説明

IV型過敏性反応の治療のためのエスシンの使用

本発明は、接触皮膚炎などのIV型過敏性反応またはIV型過敏性反応の症状の治療用の医薬製剤の製造のためのエスシンの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫学の分野に関する。
本発明は、免疫学的影響に関する。クームおよびゲル分類体系によれば、過敏性反応は、4つの型を定義することができる:古典的な急性アレルギー反応とも称されるI型は、免疫グロブリンE(IgE)というクラスの抗体によって媒介される。II型過敏性の様式の機能は、毒性であり、そのメカニズムは、クラスIgMまたはIgGの抗体および補体系に依存する。III型免疫複合体疾患もまた、IgGおよび補体系を介して誘発される。言及した急性型の反応とは対照的に、IV型の過敏性は、遅延型であり、抗体ではなくT細胞がメディエーターとして働く。
【背景技術】
【0002】
IV型過敏性反応の症状として、鼻水が出るなどの軽い症状が挙げられるが、ツタウルシにかぶれて出る発疹、接触皮膚炎、過敏性肺炎または同種異系移植片拒絶反応などの、より重篤な状態も含まれる。薬品治療は、市販もしくは処方されるコルチコステロイド製剤、注射もしくは経口用コルチコステロイドおよび酢酸アルミニウム水溶液からなる製剤であるブロー液など様々である。臨床的に投与されたコルチコステロイドは、免疫系を抑制し、ブロー液は、収斂性および抗菌性を有する。治療は、特に長期間使用する場合に、副作用を引き起こしうる。IV型過敏症患者の数は、世界的に上昇し、極めて一般的である。
【0003】
記載された最初の遅延型過敏性反応は、ツベルクリン抗原(ツベルクリン反応)のみについて用いられたが、その定義は、後に拡張され、他の細菌およびウイルス抗原に対する細胞性反応、アジュバントもしくはハプテンを有する純粋なタンパク質への反応、および同種異系移植片に対する宿主反応を含むようになった。この反応は、メモリーT細胞の存在に絶対的に依存することが明らかにされている。細胞のCD4+画分とCD8+画分の両方が、反応を調節することが明らかにされている。用語「慢性移植片拒絶」は、拒絶が移植組織に対する慢性免疫反応に起因する場合用に当てられている。これは、およそ10年後に、新たな臓器移植の必要性をもたらすことが多い。
【0004】
移植片対宿主病は、細胞性免疫の結果であり、遅延型過敏性反応の一例である。移植片対宿主病と同様の細胞性免疫による疾患は、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、副腎炎、多発性筋炎および悪性貧血などの自己免疫疾患である。病態は、単核細胞浸潤および組織崩壊のうちの1つである。最終的に、遅延型過敏症を、個々の現象ではなく、抗原に対する一群の関連反応であるとみなすが必要である。これらの反応として、ツベルクリン反応、ジョーンズ・モート反応、接触過敏症および移植片拒絶が挙げられる。これらの反応は、さらに、CD4+およびCD8+部分に分割し、次いで、T細胞のサイトカイン分泌パターンに基づいて細分割することができる。
【0005】
遅延型過敏症であるIV型反応は、免疫系が異物であると認識する抗原への曝露の24〜72時間後に生じる炎症反応である。反応は、抗体よりもむしろT細胞によって媒介される。ヘルパーT(Th 1)細胞は、インターフェロンγ、インターロイキンなど(IL)-2および腫瘍壊死因子βなどのサイトカインを産生し、細胞性免疫反応を促進する。
【0006】
本発明の目的は、免疫系のIV型過敏性反応に対する有効な薬物療法を提供することである。
【0007】
本発明は、IV型過敏性反応またはIV型過敏性反応の症状の治療用医薬製剤(薬剤)の製造のためのエスシンの使用を提供する。したがって、本発明は、原因が、IV型過敏性反応媒介されるか、または引き起こされる疾患の治療用医薬製剤の製造のためのエスシンの使用に関する。
【0008】
escine、aescineまたはaescineとも表記されるエスシン(escin)は、抗炎症作用、血管収縮作用および血管保護作用をもつトリテルペンサポニンである。ベー本発明よれば、タエスシンは、エスシンの好ましい変異体である。エスシンは、マロニエともいうセイヨウトチノキの抽出物中の主要活性化合物であり、大部分の医薬特性の原因である。エスシンは、多くの医薬品の成分であり、オーストリーで入手できる実例は、Reparil(登録商標)(Madaus、ウィーン)、Opino(登録商標)(Dr. Kolassa + Merz、ウィーン)およびVenosin(登録商標)(Klinge Pharma、ウィーン)である。前述の第一に臨床的に重要な活性は、慢性静脈不全(CVI)における活性であり、炎症反応、好中球の引き寄せ、静脈へのダメージおよび成長因子の放出を軽減する。
