説明

IP電話システムおよびIP電話機

【課題】携帯電話からIP電話機のウエブサーバに接続があった場合に、IP電話機への疑似着信として扱い、IP電話機側から携帯電話にコールバック接続することができるIP電話システムを提供する。
【解決手段】IP電話機20はウエブサーバ機能を有しブロードバンドルータ30に接続される。IP電話機20は、端末認証手段214、ウエブ接続判定手段213、疑似着信音生成手段215、コールバック制御手段218を備え、携帯電話からブロードバンドルータ30を介してIP電話機20のウエブサーバに接続があったことをウエブ接続判定手段213が検出した場合、端末認証手段214は、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証した場合、疑似着信音生成手段215は着信音を生成して鳴動させ、コールバック制御手段218は、IP電話機20からウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話機能とウエブサーバ機能を有するIP電話機を備えたIP電話システムおよびIP電話機に関するものであり、特に、外部ネットワークを介して携帯電話からIP電話機側のウエブサーバに接続があった場合に、該携帯電話からIP電話機への通話要求があったものとして疑似着信音を鳴動させ、IP電話機側から該携帯電話にコールバックできるようにしたIP電話システムおよびIP電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、IPネットワークを使用したIP電話サービスが行なわれている。IP電話システムにおいて、送話側からの音声はディジタル化され、さらにIPパケットに変換され、IPネットワーク上を流れ、通話先(受話側)まで到達する。通話先において受信されたIPパケットは元の情報に復元され、こうして送話側と通話先との間で通話を行なうことができる。このIP電話システムは、既存の電話網と比べて、運用・保守・管理コストを削減することができるため、広く使用されつつある。
【0003】
また、最近では、ASP(Application Service Provider)方式により、ウエブ上において登録グループ内でスケジュールを共有し、また電話帳や住所録等へのアクセスができるグループウェアと称されるサービスが普及してきている。携帯電話においても殆どの機種がウエブブラウザを搭載するようになり、さらに携帯電話用のコンパクトHTML(Hyper Text Markup Language)の標準化等に伴いどの事業者からもアクセス可能なウエブページを作成できるようになってきている。
【0004】
IP電話システムとして、現在、VoIP(Voice over Internet Protocol)システムが市販されている。VoIPシステムの代表的な呼制御プロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)がある。このSIPのサーバによる呼制御にはINVITEと呼ばれる発信用の制御コマンドがある。INVITEコマンドは発信側のIP電話機より送信先に送られる最初の制御メッセージで、このメッセージには、宛先アドレス、発信者アドレス、通信能力情報のほか発信者名や会社名などを電話機毎に発呼用の付帯情報として着信先に送ることができる。
【0005】
最近のIP電話機にはウエブサーバ機能を備えたものもあり、電話機として機能する他、インターネット網を介して各種のデータ通信も行うことができるようになってきている。このようなIP電話機はブロードバンドルータに接続され、電話通信、データ通信を行うことができる。また、家庭内などの小規模なLAN環境で設置されるIP電話機には、このため、ウエブサーバ機能の他に更に、ブロードバンドルータの機能を内蔵した電話機も提供されている。IP電話機を接続するブロードバンドルータには前述のSIPサーバ機能が内蔵されている。
【0006】
IPネットワークでは、IPアドレスのような機器に割当てられたアドレスを使用することによって相手を一意に認識する必要がある。このため、IP電話機にはプライベートIPと呼ばれるIP電話機としてのIPアドレスが割り当てられ、IP電話機が接続されるプロードバンドルータには、グローバルIPと呼ばれるIPアドレスが割り当てられる。プライベートIPアドレスはブロードバンドルータにより管理されるLAN内部におけるIPアドレスであり、グローバルIPアドレスはIPネットワークに接続されるブロードバンドルータ等の管理サーバを一意に特定するユニークなIPアドレスである。
【0007】
ところで、IPネットワークに接続されたIP電話機に外部から電話をかける場合、図7に示すように、IP電話網N1、固定電話網N2、携帯電話網N3などを用いて、固定IP電話機120、固定電話機130、携帯電話140から通話先(相手方)のブロードバンドルータ110やSIPサーバ(図示せず)を経由してIP電話機100を呼び出して該IP電話機100と発信元の電話機との接続制御が行われる。通話料金の課金は発信側に対して行われ、電話機がIP電話機であるか、固定電話機であるか、携帯電話であるかによって異なる。
【0008】
また、図7のシステムにおいて、携帯電話140がウエブブラウザ機能を搭載しており、通信先のIP電話機100がウエブサーバ機能やウエブページを提供している場合には、携帯電話140からブラウザ機能を用いてIP電話機100にインターネット接続してデータ通信を行うことができる。
【0009】
電話通信を利用した場合の料金は電話機の種別に応じて異なる。通常はIP電話機を用いた通話が最も通話料金が小さく、IP電話システムを有効に利用して通信コストを抑制するために種々の方法が提案されている。例えば、下記の特許文献1(特開2004−356907号公報)には、携帯電話とIP電話機とをセンターからの呼制御により接続して相互の通話を行うIP電話システムにおいて、携帯電話に送信されたウエブページから通話先を指定することで指定された通話先との接続をセンターからのコールバックにより行うようにしたIP電話機の通話システムが開示されている。
