説明

IPマルチメディア・サブシステム・サービスへのグループ・アクセス

【課題】個別のIPマルチメディア・サブシステム・サブスクリプションを持たないユーザ端末に対して、IPマルチメディア・サブシステム・サービスを利用できるようにする。
【解決手段】サブスクリプションについて定義されている暗黙登録セット内に、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティ・サブドメインを含める。IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークとのアクセスポイントのIPマルチメディア・サブシステム登録において、暗黙登録セットに含まれるパブリック・ユーザ・アイデンティティは、上記アクセスポイントに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能と、上記アクセスポイントが接続されているプロキシ呼/セッション制御機能とへ配信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIPマルチメディア・サブシステム・サービスへのグループ・アクセスに関し、特に、IPマルチメディア・サブシステムのサブスクリプションを個別に持っていないが、IPマルチメディア・サブシステムのサブスクリプションを持つグループに属しているユーザに対して、このようなアクセスを容易にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
IPマルチメディア・サブシステム(IMS)は、第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)により規定された、モバイル通信ネットワーク上でIPマルチメディア・サービスを提供するための技術である(非特許文献1)。IMSは、サービスの統合および相互作用を通じて、エンドユーザの個人対個人(パーソン・ツー・パーソン)の通信体験を豊かにする重要な特徴を提供する。IMSは、IPベース・ネットワークを介した、新しい豊かな個人対個人(クライアント対クライアント)通信だけでなく、個人対コンテンツ(クライアント対サーバ)通信も可能にする。
【0003】
IMSは、セッション開始プロトコル(SIP)を使用して、ユーザ端末(UE)間またはUE/アプリケーション・サーバ(AS)間において、呼又はセッションを、セットアップ及び制御する。SIPシグナリングによって伝達されるセッション記述プロトコル(SDP)は、セッションのメディア・コンポーネントを記述およびネゴシエーションするために用いられる。SIPはユーザ対ユーザプロトコルとして作成されたが、IMSは、オペレータとサービスプロバイダがサービスへのユーザアクセスを制御し、それによりユーザに課金することを可能にする。
【0004】
IMSネットワーク内において、呼/セッション制御機能(CSCF)は、IMS内のSIPエンティティとして動作する。3GPPアーキテクチャは3種類のCSCFを規定している。すなわち、IMS内においてSIP端末が最初にコンタクトするポイントであるプロキシCSCF(P−CSCF)と、ユーザが加入しているサービスをユーザに提供するサービングCSCF(S−CSCF)と、正しいS−CSCFを識別し、SIP端末からP−CSCFを介して受信した要求をそのS−CSCFへ転送する役割を有するインタロゲーティングCSCF(I−CSCF)とを規定している。
【0005】
IMSサービス機能性はアプリケーション・サーバ(AS)を用いて実装される。任意の所与のUEについて、1以上のASを当該端末と関連づけてもよい。ASは、S−CSCFとIMSサービス制御(ISC)インタフェースを介して通信し、必要に応じて(例えば、所与のUEについてS−CSCF内にダウンロードされたIFCをトリガーしたことの結果として)、SIPメッセージング・ルートにリンクされる。
【0006】
ユーザは、特定のSIP REGISTER法を用いてIMSに登録する。これは、IMSにアタッチ(参加)し、SIPユーザ・アイデンティティ(識別情報)に到達可能なアドレスをIMSへアナウンスする手法である。3GPPでは、SIP端末が登録(レジストレーション)を実行する場合、IMSは、ホーム加入者サーバ(HSS)内に格納されているサブスクリプション(加入)情報を用いてユーザを認証し、そのユーザに対して、利用可能なS−CSCFのセットからS−CSCFを割り当てる。S−CSCFを割り当てる基準は3GPPに規定されていないが、これには負荷分散とサービス要件が含まれるかもしれない。なお、S−CSCFの割り当ては、IMSベース・サービスへのユーザアクセスを制御し、課金を行うための鍵となることに留意すべきである。オペレータは、そうしなければS−CSCFを迂回するであろう、ユーザ対ユーザの直接のSIPセッションを妨げる手法を提供してもよい。
【0007】
登録処理の間、S−CSCFがまだ選択されていないときは、S−CSCFを選択するのはI−CSCFの責任である。I−CSCFは、要求されたS−CSCFケイパビリティ(能力)をHSSから受信し、受信したケイパビリティに基づいて、適切なS−CSCFを選択する。なお、ユーザが他のパーティによって呼び出されたが、そのユーザには現在S−CSCFが割り当てられていない場合にも、I−CSCFによってS−CSCFの割り当てがユーザのために行われることに留意すべきである。その後、登録されたユーザがセッション要求をIMSへ送信した場合、P−CSCFは、登録処理の間にS−CSCFから受信した情報に基づいて、選択されたS−CSCFへその要求を転送することが可能である。
【0008】
