説明

ITSシミュレーションシステム

【課題】送信機の送受信性能のバラツキを考慮に入れたITSシミュレーションを実行する。
【解決手段】本ITSシミュレーションシステムでは、車両の移動を模擬する交通流シミュレータ、通信による情報伝達可能性を評価する通信シミュレータ、GPS装置を模擬する位置情報シミュレータ、ITSアプリケーションの動作を模擬するITSシミュレータを連携させてITSシステムのシミュレーションを行う。通信シミュレータにおいては、送信車両における送信出力を、各車両の基準送信出力から所定の変動幅内でランダムに変化させた送信出力を用いて、情報伝達可能性を評価する。同様に、通信シミュレータにおいて、受信車両の最低受信電力をランダムに変化させることも好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ITSシステムのシミュレーションに適用して好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ITSシステム(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)とし
て、路車間通信や車車間通信などの様々なアプリケーションが検討されている。ITSアプリケーションの例としては、GPS装置によって取得した車両位置を周囲の車両と交換し、出会い頭衝突や追突などの危険が発生した場合にドライバに警告したり、運転に介入して危険を回避したりするものが挙げられる。
【0003】
ITSアプリケーションの動作検証のためには、現実の交通環境下で数十〜数百台の車両を用いた実証実験を行う必要があるが、このような実験は非常に大がかりで時間もコストも要する。開発の最終段階ではこのような手法による検証が必要であるが、開発初期段階からこのような検証を頻繁に行うことは現実的ではない。そこで、計算機を用いたシミュレーションによるITSアプリケーションの検証が不可欠となる。
【0004】
通信を利用するITSアプリケーションを評価するためには、ITSアプリケーションシミュレーションに、各時刻における車両位置を決定するマイクロ交通流シミュレーション、送受信ノード間の電波到達可能性を評価する電波伝搬シミュレーション、通信によって情報が伝達可能かを評価するネットワークシミュレーションを組み合わせる必要がある。本発明者らは、それぞれの要素シミュレータと通信する統合プラットフォームを開発し、各要素シミュレータの選択や交換が容易な疎結合アーキテクチャの統合シミュレーションシステムを開発している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】疋田敏朗 他、「統合シミュレータによる現実都市環境を模擬した車車間通信シミュレーション」、Dicomo 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
送受信間での通信可能性を評価する通信シミュレータ(電波伝搬シミュレータとネットワークシミュレータの組み合わせ)では、送受信機の送信出力に一定の値を用いてシミュレーションを行っている。しかしながら、現実の無線機は工業製品であるため、基準値の枠の中である程度の範囲にわたって出力が分布することになる。
【0007】
ところで、無線パケット通信では、衝突した複数の受信電力差が小さい場合には全てのパケットが損失してしまうが、パケット受信電力差が大きい場合には受信電力の大きなパケットの伝送は成功するというキャプチャ効果と呼ばれる現象が生じる。
【0008】
現実の無線機では上述のように同一無線機であっても送信出力にバラツキが生じ、これによって送受信間の位置関係が同じであってもキャプチャ効果が生じたり生じなかったりする。しかしながら、送信出力を固定値として計算する従来のシミュレーションでは、このような送信出力のバラツキに起因するキャプチャ効果を再現することができない。
【0009】
本発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、その目的は、より現実に近いITSシミュレーションを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明では、以下の手段または処理によってITSシステムの動作をシミュレートする。
【0011】
本発明に係るITSシミュレーションシステムは、
車両動作を模擬し、各時刻での車両位置を求める交通流シミュレータと、