【0010】
この特許文献1に開示されたIP電話機の通話システムは、メール受信機能及びブラウザ機能を持つ携帯電話とIP電話機とを接続する管理センターと、管理センターに接続して各種手続きを行う法人・団体のクライアント端末とで構成され、管理センターは、クライアント端末及び携帯電話と情報の授受を行うウエブサーバと、法人・団体を特定する情報と携帯電話の利用者情報と固定電話への接続先情報とを登録・保存するデータベースと、携帯電話に管理センターへのURLリンクを記載した電子メールを送信する手段と、IP電話機への接続先情報を含む電話帳を掲載したウエブページを携帯電話に送信する手段と、携帯電話から送信されてきた通話先への接続先情報に基づいて携帯電話とIP電話機との呼制御を行うセッション管理手段と、携帯電話とIP電話機との通話に伴う課金情報を管理する手段とを備えたものである。
【特許文献1】特開2004−356907号公報(図1、段落[0001]、[0005]、[要約])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
最近では、前述したようにウエブサーバ機能やブロードバンドルータ機能を備えたIP電話機が提供されており、比較的小さいコストでIP電話システムを設置できるようになってきている。このため通信コストを抑制する目的で家庭内にIP電話システムを設置する個人も多くなってきている。
【0012】
家庭内に設置されたIP電話システムを有効に利用して通信料金を抑制するためには、外部からの着信に対して、IP電話機からコールバックできることが好ましい。例えば、家族が外部から携帯電話を使って家庭に電話をかける場合にそのまま接続してしまうと、携帯電話の通話料金で課金が行われてしまい通信コストの抑制にはならない。
【0013】
そこで、上記特許文献1のように外部からの着信に対してコールバック接続してIP電話機側から発信元の携帯電話に通話できると通話料金を抑制することができる。しかしながら、上記特許文献1に開示された通話システムは、企業内や多数の会員を要するグループを対象にした大規模なシステムであり、管理センターシステムが必要である。このため、家庭や数人程度の小規模なグループに導入することができないという問題点があった。
【0014】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、一般の携帯電話が備えているウエブブラウザ機能を使用し、外部ネットワークを介して携帯電話からIP電話機側のウエブサーバに接続があった場合に、該携帯電話からIP電話機への通話要求があったものとして疑似着信音を鳴動させ、IP電話機側から該携帯電話にコールバックできるようになせば、前記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は、前記の問題点を解消することを課題とし、携帯電話のウエブブラウザ機能を使用し、携帯電話からIP電話機のウエブサーバに接続があった場合に、IP電話機への疑似着信として扱い、IP電話機側から携帯電話にコールバック接続することができるIP電話システムおよびIP電話機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、ウエブサーバ機能を有し、ブロードバンドルータに接続されたIP電話機を用いたIP電話システムにおいて、前記IP電話機は、端末認証手段と、ウエブ接続判定手段と、疑似着信音生成手段と、コールバック制御手段と、を備え、携帯電話から前記ブロードバンドルータを介して前記IP電話機のウエブサーバに接続があったことを前記ウエブ接続判定手段が検出した場合、前記端末認証手段は、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証した場合、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とする。
【0017】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話において通常着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示し、前記IP電話機においてオフフック操作がなされると、前記IP電話機は、前記携帯電話からのIP電話通話に自動応答することを特徴とする。
【0018】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話においてコールバック着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示するとともにコールバック着信を許可するか否かを選択する選択画面を表示し、該選択画面においてコールバック着信を許可する選択がなされた場合、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とする。
【0019】
また、請求項4にかかる発明は、請求項3にかかるIP電話システムにおいて、前記選択画面においてコールバック着信を許可しない選択がなされた場合、前記IP電話機は、前記携帯電話にコールバック着信を許可しない旨を通知することを特徴とする。
【0020】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記IP電話機は更に、QRコード生成手段と、端末登録手段と、を備え、前記IP電話機は前記ブロードバンドルータに設定された前記IP電話機のアドレス変換情報を記録したQRコードを生成し、該QRコードを読み取った前記携帯電話が該IP電話機のウエブサーバに接続した場合、前記端末登録手段は、前記携帯電話から使用者のIDを取得し、該携帯電話を端末登録し、前記認証手段は前記使用者のIDに基づいて登録端末の認証を行うことを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項6にかかる発明は、ウエブサーバ機能を有し、ブロードバンドルータに接続されたIP電話機において、前記IP電話機は、端末認証手段と、ウエブ接続判定手段と、疑似着信音生成手段と、コールバック制御手段と、を備え、携帯電話から前記ブロードバンドルータを介して前記IP電話機のウエブサーバに接続があったことを前記ウエブ接続判定手段が検出した場合、前記端末認証手段は、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証した場合、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とする。
