説明

IMSネットワークシステム、及び制御プログラム

【課題】異なる品質のシステムをユーザ及びその通信相手が意識して使い分けることなく通信することができるIMSネットワークシステム、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】IMSネットワークシステムは、主ドメインに属するS−CSCFサーバ1230aに端末2000a−1を登録させ、従ドメインに属するS−CSCFサーバ1330aに端末2000a−2を登録させるホーム加入者サーバ4000b及びホーム加入者サーバ4000cと、IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300aの間で通信に問題が生じると判定した場合、発呼処理を保留し、S−CSCFサーバ1230a及びS−CSCFサーバ1330aのうち、通信に問題が生じないCSCFサーバに、端末2000a−1又は端末2000a−2を再登録させるアプリケーションサーバ3000c−1及びアプリケーションサーバ3000c−2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IMSネットワークシステム、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SIP (Session Initiation Protocol)は、IPネットワークにおける呼制御に用いられるプロトコルである。IPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)では、通信に必要なネットワークリソースの割り当て及びゲート制御等が、SIPを用いて実行される(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS23.228,IP Multimedia Subsystem (IMS)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ネットワークオペレータは、高品質で高価なIMSを運用する一方で、品質上の制約のないVoIP(Voice over Internet Protocol)サービスを運用する場合がある。VoIPサービスが所定の通話品質基準を満たさない場合、ユーザは、専用IDを利用するか、又は既に取得している電番(例えば、090…)をIDとして利用することで、VoIPサービスにより相手と通信することができる。
【0005】
しかしながら、高品質で高価なIMSは、品質上の制約がない廉価なVoIPサービスとは異なるシステムである。このため、ユーザ及びその通信相手は、IMSの過負荷状態又は輻輳に応じて、IMSとVoIPサービスとを意識して使い分ける必要があるという問題がある。
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、異なる品質のシステムをユーザ及びその通信相手が意識して使い分けることなく通信することができるIMSネットワークシステム、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ホーム加入者サーバと、アプリケーションサーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させるホーム加入者サーバと、前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させるアプリケーションサーバと、を備えることを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0008】
また、本発明は、前記発呼端末が、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0009】
また、本発明は、前記着呼端末が、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0010】
また、本発明は、前記アプリケーションサーバが、前記発呼端末及び前記着呼端末の識別情報のマッピングをドメイン毎に予め記憶し、前記主ドメイン及び前記従ドメインのうち一方のドメインにおける識別情報を、他方のドメインにおける識別情報に変換し、変換後の識別情報を有する前記発呼端末又は前記着呼端末に前記メッセージを送信することを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0011】
また、本発明は、前記発呼端末が、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び発呼処理を開始することを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0012】
また、本発明は、前記着呼端末が、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び着呼処理を開始することを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0013】
また、本発明は、ホーム加入者サーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させるホーム加入者サーバと、前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させるS−CSCFサーバと、を備えることを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0014】
また、本発明は、前記発呼端末が、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0015】
また、本発明は、前記着呼端末が、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0016】
また、本発明は、前記S−CSCFサーバが、前記発呼端末及び前記着呼端末の識別情報のマッピングをドメイン毎に予め記憶し、前記主ドメイン及び前記従ドメインのうち一方のドメインにおける識別情報を、他方のドメインにおける識別情報に変換し、変換後の識別情報を有する前記発呼端末又は前記着呼端末に前記メッセージを送信することを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0017】
また、本発明は、前記発呼端末が、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び発呼処理を開始することを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0018】
また、本発明は、前記着呼端末が、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び着呼処理を開始することを特徴とするIMSネットワークシステムである。
【0019】
また、本発明は、ホーム加入者サーバと、アプリケーションサーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、ホーム加入者サーバのコンピュータに、発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させる手順と、アプリケーションサーバのコンピュータに、前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させる手順と、を実行させるための制御プログラムである。
【0020】
また、本発明は、ホーム加入者サーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、ホーム加入者サーバのコンピュータに、発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させる手順と、S−CSCFサーバのコンピュータに、前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させる手順と、を実行させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のCSCFサーバが異なるドメインに属しているIMSネットワークシステムにおいて、アプリケーションサーバ又はS−CSCFサーバは、通信に問題が生じると判定した場合、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、発呼端末又は着呼端末を再登録させる。これにより、IMSネットワークシステムでは、異なる品質のシステムをユーザ及びその通信相手が意識して使い分けることなく通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態における、IMSネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における、IMSサーバを含むIMSネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態における、登録フローを示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1実施形態における、主ドメインの端末から従ドメインの端末への発呼フロー(IMSシステムが相互の接続性を有さず、主ドメインの端末が従ドメインに多重登録する場合)を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1実施形態における、主ドメインの端末から従ドメインの端末への発呼フロー(IMSシステムが相互の接続性を有し、URI(Uniform Resource Identifier)が変換され、主ドメインの端末と従ドメインの端末とがそれぞれのドメインで通信する場合)を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第1実施形態における、主ドメインの端末から従ドメインの端末への発呼フロー(IMSシステムが相互の接続性を有し、主ドメインの端末が、従ドメインでの着呼処理を拒否されたことにより、従ドメインに多重登録する場合)を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1実施形態における、主ドメインの端末から従ドメインの端末への発呼フロー(IMSシステムが相互の接続性を有し、URIが変換され、従ドメインの端末に多重登録を要求する場合)を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第1実施形態における、従ドメインの端末から従ドメインの端末への発呼フローを示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第1実施形態における、従ドメインの端末から主ドメインの端末への発呼フロー(IMSシステムが相互の接続性を有し、URIが変換され、従ドメインの端末が着側の端末に従ドメインに多重登録するよう要求する場合)を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1実施形態における、従ドメインの端末から主ドメインの端末への発呼フロー(IMSシステムが相互の接続性を有し、主ドメインで着呼処理が拒否され、主ドメインの端末と従ドメインの端末とが主ドメインで通信する場合)を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第2実施形態における、IMSサーバを含むIMSネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、IMSネットワークシステムの構成例が示されている。IPネットワーク1000は、IMSネットワークシステムとして、IMSサーバ1200aと、IMSサーバ1300aとを備える。なお、IPネットワーク1000は、さらに多くのIMSサーバを備えてもよい。
【0024】
IMSサーバ1200aは、ドメイン1100に属し、ネットワークオペレータ100により運用されている。以下、IMSサーバ1200aは、複雑な課金システム及びアプリケーションサーバ(図1には不図示)との連携など、IMSの多数の標準化仕様に準拠しており、高品質なサービスを提供することができる高品質なIMSサーバであるとする。
【0025】
一方、IMSサーバ1300aは、ドメイン1400に属し、ネットワークオペレータ200により運用されている。以下、IMSサーバ1300aは、通話に必要な機能は備えるものの、通話品質が保障されない低品質なIMSサーバであるとする。
【0026】
端末(User Equipment:UE)2000a−1及び端末2000a−2は、IMSサーバ1200a又はIMSサーバ1300aに通信接続することで互いに通信する。例えば、低品質なIMSサーバ1200aに通信接続しているために高品質な通信やアプリケーションサーバを利用できない場合、端末2000a−1又は端末2000a−2は、IMSネットワークシステムによる制御に基づいて、ユーザ及びその通信相手に意識させることなく、高品質なIMSサーバ1300aに通信接続先を切り替える。
【0027】
ここで、端末2000a−1及び端末2000a−2は、二つのドメインに同時に属しながらも(多重登録されながらも)、ドメインの一方を主ドメインとし、ドメイン1100とドメイン1400とで同じID(SIP URI等)を用いて、ドメイン1100に属するIMSサーバ1200aと、ドメイン1400に属するIMSサーバ1300aとを利用可能である。
【0028】
まず、IMSネットワークシステムの構成例を説明する。