交通流シミュレータによって求められた車両位置における各車両間での通信による情報伝達の可能性を評価する通信シミュレータと、
交通流シミュレータによって求められた車両位置および通信シミュレータによって求められた情報伝達の可能性に基づいて、ITSアプリケーションの動作を模擬し、ITSアプリケーションが車両動作に与える影響を求めるITSアプリケーションシミュレータと、
を備え、
前記通信シミュレータは、送信車両における送信出力を、基準送信出力にランダムな変動を与えることによって決定することを特徴とする。
【0012】
このように本発明におけるITSシミュレーションシステムでは、通信シミュレータで使用する送信車両の送信出力を固定値ではなくしているので、現実の無線機のような送信出力のバラツキを再現できる。したがって、送信出力のバラツキによって生じるキャプチャ効果を再現できることになり、より現実に近いシミュレーションを実行できる。
【0013】
また、本発明において、各車両の基準送信出力および送信出力の変動幅を記憶する記憶手段を有しており、
前記通信シミュレータは、前記基準送信出力と前記変動幅に基づいて定められる分布関数にしたがって、送信出力を決定する
ことが好ましい。
【0014】
また、車両の送信出力だけでなく、最低受信電力についても基準値にランダムな変動を与えることによって決定することも好ましい。すなわち、
各車両の基準最低受信電力および最低受信電力の変動幅を記憶する記憶手段を有しており、
前記通信シミュレータは、前記最低受信電力と前記最低受信電力の変動幅に基づいて定められる分布関数にしたがって、最低受信電力を決定する
ことも好ましい。
【0015】
本発明は、上記処理の少なくとも一部を含むITSシミュレーション方法、または、これらの方法を実現するためのプログラムとして捉えることもできる。上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送信機の送信出力のバラツキを考慮に入れた、より現実に近いITSシミュレーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ITS統合シミュレータの概要構成を示す図である。
【図2】ITS統合シミュレータにおける各要素シミュレータの連携を説明する図である。
【図3】通信シミュレータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】通信シミュレータで利用する送信出力の変動分布を説明する図である。
【図5】キャプチャ効果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
図1は、要素シミュレータを連携させて、通信を利用したITSアプリケーションを評価可能な統合シミュレータ(ITSシミュレーションシステム)の機能構成を示す図である。複数の要素から成り立つ現象をシミュレーションする場合は、それぞれの要素シミュレータを内部で密に組み合わせる方式もあるが、本実施形態においてはそれぞれ単体で動作する要素シミュレータを疎に結合する方式を採用している。疎結合アーキテクチャは、統合シミュレーションプラットフォーム(以下、ISPとも表記する)1を用意し、各要素シミュレータを通信により結合する。このような方式を採用する理由は、評価目的に応じて、要素シミュレータを適宜選択・交換可能とするためである。
【0019】
本発明に係る統合シミュレータは、ISP1によって交通流シミュレータ9、通信シミュレータ10、位置情報シミュレータ11、ITSアプリケーションシミュレータ12を要素シミュレータとして用いる。交通流シミュレータ9は、車両の移動を模擬して、各時刻の車両を決めるマイクロ交通流シミュレータである。通信シミュレータ10は、車両の位置が刻々と変化する各時点において、車両間あるいは車両と路側通信設備との間で通信が可能か否かの評価、および、通信によって情報が伝達できるかを評価する。位置情報シミュレータ11は、各車両がGPS装置から取得する測位情報を求めるものである。ITSアプリケーションシミュレータ12は、車載機器や路側設備のITSアプリケーションを模擬して車両動作に与える影響を評価する。なお、これらの要素シミュレータは、さらに複数のシミュレータから構成されても構わない。たとえば、通信シミュレータは、電波伝搬シミュレータとネットワークシミュレータとから構成されても構わない。