【0022】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6にかかるIP電話機において、前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話において通常着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示し、前記IP電話機においてオフフック操作がなされると、前記IP電話機は、前記携帯電話からのIP電話通話に自動応答することを特徴とする。
【0023】
また、請求項8にかかる発明は、請求項6にかかるIP電話機において、前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話においてコールバック着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示するとともにコールバック着信を許可するか否かを選択する選択画面を表示し、該選択画面においてコールバック着信を許可する選択がなされた場合、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とする。
【0024】
また、請求項9にかかる発明は、請求項8にかかるIP電話機において、前記選択画面においてコールバック着信を許可しない選択がなされた場合、前記IP電話機は、前記携帯電話にコールバック着信を許可しない旨を通知することを特徴とする。
【0025】
また、請求項10にかかる発明は、請求項6にかかるIP電話機において、前記IP電話機は更に、QRコード生成手段と、端末登録手段と、を備え、前記IP電話機は前記ブロードバンドルータに設定された前記IP電話機のアドレス変換情報を記録したQRコードを生成し、該QRコードを読み取った前記携帯電話が該IP電話機のウエブサーバに接続した場合、前記端末登録手段は、前記携帯電話から使用者のIDを取得し、該携帯電話を端末登録し、前記認証手段は前記使用者のIDに基づいて登録端末の認証を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1にかかる発明においては、IP電話機は、端末認証手段と、ウエブ接続端末判定手段と、疑似着信音生成手段と、コールバック制御手段と、を備え、携帯電話から前記ブロードバンドルータを介して前記IP電話機のウエブサーバに接続があったことを前記ウエブ接続判定手段が検出した場合、前記端末認証手段は、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証した場合、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信する。
【0027】
このような構成によれば、家庭などに設置したIP電話システムにおいて、家人が使用する携帯電話を登録端末として登録しておけば、外部のネットワークから携帯電話を用いて、家庭のIP電話機にウエブブラウザ接続すると、IP電話機は該携帯電話の認証を行い、認証できた場合にはIP電話機側で疑似着信音を鳴動させ、オフフック操作されると自動的にIP電話機から該携帯電話にコールバック接続をすることができるから、携帯電話の通話料金でなく、IP電話機からの通話料金で携帯電話とIP電話機間の通話が可能になり、通話料金を抑制することができるようになる。
【0028】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話において通常着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示し、前記IP電話機においてオフフック操作がなされると、前記IP電話機は、前記携帯電話からのIP電話通話に自動応答する。
【0029】
このような構成によれば、登録端末でない友人や知人の携帯電話からウエブサーバに接続があった場合、携帯電話側において通常着信が選択されていれば、疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機に表示された携帯電話使用者のIDに基づいて、IP電話機において通話操作をして、携帯電話からのIP電話通話に自動応答することができるようになる。
【0030】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話においてコールバック着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示するとともにコールバック着信を許可するか否かを選択する選択画面を表示し、該選択画面においてコールバック着信を許可する選択がなされた場合、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信する。
【0031】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかるIP電話システムにおいて、前記選択画面においてコールバック着信を許可しない選択がなされた場合、前記IP電話機は、前記携帯電話にコールバック着信を許可しない旨を通知する
このような構成によれば、登録端末でない友人等の携帯電話からウエブサーバに接続があった場合、携帯電話側においてコールバック着信が選択されていれば、疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機に表示された携帯電話使用者のIDとコールバック着信を許可するか否かを選択する選択画像を表示し、IP電話機においてコールバック着信を許可するかまたは拒否するかをIP電話機側で選択できるようになる。コールバック着信を許可する選択をすると、該IP電話機から携帯電話に通話発信することができ、携帯電話の使用者に生じる通話料金を低減することができるようになる。