あらゆるIMSユーザは、1以上のプライベート・ユーザ・アイデンティティを有している。プライベート・ユーザ・アイデンティティは、ホームネットワークのオペレータにより割り当てられ、IMSによって、例えば、登録、認可、管理、及びアカウンティングの目的で使用される。このアイデンティティは、非特許文献2に定められているように、ネットワーク・アクセス識別子(NAI)の形式をとる。国際移動加入者識別情報(IMSI)の表示は、プライベート・アイデンティティについてNAIの中に含めることが可能である。非特許文献3は、プライベート・ユーザ・アイデンティティの以下の特性を定めている。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティはSIPメッセージのルーティングには使用されない。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティは、全ての登録要求(再登録要求と登録解除要求を含む)に含まれ、UEからホームネットワークへ受け渡されなければならない。
− IPマルチメディア・サービス・アイデンティティ・モジュール(ISIM)アプリケーションは、1つのプライベート・ユーザ・アイデンティティを安全に格納されなければならない。ISIMアプリケーション上に格納されたプライベート・ユーザ・アイデンティティ情報をUEが修正することが可能であってはならない。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティはホームネットワーク・オペレータにより定められるユニークでグローバルなアイデンティティであり、これはネットワーク・パースペクティブからユーザのサブスクリプション(例えば、IMサービス・ケイパビリティ)を識別するために、ホームネットワーク内で使用してもよい。プライベート・ユーザ・アイデンティティはユーザではなくサブスクリプションを識別する。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティは、ユーザのサブスクリプションに恒久的に割り当てられ(すなわち、動的なアイデンティティではない)、ユーザがホームネットワークに加入している期間、有効でなければならない。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティは、(例えば、登録の間に用いられる)HSS内に格納されたユーザの情報(例えば、認証情報)を識別するために用いられる。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティは、オペレータのポリシーに基づき、課金記録の中に存在してもよい。
− プライベート・ユーザ・アイデンティティは、ユーザの登録(再登録と登録解除を含む)の間のみ認証されてもよい。
− HSSはプライベート・ユーザ・アイデンティティを格納する必要がある。
− S−CSCFは、端末を登録し登録解除する際にプライベート・ユーザ・アイデンティティを取得し格納する必要がある。
【0009】
プライベート・ユーザ・アイデンティティに加えて、全てのIMSユーザは、1以上のIMSパブリック・ユーザ・アイデンティティ(PUI)を有さなければならない。PUIは、他のユーザへの通信を要求するために任意のユーザにより使用される。ユーザは、例えば、名刺上にPUI(ただし、プライベート・ユーザ・アイデンティティではない)を有してもよい。非特許文献3はPUIの以下の特性を定めている。
− 電話通信の番号付与法とインターネットの名前付与法は両方とも、ユーザが有するPUIにより、ユーザにアドレスするために使用することが可能である。
− PUIは、(非特許文献4及び非特許文献5で規定される)SIP URIフォーマット、または非特許文献6で規定される”tel:”−URIフォーマットの形態をとらなければならない。
− ISIMアプリケーションは1以上のPUIを安全に格納しなければならない(UEがPUIを修正できてはならない)が、全ての付加的なPUIがISIMアプリケーション上に格納される必要はない。
− PUIは、IMSセッションとIMSセッションに関係のない手順を発生させるためアイデンティティが使用可能となる前に、明示又は暗黙に登録されなければならない。
− PUIは、IMSセッションの停止とIMSセッションに関係のない手順の停止が、PUIが属するユーザのUEへ伝達可能となる前に、明示又は暗黙に登録されなければならない。
− IMS内のメカニズムを介して(例えば、暗黙登録セット(インプリシット・レジストレーション・セット)を用いて)、2以上のPUIを有するユーザを、グローバルに(すなわち、単一のUE要求を介して)登録することが可能でなければならない。これは、ユーザが、必要に応じて、ユーザのPUIのいくつかを個別に登録することを排除するものであってはならない。
− PUIは、登録中にネットワークに認証されない。
− PUIは、(例えば、モバイル終端セッション・セットアップの間に)HSS内のユーザの情報を識別するために用いてもよい。
− PUIは、ユーザに適用されるサービス設定データを識別するために、IMS内のASが使用してもよい。
【0010】
図1は、ユーザの(IMS)サブスクリプションと、パブリック・ユーザ・アイデンティティ及びプライベート・ユーザ・アイデンティティとの間の関係の例を模式的に示している。ここに示す例において、加入者は、2つのプライベート・ユーザ・アイデンティティを有しており、これらは両方とも2つのパブリック・ユーザ・アイデンティティに関連づけられている(パブリック・ユーザ・アイデンティティの1つである、パブリック・ユーザ・アイデンティティ−2は、両方のプライベート・ユーザ・アイデンティティに関連づけられている)。サービス・プロフィールが各パブリック・ユーザ・アイデンティティに関連づけられており、このプロフィールは関連づけられているパブリック・ユーザ・アイデンティティのサービスデータを特定する。ホーム加入者サーバのユーザに対してアプリケーション・サーバが供給された場合、サービス・プロフィールが作成又は修正される。各サービス・プロフィールは、IMSサービスの供給又は制限をトリガするために用いられる1以上の内部フィルタ基準(iFC)を備える。サービス・プロフィール−1とサービス・プロフィール−2により提供されるサービス間の違いはオペレータに特有であるが、異なるアプリケーション・サーバ(AS)や、さらには異なる課金/レーティング法が含まれてもよい。
【0011】