図2には、IMSサーバを含むIMSネットワークシステムの構成例が、ブロック図により示されている。IPネットワーク1000(図1を参照)は、IMSサーバ1200aと、IMSサーバ1300aと、アプリケーションサーバ(Application Server:AS)3000c−1と、アプリケーションサーバ3000c−2と、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)4000bと、ホーム加入者サーバ4000cとを備える。
【0029】
端末2000a−1は、IMSネットワークシステムに対して、SIPメッセージを送受信する。例えば、端末2000a−1は、SIPメッセージを用いて、自端末の登録処理を実行する。また、端末2000a−1は、アプリケーションサーバ3000c−1から指定された、IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300aのうち少なくとも一方を介して、端末2000a−2と通信する。
【0030】
端末2000a−1は、通信部2100−1を備える。
通信部2100−1は、IMSネットワークシステムに対して、SIPメッセージを送受信することにより、自端末の登録処理を実行する。ここで、通信部2100−1は、IMSサーバ1200aのP−CSCFサーバ1210(後述)、及び、IMSサーバ1300aのP−CSCFサーバ1310(後述)のうち少なくとも一方を介して、SIPメッセージを送受信する。
【0031】
端末2000a−1は、切替部2200−1と、複数登録部2300−1とを更に備える。
切替部2200−1は、アプリケーションサーバ3000c−1の通知部3300−1(後述)から指定されたCSCFサーバに対して、自端末の再登録を実行する。また、切替部2200−1は、自端末が発呼中である場合、発呼処理を再実行する。
【0032】
複数登録部2300−1は、異なるドメインに属する複数のIMSサーバ(IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300a)に、自端末を多重登録する。なお、複数登録部2300−1は、異なるドメインに属する複数のIMSサーバに、常に多重登録する必要はなく、必要に応じて登録及び利用すればよい。
【0033】
端末2000a−2は、IMSネットワークシステムに対して、SIPメッセージを送受信する。例えば、端末2000a−2は、SIPメッセージを用いて、自端末の登録処理を実行する。また、端末2000a−2は、アプリケーションサーバ3000c−2から指定された、IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300aのうち少なくとも一方を介して、端末2000a−1と通信する。
【0034】
端末2000a−2は、通信部2100−2を備える。
通信部2100−2は、IMSネットワークシステムに対して、SIPメッセージを送受信することにより、自端末の登録処理を実行する。ここで、通信部2100−2は、IMSサーバ1200aのP−CSCFサーバ1210(後述)、及び、IMSサーバ1300aのP−CSCFサーバ1310(後述)のうち少なくとも一方を介して、SIPメッセージを送受信する。
【0035】
端末2000a−2は、切替部2200−2と、複数登録部2300−2とを更に備える。
切替部2200−2は、アプリケーションサーバ3000c−2の通知部3300−2(後述)から指定されたCSCFサーバに対して、自端末の再登録を実行する。また、切替部2200−1は、自端末が発呼中である場合、発呼処理を再実行する。
【0036】
複数登録部2300−2は、異なるドメインに属する複数のIMSサーバ(IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300a)に、自端末を多重登録する。なお、複数登録部2300−2は、異なるドメインに属する複数のIMSサーバに、常に多重登録する必要はなく、必要に応じて登録及び利用すればよい。
【0037】
IMSサーバ1200aは、ドメイン1100(図1を参照)に属するIMSサーバである。IMSサーバ1200aは、SIP処理を実行するノードとして、P−CSCF(Proxy−Call Session Control Function)サーバ1210と、I−CSCF(Interrogating−CSCF)サーバ1220と、S−CSCF(Serving−CSCF)サーバ1230aとを備える。
【0038】
以下、端末2000a−1及び端末2000a−2に共通する事項については、符号を略して、「端末2000a」と表記する。P−CSCFサーバ1210は、端末2000aから直接的に通信接続されるノードであり、暗号化、及びメッセージのフィルタリング等を実行する。P−CSCFサーバ1210は、P−CSCF部1211を備える。P−CSCF部1211は、IMSネットワークシステムに端末2000aが通信接続する際の接点となる機能ブロックである。
【0039】
P−CSCF部1211は、端末2000aから送信されたSIPメッセージを、I−CSCFサーバ1220又はS−CSCFサーバ1230aに転送する。また、P−CSCF部1211は、I−CSCFサーバ1220又はS−CSCFサーバ1230aから端末2000aに送信されるSIPメッセージを、送信先の端末2000aに転送する。
【0040】
I−CSCFサーバ1220は、I−CSCF部1221を備える。I−CSCF部1221は、SIPメッセージのルーティングを実行する際、転送先の識別情報(例えば、IPアドレス)の解決、及び他ドメインにSIPメッセージを転送する処理を実行する。
【0041】
また、I−CSCF部1221は、端末2000aが登録処理を実行した(登録要求メッセージを送信した)場合、どのS−CSCFサーバに登録すべきかを、ホーム加入者サーバ4000bのデータベース部4100−1(後述)に問い合わせ、問い合わせの応答としてホーム加入者サーバ4000bから指定されたS−CSCFサーバに、端末2000aからの登録要求メッセージを転送する。
【0042】
また、I−CSCF部1221は、端末2000aにSIPメッセージを送信する際、その端末2000aがどのS−CSCFサーバに登録されているかを、ホーム加入者サーバ4000bのデータベース部4100−1(後述)に問い合わせ、問い合わせの応答としてホーム加入者サーバ4000bから指定されたS−CSCFサーバに、端末2000a宛てのSIPメッセージを転送する。
【0043】
S−CSCFサーバ1230aは、S−CSCF部1231を備える。S−CSCF部1231は、端末2000aの登録処理、アプリケーションサーバ3000c−1のアプリケーション部3100−1(後述)との連携、及び通信相手の端末2000aの識別情報(例えば、IPアドレス)の解決等、SIPの主要な機能を実行する。
【0044】
S−CSCF部1231は、端末2000aの登録処理、及びその端末2000aが送受信するSIPメッセージの制御を実行する。S−CSCF部1231は、端末2000aから登録要求メッセージを受信した場合、該当端末2000aの認証情報をホーム加入者サーバ4000bのデータベース部4100−1(後述)に問い合わせ、端末2000aを認証し、登録要求メッセージを送信した端末2000aの識別情報(例えば、IPアドレス)を保持する。
【0045】
また、S−CSCF部1231は、その端末2000aがS−CSCF部1231に登録されていることを、ホーム加入者サーバ4000bのデータベース部4100−1(後述)に登録する。これにより、端末2000a宛に送信されるSIPメッセージは、まずS−CSCF部1231に転送され、S−CSCF部1231が端末2000aの識別情報を確認することで、送信先の端末2000aに転送される。また、その端末2000aが送信したSIPメッセージも、S−CSCF部1231を経由する。
【0046】
なお、初期フィルタ基準(initial Filter Criteria:iFC)で指定された条件に該当する通知及びSIPメッセージは、端末2000aの登録処理、及びメッセージの転送処理の際、iFCにより指定されたアプリケーションサーバ3000c−1に転送される。
【0047】
IMSサーバ1300aは、ドメイン1400(図1を参照)に属するIMSサーバである。IMSサーバ1300aは、SIP処理を実行するノードとして、P−CSCFサーバ1310と、I−CSCFサーバ1320と、S−CSCFサーバ1330aとを備える。
【0048】
P−CSCFサーバ1310は、端末2000aから直接的に通信接続されるノードであり、暗号化、及びメッセージのフィルタリング等を実行する。P−CSCFサーバ1310は、P−CSCF部1311を備える。P−CSCF部1311は、IMSネットワークシステムに端末2000aが通信接続する際の接点となる機能ブロックである。
【0049】
P−CSCF部1311は、端末2000aから送信されたSIPメッセージを、I−CSCFサーバ1320又はS−CSCFサーバ1330aに転送する。また、P−CSCF部1311は、I−CSCFサーバ1320又はS−CSCFサーバ1330aから端末2000aに送信されるSIPメッセージを、送信先の端末2000aに転送する。
【0050】
I−CSCFサーバ1320は、I−CSCF部1321を備える。I−CSCF部1321は、SIPメッセージのルーティングを実行する際、転送先の識別情報(例えば、IPアドレス)の解決、及び他ドメインにSIPメッセージを転送する処理を実行する。
【0051】
また、I−CSCF部1321は、端末2000aが登録処理を実行した(登録要求メッセージを送信した)場合、どのS−CSCFサーバに登録すべきかを、ホーム加入者サーバ4000cのデータベース部4100−2(後述)に問い合わせ、問い合わせの応答としてホーム加入者サーバ4000cから指定されたS−CSCFサーバに、端末2000aからの登録要求メッセージを転送する。
【0052】
また、I−CSCF部1321は、端末2000aにSIPメッセージを送信する際、その端末2000aがどのS−CSCFサーバに登録されているかを、ホーム加入者サーバ4000cのデータベース部4100−2(後述)に問い合わせ、問い合わせの応答としてホーム加入者サーバ4000cから指定されたS−CSCFサーバに、端末2000a宛てのSIPメッセージを転送する。
【0053】
S−CSCFサーバ1330aは、S−CSCF部1331を備える。S−CSCF部1331は、端末2000aの登録、アプリケーションサーバ3000c−2のアプリケーション部3100−2(後述)との連携、及び通信相手の端末2000aに接続するための識別情報の解決等、SIPの主要な機能を実行する。
【0054】
S−CSCF部1331は、端末2000aの登録処理、及びその端末2000aが送受信するSIPメッセージの制御を実行する。S−CSCF部1331は、端末2000aから登録要求メッセージを受信した場合、該当端末2000aの認証情報をホーム加入者サーバ4000cのデータベース部4100−2(後述)に問い合わせ、端末2000aを認証し、登録要求メッセージを送信した端末2000aの識別情報(例えば、IPアドレス)を保持する。
【0055】
また、S−CSCF部1331は、その端末2000aがS−CSCF部1331に登録されていることを、ホーム加入者サーバ4000cのデータベース部4100−2(後述)に登録する。これにより、端末2000a宛に送信されるSIPメッセージは、まずS−CSCF部1331に転送され、S−CSCF部1331が端末2000aの識別情報を確認することで、送信先の端末2000aに転送される。また、その端末2000aが送信したSIPメッセージも、S−CSCF部1331を経由する。
【0056】
アプリケーションサーバ3000c−1は、アプリケーション部3100−1を備える。アプリケーション部3100−1は、SIPに基づいて、S−CSCF部1231又はS−CSCF部1331を介して、端末2000aと通信する。アプリケーション部3100−1は、端末2000aが登録処理を実行した(登録要求メッセージを送信した)場合、iFCに基づいて登録要求メッセージを受信し、SIPメッセージ「INVITE」に基づいて発呼処理を実行する。
【0057】
アプリケーションサーバ3000c−1は、保留部3200−1と、通知部3300−1と、ポリシー管理部3400−1と、指定部3700−1と、マッピング部3800−1と、変換部3900−1とを更に備える。
【0058】
保留部3200−1は、端末2000aが接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替える必要がある場合、発呼処理の実行を保留する。
【0059】
また、保留部3200−1は、端末2000aが接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替え、新たなIMSサーバ(ドメイン)に接続した場合、保留中の処理を再開させる。また、保留部3200−1は、必要に応じて、発呼元の端末2000aにエラーメッセージを返し、呼処理を中断させ、のちにSIPメッセージ「REFER」を送信することで、再登録処理及び発呼処理を発呼元の端末2000aに開始させる。
【0060】
通知部3300−1は、端末2000aが接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替える必要がある場合、接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替えるためのSIPメッセージを、その端末2000aに送信する。
【0061】
ポリシー管理部3400−1は、端末2000a(発側及び着側)の機能、及び通信に利用される機能の少なくとも一方に基づいて、接続先のIMSサーバ(ドメイン)の切り替えが必要か否かを判定する。すなわち、ポリシー管理部3400−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性(品質、機能)、及びネットワークオペレータ100(図1を参照)の運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、端末2000aが属するドメインの切り替えの要否、及び複数のドメインへの多重登録の要否(要求された通信に問題が生じるか否か)を判定する。
