説明

IP電話機システム

【課題】 ワンタッチダイヤル登録に関する制約によらず、IP電話機と組み合わされたコンピュータ装置からワンタッチで発信先の電話番号を選択してIP電話機に発信処理を行わせることができるIP電話機システムを提供する。
【解決手段】 IP電話機システムはIP電話機12と、IP電話機12に接続されるコンピュータ装置17とからなる。コンピュータ装置17は、電話番号データベース41と、前記電話番号データベース41に蓄積された電話番号のリストをディスプレイ50に表示して任意の電話番号を選択させ、前記IP電話機12に送信する電話番号選択手段42とを備え、IP電話機12は、前記電話番号を受信する電話番号受信手段34と、発信切り替え手段32とを備え、電話番号受信手段34が電話番号を受信した際に、発信切り替え手段32が当該電話番号を発信先の電話番号として切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話システムに接続されるIP電話機システムに関するものであり、特に、IP電話機と組み合わされたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置からワンタッチで発信先の電話番号を選択してIP電話機に発信処理を行わせることができるようにしたIP電話機システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の通信、情報処理技術の発展によりインターネット網を用いたIP電話システムが普及してきており、通常の通信事業者(キャリア)の提供する電話回線網を使用した通信に比べ通信コストを抑制できることから企業等においてもIP電話システムを導入する機運が高まってきており、今後もその利用が拡大するものと考えられている。
【0003】
IP電話機は、アナログ音声をデジタル音声データに変換する変換機能を有し音声や映像の送受信が可能である。これらのデータの送受信に関してはSIP(Session Initiation Protocol)サーバ、設定管理サーバ、ゲートキーパ、コールエージェント等のインターネット電話用のネットワーク管理サーバ、もしくはパソコンがIP電話機の動作を管理しており、現在IP電話機が単独でインターネットに接続されてはいない。
【0004】
これらのインターネット電話用サーバは、使用しているプロトコルにより呼び方が異なっているが、基本的には端末であるIP電話機の登録、接続先の解決、帯域や接続数の管理を行うものである。具体的には上記のような各種のネットワーク管理サーバが定期的もしくは非同期的にIP電話機へアクセスしたり、IP電話機に定期的にアクセスさせたりして、各種設定値を送信すると共に、網アクセス制御、呼制御、端末間制御、データ送受信制御等を行う。
【0005】
図8は、一般的なIP電話機1の外観を示す図である。図8に示すように一般的なIP電話機1は、ディスプレイパネルによる表示部2、プッシュボタンによりなる複数のテンキー5と、各種機能を指定する機能キー4、および、回線選択用ラインキーなどのセレクトキー3からなる入力手段が設けられている。図8において、参照符号6は通話のためのハンドセット(受話器)である。IP電話機1を使用して発信する場合、ハンドセットを上げて、テンキー5を操作して発信先の電話番号を入力する(ダイヤルする)。
【0006】
通常の加入者電話機でも同様であるが、よく通話する発信先の電話番号は、短縮ダイヤル設定、いわゆるワンタッチダイヤル設定をしておき、設定したテンキーや機能ボタン1つを操作することにより当該キーに対応付けて登録した電話番号に自動的に発信する機能付加されている。現在の一般的な加入者電話機、IP電話機などにおいては、24個のキーを持つものが多い。キーに登録した電話番号あるいは相手先の名前などの表記は、キー付近のシートスペースに書き込む方法がとられるのが一般的である。
【0007】
このようなワンタッチダイヤル機能を有する電話機は、例えば、下記の特許文献1(特開平7−58824号公報)に開示されている。この電話機は、ダイヤルキーと、ワンタッチダイヤルキーとを設け、また、ダイヤルキーから入力された電話番号のダイヤルデータを保持するダイヤルバッファ用メモリと、ワンタッチダイヤルキーに登録される電話番号のダイヤルデータを保持するワンタッチダイヤル用メモリとを設けたものである。ワンタッチバッファ用メモリに、ダイヤルキーから入力された電話番号のダイヤルデータが保持されている場合に、ワンタッチダイヤルキーを押したときには、ワンタッチバッファ用メモリに保持されているダイヤルデータを、ワンタッチダイヤル用メモリに転送する。オフフック状態の場合に、ワンタッチダイヤルキーを押したときには、ワンタッチダイヤル用メモリに保持されているダイヤルデータを読み出し、この読み出したダイヤルデータに従ったダイヤル信号を電話回線に送り出すようにしたものである。
【特許文献1】特開平7−58824号公報(図1、段落[0004]〜[0006])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図8に示す一般的な電話機や上記特許文献1に開示された電話機においては、ワンタッチダイヤル登録する操作が必要である。すなわち、ワンタッチダイヤル機能を有効に使用できるようにするには、当然のことながら、ワンタッチダイヤルキーに、相手の電話番号をあらかじめ登録しておく必要がある。その登録を行うには、ワンタッチ