【0020】
ISP1は、各要素シミュレータの連携を管理する全体管理モジュール2と、各要素シミュレータを制御する各種コントローラ(交通流コントローラ3、通信コントローラ4、位置情報コントローラ5、ITSアプリケーションコントローラ6)を有する。ISP1は、各要素シミュレータの各タイムステップにおける状態を記憶する状態データ記憶部7を備える。状態データ記憶部7では、各車両の状態(位置、走行方向、速度、加速度の他種々の情報を含む)を記憶する。ISP1はまた、シミュレーションにおいて発生するイベント(たとえば、ドライバによる急制動、ITSアプリケーションによる衝突回避制御の開始、通信の発生など)を記憶するイベントデータ記憶部8を備える。
【0021】
なお、本実施形態に係る統合シミュレータは、ハードウェアの観点からは、中央演算処理装置(CPU)、RAM等の主記憶装置、HDDやCD−ROM等の補助記憶装置、入出力装置等を含むコンピュータから構成される。このようなコンピュータがプログラムを実行することによって上記の各機能部が実現されるが、これらの機能部のうち一部または全部について専用の回路によって実現しても構わない。なお、本統合シミュレータを複数のコンピュータまたは複数のプロセッサを含むコンピュータによって構成し、各要素シミュレータをそれぞれ並列に実行することも好ましい。
【0022】
全体管理モジュール2は、シミュレーション開始時刻、終了時刻、1タイムステップの時間などを含むシミュレーションパラメータ13を受け付けてシミュレーションを開始する。シミュレーションパラメータ13には、各車両の初期位置や、各車両が有する機器の性能等が含まれ、特に機器性能の一つとして車両に搭載される無線機の送信出力の基準値(基準送信出力)および送信出力の変動幅が含まれる。入力されたパラメータは不図示の記憶手段に記憶される。全体管理モジュール2は、状態データ記憶部7に格納されている状態データや、イベントデータ記憶部8に格納されているイベントデータ、地図・地形データベース14に格納されている地図・地形データを、コントローラ経由で各要素シミュ
レータに渡して、要素シミュレーションを実行させて、その結果を受け取る。要素シミュレータによる計算結果は、状態データ記憶部7やイベントデータ記憶部8に記憶される。なお、コントローラと各要素シミュレータの間には、要素シミュレータごとの差異を吸収するためのインタフェース9a,10a,11a,12aが設けられており、要素シミュレータを修正することなく利用可能である。
【0023】
このような統合シミュレータにおける、シミュレーションの全体的な処理の流れを、図2を参照して説明する。まず初期状態に基づいて交通流シミュレータ9が車両動作を模擬することで、次タイムステップにおける各車両の位置を算出する。このようにして求められた各車両の位置は、シミュレーション内での車両の正確な位置を表すものであり、誤差は含まれていない。ITSアプリケーションシミュレータ12は交通流シミュレータ9で計算した1タイムステップの間に発生する通信を抽出して、通信発生イベントとして通信シミュレータ10へ渡す。通信シミュレータ10は、各車両の正確な位置に基づいて、通信発生イベントに含まれるそれぞれの通信によって車両間で情報伝達が可能であるか否かの判断を行う。このとき通信シミュレータ10は、送信車両の基準送信出力にランダムなバラツキを与えた値を送信出力として、情報伝達可能性の判断を行う。位置情報シミュレータ11は、各車両の正確な位置に基づいて、各車両のGPS装置によって得られるGPS測位情報を求める。このGPS測位情報は、GPS装置における測位誤差が含まれるものである。この誤差を含む位置情報が車両間の通信でやりとりされる位置情報である。そして、ITSアプリケーションシミュレータ12は、情報伝達可能な車両間におけるITSアプリケーションの動作を模擬する。ここで、ITSアプリケーションシミュレータ12は、位置情報シミュレータ11によって得られた誤差を含んだ車両位置情報を利用してITSアプリケーションの動作を模擬する。そして、このITSアプリケーション動作が車両動作に与える影響を考慮して、次タイムステップの車両の位置を、交通流シミュレータ9によって算出する。以下、上記の処理を繰り返すことで、ITSシステムのシミュレーションが実行される。なお、ここでは各要素シミュレータが直接連携するように説明したが、本実施形態においては全てのデータ連係はISP1を介して行われることは上述したとおりである。