【0062】
指定部3700−1は、端末2000a−1及び端末2000a−2が異なるドメインに属している(登録されている)場合、送信先のIMSサーバのI−CSCFサーバにSIPメッセージを転送できるよう、SIPメッセージの通信経路を制御(指定)する。
【0063】
マッピング部3800−1は、端末2000aの識別情報(SIP URI)のマッピングを、ドメイン毎に予め記憶する。すなわち、マッピング部3800−1は、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報と、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報とが、その端末2000aに対応付けられたURIマップを予め記憶する。また、マッピング部3800−1は、ドメインに登録(REGISTER)されているか否かを示す登録状態を、端末2000aの識別情報毎に管理する。
【0064】
変換部3900−1は、メッセージの宛先である識別情報(SIP URI)を書き換えることで、別ドメインに属している端末2000aにメッセージを転送する。すなわち、変換部3900−1は、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報を、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報に、URIマップに登録されている対応付けに基づいて変換する。同様に、変換部3900−1は、ドメイン1400に属する端末2000aの識別情報を、ドメイン1100に属するその端末2000aの識別情報に、URIマップに登録されている対応付けに基づいて変換する。
【0065】
また、変換部3900−1は、着側の端末2000aの別の宛先(識別情報)に再発呼(リダイレクト)するよう促すメッセージを、発側の端末2000aに送信する。
【0066】
アプリケーションサーバ3000c−2は、アプリケーション部3100−2を備える。アプリケーション部3100−2は、SIPに基づいて、S−CSCF部1231又はS−CSCF部1331を介して、端末2000aと通信する。アプリケーション部3100−2は、端末2000aが登録処理を実行した(登録要求メッセージを送信した)場合、iFCに基づいて登録要求メッセージを受信し、SIPメッセージ「INVITE」に基づいて発呼処理を実行する。
【0067】
アプリケーションサーバ3000c−2は、保留部3200−2と、通知部3300−2と、ポリシー管理部3400−2と、指定部3700−2と、マッピング部3800−2と、変換部3900−2とを更に備える。
【0068】
保留部3200−2は、端末2000aが接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替える必要がある場合、発呼処理の実行を保留する。
【0069】
また、保留部3200−2は、端末2000aが接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替え、新たなIMSサーバ(ドメイン)に接続した場合、保留中の処理を再開させる。また、保留部3200−2は、必要に応じて、発呼元の端末2000aにエラーメッセージを返し、呼処理を中断させ、のちにSIPメッセージ「REFER」を送信することで、再登録処理及び発呼処理を発呼元の端末2000aに開始させる。
【0070】
通知部3300−2は、端末2000aが接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替える必要がある場合、接続先のIMSサーバ(ドメイン)を切り替えるためのSIPメッセージを、その端末2000aに送信する。
【0071】
ポリシー管理部3400−2は、端末2000a(発側及び着側)の機能、及び通信に利用される機能の少なくとも一方に基づいて、接続先のIMSサーバ(ドメイン)の切り替えが必要か否かを判定する。すなわち、ポリシー管理部3400−2は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性(品質、機能)、及びネットワークオペレータ200(図1を参照)の運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、端末2000aが属するドメインの切り替えの要否、及び複数のドメインへの多重登録の要否(要求された通信に問題が生じるか否か)を判定する。
【0072】
指定部3700−2は、端末2000a−1及び端末2000a−2が異なるドメインに属している(登録されている)場合、送信先のIMSサーバのI−CSCFサーバにSIPメッセージを転送できるよう、SIPメッセージの通信経路を制御する。
【0073】
マッピング部3800−2は、端末2000aの識別情報(SIP URI)のマッピングを、ドメイン毎に予め記憶する。すなわち、マッピング部3800−2は、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報と、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報とが、その端末2000aに対応付けられたURIマップを予め記憶する。また、マッピング部3800−2は、ドメインに登録(REGISTER)されているか否かを示す登録状態を、端末2000aの識別情報毎に管理する。
【0074】
変換部3900−2は、メッセージの宛先である識別情報(SIP URI)を書き換えることで、別ドメインに属している端末2000aにメッセージを転送する。すなわち、変換部3900−2は、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報を、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報に、URIマップに登録されている対応付けに基づいて変換する。同様に、変換部3900−2は、ドメイン1400に属する端末2000aの識別情報を、ドメイン1100に属するその端末2000aの識別情報に、URIマップに登録されている対応付けに基づいて変換する。
【0075】
また、変換部3900−2は、着側の端末2000aの別の宛先(識別情報)に再発呼(リダイレクト)するよう促すメッセージを、発側の端末2000aに送信する。
【0076】
ホーム加入者サーバ4000bは、データベース部4100−1を備える。データベース部4100−1は、端末2000a(UE)の認証情報、及び端末2000aがどのS−CSCFサーバに登録されているか等を示す情報(以下、「加入者情報」という)を記憶する。
【0077】
また、データベース部4100−1は、I−CSCF部1221、I−CSCF部1321、S−CSCF部1231、及びS−CSCF部1331から、加入者情報の問い合わせがあった場合、その問い合わせに対して応答する。また、データベース部4100−1は、加入者情報を更新するよう要求された場合、加入者情報を更新する。
【0078】
ホーム加入者サーバ4000cは、データベース部4100−2を備える。データベース部4100−2は、加入者情報を記憶する。また、データベース部4100−2は、I−CSCF部1221、I−CSCF部1321、S−CSCF部1231、及びS−CSCF部1331から、加入者情報の問い合わせがあった場合、その問い合わせに対して応答する。また、データベース部4100−2は、加入者情報を更新するよう要求された場合、加入者情報を更新する。
【0079】
ホーム加入者サーバ4000cは、ドメイン管理部4300を更に備える。ドメイン管理部4300は、端末2000aの接続先のIMSサーバ(CSCFサーバ)が属するドメインを、その端末2000aが属するドメインと定める。
【0080】
また、ドメイン管理部4300は、URIマップを予め記憶する。ドメイン管理部4300は、URIマップに基づいて、端末2000aにつき一つ以上のドメイン毎の識別情報(SIP URI)を応答する。すなわち、ドメイン管理部4300は、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報に対応付けられた、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報を、問い合わせの応答として、問い合わせ元に送信する。同様に、ドメイン管理部4300は、ドメイン1400に属する端末2000aの識別情報に対応付けられた、ドメイン1100に属するその端末2000aの識別情報を、問い合わせの応答として、問い合わせ元に送信する。
【0081】
次に、IMSネットワークシステムの動作手順を説明する。
以下では、ドメイン1100及びドメイン1400の少なくとも一方に属する端末2000a−1と、ドメイン1100及びドメイン1400の少なくとも一方に属する端末2000a−2とが、ドメイン1100を主ドメインとし、ドメイン1400を従ドメインとして通信するものとして説明する。
【0082】
図3は、登録フローを示すシーケンス図である。IMSネットワークシステムを利用するため、全ての端末2000aは、この登録フローを実行する。以下、この登録フローを実行することにより、端末2000a−1は、ドメイン1100に属するIMSサーバ1200aのP−CSCFサーバ1210に接続したことで、初期状態では、ドメイン1100に属しているものとする。一方、端末2000a−2(図2を参照)は、ドメイン1400に属するIMSサーバ1300aのP−CSCFサーバ1310に接続したことで、初期状態では、ドメイン1400に属しているものとする。
【0083】
なお、P−CSCFサーバ1210及びP−CSCFサーバ1310の識別情報は、IMS以外の仕組み(例えば、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol))により、端末2000aに事前通知されているものとする。
【0084】
端末2000a−1は、IMS標準に準拠した登録処理として、SIPメッセージ「REGISTER」を送信する(ステップSi1)。P−CSCFサーバ1210は、端末2000a−1からSIPメッセージ「REGISTER」を受信し、受信したSIPメッセージ「REGISTER」を、I−CSCFサーバ1220に転送する(ステップSa2)。
【0085】
I−CSCFサーバ1220は、端末2000a−1を割り振るS−CSCFサーバ1230aの識別情報を、Diameterプロトコルにより、ホーム加入者サーバ4000bに問い合わせる(User−Authorization−Request:UAR)。
【0086】
ホーム加入者サーバ4000bは、I−CSCFサーバ1220と同じドメインに属するS−CSCFサーバを列挙する(ステップSi3)。なお、ホーム加入者サーバ4000bは、自サーバと同じドメインに属するCSCFサーバを示す識別情報しか持っていない。
【0087】
ホーム加入者サーバ4000bは、列挙したS−CSCFサーバのうちから、端末2000a−1を割り振るS−CSCFサーバ1230aを選択し、選択したS−CSCFサーバ1230aの識別情報を、I−CSCFサーバ1220に通知する(User−Authorization−Answer:UAA)(ステップSi4)。
【0088】
I−CSCFサーバ1220は、ホーム加入者サーバ4000bから通知された識別情報が示すS−CSCFサーバ1230aに、端末2000a−1から受信したSIPメッセージ「REGISTER」を転送する(ステップSi5)。
【0089】
S−CSCFサーバ1230aは、端末2000a−1の認証情報を、ホーム加入者サーバ4000bに問い合わせる(Multimedia−Auth−Request:MAR)(ステップSi6)。ホーム加入者サーバ4000bは、端末2000a−1の認証情報を、S−CSCFサーバ1230aに通知する(Multimedia−Auth−Answer:MAA)(ステップSi7)。
【0090】
S−CSCFサーバ1230aは、端末2000a−1の認証情報に基づいて、認証キー及び暗号化キーを作成し、SIPメッセージ「401 Unauthorized」を、I−CSCFサーバ1220に送信する(ステップSi8)。I−CSCFサーバ1220は、SIPメッセージ「401 Unauthorized」を、そのViaヘッダに基づいて、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSi9)。
【0091】
P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「401 Unauthorized」を、そのViaヘッダに基づいて、端末2000a−1に転送する(ステップSi10)。端末2000a−1は、SIPメッセージ「401 Unauthorized」及び自端末の情報に基づいて、認証応答メッセージとしてSIPメッセージ「REGISTER」を作成し、SIPメッセージ「REGISTER」をP−CSCFサーバ1210に再送信する(ステップSi11)。
【0092】
P−CSCFサーバ1210は、端末2000a−1からSIPメッセージ「REGISTER」を受信し、受信したSIPメッセージをI−CSCFサーバ1220に転送する(ステップSi12)。I−CSCFサーバ1220は、SIPメッセージ「REGISTER」をS−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSi13)。
【0093】