【0032】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記IP電話機は更に、QRコード生成手段と、端末登録手段と、を備え、前記IP電話機は前記ブロードバンドルータに設定された前記IP電話機のアドレス変換情報を記録したQRコードを生成し、該QRコードを読み取った前記携帯電話が該IP電話機のウエブサーバに接続した場合、前記端末登録手段は、前記携帯電話から使用者のIDを取得し、該携帯電話を端末登録し、前記認証手段は前記使用者のIDに基づいて登録端末の認証を行う。
【0033】
このような構成によれば、携帯電話をIP電話機に容易に端末登録することができるようになる。
【0034】
また、請求項6〜請求項10にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項5にかかるIP電話システムを構成するIP電話機を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのIP電話システムを例示するものであって、本発明をこの実施例のIP電話システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のIP電話システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0036】
図1は、本発明の実施例にかかるIP電話システムの構成を示すシステム構成図である。図1においてネットワークNW1は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)環境にあり、ブロードバンドルータ30とブロードバンドルータ30に接続されたIP電話機20とからなるIP電話システムを構成している。ブロードバンドルータ30は、グローバルIPアドレスが割り当てられている。
【0037】
IP電話機20は、ブロードバンドルータ30にLAN接続されており、LAN環境におけるプライベートIPアドレスが割り当てられている。このIP電話機20は、SIPサーバ機能を備えIP電話機として用いられるとともにウエブサーバ機能を備え、インターネット接続も可能である。このため、IP電話機20には、ウエブサーバの接続ポートおよびSIPサーバの接続ポートが設けられ、それぞれのポートにウエブサーバ、SIPサーバが接続される。
【0038】
ブロードバンドルータ30には、LAN接続されるIP電話機20等の接続制御のためのアドレス変換テーブルが設けられており、IP電話機20に対して外部からの通話着信やウエブサーバ接続があった場合には、ブロードバンドルータ30はこのアドレス変換テーブルを参照してポート変換を行う。
【0039】
インターネット環境にあるネットワークNW2に接続されるIP電話機40や携帯電話50は、ブロードバンドルータ30を介してIP電話機20に通話発信したり、ウエブブラウザを用いてIP電話機20のウエブサーバにインターネット接続したりすることができる。ネットワークNW2に接続可能なIP電話機40や携帯電話50は、それぞれIP電話としてのグローバルIPアドレスとポートを備えている。
【0040】
ネッワークNW1のブロードバンドルータ30およびIP電話機20のIPアドレスとポート、アドレス変換テーブルの具体的な設定例、ネットワークNW2のIP電話機40および携帯電話50のIPアドレスとポート、アドレス変換テーブルの具体的な設定例は、それぞれ図2、図3に示されている。
【0041】
図2に示すように、例えば、ブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレスは「202.214.174.51」であり、IP電話機20のプライベートIPアドレスは「192.168.10.5」である。また、IP電話機20におけるWEBサーバとSIPサーバの接続ポートは、それぞれ「8080」、「5060」である。ブロードバンドルータ30のアドレス変換テーブルには、自身のポートにIP電話機20のプライベートIPアドレスとポートの変換データが記憶されている。例えば、ポート80にはIP電話機20のプライベートIPアドレス「192.168.10.5」とWEBサーバの接続ポート「8080」との対応関係が記憶されている。IP電話機20のSIPサーバ接続ポートについても同様である。
【0042】
外部のネットワークに接続された機器からブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレスに対してIP電話機20に対する接続要求があると、ブロードバンドルータ30はアドレス変換テーブルを参照してIP電話機20の何れかのポートを選択して外部機器を接続する。
【0043】
例えば、外部のネットワークNW2の携帯電話50からIP電話機20のWEBサーバへの接続要求は携帯電話50のウエブブラウザを用いてブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレス「202.214.174.51」とポート「80」を指定して行われる。この接続要求に対してブロードバンドルータ30はアドレス変換テーブルを参照してIP電話機20のプライベートIPアドレス「192.168.10.5」とポート「8080」に変換して接続する。携帯電話50からのIP電話としての通話接続要求(着信)も同様に、ブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレス「202.214.174.51」とポート「5060」を指定して行われる。この接続要求に対してブロードバンドルータ30はアドレス変換テーブルを参照してIP電話機20のプライベートIPアドレス「192.168.10.5」とポート「5060」に変換して接続する。
【0044】