【0024】
このように、本統合シミュレータでは、送信出力として、基準送信出力にバラツキを与えた値を利用しているため、現実の無線機同様の送信出力のバラツキを再現できる。したがって、送信出力のバラツキに起因するキャプチャ効果の再現も可能であり、より現実に即したシミュレーションを実行できる。また、GPSの測位誤差を考慮しているので、より現実に近いITSシステムのシミュレーションを実行できる。
【0025】
また、本統合シミュレータでは、ITSアプリケーションシミュレータ12が利用する位置情報は、交通流シミュレータ9によって求められた正確なものではなく、位置情報シミュレータ11によって求められた測位誤差を含むものである。このため、測位誤差を含む位置情報に基づいた動作を行う現実のITSアプリケーションの模擬を行うことができる。なお、送信機の送信出力のバラツキを再現するという目的では、位置情報シミュレータによって測位誤差を再現する構成は省略しても構わない。
【0026】
以下、通信シミュレータ10が行う通信シミュレーション処理について、より詳しく説明する。図3は、通信シミュレータ10が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
まず、通信シミュレータ10は、ISP1から各車両の基準送信出力と変動幅を取得して、車両ごとの送信出力の変動分布を設定する(ステップS11)。なお、各車両の基準送信出力と変動幅は、パラメータ13としてISP1に与えられる。また、変動分布としては、基準送信出力を中心として、変動幅で指示される程度のバラツキを再現できる分布であればどのようなものであっても採用可能である。たとえば、変動分布として図4(A
)に示すように、基準送信出力P(たとえば10mW)、変動幅をδ(例えば20%=2mW)として、P±δの範囲での一様分布とすることができる。また、たとえば図4(B)に示すように、平均をP、分散をδ(δ/2等でも良い)とする正規分布とすることもできる。
【0028】
そして、通信シミュレータ10は、ステップS11で決定した変動分布にしたがって、それぞれの車両の送信出力をランダムに決定する(ステップS12)。
【0029】
なお、変動分布の設定(ステップS11)は、最初に一回だけ設定して、その後は同じ分布を利用することができる。また、送信出力の決定(ステップS12)は、各タイムステップにおいて実行することが望ましいが、数タイムステップおきに送信出力を決定するような構成としても構わない。
【0030】
通信シミュレータ10は、上記のようにして決定した車両の送信出力を利用して通信による情報伝達の可能性のシミュレーションを実行する(ステップS12)。具体的には、交通流シミュレータから各車両の位置や、地図データから地物の情報を取得して、電波伝搬解析および通信の各レイヤのシミュレーションを行う。電波伝搬解析では、上記で決定した送信出力を用いて計算を行い、各車両における受信電力を計算する。物理層のシミュレーションでは、受信車両における受信電力がその受信車両の最低受信電力を越えていれば通信可能であると判断する。なお、物理層のシミュレーションでは、パケットが衝突した場合であっても、受信電力差が十分大きければ(キャプチャレシオよりも大きければ)、受信電力が大きい方のパケットは受信可能であると判断する。キャプチャ効果が生じる場合としては、図5(A)に示すように受信電力が大きいパケットAを受信中に受信電力が小さいBが衝突する場合と、図5(B)に示すように受信電力が小さいパケットCを受信中に受信電力が大きいパケットDが衝突する場合がある。いずれの場合も、受信電力が大きなパケットA,Dは受信可能であるのに対し、受信電力が小さいパケットB,Cは受信できない。なお、衝突したパケットの受信電力の差が小さい場合には、いずれのパケットも受信できないと判断する。通信シミュレータ10では、さらに上位層のシミュレーションも行って、無線通信による情報伝達が可能であるかの判断を行う。
【0031】
本実施形態によれば、車両における送信機の送信出力のバラツキを考慮に入れたシミュレーションが実行可能であり、したがって、より現実に即したシミュレーションが実行可能である。
【0032】
<第2の実施形態>