S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「REGISTER」(認証応答メッセージ)を確認し、端末2000a−1を確認できた場合、加入者情報の更新をホーム加入者サーバ4000bに依頼する(Server−Assignment−Request:SAR)(ステップSi14)。ホーム加入者サーバ4000bは、加入者情報を更新する(Server−Assignment−Answer:SAA)(ステップSi15)。
【0094】
S−CSCFサーバ1230aは、登録完了を示すSIPメッセージ「200OK」を、I−CSCFサーバ1220に送信する(ステップSi16)。I−CSCFサーバ1220は、SIPメッセージ「200OK」を、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSi17)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を、端末2000a−1に転送する(ステップSi18)。
【0095】
一方、ホーム加入者サーバ4000bは、iFCに基づいて、SIPメッセージ「REGISTER」を、アプリケーションサーバ3000c−1に送信する。アプリケーションサーバ3000c−1は、SIPメッセージ「REGISTER」に基づいて、サードパーティ(3rd party)登録処理を実行する。このサードパーティ登録は、端末2000aの登録状態の監視に用いられる(ステップSi19)。アプリケーションサーバ3000c−1は、SIPメッセージ「200OK」を、ホーム加入者サーバ4000bに応答として返信する(ステップSi20)。
【0096】
このようにして、端末2000a−1は、ドメイン1100に属するIMSサーバ1200aのS−CSCFサーバ1230aに割り振られる(登録される)。なお、端末2000a−2は、ドメイン1100とドメイン1400の違いはあるが、同様の登録フローにより、ドメイン1400に属するIMSサーバ1300aのS−CSCFサーバ1330aに割り振られる(登録される)。
【0097】
図4は、主ドメイン(ドメイン1100)の端末(端末2000a−1)から、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−2)への発呼フローを示すシーケンス図である。ここで、IMSシステムが相互の接続性を有さず、端末2000a−1がドメイン1100及びドメイン1400に多重登録する場合について説明する。
【0098】
端末2000a−1は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSk1)。P−CSCFサーバ1210は、端末2000a−1が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1230aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSk2)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−1に送信する(ステップSk3)。
【0099】
アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−1が属するドメインの切り替えの要否を判定する。
【0100】
例えば、IMSサーバ1200a(ドメイン1100)では対応していない機能を使う必要がある等、接続性に問題がある(要求された通信に問題が生じる)場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させると判定する。また、例えば、IMSサーバ1200a(ドメイン1100)が輻輳している等、接続性に問題がある(要求された通信に問題が生じる)場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1が接続するIMSサーバを、IMSサーバ1300a(ドメイン1400)に切り替えさせると判定する。
【0101】
一方、IMSサーバ1200aでは対応していない機能を使う必要がない等、接続性に問題が無い(要求された通信に問題が生じない)場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400に接続させるため、端末2000a−1にSIPメッセージを通知する、と判定する(ステップSk4)。
【0102】
アプリケーションサーバ3000c−1は、要求された通信に問題が生じる場合、端末2000a−1をIMSサーバ1300a(ドメイン1400)にも割り振る(多重登録させる)よう、IMSサーバ1300aに多重登録する指示を、S−CSCFサーバ1230aを介して端末2000a−1に通知する。以下、多重登録する指示を「再登録通知」という。
【0103】
ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、多重接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報を、SIPメッセージ「MESSAGE」、「NOTIFY」、又は、ドメイン1100(図1を参照)に属さない装置(外部の装置)が有する機能(例えば、ショートメッセージサービス(Short Message Service:SMS))に含めて、再登録通知として送信してもよい(ステップSk5)。
【0104】
なお、多重接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報(再登録通知)は、DHCPを用いて通知されてもよい。この場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、新たな接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報を、再登録通知を行う前にDHCPサーバに予め与えておく。
【0105】
S−CSCFサーバ1230aは、アプリケーションサーバ3000c−1から通知されたSIPメッセージを、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSk6)。P−CSCFサーバ1210は、S−CSCFサーバ1230aから通知されたSIPメッセージを、端末2000a−1に転送する(ステップSk7)。
【0106】
端末2000a−1は、再登録の完了を示すSIPメッセージ「200OK」を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSk8)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSk9)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」を、アプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSk10)。
【0107】
端末2000a−1は、多重接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報(再登録通知)に基づいて、ドメイン1400に属するIMSサーバ1300aに対して、登録フロー(図3を参照)を実行する(ステップSk11)。なお、端末2000a−1は、既に登録済みであれば、登録フロー(再登録)を実行するする必要はない。
【0108】
端末2000a−1は、登録完了を通知するためのSIPメッセージ(以下、「登録完了メッセージ」という)を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSk12)。P−CSCFサーバ1210は、登録完了メッセージを、S−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSk13)。S−CSCFサーバ1230aは、登録完了メッセージを、アプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSk14)。
【0109】
アプリケーションサーバ3000c−1は、登録完了を示すSIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSk15)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」を、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSk16)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を、端末2000a−1に転送する(ステップSk17)。
【0110】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1の登録状態を、サードパーティ登録に基づいて検知する。そして、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1がドメイン1400に再発呼するためSIPメッセージ「INVITE」を送信するよう、S−CSCFサーバ1230aを介して端末2000a−1に、SIPメッセージ「REFER」を送信する(ステップSk18)。
【0111】
なお、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1のドメイン1400への登録状態を検知することなく、SIPメッセージ「REFER」を送信してもよい。
【0112】
S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「REFER」を、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSk19)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「REFER」を、端末2000a−1に転送する(ステップSk20)。端末2000a−1は、SIPメッセージ「200OK」を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSk21)。
【0113】
P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSk22)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」を、アプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSk23)。
【0114】
端末2000a−1は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に送信する(ステップSk24)。なお、端末2000a−1は、登録完了後に、SIPメッセージ「INVITE」を自発的に送信してもよい。
【0115】
P−CSCFサーバ1310は、SIPメッセージ「INVITE」を、S−CSCFサーバ1330aに送信する(ステップSk25)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−2に送信する(ステップSk26)。
【0116】
アプリケーションサーバ3000c−2は、ステップSk4と同様に、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する(ステップSk27)。
【0117】
接続性に問題が無い(要求された通信に問題が生じない)場合、アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージ「INVITE」を、S−CSCFサーバ1330aに転送する(ステップSk28)。以降の処理は、後述する図8に示す発呼フローのステップSq7及びステップSq8と同様である。
【0118】
図5は、主ドメイン(ドメイン1100)の端末(端末2000a−1)から、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−2)への発呼フローを示すシーケンス図である。ここで、IMSシステムが相互の接続性を有し、URIが変換され、主ドメインの端末と従ドメインの端末とがそれぞれのドメインで通信する場合について説明する。
【0119】
端末2000a−1は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSm1)。P−CSCFサーバ1210は、端末2000a−1が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1230aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSm2)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−1に送信する(ステップSm3)。
【0120】
アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−1が属するドメインの切り替えの要否を判定する(ステップSm4)。
【0121】
ドメイン1100から端末2000a−2に着呼させる場合、発呼フローは、IMS標準に準拠した発呼フローとなる。そこで、図5では、IMSシステムが相互の接続性(互換性)を有し、且つ、予め定められた運用ポリシーに基づいてドメイン1400から端末2000a−2に着呼させる場合について説明する。
【0122】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のI−CSCFサーバ1320を、ルートヘッダ(Route−Header)に指定した上で、SIPメッセージ「INVITE」をS−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSm5)。S−CSCFサーバ1230aは、ルートヘッダに指定されたI−CSCFサーバ1320に、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSm6)。