すなわち、外部の携帯電話50等は、ブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレスとポートなどの情報を取得すれば、該ブロードバンドルータ30に接続されたIP電話機20にWEB接続することができる。本発明においては、ネットワークNW1のLAN環境にあるIP電話機20に対して、家人や知人の携帯電話からWEB接続要求ができるようにし、WEB接続があった場合に、IP電話機20側では、IP電話としての疑似着信があったものと見なし、疑似着信音を鳴動させ、IP電話機20側でオフフックや発信操作があれば、IP電話機20側から携帯電話にコールバック発信するようにしたものである。これにより、携帯電話の通話料でなく、IP電話としての通話料で携帯電話50との通話が可能になる。携帯電話50等にブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレスとポートを取得させる方法については後述する。
【0045】
この時、IP電話機20に疑似着信とコールバック着信を許可する相手方の携帯電話50をレベル分けすることができる。第1のレベルは、例えば、IP電話システムを設置している家庭内の家族の持つ携帯電話50であり、この場合、該携帯電話50の利用者ID(例えば、サブスクライバID)をIP電話機20に登録しておく。登録された携帯電話50から疑似着信(IP電話機20へのWEB接続)があった場合に認証をとり、家人が受話器をオフフックしたら自動的にIP電話機20から該携帯電話50にコールバック発信する。
【0046】
第2のレベルは友人や知人の携帯電話50であり、IP電話機20への登録(WEB接続時の認証)は行わず、該携帯電話50から疑似着信(IP電話機20へのWEB接続)があった場合には、IP電話機20に携帯電話番号や利用者氏名を表示し、コールバック接続するか否かを選択できるようにする。
【0047】
以下、このような構成のIP電話機20について詳細に説明する。図4は、本発明の実施例にかかるIP電話機20の構成を示すブロック図である。IP電話機20は、ウエブサーバ機能部220、SIPサーバ機能部230を備え、LANインターフェイス(IF)240を介してLAN等のネットワークに接続されている。
【0048】
また、IP電話機20は、音声出力のためのスピーカ201、音声入力のためのマイク202、音声コーディック203を備え、音声コーディック203は音声の符号化と複合化、すなわち音声のアナログとデジタルの変換を行っている。この音声コーディック203はその他に受話音量やマイクの感度変更の機能を備えている。
【0049】
IP電話機20は、ディスプレイパネルによる表示部204と、主としてプッシュ釦から構成される入力部205と、ROM206、RAM207、EEPROM208を備えている。主制御部210はマイクロプロセッサ等のコンピュータ装置で構成され、ROM206やEEPROM208に蓄積された制御プログラムや各種設定値に基づいて各部の制御を行う。また、主制御部210はRAM207に各部の処理において必要なデータ類を一時記憶する。
【0050】
図5は、図4に示すIP電話機20の主制御部210の機能構成を示す機能ブロック図である。主制御部210は、QRコード生成手段211、端末登録手段212、ウエブ接続判定手段213、端末認証手段214、疑似着信音生成手段215、オフフック検出手段216、発信操作検出手段217、コールバック制御手段218を備えている。QRコード生成手段211と端末登録手段212の機能については後述する。
【0051】
外部のインターネット環境にある携帯電話50から前述した方法でIP電話機20のウエブサーバ機能部に対する接続要求があると、ウエブ接続判定手段213がこれを検出し、端末認証手段214は、端末登録手段212に登録された携帯電話であるか否かの認証を行う。端末登録手段212にはIP電話機20に対してウエブ接続してコールバック着信を認める携帯電話の利用者のサブスクライバID、電話番号、利用者の名前などが登録されている。
【0052】
端末認証手段214は端末登録手段212に登録されたこれらのデータに基づいてIP電話機20に登録された携帯電話であるかを認証する。登録端末である携帯電話50は、例えば、IP電話機20を含むIP電話システムを設置した家庭の家族の携帯電話50である。従って、登録端末である携帯電話50からIP電話機20に対してウエブ接続があったら、自動的にIP電話機20から携帯電話にコールバック発信すると携帯電話の通話料金でなくIP電話料金で家族間の通話ができるようになる。
【0053】
自動コールバック発信のため、端末認証手段214がウエブ接続してきた携帯電話50が登録端末であると認証すると、疑似着信音生成手段215は、電話着信の場合と同様の着信音(ウエブ接続であるので疑似的に電話の着信を知らせる疑似着信音)を生成して着信音を鳴動させる。在宅している家族がIP電話機20の受話器を取り上げる(オフフックする)と、オフフック検出手段216がこれを検出し、コールバック制御手段218が自動的にIP電話機20側から携帯電話50にIP電話としての通話発信を行う。以上、説明した例が前述した第1のレベルの携帯電話、すなわち、IP電話機20に端末登録した携帯電話との間の制御手順である。
【0054】
次に、前述した第2のレベルの携帯電話、例えば、IP電話システムを設置した家庭の家族がIP電話機20へのウエブ接続のためのデータを提供した、友人や知人の携帯電話50の場合の動作について説明する。この場合、携帯電話50はIP電話機20には端末登録はせず、ウエブ接続した時点で携帯電話50から携帯電話番号を入力しIP電話機20に送信する手順を採る。また、携帯電話50の携帯電話番号の入力画面には、通常通話とコレクトコールの選択ボタンを表示し、携帯電話50の利用者が何れかを選択してIP電話機20に送信する。
【0055】
外部のインターネット環境にある携帯電話50から前述した方法でIP電話機20のウエブサーバ機能部に対する接続要求があると、ウエブ接続判定手段213がこれを検出し、端末認証手段214は、端末登録手段212に登録された携帯電話であるか否かの認証を行う。携帯電話50が第2のレベル、すなわちIP電話機20に登録されている端末でない場合、認証がとれず、IP電話機20は携帯電話50が登録端末でないことを認識する。