ダイヤルキーが複数あるとすれば、待機時(電話機を使用していないとき)に、1・登録キーを押す。2・登録するキーを押す。3・登録する相手の電話番号をダイヤルキーにより入力する。4・登録キーを押す。というキー操作を行う必要がある。従って、電話機にワンタッチダイヤル機能を用意する場合には、ワンタッチダイヤルキー以外に、登録キーを設ける必要がある。
【0009】
また、電話機に設けられているキーの数が、例えば、24個であり、ワンタッチダイヤル機能を利用して登録する電話番号を増やすには、キーの数を増やす必要が生じる。キーの数を増やす場合には機器が大型化し、回路、機構の増加に伴いコスト増を招くという問題点が存在する。
【0010】
キーに登録した相手先の電話番号や名前などの表記は、キー付近のシートスペースに書き込むのが一般的であるが、スペースが狭く、限られており記載しづらいうえ宛て先に関するその他の情報もスペースの関係で記載が困難であるという問題点も存在していた。
また、画面に複数の宛て先を表示し、宛て先の表示位置に対応するキーやカーソルキーにより宛て先を選択する装置が販売されているが、電話機の表示画面が狭いという問題点が存在していた。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、ワンタッチダイヤル登録に関する制約によらず、IP電話機と組み合わされたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置からワンタッチで発信先の電話番号を選択してIP電話機に発信処理を行わせることができるようにしたIP電話機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
IP電話機と該IP電話機に接続されるコンピュータ装置とからなるIP電話機システムであって、
前記コンピュータ装置は、電話番号データベースと、前記電話番号データベースに蓄積された電話番号のリストをディスプレイに表示して任意の電話番号を選択させ、前記IP電話機に送信する電話番号選択手段とを備え、
前記IP電話機は、前記電話番号を受信する電話番号受信手段と、発信切り替え手段とを備え、前記電話番号受信手段が電話番号を受信した際に、前記発信切り替え手段が当該電話番号を発信先の電話番号として切り替えることを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記コンピュータ装置は、更に、前記電話番号選択手段から起動される電話番号検索手段を備え、該電話番号検索手段は電話番号検索画面を表示し、電話番号検索画面から入力された検索条件に従って、前記電話番号データベースを検索することを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明において、前記電話番号選択手段は、アプリケーションプログラムで構成され、前記コンピュータ装置が動作状態にある時は、常に動作状態にされ、ディスプレイに表示される所定の画像を操作することによって直ちに起動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1にかかる発明においては、IP電話機システムはIP電話機と該IP電話機に接続されるコンピュータ装置とからなり、コンピュータ装置は、電話番号データベースに蓄積された電話番号のリストをディスプレイに表示して任意の電話番号を選択させ、IP電話機に送信する電話番号選択手段とを備え、IP電話機は、コンピュータ装置から電話番号を受信すると、発信切り替え手段が当該電話番号を発信先の電話番号として切り替えて発信する。従って、IP電話機の利用者はコンピュータ装置を使用してワンタッチで所望の発信先電話番号を指定してIP電話機に発信させることができるようになる。
【0016】
このため、IP電話機にワンタッチダイヤル登録するための機構等を増大させることなくコンピュータ装置の電話番号データベースに所望の数の電話番号を登録することができるようになる。また、コンピュータ装置の広いディスプレイを使用すれば、より多くの宛て先を一度に表示させることができるようになる。
【0017】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、コンピュータ装置は、更に、電話番号選択手段から起動される電話番号検索手段を備え、該電話番号検索手段は電話番号検索画面を表示し、電話番号検索画面から入力された検索条件に従って、前記電話番号データベースを検索する。従って、電話番号データベースに登録する電話番号が多くなっても、容易に任意の電話番号を選択することができるようになる。そして、IP電話機の利用者はコンピュータ装置を使用してワンタッチで所望の発信先電話番号を指定してIP電話機に発信させることができるようになる。また、IP電話機にワンタッチダイヤル登録するための機構等を増大させることなくコンピュータ装置の電話番号データベースに所望の数の電話番号を登録することができるようになる。