【0009】
エスシンは、前臨床モデルおよびCVI罹患患者の両方において広範に研究されている。エスシンの薬理、薬物動態および治療プロフィールにおける広範な総説が、Sirtori C.R. によって編集されている(Pharmacological Research、Vol. 44(3)2001:183-193)。この情報源によれば、β−エスシンは、罹患した組織における白血球の密度を引き下げることができる血管透過性の低下の原因となる抽出液の活性成分である。エスシンを含む薬品は、外傷、(手術後の)浮腫、血腫、打撲傷、捻挫、腱滑膜炎および脊髄損傷に関連する痛みの治療にも使用を許諾されている。さらに、エスシンは、白血球動員および活性化への干渉によって説明される重要な抗炎症特性を有する。
【0010】
エスシンの加水分解によって、抗炎症剤として使用できるエスシノールが得られる。
【0011】
エスシンの使用は、Tiffany N.らによる多専門的総説(Journal of Herbal Pharmacotherapy、Vol. 2(1)2002:71-85)、CVI適応のためのセイヨウトチノキ抽出物の効能、有効性および安全性を論じる、コクラン共同計画によって行われた系統的総説(Cochrane Database Syst. Rev.、Vol. 1 2006:CD003230;PMID: 16437450) によって取り上げられている。分子レベルにおけるエスシンの作用機序は、いまだ明らかではなく、よって、さらなる調査が提案される。
【0012】
Matsuda H.ら(Bioorg Med Chem Lett 7(13)1997: 1611-1616)は、ラットのカラギーナン誘発浮腫における抗膨潤作用を介して測定された血管収縮に基づき、セイヨウトチノキから単離されたエスシン化合物の抗炎症作用について言及している。それとは対照的に、本発明は、T細胞によって媒介される遅延型IV型過敏症に関する。同様に、Preziosiら(Arzneimittel-Forschung、15(4)(1965): 404-413)は、毛細血管漏出による浮腫におけるエスシンの類似のデータを提示する。
【0013】
Dattner A.M. (Dermatologic Therapy 16(2003):106-113)は、抗炎症作用および血管保護作用をもつ漢方薬の分野においてセイヨウトチノキを論じている。エラスターゼ阻害活性が、エスシンに起因すると考えられている。
【0014】
WO 2008/015007およびEP 1 884 245には、活性顆粒球によって媒介されるか、または引き起こされる疾患、好ましくはI型もしくはIII型過敏性反応または敗血性ショックの治療のためのエスシンが記載されている。しかしながら、治療される疾患はI型およびIII型過敏性反応に関連するもののみであって、IV型過敏性反応の創意に富んだ治療ではない。
【0015】
しかしながら、これらの文献は、エスシンがIV型過敏性反応の治療に適していることを明らかにすることはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
他の情報源によれば、エスシンは、炎症誘発効果を有する。たとえば、エオシンは、いくつかの医薬製剤においてアジュバントとして用いられる(US 7,049,063、US 7,033,827、US 6,943,236、US 6,894,146、US 6,858,204、US 6,800,746、US 6,759,515、US 6,630,305、US 6,509,448、US 6,504,010)。アジュバントは、それ自体特異的抗原作用をもたないが、免疫系を刺激してワクチンに対する反応を増加させる作用剤である。したがって、エスシンは、特定の条件において免疫刺激用途も有する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、IV型過敏性反応によって媒介されるか、または引き起こされる病気の治療用医薬製剤(または薬剤)の製造のためのエスシンの使用を提供する。本発明によれば、エスシンは、IV型過敏性反応によって媒介されるか、または引き起こされる疾患の治療(または予防、予防的治療)、あるいは疾患の原因がIV型過敏性反応に関連する疾患の治療(または予防)にも提供される。IV型過敏性反応が、IV型過敏性反応に関連して治療される、疾患、障害または病気などの医学的状態を含むのが好ましい。特に、IV型過敏性反応は、IV型過敏性疾患、またはIV型過敏性反応もしくは疾患の症状である。しかしながら、実施態様は、顆粒球媒介性疾患、特に、IまたはIII型過敏性反応、炎症、または浮腫の治療まで拡張されない。
