説明

IMSにおけるサービスプロファイル処理

【課題】IPマルチメディアサブシステム(IMS)におけるIMSパブリックユーザアイデンティティ(IMPU)とサービスプロファイル間の関係を、ホーム加入者サーバ(HSS)以外のエンティティに通知する。
【解決手段】IPマルチメディアサブシステム加入を処理するホーム加入者サーバは、複数のパブリックユーザアイデンティティと複数のサービスプロファイル間の関係を保持する手段と、ネットワークノードに対する、共通のサービスプロファイルに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する手段とを備え、複数のパブリックユーザアイデンティティの2つ以上は、共通のサービスプロファイルに関連付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、IPマルチメディアサブシステムにおけるサービスプロファイル処理のための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
IPマルチメディアサブシステム(IMS)は、移動通信ネットワークを介してIPマルチメディアサービスを提供するための第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)によって定義される技術である(3GPP TS22.228、TS23.228、TS24.229、TS29.228、TS29.229、TS29.328、TS29.329 リリース5及びリリース6)。IMSは、サービスの統合及び対話を通じて、エンドユーザ個人間の通信経験を充実させるための鍵となる特徴を提供する。IMSは、新規の個人間(クライアント間)に加えて、個人とコンテンツ間(クライアントとサーバ間)でのIPベースのネットワークを介する通信を可能にする。IMSは、セッション開始プロトコル(SIP)を使用することで、ユーザ端末(UE)間あるいはUEとアプリケーションサーバ(AS)間の呼あるいはセッションをセットアップし、制御する。SIPシグナリングによって搬送される、セッション記述プロトコル(SDP)は、セッションのメディアコンポーネントを記述し、かつネゴシエートするために使用される。SIPはユーザ間プロトコルとして生成されている一方で、IMSは、オペレータ及びサービスプロバイダに、サービスへのユーザによるアクセスを制御し、かつそれに従ってユーザから課金を行なうことを可能にする。
【0003】
図1は、IMSアーキテクチャと、その内部及び外部インタフェースを示している。呼/セッション制御機能(CSCF)は、IMS内のSIPエンティティとして動作する。3GPPアーキテクチャは、CSCFとして、プロキシCSCF(P−CSCF)、サービング(Serving:在圏)SCSF(S−CSCF)及びインタロゲーティング(Interrogating:尋問)CSCF(I−CSCF)の3つのタイプを定義している。P−CSCFは、SIP端末に対するIMS内の最初の接続点である。S−CSCFは、加入しているユーザへサービスを提供する。I−CSCFの役割は、正規のS−CSCFを識別し、かつP−CSCFを介してSIP端末から受信するリクエストをそのS−CSCFへ転送することである。
【0004】
ユーザは、特定のSIP登録方法を使用してIMSに登録する。これは、IMSへ接続し、SIPユーザアイデンティティが到達することができる位置のアドレスをそのIMSへ通知するメカニズムである。3GPPでは、SIP端末が登録を実行する場合、IMSはユーザを認証し、利用可能なS−CSCFのセットから、そのユーザへS−CSCFを割り当てる。S−CSCFを割り当てるための条件は3GPPでは特定されていないので、これには、負荷分散及びサービス要件を含んでいても良い。ここで、S−CSCFの割当は、IMSベースのサービスへのユーザによるアクセスを制御して、課金を行なうために重要であることに注意されたい。オペレータは、S−CSCFをバイパスすることになる、ユーザ間の直接のSIPセッションを防止するためのメカニズムを提供することができる。
【0005】
登録処理中に、S−CSCFがまだ選択されてない場合、I−CSCFは、S−CSCFの選択を担当する。I−CSCFは、ホームネットワークのホーム加入者サーバ(HSS)から必要なS−CSCFケイパビリティを受信し、その受信したケイパビリティに基づいて適切なS−CSCFを選択する。ここで、ユーザが別のパーティによって呼び出され、かつそのユーザが現在S−CSCFに割り当てられてない場合には、S−CSCF割当がI−CSCFによってユーザに対して実行されることに注意されたい。次に、登録されたユーザがセッションリクエストをIMSへ送信する場合、P−CSCFは、登録処理中に、S−CSCFから受信される情報に基づいて、そのリクエストを、選択されたS−CSCFへ転送することができる。
【0006】
各IMSユーザは、1つ以上のプライベートユーザアイデンティティを所有している。プライベートユーザアイデンティティは、ホームネットワークオペレータによって割り当てられ、また、IMSによって、例えば、登録、認可、管理及びアカウンティング(会計)目的のために使用される。このアイデンティティは、RFC2486で定義されるネットワークアクセス識別子(NAI)の形式を採用している。この形式は、プライベートユーザアイデンティティに対するNAIに含まれる国際移動加入者アイデンティティ(IMSI)の表現に対しても採用可能である。3GPP TS23.228は、プライベートユーザアイデンティティの以下のプロパティを指定している。
【0007】
−プライベートユーザアイデンティティは、SIPメッセージのルーティング用には使用されていない。
【0008】
−プライベートユーザアイデンティティは、UEからホームネットワークへ渡される、すべての登録リクエスト(再登録及び登録抹消リクエストを含む)に含まれるべきである。
【0009】
−IPマルチメディアサービスアイデンティティモジュール(ISIM)アプリケーションは、1つのプライベートユーザアイデンティティを安全に記憶すべきである。ISIMアプリケーションに記憶されているプライベートユーザアイデンティティ情報を変更することを、UEに対して可能とするべきでない。
【0010】
−プライベートユーザアイデンティティは、ホームネットワークオペレータによって定義される固有のグローバルアイデンティティであり、これは、ネットワークの観点からは、ユーザの加入(即ち、IMサービスケイパビリティ)を識別するためにホームネットワーク内で使用され得る。プライベートユーザアイデンティティは、ユーザではなく加入を識別する。
【0011】
−プライベートユーザアイデンティティは、ユーザの加入に対して永久的に割り当てられるべきであり(動的なアイデンティティではない)、また、ホームネットワークについてのユーザの加入期間に対して有効である。
【0012】
−プライベートユーザアイデンティティは、HSS(例えば、登録中に使用するための)内で記憶されるユーザの情報(例えば、認証情報)を識別するために使用される。
【0013】
−プライベートユーザアイデンティティは、オペレータポリシーに基づいて、課金レコード内に存在し得る。
【0014】
−プライベートユーザアイデンティティは、ユーザの登録(再登録及び登録抹消を含む)中だけに認証される。
【0015】
−HSSは、プライベートユーザアイデンティティを記憶することを必要とする。
【0016】
−S−CSCFは、登録及び登録抹消終了時には、プライベートユーザアイデンティティを取得し、記憶することを必要とする。
【0017】