【0056】
携帯電話50には前述したように携帯電話番号の入力と、通常着信かコレクトコール着信の何れかを選択する選択画面、すなわち、着信種別の選択画が表示される。この選択画面で着信種別を選択すると、携帯電話番号と着信種別のデータがIP電話機20に送信されるから、IP電話機20の主制御部210は表示部204に携帯電話番号、着信種別を表示する。IP電話機20の電話帳にこの携帯電話番号が登録されていれば、携帯電話番号に加えてその携帯電話の利用者の名前などの付加情報を表示部204に表示することができる。
【0057】
携帯電話50において着信種別として通常着信が選択されている場合、IP電話機20においては、疑似着信音生成手段215は、電話着信の場合と同様の着信音(ウエブ接続であるので疑似的に電話の着信を知らせる疑似着信音)を生成して着信音を鳴動させる。在宅している家族がIP電話機20の表示部204に表示された情報(携帯電話番号、名前、通常着信など)を確認し、受話器を取り上げる(オフフックする)と、IP電話機20から携帯電話50にIP電話機20の電話番号を送信する。
【0058】
携帯電話50はIP電話機20から受信したIP電話機20の電話番号を表示し、携帯電話50の利用者がこの電話番号をクリック操作すると、携帯電話50からIP電話機20にIP電話機としての通話発信が行われ、IP電話機20は携帯電話50からのIP電話機に自動応答する。
【0059】
一方、携帯電話50において着信種別としてコレクトコールが選択されている場合、IP電話機20においては、疑似着信音生成手段215は、電話着信の場合と同様の着信音(ウエブ接続であるので疑似的に電話の着信を知らせる疑似着信音)を生成して着信音を鳴動させる。在宅している家族がIP電話機20の表示部204に表示された情報(携帯電話番号、名前、コレクトコールなど)を確認する。この表示画面にはコレクトコールを許可「OK」するか拒絶「NG」するかを選択する選択ボタンも表示される。コレクトコールを許可する場合、IP電話機20側から携帯電話50にIP電話機としてコールバック発信することになるので、本明細書ではコレクトコール着信をコールバック着信と同等のものとして説明している。
【0060】
在宅している家族が表示部204に表示された表示内容を確認し、コレクトコールを許可する場合「OK」を選択し、受話器を取り上げると、オフフック検出手段216がこれを検出し、コールバック制御手段218が自動的にIP電話機20側から携帯電話50にIP電話機としての通話発信を行う。これにより携帯電話50に自動的にコールバック接続ができ、オペレータや交換局を介さない疑似的なコレクトコール接続が完了する。
【0061】
在宅している家族が表示部204に表示された表示内容を確認し、コレクトコールを拒絶する場合「NG」を選択する。IP電話機20は携帯電話にコレクトコールが許可されなかったことを通知し、携帯電話50の表示画面にはこの旨が表示される。その後の動作は携帯電話50側の操作による。携帯電話50がIP電話機20にウエブ接続でなく、通常のIP電話の通話をした場合には、IP電話機20はIP電話として接続する。
【0062】
先に述べたように、外部の携帯電話50等は、ブロードバンドルータ30のグローバルIPアドレスとポートなどの情報を取得すれば、該ブロードバンドルータ30に接続されたIP電話機20にWEB接続することができる。外部の携帯電話50等にIP電話機20のウエブ接続のためのデータは、本質的に携帯電話50に手入力で設定できるものである。しかし、本実施例においては、携帯電話50における入力を容易にするため、IP電話機20に設けたQRコード生成手段211を用いるようにしている。
【0063】
先ず、IP電話機20を操作してブロードバンドルータ30に接続する。この接続は、いわゆるuPnP(汎用プラグイン アンド プレイ プロトコル)のプロトコルを用いて行うことができる。このプロトコルによれば、LAN内の機器が必要に応じてルータやファイヤウォールにポートの開閉や外部からの接続要求に対するマッピングなどを要求する手順が用意されている。これにより、ルータが保持しているグローバルIPアドレスを確認したり、動的にポートマッピングを設定するように要求したりすることができる。
【0064】
このプロトコルを用いてIP電話機20は、ブロードバンドルータ30からグローバルIPアドレスとポートを取得し、QRコード生成手段211は、ブロードバンドルータ30の接続先情報、アドレス変換テーブルの情報を含むQRコードを生成して表示部204に表示する。
【0065】
IP電話機20の表示部204にQRコードが表示されると、外部の携帯電話50等、すなわち家族の携帯電話により表示されたQRコードを読み取る。最近の携帯電話はCCDカメラなどの撮像手段やQRコード読み取り装置を内蔵している場合が多く、携帯電話に特別の機能を追加することなくQRコードの読み取りが可能である。携帯電話50はQRコードから読み取った情報を携帯電話側の接続情報として保存する。
【0066】
次に、携帯電話50は保存した接続情報を用いてIP電話20にウエブ接続を要求する。携帯電話50からウエブ接続されたIP電話機は、この時に携帯電話50のサブスクライバIDを携帯電話50から取得し、端末登録手段212にサブスクライバIDを登録する。これにより携帯電話50はIP電話機20に端末登録され、以後、IP電話機20にウエブ接続すると、IP電話機20は前述した疑似着信音を鳴動させ、自動的にIP電話機20から携帯電話50にコールバック接続を行う。
【0067】
なお、友人や知人の携帯電話50に上記の接続情報を入力する場合も同様にQRコードを該携帯電話に読み取らせてもよく、あるいは、家族の携帯電話がQRコードから読み取った情報を転送して設定させることができる。
【0068】
図6は、以上説明した本発明の実施例にかかるIP電話機20の動作手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS101の処理において、IP電話機20に外部のネットワークに属する携帯電話50(図1参照)からウエブ接続があるとウエブ接続判定手段213がこれを検出する。