【0123】
I−CSCFサーバ1320は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のS−CSCFサーバ1330aの識別情報(SIP URI)を、ホーム加入者サーバ4000cに問い合わせて解決する。
【0124】
ここで、ホーム加入者サーバ4000cは、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報に対応付けられた、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報を、問い合わせの応答としてI−CSCFサーバ1320に送信する。なお、ホーム加入者サーバ4000cのドメイン管理部4300(図2を参照)には、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報と、ドメイン1400に属する端末2000aの識別情報とが対応付けられたURIマップが、予め記憶されているものとする(ステップSm7)。
【0125】
I−CSCFサーバ1320は、S−CSCFサーバ1330aに、SIPメッセージ「INVITE」を送信する(ステップSm8)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、アプリケーションサーバ3000c−2に送信する(ステップSm9)。
【0126】
アプリケーションサーバ3000c−2は、ドメイン1100に属する端末2000a−1の識別情報を、ドメイン1400に属する端末2000a−1の識別情報に、URIマップに基づいて変換する。
【0127】
例えば、ドメイン1100に属する端末2000a−1の宛先を示す識別情報(SIP URI)が、user01@domainA.comであり、且つ、ドメイン1400に属する端末2000a−1の宛先を示す識別情報が、user02@domainB.comである場合、アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージの宛先を、user01@domainA.comから、user02@domainB.comに変換する(ステップSm10)。
【0128】
なお、アプリケーションサーバ3000c−2は、ドメイン1400に属する端末2000a−2の宛先を示す識別情報(SIP URI)を、リダイレクトメッセージとして、端末2000a−1に通知してもよい。また、端末2000a−1は、リダイレクトメッセージに基づいて、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1210に送信してもよい。
【0129】
アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージ「INVITE」を、S−CSCFサーバ1330aに転送する(ステップSm11)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に転送する(ステップSm12)。P−CSCFサーバ1310は、IPメッセージ「INVITE」を、着側の端末である端末2000a−2に転送する(ステップSm13)。以降の処理は、IMS標準に準拠する処理と同様である。
【0130】
図6は、主ドメイン(ドメイン1100)の端末(端末2000a−1)から、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−2)への発呼フローを示すシーケンス図である。ここで、IMSシステムが相互の接続性(互換性)を有し、且つ、主ドメインの端末(端末2000a−1)が、従ドメイン(ドメイン1400)での着呼処理を拒否されたことにより、従ドメインに多重登録する場合について説明する。
【0131】
端末2000a−1は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSn1)。P−CSCFサーバ1210は、端末2000a−1が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1230aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSn2)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−1に送信する(ステップSn3)。
【0132】
アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−1が属するドメインの切り替えの要否を判定する(ステップSn4)。
【0133】
ドメイン1100から端末2000a−2に着呼させる場合、発呼フローは、IMS標準に準拠した発呼フローとなる。そこで、図6では、IMSシステムが相互の接続性(互換性)を有し、且つ、予め定められた運用ポリシーに基づいてドメイン1400から端末2000a−2に着呼させる場合について説明する。
【0134】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のI−CSCFサーバ1320を、ルートヘッダ(Route−Header)に指定した上で、SIPメッセージ「INVITE」をS−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSn5)。S−CSCFサーバ1230aは、ルートヘッダに指定されたI−CSCFサーバ1320に、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSn6)。
【0135】
I−CSCFサーバ1320は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のS−CSCFサーバ1330aの識別情報(SIP URI)を、ホーム加入者サーバ4000cに問い合わせて解決する。
【0136】
ここで、ホーム加入者サーバ4000cは、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報に対応付けられた、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報を、問い合わせの応答としてI−CSCFサーバ1320に送信する。なお、ホーム加入者サーバ4000cのドメイン管理部4300(図2を参照)には、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報と、ドメイン1400に属する端末2000aの識別情報とが対応付けられたURIマップが、予め記憶されているものとする(ステップSn7)。
【0137】
IMSサーバ1300a(ドメイン1400)では対応していない機能を使う必要がある等、接続性に問題がある(要求された通信に問題が生じる)場合、I−CSCFサーバ1320は、着呼処理を拒否することを示すエラーメッセージを、S−CSCFサーバ1230aに返信する(ステップSn8)。なお、要求された通信に問題が生じる場合、エラーメッセージは、アプリケーションサーバ3000c−2(図2を参照)から送信されてもよい。
【0138】
S−CSCFサーバ1230aは、エラーメッセージをアプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSn9)。アプリケーションサーバ3000c−1は、図4に示す発呼フローのステップk5以降と同様に、IMSサーバ1300aに多重登録する指示(再登録通知)を、S−CSCFサーバ1230aを介して端末2000a−1に通知し、再発呼を実行させる(ステップSn10)。
【0139】
なお、アプリケーションサーバ3000c−1は、ドメイン1400から端末2000a−2に着呼させることをあきらめ、ドメイン1100から端末2000a−2に着呼させるよう、ドメイン1100から端末2000a−2にSIPメッセージ「INVITE」を送信してもよい。
【0140】
図7は、主ドメイン(ドメイン1100)の端末(端末2000a−1)から、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−2)への発呼フローを示すシーケンス図である。ここで、IMSシステムが相互の接続性(互換性)を有し、URIが変換され、且つ、従ドメインの端末に主ドメインへの多重登録を要求する場合について説明する。
【0141】
端末2000a−1は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSp1)。P−CSCFサーバ1210は、端末2000a−1が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1230aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSp2)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−1に送信する(ステップSp3)。
【0142】
アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−2をドメイン1100にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−2が属するドメインの切り替えの要否を判定する(ステップSp4)。
【0143】
ドメイン1100から端末2000a−2に着呼させる場合、発呼フローは、IMS標準に準拠した発呼フローとなる。そこで、図7では、IMSシステムが相互の接続性(互換性)を有し、且つ、予め定められた運用ポリシーに基づいて、ドメイン1400から端末2000a−2に着呼させる場合について説明する。
【0144】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のI−CSCFサーバ1320を、ルートヘッダ(Route−Header)に指定した上で、SIPメッセージ「INVITE」をS−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSp5)。S−CSCFサーバ1230aは、ルートヘッダに指定されたI−CSCFサーバ1320に、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSp6)。
【0145】
I−CSCFサーバ1320は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のS−CSCFサーバ1330aの識別情報(SIP URI)を、ホーム加入者サーバ4000cに問い合わせて解決する。
【0146】
ここで、ホーム加入者サーバ4000cは、ドメイン1100に属する端末2000aの識別情報に対応付けられた、ドメイン1400に属するその端末2000aの識別情報を、問い合わせの応答としてI−CSCFサーバ1320に送信することを試みる。
【0147】
図7では、端末2000a−2がドメイン1400に登録されていないことにより、ホーム加入者サーバ4000cのドメイン管理部4300(図2を参照)に予め記憶されているURIマップに、ドメイン1100に属する端末2000a−2の識別情報と、ドメイン1400に属する端末2000a−2の識別情報とが対応付けられていないものとして説明を続ける。
【0148】
この場合、ホーム加入者サーバ4000cは、ドメイン1100に属する端末2000a−2の識別情報に対応付けられた、ドメイン1400に属するその端末2000a−2の識別情報を、問い合わせの応答としてI−CSCFサーバ1320に送信することができない。そこで、ホーム加入者サーバ4000cは、端末2000a−2がドメイン1400に登録されていないことを示すエラーメッセージを、問い合わせの応答としてI−CSCFサーバ1320に返信する(ステップSp7)。
【0149】
I−CSCFサーバ1320は、端末2000a−2がドメイン1400に登録されていないことを示すエラーメッセージとして、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、S−CSCFサーバ1230aに返信する(ステップSp8)。
【0150】
S−CSCFサーバ1230aは、端末2000a−2がドメイン1400に登録されていないことを示すエラーメッセージを、アプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSp9)。アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aに多重登録する指示(再登録通知)を、S−CSCFサーバ1230aを介して端末2000a−2に通知する。
【0151】
ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、多重接続先のP−CSCFサーバ1210を示す識別情報を、SIPメッセージ「MESSAGE」、「NOTIFY」、又は、ドメイン1100(図1を参照)に属さない装置(外部の装置)が有する機能(例えば、ショートメッセージサービス)に含めて、再登録通知として送信してもよい(ステップSp10)。
【0152】
なお、多重接続先のP−CSCFサーバ1210を示す識別情報(再登録通知)は、DHCPを用いて通知されてもよい。この場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、新たな接続先のP−CSCFサーバ1210を示す識別情報を、再登録通知を行う前にDHCPサーバに予め与えておく。
【0153】