プライベートユーザアイデンティティに加えて、各IMSユーザは、1つ以上のIMSパブリックユーザアイデンティティ(IMPU)を有している。IMPUは、他のユーザとの通信をリクエストするために、任意のユーザによって使用される。ユーザは、例えば、ビジネスカード(名刺)上にIMPU(プライベートユーザアイデンティティではなく)を含ませることができる。3GPP TS 23.228は、IMPUの以下のプロパティを指定している。
【0018】
−電話番号付スキームとインターネット名前付けスキームの両方は、ユーザが有するIMPUに依存するユーザにアドレス付けするために使用することができる。
【0019】
−IMPU(群)は、SIP URIの形式を採用するべきである(RFC3261及びRFC3296で定義される、あるいはRFC3966で定義される「tel:」−URIフォーマット)。
【0020】
−ISIMアプリケーションは、少なくとも1つのIMPUを安全に記憶すべきであるが(UEに対しては、IMPUを変更することを可能にするべきでない)、追加のIMPUのすべてがISIMアプリケーションに記憶されることは必要とされない。
【0021】
−IMPUは、IMSセッションと、IMSセッションとは関係のない処理を生成するためにアイデンティティが使用される前に、明示的にあるいは暗黙的に登録されるべきである。
【0022】
−IMPUは、IMSセッションの終了、IMSセッションとは関係のない処理の終了がIMPUに属するユーザのUEへ配信される前に、明示的あるいは暗黙的に登録されるべきである。
【0023】
−IMS内のメカニズムを介して1つ以上のIMPUを有するユーザを大局的に(即ち、1つの単一のUEリクエストを介して)登録することを可能とするべきである。これは、必要な場合に、ユーザ自身のIMPUのいくつかを個別に登録することからユーザを排除すべきではない。
【0024】
−登録中は、IMPUは、ネットワークによって認証されない。
【0025】
−IMPUは、HSS内のユーザの情報を識別するために使用されても良い(例えば、移動終了セッションセットアップ中)。
【0026】
−IMPUは、ユーザに適用されるサービスコンフィグレーション(構成:configuration)データを識別するために、IMS内のASによって使用されても良い。
【0027】
図2は、ユーザ(IMS)加入、パブリックユーザアイデンティティ、及びプライベートユーザアイデンティティ間の関係の例を示している。この例では、加入者は、2つのプライベートユーザアイデンティティを有していて、これらは2つのパブリックユーザアイデンティティに関連付けられている(パブリックユーザアイデンティティの1つであるパブリックユーザアイデンティティ−2は、2つのプライベートユーザアイデンティティの両方に関連付けられている)。サービスプロファイルは、各パブリックユーザアイデンティティに関連付けられていて、このプロファイルは、関連するパブリックユーザアイデンティティに対するサービスデータを特定している。アプリケーションサーバが、ホーム加入者サーバでユーザに対してプロビジョンされる場合に、サービスプロファイルが生成されるあるいは変更される。各サービスプロファイルは、IMSサービスのプロビジョンを起動するあるいは制限するために使用される、1つ以上の初期フィルタ条件(iFC)を備えている。サービスプロファイル−1とサービスプロファイル−2によって提供されるサービス間の違いはオペレータ専用によるものであるが、様々なアプリケーションサーバ(AS)を介在することができ、また、様々な課金/格付けスキームを介在することができる。
【0028】
この例では、パブリックユーザアイデンティティ−1はサービスプロファイル−1に関連付けられていて、パブリックユーザアイデンティティ−2とパブリックユーザアイデンティティ−3はサービスプロファイル−2に関連付けられている。典型的な状況では、パブリックユーザアイデンティティ−1は、ユーザが友人及び家族に与えるアイデンティティ、例えば、「Big_Joe@priv.operator.com」であっても良く、一方、パブリックユーザアイデンティティ−2とパブリックユーザアイデンティティ−3は、ユーザが取引相手に与えるアイデンティティ、例えば、「+46111222333@operator.com」及び「joe.black@operator.com」であっても良い。
【0029】
IMSサービスネットワーク内では、アプリケーションサーバ(AS)は、IMSサービス機能を実現するために提供される。与えられるUEに対しては、1つ以上のASは、その端末に関連付けられていても良い。図3aは、ASとS−CSCF間のIMSサービス制御(ISC)インタフェースと、IMS内の他のインタフェースを示している。図3aのASはS−CSCFへの単一のインタフェースだけを有しているように示されているが、実際には、ISCインタフェースは、与えられるオペレータのネットワークの多くの(あるいはすべての)CSCFサーバが接続されている通信ネットワークを介して延伸されることで、ASがこれらのCSCFのすべてと通信することが可能となることが理解されるであろう。[図3aに示される他のエンティティは、当業者には周知である。]
更なるインタフェース(Ut)が、図3bに示されるように、ASとUE(TS23.002)間に存在している。Utインタフェースは、ユーザに、自身のサービスに関連する情報を管理することを可能にする。このサービスには、例えば、パブリックサービスアイデンティティの生成及び割当、例えば、「プレゼンス(存在)」サービスによって使用される認証ポリシーの管理、会議、ポリシー管理等がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明の要約
TS23.228に従えば、IMPUとサービスプロファイル間の関係、特に、複数のIMPUと1つのサービスプロファイル間のリンクは、ホーム加入者サーバ(HSS)で把握されている。しかしながら、このリンクは、IMPUが同一セットのフィルタ条件、加入媒体等を共有することを示しているだけで、HSS(アプリケーションサーバ)とは別に記憶されている一般的なユーザプロファイルについての指示は提供しておらず、また、同一のサービスプロファイル(即ち、それらが「エイリアス」であるかどうか)を共有するIMPU間の関係についての前提を持っていない。
【0031】
本発明の発明者は、UEに関連付けられている任意のアプリケーションサーバ(群)及びUE自身を含む、HSS及びS−CSCF以外のエンティティには、サービスプロファイルとIMPUを関連付ける情報が提供されず、また、依然として、それらの他のエンティティは、その情報を使用することができることを認識している。例えば、アプリケーションサーバは、1つのサービスプロファイルを共有する2つのIMPUに基づいて、その2つのIMPUに関連付けられているサービスコンフィグレーション情報へのリンクを行いたい場合がある。
【0032】
図2を参照して説明される例では、パブリックユーザアイデンティティ−1は、ビジネス用途ではないパーソナルプロファイルに関連付けられていて、パブリックユーザアイデンティティ−2とパブリックユーザアイデンティティ−3はビジネス用途であり、また、同一のサービスコンフィグレーションデータを有するものとされている。パブリックユーザアイデンティティ−1に関連する動作及びデータは、パブリックユーザアイデンティティ−2あるいはパブリックユーザアイデンティティ−3に関連する動作及びデータとは別に処理する必要があり、一方、パブリックユーザアイデンティティ−2とパブリックユーザアイデンティティ−3に関連する動作及びデータは同一の方法で処理する必要がある。つまり、例えば、パブリックユーザアイデンティティ−2とパブリックユーザアイデンティティ−3に対するセッションの開始とセッションの終了は同一の方法で処理され、これは、例えば、IMSベースのプッシュツートークオーバセルラー(PoC)サービスに対する「禁止(do-not-disturb)」のような補助的なサービス設定データ、あるいは呼転送アドレスマルチメディアテレフォニー条件によるものである。