【0018】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または2にかかる発明において、電話番号選択手段は、アプリケーションプログラムで構成され、前記コンピュータ装置が動作状態にある時は、常に動作状態にされ、ディスプレイに表示される所定の画像を操作することによって直ちに起動する。従って、IP電話機の利用者はコンピュータ装置を使用してワンタッチで所望の発信先電話番号を指定してIP電話機に発信させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明にかかるIP電話機システムが適用されるIP電話システムのシステム構成図である。図2は、本発明の実施例にかかるIP電話機システムの構成を示すブロック図である。図3は、本発明の実施例にかかるIP電話機システムの動作手順を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施例にかかるIP電話機システムの他の動作手順を示すフローチャートである。
【実施例】
【0020】
本発明の実施例にかかるIP電話機システムが適用されるIP電話機システム10は、図1に示すように、LAN11とLAN11に接続されるIP電話機12a〜12dおよび各IP電話機12a〜12dに接続されるパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置17a〜17dと、LAN11に接続されるゲートウェイ(以下、GWと記す)13と、LAN11に接続されるSIPサーバ14とから構成される。また、GW13は公衆回線電話交換網(以下、PSTNと記す)15と接続される。また、LAN11はVPN(Virtual Private Network)やインターネットなどのネットワーク16と接続される。
【0021】
IP電話機12a〜12dは、固有の電話番号とIPアドレスを有し、GW13およびSIPサーバ14のIPアドレスを記憶している。またIP電話機12a〜12d(以下、1台のIP電話機を説明する場合、単にIP電話機12という)は複数の音声コーデックを備え、通信相手と共通な音声コーデックを用いることで通信可能となる。
【0022】
GW13は、PSTN15の局交換機(不図示)と接続するためのものであり、呼制御機能や音声符号化機能を備えている。IP電話機12a〜12dの何れかとPSTN15に接続される固定電話局(不図示)とが通話する際には、SIPサーバ14,GW13,PSTN15を介して呼制御される。
【0023】
SIPサーバ14は、電話番号とIPアドレスの対応付けである番号翻訳を行い、着信時には、電話番号から対応するIPアドレスを有するIP電話機を特定して着信通知を行う。IP電話機12a〜12dの何れか同士で通話する場合やネットワーク16を介して接続される場合には、GW13は経由せずSIPサーバ14のみを経由する。
【0024】
コンピュータ装置17a〜17dは、接続を図示してはいないが、IP電話機12a〜12dを介することなくLAN11に接続され、LAN11に接続された他の機器と通信し、あるいは、インターネット等のネットワーク16と接続された各種サーバと通信して、所望の処理を行うことができる。
【0025】
本発明の実施例にかかるIP電話機システムは、図2に示すようにIP電話機12とコンピュータ装置17とから構成されている。コンピュータ装置17は、コンピュータ本体40とディスプレイ50とから構成され、コンピュータ本体40には、電話番号DB(データベース)41と、電話番号選択手段42、電話番号検索手段43が設けられている。電話番号選択手段42と電話番号検索手段43は、実体はコンピュータ本体40にインストールされたアプリケーションプログラム(以下単にアプリケーションという)によって構成されている。電話番号選択手段42は、電話番号DB41に蓄積されている電話番号(対応する名前やその他の相手方情報)のリストをディスプレイ50の電話番号表示画面51に表示し、マウスなどの入力装置で選択された電話番号をIP電話機12に送信する機能を実行する。この電話番号選択手段42であるアプリケーションは、コンピュータ装置本体40が動作中にはバックグラウンドで常に動作しており、所定の画像、例えば、アイコンをマウスで選択してクリックすることで自動的に起動し、上記の処理を行うものである。
【0026】
なお、電話番号検索手段(アプリケーション)43は、必要に応じてコンピュータ本体40にインストールされるものであり、電話番号選択手段42から起動され、ディスプレイ50に電話番号検索画面52を表示し、ユーザが入力する条件、例えば、名前の頭文字などに基づいて、該当する電話番号を電話番号DB41から該当する電話番号を検索してそのリストを電話番号表示画面51に表示するものである。この機能は、電話番号DB41の蓄積(登録)件数が多い場合に当該アプリケーションをインストールして電話番号選択手段42と組み合わせて使用すると便利である。
【0027】