S−CSCFサーバ1230aは、アプリケーションサーバ3000c−1から通知された再登録通知を、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSp11)。P−CSCFサーバ1210は、S−CSCFサーバ1230aから通知された再登録通知を、端末2000a−2に転送する(ステップSp12)。
【0154】
端末2000a−2は、再登録通知を受信し、SIPメッセージ「200OK」をP−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSp13)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSp14)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」を、アプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSp15)。
【0155】
端末2000a−2は、多重接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報(再登録通知)に基づいて、ドメイン1100に属するIMSサーバ1200aに対して、登録フロー(図3を参照)を実行する(ステップSp16)。
【0156】
端末2000a−2は、登録完了メッセージを、P−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSp17)。P−CSCFサーバ1210は、登録完了メッセージを、S−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSp18)。S−CSCFサーバ1230aは、登録完了メッセージを、アプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSp19)。
【0157】
アプリケーションサーバ3000c−1は、登録完了を示すSIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSp20)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」を、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSp21)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を、端末2000a−1に転送する(ステップSp22)。
【0158】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−2が属しているドメイン1400のI−CSCFサーバ1320を、ルートヘッダ(Route−Header)に指定した上で、SIPメッセージ「INVITE」をS−CSCFサーバ1230aに再送信する(ステップSp23)。以降の処理は、図5に示した発呼フローと同様である。
【0159】
なお、図7に示す発呼フローでは、ホーム加入者サーバ4000cは、端末2000a−2がドメイン1400に登録されているか否かに応じて、問い合わせの応答動作を変更していた。この発呼フローに対し、アプリケーションサーバ3000c−1と、アプリケーションサーバ3000c−2とにサードパーティ登録された情報は、IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300aで共有されてもよい。共有されたサードパーティ登録情報は、端末2000a−2に登録を要求するか否かの判定のために参照されてもよい。また、共有されたサードパーティ登録情報は、どちらのドメインから端末2000a−2に着呼させるかを決める際のポリシー制御のために参照されてもよい。
【0160】
図8は、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−1)から、従ドメインの端末(端末2000a−2)への発呼フローを示すシーケンス図である。端末2000a−1は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に送信する。ここで、端末2000a−1は、ドメイン1100に属している端末2000a−2の識別情報(SIP URI)を、SIPメッセージ「INVITE」の宛先にする(ステップSq1)。
【0161】
P−CSCFサーバ1310は、端末2000a−2が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1330aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSq2)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−2に送信する(ステップSq3)。
【0162】
アプリケーションサーバ3000c−2は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。例えば、発側の端末である端末2000a−1と、着側の端末である端末2000a−2とが共にドメイン1400に属している場合、アプリケーションサーバ3000c−2は、そのドメイン1400を介して、端末2000a−1及び端末2000a−2を通信させる、と判定する(ステップSq4)。
【0163】
アプリケーションサーバ3000c−2は、ドメイン1100に属する端末2000a−1の識別情報を、ドメイン1400に属する端末2000a−2の識別情報に、URIマップに基づいて変換する。
【0164】
例えば、ドメイン1100に属する端末2000a−1の宛先を示す識別情報(SIP URI)が、user01@domainA.comであり、且つ、ドメイン1400に属する端末2000a−2の宛先を示す識別情報が、user02@domainB.comである場合、アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージの宛先を、user01@domainA.comから、user02@domainB.comに変換する(ステップSq5)。
【0165】
なお、アプリケーションサーバ3000c−2は、ドメイン1400に属する端末2000a−2の宛先を示す識別情報(SIP URI)を、リダイレクトメッセージとして、端末2000a−1に通知してもよい。また、端末2000a−1は、リダイレクトメッセージに基づいて、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に送信してもよい。
【0166】
アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージ「INVITE」を、S−CSCFサーバ1330aに転送する(ステップSq6)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に転送する(ステップSq7)。P−CSCFサーバ1310は、IPメッセージ「INVITE」を、着側の端末である端末2000a−2に転送する(ステップSq8)。以降の処理は、IMS標準に準拠する処理と同様である。
【0167】
図9は、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−2)から、主ドメイン(ドメイン1100)の端末(端末2000a−1)への発呼フローを示すシーケンス図である。ここで、IMSシステムが相互の接続性を有し、URIが変換され、従ドメインの端末が着側の端末(端末2000a−1)に従ドメインに多重登録するよう要求する場合について説明する。
【0168】
端末2000a−2は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に送信する。ここで、端末2000a−2は、ドメイン1100に属している端末2000a−1の識別情報(SIP URI)を、SIPメッセージ「INVITE」の宛先にする(ステップSr1)。
【0169】
P−CSCFサーバ1310は、端末2000a−2が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1330aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSr2)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−2に送信する(ステップSr3)。
【0170】
アプリケーションサーバ3000c−2は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−1が属するドメインの切り替えの要否を判定する。
【0171】
端末2000a−1がドメイン1400に登録されていない場合、アプリケーションサーバ3000c−2は、ドメイン1400から端末2000a−1に着呼させるため、端末2000a−1にSIPメッセージを通知する、と判定する(ステップSr4)。アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージ「INVITE」を、S−CSCFサーバ1330aに返信する(ステップSr5)。
【0172】
S−CSCFサーバ1330aは、ドメイン1100に属している端末2000a−1の識別情報(SIP URI)に基づいて、SIPメッセージ「INVITE」をI−CSCFサーバ1220に転送する(ステップSr6)。I−CSCFサーバ1220は、端末2000a−1が属しているドメイン1100のS−CSCFサーバ1230aの識別情報(SIP URI)を、ホーム加入者サーバ4000bに問い合わせて解決する(ステップSr7)。
【0173】
I−CSCFサーバ1220は、SIPメッセージ「INVITE」をS−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSr8)。S−CSCFサーバ1230aは、iFCに基づいて、SIPメッセージ「INVITE」をアプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSr9)。
【0174】
アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−1が属するドメインの切り替えの要否を判定する(ステップSr10)。
【0175】
ドメイン1100から端末2000a−1に着呼させる場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、SIPメッセージ「INVITE」をS−CSCFサーバ1230aに転送する。そして、発呼フローは、IMS標準に準拠した発呼フローとなる。そこで、図9では、ドメイン1400から端末2000a−1に着呼させる場合について説明する。
【0176】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−1をIMSサーバ1300a(ドメイン1400)にも割り振る(多重登録させる)よう、IMSサーバ1300aに多重登録する指示(再登録通知)を、S−CSCFサーバ1230aを介して端末2000a−1に通知する。
【0177】
ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、多重接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報を、SIPメッセージ「MESSAGE」、「NOTIFY」、又は、ドメイン1100(図1を参照)に属さない装置(外部の装置)が有する機能(例えば、ショートメッセージサービス)に含めて、再登録通知として送信してもよい(ステップSr11)。
【0178】
S−CSCFサーバ1230aは、アプリケーションサーバ3000c−1から通知された再登録通知を、P−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSr12)。P−CSCFサーバ1210は、S−CSCFサーバ1230aから通知された再登録通知を、端末2000a−1に転送する(ステップSr13)。
【0179】
端末2000a−1は、再登録通知を受信し、SIPメッセージ「200OK」をP−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSr14)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」をS−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSr15)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」をアプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSr16)。
【0180】
端末2000a−1は、多重接続先のP−CSCFサーバ1310を示す識別情報(再登録通知)に基づいて、ドメイン1400に属するIMSサーバ1300aに対して、登録フロー(図3を参照)を実行する(ステップSr17)。なお、端末2000a−1は、既に登録済みであれば、登録フロー(再登録)を実行するする必要はない(ステップSr17)。
【0181】
端末2000a−1は、登録完了メッセージをP−CSCFサーバ1210に送信する(ステップSr18)。P−CSCFサーバ1210は、登録完了メッセージをS−CSCFサーバ1230aに転送する(ステップSr19)。S−CSCFサーバ1230aは、登録完了メッセージをアプリケーションサーバ3000c−1に転送する(ステップSr20)。
【0182】