【0033】
複数のIMPUが関連付けられているという知識なしで、アプリケーションサーバは、各IMPUに対するサービスコンフィグレーションを自身のメモリに記憶しなければならない。これは、多数、例えば、数百万のIMPUがアクティブである場合には、メモリ要件に深刻な影響を及ぼすことになる。同様に、UEがこの知識を持っていない場合、UEは、例えば、Utインタフェースを介する制御が各パブリックユーザ識別子に対して繰り返されなければならないかどうかは分からない。ユーザが、マルチメディアテレフォニーに対する呼転送番号をUtインタフェースを介して更新する場合には、UEは、どのIMPUがその更新を行わなければならないかについての十分な情報を持っていない。例えば、パブリックユーザアイデンティティ−3に対する呼転送番号を更新することは、パブリックユーザアイデンティティ−2に対しても自動的に更新されることを意味しているのか、あるいはUEもUtインタフェースへパブリックユーザアイデンティティ−2に対するリクエストを送信すべきであるかである。これについて間違えることは、ネットワークとUEとが異なる理解をしている場合、例えば、ユーザをグループ(アプリケーションサーバで)へ追加するリクエストがUtインタフェースにおいて問題が生じ得る。
【0034】
現在規定されている3GPPリリースについては、IMSエンティティ(UEを含む)は、すべてのIMPUが別々に処理されることを前提としている。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の目的は、IMPUとサービスプロファイル間の関係を、HSS以外のエンティティへ通知する手段を提供することである。
【0036】
本発明の第1の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステム加入を処理するためのホーム加入者サーバが提供される。これは、
複数のパブリックユーザアイデンティティと複数のサービスプロファイル間の関係を保持する手段と、
ネットワークノードに対する、共通のサービスプロファイルに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する手段とを備え、
前記複数のパブリックユーザアイデンティティの2つ以上は、共通のサービスプロファイルに関連付けられている。
【0037】
本発明の実施形態は、SIPアプリケーションサーバあるいは他のネットワークノードにおけるメモリ記憶要件を緩和し、かつIPマルチメディアサブシステムと関係するネットワーク内のシグナリングの負荷を軽減することが可能である。
【0038】
好ましくは、上記の識別する手段は、登録あるいは再登録処理、呼の終了、あるいはサービスプロファイルの内容の変更に応じて、ネットワークノードへ通知を送信する。
【0039】
好ましくは、上記識別する手段は、1つ以上のサービスプロファイルを含むメッセージを前記ネットワークノードへ送信する手段を備え、前記サービスプロファイルのそれぞれは、それに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する。
【0040】
本発明の実施形態に従えば、このメッセージは、前記サービスプロファイル以外に、共通の暗黙的な登録セットに属するパブリックユーザアイデンティティのセットを含んでいる。
【0041】
本発明の実施形態に従えば、このメッセージは、該メッセージ内に含まれる1つ以上のサービスプロファイルを識別し、その識別されるサービスプロファイルそれぞれのパブリックユーザアイデンティティは、エイリアスパブリックユーザアイデンティティと見なされる。
【0042】
本明細書で使用される用語「エイリアス」は、技術用語と見なされる。これは、エイリアスIMSパブリックユーザアイデンティティの使用あるいは参照は、他のエイリアスパブリックユーザアイデンティティ(群)の使用あるいは参照であること、即ち、ネットワーク行動は、ルールとして、すべてのエイリアスアイデンティティに対して同一であることを意味している。例えば、1つのエイリアスIMSパブリックユーザアイデンティティに関して、アプリケーションサーバへ送信されるサービスデータ/コンフィグレーション変更リクエストは、他のエイリアスパブリックユーザアイデンティティ(群)に対する変更リクエストとしても処理されるべきである。もちろん、サービスデータ/コンフィグレーション変更が1つのエイリアスパブリックユーザアイデンティティ(群)のみに関連している例外的な場合も存在し得る。これには、例えば、エイリアスパブリックユーザアイデンティティ(群)の1つをネットワークから削除すること、あるいはエイリアスIMSパブリックユーザアイデンティティに対して割当られているサービスプロファイルを変更することがある。
【0043】
このネットワークノードは、在圏呼セッション制御機能を備える装置であっても良い。
【0044】
上記の識別する手段は、要求される情報を、Cxサーバ割当回答あるいはプッシュプロファイルリクエストメッセージで、在圏呼セッション制御機能へ搬送することができる。
【0045】
本発明の第2の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステム加入を処理するためのホーム加入者サーバを提供する。これは、
エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持する手段と、
エイリアスのグルーピングの識別情報をネットワークノードへ送信する手段と
を備える。
【0046】
好ましくは、この送信する手段は、登録あるいは再登録処理、呼の終了、あるいはサービスプロファイルの内容の変更に応じて、前記識別情報を送信する。
【0047】
このネットワークノードは、在圏呼セッション制御機能を備える装置あるいはアプリケーションサーバであっても良い。
【0048】
本発明の第3の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムネットワークのユーザへサービスを提供するための呼セッション制御機能を備える装置が提供される。この呼セッション制御機能を備える装置は、
ホーム加入者サーバから、それぞれが自身に関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する、1つ以上のサービスプロファイルを含むメッセージを受信する手段と、
少なくとも1つのサービスプロファイルに、前記パブリックユーザアイデンティティを、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして関連づける手段と
を備える。
【0049】
この呼セッション制御機能は、受信したサービスプロファイル(群)とは別に含まれるパブリックユーザアイデンティティのリストを使用して、暗黙的な登録セットに属するパブリックユーザアイデンティティを識別する手段を更に備えていても良い。
【0050】
この呼セッション制御機能は、エイリアスとの関連付けが適用されるサービスプロファイルを識別する手段を更に備えていても良い。
【0051】
好ましくは、この呼セッション制御機能は、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして識別されるパブリックユーザアイデンティティを識別する、ユーザ端末あるいはネットワークノードへ通知を送信する手段を更に備えていても良い。