一方、IP電話機12は、音声出力のためのスピーカ21、音声入力のためのマイク22、音声コーデック23を備えている。音声コーデック23は音声の符号化と複合化、すなわち音声のアナログとデジタルの変換を行う他に、受話音量やマイクの感度変更の機能を備えている。IP電話機12はまた、ディスプレイパネルによる表示部24、操作入力のための操作部26、発信処理手段30を備えている。
【0028】
操作部26は、数字キー261と機能キー262を有しており、数字キー261は発信の際に相手方電話番号を入力する場合などに用いられる。機能キー262はIP電話機12の各種機能を選択するためのキーである。操作部26によって操作された内容は表示部24に表示される。発信処理手段30は、制御手段31、発信切り替え手段32、発信手段33、電話番号受信手段34とから構成されている。制御手段31は、例えば、マイクロプロセッサからなり、図示しないROMあるいはEEPROMに格納された制御プログラムにより上記の各手段を制御するものである。この制御手段31は、発信処理手段30に専用に設けられたものでもよく、IP電話機12の他の制御機能と兼用されるものであってもよい。
【0029】
電話番号受信手段34は、コンピュータ装置17から送られる発信先の電話番号を受信して一時記憶するためのものである。通常、発信切り替え手段32は、IP電話機12の操作部26から入力された発信先電話番号をネットワーク管理サーバに送信するように設定されているが、コンピュータ装置17から送られる発信先の電話番号を電話番号受信手段34が受信した場合には、発信切り替え手段32が発信手段33を動作させるように切り替え、該電話番号受信手段34に一時記憶した発信先の電話番号をネットワーク管理サーバに送信する。
【0030】
コンピュータ装置17から送られる電話番号は、先に説明したように、電話番号選択手段42を起動して電話番号表示画面51に表示された電話番号のリストから、ユーザがマウスにより選択、決定した電話番号である。
【0031】
図3は、以上のようなIP電話機システムの発信処理の手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートに示すように、先ず、コンピュータ装置17において、ディスプレイ50に表示された所定のアイコン(電話番号選択手段42を選択するためのアイコン。図4参照)がクリックされると、ステップS20において電話番号選択手段42が起動され、電話番号選択手段42は、電話番号DB41に蓄積されている電話番号(対応する名前やその他の相手方情報)のリストをディスプレイ50の電話番号表示画面51に表示する。次いで、ステップS21で、電話番号表示画面51に表示された電話番号リストから任意の発信先電話番号がマウスなどの入力装置で選択されると、ステップS22において電話番号選択手段42は、選択された発信先の電話番号をIP電話機12に送信する。
【0032】
尚、図4〜図5はコンピュータ装置17のディスプレイ50の表示例を示す図である。ディスプレイ50にはG1〜G7のグループ分けされた宛て先のアイコンと、マウスにより移動するカーソルが表示される。図4に示す如く、カーソル移動に伴い、カーソルが示す宛て先の詳細情報(名前、電話番号、郵便番号、住所、分類、顔の画像)を自動的に表示する。図5に示す如く、右クリックすると、編集の表示を行い、削除や新規作成などの編集をすることができる。図6に示す如く、左クリック(通常のクリック)をすると、ダイヤル発信の表示をし、前述のステップS21の動作を行う。このように、小さなアイコンにより多くの宛て先を表示することができ、また、夫々の名前や電話番号などをダイヤル発信前に確認することができる。
【0033】
以上のようにしてコンピュータ装置17からIP電話機12に発信先の電話番号が送られると、IP電話機12側では、先ずステップS23において電話番号受信手段34が電話番号を受信して一時記憶する。次いで、ステップS24において発信切り替え手段32は発信先を電話番号受信手段34が受信して一時記憶している電話番号に切り替え、ステップS25で発信手段33が当該電話番号を発信先としてネットワーク管理サーバに送信する。
【0034】
図7は、本発明にかかるIP電話機システムの発信処理の他の手順を示すフローチャートである。この処理手順は、コンピュータ装置17に電話番号検索手段(アプリケーション)43がインストールされている場合の手順である。先ず、コンピュータ装置17において、ディスプレイ50に表示された所定のアイコン(電話番号選択手段42を選択するためのアイコン)がクリックされると、ステップS30において電話番号選択手段42が起動され、その初期画面で電話番号検索手段43が起動されるとステップS31においてディスプレイ50に電話番号検索画面52が表示される。この画面で検索条件、例えば、電話番号DB41に蓄積された名前の頭文字が指定されると、ステップS32において電話番号検索手段43は電話番号DB41を検索し、ステップS33において検索した電話番号のリストがディスプレイ50の電話番号表示画面51に表示される。
【0035】
次いで、ステップS34で、電話番号表示画面51に表示された電話番号リストから任意の発信先電話番号がマウスなどの入力装置で選択されると、ステップS35において、電話番号選択手段42は、選択された発信先の電話番号をIP電話機12に送信する。
【0036】