アプリケーションサーバ3000c−1は、登録完了を示すSIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSr21)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「200OK」をP−CSCFサーバ1210に転送する(ステップSr22)。P−CSCFサーバ1210は、SIPメッセージ「200OK」を端末2000a−1に転送する(ステップSr23)。
【0183】
アプリケーションサーバ3000c−1は、端末2000a−2に再発呼を促すためのエラーメッセージとして、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、S−CSCFサーバ1230aに返信する(ステップSr24)。
【0184】
S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、I−CSCFサーバ1220に転送する(ステップSr25)。I−CSCFサーバ1220は、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、S−CSCFサーバ1330aに転送する(ステップSr26)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、アプリケーションサーバ3000c−2に転送する(ステップSr27)。
【0185】
アプリケーションサーバ3000c−2は、端末2000a−1がドメイン1400に多重登録されているので、ドメイン1400から端末2000a−1に着呼させるよう、端末2000a−2に再発呼を実行させる。以降の処理は、図8に示した発呼フローと同様である。
【0186】
図10は、従ドメイン(ドメイン1400)の端末(端末2000a−2)から、主ドメイン(ドメイン1100)の端末(端末2000a−1)への発呼フローを示すシーケンス図である。ここで、IMSシステムが相互の接続性を有し、URIが変換され、主ドメインで着呼処理が拒否され、主ドメインの端末と従ドメインの端末とが主ドメインで通信(例えば、通話)する場合について説明する。
【0187】
端末2000a−2は、発呼のため、SIPメッセージ「INVITE」を、P−CSCFサーバ1310に送信する。ここで、端末2000a−2は、ドメイン1100に属している端末2000a−1の識別情報(SIP URI)を、SIPメッセージ「INVITE」の宛先にする(ステップSt1)。
【0188】
P−CSCFサーバ1310は、端末2000a−2が割り振られている(登録されている)S−CSCFサーバ1330aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSt2)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−2に送信する(ステップSt3)。
【0189】
アプリケーションサーバ3000c−2は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−2は、端末2000a−1をドメイン1400にも多重登録させるか否か、又は、端末2000a−1が属するドメインの切り替えの要否を判定する(ステップSt4)。
【0190】
接続性に問題が無く(要求された通信に問題が生じない)、且つ、運用ポリシーに基づいてドメイン1100から端末2000a−1に着呼させる場合、アプリケーションサーバ3000c−2は、SIPメッセージ「INVITE」を、S−CSCFサーバ1330aに転送する(ステップSt5)。
【0191】
S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージに付加された識別情報(SIP URI)に基づいて、I−CSCF1220にSIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSt6)。I−CSCF1220は、着側の端末である端末2000a−1が属しているドメイン1100のS−CSCFサーバ1230aの識別情報(SIP URI)を、ホーム加入者サーバ4000bに問い合わせて解決する(ステップSt7)。
【0192】
I−CSCF1220は、S−CSCFサーバ1230aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSt8)。S−CSCFサーバ1230aは、SIPメッセージ「INVITE」を、iFCに基づいて、アプリケーションサーバ3000c−1に送信する(ステップSt9)。
【0193】
アプリケーションサーバ3000c−1は、IMSサーバ1200aとIMSサーバ1300aとの互換性、及び予め定められた運用ポリシーの少なくとも一方に基づいて、要求された通信に問題が生じるか否かを判定する。ここで、アプリケーションサーバ3000c−1は、ドメイン1100に属する端末2000a−1に、ドメイン1400からの着呼を受け付けさせるか否かを判定する(ステップSt10)。
【0194】
ドメイン1100に属する端末2000a−1に、ドメイン1400からの着呼を受け付けさせる場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、S−CSCFサーバ1230aに、SIPメッセージ「INVITE」を転送する。以降の処理は、IMS標準に準拠する処理と同様である。そこで、図10では、IMSシステムが相互の接続性(互換性)を有し、且つ、予め定められた運用ポリシーに基づいて端末2000a−1にドメイン1400からの着呼を受け付けさせない(認められない)場合について説明する。
【0195】
端末2000a−1にドメイン1400からの着呼を受け付けさせない場合、アプリケーションサーバ3000c−1は、ドメイン1100から発呼することを端末2000a−2に促すためのエラーメッセージとして、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、S−CSCFサーバ1230aに送信する(ステップSt11)。
【0196】
S−CSCFサーバ1230aは、I−CSCF1220にSIPメッセージ「INVITE」を転送する(ステップSt12)。I−CSCF1220は、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、S−CSCFサーバ1330aに転送する(ステップSt13)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「480 temporarily Unavailable」を、アプリケーションサーバ3000c−2に転送する(ステップSt14)。
【0197】
アプリケーションサーバ3000c−2は、端末2000a−1にドメイン1400からの着呼を受け付けさせない(認められない)場合、S−CSCFサーバ1330aは、ドメイン1100から発呼することを促すため、S−CSCFサーバ1330aを介して端末2000a−2に、SIPメッセージ「REFER」を送信する(ステップSt15)。
【0198】
S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「REFER」を、P−CSCFサーバ1310に転送する(ステップSt16)。P−CSCFサーバ1310は、SIPメッセージ「REFER」を、端末2000a−2に転送する(ステップSt17)。
【0199】
端末2000a−2は、SIPメッセージ「200OK」を、P−CSCFサーバ1310に応答として送信する(ステップSt18)。P−CSCFサーバ1310は、SIPメッセージ「200OK」を、S−CSCFサーバ1330aに応答として送信する(ステップSt19)。S−CSCFサーバ1330aは、SIPメッセージ「200OK」を、アプリケーションサーバ3000c−2に応答として送信する(ステップSt20)。
【0200】
端末2000a−2は、発呼のため、ドメイン1100からSIPメッセージ「INVITE」を送信する。以降、端末2000a−1と端末2000a−2とは、主ドメイン(ドメイン1100)で通信する。
【0201】
以上のように、ホーム加入者サーバ4000b及びホーム加入者サーバ4000cと、アプリケーションサーバ3000c−1及びアプリケーションサーバ3000c−2と、複数のCSCFサーバ(IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300a)と、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、IMSネットワークシステムは、発呼する側の発呼端末(端末2000a−1、又は端末2000a−2)を、予め定められた主ドメイン(ドメイン1100)又は従ドメイン(ドメイン1400)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230a又はS−CSCFサーバ1330a)に登録させ、着呼される側の着呼端末(端末2000a−2、又は端末2000a−1)を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230a又はS−CSCFサーバ1330a)に登録させるホーム加入者サーバ4000b及びホーム加入者サーバ4000cと、前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、運用ポリシー等に基づいて、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させるアプリケーションサーバ3000c−1及びアプリケーションサーバ3000c−2と、を備える。
この構成により、アプリケーションサーバは、通信に問題が生じると判定した場合、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、発呼端末又は着呼端末を再登録させる。これにより、IMSネットワークシステムでは、異なる品質のシステムをユーザ及びその通信相手が意識して使い分けることなく通信することができる。
【0202】
また、必要な収容量が災害などにより一時的に増加した場合でも、ネットワークオペレータは、高品質で高価なIMSサーバを、IMSネットワークシステムに新たに導入する必要がない。つまり、高品質で高価なIMSと低品質で廉価なIMSとがIMSネットワークシステムに混在しても、ユーザ及びその通信相手は、IMSサーバ毎に異なる識別情報(SIP URI等)を用いることなく、IMSサーバ間で同一の電番又はIDを利用して透過的に通信することができる。この場合、通話品質は、ばらつくことがない。
【0203】
例えば、端末2000a−2は、ドメイン1400に属しながらも、ドメイン1100のSIP URIを用いて発着信が可能である。つまり、二つのドメインに同時に属しながらも(多重登録されながらも)、ドメインの一方を主ドメインとし、ドメイン1100とドメイン1400とで同じID(SIP URI等)を用いて、ドメイン1100に属するIMSサーバ1200aと、ドメイン1400に属するIMSサーバ1300aとを利用可能である。したがって、ドメイン1100のIMSサーバ1200a及び回線が輻輳している場合でも、端末2000a−2は、ドメイン1400のIMSサーバ1300aを用いて、同じIDを用いて通信できる。
【0204】
また、IMSネットワークシステムは、機能の組み合わせ(システムの互換性)及び運用ポリシーの少なくとも一方に応じて、どのIMSサーバを用いるかを制御することができる。また、収容量(処理能力)の増大を急に求められた場合、IMSネットワークシステムは、新たにIMSサーバを稼働し、その新たに稼働したIMSサーバを、すでに稼働していた他のIMSサーバに接続することができる。
【0205】
また、IMSネットワークシステムでは、端末2000a−1及び端末2000a−2は、異なるドメインに属する複数のIMSサーバに多重登録できるため、通信できる可能性が高い。ここで、端末2000a−1及び端末2000a−2は、異なるドメインに属する複数のIMSサーバに常に多重登録する必要はなく、必要に応じて登録及び利用すればよい。
【0206】
また、前記発呼端末(端末2000a−1、又は端末2000a−2)は、前記再登録により、前記主ドメイン(ドメイン1100)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230a)及び前記従ドメイン(ドメイン1400)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1330a)に多重登録される。
【0207】
また、前記着呼端末(端末2000a−2、又は端末2000a−1)は、前記再登録により、前記主ドメイン(ドメイン1100)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230a)及び前記従ドメイン(ドメイン1400)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1330a)に多重登録される。
【0208】
また、アプリケーションサーバ3000c−1及びアプリケーションサーバ3000c−2は、前記発呼端末及び前記着呼端末(端末2000a−1及び端末2000a−2)の識別情報(SIP URI)のマッピング(URIマップ)をドメイン毎に予め記憶し、前記主ドメイン(ドメイン1100)及び前記従ドメイン(ドメイン1400)のうち一方のドメインにおける識別情報を、他方のドメインにおける識別情報に変換し(URI変換)、変換後の識別情報を有する前記発呼端末又は前記着呼端末に前記メッセージ(SIPメッセージ)を送信する。
【0209】
また、前記発呼端末(端末2000a−1、又は端末2000a−2)は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び発呼処理(SIPメッセージ「INVITE」の送信等の処理)を開始する。