【0052】
この呼セッション制御機能は、在圏呼セッション制御機能であっても良い。
【0053】
本発明の第4の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムネットワークにおけるサービスを実行するためのアプリケーションサーバが提供される。このアプリケーションサーバは、
在圏呼セッション制御機能を備える装置あるいはホーム加入者サーバから、2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信する手段とを備える。
【0054】
本発明の第5の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムネットワークへのアクセスをユーザに可能にするためのユーザ端末が提供される。これは、
IPマルチメディアサブシステムネットワークから、当該ユーザ端末の2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見されることを示す通知を受信する手段とを備える。
【0055】
好ましくは、この受信する手段は、在圏呼セッション制御機能を備える装置から通知を受信するように構成されている。
【0056】
本発明の第6の構成に従えば、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティをネットワークノード及びユーザ端末の少なくとも一方へ通知するように、IPマルチメディアサブシステムを制御する方法が提供される。この方法は、
ホーム加入者サーバで、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持するステップと、
グルーピングの情報を、ネットワークノード及びユーザ端末の少なくとも一方へ配信するステップと
を備える。
【0057】
好ましくは、このグルーピングは、サービスプロファイル内で、サービスプロファイルに関連付けられているパブリックユーザアイデンティティとして保持される。
【0058】
好ましくは、この方法は、更に、ホーム加入者サーバから在圏呼セッション制御機能を備える装置へ、それぞれが自身に関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する、1つ以上のサービスプロファイルを含むメッセージを送信するステップを備え、在圏呼セッション制御機能は、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして、少なくとも1つのサービスプロファイルに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する。
【0059】
このメッセージは、Cxサーバ割当回答あるいはプッシュプロファイルリクエストメッセージであっても良い。
【0060】
この在圏呼セッション制御機能は、アプリケーションサーバあるいはユーザ端末へ、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグループを通知しても良い。
【0061】
暗黙的な登録セットに属するパブリックユーザアイデンティティは、サービスプロファイル(群)とは別に、メッセージにリストされても良い。
【0062】
このメッセージは、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティが関連付けられているサービスプロファイルを識別しても良い。
【0063】
この配信するステップは、IPマルチメディアサブシステムでのユーザ端末の登録中あるいはそれに続いて、あるいはユーザ端末に対する呼の終了中あるいはそれに続いて、あるいはサービスプロファイルの内容の変更時に、実行されても良い。
【0064】
この配信するステップは、グルーピング情報を、アプリケーションサーバへShインタフェースを介して送信することを含んでいても良い。
【0065】
ユーザ端末に、Utインタフェースを介してアプリケーションサーバから送信されるシグナリングによって、自身の2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることが通知されても良い。
【0066】
本発明の第7の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムで使用するように構成されているユーザ端末を制御する方法が提供される。この方法は、
IPマルチメディアサブシステムから、ユーザ端末の2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信するステップを備える。
【0067】
本発明の第8の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムのセッション開始プロトコルアプリケーションサーバを制御する方法が提供される。この方法は、
在圏呼/セッション制御機能を備える装置あるいはホーム加入者サーバから、サービスコンフィグレーションの処理のために、2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信するステップを備える。
【0068】
本発明の第9の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムにおけるホーム加入者サーバを制御する方法が提供される。この方法は、
ホーム加入者サーバで、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持するステップと、
グルーピングの情報を、ネットワークノード及びユーザ端末の少なくとも一方へ配信するステップと
を備える
本発明の第10の構成に従えば、IPマルチメディアサブシステムが提供される。これは、
エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持するように構成されているホーム加入者サーバを備え、このホーム加入者サーバは、IPマルチメディアサブシステムでのユーザ端末の登録中あるいはそれに続いて、あるいはユーザ端末に対する呼の終了中あるいはそれに続いて、、ユーザ端末あるいは端末ユーザのパブリックユーザアイデンティティを含むグルーピングを、ユーザ端末及びネットワークノードの少なくとも一方へ通知するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】IPマルチメディアサブシステムアーキテクチャを示す図である。
【図2】ユーザIMS加入と、パブリックユーザアイデンティティ及びユーザアイデンティティ間の関係の例を示す図である。
【図3a】アプリケーションサーバ及び在圏呼/セッション制御機能を含むIPマルチメディアサブシステムのエンティティを示す図である。
【図3b】アプリケーションサーバ及び在圏呼/セッション制御機能を含むIPマルチメディアサブシステムのエンティティを示す図である。
【図4】サービスプロファイルの構造を示す図である。
【図5】どのようにしてサービスプロファイルのデータが、在圏呼/セッション制御機能へダウンロードされるかを示す図である。
【図6】Cxインタフェースへ搬送されるユーザデータの構造を示す図である。
【図7】IPマルチメディアサブシステムのエンティティ間の関係及びインタフェースを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に従うサービスプロファイルの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