【0069】
次いで、ステップS102の処理において端末認証手段214は端末登録手段212に記録されたデータ(サブスクライバIDなど)を参照して認証を行う。登録端末である携帯電話50からの接続であることが認証されると、ステップS103の処理に進み、疑似着信音生成手段215は着信音を生成して鳴動させる。
【0070】
IP電話機20において受話器をオフフックすると、ステップS104のオフフック判定処理においてオフフック検出手段216がこれを検出する。次いで、ステップS105の処理において、コールバック制御手段218は、IP電話機20から携帯電話50に通話発信(コールバック発信)する。
【0071】
ステップS102の判定処理において端末認証手段214が携帯電話50が登録端末でないと判定(認証ができなかったと判定)した場合は、IP電話機20に登録された携帯電話(登録端末)でないことになる。IP電話機20はステップS106の携帯端末50側の処理において携帯電話50に表示される選択画面での選択操作を待つ。ここで携帯電話50が選択する選択項目は、先に説明したように通常着信かコレクトコールかの着信種別や携帯電話番号などである。
【0072】
ステップS107でIP電話機20は、携帯電話50側で選択された着信種別を判定する。通常着信であれば、ステップS108の処理において、疑似着信音生成手段215は着信音を生成して鳴動させる。そして、ステップS109の処理において、IP電話機20は表示部204に携帯電話50の電話番号、利用者の名前を(IP電話機20の電話帳に登録があれば利用者の名前が取得できる)表示してステップS110の処理に進む。
【0073】
IP電話機20の使用者が表示部204に表示された携帯電話番号、名前を確認して受話器をオフフックする。ステップS110のオフフック判定処理においてオフフック検出手段216がこれを検出すると、ステップS111の処理に進み、携帯電話50からのIP電話接続に対して自動応答する。オフフック検出されない場合はステップS109の処理に戻る。
【0074】
ステップS107の判定処理において、携帯電話50側で選択された着信種別がコレクトコールであると判定されると、ステップS112の処理において、疑似着信音生成手段215は着信音を生成して鳴動させる。そして、ステップS113の処理において、IP電話機20は表示部204に携帯電話50の電話番号、利用者の名前を(IP電話機20の電話帳に登録があれば利用者の名前が取得できる)表示してステップS114の処理に進む。このとき表示部204にはコレクトコールを許可するか否かの選択項目(OK、NG)が表示されている。
【0075】
IP電話機20の使用者が表示部204に表示された携帯電話番号、名前を確認して、表示部204に表示されたコレクトコールを許可するか否かの選択項目(OK、NG)を操作する。選択項目OKを操作すると、ステップS114の処理において、コレクトコールが許可されたことを判定する。
【0076】
コレクトコールが許可され、IP電話機20でオフフック操作または発信操作すると、ステップS104のオフフック判定処理においてオフフック検出手段216がこれを検出する。次いで、ステップS105の処理において、コールバック制御手段218は、IP電話機20から携帯電話50に通話発信(コールバック発信)する。
【0077】
一方、IP電話機20側で選択項目NGを操作すると、ステップS114の処理において、コレクトコールが拒絶されたことを判定する。この情報はIP電話機20から携帯電話50に送信され、ステップS115の処理において携帯電話50にコレクトコールが拒絶されたこと(NGであったこと)が表示される。そしてIP電話機20側は、ステップS116の処理において携帯電話50側の操作を待つ。
【0078】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるIP電話システムによれば、外部のネットワークから携帯電話を用いて、家庭のIP電話機にウエブブラウザ接続すると、IP電話機は該携帯電話の認証を行い、認証できた場合にはIP電話機側で疑似着信音を鳴動させ、オフフック操作されると自動的にIP電話機から該携帯電話にコールバック接続をすることができる。従って、携帯電話の通話料金でなくIP電話料金で家族間の通話ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施例にかかるIP電話システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】図1のIP電話システムにおいてLAN環境にある機器のIPアドレス、ポートの具体例を示す図である。
【図3】図1のIP電話システムにおいてインターネット環境にある機器のIPアドレス、ポートの具体例を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかるIP電話機の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例にかかるIP電話機の制御部機能の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施例にかかるIP電話機のウエブ接続時の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】一般的なIP電話システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
NW1・・・・IP電話システム
NW2・・・・インターネット網
20・・・・・IP電話機
30・・・・・ブロードバンドルータ
210・・・・主制御部
211・・・・QRコード生成手段
212・・・・端末登録手段
213・・・・ウエブ接続判定手段
214・・・・端末認証手段
215・・・・疑似着信音生成手段
216・・・・オフフック検出手段
217・・・・発信操作検出手段