この例では、パブリック・ユーザ・アイデンティティ−1はサービス・プロフィール−1に関連づけられており、パブリック・ユーザ・アイデンティティ−2とパブリック・ユーザ・アイデンティティ−3はサービス・プロフィール−2に関連づけられている。典型的な状況では、パブリック・ユーザ・アイデンティティ−1は、例えば、”Big_Joe@priv.operator.com”のような、ユーザが友人や家族に与えるアイデンティティとしてよく、パブリック・ユーザ・アイデンティティ−2とパブリック・ユーザ・アイデンティティ−3は、例えば、”+46111222333@operator.com”と”joe.black@operator.com”のような、ユーザが取引相手に与えるアイデンティティとしてよい。
【0012】
3GPPは、グループで作用するPUIのセットを識別する、いわゆる「暗黙登録セット」の概念を規定しており、これは、このセットのいずれか1つのPUIが登録又は登録解除された場合に、一緒に登録または登録解除される。3GPPは、HSSが、ユーザの登録又は呼の終了に応じて暗黙登録セットをS−CSCFへ送信することを命じている。(登録時に)HSSは、暗黙登録セット内の全てのPUIを識別し、次に、これらのPUIに関連づけられた全てのサービス・プロフィールを識別することが理解されている。次に、これらが関連づけられているPUIを含むサービス・プロフィール(又はサービス・プロフィールから選択されたデータ)は、S−CSCFへ送信される。この動作の結果として、S−CSCFは、そのサービス・プロフィールだけでなく、同一の暗黙登録セットに属する全てのPUIを知ることになる。
【0013】
IMSの可能なユースケースには、IMSへのグループレベルのサブスクリプションを有するユーザのコレクションが含まれるが、個々のユーザ自身はサブスクリプションを持たず、IMSは認識されていない。しかし、ユーザへの直接の内向きまたは外向きのダイアルを可能にすることが望ましく、又は、必要でさえある。このことは、例えば、企業がIMSへのサブスクリプションを有し、IP構内交換機(IP−PBX)へ接続された、個々の従業員局または従業員端末を有する場合に生じるだろう。従業員端末はSIPクライアントが提供されていてもいなくてもよい。後者の場合、IP−PBXは、SIPシグナリングと非SIPシグナリングとの間で変換を行う。もちろんIMSは(同一の暗黙登録セット内の)各端末について個別のPUIを記録することが可能であろうが、これはグループのサイズが大きくなるに従い非効率となる。ETSI TISPANは、このような企業ネットワークを次世代企業ネットワーク(NGCN)と定義している。
【0014】
代わりの手法が図2に模式的に示されており、ここでは複数のユーザ端末を管理するIP−PBX(”IP−PBX2”と呼ぶ)が示されていて、ユーザ端末の1つは図中で”外線.5678”と示されている。この手法は、ユーザ・サービスに対してユーザを識別するのではなく、公衆で利用可能なネットワーク・ベースIMSサービスを識別することが意図された、いわゆるパブリック・サービス・アイデンティティ(PSI)を採用する。この手法は、HSS内で、IP−PBX2に属する端末に対して特化されたPUIに適合するワイルドカード化されたPSIを定義する。
【0015】
終了する場合に、例えばINVITEのようなSIPメッセージが(相互接続境界制御機能(I−BCF、インターコネクテッド・ボーダー・コントロール・ファンクション)を介して)ホームIMSネットワークのI−CSCFで受信されたときは、I−CSCFは、電話番号に対応するSIP要求URIを認識し、これをTel URIに変換するだろう。図2の例では、SIP要求URIは”sip:+31161255678@operator2.com,user=phone”であり、これはTel(電話)URI”Tel:+31161255678”に変換される。次に、I−CSCFは、通常のIMS手順に従って、HSSへクエリを送信する。HSSは、Tel URIがPSIワイルドカードに適合することを判定して、割り当てられているS−CSCFのアイデンティティを用いてI−CSCFに応答する。I−CSCFは割り当てられているS−CSCFにSIPメッセージを転送し、次に、このS−CSCFはワイルドカード化されたPSUのサービス・プロフィールをHSSから取得する。このプロフィールは、S−CSCFに、ビジネス・トランキング(BT)アプリケーション・サーバへのメッセージのルーティングを行わせるIFCトリガを含む。アプリケーション・サーバは、SIP要求URIの”Tel:+31161255678”をIP−PBX2のアドレス、すなわち、”pbx2@operator2.com”で置き換え、宛先アドレスをToヘッダ・フィールド内に挿入し、既に失われている過去のコンテンツを削除する。
【0016】
次に、要求URIが変化したために新たな終端パーティが対象とされた場合、終端CSCFコンプレックスを横断する必要がある。次に、メッセージは更なるI−CSCFへ到達し、このI−CSCFは、PBXに割り当てられているS−CSCFを判定するように、当該割り当てられているS−CSCFへメッセージを配信する前に、HSSにクエリを出す。このS−CSCFは、PBXのコンタクトアドレスを知っており、これを新たな要求URIとして追加する。古いURIの”pbx2@operator2.com”を維持するため、S−CSCFは、メッセージをP−CSCFへ転送しIP−PBX2へ配信する前に、このURIを含むP−Called−Party−Idを追加する。選択的に、PBXアイデンティティに関してトリガが起動された場合、第2のS−CSCFは、メッセージを更なるアプリケーション・サーバに転送してもよい。
【0017】
宛先端末がSIP端末の場合、メッセージの受信に応じて、IP−PBX2は、”To”ヘッダ・フィールドに含まれるアドレスに基づいて、端末にメッセージを配信するように構成することができる。宛先端末がSIP端末でない場合、IP−PBX2端末は、何らかのアプリケーション専用ロジックに従って端末を処理するだろう。
【0018】
図2に示す”ワークアラウンド”(次善策)の解決法は、CSCFコンプレックスを2回横断する必要があるという欠点を有する。これにより、メッセージの通過回数が増加する結果となる。さらに、Toヘッダに元々含まれる情報は、発呼者が挿入した元々の要求URIと同様に失われる。元々のToヘッダがないと、呼び出された端末のあるアプリケーションは機能しないかもしれない。