実施形態の詳細説明
上述のように、IPマルチメディアサブシステム(IMS)アーキテクチャは、プライベートユーザアイデンティティを使用するIMSユーザを識別する。ここで、プライベートユーザアイデンティティは、IMSの初期登録時にユーザを認証するために使用される。一方、ユーザの位置は、1つ以上のIMSパブリックユーザアイデンティティ(IMPU)によって識別され、また、IMPUは、IMPUの所有者と通信するサードパーティによって使用される。ホームネットワーク(例えば、3Gコアネットワーク)内に配置されるホーム加入者サーバ(HSS)では、各IMPUは、サービスプロファイルに関連付けられている。サービスプロファイルは、これらのIMPUに対するサービスデータを含んでいて、これらのIMPUは、IMSサービスのプロビジョン(provision)あるいは制限を起動するために使用される初期フィルタ条件(iFC)のセットを含んでいる。3GPPは、図4に示されるサービスプロファイル構造を定義していて、また、図5及び図6に示されるような、データがS−CSCFへダウンロードされる方法を示している。また、これの詳細は、TS29.228及びTS29.229で確認することができる。
【0071】
HSS内では、1つ以上のIMPUが同一のサービスプロファイルに関連付けられていても良い。同一のサービスプロファイルに関連付けられているIMPUは、本明細書では、「エイリアス」IMPUと称する。3GPPは、ユーザがIMPUでIMSネットワークへ登録されるときは、HSSに、そのIMPUに関連付けられているサービスプロファイルをS−CSCFへ送信する権限を与えている。また、3GPPは、未登録ユーザがIMSネットワークから呼の終了を受信するときは、HSSに、着呼ユーザのIMPUに関連付けられているサービスプロファイルをS−CSCFへ送信する権限を与えている。サービスプロファイルがHSSで変更されるときは、HSSは、各関連付けられているIMPUに対するS−CSCFへ、その変更されたサービスプロファイルを送信しなければならない。
【0072】
3GPPは、いわゆる「暗黙的な(絶対的な)登録セット(implicit registration set)」概念を定義することで、グループとして動作するIMPUのセットを識別し、これは、そのセットのIMPUの内の任意の1つが登録されるあるいは登録抹消される場合に、そのセットはまとめて登録されるあるいは登録抹消される。3GPPは、ユーザの登録時、あるいは呼の終了時に、HSSに、暗黙的な登録セットをS−CSCFへ送信する権限を与えている。(登録時あるいは呼終了時)HSSは暗黙的な登録セット内のすべてのIMPUを識別し、そして、これらのIMPUに関連付けられているサービスプロファイルのすべてを識別することが理解されるべきである。自身に関連付けられているIMPUを含むサービスプロファイル(あるいはサービスプロファイルから選択されたデータ)は、S−CSCFへ送信される。これについては、図6で示される。この動作の結果として、S−CSCFは、同一の暗黙的な登録セットと、それらのサービスプロファイルに属するすべてのIMPUを把握することになる。
【0073】
上述のように、2つ以上のIMPUが単一のサービスプロファイル(HSS内)に関連付けられているという事実は、他のネットワークノードあるいはユーザ端末(UE)で、これらのIMPUに対してサービスコンフィグレーションデータを関連付けるために使用することができる。暗黙的な登録セットの概念は、IMPUとサービスプロファイル間(少なくともHSSとS−CSCF間)の関連付けをIMSを介して配信するための適切な車両を提供することが想定できるかもしれない。しかしながら、この方法は、暗黙的な登録セットの意図する目的に逆行することになる、即ち、IMPUに関連付けられているサービスプロファイルとは独立して、いくつかのIMPUを暗黙的に登録することに逆行することになる。例えば、ユーザの暗黙的な登録セットに個人に関係するIMPUとビジネスに関係するIMPUの両方を含めることは良く要望されることである一方で、この2つのタイプのアイデンティティに対しては別々のサービスプロファイルを保持することになる。これについては、図6の例で明らかにする。ここでは、IMPUのパブリックid.1、パブリックid.2及びid.3は、同一の暗黙的な登録セットに属しているが、それらが同一のサービスプロファイルに関連付けられているとは限らない。それゆえ、エイリアスIMPUが暗黙的な登録セットにバインドされていないことが重要となる。
【0074】
好適な方法は、UT、Sh、ISC及びGMインタフェースの少なくとも1つにサービスプロファイルに関連付けられているIMPUを公表し、同一のサービスプロファイルに関連付けられているIMPUがエイリアスパブリックユーザアイデンティティに見なされるべきであることを示す情報を受信するネットワークノードあるいはユーザ端末へ通知することである。図7は、IMPUとサービスプロファイル間の関係をHSSからエンティティへ配信するために使用することができる様々なインタフェースを示している。ここで、エンティティには、例えば、S−CSCF、AS及びUEがある。HSSは、Cxインタフェースを介してS−CSCFで利用可能な情報を生成し、また、登録後に(おそらくは、登録処理に起因して開始される)Shインタフェースを介してASで利用可能情報を生成する。S−CSCFは、Mwインタフェース(不図示)を介してP−CSCFで利用可能な情報を生成し、また、P−CSCFは、登録中に、この情報をGmインタフェースを介してユーザ端末へ公表する。また、S−CSCFは、ISCインタフェースを介してASで利用可能な情報を生成する。
【0075】
Shインタフェースは、同一のサービスプロファイルに関連付けられているIMPUがHSS内の同一データをアクセスすることを認識できるようにされるべきである。1つのIMPUに対してUtインタフェースとShインタフェースを介して実行される動作は、同一のサービスプロファイルに関連付けられているすべてのIMPUに対して実行されると見なされる。[サービスプロファイルは、暗黙的な登録セットに完全に含まれていても良いが、暗黙的な登録は、1つ以上のサービスプロファイルを含むことができる。]
・どのようにしてS−CSCFが、HSSからグルーピングセットを受信し解釈できるかについて、いくつかのソリューションが想定される。
【0076】
ソリューションA1:サービスプロファイルに、そのサービスプロファイルに属するIMPUを公表する。
【0077】
サービスプロファイルに属するIMPUのグルーピングは、Cxインタフェースを介して同一のコマンド内に暗黙的な登録セットを共存させなければならず、また、ユーザプロファイルがHSSからダウンロードされるとき、即ち、登録(あるいは再登録)時、呼の終了時、あるいはユーザプロファイルがHSS内で変更される場合に、サービスプロファイルに属するIMPUのグルーピングは公表されるべきである。
【0078】
このソリューションは、暗黙的な登録セットが、サービスプロファイルとともに新規の情報要素(属性値ペアあるいはAVP)で公表されることを必要とする。このグルーピングの概念(エイリアスパブリックユーザアイデンティティ)は、ユーザプロファイルがダウンロードされるとき、Cxインタフェース上で送信されることで、サービスプロファイル内に公表される。つまり、暗黙的な登録セットは、Cxインタフェース上で明示的に示され、また、サービスプロファイルに含まれるIMPUは(Cxインタフェース上で送信されることで)、エイリアスグルーピングを示すことになる。サービスプロファイルを搬送するCxメッセージは、サーバ割当回答(SAA)とプッシュプロファイルリクエスト(PPR)である。このソリューションでは、TS29.228(図5参照)で定義されるように、HSSに記憶されているサービスプロファイルは未変更のままであるが、パブリック識別インスタンスは、そのサービスプロファイルに関連するIMPUを参照することが示される。