218・・・・コールバック制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブサーバ機能を有し、ブロードバンドルータに接続されたIP電話機を用いたIP電話システムにおいて、
前記IP電話機は、端末認証手段と、ウエブ接続判定手段と、疑似着信音生成手段と、コールバック制御手段と、を備え、
携帯電話から前記ブロードバンドルータを介して前記IP電話機のウエブサーバに接続があったことを前記ウエブ接続判定手段が検出した場合、前記端末認証手段は、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証した場合、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とするIP電話システム。
【請求項2】
前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、
前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話において通常着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示し、前記IP電話機においてオフフック操作がなされると、前記IP電話機は、前記携帯電話からのIP電話通話に自動応答することを特徴とする請求項1に記載のIP電話システム。
【請求項3】
前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、
前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話においてコールバック着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示するとともにコールバック着信を許可するか否かを選択する選択画面を表示し、該選択画面においてコールバック着信を許可する選択がなされた場合、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とする請求項1に記載のIP電話システム。
【請求項4】
前記選択画面においてコールバック着信を許可しない選択がなされた場合、前記IP電話機は、前記携帯電話にコールバック着信を許可しない旨を通知することを特徴とする請求項3に記載のIP電話システム。
【請求項5】
前記IP電話機は更に、QRコード生成手段と、端末登録手段と、を備え、
前記IP電話機は前記ブロードバンドルータに設定された前記IP電話機のアドレス変換情報を記録したQRコードを生成し、該QRコードを読み取った前記携帯電話が該IP電話機のウエブサーバに接続した場合、前記端末登録手段は、前記携帯電話から使用者のIDを取得し、該携帯電話を端末登録し、前記認証手段は前記使用者のIDに基づいて登録端末の認証を行うことを特徴とする請求項1に記載のIP電話システム。
【請求項6】
ウエブサーバ機能を有し、ブロードバンドルータに接続されたIP電話機において、
前記IP電話機は、端末認証手段と、ウエブ接続判定手段と、疑似着信音生成手段と、コールバック制御手段と、を備え、
携帯電話から前記ブロードバンドルータを介して前記IP電話機のウエブサーバに接続があったことを前記ウエブ接続判定手段が検出した場合、前記端末認証手段は、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証した場合、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とするIP電話機。
【請求項7】
前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、
前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話において通常着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示し、前記IP電話機においてオフフック操作がなされると、前記IP電話機は、前記携帯電話からのIP電話通話に自動応答することを特徴とする請求項6に記載のIP電話機。
【請求項8】
前記携帯電話は、通常着信かコールバック着信かを選択する選択手段を備え、
前記端末認証手段が、携帯電話使用者のIDに基づいて、登録端末か否かを認証し、登録端末であると認証しなかった場合、前記携帯電話においてコールバック着信が選択された時、前記疑似着信音生成手段は着信音を生成して鳴動させ、前記IP電話機は少なくとも前記携帯電話使用者のIDを表示するとともにコールバック着信を許可するか否かを選択する選択画面を表示し、該選択画面においてコールバック着信を許可する選択がなされた場合、前記コールバック制御手段は、IP電話機から前記ウエブサーバに接続した携帯電話に通話発信することを特徴とする請求項6に記載のIP電話機。
【請求項9】
前記選択画面においてコールバック着信を許可しない選択がなされた場合、前記IP電話機は、前記携帯電話にコールバック着信を許可しない旨を通知することを特徴とする請求項8に記載のIP電話機。
【請求項10】
前記IP電話機は更に、QRコード生成手段と、端末登録手段と、を備え、
前記IP電話機は前記ブロードバンドルータに設定された前記IP電話機のアドレス変換情報を記録したQRコードを生成し、該QRコードを読み取った前記携帯電話が該IP電話機のウエブサーバに接続した場合、前記端末登録手段は、前記携帯電話から使用者のIDを取得し、該携帯電話を端末登録し、前記認証手段は前記使用者のIDに基づいて登録端末の認証を行うことを特徴とする請求項6に記載のIP電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−124695(P2008−124695A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305052(P2006−305052)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】