキル、C〜Cのアルコキシ、−OCHPh、−CHPh、−CHCHPh、シクロヘキシル、CHC(O)OC;−O(CHO−(CHOCH、aおよびbが共に0のとき−COH;NHCHPh、NH(CO)CH、−NH、aが0のとき−OH、アリール、−CHC(O)OH、−CHC(O)ONa、フェニル、置換されたフェニル、
【0217】
【化83】

またはaおよびbが共に0のとき−SONH
Jは、SOCHCONH(CHSONa、−SOCHPh、−SOCHC(O)NHOH、−SOCHCOH、−SOCHCONa、−SOCHCO(CHO(CHOCH、−SO(CHCH、−S(O)CHCOCH、−S(O)CHC(O)NHCHC(O)OH、SOCH、−S(O)CHC(O)NHCHC(O)Na、−S(O)CHC(O)NH(CHSONa、−S(O)CHCONa、−SOCHCHOH、−SO(CHC(O)−アミノ酸、−SO(CHC(O)−保護されたアミノ酸;−SO(CHX’;ここで、X’は、エステルまたはアミド、およびnは1から6。
【0218】
2.Eが
【0219】
【化84】

である、上記項1に記載の化合物。
【0220】
3.Eが
【0221】
【化85】

である、上記項1に記載の化合物。
【0222】
4.Eが
【0223】
【化86】

である、上記項1に記載の化合物。
【0224】
5.Eが
【0225】
【化87】

であり、ここで、WWがアリールまたはヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【0226】
6.以下の式で表される、上記項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0227】
【化88】

ここで、aは、0または1;
bは0または1;そして
は、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、−OCHPh、または−CHPh。
【0228】
7.aが1、bが1、そしてRが−CHである、上記項6に記載の化合物。
【0229】
8.Rが、C〜Cのアルキルである、上記項6に記載の化合物。
【0230】
9.Rが、−OCHPhである、上記項6に記載の化合物。
【0231】
10.Rが、−CHPhである、上記項6に記載の化合物。
【0232】
11.以下からなる群から選択される上記項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0233】
【化89】

またはカルボン酸のナトリウム塩;
【0234】
【化90】

【0235】
【化91】

【0236】
【化92】

【0237】
【化93】

【0238】
【化94】

【0239】
【化95】

【0240】
【化96】

【0241】
【化97】

【0242】
【化98】

【0243】
【化99】

【0244】
【化100】

【0245】
【化101】

【0246】
【化102】

【0247】
12.以下からなる群から選択される化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0248】
【化103】

【0249】
13.上記項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0250】
【化104】

【0251】
14.上記項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0252】
【化105】

【0253】
15.上記項1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【0254】
【化106】

【0255】
16.治療に有効な量の上記項1に記載の化合物を薬学的に受容可能なキャリアと共に含む薬学組成物。
【0256】
17.アレルギー、炎症、自己免疫疾病、B−細胞リンパ腫、腫瘍、または骨髄移植の後遺症を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、治療に有効な量の上記項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【0257】
18.本明細書の実施例1から58の方法を実施することを含む、または該明細書の該実施例1から58に類似した方法を実施することによる、本発明の化合物を調製するプロセス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された化合物。

【公開番号】特開2008−255119(P2008−255119A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117917(P2008−117917)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【分割の表示】特願平10−502998の分割
【原出願日】平成9年6月18日(1997.6.18)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】