【0079】
Cxインタフェースは、以下の方法で変更される。ここで、下線の文字列は、新規のAVPを識別する。
【0080】
登録時あるいは呼時間終了時のプロファイルのダウンロード(SAA)
<Server-Assignment-Answer>::=<Diameter Header:301,PXY,16777216>
<Session-id>
{Vendor-Specific-Application-id}
[Result−Code]
[Experimental-Result]
{Auth-Session-State}
{Origin-Host}
{Origin-Realm}
[User-Name]
*[Public-Identity]-> Set of implicit registration set, if exists(存在する場合、暗黙的な登録セットの設定)
*[Supported-Features]
[User-Data]-> contains the lMPUs related to a SP according to 29.228 annex D(29.228のアネックスDに従って、SPに関連するIMPUを含ませる)
[Charging-information]
*[AVP]
*[Failed-AVP]
*[Proxy-info]
*[Route-Record]
プロファイルを変更する場合のプロファイルのダウンロード(PPR)
<Push-Profile-Request>::=<Diameter Header:305,REQ,PXY,16777216>
<Session-id>
{Vendor-Specific-Application-id}
{Auth-Session-State}
{Origin-Host}
{Origin-Realm}
{Destination-Host}
{Destination-Realm}
[User-Name]
*[Public-Identity]-> Set of implicit registration set, if exists(存在する場合、暗黙的な登録セットの設定)
*[Supported-Features]
[User-Data]-> contains the lMPUs related to a SP according to 29.228 annex D(29.228のアネックスDに従って、SPに関連するIMPUを含ませる)
[Charging-information]
*[AVP]
*[Proxy-info]
*[Route-Record]
ここで、ユーザデータは、図6に示される内容と、TS29.228に従っている。
【0081】
ソリューションA2:インタフェース内のグルーピング概念の定義
この方法は、どのIMPUに関連付けられているかを識別するHSSに新規のグルーピング概念を導入することである。これは、TS29.228で定義されるサービスプロファイルが、新規のインスタンスであるいわゆるSProfile(エスプロファイル)識別子を追加することによって変更されることを必要とする。これについては、図8で示される。このSProfile識別子インスタンスは、そのサービスプロファイルに属するすべてのIMPUを示している。この暗黙的な登録セットは、サービスプロファイル内に保持される。これは、エイリアスパブリックユーザ識別子と見なされるIMPUについての情報をトランスポートすることになるCxインタフェース(SAAあるいはPPR)上に追加のAVPを得ることになる。
【0082】
ソリューションA3:エイリアス解釈の指示の導入
更にソリューションA1を検討すると、これは、単一のサービスプロファイルに関連付けられているIMPUが同一の暗黙的な登録セットに常に属することになるという仮定を行なうことによって簡略化することができる。エイリアスの概念をすべてのサービスプロファイルに対して向けることを仮定すると、回線上で搬送されるサービスプロファイルデータ以外の任意のIMPUを識別する必要はない。しかしながら、エイリアスの概念がデフォルトに向けられていない場合、エイリアスを適用するサービスプロファイルを識別することが必要となる。図6を参照すると、例えば、サービスプロファイル1に対してのみエイリアスが向けられることがあっても良い。
【0083】
・どのようにしてアプリケーションサーバがグルーピングセットを受信することができるかについて様々なソリューションが想定される。
【0084】
ソリューションB1:S−CSCFは、ISCを介して情報を通知する。いくつかの実装が可能である。
【0085】
a)サードパーティ登録で単一のサービスプロファイルに属するIMPUを公表する。
【0086】
既存の3GPP仕様書によれば、S−CSCFに、SIP登録メッセージをアプリケーションサーバへ送信することを指示することができる。この方法は、サードパーティ登録として知られている。この方法は、IMPUがエイリアスパブリックユーザアイデンティティであることについての情報を搬送するアプリケーションサーバとS−CSCFとの間で登録メッセージに新規のデータを含めることである。
【0087】
b)登録イベントに加入することによって、単一のサービスプロファイルに属するIMPUを公表する。
【0088】
ここでは、アプリケーションサーバに対して、暗黙的な登録済のIMPUについての情報を取得するために、アプリケーションサーバは、従前に登録メッセージをアプリケーションサーバへ送信しているS−CSCFへ加入することができる(加入者メッセージを送信することができる)。次に、S−CSCFは、登録済のIMPUについての情報を含む通知メッセージをアプリケーションサーバへ送信することになる。本提案は、IMPUがエイリアスパブリックユーザアイデンティティであることについての情報を含めるように、通知メッセージの内容を拡張することである。
【0089】
ソリューションB2:ASは、Shを介してこの情報を受信する。
【0090】
ASは、同一のIMPIでの、IMPUについて、あるいは暗黙的な登録セットに属するIMPUについて既に問い合わせている方法と同一の方法で、Shインタフェースを介してIMPUエイリアス情報を問い合わせる。
【0091】
ここで、ASは、アイデンティティ−セット内でAVPを示すHSSへSh−Readを送信する。:
ALL IDENTITES(0)
REGISTERED_IDENTIES(1)
IMPICIT_IDENTIES(2)
ダウンロード対象のサービスプロファイルグループを生成するために、新規の値がメッセージへ追加される。:
SERVICE_PROFILE_IDENTITES(3)
ここで、HSSは、エントリーキーとしてパブリックアイデンティティを受信し(任意の動作が、例えば、Utを介して行われる場合)、かつHSSがリクエストで示されていることをIMPUとして、同一のプロファイルに関連付けられているすべての他のIMPUを返信する。
【0092】
・どのようにして移動端末がグルーピングセットを受信することができるかについての様々なソリューションが想定される。
【0093】
例えば、2つのソリューションが可能である:
ソリューションC1:登録フェーズの200OKメッセージにIMPUのグルーピングを含ませる。
【0094】
登録メッセージに応じて送信される200OKに、パブリックユーザ識別子のグルーピングの情報を含ませる。これは、暗黙的な登録セットにSIPヘッダを追加する形式となる。