【0018】
これらの実施態様において、「予防」は、患者が関連する疾患、反応または状態を決して起こさないという意味では、絶対的な成功と解釈されるべきではなく、予防的治療においての疾患、反応または状態を起こす機会の減少と解釈されるべきである。予防的治療による予防は、IV型過敏性反応関連疾患の発症のリスクの減少という意味で理解されるべきであり、完全なリスク回避という意味ではない。
【0019】
特定の態様において、エスシン製剤の化学的特性は、活性成分の最適配分に寄与し、さらに、エスシンの表面張力パラメーターに影響を与える能力により、罹患粘膜の保護に寄与する。
【0020】
たとえばエスシン抽出物といったような、どのような形態のエスシンでも用いることができるが、本発明医薬製剤においてβ−エスシンを含むか、またはβ−エスシンを使用するのが好ましい。単独活性成分として、または他の成分と組み合わせてエスシンを含有する医薬製剤は、長年にわたって、世界中で市販されており、著しく良好な安全性プロフィールを有している。本発明は、エスシンを含む医薬製剤による、IV型過敏性反応、接触皮膚炎または慢性移植片拒絶の治療(または予防的治療による予防)を開示する。
【0021】
エスシンは、一次ヒト血液におけるTNF-αのLPS媒介性放出を用量依存的に阻害する。エスシンは、インビボモデルにおいて、強い過敏性反応の影響も減少させる。驚くべきことに、エスシンが、接触皮膚炎のマウスモデルにおいて、局所性炎症を減少させることが初めて示された。
【0022】
IV型過敏性反応が、慢性過敏性反応または慢性疾患であるのが好ましい。したがって、単独または他の薬物との組み合わせでのエスシンの使用は、慢性患者にとって魅力的な選択肢である。特定の実施態様において、過敏性疾患は、細胞または抗体によって媒介される遅延型IV型反応である。IV型過敏性反応は、特に、CD8+細胞および/またはCD4+細胞、とりわけ、Th1および/またはTh2細胞などのT細胞によって媒介されるか、または引き起こされる。
【0023】
さらなる実施態様において、製剤は、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、慢性移植片拒絶、移植片対宿主病、細胞性自己免疫疾患、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、副腎炎、多発性筋炎または悪性貧血のいずれか1つからの過敏性反応を治療するために用いられる。
【0024】
医薬製剤が、局所または粘膜適用のための剤形、好ましくはローション剤、クリーム剤、軟膏剤、散剤、被覆剤、パッチ剤、バンドエイド、スプレー剤、分散媒およびうがい薬であるのが好ましい。エスシン製剤は、過敏性疾患の皮膚または粘膜の症状を治療するための局所適用に特に適している。しかしながら、たとえば、非経口または経口(特定の粘膜治療のためでもある)などの全身性治療も可能である。
【0025】
さらなる実施態様は、製剤が、好ましくは香錠、錠剤、トローチ、ロゼンジ、丸剤、ガム、散剤または飲用液剤の剤形での経口摂取用であることを特徴とする。エスシンの全身または局所への分布は、当業界で公知の製剤設計および担体によって促進されうる。
【0026】
製剤は、医薬的担体、賦形剤、好ましくはポリマー賦形剤、または添加剤を含んでもよい。用語「担体」は、組成物をそれとともに投与しうる、水、生理食塩水などの希釈剤、賦形剤またはビヒクルを意味する。固体または液体組成物にとって、医薬組成物中の担体または添加剤は、SiO2、TiO2、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(ポリビドンまたはポビドン)、トラガカントガム、ゼラチン、デンプン、ラクトースまたはラクトース一水和物、アルギン酸、トウモロコシデンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウムまたはラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤または界面活性剤;コロイダルシリカなどの流動促進剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味料を含んでもよい。製剤が、クエン酸、酢酸、フマル酸、塩酸、リンゴ酸、硝酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、酒石酸またはその組み合わせなどから選ばれる緩衝液またはpH調整剤を含むのが好ましい。ナトリウム塩などの医薬的に許容しうる塩の形態でのエスシンを用いてもよい。他の医薬的に許容しうる塩として、特に、カリウム塩、リチウム塩およびアンモニウム塩が挙げられる。好ましい賦形剤は、ポリマー、特に、セルロースおよびセルロース誘導体である。