【0019】
図3は、呼を発信する場合、すなわち、PBX後部の端末が遠隔端末へ呼を開始する場合の次善策の解決法を示している。この場合、外向きのP−CSCFは、PBXによりそこに送信されたINVITE内に含まれるP−Preferred−Identityを認識しないため、デフォルトのP−Asserted−Identityとして、PBXのPUI、すなわち”pbx1@operator1.com”を使用する。S−CSCFにおいて、PBXサービス・プロフィールのIFCは、BTアプリケーション・サーバを伴うようにS−CSCFに伝達する。BTアプリケーション・サーバは、発信側のユーザがFromヘッダ内で識別されるユーザであることの正当性を検証してアサートし、P−Asserted−Identityヘッダを発呼側のユーザのアイデンティティ、すなわち”tel:+31161241234”で置き換える。そして、BTアプリケーション・サーバは、PBXアイデンティティを管理しているS−CSCFを介して、SIP INVITEを終端ユーザへ転送する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】3GPP TS22.228
【非特許文献2】IETF RFC 2486
【非特許文献3】3GPP TS23.228
【非特許文献4】IETF RFC 3261
【非特許文献5】IETF RFC 2396
【非特許文献6】IETF RFC 3966
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、企業ネットワークやそれと同等のものの中に存在しているが、個別のIPマルチメディア・サブシステム・サブスクリプションを持たないユーザ端末に対して、IPマルチメディア・サブシステム・サービスを利用できるようにすることが可能な手順及びシステムを提供することである。本発明の更なる目的は、第1の目的を効率的な態様で実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
これらと他の目的は、サブスクリプションに関連づけられた暗黙登録セット内に、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティを含ませることにより実現される。本明細書では、「ワイルドカード化された(Wildcarded)」又は「ワイルドカード(wildcard)」は、シンボル、又は、1以上の不特定の文字(キャラクタ)を表すシンボルを含む、パブリック・ユーザ・アイデンティティを意味するものと理解される。ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティは、それに関連づけられたサービス・プロフィールを有することになる。暗黙登録セットに基づいてチェック又は処理を行うIPマルチメディア・サブシステム内の任意のノードは、受信したパブリック・ユーザ・アイデンティティが暗黙登録セット内の任意の標準パブリック・ユーザ・アイデンティティに適合したかのように、同様に、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティに適合する受信したパブリック・ユーザ・アイデンティティに応じて動作する。ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティを用いてパブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を表すのではなく、代わりに、サブドメインでこのような範囲を示してもよい。例えば、Tel URIの範囲は電話プリフィックス(局番)で示してよく、SIP URIの範囲は企業ドメインで示してよい。
【0023】
本発明の第1の側面によれば、IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークのサービスへの、当該ネットワークのアクセスポイントの背後に存在するユーザ端末によるアクセスを容易にする方法が提供される。アクセスポイントは、IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークへのサブスクリプションに関連づけられている。この方法は、当該サブスクリプションについて定義されている暗黙登録セット内に、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティ・サブドメインを含める工程を有している。IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークとの上記アクセスポイントのIPマルチメディア・サブシステム登録において、暗黙登録セットに含まれるパブリック・ユーザ・アイデンティティは、上記アクセスポイントに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能と、上記アクセスポイントが接続されているプロキシ呼/セッション制御機能とへ配信される。
【0024】
本発明の実施形態によれば、企業ネットワーク又はそれと同等のものの中に存在するが、それ自身はIPマルチメディア・サブシステムのサブスクリプションを持たないユーザ端末に対して、直接の着信ダイアル及び発信ダイアルを含むIPマルチメディア・サブシステムのサービスを提供することが可能となる。さらなるS−CSCFコンプレックスの横断はシグナリングのために全く求められず、また、重要なSIPヘッダ情報は維持される。
【0025】
本発明の更なる側面は、サービング呼/セッション制御機能と、プロキシ呼/セッション制御機能と、ホーム加入者サーバと、同等のものを動作させる方法とに関する。
【0026】