【0095】
ソリューションB2:登録イベントパッケージにIMPUのグルーピングを含ませる。
【0096】
登録イベントパッケージに応じて送信される通知(NOTIFY)メッセージにIMPUのグルーピングの情報を含ませる。
【0097】
ソリューションB1及びB2は互いに補完するので、相互に他方と排他的である必要はない。
【0098】
上述のメカニズムが、あるオペレータのネットワークと、そのネットワークに接続する移動端末内でのデータ配信に関連する一方で、共有のグルーピング情報の基礎となる原理は、例えば、オペレータAのネットワークとオペレータBのネットワーク間の他のネットワークへグルーピング情報を通過させることまで拡張する(ネットワーク間インタフェースで関連情報を含ませることによって)。本明細書では、あるネットワークから別のネットワークへグルーピング情報を通過させる対象とすることができる場合を示すための2つの例が与えられる。
【0099】
1.存在(プレゼンス:presence):
オペレータAの加入者(ユーザA)は、許可されている存在監視者(ユーザB)としてオペレータBの加入者を含んでいる、即ち、ユーザAは、ユーザAの存在を監視するためにユーザBを認可している(ユーザBの特定のパブリックユーザ識別子を使用して)。しかしながら、ユーザBは2つ(あるいはそれ以上)のIMPUを有していて、ここで、ユーザAの存在を監視するために(ユーザBによって)使用されるものは、ユーザAが認可しているものではない。ユーザBに対するグルーピング情報をネットワークAへ搬送することによって、ユーザBは、ユーザAの存在を監視することができる(同一のサービスプロファイルを共有するIMPU自身の任意のものを使用して)。
【0100】
2.受付拒否リスト
プッシュツートークオーバセルラー(PoC)の例では、終了PoC ASは、終了PoCリクエストはユーザに対して終了させることができるかを判定するために、終了するユーザのXDMS内の受付拒否リストにアクセスすることができる。ここで、これは、ユーザを1つ以上の手段(パブリックユーザ識別子)によって識別することができる場合には適切に動作しない可能性がある。本発明の実施形態は、新規のSIPセッション(例えば、INVITE(招待))を生成するSIPメッセージにグルーピングデータを含めることによって、この問題に対するソリューションを提供する。このようなデータの意味は、「ユーザXは、{グループ化されているパブリックユーザ識別子のリスト}として知られている」とすることができる。
【0101】
本発明の範囲を逸脱することなく、上述の実施形態に様々な変形を行なうことができることが当業者には理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPマルチメディアサブシステム加入を処理するホーム加入者サーバであって、
複数のパブリックユーザアイデンティティと複数のサービスプロファイル間の関係を保持する手段と、
ネットワークノードに対する、共通のサービスプロファイルに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する手段とを備え、
前記複数のパブリックユーザアイデンティティの2つ以上は、共通のサービスプロファイルに関連付けられている
ことを特徴とするホーム加入者サーバ。
【請求項2】
前記識別する手段は、登録あるいは再登録処理、呼の終了、あるいはサービスプロファイルの内容の変更に応じて、前記ネットワークノードへ通知を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項3】
前記識別する手段は、1つ以上のサービスプロファイルを含むメッセージを前記ネットワークノードへ送信する手段を備え、
前記サービスプロファイルのそれぞれは、それに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項4】
前記メッセージは、更に、前記サービスプロファイル以外に、共通の暗黙的な登録セットに属するパブリックユーザアイデンティティのセットを含んでいる
ことを特徴とする請求項3に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項5】
前記メッセージは、該メッセージ内に含まれる1つ以上のサービスプロファイルを識別し、
前記識別されるサービスプロファイルそれぞれのパブリックユーザアイデンティティは、エイリアスパブリックユーザアイデンティティと見なされる
ことを特徴とする請求項3に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項6】
前記ネットワークノードは、在圏呼セッション制御機能を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項7】
前記識別する手段は、要求される情報を、Cxサーバ割当回答あるいはプッシュプロファイルリクエストメッセージで、在圏呼セッション制御機能へ搬送する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項8】
IPマルチメディアサブシステム加入を処理するホーム加入者サーバであって、
エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持する手段と、
エイリアスのグルーピングの識別情報をネットワークノードへ送信する手段と
を備えることを特徴とするホーム加入者サーバ。
【請求項9】
前記送信する手段は、登録あるいは再登録処理、呼の終了、あるいはサービスプロファイルの内容の変更に応じて、前記識別情報を送信する
ことを特徴とする請求項8に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項10】
前記ネットワークノードは、在圏呼セッション制御機能を備える装置あるいはアプリケーションサーバである
ことを特徴とする請求項8または9に記載のホーム加入者サーバ。
【請求項11】
IPマルチメディアサブシステムネットワークにおけるユーザにサービスを提供する呼セッション制御機能を備える装置であって、
ホーム加入者サーバから、それぞれが自身に関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する、1つ以上のサービスプロファイルを含むメッセージを受信する手段と、
少なくとも1つのサービスプロファイルに、前記パブリックユーザアイデンティティを、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして関連づける手段と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記受信したサービスプロファイル(群)とは別に含まれるパブリックユーザアイデンティティのリストを使用して、暗黙的な登録セットに属するパブリックユーザアイデンティティを識別する手段を更に備える
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
エイリアスとの関連付けが適用されるサービスプロファイルを識別する手段を更に備える
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして識別される前記パブリックユーザアイデンティティを識別する、ユーザ端末あるいはネットワークノードへ通知を送信する手段を更に備える
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記呼セッション制御機能は、在圏呼セッション制御機能である