この後のIP電話機12側の処理手順は、図3の手順と同様である。すなわち、コンピュータ装置17からIP電話機12に発信先の電話番号が送られると、IP電話機12側では、ステップS36において電話番号受信手段34が電話番号を受信して一時記憶する。次いで、ステップS37において発信切り替え手段32は発信先の電話番号を電話番号受信手段34が受信して一時記憶している電話番号に切り替え、ステップS38で発信手段33が当該電話番号を発信先としてネットワーク管理サーバに送信する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるIP電話機システムは、IP電話機に接続されるコンピュータ装置に、電話番号DBとコンピュータ装置が起動状態で常時動作する電話番号選択手段(アプリケーション)を備え、ワンタッチで電話番号選択手段を起動し電話番号DBに蓄積された電話番号をリスト表示させ、その中から任意の発信電話番号を選択してIP電話機に送りIP電話機が当該電話番号を発信先として発信するものである。
【0038】
従って、ワンタッチダイヤルの発信操作がコンピュータ装置から極めて簡単にできるようになる。また、ワンタッチダイヤル登録のためにIP電話機のキー数を増加させることなく、電話番号DBに容易に任意の数の発信先電話番号を登録することができるようになる。更に、発信先の電話番号に関する名前やその他の付帯情報も電話番号DBに任意に蓄積でき、ディスプレイに表示することができるため、発信先電話番号の選択が容易になる。すなわち、本発明によれば、このような種々の利点を有するIP電話機システムを提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明にかかるIP電話機システムが適用されるIP電話システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかるIP電話機システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかるIP電話機システムの動作手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例にかかるIP電話機システムのアイコン表示を示す図である。
【図5】本発明の実施例にかかるIP電話機システムのアイコン表示を示す図である。
【図6】本発明の実施例にかかるIP電話機システムのアイコン表示を示す図である。
【図7】本発明の実施例にかかるIP電話機システムの他の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】一般的なIP電話機1の外観を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
12・・・・IP電話機
21・・・・スピーカ
22・・・・マイク
23・・・・音声コーデック
24・・・・表示部
26・・・・操作部
261・・・数字キー
262・・・機能キー
30・・・・発信処理手段
31・・・・制御手段
32・・・・発信切り替え手段
33・・・・発信手段
34・・・・電話番号受信手段
17・・・・コンピュータ装置
40・・・・コンピュータ本体
41・・・・電話番号DB(データベース)
42・・・・電話番号選択手段
43・・・・電話番号検索手段
50・・・・ディスプレイ
51・・・・電話番号表示画面
52・・・・電話番号検索画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP電話機と該IP電話機に接続されるコンピュータ装置とからなるIP電話機システムであって、
前記コンピュータ装置は、電話番号データベースと、前記電話番号データベースに蓄積された電話番号のリストをディスプレイに表示して任意の電話番号を選択させ、前記IP電話機に送信する電話番号選択手段とを備え、
前記IP電話機は、前記電話番号を受信する電話番号受信手段と、発信切り替え手段とを備え、前記電話番号受信手段が電話番号を受信した際に、前記発信切り替え手段が当該電話番号を発信先の電話番号として切り替えることを特徴とするIP電話機システム。
【請求項2】
前記コンピュータ装置は、更に、前記電話番号選択手段から起動される電話番号検索手段を備え、該電話番号検索手段は電話番号検索画面を表示し、電話番号検索画面から入力された検索条件に従って、前記電話番号データベースを検索することを特徴とする請求項1に記載のIP電話機システム。
【請求項3】
前記電話番号選択手段は、アプリケーションプログラムで構成され、前記コンピュータ装置が動作状態にある時は、常に動作状態にされ、ディスプレイに表示される所定の画像を操作することによって直ちに起動することを特徴とする請求項1または2に記載のIP電話機システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−54586(P2006−54586A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233522(P2004−233522)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】