本発明の更なる側面によれば、IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバを動作させる方法が提供される。この方法は、サブスクリプション又はサービスに関して、サービスに関連づけられたパブリック・サービス・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・サービス・アイデンティティ又はパブリック・サービス・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットと、サービスに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能のアイデンティティ、又は、サービング呼/セッション制御機能を割り当てる基準とを含むデータを維持する工程を有する。インタロゲーティング呼/セッション制御機能において受信されたSIPメッセージに関する位置情報要求を当該インタロゲーティング呼/セッション制御機能から受信した場合、該SIPメッセージの要求URIがワイルドカード化されたパブリック・サービス・アイデンティティ又はサブドメインに適合したときは、該インタロゲーティング呼/セッション制御機能は、サービング呼/セッション制御機能のアイデンティティが通知されるか、又は、選択基準が提供される。
【0027】
本発明の更なる側面によれば、上述のホーム加入者サーバを動作させる方法の各工程を実行するソフトウェア・コード部分を備えた、デジタル・コンピュータ装置の内部メモリにロードすることが可能なコンピュータプログラム製品が提供される。更なる側面によれば、本発明に従い、サービング呼/セッション制御機能、プロキシ呼/セッション制御機能、及び、インタロゲーティング呼/セッション制御機能を動作させる各工程を実行するソフトウェア・コード部分を備えた、デジタル・コンピュータ装置の内部メモリにロードすることが可能なコンピュータプログラム製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ユーザIMSサブスクリプション、パブリック・ユーザ・アイデンティティ及びプライベート・ユーザ・アイデンティティの間の関係の例を模式的に示す図である。
【図2】IMSアーキテクチャ内で呼を終了させる場合の、次善策の従来手法を模式的に示す図である。
【図3】IMSアーキテクチャ内で呼を発信する場合の、次善策の従来手法を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る登録シグナリング・フローを有するIMSネットワーク・アーキテクチャを模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施形態に従い発信する場合のシグナリング・フローを有するIMSネットワーク・アーキテクチャを模式的に示す図である。
【図6】本発明の実施形態に従い終了する場合のシグナリング・フローを有するIMSネットワーク・アーキテクチャを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
IMS登録(レジストレーション)は2つのフェーズからなる。第1のフェーズでは、登録エンティティがSIP REGISTERをそのP−CSCFへ送信し、これは、I−CSCFを介してHSSにより割り当てられたS−CSCFへ転送される。この登録はHSSからチャレンジ(401メッセージ)を引き出し、これは登録エンティティへ返される。次に、このエンティティは、このチャレンジへの応答を含む、さらなるREGISTERを送出する。ユーザ端末のグループに代えてPBX(IP−PBX1で示す)が登録する場合、関連づけられたシグナリング・フローが図4に示されており、ここではPBXがDHCP参照を用いて外向きのP−CSCFのアドレスを学習している。PBXは、自分のPUIを用いて、この例では”pbx1@operator1.com”を登録している。PBXについてHSS内で保持されるサブスクリプション情報には、上述の暗黙登録セットが含まれる。PBXのPUI、並びに、やはりPBXに割り当てられているtel URIの”tel:+3116125111”と同様に、暗黙登録セットは、PBXに関連づけられた外線電話の範囲を示す「ワイルドカード」のPUIを含んでいる。この例では、ワイルドカードは”tel:+3116124!*!”と示されているが、ここで、”!*!”の部分は、特定のプリフィックスと任意のサフィックスを有するPUIがワイルドカードPUIに適合することを示している。
【0030】
HSSは、関連づけられているサービス・プロフィールとともに、サーバ割当回答(サーバ・アサインメント・アンサー、図4の信号17)内の暗黙登録セットを返す。次に、S−CSCFは、I−CSCF及びP−CSCFを介して200 OKをPBXに対して返送するが、200 OKは、PBXのPUIに関連づけられた暗黙登録セット内のPUIを識別するP−Asssociated−URIフィールドを有している。
【0031】
PBXが登録を実行するのではなく、これは、PBXの代わりに登録をする機能によって実行されることが可能だろう。このような機能は、例えば、シグナリング境界(ボーダー)ゲートウェイ等の境界ノードに設けることができるだろう。境界ノードは、PBXとP−CSCFの間に設けてもよいし、又は、P−CSCFを含んでもよい。登録機能を主催することが可能な装置の他の例は、統合アクセス装置、又は、顧客敷地内のホーム・ゲートウェイである。
【0032】
以下、図5を参照して、PBXの背後のユーザ端末が遠隔端末へ呼を発信することを望んでいる場合を考えるが、これは、(例えば、端末がSIP通信が可能な場合はSIPを使用して)ユーザ端末によってPBXへシグナリング(信号伝達)される。次に、PBXは、外向きのプロキシとして管理しているP−CSCFに対して、INVITEを送信する。PBXには、P−Preferred−Identityヘッダとして、例えば、”tel:+31161241234”のような、発呼ユーザの(ローカルの)アイデンティティが含まれる。P−CSCF内のサービス・ロジックは、従来より、以前にネゴシエーションされた安全性アソシエーションと暗黙登録セットのPUIを用いて、P−Preferred−Identityヘッダの正当性を検証するように構成されている。さらに、これは、P−Preferred−Identityヘッダが、S−CSCFから以前受信した暗黙登録セットに含まれる、ワイルドカード化されたPUIに適合することを判定する。次に、P−CSCFは、同じ発呼ユーザのPUIを用いてP−Preferred−IdentityヘッダをP−Asserted−Identityヘッダで置き換え、I−CSCFを介してS−CSCFへINVITEを転送する。