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
IPマルチメディアサブシステムネットワークにおけるサービスを実行するためのアプリケーションサーバであって、
在圏呼セッション制御機能を備える装置あるいはホーム加入者サーバから、2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信する手段とを備える
ことを特徴とするアプリケーションサーバ。
【請求項17】
IPマルチメディアサブシステムネットワークへのアクセスをユーザに可能にするためのユーザ端末であって、
IPマルチメディアサブシステムネットワークから、当該ユーザ端末の2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信する手段とを備える
ことを特徴とするユーザ端末。
【請求項18】
前記受信する手段は、在圏呼セッション制御機能を備える装置から前記通知を受信するように構成されている
ことを特徴とする請求項17に記載のユーザ端末。
【請求項19】
エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティをネットワークノード及びユーザ端末の少なくとも一方へ通知するように、IPマルチメディアサブシステムを制御する方法であって、
ホーム加入者サーバで、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持するステップと、
前記グルーピングの情報を、ネットワークノード及びユーザ端末の少なくとも一方へ配信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記グルーピングは、サービスプロファイル内で、前記サービスプロファイルに関連付けられている前記パブリックユーザアイデンティティとして保持される
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
更に、ホーム加入者サーバから在圏呼セッション制御機能を備える装置へ、それぞれが自身に関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを識別する、1つ以上のサービスプロファイルを含むメッセージを送信するステップを備え、
前記在圏呼セッション制御機能は、少なくとも1つのサービスプロファイルに関連付けられているすべてのパブリックユーザアイデンティティを、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして識別する
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記メッセージは、Cxサーバ割当回答あるいはプッシュプロファイルリクエストメッセージである
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記在圏呼セッション制御機能は、アプリケーションサーバあるいはユーザ端末へ、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグループを通知する
ことを特徴とする請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
暗黙的な登録セットに属する前記パブリックユーザアイデンティティは、前記サービスプロファイル(群)とは別に、前記メッセージにリストされる
ことを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記メッセージは、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティが関連付けられているサービスプロファイルを識別する
ことを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記配信するステップは、前記IPマルチメディアサブシステムでのユーザ端末の登録中あるいはそれに続いて、あるいはユーザ端末に対する呼の終了中あるいはそれに続いて、あるいは前記サービスプロファイルの内容の変更時に、実行される
ことを特徴とする請求項19乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記配信するステップは、前記グルーピングの情報を、アプリケーションサーバへShインタフェースを介して送信する
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記ユーザ端末に、Utインタフェースを介してアプリケーションサーバから送信されるシグナリングによって、自身の2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることが通知される
ことを特徴とする請求項23または27に記載の方法。
【請求項29】
IPマルチメディアサブシステムで使用するように構成されているユーザ端末を制御する方法であって、
前記IPマルチメディアサブシステムから、前記ユーザ端末の2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信するステップを備える
ことを特徴とする方法。
【請求項30】
IPマルチメディアサブシステムのセッション開始プロトコルアプリケーションサーバを制御する方法であって、
在圏呼/セッション制御機能を備える装置あるいはホーム加入者サーバから、サービスコンフィグレーションの処理のために、2つ以上のパブリックユーザアイデンティティがエイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされることを示す通知を受信するステップを備える
ことを特徴とする方法。
【請求項31】
IPマルチメディアサブシステムにおけるホーム加入者サーバを制御する方法であって、
前記ホーム加入者サーバで、エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持するステップと、
前記グルーピングの情報を、ネットワークノード及びユーザ端末の少なくとも一方へ配信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項32】
IPマルチメディアサブシステムであって、
エイリアスパブリックユーザアイデンティティとして見なされるパブリックユーザアイデンティティのグルーピングを保持するように構成されているホーム加入者サーバを備え、
前記ホーム加入者サーバは、前記IPマルチメディアサブシステムでのユーザ端末の登録中あるいはそれに続いて、あるいはユーザ端末に対する呼の終了中あるいはそれに続いて、前記ユーザ端末あるいは端末ユーザのパブリックユーザアイデンティティを含むグルーピングを、前記ユーザ端末及びネットワークノードの少なくとも一方へ通知するように構成されている手段を有する
ことを特徴とするIPマルチメディアサブシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−100308(P2012−100308A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−278685(P2011−278685)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【分割の表示】特願2008−508225(P2008−508225)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】