【0210】
また、前記着呼端末(端末2000a−2、又は端末2000a−1)は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び着呼処理(SIPメッセージ「INVITE」の受信等による処理)を開始する。
【0211】
[第2実施形態]
第2実施形態では、S−CSCFサーバが端末の識別情報(SIP URI)の対応付け及び登録状態を管理する点が、第1実施形態と相違する。以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0212】
図11には、IMSサーバを含むIMSネットワークシステムの構成例が、ブロック図により示されている。IPネットワーク1000(図1を参照)は、IMSサーバ1200cと、IMSサーバ1300cと、ホーム加入者サーバ4000bと、ホーム加入者サーバ4000cとを備える。
【0213】
つまり、第2実施形態では、アプリケーションサーバは、IPネットワーク1000に備えられていない。その代わり、第2実施形態では、IMSサーバ1200cが、アプリケーションサーバの機能ブロックを有する。機能ブロックは、以下のような構成となる。
【0214】
IMSサーバ1200cは、第1実施形態におけるIMSサーバ1200a(図2を参照)と、アプリケーションサーバ3000c−1とに相当する。IMSサーバ1200aは、SIP処理を実行するノードとして、P−CSCFサーバ1210と、I−CSCFサーバ1220と、S−CSCFサーバ1230cとを備える。
【0215】
S−CSCFサーバ1230cは、S−CSCF部1231と、保留部1232と、通知部1233と、ポリシー管理部1234と、指定部1236と、マッピング部1237と、変換部1238とを備える。
【0216】
ここで、保留部1232は、保留部3200−1(図2を参照)に相当する。通知部1233は、通知部3300−1(図2を参照)に相当する。ポリシー管理部1234は、ポリシー管理部3400−1(図2を参照)に相当する。指定部1236は、指定部3700−1(図2を参照)に相当する。マッピング部1237は、マッピング部3800−1(図2を参照)に相当する。変換部1238は、変換部3900−1(図2を参照)に相当する。これら機能ブロックの動作手順は、図3〜図10に示した例と同様である。
【0217】
以上のように、ホーム加入者サーバ4000b及びホーム加入者サーバ4000cと、複数のCSCFサーバ(IMSサーバ1200a及びIMSサーバ1300a)と、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、IMSネットワークシステムは、発呼する側の発呼端末(端末2000a−1、又は端末2000a−2)を、予め定められた主ドメイン(ドメイン1100)又は従ドメイン(ドメイン1400)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230a又はS−CSCFサーバ1330a)に登録させ、着呼される側の着呼端末(端末2000a−2、又は端末2000a−1)を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させるホーム加入者サーバ4000b及びホーム加入者サーバ4000cと、前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させるS−CSCFサーバ1230c及びS−CSCFサーバ1330cと、を備える。
この構成により、S−CSCFサーバは、通信に問題が生じると判定した場合、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、発呼端末又は着呼端末を再登録させる。これにより、IMSネットワークシステムは、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0218】
また、前記発呼端末(端末2000a−1、又は端末2000a−2)は、前記再登録により、前記主ドメイン(ドメイン1100)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230c)及び前記従ドメイン(ドメイン1400)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1330c)に多重登録される。
【0219】
また、前記着呼端末(端末2000a−2、又は端末2000a−1)は、前記再登録により、前記主ドメイン(ドメイン1100)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1230c)及び前記従ドメイン(ドメイン1400)に属するCSCFサーバ(S−CSCFサーバ1330c)に多重登録される。
【0220】
また、S−CSCFサーバ1230c及びS−CSCFサーバ1330cは、前記発呼端末及び前記着呼端末(端末2000a−1及び端末2000a−2)の識別情報(SIP URI)のマッピング(URIマップ)をドメイン毎に予め記憶し、前記主ドメイン(ドメイン1100)及び前記従ドメイン(ドメイン1400)のうち一方のドメインにおける識別情報を、他方のドメインにおける識別情報に変換し(URI変換)、変換後の識別情報を有する前記発呼端末又は前記着呼端末に前記メッセージ(SIPメッセージ)を送信する。
【0221】
また、前記発呼端末(端末2000a−1、又は端末2000a−2)は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び発呼処理(SIPメッセージ「INVITE」の送信等の処理)を開始する。
【0222】
また、前記着呼端末(端末2000a−2、又は端末2000a−1)は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び着呼処理(SIPメッセージ「INVITE」の受信等による処理)を開始する。
【0223】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0224】
なお、以上に説明したIMSネットワークシステムの各構成を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0225】
100…ネットワークオペレータ、200…ネットワークオペレータ、1000…IPネットワーク、1100…ドメイン、1200a及び1200c…IMSサーバ、1210…P−CSCFサーバ、1211…P−CSCF部、1220…I−CSCFサーバ、1221…I−CSCF部、1230a及び1230c…S−CSCFサーバ、1231…S−CSCF部、1232…保留部、1233…通知部、1234…ポリシー管理部、1236…指定部、1237…マッピング部、1300a及び1300c…IMSサーバ、1310…P−CSCFサーバ、1311…P−CSCF部、1320…I−CSCFサーバ、1321…I−CSCF部、1330a及び1330c…S−CSCFサーバ、1331…S−CSCF部、1332…保留部、1333…通知部、1334…ポリシー管理部、1336…指定部、1337…マッピング部、1400…ドメイン、2000a…端末、2100…通信部、2200…切替部、2300…複数登録部、3000c…アプリケーションサーバ、3100…アプリケーション部、3200…保留部、3300…通知部、3400…ポリシー管理部、3700…指定部、3800…マッピング部、3900…変換部、4000b及び4000c…ホーム加入者サーバ、4100…データベース部、4300…ドメイン管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーム加入者サーバと、アプリケーションサーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、
発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させるホーム加入者サーバと、
前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させるアプリケーションサーバと、
を備えることを特徴とするIMSネットワークシステム。
【請求項2】
前記発呼端末は、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とする請求項1に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項3】
前記着呼端末は、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項4】
前記アプリケーションサーバは、前記発呼端末及び前記着呼端末の識別情報のマッピングをドメイン毎に予め記憶し、前記主ドメイン及び前記従ドメインのうち一方のドメインにおける識別情報を、他方のドメインにおける識別情報に変換し、変換後の識別情報を有する前記発呼端末又は前記着呼端末に前記メッセージを送信することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項5】
前記発呼端末は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び発呼処理を開始することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項6】
前記着呼端末は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び着呼処理を開始することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項7】
ホーム加入者サーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、
発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させるホーム加入者サーバと、
前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させるS−CSCFサーバと、
を備えることを特徴とするIMSネットワークシステム。
【請求項8】
前記発呼端末は、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とする請求項7に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項9】
前記着呼端末は、前記再登録により、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバに多重登録されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項10】
前記S−CSCFサーバは、前記発呼端末及び前記着呼端末の識別情報のマッピングをドメイン毎に予め記憶し、前記主ドメイン及び前記従ドメインのうち一方のドメインにおける識別情報を、他方のドメインにおける識別情報に変換し、変換後の識別情報を有する前記発呼端末又は前記着呼端末に前記メッセージを送信することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項11】
前記発呼端末は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び発呼処理を開始することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項12】
前記着呼端末は、前記メッセージを受信した場合、再登録処理及び着呼処理を開始することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のIMSネットワークシステム。
【請求項13】
ホーム加入者サーバと、アプリケーションサーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、
ホーム加入者サーバのコンピュータに、
発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させる手順と、
アプリケーションサーバのコンピュータに、
前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させる手順と、
を実行させるための制御プログラム。
【請求項14】
ホーム加入者サーバと、複数のCSCFサーバと、を備えるIMSネットワークシステムにおいて、
ホーム加入者サーバのコンピュータに、
発呼する側の発呼端末を、主ドメイン又は従ドメインに属するCSCFサーバに登録させ、着呼される側の着呼端末を、前記主ドメイン又は前記従ドメインに属するCSCFサーバに登録させる手順と、
S−CSCFサーバのコンピュータに、
前記発呼端末が登録されているCSCFサーバ、及び、前記着呼端末が登録されているCSCFサーバの間で通信に問題が生じるか否かを、前記発呼端末が発呼処理を開始した際に判定し、通信に問題が生じると判定した場合、前記発呼処理を保留し、前記主ドメインに属するCSCFサーバ及び前記従ドメインに属するCSCFサーバのうち、通信に問題が生じないと予め定められているCSCFサーバに、前記発呼端末又は前記着呼端末を再登録させる手順と、
を実行させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−93758(P2013−93758A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234821(P2011−234821)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】