【0033】
INVITEを受信すると、S−CSCFは、P−Asserted−Identityヘッダが、(既に、登録フェーズ中にサービス・プロフィールとともにS−CSCFにダウンロードされている)暗黙登録セットに属するワイルドカード化されたPUIに適合することを判定し、さらに、S−CSCFは、必要ならば、アプリケーション・サーバを用いて共通グループのサービス・プロフィールを適用する(図5は、例を用いて、ビジネス・トランキング・アプリケーション・サーバを示している)。全てのグループ・メンバは、同一のグループ・サービスを受信し、課金はグループ・サブスクリプションに対して行うことが可能である。S−CSCFは、要求tel URIに対するENUM参照動作を実行して、当該URIに係るオペレータ・ドメインを識別する。そして、対応するSIP URIを作成する。この例では、
”sip:+31161255678@operator2.com;user=phone”
である。そして、これでINVITE内の元の要求URIの場所に置換する。
【0034】
呼セットアップは通常の手順に従って続けられる。なお、Request URI、From、To、及びP−Asserted−IDヘッダは、グループ・ハンドリング動作によって変更されない(少なくとも通常の非グループ・ユーザに対して行われるものと異なる態様では全くない)ことに気づくだろう。
【0035】
図6は終了する場合を示しており、ここでは遠隔端末がPBX背後のユーザ端末に対してIMS呼を開始する。PBXのホームIMSネットワーク内のI−CSCFが、グループ・メンバを宛先とする(この例ではPUI”sip:+31161255678@operator2.com”を有する)INVITE要求を受信した場合、I−CSCFは、SIP要求URIをTEL要求URIに変換し、HSSに対して通常の位置情報要求を行うことになる。宛先PUIは暗黙登録セット内のワイルドカード化されたPUI(すなわち、”tel:+3116125!*!”)と適合するため、I−CSCFは、当該要求をグループ・ユーザ・プロフィールに割り当てられているS−CSCFへ転送する。S−CSCFでは、通常の終了開始要求ハンドリングが実行され、(上述のビジネス・トランキング・アプリケーション・サーバ等の1以上のアプリケーション・サーバを利用して)要求された任意のグループ・サービスが実行された後に、INVITE内の要求URIは、PBXのコンタクトアドレス、すなわち”pbx2−contact−address”で置き換えられる。元々ダイアルされた終了するグループ・メンバのアイデンティティは、P−Called−Party−IDヘッダ内に保持される。発信する場合(図5)と同様に、Request URI、To、From、及びP−Asserted−IDは、非グループ・メンバに対して行われるものと異なる態様のグループ・ハンドリング動作によって変更されない。
【0036】
このINVITEを受信すると、PBXは、例えば、P−Called−Party−IDの値を用いて要求URIを構成し、P−Called−Party−IDを削除し、これをグループのネットワーク内で転送することによって、SIP通信が可能なグループ・メンバに対してこの要求を転送することが可能である。
【0037】
PBXが要求URIの再構成を行うのではなく、これは、INVITEがPBXへ転送される前に再構成を実行する機能が実行することが可能であろう。このような機能は、例えば、シグナリング境界ゲートウェイのような境界ノードに設けることができよう。境界ノードは、PBXとP−CSCFの間に設けてもよいし、或いは、P−CSCFを含んでもよい。
【0038】
このような機能を主催しうる装置の他の例は、統合アクセス装置、又は、顧客敷地内のホーム・ゲートウェイである。
【0039】
当該分野の当業者は、本発明の技術的範囲から離れることなく上述の実施形態に対して様々な修正を施してもよいことを理解するだろう。上述の手法は、例えば、ワイルドカード化されたパブリック・サービス・アイデンティティ又はパブリック・サービス・アイデンティティのサブドメインの暗黙登録セット内での包含を可能にするために適用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークへのアクセスポイントの背後に位置するユーザ端末による、当該IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークのサービスに対するアクセスを容易にする方法であり、前記アクセスポイントは、前記IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークのサブスクリプションに関連づけられている、方法であって、
前記サブスクリプションに対して定義される暗黙登録セット内に、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含ませる工程と、
前記IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークとの前記アクセスポイントのIPマルチメディア・サブシステム登録において、前記暗黙登録セットに含まれる前記パブリック・ユーザ・アイデンティティを、前記アクセスポイントに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能と、前記アクセスポイントが接続されているプロキシ呼/セッション制御機能とへ配信する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記暗黙登録セットは、前記アクセスポイントの1以上の明示的なパブリック・ユーザ・アイデンティティを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アクセスポイントはIP構内交換機であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記暗黙登録セットは、