前記第1の実施形態では、無線機の送信性能(送信出力)にバラツキを与えている。しかし、実際の無線機では、送信性能がばらつくだけではなく、受信性能(最低受信電力)にもバラツキが生じる。そこで、各車両における最低受信電力についても、基準値(基準最低受信電力)と変動幅とをパラメータとして与えて、各タイムステップにおける車両ごとの最低受信電力をランダムに決定しても良い。計算に利用する最低受信電力の決定は、第1の実施形態における送信出力の決定方法と同様に行えるため、詳しい説明は省略する。
【0033】
本実施形態によれば、車両における受信機の受信性能のバラツキも考慮に入れたシミュレーションが実行可能であり、したがって、より現実に即したシミュレーションが実行可能である。
【0034】
なお、送信電力および最低受信電力のいずれについても、現実の無線機で生じる基準値(規格値)からの誤差を本シミュレーションで再現することができれば、誤差の再現方法は上記で説明した方法に限る必要はない。たとえば、車載機ごとに送信電力や最低受信電
力の分布関数をパラメータとして与え、この分布にしたがってこれらを決定しても構わない。
【符号の説明】
【0035】
1 統合シミュレーションプラットフォーム(ISP)
9 交通流シミュレータ
10 通信シミュレータ
11 位置情報シミュレータ
12 ITSアプリケーションシミュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両動作を模擬し、各時刻での車両位置を求める交通流シミュレータと、
交通流シミュレータによって求められた車両位置における各車両間での通信による情報伝達の可能性を評価する通信シミュレータと、
交通流シミュレータによって求められた車両位置および通信シミュレータによって求められた情報伝達の可能性に基づいて、ITSアプリケーションの動作を模擬し、ITSアプリケーションが車両動作に与える影響を求めるITSアプリケーションシミュレータと、
を備え、
前記通信シミュレータは、送信車両における送信出力を、基準送信出力にランダムな変動を与えることによって決定することを特徴とするITSシミュレーションシステム。
【請求項2】
各車両の基準送信出力および送信出力の変動幅を記憶する記憶手段を有しており、
前記通信シミュレータは、前記基準送信出力と前記送信出力の変動幅に基づいて定められる分布関数にしたがって、各車両の送信出力を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のITSシミュレーションシステム。
【請求項3】
各車両の基準最低受信電力および最低受信電力の変動幅を記憶する記憶手段を有しており、
前記通信シミュレータは、前記基準最低受信電力と前記最低受信電力の変動幅に基づいて定められる分布関数にしたがって、各車両の最低受信電力を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のITSシミュレーションシステム。
【請求項4】
コンピュータが、
車両動作を模擬し、各時刻での車両位置を求める交通流模擬工程と、
交通流模擬工程において求められた車両位置における各車両間での通信による情報伝達の可能性を評価する通信模擬工程と、
交通流模擬工程において求められた車両位置および通信模擬工程において求められた情報伝達の可能性に基づいて、ITSアプリケーションの動作を模擬し、ITSアプリケーションが車両動作に与える影響を求めるITSアプリケーション模擬工程と、
を実行し、
前記通信模擬工程では、送信車両における送信出力を、基準送信出力にランダムな変動を与えることによって決定することを特徴とするITSシミュレーション方法。
【請求項5】
前記通信模擬工程では、予め記憶された各車両の基準送信出力および送信出力の変動幅に基づいて定められる分布関数にしたがって、各車両の送信出力を決定する
ことを特徴とする請求項4に記載のITSシミュレーション方法。
【請求項6】
前記通信模擬工程では、予め記憶された各車両の基準最低受信電力および最低受信電力の変動幅に基づいて定められる分布関数にしたがって、各車両の最低受信電力を決定する
ことを特徴とする請求項4または5に記載のITSシミュレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−164983(P2011−164983A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27794(P2010−27794)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】