【0027】
さらなる実施態様において、製剤は、好ましくはポリマー由来の医薬的担体、賦形剤、媒介体(vector)、添加剤またはアジュバントを含む。
【0028】
エスシンが、0.01 mg/患者の体重kg〜500 mg/kg、好ましくは0.1 mg/kg〜100 mg/kg、最も好ましくは1 mg/kg〜40 mg/kgの用量での投与用に製剤されるのが好ましい。本発明はまた、本発明医薬組成物の使用を提供する。本発明製剤は、IV型過敏性反応が起こるのと同時に投与されることに限定されず、たとえば予防的治療、すなわち、反応力を減少させるための免疫刺激剤への予期された曝露の前の治療のために反応の前または後に用いることもできる。
【0029】
以下の図面および実施例によって、本発明をさらに説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】オキサゾロン誘発接触皮膚炎モデルにおけるエスシンの効能。チャレンジの6時間前に、0.9%生理食塩水溶液をビヒクルとして用い、3 mg/kgのエスシンを腹腔内に適用した。y軸は、0.01 mm単位での、チャレンジした耳の厚みとビヒクル処置した耳の厚みとの正味の差異である。棒は、5匹の動物の平均を表し、SEMを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施例
IV型過敏性反応、特に接触皮膚炎のモデルであるBALB/cマウスのオキサゾロン誘発局所性炎症において、腹腔内注射により、抗炎症活性についてエスシンを評価した。非チャレンジのコントロールと比較した、チャレンジした耳の膨潤を、誘発された接触皮膚炎のためのパラメーターとして測定した。結果から、エスシンが、オキサゾロン適用の6時間後に、オキサゾロン誘発性の耳膨潤の有意な抑制を引き起こしたことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IV型過敏性反応またはIV型過敏性反応の症状の治療用の医薬製剤の製造のためのエスシンの使用。
【請求項2】
エスシンが、β−エスシンである請求項1に記載の使用。
【請求項3】
IV型過敏性反応が、V型過敏性反応に関連して治療される、疾患、障害もしくは病気などの医学的状態を含む請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
IV型過敏性反応が、IV型過敏性疾患である請求項1〜3のいずれか1つに記載の使用。
【請求項5】
反応が、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、慢性移植片拒絶、移植片対宿主病、細胞性自己免疫疾患、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、副腎炎、多発性筋炎または悪性貧血から選ばれる状態に関連するか、または疾患が、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、慢性移植片拒絶、移植片対宿主病、細胞性自己免疫疾患、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、副腎炎、多発性筋炎または悪性貧血のいずれか1つから選ばれる状態から選ばれる請求項1〜4のいずれか1つに記載の使用。
【請求項6】
過敏性反応が、遅延型であり、T細胞によって媒介される請求項1〜5のいずれか1つに記載の使用。
【請求項7】
製剤が、局所または粘膜使用のための剤形、好ましくは皮膚ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、散剤、パッチ剤、スプレー剤、分散媒およびうがい溶液の剤形である請求項1〜6のいずれか1つに記載の使用。
【請求項8】
製剤が、好ましくは香錠、錠剤、ガム、トローチ、ロゼンジ、丸剤、散剤または飲用液剤の剤形での経口摂取用である請求項1〜7のいずれか1つに記載の使用。
【請求項9】
製剤が、好ましくはポリマー由来の医薬的担体、賦形剤、媒介体、添加剤またはアジュバントを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の使用。
【請求項10】