前記IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバ内に維持され、
前記ホーム加入者サーバにより送信されたサーバ割当回答内の登録における前記サービング呼/セッション制御機能に対して提供され、
前記サービング呼/セッション制御機能から送信された200 OKのP−Associated−URIヘッダ内の前記プロキシ呼/セッション制御機能に対して提供される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記暗黙登録セットは、
前記IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバ内で維持され、
前記ホーム加入者サーバが送信したプッシュ・プロフィール要求内で、前記サブスクリプションが修正された後に、前記サービング呼/セッション制御機能へ提供される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークのプロキシ呼/セッション制御機能を動作させる方法であって、
前記IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークに対するサブスクリプションを有するアクセスポイントの登録において、当該アクセスポイントに対する暗黙登録セットであって、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットを受信及び格納する工程と、
前記アクセスポイントからセッション開始プロトコルのメッセージを受信する工程と、
前記メッセージのP−Preferred−Identityヘッダが前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに適合する場合、当該P−Preferred−Identityヘッダを同じユニバーサル・リソース・アイデンティファイアを含むP−Asserted−Identityで置き換える工程と、
前記メッセージをインタロゲーティング呼/セッション制御機能へ転送する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
IPマルチメディア・サブシステムのサービング呼/セッション制御機能を動作させる方法であって、
前記IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークに対するサブスクリプションを有するアクセスポイントの登録において、当該アクセスポイントに対する暗黙登録セットであって、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットと、該ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに関連づけられたサービス・プロフィールとを受信及び格納する工程と、
a)前記アクセスポイントの背後に位置するユーザ端末から発信されたSIPメッセージ、又は、b)該ユーザ端末を宛先とするSIPメッセージを受信する工程と、
前記a)のSIPメッセージのP−Asserted−Identity、又は、前記b)のSIPメッセージのユニバーサル・リソース・アイデンティファイアが前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに適合した場合、前記関連づけられたサービス・プロフィールに従って標準的なIMS手順を適用する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバを動作させる方法であって、
複数のユーザ端末を管理するアクセスポイントについて、当該ユーザ端末に関連づけられたパブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットと、該アクセスポイントに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能のアイデンティティ、又は、サービング呼/セッション制御機能を割り当てる基準とを含む加入者データを維持する工程と、
インタロゲーティング呼/セッション制御機能において受信されたSIPメッセージに関する位置情報要求を当該インタロゲーティング呼/セッション制御機能から受信した場合、該SIPメッセージの要求URIが前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに適合したときは、該インタロゲーティング呼/セッション制御機能に対して、前記サービング呼/セッション制御機能のアイデンティティを通知するか、又は、選択基準を提供する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバを動作させる方法であって、
複数のユーザ端末を管理するアクセスポイントについて、当該ユーザ端末に関連づけられたパブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む暗黙登録セットを含む加入者データを維持する工程と、
インタロゲーティング呼/セッション制御機能と、サービング呼/セッション制御機能と、プロキシ呼/セッション制御機能との少なくともいずれか1つに前記暗黙登録セットを提供する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記暗黙登録セットは、前記アクセスポイントに対するサブスクリプションの登録において、又は、該サブスクリプションが登録解除された場合にセッション・セットアップ要求を受信したことに応じて、提供されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記暗黙登録セットは、前記サブスクリプションが登録解除された場合にセッション・セットアップ要求を受信したことに応じて提供され、
前記セッション・セットアップ要求の要求URIを、前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインに適合させる工程と、