エスシンが、0.01 mg/体重kg〜500 mg/体重kg、好ましくは0.1 mg/体重kg〜100 mg/体重kg、最も好ましくは1 mg/体重kg〜40 mg/体重kgの用量での投与用に製剤される請求項1〜9のいずれか1つに記載の使用。
【請求項11】
エスシンを含む製剤を患者に投与することを含む、患者のIV型過敏性反応またはIV型過敏性反応の症状を治療する方法。
【請求項12】
エスシンが、β−エスシンである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
IV型過敏性反応が、IV型過敏性反応に関連して治療される、疾患、障害または病気などの医学的状態を含む請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
IV型過敏性反応が、IV型過敏性疾患である請求項11〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
反応が、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、慢性移植片拒絶、移植片対宿主病、細胞性自己免疫疾患、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、副腎炎、多発性筋炎または悪性貧血から選ばれる状態に関連するか、または疾患が、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、慢性移植片拒絶、移植片対宿主病、細胞性自己免疫疾患、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、副腎炎、多発性筋炎または悪性貧血のいずれか1つから選ばれる状態から選ばれる請求項11〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
過敏性反応が、遅延型であり、T細胞によって媒介される請求項11〜15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
製剤が、局所または粘膜使用のための剤形、好ましくは皮膚ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、散剤、パッチ剤、スプレー剤、分散媒およびうがい溶液の剤形である請求項11〜16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
製剤が、好ましくは香錠、錠剤、ガム、トローチ、ロゼンジ、丸剤、散剤または飲用液剤の剤形での経口摂取用である請求項11〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
製剤が、好ましくはポリマー由来の医薬的担体、賦形剤、媒介体、添加剤またはアジュバントを含む請求項11〜18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
エスシンが、0.01 mg/体重kg〜500 mg/体重kg、好ましくは0.1 mg/体重kg〜100 mg/体重kg、最も好ましくは1 mg/体重kg〜40 mg/体重kgの用量での投与用に製剤される請求項11〜19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
IV型過敏性反応またはIV型過敏性反応の症状の治療における使用のためのエスシン。
【請求項22】
IV型過敏性反応またはIV型過敏性反応の症状の治療における使用のためのエスシンを含む医薬組成物。
【請求項23】
請求項22に記載の医薬組成物に必要に応じて含まれるエスシンが、請求項2〜10のいずれか1つでさらに定義される請求項21に記載のエスシン。

【図1】
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【公表番号】特表2012−509355(P2012−509355A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543759(P2011−543759)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065237
【国際公開番号】WO2010/057856
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(509035244)マリノメド・ビオテヒノロギー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】MARINOMED BIOTECHNOLOGIE GMBH
【Fターム(参考)】