適合が確認された場合に前記暗黙登録セットを提供する工程と
をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークにおいて使用されるプロキシ呼/セッション制御機能を実装するコンピュータ装置であって、
前記IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークに対するサブスクリプションを有するアクセスポイントの登録において、当該アクセスポイントに対する暗黙登録セットであって、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットを受信及び格納する手段と、
前記アクセスポイントからセッション開始プロトコルのメッセージを受信する手段と、
前記メッセージのP−Preferred−Identityヘッダが前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに適合する場合、当該P−Preferred−Identityヘッダを同じユニバーサル・リソース・アイデンティファイアを含むP−Asserted−Identityで置き換える手段と、
前記メッセージをインタロゲーティング呼/セッション制御機能へ転送する手段と
を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項13】
IPマルチメディア・サブシステムにおいて使用されるサービング呼/セッション制御機能を実装するコンピュータ装置であって、
前記IPマルチメディア・サブシステム・ネットワークに対するサブスクリプションを有するアクセスポイントの登録において、当該アクセスポイントに対する暗黙登録セットであって、パブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットと、該ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに関連づけられたサービス・プロフィールとを受信及び格納する手段と、
a)前記アクセスポイントの背後に位置するユーザ端末から発信されたSIPメッセージ、又は、b)該ユーザ端末を宛先とするSIPメッセージを受信する手段と、
前記a)のSIPメッセージのP−Asserted−Identity、又は、前記b)のSIPメッセージのユニバーサル・リソース・アイデンティファイアが前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに適合した場合、前記関連づけられたサービス・プロフィールを含む標準的なサービス・ロジックを適用する手段と
を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項14】
IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバを実装するコンピュータ装置であって、
複数のユーザ端末を管理するアクセスポイントについて、当該ユーザ端末に関連づけられたパブリック・ユーザ・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はパブリック・ユーザ・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットと、該アクセスポイントに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能のアイデンティティ、又は、サービング呼/セッション制御機能を割り当てる基準とを含む加入者データを維持する手段と、
インタロゲーティング呼/セッション制御機能において受信されたSIPメッセージに関する位置情報要求を当該インタロゲーティング呼/セッション制御機能から受信したことに応じて、該SIPメッセージの要求URIが前記ワイルドカード化されたパブリック・ユーザ・アイデンティティ又はサブドメインに適合しているか否かを判定し、適合するは判定されたときは、該インタロゲーティング呼/セッション制御機能に対して、前記サービング呼/セッション制御機能のアイデンティティを通知するか、又は、選択基準を提供する手段と
を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項15】
IPマルチメディア・サブシステムのホーム加入者サーバを動作させる方法であって、
サブスクリプション又はサービスに関して、サービスに関連づけられたパブリック・サービス・アイデンティティの範囲を示す、ワイルドカード化されたパブリック・サービス・アイデンティティ又はパブリック・サービス・アイデンティティのサブドメインを含む、暗黙登録セットと、前記サービスに割り当てられているサービング呼/セッション制御機能のアイデンティティ、又は、サービング呼/セッション制御機能を割り当てる基準とを含むデータを維持する工程と、
インタロゲーティング呼/セッション制御機能において受信されたSIPメッセージに関する位置情報要求を当該インタロゲーティング呼/セッション制御機能から受信した場合、該SIPメッセージの要求URIが前記ワイルドカード化されたパブリック・サービス・アイデンティティ又はサブドメインに適合したときは、該インタロゲーティング呼/セッション制御機能に対して、前記サービング呼/セッション制御機能のアイデンティティを通知するか、又は、選択基準を提供する工程と
を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−59091(P2013−59091A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−245587(P2012−245587)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2009−550660(P2009−550660)の分割
【原出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】